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特開2024-131378情報表示装置、プログラム、管理方法および情報表示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131378
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報表示装置、プログラム、管理方法および情報表示システム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240920BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20240920BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20240920BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
G09G5/00 550X
G09G5/00 555D
G09G5/00 550B
G09G5/00 530T
G09F19/00 Z
G06Q30/0241
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041597
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
(72)【発明者】
【氏名】田代 祥香
(72)【発明者】
【氏名】松下 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】浅井 章弘
(72)【発明者】
【氏名】武捨 章洋
(72)【発明者】
【氏名】倉本 南
(72)【発明者】
【氏名】小池 菜月
【テーマコード(参考)】
5C182
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB11
5C182BC01
5C182BC11
5C182BC14
5C182BC25
5C182BC26
5C182CA01
5C182CC02
5C182CC21
5C182DA65
5C182DA68
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】 情報表示装置150を提供すること。
【解決手段】 情報表示装置150は、情報を表示する表示部356を備える。情報表示装置150は、表示部356で表示する第1の表示内容を記憶する記憶部358と、1または複数の他の情報表示装置150から第1の表示内容に対応する1または複数の他の情報表示装置で表示する1または複数の第2の表示内容の情報を受信する受信部254と、第1の表示内容および1または複数の第2の表示内容の情報に基づいて、第1の表示内容の正しさを判定する判定部370(372)とを含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示部を備えた情報表示装置であって、
前記表示部で表示する第1の表示内容を記憶する記憶部と、
1または複数の他の情報表示装置から前記第1の表示内容に対応する前記1または複数の他の情報表示装置で表示する1または複数の第2の表示内容の情報を受信する受信部と、
前記第1の表示内容および前記1または複数の第2の表示内容の情報に基づいて、前記第1の表示内容の正しさを判定する判定部と
を含む、情報表示装置。
【請求項2】
前記判定部が前記第1の表示内容が正しくないと判定した場合に、前記第1の表示内容を修正する修正部、
前記判定部が前記第1の表示内容が正しくないと判定した場合に、異常を通知する通知部、および、
前記判定部が前記第1の表示内容が正しくないと判定した場合に、正しくないと判定された前記第1の表示内容を保存する保存部
のいずれか少なくとも1つを含む、請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記第1の表示内容と前記1または複数の第2の表示内容とを照合した結果、前記第1の表示内容が多数派に属するか否かに基づいて、前記第1の表示内容の正しさを判定する、請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記第1の表示内容および前記1または複数の第2の表示内容には、更新時間が紐付けられており、前記判定部は、前記第1の表示内容が多数派に属すると判定されない場合に、前記第1の表示内容および前記1または複数の第2の表示内容の更新時間情報に基づいて、前記第1の表示内容の正しさを判定する、請求項3に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記判定部が前記第1の表示内容が正しいと判定した場合において、さらに、前記1または複数の他の情報表示装置のうちの前記第1の表示内容と不一致の内容を有する情報表示装置がある場合に、前記不一致の内容を有する情報表示装置に対し、前記第1の表示内容とともに更新を依頼する変更依頼部
をさらに含む、請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項6】
受信される前記1または複数の第2の表示内容の情報は、それぞれ、表示する表示内容データであるか、または表示内容データのハッシュ値である、請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記1または複数の他の情報表示装置に対し、前記第1の表示内容の情報を発信する発信部
をさらに含む、請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項8】
前記受信部は、広域無線通信を実行しており、前記情報表示装置は、
さらに、前記記憶部に記憶される第1の表示内容を更新するために前記広域無線通信とは異なる通信により管理装置と通信するための通信部と、
前記通信部による前記管理装置との通信状態を監視する通信状態監視部と
を含み、前記情報表示装置は、さらに
前記通信状態が所定基準以下に悪化したことに基づいて、情報表示装置間の表示内容の不一致を許容する状態に移行させる状態制御部
を含む、請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項9】
前記第1の表示内容には、当該情報表示装置が属するエリア情報が関連付けられており、前記判定部による前記正しさの判定は、所定のエリア範囲に該当する前記1または複数の他の情報表示装置からの前記1または複数の第2の表示内容に基づいて実行する、請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項10】
前記受信部による前記1または複数の第2の表示内容の情報の受信および前記判定部による前記第1の表示内容の正しさの判定の頻度を、前記情報表示装置の電池残量、前記情報表示装置または前記1または複数の他の情報表示装置のいずれかでの正しくない表示内容の検知、時間帯またはこれらの組み合わせに応じて設定する設定部、
をさらに含む、請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項11】
情報を表示する表示部を備えた情報表示装置を実現するためのプログラムであって、前記情報表示装置のコンピュータを
前記表示部で表示する第1の表示内容を記憶する記憶部、
1または複数の他の情報表示装置から前記第1の表示内容に対応する前記1または複数の他の情報表示装置で表示する1または複数の第2の表示内容の情報を受信する受信部、および、
前記第1の表示内容および前記1または複数の第2の表示内容の情報に基づいて、前記第1の表示内容の正しさを判定する判定部
として機能させる、プログラム。
【請求項12】
表示部による情報の表示を管理する管理方法であって、前記表示部を備えた情報表示装置が、
前記表示部で表示する第1の表示内容を読み出すステップと、
1または複数の他の情報表示装置から前記第1の表示内容に対応する前記1または複数の他の情報表示装置で表示する1または複数の第2の表示内容の情報を受信するステップと、
前記第1の表示内容および前記1または複数の第2の表示内容の情報に基づいて、前記第1の表示内容の正しさを判定するステップと
を含む、管理方法。
【請求項13】
それぞれ情報を表示する表示部を備えた複数の情報表示装置を含み構成される情報表示システムであって、前記複数の情報表示装置は、それぞれ、
前記表示部で表示する第1の表示内容を記憶する記憶部と、
前記複数の表示装置のうちの1または複数の他の情報表示装置から前記第1の表示内容に対応する前記1または複数の他の情報表示装置で表示する1または複数の第2の表示内容の情報を受信する受信部と、
前記1または複数の他の情報表示装置の少なくとも1つの他の情報表示装置に対し、前記第1の表示内容の情報を発信する発信部と、
前記第1の表示内容および前記1または複数の第2の表示内容の情報に基づいて、前記第1の表示内容の正しさを判定する判定部と
を含む、情報表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示技術に関し、より詳細には、情報表示装置、プログラム、管理方法および情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルサイネージといった、情報表示装置に広告、案内、災害情報などの静止画および動画のコンテンツを表示する技術が知られている。
【0003】
しかしながら、従来の情報表示装置では、特定の情報表示装置の表示内容が悪意により書き換えられてしまった場合、書き換えられたことに気がつかず、誤った情報を掲示し続けてしまう可能性があった。
【0004】
上記表示状態に関連して、特開2022-109204号公報(特許文献1)は、デジタルサイネージや街頭ビジョンにおいてビデオコンテンツの再生状態や表示状態をリアルタイムかつ視覚的に監視することを目的とした技術を開示する。特許文献1の従来技術は、デジタルサイネージや街頭ビジョンで流れているビデオコンテンツを別端末で同期再生する構成を開示する。しかしながら、上記特許文献1の従来技術では、不正書き換えに気が付かずに誤った情報を掲示し続けてしまうという問題は解消できるものではない。
【0005】
その他、特開2008-205980号公報(特許文献2)は、デジタル放送により表示コンテンツを伝送し、デジタル表示装置からデータ更新完了のリプライを発信する際に、多数のデジタル表示装置から同時にリプライが発生することによる通信回線の輻輳を防止することを目的とした技術を開示する。特許文献2の従来技術では、各デジタル表示装置の情報が書き換わったことを確認する表示確認サーバーを設け、各デジタル表示装置は、この表示確認サーバーに対してランダムに設けられた待機時間後にリプライを発し、表示確認サーバーが代表してデータ更新完了を報告する。しかしながら、ネットワークや無線通信を介して一部の情報表示装置が不正書き換えされてしまった際、書き換えをされたことに気がつかず誤った情報を掲示し続けてしまうという問題を解消できるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、上記点に鑑みてなされたものであり、本開示は、人手によらず、起こり得る不正な書き換えを検知することを可能とする、情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、上記課題を解決するために、下記特徴を有する情報表示装置を提供する。本情報表示装置は、情報を表示する表示部を備える。情報表示装置は、表示部で表示する第1の表示内容を記憶する記憶部と、1または複数の他の情報表示装置から第1の表示内容に対応する1または複数の他の情報表示装置で表示する1または複数の第2の表示内容の情報を受信する受信部とを備える。情報表示装置は、さらに、第1の表示内容および1または複数の第2の表示内容の情報に基づいて、第1の表示内容の正しさを判定する判定部を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記構成により、人手によらず、情報表示装置において起こり得る不正な書き換えを検知することを可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態によるサイネージ管理システムの全体構成を示す図である。
図2図2は、本実施形態によるサイネージ管理システムを構成する管理端末として用いることができるパーソナル・コンピュータ(PC)のハードウェア構成図である。
図3図3は、本実施形態におけるサイネージ装置のハードウェア構成図である。
図4図4は、本実施形態によるサイネージ管理システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
図5図5は、本実施形態による表示内容管理部のより詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。
図6図6は、本実施形態によるサイネージ管理システムにおける表示内容の照合処理および不正書き込みを検知した場合の修正処理を説明する図。
図7図7は、本実施形態によるサイネージ管理システムで実行される不正書き換えの検知および修正処理を示すフローチャートである。
図8図8は、他の実施形態による情報表示システムで実行される不正書き換えの検知および修正処理を示すフローチャートである。
図9図9は、本実施形態によるサイネージ管理システムにおいて表示内容の照合処理および修正処理により実現される表示内容の同期を説明する図。
図10図10は、本実施形態によるサイネージ管理システムにおいて、地震などの災害時に近隣のサイネージ装置間の表示内容の不一致を許容するモードへの移行を説明する図。
図11図11は、本実施形態によるサイネージ管理システムにおいて通信状態に応じてサイネージ装置間の表示内容の不一致を許容するモードへ移行する処理を示すフローチャートである。
図12図12は、本実施形態によるサイネージ装置に表示される複数の表示内容と、表示内容ごとの提示エリアおよび照合エリアの対応関係を説明する図である。
図13図13は、特定の実施形態において、いずれかのサイネージ装置で不正書き換えを検知した場合に、その発生をトリガーとして、周囲のサイネージ装置150の照合頻度を上げる構成を説明する。
図14図14は、他の実施形態によるサイネージ管理システムで実行される不正書き換えの検知および他機への修正依頼処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明するが、実施形態は、以下に説明される具体的な実施形態に限定されるものではない。本開示の実施形態は、種々の変更および改変を受け入れる余地がある点に留意されたい。
【0011】
本開示によれば、情報を表示する表示部を備える情報表示装置が提供される。情報表示装置は、表示部で表示する自機の表示内容(第1の表示内容)を記憶する記憶部を備える。情報表示装置は、また、1または複数の他の情報表示装置から上記自機の表示内容に対応する他機の表示内容(第2の表示内容)の情報を受信する受信部を備える。情報表示装置は、さらに、自機の表示内容および1または複数の他機の表示内容の情報に基づいて、自機の表示内容の正しさを判定する判定部を備える。
【0012】
上記構成により、人手によらず、情報表示装置において起こり得る不正な書き換えを検知することを可能となる。
【0013】
なお、判定される表示内容の正しさとは、修正あるいは確認を必要とするような、同一の内容を表示する他の情報表示装置と表示内容に乖離がないことを意味し得る。
【0014】
好ましい実施形態においては、情報表示装置は、判定部が自機の表示内容が正しくないと判定した場合に、記憶部に記憶される自機の表示内容を修正する修正部を備えてもよい。この構成により、人手に頼らず、情報表示装置自らが、起こり得る不正な書き換えを検知し、正しいものに修正することが可能となる。また、何らかの原因で管理装置との通信が不通となっても、情報表示装置間で通信が可能であれば、かかる修正により、複数の情報表示装置間で表示内容の同期することが可能となる。
【0015】
また、好ましい実施形態においては、情報表示装置は、判定部が自機の表示内容が正しくないと判定した場合に、異常を通知する通知部を備えてもよい。ここで、通知先は、特に限定されるものではないが、管理者が使用するものとして事前登録された情報端末(例えばその上で動作するアプリケーション)、管理者がアクセスするポータルサイト、管理者のものとして紐付けられた所定の電子メールアドレス、管理者のものとして紐付けられたメッセージング・サービスのアカウントであってもよい。これにより、不正書き換えがあったことを管理者側が把握可能となる。
【0016】
さらに好ましい実施形態においては、情報表示装置は、判定部が自機の表示内容が正しくないと判定した場合に、正しくないと判定された自機の表示内容(修正する場合には修正前の表示内容)を保存する保存部を備えてもよい。これにより、事後的にどのような内容の不正書き換えがあったかを管理者側が把握可能となる。
【0017】
好ましい実施形態においては、判定部は、自機の表示内容と1または複数の他機の表示内容とを照合した結果、自機の表示内容が多数派に属するか否かに基づいて、自機の表示内容の正しさを判定してもよい。さらに、自機の表示内容および1または他機の表示内容を含む表示内容には、更新時間が紐付けられていてもよい。その場合に、判定部は、自機の表示内容が多数派に属すると判定できない場合に、自機の表示内容および1または複数の他機の表示内容に紐付けられた更新時間情報に基づいて、自機の表示内容の第1の表示内容正しさを判定してもよい。
【0018】
好ましい実施形態では、判定部が自機の表示内容が正しいと判定した場合において、さらに、自機の表示内容と不一致の内容を有する他の情報表示装置に対し、自機の表示内容とともに更新依頼を送信する送信部をさらに備えてもよい。これにより、正しいと判定される自機の表示内容で他機の表示内容を同期させることが可能となる。
【0019】
特定の実施形態では、受信される1または複数の他機の表示内容の情報は、それぞれ、表示する表示内容データそのものであってもよい。照合にデータ自体を用いる構成では、データをそのまま用いて照合するので、確実に相違を検出することが可能となる。別の特定の実施形態では、受信される1または複数の他機の表示内容の情報は、表示内容データから計算されるハッシュ値であってもよい。照合にハッシュ値を用いる構成では、表示内容のデータをそのまま照合する場合と比較して、データ量を抑えられ、照合時間を短縮することが可能となる。
【0020】
特定の実施形態においては、情報表示装置は、1または複数の他の情報表示装置に対し、自機の表示内容の情報(例えば、表示内容データ自体またはそのハッシュ値)を発信する発信部を備えてもよい。なお、上記情報表示装置は、表示装置と一体化されたまたは組み合わせ有れた装置として提供されてもよいし、表示装置との接続インタフェースを備え、表示装置とは分離された装置として提供されてもよい。
【0021】
好ましい実施形態においては、受信部は、広域無線通信を実行していてもよい。この構成により、通信料を抑えることが可能となる。また、情報表示装置は、さらに、記憶部に記憶される自機の表示内容を更新するために、広域無線通信とは異なる通信により管理装置と通信するための通信部と、通信部による管理装置との通信状態を監視する通信状態監視部を含んでもよい。特定の実施形態においては、通信状態が所定基準以下に悪化したことに基づいて、情報表示装置間の表示内容の不一致を許容する状態に移行させる状態制御部を備えてもよい。通信状態が悪化する原因として、地震などの災害が考えられるが、災害時は、スマートフォンを用いて現地で書き換えを行いたいという要望があるため、情報表示装置間の表示内容の乖離を許容することが望ましい場合がある。上記構成により、かかる要望に対応することが可能である。
【0022】
好ましい実施形態では、表示内容には、自機が属するエリア情報が関連付けられており、判定部による正しさの判定は、所定のエリア範囲に該当する他機からの表示内容に基づいて実行されてもよい。上記構成により、情報表示装置内で複数の表示内容がありその一部は地区によって異なるものを掲示したいなどの場合において、照合するエリア範囲を表示内容の単位ごとに設定することができる。この構成により、地区境界付近の情報表示装置に異なる情報を掲示することができるようになる。
【0023】
好ましい実施形態では、受信部による他機の表示内容の受信および判定部による自機の表示内容の正しさの判定の頻度を、情報表示装置の電池残量に応じて設定する設定部を備えてもよい。これにより、情報表示装置が電池駆動される場合において、電池消費を抑え、稼働時間を延長することができる。別の実施形態では、上記頻度を、不正書き換えを検知したこと(当該情報表示装置または1または複数の他の情報表示装置のいずれかでの正しくない表示内容の検知)に応じて設定する設定部を備えてもよい。不正書き換えの検知は、この近隣において同様の書き換えが起こっている可能性を示唆するところ、かかる構成により、近隣での不正書き換えを効率的に発見することが可能となる。あるいはさらに別の実施形態では、上記頻度を、時間帯に応じて設定する設定部を備えてもよい。この構成により、人が多く集まる時間帯に照合頻度を高くして、不正書き換えの情報をすぐ修正することが可能となる。さらに他の実施形態では、上記頻度を上記の組み合わせに応じて設定する設定部を備えてもよい。
【0024】
本開示によれば、また、表示部による情報の表示を管理する管理方法が提供される。本管理方法は、情報表示装置が、表示部で表示する自機の表示内容を読み出すステップと、1または複数の他の情報表示装置から、対応する他機の表示内容の情報を受信するステップと、自機の表示内容および1または複数の他機の表示内容の情報に基づいて、自機の表示内容の正しさを判定するステップとを含む。
【0025】
本開示によれば、上記情報表示装置を実現するためのプログラムが提供される。本開示によれば、また、複数の上記情報表示装置を含み構成される情報表示システムが提供される。
【0026】
以下、図面を参照しながら、本実施形態による情報表示システムおよび情報表示装置について、管理端末と複数のサイネージ装置とを含み、各サイネージ装置で表示するコンテンツ(表示情報)を管理するサイネージ管理システムおよびサイネージ管理システム内で用いられるサイネージ装置を例として、より詳細に説明する。しかしながら、本実施形態による情報表示システムおよび情報表示装置の構成は、説明するサイネージ管理システムおよびそれに用いられるサイネージ装置に限定されるものではなく、当業者であれば情報を提示するための任意の情報表示システムおよび情報表示装置を対象としてもよいことに気が付くであろう。
【0027】
図1は、本実施形態によるサイネージ管理システム100の全体構成を示す図である。図1に示すように、サイネージ管理システム100は、それぞれネットワーク102に接続される、管理端末110と、それぞれ管理端末110により管理され、所定の表示内容を表示する1または複数のサイネージ装置150(図1においては、4台のサイネージ装置150a~150dが示される。)とを含み構成される。
【0028】
管理端末110は、管理者が操作するパーソナル・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、スマートフォンなどの端末である。管理者は、管理端末110を操作して、サイネージ管理システム100内の各種設定および指示などの操作を実行することができる。管理端末110は、本実施形態における管理装置を構成する。
【0029】
サイネージ装置150は、所定の表示内容を静止画や動画として表示する装置である。表示内容は、特に限定されるものではないが、例えば、広告情報、行政情報、施設情報、案内情報、災害情報などである。サイネージ装置150は、サイネージ・ディスプレイとも参照される。サイネージ装置150としては、液晶ディスプレイやLEDディスプレイなどの表示装置と一体化され単体で動作する装置、または、セット・トップ・ボックス(STB)などの、表示装置との接続インタフェースを備え、外部の表示装置と組み合わせて動作する装置として構成され得る。表示装置は、単一のディスプレイであってもよいし、複数のディスプレイを組み合わせたマルチ・ディスプレイであってもよい。サイネージ装置150は、本実施形態における情報表示装置を構成する。なお、サイネージ装置150の台数は、任意であり、1台または複数台用いてもよい。
【0030】
ネットワーク102は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネットなどの公衆回線網、4G、5G、6Gなどの移動体通信網およびこれらの組み合わせなどを含んでもよい。
【0031】
サイネージ管理システム100の管理者は、管理端末110を用いて、ネットワーク102を介して、表示するべきコンテンツ(表示内容)をアップロードし、サイネージ装置150は、ネットワーク102を介して、表示内容を取得し、表示する。説明する実施形態において、サイネージ装置150間では、さらに、LoRaなどの広域無線通信で周辺の他のサイネージ装置150と接続されており、定期的に自機の表示内容と他機の表示内容との照合作業を行い、自機の表示内容の正しさを定期的に確認する。これにより、特定のサイネージ装置150の表示内容が悪意的に書き換えられてしまったことを検知する。
【0032】
なお、図1では、説明の便宜上、管理端末110が複数のサイネージ装置150を管理するものとして説明したが、この構成に限定されるものではない。他の実施形態では、外部の端末装置から、管理装置として複数のサイネージ装置150を管理する管理サーバにアクセスする態様であってもよい。
【0033】
以下、本実施形態によるサイネージ管理システム100について詳細に説明する前に、サイネージ管理システム100を構成する各装置のハードウェア構成を説明する。
【0034】
図2は、本実施形態によるサイネージ管理システム100を構成する管理端末110として用いることができるパーソナル・コンピュータ(PC)のハードウェア構成図である。図2は、PCのハードウェア構成図である。
【0035】
図2に示されているように、PC200は、コンピュータによって構築されており、図2に示されているように、CPU201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HD204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)208、ネットワークI/F209、データバス210、キーボード211、ポインティングデバイス212、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ214、メディアI/F216を備えている。
【0036】
これらのうち、CPU201は、PC200全体の動作を制御する。ROM202は、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HD204は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ206は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F208は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F209は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス210は、図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0037】
また、キーボード211は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス212は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ214は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW213に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよいし、他の任意の記録媒体であってもよく、特に限定されるものではない。メディアI/F216は、フラッシュメモリ等の記録メディア215に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0038】
図3は、本実施形態における、サイネージ管理システム100を構成するサイネージ装置150のハードウェア構成図である。図3に示されているように、サイネージ装置150は、CPU251、ROM252、RAM253、記憶部254、無線I/F255、メディアI/F256、ディスプレイI/F257を備える。
【0039】
これらのうち、CPU251は、サイネージ装置150全体の動作を制御する。ROM252は、CPU251やIPL等のCPU251の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM253は、CPU251のワークエリアとして使用される。記憶部254は、CPU251の制御にしたがって、サイネージ装置150用プログラム等の各種データの読み出しまたは書き込みを行う。無線I/F255は、無線を介した通信を制御する。サイネージ装置150は、無線I/F255を通じて管理端末110とネットワーク接続し、または、他のサイネージ装置150と広域無線通信による接続し、各種の情報をやり取りすることが可能である。メディアI/F256は、フラッシュメモリ等の記録メディアに対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。ディスプレイI/F257は、ディスプレイ260との接続用のインタフェースである。
【0040】
また、サイネージ装置150は、ディスプレイI/F257を介して接続されるディスプレイ260を備える。ディスプレイは、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイなどであってよく、1台のディスプレイであってもよいし、あるいは、複数台でマルチディスプレイ・サイネージを行ってもよい。ディスプレイ260は、サイネージ装置150と別体で構成されてもよいし、一体化されて構成されてもよい。
【0041】
以上、本実施形態のサイネージ管理システム100の全体構成およびサイネージ管理システム100を構成する装置のハードウェア構成について説明した。以下、引き続き、サイネージ管理システム100の機能構成300について、図4に示す機能ブロック図に基づいて説明する。なお、図4には、管理端末110の機能ブロック310と、サイネージ装置150の機能ブロック350とが示されている。
【0042】
管理端末110の機能ブロック310は、図4に示すように、記憶部312と、通信部320と、操作部318とを含み構成される。
【0043】
記憶部312は、図2に示すHD204などの補助記憶装置が提供する。記憶部312には、管理対象のサイネージ装置150に関する設定(表示装置設定)314および管理対象のサイネージ装置150に表示する情報(表示情報)316が記憶される。
【0044】
操作部318は、管理者が各種設定や操作を行うためのユーザ・インタフェースを提供する。管理者は、操作部318を介して、各サイネージ装置150の表示内容の新規登録、更新、削除、後述する不正書き換えを検知するための処理の実行スケジュール、不正書き込み検知のための照合範囲などの、サイネージ管理システム100における各種設定を行うことができる。
【0045】
通信部320は、管理端末110をネットワーク102に接続するための通信インタフェースを含み構成される。管理端末110は、通信部320を用いて、ネットワーク102を介してサイネージ装置150と通信し、各サイネージ装置150に対する表示内容の新規登録、追加、削除や各種設定値の変更を実施する。
【0046】
サイネージ装置150の機能ブロック350は、第1通信部352と、第2通信部354と、表示部356と、記憶部358と、装置状態監視部364と、表示内容管理部370とを含み構成される。
【0047】
第1通信部352は、管理端末110と通信するため通信手段である。サイネージ装置150は、第1通信部352を介して、管理端末110と通信し、記憶部358に記憶するための自機の表示内容や各種設定値を受信する。第1通信部352は、有線LAN、無線LAN、LTE、5Gなどの移動体通信網またはこれらの組み合わせを介した所定の通信を実行する。第1通信部352は、本実施形態における通信部を構成する。
【0048】
第2通信部354は、近隣の他のサイネージ装置150と通信するための通信手段である。第2通信部354は、第1通信部352とは異なる通信プロトコルを実行しており、好ましくは、LoRaなどの広域無線通信を実行する。第2通信部354は、自機での後述する照合のため、1または複数の他のサイネージ装置150から、自機の表示内容に対応した他機の表示内容の情報を受信する。同時に、第2通信部354は、他機での後述する照合のため、1または複数の他のサイネージ装置150に対し、自機の表示内容の情報を発信する。第2通信部354は、本実施形態における受信部および発信部を構成する。
【0049】
表示部356は、図3に示したディスプレイ260を含み構成される。表示部356は、管理端末110から指令された表示内容を静止画または動画などとして表示する。
【0050】
記憶部358は、表示部356で表示するための表示内容を記憶し、好ましくは、管理端末110により表示の指令がなされた表示内容(表示情報)360を記憶する。なお、説明する実施形態においては、表示情報360には、更新時間の情報が紐付けられており、記憶部358は、表示情報360に対応付けて更新時間362を記憶する。
【0051】
説明する実施形態において、サイネージ装置150が、電池駆動される場合、装置状態監視部364は、サイネージ装置150の電池残量を監視することができる。詳細は後述するように、特定の実施形態においては、電池残量が所定閾値未満となった場合に、不正検知のための照合頻度を、例えば減らすように変更することができる。
【0052】
表示内容管理部370は、本実施形態による、表示内容の不正書き換えの検知、それに応答した表示内容の修正を含む、自機の表示内容を管理する機能を提供する。表示内容管理部370は、第2通信部354を介して1または複数の他のサイネージ装置150から、対応する1または複数の他機の表示内容の情報を取得し、自身の記憶部358に記憶された表示内容と照合し、自機の表示内容が他機のものと同じであるかどうかを判定することによって、不正の書き換えを検知する。
【0053】
表示内容管理部370のより詳細な構成が図5に示される。図5に示す表示内容管理部370は、判定部372と、修正部374と、通知部376と、保存部378とを含み構成される。
【0054】
表示内容管理部370は、第2通信部354を介して、1または複数の他のサイネージ装置150から自機の表示内容に対応する他機の表示内容の情報を取得する。
【0055】
判定部372は、記憶部358に記憶される自機の表示内容と、上記取得された1または複数の他機の表示内容とに基づいて、これらを照合し、自機の表示内容の正しさを判定する。判定部372は、より具体的には、自機の表示内容と1または複数の他機の表示内容とを照合した結果、自機の表示内容が多数派に属するか否かに基づいて、自機の表示内容の正しさを判定することができる。また、判定部372は、自機の表示内容が多数派に属すると判定されない場合に、自機の表示内容および1または複数の他機の表示内容に紐付けられた更新時間情報に基づいて、自機の表示内容の正しさを判定することができる。
【0056】
なお、他機から受信され、照合される表示内容の情報は、表示する表示内容データ(画像データ)そのものであってもよい。あるいは、他機から受信され、照合される表示内容の情報は、表示内容データから算出されるハッシュ値(表示内容のファイルに対しハッシュ・アルゴリズムを適用して得られる例えばMD(Message Digest)5やSHA(Secure Hash Algorithm)などのハッシュ値)であってもよい。その場合、送受信または照合に先立って、表示内容データにハッシュ・アルゴリズムを適用し、ハッシュ値を求めることができる。
【0057】
修正部374は、判定部372が自機の表示内容が正しくないと判定した場合に、記憶部358に記憶されている自機の表示内容(表示情報360)を、例えば、多数派の表示内容で、あるいは、多数派が存在しない場合は、更新時間から正しいと推定されるもの表示内容で修正する、または、正しいと推定(判定)される表示内容に置き換える。ここで、正規の更新後に不正書き換えが生じると考えると、古い更新日時のものが正しいと推定される。記憶部358の表示情報360の修正、上書きあるいは更新により、表示部356で表示される内容が変化する。
【0058】
図6は、本実施形態によるサイネージ管理システム100における表示内容の照合処理および不正書き込みを検知した場合の修正処理を説明する図である。
【0059】
図6(A)は、自機の表示内容が少数派であった場合に、自機の表示内容(C’)を正しくないと判定し、修正する処理を説明する。図6(A)に示す状況では、自機の表示内容(C’)が、多数派の表示内容(C)で上書きされて修正される。
【0060】
図6(B)は、自機の表示内容が少数派であるか多数派であるかわからなかった場合(図6(B)に例示されるように、2機しかないかった場合や、3以上いても同数で割れた場合)に、表示内容に紐付けられた更新日時の情報に基づいて修正する処理を説明する。図6(B)に示す状況では、自機の表示内容(C’)が、多数派であると判定できないが更新日時から正しいと推定される表示内容(最も古い更新日時であるC)で上書されて修正される。
【0061】
図5を再び参照すると、通知部376は、判定部372が自機の表示内容が正しくないと判定した場合に、不正な書き換えが発生したとして異常の通知を行う。たとえば、不正な書き換えが発生したことや、表示内容が正しくないことを通知する。ここで、通知先は、特に限定されるものではないが、管理者が使用するものとして事前登録された情報端末(上のアプリケーション)、管理者がアクセスするサイネージ管理システム100のポータルサイト、管理者のものとして紐付けられた所定の電子メールアドレス、管理者のものとして紐付けられたメッセージング・サービスのアカウントであってもよい。通知部376による通知は、上記修正に代えて、あるいは、修正とともに、実施されてもよい。
【0062】
保存部378は、判定部372が自機の表示内容が正しくないと判定した場合に、正しくないと判定された(修正が行われる場合は修正前の)自機の表示内容を記憶部358や他の記憶装置、外部のストレージ上に保存する。表示内容の保存は、上記修正や通知に代えて、あるいは、修正もしくは通知またはその両方とともに、実施されてもよい。
【0063】
図5には、さらに、好ましい実施形態における構成も示されており、図5に示す表示内容管理部370は、さらに、変更依頼部380と、状態制御部382と、設定部384と、通信状態監視部386とを含み構成されてもよい。なお、変更依頼部380、状態制御部382、設定部384および通信状態監視部386が実行する処理については、基本的な処理の説明の後に他の図面と参照しながら詳細を後述する。
【0064】
以下、図7に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態によるサイネージ管理システム100で実行される不正書き換えの検知および修正処理を説明する。図7に示す処理は、不正書き換えの検知処理の明示的な実行の指示、頻度の指定、または実行時刻の指定などに応じたタイミングで呼び出されて、ステップS100から開始する。
【0065】
ステップS101では、サイネージ装置150は、第2通信部354により、近隣の1または複数のサイネージ装置150から、対応する表示内容を受信し、表示内容管理部370は、照合のための他機の表示内容を取得する。なお、ここでは、説明の簡便のため、当該サイネージ装置150で現在表示している特定の表示内容に対応した他機の同一であるべき表示内容を取得するものとする。表示内容を取得する対象の1または複数のサイネージ装置150としても、当該サイネージ装置150で現在表示している特定の表示内容と同一の内容のものを表示するものとして定められた装置である。
【0066】
ステップS102では、サイネージ装置150は、判定部372により、自機の表示内容が、他機の表示内容すべてと一致するか否かを判定する。ステップS102の判定で、すべての表示内容が一致する場合(YES)は、ステップS111へ直接処理を進めて、本処理を終了する。これは、自機および他機を含めて表示内容に齟齬がなく、正しい状態と判定されるためである。
【0067】
一方で、ステップS102の判定で、すべての表示内容が一致するわけではないと判定された場合(NO)は、ステップS103へ処理が分岐される。ステップS103では、サイネージ装置150は、判定部372により、他機の表示内容との照合の結果、自機の表示内容が少数派に属するか否かを判定する。ステップS103で、少数派に属すると判定された場合(YES)は、ステップS104へ処理が分岐される。少数派に属すると判定された場合は、自機の表示内容は正しくないものとして取り扱われる。ステップS104では、サイネージ装置150は、保存部378により、記憶部358に記憶される現在の表示内容を保存する。ステップS105では、サイネージ装置150は、修正部374により、記憶部358の表示内容を、多数派のものにあわせて更新し、ステップS111で、本処理を終了する。これは、多数派の表示内容が、正しい蓋然性が高いためである。
【0068】
一方、ステップS103で、自機の表示内容が少数派ではないと判定された場合(NO)は、ステップS106へ処理が進められる。ステップS106では、サイネージ装置150は、判定部372により、他機の表示内容との照合の結果、自機の表示内容が多数派に属するか否かを判定する。ステップS106で、多数派に属すると判定された場合(YES)は、ステップS111へ処理を進め、本処理を終了する。このように多数派に属すると判定された場合は、自機の表示内容は正しいものとして取り扱われる。
【0069】
一方、ステップS106で、多数派に属すると判定されなかった場合(NO)は、ステップS107へ処理が進められる。この場合は、少数派でも多数派でもなく同数で割れたり元々2台のサイネージ装置150しか照合範囲になかったりする場合である。ステップS107では、サイネージ装置150は、第2通信部354により、近隣の1または複数のサイネージ装置150から、対応する表示内容の更新時間情報を取得する。なお、ステップS101で、表示内容とともに更新時刻情報を併せて取得していてもよい。ステップS108では、サイネージ装置150は、判定部372により、自機のものの方が過去に更新されたものであるか否かを判定する。
【0070】
ステップS108で、自機のものの方が過去に更新されたものであると判定された場合(YES)は、ステップS111へ処理が進められ、本処理を終了する。ここでは、正規の更新後に不正書き換えが生じると考えると、古い更新日時のものが正しいと推定されるためである。
【0071】
一方、ステップS108で、他機のものの方が過去に更新されたと判定された場合(NO)は、ステップS109へ処理を進める。ステップS109では、サイネージ装置150は、保存部378により、現在の表示内容を保存する。ステップS110では、サイネージ装置150は、修正部374により、記憶部358の表示内容を、最も古い更新時刻を有する他機の表示内容にあわせて更新し、ステップS111で、本処理を終了する。
【0072】
図7に示した処理フローは、サイネージ装置150間で表示内容を送受信し合い、表示内容ノデータを照合することにより一致および不一致を判定していた。しかしながら、表示内容そのものの比較を行うほか、表示内容データから算出されるハッシュ値を比較し、ハッシュ値から不正書き込みを検知した場合にのみ、表示内容データを取得するよう構成することもできる。
【0073】
図8は、そのような他の実施形態によるサイネージ管理システム100で実行される不正書き換えの検知および修正処理を示すフローチャートである。図8に示す処理は、図7のものと同様のタイミングで呼び出されて、ステップS200から開始する。
【0074】
ステップS201では、サイネージ装置150は、第2通信部354により、近隣の1または複数のサイネージ装置150から、対応する表示内容のハッシュ値を受信し、表示内容管理部370は、照合のための他機の表示内容のハッシュ値を取得する。
【0075】
ステップS202では、サイネージ装置150は、判定部372により、自機の表示内容のハッシュ値が、他機の表示内容のハッシュ値すべてと一致するか否かを判定する。ステップS202の判定で、すべての表示内容のハッシュ値が一致する場合(YES)は、ステップS212へ直接処理を進めて、本処理を終了する。
【0076】
一方で、ステップS202の判定で、すべての表示内容のハッシュ値が一致するわけではないと判定された場合(NO)は、ステップS203へ処理が分岐される。ステップS203では、サイネージ装置150は、判定部372により、他機の表示内容のハッシュ値の照合の結果、自機の表示内容(のハッシュ値)が少数派に属するか否かを判定する。ステップS203で、少数派に属すると判定された場合(YES)は、ステップS204へ処理が分岐される。ステップS204では、サイネージ装置150は、保存部378により、現在の表示内容を保存する。サイネージ装置150は、ステップS205では、第2通信部354により、多数派のハッシュ値に対応する表示内容を、多数派であるいずれかのサイネージ装置150から取得する。ステップS211では、サイネージ装置150は、修正部374により、記憶部358の表示内容を更新し、ステップS212で、本処理を終了する。
【0077】
一方、ステップS203で、自機の表示内容が少数派ではないと判定された場合(NO)は、ステップS206へ処理が進められる。ステップS206では、サイネージ装置150は、判定部372により、他機の表示内容のハッシュ値の照合の結果、自機の表示内容が多数派に属するか否かを判定する。ステップS106で、多数派に属すると判定された場合(YES)は、ステップS212へ処理を進め、本処理を終了する。
【0078】
一方、ステップS206で、多数派に属すると判定されなかった場合(NO)は、ステップS207へ処理が進められる。ステップS207では、サイネージ装置150は、第2通信部354により、近隣の1または複数のサイネージ装置150から、対応する表示内容の更新時間情報を取得する。なお、ステップS201で、表示内容のハッシュ値とともに更新時刻情報を併せて取得していてもよい。ステップS208では、サイネージ装置150は、判定部372により、自機のものの方が過去に更新されたものであるか否かを判定する。
【0079】
ステップS208で、自機のものの方が過去に更新されたものであると判定された場合(YES)は、ステップS212へ処理が進められ、本処理を終了する。一方、ステップS208で、他機のものの方が過去に更新されたと判定された場合(NO)は、ステップS209へ処理を進める。ステップS209では、サイネージ装置150は、保存部378により、現在の表示内容を保存する。ステップS210では、サイネージ装置150は、第2通信部354により、最も古い更新日時に対応する表示内容を、その送信元のサイネージ装置150から取得する。ステップS211では、サイネージ装置150は、修正部374により、記憶部358の表示内容を、取得した表示内容で更新し、ステップS212で、本処理を終了する。
【0080】
上述した実施形態によれば、上記不正書き換えの検知処理により、人手によらず、サイネージ装置150おいて起こり得る不正な書き換えを検知することが可能となる。ひいては、不正な書き換えを検知した場合に、正しいものに修正したり、不正な書き換えがあったことを管理者に通知したり、事後の検証のために不正な書き換えの内容を保存したりすることが可能となる。
【0081】
なお、上述した実施形態による不正な書き換えを検知および修正処理は、不正な書き換えを検知し、それを修正するほかにも利点を有する。サイネージ装置150は、通信環境の悪い場所に設置されていたり、管理端末110と何らかの理由で通信不能になってしまったりする場合がある。図9は、本実施形態によるサイネージ管理システムにおいて、そのような場合に有利な、表示内容の照合処理および修正処理により実現される表示内容の同期を説明する。
【0082】
図9に示すように、1つのサイネージ装置150が、何らかの理由で管理端末110と通信不能(図9中では×印で示される。)になったとする。そして、通信不能状態において、他の通信可能なサイネージ装置150の表示内容が更新されたものとする。
【0083】
その場合、通信不能のサイネージ装置150の表示内容(C')は、管理端末110と通信可能な他のサイネージ装置150の表示内容(C)と不一致となる。しかしながら、上述した不正書き換えの検知処理のタイミングで、通信不能のサイネージ装置150の表示内容(C')は、正しくないと判定され、多数派の表示内容(C)で修正されることとなる。このように、何らかの理由で通信不能になった場合であっても、他のサイネージ装置150との広域無線通信を介して最新の表示内容の同期が実現される。なお、この場合の管理端末110への同期を完了した旨の通知は、例えば、同期をした1台のサイネージ装置150に代理で通知してもらうよう依頼してもよい。
【0084】
以下、再び図5および図10図14を参照しながら、好ましい実施形態による表示内容管理部370が備える他の機能について説明する。上述したように、好ましい実施形態において、表示内容管理部370は、さらに、変更依頼部380と、状態制御部382と、設定部384と、通信状態監視部386とを含み構成される。
【0085】
通信状態監視部386は、第1通信部352による管理端末110との通信状態を監視する。
【0086】
上述した管理端末110と通信不能になってしまう理由の一つとして、地震などの災害の発生が想定される。状態制御部382は、通信状態監視部386からの通信状態を取得し、通信状態が所定基準以下に悪化したこと(例えば、一定期間通信不能になったこと)を検知したことに応答して、サイネージ装置150間の表示内容の不一致を許容するモード(状態)に移行させることができる。ここで、装置間の表示内容の不一致を許容する状態とは、例えば、災害時など、管理端末110から一括指示された表示内容よりも、管理者等が現場で個別に設定した表示内容を優先することが望ましい場合に、現場で個別に設定した表示内容が書き換えられないようにするためのモードである。
【0087】
図10は、本実施形態によるサイネージ管理システム100において、地震などの災害時での近隣のサイネージ装置間の表示内容の不一致を許容するモードへの移行を説明する。図10に示すように、通信状態が所定基準以下に悪化したこと(例えば、一定期間通信不能になったこと)に基づいて、不一致許可モードに移行すると、仮に、個別の書き換えにより装置間で不一致が生じても、その修正は抑制されることとなる。
【0088】
なお、図9に示すように、偶発的な通信状態に起因して通信不能な状態となることもあるため、好ましくは、他のサイネージ装置150とも通信して、通信状態を判定することが望ましい。例えば、LoRaなどの広域無線通信は、インターネットとは災害時の耐性が異なる可能性があり、第1通信部352の通信が不通となった場合でも、近隣間でLoRaによる通信ができる可能性がある。このため、単なる通信状態の悪化と区別するために、1または複数の他のサイネージ装置150から、管理端末110との通信状態の情報を取得し、複数のサイネージ装置150で通信状態が悪化したことを条件として、上記不一致を許容するモードに入ることとしてもよい。
【0089】
図11は、本実施形態によるサイネージ管理システム100において通信状態に応じて装置間の表示内容の不一致を許容するモードへ移行する処理を示すフローチャートである。図11に示す処理は、定期的に繰り返し実行され、ステップS300から開始する。なお、本通信状態の確認の頻度も、管理者が事前に設定することができる。
【0090】
ステップS301では、サイネージ装置150は、状態制御部382により、管理端末110との通信状態を確認する。ステップS302では、サイネージ装置150は、管理端末110との通信状態が良好であるか否かに応じて処理を分岐させる。ステップS302で、管理端末110との通信状態が良好であるかと判定された場合(YES)は、ステップS304へ処理を直接進めて、本処理を終了させる。
【0091】
一方、ステップS302で、管理端末110との通信状態が所定基準以下に悪化したことを検知した場合(NO)は、ステップS303へ処理が進められる。ステップS303では、サイネージ装置150は、状態制御部382により、サイネージ装置150間の表示内容の不一致を許容するモードに移行し、ステップS304で本処理を終了する。
【0092】
なお、不一致を許可するモードに変更した以降は、管理者による現場での手動操作で、あるいは、通信状態が回復した後のリモート操作により、元の不一致を許可しないモードに戻すこともできる。
【0093】
上述までの説明では、説明の簡便のため、当該サイネージ装置150で現在表示している特定の表示内容が一つであり、その一つの特定の表示内容に対応した他機の同一であるべき表示内容を取得し、照合するものとして説明した。しかしながら、表示部356で表示する表示内容は、時間的にずれて、あるいは、ディスプレイ上の表示の位置が異なって複数が表示される場合もあり、また、表示内容ごとに、同期する対象のサイネージ装置150の照合範囲が異なる場合もある。
【0094】
図12は、本実施形態によるサイネージ装置150に表示される複数の表示内容と、表示内容ごとの提示エリアおよび照合エリアの対応関係を説明する図である。図12(A)に示すように、サイネージ装置150の表示内容が複数ある場合がある。また、図12(B)に示すように各表示内容に対して、個別に提示エリアおよび照合エリア(例えば、区全域、字名内のみ、番地内のみなど)が定められる場合がある。なお、ここでは、各サイネージ装置150には、その装置が配置されている住所、あるいは地理的座標情報(緯度、経度)が関連付けられており、近隣のサイネージ装置150からも、上記表示内容に関連付けて、他のサイネージ装置の設置場所に関する情報を取得することができるものとする。
【0095】
このように自機の表示内容には、当該サイネージ装置150が属するエリア情報が関連付けられており、判定部372による正しさの判定は、所定のエリア範囲に該当する他のサイネージ装置150からの表示内容の情報に基づいて実行することができる。
【0096】
上述した不正書き換えの検知および修正処理は、定期的に行われることが好ましい。図5に示す設定部384は、上述した表示内容の情報の受信処理および正しさの判定処理の頻度を設定することができる。その頻度および時間帯は、管理者側で設定可能に構成される。例えば1日1回、人通りの少ない深夜に上記作業時間を設定することで、照合作業を通行人に見られないように構成してもよい。また人通りが多くなる直前の時間(1日2回、早朝と夕方など)に設定することで誤った情報が人目につく前に情報を修正するように構成してもよい。この目的で、設定部384は、時間帯に応じて、頻度を高めたり、低めたりするように設定することができる。
【0097】
そのほか、設定部384は、装置状態監視部364からの通知を受けて、サイネージ装置150の電池残量に応答して、例えば、電池残量が所定閾値以下に低下した場合に、頻度を下げるように設定することができる。あるいは、設定部384は、装置状態監視部364からの通知を受けて、電池残量が満タンになった場合に、頻度を戻すように設定することができる。
【0098】
さらに、設定部384は、自機または他機のいずれかでの正しくない表示内容(不正書き換え)を検知したことに応答して、例えば頻度を一定時間高めるように設定することができる。
【0099】
図13は、いずれかのサイネージ装置150で不正書き換えの検知した場合に、その発生をトリガーとして、周囲のサイネージ装置150の照合頻度を上げる、特定の実施形態を説明する。例えば、サイネージ装置150は、情報を交換しており、自機で、または、他機で、表示内容の不正な書き換えを検知した場合に、設定部384は、その検知の通知を受けて、頻度を一定時間高めるように設定することができる。
【0100】
なお、照合頻度の上昇の程度および上昇させる期間は、事前に管理者が設定するようにしてもよい。例えば、不正書き換えの検知に応答して、照合頻度を10分に1回、3時間の期間、照合頻度を上げたままにするというように設定することができる。このようにすることで、近隣のサイネージ装置50が連続して不正に書き換えられたとしても、それに対して迅速に修正することができるようになる。
【0101】
上述した実施形態では、自機の表示内容が正しくないと検知したサイネージ装置150において、自機の正しくないと判定された表示内容を修正するものとして説明した。しかしながら、他の実施形態では、自機の表示内容が正しいと検知したサイネージ装置150が、他機に対し、自機の正しい判定された表示内容を送付し、あるいは、他の正しい表示内容の通知とともに、正しい表示内容への修正の依頼を行うこともできる。図5に示す変更依頼部380は、かかる目的で処理を実行する。
【0102】
変更依頼部380は、より具体的には、判定部372が自機の表示内容が正しいと判定した場合において、さらに、自機の表示内容と不一致の内容を有する(不正書き換えが疑われる)他のサイネージ装置150がある場合に、その不一致の内容を有するサイネージ装置150に対し、自機の表示内容とともに、あるいは、正しい表示内容のサイネージ装置150の情報とともに、正しい表示内容への修正および更新を依頼することができる。
【0103】
図14は、他の実施形態によるサイネージ管理システムで実行される不正書き換えの検知および他機への修正依頼処理を示すフローチャートである。図14に示す処理は、図7および図8と同様に、ステップS400から開始する。
【0104】
ステップS401では、サイネージ装置150は、第2通信部354により、近隣の1または複数のサイネージ装置150から、対応する表示内容する。ステップS402では、サイネージ装置150は、判定部372により、自機の表示内容が他機の表示内容すべてと一致するか否かを判定する。ステップS402の判定で、すべての表示内容が一致する場合(YES)は、ステップS409へ直接処理を進め、本処理を終了する。
【0105】
一方で、ステップS402の判定で、すべての表示内容が一致するわけではないと判定された場合(NO)は、ステップS403へ処理が分岐される。ステップS403では、サイネージ装置150は、判定部372により、他機の表示内容との照合の結果、自機の表示内容が少数派に属するか否かを判定する。ステップS403で、少数派に属すると判定された場合(YES)は、ステップS409へ処理が分岐され、本処理は終了する。一方、ステップS403で、自機の表示内容が少数派ではないと判定された場合(NO)は、ステップS404へ処理が進められる。
【0106】
ステップS404では、サイネージ装置150は、判定部372により、さらに、他機の表示内容との照合の結果、自機の表示内容が多数派に属するか否かを判定する。ステップS404で、多数派に属すると判定された場合(YES)は、ステップS405へ処理が進められる。ステップS405では、サイネージ装置150は、変更依頼部380により、少数派の表示内容を有するサイネージ装置150に対し、多数派の表示内容(例えば、自機の表示内容)で修正するよう依頼し、ステップS409で、本処理を終了させる。
【0107】
一方、ステップS404で、多数派ではないと判定された場合(NO)は、ステップS406へ処理が進められる。ステップS406では、サイネージ装置150は、第2通信部354により、近隣の1または複数のサイネージ装置150から、対応する表示内容の更新時間情報を取得する。ステップS407では、サイネージ装置150は、自機のものの方が過去に更新されたものであるか否かを判定する。ステップS407で、自機のものの方が過去に更新されたものではないと判定された場合(NO)は、ステップS409へ処理が進められ、本処理を終了する。
【0108】
一方、ステップS407で、自機のものの方が過去に更新されたものであると判定された場合(YES)は、ステップS408へ処理が進められる。ステップS408では、サイネージ装置150は、変更依頼部380により、不一致のあったサイネージ装置150に、最も古い表示内容(例えば、自機の表示内容)で修正するよう依頼し、ステップS409で、本処理を終了させる。
【0109】
以上説明したように、本実施形態によれば、人手によらず、情報表示装置において起こり得る不正な書き換えを検知することが可能な情報表示装置、該情報表示装置を実現するためのプログラム、情報表示装置が実行する管理方法。複数の情報表示装置を含む情報表示システムが提供される。
【0110】
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0111】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 情報を表示する表示部を備えた情報表示装置であって、
前記表示部で表示する第1の表示内容を記憶する記憶部と、
1または複数の他の情報表示装置から前記第1の表示内容に対応する前記1または複数の他の情報表示装置で表示する1または複数の第2の表示内容の情報を受信する受信部と、
前記第1の表示内容および前記1または複数の第2の表示内容の情報に基づいて、前記第1の表示内容の正しさを判定する判定部と
を含む、情報表示装置である。
<2> 前記判定部が前記第1の表示内容が正しくないと判定した場合に、前記第1の表示内容を修正する修正部、
前記判定部が前記第1の表示内容が正しくないと判定した場合に、異常を通知する通知部、および、
前記判定部が前記第1の表示内容が正しくないと判定した場合に、正しくないと判定された前記第1の表示内容を保存する保存部
のいずれか少なくとも1つを含む、<1>に記載の情報表示装置である。
<3> 前記判定部は、前記第1の表示内容と前記1または複数の第2の表示内容とを照合した結果、前記第1の表示内容が多数派に属するか否かに基づいて、前記第1の表示内容の正しさを判定する、<1>または<2>に記載の情報表示装置である。
<4> 前記第1の表示内容および前記1または複数の第2の表示内容には、更新時間が紐付けられており、前記判定部は、前記第1の表示内容が多数派に属すると判定されない場合に、前記第1の表示内容および前記1または複数の第2の表示内容の更新時間情報に基づいて、前記第1の表示内容の正しさを判定する、<3>に記載の情報表示装置である。
<5> 前記判定部が前記第1の表示内容が正しいと判定した場合において、さらに、前記1または複数の他の情報表示装置のうちの前記第1の表示内容と不一致の内容を有する情報表示装置がある場合に、前記不一致の内容を有する情報表示装置に対し、前記第1の表示内容とともに更新を依頼する変更依頼部
をさらに含む、<1>~<4>のいずれかに記載の情報表示装置である。
<6> 受信される前記1または複数の第2の表示内容の情報は、それぞれ、表示する表示内容データであるか、または表示内容データのハッシュ値である、<1>~<5>のいずれかに記載の情報表示装置である。
<7> 前記1または複数の他の情報表示装置に対し、前記第1の表示内容の情報を発信する発信部
をさらに含む、<1>~<6>のいずれかに記載の情報表示装置である。
<8> 前記受信部は、広域無線通信を実行しており、前記情報表示装置は、
さらに、前記記憶部に記憶される第1の表示内容を更新するために前記広域無線通信とは異なる通信により管理装置と通信するための通信部と、
前記通信部による前記管理装置との通信状態を監視する通信状態監視部と
を含み、前記情報表示装置は、さらに
前記通信状態が所定基準以下に悪化したことに基づいて、情報表示装置間の表示内容の不一致を許容する状態に移行させる状態制御部
を含む、<1>~<7>のいずれかに記載の情報表示装置である。
<9> 前記第1の表示内容には、当該情報表示装置が属するエリア情報が関連付けられており、前記判定部による前記正しさの判定は、所定のエリア範囲に該当する前記1または複数の他の情報表示装置からの前記1または複数の第2の表示内容に基づいて実行する、<1>~<8>のいずれかに記載の情報表示装置である。
<10> 前記受信部による前記1または複数の第2の表示内容の情報の受信および前記判定部による前記第1の表示内容の正しさの判定の頻度を、前記情報表示装置の電池残量、前記情報表示装置または前記1または複数の他の情報表示装置のいずれかでの正しくない表示内容の検知、時間帯またはこれらの組み合わせに応じて設定する設定部、
をさらに含む、<1>~<9>のいずれかに記載の情報表示装置である。
<11> 情報を表示する表示部を備えた情報表示装置を実現するためのプログラムであって、前記情報表示装置のコンピュータを
前記表示部で表示する第1の表示内容を記憶する記憶部、
1または複数の他の情報表示装置から前記第1の表示内容に対応する前記1または複数の他の情報表示装置で表示する1または複数の第2の表示内容の情報を受信する受信部、および、
前記第1の表示内容および前記1または複数の第2の表示内容の情報に基づいて、前記第1の表示内容の正しさを判定する判定部
として機能させる、プログラムである。
<12> 表示部による情報の表示を管理する管理方法であって、前記表示部を備えた情報表示装置が、
前記表示部で表示する第1の表示内容を読み出すステップと、
1または複数の他の情報表示装置から前記第1の表示内容に対応する前記1または複数の他の情報表示装置で表示する1または複数の第2の表示内容の情報を受信するステップと、
前記第1の表示内容および前記1または複数の第2の表示内容の情報に基づいて、前記第1の表示内容の正しさを判定するステップと
を含む、管理方法である。
<13> それぞれ情報を表示する表示部を備えた複数の情報表示装置を含み構成される情報表示システムであって、前記複数の情報表示装置は、それぞれ、
前記表示部で表示する第1の表示内容を記憶する記憶部と、
前記複数の表示装置のうちの1または複数の他の情報表示装置から前記第1の表示内容に対応する前記1または複数の他の情報表示装置で表示する1または複数の第2の表示内容の情報を受信する受信部と、
前記1または複数の他の情報表示装置の少なくとも1つの他の情報表示装置に対し、前記第1の表示内容の情報を発信する発信部と、
前記第1の表示内容および前記1または複数の第2の表示内容の情報に基づいて、前記第1の表示内容の正しさを判定する判定部と
を含む、情報表示システムである。
【符号の説明】
【0112】
100…サイネージ管理システム、102…ネットワーク、104…広域無線通信、110…管理端末、150…サイネージ装置、310,350…機能ブロック、312,358…記憶部、318…操作部、320…通信部、352…第1通信部、354…第2通信部、356…表示部、364…装置状態監視部、370…表示内容管理部、372…判定部、374…修正部、376…通知部、378…保存部、380…変更依頼部、382…状態制御部、384…設定部、386…通信状態監視部、
【先行技術文献】
【特許文献】
【0113】
【特許文献1】特開2022-109204号公報
【特許文献2】特開2008-205980号公報
図1
図2
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