(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131558
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041900
(22)【出願日】2023-03-16
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 隆之
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】
通信端末において、情報処理装置内に記憶した画像データを編集し、編集した編集後の画像データを、情報処理装置内に記憶した編集前の画像データと関連付けて記憶すること、については考慮されていない、という課題がある。
【解決手段】
通信端末3は、特定識別情報を読み取り(S201)、授業番号やパスコードを入力する(S207)ことで、情報処理装置2から簡単に編集対象である答案を取得する(S211)。その後、通信端末3は、編集対象である答案を編集し(S212)、その編集後の答案を、情報処理装置2中の答案が記憶されている記憶部と関連付けられた情報処理装置2の記憶部に記憶する(S214)。
【選択図】
図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信端末と、第2の通信端末と、前記第1の通信端末及び前記第2の通信端末と通信可能な情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、
前記第2の通信端末は、
前記第1の通信端末が送信した所定のサービスを特定する特定識別情報に関連付けられた画像データであって、前記情報処理装置に記憶され当該情報処理装置が送信した、前記画像データを受信する第1の受信手段と、
前記画像データを編集した編集後画像データを、前記特定識別情報に関連付けて前記情報処理装置に対して送信する第1の送信手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記第2の通信端末が送信した、前記編集後画像データを受信する第2の受信手段と、
前記第1の通信端末が送信した前記画像データと、前記第2の通信端末が送信した前記編集後画像データとを、前記特定識別情報に関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段、
を有する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記特定識別情報は、前記画像データに係る画像に付与された二次元コードに埋め込まれ、前記第1の通信端末及び第2の通信端末によって読み取られることを特徴とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第2の通信端末が前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信した後、前記第2の通信端末は、前記画像データの編集権限を取得する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2の通信端末が前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信した後、前記第1の通信端末は、前記画像データの編集権限を喪失する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第2の通信端末が前記第2の通信端末を利用する利用者を識別する利用者識別情報を前記情報処理装置へ送信した後、前記第2の通信端末は、前記画像データの編集権限を取得する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は更に、
前記記憶制御手段により前記編集後画像データが前記記憶手段に記憶された際、前記第1の通信端末に対して通知する第2の送信手段、
を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第1の送信手段は、
前記第2の通信端末で編集された前記編集後画像データ、又は、前記画像データを出力及び前記編集後画像データを入力可能な画像処理装置を介して受信した前記編集後画像データ、を前記情報処理装置に対して送信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
第1の通信端末及び第2の通信端末と通信可能な情報処理装置であって、
前記第2の通信端末が送信した、所定のサービスを特定する特定識別情報に関連付けられた画像データを編集した編集後画像データを受信する第2の受信手段と、
前記第1の通信端末が送信した前記画像データと、前記第2の通信端末が送信した前記編集後画像データとを、前記特定識別情報に関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段、
を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
第1の通信端末及び第2の通信端末と通信可能な情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記第2の通信端末が送信した、所定のサービスを特定する特定識別情報に関連付けられた画像データを編集した編集後画像データを受信する第2の受信ステップと、
前記第1の通信端末が送信した前記画像データと、前記第2の通信端末が送信した前記編集後画像データとを、前記特定識別情報に関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項10】
第1の通信端末及び第2の通信端末と通信可能な情報処理装置に、
前記第2の通信端末が送信した、所定のサービスを特定する特定識別情報に関連付けられた画像データを編集した編集後画像データを受信する第2の受信ステップと、
前記第1の通信端末が送信した前記画像データと、前記第2の通信端末が送信した前記編集後画像データとを、前記特定識別情報に関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機器と通信可能な情報処理装置を含む情報処理システムであって、前記機器から、サービスを特定する識別情報と、グループを示すグループ情報と、を受け付ける受信部と、前記識別情報と対応した、前記機器の撮像機能を起動させ、撮像された画像データをアップロードさせるサービスを実現する処理の実行要求を前記機器へ送信する送信部と、前記撮像機能によって撮像された画像データを、画像データが記憶される画像データ記憶部において、前記グループ情報と対応付けられた記憶先に記憶する記憶制御部と、を有することで、簡単に所望の画像データを特定できるように画像データを記憶させる情報処理システムが開示されている(特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、通信端末において、情報処理装置内に記憶した画像データを編集し、編集した編集後の画像データを、情報処理装置内に記憶した編集前の画像データと関連付けて記憶すること、については考慮されていない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、第1の通信端末と、第2の通信端末と、前記第1の通信端末及び前記第2の通信端末と通信可能な情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、前記第2の通信端末は、前記第1の通信端末が送信した所定のサービスを特定する特定識別情報に関連付けられた画像データであって、前記情報処理装置に記憶され当該情報処理装置が送信した、前記画像データを受信する第1の受信手段と、前記画像データを編集した編集後画像データを、前記特定識別情報に関連付けて前記情報処理装置に対して送信する第1の送信手段と、を有し、前記情報処理装置は、前記第2の通信端末が送信した、前記編集後画像データを受信する第2の受信手段と、前記第1の通信端末が送信した前記画像データと、前記第2の通信端末が送信した前記編集後画像データとを、前記特定識別情報に関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段、を有する、ことを特徴とする情報処理システムを提供する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、通信端末において、情報処理装置内に記憶した画像データを編集し、編集した編集後の画像データを、情報処理装置内に記憶した編集前の画像データと関連付けて記憶することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第一の実施形態の情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】第一の実施形態における生徒端末から情報処理装置へ画像データをアップロードする処理の概念図である。
【
図3】第一の実施形態における教師端末へ画像データをダウンロードし、編集した後に教師端末から情報処理装置へ編集後の画像データをアップロードする処理の概念図である。
【
図4】第一の実施形態の情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】第一の実施形態の通信端末のハードウェア構成例を示す図である。
【
図6】第一の実施形態の表示装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図7】第一の実施形態の仲介装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図8】第一の実施形態の画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図9】第一の実施形態の機能構成の一例を示す図である。
【
図10】第一の実施形態の機器情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図11】第一の実施形態の登録情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図12】第一の実施形態のアプリ情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図13】第一の実施形態のアカウント情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図14】第一の実施形態の授業情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図15】第一の実施形態の答案情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図16】第一の実施形態の添削後答案情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図17】第一の実施形態の設置情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図18】第一の実施形態のパスコード履歴管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図19】第一の実施形態の表示履歴管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図20】第一の実施形態の仲介装置の起動に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図21】第一の実施形態のパスコードの生成と割当てについて説明する図である。
【
図22】第一の実施形態の表示装置におけるパスコードの表示例を示す図である。
【
図23】第一の実施形態の生徒端末から情報処理装置へ画像データをアップロードする処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図24】第一の実施形態の生徒端末における表示例を示す図であり、(A)は
図16のステップS110で表示されるログイン画面の一例、(B)は
図16のステップS116で表示される入力画面の一例、(C)は
図16のステップS120で表示されるカメラの操作画面の一例を示す図である。
【
図25】第一の実施形態の情報処理装置から教師端末へ画像データをダウンロードし、編集した後に教師端末から情報処理装置へ編集後の画像データをアップロードする処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図26】第一の実施形態の教師による画像データの編集を説明するフローチャートである。
【
図27】第一の実施形態の情報処理装置から生徒端末へ、編集後の画像データをダウンロードする処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図28】第一の実施形態の生徒及び教師のアクセス権の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて、発明を実施するための形態について説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する部分があればその説明を省略する。
【0008】
(第一の実施形態)
以下に、図面に基づいて実施形態を説明する。
【0009】
図1は、第一の実施形態の情報処理システムの構成例を示す図である。
【0010】
図1に示される情報処理システム1において、情報処理装置2及びユーザ環境E1は、インターネット等の広域的なネットワークN1を介して通信可能とされている。但し、ネットワークN1は、イントラネット等、所定の範囲内においてアクセスが可能なネットワークであってもよい。
【0011】
ユーザ環境E1は、1以上の表示装置5及び1以上の仲介装置6が設置された企業等の組織や、学校等の教育機関におけるシステム環境である。表示装置5は、入力される画像を表示部に表示する装置であって、例えば、プロジェクタや電子黒板等であってよい。ユーザ環境E1において、各表示装置5は、それぞれに対応する仲介装置6に接続される。すなわち、表示装置5と仲介装置6とは一対一に対応する。表示装置5と仲介装置6とは、当該インタフェースに対応したケーブル(例えば、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル等)によって接続されてもよい。
【0012】
また、仲介装置6が有する当該インタフェースに対応したコネクタと、表示装置5が有する当該インタフェースに対するコネクタとが直接的に接続されてもよい。例えば、仲介装置6が表示装置5のコネクタに挿入されることで、両者が接続されてもよい。又は、仲介装置6と表示装置5の間が無線通信で接続されていてもよいし、ネットワークを介して接続されていてもよい。なお、例えば、HDMI(登録商標)ドングルやスティックPC等のコンピュータが、仲介装置6として利用されてもよい。
【0013】
このように表示装置5と仲介装置6とが上記のいずれかの方法で接続されることで、仲介装置6は表示装置5に対して表示対象の画像を送信することができる。
【0014】
仲介装置6は、ユーザ環境E1内のLAN等を介してネットワークN1に接続される。仲介装置6は、ユーザ環境E1内のLAN等に無線接続してもよい。仲介装置6は、内部にWebブラウザを備え、当該Webブラウザによって、情報処理装置2から送信される画像データに関する処理の実行要求に応じた処理を実行して表示装置5を制御するが、表示装置5を制御する手段はこれに限られない。
【0015】
本実施形態においては、仲介装置6は、情報処理装置2から表示装置5へ送信される画像を、仲介する役割を担う。
【0016】
本実施形態においては、仲介装置6は、主に通信端末4のユーザが表示装置5の近傍にいる場合にのみ取得することができる情報であって、時間の経過と共に変化する情報である特定情報を、表示装置5から表示する。
【0017】
この表示された特定情報は、通信端末4から情報処理装置2に画像データが送信(アップロード)される際、このアップロードされる画像データに付与されて送信(アップロード)される。
【0018】
具体的には、QRコード等が読み取られると、通信端末4に、撮像機能を起動させ、撮像された画像データと特定情報とを、QRコードと対応付けられた記憶先へ送信させる。
【0019】
これにより、この特定情報を受信した情報処理装置2は、画像データを、画像データが撮像された場所の情報および時間帯を示す情報と対応付けて管理することができる。
【0020】
通信端末3、通信端末4は、ユーザ環境E1における各ユーザが携帯する情報処理端末である。例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC、又は携帯電話等が通信端末3、通信端末4として利用されてもよい。なお、通信端末3、通信端末4は、ユーザ環境E1内のLAN等を介さずに(例えば、移動体通信網等を介して)ネットワークN1に接続可能である。但し、通信端末3、通信端末4は、ユーザ環境E1内のネットワークに接続可能であってもよい。
【0021】
情報処理装置2は、通信端末3、通信端末4を利用した簡易な操作で、通信端末3、通信端末4によって撮像された画像データを、予め設定された記憶先へ記憶する処理を実行する1以上のコンピュータである。なお、情報処理装置2は、ユーザ環境E1に設置されてもよい。
【0022】
MFP7(画像処理装置の一例。以下、単にMFP7と書く場合がある)は、所定の印刷媒体に印刷(画像形成)を行う印刷(画像形成)機能、及び印刷された印刷媒体を読み取って画像データを取得する読取(スキャン)機能を有する画像処理装置である。
【0023】
〔画像データをアップロードする場合の概念図〕
【0024】
図2は、第一の実施形態における生徒端末から情報処理装置へ画像データをアップロードする処理の概念図である。
図2では、本実施形態の情報処理システム1が、学校等の教育現場に導入されている。情報処理システム1は、通信端末3は、主に教師により使用され、通信端末4は、主に生徒によって使用される場合を示している。本実施形態では、通信端末3(第2の通信端末の一例)を教師端末3と呼び、通信端末4(第1の通信端末の一例)を生徒端末4と呼ぶ場合がある。
【0025】
具体的には、
図2では、ある講義中にテストが行われ、生徒により解答が記入された答案用紙の画像データを、教師がその後採点・添削などの編集作業を行うため、情報処理装置2に記憶させる場合を示している。以下に、この利用シーンの背景について説明する。
【0026】
一般的に、記入済みの答案用紙は、採点のために教師に提出されるものであり、生徒に答案用紙が返却される場合には、採点が終了した後となる。このため、生徒が答案用紙に記入した内容を自己採点したい場合には、テストの問題や答案用紙に記入した内容を記憶しておく必要があるが、答案用紙の内容を細部まで記憶しておくことは困難な場合が多い。
【0027】
また、教師がテストの終了後に生徒にテストの問題について復習をさせたい場合には、教師は、速やかに採点を行って生徒に採点済みの答案用紙を返却する必要があるが、常に速やかに採点が行えるとは限らない。
【0028】
このため、教育現場では、テストを行った直後に、回答が記入された答案用紙の写し(コピーや写真)をとり、記入済みの答案用紙は生徒に返却する、といったことが行われているが、生徒全員の答案用紙の写しをとる作業は非常に煩雑であり、教師の負担となっている。
【0029】
そこで、本実施形態では、生徒が生徒端末4で自身の記入済みの答案用紙の画像を撮像するだけで、撮像した画像データが、予め教師が指定した記憶先に送信されるようにした。
【0030】
以下、具体的に説明する。
【0031】
本実施形態の情報処理システム1では、教師端末3から、情報処理装置2に対して、特定情報の生成要求を行う(S1)。ここで特定情報とは、表示装置5の近傍にいる場合にのみ取得することができる情報であって、時間の経過と共に変化する情報である。情報処理装置2は、特定情報の生成要求を受けて、特定情報を生成し、仲介装置6に特定情報を出力する処理の実行要求を行う(S2)。
【0032】
仲介装置6は、特定情報を出力する処理の実行要求を受けて、特定情報51を表示装置5に表示させる(S3)。
【0033】
本実施形態の表示装置5は、例えば、講義が行われる講義室等に設置された表示装置である。具体的には、表示装置5は、例えば、生徒と教師とが共に閲覧する画像や文書を表示させる電子黒板等であってもよい。
【0034】
本実施形態において、生徒端末4は、答案用紙Pに予め貼り付けられたQRコード8にかざされると、QRコードの読取機能を起動させてQRコード8を読み取る(S4)。以下の説明で、答案用紙に貼り付けられた(対応付けられた)QRコードを、特に答案QRコードと呼ぶ場合がある。
【0035】
ここで、答案QRコード8は、例えば、情報処理システム1が教育機関毎に発行したものであってもよい。この答案QRコード8には、生徒端末4から送信された画像データの記憶先を特定する情報が埋め込まれている。
【0036】
生徒端末4は、答案QRコード8を読み取ると、情報処理装置2へアクセスし(S5)、情報処理装置2から撮像機能の起動指示を受け付ける(S6)。
【0037】
生徒端末4では、撮像機能の起動指示を受け付けると、特定情報51を入力させる入力画面を表示し、特定情報51が生徒によって入力されると、カメラ機能を起動させて、答案用紙Pの撮影画面を表示させる。そして、生徒端末4は、生徒から、答案用紙Pの画像の撮像操作を受け付けると、答案用紙Pの画像を撮像する(S7)。
【0038】
続いて、生徒端末4は、撮像した答案用紙Pの画像データに、入力された特定情報51を付与し、答案QRコード8が示す記憶先へ送信する(S8)。
【0039】
情報処理装置2は、生徒端末4から受信した画像データを、所定の記憶先へ記憶する(S9)。
【0040】
本実施形態によれば、情報処理装置2に記憶された画像データが、画像データを撮像した生徒が、特定の時間(例えば、授業時間内)に表示装置5の近傍(例えば、授業が開催された教室)にいたことを、特定情報により証明することができる。
【0041】
また、本実施形態では、生徒端末4は、情報処理装置2からの指示よって、撮像された画像データを指定された記憶先へ送信する機能を実現する。このため、本実施形態によれば、専用のアプリケーションをインストールする必要がなく、事前設定等の手順が不要となり、簡単な手順で指定された記憶先へ画像データを記憶できる。
【0042】
また、本実施形態では、生徒端末4によって撮像された答案用紙の画像データは、全て、自動的に指定された記憶先へ記憶される。
【0043】
よって、本実施形態を適用すれば、記入済みの答案用紙を生徒に返却する場合に、教師が答案用紙の写しをとる必要がなくなり、教師の負荷が軽減される。また、本実施形態を適用すれば、生徒は、テストの終了直後に、自身の記入済みの答案用紙を入手できるため、自己採点や復習等に用いることができる。
【0044】
また、上記
図2の説明において、生徒端末4による撮像の対象は、答案用紙Pとしたが、これに限定されない。本実施形態では、講義室に設置されたホワイトボードWB等に、予めQRコード53を付与しておけば、講義中に板書された黒板の画像データを、同様の仕組みで指定された記憶先へ送信することもできる。以下の説明では、ホワイトボードWBに貼り付けられた(対応付けられた)QRコードを黒板QRコードと呼ぶ場合がある。
【0045】
したがって、例えば、講義中に生徒がホワイトボードWB等を用いて発表を行ったり、問題の回答を記述したりした場合等には、生徒端末4によって、ホワイトボードWBに付与された黒板QRコード53を読み取って、ホワイトボードWBの画像を撮像すれば、板書されたホワイトボードWBの画像データを指定された記憶先へ送信することができる。
〔画像データを編集する場合の概念図〕
【0046】
図3は、第一の実施形態における教師端末へ画像データをダウンロードし、編集した後に教師端末から情報処理装置へ編集後の画像データをアップロードする処理の概念図である。
【0047】
具体的には、
図3では、教師が生徒により提出されたテストの答案用紙の画像データを情報処理装置2から入手し、その後この入手した画像データを採点や添削である編集をおこなう。そして編集後の答案用紙を情報処理装置に記憶する場合を示している。以下に、この利用シーンの背景について説明する。
【0048】
本実施形態の情報処理システム1では、教師端末3から、情報処理装置2に対して、特定の生徒により提出された答案用紙の要求を行う(S10)。情報処理装置2は、要求を受けて、特定の生徒から提出された答案用紙を特定し、教師端末3に送信する。(S11)。
【0049】
教師端末3は、受信した生徒の答案用紙を採点や添削である編集をおこなう(S12)。この採点や添削である編集は、教師端末3の画面上で行うことができる。教師端末3の画面上で行なわない場合でも、MFP7の印刷機能により用紙にプリントアウトし、手書きでの編集後、編集後の答案用紙をMFP7の読取機能によって読み取るのでもよい。このMFP7の印刷機能及び読取機能を、それぞれ印刷機能を備えた印刷装置にて実現し、読取機能を備えた読取装置にて実現するのでもよい。
【0050】
読み取った編集後の画像データは、教師端末3により情報処理装置2へ送信され(S13)、情報処理装置2はこの編集後の画像データを所定の記憶先に記憶する(S14)。
【0051】
この編集後の画像データを特定の記憶先に記憶されたことを、生徒端末4に通知を行うことで、生徒は自己の答案が教師により採点・添削されたことを知ることができる(S15)。
【0052】
なお、上記の特定情報51は表示装置5を特定して割り当てられた情報であればよく、数字、文字、記号、図形等の何れかの情報で構成されていてもよい。また、特定情報51は、QRコード(登録商標)等の二次元コードとして、表示装置5に表示されてもよい。また、特定情報51は、表示装置5又は表示装置5と対応付けられた発信器等から発信されるビーコン信号等であってもよい。また、特定情報51は、表示装置5又は表示装置5と対応付けられた送信器から、無線通信によって送信されてもよい。
【0053】
以下の説明では、特定情報を、特定情報の一例であるパスコードとして説明する。パスコードの詳細は後述する。
【0054】
〔ハードウェア構成〕
続いて、
図4乃至
図8を用いて、実施形態に係るシステム1を構成する各装置又は各端末のハードウェア構成について説明する。なお、
図4乃至
図8に示されている装置又は端末のハードウェア構成は、必要に応じて構成要素が追加又は削除されてもよい。
【0055】
<情報処理装置のハードウェア構成>
図4は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0056】
図4に示されているように、情報処理装置2は、例えばコンピュータによって構築されている。
【0057】
情報処理装置2は、CPU201、ROM202、RAM203、EEPROM204、HD205、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ206、ディスプレイ207、近距離通信I/F208、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ209、撮像素子I/F(Interface)210、ネットワークI/F211、キーボード212、ポインティングデバイス213、メディア214、メディアI/F215、DVD-RW216、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ217、外部装置接続I/F218、音入出力I/F219、マイク220、スピーカ221及びバスライン230を備えている。
【0058】
情報処理装置2のCPU201は、情報処理装置2の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の処理に用いられる処理用プログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。EEPROM204は、CPU201の制御にしたがって、アプリケーション用プログラム等の各種データの読出し又は書込みを行う。HD205は、各種プログラム等のデータを記憶する。HDDコントローラ206は、CPU201の制御にしたがってHD205に対する各種データの読出し又は書込みを制御する。ディスプレイ207は、被写体の画像、文字、各種アイコン、カーソル、メニューなどの各種情報を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示手段の一種である。近距離通信I/F208は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標。以下省略)、Wi-Fi(登録商標。以下省略)等の無線通信インタフェースを備える通信装置、又は通信端末等とデータ通信を行うための通信回路である。なお、近距離通信I/F208には近距離通信のためのアンテナが備わっていてもよい。CMOSセンサ209は、CPU201の制御にしたがって被写体を撮像して画像データ又は動画データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、撮像手段は、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等で構成される撮像手段であってもよい。撮像素子I/F210は、CMOSセンサ209の駆動を制御する回路である。
【0059】
ネットワークI/F211は、通信ネットワーク100を介して他の装置と各種データ(情報)通信するための通信インタフェースである。キーボード212は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス213は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。メディア214は、フラッシュメモリ等の記録媒体である。メディアI/F215は、メディア214に対するデータの読出し又は書込み(記憶)を制御する。DVD-RWドライブ217は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW216に対する各種データの読出し又は書込みを制御する。なお、記録媒体は、DVD-RWに限らずDVD-R等であってもよい。外部装置接続I/F218は、各種の外部装置を接続するためのインタフェースである。この場合の外部装置は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。音入出力I/F219は、CPU201の制御にしたがってマイク220及びスピーカ221との間で音信号の入出力を処理する回路である。マイク220は、音を電気信号に変える内蔵型の回路であり、外部のスピーカ等から発する音声や音波を取得し電気信号を用いた情報を取得する。スピーカ221は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。バスライン530は、
図4に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0060】
<通信端末のハードウェア構成>
図5は、通信端末3及び通信端末4のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0061】
通信端末3と通信端末4は同じハードウェア構成であるため、通信端末3のハードウェア構成を説明し、通信端末4の説明は省略する。
【0062】
図5に示されているように、通信端末3は、例えばコンピュータによって構築されている。通信端末3は、CPU301、ROM302、RAM303、EEPROM304、ディスプレイ307、近距離通信I/F308、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ309、撮像素子I/F(Interface)310、ネットワークI/F311、タッチパネル312、ポインティングデバイス313、メディア314、メディアI/F315、外部装置接続I/F318、音入出力I/F319、マイク320、スピーカ321及びバスライン330を備えている。
【0063】
これらの各ハードウェア資源は、
図2で示した情報処理装置2におけるCPU201、ROM202、RAM203、EEPROM204、HD205、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ206、ディスプレイ207、近距離通信I/F208、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ209、撮像素子I/F(Interface)210、ネットワークI/F211、キーボード212、ポインティングデバイス213、メディア214、メディアI/F215、DVD-RW216、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ217、外部装置接続I/F218、音入出力I/F219、マイク220、スピーカ221及びバスライン530と同様のため、説明を省略する。
【0064】
なお、上述した各種プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録、又はネットワークを介してダウンロードを行い流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc(Blu-rayは登録商標。以下省略)、SDカード、USBメモリ等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供することができる。例えば、情報処理装置2では、本発明に係るプログラムが実行されることで、本発明に係る情報処理方法を実現する。
【0065】
<表示装置のハードウェア構成>
図6は、第一の実施形態の表示装置のハードウェア構成の一例を示す図である。表示装置の一例として電子黒板の説明をする。本実施形態の表示装置5は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、SSD(Solid State Drive)504、ネットワークコントローラ505、及び、外部機器接続I/F(Interface)部506を備えており、複数の利用者により情報を共有するための共有端末である。
【0066】
これらのうち、CPU501は、表示装置5の全体の動作を制御する。ROM502は、CPU501やIPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。SSD504は、電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークコントローラ505は、ネットワークとの通信を制御する。外部機器接続I/F506は、USB(Universal Serial Bus)メモリ530、外付け機器(カメラ560、スピーカ550、マイク540)との通信を制御する。
【0067】
また、表示装置5は、キャプチャデバイス511、GPU512、ディスプレイコントローラ513、接触センサ514、センサコントローラ515、電子ペンコントローラ516、近距離通信部519、及び近距離通信部519のアンテナ519aを備えている。
【0068】
これらのうち、キャプチャデバイス511は、PC10のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)512は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ513は、GPU512からの出力画像をディスプレイ520等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。
【0069】
接触センサ514は、ディスプレイ520上に電子ペン580やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ515は、接触センサ514の処理を制御する。接触センサ514は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ520の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ520に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ520の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法であってもよい。
【0070】
接触センサ514は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ515に出力し、センサコントローラ515が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ516は、電子ペン580と通信することで、ディスプレイ520へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信部519は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0071】
更に、表示装置5は、バスライン510を備えている。バスライン510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0072】
尚、接触センサ514は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ516が、電子ペン590のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン590のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
【0073】
<仲介装置のハードウェア構成>
図7は、仲介装置のハードウェア構成例を示す図である。
図7の仲介装置6は、補助記憶装置601、メモリ装置602、CPU603、通信インタフェース604、及び画像インタフェース605等を有する。
【0074】
仲介装置6での処理を実現するプログラムは、補助記憶装置601にインストールされる。補助記憶装置601は、インストールされたプログラムを記憶すると共に、必要なファイルやデータ等を記憶する。
【0075】
メモリ装置602は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置601からプログラムを読み出して記憶する。CPU603は、メモリ装置602に記憶されたプログラムに従って仲介装置6に係る機能を実行する。通信インタフェース604は、ネットワークに接続するための物理的なインタフェースである。画像インタフェース605は、表示装置5への画像の送信用の物理的なインタフェースである。
【0076】
<MFPのハードウェア構成>
図8は、MFP(Multifunction Peripheral)7のハードウェア構成の一例を示す図である。
図8では、画像処理装置の一例としてのMFP7は、印刷機能と読取機能を発揮するためのハードウェア構成を備えている。なおMFP7により発揮される印刷機能及び読取機能は、印刷機能を備えた印刷装置と、読取機能を備えた読取装置のように、分離した別々の装置により実現されるのでもよい。
【0077】
コントローラ710、近距離通信回路720、エンジン制御部730、操作パネル740、ネットワークI/F750を含むハードウェア資源を備えている。これらのうち、コントローラ710は、コンピュータの主要部であるCPU701、システムメモリ(MEM-P)702、ノースブリッジ(NB)703、サウスブリッジ(SB)704、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)705、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)706、HDDコントローラ707及び記憶部であるHD708を有し、NB703とASIC705との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス721で接続した構成となっている。
【0078】
これらのうち、CPU701は、MFP7の全体制御を行う制御部である。NB703は、CPU701と、MEM-P702、SB704及びAGPバス721とを接続するためのブリッジであり、MEM-P702に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0079】
MEM-P702は、コントローラ710の各機能を実現させるプログラムやデータの記憶用メモリであるROM702a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM702bとからなる。なお、RAM702bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読取り可能な記録媒体に記録して提供されるようにしてもよい。
【0080】
SB704は、NB703とPCIデバイス及び周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC705は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス721、PCIバス722、HD708及びMEM-C706をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC705は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC705において所定の優先順位に従って各信号の駆動タイミングの調停を行うアービタ(Arbiter)、MEM-C706を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部731及びプリンタ部732との間でPCIバス722を介したデータ転送を行うPCIユニットを含む。
【0081】
なお、ASIC705には、USB(Universal Serial Bus)のインタフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースが接続されるようにしてもよい。
【0082】
MEM-C706は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD708は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD708は、CPU701の制御にしたがってHD708に対するデータの読出し又は書込みを制御する。AGPバス721は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P702に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0083】
また、近距離通信回路720には、近距離通信回路用アンテナ720aが備わっている。近距離通信回路720は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
【0084】
更に、エンジン制御部730は、スキャナ部731、プリンタ部732及び通信部733によって構成されている。また、操作パネル740は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部740a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に係る条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等を含む操作ボタン部740bを備えている。コントローラ710は、表示装置4全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル740からの入力等を制御する。スキャナ部731又はプリンタ部732には、誤差拡散やガンマ(γ)変換などの画像処理部分が含まれている。また、通信部733には、外部のファクシミリ通信機能を備えた装置との間をつなぐアナログ回線(公衆回線)を利用してファクシミリ通信を行なうためのアナログI/F、モデム(MODEM)、スピーカ等が含まれる。
【0085】
なお、MFP7は、操作パネル740のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0086】
また、ネットワークI/F750は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。近距離通信回路720及びネットワークI/F750は、PCIバス722を介して、ASIC705に電気的に接続されている。
【0087】
なお、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録、又はネットワークを介してダウンロードを行い流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc、SDカード、USBメモリ等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。例えば、情報処理装置2、通信端末3、通信端末4、表示装置5及び仲介装置6は、本発明に係るプログラムが実行されることで、本発明に係る情報処理方法を実現する。
【0088】
次に、
図9乃至
図19を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。
【0089】
図9は、第一の実施形態の機能構成の一例を示す図である。
【0090】
〔情報処理装置の機能構成〕
【0091】
図9の情報処理装置2は、通信部21、アプリ判定部22、入力アプリ群23、出力アプリ24、特定情報割当部25、記憶制御部26を有する。これら各部は、情報処理装置2にインストールされた1以上のプログラムが、CPU201に実行させる処理により実現される。
【0092】
また、情報処理装置2は、アプリ情報管理DB2121、機器情報管理DB2122、アカウント情報管理DB2123、登録情報管理DB2124、授業情報管理DB2125、答案情報管理DB2126、設置情報管理DB2128、パスコード履歴管理DB2129、表示履歴管理DB2130、添削後答案情報管理DB2131を有する。これら各記憶部は、例えば、補助記憶装置102、又は情報処理装置2にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0093】
通信部21は、情報処理装置2と仲介装置6との間の通信を確立させるための処理や、情報処理装置2と教師端末3、生徒端末4との通信を行う。また通信部21は、教師端末3(第2の通信端末)が送信した編集後画像データを受信する。また通信部21は、記憶制御部26(記憶制御手段の一例)により編集後画像データが記憶部2000(記憶手段の一例)に記憶された際、生徒端末4(第1の通信端末の一例)に対して通知する。本実施形態において通信部21は、第2の受信手段及び第2の送信手段のうち、少なくとも一方の手段として機能する。
【0094】
アプリ判定部22は、初期アクセスURLに対応する。アプリ判定部22は、初期アクセスURLへのアクセスに応じ、初期アクセスURLに付与されているオプション情報(登録ID又はブラウザID)に対応するアプリケーションを、登録情報管理DB2124を参照して判定する。また、アプリ判定部22は、オプション情報に対応するアプリケーションを判定すると、このアプリケーションに対するURLを含むリダイレクト要求を含む応答を、初期アクセスURLへのアクセス元に送信する。
【0095】
入力アプリ群23と、出力アプリ24は、情報処理装置2が有するアプリケーションの一例である。
【0096】
入力アプリ群23は、用途に応じた処理を実行させるアプリケーション群であり、各アプリケーションは、用途に応じた処理を実行させるためのHTMLデータ及びスクリプト等を教師端末3へ送信する。
【0097】
本実施形態の入力アプリ群23は、例えば、教師端末3に、教師用のポータル画面のメニューを表示させる処理を実行させる教師ポータルアプリや、教師端末3の画面上で採点・添削をする添削アプリなどが含まれる。
【0098】
また、入力アプリ群23は、カメラアプリケーション(以下、カメラアプリ)を含む。カメラアプリは、生徒端末4に、カメラ機能を起動させ、答案QRコードや黒板QRコードが読み取れられると、撮像された画像データを情報処理装置2へ送信させるサービスを実現するアプリケーションである。また、入力アプリ群23には、教師端末3に、教科の入力を受け付ける教科入力画面を表示させる処理を実行させるスケジュールアプリが含まれる。
【0099】
出力アプリ24は、特定情報割当部25により生成されたパスコードを出力させるためのアプリケーションを含む。具体的には、出力アプリ24は、例えば、パスコードの描画を仲介装置6に実行させるためのHTMLデータ及びスクリプト等であってもよい。また、出力アプリ24は、パスコードを無線通信によって送信する処理を表示装置5に実行させるものであってもよいし、ビーコン信号を発信させる処理を表示装置5と対応付けられた発信器に対して実行させるものであってもよい。
【0100】
また、出力アプリ24は、答案情報管理DB2126に記憶された画像データの取得(ダウンロード)及び描画を、仲介装置6に実行させるためのアプリケーションを含む。具体的には、出力アプリ24は、当該取得及び描画を仲介装置6に実行させるためのHTMLデータ及びスクリプト等を仲介装置6へ送信する。
【0101】
特定情報割当部25は、パスコードを生成し、仲介装置6を介して表示装置5にパスコードを表示させる。本実施形態の特定情報割当部25は、表示装置5に表示されるパスコードが、それぞれ異なるようにパスコードを生成する。特定情報割当部25によるパスコードの生成は後述する。
【0102】
記憶制御部26は、入力アプリ群23によって、情報処理装置2にアップロードされた画像データや、出力アプリ24によって仲介装置6を介して表示装置5から出力されたパスコード等を記憶部2000の所定領域へ記憶する。また記憶制御部26は、生徒端末
(第1の通信端末)が送信した画像データと、教師端末3(第2の通信端末)が送信した編集後画像データとを、特定識別情報に関連付けて記憶部2000(記憶手段の一例)に記憶させる。
【0103】
<データテーブル>
●機器情報管理テーブル●
図10は、第一の実施形態の機器情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
図10に示した機器情報管理DB2122では、テナントIDごとに、通信ID、アドレス情報、状態情報、ブラウザID及びブラウザ状態、パスコードが関連付けられて記憶、管理されている。
【0104】
これらのうち、テナントIDは、情報処理装置2によって提供されるサービスの利用契約の締結者(テナント)の識別情報である。例えば、ユーザ環境E1が1つのテナントに相当してもよい。
【0105】
通信IDは、テナントIDに係るテナントに配置された各仲介装置6の通信制御部61の識別情報である。仲介装置6が1つの通信制御部61しか備えない場合には、通信IDは仲介装置6を識別する識別情報であってもよい。
【0106】
アドレス情報は、仲介装置6のローカルIPアドレスである。状態情報は、通信IDに係る通信制御部61が情報処理装置2と接続中(通信路を確立した状態)であるか否か(「非接続」)を示す情報である。
【0107】
ブラウザIDは、通信IDに係る通信制御部61に対応するブラウザ部63の識別情報である。本実施形態では、ブラウザIDは、通信IDに係る通信制御部61と同じ仲介装置6に含まれるブラウザ部63の識別情報である。
【0108】
ブラウザ状態は、ブラウザIDに係るブラウザ部63の起動状態を示す情報である。例えば、通信部21に通知された対象通信IDが「Eg001-01」であれば、機器情報管理DB2122において当該通信IDに対応する状態情報が、
図11に示されるように「接続中」に変更される。
【0109】
パスコードは、仲介装置6との通信路が確立されると、特定情報割当部25によって生成されるものであり、通信ID(仲介装置6)と対応付けられる。なお、パスコードは、通信IDと対応付けられたブラウザIDが複数存在する場合には、ブラウザID毎にパスコードが生成されてもよい。また、ブラウザIDが
図17に示すようにコンテンツIDに対応付けられている場合には、コンテンツID毎に生成される。このように生成されたパスコードは、機器情報管理テーブル(
図10)にて管理される。
【0110】
●登録情報管理テーブル●
図11は、第一の実施形態の登録情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
図11において、登録情報管理DB2124では、登録IDごとに、InアプリID、OutアプリID及びブラウザIDが対応付けられて記憶、管理されている。
【0111】
これらのうち、InアプリIDは、登録IDに対応するサービスにおいて、画像データの入力を制御するアプリケーションのID(以下「アプリID」という。)である。OutアプリIDは、登録IDに対応するサービスにおいて、画像データの出力を制御するアプリケーションのアプリIDである。
【0112】
本実施形態では、登録情報管理DB2124において、登録IDと対応付けられているInアプリIDが示すアプリケーションが、入力アプリ群23に含まれるアプリケーションである。また、本実施形態では、登録情報管理DB2124において、登録IDと対応付けられているOutアプリIDが示すアプリケーションが、出力アプリ24である。
【0113】
例えば、登録ID「Tag_Ed」は、InアプリID「AP_EdPortal」と対応付けられており、OutアプリIDは対応付けられていない。したがって、登録ID「Tag_Ed」と対応するサービスは、画像データの入力の制御に関するサービスを提供するものであることがわかる。なお、InアプリID「AP_EdPortal」は、入力アプリ群23に含まれるアプリケーションのうち、教師用のポータル画面のメニューを表示させる処理を実行させるアプリケーションのアプリIDを示す。
【0114】
また、登録ID「Tag_St」は、InアプリID「AP_Stcamera」と対応付けられており、OutアプリIDは対応付けられていない。したがって、登録ID「Tag_St」と対応するサービスは、画像データの入力の制御に関するサービスを提供するものであることがわかる。つまり、登録ID「Tag_St」と対応するサービスのみが提供される生徒端末4の場合は、情報処理装置2に対して、仲介装置6へ処理の実行要求を送信させる機能は有していないことになる。
【0115】
なお、InアプリID「AP_Stcamera」は、入力アプリ群23に含まれるアプリケーションのうち、生徒端末4のカメラを起動させ、カメラによって撮像された画像データを記憶先へ送信させる処理を実行させるアプリケーションのアプリIDを示す。
【0116】
また、
図12において、登録ID「Tag_StPhotoCode」は、InアプリID「AP_StPhoto」、OutアプリID「AP_PhotoDoc」が対応付けられており、ブラウザIDは対応付けられていない。
【0117】
本実施形態では、このように、登録IDとInアプリIDとOutアプリIDが対応付けられており、ブラウザIDが対応付けられていない場合は、サービスは確定しているが、ブラウザIDが確定していない状態を示している。このような場合には、パスコードに基づき、サービスとブラウザIDとが対応付けられる。
【0118】
以下の説明では、登録情報管理DB2124において、項目「登録ID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を、タグ情報と呼ぶ。
【0119】
●アプリ情報管理テーブル●
図12は、第一の実施形態のアプリ情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
図12において、アプリ情報管理DB2121では、情報処理装置2が有するアプリケーションを識別するアプリIDごとに、アプリ種別、URL及び対応ブラウザ等が関連付けられて記憶、管理されている。
【0120】
これらのうち、アプリ種別は、アプリIDに係るアプリケーションについて、画像データとの関係に基づいた種別を示す。「In」は、画像データの入力を制御するアプリケーション(上述したInアプリIDと対応する)であることを示す。「Out」は、画像データの出力を制御するアプリケーションであることを示す(上述したOutアプリIDと対応する)。URLは、アプリIDに係るアプリケーションのURLである。
【0121】
対応ブラウザは、アプリIDに係るアプリケーションを動作させるブラウザの種類を示す。
図10の例では、ブラウザの種類は、教師端末3、生徒端末4の有するブラウザ部を示す端末用のブラウザと、表示装置5の有するブラウザ部63を示す機器用のブラウザである。
【0122】
●アカウント情報管理テーブル●
図13は、第一の実施形態のアカウント情報管理テーブルの一例を示す概念図である。アカウント情報管理DB2123では、テナントIDごとに、ユーザID、パスワードが関連付けられて記憶、管理されている。
【0123】
本実施形態では、生徒については共通のユーザIDが与えられており、教師については教師毎にユーザIDが与えられているものとした。パスワードは、各ユーザIDに応じて決められたパスワードである。
【0124】
アカウント情報管理DB2123には、情報処理装置2におけるアプリケーションを利用可能なユーザの識別情報等が記憶されている。
【0125】
●授業情報管理テーブル●
【0126】
次に、情報処理装置2の記憶制御部26による画像データの記憶について説明する。
【0127】
図14は、第一の実施形態の授業情報管理テーブルの一例を示す概念図である。授業情報管理DB2125では、テナントIDごとに、授業番号、講義室番号、開始時刻、授業時間、教師、コンテンツIDが関連付けられて記憶、管理されている。
【0128】
これらのうち、授業番号は、講義を一意に特定する情報であり、講義名であってもよい。講義室番号は、講義に使用される講義室を特定する情報であり、講義室名であってもよい。開始時刻は、講義番号で特定される講義の開始時刻を示し、授業時間は、講義番号で特定される講義の授業時間を示す。教師は、授業番号で特定される講義を行う教師のユーザIDであり、コンテンツIDは、授業番号で特定される講義と対応付けられた画像データの種類を示す。
【0129】
授業情報管理DB2125に含まれる情報の項目のうち、「コンテンツID」以外の項目の値は、予め決められた時間割等に基づいて記憶されている。「コンテンツID」値は、情報処理装置2の記憶制御部26が生徒端末4から受信した画像データの種類に応じて記憶される。
【0130】
以下の説明では、授業情報管理DB2125に記憶された情報を、授業情報と呼ぶ場合がある。
【0131】
図14では、講義室「A001」において、10/25の10:00から60分間、講義名「数学A_01」の講義が、ユーザID「tanaka@」の教師によって行われることがわかる。
【0132】
また、
図23の例では、講義名「数学A_01」に、コンテンツID「答案_数学A01」、「WB_数学A01」、「表示_数学A01」が対応付けられている。つまり、講義名「数学A_01」には、3種類の画像データが対応付けられていることがわかる。
【0133】
コンテンツID「答案_数学A01」は、画像データの種類が、答案用紙の画像データであることを示す。コンテンツID「WB_数学A01」は、画像データの種類が、ホワイトボードの画像データであることを示す。コンテンツID「表示_数学A01」は、講義名「数学A_01」の講義中にパスコードを表示させたブラウザIDと対応付けられる情報である。
【0134】
本実施形態の記憶制御部26は、生徒端末4から、答案用紙の画像データと授業番号を受信した場合には、授業情報管理DB2125の授業番号と対応する項目「コンテンツID」の値に、「答案_数学A01」を記憶する。そして、記憶制御部26は、答案情報管理DB2126に受信した画像データに、コンテンツIDの値である「答案_数学A01」を対応付けて記憶する。
【0135】
また、本実施形態の記憶制御部26は、講義中に、仲介装置6を介して表示装置5にパスコードを表示させた場合に、授業情報管理DB2125の項目「コンテンツID」の値に、「表示_数学A01」を記憶し、後述する設置情報管理DB2128に、仲介装置6のブラウザIDを記憶する。
【0136】
●答案情報管理テーブル●
【0137】
図15は、第一の実施形態の答案情報管理テーブルの一例を示す概念図である。答案情報管理DB2126では、コンテンツIDごとに、ユーザID、学生番号、ファイルID、ファイルアップロード時刻、パスコードを含むテーブルを記憶する。
【0138】
また、答案情報管理DB2126には、生徒端末4によって撮像された答案用紙の画像データが合わせて記憶され、画像データは、ファイルIDと一対一で対応付けられる。
【0139】
答案情報管理DB2126におけるユーザIDは、画像データに付与されたアカウント情報を示し、ファイルIDは、答案を示すファイル(画像データ)を特定するファイル識別情報を示す。また、答案情報管理DB2126において、ファイルアップロード時刻は、ファイル(画像データ)がアップロードされた時刻を示しており、パスコードは、ファイル(画像データ)に付与されたパスコードを示す。ここで、ユーザID「ando@」を含む答案情報は、パスコードが「0000」であり、画像データの送信時にパスコードが入力されなかったことがわかる。
【0140】
また、正しいパスコードは前述の機器情報管理DB2122の機器情報管理テーブル(
図10)にて管理している。例えば、正しいパスコードが3200ある場合には、その授業に出席していなかったユーザIDが「ando@」であるユーザが、3200以外の数字のパスコードを送信したとしても、正規の答案ではないと判断されることとなる。
【0141】
答案情報管理DB2126は、答案情報が管理される答案情報管理手段の一例である。
【0142】
答案情報管理DB2126は、例えば、生徒端末4において撮像された答案用紙の画像データが記憶される。
【0143】
答案情報管理DB2126では、それぞれに記憶される画像データに付与されたパスコード、画像データを撮像した生徒を特定する情報等が、画像データと共に記憶される。
【0144】
また、答案情報管理DB2126に記憶された特定の生徒の答案を、教師が採点・添削した後、当該添削後の答案を記憶するのが、添削後答案情報管理DB2131である。
【0145】
●添削後答案情報管理テーブル●
【0146】
図16は、第一の実施形態の添削後答案情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
添削後答案情報管理DB2131では、ファイルIDごとに、教師ID、添削後ファイルID、添削ファイルアップロード時刻が関連付けられて記憶、管理されている。
【0147】
また、添削後答案情報管理DB2131には、教師端末3によって添削(編集)された答案用紙の画像データが記憶される。
【0148】
これらのうち、教師IDは、添削(編集)された答案用紙の画像データに関連付けられたものである。教師IDは、具体的には授業の責任者であり、生徒により提出された答案を添削する担当の教師のIDを指す。また、添削後ファイルIDは、添削(編集)された答案用紙の画像データを特定する識別情報を示す。また、答案情報管理DB2126において、添削ファイルアップロード時刻は、添削(編集)された答案用紙の画像データがアップロードされた時刻を示している。
【0149】
教師端末3によって添削(編集)された答案用紙は、それぞれ添削後ファイルID「5000」、「5001」、「5002」として、添削後答案情報管理DB2131に保存され、それぞれのアップロード時刻も「添削後アップロード時刻」として保存されるが、この添削後ファイルID「5000」、「5001」「5002」は、それぞれファイルID「1000」、「1001」、「1002」を添削した後の画像データのファイルIDである。
【0150】
このように添削後答案情報管理DB2131に保存された添削後ファイルIDは、答案情報管理DB2126に保存されたファイルIDと、1対1に対応付けられて保存されていることにより、生徒がアップロードした画像データである答案を教師が添削し、その後に教師により添削した画像データである添削後の答案を、生徒及び教師が、同一の識別情報であるQRコードを使って共有することが可能となる。この際、各ファイルに対するアクセス権限を、答案の状況を管理するステータスに従って付与することで、ファイルが上書きされたり、ファイルが改ざんされたりすることを防いでいる。
【0151】
●設置情報管理テーブル●
【0152】
図17は、第一の実施形態の設置情報管理テーブルの一例を示す概念図である。設置情報管理DB2128では、コンテンツIDとブラウザIDとが対応付けられている。例えば、コンテンツID「表示_数学A01」がブラウザID「BROWSER1」と対応付けられている。したがって、講義名「数学A01」の講義では、「BROWSER1」が示すブラウザを有する仲介装置6によって、パスコードが表示されたことがわかる。
【0153】
このように、記憶制御部26は、授業情報管理DB2125に予め記憶された情報に基づき、生徒端末4からアップロードされた画像データを、撮像対象物の種類毎に記憶することができる。
【0154】
また、記憶制御部26は、仲介装置6によって表示装置5に表示されたパスコードの履歴を示す情報をパスコード履歴管理DB2129に記憶する。
【0155】
●パスコード履歴管理テーブル●
図18は、第一の実施形態のパスコード履歴記憶部の一例を示す図である。パスコード履歴管理DB2129では、日時ごとに、ブラウザID及びパスコードが関連付けられて記憶、管理されている。例えば、パスコード履歴管理DB2129には、出力アプリ24を介して出力されたパスコードの履歴を示す情報が記憶される。
例えば、ブラウザID「BROWSER1」に表示されたパスコードが、15分間隔で変化していくことがわかる。
【0156】
●表示履歴管理テーブル●
【0157】
また、記憶制御部26は、仲介装置6を介して表示された画像データの履歴を示す情報を表示履歴管理DB2130に記憶する。
【0158】
図19は、第一の実施形態の表示履歴管理テーブルの一例を示す概念図である。表示履歴管理DB2130では、日時ごとに、ブラウザID、ユーザID及びファイルIDが関連付けられて記憶、管理されている。これらのうち、日時は、ファイルIDで特定される画像データが、ブラウザIDで特定される仲介装置6を介して表示装置5に表示された日時を示す。ユーザIDは、仲介装置6に対して、画像データの表示要求を行ったユーザ端末と対応付けられたユーザIDを示す。表示履歴管理DB2130には、仲介装置6のブラウザ部63によって表示装置5に表示された画像データの履歴を示す情報が記憶される。
【0159】
〔通信端末の機能構成〕
【0160】
図9において、本実施形態の教師端末3(通信端末3)は、制御部(オペレーティングシステム部)31、通信部32、表示制御部33及びブラウザ部34を有する。これら各部は、教師端末3にインストールされた1以上のプログラムが、CPU301に実行させる処理により実現される。
【0161】
制御部31は、教師端末3の利用者からの操作を受けて、通信部32、表示制御部33
及びブラウザ部34を起動し、制御する。また制御部31は、教師端末3(通信端末3)における各種判断を行う。
【0162】
通信部32は、情報処理装置2など、教師端末3(通信端末3)以外の端末や装置との通信を行う。また、通信部32は、生徒端末(通信端末4)が送信した所定のサービスを特定する特定識別情報に関連付けられた画像データであって、情報処理装置2に記憶され情報処理装置2が送信した、画像データを受信する。通信部32は更に、画像データを編集した編集後画像データを、特定識別情報に関連付けて情報処理装置2に対して送信する。
【0163】
表示制御部は、教師端末3(通信端末3)のディスプレイ画面307の表示を制御し、ポインティングデバイス313やキーボード312からの入力を受け付ける。
【0164】
ブラウザ部34は、例えば、一般的なWebブラウザであり、HTML(HyperText Markup Language)データやスクリプト(例えば、JavaScript(登録商標))等に従った処理を実行する。また、ブラウザ部34は、起動すると、情報処理装置2に、初期アクセスURLを送信する。
【0165】
なお、このとき、ブラウザ部34は、初期アクセスURLと共に、初期アクセスURLにオプション情報として付与されている登録IDも情報処理装置2に送信する。登録IDとは、所定のサービスを特定する特定識別情報であり、サービスを実現するアプリケーションと予め対応付けられている。
【0166】
また、ブラウザ部34は、初期アクセスURLへのアクセスに応じた情報処理装置2からのリダイレクト要求に従って、情報処理装置2が有するアプリケーションのうち、登録IDに関連付けられているアプリケーションにアクセスする。リダイレクト要求とは、初期アクセスURLへのアクセスに応じた情報処理装置2からの応答である。
【0167】
ブラウザ部34は、アクセスしたアプリケーションから、教師端末3への処理の実行要求を示すデータ(HTMLデータやスクリプト等)を取得する。
【0168】
なお、初期アクセスURLとは、教師端末3が最初に情報処理装置2にアクセスする際に、最初にアクセスすべきURLを示す。
【0169】
図9において、本実施形態の教師端末3(通信端末3)は、制御部(オペレーティングシステム部)41、通信部42、表示制御部43及びブラウザ部44を有する。これら各部は、生徒端末4にインストールされた1以上のプログラムが、CPU301に実行させる処理により実現される。
【0170】
生徒端末4の制御部41、表示制御部43及びブラウザ部44の機能は、教師端末3の制御部31、表示制御部33及びブラウザ部34の機能と応用のため、説明を省略する。なお、通信部32は、情報処理装置2に対して、生徒が作成した画像データ(答案)を送信する。
【0171】
〔仲介装置の機能構成〕
図9において、仲介装置6は、通信制御部61、ブラウザ管理部62及びブラウザ部63等を有する。これら各部は、仲介装置6にインストールされた1以上のプログラムが、CPU603に実行させる処理により実現される。
【0172】
通信制御部61は、情報処理装置2の通信部21との間で双方向の通信路を接続(通信セッションを確立)し、当該通信路(通信セッション)において仲介装置6側の端点として機能する。通信制御部61は、当該通信路(通信セッション)を介した通信により、仲介装置6の状態を情報処理装置2に通知することができる。また、仲介装置6が表示装置5に表示させるべき画像データが情報処理装置2へ入力されたことの通知を情報処理装置2から受信することができる。画像データが情報処理装置2へ入力されることは、教師端末3や生徒端末4から画像データが情報処理装置2にアップロードされることを示す。
【0173】
ブラウザ管理部62は、ブラウザ部63をキオスクモードで起動する。キオスクモードとは、仲介装置6の用途をWebページの表示に制限するモードをいう。なお、キオスクモードはあくまで一例であって、Webページの表示が可能なモードであれば他のモードであってもよい。
【0174】
ブラウザ部63は、例えば、一般的なWebブラウザであり、HTMLデータやスクリプト等に従った処理を実行する。
【0175】
ブラウザ部63は、起動に応じ、初期アクセスURLにアクセスする。この際、情報処理装置2では、初期アクセスURLに対して、ブラウザ部63の識別情報(以下、「ブラウザID」という。)がオプション情報として付与される。
【0176】
ブラウザ部63は、初期アクセスURLへのアクセスに応じたリダイレクト要求に従って、情報処理装置2が有するアプリケーションのうち、ブラウザIDに関連付けられているアプリケーションにアクセスする。ブラウザ部63は、このアプリケーションから、仲介装置6への処理の実行要求を示すデータ(HTMLデータやスクリプト等)を取得する。
【0177】
〔MFPの機能構成〕
【0178】
制御部71は、利用者の操作を受けて、通信部72、印刷部73及び読取部74を起動し、制御する。通信部72は、情報処理装置2及び通信端末3(教師端末4)との通信を行う。印刷部73は、紙などの記録媒体上に画像の形成を行う。読取部74は、紙などの記録媒体上に形成された画像の読取を行う。
【0179】
〔仲介装置の起動に応じて実行される事前処理手順〕
【0180】
図20は、第一の実施形態の仲介装置の起動に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。具体的には、
図20は、パスコードを表示装置5に表示させるまでの処理手順を示している。
【0181】
教師等のユーザによって、仲介装置6の電源がONにされると(ステップS701)、通信制御部61は、情報処理装置2の通信部21からの要求を非同期に受信するための通信路を通信部21との間で確立する(ステップS702)。この際、通信制御部61は、自ら(通信制御部61)の識別情報である通信IDを通信部21に通知する。通信部21は、通知された通信ID(以下、「対象通信ID」という。)に基づいて、機器情報管理DB2122を更新する。
【0182】
次に、通信制御部61は、ブラウザIDを取得するためにブラウザ管理部62を、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)等を利用して探査し(ステップS703)、発見されたブラウザ管理部62から、ブラウザ管理部62の管理対象であるブラウザ部63の識別情報であるブラウザIDを取得する(ステップS704)。
【0183】
本実施形態では、仲介装置6内に通信制御部61とブラウザ管理部62とを備えている例が示されているが、仲介装置6が有する通信制御部61が、他の仲介装置6のブラウザ部34と同一のネットワークを介して通信することによって、複数のブラウザ管理部62及びブラウザ部63をも利用可能にするために、SNMP等を利用してブラウザ管理部62の探査が行われている。そのため、ブラウザ管理部62の探査は必ずしも必須ではなく、通信制御部61がブラウザIDを取得する取得先(ブラウザ管理部62)が予め設定されていてもよい。
【0184】
続いて、通信制御部61は、取得したブラウザIDに対応するブラウザ部63(本実施形態では仲介装置6のブラウザ部63)が利用可能な状態になったことの通知を、ブラウザ部63のブラウザID(以下、「対象ブラウザID」という。)を指定して通信部21へ送信する(ステップS705)。
【0185】
通信部21は、当通知を受信すると、当該通知に指定されている対象ブラウザIDに基づいて、機器情報管理DB2122(
図9)を更新する。具体的には、機器情報管理DB2122において、対象ブラウザIDに対応するブラウザ状態の値が「電源OFF」から「電源ON」に更新される。
【0186】
続いて、通信制御部61は、対象ブラウザID及び初期アクセスURLを指定して、対象ブラウザIDに係るブラウザ部63の起動をブラウザ管理部62へ要求する(ステップS706)。初期アクセスURLは、上記した通り、ブラウザ部63が最初にアクセスすべきURLをいい、ブラウザ管理部62に予め設定されている。
【0187】
ブラウザ管理部62は、通信制御部61からの要求に応じ、対象ブラウザIDに係るブラウザ部63をキオスクモードで起動する(ステップS707)。この際、ブラウザ管理部62は、初期アクセスURLをブラウザ部63に入力する。ブラウザ部63は、キオスクモードでの起動に応じ、入力された初期アクセスURLへHTTPリクエストを送信する(ステップS708)。当該HTTPリクエストには、対象ブラウザIDが含まれる。
【0188】
情報処理装置2のアプリ判定部22は、当該HTTPリクエストを受信すると、リダイレクト要求を含む応答(HTTPレスポンス)をブラウザ部63へ送信する(ステップS709)。
【0189】
当該リダイレクト要求には、リダイレクト先として当該ブラウザIDに対応付けられているアプリケーションのURLが含まれている。また、当該リダイレクト要求には、リダイレクト先への通知情報として、通信URL及びHTTPリクエストに含まれていた対象ブラウザIDが含まれている。なお、通信URLとは、通信制御部61のURLである。
【0190】
なお、アプリ判定部22は、登録情報管理DB2124及びアプリ情報管理DB2121を参照して、対象ブラウザIDに対応付けられているアプリケーションのURLを特定する。
【0191】
アプリ判定部22は、登録情報管理DB2124を参照して、対象ブラウザIDに対応付けられているOutアプリIDを特定し、アプリ情報管理DB2121を参照して、当該OutアプリIDに対応付けられているURLを特定する。ここでは、対象ブラウザIDが「BROWSER1」であるとする。この場合、アプリIDが「AP_PhotoDoc」であるアプリケーション(出力アプリ24)のURL(以下、「出力アプリURL」)が特定される。
【0192】
また、アプリ判定部22は、機器情報管理DB122(
図9)において対象ブラウザIDに対応付けられているアドレス情報に基づいて、対象通信IDに係る通信制御部61の通信URLを自動生成する。
【0193】
次に、ブラウザ部63は、当該リダイレクト要求に従い、リダイレクト先である出力アプリURL(すなわち、出力アプリ24)にHTTPリクエストを送信(リダイレクト)する(S710)。当該HTTPリクエストには、リダイレクト要求に含まれていた通信URL及びブラウザIDが含まれる。
【0194】
出力アプリ24は、当該HTTPリクエストに応じ、当該HTTPリクエストに含まれている通信URLへの接続をブラウザ部63に実行させるためのスクリプトと、パスコードを表示させるためのユーザインタフェースをブラウザ部63に描画させるための表示データとを含む応答をブラウザ部63に送信する(S711)。なお、当該スクリプト及び当該表示データは、仲介装置6への処理の実行要求を示すデータの一例である。例えばスクリプトは他の形式のプログラムであってもよいし、表示データは他の形式のデータであってもよい。
【0195】
ブラウザ部63は、当該応答を受信すると、当該応答に含まれているスクリプトを実行して、通信URLによって識別される通信制御部61との間での通信路を確立する(S712)。当該通信路は、通信制御部61が情報処理装置2から受信する通知をブラウザ部63へ伝達してもらうための通信路である。当該通信路には、websocketが用いられてもよい。
【0196】
続いて、ブラウザ部63は、当該応答に含まれている表示データに基づく画面(以下、「表示画面」という。)をメモリ装置103の所定の領域(例えば、ビデオメモリ)に描画する(S713)。例えば、表示画面は、情報処理装置2で生成されたパスコードが表示される画面である。なお、ブラウザ部63による描画内容(表示画面)は、HDMI(登録商標)等のインタフェースを介して表示装置5へ出力され、表示装置5によって出力(表示)される。
【0197】
次に、情報処理装置2は、特定情報割当部25により、テナントIDと対応付けられているブラウザID群に対して、一定期間重複しないパスコードを生成して割当てを行い、一定間隔で仲介装置6の通信制御部61に、ブラウザIDとパスコードとを対応付けたパスコード通知を配信する(S714)。このとき、特定情報割当部25は、生成したパスコードを、ブラウザIDと対応付けて機器情報管理DB2122(
図10参照)に記憶する。
【0198】
なお、本実施形態の一定期間とは、例えば、数日間程度であり、一定間隔とは数分程度(例えば15分)である。
【0199】
通信制御部61は、パスコード通知を受け付けると、パスコードと対応付いたブラウザIDにより特定されるブラウザ部63へ、パスコードを通知する(S715)。ブラウザ部63は、表示装置5の表示画面の一部に、パスコードを表示させる(S716)。
【0200】
なお、
図11の例では、通信ID「Eg001-01」には、2つのブラウザIDが対応付けられている。この場合、起動状態が「電源ON」であるブラウザID「BROWSER1」と対応するパスコードが、仲介装置6によって表示装置5に表示される。
【0201】
<パスコードの自動生成>
【0202】
以下、
図21を参照して、本実施形態の特定情報割当部25によるパスコードの生成と割当てについて説明する。
図21は、第一の実施形態のパスコードの生成と割当てについて説明する図である。
【0203】
本実施形態のパスコードは、例えば、4桁の数字である。本実施形態の特定情報割当部25は、テナントIDと対応付けられたブラウザID(仲介装置6)毎にパスコードを生成して、割り当てる。具体的には、特定情報割当部25は、ランダムな4桁の数字を生成し、パスコードとして仲介装置6へ割り当てる。
【0204】
また、特定情報割当部25は、例えば、テナントIDと対応付けられた仲介装置6(ユーザ環境E1内の仲介装置6)が複数存在する場合には、各仲介装置6に割り当てられるパスコードが重複しないようにする。さらに、特定情報割当部25は、各仲介装置6に割り当てるパスコードを、定期的に変更する。
【0205】
図21の例では、1つのテナントIDに、仲介装置6-1、20-2、20-3という3つの仲介装置6が存在した場合を示している。
【0206】
この場合、特定情報割当部25は、例えば、10時00分からの15分間は、それぞれの仲介装置6について、パスコード「1234」、「2293」、「8341」を割当てる。また、特定情報割当部25は、10時15分からの15分間は、それぞれの仲介装置6について、パスコード「3256」、「5671」、「4252」を割当てる。
【0207】
このように、本実施形態では、教師端末3は、仲介装置6毎に異なるパスコードを割当て、さらに、定期的に仲介装置6に割り当てるパスコードを変更する。したがって、本実施形態によれば、生徒端末4から送信される画像データに付与されたパスコードに基づき、画像データが撮像された時間帯と場所とを特定することができる。
【0208】
<パスコードの表示例>
【0209】
図22は、第一の実施形態の表示装置におけるパスコードの表示例を示す図である。表示装置5の画面には、情報処理装置2から通知されたパスコード51が表示される。
〔画像データをアップロードする場合の処理手順〕
<生徒端末から情報処理装置への画像データのアップロード>
【0210】
次に、
図23のシーケンス図を用いて、生徒端末4から情報処理装置2へ画像データをアップロードする処理手順について説明する。
【0211】
本実施形態の生徒端末4において、制御部41は、利用者である生徒によって、生徒端末4が答案QRコードに向けられたことを検知する。続いて、生徒端末4は、答案QRコードを読み取り、答案QRコードに埋め込まれた登録IDを取得する(ステップS101)。ここで特定識別情報である登録IDを取得する手段はどのようなものでもよいが、
特定識別情報は、画像データに係る画像に付与された二次元コードに埋め込まれ、第1の通信端末及び第2の通信端末によって読み取られることにより、簡単に取得することができる。
【0212】
生徒端末4は、答案QRコードを読み取ると、ブラウザ部44を起動させ、QRコードに埋め込まれたログインURLを使って、通信部42を介してログインリクエスト先である情報処理装置2へ接続する(ステップS102)。
【0213】
このように本実施形態では、答案QRコードに、情報処理装置2が提供する所定のサービスを特定する特定識別情報(登録ID)と、生徒端末4において撮像された画像データが記憶される記憶先である情報処理装置2を特定する情報が埋め込まれている。
【0214】
情報処理装置2は通信部21にてこれを受信する。アプリ判定部22は、生徒端末4がログイン状態でない場合には、当該ログインリクエストを受信すると、生徒端末4のブラウザ部44に対して、通信部21を介してログインURLを送信する(ステップS103)。
【0215】
生徒端末4のブラウザ部44は、通信部42を介して当該ログインURLを受信すると、表示制御部43にてログイン画面を表示させる。生徒端末4のユーザは、表示制御部43により表示されたディスプレイの画面407へユーザアカウント情報(ユーザIDとパスワード)を入力する(ステップS104)。
【0216】
次に、生徒端末4のブラウザ部44は、表示制御部43のログイン画面に入力されたユーザアカウント情報に、答案QRコードから読み取った登録IDを対応付けたログイン要求を、通信部42を介して情報処理装置2へ送信する(ステップS105)。
【0217】
これを受信した情報処理装置2は、アプリ判定部22により、アカウント情報管理DB2123を参照し、ログイン処理を行い、登録IDと対応付けられたURLへのHTTPリクエスト(リダイレクト)を行う。ここでは、登録IDと対応付けられたURLは、カメラURLである。ブラウザ部44は、カメラURLを含むHTTPリクエストを受けて、カメラアプリへ接続する。カメラアプリは、授業番号を入力させる入力画面の表示データと、入力画面に入力された授業番号と、撮像された画像データを情報処理装置2に送信する処理を実行させるためのスクリプトと、を含む応答を、通信部21及び通信部42を介して生徒端末4のブラウザ部44に送信する。(ステップS106)。
【0218】
つまり、情報処理装置2は、生徒端末4から受信した登録IDと対応付けられたカメラアプリにより、生徒端末4の撮像機能を起動させ、撮像機能によって撮像された画像データをアップロードさせる処理の実行要求を、生徒端末4へ送信する。言い換えれば、ブラウザ部44は、カメラアプリから、答案読取アプリ(入力された授業番号と、撮像された画像データを情報処理装置2に送信する処理を実行させるためのスクリプト)を取得する。ブラウザ部44は、答案読取アプリを起動させ、学生番号と授業番号とパスコードの入力画面を表示させる(ステップS107)。
【0219】
生徒端末4のブラウザ部44は、表示制御部43により表示された入力画面において、学生番号と授業番号とパスコードの入力を受け付けると、学生番号と授業番号とパスコードとを保持する。
【0220】
続いて、生徒端末4のブラウザ部44は、答案用紙の画像を撮像するためのスタートボタンに対する操作を受け付けて、生徒端末4のカメラの操作画面を表示制御部43に表示させる。ブラウザ部44は、撮像ボタンの操作を受け付ける(ステップS108)。
【0221】
生徒端末4の表示制御部43から指示を受け、ブラウザ部44は、画像データに、登録IDと、学生番号と授業番号とパスコードとを付与し通信部42を介して、情報処理装置2の通信部21へ送信する(ステップS109)。
【0222】
その後、情報処理装置2の通信部21が受信した画像データは、記憶制御部26によって、答案情報管理DB2126等に記憶される(ステップS110)。
【0223】
情報処理装置2の通信部21は、答案を答案情報管理DB2126に記憶することにより、生徒端末4から答案が提出済みであり、かつ、教師端末3による添削が未だされていない状態(これを「ステータス1」とする。)である旨を、教師端末3へ通知する(ステップS111)。
【0224】
このように、前記第1の記憶制御手段により前記第1の画像データが記憶されたときに、第2の通信端末に通知をすることを特徴とするので、第2の通信端末は第1の通信端末により画像データの記憶がされた後に、通知を受けることができるため、第1の通信端末により情報処理装置に画像データが記憶された直後から、画像データの編集を開始することができる。
【0225】
<生徒端末における表示例>
【0226】
ここで、
図24を参照して、生徒端末4のディスプレイ画面407への表示例について説明する。
【0227】
図24は、第一の実施形態の生徒端末における表示例を示す図である。
図24(A)は、
図23のステップS110で表示されるログイン画面の一例を示す。
図24(B)は、
図23のステップS116で表示される入力画面の一例を示す。
図24(C)は、
図16のステップS120で表示されるカメラの操作画面の一例を示す図である。
【0228】
図24(A)の画面151では、生徒端末4のディスプレイ画面407にはユーザIDとパスワードのそれぞれが入力される入力欄151a、151bが、表示制御部43によって表示される。
【0229】
本実施形態では、生徒端末4において入力されるユーザIDとパスワードは、テナントID毎に付与された共通のものとしたが、これに限定されない。ユーザIDとパスワードは、生徒端末4のユーザである生徒が個人毎に設定してもよい。その場合、生徒毎のユーザIDとパスワードとが、アカウント情報として、アカウント情報管理DB2123に記憶されていればよい。
【0230】
図24(B)に示す画面152では、学生番号と授業番号とパスコードのそれぞれが入力される入力欄152a、152b、152cが表示制御部43によって表示される。
学生番号は、例えば、生徒個人毎に与えられる番号である。学生番号は、例えば、生徒が受ける講義毎に決められてもよい。この場合、例えば、学生番号は、講義が行われる講義室に入室した順番等によって付与されてもよい。
【0231】
なお、本実施形態では、ユーザIDが生徒個人毎に与えられている場合には、ユーザIDと学生番号が紐付いていることになるため、画面152における学生番号の入力は不要である。したがって、その場合には、入力欄152aは不要となる。
【0232】
授業番号は、生徒が受講する講義の講義名等である。なお、答案QRコード8に授業番号が埋め込まれている場合には、画面152において、入力欄152bは表示されない。パスコードは、生徒が表示装置5に表示されたパスコードを目視して、入力されるものである。
【0233】
画面152において、スタートボタン152dが操作されると、生徒端末4の表示制御部43は、撮像画面に表示を遷移させる。つまり、スタートボタン152dは、生徒端末4の表示を撮像画面に遷移させるための操作ボタンである。
【0234】
図24(C)に示す画面153では、カメラが起動しており、記入済みの答案用紙Pの画像153aが表示された撮像画面の一例である。画面153において、操作ボタン153bが操作されると、答案用紙Pの画像が撮像された、画像データが、生徒端末4の通信部42を介して、情報処理装置2の答案QRコードが示す所定の記憶先へ送信されて記憶される。
【0235】
〔画像データを編集する場合の処理手順〕
【0236】
次に、
図25のシーケンス図を用いて、教師端末3が情報処理装置2から添削前の画像データをダウンロードし、当該画像データを添削(編集)後、添削後の画像データを情報処理装置2へアップロードする処理手順について説明する。
【0237】
本実施形態の教師端末3の制御部31は、利用者である教師によって、教師端末3が答案QRコードに向けられたことを検知する。続いて教師端末3は、答案QRコードを読み取り、答案QRコードに埋め込まれた登録IDを取得する(ステップS201)。特定識別情報は、画像データに係る画像に付与された二次元コードに埋め込まれ、第1の通信端末及び第2の通信端末によって読み取られることにより、簡単に取得することができる
【0238】
教師端末3は、答案QRコードを読み取ると、ブラウザ部34を起動させ、QRコードに埋め込まれたログインURLを使って、通信部32及び通信部21を介してログインリクエスト先である情報処理装置2へ送信する(ステップS202)。第2の通信端末が特定識別情報を情報処理装置へ送信した後、第2の通信端末は、画像データの編集権限を取得することができ、教師端末3は編集を開始できる。
【0239】
この第2の通信端末が特定識別情報を情報処理装置へ送信した後、第1の通信端末は、画像データの編集権限を喪失する。
【0240】
このように本実施形態では、答案QRコードに、情報処理装置2が提供する所定のサービスを特定する特定識別情報(登録ID)と、教師端末3により事前に要求されている記憶先、すなわち生徒によって提出済みである画像データが記憶される記憶先を特定する情報が埋め込まれている。
【0241】
教師端末3がログイン状態でない場合には、情報処理装置2のアプリ判定部22は通信部21を介し、当該ログインリクエストを受信すると、教師端末3の通信部32を介してブラウザ部44に対し、ログインURLを送信する(ステップS203)。
【0242】
教師端末3のブラウザ部34は、通信部32を介して当該ログインURLを受信すると、表示制御部33はログイン画面を表示させる。教師端末3のユーザは、ディスプレイ画面307からユーザアカウント情報(ユーザIDとパスワード)を入力する(ステップS204)。
【0243】
教師端末3は表示制御部33からログイン画面に対するユーザアカウント情報の入力を受け付けると、入力されたアカウント情報に加え、答案QRコードから読み取った登録IDを対応付けたログイン要求を、通信部32を介して情報処理装置2へ送信する(ステップS205)。
【0244】
情報処理装置2は、通信部21を介して前記要求を受信した後、アプリ判定部22により、アカウント情報管理DB2123を参照し、ログイン処理を行い、登録IDと対応付けられたURLへのHTTPリクエスト(リダイレクト)を行う。ここでは、登録IDと対応付けられたURLは、添削後答案ダウンロードのためのURLである。
【0245】
ここで前述の
図23のシーケンスでは登録ID、ユーザID及びパスワードに基づいてカメラアプリが選択されたが、
図25のシーケンスでは生徒により提出済みの答案をダウンロードするアプリが選択される。この選択の違いは、後述するステータスによる違いに基づく。
【0246】
教師端末3のブラウザ部34は、HTTPリクエストを受けて、答案ダウンロードアプリへ接続する。答案ダウンロードアプリは、授業番号を入力させる入力画面の表示データと、入力画面に入力された授業番号と、撮像された画像データを情報処理装置2に送信する処理を実行させるためのスクリプトと、を含む応答を、ブラウザ部34に送信する。(ステップS206)。
【0247】
つまり、情報処理装置2は、教師端末3から受信した登録IDと対応付けられた答案ダウンロードアプリにより、教師端末3を起動させる。教師端末3の表示制御部33は、授業番号とパスコードの入力画面を表示させ、入力画面において、授業番号とパスコードの入力を受け付けると、授業番号とパスコードとを保持する(ステップS207)。
【0248】
続いて、教師端末3の表示制御部33は、答案をダウンロードするためのスタートボタンに対する操作を受け付ける(ステップS208)。
【0249】
表示制御部33から指示を受けた制御部31は、通信部32を介して、授業番号とパスコードとを、情報処理装置2の通信部21へ送信する(ステップS209)。
【0250】
次に、記憶制御部26は、授業番号とパスコードを検索キーとして授業情報管理DB2125と答案情報管理DB2126とを検索することにより、対応するすべてのファイルIDを読み出す(ステップS210)。なお、
図16のファイルIDは、それぞれの生徒の答案用紙(画像データ)に関連付けられた画像データファイルの識別情報である。これにより、記憶制御部26は、記憶部2000の所定領域から、それぞれの生徒の答案の画像データを読み出すことができる。
【0251】
情報処理装置2の通信部21は、読み出した答案のファイルIDに対応する画像データを、教師端末3の通信部32を介してブラウザ部34へ送信する(ステップS211)。これにより、教師端末3の通信部32は、情報処理装置2が送信した画像データを受信する。そして、教師端末3の表示制御部33が、ダウンロードされた添削後答案の画像データをディスプレイ307に表示させることで、教師は生徒により提出済みの答案を確認することができる)。
【0252】
次に、教師は、教師端末3の表示制御部33によりディスプレイ307に表示された画像データを添削等により編集する。すなわち、教師端末3は、教師による編集処理を実行する(ステップS212)。なお、編集は教師端末3のディスプレイ307上で行うことを想定しているが、これに限られない。別の通信端末に転送して、当該別の通信端末にて編集してもよい。また、記録媒体である紙に印刷し、紙の上で添削等の編集をした後にスキャナ等により読み込むのでもよい。
【0253】
〔画像データを編集する場合の編集方法の選択〕
【0254】
本実施形態において、教師による答案の編集は、基本的には教師端末3に表示された画像データを教師端末3の表示制御部33により編集する。この編集は、教師端末3内のアプリによって行われてもよいし、外部ネットワークに接続されたWebブラウザ上で行われてもよい。また、教師端末3と接続可能なタブレット上で行われてもよい。
【0255】
また、編集における入力は、音声による入力でもよい。教師が音声で編集である添削の指示を出し、その教師の音声を音声合成によりテキスト変換してされるものでもよい。音声合成の技術には特別なものは必要なく、一般な音声合成技術でもよい。
【0256】
さらに、記録媒体である紙に印刷し、紙の上で添削等の編集をした後にスキャナ等により読み込むのでもよい。以下、それらの場合の詳細についての一例を説明する。
【0257】
図26は、第一の実施形態の教師による画像データの編集を説明するフローチャートである。具体的には
図25のステップS212の内容について説明する。
【0258】
まず、教師端末3の制御部31は、手書きで編集(添削)であるかを判断する(ステップS220)。具体的には、制御部31は、画像データ(答案)に対する編集を、記録媒体である紙等に印刷して書き込む方法、いわゆる手書きで行うか否かを判断する。
【0259】
手書きで編集をしない場合(ステップS222:N)、教師端末3は、ディスプレイ307上に表示された答案(データ)を編集する(ステップS221)。この場合の編集方法については、上記に説明した通り、各種の方法を用いることができる。
【0260】
続いて、表示制御部33は、編集後の画像データ(答案)をディスプレイ307上に表示させて(ステップS224)、このフローを抜ける。
【0261】
他方、手書きで編集をする場合(ステップS222:Y)、通信部32は、教師端末3にダウンロードされ生徒から提出された画像データ(答案)を、ユーザ環境E1内のMFP7へ送信する(ステップS222)。
【0262】
その後、教師は、MFP7を操作して送信された画像データ(答案)を印刷する。これにより、教師は、印刷された紙の答案を入手し、手書きで答案を編集(添削)することが可能になる。答案を編集(添削)後、教師は、再度MFP7を操作して答案を読み取らせる。その結果、MFP7は、編集後画像データ(添削後答案)をMFP7の所定の記憶領域に保存する。このとき、MFP7では、スキャン送信機能(例えば、scan to e-nail機能)を用いて、スキャンされた編集後画像データ(答案)を教師端末3へ送信させるようにしてもよい。これにより、教師端末3の通信部32は、編集後画像データ(答案)を、MFP7から受信する(ステップS223)。
【0263】
その後、教師端末3の表示制御部33は、編集後の画像データ(答案)をディスプレイ307に表示させて(ステップS224)、このフローを抜ける。但し、ステップS224では、必ずしも表示が必要なわけではない。
【0264】
なお、上述したように、MFP7が画像データ(答案)を受信し、編集後の画像データ(答案)を送信するまでの間の、画像データ(答案)の編集の詳細について、以下にその一例を説明する。
【0265】
MFP7へ送信された画像データ(答案)は、
図8のネットワークI/F750又は近距離通信回路720等を介してMFP7が受信する。その後MFP7が、プリンタ部732の印刷機能を使って画像データ(答案)を印刷する。その印刷された画像データ(答案)は、教師によって手書きの編集が行われた後、MFP7のスキャナ部731の読取機能を使ってMFP7へ取り込まれる。
【0266】
このMFP7の印刷機能はMFP7に限られない独立した印刷装置でも構わない。またMFP7のスキャナ機能はMFP7に限られない独立したスキャナ装置でも構わない。さらに、編集機能はこれらの印刷機能とスキャナ機能の組み合わせには限定されない。
【0267】
このように、編集方法としては、教師端末3のディスプレイ画面307などの表示制御部33を使う方法のみならず、手書き等による方法においても行なうことができる。なお手書きで編集する方法は、〇×や文字の記入や、スタンプの押印等いかなる方法でも構わない。
【0268】
図25に戻り、教師端末3の制御部31から指示を受けたブラウザ部34は通信部32を介して、添削後の画像データに、登録IDと学生番号と授業番号とパスコードとを付与して、情報処理装置2の通信部21へ送信する。(ステップS213)。
このように、教師端末3は、教師端末3で編集された編集後画像データ、又は、画像データを出力及び編集後画像データを入力可能な画像処理装置を介して受信した編集後画像データ、を情報処理装置に対して送信する。
【0269】
その後、情報処理装置2の通信部21が受信した画像データは、記憶制御部26によって、添削後答案情報管理DB2131に記憶される(ステップS214)。
【0270】
情報処理装置2の通信部21は、添削後答案を添削後答案情報管理DB2131へ記憶することにより、生徒端末4により答案が提出済みであり、かつ、教師端末3により答案が添削された後の状態(これを「ステータス2」とする。)である旨を、生徒端末4の通信部42へ通知する(ステップS215)。その後、教師端末3による編集(答案添削)がされた旨を生徒端末4の表示制御部43が、ディスプレイ307等に表示することにより、生徒端末4を使用する生徒は、自身の答案に対する添削が終了したことを知ることができる。
【0271】
このように、情報処理装置は更に、記憶制御手段により編集後画像データが記憶手段である添削後答案情報管理DBへ記憶された際、生徒端末4に対して通知する第2の送信手段を有している。これにより、教師端末3により情報処理装置2に対して編集後の画像データが記憶された直後から、編集後の答案(画像データ)の確認を開始することができる。
【0272】
〔編集後の画像データをダウンロードする場合の処理手順〕
【0273】
次に、
図27のシーケンス図を用いて、生徒端末4が情報処理装置2から添削後の画像データをダウンロードする処理手順について説明する。
【0274】
本実施形態の生徒端末4において、生徒端末4の制御部41は、利用者である生徒によって、生徒端末4が答案用紙に付与されている答案QRコードに向けられたことを検知する。続いて、生徒端末4は、答案QRコードを読み取り、答案QRコードに埋め込まれた登録IDを取得する(ステップS301)。
【0275】
生徒端末4は、答案QRコードを読み取ると、ブラウザ部44を起動させ、QRコードに埋め込まれたログインURLを使って、通信部42を介してログインリクエスト先である情報処理装置2へ接続する(ステップS302)。
【0276】
情報処理装置2のアプリ判定部22は、生徒端末4がログイン状態でない場合には、当該ログインリクエストを受信すると、情報処理装置2の通信部21及び生徒端末4の通信部42を介し、生徒端末4のブラウザ部44に対して、ログインURLを送信する(ステップS303)。
【0277】
生徒端末4のブラウザ部44は、当該ログインURLを受信すると、表示制御部43はログイン画面を表示させ、生徒端末4のユーザは、ユーザアカウント情報(ユーザIDとパスワード)を入力する(ステップS304)。
【0278】
生徒端末4のブラウザ部44は、ログイン画面に対するユーザアカウント情報の入力を受け付けると、入力されたアカウント情報に、答案QRコードから読み取った登録IDを対応付けたログイン要求を、通信部42を介して情報処理装置2へ送信する(ステップS305)。
【0279】
情報処理装置2は、アプリ判定部22により、アカウント情報管理DB2123を参照し、ログイン処理を行い、登録IDと対応付けられたURLへのHTTPリクエスト(リダイレクト)を行う。ここでは、登録IDと対応付けられたURLは、添削後答案ダウンロードのためのURLである。
【0280】
ここで前述の
図23のシーケンス図では登録ID、ユーザID及びパスワードに基づいてアップロード動作のためのカメラアプリが選択されたが、
図27のシーケンスでは添削後答案ダウンロードアプリが選択される。この選択の違いは、後述するステータスによる違いに基づく。
【0281】
生徒端末4のブラウザ部44は通信部42を介し、カメラURLを含むHTTPリクエストを受けて、添削後答案ダウンロードアプリへ接続する。制御部41は、添削後答案ダウンロードアプリは、授業番号を入力させる入力画面の表示データと、入力画面に入力された授業番号と、撮像された画像データとを通信部42を介して、情報処理装置2に送信する処理を実行させるためのスクリプトと、を含む応答をブラウザ部44に送信する。(ステップS306)。
【0282】
つまり、情報処理装置2は、生徒端末4から受信した登録IDと対応付けられた添削後答案ダウンロードアプリにより、生徒端末4を起動させる。生徒端末4の表示制御部43は、学生番号と授業番号とパスコードの入力画面を表示させる。入力画面において、学生番号と授業番号とパスコードの入力を受け付けると、通信端末4は学生番号と授業番号とパスコードとを保持する(ステップS307)。
【0283】
続いて、生徒端末4の表示制御部43は、添削後答案をダウンロードするためのスタートボタンに対する操作を受け付ける(ステップS308)。
【0284】
生徒端末4の表示制御部43から指示を受けたブラウザ部44は通信部42を介して、学生番号と授業番号とパスコードとを、情報処理装置2の通信部21へ送信する(ステップS309)。
【0285】
その後、情報処理装置2の記憶制御部26は、学生番号、授業番号及びパスコードを検索キーとして授業情報管理DB2125と答案情報管理DB2126とを検索することにより、添削後答案情報管理DB2131に記憶されている添削後答案の画像データを読み出す(ステップS310)。
【0286】
情報処理装置2の通信部21は、読み出した添削後答案の画像データを生徒端末4の通信部42を介して生徒端末4のブラウザ部へ送信する。生徒端末4の表示制御部43は、このようにダウンロードした添削後答案の画像データを通信端末4へ表示することで、生徒は添削後の答案を確認することができる(ステップS311)。
【0287】
情報処理装置2の通信部21がこれを受信する。その後、情報処理装置2の記憶制御部26が添削後答案を、それが記憶された答案情報管理DB2131から読み出すことにより、教師端末3により答案が添削済みであり、かつ、生徒端末4により添削後の答案が確認された状態(これを「ステータス3」とする。)である旨を、教師端末3へ通知する(ステップS312)。これにより、教師は、生徒から答案が提出されたことを知ることができるため、添削業務に迅速に移行することができるというメリットがある。
【0288】
次に、情報処理装置2の記憶制御部26及びステータス情報管理部27の処理について説明する。
【0289】
図28は、第一の実施形態の生徒及び教師のアクセス権の一例を示す図である。ステータス1は生徒が答案をアップロードするまで、ステータス2は生徒が答案をアップロードしてから教師が添削後の答案をアップロードするまで、ステータス3は教師が添削後の答案をアップロードした後の状態を示している。
【0290】
ステータス1は生徒が答案をアップロード状況であるが、この場合には、生徒に編集権限があるが、教師には編集権限はない。ステータス1の状態は生徒にとっては答案を「提出中」であるため、教師には編集する権限は与えられない。これにより、生徒が答案を納得して提出する前に教師により添削や採点がなされてしまうことを防ぐことができる。例えば、生徒端末4である第1の通信端末の編集権限は、第1の記憶制御手段により第1の画像データが記憶される前のみ有効であるとしてもよい。この場合、生徒端末4からの画像データが情報処理装置2の答案情報管理DB2126へ記憶された後は、第1の通信端末により編集ができなくなるため、第1の通信端末によるその後の変更を防止できる。
【0291】
また、その後の教師端末3である第2の通信端末から送信された特定識別情報を、情報処理装置2の通信部21が受信したことをステータス管理部27が確認したタイミング以降、生徒端末4の編集権限を失効してもよい。
【0292】
ステータス2は教師が答案を採点、添削する状況である。この場合には、教師に編集権限があるが、生徒には編集権限はない。ステータス2の状態では教師は答案を「添削中」であるため、生徒により編集する権限を与えないことで、添削途中での答案書き換えを防ぐことができる。
【0293】
このように、第2の通信端末の編集権限は、前記第1の記憶制御手段により第1の画像データが記憶された後、第2の通信端末(教師端末3)が第2の通信端末(教師端末3)を利用する利用者を識別する利用者識別情報を情報処理装置へ送信した後、第2の通信端末(教師端末3)は、画像データの編集権限を取得することで、教師端末は編集権限を取得できるようになる。
【0294】
また、前記第2の通信端末が前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信した後、前記第2の通信端末は、前記画像データの編集権限を取得することとしてもよい。
【0295】
一方で、この前記第2の通信端末が前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信した後、前記第1の通信端末は、前記画像データの編集権限を喪失する、
このようにすることで、教師端末3と生徒端末4が同時に編集可能となることを防止することができる。
【0296】
ステータス3は生徒が答案をダウンロードできる状況であるが、この場合には、生徒にも教師にも編集権限はない。ステータス3の状態はすでに答案は「添削済み(採点済み)」の状態であるため、その添削済み(採点済み)答案の状態を維持する必要があるためである。
【0297】
このステータス1から3へのステータス変更は、情報処理装置2のステータス情報管理部17が、答案情報管理DB2126、添削後答案情報管理DB2131及び記憶制御部26と連携して管理する方法でもよい。画像データ及び編集後画像データが、それぞれ答案情報管理DB2126及び添削後答案情報管理DB2131へ記憶されたタイミングでステータスを切り替える場合も、教師端末3と生徒端末4が同時に画像データ又は編集後画像データに同時にアクセスすることを防ぐことができる。
【0298】
このように編集権限を各ステータスにより変更することで、第1の通信端末の一例である生徒端末4と第2の通信端末の一例である教師端末3による画像データへの編集権限の付与タイミングが明確になる。画像データ(答案用紙)の提出と、編集後の画像データ(添削後の答案用紙)の返却それぞれの利用のステータスが明確にすることもできる。
【0299】
また、生徒端末4(第1の通信端末)と教師端末3(第2の通信端末)が同じ特定識別情報を読み込んだ場合でも、生徒端末4(第1の通信端末)と教師端末3(第2の通信端末)のそれぞれに、各ステータスに最適なアプリを自動的に利用させることができる。
【0300】
〔第1の実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、通信端末3は、特定識別情報を読み取り(S201)、授業番号やパスコードを入力する(S207)ことで、情報処理装置2から簡単に編集対象である答案を取得する(S210)。その後、通信端末3は、編集対象である答案を編集し(S212)、その編集後の答案を、情報処理装置2中の答案が記憶されている記憶部と関連付けられた情報処理装置2の記憶部に記憶する(S214)。
【0301】
これにより、通信端末において、情報処理装置内に記憶した画像データを編集し、編集した編集後の画像データを、情報処理装置内に記憶した編集前の画像データと関連付けて記憶することが可能になる、という効果を奏する。
【0302】
〔実施形態の補足〕
【0303】
なお、上記実施形態における情報処理装置2、通信端末3、通信端末4、表示装置5、仲介装置6及びMFP7は、それぞれ単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
【0304】
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0305】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【0306】
●まとめ●
【0307】
本発明の一実施形態にかかる情報処理システムでは、第1の通信端末と、第2の通信端末と、前記第1の通信端末及び前記第2の通信端末と通信可能な情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、前記第2の通信端末は、前記第1の通信端末が送信した所定のサービスを特定する特定識別情報に関連付けられた画像データであって、前記情報処理装置に記憶され当該情報処理装置が送信した、前記画像データを受信する第1の受信手段と、前記画像データを編集した編集後画像データを、前記特定識別情報に関連付けて前記情報処理装置に対して送信する第1の送信手段と、を有し、前記情報処理装置は、前記第2の通信端末が送信した、前記編集後画像データを受信する第2の受信手段と、前記第1の通信端末が送信した前記画像データと、前記第2の通信端末が送信した前記編集後画像データとを、前記特定識別情報に関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段、を有することを特徴とする。
【0308】
これにより、通信端末において、情報処理装置内に記憶した画像データを編集し、編集した編集後の画像データを、情報処理装置内に記憶した編集前の画像データと関連付けて記憶することが可能になる、という効果を奏する。
【0309】
本発明の一実施形態にかかるシステムでは、前記特定識別情報は、前記画像データに係る画像に付与された二次元コードに埋め込まれ、前記第1の通信端末及び第2の通信端末によって読み取られることを特徴とする。
【0310】
これにより、前記特定識別情報が埋め込まれた二次元コードを撮像する簡単な操作で、前記特識別情報を入手することができる。
【0311】
本発明の一実施形態にかかるシステムでは、前記第2の通信端末が前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信した後、前記第2の通信端末は、前記画像データの編集権限を取得することを特徴とする
【0312】
これにより、前記第2の通信端末の利用者は、前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信した前には持っていなかった編集権限を、前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信した後に入手することができる。すなわちこの前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信したタイミング前においては、第2の通信端末の利用者である例えば教師が間違って編集をしてしまうことを防止できる。またこの前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信したタイミング後においては、第2の通信端末の利用者である例えば教師による編集を可能にすることができる。
【0313】
本発明の一実施形態にかかるシステムでは、前記第2の通信端末が前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信した後、前記第1の通信端末は、前記画像データの編集権限を喪失することを特徴とする。
【0314】
これにより、前記第1の通信端末の利用者は、前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信した前は持っていた編集権限を、前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信した後には、喪失させることができる。すなわちこの前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信したタイミング前においては、第1の通信端末の利用者である例えば生徒の編集を可能としつつ、この前記特定識別情報を前記情報処理装置へ送信したタイミング後においては、第1の通信端末の利用者である例えば生徒が、答案の内容を編集することを防止することができる。
【0315】
本発明の一実施形態にかかるシステムでは、前記第2の通信端末が前記第2の通信端末を利用する利用者を識別する利用者識別情報を前記情報処理装置へ送信した後、前記第2の通信端末は、前記画像データの編集権限を取得することを特徴とする。
【0316】
これにより、前記第2の通信端末の利用者は、前記利用者識別情報を使い、前記利用者識別情報を前記情報処理装置へ送信した前には持っていなかった編集権限を、前記利用者識別情報を前記情報処理装置へ送信した後に入手することができる。すなわち、第2の通信端末の利用者である例えば教師は、自己の前記利用者識別情報を使うことにより、利用者を特定させることで高いセキュリティレベルで、前記利用者識別情報を前記情報処理装置へ送信したタイミング前後において、第2の通信端末の編集権限を切り替えることができる。
【0317】
本発明の一実施形態にかかるシステムでは、前記情報処理装置は更に、前記記憶制御手段により前記編集後画像データが前記記憶手段に記憶された際、前記第1の通信端末に対して通知する第2の送信手段、を有することを特徴とする。
【0318】
これにより、第1の通信端末は、第2の通信端末により編集後の画像データの記憶がされた後に通知を受けることができるため、第2の通信端末により情報処理装置に編集後の画像データが記憶された直後から、編集後の画像データの確認を開始することができる。
【0319】
本発明の一実施形態にかかるシステムでは、前記第1の送信手段は、前記第2の通信端末で編集された前記編集後画像データ、又は、前記画像データを出力及び前記編集後画像データを入力可能な画像処理装置を介して受信した前記編集後画像データを前記情報処理装置に対して送信することを特徴とする。
【0320】
これにより、第2の通信端末における編集が、第2の通信端末上にて編集した場合のみでなく、第2の通信端末が前記画像処理装置に編集させた場合及び記録媒体に出力する等の方法で手書きにて編集を行った場合についても、情報処理装置2は前記編集後画像データを入手することができる。
【符号の説明】
【0321】
1 情報処理システム
2 情報処理装置
3 通信端末(教師端末)(第2の通信端末の一例)
4 通信端末(生徒端末)(第1の通信端末の一例)
5 表示装置
6 仲介装置
7 MFP(画像処理装置の一例)
8 特定識別情報(QRコード)
11 通信部
12 アプリ判定部
13 入力アプリ群
14 出力アプリ
15 特定情報割当部
16 記憶制御部
17 ステータス情報管理部
21 通信部(第2の受信手段の一例、第2の送信手段の一例)
22 ブラウザ管理部
23 ブラウザ部
26 記憶制御部(記憶制御手段の一例)
31、41 制御部
32 通信部
42 通信部(第1の受信手段の一例、第1の送信手段の一例)
33、43 表示制御部(表示制御手段の一例)
34、44 ブラウザ部
2000 記憶部(記憶手段の一例)
2121 アプリ情報管理DB
2122 機器情報管理DB
2123 アカウント情報管理DB
2124 登録情報管理DB
2125 授業情報管理DB
2126 答案情報管理DB
2128 設置情報管理DB
2129 パスコード履歴管理DB
2130 表示履歴管理DB
2131 添削後答案情報管理DB
【先行技術文献】
【特許文献】
【0322】