(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131369
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】膨化菓子の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20240920BHJP
A21D 2/36 20060101ALI20240920BHJP
A21D 10/00 20060101ALI20240920BHJP
A21D 13/60 20170101ALI20240920BHJP
A23G 3/36 20060101ALI20240920BHJP
A23G 3/34 20060101ALI20240920BHJP
A23G 3/52 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A23L7/10 H
A21D2/36
A21D10/00
A21D13/60
A23G3/36
A23G3/34 108
A23G3/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041587
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000231637
【氏名又は名称】株式会社ニップン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】山口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】猪熊 貴之
(72)【発明者】
【氏名】新畑 智也
【テーマコード(参考)】
4B014
4B023
4B032
【Fターム(参考)】
4B014GE05
4B014GG02
4B014GL01
4B014GP01
4B014GP16
4B014GQ09
4B023LC05
4B023LE26
4B023LG06
4B032DB29
4B032DB40
4B032DG02
4B032DK03
4B032DP08
4B032DP24
4B032DP29
4B032DP47
(57)【要約】
【課題】風味が良好でサクサクとした食感を有した膨化菓子を製造する方法を提供する。
【解決手段】〔1〕 GBSSI-A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI-B1及びGBSSI-D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa-A1、SSIIa-B1及びSSIIa-D1のうちのいずれか2つの酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA-SX小麦粉)を含む、膨化菓子用小麦粉組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GBSSI-A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI-B1及びGBSSI-D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa-A1、SSIIa-B1及びSSIIa-D1のうちのいずれか2つの酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA-SX小麦粉)を小麦粉全量に対して40質量%以上含む、膨化菓子用小麦粉組成物。
【請求項2】
前記GA-SX小麦粉が、GBSSI-A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI-B1及びGBSSI-D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa-A1の酵素活性を欠損しておらず、SSIIa-B1及びSSIIa-D1の酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA-SA小麦粉)である、請求項1記載の膨化菓子用小麦粉組成物。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の膨化菓子用小麦粉組成物を含む、膨化菓子用ミックス粉。
【請求項4】
請求項3記載の膨化菓子用ミックス粉を含み、GA-SX小麦粉を生地に含まれる穀粉全質量に対して40質量%以上含む、膨化菓子用生地。
【請求項5】
請求項4記載の膨化菓子用生地を用いて製造することを含む、膨化菓子の製造方法。
【請求項6】
前記生地をシート状にする工程、
前記シート状にされた生地をα化する工程、
前記α化された生地を乾燥する工程、及び
前記乾燥した生地を油ちょうする工程、
を含む、請求項5記載の膨化菓子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膨化菓子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
膨化菓子とは、内部に多孔質の空隙を有する生地を加熱することにより空隙が膨張してなる食品であり、エクストルーダー等膨化成型装置を利用して製造した膨化菓子や油でフライした膨化菓子がある。このような膨化菓子には、風味の良さやサクサクとしている食感が望まれている。
特許文献1では、アミロース含量3%未満という特徴的な澱粉を有するモチ性小麦粉よりなる油菓子又はスナック菓子用穀粉が開示されており、クリスピーな食感を有し、風味がよく、吸油量が少ない油菓子又はスナック菓子が製造できることが記載されている。しかし、モチ性小麦粉以外の、澱粉等に特徴を有する小麦粉を用いて、膨化菓子への食感等への効果が検証された事例はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、風味が良好でサクサクとした食感を有する膨化菓子を提供することを課題とする。本発明の他の課題は、文献1に記載されるようなアミロース含量3%未満のモチ性小麦粉以外の小麦粉を用いて、風味が良好でサクサクとした食感を有する膨化菓子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、膨化菓子の製造において、GA-SX小麦粉を使用すると、風味が良好でサクサクとした食感を有した膨化菓子を製造することができることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、GA-SX小麦粉を膨化菓子用生地の原料の少なくとも一部として用いることにより、調理後に得られた膨化菓子の風味が良好でサクサクとした食感を有することが見いだされた。
本発明は以下の態様を提供する。
〔1〕 GBSSI-A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI-B1及びGBSSI-D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa-A1、SSIIa-B1及びSSIIa-D1のうちのいずれか2つの酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA-SX小麦粉)を小麦粉全量に対して40質量%以上含む、膨化菓子用小麦粉組成物。
〔2〕 前記GA-SX小麦粉が、GBSSI-A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI-B1及びGBSSI-D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa-A1の酵素活性を欠損しておらず、SSIIa-B1及びSSIIa-D1の酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA-SA小麦粉)である、請求項1に記載の膨化菓子用小麦粉組成物。
〔3〕〔1〕又は〔2〕記載の膨化菓子用小麦粉組成物を含む、膨化菓子用ミックス粉。
〔4〕〔1〕又は〔2〕記載の膨化菓子用小麦粉組成物、又は〔3〕記載の膨化菓子用ミックス粉を含み、GA-SX小麦粉を生地に含まれる穀粉全質量に対して40質量%以上含む、膨化菓子用生地。
〔5〕〔4〕記載の膨化菓子用生地を用いて製造することを含む、膨化菓子の製造方法。
〔6〕前記生地をシート状にする工程、
前記シート状にされた生地をα化する工程、
前記α化された生地を乾燥する工程、
前記乾燥した生地を油ちょうする工程、
を含む、〔5〕記載の膨化菓子の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、風味が良好でサクサクとした食感を有する膨化菓子を製造することができる。
また本発明により、アミロース含量3%未満のモチ性小麦粉以外の小麦粉を用いて、風味が良好でサクサクとした食感を有する膨化菓子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(1)膨化菓子用小麦粉組成物
本明細書において「膨化菓子」とは、内部に多孔質の空隙を有する生地を加熱することにより空隙が膨張してなる菓子食品であり、エクストルーダー等膨化成型装置を利用して製造した膨化菓子や油でフライした膨化菓子がある。穀類や澱粉を主原料とする膨化菓子として、例えば、揚げ煎餅、あられ、ポテトチップ、コーンチップ、ポップコーン、ダイレクトパフスナックなどが挙げられる。好ましくは、揚げ煎餅が挙げられる。
【0008】
本発明の膨化菓子用小麦粉組成物は、GBSSI-A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI-B1及びGBSSI-D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa-A1、SSIIa-B1及びSSIIa-D1のうちのいずれか2つの酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA-SX小麦粉)を含んでいる。
普通系コムギは、異質6倍体であり、その染色体には同祖染色体であるA、B、Dの3つのゲノムがそれぞれ1~7番まで存在する(1A~7A、1B~7B、1D~7D)。
「GBSSI」とは、アミロースの合成に関与する顆粒結合性澱粉合成酵素であり、GBSSI-A1、GBSSI-B1、GBSSI-D1が、それぞれ7A、4A、7D染色体上に座乗する遺伝子によってコードされている。
「SSIIa」とは、アミロペクチンの分岐鎖合成に関与する澱粉合成酵素であり、SSIIa-A1、SSIIa-B1、SSIIa-D1が、それぞれ7A、7B、7D染色体上に座乗する遺伝子によってコードされている。
【0009】
「酵素活性を欠損する」とは、コムギ植物体内で正常な酵素活性を有するタンパク質が機能していないこと、好ましくは正常な酵素活性を有するタンパク質が発現していないことをいう。具体的には、遺伝子配列の変異(一つ又は複数の塩基の置換、欠失、挿入、逆位、転座などの変異をいい、遺伝子領域全体の欠失も含む)、mRNA転写の欠損、タンパク質翻訳の欠損、コムギ植物体内での酵素活性の阻害などの態様が挙げられ、野生型の酵素活性の10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満にまで酵素活性が低下ないし欠失していれば、いずれの態様であってもよい。
【0010】
GA-SX小麦粉としては、酵素活性を欠損した2種類のSSIIaの組み合わせにより、以下の小麦粉が挙げられる。
GA-SA小麦粉:GBSSI-A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI-B1及びGBSSI-D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa-A1の酵素活性を欠損しておらず、SSIIa-B1及びSSIIa-D1の酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉;
GA-SB小麦粉:GBSSI-A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI-B1及びGBSSI-D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa-B1の酵素活性を欠損しておらず、SSIIa-A1及びSSIIa-D1の酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉;
GA-SD小麦粉:GBSSI-A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI-B1及びGBSSI-D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa-D1の酵素活性を欠損しておらず、SSIIa-A1及びSSIIa-B1の酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉。
これらのうち、GA-SA小麦粉が好ましい。
【0011】
GA-SX小麦粉は、公知の方法、例えば、特開2013-188206号記載の方法に従って、製造することができる。
【0012】
本発明の膨化菓子用小麦粉組成物は、GA-SX小麦粉に加え、さらにGA-SX小麦粉以外の他の小麦粉を含んでいてもよい。他の小麦粉としてはGA-SX小麦以外のコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉であれば特に限定はない。例えば、GBSSI(GBSSI-A1、GBSSI-B1及びGBSSI-D1)及びSSIIa(SSIIa-A1,SSIIa-B1及びSSIIa-D1)の6種の酵素活性の欠損の組み合わせ(ただし、GA-SXを除く)で酵素活性を欠損したコムギ並びにGBSSI及びSSIIaの何れの酵素活性も欠損していないコムギの収穫物から製粉した小麦粉が挙げられる。あるいは一般に使用される、強力粉、中力粉、薄力粉、及びそれらの混合物であってよい。
GA-SX小麦粉の含有量は、膨化菓子用小麦粉組成物中の小麦粉全質量に対して40質量%以上である。より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは80質量%である。
本発明の膨化菓子用小麦粉組成物以外の穀粉を含む、後述する膨化菓子用ミックス粉を生地の製造に用いる場合には、小麦粉を含めた用いる穀粉全体の質量に対して、GA-SX小麦粉の含有量は40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%であることが更に好ましい。
【0013】
(2)膨化菓子用ミックス粉
本発明の膨化菓子用ミックス粉は、膨化菓子の種類あるいはその使用目的に応じて、本発明の膨化菓子用小麦粉組成物に加えて、任意成分として、小麦粉以外の穀粉、化学膨張剤、調味料、香料、色素等の粉末原料、油脂類などの副原料を混合したものである。
小麦粉以外の穀粉としては、例えば、ライ麦粉、コーンフラワー、大麦粉、米粉などの穀粉類が挙げられる。その他の副原料としては、小麦ふすま、米ぬか等の糠類;イースト;イーストフード;穀類、イモ類、豆類、樹幹等並びにそれらのワキシー種から分離精製された澱粉類(例えば、小麦澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉等並びにそれらのワキシー澱粉)及びこれらにα化、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理等を行った加工澱粉類;難消化性澱粉等の水不溶性食物繊維;ポリデキストロース、大麦βグルカン、難消化性デキストリン等の水溶性食物繊維;デキストリン等の澱粉分解物;ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、イヌリン等の増粘多糖類;メチルセルロース類等のセルロース誘導体;ブドウ糖、果糖、乳糖、砂糖、イソマルトースなどの糖類;卵黄、卵白、全卵及びそれらを粉末化したものやその他の卵に由来する成分である卵成分;粉乳、脱脂粉乳、大豆粉乳等の乳成分;グルテン、大豆蛋白、小麦蛋白、えんどう豆蛋白等のタンパク質類;ショートニング、ラード、マーガリン、バター、オリーブ油、ダイズ油等の固形状ないし液状の油脂類;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、カゼインナトリウム等の乳化剤;食塩等の無機塩類;保存料;香料;香辛料;ビタミン;カルシウム等の強化剤などの通常膨化菓子の製造に用いる副原料を含むことができる。
【0014】
(3)膨化菓子用生地
本発明の膨化菓子用生地は、上記膨化菓子用小麦粉組成物又は上記膨化菓子類用ミックス粉及び任意に各種の副資材を含む原料に水分を加えて混捏し、得られた生地である。
さらに、本発明の膨化菓子用生地は、他の原料として、通常膨化菓子用生地の製造に使用される原料であればいずれも配合することができ、例えば、食塩等の無機塩類;保存料;香料;香辛料;ビタミン;カルシウム等の強化剤などを配合することができる。用いる水分は特に限定されるものではなく、飲料水、牛乳等の家禽乳、果汁、果菜汁、だし汁、電解水、加糖水などが挙げられ、好ましくは飲料水又は飲料水を主体とする水分である。混練については、上記膨化菓子用小麦粉組成物又は上記膨化菓子用ミックス粉に任意に各種の副資材を含む原料に水分を混練することによって得ることができる。混練手法については、特に限定されない。
【0015】
(4)膨化菓子の製造方法
本発明の膨化菓子の製造方法は、上記膨化菓子用生地を用いる以外は常法に従って製造することができる。膨化菓子の膨化方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポップコーンやポン菓子のように、生原料を直接加熱加圧して膨化する方法、揚げ煎餅のように、エクストルーダーや蒸練機等により澱粉をα化した餅状のドウを、成形ロールを通過させることにより薄いシート状に成形し、該シートをカッティングしてペレットを作成し、該ペレットを油揚げや焼成により膨化する方法(ペレット製法)、ダイレクトパフスナックのように、原料をエクストルーダーに供給して高温高圧状態にして、その吐出口に設置したノズルから吐出させ、瞬時に膨化する方法(ダイレクトパフ製法)等がある。
【0016】
本発明の膨化菓子を油ちょうにより製造する具体的方法は、例えば次の工程を含む方法であるが、これに限定されるものではない。膨化菓子用生地をシート状にする工程、前記シート状にされた生地をα化する工程、前記α化された生地を乾燥する工程、前記乾燥した生地を油ちょうする工程で実施することができる。
膨化菓子用生地をシート状にする工程は、一般的な膨化菓子をシート状にする工程であればよい。例えば、主原料及び所望により添加される副材料を混合し、適量の練り水(適度なドウが形成される量で主原料100重量部に対し通常40~70重量部)を加えて混練してドウを形成し、圧延ロールで圧延した後、適宜裁断或は型抜きして望まれる形状に成形する。
前記シート状にされた生地をα化する工程は、生地中の澱粉質を糊化させる工程であり、茹でる、ボイル、蒸気加熱等の加熱により生地の糊化が可能な方法であれば、その方法は特に限定するものではない。加熱の程度についても特に限定するものではなく、糊化程度が大きくなるものから比較的小さいものまで、必要に応じて適宜選択すればよい。
前記α化された生地を乾燥する工程は、一般的な膨化菓子を乾燥する方法であればよく、例えば、庫内温度50℃のインキュベーター内で22時間保持する。
前記乾燥された生地を油ちょうする工程は、一般的な膨化菓子を油ちょうする方法であればよく、例えば、油を満たした油浴を180℃に予熱し、1分30秒油ちょうして製品とする。
【実施例0017】
<製造例1 膨化菓子の製造>
下記配合表の原料を用いて膨化菓子を製造した。すなわち、
(1)下記配合表1記載の原料をミキサーに投入し、低速2分ミキシングを行い、かきおとし、さらに低速4分ミキシングして膨化菓子用生地を得た。
(2)膨化菓子用生地を厚み2mmになるようにテスト用小型製麺機(鈴木麺工)で圧延した。
(3)縦5.5×横5.5mmの抜型で抜いた。
(4)茹で水で10分間茹で、茹で水を切った。
(5)庫内温度50℃のインキュベーター内で22時間保持した。
(6)得られた膨化菓子を180℃に予熱した油浴に投入し、1分30秒フライした後、油切りして膨化菓子を得た。
【0018】
【0019】
<評価例1 膨化菓子の官能評価>
評価基準表1に従い、膨化菓子の食感及び風味について、10名の熟練パネラーにより評価し、評価点の平均点と標準偏差(SD)を求めた。
評価基準表1
【0020】
<試験例1膨化菓子に影響を与えるGA-SX小麦粉の検討>
GA-SX小麦粉以外の標準的な小麦粉と、GA-SX小麦粉であるGA-SA小麦粉の添加量を表1記載の割合にした以外は製造例1に従って膨化菓子を製造した。GA-SX小麦粉以外の標準的な小麦粉としてはニップン社製、商品名「ハート」を使用した。なお、標準的な小麦粉を使用した対照例1を3点とした。SDは、標準偏差である。
【0021】
【0022】
その結果、実施例1~4ではGA-SA小麦粉の割合が増加するにつれて食感及び風味について評価が高くなった。これらの結果から、GA-SA小麦粉を40質量%以上使用することで、サクサクとした食感及び優れた風味を持つ膨化菓子を製造できることが示された。