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特開2024-132614コンピュータシステム、取扱サービス実行制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132614
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、取扱サービス実行制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240920BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240920BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240920BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F13/79 520
A63F13/79
G06Q30/0207
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043457
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】中村 宙史
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L030BB50
5L049BB07
5L049BB50
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザ間で行う取引に際し、広くユーザに取引の機会を提供可能な技術を提供すること。
【解決手段】サーバシステム1100は、オブジェクトをユーザ間での取引の対象として取り扱う取引サービスの実行を制御する。サーバシステム1100は、出品オブジェクトを出品する出品ユーザに基づく取引サービス選定条件に従って、複数の取引サービスの中から選定取引サービスを選定する選定部233と、出品オブジェクトを選定取引サービスの取扱対象に含ませる割当制御を行う割当制御部235と、を備える。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトをユーザ間での取引の対象として取り扱う取引サービスの実行を制御するためのコンピュータシステムであって、
出品オブジェクトを出品する出品ユーザに基づく取引サービス選定条件に従って、複数の取引サービスの中から選定取引サービスを選定する選定手段と、
前記出品オブジェクトを前記選定取引サービスの取扱対象に含ませる割当制御を行う割当制御手段と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
過去及び/又は現在の前記取引に関するユーザ毎の情報を管理する管理手段、
を更に備え、
前記取引サービス選定条件は、前記管理手段により管理された前記出品ユーザの情報に基づく条件を少なくとも含む、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記管理手段は、前記ユーザ毎の情報として、当該ユーザ以外のユーザによって評価された評価情報を管理し、
前記取引サービス選定条件は、前記管理手段により管理された前記出品ユーザの前記評価情報に基づく条件を少なくとも含む、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記管理手段は、前記ユーザ毎の情報として、前記取引の実績情報を管理し、
前記取引サービス選定条件は、前記管理手段により管理された前記出品ユーザの前記実績情報に基づく条件を少なくとも含む、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記複数の取引サービスには、受領ユーザに提供するオブジェクトを抽選する抽選処理を含む第1種と、前記抽選処理を含まない第2種とがあり、
前記第1種の取引サービスは、前記抽選処理の設定が異なる取引サービスを含み、
前記実績情報は、前記第2種の取引サービスでの取引実績の情報であり、
前記選定手段は、前記出品ユーザの前記実績情報に基づく条件に従って、前記第1種の取引サービスに含まれる取引サービスの中から前記選定取引サービスを選定する、
請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記複数の取引サービスには、受領ユーザに提供するオブジェクトを抽選する抽選処理を含む第1種の取引サービスがあり、
前記第1種の取引サービスは、前記抽選処理の設定が異なる取引サービスを含み、
前記選定手段は、前記管理手段により管理された前記出品ユーザの情報に基づく条件に従って、前記第1種の取引サービスに含まれる取引サービスの中から前記選定取引サービスを選定する、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記複数の取引サービスには、受領ユーザに提供するオブジェクトを抽選する抽選処理を含まない第2種の取引サービスがあり、
前記第2種の取引サービスは、当該取引サービスで取り扱うオブジェクトの混在度合、又は、取り扱うオブジェクトを出品するユーザの混在度合に応じた複数の取引サービスを含み、
前記選定手段は、前記管理手段により管理された前記出品ユーザの情報に基づく条件に従って、前記第2種の取引サービスに含まれる取引サービスの中から前記選定取引サービスを選定する、
請求項2又は6に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記ユーザ毎の情報に基づいて各ユーザを格付けする格付け手段、
を更に備え、
前記取引サービス選定条件は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件を少なくとも含む、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記複数の取引サービスには、予め類別が設定されており、
前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、
請求項8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記類別には、少なくとも優劣が定められた分類があり、
前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従い、当該格付け結果が高いほど、前記優劣が定められた分類のうちの優位な分類の類別を選択する、
請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記類別には、仮想空間中の取引が可能となる場所に応じた地理的類別が含まれ、
前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記地理的類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、
請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記類別には、当該取引サービスで取り扱うオブジェクトを出品するユーザの混在度合に応じた取扱ユーザ混在類別が含まれ、
前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記取扱ユーザ混在類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、
請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記類別には、当該取引サービスで取り扱うオブジェクトの種類に応じた取扱オブジェクト類別が含まれ、
前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記取扱オブジェクト類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、
請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記類別には、当該取引サービスでの取引対価に応じた取引対価類別が含まれ、
前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記取引対価類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、
請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記類別には、当該取引サービスにおいて出品するユーザが取引対価を設定可能な範囲が異なる対価可変範囲類別が含まれ、
前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記対価可変範囲類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、
請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
前記類別には、当該取引サービスにおいて出品したユーザが受け取る取引成立後の特典の違いに応じた出品者特典類別が含まれ、
前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記出品者特典類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、
請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
前記類別には、当該取引サービスにおいてオブジェクトを受領したユーザが受け取る取引成立後の特典の違いに応じた受領者特典類別が含まれ、
前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記受領者特典類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、
請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
コンピュータシステムが、オブジェクトをユーザ間での取引の対象として取り扱う取引サービスの実行を制御するための取扱サービス実行制御方法であって、
出品オブジェクトを出品する出品ユーザに基づく取引サービス選定条件に従って、複数の取引サービスの中から選定取引サービスを選定する選定ステップと、
前記出品オブジェクトを前記選定取引サービスの取扱対象に含ませる割当制御を行う割当制御ステップと、
を含む取扱サービス実行制御方法。
【請求項19】
コンピュータシステムに、オブジェクトをユーザ間での取引の対象として取り扱う取引サービスの実行を制御させるためのプログラムであって、
出品オブジェクトを出品する出品ユーザに基づく取引サービス選定条件に従って、複数の取引サービスの中から選定取引サービスを選定する選定手段、
前記出品オブジェクトを前記選定取引サービスの取扱対象に含ませる割当制御を行う割当制御手段、
として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ間での取引を制御するためのコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
製品のデザインを消費者から募集することで一般消費者が作成した多種多様な製品デザインを収集しつつ、購入を希望する消費者による検索条件の入力があったときには、収集した製品デザインの中から当該検索条件に適合する製品デザインを提示することで、消費者が求めるデザインの製品化を実現する製品提供方法の技術が知られている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-319035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1における消費者のようなユーザに対し、他のユーザによって提供された提供物を取引可能に提示する場合、システムの利用者が増えると取引の対象となる提供物の数も増大していく。そのため、ユーザによって新たに提供物が追加されても他の提供物の中に埋もれてしまってそれを探す側のユーザの目につき難い問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザ間で行う取引に際し、広くユーザに取引の機会を提供可能な技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、オブジェクトをユーザ間での取引の対象として取り扱う取引サービスの実行を制御するためのコンピュータシステムであって、出品オブジェクトを出品する出品ユーザに基づく取引サービス選定条件に従って、複数の取引サービスの中から選定取引サービスを選定する選定手段(例えば、図16の選定部233)と、前記出品オブジェクトを前記選定取引サービスの取扱対象に含ませる割当制御を行う割当制御手段(例えば、図16の割当制御部235)と、を備えるコンピュータシステムである。
【0007】
また、他の発明として、コンピュータシステムが、オブジェクトをユーザ間での取引の対象として取り扱う取引サービスの実行を制御するための取扱サービス実行制御方法であって、出品オブジェクトを出品する出品ユーザに基づく取引サービス選定条件に従って、複数の取引サービスの中から選定取引サービスを選定する選定ステップと、前記出品オブジェクトを前記選定取引サービスの取扱対象に含ませる割当制御を行う割当制御ステップと、を含む取扱サービス実行制御方法を構成してもよい。
【0008】
また、他の発明として、コンピュータシステムに、オブジェクトをユーザ間での取引の対象として取り扱う取引サービスの実行を制御させるためのプログラムであって、出品オブジェクトを出品する出品ユーザに基づく取引サービス選定条件に従って、複数の取引サービスの中から選定取引サービスを選定する選定手段、前記出品オブジェクトを前記選定取引サービスの取扱対象に含ませる割当制御を行う割当制御手段、として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラムを構成してもよい。
【0009】
第1の発明等によれば、出品オブジェクトを出品する出品ユーザに基づく取引サービス選定条件に従って、複数の取引サービスの中から、選定取引サービスを選定することができる。そして、出品オブジェクトを、選定取引サービスの取扱対象として割り当てることができる。これによれば、出品オブジェクトを複数の取引サービスに分散させて、各取引サービスの実行を制御することができる。したがって、従来のように取引サービスが1つしかなく、その1つの取引サービスで提供される多くの出品オブジェクトに埋もれてお目当ての出品オブジェクトを探すこともままならないといった事態を避けることができ、ユーザに取引の機会を広く提供することが可能となる。
【0010】
第2の発明は、上記の発明において、過去及び/又は現在の前記取引に関するユーザ毎の情報を管理する管理手段(例えば、図16のユーザ管理部210)、を更に備え、前記取引サービス選定条件は、前記管理手段により管理された前記出品ユーザの情報に基づく条件を少なくとも含む、コンピュータシステムである。
【0011】
第2の発明によれば、出品ユーザの過去又は現在の取引に関する情報に基づいて、選定取引サービスを選定することができる。
【0012】
第3の発明は、上記の発明において、前記管理手段は、前記ユーザ毎の情報として、当該ユーザ以外のユーザによって評価された評価情報を管理し、前記取引サービス選定条件は、前記管理手段により管理された前記出品ユーザの前記評価情報に基づく条件を少なくとも含む、コンピュータシステムである。
【0013】
第3の発明によれば、出品ユーザ以外のユーザによる当該出品ユーザの評価情報に基づいて、選定取引サービスを選定することができる。
【0014】
第4の発明は、上記の発明において、前記管理手段は、前記ユーザ毎の情報として、前記取引の実績情報を管理し、前記取引サービス選定条件は、前記管理手段により管理された前記出品ユーザの前記実績情報に基づく条件を少なくとも含む、コンピュータシステムである。
【0015】
第4の発明によれば、出品ユーザの取引の実績情報に基づいて、選定取引サービスを選定することができる。
【0016】
第5の発明は、上記の発明において、前記複数の取引サービスには、受領ユーザに提供するオブジェクトを抽選する抽選処理を含む第1種と、前記抽選処理を含まない第2種とがあり、前記第1種の取引サービスは、前記抽選処理の設定が異なる取引サービスを含み、前記実績情報は、前記第2種の取引サービスでの取引実績の情報であり、前記選定手段は、前記出品ユーザの前記実績情報に基づく条件に従って、前記第1種の取引サービスに含まれる取引サービスの中から前記選定取引サービスを選定する、コンピュータシステムである。
【0017】
第5の発明によれば、取引サービスとして、受領ユーザに提供するオブジェクトの抽選処理を含む第1種の取引サービスと、当該抽選処理を含まない第2種の取引サービスと、を実行する場合に、第2種の取引サービスでの出品ユーザの実績情報に基づいて、抽選処理の設定が異なる第1種の取引サービスの中から、選定取引サービスを選定することができる。
【0018】
第6の発明は、上記の発明において、前記複数の取引サービスには、受領ユーザに提供するオブジェクトを抽選する抽選処理を含む第1種の取引サービスがあり、前記第1種の取引サービスは、前記抽選処理の設定が異なる取引サービスを含み、前記選定手段は、前記管理手段により管理された前記出品ユーザの情報に基づく条件に従って、前記第1種の取引サービスに含まれる取引サービスの中から前記選定取引サービスを選定する、コンピュータシステムである。
【0019】
第6の発明によれば、受領ユーザに提供するオブジェクトの抽選処理を含む第1種の取引サービスであって、抽選処理の設定が異なる取引サービスの中から、選定取引サービスを選定することができる。
【0020】
第7の発明は、上記の発明において、前記複数の取引サービスには、受領ユーザに提供するオブジェクトを抽選する抽選処理を含まない第2種の取引サービスがあり、前記第2種の取引サービスは、当該取引サービスで取り扱うオブジェクトの混在度合、又は、取り扱うオブジェクトを出品するユーザの混在度合に応じた複数の取引サービスを含み、前記選定手段は、前記管理手段により管理された前記出品ユーザの情報に基づく条件に従って、前記第2種の取引サービスに含まれる取引サービスの中から前記選定取引サービスを選定する、コンピュータシステムである。
【0021】
第7の発明によれば、抽選処理を含まない第2種の取引サービスであって、取り扱うオブジェクトの混在具合や出品ユーザの混在具合に応じた複数の取引サービスの中から、選定取引サービスを選定することができる。
【0022】
第8の発明は、上記の発明において、前記ユーザ毎の情報に基づいて各ユーザを格付けする格付け手段(例えば、図16の格付け部237)、を更に備え、前記取引サービス選定条件は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件を少なくとも含む、コンピュータシステムである。
【0023】
第8の発明によれば、出品ユーザの格付け結果を用いて、選定取引サービスを選定することができる。
【0024】
第9の発明は、上記の発明において、前記複数の取引サービスには、予め類別が設定されており、前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、コンピュータシステムである。
【0025】
第9の発明によれば、出品ユーザの格付け結果を用いて取引サービスに予め設定されている類別を選択することで、選定取引サービスを選定することができる。
【0026】
第10の発明は、上記の発明において、前記類別には、少なくとも優劣が定められた分類があり、前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従い、当該格付け結果が高いほど、前記優劣が定められた分類のうちの優位な分類の類別を選択する、コンピュータシステムである。
【0027】
第10の発明によれば、出品ユーザの格付け結果が高いほど、類別の分類が優位な取引サービスを選定取引サービスとして選定することができる。
【0028】
第11の発明は、上記の発明において、前記類別には、仮想空間中の取引が可能となる場所に応じた地理的類別が含まれ、前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記地理的類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、コンピュータシステムである。
【0029】
第11の発明によれば、出品ユーザの格付け結果を用いて地理的類別の選択を行うことで、選定取引サービスを選定することができる。
【0030】
第12の発明は、上記の発明において、前記類別には、当該取引サービスで取り扱うオブジェクトを出品するユーザの混在度合に応じた取扱ユーザ混在類別が含まれ、前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記取扱ユーザ混在類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、コンピュータシステムである。
【0031】
第12の発明によれば、出品ユーザの格付け結果を用いて取扱ユーザ混在類別の選択を行うことで、選定取引サービスを選定することができる。
【0032】
第13の発明は、上記の発明において、前記類別には、当該取引サービスで取り扱うオブジェクトの種類に応じた取扱オブジェクト類別が含まれ、前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記取扱オブジェクト類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、コンピュータシステムである。
【0033】
第13の発明によれば、出品ユーザの格付け結果を用いて取扱オブジェクト類別の選択を行うことで、選定取引サービスを選定することができる。
【0034】
第14の発明は、上記の発明において、前記類別には、当該取引サービスでの取引対価に応じた取引対価類別が含まれ、前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記取引対価類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、コンピュータシステムである。
【0035】
第14の発明によれば、出品ユーザの格付け結果を用いて取引対価類別の選択を行うことで、選定取引サービスを選定することができる。
【0036】
第15の発明は、上記の発明において、前記類別には、当該取引サービスにおいて出品するユーザが取引対価を設定可能な範囲が異なる対価可変範囲類別が含まれ、前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記対価可変範囲類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、コンピュータシステムである。
【0037】
第15の発明によれば、出品ユーザの格付け結果を用いて対価可変範囲類別の選択を行うことで、選定取引サービスを選定することができる。
【0038】
第16の発明は、上記の発明において、前記類別には、当該取引サービスにおいて出品したユーザが受け取る取引成立後の特典の違いに応じた出品者特典類別が含まれ、前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記出品者特典類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、コンピュータシステムである。
【0039】
第16の発明によれば、出品ユーザの格付け結果を用いて出品者特典類別の選択を行うことで、選定取引サービスを選定することができる。
【0040】
第17の発明は、上記の発明において、前記類別には、当該取引サービスにおいてオブジェクトを受領したユーザが受け取る取引成立後の特典の違いに応じた受領者特典類別が含まれ、前記選定手段は、前記格付け手段による前記出品ユーザの格付け結果に基づく条件に従って前記受領者特典類別を選択することで、前記選定取引サービスを選定する、コンピュータシステムである。
【0041】
第17の発明によれば、出品ユーザの格付け結果を用いて受領者特典類別の選択を行うことで、選定取引サービスを選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】ゲームシステムの全体構成例を示す図。
図2】ユーザ端末の装置構成例を示す図。
図3】オブジェクトを販売するための出品の流れを説明するための図。
図4】仮想空間の一例を示す図。
図5】ショップ態様の一例を示す図。
図6】第2種取引サービスを説明するための図。
図7】第1種取引サービスを説明するための図。
図8】取引情報のデータ構成例を示す図。
図9】選定処理の流れを示すフローチャート。
図10】地理的類別テーブルのデータ構成例を示す図。
図11】取扱ユーザ混在類別テーブルのデータ構成例を示す図。
図12】取扱オブジェクト類別テーブルのデータ構成例を示す図。
図13】取引対価類別テーブルのデータ構成例を示す図。
図14】出品者特典類別テーブルのデータ構成例を示す図。
図15】受領者特典類別テーブルのデータ構成例を示す図。
図16】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
図17】ユーザ管理データのデータ構成例を示す図。
図18】販売機データのデータ構成例を示す図。
図19】ショップデータのデータ構成例を示す図。
図20】ユーザ生成オブジェクト情報のデータ構成例を示す図。
図21】ユーザ端末の機能構成例を示すブロック図。
図22】サーバシステムが行う処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。以下では、仮想空間として、参加しているユーザのキャラクタ(以下「ユーザキャラクタ」という)が登場するオンラインゲームのゲーム空間を例示する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0044】
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1000は、サーバシステム1100と、本実施形態のゲームのユーザ(プレーヤ)2が所有するユーザ端末1500と、を含み、これらがネットワークNを介して相互にデータ通信可能に接続されて構成されるコンピュータシステムである。
【0045】
ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0046】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備えるコンピュータシステムである。本体装置1101は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載された制御基板1150を内蔵している。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0047】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、ユーザ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してユーザ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。
【0048】
また、本実施形態では、サーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、ユーザの操作に基づいてユーザ生成オブジェクトを生成する生成機能と、生成機能によって生成されたユーザ生成オブジェクトをユーザ間で取引するための制御を行う取引実行機能と、を実現する。
【0049】
ユーザ2は、自分のユーザ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたユーザID(アカウント)によりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。また、ユーザ2は、仮想空間で使用可能なオブジェクトを自由にデザインしたり、パラメータ値の設定をカスタマイズしてユーザ生成オブジェクトを生成したり、生成したユーザ生成オブジェクトを他ユーザとの間で取引したりして楽しむ。
【0050】
また、サーバシステム1100は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携し、ゲーム内通貨であるゲームコインの購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバは、サーバシステム1100からの問合せに応答してゲームコインの購入額をユーザ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバにより清算された購入額に相当するゲームコインをユーザ2に付与する。
【0051】
なお、サーバシステム1100は、図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワークNを介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0052】
ユーザ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介してネットワークNに接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このユーザ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0053】
図2は、ユーザ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。図2に示すように、ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、カメラ1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、不図示の電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0054】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワークNに接続する携帯電話基地局や無線通信基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557等が搭載されている。インターフェース回路1557には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、カメラ1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路等が含まれる。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0055】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてユーザ端末1500の各部を制御することで、ユーザ2のゲームプレイを可能にする。
【0056】
[概要]
本実施形態では、仮想空間で使用可能なオブジェクトを、ユーザ間で取引することができる。そのために、サーバシステム1100は、当該オブジェクトをユーザ間での取引の対象として取り扱う取引サービスの実行を制御する。取引において、オブジェクトを出品して提供するユーザを出品ユーザといい、出品されたオブジェクト(出品オブジェクト)を受領するユーザを受領ユーザという。
【0057】
取引の対象となるオブジェクトの種類は特に限定されないが、仮想空間をオンラインゲームのゲーム空間とする場合、当該ゲームで使用可能なゲームオブジェクトを含めることができる。例えば、1)ユーザキャラクタとして選択可能なキャラクタ、2)ユーザキャラクタが装備し、又は使用することができる武器や防具、アクセサリー、弾、薬、強化素材等の各種アイテム、3)ユーザキャラクタの乗り物、4)ユーザキャラクタを着せ替える服飾品、5)スキン、6)召喚獣、7)必殺技や魔法、スキル、属性等のユーザキャラクタに付加できる追加能力、8)新しいゲームステージやマップ、9)1)~8)の何れかを抽選で取得する抽選券(抽選チケット)、等が挙げられる。以下、取引として、ユーザ間でのオブジェクトの売買を例示する。
【0058】
1.出品について
図3は、オブジェクトを販売するための出品の流れを説明するための図である。本実施形態では、創作者としてユーザ自身が生成(創作)したオブジェクト(ユーザ生成オブジェクト)の販売を例示する。そのため、オブジェクトを生成することが出品の前提となる。出品目的で生成することもできるし、不要となった自作のオブジェクトを出品することもできる。具体的には、ユーザは、サーバシステム1100が提供する生成機能を利用してオブジェクトを生成する。生成機能によれば、ユーザは、既存のオブジェクトの外観を好みのデザインに変更したりして、自作のオブジェクトとして生成することができる。オブジェクトを一からデザインして、まったく新しいオブジェクトを生成することも可能である。図3では、ユーザAが、ユーザキャラクタの服飾品としてTシャツのオブジェクトO1を生成した例を示している。
【0059】
そして、上記の要領でユーザ生成オブジェクトを生成したユーザは、出品ユーザとして所定の出品操作をすることで、当該ユーザ生成オブジェクトである出品オブジェクトを出品することができる。出品操作がなされると、出品オブジェクトは、仮想空間中のショップ10又は販売機20の商品として登録される。ショップ10や販売機20は、その場所を訪れたユーザ(受領ユーザ)に対して、取り扱う出品オブジェクトの取引サービスを提供する仮想スポットである。本実施形態では、ショップ10や販売機20は、商品として登録された出品オブジェクトを受領ユーザに販売する仮想スポットである。図3の例において、出品先がショップ10とされたのであれば、ユーザAのTシャツのオブジェクトO1は、当該ショップ10の商品として登録される。ここでの出品の手続きを経て、出品オブジェクトが、ショップ10や販売機20を訪れたユーザ(受領ユーザ)との間で取引されるようになる。
【0060】
2.仮想空間について
図4は、仮想空間30の一例を示す図である。図4に示すように、本実施形態の仮想空間30には、ログインするとユーザキャラクタが最初に配置されるエントランス広場31がある。エントランス広場31から仮想空間30に入ると、各種商業施設やレジャー施設等が並び、ユーザ(ユーザキャラクタ)でにぎわう繁華街エリア33が広がる。繁華街エリア33を抜けると、山間部エリア35や沿岸部エリア37、離島エリア39等がある。そして、本実施形態では、上記のような仮想空間30に、図3に示したショップ10及び販売機20が点在している。つまり、ショップ10や販売機20には、繁華街エリア33のようにエントランス広場31から近く、ユーザが訪問し易い場所に位置するものもあれば、山間部エリア35や沿岸部エリア37、離島エリア39等のようにエントランス広場31から遠く、ユーザが気軽には訪問できない場所に位置するものもある。また、仮想空間30には、エントランス広場31からは遠いものの、近くに人気の仮想スポットがあるためユーザでにぎわうエリアも存在する。ショップ10や販売機20の中には、そのようなエリアに位置しており、ユーザが訪問し易い立地となっているものもある。
【0061】
3.ショップの態様について
図5は、本実施形態におけるショップ10の態様例を示す図である。図5に示すように、ショップ10のショップ態様は、例えば、(1)特定の1人の出品ユーザの商品(出品オブジェクト)のみを取り扱う個人ショップ11、(2)特定の種類の商品のみを取り扱う専門ショップ13、及び、(3)デパートやショッピングセンター、コンビニエンスストア等のような多種類の商品を取り扱う総合ショップ15、のうちの何れかの態様とされる。
【0062】
個人ショップ11は、後述するランクが「ゴールド」である出品ユーザ毎に用意され、仮想空間30中の、当該出品ユーザの操作に応じた場所に配置される。立地条件が良いのは繁華街エリア33といえるが、出品ユーザは、繁華街エリア33の外に配置されることを希望することもできる。したがって、「ゴールド」のユーザは、仮想空間30中の希望する場所に、自分の店を出店することができる。
【0063】
専門ショップ13は、例えば、Tシャツ専門店13-1、武器専門店13-2、防具専門店13-3の3つの種類(オブジェクト種類)とされ、それぞれ1店舗ずつ繁華街エリア33に配置される。もちろん、例示したTシャツ、武器、及び防具以外のオブジェクト種類のオブジェクトを専門に取り扱う専門ショップが配置される構成としてもよいし、配置される各専門ショップの数は、その種類毎に2店舗以上であってもよい。また、繁華街エリア33の外に配置される構成でもよい。
【0064】
総合ショップ15は、例えば、所定数の店舗が仮想空間30の全域に配置される。なお、販売機20についても、総合ショップ15と同様に、所定台数が仮想空間30の全域に配置される。
【0065】
[詳細]
図6及び図7は、取引サービスを説明するための図である。本実施形態の取引サービスには、受領ユーザに提供(販売)する出品オブジェクトを抽選する抽選処理を含む第1種と(図7を参照)、当該抽選処理を含まない第2種と(図6を参照)、がある。以下、第1種の取引サービスを「第1種取引サービス」といい、第2種の取引サービスを「第2種取引サービス」という。本実施形態では、ショップ10にて第2種取引サービスが提供され、販売機20にて第1種取引サービスが提供される。つまり、ショップ10を訪れた受領ユーザは、当該ショップ10の商品(出品オブジェクト)の中から欲しい商品を自ら選び、取引対価分の額のゲームコインを支払って当該商品を受領する。これに対し、販売機20を訪れた受領ユーザは、取引対価の支払いと引き換えに、当該販売機20の商品(出品オブジェクト)の中から抽選処理で選ばれた商品を受領することとなる。
【0066】
第1種取引サービスは、抽選処理の設定が異なる複数の取引サービスを含む。一方、第2種取引サービスは、取引サービスで取り扱うオブジェクトの混在度合、又は、取り扱うオブジェクトを出品するユーザの混在度合に応じた複数の取引サービスを含む。より詳細には、本実施形態の取引サービスには、期待される取引利用可能性、取り扱うオブジェクトの専門性、取引可能条件等に基づいて予め類別が設定されており、当該類別によって第1種取引サービスの種類や第2種取引サービスの種類が識別される。
【0067】
具体的には、例えば、図6に示すように、第2種取引サービスには、地理的類別、取扱ユーザ混在類別、取扱オブジェクト類別、取引対価類別、出品者特典類別、及び受領者特典類別の6つの類別に係る分類の組合せが異なる複数種類の取引サービスS2b-1,2,3・・・がある。以下、第2種取引サービスの当該種類を、「第2種サービス種類」という。本実施形態では、仮想空間30中に、全ての第2種サービス種類について少なくとも1店舗ずつ、当該第2種サービス種類の取引サービスを提供するショップ10が配置されるようになっている。
【0068】
各類別の詳細については後述するが、第2種取引サービスSb-1,2,3,・・・をそれぞれ提供するショップ10のショップ態様は、取扱ユーザ混在類別の分類又は取扱オブジェクト類別の分類に応じた態様とされる。すなわち、取扱ユーザ混在類別は、取り扱う出品オブジェクトの出品ユーザの人数によって定義される類別であり、取扱ユーザ混在類別の分類が「1人(非混在)」である第2種サービス種類の取引サービス(例えば、図6に例示する第2種取引サービスSb-1)を提供するショップ10のショップ態様が、個人ショップ11とされる。また、取扱オブジェクト類別は、取り扱う出品オブジェクトのオブジェクト種類によって定義される類別であり、取扱オブジェクト類別の分類が「Tシャツ」である第2種サービス種類の取引サービス(例えば、図6に例示する第2種取引サービスSb-2)の場合はTシャツ専門店13-1、「武器」である場合は武器専門店13-2、「防具」である場合は防具専門店13-3とされる。一方、取扱オブジェクト類別の分類が「多種類」である場合は、総合ショップ15とされる。
【0069】
また、図7に示すように、第1種取引サービスにも同様に、上記した6つの類別の組合せが異なる複数種類の取引サービスSa-1,2,3,・・・がある。以下、第1種取引サービスの当該種類を、「第1種サービス種類」という。本実施形態では、仮想空間30中に、全ての第1種サービス種類について少なくとも1台ずつ、当該第1種サービス種類の取引サービスを提供する販売機20が配置されるようになっている。
【0070】
そして、サーバシステム1100は、出品ユーザによる出品オブジェクトの出品にあたり、当該出品オブジェクトに適用する取引サービスを選定取引サービスとして選定する選定処理と、出品オブジェクトを選定対象サービスの取引対象に含ませる割当制御を行う割当制御処理と、を実行する。また、サーバシステム1100は、過去及び/又は現在の取引に関するユーザ毎の情報(取引情報)を管理しており、取引情報に基づいて各ユーザを格付けする格付け処理を実行する。
【0071】
1.取引情報について
図8は、取引情報のデータ構成例を示す図である。図8に示すように、取引情報600は、取引実績情報610と、取引評価情報650と、を含む。
【0072】
取引実績情報610は、出品実績情報620と、受領実績情報630と、利用実績情報640と、を含む。
【0073】
出品実績情報620は、出品履歴621と、出品数623と、売上数625と、売上総額627と、を含む。出品履歴621は、当該ユーザによって現在までに出品されたオブジェクト毎に、当該オブジェクトのオブジェクトIDや出品日時、取引日時、取引対価、取引相手(受領ユーザ)のユーザID等を格納する。出品数623は、当該ユーザによって現在までに出品されたオブジェクトの数を格納する。売上数625は、当該ユーザによって出品されたオブジェクトのうち、取引が成立して受領ユーザに提供(販売)されたオブジェクトの数を格納する。売上総額627は、当該ユーザによって提供されたオブジェクトの取引対価の総額を格納する。
【0074】
受領実績情報630は、受領履歴631と、受領数633と、支払い総額635と、を含む。受領履歴631は、当該ユーザによって現在までに受領(購入)されたオブジェクト毎に、当該オブジェクトのオブジェクトIDや取引日時、取引対価、取引相手(出品ユーザ)のユーザID等を格納する。受領数633は、当該ユーザが受領ユーザとして受領したオブジェクトの数を格納する。支払い総額635は、当該ユーザがオブジェクトを受領するのに支払った取引対価の総額を格納する。
【0075】
利用実績情報640は、利用期間長641と、利用回数643と、を含む。利用期間長641は、当該ユーザが初めて取引サービスを利用したときからの経過時間(例えば日数等)を格納する。利用回数643は、当該ユーザによる取引サービスの利用回数であり、例えば、出品数623と受領数633の合計回数として設定される。
【0076】
取引評価情報650は、当該ユーザが出品ユーザとなった(オブジェクトの出品・提供側となった)取引のうちの、成立した取引毎に用意され、出品物評価値651と、出品者評価値653と、を格納する。出品物評価値651は、当該取引に係る出品オブジェクトについての受領ユーザの評価値を格納する。出品者評価値653は、当該取引に係る出品ユーザについての受領ユーザの評価値を格納する。
【0077】
本実施形態では、取引の成立後に受領ユーザによる出品オブジェクト及び出品ユーザの評価を受け付ける。例えば、サーバシステム1100は、成立した取引に係る出品オブジェクト及び出品ユーザのそれぞれについて、評価が低い方から順に「1」~「5」の5段階で受領ユーザによる評価を受け付ける。そして、サーバシステム1100は、受け付けた出品オブジェクトの評価を出品物評価値651とし、出品ユーザの評価を出品者評価値653として設定する。
【0078】
2.格付け処理について
格付け処理では、サーバシステム1100は、取引情報600に基づいて、各ユーザを格付けする。本実施形態では、サーバシステム1100は、ユーザ毎に格付け値を算出し、格付け値をもとに各ユーザのランクを更新する。格付け値は、例えば、格付け項目毎のn個の係数Knに基づく格付け関数(1)を用いて算出する。
格付け値=f{K1,K2,・・・,Kn} ・・・(1)
【0079】
格付け項目は、取引情報600に関する項目として適宜設定される。本実施形態では、例えば、(a)出品物評価値、(b)出品者評価値、(c)売上数、(d)売上総額、(e)支払い総額、(f)利用期間長、(g)利用回数、の7つとする。
【0080】
そして、格付け処理では、サーバシステム1100は、ユーザ毎に、当該ユーザの取引情報600を用いて、(a)~(g)の格付け項目に係る各係数Kn(本例ではn=7)を決定する。例えば、(a)~(g)の格付け項目毎に、当該格付け項目に係る係数Knの算出式を用意しておくことで実現できる。そして、サーバシステム1100は、決定した(a)~(g)の各格付け項目に係る係数Knを用い、格付け関数(1)に従って、当該ユーザの格付け値を算出する。
【0081】
(a)出品物評価値
(a)の係数は、当該ユーザの出品物評価値651を用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、取引情報600において、成立した取引毎の取引評価情報650に設定されている出品物評価値651の平均値(出品物評価値平均)を算出する。そして、出品物評価値平均が高いほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。これによれば、出品物評価値平均が高いユーザは、格付け値が高くなる。
【0082】
(b)出品者評価値
(b)の係数は、当該ユーザの出品者評価値653を用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、当該ユーザによる出品オブジェクトの提供毎に取引評価情報650に設定されている出品者評価値653の平均値(出品者評価値平均)を算出する。そして、出品者評価値平均が高いほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。これによれば、出品者評価値平均が高いユーザは、格付け値が高くなる。
【0083】
(c)売上数
(c)の係数は、当該ユーザの売上数625を用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、売上数625が多いほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。これによれば、売上数625が多いユーザは、格付け値が高くなる。
【0084】
(d)売上総額
(d)の係数は、当該ユーザの売上総額627を用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、売上総額627が高額であるほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。これによれば、売上総額627が高額なユーザは、格付け値が高くなる。
【0085】
(e)支払い総額
(e)の係数は、当該ユーザの支払い総額635を用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、支払い総額635が高額であるほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。これによれば、支払い総額635が高額なユーザは、格付け値が高くなる。
【0086】
(f)利用期間長
(f)の係数は、当該ユーザの利用期間長641を用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、利用期間長641が長いほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。これによれば、利用期間長641が長いユーザは、格付け値が高くなる。
【0087】
(g)利用回数
(g)の係数は、当該ユーザの利用回数643を用いて決定する。例えば、サーバシステム1100は、利用回数643が多いほど値が大きくなるように、当該係数を決定する。これによれば、利用回数643が多いユーザは、格付け値が高くなる。
【0088】
以上のようにして(a)~(g)の各格付け項目に係る係数Knを決定し、当該ユーザの格付け値を算出したならば、サーバシステム1100は、当該ユーザのランクを、例えば、低い方から順に「ホワイト」「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」の4段階で判定する。ここでの処理は、格付け値が高いほどランクが高くなるように、格付け値と、4段階のランクと、の関係を予め設定しておくことで実現できる。そして、サーバシステム1100は、例えば、取引が成立したタイミングや、受領ユーザによる出品オブジェクト又は出品ユーザの評価のタイミング等において格付け処理を実行し、各ユーザのランクを随時更新する。
【0089】
3.選定処理について
選定処理では、サーバシステム1100は、出品ユーザによる出品オブジェクトの出品時に、当該出品ユーザに基づく取引サービス選定条件に従って、複数の取引サービスの中から選定取引サービスを選定する。
【0090】
ここで、取引サービス選定条件は、当該出品ユーザ以外のユーザによって評価された評価情報に基づく条件と、当該出品ユーザの取引の実績情報に基づく条件と、を含む条件である。本実施形態では、上記した格付け処理において、各ユーザのランクが取引情報600の取引実績情報610及び取引評価情報650をもとに随時判定されて更新される。そして、選定処理では、サーバシステム1100は、出品ユーザのランクを取引サービス選定条件として用いて、ランクに応じた取引サービスを選定取引サービスとして選定する。
【0091】
より詳細には、図7を参照して説明したように、第1種取引サービスには、地理的類別、取扱ユーザ混在類別、取扱オブジェクト類別、取引対価類別、出品者特典類別、及び受領者特典類別の6つの類別に係る分類の組合せが異なる複数の第1種取引サービスSa-1,2,3,・・・がある。第2種取引サービスも同様に、図6を参照して説明したように、当該6つの類別に係る分類の組合せが異なる複数の第2種取引サービスSb-1,2,3,・・・がある。
【0092】
そして、選出処理では、それら第1種取引サービスSa-1,2,3,・・・及び第2種取引サービスSb-1,2,3,・・・の中から何れか1つを選択することで、今回の出品に係る出品オブジェクトに適用する取引サービスを選定する。具体的には、サーバシステム1100は、第1種及び第2種の何れか(つまり、出品オブジェクトの出品先をショップ10とするのか販売機20とするのか)を選択した上で、6つの類別について出品ユーザのランクに応じた分類を1つずつ選択することで、取引対象サービスを選定する。
【0093】
図9は、選定処理の流れを示すフローチャートである。選定処理では、先ず、サーバシステム1100は、第1種及び第2種の何れか一方を選択する(ステップS301)。ランダムに一方を選択する構成でもよいし、出品ユーザの選択操作を受け付けて選択する構成でもよい。
【0094】
続いて、サーバシステム1100は、図10の地理的類別テーブル531を参照して、出品ユーザのランクに従って地理的類別の分類を選択する(図9のステップS303)。
【0095】
地理的類別は、仮想空間30中の取引が可能な場所(当該取引サービスを提供するショップ10又は販売機20が配置される仮想空間中の位置)についての類別である。本実施形態では、地理的類別の分類は、図10に示すように、仮想空間30のエリアによって定義される。そして、地理的類別テーブル531には、地理的類別の各分類が、ランクと対応付けられて設定されている。図9のステップS303では、サーバシステム1100は、出品ユーザのランクに対応する分類を選択する。その際、サーバシステム1100は、対応する分類が複数ある場合は、その中からランダムに1つを選択する。もちろん、出品ユーザの選択操作を受け付けて選択する構成でもよい。
【0096】
例えば、ゴールドランクの出品ユーザの場合はサーバシステム1100は「任意」を選択する。ゴールドランクのユーザが出品する場合の出品オブジェクトの出品先は当該ユーザの個人ショップ11とされ、その出店場所は、当該ユーザによって指定されるためである。これに対し、シルバーランクの出品ユーザの場合は「繁華街エリア」を選択する。したがって、シルバーランクの出品ユーザが出品する場合の出品オブジェクトの出品先は、繁華街エリア33に位置するショップ10や販売機20となる。一方、ホワイトランク及びブロンズランクの出品ユーザの場合は「山間部エリア」「沿岸部エリア」及び「離島エリア」のうちの何れか1つを選択する。したがって、ホワイトランクやブロンズランクの出品ユーザによる出品オブジェクトの出品先は、山間部エリア35や沿岸部エリア37、離島エリア39に位置するショップ10又は販売機20となる。
【0097】
ここで、地理的類別の各分類には優劣がある。すなわち、ショップ10や販売機20が繁華街エリア33にある場合、エントランス広場31から近い立地のためユーザが訪問し易い。ユーザが訪問し易いと取扱対象の出品オブジェクトがユーザの目につき易く、取引が成立し易いため優位ということができる。逆に、山間部エリア35や沿岸部エリア37、離島エリア39等のようにエントランス広場31から遠い場所は、ユーザがその場所を訪問し難いためユーザの目につき難く、取引が成立し難いことから劣位といえる。そして、地理的類別テーブル531の設定は、ランクが高いほど優位な分類を対応付けた設定となっている。したがって、ランクの高い出品ユーザは、ランクの低い出品ユーザと比べて地理的な面で優位な環境において、自身の出品オブジェクトの取引が行える。
【0098】
続いて、サーバシステム1100は、図11の取扱ユーザ混在類別テーブル532を参照して、出品ユーザのランクに従って取扱ユーザ混在類別の分類を選択する(図9のステップS305)。
【0099】
取扱ユーザ混在類別は、該当する取引サービスで取り扱うオブジェクトを出品するユーザの混在具合に応じた類別である。本実施形態では、取扱ユーザ混在類別の分類は、図11に示すように、「1人」「10人」「30人」「50人」「100人」といった人数によって定義される。そして、取扱ユーザ混在類別テーブル532には、取扱ユーザ混在類別の各分類が、ランクと対応付けられて設定されている。図9のステップS305では、サーバシステム1100は、出品ユーザのランクに対応する分類を選択する。その際、サーバシステム1100は、対応する分類が複数ある場合は、その中からランダムに1つを選択する。もちろん、出品ユーザの選択操作を受け付けて選択する構成でもよい。
【0100】
例えば、ゴールドランクの出品ユーザの場合はサーバシステム1100は「1人」を選択する。ここでの設定により、ゴールドランクのユーザが出品する場合の出品オブジェクトの出品先が、当該ユーザの個人ショップ11とされる。一方、シルバーランクの出品ユーザの場合は「5人」又は「10人」を選択する。したがって、シルバーランクの出品ユーザが出品する場合の出品オブジェクトに適用される取引サービスには、取扱対象に「5人」又は「10人」の出品ユーザの出品オブジェクトが混在する取引サービスが選定される。
【0101】
ここで、取扱ユーザ混在類別の各分類には優劣がある。すなわち、取り扱う出品ユーザの人数が少ない(混在度合が低い)ほど、出品ユーザそれぞれの出品オブジェクトがそのショップ10又は販売機20を訪問したユーザの目につき易くなるため優位といえる。逆に、出品ユーザの人数が増えれば(混在度合が高くなれば)、その分出品ユーザそれぞれの出品オブジェクトは目につき難くなるため劣位といえる。そして、取扱ユーザ混在類別テーブル532の設定は、ランクが高いほど優位な分類を対応付けた設定となっている。したがって、ランクの高い出品ユーザは、ランクの低い出品ユーザと比べて出品ユーザの混在具合の面で優位な環境において、自身の出品オブジェクトの取引が行える。
【0102】
続いて、サーバシステム1100は、図12の取扱オブジェクト類別テーブル533を参照して、出品ユーザのランクに従って取扱オブジェクト類別の分類を選択する(図9のステップS307)。
【0103】
取扱オブジェクト類別は、該当する取引サービスで取り扱うオブジェクトの種類に応じた類別である。本実施形態では、取扱オブジェクト類別の分類は、図12に示すように、「複数種類混在」「Tシャツ」「武器」「防具」といったオブジェクト種類又はその混在具合によって定義される。そして、取扱オブジェクト類別テーブル533には、取扱オブジェクト類別の各分類が、ランクと対応付けられて設定されている。図9のステップS307では、サーバシステム1100は、出品ユーザのランクに対応する分類を選択する。その際、サーバシステム1100は、対応する分類が複数ある場合は、その中から例えばランダムに1つを選択する。もちろん、出品ユーザの選択操作を受け付けて選択する構成でもよい。
【0104】
例えば、ゴールドランクの出品ユーザの場合はサーバシステム1100は「複数種類混在」を選択する。ここでの設定により、ゴールドランクのユーザの出品先となる個人ショップ11では、複数種類の出品オブジェクトが取扱対象とされる。これに対し、シルバーランクの出品ユーザの場合は「複数種類混在」「Tシャツ」「武器」及び「防具」のうちの何れか1つを選択する。ここでの設定により、シルバーランクのユーザの出品先が、Tシャツ専門店13-1、武器専門店13-2、防具専門店13-3、及び総合ショップ15の何れかとされる。
【0105】
また、ブロンズランクの出品ユーザの場合はサーバシステム1100は「Tシャツ」及び「武器」の何れか1つを選択する。ここでの設定により、ブロンズランクのユーザの出品先が、Tシャツ専門店13-1及び武器専門店13-2の何れかとされる。つまり、ブロンズランクのユーザは、出品可能なオブジェクト種類がTシャツ及び武器の2種類に制限される。なお、ユーザ生成オブジェクトとして生成可能なオブジェクト種類については制限しない構成でもよいし、ブロンズランクのユーザに対しては、生成可能なオブジェクト種類についてもTシャツ及び武器の2種類に制限する構成でもよい。
【0106】
また、ホワイトランクの出品ユーザの場合はサーバシステム1100は「Tシャツ」を選択する。ここでの設定により、ホワイトランクのユーザの出品先が、Tシャツ専門店13-1とされる。つまり、ホワイトランクのユーザは、出品可能なオブジェクト種類がTシャツのみに制限される。なお、ユーザ生成オブジェクトとして生成可能なオブジェクト種類については制限しない構成でもよいし、ホワイトランクのユーザに対しては、生成可能なオブジェクト種類についてもTシャツのみに制限する構成でもよい。
【0107】
続いて、サーバシステム1100は、図13の取引対価類別テーブル534を参照して、出品ユーザのランクに従って取引対価類別の分類を選択する(図9のステップS309)。
【0108】
取引対価類別は、該当する取引サービスでの取引対価に応じた類別である。本実施形態では、取引対価類別の分類は、図13に示すように、取引対価の額(出品オブジェクトの単価)によって定義される。そして、取引対価類別テーブル534には、取引対価類別の各分類が、ランクと対応付けられて設定されている。図9のステップS309では、サーバシステム1100は、出品ユーザのランクに対応する分類の中から例えばランダムに1つを選択する。もちろん、出品ユーザの選択操作を受け付けて選択する構成でもよい。例えば、図13に示すように、取引対価は、ランクが高いほど高額の設定となっている。
【0109】
続いて、サーバシステム1100は、図14の出品者特典類別テーブル535を参照して、出品ユーザのランクに従って出品者特典類別の分類を選択する(図9のステップS311)。
【0110】
出品者特典類別は、該当する取引サービスにおいて出品したユーザが受け取る取引成立後の特典の違いに応じた類別である。本実施形態では、出品者特典類別の分類は、図14に示すように、出品者特典の内容によって定義される。そして、出品者特典類別テーブル535には、出品者特典類別の各分類が、ランクと対応付けられて設定されている。図9のステップS311では、サーバシステム1100は、出品ユーザのランクに対応する分類を選択する。その際、サーバシステム1100は、対応する分類が複数ある場合は、その中から例えばランダムに1つを選択する。もちろん、出品ユーザの選択操作を受け付けて選択する構成でもよい。
【0111】
ここで、出品者特典類別の各分類(つまり、出品者特典の内容)には優劣がある。そして、出品者特典類別テーブル535の設定は、ランクが高いほど優位な分類(豪華な特典内容)を対応付けた設定となっている。したがって、ランクの高い出品ユーザは、取引が成立した場合に、ランクの低い出品ユーザと比べて豪華な特典を受け取ることができる。
【0112】
続いて、サーバシステム1100は、図15の受領者特典類別テーブル536を参照して、出品ユーザのランクに従って受領者特典類別の分類を選択する(図9のステップS313)。
【0113】
受領者特典類別は、該当する取引サービスにおいてオブジェクトを受領したユーザが受け取る取引成立後の特典の違いに応じた類別である。本実施形態では、受領者特典類別の分類は、図15に示すように、受領者特典の内容によって定義される。そして、受領者特典類別テーブル536には、受領者特典類別の各分類が、ランクと対応付けられて設定されている。図9のステップS313では、サーバシステム1100は、出品ユーザのランクに対応する分類を選択する。その際、サーバシステム1100は、対応する分類が複数ある場合は、その中から例えばランダムに1つを選択する。もちろん、出品ユーザの選択操作を受け付けて選択する構成でもよい。
【0114】
ここで、受領者特典類別の各分類(つまり、受領者特典の内容)には優劣がある。そして、受領者特典類別テーブル536の設定は、ランクが高いほど優位な分類(豪華な特典内容)を対応付けた設定となっている。したがって、ランクの高い出品ユーザの出品オブジェクトを受領した受領ユーザは、ランクの低い出品ユーザの出品オブジェクトを受領した場合と比べて豪華な特典を受け取ることができる。
【0115】
なお、出品者特典や受領者特典の内容については特に限定されないが、ゲームを有利に進められるような特典を設定しておくとよい。例えば、取引対価を所定の割合で還元する特典を含めることができる。その他にも、キャラクタやアイテム、抽選チケット等の各種チケットを特典として付与する構成でもよいし、新しいゲームステージやマップの開放を特典として付与するとしてもよいし、ミニゲームの実行といった各種ゲームイベントの発動を特典として付与するのでもよい。
【0116】
その後は、サーバシステム1100は、ステップS301~ステップS313での選択に従って取引サービスを選定する(ステップS315)。すなわち、サーバシステム1100は、ステップS301で第1種を選択した場合には、図7の第1種取引サービスSa-1,2,3,・・・のうち、ステップS303~ステップS313で選択した類別の組合せに合致する第1種取引サービスを、選定取引サービスとして選定する。ステップS301で第2種を選択したのであれば、サーバシステム1100は、図6の第2種取引サービスSb-1,2,3,・・・のうち、ステップS303~ステップS313で選択した類別の組合せに合致する第2種取引サービスを、選定取引サービスとして選定する。
【0117】
4.割当制御処理について
割当制御処理では、サーバシステム1100は、出品操作に係る出品オブジェクトを、選定部233によって選定された選定取引サービスの取扱対象に含ませる割当制御を行う。本実施形態では、サーバシステム1100は、選定取引サービスを提供するショップ10又は販売機20の取引対象に出品オブジェクトを追加する。ここでの処理により、当該ショップ10又は販売機20を出品先として、当該出品オブジェクトが出品される。
【0118】
[機能構成]
1.サーバシステム
図16は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。図16に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0119】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0120】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0121】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0122】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理及びユーザIDに紐付けられる各ユーザのデータの管理を行う。例えば、ユーザへのユーザIDの付与処理、ユーザID別に取引情報600(図8を参照)を含む当該ユーザの情報を登録管理する登録情報管理処理、ログイン及びログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のユーザIDに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0123】
課金処理部220は、ユーザによるゲームコインの購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当のゲームコインを当該ユーザに付与する。
【0124】
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームはクライアント・サーバ型のオンラインゲームであるので、ゲーム管理部230は、ユーザ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。
【0125】
また、ゲーム管理部230は、生成処理部231と、選定部233と、割当制御部235と、格付け部237と、取引サービス実行制御部240と、特典付与制御部245と、を含む。
【0126】
生成処理部231は、ユーザ生成オブジェクトの生成機能を実現するための処理を行う機能部であり、ユーザの操作に基づいて、ユーザ生成オブジェクトを生成する。
【0127】
選定部233は、選定処理を実行する機能部であり、出品オブジェクトを出品する出品ユーザに基づく取引サービス選定条件に従って、複数の取引サービスの中から選定取引サービスを選定する。本実施形態では、選定部233は、出品ユーザの出品操作がなされた場合に、格付け部237によって随時更新される出品ユーザのランクに従って、当該出品操作に係る出品オブジェクトに適用する選定取引サービスを選定する。
【0128】
割当制御部235は、割当制御処理を実行する機能部であり、出品操作に係る出品オブジェクトを、選定部233によって選定された選定取引サービスの取扱対象に含ませる割当制御を行う。また、割当制御部235は、必要に応じて後述するショップデータ560を追加して、新規のショップ10を出店するための処理を行う。例えば、ユーザがゴールドランクに昇格した場合には、仮想空間30中の当該ユーザが指定した場所に、ショップ態様が個人ショップ11である当該ユーザのショップ10を出店するための制御を行う。シルバーランクやブロンズランク、ホワイトランクのユーザが増えたことで各種専門ショップ13や総合ショップ15の定員がオーバーした場合には、必要なショップ態様のショップ10を新たに出店する制御を行う。
【0129】
格付け部237は、格付け処理を実行する機能部であり、取引情報600に基づいて各ユーザを格付けする。本実施形態では、格付け部237は、上記した格付け関数(1)に従ってユーザ毎に格付け値を算出し、格付け値に応じたランクを判定して、当該ユーザのランクを随時更新する。
【0130】
取引サービス実行制御部240は、取引実行機能を実現するための処理を行う機能部であり、出品ユーザの出品オブジェクトを受領ユーザが受領可能に制御する。この取引サービス実行制御部240は、仮想空間30中に点在する何れかの販売機20を訪れたユーザ(受領ユーザ)に対して第1種取引サービスを提供する第1種取引実行制御部241と、仮想空間30中に点在する何れかのショップ10を訪れたユーザ(受領ユーザ)に対して第2種取引サービスを提供する第2種取引実行制御部243と、を有する。
【0131】
特典付与制御部245は、取引成立後(受領ユーザによる取引対象オブジェクトの受領が完了した後)に、出品ユーザに対して出品者特典を付与するとともに、受領ユーザに対して受領者特典を付与する制御を行う。
【0132】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0133】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0134】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0135】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばユーザ端末1500)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0136】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0137】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0138】
通信部394sは、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0139】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0140】
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム設定データ520と、類別選択テーブル530と、取引サービス設定データ540と、販売機データ550と、ショップデータ560と、ユーザ生成オブジェクト情報580と、が格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種テーブルや閾値、フラグ等の必要なデータが適宜格納される。
【0141】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210、課金処理部220、及びゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0142】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、ユーザ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(図21を参照)の原本である。
【0143】
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたユーザ毎に用意され、該当するユーザのユーザ情報を含む当該ユーザのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。具体的には、1つのユーザ管理データ510は、図17に示すように、当該ユーザのユーザID511と、ユーザ名512と、決済媒体帳簿データ513と、所有オブジェクト情報515と、プレイ履歴データ517と、生成履歴データ519と、取引情報600(図8を参照)と、を含む。また、その他にも、当該ユーザのゲームのプレイ状況に係るセーブデータや、年齢、性別、誕生日等の個人情報等を格納する。
【0144】
決済媒体帳簿データ513は、当該ユーザに紐付けられる電子決済媒体(本実施形態ではゲームコイン)の収支の情報、例えば、ゲームコインの購入日時や購入数(課金額)の履歴、ゲームコインの消費日時や消費数の履歴等を格納する。
【0145】
所有オブジェクト情報515は、当該ユーザがゲームの過程で入手したり、ショップ10や販売機20から入手する等して、現時点で所有しているキャラクタやアイテム等のゲームオブジェクト(所有オブジェクト)のリストを格納する。所有するユーザ生成オブジェクトについては、創作者のユーザIDと対応付けて設定される。
【0146】
プレイ履歴データ517は、当該ユーザのゲームのプレイ日時やプレイ時間等を格納する。
【0147】
生成履歴データ519は、当該ユーザが生成したユーザ生成オブジェクト毎に、当該ユーザ生成オブジェクトのオブジェクトIDや、生成日時等を格納する
【0148】
図16に戻る。ゲーム設定データ520は、本実施形態のオンラインゲームを実行するために必要な各種設定データを格納する。例えば、ゲームに登場するキャラクタの種類や各種パラメータ値、モデルデータ、動作制御に用いるモーションデータ等を定義するキャラクタ設定データ、ゲームの過程でプレーヤが入手し得るアイテム等の各種ゲームオブジェクトに係るオブジェクト定義データ、ゲームステージの設定に係るステージ設定データ等を格納する。
【0149】
類別選択テーブル530は、地理的類別テーブル531(図10を参照)と、取扱ユーザ混在類別テーブル532(図11を参照)と、取扱オブジェクト類別テーブル533(図12を参照)と、取引対価類別テーブル534(図13を参照)と、出品者特典類別テーブル535(図14を参照)と、受領者特典類別テーブル536(図15を参照)と、を格納する。
【0150】
取引サービス設定データ540は、第1種取引サービス設定データ541と、第2種取引サービス設定データ543と、を格納する。
【0151】
第1種取引サービス設定データ541は、第1種サービス種類毎に用意される。この第1種取引サービス設定データ541は、当該第1種サービス種類の取引サービスを識別する第1種サービス識別IDと対応付けて、当該第1種サービス種類に係る地理的類別、取扱ユーザ混在類別、取扱オブジェクト類別、取引対価類別、出品者特典類別、及び受領者特典類別の6つの類別の組合せを設定したデータテーブルである(図7を参照)。
【0152】
第2種取引サービス設定データ543は、第2種サービス種類毎に用意される。この第2種取引サービス設定データ543は、当該第2種サービス種類の取引サービスを識別する第2種サービス識別IDや、当該第2種サービス種類の取引サービスを提供するショップ態様と対応付けて、当該第2種サービス種類に係る地理的類別、取扱ユーザ混在類別、取扱オブジェクト類別、取引対価類別、出品者特典類別、及び受領者特典類別の6つの類別の組合せを設定したデータテーブルである(図6を参照)。
【0153】
販売機データ550は、仮想空間30中の販売機20毎に用意される。図18に示すように、1つの販売機データ550は、販売機ID551と、販売機名552と、当該販売機20において提供される取引サービス(第1種取引サービス)の第1種サービス識別ID(対応第1種サービス識別ID)553と、当該販売機20の仮想空間30中の位置(当該販売機20によって対応第1種サービス識別IDの取引サービスが提供される仮想空間30中の場所)554と、当該販売機20の取扱対象リスト555と、当該販売機20の出品ユーザリスト556と、を含む。
【0154】
取扱対象リスト555は、当該販売機20の商品として登録されている取扱対象の出品オブジェクトのオブジェクトIDを格納する。割当制御部235が行う割当制御に際しては、選定部233によって選定された選定取引サービスの第1種サービス種類に従って、該当する販売機データ550の取扱対象リスト555に、出品オブジェクトのオブジェクトIDを追加する。また、販売機20での取引が成立して受領ユーザによる出品オブジェクトの受領が完了したときには、該当する販売機データ550の取扱対象リスト555から当該出品オブジェクトのオブジェクトIDを削除する。
【0155】
出品ユーザリスト556は、当該販売機20における取扱対象の出品オブジェクトを出品するユーザのユーザIDを格納する。
【0156】
ショップデータ560は、仮想空間30中のショップ10毎に用意される。図19に示すように、1つのショップデータ560は、ショップID561と、ショップ名562と、当該ショップ10のショップ態様563と、当該ショップ10において提供される取引サービス(第2種取引サービス)の第2種サービス識別ID(対応第2種サービス識別ID)564と、当該ショップ10の仮想空間30中の位置565と、当該ショップ10の取扱対象リスト566と、当該ショップ10の出品ユーザリスト567と、を含む。位置565は、当該ショップ10によって対応第2種サービス識別IDの取引サービスが提供される仮想空間30中の場所のことである。
【0157】
取扱対象リスト566は、当該ショップ10の商品として登録されている取扱対象の出品オブジェクトのオブジェクトIDを格納する。割当制御部235が行う割当制御に際しては、選定部233によって選定された選定取引サービスの第2種サービス種類に従って、該当するショップデータ560の取扱対象リスト566に、出品オブジェクトのオブジェクトIDを追加する。また、ショップ10での取引が成立して受領ユーザによる出品オブジェクトの受領が完了したときには、該当するショップデータ560の取扱対象リスト566から当該出品オブジェクトのオブジェクトIDを削除する。
【0158】
出品ユーザリスト567は、当該販売機20における取扱対象の出品オブジェクトを出品するユーザのユーザIDを格納する。
【0159】
ユーザ生成オブジェクト情報580は、ユーザ生成オブジェクト毎に用意され、新たにユーザ生成オブジェクトが生成されるたびに、生成処理部231によって当該ユーザ生成オブジェクトについて生成されて追加される。具体的には、1つのユーザ生成オブジェクト情報580は、図20に示すように、当該ユーザ生成オブジェクトのオブジェクトID581と、創作者情報583と、オブジェクト種類585と、パラメータ値587と、を含む。
【0160】
創作者情報583は、当該ユーザ生成オブジェクトの創作者のユーザID等を格納する。
【0161】
パラメータ値587は、当該ユーザ生成オブジェクトの各種能力値やスキル、属性、レア度等の各種パラメータ値を格納する。
【0162】
2.ユーザ端末
図21は、ユーザ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。図21に示すように、ユーザ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0163】
操作入力部100は、ユーザが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0164】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、ユーザ端末1500の動作を統括制御する。図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、ユーザ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0165】
ユーザ端末演算部270は、ユーザ端末1500をユーザのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、ユーザ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、画面表示制御部273とを含む。
【0166】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0167】
画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面等を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム1100にて生成されるが、ゲーム空間画像をユーザ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
【0168】
画像生成部290は、画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
【0169】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0170】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0171】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0172】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0173】
通信部394は、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0174】
端末記憶部500には、ユーザ端末1500を動作させ、ユーザ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0175】
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502が格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をユーザ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(図16を参照)のコピーとする。
【0176】
[処理の流れ]
図22は、サーバシステム1100における処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。
【0177】
本処理では、ユーザ端末1500における出品ユーザの出品操作を検出した場合は(ステップS1:YES)、選定部233が選定処理を実行して、当該出品操作に係る出品オブジェクトに適用する選定取引サービスを選定する(ステップS3)。続いて、割当制御部235が割当制御処理を実行して、出品オブジェクトを選定取引サービスの取扱対象に含ませる割当制御を行う(ステップS5)。ここでの処理により、ステップS3で選定された選定取引サービスが第1種サービス種類の取引サービスの場合には、出品オブジェクトは、当該取引サービスを提供する販売機20における取扱対象の商品として登録される。選定取引サービスが第2種サービス種類の取引サービスであれば、当該取引サービスを提供するショップ10における取扱対象の商品として登録される。
【0178】
また、本処理では、ユーザ(受領ユーザ)がユーザキャラクタを操作して仮想空間30中のショップ10を訪れた場合は(ステップS7:YES)、第2種取引実行制御部243が、当該ショップ10に係る第2種サービス種類の取引サービスを実行する制御を行う(ステップS9)。
【0179】
具体的には、第2種取引実行制御部243は、先ず、当該ショップ10の商品として登録されている取扱対象の出品オブジェクトを選択する選択操作や、当該選択操作に係る出品オブジェクトの購入操作を受け付ける。そして、第2種取引実行制御部243は、受領ユーザによって購入操作がなされた場合には、取引の実行を制御して、取引対価の消費(支払い)と引き換えに、選択操作に係る出品オブジェクトを受領ユーザに提供する。取引対価は、当該ショップ10が提供する第2種サービス種類の取引対価類別に応じた額とされる。また、提供された出品オブジェクトは当該ショップ10の取扱対象から削除され、受領ユーザの所有オブジェクトに追加される。これによって出品オブジェクトの取引が成立して、受領ユーザによる受領が完了する。
【0180】
続いて、特典付与制御部245が、出品ユーザに対して出品者特典を付与する制御を行う(ステップS11)。出品者特典は、当該ショップ10が提供する第2種サービス種類の出品者特典類別に応じた特典とされる。また、特典付与制御部245は、受領ユーザに対して受領者特典を付与する制御を行う(ステップS13)。受領者特典は、当該ショップ10が提供する第2種サービス種類の受領者特典類別に応じた特典とされる。
【0181】
また、本処理では、ユーザ(受領ユーザ)がユーザキャラクタを操作して仮想空間30中の販売機20を訪れた場合は(ステップS15:YES)、第1種取引実行制御部241が、当該販売機20に係る第1種サービス種類の取引サービスを実行する制御を行う(ステップS17)。
【0182】
具体的には、第1種取引実行制御部241は、先ず、当該販売機20に対する購入操作を受け付ける。続いて、第1種取引実行制御部241は、受領ユーザによって購入操作がなされた場合には、所定の抽選確率を用いた抽選処理を行って、当該販売機20の商品として登録されている取扱対象の出品オブジェクトの中から1つを選択する。ここでは、例えば、全ての取扱対象の抽選確率を等確率として抽選処理を行うこととするが、取扱対象毎に異なる抽選確率を設定する構成も可能である。例えば、該当する出品オブジェクトのオブジェクト種類に応じて抽選確率を設定するのでもよいし、出品ユーザによる抽選確率の設定操作を受け付けて取引対象毎に設定するのでもよい。
【0183】
その後は、第1種取引実行制御部241は、取引の実行を制御して、取引対価の消費(支払い)と引き換えに、選択した出品オブジェクトを受領ユーザに提供する。取引対価は、当該販売機20が提供する第1種サービス種類の取引対価類別に応じた額とされる。また、提供された出品オブジェクトは当該販売機20の取扱対象から削除され、受領ユーザの所有オブジェクトに追加される。これによって出品オブジェクトの取引が成立して、受領ユーザによる受領が完了する。
【0184】
続いて、特典付与制御部245が、出品ユーザに対して出品者特典を付与する制御を行う(ステップS19)。出品者特典は、当該販売機20が提供する第1種サービス種類の出品者特典類別に応じた特典とされる。また、特典付与制御部245は、受領ユーザに対して受領者特典を付与する制御を行う(ステップS21)。受領者特典は、当該販売機20が提供する第1種サービス種類の受領者特典類別に応じた特典とされる。
【0185】
そして、ステップS23で終了判定を行い、終了と判定するまでは(ステップS23:NO)、ステップS1に戻って上記した処理を繰り返す。
【0186】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1種取引サービス又は第2種取引サービスであって、出品ユーザによる出品操作がなされた場合に、地理的類別、取扱ユーザ混在類別、取扱オブジェクト類別、取引対価類別、出品者特典類別、及び受領者特典類別の6つの類別に係る分類の組合せが異なる複数の取引サービスの中から何れか1つを選択することで、当該出品操作に係る出品オブジェクトに適用する選定取引対象サービスを選定することができる。そして、出品操作に係る出品オブジェクトを、選定取引サービスの取扱対象に含ませることができる。具体的には、例えば、仮想空間30中に点在して何れかの取引サービスを提供するショップ10又は販売機20を出品先として、当該出品オブジェクトを出品することができる。これによれば、出品オブジェクトを複数の取引サービスに分散させて、各取引サービスの実行を制御することができる。したがって、従来のように取引サービスが1つしかなく、その1つの取引サービスで提供される多くの出品オブジェクトに埋もれてお目当ての出品オブジェクトを探すこともままならないといった事態を避けることができ、ユーザに取引の機会を広く提供することが可能となる。
【0187】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0188】
[変形例1]
例えば、出品オブジェクトに第1種取引サービスを適用する場合(つまり、出品先を販売機20として出品オブジェクトの出品をする場合)に、出品ユーザによる第2種取引サービスでの取引の実績情報に基づき第1種サービス種類を選択して、選定取引サービスを選定することとしてもよい。取引の実績情報としては、例えば、ショップ10を出品先とした当該出品ユーザの出品数や売上数、売上総額、或いは、当該出品ユーザのショップ10での受領数や支払い総額等を用いることができる。
【0189】
これによれば、ショップ10に対して多くの出品オブジェクトを出品しているとか、ショップ10で多くの出品オブジェクトを購入している等、ショップ10での取引実績の多いユーザが販売機20を出品先として出品する場合に、ショップ10での取引実績の少ないユーザが販売機20を出品先として出品する場合と比べて優位な第1種サービス種類の取引サービスを選定する、といったことが可能となる。例えば、取引実績が多い場合は、地理的類別が繁華街エリア33の第1種サービス種類である取引サービスを選定取引サービスとして選定するとか、取扱ユーザ混在類別の人数が少ない第1種サービス種類の取引サービスを選定取引サービスとして選定する、といった具合である。
【0190】
[変形例2]
また、取引サービスに設定される類別は、上記実施形態で例示した6つに限定されない。例えば、取引対価類別にかえて、対価可変範囲類別を設定することとしてもよい。対価可変範囲類別は、取引サービスにおいて出品するユーザが取引対価を設定可能な範囲に応じた類別である。例えば、対価可変範囲類別テーブルとして、4段階で判定される出品ユーザのランク毎に異なる設定可能範囲を設定しておく。
【0191】
具体的には、設定可能範囲は、第1種取引サービスに係る分類の場合、取引対価の上限額として設定しておくことができる。すなわち、例えば、ゴールドランクに対しては「制限無し」、シルバーランクに対しては「1000コイン」、ブロンズランクに対しては「500コイン」、ホワイトランクに対しては「100コイン」といった具合である。そして、出品ユーザによる出品操作がなされた場合には、当該出品ユーザによる出品オブジェクトの取引対価の入力を、当該出品ユーザのランクに応じた上限額を超えない範囲で受け付ける。これによれば、ランクが高いユーザほど、自身の出品オブジェクトに対して高額な取引対価を設定することが可能となる。
【0192】
また、設定可能範囲は、第2種取引サービスに係る分類の場合であれば、選択可能な取引対価の額として設定しておくことができる。すなわち、例えば、ゴールドランクに対しては「1000コイン」及び「700コイン」、シルバーランクに対しては「7000コイン」及び「500コイン」、ブロンズランクに対しては「500コイン」及び「300コイン」、ホワイトランクに対しては「300コイン」及び「100コイン」といった具合である。その場合は、例えばゴールドランクに着目すると、該当する出品ユーザの出品先として、取り扱う出品オブジェクトの取引対価が1000コインの販売機20と、500コインの販売機20と、を仮想空間中に配置しておく。他のランクの出品ユーザの出品先についても同様である。そして、出品ユーザによる出品操作がなされた場合には、当該出品ユーザのランクに応じた取引対価の選択肢の中から1つを選択する当該出品ユーザの操作を受け付ける。そして、出品オブジェクトを、選択された取引対価に対応した販売機20の取扱対象に割り当てる。これによれば、ランクが高いユーザほど、出品オブジェクトに対して高額な取引対価を設定することが可能となる。
【0193】
[その他の変形例]
また、上記実施形態では、取引の対象とするオブジェクト(ショップ10や販売機20が取り扱う出品オブジェクト)として自作のユーザ生成オブジェクトを例示した。これに対し、例えば、ゲームプレイ中にドロップアイテムやイベントのクリア報酬、ログインボーナス等としてゲーム空間(仮想空間)で入手したゲームオブジェクトを、提供オブジェクトとして出品・販売する場合にも同様に適用できる。また、過去の取引で受領した他のユーザのユーザ生成オブジェクトを取引の対象に含めることもできる。
【0194】
また、出品ユーザと受領ユーザとの間の取引の形態は、例示した有償での譲渡に限らず、出品ユーザの出品オブジェクトを受領ユーザの所有オブジェクトと交換するトレードや、無償で行う譲渡等でもよい。また、有償での譲渡の場合において、取引価格の一部を手数料として運営側が徴収する構成としてもよい。その他、取引自体は無償で行い、出品ユーザに対して取引のたびに特典を付与する構成とすることもできる。その場合は、上記実施形態と同様に、ゲームを有利に進めることができる特典を設定しておくとよい。
【0195】
また、上記実施形態では、仮想空間としてゲーム空間を例示したが、アバターを介してユーザ同士が交流するメタバース等の仮想空間にも同様に適用できる。その場合は、アバターの着せ替えに用いる服飾品や、メタバース空間内で使用可能なアイテム等のオブジェクトが取引の対象となる。
【符号の説明】
【0196】
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
220…課金処理部
230…ゲーム管理部
231…生成処理部
233…選定部
235…割当制御部
237…格付け部
240…取引サービス実行制御部
241…第1種取引実行制御部
243…第2種取引実行制御部
245…特典付与制御部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
510…ユーザ管理データ
513…決済媒体帳簿データ
515…所有オブジェクト情報
517…プレイ履歴データ
519…生成履歴データ
600…取引情報
610…取引実績情報
620…出品実績情報
621…出品履歴
623…出品数
625…売上数
627…売上総額
630…受領実績情報
631…受領履歴
633…受領数
635…支払い総額
640…利用実績情報
641…利用期間長
643…利用回数
650…取引評価情報
651…出品物評価値
653…出品者評価値
520…ゲーム設定データ
530…類別選択テーブル
531…地理的類別テーブル
532…取扱ユーザ混在類別テーブル
533…取扱オブジェクト類別テーブル
534…取引対価類別テーブル
535…出品者特典類別テーブル
536…受領者特典類別テーブル
540…取引サービス設定データ
541…第1種取引サービス設定データ
543…第2種取引サービス設定データ
550…販売機データ
553…対応第1種サービス識別ID
554…位置
555…取扱対象リスト
556…出品ユーザリスト
560…ショップデータ
563…ショップ態様
564…対応第2種サービス識別ID
565…位置
566…取扱対象リスト
567…出品ユーザリスト
580…ユーザ生成オブジェクト情報
583…創作者情報
585…オブジェクト種類
587…パラメータ値
1500…ユーザ端末
100…操作入力部
200…端末処理部
270…ユーザ端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…画面表示制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
N…ネットワーク
2…ユーザ
30…仮想空間
31…エントランス広場
33…繁華街エリア
35…山間部エリア
37…沿岸部エリア
39…離島エリア
10…ショップ
11…個人ショップ
13(13-1~3)…専門ショップ
15…総合ショップ
20…販売機
図1
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