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特開2024-132613コンピュータシステム、取引制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132613
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、取引制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240920BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240920BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
A63F13/69
A63F13/79 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043456
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】阿須名 孝次
(72)【発明者】
【氏名】南 清志
(72)【発明者】
【氏名】小倉 建一
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】村井 伸太郎
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】ユーザ間で行う取引に際し、知名度や人気等に影響されることなく提供ユーザに取引の機会を提供可能な技術を提供すること。
【解決手段】サーバシステム1100は、提供オブジェクト毎に、提供ユーザと当該提供オブジェクトの分類項目とを対応付けて管理する管理部233と、所与の提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの中から選定提供ユーザを抽選する抽選処理を行うことと、当該提示対象分類項目に対応する当該選定提供ユーザの提供オブジェクトを受領ユーザに提示することと、を行う提示制御部237と、提示された提供オブジェクトを特定する受領ユーザの特定指示に基づいて、当該特定された提供オブジェクトを受領ユーザが受領可能に制御する受領制御部245と、を備える。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトのユーザ間での取引を制御するためのコンピュータシステムであって、
提供オブジェクト毎に、提供ユーザと当該提供オブジェクトの分類項目とを対応付けて管理する管理手段と、
所与の提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの中から選定提供ユーザを抽選する抽選処理を行うことと、当該提示対象分類項目に対応する当該選定提供ユーザの提供オブジェクトを受領ユーザに提示することと、を行う提示制御手段と、
前記提示制御手段により提示された提供オブジェクトを特定する前記受領ユーザの特定指示に基づいて、当該特定された提供オブジェクトを前記受領ユーザが受領可能に制御する受領制御手段と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
前記提示制御手段は、前記提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの情報に基づいて前記抽選処理を行う、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記提供ユーザの情報は、当該提供ユーザの提供オブジェクトに関する過去の取引に関する取引実績情報を含み、
前記提示制御手段は、前記提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの前記取引実績情報に基づいて前記抽選処理を行う、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記提供ユーザの情報は、当該提供ユーザの提供オブジェクトが前記管理手段によって管理されている数量の情報を含み、
前記提示制御手段は、前記提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの前記数量の情報に基づいて前記抽選処理を行う、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記提供ユーザの情報は、前記抽選処理によって当該提供ユーザが過去に抽選された抽選実績情報を含み、
前記提示制御手段は、前記提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの前記抽選実績情報に基づいて前記抽選処理を行う、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記提示制御手段は、前記提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトの情報に基づいて前記抽選処理を行う、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記提示制御手段は、前記受領ユーザの情報に基づいて前記抽選処理を行う、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記受領ユーザの情報には、当該受領ユーザが過去に受領したオブジェクトの提供ユーザに関する情報、および、当該受領ユーザによって予め指定された提供ユーザに関する情報、の何れかの情報である参照情報が含まれ、
前記提示制御手段は、前記受領ユーザの情報に含まれる前記参照情報に基づいて前記抽選処理を行う、
請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記受領制御手段による前記受領ユーザの受領が完了した後に、前記選定提供ユーザに所与の特典を付与する特典付与制御手段、
を更に備える請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記抽選処理は、提供ユーザ毎の抽選確率を用いて前記選定提供ユーザを抽選する処理であり、
前記特典付与制御手段は、前記選定提供ユーザの前記抽選確率に基づいて、当該選定提供ユーザに付与する前記特典を設定する、
請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記管理手段は、前記提供ユーザからの前記提供オブジェクトの管理依頼を受け付ける手段であって、同一の前記提供ユーザからの同一の前記分類項目の前記提供オブジェクトについては所定の上限個数までの範囲で管理依頼を受け付ける手段、を有する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記提示制御手段は、前記受領ユーザによる前記分類項目の選択指示に基づいて前記提示対象分類項目を絞り込むこと、を更に行う、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記提示制御手段は、前記選定提供ユーザを不特定状態で前記受領ユーザに提示する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記受領ユーザによる受領が完了した後に、前記選定提供ユーザを前記受領ユーザに通知する制御を行う通知制御手段、
を更に備える請求項13に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記提供オブジェクトは、当該提供ユーザが生成したオブジェクト、および、当該提供ユーザが仮想空間で取得したオブジェクト、の何れかである、
請求項1~14の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
コンピュータシステムが、オブジェクトのユーザ間での取引を制御する取引制御方法であって、
前記コンピュータシステムは、提供オブジェクト毎に、提供ユーザと当該提供オブジェクトの分類項目とを対応付けて管理する管理手段を備えており、
所与の提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの中から選定提供ユーザを抽選する抽選処理を行うことと、当該提示対象分類項目に対応する当該選定提供ユーザの提供オブジェクトを受領ユーザに提示することと、を行う提示制御ステップと、
前記提示制御ステップで提示された提供オブジェクトを特定する前記受領ユーザの特定指示に基づいて、当該特定された提供オブジェクトを前記受領ユーザが受領可能に制御する受領制御ステップと、
を含む取引制御方法。
【請求項17】
コンピュータシステムに、オブジェクトのユーザ間での取引を制御させるためのプログラムであって、
提供オブジェクト毎に、提供ユーザと当該提供オブジェクトの分類項目とを対応付けて管理する管理手段、
所与の提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの中から選定提供ユーザを抽選する抽選処理を行うことと、当該提示対象分類項目に対応する当該選定提供ユーザの提供オブジェクトを受領ユーザに提示することと、を行う提示制御手段、
前記提示制御手段により提示された提供オブジェクトを特定する前記受領ユーザの特定指示に基づいて、当該特定された提供オブジェクトを前記受領ユーザが受領可能に制御する受領制御手段、
として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ間での取引を制御するためのコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
製品のデザインを消費者から募集することで一般消費者が作成した多種多様な製品デザインを収集しつつ、購入を希望する消費者による検索条件の入力があったときには、収集した製品デザインの中から当該検索条件に適合する製品デザインを提示することで、消費者が求めるデザインの製品化を実現する製品提供方法の技術が知られている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-319035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1における消費者のようなユーザが、他のユーザによって提供された提供物を選んで取引する場合、より具体的には、他のユーザによって提供された商品等の提供物を購入する等の取引の場面では、知名度の高いユーザや人気があるユーザによって提供された提供物ばかりが注目されてしまい、知名度等を獲得していないユーザの提供物については、取引が成立し難い問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザ間で行う取引に際し、知名度や人気等に影響されることなく提供ユーザに取引の機会を提供可能な技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、オブジェクトのユーザ間での取引を制御するためのコンピュータシステムであって、提供オブジェクト毎に、提供ユーザと当該提供オブジェクトの分類項目とを対応付けて管理する管理手段(例えば、図10の管理部233)と、所与の提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの中から選定提供ユーザを抽選する抽選処理を行うことと、当該提示対象分類項目に対応する当該選定提供ユーザの提供オブジェクトを受領ユーザに提示することと、を行う提示制御手段(例えば、図10の提示制御部237)と、前記提示制御手段により提示された提供オブジェクトを特定する前記受領ユーザの特定指示に基づいて、当該特定された提供オブジェクトを前記受領ユーザが受領可能に制御する受領制御手段(例えば、図10の受領制御部245)と、を備えるコンピュータシステムである。
【0007】
また、他の発明として、コンピュータシステムが、オブジェクトのユーザ間での取引を制御する取引制御方法であって、前記コンピュータシステムは、提供オブジェクト毎に、提供ユーザと当該提供オブジェクトの分類項目とを対応付けて管理する管理手段を備えており、所与の提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの中から選定提供ユーザを抽選する抽選処理を行うことと、当該提示対象分類項目に対応する当該選定提供ユーザの提供オブジェクトを受領ユーザに提示することと、を行う提示制御ステップと、前記提示制御ステップで提示された提供オブジェクトを特定する前記受領ユーザの特定指示に基づいて、当該特定された提供オブジェクトを前記受領ユーザが受領可能に制御する受領制御ステップと、を含む取引制御方法を構成してもよい。
【0008】
また、他の発明として、コンピュータシステムに、オブジェクトのユーザ間での取引を制御させるためのプログラムであって、提供オブジェクト毎に、提供ユーザと当該提供オブジェクトの分類項目とを対応付けて管理する管理手段、所与の提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの中から選定提供ユーザを抽選する抽選処理を行うことと、当該提示対象分類項目に対応する当該選定提供ユーザの提供オブジェクトを受領ユーザに提示することと、を行う提示制御手段、前記提示制御手段により提示された提供オブジェクトを特定する前記受領ユーザの特定指示に基づいて、当該特定された提供オブジェクトを前記受領ユーザが受領可能に制御する受領制御手段、として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラムを構成してもよい。
【0009】
第1の発明等によれば、所与の提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの中から選定提供ユーザが抽選で決定され、当該選定提供ユーザの提供オブジェクトが受領ユーザに提示される。そして、受領ユーザが提供オブジェクトの特定指示を行うと、当該提供オブジェクトの受領が可能となる。これによれば、受領ユーザは、提供ユーザの知名度や人気に左右されずに、抽選で決定された選定提供ユーザの提供オブジェクトそのものを見て受領するかを判断するといったことが可能となる。したがって、提供オブジェクトを提供している提供ユーザに取引の機会を広く提供することが可能となる。
【0010】
第2の発明は、上記の発明において、前記提示制御手段は、前記提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの情報に基づいて前記抽選処理を行う、コンピュータシステムである。
【0011】
第2の発明によれば、提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの情報に応じた抽選処理を行って、選定提供ユーザを決定することができる。
【0012】
第3の発明は、上記の発明において、前記提供ユーザの情報は、当該提供ユーザの提供オブジェクトに関する過去の取引に関する取引実績情報を含み、前記提示制御手段は、前記提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの前記取引実績情報に基づいて前記抽選処理を行う、コンピュータシステムである。
【0013】
第3の発明によれば、提供ユーザの過去の取引実績情報に応じた抽選処理を行って、選定提供ユーザを決定することができる。
【0014】
第4の発明は、上記の発明において、前記提供ユーザの情報は、当該提供ユーザの提供オブジェクトが前記管理手段によって管理されている数量の情報を含み、前記提示制御手段は、前記提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの前記数量の情報に基づいて前記抽選処理を行う、コンピュータシステムである。
【0015】
第4の発明によれば、提供ユーザが提供している提供オブジェクトの数量の情報に応じた抽選処理を行って、選定提供ユーザを決定することができる。
【0016】
第5の発明は、上記の発明において、前記提供ユーザの情報は、前記抽選処理によって当該提供ユーザが過去に抽選された抽選実績情報を含み、前記提示制御手段は、前記提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの前記抽選実績情報に基づいて前記抽選処理を行う、コンピュータシステムである。
【0017】
第5の発明によれば、抽選ユーザの過去の抽選実績情報に応じた抽選処理を行って、選定提供ユーザを決定することができる。
【0018】
第6の発明は、上記の発明において、前記提示制御手段は、前記提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトの情報に基づいて前記抽選処理を行う、コンピュータシステムである。
【0019】
第6の発明によれば、提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトの情報に応じた抽選処理を行って、選定提供ユーザを決定することができる。
【0020】
第7の発明は、上記の発明において、前記提示制御手段は、前記受領ユーザの情報に基づいて前記抽選処理を行う、コンピュータシステムである。
【0021】
第7の発明によれば、提供オブジェクトを受領する受領ユーザの情報に応じた抽選処理を行って、選定提供ユーザを決定することができる。
【0022】
第8の発明は、上記の発明において、前記受領ユーザの情報には、当該受領ユーザが過去に受領したオブジェクトの提供ユーザに関する情報、および、当該受領ユーザによって予め指定された提供ユーザに関する情報、の何れかの情報である参照情報が含まれ、前記提示制御手段は、前記受領ユーザの情報に含まれる前記参照情報に基づいて前記抽選処理を行う、コンピュータシステムである。
【0023】
第8の発明によれば、例えば、受領ユーザが過去にどの提供ユーザによって提供された提供オブジェクトを受領したのかの情報や、受領ユーザが予めお気に入り等として指定した提供ユーザの情報を参照情報とし、当該参照情報に応じた抽選処理を行って、選定提供ユーザを決定することができる。
【0024】
第9の発明は、上記の発明において、前記受領制御手段による前記受領ユーザの受領が完了した後に、前記選定提供ユーザに所与の特典を付与する特典付与制御手段(例えば、図10の特典付与制御部249)、を更に備えるコンピュータシステムである。
【0025】
第9の発明によれば、提供オブジェクトが受領ユーザによって受領された場合に、当該提供オブジェクトの提供ユーザに特典を付与することができる。
【0026】
第10の発明は、上記の発明において、前記抽選処理は、提供ユーザ毎の抽選確率を用いて前記選定提供ユーザを抽選する処理であり、前記特典付与制御手段は、前記選定提供ユーザの前記抽選確率に基づいて、当該選定提供ユーザに付与する前記特典を設定する、コンピュータシステムである。
【0027】
第10の発明によれば、提供オブジェクトが受領ユーザによって受領された場合に、当該提供オブジェクトの提供ユーザを選定提供ユーザとして決定する際の抽選処理で用いた抽選確率に応じて、当該提供ユーザに特典を付与することができる。
【0028】
第11の発明は、上記の発明において、前記管理手段は、前記提供ユーザからの前記提供オブジェクトの管理依頼を受け付ける手段であって、同一の前記提供ユーザからの同一の前記分類項目の前記提供オブジェクトについては所定の上限個数までの範囲で管理依頼を受け付ける手段(例えば、図10の出品可否判定部235)、を有する、コンピュータシステムである。
【0029】
第11の発明によれば、同じ提供ユーザが1つの分類項目について取引の対象として提供することができる提供オブジェクトの個数を、上限個数までの範囲に制限することができる。
【0030】
第12の発明は、上記の発明において、前記提示制御手段は、前記受領ユーザによる前記分類項目の選択指示に基づいて前記提示対象分類項目を絞り込むこと、を更に行う、
コンピュータシステムである。
【0031】
第12の発明によれば、受領ユーザの選択指示に応じて提示対象分類項目を絞り込むことができる。
【0032】
第13の発明は、上記の発明において、前記提示制御手段は、前記選定提供ユーザを不特定状態で前記受領ユーザに提示する、コンピュータシステムである。
【0033】
第13の発明によれば、選定提供ユーザの提供オブジェクトを、当該選定提供ユーザを特定できない状態で提示することが可能となる。
【0034】
第14の発明は、上記の発明において、前記受領ユーザによる受領が完了した後に、前記選定提供ユーザを前記受領ユーザに通知する制御を行う通知制御手段、を更に備えるコンピュータシステムである。
【0035】
第14の発明によれば、受領ユーザは、提供オブジェクトの受領を完了した後で、当該提供オブジェクトを提供した提供ユーザが誰なのかが分かるようになる。
【0036】
第15の発明は、上記の発明において、前記提供オブジェクトは、当該提供ユーザが生成したオブジェクト、および、当該提供ユーザが仮想空間で取得したオブジェクト、の何れかである、コンピュータシステムである。
【0037】
第15の発明によれば、提供ユーザが生成したオブジェクトや、提供ユーザが仮想空間で取得したオブジェクトを提供オブジェクトとして、受領ユーザとの間で取引することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】ゲームシステムの全体構成例を示す図。
図2】ユーザ端末の装置構成例を示す図。
図3】提供オブジェクトの提供(販売)の流れを説明する図。
図4】ユーザ別出品状況管理テーブルのデータ構成例を示す図。
図5】ショップ別提供オブジェクト管理テーブルのデータ構成例を示す図。
図6】提供オブジェクトの受領(購入)の流れを説明する図。
図7】提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトの例を示す図。
図8】一次抽選用制御手順および二次抽選用制御手順の例を示す図。
図9】変形例における取引対象オブジェクトの表示例を示す図。
図10】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
図11】ユーザ管理データのデータ構成例を示す図。
図12】ショップデータのデータ構成例を示す図。
図13】ユーザ生成オブジェクト情報のデータ構成例を示す図。
図14】ユーザ端末の機能構成例を示すブロック図。
図15】サーバシステムが行う処理の流れを示すフローチャート。
図16】選定提供ユーザ決定処理の流れを示すフローチャート。
図17】変形例における表示画面例を示す図。
図18】他の変形例における表示画面例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。以下では、仮想空間として、参加しているユーザのキャラクタ(以下「ユーザキャラクタ」という)が登場するオンラインゲームのゲーム空間を例示する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0040】
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1000は、サーバシステム1100と、本実施形態のゲームのユーザ(プレーヤ)2が所有するユーザ端末1500と、を含み、これらがネットワークNを介して相互にデータ通信可能に接続されて構成されるコンピュータシステムである。
【0041】
ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0042】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備えるコンピュータシステムである。本体装置1101は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載された制御基板1150を内蔵している。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0043】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、ユーザ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してユーザ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。
【0044】
また、本実施形態では、サーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、ユーザの操作に基づいてユーザ生成オブジェクトを生成する生成機能と、生成機能によって生成されたユーザ生成オブジェクトをユーザ間で取引するための制御を行う取引実行機能と、を実現する。
【0045】
ユーザ2は、自分のユーザ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウント(ユーザID)によりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。また、ユーザ2は、ゲームオブジェクトを自由にデザインしたり、パラメータ値の設定をカスタマイズしてユーザ生成オブジェクトを生成したり、生成したユーザ生成オブジェクトを他ユーザとの間で取引したりして楽しむ。
【0046】
また、サーバシステム1100は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携し、ゲーム内通貨であるゲームコインの購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバは、サーバシステム1100からの問合せに応答してゲームコインの購入額をユーザ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバにより清算された購入額に相当するゲームコインをユーザ2に付与する。
【0047】
なお、サーバシステム1100は、図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワークNを介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0048】
ユーザ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介してネットワークNに接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このユーザ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0049】
図2は、ユーザ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。図2に示すように、ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、カメラ1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、不図示の電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0050】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワークNに接続する携帯電話基地局や無線通信基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557等が搭載されている。インターフェース回路1557には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、カメラ1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路等が含まれる。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0051】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてユーザ端末1500の各部を制御することで、ユーザ2のゲームプレイを可能にする。
【0052】
[詳細]
本実施形態では、仮想空間で使用可能なオブジェクトを、ユーザ間で取引することができる。取引において、オブジェクトを提供するユーザを提供ユーザといい、提供ユーザによって提供されたオブジェクト(提供オブジェクト)を受け取るユーザを受領ユーザという。
【0053】
取引の対象となるオブジェクトの種類は特に限定されないが、仮想空間をオンラインゲームのゲーム空間とする場合、当該ゲームで使用可能なゲームオブジェクトを含めることができる。例えば、1)ユーザキャラクタとして選択可能なキャラクタ、2)ユーザキャラクタが装備し、又は使用することができる武器や防具、アクセサリー、弾、薬、強化素材等の各種アイテム、3)ユーザキャラクタの乗り物、4)ユーザキャラクタを着せ替える服飾品、5)スキン、6)召喚獣、7)必殺技や魔法、スキル、属性等のユーザキャラクタに付加できる追加能力、8)新しいゲームステージやマップ、9)1)~8)の何れかを抽選で取得する抽選券(抽選チケット)、等が挙げられる。以下、取引として、ユーザ間でのオブジェクトの売買を例示する。
【0054】
1.オブジェクトの出品について
先ず、図3を参照し、オブジェクトを提供(販売)するための出品の流れを説明する。本実施形態では、創作者としてユーザ自身が生成(創作)したオブジェクト(ユーザ生成オブジェクト)の提供を例示する。そのため、オブジェクトを生成することが出品の前提となる。出品目的で生成することもできるし、不要となった自作のオブジェクトを出品することもできる。具体的には、ユーザは、サーバシステム1100が提供する生成機能を利用してオブジェクトを生成する。生成機能によれば、ユーザは、既存のオブジェクトの外観を好みのデザインに変更したりして、自作のオブジェクトとして生成することができる。或いは、オブジェクトを一からデザインして、まったく新しいオブジェクトを生成することも可能である。図3の(a)では、ユーザBが、ユーザキャラクタの服飾品としてTシャツのオブジェクトO1を生成した例を示している。
【0055】
ここでのユーザ生成オブジェクトの生成にあたっては、サーバシステム1100は、当該ユーザ生成オブジェクトの生成過程に関する生成過程情報600(図13を参照)を生成・記憶する。生成過程情報600には、例えば、当該ユーザ生成オブジェクトの生成に要した時間(生成時間)601や工程数603が含まれる。工程数603は、例えば、当該ユーザ生成オブジェクトの生成過程でなされた操作の回数として設定される。生成時間601が長いユーザ生成オブジェクトや工程数603が多いユーザ生成オブジェクトは、その分手間がかかっているということができる。
【0056】
そして、上記の要領でユーザ生成オブジェクトを生成したユーザは、提供ユーザとして所定の出品操作をすることで、当該ユーザ生成オブジェクトである提供オブジェクトを提供(販売)することができる(図3の(b))。出品操作がなされると、提供オブジェクトは、仮想空間内にゲームスポットとして存在するショップの在庫商品として登録される。本実施形態では、図3の(c)に示すように、同一又は異なる種類(オブジェクト種類)の提供オブジェクトを取り扱うショップSa~Sd等が仮想空間内に点在している。提供ユーザは、出品する提供オブジェクトのオブジェクト種類に合ったショップ(当該オブジェクト種類の提供オブジェクトを取り扱うショップ)を出品先に選んで出品する。図3の(c)の例では、オブジェクト種類の1つである「Tシャツ」を提供種類とするショップ(Tシャツ屋)Sdを出品先として選ぶことができる。これにより、提供オブジェクトが、ショップを訪れたユーザ(受領ユーザ)との間で取引されるようになる。
【0057】
より詳細には、本実施形態では、オブジェクト種類毎に、分類項目(カテゴリ等とも呼ばれる)が予め設定されている。分類項目の設定は特に限定されないが、該当するオブジェクト種類に属するゲームオブジェクトの性質や系統等に従って、当該オブジェクト種類を細分化することで設定される。例えば、図3の(d)に示すように、Tシャツ屋Sdの提供種類であるオブジェクト種類「Tシャツ」に対しては、「白色Tシャツ」「青色Tシャツ」といった色別の分類項目、「ボーダー柄Tシャツ」「チェック柄Tシャツ」といった柄別の分類項目等を含めることができる。そして、提供オブジェクトは、ショップ毎に、その提供種類の何れかの分類項目と対応付けて登録・管理される。図3の(d)では、提供ユーザBによってTシャツ屋Sdに出品(提供)されたTシャツの提供オブジェクトO1が、分類項目「青色Tシャツ」に対応する在庫商品として登録されている。出品されたオブジェクトがどの分類項目に対応するのかは、自動で設定する構成でもよいし、提供ユーザが出品操作の際に指定する構成でもよい。
【0058】
ここで、本実施形態では、1人の提供ユーザが提供オブジェクトとして提供することができる(すなわち、出品が可能な)商品の個数に制限が設けられている。例えば、ショップ単位で、各分類項目の上限個数を10個等とする制限である。その場合、提供ユーザは、1つのショップでは、1つの分類項目につき10個までしか出品できない。そのため、サーバシステム1100は、ユーザの出品操作を検出した場合は、上限個数に基づく出品可否判定を行う。そして、サーバシステム1100は、出品可否判定の結果「出品可」と判定した場合に、提供オブジェクトとしての登録・管理を行う。
【0059】
なお、具体的な上限個数の数は10個より多くても少なくてもよく、適宜設定しておくことができる。また、本実施形態では、上限個数を全ての分類項目で同じ設定とするが、分類項目毎に異なる設定としてもよい。同じオブジェクト種類の提供オブジェクトを取り扱うショップが複数存在する場合は、ショップ毎に異なる設定とすることもできる。
【0060】
また、提供オブジェクトの取引価格については適宜設定してよいが、オブジェクト種類毎に固定額とすることができる。例えば、「Tシャツ」の場合「100円」といった具合である。その場合、分類項目毎に異なる額としてもよいし、全ての分類項目で同額としてもよい。ショップ毎に設定することもできる。もちろん、提供ユーザによる取引価格の設定操作を受け付けて、提供オブジェクト毎に個別に設定する構成も可能である。
【0061】
1-1.出品可否判定について
サーバシステム1100は、ユーザ毎に用意されるユーザ別出品状況管理テーブルを用いて、各ユーザの出品数を管理している。出品可否判定では、このユーザ別出品状況管理テーブルを用いる。図4は、ユーザ別出品状況管理テーブル620のデータ構成例を示す図である。図4に示すように、ユーザ別出品状況管理テーブル620は、ユーザID621と対応付けて、ショップID625が示すショップ毎のショップ別出品数データ623を格納する。ショップ別出品数データ623は、該当するユーザの該当するショップにおける分類項目毎の出品数を設定したデータテーブルである。
【0062】
ユーザによる出品操作を検出した場合には、サーバシステム1100は、当該ユーザのユーザ別出品状況管理テーブル620を参照し、出品先のショップ別出品数データ623から、今回の出品操作に係る提供オブジェクトに対応する分類項目の出品数を読み出す。そして、サーバシステム1100は、読み出した出品数が上限個数に達していなければ、「出品可」と判定して当該出品操作を受け付ける。一方、サーバシステム1100は、上限個数に達している場合は「出品不可」と判定する。その場合は、サーバシステム1100は、なされた出品操作を受け付けずに、出品不可である旨を当該ユーザのユーザ端末に通知する制御を行う。
【0063】
そして、サーバシステム1100は、ここでの出品可否判定で「出品可」と判定した場合には、該当する分類項目の出品数を増やしてショップ別出品数データ623を更新する。また、サーバシステム1100は、当該ユーザが当該ショップにて出品中の提供オブジェクトの取引が実行されて受領ユーザの受領が完了したときには、該当する分類項目の出品数を減らしてショップ別出品数データ623を更新する。
【0064】
1-2.提供オブジェクトの管理について
サーバシステム1100は、ショップ毎に用意されるショップ別提供オブジェクト管理テーブル610を用いて、各ショップに出品された提供オブジェクトを管理している。図5は、ショップ別提供オブジェクト管理テーブル610のデータ構成例を示す図である。図5に示すように、ショップ別提供オブジェクト管理テーブル610は、ショップID611が示すショップ毎に、提供オブジェクト管理テーブル613を格納する。提供オブジェクト管理テーブル613は、提供オブジェクトのオブジェクトIDと対応付けて、当該提供オブジェクトを提供した提供ユーザのユーザID(提供ユーザID)と、当該提供オブジェクトの分類項目と、を対応付けたデータテーブルである。
【0065】
サーバシステム1100は、新たに出品操作を受け付けた場合には、当該出品操作に係る提供オブジェクトのレコードを出品先のショップの提供オブジェクト管理テーブル613に追加して登録する。また、サーバシステム1100は、何れかのショップにおいて受領ユーザとの取引が完了した(当該受領ユーザによって受領された)提供オブジェクトについては、当該ショップの提供オブジェクト管理テーブル613から削除して、提供オブジェクトを管理する。
【0066】
2.オブジェクトの購入について
次に、図6を参照して、提供オブジェクトの受領(購入)の流れを説明する。本実施形態では、仮想空間内のショップで、提供オブジェクトを購入することができる。図6の(a)では、受領ユーザがユーザキャラクタを操作し、仮想空間内のTシャツ屋Sdを訪れた例を示している。受領ユーザがショップ(例えばTシャツ屋Sd)を訪れると、次の手順を経て取引が実行される。
【0067】
すなわち、先ず、提示対象分類項目が決定される。本実施形態では、訪れたショップの提供種類(ここでは「Tシャツ」)の全ての分類項目が、それぞれ提示対象分類項目として決定される。
【0068】
続いて、決定された提示対象分類項目毎に、各提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトの中から1つが取引対象オブジェクトとして選ばれる。そして、図6の(b)に示す商品選択画面W2において、提示対象分類項目毎に選ばれた取引対象オブジェクトO1,O21~O24等が並べて表示され、受領ユーザに提示される。
【0069】
図7は、図6の(b)に示す提示対象分類項目の1つである分類項目「青色Tシャツ」について、当該提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトの例を示す図である。図6の(b)では、提示対象分類項目「青色Tシャツ」に着目すると、図7に示す提示対象分類項目「青色Tシャツ」の提供オブジェクトO1,O41~O48の中から、提供オブジェクトO1が取引対象オブジェクトとして選ばれた例を示している。
【0070】
取引対象オブジェクトを選ぶ具体的な手順としては、サーバシステム1100は、先ず、Tシャツ屋Sdの提供オブジェクト管理テーブル613に登録されている提供オブジェクトの中から、処理対象の提示対象分類項目(ここでは「青色Tシャツ」)に対応する提供オブジェクト(図7の例では提供オブジェクトO1,O41~O48)を抽出する。そして、サーバシステム1100は、抽出した提供オブジェクトを提供している提供ユーザ(図7の例では、提供オブジェクトO41のユーザA/提供オブジェクトO42のユーザR/提供オブジェクトO43のユーザA/提供オブジェクトO1のユーザB/提供オブジェクトO44のユーザA/提供オブジェクトO45のユーザT/提供オブジェクトO46のユーザA/提供オブジェクトO47のユーザT/提供オブジェクトO48のユーザA)をそれぞれ選定対象ユーザとし、選定対象ユーザの中から選定提供ユーザ(例えば、図7中に破線で囲って示す提供オブジェクトO1のユーザB)を抽選で決定する。選定提供ユーザを決定したならば、サーバシステム1100は、選定提供ユーザの提供オブジェクト(本例では提供オブジェクトO1)を、提示対象分類項目「青色Tシャツ」についての取引対象オブジェクトとする。サーバシステム1100は、ここでの処理を全ての提示対象分類項目について行い、提示対象分類項目毎に取引対象オブジェクトを選ぶ。
【0071】
つまり、本実施形態の取引では、受領ユーザがショップを訪れると、当該ショップにおいて分類項目毎の在庫商品として登録されている提供オブジェクトの中から、1つの分類項目につき1つの取引対象オブジェクトが自動的に選ばれて、受領ユーザに提示される仕組みになっている。
【0072】
そして、サーバシステム1100は、チェックボックスCB2のチェックによって取引対象オブジェクトを特定する特定指示を受け付けるとともに、確定ボタンB2によって購入操作を受け付けることで、購入の実行制御を行う。例えば、受領ユーザがチェックボックスCB2-1をチェックして取引対象オブジェクトO1を特定する特定指示を行い、確定ボタンB2を選択して購入操作を行うと、取引対象オブジェクトO1を受領することができる。
【0073】
すなわち、受領ユーザの購入操作を受けて、サーバシステム1100は、図6の(c)に示すように、取引価格分のゲームコインを消費する処理や、残高不足時におけるゲームコインの購入に係る課金処理を行って取引を実行し、取引価格分のゲームコインの消費と引き換えに取引対象オブジェクトを受領ユーザに付与する制御を行う。受領を完了すると、図6の(d)に示すように、ユーザBの提供オブジェクトO1を受領した旨の受領確認を促す確認画面W3が表示される。
【0074】
なお、図示は省略するが、図6の(b)の商品選択画面W2において取引対象オブジェクトを選択すると、当該取引対象オブジェクトの詳細画面が表示されるようになっている。詳細画面には、選定提供ユーザである当該取引対象オブジェクトの提供ユーザの情報が表示される。また、その他にも、当該取引対象オブジェクトのパラメータ値595(図13を参照)の内容や、生成過程情報600(図13を参照)の内容等を詳細画面の表示内容に含めることができる。
【0075】
以上のようにして受領ユーザによる取引対象オブジェクトの受領が完了したならば、サーバシステム1100は、選定提供ユーザ(当該取引対象オブジェクトの提供ユーザ)に所与の特典を付与する制御を行う。本実施形態では、当該提供ユーザを選定提供ユーザとして決定した際の抽選処理で用いた抽選確率(より詳細には、後述する二次抽選で当該提供ユーザに設定した抽選確率)に基づいて、特典を付与する。例えば、抽選確率の値が予め設定される所定の基準値よりも小さい場合に、特典を付与する。これによれば、抽選確率が低いのに選定提供ユーザとして決定され、更に、その提供オブジェクトが受領ユーザによって受領(購入)された場合に、当該提供ユーザに特典を付与することができる。もちろん、抽選確率の値が基準値より大きい場合に特典を付与する構成としてもよい。
【0076】
特典の内容については特に限定されないが、ゲームを有利に進められるような特典を設定しておくとよい。例えば、キャラクタやアイテム、抽選チケット等の各種チケットを特典として付与する構成でもよいし、新しいゲームステージやマップの開放を特典として付与するとしてもよいし、ミニゲームの実行といった各種ゲームイベントの発動を特典として付与するのでもよい。
【0077】
3.選定提供ユーザ決定処理について
サーバシステム1100は、提示対象分類項目毎に選定提供ユーザ決定処理を実行して、上記した選定提供ユーザの決定を行う。本実施形態では、サーバシステム1100は、提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザである選定対象ユーザの中から、抽選で選定提供ユーザを決定する。また、サーバシステム1100は、抽選に先立ち、提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザ(選定対象ユーザ)の情報、当該提供オブジェクトの情報、および、受領ユーザの情報、のうちの少なくとも1つに基づいて、選定提供ユーザの抽選に用いる所与の抽選規準を可変に制御する。
【0078】
より詳細には、本実施形態の選定提供ユーザ決定処理は、選定対象ユーザの中から選定提供ユーザの候補とする提供ユーザ(以下「選定候補ユーザ」という)を選択するための一次抽選と、一次抽選で選択された選定候補ユーザの中から選定提供ユーザを選択するための二次抽選と、を行って選定提供ユーザを決定する処理である。そして、抽選規準を可変に制御するための抽選規準の制御手順として、一次抽選用の制御手順(以下「一次抽選用制御手順」という)と、二次抽選用の制御手順(以下「二次抽選用制御手順」という)と、がそれぞれ複数種類ずつ予め定められている。
【0079】
サーバシステム1100は、選定提供ユーザ決定処理のたびに、今回の一次抽選に適用する一次抽選用制御手順と、今回の二次抽選に適用する二次抽選用制御手順と、を選出することで、選定提供ユーザの抽選に用いる抽選規準を可変に制御する。
【0080】
図8は、一次抽選用制御手順および二次抽選用制御手順の例を一覧にした図である。図8に示すように、一次抽選用制御手順は、(1)提供ユーザの情報に基づく制御手順であって、所定の提供ユーザ順位決定処理の順位に基づく制御手順と、(2)提供オブジェクトのオブジェクト情報に基づく制御手順であって、所定の提供オブジェクト順位決定処理の順位に基づく制御手順と、(3)受領ユーザの情報に基づく制御手順であって、所定の個人別提供ユーザ順位決定処理の順位に基づく制御手順と、(4)ランダムに選定候補ユーザを選択する制御手順と、に分類される。一方、二次抽選用制御手順は、(5)提供ユーザの情報に基づく制御手順と、(6)提供オブジェクトのオブジェクト情報に基づく制御手順と、(7)受領ユーザの情報に基づく制御手順と、(8)ランダムに選定提供ユーザを決定する制御手順と、に分類される。
【0081】
(1)提供ユーザ順位決定処理の順位に基づく制御手順について
提供ユーザ順位決定処理の順位に基づく制御手順には、例えば、人気度の昇順順位に基づく制御手順P501と、人気度の降順順位に基づく制御手順P502と、創作スキルレベルの昇順順位に基づく制御手順P503と、創作スキルレベルの降順順位に基づく制御手順P504と、販売実績数の昇順順位に基づく制御手順P505と、抽選実績数の昇順順位に基づく制御手順P506と、提供ユーザ別出品数量の昇順順位に基づく制御手順P507と、が含まれる。
【0082】
ここで、本実施形態では、サーバシステム1100は、ユーザ毎に、提供ユーザとしての人気度519を随時更新して管理している。例えば、人気度519は、当該ユーザをお気に入りの提供ユーザとしてお気に入り提供ユーザ設定523(図11を参照)に登録しているユーザの数や、当該ユーザが過去に出品した提供オブジェクトに付けられた「いいね」の総数等をもとに設定・更新される。
【0083】
また、サーバシステム1100は、ユーザ毎に、ユーザ生成オブジェクトの創作者としての創作スキルレベル517を随時更新して管理している。創作スキルレベル517は、ユーザ生成オブジェクトの生成を繰り返すことで上昇する。例えば、ユーザがユーザ生成オブジェクトを生成すると、生成時間601の長さや工程数603の多さ等に応じた創作ポイントが付与される。その他、当該ユーザ生成オブジェクトに付けられた「いいね」の数等に応じて創作ポイントが付与される構成としてもよい。そして、獲得した創作ポイントの総数に応じて創作スキルレベル517が上がっていく。
【0084】
また、サーバシステム1100は、ユーザ毎に、提供実績データ541を随時更新して管理している。提供実績データ541は、例えば、当該ユーザによって過去に出品された提供オブジェクトの総数(以下「出品実績数」という)や、過去に取引が完了して受領ユーザに販売された提供オブジェクトの総数(以下「販売実績数」という)、過去に選定提供ユーザとして決定された回数(本実施形態では、選定提供ユーザ決定処理での二次抽選で選定提供ユーザとして抽選された回数;以下「抽選実績数」という)等を含む。
【0085】
そして、人気度の昇順順位に基づく制御手順P501は、選定対象ユーザを人気度519が低い順に順位付ける提供ユーザ順位決定処理で決定された順位に基づいて、所定の候補人数まで選定対象ユーザを絞る制御手順である。制御手順P501を適用した一次抽選では、サーバシステム1100は、選定対象ユーザの中から人気度519の低い順に候補人数を選択して、選定候補ユーザとする。候補人数については、例えば、10人等の固定の人数としてもよいし、選定対象ユーザの半数等とする構成でもよい。
【0086】
人気度の降順順位に基づく制御手順P502は、選定対象ユーザを人気度519が高い順に順位付ける提供ユーザ順位決定処理で決定された順位に基づいて、所定の候補人数まで選定対象ユーザを絞る制御手順である。制御手順P502を適用した一次抽選では、サーバシステム1100は、制御手順P501を適用したのとは逆に、選定対象ユーザの中から人気度519の高い順に候補人数を選択して、選定候補ユーザとする。
【0087】
創作スキルレベルの昇順順位に基づく制御手順P503は、選定対象ユーザを創作スキルレベル517が低い順に順位付ける提供ユーザ順位決定処理で決定された順位に基づいて、所定の候補人数まで選定対象ユーザを絞る制御手順である。制御手順P503を適用した一次抽選では、サーバシステム1100は、選定対象ユーザの中から創作スキルレベル517の低い順に候補人数を選択して、選定候補ユーザとする。なお、創作スキルレベルは、生成時点での創作スキルレベルを用いてもよい。
【0088】
創作スキルレベルの降順順位に基づく制御手順P504は、選定対象ユーザを創作スキルレベル517が高い順に順位付ける提供ユーザ順位決定処理で決定された順位に基づいて、所定の候補人数まで選定対象ユーザを絞る制御手順である。制御手順P504を適用した一次抽選では、サーバシステム1100は、制御手順P503を適用したのとは逆に、選定対象ユーザの中から創作スキルレベル517の高い順に候補人数を選択して、選定候補ユーザとする。
【0089】
販売実績数の昇順順位に基づく制御手順P505は、選定対象ユーザを販売実績数が少ない順に順位付ける提供ユーザ順位決定処理で決定された順位に基づいて、所定の候補人数まで選定対象ユーザを絞る制御手順である。制御手順P505を適用した一次抽選では、サーバシステム1100は、選定対象ユーザの中から販売実績数の少ない順に候補人数を選択して、選定候補ユーザとする。もちろん、販売実績数が多い順に順位付けを行って選定対象ユーザを絞る設定の制御手順としてもよいし、(1)の分類に両方の制御手順を含める構成でもよい。
【0090】
抽選実績数の昇順順位に基づく制御手順P506は、選定対象ユーザを抽選実績数が少ない順に順位付ける提供ユーザ順位決定処理で決定された順位に基づいて、所定の候補人数まで選定対象ユーザを絞る制御手順である。制御手順P506を適用した一次抽選では、サーバシステム1100は、選定対象ユーザの中から抽選実績数の少ない順に候補人数を選択して、選定候補ユーザとする。もちろん、抽選実績数が多い順に順位付けを行って選定対象ユーザを絞る設定の制御手順としてもよいし、(1)の分類に両方の制御手順を含める構成でもよい。
【0091】
提供ユーザ別出品数量の昇順順位に基づく制御手順P507は、選定対象ユーザを提供ユーザ別出品数量が少ない順に順位付ける提供ユーザ順位決定処理で決定された順位に基づいて、所定の候補人数まで選定対象ユーザを絞る制御手順である。提供ユーザ別出品数量は、処理対象の提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを、提供ユーザ別に集計した提供オブジェクトの数量である。そのため、制御手順P507を適用する場合は、サーバシステム1100は、選定対象ユーザ毎に提供ユーザ別出品数量を取得する。例えば、図7の例では、提供オブジェクトO1,O41~O48のうちの5つの提供オブジェクトO41,O43,O44,O46,O48をユーザAが提供しているので、ユーザAの提供ユーザ別出品数量を「5」として取得する。同様に、ユーザRについて提供ユーザ別出品数量「1」、ユーザBについて提供ユーザ別出品数量「1」、ユーザTについて提供ユーザ別出品数量「2」を取得する。そして、制御手順P507を適用した一次抽選では、サーバシステム1100は、選定対象ユーザの中から提供ユーザ別出品数量の少ない順に候補人数を選択して、選定候補ユーザとする。もちろん、抽選実績数が多い順に順位付けを行って選定対象ユーザを絞る設定の制御手順としてもよいし、(1)の分類に両方の制御手順を含める構成でもよい。
【0092】
なお、その他にも、出品実績数に応じて選定対象ユーザを順位付ける提供ユーザ順位決定処理を行い、選定対象ユーザを絞る制御手順等を含めてもよい。また、ユーザ生成オブジェクトの生成実績に応じて選定対象ユーザを順位付ける提供ユーザ順位決定処理を行い、選定対象ユーザを絞る制御手順等を含めてもよい。生成実績は、例えば、ユーザ生成オブジェクトの生成数等であり、提供ユーザの生成実績データ535(図11を参照)から読み出して用いる。
【0093】
(2)提供オブジェクト順位決定処理の順位に基づく制御手順について
提供オブジェクト順位決定処理の順位に基づく制御手順には、例えば、提供オブジェクトのレア度の順位に基づく制御手順P508と、提供オブジェクトの生成時間601(図13を参照)の順位に基づく制御手順P509と、が含まれる。
【0094】
レア度の順位に基づく制御手順P508は、選定対象ユーザが提供している提供オブジェクトのレア度が例えば高い順に提供オブジェクトを順位付ける提供オブジェクト順位決定処理で決定された順位に基づいて、所定の候補人数まで選定対象ユーザを絞る制御手順である。制御手順P508を適用した一次抽選では、サーバシステム1100は、提供している提供オブジェクトのレア度が高い順に選定対象ユーザをソートし、ソートされた順番で候補人数を選択して、選定候補ユーザとする。
【0095】
生成時間601の順位に基づく制御手順P509は、選定対象ユーザが提供している提供オブジェクトの生成時間601が例えば長い順に提供オブジェクトを順位付ける提供オブジェクト順位決定処理で決定された順位に基づいて、所定の候補人数まで選定対象ユーザを絞る制御手順である。制御手順P509を適用した一次抽選では、サーバシステム1100は、提供している提供オブジェクトの生成時間601が長い順に選定対象ユーザをソートし、ソートされた順番で候補人数を選択して、選定候補ユーザとする。これにより、選定対象ユーザの中から、時間をかけて生成されており手間のかかったユーザ生成オブジェクトを提供オブジェクトとして提供している選定対象ユーザが、選定候補ユーザとして選ばれることとなる。
【0096】
なお、その他にも、提供オブジェクトの工程数603(図13を参照)に応じて提供オブジェクトを順位付ける提供オブジェクト順位決定処理を行い、選定対象ユーザを絞る制御手順や、提供オブジェクトの出品時刻に応じて提供オブジェクトを順位付ける提供オブジェクト順位決定処理を行い、選定対象ユーザを絞る制御手順等を含めてもよい。
【0097】
また、レア度とは別のパラメータ値595(図13を参照)に応じて提供オブジェクトを順位付ける提供オブジェクト順位決定処理を行い、選定対象ユーザを絞る制御手順を含めてもよい。これによれば、例えば、処理対象の提示対象分類項目が「剣」の場合に、攻撃力が高い提供オブジェクトを提供している選定対象ユーザを選定候補ユーザとして選ぶといったことが可能となる。また、ゲームオブジェクトの種類(オブジェクト種類)毎に投票等によって人気度が定められる仕様の場合には、当該人気度に応じて提供オブジェクトを順位付ける提供オブジェクト順位決定処理を行い、選定対象ユーザを絞る制御手順を含めることもできる。人気度の高い種類の提供オブジェクトを提供している選定対象ユーザを、選定候補ユーザとして選ぶといったことが可能となる。
【0098】
(3)個人別提供ユーザ順位決定処理の順位に基づく制御手順について
個人別提供ユーザ順位決定処理の順位に基づく制御手順には、受領ユーザが過去に受領したオブジェクトの提供ユーザに関する参照情報に応じて提供ユーザを順位付ける個人別提供ユーザ順位決定処理を行い、決定された順位に基づいて所定の候補人数まで選定対象ユーザを絞る制御手順P510が含まれる。
【0099】
本実施形態では、ユーザ毎に、受領ユーザとして受領した(購入した)受領数を提供ユーザ別に集計した提供ユーザ別受領数を、提供ユーザ別受領数データ545として管理している。制御手順P510では、例えば、提供ユーザ別受領数データ545を参照情報として用いる。すなわち、制御手順P510を適用した一次抽選では、サーバシステム1100は、受領ユーザの提供ユーザ別受領数が多い順に選定対象ユーザをソートし、ソートされた順番で候補人数を選択して、選定候補ユーザとする。つまり、選定対象ユーザの中から、受領ユーザがよく取引する提供ユーザが選定候補ユーザとして選ばれることとなる。
【0100】
また、個人別提供ユーザ順位決定処理の順位に基づく制御手順には、受領ユーザによって予め指定された提供ユーザに関する参照情報に応じて提供ユーザを順位付ける個人別提供ユーザ順位決定処理を行い、決定された順位に基づいて所定の候補人数まで選定対象ユーザを絞る制御手順P511が含まれる。
【0101】
本実施形態では、ユーザは、お気に入りの提供ユーザを順位付けして登録しておくことができるようになっている(図11のお気に入り提供ユーザ設定523を参照)。制御手順P511では、例えば、お気に入り提供ユーザ設定523を参照情報として用いる。すなわち、制御手順P511を適用した一次抽選では、サーバシステム1100は、受領ユーザのお気に入り提供ユーザ設定523における順位付けが高い順に選定対象ユーザをソートし、ソートされた順番で候補人数を選択して、選定候補ユーザとする。つまり、選定対象ユーザの中から、受領ユーザのお気に入りの提供ユーザが、そのお気に入りの順番で選定候補ユーザとして選ばれることとなる。
【0102】
なお、ここでは、選定対象ユーザの中から一次抽選により選定候補ユーザを選択する構成としているが、一次抽選にかえて、受領ユーザの好みに合った選定対象ユーザを選定候補ユーザとして選択する処理や、受領ユーザの好みに合わない選定対象ユーザを除外することで選定候補ユーザを選択する処理を行うようにしてもよい。具体的には、例えば、フレンドリスト521(図11を参照)に登録されている選定対象ユーザを選定候補ユーザとして選択する処理を行うこととしてもよい。或いは、ブロックリスト524(図11を参照)に登録されている選定対象ユーザを除外して、残った選定対象ユーザを選定候補ユーザとする処理を行うのでもよい。
【0103】
(4)ランダムに選定候補ユーザを選択する制御手順について
ランダムに選定候補ユーザを選択する制御手順は、選定候補ユーザをランダムに選択することで、所定の候補人数まで選定対象ユーザを絞る制御手順P512である。つまり、制御手順P512を適用した一次抽選では、選定対象ユーザの中から候補人数の選定候補ユーザが無作為に選ばれる。選定対象ユーザの中から候補人数の選定候補ユーザを等確率で選択する制御手順としてもよい。
【0104】
(5)提供ユーザの情報に基づく制御手順について
提供ユーザの情報に基づく制御手順には、例えば、人気度に基づく制御手順P521と、創作スキルレベルに基づく制御手順P522と、販売実績数に基づく制御手順P523と、抽選実績数に基づく制御手順P524と、提供ユーザ別出品数量に基づく制御手順P525と、が含まれる。創作スキルレベルについては、生成時点での創作スキルレベルを用いてもよい。
【0105】
人気度に基づく制御手順P521は、各選定候補ユーザのそれぞれにその人気度519に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順である。人気度519が高いほど抽選確率を高くする設定の制御手順としてもよいし、人気度519が低いほど抽選確率を高くする設定の制御手順としてもよい。もちろん、(5)の分類に両方の制御手順を含める構成でもよい。
【0106】
創作スキルレベルに基づく制御手順P522は、各選定候補ユーザのそれぞれにその創作スキルレベル517に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順である。創作スキルレベル517が高いほど抽選確率を高くする設定の制御手順としてもよいし、創作スキルレベル517が低いほど抽選確率を高くする設定の制御手順としてもよい。もちろん、(5)の分類に両方の制御手順を含める構成でもよい。
【0107】
販売実績数に基づく制御手順P523は、各選定候補ユーザのそれぞれにその販売実績数に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順である。販売実績数が多いほど抽選確率を高くする設定の制御手順としてもよいし、販売実績数が少ないほど抽選確率を高くする設定の制御手順としてもよい。もちろん、(5)の分類に両方の制御手順を含める構成でもよい。
【0108】
抽選実績数に基づく制御手順P524は、各選定候補ユーザのそれぞれにその抽選実績数に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順である。抽選実績数が多いほど抽選確率を高くする設定の制御手順としてもよいし、抽選実績数が少ないほど抽選確率を高くする設定の制御手順としてもよい。もちろん、(5)の分類に両方の制御手順を含める構成でもよい。
【0109】
提供ユーザ別出品数量に基づく制御手順P525は、各選定候補ユーザのそれぞれにその提供ユーザ別出品数量に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順である。提供ユーザ別出品数量が多いほど抽選確率を高くする設定の制御手順としてもよいし、提供ユーザ別出品数量が少ないほど抽選確率を高くする設定の制御手順としてもよい。もちろん、(5)の分類に両方の制御手順を含める構成でもよい。
【0110】
なお、その他にも、各選定候補ユーザのそれぞれに出品実績数に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順や、各選定候補ユーザのそれぞれに生成実績(例えばユーザ生成オブジェクトの生成数等)に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順等を含めてもよい。
【0111】
(6)提供オブジェクトのオブジェクト情報に基づく制御手順について
提供オブジェクトのオブジェクト情報に基づく制御手順には、選定候補ユーザが提供している提供オブジェクトのレア度に基づく制御手順P526と、選定候補ユーザが提供している提供オブジェクトの生成時間601に基づく制御手順P527と、が含まれる。
【0112】
レア度に基づく制御手順P526は、各選定候補ユーザのそれぞれにその提供オブジェクトのレア度に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順である。例えば、レア度が高いほど抽選確率を高くする設定の制御手順とすることができる。
【0113】
生成時間601に基づく制御手順P527は、各選定候補ユーザのそれぞれにその提供オブジェクトの生成時間601に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順である。例えば、生成時間601が長いほど抽選確率を高くする設定の制御手順とすることができる。
【0114】
なお、その他にも、各選定候補ユーザのそれぞれにその提供オブジェクトの工程数603に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順や、各選定候補ユーザのそれぞれにその提供オブジェクトの出品時刻に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順、各選定候補ユーザのそれぞれにその提供オブジェクトのレア度とは別のパラメータ値595に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順、各選定候補ユーザのそれぞれにその提供オブジェクトの種類(オブジェクト種類)に定められた人気度に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順等を含めることもできる。
【0115】
(7)受領ユーザの情報に基づく制御手順について
受領ユーザの情報に基づく制御手順には、受領ユーザが過去に受領したオブジェクトの提供ユーザに関する参照情報に基づく制御手順P528と、受領ユーザによって予め指定された提供ユーザに関する参照情報に基づく制御手順P529と、が含まれる。
【0116】
制御手順P528では、例えば、提供ユーザ別受領数データ545を参照情報として用いる。すなわち、制御手順P528は、各選定候補ユーザのそれぞれに受領ユーザの提供ユーザ別受領数に応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順である。例えば、受領ユーザの提供ユーザ別受領数が多いほど抽選確率を高くする設定の制御手順とすることができる。
【0117】
制御手順P529では、例えば、お気に入り提供ユーザ設定523を参照情報として用いる。すなわち、制御手順P529は、各選定候補ユーザのそれぞれに受領ユーザのお気に入り提供ユーザ設定523における順位付けに応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順である。
【0118】
なお、その他にも、各選定候補ユーザのそれぞれに受領ユーザのフレンドリスト521に登録されているか否かに応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順や、各選定候補ユーザのそれぞれに受領ユーザのブロックリスト524に登録されているか否かに応じた抽選確率を設定し、設定した抽選確率に基づく抽選を行って選定提供ユーザを決定する制御手順等を含めることもできる。
【0119】
(8)ランダムに選定提供ユーザを決定する制御手順について
ランダムに選定提供ユーザを決定する制御手順は、選定候補ユーザの中から1人をランダムに選んで、選定提供ユーザを決定する制御手順P530である。つまり、制御手順P530を適用した二次抽選では、選定候補ユーザの中から選定提供ユーザが無作為に選ばれる。選定候補ユーザの中から選定提供ユーザを等確率で選択する制御手順としてもよい。
【0120】
以上説明した選定提供ユーザ決定処理によれば、一次抽選用制御手順を選出することで抽選規準を可変に制御して一次抽選を行い、選定対象ユーザの中から選定候補ユーザを選択することができる。続いて、二次抽選用制御手順を選出することで抽選規準を可変に制御して二次抽選を行い、選定候補ユーザの中から選定提供ユーザを決定することができる。そのため、知名度や人気の高い(本実施形態では人気度519の高い)提供ユーザが選定提供ユーザとして決定されるとは限らない。人気度519の低い提供ユーザが選定提供ユーザとして決定されることもある。そして、本実施形態では、決定した選定提供ユーザの提供オブジェクトが、受領ユーザとの取引対象オブジェクトとされる。したがって、人気度519の高い提供ユーザ等に偏らずに、提供オブジェクトの取引の機会を提供することが可能となる。
【0121】
なお、本実施形態では、上記したように、選定提供ユーザ決定処理で決定された提示対象分類項目毎の選定提供ユーザの提供オブジェクトを、取引対象オブジェクトとする。そして、図6の(b)の商品選択画面W2にて取引対象オブジェクトを並べて表示することで受領ユーザに提示するが、当該表示にあたって、取得対象オブジェクトの表示サイズを制御する変形例としてもよい。図9は、本変形例の商品選択画面W21における取引対象オブジェクトの表示例を示す図である。なお、図9では、取引対象オブジェクトの表示を簡略化して四角形で示している。
【0122】
本変形例では、各取引対象オブジェクトの表示サイズを、当該取引対象オブジェクトに係る選定提供ユーザを選定提供ユーザ決定処理で決定した際に用いた抽選確率、より詳細には、二次抽選で当該選定提供ユーザに設定した抽選確率に応じた表示サイズとする。例えば、抽選確率が高いほど大きく、抽選確率が低いほど小さくなるように、各取引対象オブジェクトの表示サイズを制御する。図9の例では、表示サイズが大きい取引対象オブジェクトO61は、その選定提供ユーザが高い抽選確率で抽選されたことを示し、表示サイズが小さい取引対象オブジェクトO63は、その選定提供ユーザが低い抽選確率で抽選されたことを示している。これによれば、表示サイズの制御によって、抽選確率の高かった選定提供ユーザの取引対象オブジェクトが目につき易い表示を実現できる。
【0123】
[機能構成]
1.サーバシステム
図10は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。図10に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0124】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0125】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0126】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0127】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理およびユーザID(アカウント)に紐付けられる各登録ユーザのデータの管理を行う。例えば、登録ユーザへの固有のアカウントの付与処理、アカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログインおよびログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0128】
課金処理部220は、ユーザによるゲームコインの購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当のゲームコインを当該ユーザに付与する。
【0129】
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームはクライアント・サーバ型のオンラインゲームであるので、ゲーム管理部230は、ユーザ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。
【0130】
また、ゲーム管理部230は、生成処理部231と、管理部233と、提示制御部237と、受領制御部245と、特典付与制御部249と、を含む。
【0131】
生成処理部231は、ユーザ生成オブジェクトの生成機能を実現するための処理を行う機能部であり、ユーザの操作に基づいて、ユーザ生成オブジェクトを生成する。
【0132】
管理部233は、提供オブジェクト毎に、提供ユーザと、当該オブジェクトの分類項目と、を対応付けて管理する。本実施形態では、管理部233は、ユーザの出品操作を受け付けた場合には、当該出品操作に係る提供オブジェクトを提供オブジェクト管理テーブル613に登録し、提供オブジェクトについて取引が実行されて受領ユーザの受領が完了した場合には、当該提供オブジェクトを提供オブジェクト管理テーブル613から削除する。
【0133】
この管理部233は、出品可否判定部235を有する。出品可否判定部235は、ユーザの出品操作を検出した場合に出品可否判定を行って、「出品可」と判定したら、当該出品操作を受け付ける。具体的には、出品可否判定部235は、出品操作を行った提供ユーザのユーザ別出品状況管理テーブル620から出品先のショップ別出品数データ623を読み出し、当該出品操作に係る提供オブジェクトに対応する分類項目の出品数が所定の上限個数に達していなければ、「出品可」と判定する。
【0134】
提示制御部237は、取引(購入)を希望して仮想空間内のショップを訪れた受領ユーザに対し、所与の提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトであって、選定提供ユーザが提供している提供オブジェクトを取引対象オブジェクトとして受領ユーザに提示する。この提示制御部237は、提示対象分類項目決定部239と、選定提供ユーザ決定部241と、を有する。
【0135】
提示対象分類項目決定部239は、受領ユーザが訪れたショップの提供種類585(図12を参照)に従って、その分類項目リスト587の各分類項目を提示対象分類項目として決定する。
【0136】
選定提供ユーザ決定部241は、提示対象分類項目毎に選定提供ユーザ決定処理を実行する機能部であり、各提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザ(選定対象ユーザ)の中から、当該提示対象分類項目に係る選定提供ユーザを決定する。本実施形態では、選定提供ユーザ決定部241は、選定対象ユーザの中から選定候補ユーザを選択するための一次抽選と、選定候補ユーザの中から選定提供ユーザを選択するための二次抽選と、を行う抽選処理によって、選定提供ユーザを抽選・決定する。この選定提供ユーザ決定部241は、抽選規準制御部243を有する。
【0137】
抽選規準制御部243は、予め定められた抽選規準の制御手順(図8を参照)の中から、今回の一次抽選に適用する一次抽選用制御手順と、今回の二次抽選に適用する二次抽選用制御手順と、を選出することで、選定提供ユーザの抽選に用いる抽選規準を可変に制御する。
【0138】
受領制御部245は、提示制御部237により提示された提供オブジェクト(提示対象分類項目毎の取引対象オブジェクト)を特定する受領ユーザの特定指示を受け付けて、当該特定指示により特定された提供オブジェクトを受領ユーザが受領可能に制御する。この受領制御部245は、取引実行制御部247を有する。
【0139】
取引実行制御部247は、取引実行機能を実現するための処理を行う機能部であり、受領ユーザによる提供オブジェクトの購入操作を受け付けた場合に、その取引の実行を制御する。
【0140】
特典付与制御部249は、受領ユーザによる取引対象オブジェクトの受領が完了した後に、選定提供ユーザに所与の特典を付与する制御を行う。
【0141】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0142】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0143】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0144】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばユーザ端末1500)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0145】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0146】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0147】
通信部394sは、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0148】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0149】
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム設定データ550と、特典データ560と、一次抽選用制御手順データ571と、二次抽選用制御手順データ573と、ショップデータ580と、ユーザ生成オブジェクト情報590と、ショップ別提供オブジェクト管理テーブル610(図5を参照)と、ユーザ別出品状況管理テーブル620(図4を参照)と、が格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種テーブルや閾値、フラグ等の必要なデータが適宜格納される。
【0150】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210、課金処理部220、およびゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0151】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、ユーザ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(図14を参照)の原本である。
【0152】
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたユーザ毎に用意され、該当するユーザのユーザ情報を含む当該ユーザのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。具体的には、1つのユーザ管理データ510は、図11に示すように、当該ユーザのユーザID511と、ユーザ名512と、決済媒体帳簿データ513と、プレイレベル515と、創作スキルレベル517と、人気度519と、フレンドリスト521と、お気に入り提供ユーザ設定523と、ブロックリスト524と、所有オブジェクト情報525と、プレイ履歴データ527と、生成履歴データ529と、取引履歴データ530と、生成実績データ535と、取引実績データ540と、を含む。また、その他にも、当該ユーザのゲームのプレイ状況に係るセーブデータや、年齢、性別、誕生日等の個人情報等を格納する。
【0153】
決済媒体帳簿データ513は、当該ユーザに紐付けられる電子決済媒体(本実施形態ではゲームコイン)の収支の情報、例えば、ゲームコインの購入日時や購入数(課金額)の履歴、ゲームコインの消費日時や消費数の履歴等を格納する。
【0154】
フレンドリスト521は、当該ユーザによってフレンド登録されたユーザのユーザIDを格納する。お気に入り提供ユーザ設定523は、当該ユーザによってお気に入りの提供ユーザとして指定されたユーザのユーザIDを、当該提供ユーザについて指定されたお気に入りの順番と対応付けて格納する。ブロックリスト524は、当該ユーザによって取引を希望しない提供ユーザとして指定されたユーザのユーザIDを格納する。
【0155】
所有オブジェクト情報525は、当該ユーザがゲームの過程で入手したり、マーケットで購入する等して、現時点で所有しているキャラクタやアイテム等のゲームオブジェクトのリストを格納する。所有するユーザ生成オブジェクトについては、創作者のユーザIDと対応付けて設定される。
【0156】
プレイ履歴データ527は、当該ユーザのゲームのプレイ日時やプレイ時間等を格納する。
【0157】
生成履歴データ529は、当該ユーザが生成したユーザ生成オブジェクト毎に、当該ユーザ生成オブジェクトのオブジェクトIDや、生成日時等を格納する
【0158】
取引履歴データ530は、提供履歴データ531と、受領履歴データ533と、を含む。提供履歴データ531は、当該ユーザが提供ユーザとして行った取引毎に、取引の対象となった(本実施形態では販売した)ユーザ生成オブジェクトのオブジェクトIDや、受領ユーザのユーザID、取引日時等を格納する。受領履歴データ533は、当該ユーザが受領ユーザとして行った取引毎に、取引の対象となった(本実施形態では購入した)ユーザ生成オブジェクトのオブジェクトIDや、提供ユーザのユーザID、取引日時等を格納する。
【0159】
生成実績データ535は、例えば、当該ユーザが生成したユーザ生成オブジェクトの生成数等を格納する。
【0160】
取引実績データ540は、提供実績データ541と、受領実績データ543と、を含む。提供実績データ541は、例えば、当該ユーザが提供ユーザとして出品した出品数を分類項目別に集計した分類項目別出品数や、出品したうちの取引が成立した販売数を分類項目別に集計した分類項目別販売数等を格納する。受領実績データ543は、提供ユーザ別受領数データ545を含む。提供ユーザ別受領数データ545は、当該ユーザが受領ユーザとして受領した(購入した)受領数を提供ユーザ別に集計した提供ユーザ別受領数を格納する。その他にも、例えば、当該ユーザが受領ユーザとして受領した(購入した)受領数を分類項目別に集計した分類項目別受領数等を格納する。
【0161】
図10に戻る。ゲーム設定データ550は、本実施形態のオンラインゲームを実行するために必要な各種設定データを格納する。例えば、ゲームに登場するキャラクタの種類や各種パラメータ値、モデルデータ、動作制御に用いるモーションデータ等を定義するキャラクタ設定データ、ゲームの過程でプレーヤが入手し得るアイテム等の各種ゲームオブジェクトに係るオブジェクト定義データ、ゲームステージの設定に係るステージ設定データ、マーケットを含む各種ゲームスポットの設定等を格納する。
【0162】
特典データ560には、選定対象ユーザに付与する特典の内容が設定される。本実施形態では、受領ユーザによる取引対象オブジェクトの受領が完了した場合であって、当該取引対象オブジェクトの提供ユーザを選定提供ユーザとして決定した抽選処理で用いた抽選確率の値が、所定の基準値より小さい場合に付与される特典の内容が設定される。
【0163】
一次抽選用制御手順データ571は、図8に一覧で示した一次抽選用制御手順の各制御手順(制御手順P501~P509等)を実現するための設定データである。また、二次抽選用制御手順データ573は、図8の二次抽選用制御手順の各制御手順(制御手順P511~P517等)を実現するための設定データである。
【0164】
ショップデータ580は、仮想空間内のショップ(例えば、図3の(c)に示すショップSa~Sd)毎に用意される。図12に示すように、1つのショップデータ580は、ショップID581と、ショップ名583と、提供種類585と、分類項目リスト587と、を含む。分類項目リスト587は、対応する提供種類585について設定された分類項目の一覧を格納する。
【0165】
ユーザ生成オブジェクト情報590は、ユーザ生成オブジェクト毎に用意され、新たにユーザ生成オブジェクトが生成されるたびに、生成処理部231によって当該ユーザ生成オブジェクトについて生成されて追加される。具体的には、1つのユーザ生成オブジェクト情報590は、図13に示すように、当該ユーザ生成オブジェクトのオブジェクトID591と、創作者情報593と、オブジェクト種類594と、パラメータ値595と、生成過程情報600と、を含む。
【0166】
創作者情報593は、当該ユーザ生成オブジェクトの創作者のユーザIDや、当該ユーザ生成オブジェクトの生成時点での創作スキルレベル等を格納する。
【0167】
パラメータ値595は、当該ユーザ生成オブジェクトの各種能力値やスキル、属性、レア度等の各種パラメータ値を格納する。
【0168】
生成過程情報600は、当該ユーザオブジェクトの生成に要した時間である生成時間601や、当該ユーザオブジェクトの生成に要した工程数603等を格納する。
【0169】
2.ユーザ端末
図14は、ユーザ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。図14に示すように、ユーザ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0170】
操作入力部100は、ユーザが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0171】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、ユーザ端末1500の動作を統括制御する。図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、ユーザ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0172】
ユーザ端末演算部270は、ユーザ端末1500をユーザのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、ユーザ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、画面表示制御部273とを含む。
【0173】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0174】
画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面等を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム1100にて生成されるが、ゲーム空間画像をユーザ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
【0175】
画像生成部290は、画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
【0176】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0177】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0178】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0179】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0180】
通信部394は、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0181】
端末記憶部500には、ユーザ端末1500を動作させ、ユーザ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0182】
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502が格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をユーザ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラムおよびインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(図10を参照)のコピーとする。
【0183】
[処理の流れ]
図15は、サーバシステム1100における処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。
【0184】
本処理では、ユーザ端末1500における提供ユーザの出品操作を検出した場合は(ステップS1:YES)、出品可否判定部235が、当該提供ユーザのユーザ別出品状況管理テーブル620において出品先のショップ別出品数データ623を参照し、出品操作に係る提供オブジェクトの分類項目について設定されている出品数を読み出して、出品可否判定を行う(ステップS3)。すなわち、出品可否判定部235は、読み出した出品数が上限個数に達していない場合に「出品可」と判定して(ステップS5:YES)、ステップS1で検出した出品操作を受け付ける。そして、出品操作を受け付けたならば、管理部233が、提供オブジェクト(当該提供オブジェクトのオブジェクトID)と、提供ユーザ(当該提供ユーザのユーザID)と、分類項目と、を対応付けて出品先のショップ別提供オブジェクト管理テーブル610において提供オブジェクト管理テーブル613に登録して、提供オブジェクトを出品先のショップに出品する(ステップS7)。
【0185】
また、本処理では、ユーザ(受領ユーザ)がユーザキャラクタを操作して仮想空間内のショップを訪れた場合は(ステップS9:YES)、提示対象分類項目決定部239が、提示対象分類項目を決定する(ステップS11)。本実施形態では、当該ショップの分類項目リスト587の各分類項目を、それぞれ提示対象分類項目として決定する。
【0186】
続いて、ステップS11で決定された全ての提示対象分類項目を順次処理対象として、ループDの処理を実行する(ステップS13~ステップS19)。すなわち、ループDでは、先ず、選定提供ユーザ決定部241が選定提供ユーザ決定処理を実行して、処理対象の提示対象分類項目について選定提供ユーザを決定する(ステップS15)。図16は、選定提供ユーザ決定処理の流れを示すフローチャートである。
【0187】
図16に示すように、選定提供ユーザ決定処理では、選定提供ユーザ決定部241は、先ず、該当するショップ別提供オブジェクト管理テーブル610の提供オブジェクト管理テーブル613から、処理対象の提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを抽出する(ステップS103)。続いて、抽選規準制御部243が、一次抽選用制御手順データ571の中から1つを例えばランダムに選び、今回の一次抽選に適用する一次抽選用制御手順を選出する(ステップS105)。そして、選定提供ユーザ決定部241が、ステップS105で選出された一次抽選用制御手順に従って抽選規準を可変に制御して一次抽選を行い、ステップS103で抽出された提供オブジェクトを提供している選定対象ユーザの中から、所定の候補人数の選定候補ユーザを選択する(ステップS107)。
【0188】
続いて、抽選規準制御部243が、二次抽選用制御手順データ573の中から1つを例えばランダムに選び、今回の二次抽選に適用する二次抽選用制御手順を選出する(ステップS109)。そして、選定提供ユーザ決定部241が、ステップS109で選出された二次抽選用制御手順に従って抽選規準を可変に制御して二次抽選を行い、ステップS107で選択された候補人数の選定候補ユーザの中から1人を選択することで、選定提供ユーザを決定する(ステップS111)。
【0189】
選定提供ユーザを決定したならば、図15のステップS17に移行し、ステップS15で決定された選定提供ユーザの提供オブジェクトを、処理対象の提示対象分類項目の取引対象オブジェクトとする。
【0190】
全ての提示対象分類項目についてループDの処理を実行したならば、提示制御部237が、提示対象分類項目毎の取引対象オブジェクトを受領ユーザに提示するとともに(ステップS21)、受領制御部245が、取引対象オブジェクトを特定する受領ユーザの特定指示を受け付けて、当該取引対象オブジェクトを受領ユーザが受領可能に制御する(ステップS23)。例えば、受領ユーザのユーザ端末1500に図6の(b)の商品選択画面W2を表示する制御を行って提示対象分類項目毎の取引対象オブジェクトを提示し、チェックボックスCB2のチェックによって取引対象オブジェクトの特定指示を受け付けるとともに、確定ボタンB2によって購入操作を受け付ける制御がこれに該当する。
【0191】
そして、受領ユーザの購入操作を受け付けた場合には(ステップS25:YES)、取引実行制御部247が取引を実行し、受領ユーザに取引対象オブジェクトを付与する制御を行う(ステップS27)。ここでの処理により、受領ユーザによる取引対象オブジェクトの受領が完了する。
【0192】
その後は、特典付与制御部249が、選定提供ユーザに特典を付与する制御を行う(ステップS29)。本実施形態では、特典付与制御部249は、今回取引が成立した提供オブジェクトの提供ユーザを選定提供ユーザとして決定した際に用いた抽選確率(具体的には、図15のステップS111の二次抽選で当該提供ユーザに設定した抽選確率)の値が所定の基準値より小さい場合に、特典データ560に従って、選定ユーザに特典を付与する。
【0193】
そして、ステップS31で終了判定を行い、終了と判定するまでは(ステップS31:NO)、ステップS1に戻って上記した処理を繰り返す。
【0194】
以上説明したように、本実施形態によれば、取引を希望して受領ユーザが仮想空間内のショップを訪れた場合に、当該ショップの提供種類の分類項目を、提示対象分類項目として決定する。そして、提示対象分類項目毎に、先ず、一次抽選を行って、当該提示対象分類項目に対応する提供オブジェクトを提供している選定対象ユーザの中から選定候補ユーザを選択する。その際、ランダムに選出した一次抽選用制御手順に従って抽選規準を可変に制御する。続いて、二次抽選を行って、選定候補ユーザの中から選定提供ユーザを決定する。その際は、ランダムに選出した二次抽選用制御手順に従って抽選規準を可変に制御する。したがって、その都度抽選規準を可変に制御して、提示対象分類項目毎に、抽選で、選定提供ユーザを決定することができる。
【0195】
そして、提示対象分類項目毎に決定した選定提供ユーザの提供オブジェクトである取引対象オブジェクトを受領ユーザに提示し、取引対象オブジェクトを特定する特定指示を受け付けるとともに、当該特定指示により特定された取引対象オブジェクトの購入操作を受け付けることで、当該取引対象オブジェクトを受領ユーザが受領可能に制御する。これによれば、受領ユーザは、提供ユーザの知名度や人気に左右されずに、抽選で決定された選定提供ユーザの提供オブジェクトそのものを見て、受領するかどうか(購入するかどうか)を判断することとなる。取引対象オブジェクトが気に入った場合は受領し、気に入らない場合は受領しなければよい。したがって、知名度や人気に影響されることなく、あらゆる提供ユーザに取引の機会を提供することが可能となる。
【0196】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0197】
[変形例1]
例えば、上記実施形態では、1つのショップが1つのオブジェクト種類(提供種類)の提供オブジェクトを取り扱うオブジェクト種類毎のショップを例示したが、1つのショップが複数種類の提供オブジェクトを取り扱う場合にも同様に適用が可能である。また、提供種類に係る全ての分類項目を提示対象分類項目とし、提示対象分類項目毎に1つずつ取引対象オブジェクトを提示する例を説明したが、ユーザによる分類項目の選択指示を受け付けて、提示対象分類項目を絞り込む構成も可能である。
【0198】
受領ユーザがユーザキャラクタを操作して仮想空間内のショップを訪れると、ユーザ端末1500には、図17の(a)に示す分類項目選択画面W23が表示される。ユーザ(受領ユーザ)は、分類項目選択画面W23において、所望する商品の分類項目を選択する選択指示を行う。その際、受領ユーザは、分類項目を1つだけ選択することもできるし、複数選択することもできる。サーバシステム1100は、受領ユーザによって1つ又は複数の分類項目を選択する選択指示がなされた場合に、当該選択指示に係る分類項目を提示対象分類項目として決定することで、提示対象分類項目の絞り込みを行う。なお、分類項目の選択指示は、入力欄IB21に分類項目を示すキーワードを入力して行う構成でもよい。その場合は、サーバシステム1100は、入力されたキーワードが示す分類項目を提示対象分類項目として決定する。入力欄IB21に複数の分類項目を示すキーワードが入力された場合には、各分類項目のそれぞれを提示対象分類項目として決定すればよい。
【0199】
そして、サーバシステム1100は、提示対象分類項目を決定したならば、決定した提示対象分類項目毎に選定提供ユーザを決定する。そして、サーバシステム1100は、選定提供ユーザの提供オブジェクトを当該提示対象分類項目に係る取引対象オブジェクトとして、受領ユーザに提示する。例えば、図17の(a)の分類項目選択画面W23において、受領ユーザが、提供種類「Tシャツ」の分類項目の中から「青色Tシャツ」の選択指示をしたとする。その場合は、サーバシステム1100は、「青色Tシャツ」を提示対象分類項目として決定し、「青色Tシャツ」に対応する提供オブジェクトを提供している提供ユーザの中から選定提供ユーザを決定する。そして、サーバシステム1100は、図17の(b)の商品選択画面W25において、決定した選定提供ユーザの提供オブジェクト(例えば、ユーザBの提供オブジェクト)を、取引対象オブジェクトO1として提示する。
【0200】
[変形例2]
また、上記実施形態では、商品選択画面における取引対象オブジェクトの提示に際し、当該取引対象オブジェクトの提供ユーザである選定提供ユーザについても併せて提示する例を示した。これに対し、取引対象オブジェクトを、選定提供ユーザを不特定状態で受領ユーザに提示する構成としてもよい。
【0201】
図18の(a)は、本変形例における商品選択画面W27を示している。商品選択画面W27には、上記実施形態で図6の(b)に示したのと同様に、提示対象分類項目毎の取引対象オブジェクトO1,O21~O24等が並べて表示されて、受領ユーザに提示される。ただし、本変形例では、取引対象オブジェクトO1,O21~O24等は、その選定提供ユーザ(当該取引対象オブジェクトを提供している提供ユーザ)が特定できない状態で提示される。個々の取引対象オブジェクトO1,O21~O24等を選択した場合に表示される詳細画面(不図示)においても、選定提供ユーザの情報は非表示となる。
【0202】
そのために、サーバシステム1100は、提示対象分類項目毎の取引対象オブジェクトを、選定提供ユーザを不特定状態で(選定提供ユーザを非通知とした状態で)受領ユーザに提示する制御を行う。また、受領ユーザによって取引を希望する取引対象オブジェクトの特定指示(例えば、チェックボックスCB2-1のチェックによって取引対象オブジェクトO1を特定する特定指示)がなされ、確定ボタンB2によって購入操作がなされたときには、サーバシステム1100は、必要な課金処理等を行って取引を実行し(図18の(b))、特定された取引対象オブジェクトを受領ユーザに付与する。そして、受領ユーザによる取引対象オブジェクトの受領が完了したならば、サーバシステム1100は、通知制御手段として、取引の実行前の図18の(a)の商品選択画面W27の表示の段階では不特定状態としていた選定提供ユーザ(受領ユーザが今回受領した取引対象アイテムの提供ユーザ)を受領ユーザに通知する制御を行う。例えば、取引対象オブジェクトの受領完了後には、図18の(c)に示す受領完了画面W37が表示されるようになっており、この受領完了画面W37にて選定提供ユーザの情報(本例では、受領した取引対象オブジェクトO1の提供ユーザがユーザBである旨)が受領ユーザに通知される。
【0203】
本変形例によれば、受領ユーザは、提供ユーザが誰なのかわからない状態で取引を行うこととなる。したがって、受領ユーザは、提供ユーザの知名度や人気に左右されずに、提示された提供オブジェクト(取引対象オブジェクト)そのものを見て受領するかを判断するといったことが可能となる。したがって、提供オブジェクトを提供している提供ユーザに取引の機会を広く提供することが可能となる。
【0204】
[その他の変形例]
また、上記実施形態では、取引の対象とするオブジェクトとして自作のユーザ生成オブジェクトを例示した。これに対し、例えば、ゲームプレイ中にドロップアイテムやイベントのクリア報酬、ログインボーナス等としてゲーム空間(仮想空間)で入手したゲームオブジェクトを、提供オブジェクトとして出品・販売する場合にも同様に適用できる。また、過去の取引で受領した他のユーザのユーザ生成オブジェクトを取引の対象に含めることもできる。
【0205】
また、提供ユーザと受領ユーザとの間の取引の形態は、例示した有償での譲渡に限らず、提供ユーザの提供オブジェクトを受領ユーザの所有オブジェクトと交換するトレードや、無償で行う譲渡等でもよい。また、有償での譲渡の場合において、取引価格の一部を手数料として運営側が徴収する構成としてもよい。その他、取引自体は無償で行い、提供ユーザに対して取引のたびに特典を付与する構成とすることもできる。その場合は、上記実施形態と同様に、ゲームを有利に進めることができる特典を設定しておくとよい。
【0206】
また、上記実施形態では、仮想空間としてゲーム空間を例示したが、アバターを介してユーザ同士が交流するメタバース等の仮想空間にも同様に適用できる。その場合は、アバターの着せ替えに用いる服飾品や、メタバース空間内で使用可能なアイテム等のオブジェクトが取引の対象となる。
【0207】
また、最終的に選定提供ユーザを決定するまでに、一次抽選と二次抽選との両方を行うこととして説明したが、どちらか一方を行って選定提供ユーザを決定することとしてもよい。一次抽選のみを行う場合は、例えば、順位付けの結果が1位の提供ユーザを選定提供ユーザとすることができる。また、一次抽選を行うに当たってランダムに選出した一次抽選用制御手順に従って抽選規準を可変に制御することとしたが、一次抽選用制御手順の選出順番を予め決めておき、選出する必要が発生する都度、その順番で一次抽選用制御手順を選出することを繰り返すこととしてもよい。二次抽選も同様に、二次抽選用制御手順の選出順番を予め決めておき、選出する必要が発生する都度、その順番で二次抽選用制御手順を選出することを繰り返すこととしてもよい。選出順番が決まっていたとしても、選出する必要が発生する頻度やタイミングは、受領ユーザの数や、受領ユーザの選択指示のタイミング等によって変化するため、同じ受領ユーザにとってはあたかもランダムに選出されているかのように思えるであろう。
【符号の説明】
【0208】
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
220…課金処理部
230…ゲーム管理部
231…生成処理部
233…管理部
235…出品可否判定部
237…提示制御部
239…提示対象分類項目決定部
241…選定提供ユーザ決定部
243…抽選規準制御部
245…受領制御部
247…取引実行制御部
249…特典付与制御部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
510…ユーザ管理データ
513…決済媒体帳簿データ
515…プレイレベル
517…創作スキルレベル
519…人気度
521…フレンドリスト
523…お気に入り提供ユーザ設定
524…ブロックリスト
525…所有オブジェクト情報
527…プレイ履歴データ
529…生成履歴データ
530…取引履歴データ
535…生成実績データ
540…取引実績データ
550…ゲーム設定データ
560…特典データ
571…一次抽選用制御手順データ
573…二次抽選用制御手順データ
580…ショップデータ
585…提供種類
587…分類項目リスト
590…ユーザ生成オブジェクト情報
593…創作者情報
594…オブジェクト種類
595…パラメータ値
600…生成過程情報
610…ショップ別提供オブジェクト管理テーブル
620…ユーザ別出品状況管理テーブル
1500…ユーザ端末
100…操作入力部
200…端末処理部
270…ユーザ端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…画面表示制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
N…ネットワーク
2…ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18