(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013138
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】放射線画像処理装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240124BHJP
【FI】
A61B6/00 350Z
A61B6/00 333
A61B6/00 350D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115111
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川村 隆浩
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA50
4C093EA07
4C093FF16
4C093FF22
4C093FF33
4C093FF34
(57)【要約】
【課題】放射線画像処理装置、方法およびプログラムにおいて、使用者に負担をかけることなく放射線の線質の変化を知ることができるようにする。
【解決手段】プロセッサは、エネルギー分布が異なる放射線によって被写体を撮影することにより取得された第1の放射線画像および第2の放射線画像を取得し、第1の放射線画像および第2の放射線画像の少なくとも一方に基づいて被写体の体厚を導出し、第1の放射線画像および第2の放射線画像における被写体の軟部領域を特定し、第1の放射線画像および第2の放射線画像のそれぞれについての、軟部領域における体厚に応じた第1の減弱係数および第2の減弱係数を導出し、第1の減弱係数および第2の減弱係数の体厚に応じた比率である減弱比を、放射線の線質を表す指標として導出する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
エネルギー分布が異なる放射線によって被写体を撮影することにより取得された第1の放射線画像および第2の放射線画像を取得し、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像の少なくとも一方に基づいて前記被写体の体厚を導出し、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像における前記被写体の軟部領域を特定し、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像のそれぞれについての、前記軟部領域における前記体厚に応じた第1の減弱係数および第2の減弱係数を導出し、
前記第1の減弱係数および前記第2の減弱係数の前記体厚に応じた比率である減弱比を、前記放射線の線質を表す指標として導出する放射線画像処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像の散乱線成分を除去して第1の一次線画像および第2の一次線画像を導出し、
前記第1の一次線画像および前記第2の一次線画像に基づいて、前記第1の減弱係数および前記第2の減弱係数を導出する請求項1に記載の放射線画像処理装置。
【請求項3】
前記指標は、前記体厚と前記減弱比との関係を表す請求項1または2に記載の放射線画像処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記指標と基準指標との差異が予め定められたしきい値を超えたか否かを判定し、
前記判定が否定された場合に警告を行う請求項1または2に記載の放射線画像処理装置。
【請求項5】
エネルギー分布が異なる放射線によって被写体を撮影することにより取得された第1の放射線画像および第2の放射線画像を取得し、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像の少なくとも一方に基づいて前記被写体の体厚を導出し、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像における前記被写体の軟部領域を特定し、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像のそれぞれについての、前記軟部領域における前記体厚に応じた第1の減弱係数および第2の減弱係数を導出し、
前記第1の減弱係数および前記第2の減弱係数の前記体厚に応じた比率である減弱比を、前記放射線の線質を表す指標として導出する放射線画像処理方法。
【請求項6】
エネルギー分布が異なる放射線によって被写体を撮影することにより取得された第1の放射線画像および第2の放射線画像を取得する手順と、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像の少なくとも一方に基づいて前記被写体の体厚を導出する手順と、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像における前記被写体の軟部領域を特定する手順と、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像のそれぞれについての、前記軟部領域における前記体厚に応じた第1の減弱係数および第2の減弱係数を導出する手順と、
前記第1の減弱係数および前記第2の減弱係数の前記体厚に応じた比率である減弱比を、前記放射線の線質を表す指標として導出する手順とをコンピュータに実行させる放射線画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放射線画像処理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被写体を構成する物質によって透過した放射線の減衰量が異なることを利用して、エネルギー分布が異なる2種類の放射線を被写体に照射して得られた2枚の放射線画像を用いたエネルギーサブトラクション処理が知られている。エネルギーサブトラクション処理とは、上記のようにして得られた2つの放射線画像の各画素を対応させて、画素間で適当な重み係数を乗算した上で減算(サブトラクト)を行って、放射線画像に含まれる骨部および軟部といった特定の組成を分離した画像を取得する方法である。
【0003】
また、エネルギーサブトラクション処理により、骨塩量、脂肪および筋肉等の人体の組成を導出するための各種手法も提案されている。例えば、特許文献1には、被写体を透過したそれぞれエネルギー分布が異なる放射線により取得された複数の放射線画像から、被写体の軟部を抽出した軟部画像を生成し、軟部画像および放射線画像を取得した際の撮影条件に基づいて被写体の体厚分布を推定し、推定した体厚分布を人体に対応するモデルで近似した近似体厚分布を算出し、近似体厚分布に基づいて被写体内の体脂肪率の分布を算出する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エネルギーサブトラクション処理は上述したようにエネルギー分布が異なる放射線により取得された放射線画像を用いる。ここで、撮影装置を構成する放射線源、天板、散乱線除去グリッドおよび放射線検出器の影響により放射線の線質は変化する。とくに放射線源は経時的な線質変動がある。このように放射線の線質が変化すると、放射線のエネルギー分布が異なり、その結果、エネルギーサブトラクション処理による組成の分離精度が低下してしまう。ここで、放射線の線質の変動はアルミ半価層を測定することにより較正することができるが、アルミ半価層はアルミニウムを材料とする簡易的な線質指標であるため、放射線のエネルギー分布とは一意に対応付けることができない。このため、アルミ半価層による線質測定では、エネルギーサブトラクション処理の組成の分離精度が十分でないことがある。また、アルミ半価層を計測する作業は使用者の負担が大きい。
【0006】
本開示は上記事情に鑑みなされたものであり、使用者に負担をかけることなく放射線の線質の変化を知ることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示による放射線画像処理装置は、少なくとも1つのプロセッサを備え、
プロセッサは、エネルギー分布が異なる放射線によって被写体を撮影することにより取得された第1の放射線画像および第2の放射線画像を取得し、
第1の放射線画像および第2の放射線画像の少なくとも一方に基づいて被写体の体厚を導出し、
第1の放射線画像および第2の放射線画像における被写体の軟部領域を特定し、
第1の放射線画像および第2の放射線画像のそれぞれについての、軟部領域における体厚に応じた第1の減弱係数および第2の減弱係数を導出し、
第1の減弱係数および第2の減弱係数の体厚に応じた比率である減弱比を、放射線の線質を表す指標として導出する。
【0008】
なお、本開示による放射線画像処理装置においては、プロセッサは、第1の放射線画像および第2の放射線画像の散乱線成分を除去して第1の一次線画像および第2の一次線画像を導出し、
第1の一次線画像および第2の一次線画像に基づいて、第1の減弱係数および第2の減弱係数を導出するものであってもよい。
【0009】
また、本開示による放射線画像処理装置においては、指標は、体厚と減弱比との関係を表すものであってもよい。
【0010】
また、本開示による放射線画像処理装置においては、プロセッサは、指標と基準指標との差異が予め定められたしきい値を超えたか否かを判定し、
判定が否定された場合に警告を行うものであってもよい。
【0011】
本開示による放射線画像処理方法は、エネルギー分布が異なる放射線によって被写体を撮影することにより取得された第1の放射線画像および第2の放射線画像を取得し、
第1の放射線画像および第2の放射線画像の少なくとも一方に基づいて被写体の体厚を導出し、
第1の放射線画像および第2の放射線画像における被写体の軟部領域を特定し、
第1の放射線画像および第2の放射線画像のそれぞれについての、軟部領域における体厚に応じた第1の減弱係数および第2の減弱係数を導出し、
第1の減弱係数および第2の減弱係数の体厚に応じた比率である減弱比を、放射線の線質を表す指標として導出する。
【0012】
本開示による放射線画像処理プログラムは、エネルギー分布が異なる放射線によって被写体を撮影することにより取得された第1の放射線画像および第2の放射線画像を取得する手順と、
第1の放射線画像および第2の放射線画像の少なくとも一方に基づいて被写体の体厚を導出する手順と、
第1の放射線画像および第2の放射線画像における被写体の軟部領域を特定する手順と、
第1の放射線画像および第2の放射線画像のそれぞれについての、軟部領域における体厚に応じた第1の減弱係数および第2の減弱係数を導出する手順と、
第1の減弱係数および第2の減弱係数の体厚に応じた比率である減弱比を、放射線の線質を表す指標として導出する手順とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、使用者に負担をかけることなく放射線の線質の変化を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の実施形態による放射線画像処理装置を適用した放射線画像撮影システムの構成を示す概略ブロック図
【
図2】本実施形態による放射線画像処理装置の概略構成を示す図
【
図3】本実施形態による放射線画像処理装置の機能的な構成を示す図
【
図7】本実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。
図1は本開示の本実施形態による放射線画像処理装置を適用した放射線画像撮影システムの構成を示す概略ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態による放射線画像撮影システムは、撮影装置1と、本実施形態による放射線画像処理装置10とを備える。
【0016】
撮影装置1は、第1の放射線検出器5および第2の放射線検出器6に、放射線源3から発せられ、被写体Hを透過したX線等の放射線を、それぞれエネルギーを変えて照射するいわゆる1ショット法によるエネルギーサブトラクションを行うための撮影装置である。撮影時においては、
図1に示すように、放射線源3に近い側から順に、第1の放射線検出器5、銅板等からなる放射線エネルギー変換フィルタ7、および第2の放射線検出器6を配置して、放射線源3を駆動させる。なお、第1および第2の放射線検出器5,6と放射線エネルギー変換フィルタ7とは密着されている。
【0017】
これにより、第1の放射線検出器5においては、いわゆる軟線も含む低エネルギーの放射線による被写体Hの第1の放射線画像G1が取得される。また、第2の放射線検出器6においては、軟線が除かれた高エネルギーの放射線による被写体Hの第2の放射線画像G2が取得される。第1および第2の放射線画像G1,G2は、放射線画像処理装置10に入力される。
【0018】
なお、本実施形態においては、被写体Hの撮影時には、被写体Hを透過した放射線の散乱線成分を除去する散乱線除去グリッドは使用されない。このため、第1の放射線画像G1および第2の放射線画像G2には、被写体Hを透過した放射線の一次線成分および散乱線成分が含まれる。
【0019】
ここで、エネルギーサブトラクション処理とは、被写体を構成する物質によって透過した放射線の減衰量が異なることを利用して、エネルギー分布が異なる2種類の放射線を被写体に照射して得られた2枚の放射線画像を用いて、被写体内の異なる組織(例えば軟部および骨部)を抽出した画像を生成する処理である。
【0020】
第1および第2の放射線検出器5,6は、放射線画像の記録および読み出しを繰り返して行うことができるものであり、放射線の照射を直接受けて電荷を発生する、いわゆる直接型の放射線検出器を用いてもよいし、放射線を一旦可視光に変換し、その可視光を電荷信号に変換する、いわゆる間接型の放射線検出器を用いるようにしてもよい。また、放射線画像信号の読出方式としては、TFT(thin film transistor)スイッチをオン・オフさせることによって放射線画像信号が読み出される、いわゆるTFT読出方式のもの、または読取り光を照射することによって放射線画像信号が読み出される、いわゆる光読出方式のものを用いることが望ましいが、これに限らずその他のものを用いるようにしてもよい。
【0021】
次いで、本実施形態による放射線画像処理装置について説明する。まず、
図2を参照して、本実施形態による放射線画像処理装置のハードウェア構成を説明する。
図2に示すように、放射線画像処理装置10は、ワークステーション、サーバコンピュータおよびパーソナルコンピュータ等のコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)11、不揮発性のストレージ13、および一時記憶領域としてのメモリ16を備える。また、放射線画像処理装置10は、液晶ディスプレイ等のディスプレイ14、キーボードおよびマウス等の入力デバイス15、並びに不図示のネットワークに接続されるネットワークI/F(InterFace)17を備える。CPU11、ストレージ13、ディスプレイ14、入力デバイス15、メモリ16およびネットワークI/F17は、バス18に接続される。なお、CPU11は、本開示におけるプロセッサの一例である。
【0022】
ストレージ13は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、およびフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としてのストレージ13には、放射線画像処理装置10にインストールされた放射線画像処理プログラム12が記憶される。CPU11は、ストレージ13から放射線画像処理プログラム12を読み出してメモリ16に展開し、展開した放射線画像処理プログラム12を実行する。
【0023】
放射線画像処理プログラム12は、ネットワークに接続されたサーバコンピュータの記憶装置、あるいはネットワークストレージに、外部からアクセス可能な状態で記憶され、要求に応じて放射線画像処理装置10を構成するコンピュータにダウンロードされ、インストールされる。または、DVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体に記録されて配布され、その記録媒体から放射線画像処理装置10を構成するコンピュータにインストールされる。
【0024】
次いで、本実施形態による放射線画像処理装置の機能的な構成を説明する。
図3は、本実施形態による放射線画像処理装置の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、放射線画像処理装置10は、画像取得部21、体厚導出部22、散乱線除去部23、軟部領域特定部24、指標導出部25、サブトラクション部26、判定部27および表示制御部28を備える。そして、CPU11は、放射線画像処理プログラム12を実行することにより、画像取得部21、体厚導出部22、散乱線除去部23、軟部領域特定部24、指標導出部25、サブトラクション部26、判定部27および表示制御部28として機能する。
【0025】
画像取得部21は、撮影装置1に被写体Hのエネルギーサブトラクション撮影を行わせることにより、第1および第2の放射線検出器5,6から、被写体Hの第1の放射線画像G1および第2の放射線画像G2を取得する。この際、撮影線量、エネルギー分布、管電圧およびSID等の撮影条件が設定される。撮影条件は、使用者による入力デバイス15からの入力により設定すればよい。設定された撮影条件は、ストレージ13に保存される。なお、本実施形態による放射線画像処理プログラムとは別個のプログラムにより第1および第2の放射線画像G1,G2を取得するようにしてもよい。この場合、画像取得部21は、ストレージ13に保存された第1および第2の放射線画像G1,G2を処理のためにストレージ13から読み出すものとなる。
【0026】
体厚導出部22は、第1および第2の放射線画像G1,G2のうちの少なくとも1つの画像に基づいて、第1および第2の放射線画像G1,G2の画素毎に被写体Hの体厚を導出する。体厚は第1および第2の放射線画像G1,G2の画素毎に導出されるため、体厚導出部22は、第1および第2の放射線画像G1,G2の少なくとも一方における体厚分布を導出することとなる。体厚の導出に際し、体厚導出部22は、被写体Hに近い側の放射線検出器5により取得された第1の放射線画像G1を用いる。しかしながら、第2の放射線画像G2を用いてもよい。また、いずれの画像を用いる場合であっても、画像の低周波成分を表す低周波画像を導出し、低周波画像を用いて体厚を導出してもよい。
【0027】
本実施形態においては、体厚導出部22は、第1の放射線画像G1における輝度分布が被写体Hの体厚の分布と一致するものと仮定し、第1の放射線画像G1の画素値を、被写体Hの軟部における減弱係数を用いて厚さに変換することにより、被写体Hの体厚を導出する。これに代えて、体厚導出部22は、センサ等を用いて被写体Hの厚さを計測するものであってもよい。また、体厚導出部22は、立方体あるいは楕円柱等のモデルで被写体Hの体厚を近似することにより体厚を導出するものであってもよい。また、体厚導出部22は、後述する散乱線除去部23による散乱線除去処理と同時に、被写体Hの体厚を導出するものであってもよい。
【0028】
散乱線除去部23は、第1および第2の放射線画像G1,G2に含まれる、被写体内において放射線が散乱することにより生じる散乱線成分を除去する。散乱線成分を除去する手法としては、例えば、特開2015-043959号公報等に記載された任意の手法を用いることができる。特開2015-043959号公報に記載された手法は、導出した体厚を用いて散乱線成分を導出して、放射線画像の散乱線除去処理を行う手法である。なお、以降の説明において、散乱線成分が除去された第1および第2の放射線画像G1,G2を第1の一次線画像Gp1、第2の一次線画像Gp2とする。
【0029】
ここで、特開2015-043959号公報に記載された手法を用いた場合の散乱線除去について説明する。特開2015-043959号公報に記載された手法等を用いる場合、体厚の導出および散乱線の除去のための散乱線成分の導出が同時に行われる。
【0030】
このため、体厚の導出および散乱線の除去が、体厚導出部22および散乱線除去部23において、以下のように行われる。まず、体厚導出部22および散乱線除去部23は、初期体厚分布を有する被写体Hの仮想モデルを取得し、仮想モデルの撮影により得られる一次線画像を推定した推定一次線画像と、仮想モデルの撮影により得られる散乱線画像を推定した推定散乱線画像とを導出する。なお、推定一次線画像および推定散乱線画像の導出は、本実施形態においては、第1の放射線画像G1を用いて行うものとする。次いで、体厚導出部22および散乱線除去部23は、推定一次線画像と推定散乱線画像とを加算して、推定画像を導出する。さらに、体厚導出部22および散乱線除去部23は、推定画像と第1の放射線画像G1との違いが小さくなるように初期体厚分布を修正する。
【0031】
そして、体厚導出部22および散乱線除去部23は、修正した体厚分布を用いて推定画像を導出し、推定画像と第1の放射線画像G1との違いが予め定められた終了条件を満たすまで、修正した体厚分布を用いた推定画像の生成および体厚分布の修正を繰り返し行う。体厚導出部22は、終了条件を満たした際の体厚分布を、被写体Hの体厚として導出する。散乱線除去部23は、終了条件を満たした際の推定散乱線画像を第1の放射線画像G1から減算することにより、第1の放射線画像G1から散乱線成分を除去して第1の一次線画像Gp1を導出する。なお、散乱線除去部23は、第2の放射線画像G2についても第1の放射線画像G1と同様に推定散乱線画像を導出し、導出した推定散乱線画像を第2の放射線画像G2から減算することにより、第2の放射線画像G2から散乱線成分を除去して第2の一次線画像Gp2を導出する。
【0032】
軟部領域特定部24は、第1および第2の一次線画像Gp1,Gp2における軟部組織の領域(以下、軟部領域とする)を特定する。ここで、放射線画像においては、骨部は放射線の透過率が低いため比較的高輝度(低濃度)の領域として現れ、軟部は骨部と比較して放射線の透過率が高いため、比較的低輝度(高濃度)の領域として現れる。このため、軟部領域特定部24は、第1および第2の一次線画像Gp1,Gp2において、輝度が予め定められたしきい値以下となる領域を軟部領域に特定する。
【0033】
なお、軟部領域特定部24は、放射線画像における軟部領域を特定するように機械学習がなされた学習済みモデルを用いて、第1および第2の一次線画像Gp1,Gp2における軟部領域を特定するものであってもよい。また、軟部領域特定部24は、第1および第2の一次線画像Gp1,Gp2をディスプレイ14に表示し、使用者による軟部領域の特定指示を受け付けることにより軟部領域を特定するようにしてもよい。
【0034】
指標導出部25は、第1の放射線画像G1および第2の放射線画像G2のそれぞれについての、軟部領域における体厚に応じた第1の減弱係数μ1および第2の減弱係数μ2を導出する。また、指標導出部25は、第1の減弱係数μ1および第2の減弱係数μ2の体厚に応じた比率である減弱比を、放射線の線質を表す指標として導出する。
【0035】
本実施形態において、指標導出部25は、第1の一次線画像Gp1および第2の一次線画像Gp2に基づいて、第1の減弱係数μ1および第2の減弱係数μ2を導出する。ここで、放射線画像の撮影時における減弱係数と一次線量との関係は以下の式(1)により表される。式(1)において、Ipは被写体Hを透過して放射線検出器に到達した線量である一次線量、I0は被写体Hを透過することなく放射線検出器に到達した放射線の到達線量、μ(t)は被写体Hの軟部組織の放射線の減弱係数である。放射線の減弱係数は体厚tに依存する。
Ip=I0×exp(-μ(t)・t) (1)
【0036】
第1の一次線画像Gp1に関しての一次線量Ip1と第1の減弱係数μ1との関係、および第2の一次線画像Gp2に関しての一次線量Ip2と第2の減弱係数μ2との関係は、下記の式(2)、(3)により表される。なお、式(2)、(3)においては画素の位置を表す(x,y)は省略している。なお、Id1,Id2は被写体Hを透過することなく第1の放射線検出器5および第2の放射線検出器6に到達した到達線量である。
Ip1=Id1×exp(-μ1(t)・t) (2)
Ip2=Id2×exp(-μ2(t)・t) (3)
【0037】
式(2)、(3)より、第1の減弱係数μ1および第2の減弱係数μ2は下記の式(4)、(5)により表される。
exp(-μ1(t)・t)=Ip1/Id1 (4)
exp(-μ2(t)・t)=Ip2/Id2 (5)
【0038】
したがって、第1の減弱係数μ1および第2の減弱係数μ2は、下記の式(6)、(7)により表される。
μ1(t)・t=-log(Ip1/Id1)=logId1-logIp1 (6)
μ2(t)・t=-log(Ip2/Id2)=logId2-logIp2 (7)
【0039】
ここで、logIp1は第1の一次線画像Gp1における軟部領域の画素値である。logId1は第1の一次線画像Gp1における直接放射線領域の画素値である。logIp2は第2の一次線画像Gp2における軟部領域の画素値である。logId2は第2の一次線画像Gp2における直接放射線領域の画素値である。したがって、第1の減弱係数μ1および第2の減弱係数μ2との減弱比R0は、下記の式(8)により表される。
R0(t)={μ1(t)・t}/{μ2(t)・t}
=μ1(t)/μ2(t)
=(Gd1-Gp1)/(Gd2-Gp2) (8)
【0040】
指標導出部25は、式(8)により第1の一次線画像Gp1および第2の一次線画像Gp2に基づいて、減弱比R0(t)を導出する。なお、減弱比R0(t)は、高エネルギーとなる放射線の減弱係数に対する低エネルギーとなる放射線の減弱係数の比率となる。
図4は指標、すなわち体厚に応じた減弱比を表す図である。
図4に示すように、体厚tが大きくなるほど減弱比R0は小さくなるように漸減する。そして、指標導出部25は、体厚tに応じた減弱比R0(t)を放射線の線質を表す指標C0として導出する。
【0041】
ここで、撮影装置1の設置直後においては、放射線源3から発せられる放射線の経時的な線質の変動がない。このため、本実施形態においては、撮影装置1の設置直後において、最初のエネルギーサブトラクション撮影を行うことにより取得した第1および第2の放射線画像G1,G2を用いて減弱比R0(t)を導出し、これを基準指標Cbとしてストレージ13および/または外部のサーバに保存しておく。
【0042】
サブトラクション部26は、第1の一次線画像Gp1および第2の一次線画像Gp2に対して、下記の式(9)、(10)に示すように、相対応する画素間で重み付け減算を行うことにより、第1の放射線画像G1および第2の放射線画像G2に含まれる被写体Hの骨部のみが抽出された骨部画像Gbおよび軟部のみが抽出された軟部画像Gsを導出する。なお、下記式(9),(10)におけるα1、α2は重み付け係数であり、被写体Hの軟部および骨部の放射線エネルギーに応じた減弱係数に基づいて導出される。また、x、yは骨部画像Gbの各画素の座標である。なお、以降の説明においては、骨部画像Gbおよび軟部画像Gsを組成画像と称する。
Gb(x,y)=Gp1(x,y)-α1×Gp2(x,y) (9)
Gs(x,y)=Gp2(x,y)-α2×Gp1(x,y) (10)
【0043】
ここで、本実施形態においては、被写体Hの画像診断のために、第1および第2の放射線画像G1,G2または第1および第2の一次線画像Gp1,Gp2から、被写体Hの骨部画像および軟部画像といった組成画像が導出される。このため、本実施形態においては、被写体Hの画像診断のためのエネルギーサブトラクション撮影が行われる毎に指標C0が導出される。
【0044】
判定部27は、エネルギーサブトラクション撮影が行われる毎に、導出された指標C0と基準指標Cbとの差異が予め定められたしきい値を超えたか否かを判定する。
図5は判定を説明するための図である。放射線源3から発せられる放射線の線質は経時より変化する。例えば、放射線の線質が軟質化した場合には放射線のエネルギー分布が低くなるため、減弱比R0(t)は指標C1に示すように大きくなる。逆に、放射線の線質が硬質化した場合には放射線のエネルギー分布が高くなるため、減弱比R0(t)は指標C2に示すように小さくなる。
【0045】
このような放射線の線質の変化が大きくなると、エネルギーサブトラクション処理による組成の分離精度が低下する。このため、本実施形態においては、判定部27は、指標導出部25が導出した指標C0と基準指標Cbとの差異が予め定められたしきい値Th1を超えた場合に警告を行い、線質の経時変化を補償すべく、使用者にキャリブレーションを行わせるようにしたものである。ここで、差異は、すべての体厚における指標C0と基準指標Cbとの差異の総和、平均値、中央値、最小値および最大値等の代表値を用いることができる。
【0046】
なお、警告はディスプレイ14への表示であってもよく、音声によるものであってもよい。
図6は表示された警告の例を示す図である.
図6に示すように表示画面30にはエネルギーサブトラクション処理により導出された組成画像である骨部画像Gbが表示されている。また、警告32として「線質変動大」のテキストが表示されている。
【0047】
次いで、本実施形態において行われる処理について説明する。
図7は本実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。まず、画像取得部21が撮影装置1に被写体Hのエネルギーサブトラクション撮影を行わせることにより、第1および第2の放射線画像G1,G2を取得する(放射線画像取得;ステップST1)。次いで、体厚導出部22が、被写体Hの体厚を導出し(ステップST2)、散乱線除去部23が、第1および第2の放射線画像G1,G2から散乱線成分を除去して第1の一次線画像Gp1および第2の一次線画像Gp2を導出する(散乱線除去:ステップST3)。
【0048】
そして、軟部領域特定部24が、第1および第2の一次線画像Gp1,Gp2における軟部領域を特定する(ステップST4)。次いで、指標導出部25が、第1の放射線画像G1および第2の放射線画像G2のそれぞれについての、軟部領域における体厚に応じた第1の減弱係数μ1および第2の減弱係数μ2を導出する(ステップST5)。さらに指標導出部25は、第1の減弱係数μ1および第2の減弱係数μ2の体厚に応じた比率である減弱比を、放射線の線質を表す指標C0として導出する(ステップST6)。
【0049】
次いで、サブトラクション部26が組成画像を導出し(ステップST7)、判定部27が、導出された指標C0と基準指標Cbとの差異が予め定められたしきい値Th1を超えたか否かを判定する(ステップST8)。ステップST8が肯定されると、表示制御部28が組成画像および警告を表示し(ステップST9)、処理を終了する。ステップST7が否定されると、表示制御部28が組成画像を表示し(ステップST10)、処理を終了する。
【0050】
ここで、放射線の線質の変動はアルミ半価層を測定することにより較正することができるが、アルミ半価層はアルミニウムを材料とする簡易的な線質指標であるため、放射線のエネルギー分布とは一意に対応付けることができない。このため、アルミ半価層による線質測定では、エネルギーサブトラクション処理の組成の分離精度が十分でないことがある。また、アルミ半価層を計測する作業は使用者の負担が大きい。
【0051】
本実施形態においては、第1の放射線画像G1および第2の放射線画像G2のそれぞれについての、軟部領域における体厚に応じた第1の減弱係数μ1および第2の減弱係数μ2を導出し、第1の減弱係数μ1および第2の減弱係数μ2の体厚tに応じた減弱比R0(t)を、放射線の線質を表す指標C0として導出するようにした。このため、アルミ半価層を用いる場合よりも精度よく放射線の線質を表す指標を導出できる。また、アルミ半価層を測定する作業を行うことなく、エネルギーサブトラクション撮影という日々の診断業務の中で、放射線の線質を表す指標C0を取得することができる。したがって、使用者に負担をかけることなく放射線の線質の変化を知ることができるようになる。
【0052】
また、指標C0と基準指標Cbとの差異が予め定められたしきい値Th1を超えた場合に警告を行うことにより、放射線の線質が大きく変化したことを使用者に知らせることができる。この場合、使用者は警告に基づいて、線質の経時変化を補償すべくキャリブレーションの作業を行うことができる。
【0053】
なお、上記実施形態においては、第1および第2の放射線画像G1,G2から散乱線成分が除去された第1および第2の一次線画像Gp1、Gp2を用いて指標C0を導出しているが、これに限定されるものではない。第1および第2の放射線画像G1,G2を用いて指標C0を導出するようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態においては、1ショット法により第1および第2の放射線画像G1,G2を取得しているが、これに限定されるものではない。1つの放射線検出器のみ用いて撮影を2回行う、いわゆる2ショット法により第1および第2の放射線画像G1,G2を取得してもよい。2ショット法の場合、被写体Hの体動により、第1の放射線画像G1および第2の放射線画像G2に含まれる被写体Hの位置がずれる可能性がある。このため、第1の放射線画像G1および第2の放射線画像G2において、被写体の位置合わせを行った上で、本実施形態の処理を行うことが好ましい。
【0055】
また、上記実施形態においては、第1および第2の放射線検出器5,6を用いて被写体Hを撮影するシステムにおいて取得した放射線画像を用いているが、放射線検出器に代えて、蓄積性蛍光体シートを用いて第1および第2の放射線画像G1,G2を取得する場合にも、本開示の技術を適用できることはもちろんである。この場合、2枚の蓄積性蛍光体シートを重ねて被写体Hを透過した放射線を照射して、被写体Hの放射線画像情報を各蓄積性蛍光体シートに蓄積記録し、各蓄積性蛍光体シートから放射線画像情報を光電的に読み取ることにより第1および第2の放射線画像G1,G2を取得すればよい。なお、蓄積性蛍光体シートを用いて第1および第2の放射線画像G1,G2を取得する場合にも、2ショット法を用いるようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態における放射線は、とくに限定されるものではなく、X線の他、α線またはγ線等を用いることができる。
【0057】
また、上記実施形態において、例えば、画像取得部21、体厚導出部22、散乱線除去部23、軟部領域特定部24、指標導出部25、サブトラクション部26、判定部27および表示制御部28といった各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(Processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、上述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device :PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0058】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせまたはCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0059】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントおよびサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアとの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0060】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(Circuitry)を用いることができる。
【0061】
以下、本開示の付記項を記載する。
(付記項1)
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
エネルギー分布が異なる放射線によって被写体を撮影することにより取得された第1の放射線画像および第2の放射線画像を取得し、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像の少なくとも一方に基づいて前記被写体の体厚を導出し、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像における前記被写体の軟部領域を特定し、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像のそれぞれについての、前記軟部領域における前記体厚に応じた第1の減弱係数および第2の減弱係数を導出し、
前記第1の減弱係数および前記第2の減弱係数の前記体厚に応じた比率である減弱比を、前記放射線の線質を表す指標として導出する放射線画像処理装置。
(付記項2)
前記プロセッサは、前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像の散乱線成分を除去して第1の一次線画像および第2の一次線画像を導出し、
前記第1の一次線画像および前記第2の一次線画像に基づいて、前記第1の減弱係数および前記第2の減弱係数を導出する付記項1に記載の放射線画像処理装置。
(付記項3)
前記指標は、前記体厚と前記減弱比との関係を表す付記項1または2に記載の放射線画像処理装置。
(付記項4)
前記プロセッサは、前記指標と基準指標との差異が予め定められたしきい値を超えたか否かを判定し、
前記判定が否定された場合に警告を行う付記項1から3のいずれか1項に記載の放射線画像処理装置。
(付記項5)
エネルギー分布が異なる放射線によって被写体を撮影することにより取得された第1の放射線画像および第2の放射線画像を取得し、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像の少なくとも一方に基づいて前記被写体の体厚を導出し、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像における前記被写体の軟部領域を特定し、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像のそれぞれについての、前記軟部領域における前記体厚に応じた第1の減弱係数および第2の減弱係数を導出し、
前記第1の減弱係数および前記第2の減弱係数の前記体厚に応じた比率である減弱比を、前記放射線の線質を表す指標として導出する放射線画像処理方法。
(付記項6)
エネルギー分布が異なる放射線によって被写体を撮影することにより取得された第1の放射線画像および第2の放射線画像を取得する手順と、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像の少なくとも一方に基づいて前記被写体の体厚を導出する手順と、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像における前記被写体の軟部領域を特定する手順と、
前記第1の放射線画像および前記第2の放射線画像のそれぞれについての、前記軟部領域における前記体厚に応じた第1の減弱係数および第2の減弱係数を導出する手順と、
前記第1の減弱係数および前記第2の減弱係数の前記体厚に応じた比率である減弱比を、前記放射線の線質を表す指標として導出する手順とをコンピュータに実行させる放射線画像処理プログラム。
【符号の説明】
【0062】
1 撮影装置
3 放射線源
5、6 放射線検出器
7 放射線エネルギー変換フィルタ
10 放射線画像処理装置
11 CPU
12 放射線画像処理プログラム
13 ストレージ
14 ディスプレイ
15 入力デバイス
16 メモリ
17 ネットワークI/F
18 バス
21 画像取得部
22 体厚導出部
23 散乱線除去部
24 軟部領域特定部
25 指標導出部
26 サブトラクション部
27 判定部
28 表示制御部
30 表示画面
32 警告
33 警告
C0 指標
Cb 基準指標
Gb 骨部画像
H 被写体