(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132070
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/88 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042718
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】押切 幸治
(72)【発明者】
【氏名】菊地 太郎
(72)【発明者】
【氏名】荒毛 祐紀
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AB03
2G051AC02
2G051AC16
2G051CA04
2G051DA15
2G051EA14
2G051EC01
2G051ED05
2G051ED11
2G051ED21
2G051FA02
(57)【要約】
【課題】第1の時期から第2の時期の間に生じた変状箇所を容易に推定すること。
【解決手段】情報処理装置の一例の描画装置3は、第1の時期よりも遅い第2の時期での構造物の第2の撮影画像の一例である最新の展開画像における診断対象202Bに基づき、第2の時期での構造物の第2の変状位置を推定する推定部36と、第1の時期での構造物の第1の変状位置を示す描画された第1の描画変状画像の一例である診断対象要素画像e21、e22と、推定部36により推定された第2の変状位置を示す推定変状画像A1と、を含む表示画像を生成する生成部37と、を備える。
【選択図】
図48
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の時期よりも遅い第2の時期での構造物の第2の撮影画像に基づき、前記第2の時期での前記構造物の第2の変状位置を推定する推定手段と、
前記第1の時期での前記構造物の第1の変状位置を示す描画された第1の描画変状画像と、前記推定手段により推定された前記第2の変状位置を示す推定変状画像と、を含む表示画像を生成する生成手段と、を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記推定変状画像における前記第1の描画変状画像と位置が重なる第1の部分と、前記第1の描画変状画像と位置が重ならない第2の部分を互いに識別可能に表示する前記表示画像を生成する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記推定変状画像における前記第1の描画変状画像と位置が重なる第1の部分は表示せず、前記第1の描画変状画像と位置が重ならない第2の部分を表示する前記表示画像を生成する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記第1の描画変状画像と、前記推定変状画像を重畳、切替または並列表示する前記表示画像を生成する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記推定変状画像と、前記第2の撮影画像を重畳、切替または並列表示する前記表示画像を生成する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成手段は、さらに、前記第1の時期の前記構造物の第1の撮影画像と、前記第2の撮影画像を重畳、切替または並列表示する前記表示画像を生成する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定手段は、前記第1の時期の前記構造物の第1の撮影画像と、前記第2の撮影画像に基づき、前記第1の変状位置との差分を前記第2の変状位置として推定する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示画像を表示部に表示させる表示制御手段を備えた請求項1記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示部に表示された前記表示画像に対して、第2の描画変状画像の描画の入力を受け付ける受付手段と、
前記第2の描画変状画像と、前記表示画像における前記第1の描画変状画像の位置に対する前記第2の描画変状画像の位置を対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
を備えた請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記生成手段は、前記推定変状画像における前記第1の描画変状画像と位置が重なる第1の部分と、前記第1の描画変状画像と位置が重ならない第2の部分のうち、前記第2の部分を前記第2の描画変状画像として生成し、
前記受付手段は、前記生成手段により生成された前記第2の描画変状画像の修正の入力を受け付ける請求項9記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
第1の時期よりも遅い第2の時期での構造物の第2の撮影画像に基づき、前記第2の時期での前記構造物の第2の変状位置を推定する推定ステップと、
前記第1の時期での前記構造物の第1の変状位置を示す描画された第1の描画変状画像と、前記推定ステップ推定された前記第2の変状位置を示す推定変状画像と、を含む表示画像を生成する生成ステップと、を実行する情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、請求項11記載の情報処理方法を実行させるプログラム。
【請求項13】
情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な通信端末と、を備えた情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
第1の時期よりも遅い第2の時期での構造物の第2の撮影画像に基づき、前記第2の時期での前記構造物の第2の変状位置を推定する推定手段と、
前記第1の時期での前記構造物の第1の変状位置を示す描画された第1の描画変状画像と、前記推定手段により推定された前記第2の変状位置を示す推定変状画像と、を含む表示画像を生成する生成手段と、
前記表示画像を前記通信端末へ送信する送信手段と、を備え、
前記通信端末は、
前記情報処理装置から、前記表示画像を受信する受信手段と、
前記表示画像を表示部に表示させる表示制御手段と、
を備えた情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル等の構造物は、コンクリートで覆工されているため、経年変化により、ひび割れ等の変状が起こる。このまま放置しておくと、コンクリート片が剥がれ落ちて、通行中の車両や人に損害を与える可能性がある。そのため、検査業者が、定期的な検査を行い、国や都道府県等に検査結果を報告している。この報告をするため、検査業者は、国や自治体によって定められた書類を提出する必要がある。
【0003】
ここで、
図54を用いて、検査業者の処理について説明する。
図54は、従来の検査業者の処理を示した概念図である。
【0004】
検査業者は、トンネル検査の際に記載されたコメント等の野帳、トンネル内の変状部分を撮影することで得られた変状写真、及び、トンネルの長さ等を示し国等から入手したトンネル台帳に基づいて、提出書類を作成する。提出書類は、変状展開図、写真位置図、写真台帳、及びトンネル点検結果総括表である。なお、ここでは、変状展開図に写真位置図が含まれている場合が示されている。
【0005】
変状展開図は、構造部の変状部分のひび割れ等を視覚的に表わした図面である。検査業者は、変状展開図を作成する場合、野帳、変状写真、及びトンネル台帳を確認しながら、パソコンのCAD(Computer-Aided Design)等により、ひび割れの線等の描画、ひび割れの線の幅の入力等を行なう(特許文献1参照)。
【0006】
写真台帳は、変状写真を添付して判定結果等を記載する台帳である。検査業者は、写真台帳に変状写真を添付するとともに、野帳のコメントを参考にして判定結果を含む診断情報を入力する。更に、写真台帳に添付した変状写真が、トンネルのどの部分の写真であるかを明確にするため、変状展開図上に、写真台帳に添付した変状写真と対応づける番号を入力する。
【0007】
トンネル点検結果総括表は、トンネルの長さ等の情報や判定結果を記載する表である。検査業者は、トンネル台帳に基づいてトンネル点検結果総括表のトンネルの長さ等を記載し、野帳に基づいて変状の判定結果を含む診断情報を入力する。更に、判定結果を示す変状部分と写真台帳に添付した変状写真とを関連付けるため、検査業者は、トンネル点検結果総括表上に、写真台帳に添付した変状写真と対応づける番号を入力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、第1の時期から第2の時期の間に構造物に生じた変状箇所を容易に推定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、第1の時期よりも遅い第2の時期での構造物の第2の展開画像に基づき、第2の時期での構造物の第2の変状位置を推定する推定手段と、第1の時期での構造物の第1の変状位置を示す描画された第1の描画変状画像と、推定手段により推定された第2の変状位置を示す推定変状画像と、を含む表示画像を生成する生成手段と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、第1の時期から第2の時期の間に構造物に生じた変状箇所を容易に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る診断システムの全体構成図の全体構成図である。
【
図2】描画装置、診断管理サーバのハードウェア構成図である。
【
図6】提出書類データの作成処理を示したシーケンス図である。
【
図7】本実施形態に係る提出書類の作成処理を示した概念図である。
【
図8】描画及び診断情報の入力の概略の処理を示すフローチャートである。
【
図9】診断対象画像(面積)の入力モードの処理を示すフローチャートである。
【
図10】診断対象画像(直線)の入力モードの処理を示すフローチャートである。
【
図11】診断領域の入力モードの処理を示すフローチャートである。
【
図13】診断位置入力画面において診断対象画像(面積)の入力モードの選択を示した画面例である。
【
図14】診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図15】診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図16】診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図17】診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図18】診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図19】診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図20】診断位置入力画面の他の例を示した画面例である。
【
図21】診断位置入力画面において診断対象画像(直線)の入力モードの選択を示した画面例である。
【
図22】診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図23】診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図24】診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図25】診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図26】診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図27】診断位置入力画面において診断領域の入力モードの選択を示した画面例である。
【
図28】診断位置入力画面において診断領域を入力する画面例である。
【
図29】診断位置入力画面において診断領域を入力する画面例である。
【
図30】診断位置入力画面において診断領域を入力する画面例である。
【
図31】診断位置入力画面において診断領域を入力する画面例である。
【
図32】(a)トンネルと視点方向の関係を示した図、(b)見上げ図の概念図、(c)見下げ図の概念図である。
【
図33】視点方向を切り替えた診断対象画像入力画像を示し、(a)は見上げ図の一例を示した図、(b)は見下げ図の一例を示した概念図である。
【
図34】写真台帳に添付画像を添付する方法を示したフローチャートである。
【
図35】診断対象画像、診断領域、及び添付画像の関係を示した図である。
【
図36】ホーム画面において過去画像選択画面を表示した画面例である。
【
図37】ホーム画面において過去の画像を選択するプルダウンメニューを表示した画面例である。
【
図38】比較モードの診断位置入力画面において透過率設定領域が表示された画面例である。
【
図39】(a)過去の展開画像における診断対象を示した図、(b)過去の診断対象画像を示した図、(c)最新の展開画像における診断対象を示した図、(d)最新の診断対象画像を階層的に示した概念図である。
【
図40】透過率ポイントの位置、展開画像及び診断対象画像、並びに表示透過率の関係を示した図である。
【
図41】診断対象入力画像SC4の透過率を変更する処理を示したフローチャートである。
【
図42】比較モードの診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図43】比較モードの診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図44】比較モードの診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図45】最新の診断対象要素管理テーブルの概念図である。
【
図46】本実施形態の変形例に係る描画及び診断情報の入力の概略の処理を示すフローチャートである。
【
図47】
図46に示した変形例における重畳して表示される各画像を説明する図である。
【
図48】
図47において推定変状画像A1を選択した状態の説明図である。
【
図49】
図48において診断対象要素画像e23を描画した状態の説明図である。
【
図50】
図48に対応する比較モードの診断位置入力画面において診断対象画像を入力する前の画面例である。
【
図51】
図49に対応する比較モードの診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【
図52】
図46に示した変形例における入出力処理を示すフローチャートである。
【
図54】従来の提出書類の作成処理を示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を用いて、本実施形態に係る診断システム1を詳細に説明する。
【0014】
<<システム構成の概略>>
まず、診断システム1の構成の概略について説明する。
図1は、本実施形態に係る診断システムの概略図である。
【0015】
図1に示されているように、本実施形態の診断システム1は、描画装置3、及び診断管理サーバ5によって構築されている。描画装置3は、情報処理装置、通信端末の一例であり、診断管理サーバ5は、情報処理装置の他の例である。
【0016】
また、診断システム1を構成する描画装置3、及び診断管理サーバ5は、通信ネットワーク100を介して通信することができる。通信ネットワーク100は、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、3G(3rd Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。また、描画装置3は、NFC(Near Field Communication)(登録商標)等の近距離通信技術によって通信可能である。
【0017】
また、描画装置3は、後述の診断対象画像、診断領域、及び診断情報等の各種データ入力を行なうためのコンピュータである。描画装置3の利用者は、構造物の一例としてのトンネル8内の入口から出口まで撮影されたトンネル展開画像、及び検査者が記載したコメントを、描画装置3に入力する。なお、他の装置に入力後、他の装置から描画装置3にデータを転送してもよい。ここで、トンネル8の全壁面は、実際には円筒状の内壁面であるが、この内壁面を平面画像としたものを展開画像と呼ぶ。また、構造物は、トンネルに限らず、道路や法面等であってもよい。
【0018】
検査車両7に乗車して検査している検査者は、特殊チョークでひび割れ等の変状部分を上書きして変状部分を目立つようにしたり、ひび割れの幅が何センチであるか等を記載したりする。その際、検査者は変状の様子や判定結果を示すコメントを野帳等に記載しておく。一方、検査車両7の下にいる補助者は、検査者が発したコメントを野帳等に記載したり、場合によっては全体の写真撮影を行なったりする。その後、カメラを搭載した撮影車両9が、トンネル8内の入口から出口まで走行しながらトンネル8の壁を撮影することで複数の撮影画像を取得し、複数の撮影画像をつなぎ合わせることで後述の
図12に示されているトンネル展開画像のデータを得ることができる。トンネル展開画像には、検査者が特殊チョークで記載した部分が写し出されているため、後日、描画装置3の利用者はトンネル展開画像を見れば、変状部分の位置や形状を容易に把握することができる。
【0019】
<<ハードウェア構成>>
続いて、
図2を用いて、診断システム1を構築する描画装置又は診断管理サーバのハードウェア構成を説明する。
【0020】
<描画装置のハードウェア構成>
図2は、描画装置、診断管理サーバのハードウェア構成図である。括弧内の符号は、診断管理サーバの構成を示している。
【0021】
図2に示されているように、描画装置3は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HD(Hard Disk)304、HDD(Hard Disk Drive)305、記録メディア306、メディアI/F307、ディスプレイ308、ネットワークI/F309、キーボード311、マウス312、CD-RW(Compact Disc-ReWritable)ドライブ314、及び、バスライン310を備えている。
【0022】
これらのうち、CPU301は、描画装置3全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。HD304は、プログラム等の各種データを記憶する。HDD305は、CPU301の制御にしたがってHD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。メディアI/F307は、フラッシュメモリ等の記録メディア306に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。ディスプレイ308は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。ネットワークI/F309は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。キーボード311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。マウス312は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。CD-RWドライブ314は、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0023】
また、診断管理サーバ5は、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD505、記録メディア506、メディアI/F507、ディスプレイ508、ネットワークI/F509、キーボード511、マウス512、CD-RWドライブ514、及び、バスライン510を備えている。これらは、それぞれ上述の構成(CPU301、ROM302、RAM303、HD304、HDD305、記録メディア306、メディアI/F307、ディスプレイ308、ネットワークI/F309、キーボード311、マウス312、CD-RWドライブ314、及び、バスライン310)と同様の構成であるため、これらの説明を省略する。
【0024】
なお、CD-RWドライブ314(514)ではなく、CD-Rドライブ等であってもよい。また、描画装置3、及び診断管理サーバ5は、それぞれ単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能、手段、又は記憶部)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
【0025】
<<診断システムの機能構成>>
続いて、
図3乃至
図5を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。
図3は、診断システムの機能ブロック図である。
【0026】
<描画装置の機能構成>
図3に示されているように、描画装置3は、送受信部31、受付部32、描画部33、表示制御部34、判断部35、記憶・読出部39を有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、HD304からRAM303上に展開されたプログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、描画装置3は、
図2に示されているRAM303及びHD304によって構築される記憶部3000を有している。
【0027】
(描画装置の各機能構成)
次に、描画装置3の各構成要素について説明する。
【0028】
送受信部31は、
図2に示されているCPU301からの命令、並びにネットワークI/F305によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0029】
受付部32は、主に、
図2に示されているCPU301からの命令、並びにキーボード311及びマウス312によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
【0030】
描画部33は、
図2に示されているCPU301からの命令によって実現され、ディスプレイ308に表示されている画像上に、線や矩形等の描画を行なう。
【0031】
表示制御部34は、
図2に示されているCPU301からの命令によって実現され、ディスプレイ308に、各種画像や画面を表示させる。
【0032】
判断部35は、
図2に示されているCPU301からの命令によって実現され、後述の各種判断を行なう。
【0033】
推定部36は、
図2に示されているCPU301からの命令によって実現され、後述の各種推定処理を行なう。
【0034】
生成部37は、ディスプレイ308に表示させる各種画像データを生成する機能である。生成部37は、主に、
図2に示したCPU301で実行されるプログラム等によって実現される。
【0035】
記憶・読出部39は、
図2に示されているCPU301からの命令、並びに、HDD305、メディアI/F307、及びCD-RWドライブ314によって実行され、記憶部3000、記録メディア306、及びCD-RW313に各種データを記憶したり、記憶部3000、記録メディア306、及びCD-RW313から各種データを読み出したりする処理を行う。
【0036】
記憶部5000には、構造物の一例であるトンネルを撮影した撮影画像と、構造物の一例であるトンネルの変状位置を示す描画された描画変状画像を複数対記憶する学習モデル3001が構築されている。
【0037】
<診断管理サーバの機能構成>
診断管理サーバ5は、送受信部51、作成部53、判断部55、及び記憶・読出部59を有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開されたプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、診断管理サーバ5は、
図5に示されているHD504により構築される記憶部5000を有している。
【0038】
記憶部5000には、診断情報管理DB5001、診断対象要素管理DB5002、および構造物の一例であるトンネルを撮影した撮影画像と、構造物の一例であるトンネルの変状位置を示す描画された描画変状画像を複数対記憶する学習モデル5003が構築されている。
【0039】
(診断情報管理テーブル)
図4は、診断情報管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、
図4に示されているような診断情報管理テーブルによって構成されている診断情報管理DB5001が構築されている。この診断情報管理テーブルでは、検査日情報毎に、診断領域番号、スパン番号(セントル番号)、診断領域のスパン内における位置座標、診断領域の高さ及び幅、写真番号、変状・異常の種類、判定結果、及びコメントが関連付けて管理される。
【0040】
これらのうち、検査日情報で示される検査日は、
図1で示されているように、検査車両7及び撮影車両9によってトンネル8が検査された日である。診断領域番号は、後述の診断領域が含まれるグループを示す識別情報である。スパン番号は、トンネルのスパンの番号を示した番号である。スパンは、トンネルの入口から10m毎に区切られた領域を示しており、
図12では、複数のスパンの画像によって構成されたトンネル展開画像201が示されている。スパン番号は、国等が配布するトンネル台帳に記載されている。
【0041】
診断領域のスパン内における位置座標は、任意のスパン内の特定の位置を原点とした場合に、このスパン内における診断領域の特定点(始点)の位置座標を示している。
【0042】
診断領域の高さ及び幅は、診断領域のスパン内における位置座標を原点として、高さ及び幅を示すことで、診断領域全体を特定するための値を示している。
【0043】
写真番号は、写真台帳に添付される写真を識別するための識別情報である。
【0044】
変状・異常の種類は、検査者が判断した診断対象の変状又は異常の種類を示す。
【0045】
判定結果は、検査者が判断した診断対象の判定結果を示す。一般には、S、A、B、Cの順に、左に行くほど、診断対象の状態が悪いことを示す。
【0046】
コメントは、
図1において、検査者又は補助者が記録したコメントの内容である。
【0047】
なお、診断領域のスパン内における位置座標、及び診断領域の高さ及び幅は、第3の位置情報XY3の一例である。
【0048】
(診断対象要素管理テーブル)
図5は、診断対象要素管理テーブルを示す概念図である。記憶部3000には、
図5に示されているような診断対象要素管理テーブルによって構成されている診断対象要素管理DB5002が構築されている。この診断対象要素管理テーブルでは、検査日情報毎に、診断領域番号、スパン番号(セントル番号)、要素番号、診断対象要素画像の始点位置座標、診断対象要素画像の終点位置座標、及び診断対象要素の幅(mm)が関連付けて管理される。
【0049】
これらのうち、検査日情報では、
図4に示されている検査日を示す検査日情報と同じである。診断領域番号及びスパン番号(セントル番号)は、診断情報管理テーブルと同じである。これら診断領域番号及びスパン番号(セントル番号)によって、診断情報管理テーブル及び診断対象要素管理テーブルは、関連付けられている。
【0050】
要素番号は、診断対象画像の要素である診断対象要素画像を識別するための識別情報である。
【0051】
診断対象要素画像の始点位置座標は、トンネル展開画像の任意のスパン内で診断対象要素画像が描画される場合の始点の位置座標を示している。例えば、
図23では、診断対象要素画像e21の始点p21の位置座標を示している。
【0052】
診断対象要素画像の終点位置座標は、トンネル展開画像の任意のスパン内で診断対象要素画像が描画される場合の終点の位置座標を示している。例えば、
図23では、診断対象要素画像e21の終点p22の位置座標を示している。
【0053】
診断対象要素の幅(mm)は、診断対象要素がひび割れの場合の幅を示している。例えば、
図23では、利用者によって幅入力画面ws1に入力された値を示している。利用者が幅入力画面ws1に数値を入力すると、受付部32が入力を受け付け、
図24に示されているように、表示制御部34は、入力された数値(「0.5」)を表示する。幅入力画面ws1に入力される幅の数値は、診断対象要素画像に対する付加情報の一例である。付加情報は、幅の数値に限らず、調書に記載する診断情報に含まれる凡例等であってもよい。
【0054】
なお、診断領域番号「1」における要素番号「1」、「2」の診断対象要素画像の始点位置座標及び診断対象要素画像の終点位置座標は、第1の位置情報XY1の一例である。
【0055】
(診断管理サーバの各機能構成)
次に、診断管理サーバ5の各機能構成について詳細に説明する。
【0056】
なお、以下では、診断管理サーバ5の各機能構成を説明するにあたって、
図2に示されている各構成要素のうち、診断管理サーバ5の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
【0057】
図3に示されている診断管理サーバ5の送受信部51は、
図2に示されているCPU501からの命令、及び
図5に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して描画装置等の他の装置(端末)と各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0058】
作成部53は、
図2に示されているCPU501からの命令によって実現され、診断情報管理DB5001及び診断対象要素管理DB5002で管理されている各種データに基づいて、国等への提出書類(変状展開図、写真台帳、及びトンネル点検結果総括表)のデータを作成する。
【0059】
判断部55は、
図2に示されているCPU501からの命令によって実現され、作成部53が提出書類のデータを作成するにあたって必要な判断を行なう。
【0060】
推定部56は、
図2に示されているCPU501からの命令によって実現され、後述の各種推定処理を行なう。
【0061】
生成部57は、ディスプレイ508、308に表示させる各種画像データを生成する機能である。生成部57は、主に、
図2に示したCPU501で実行されるプログラム等によって実現される。
【0062】
記憶・読出部59は、
図2に示されているCPU501からの命令、及び
図2に示されているHDD505によって実現され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0063】
<<実施形態の処理または動作>>
以降、
図6乃至
図33を用いて、各実施形態の処理または動作について説明する。
図6は、提出書類データの作成処理を示したシーケンス図である。
図7は、本実施形態に係る提出書類の作成処理を示した概念図である。
【0064】
まず、
図7に示されているように、描画装置3は、利用者によって、トンネル台帳、トンネル展開画像、及びコメントのデータ(以下、「トンネル台帳等のデータ」という)を入力する(ステップS1)。
【0065】
次に、描画装置3の送受信部31は、診断管理サーバ5に、ステップS1で入力されたトンネル台帳等のデータをアップロードする(ステップS2)。これにより、診断管理サーバ5の送受信部51は、トンネル台帳等のデータを受信する。そして、診断管理サーバ5では、記憶・読出部59が、記憶部5000にステップS2で受信されたトンネル台帳等のデータを記憶する(ステップS3)。
【0066】
続いて、利用者が診断対象画像を入力する場合、描画装置3の送受信部31は、利用者によって、診断管理サーバ5に対して、トンネル台帳等のデータの要求を行なう(ステップS4)。これにより、診断管理サーバ5の送受信部51は、トンネル台帳等のデータの要求を受信する。
【0067】
次に、診断管理サーバ5では、記憶・読出部59が、記憶部5000にステップS3で記憶しておいたトンネル台帳等のデータを読み出す(ステップS5)。そして、送受信部51は、描画装置3へ、ステップS5で読み出されたトンネル台帳等のデータを送信する(ステップS6)。これにより、描画装置3の送受信部31は、トンネル台帳等のデータをダウンロードする。
【0068】
次に、
図7に示されているように、描画装置3は、利用者の操作により、後述のトンネル展開画像201の一部の撮影画像202に診断対象画像を描画したり、診断情報を入力したりする処理を行なう(ステップS7)。このステップS7の処理については、後ほど詳細に説明する。そして、送受信部31は、描画された診断対象要素画像のデータ、及び入力された診断情報のデータとともに、診断管理サーバ5へ、国等に提出すべき提出書類の作成要求を送信する(ステップS8)。これにより、診断管理サーバ5の送受信部51は、診断対象要素画像のデータ及び診断情報のデータとともに、提出書類の作成要求を受信する。
【0069】
次に、診断管理サーバ5では、記憶・読出部59が、診断情報のデータ及び診断対象要素画像のデータを、それぞれ診断情報管理DB5001及び診断対象要素管理DB5002に振り分けて記憶する(ステップS9)。更に、提出書類を作成するために、記憶・読出部59が、診断情報管理DB5001及び診断対象要素管理DB5002で管理されている診断情報のデータ及び診断対象要素画像のデータを読み出すとともに、記憶部5000から上記トンネル台帳等のデータを読み出す(ステップS10)。そして、診断管理サーバ5の作成部55は、診断情報のデータ、診断対象要素画像のデータ、及びトンネル台帳等のデータを用いて、
図7に示されているような提出書類(変状展開図、写真台帳、及びトンネル点検結果総括表)のデータを作成する(ステップS11)。
【0070】
そして、送受信部51は、描画装置3へ提出書類のデータを送信する(ステップS12)。これにより、描画装置3の送受信部31は、提出書類のデータを受信する。
【0071】
次に、
図7に示されているように、描画装置3では、国等に提出するための提出書類のデータを印刷出力する(ステップS13)。これにより、検査業者は、国等に提出書類のデータを提出することができる。なお、検査業者は、印刷せずに、提出書類のデータのまま国等に提出してもよい。
【0072】
<描画及び診断情報の入力の概略の処理>
続いて、
図8、
図12、
図13を用いて、上記ステップS7の処理の概略について説明する。
図8は、描画及び診断情報の入力の概略の処理を示すフローチャートである。
図12は、ホーム画面を示す図である。
図13は、診断位置入力画面において診断対象画像(面積)の入力モードの選択を示した画面例である。
【0073】
まず、
図8に示されているように、描画装置3の利用者の操作によって、表示制御部34がディスプレイ308上に、
図12に示されているホーム画面SC1を表示させる(ステップS21)。このホーム画面SC1の中央部には、トンネル展開画像201が表示されている。ホーム画面SC1の右上側には、トンネル展開画像の全体像を示す全体像画面SC10が表示されている。また、ホーム画面SC1の左上側には、右から、「単独モード」と「比較モード」を切り替えるための切替ボタンb0、診断対象画像(面積)の入力モードの選択ボタンb1、診断対象画像(直線)の入力モードの選択ボタンb2、診断領域の入力モードの選択ボタンb3、ホーム画面SC1に戻るためのホームボタンb4、トンネル展開画像201を縮小表示するための縮小ボタンb5、及びトンネル展開画像201を拡大表示するための拡大ボタンb6が表示されている。
【0074】
ホーム画面SC1の下側中央部には、既に診断管理サーバ5にアップロードした診断領域のデータのリストをプルダウン表示させるための「RELOAD」ボタンb11が表示されている。同じく、ホーム画面SC1の下側中央部には、描画装置3で作成して一時的に保存しておいた診断情報のデータをまとめて診断管理サーバ5に送信することで、診断管理サーバ5で診断領域のデータを保存するための「SAVE」ボタンb12が表示されている。更に、ホーム画面SC1の下側中央部には、診断管理サーバ5からダウンロードした診断領域のデータの名称と、描画装置3側で作成して一時的に保存している診断領域のデータの名称を表示するための保存リスト110が表示されている。利用者が、ポインタpoで保存リスト110を選択すると、表示制御部34は、対応する診断領域が示される診断位置入力画面SC2を表示する。
【0075】
また、ホーム画面SC1の右側中央部には、変状の種類を示すレイヤリストLL1が表示されている。レイヤリストLL1には、ひび割れ、漏水、石灰化等の変状の種類が表示される。各チェックボックスがチェックされると、チェックされた変状がトンネル展開画像201上に表示されるレイヤ構造になっている。ホーム画面SC1の右下部には、レイヤリストLL1をプルアップ表示するための「LAYER」ボタンb13が表示されている。
【0076】
このホーム画面SC1において、利用者がマウス312の操作により、ポインタpoによって、描画及び診断情報を入力したい所望のスパンを選択すると、表示制御部34は、ディスプレイ308上に、
図13に示されているような診断位置入力画面SC2を表示させる(ステップS22)。診断位置入力画面SC2には、トンネル展開画像201のうち、選択されたスパン部分であるトンネル展開画像の一部の撮影画像202が表示されている。また、診断位置入力画面SC2の右下部には、トンネル展開画像に対する視線方向を切り替えるための視線切替ボタンb1が表示されている。なお、視線方向の切り替えに関しては、
図32及び
図33を用いて後述する。
【0077】
次に、利用者がポインタpoで、切替ボタンb0を押下せずに(ステップS23;NO)、各選択ボタンb1、b2、b3のうち、所望の選択ボタンを選択することで、受付部32は、入力モードの選択を受け付ける(ステップS24)。このように、利用者が切替ボタンb0を押下しない場合には、単独モードのまま入力モードに入る。そして、利用者が、入力モードに応じて、描画や診断情報の入力を行なうことで、描画装置3は、描画及び診断情報の入力の処理を実行する(ステップS25)。この処理に関しては、入力モード毎に、後ほど詳細に説明する。
【0078】
そして、ステップS23で切替ボタンb0が押下されずに比較モードが選択されていなかった場合には、つまり単独モードの場合には(ステップS26;NO)、利用者によるマウス312等の操作を受付部32が受け付けることによって、記憶・読出部39が、記憶部3000に対して、描画及び診断情報の入力により作成された新たな診断領域のデータを一時的に保存する(ステップS27)この新たな診断情報のデータは、上記ステップS8によって、描画装置3から診断管理サーバ5へ送信される。
【0079】
<診断対象画像(面積)の入力モード>
続いて、
図9、及び
図13乃至
図20を用いて、診断対象画像(面積)の入力モードにおけるステップS24の処理を詳細に説明する。この診断対象画像(面積)の入力モードは、主に診断対象が石灰化や漏水の場合に用いられる。
【0080】
図9は、診断対象画像(面積)の入力モードの処理を示すフローチャートである。
図13は、診断位置入力画面において診断対象画像(面積)の入力モードの選択を示した画面例である。
図14乃至
図19は、診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
図20は、診断位置入力画面の他の例を示した画面例である。
【0081】
まず、ステップS23において、
図13に示されているように、利用者がポインタpoで選択ボタンb1を選択した場合、表示制御部34は、診断対象画像(面積)の入力モードにする。そこで、
図14に示されているように、利用者が、ポインタpoで最初の診断対象要素画像e11の始点p11を特定すると、受付部32は、最初の診断対象要素画像e11の始点p11の入力を受け付ける(ステップS101)。これにより、表示制御部34は、始点p11の周囲に確定ボタンco11及びキャンセルボタンca11を表示させる(ステップS102)。確定ボタンco11は、診断対象要素画像の入力を終了して診断対象画像を確定するためのボタンである。キャンセルボタンca11は、特定した始点p11の特定を解除するためのボタンである。なお、その他の確定ボタン、及びその他のキャンセルボタンも、それぞれ、確定ボタンco11、及びキャンセルボタンca11と同様の役割を果たす。
【0082】
次に、
図15に示されているように、利用者がポインタpoで診断対象要素画像e11の終点p12を特定すると、受付部32は、最初の診断対象要素画像e11の終点p12の入力を受け付ける(ステップS103)。これにより、表示制御部34は、始点p11と終点p12の間に診断対象要素画像e11を表示させると共に、診断対象要素画像e11の中央辺りに確定ボタンco12及びキャンセルボタンca12を表示させる(ステップS104)。このように、利用者は、始点と終点を特定することで、診断対象要素画像を描画することができる。
【0083】
次に、判断部35は、ステップS104で表示された診断対象要素画像が複数かを判断する(ステップS105)。この時点では、診断対象要素画像が1つしか表示されていないため、判断部35は、複数でないと判断する(ステップS105;NO)。
【0084】
次に、判断部35は、受付部32によって確定ボタンの押下が受け付けられたかを判断する(ステップS106)。判断部35が確定ボタンの押下を受け付けたと判断した場合には(ステップS106;YES)、後述のステップS110の処理に進む。一方、判断部35が確定ボタンの押下を受け付けないと判断した場合には(ステップS106;NO)、上述のステップS103の処理に戻る。
図16では、利用者がポインタpoで診断対象要素画像e12の終点p13を特定すると、受付部32は、診断対象要素画像e12の終点p13の入力を受け付ける。なお、診断対象要素画像e12の始点は、診断対象要素画像e11の終点p12であるため、利用者は、診断対象要素画像e12の始点の特定を省略することができる。これにより、ステップS104によって、表示制御部34は、始点(終点p12)と終点p13の間に診断対象要素画像e12を表示させると共に、診断対象要素画像e11と診断対象要素画像e12の間に、確定ボタンco13及びキャンセルボタンca13を表示させる。そして、ステップS105によって、判断部35は、ステップS104で表示された診断対象要素画像が複数かを判断する。この時点では、診断対象要素画像が2つ表示されるため、判断部35は、複数であると判断する(ステップS105;YES)。そして、表示制御部34は、最初の診断対象要素画像e11の始点p11と、この時点の最後の診断対象要素画像e12の終点p13との間で、新たに診断対象要素画像e13を自動的に表示させる(ステップS107)。更に、表示制御部34は、確定ボタンとキャンセルボタンの表示位置を変更する(ステップS108)。ここでは、表示制御部34は、
図15に示されている確定ボタンco12及びキャンセルボタンca12から、
図16に示されている確定ボタンco13及びキャンセルボタンca13に変更する。
【0085】
次に、判断部35は、受付部32によって確定ボタンの押下が受け付けられたかを判断する(ステップS109)。判断部35が確定ボタンの押下を受け付けないと判断した場合には(ステップS106;NO)、上述のステップS103の処理に戻る。
図17では、利用者がポインタpoで診断対象要素画像e13の終点p14を特定すると、受付部32は、診断対象要素画像e13の終点p14の入力を受け付ける。なお、診断対象要素画像e13の始点は、診断対象要素画像e12の終点p13であるため、利用者は、診断対象要素画像e13の始点の特定を省略することができる。これにより、ステップS104によって、表示制御部34は、始点(終点p13)と終点p14の間に診断対象要素画像e13を表示させると共に、診断対象要素画像e11、e12、e13の間に、確定ボタンco14及びキャンセルボタンca14を表示させる。そして、ステップS105によって、判断部35は、ステップS104で表示された診断対象要素画像が複数かを判断する。この時点では、診断対象要素画像が3つ表示されるため、判断部35は、複数であると判断する(ステップS105;YES)。そして、ステップS107によって、表示制御部34は、最初の診断対象要素画像e11の始点p11と、この時点の最後の診断対象要素画像e13の終点p14との間で、新たに診断対象要素画像e14を自動的に表示させる。更に、ステップS108によって、表示制御部34は、確定ボタンとキャンセルボタンの表示位置を変更する。ここでは、表示制御部34は、
図16に示されている確定ボタンco13及びキャンセルボタンca13から、
図17に示されている確定ボタンco14及びキャンセルボタンca14に変更する。
【0086】
次に、
図18に示されているように、利用者がポインタpoで確定ボタンco14を押下すると、受付部32は押下を受け付け、判断部35が、確定ボタンが受け付けられたと判断する(ステップS109;YES)。そして、判断部35は、診断対象画像(面積)を確定し、
図19に示されているように、表示制御部34は、確定された診断対象画像dt11を表示させる(ステップS110)。更に、表示制御部34は、診断対象画像dt11を含む矩形の診断領域da11を表示すると共に、診断情報入力画面SC3を表示させる(ステップS111)。この場合、診断情報入力画面SC3を目立たせるため、表示制御部34は、診断情報入力画面SC3以外の部分をマスキングする。
【0087】
診断情報入力画面SC3は、利用者が検査者や補助者が書いたコメント等を参考に、各診断情報を入力するための画面である。診断情報入力画面SC3には、既存の(診断)情報の連携する場合の選択ボタン、点検(診断)箇所を選択するためのプルダウンメニュー、点検(診断)部位を選択するためのプルダウンメニュー、変状・異常の種類を選択するためのプルダウンメニュー、判定結果を入力するための入力欄、及びコメントを入力するための入力欄が表示されている。なお、既存の(診断)情報の連携は、既に確定している診断領域内に新たな診断対象画像を含める場合ための処理である。この連携は、例えば、既に水漏れとしての診断対象画像が確定している場合に、これを含む診断領域内に新たにひび割れとしての診断対象画像を含める場合である。また、診断情報入力画面SC3には、入力された診断情報を確定するための「OK」ボタンと、入力された診断情報を取り消すための「CANCEL」ボタンが表示されている。ここで、利用者が診断情報入力画面SC3に診断情報の選択及び入力を行ない、「OK」ボタンを押下すると、受付部32が、診断情報の選択及び入力を受け付ける(ステップS112)。更に、診断情報入力画面SC3には、診断情報入力画面SC3から
図20に示されている診断情報入力画面SC4に切り替えるための入力切替ボタンbmが表示されている。この入力切替ボタンbmが押下されると、表示制御部34は、
図20に示されている診断情報入力画面SC4に切り替える。診断情報入力画面SC4は、一つの診断領域に複数の診断対象画像を含めて、それぞれの診断対象画像の診断情報を入力するための画面である。例えば、1つの診断領域に3つの診断対象画像(ひび割れ、石灰化、漏水)を含め、まとめて管理する場合に利用される。この場合、後ほど、描画装置3から診断管理サーバ5へ診断情報のデータがアップロードされると、診断管理サーバ5では、
図4に示されているように、同じ診断領域の番号「3」で、3つの診断対象画像(ひび割れ、石灰化、漏水)が管理されることになる。
【0088】
また、診断情報入力画面SC4にも、診断情報入力画面SC3と同様に、入力された診断情報を確定するための「OK」ボタンと、入力された診断情報を取り消すための「CANCEL」ボタンが表示されている。更に、診断情報入力画面SC4にも、診断情報入力画面SC4から
図19に示されている診断情報入力画面SC3に切り替えるための入力切替ボタンbsが表示されている。この入力切替ボタンbsが押下されると、表示制御部34は、
図19に示されている診断情報入力画面SC3に切り替える。
【0089】
以上の処理によって、診断対象画像(面積)の入力モードにおける診断対象画像dt11及び診断領域da11の描画、及び診断情報の選択及び入力が終了する。
【0090】
<診断対象画像(直線)の入力モード> 続いて、
図10、及び
図21乃至
図26を用いて、診断対象画像(面積)の入力モードにおけるステップS24の処理を詳細に説明する。この診断対象画像(直線)の入力モードは、主に診断対象がひび割れの場合に用いられる。
【0091】
図10は、診断対象画像(直線)の入力モードの処理を示すフローチャートである。
図21は、診断位置入力画面において診断対象画像(直線)の入力モードの選択を示した画面例である。
図22乃至
図26は、診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【0092】
まず、ステップS23において、
図21に示されているように、利用者がポインタpoで選択ボタンb2を選択した場合、表示制御部34は、診断対象画像(直線)の入力モードにする。そこで、
図22に示されているように、利用者が、ポインタpoで最初の診断対象要素画像e21の始点p21を特定すると、受付部32は、最初の診断対象要素画像e21の始点p21の入力を受け付ける(ステップS201)。これにより、表示制御部34は、始点p21の周囲に確定ボタンco21及びキャンセルボタンca21を表示させる(ステップS202)。
【0093】
次に、
図23に示されているように、利用者がポインタpoで診断対象要素画像e21の終点p22を特定すると、受付部32は、最初の診断対象要素画像e21の終点p22の入力を受け付ける(ステップS203)。これにより、表示制御部34は、始点p21と終点p22の間に診断対象要素画像e21及び幅入力画面ws1を表示させると共に、診断対象要素画像e21の中央辺りに確定ボタンco22及びキャンセルボタンca22を表示させる(ステップS204)。このように、利用者は、始点と終点を特定することで、診断対象要素画像を描画することができる。
【0094】
なお、幅入力画面は、診断対象要素がひび割れの場合の直線の幅を入力するための画面である。幅入力画面は、始点p21と終点p22の間で、診断対象要素画像の付近に表示される。利用者は、トンネル展開画像201に示されている数値(特殊チョークで書かれた数値)や、コメントを参考に幅の値を入力する。利用者が幅入力画面ws1に数値を入力すると、受付部32が入力を受け付け、
図24に示されているように、表示制御部34は、入力された数値(「0.5」)を表示する。
【0095】
次に、判断部35は、受付部32によって確定ボタンの押下が受け付けられたかを判断する(ステップS205)。判断部35が確定ボタンの押下を受け付けないと判断した場合には(ステップS205;NO)、上述のステップS203の処理に戻る。
図24では、利用者がポインタpoで診断対象要素画像e22の終点p23を特定すると、受付部32は、診断対象要素画像e22の終点p23の入力を受け付ける。なお、診断対象要素画像e22の始点は、診断対象要素画像e21の終点p22であるため、利用者は、診断対象要素画像e22の始点の特定を省略することができる。これにより、ステップS204によって、表示制御部34は、始点(終点p22)と終点p23の間に診断対象要素画像e22及び幅入力画面ws2を表示させると共に、診断対象要素画像e21、e22の間に、確定ボタンco23及びキャンセルボタンca23を表示させる。利用者が幅入力画面ws2に数値を入力すると、受付部32が入力を受け付け、
図25に示されているように、表示制御部34は、入力された数値(「0.7」)を表示する。
【0096】
次に、
図25に示されているように、利用者がポインタpoで確定ボタンco23を押下すると、受付部32は押下を受け付け、判断部35が、確定ボタンが受け付けられたと判断する(ステップS205;YES)。そして、判断部35は、診断対象(直線)を確定し、
図26に示されているように、表示制御部34は、確定された診断対象画像dt21を表示させる(ステップS206)。更に、表示制御部34は、診断対象画像dt21を含む矩形の診断領域da21を表示すると共に、診断情報入力画面SC3を表示させる(ステップS207)。この場合、診断情報入力画面SC3を目立たせるため、表示制御部34は、診断情報入力画面SC3以外の部分をマスキングする。ここで、利用者が診断情報入力画面SC3に診断情報の選択及び入力を行ない、「OK」ボタンを押下すると、受付部32が、診断情報の選択及び入力を受け付ける(ステップS208)。
【0097】
以上の処理によって、診断対象画像(直線)の入力モードにおける診断対象画像dt21及び診断領域da21の描画、及び診断情報の選択及び入力が終了する。
【0098】
<診断領域の入力モード>
続いて、
図11、及び
図27乃至
図31を用いて、診断領域の入力モードにおけるステップS24の処理を詳細に説明する。この診断領域の入力モードは、先に診断領域を特定した後に診断対象画像を特定する場合に用いられる。
【0099】
図11は、診断領域の入力モードの処理を示すフローチャートである。
図27は、診断位置入力画面において診断領域の入力モードの選択を示した画面例である。
図28乃至
図31は、診断位置入力画面において診断領域を入力する画面例である。
【0100】
まず、ステップS23において、
図27に示されているように、利用者がポインタpoで選択ボタンb3を選択した場合、表示制御部34は、診断領域の入力モードにする。そこで、
図28に示されているように、利用者が、ポインタpoで仮診断領域da03の任意の頂点p31を特定すると、受付部32は、仮診断領域da03の任意の頂点p31の入力を受け付ける(ステップS301)。これにより、表示制御部34は、頂点p31の周囲に確定ボタンco31及びキャンセルボタンca31を表示させる(ステップS302)。
【0101】
次に、
図29に示されているように、利用者がポインタpoで仮診断領域da03の頂点p31の対角の頂点p32を特定すると、受付部32は、仮診断領域da03の頂点p31の対角の頂点p32の入力を受け付ける(ステップS303)。これにより、表示制御部34は、頂点p31と頂点p32を対角の頂点とする矩形の仮診断領域da03を表示させると共に、仮診断領域da03の中央辺りに確定ボタンco32及びキャンセルボタンca32を表示させる(ステップS304)。このように、利用者は、2つの対角となる頂点を特定することで、診断領域を描画することができる。
【0102】
次に、判断部35は、受付部32によって確定ボタンの押下が受け付けられたかを判断する(ステップS305)。判断部35が確定ボタンの押下を受け付けないと判断した場合には(ステップS305;NO)、上述のステップS303の処理に戻る。この場合は、利用者が頂点p32を特定した後、更に仮診断領域da03の面積を拡大又は縮小するために、頂点p31又は頂点p32を変更する場合である。
【0103】
一方、
図30に示されているように、利用者がポインタpoで確定ボタンco32を押下すると、受付部32は押下を受け付け、判断部35が、確定ボタンが受け付けられたと判断する(ステップS305;YES)。そして、判断部35は、仮診断領域da03を確定する(ステップS306)。更に、表示制御部34は、確定された仮診断領域da03と同じ矩形の診断領域da3を表示すると共に、診断情報入力画面SC3を表示させる(ステップS307)。この場合、診断情報入力画面SC3を目立たせるため、表示制御部34は、診断情報入力画面SC3以外の部分をマスキングする。ここで、利用者が診断情報入力画面SC3に診断情報の選択及び入力を行ない、「OK」ボタンを押下すると、受付部32が、診断情報の選択及び入力を受け付ける(ステップS308)。
【0104】
以上の処理によって、診断領域の入力モードにおける診断領域da3の描画、及び診断情報の選択及び入力が終了する。その後、利用者は、診断領域da3内に、診断対象画像(面積)の入力モード及び診断対象画像(直線)の入力ノードと同様に、診断対象画像を描画することができる。
【0105】
<視線切り替え>
続いて、
図32及び
図33を用いて、トンネル展開画像201の視線切り替えの処理について説明する。
図32(a)はトンネルと視点方向の関係を示した図、
図32(b)は見上げ図の概念図、
図32(c)は見下げ図の概念図である。
図33は、視点方向を切り替えた診断対象入力画像を示し、(a)は見上げ図の一例を示した図、(b)は見下げ図の一例を示した概念図である。
【0106】
トンネル展開
図201は、
図32に示されているように、トンネル8の内側から天井を見上げた状態で撮影されることにより得られた画像である。これは、「見上げ図」と呼ばれている。しかし、国等に提出しなければならない変状展開図は、
図7に示されているように、トンネル8の外側(上空)から見下げた状態の画像である。これは、「見下げ図」と呼ばれている。
【0107】
図32(a)に示されているように、トンネル8の内側81から視線方向sd1に見た場合の画像は見上げ図であり、
図32(b)に示されるような画像となる。この場合、
図32(a)の仮想矢印va1、va2の方向は、
図32(b)では、それぞれ、左下から上向き、及び右上から下向きとなる。
【0108】
また、トンネル8の外側82から視線方向sd2に見た場合の画像は見下げ図であり、
図32(b)に示されるような画像となる。この場合、
図32(a)の仮想矢印va1、va2の方向は、
図32(c)では、それぞれ、左上から下向き、及び右下から上向きとなる。即ち、見上げ図と見下げ図は、天地が反転した図である。
【0109】
表示制御部34は、展開画像の天地を反転して表示する場合に、記憶部3000に記憶されている診断対象要素画像の2次元の位置座標(X、Y)のうち、「Y」を「-Y」として、診断対象要素画像を表示する。
【0110】
利用者は、
図33(a)に示されている診断位置入力画面SC2において、「見下げ図へ切替」の視線切替ボタンbc1を押下すると、受付部32が押下を受け付け、表示制御部34が、
図33(a)に示されている見上げ図から、
図33(b)に示されている見下げ図に表示を変更する。また、利用者は、
図33(b)に示されている診断位置入力画面SC2において、「見上げ図へ切替」の視線切替ボタンbc2を押下すると、受付部32が押下を受け付け、表示制御部34が、
図33(b)に示されている見下げ図から、
図33(a)に示されている見上げ図に表示を変更する。利用者は、どちらの図を使って、診断対象要素又は診断領域を描画してもよい。この場合、記憶部3000に記憶されている診断対象要素画像又は診断領域の座標位置が変更する訳ではなく、あくまで表示制御部34が、表示を変えているに過ぎない。
【0111】
<写真台帳に添付画像を添付する処理>
続いて、
図34及び
図35を用いて、
図6に示されている提出書類のデータの作成図処理のうち、特に写真台帳に添付画像を添付する処理について説明する。
図34は、写真台帳に添付画像を添付する方法を示したフローチャートである。
図35は、診断対象画像、診断領域、及び添付画像の関係を示した図である。
【0112】
図34に示されているように、作成部53は、診断情報管理DB5001から読み出された診断領域の診断領域の位置座標並びに高さ及び幅のデータに基づいて、展開画像における診断領域を特定する(ステップS401)。
【0113】
次に、作成部53は、前記添付画像の縦横比に従い、前記診断領域を内包する最大の大きさで前記添付画像を作成する(ステップS402)。例えば、
図35に示されているように、
図19のような診断対象画像dt11を含む診断領域da11の場合、作成部53は、診断領域da11の幅が、矩形の添付画像の対面の2辺を構成するように、添付画像at11を作成する。
【0114】
次に、判断部55は、診断領域が展開画像の上半分の位置にあるか否かを判断する(ステップS403)。そして、判断部55によって展開画像の上半分の位置にあると判断された場合には、作成部53は、ステップS402によって作成した添付画像の天地を反転する(ステップS404)。即ち、作成部53は、添付画像が構造物を下から見た人の視線方向と天地を同じになるように、添付画像を変換する。例えば、
図32に示されているように、展開画像の下半分の位置にある添付画像「P」の場合は、そのまま写真台帳に添付するが、展開画像の上半分の位置にある添付画像「G」の場合は、トンネル内の診断領域が反転して展開画像に表されているため、添付画像「G」の天地を反転する必要がある。そして、作成部53は、展開画像の所定位置に添付画像を添付する(ステップS405)。
【0115】
一方、上記ステップS403で、判断部55によって展開画像の上半分の位置にない(下半分にある)と判断された場合には、上記ステップS405の処理が行われる。
【0116】
以上により、写真台帳に添付画像を添付する処理が終了する。これにより、構造物の診断情報を示す写真台帳の作成に関し、従来に比べてミスを減少させるという効果を奏する。
【0117】
<比較モードの処理> 続いて、
図8、及び
図36乃至
図45を用いて、比較モードにおける入力モードの処理について説明する。なお、ここでは、診断対象画像(面積)の入力モード(
図9参照)、診断対象画像(直線)の入力モード(
図10参照)、診断領域の入力モード(
図11参照)のうち、比較モード内で診断対象画像(直線)の入力モードを実行する場合について説明するが、比較モード内で診断対象画像(面積)の入力モード又は診断領域の入力モードを実行することも可能である。
【0118】
図8において、利用者がポインタpoで切替ボタンb0を押下することで比較モードに入ると(ステップS23;YES)、表示制御部34は、
図36に示されているように、切替ボタンb0の近傍に、過去画像選択画面SPを表示させる(ステップS28)。過去画像選択画面SPには、最新の展開画像を特定する情報(ここでは、検査日)、過去の展開画像を特定する情報(検査日)、及び「比較実行」ボタンb11が表示されている。最新の展開画像は、この度、診断対象画像を入力する対象となる画像である。過去の展開画像は、過去に、診断対象画像が入力された画像であり、プルダウンメニューによって過去に遡って選択することができる。「比較実行」ボタンb11は、最新の展開画像と選択した過去の展開画像とを比較する場合に、利用者によって押下されるボタンである。
【0119】
ここで、利用者がポインタpoで、過去の展開画像のプリダウンメニューを開くと、表示制御部34は、
図37に示されているように、過去の複数の展開画像を特定する情報(検査日)を表示する(ステップS29)。次に、利用者がポインタpoで所望の検査日を選択すると、受付部32は、最新の展開画像の比較対象となる過去の展開画像の選択を受け付ける(ステップS30)。
【0120】
次に、利用者がポインタpoで「比較実行」ボタンb11を押下すると、記憶・読出部39は、記憶部3000から、ステップS30で選択された過去の展開画像、並びに、この過去の展開画像の診断情報(
図4参照)及び診断対象要素(
図5参照)を読み出す(ステップS31)。これにより、表示制御部34は、
図38に示されているように、診断位置入力画面SC5において、過去の展開画像における診断対象及び同じ過去の診断対象画像に対して、最新の展開画像における診断対象を重畳して表示する(ステップS32)。
【0121】
ここで、重畳して表示することに関し、
図39を用いて説明する。
図39は、(a)過去の展開画像における診断対象を示した図、(b)過去の診断対象画像を示した図、(c)最新の展開画像における診断対象を示した図、(d)最新の診断対象画像を示した図であり、階層的に示した概念図である。
【0122】
図38に示されている初期表示の時点では、
図39に示されているように、表示の最下位層が過去の展開画像(a)であり、中位層が同じ過去の診断対象画像(b)であり、最上位層が最新の展開画像(c)である。なお、この時点では、まだ最新の診断対象画像(d)は描画されていないが、描画された場合には、最上位層の画像として表示される。
【0123】
また、診断位置入力画面SC5の上部には、透過率設定領域TRが表示されている。この透過率設定領域TRには、過去の展開画像及び同じ過去の診断対象画像の組の表示透過率と、最新の展開画像及び(描画された場合の)最新の診断対象画像との組の表示の透過率とが反比例となるように変更するための透過率ポイントtpが含まれている。
【0124】
ここで、
図40を用いて、(1)透過率ポイントの位置、(2)展開画像及び診断対象画像、(3)表示透過率の関係について説明する。
図40は、透過率ポイントの位置、展開画像及び診断対象画像、並びに表示透過率の関係を示した図である。
【0125】
まず、
図40(a)に示されているように、透過率ポイントtpが最左側に移動された場合には、過去の展開画像及び同じ過去の診断対象画像の組の表示透過率は0%となり、最新の展開画像の表示透過率は100%となる。表示透過率が0%になると、実質的に表示されない状態と同じになる。
【0126】
次に、
図40(b)に示されているように、透過率ポイントtpが最左側と中央との真中真ん中に移動された場合には、過去の展開画像及び同じ過去の診断対象画像の組の表示透過率は25%となり、最新の展開画像の表示透過率は75%となる。この場合、最新の展開画像では、過去の展開画像では表れていなかったひび割れが薄く表示される。但し、過去の診断対象画像が少し薄く表示される。過去の展開画像の診断対象部分(ここでは、ひび割れ)は、過去の展開画像にも最新の展開画像にも表されているため、どちらかの表示透過率を変更しても薄く表示されない。
【0127】
次に、
図40(c)に示されているように、透過率ポイントtpが中央に移動された場合(初期表示の状態)には、過去の展開画像及び同じ過去の診断対象画像の組の表示透過率は50%となり、最新の展開画像の表示透過率は50%となる。この場合、最新の展開画像では、過去の展開画像では表れていなかったひび割れが更に鮮明に表示されるようになる。但し、過去の診断対象画像は更に薄く表示される。
【0128】
次に、
図40(d)に示されているように、透過率ポイントtpが中央と最右側の真ん中に移動された場合には、過去の展開画像及び同じ過去の診断対象画像の組の表示透過率は75%となり、最新の展開画像の表示透過率は25%となる。この場合、最新の展開画像では、過去の展開画像では表れていなかったひび割れが更に鮮明に表示されるようになる。但し、過去の診断対象画像は更に薄く表示される。
【0129】
次に、
図40(e)に示されているように、透過率ポイントtpが最右側に移動された場合には、過去の展開画像及び同じ過去の診断対象画像の組の表示透過率は100%となり、最新の展開画像の表示透過率は0%となる。なお、
図40では、5段階の表示透過率を示しているが、2段階以上無段階であってもよい。
【0130】
以上のように、透過率ポイントtpが左に移動されるほど、過去の展開画像及び(描画された場合の)過去の診断対象画像との組の表示透過率が徐々に高くなり、最左側で0%となる。この場合、最新の展開画像及び(描画された場合の)最新の診断対象画像の組の表示透過率は、反比例して徐々に低くなり、最左側で100%となる。一方、透過率ポイントtpが右に移動されるほど、過去の展開画像及び過去の診断対象画像との組の表示透過率が徐々に低くなり、最右側で100%となる。この場合、最新の展開画像及び(描画された場合の)最新の診断対象画像の組の表示透過率は、反比例して徐々に高くなり、最右側で0%となる。初期表示の時点では、過去の展開画像及び同じ過去の診断対象画像の表示透過率は50%で、最新の展開画像の表示透過率も50%である。
【0131】
続いて、
図8に戻り、上記ステップS32の処理後は、上述のステップS24の処理へ進む。次に、
図41乃至
図44を用いて、ステップS25の処理において、表示透過率の変更の処理を行う場合について説明する。
図41は、診断対象入力画像SC5の透過率を変更する処理を示したフローチャートである。
【0132】
図41に示されているように、受付部32は、ステップS25の処理中、透過率ポイントtpの位置の変更の受け付けを待っている(ステップS41;NO)。そして、受付部32は、透過率ポイントtpの位置の変更により、表示透過率の変更を受け付けた場合には(ステップS41;YES)、表示制御部34は、
図40及び上述のように表示透過率を変更する(ステップS42)。そして、受付部32は、次の透過率ポイントtpの位置の変更を受け付けるまで待機する(ステップS41;NO)。
【0133】
【0134】
まず、過去の展開画像と最新の展開画像の表示透過率がそれぞれ50%の状態で、
図42に示されているように、利用者が、ポインタpoで過去の展開画像における診断対象要素画像e22の終点p23を、新たに始点p23として特定すると、受付部32は、最新の展開画像上で最初の診断対象要素画像e23の始点p23の入力を受け付ける(ステップS201)。これにより、表示制御部34は、始点p23の周囲に確定ボタンco23及びキャンセルボタンca23を表示させる(ステップS202)。
【0135】
次に、
図43に示されているように、利用者がポインタpoで診断対象要素画像e23の終点p24を特定すると、受付部32は、診断対象要素画像e23の終点p24入力を受け付ける(ステップS203)。これにより、表示制御部34は、始点p23と終点p24の間に診断対象要素画像e23及び幅入力画面ws3を表示させると共に、診断対象要素画像e23の中央辺りに確定ボタンco24及びキャンセルボタンca24を表示させる(ステップS204)。このように、利用者は、過去の診断対象要素画像e21、e22を土台として、新たに始点p23と終点p24を特定することで、最新の診断対象要素画像e23を描画することができる。また、この際、利用者は、透過率設定領域TRの透過率ポイントtpを左右に移動させることで、最新の展開画像において、過去の展開画像に対する新たなひび割れ等を発見することができる。
【0136】
なお、幅入力画面ws3は、始点p23と終点p24の間で、診断対象要素画像の付近に表示される。利用者が幅入力画面ws3に数値を入力すると、受付部32が入力を受け付け、
図43に示されているように、表示制御部34は、入力された数値(「0.6」)を表示する。
【0137】
次に、判断部35は、受付部32によって確定ボタンの押下が受け付けられたかを判断する(ステップS205)。判断部35が確定ボタンの押下を受け付けないと判断した場合には(ステップS205;NO)、上述のステップS203の処理に戻る。
【0138】
次に、
図43において、利用者がポインタpoで確定ボタンco24を押下すると、受付部32は押下を受け付け、判断部35が、確定ボタンが受け付けられたと判断する(ステップS205;YES)。そして、判断部35は、診断対象(直線)を確定し、
図44に示されているように、表示制御部34は、確定された診断対象画像dt22を表示させる(ステップS206)。更に、表示制御部34は、診断対象画像dt22を含む矩形の診断領域da22を表示すると共に、診断情報入力画面SC3を表示させる(ステップS207)。この場合、診断情報入力画面SC3を目立たせるため、表示制御部34は、診断情報入力画面SC3以外の部分をマスキングする。ここで、利用者が診断情報入力画面SC3に診断情報の選択及び入力を行ない、「OK」ボタンを押下すると、受付部32が、診断情報の選択及び入力を受け付ける(ステップS208)。
【0139】
以上の処理によって、比較モード内の診断対象画像(直線)の入力モードにおける診断対象画像dt22及び診断領域da22の描画、及び診断情報の選択及び入力が終了する。このように、利用者は、診断対象要素画像e21、e22の部分は過去の画像を使い回し、診断対象要素画像e23を描画しさえすれば、診断対象要素画像e21、e22、e23を構成する診断対象画像dt22を描画することができる。
【0140】
また、上記ステップS23で切替ボタンb0が押下されて比較モードが選択されていた場合には、つまり比較モードの場合には(ステップS26;YES)、記憶・読出部39は、記憶部3000に対して、ステップS30で選択された過去の展開画像に係る診断情報及び診断対象要素の情報に、新たな情報を追加して、別ファイルで一時保存する(ステップS33)。例えば、
図39(b)の診断対象画像を構成する診断対象要素情報が、
図5において、診断領域番号「1」の要素番号「1」、「2」で示されている各位置座標(第1の位置情報XY1の一例)である場合、記憶・読出部39は、
図39(d)の診断対象画像を構成する診断対象要素画像は、
図45において、診断領域番号「1」の要素番号「1」、「2」で示されている各位置座標(第1の位置情報XY1の一例)に、新たな情報である、同じ診断領域番号「1」の要素番号「3」で示されている各位置座標(第2の位置情報XY2の一例)を追加して、
図5の情報とは別ファイルで一時保存する。これにより、
図8に示されている処理は終了する。
【0141】
なお、
図39(d)に示されているように、表示制御部34は、第1の位置情報XY1によって、過去の診断対象画像部分dp1を表示させると共に、第2の位置情報XY2によって、最新の診断対象要素画像部分dp2を表示させる。
【0142】
<<実施形態の主な効果>> 以上説明したように、本実施形態によれば、利用者は描画装置3で、トンネル等の構想物の展開画像上で、診断対象を示す診断対象画像を描画すると共に、診断対象の診断結果を含む診断情報を入力することができる。このように、利用者は展開画像上の診断対象に、直接、診断対象画像を描画して診断情報を入力するため、従来のように、あちらこちらと書類や画面を見ながら変状展開図等を作成する場合に比べて、ミスを少なくすることができる。
【0143】
また、描画装置3で、診断領域の位置座標及び診断情報を関連付けて記憶することで、トンネル8等の構造物の診断情報を示す提出書類の作成に関し、従来に比べて手間が掛からないようにすることができる。
【0144】
更に、写真台帳に添付する写真画像は、トンネル展開画像201のうち診断領域の部分を流用するため、従来のように変状写真を写真台帳に張り合わせたり、張り合わせる場所を間違えたりすることを防止することができる。
【0145】
また、
図33に示されているように、トンネル展開画像の一部である撮影画像202を、見上げた状態とした
図33(a)の見上げ
図222aと見下げた状態とした
図33(b)の見下げ
図222bとで切り替えて表示することができるため、利用者の好みに応じた(又は慣れた)トンネル展開画像の状態で、診断対象の描画や診断情報の入力を行なうことができるので、ミスを減少することができる。また、国等への提出する際には、描画装置3が、見下げ図の状態で出力するため、利用者が勘違いして、提出のミスを防止することができる。
【0146】
更に、
図7に示すように、国等の報告フォーマットでは、変状展開図はトンネルの外側から見た「見下げ図」であり、写真台帳に添付する添付画像はトンネルの内側から撮影して得られた「見上げ図」であることから、提出書類を作成する検査業者の作成者は、混乱してしまう。しかも、上述のように、
図32に示されているように、写真台帳に添付する添付画像の中には、天地を反転しなければならない画像が存在するため、作成者はますます混乱してしまう。これに対して、本実施形態では、診断管理サーバ5が自動的に提出書類を作成するため、作成ミスを防ぐことができるという効果を奏する。
【0147】
また、利用者は、診断対象要素画像e21、e22の部分は過去の画像を使い回し、診断対象要素画像e23を描画しさえすれば、診断対象要素画像e21、e22、e23を構成する診断対象画像dt22を描画することができる。これにより、構造物の展開画像上の変状部分に対して描画を行う場合に、従来に比べて手間を掛けないようにすることができるという効果を奏する。
【0148】
図46は、本実施形態の変形例に係る描画及び診断情報の入力の概略の処理を示すフローチャートである。
【0149】
図46に示すフローチャートのステップS121~S131およびS134は、
図8に示したフローチャートのステップS21~S31およびS33と同様である。
【0150】
ステップS132において、推定部36は、最新の展開画像に基づき、学習モデル3001を用いて、最新の展開画像が示すトンネルの変状位置を推定する。
【0151】
ステップS133において、表示制御部34は、
図8に示したフローチャートのステップS32と同様に、診断位置入力画面SC5において、過去の展開画像における診断対象及び同じ過去の診断対象画像に対して、最新の展開画像における診断対象を重畳して表示するとともに、さらに、ステップS132で推定部36により推定された変状位置を示す推定変状画像を、重畳して表示する。
【0152】
図47は、
図46に示した変形例における重畳して表示される各画像を説明する図である。
【0153】
図47(a)は、過去の展開画像における診断対象202Aを示した図、
図47(b)は、過去の診断対象要素画像e21、e22を示した図、
図47(c)は、最新の展開画像における診断対象202Bを示した図、
図47(d)は、最新の展開画像における診断対象202B中の推定変状画像A1を示した図である。
【0154】
過去の展開画像における診断対象202Aは、第1の撮影画像の一例であり、診断対象要素画像e21、e22は、第1の描画変状画像の一例であり、最新の展開画像における診断対象202Bは、第2の撮影画像の一例である。
【0155】
生成部37は、これら
図47(a)~
図47(d)の画像を重畳表示する表示画像を生成し、表示制御部34は、生成部37が生成した表示画像をディスプレイ308に表示させる。
【0156】
これにより、過去の診断対象要素画像e21、e22と推定変状画像A1を比較することにより、過去の展開画像が示す第1の時期から、最新の展開画像が示す第2の時期の間にトンネルに生じた変状箇所を容易に推定することができる。
【0157】
ここで、生成部37は、少なくとも
図47(b)に示した過去の診断対象要素画像e21、e22と、
図47(d)に示した推定変状画像A1を含む表示画像を生成すればよく、
図47(b)に示した過去の診断対象要素画像e21、e22と、
図47(d)に示した推定変状画像A1を重畳表示する表示画像だけでなく、
図47(b)に示した過去の診断対象要素画像e21、e22と、
図47(d)に示した推定変状画像A1を切替または並列表示する表示画像を生成しても良い。
【0158】
また、生成部37は、
図47(d)に示した推定変状画像A1に対して、
図47(c)に示した最新の展開画像における診断対象202Bを重畳表示する表示画像だけでなく、
図47(c)に示した最新の展開画像における診断対象202Bを切替または並列表示する表示画像を生成しても良い。
【0159】
さらに、生成部37は、
図47(c)に示した最新の展開画像における診断対象202Bに対して、
図47(a)に示した過去の展開画像における診断対象202Aを重畳表示する表示画像だけでなく、
図47(a)に示した過去の展開画像における診断対象202Aを切替または並列表示する表示画像を生成しても良い。
【0160】
そして、生成部37は、
図47(c)に示した最新の展開画像における診断対象202Bに対して、
図47(b)に示した過去の診断対象要素画像e21、e22を重畳表示する表示画像だけでなく、
図47(b)に示した過去の診断対象要素画像e21、e22を切替または並列表示する表示画像を生成しても良い。
【0161】
以上において、推定部36に代えて、診断管理サーバ5の推定部56が、最新の展開画像に基づき、学習モデル5003を用いて、最新の展開画像が示すトンネルの変状位置を推定し、生成部37に代えて、診断管理サーバ5の生成部57が、以上説明した各種表示画像を生成しても良い。
【0162】
この場合、送受信部51は、生成部57が生成した表示画像を描画装置3へ送信し、描画装置3の送受信部31は、診断管理サーバ5から送信された表示画像を受信し、表示制御部34は、送受信部31が受信した表示画像をディスプレイ308に表示させる。
【0163】
図48は、
図47において推定変状画像A1を選択した状態の説明図である。
【0164】
図47の状態から、受付部32は、推定変状画像A1を選択する操作を受け付けると、判断部35は、推定変状画像A1と位置が重複する過去の診断対象要素があるか判断し、ある場合は、生成部37は、
図48(a)に示すように、推定変状画像A1と位置が重複する過去の診断対象要素画像e21、e22の周囲に強調画像E1を表示する表示画像を生成する。
【0165】
強調画像E1は、過去の診断対象要素画像e21、e22を他の診断対象要素画像に対して識別表示するための識別画像の一例である。
【0166】
生成部37は、受付部32が、過去の診断対象要素画像e21、e22を選択する操作を受け付けた場合に、強調画像E1を表示する表示画像を生成しても良い。
【0167】
また、推定変状画像A1と位置が重複する過去の診断対象要素がある場合、生成部37は、
図48(d)に示すように、推定変状画像A1における過去の診断対象要素画像e21、e22と位置が重なる第1の部分A11と、過去の診断対象要素画像e21、e22と位置が重ならない第2の部分A12を互いに識別可能に表示する表示画像を生成する。
【0168】
または、推定変状画像A1と位置が重複する過去の診断対象要素がある場合、生成部37は、
図48(e)に示すように、推定変状画像A1における過去の診断対象要素画像e21、e22と位置が重なる第1の部分A11は表示せず、過去の診断対象要素画像e21、e22と位置が重ならない第2の部分A12を表示する表示画像を生成する。
【0169】
これにより、推定変状画像A1における過去の診断対象要素画像e21、e22と位置が重ならない第2の部分A12を確認することにより、第1の時期から第2の時期の間に生じた変状箇所を容易に推定することができる。
【0170】
なお、
図48(e)に示す第2の部分A12は、推定部36が、過去の展開画像における診断対象202Aと、最新の展開画像における診断対象202Bに基づき、過去の展開画像における診断対象202Aと、最新の展開画像における診断対象202Bの差分を変状位置として推定したものであってもよい。
【0171】
図49は、
図48において診断対象要素画像e23を描画した状態の説明図である。
【0172】
図48の状態から、受付部32が、ディスプレイ308に表示された
図47(b)に示した過去の診断対象要素画像e21、e22に対して、最新の診断対象要素画像e23の描画の入力を受け付けると、記憶・読出部39は、診断対象要素画像e23と、表示画像における過去の診断対象要素画像e21、e22の位置に対する診断対象要素画像e23の位置を対応付けて記憶部3000に記憶させる。診断対象要素画像e23は、第2の描画変状画像の一例である。
【0173】
これにより、過去の診断対象要素画像e21、e22と推定変状画像A1を比較することにより、第1の時期から第2の時期の間に生じた変状箇所を容易に推定した上で、診断対象要素画像e23を適切に描画することができる。
【0174】
ここで、生成部37は、
図49(d)に示す推定変状画像A1における過去の診断対象要素画像e21、e22と位置が重ならない第2の部分A22を、診断対象要素画像e23として生成し、受付部32は、生成部37により生成された診断対象要素画像e23の修正の入力を受け付けてもよい。
【0175】
これにより、
図49(d)に示す第2の部分A2が、診断対象要素画像e23として初期設定されるため、診断対象要素画像e23を容易に描画することができる。
【0176】
図50は、
図48に対応する比較モードの診断位置入力画面において診断対象画像を入力する前の画面例である。
【0177】
図50において、表示制御部34は、過去の診断対象要素画像e21、e22を含む表示画像をディスプレイ308に表示させている。過去の診断対象要素画像e21、e22は、
図48(a)に示した過去の展開画像における診断対象202A、および
図48(c)に示した最新の展開画像における診断対象202Bに対して重畳して表示される。
【0178】
ここで、
図48(d)で示した推定変状画像A11は、
図50の表示画像に対して、切替または並列で表示されるものとする。
【0179】
図50は、また、過去の診断対象要素画像e21、e22が選択され、強調表示された状態を示す。過去の診断対象要素画像e21、e22は、
図48(d)に示した推定変状画像A11が選択されることにより、推定変状画像A11と重複した部分として選択されている。
【0180】
表示制御部34は、幅入力画面ws1、2に入力済みの数値0.7mm、0.5mm、および診断情報入力画面SC3に入力済みの値を、修正入力可能な状態で、過去の診断対象要素画像e21、e22と対応付けてディスプレイ308に表示させる。幅入力画面ws1、2に入力済みの数値0.7mm、0.5mm、および診断情報入力画面SC3に入力済みの値は、過去の診断対象要素画像e21、e22に対応付けて診断対象要素管理DB5002に記憶された値である。
【0181】
過去の診断対象要素画像e21、e22は、上述したように、
図48(a)に示した過去の展開画像における診断対象202A、および
図48(c)に示した最新の展開画像における診断対象202Bに対して重畳して表示されるため、ユーザは、過去の診断対象要素画像e21、e22を確認するときに、最新の展開画像における診断対象202Bと、過去の展開画像における診断対象202Aを比較して確認することができる。
【0182】
これにより、例えば、過去の診断対象要素画像e21、e22に対して幅入力画面ws1、2に入力済みの数値0.7mm、0.5mmよりも、幅が広がっていることを確認することができる。
【0183】
この場合、ユーザが、幅入力画面ws1、2に対して新たな数値を入力して確定ボタンco24を操作すると、受付部32は、幅入力画面ws1、2に入力済みの数値の修正の入力を受け付けて、記憶・読出部39は、過去の診断対象要素画像e21、e22と、修正入力された幅入力画面ws1、2の数値を対応付けて記憶部3000に記憶させる。
【0184】
図51は、
図49に対応する比較モードの診断位置入力画面において診断対象画像を入力する画面例である。
【0185】
図51は、
図50において、診断対象要素画像e23を描画した状態を示す。
【0186】
図43で説明したのと同様に、ユーザが、ポインタpoで過去の展開画像における診断対象要素画像e22の終点p23を、新たに始点p23として特定すると、受付部32は、最新の展開画像上で最初の診断対象要素画像e23の始点p23の入力を受け付ける。これにより、表示制御部34は、始点p23の周囲に確定ボタンco23及びキャンセルボタンca23を表示させる。
【0187】
次に、利用者がポインタpoで診断対象要素画像e23の終点p24を特定すると、受付部32は、診断対象要素画像e23の終点p24入力を受け付ける。これにより、表示制御部34は、始点p23と終点p24の間に診断対象要素画像e23及び幅入力画面ws3を表示させると共に、診断対象要素画像e23の中央辺りに確定ボタンco24及びキャンセルボタンca24を表示させる。
【0188】
幅入力画面ws3は、始点p23と終点p24の間で、診断対象要素画像の付近に数値「0.6」が推定されて表示され、ユーザが幅入力画面ws3に数値を修正入力すると、受付部32が入力を受け付ける。
【0189】
ここで、ユーザは、選択された過去の診断対象要素画像e21、e22に対して幅入力画面ws1、2に入力済みの数値0.7mm、0.5mmを参考にすることにより、診断対象要素画像e23に対する幅入力画面ws3への数値入力を容易に行うことができる。
【0190】
幅入力画面ws1、2に入力される幅の数値は、第1の描画変状画像に対する第1の付加情報の一例であり、幅入力画面ws3に入力される幅の数値は、第2の描画変状画像に対する第2の付加情報の一例である。
【0191】
また、推定部36が、診断対象要素管理DB5002に記憶された過去の診断対象要素画像e21、e22および幅入力画面ws1、2に入力済みの数値0.7mm、0.5mmと、診断対象要素画像e23に基づき、幅入力画面ws3における数値「0.6」を推定し、表示制御部34は、推定部36により推定された数値「0.6」を幅入力画面ws3に初期設定して表示する。
【0192】
ユーザが、幅入力画面ws3に対して新たな数値を入力して確定ボタンco24を操作すると、受付部32は、推定部36により推定された幅入力画面ws3における数値「0.6」に対する数値の修正の入力を受け付けて、記憶・読出部39は、診断対象要素画像e23と、診断対象要素画像e21、e22の位置に対する診断対象要素画像e23の位置と、修正入力された幅入力画面ws3の数値を対応付けて記憶部3000に記憶させる。
【0193】
これにより、ユーザは、推定部36により推定された数値「0.6」を参考にして、幅入力画面ws3に対して数値を容易に入力することができる。
【0194】
図52は、
図46に示した変形例における入出力処理を示すフローチャートである。
【0195】
判断部35は、受付部32は、推定変状画像A1を選択する操作を受け付けたか判断し(ステップS141)、受け付けたと判断した場合。判断部35は、推定変状画像A1と位置が重複する過去の診断対象要素があるか判断する(ステップS142)。
【0196】
ステップS142であると判断した場合、生成部37は、
図48(a)に示すように、推定変状画像A1と位置が重複する過去の診断対象要素画像e21、e22の周囲に強調画像E1を表示する表示画像を生成し、表示制御部43は、当該表示画像をディスプレイ308に表示させる(ステップS143)。
【0197】
さらに、生成部37は、
図48(d)に示すように、推定変状画像A1における過去の診断対象要素画像e21、e22と位置が重なる第1の部分A11と、過去の診断対象要素画像e21、e22と位置が重ならない第2の部分A12を互いに識別可能に表示する表示画像を生成し、表示制御部43は、当該表示画像をディスプレイ308に表示させる(ステップS144)。
【0198】
生成部37は、推定変状画像A1と位置が重複する過去の診断対象要素画像e21、e22に対応付けて診断対象要素管理DB5002に記憶された幅入力画面ws1、2に入力済みの数値、および診断情報入力画面SC3に入力済みの値を、過去の診断対象要素画像e21、e22に対応付けて表示する表示画像を生成し、表示制御部43は、当該表示画像をディスプレイ308に表示させる(ステップS145)。
【0199】
判断部35は、
図51で説明したように、受付部32が、過去の診断対象要素画像e21、e22に連結して診断対象要素画像e23を描画する入力を受け付けたか判断する(ステップS146)。
【0200】
ステップS146で受け付けたと判断した場合、推定部36は、過去の診断対象要素画像e21、e22および幅入力画面ws1、2に入力済みの幅の値と、診断対象要素画像e23に基づき、幅入力画面ws3における値を推定して初期設定する(ステップS147)。
【0201】
生成部37は、ステップS147で推定部36により推定された値を幅入力画面ws3に初期設定して表示する表示画像を生成し、表示制御部43は、当該表示画像をディスプレイ308に表示させる(ステップS148)。
【0202】
受付部32は、ステップS145で表示された幅入力画面ws1、2、および診断情報入力画面SC3に対する修正入力、およびステップS148で表示された幅入力画面ws3に対する修正入力を受け付ける(ステップS149)。
【0203】
記憶・読出部39は、診断対象要素画像e21、e22の位置と幅入力画面ws1、2に入力された幅の値、診断対象要素画像e23の位置と幅入力画面ws3に入力された幅の値、および診断情報入力画面SC3に入力された値を、最新の展開画像と対応付けて記憶部3000に記憶させる(ステップS150)。
【0204】
図53は、検査プロセスの説明図である。
図53(a)は、従来の検査プロセス、
図53(b)は、本実施形態の検査プロセス、
図53(c)は、本実施形態の変形例の検査プロセスを示す。
【0205】
図53(a)に示す従来の検査プロセスでは、検査業者は、トンネルを目視で点検して変状箇所にチョーキングし(ステップS501)、トンネルの変状部分を表す変状展開図を作成し(ステップS502)、トンネルの変状部分を示す変状写真を撮影し(ステップS503)、変状展開図および変状写真に基づき提出書類を作成する(ステップS504)。
【0206】
図53(b)に示す本実施形態の検査プロセスでは、検査業者は、トンネルを目視で点検して変状箇所にチョーキングし(ステップS511)、トンネルの展開画像を撮影し(ステップS512)、展開画像上で変状展開図を作成し(ステップS513)、変状展開図および展開画像に基づき提出書類を作成する(ステップS514)。
【0207】
これにより、変状展開図の作成と、変状写真の撮影を別々に行っていた従来の検査プロセスに比べて、変状展開図の作成および提出書類の作成が容易になる。
【0208】
図53(c)に示す本実施形態の変形例の検査プロセスでは、検査業者は、トンネルの展開画像を撮影し(ステップS521)、展開画像に基づき点検箇所を予めスクリーニングした上で(ステップS522)、トンネルを目視で点検し(ステップS523)、展開画像上で変状展開図を作成し(ステップS524)、変状展開図および展開画像に基づき提出書類を作成する(ステップS525)。
【0209】
これにより、
図53(b)に示す検査プロセスに比べて、変状箇所へのチョーキング作業を低減し、トンネルの目視点検を効率的に行うことができる。
【0210】
具体的には、
図52に示した処理のステップS141~S145を、
図53(c)のステップS522で実行することにより、予め変状箇所に見当をつけることが可能になり、トンネルの目視点検を効率的に行うことができる。
【0211】
<<補足>>
上記実施形態では、診断領域da11に診断対象画像dt11が含まれているが、これに限らず、診断領域da11が診断対象画像dt11と同じであってもよい。
【0212】
また、提出書類の作成は、診断管理サーバ5ではなく、描画装置3が行ってもよい。この場合、描画装置3は、ステップS1によって入力されたデータ(ステップS8によって送信されたデータ)及びステップS6によって受信したデータに基づいて、提出書類(変状展開図、写真台帳、及びトンネル点検結果総括表)を作成することができる。
【0213】
更に、上記実施形態では、受付部32が、利用者から診断対象の描画及び診断情報の入力を受け付けるが、これに限るものではない。例えば、描画装置3又は診断管理サーバに搭載された人工知能(Artificial Intelligence; AI)が、展開画像上の対象領域を検索し、自動的に診断対象の選択や、診断対象の幅の測定を行なってもよい。なお、診断対象の選択は、人工知能により実現された選択部が実行する。また、診断対象の幅の測定は、人工知能により実現された測定部が実行する。
【0214】
また、上記実施形態では、構造物の展開画像について説明したが、壁や塀等の平面的な構造物に対しては、展開画像ではなく構造物の全体を示す全体画像であってもよい。
【0215】
●まとめ●
[第1態様]
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の一例の描画装置3は、第1の時期よりも遅い第2の時期での構造物の第2の撮影画像の一例である最新の展開画像における診断対象202Bに基づき、第2の時期での構造物の第2の変状位置を推定する推定部36と、第1の時期での構造物の第1の変状位置を示す描画された第1の描画変状画像の一例である診断対象要素画像e21、e22と、推定部36により推定された第2の変状位置を示す推定変状画像A1と、を含む表示画像を生成する生成部37と、を備える。
【0216】
これにより、第1の描画変状画像と推定変状画像A1を比較することにより、第1の時期から第2の時期の間に構造物に生じた変状箇所を容易に推定することができる。
【0217】
[第2態様]
第1態様において、生成部37は、推定変状画像A1における第1の描画変状画像と位置が重なる第1の部分A11と、第1の描画変状画像と位置が重ならない第2の部分A12を互いに識別可能に表示する表示画像を生成する。
【0218】
これにより、推定変状画像A1における第1の描画変状画像と位置が重ならない第2の部分A12を確認することにより、第1の時期から第2の時期の間に構造物に生じた変状箇所を容易に推定することができる。
【0219】
[第3態様]
第1態様において、生成部37は、推定変状画像A1における第1の描画変状画像と位置が重なる第1の部分は表示せず、第1の描画変状画像と位置が重ならない第2の部分A12を表示する表示画像を生成する。
【0220】
これにより、推定変状画像A1における第1の描画変状画像と位置が重ならない第2の部分A12を確認することにより、第1の時期から第2の時期の間に生じた変状箇所を容易に推定することができる。
【0221】
[第4態様]
第1態様~第3態様の何れかにおいて、生成部37は、第1の描画変状画像と、推定変状画像A1を重畳、切替または並列表示する表示画像を生成する。
【0222】
これにより、診断対象要素画像e21、e22と推定変状画像A1を容易に比較することができる。
【0223】
[第5態様]
第1態様~第4態様の何れかにおいて、生成部37は、推定変状画像A1と、第2の撮影画像を重畳、切替または並列表示する表示画像を生成する。
【0224】
これにより、第1の描画変状画像と推定変状画像A1を比較することに加えて、第1の描画変状画像と第2の撮影画像を比較することにより、第1の時期から第2の時期の間に生じた変状箇所を容易に推定することができる。
【0225】
[第6態様]
第1態様~第5態様の何れかにおいて、生成部37は、さらに、第1の時期の構造物の第1の撮影画像の一例である過去の展開画像における診断対象202Aと、第2の撮影画像を重畳、切替または並列表示する表示画像を生成する。
【0226】
これにより、第1の描画変状画像と推定変状画像A1を比較することに加えて、第1の撮影画像と第2の撮影画像を比較することにより、第1の時期から第2の時期の間に生じた変状箇所を容易に推定することができる。
【0227】
[第7態様]
第1態様~第6態様の何れかにおいて、推定部36は、第1の時期の構造物の第1の撮影画像と、第2の撮影画像に基づき、第1の変状位置との差分A12を第2の変状位置として推定する。
【0228】
これにより、推定変状画像A1における第1の描画変状画像と位置が重ならない第2の部分A12を確認することにより、第1の時期から第2の時期の間に生じた変状箇所を容易に推定することができる。
【0229】
[第8態様]
第1態様~第7態様の何れかにおいて、表示画像をディスプレイ308に表示させる表示制御部34を備える。
【0230】
[第9態様]
第8態様において、ディスプレイ308に表示された表示画像に対して、第2の描画変状画像の一例である診断対象要素画像e23の描画の入力を受け付ける受付部32と、第2の描画変状画像と、表示画像における第1の描画変状画像の位置に対する第2の描画変状画像の位置を対応付けて記憶部3000に記憶させる記憶制御手段の一例である記憶・読出部39と、を備える。
【0231】
これにより、第1の描画変状画像と推定変状画像A1を比較することにより、第1の時期から第2の時期の間に生じた変状箇所を容易に推定した上で、第2の描画変状画像を適切に描画することができる。
【0232】
[第10態様]
第9態様において、生成部37は、推定変状画像A1における第1の描画変状画像と位置が重なる第1の部分A11と、第1の描画変状画像と位置が重ならない第2の部分A22のうち、第2の部分A22を第2の描画変状画像として生成し、受付部32は、生成部37により生成された第2の描画変状画像の修正の入力を受け付ける。
【0233】
これにより、推定変状画像A1における第1の描画変状画像と位置が重ならない第2の部分A2が、第2の描画変状画像として初期設定されるため、第2の描画変状画像を容易に描画することができる。
【0234】
[第11態様]
本発明の一実施形態に係る情報処理装置により実行される情報処理方法は、第1の時期よりも遅い第2の時期での構造物の第2の撮影画像に基づき、第2の時期での構造物の第2の変状位置を推定する推定ステップと、第1の時期での構造物の第1の変状位置を示す描画された第1の描画変状画像と、推定ステップ推定された第2の変状位置を示す推定変状画像A1と、を含む表示画像を生成する生成ステップと、を実行する情報処理方法。
【0235】
[第12態様]
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、第11態様の情報処理方法を実行させる。
【0236】
[第13態様]
本発明の一実施形態に係る情報処理システムの一例である診断システム1は、情報処理装置の一例である診断管理サーバ5と、診断管理サーバ5と通信可能な通信端末の一例である描画装置3と、を備え、診断管理サーバ5は、第1の時期よりも遅い第2の時期での構造物の第2の撮影画像に基づき、第2の時期での構造物の第2の変状位置を推定する推定部56と、第1の時期での構造物の第1の変状位置を示す描画された第1の描画変状画像と、推定部36により推定された第2の変状位置を示す推定変状画像A1と、を含む表示画像を生成する生成部57と、表示画像を描画装置3へ送信する送受信部51と、を備え、描画装置3は、診断管理サーバ5から、表示画像を受信する送受信部31と、表示画像をディスプレイ308に表示させる表示制御部34と、を備える。
【符号の説明】
【0237】
1 診断システム(情報処理システムの一例)
3 描画装置(情報処理装置、通信端末の一例)
5 診断管理サーバ(情報処理装置の一例)
10 通信ネットワーク
31 送受信部(送信手段の一例)
32 受付部(受付手段の一例)
33 描画部
34 表示制御部(表示制御手段の一例)
35 判断部(記憶手段の一例)
36 推定部
37 生成部
39 記憶・読出部(記憶制御手段の一例)
51 送受信部
53 判断部
56 推定部
57 生成部
59 記憶・読出部
202A 過去の展開画像における診断対象(第1の撮影画像の一例)
e21、e22 過去の診断対象要素画像(第1の描画変状画像の一例)
202B 最新の展開画像における診断対象(第2の撮影画像の一例)
A1 最新の展開画像における診断対象202B中の推定変状画像
A11 過去の診断対象要素画像e21、e22と位置が重なる第1の部分
A12 過去の診断対象要素画像e21、e22と位置が重ならない第2の部分
e23 最新の診断対象要素画像(第2の描画変状画像の一例)
308 ディスプレイ(表示手段の一例)
3000 記憶部
3001 学習モデル
5000 記憶部
5001 診断情報管理DB(診断情報管理手段の一例)
5002 診断対象要素管理DB(診断対象要素管理手段の一例)
5003 学習モデル