IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特開-液体付与装置及び電極製造装置 図1
  • 特開-液体付与装置及び電極製造装置 図2
  • 特開-液体付与装置及び電極製造装置 図3
  • 特開-液体付与装置及び電極製造装置 図4
  • 特開-液体付与装置及び電極製造装置 図5
  • 特開-液体付与装置及び電極製造装置 図6
  • 特開-液体付与装置及び電極製造装置 図7
  • 特開-液体付与装置及び電極製造装置 図8
  • 特開-液体付与装置及び電極製造装置 図9
  • 特開-液体付与装置及び電極製造装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132631
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】液体付与装置及び電極製造装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240920BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240920BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 401
B05C11/10
B05C5/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043478
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】安部 悠紀
【テーマコード(参考)】
2C056
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
2C056EB07
2C056EB30
2C056EB58
2C056EC79
2C056HA46
4F041AA12
4F041AB01
4F041BA13
4F041BA22
4F041BA38
4F042AA22
4F042BA08
4F042BA12
4F042CB03
4F042DB17
4F042DB41
4F042DB51
4F042DF23
(57)【要約】
【課題】複数の液体吐出ヘッドを備える液体付与装置の処理性能の低下を抑制する。
【解決手段】液体付与装置は、複数の液体吐出ヘッドと、第1コマンドの受信に基づいて複数の液体吐出ヘッドを制御し、第1コマンドに対応する応答を含む第2コマンドを出力する複数のヘッド制御部と、複数のヘッド制御部に対して第1コマンド及び第2コマンドを送受信するコマンド制御部とを有する。コマンド制御部は、受信情報記憶部に記憶された第2コマンドを示す第2情報が、送信情報記憶部に記憶された第1コマンドを示す第1情報に対応する場合、対応する情報を受信情報記憶部及び送信情報記憶部から削除し、第1情報が送信情報記憶部に所定時間残っている場合、タイムアウトエラーを判定する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体をそれぞれ吐出する複数の液体吐出ヘッドと、
前記複数の液体吐出ヘッドにそれぞれ対応して設けられ、コマンド列に含まれる複数の第1コマンドの各々の受信に基づいて、前記複数の液体吐出ヘッドをそれぞれ制御し、前記第1コマンドに対応する応答を含む第2コマンドを出力する複数のヘッド制御部と、
前記複数のヘッド制御部に前記第1コマンドを送信し、前記複数のヘッド制御部から前記第2コマンドを受信するコマンド制御部と、を有し、
前記コマンド制御部は、
前記複数のヘッド制御部に送信した前記第1コマンドを示す第1情報が記憶される送信情報記憶部と、
前記複数のヘッド制御部から受信した前記第2コマンドを示す第2情報が記憶される受信情報記憶部と、
前記受信情報記憶部に記憶された前記第2情報が、前記送信情報記憶部に記憶された前記第1情報に対応する場合、対応する前記第2情報と前記第1情報とを前記受信情報記憶部と前記送信情報記憶部とからそれぞれ削除するコマンド削除部と、
前記第1情報が前記送信情報記憶部に所定時間残っている場合、タイムアウトエラーを判定するエラー判定部と、
を有することを特徴とする液体付与装置。
【請求項2】
コマンド送信要求に基づいて前記第1コマンドを生成するコマンド生成部を有し、
前記コマンド生成部は、前記エラー判定部が前記タイムアウトエラーを判定した場合、前記送信情報記憶部に残っている前記第1コマンドの情報を使用して、前記複数のヘッド制御部に前記第1コマンドを再送すること
を特徴とする請求項1に記載の液体付与装置。
【請求項3】
前記第1コマンドの送信時刻が前記第1コマンドに対応付けて記憶される送信時刻記憶部を有し、
前記エラー判定部は、前記送信時刻記憶部に記憶された前記送信時刻からの経過時間に基づいて前記タイムアウトエラーを判定すること
を特徴とする請求項1に記載の液体付与装置。
【請求項4】
前記送信情報記憶部に前記第1コマンドの情報が記憶されたときにカウンタ値が第1方向に更新され、前記受信情報記憶部に前記第2コマンドの情報が記憶されたときに前記カウンタ値が前記第1方向と逆方向に更新されるカウンタを有し、
前記コマンド制御部は、前記コマンド列の最初の前記第1コマンドを前記複数のヘッド制御部に送信した後、前記カウンタ値が最初の前記第1コマンドの送信前の値に戻ったときに、前記コマンド列の処理の終了を判定すること
を特徴とする請求項1に記載の液体付与装置。
【請求項5】
前記コマンド制御部と前記複数のヘッド制御部とは、シリアル通信インタフェースにより順次に接続され、
前記複数のヘッド制御部は、前記シリアル通信インタフェースの上流から受信した前記第1コマンドに応答情報を付加し、
前記シリアル通信インタフェースの最も下流に配置される前記ヘッド制御部は、前記応答情報が付加された前記第1コマンドを前記第2コマンドとして前記コマンド制御部に送信すること
を特徴とする請求項1に記載の液体付与装置。
【請求項6】
前記コマンド制御部が前記複数のヘッド制御部に送信する前記第1コマンドは、前記複数の液体吐出ヘッドをそれぞれ制御する制御情報又は前記液体吐出ヘッドの状態を取得する取得情報を含み、
前記取得情報を含む前記第1コマンドを受信した前記ヘッド制御部は、前記液体吐出ヘッドの状態を含む前記第2コマンドを出力し、
前記コマンド制御部は、前記取得情報を含む前記第1コマンドに対応する前記第2コマンドを受信した場合、前記第2コマンドに含まれる前記液体吐出ヘッドの状態を読み取る読み取り部を有すること
を特徴とする請求項1に記載の液体付与装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の液体付与装置を有し、
電極基体上に、前記液体付与装置によって液体を付与して樹脂層又は無機層を形成することで、電極を形成すること
を特徴とする電極製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体付与装置及び電極製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、シリアル通信を用いてマスター制御部から複数のスレーブ制御部に命令を伝達し、各スレーブ制御部が命令に基づいてモータ等の搬送系を制御する手法が知られている。例えば、画像形成装置は、シリアル通信のデータに含まれる命令待機信号が有効な場合、スレーブ制御部による命令の実行を保留し、命令待機信号が解除された場合、保留していた命令を順次又は略同時に実行する(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、画像形成装置によるシリアル通信において、マスター制御部は、スレーブ制御部に発行した命令に対するスレーブ制御部から応答を受信したか否かを判定するエラー判定処理を命令毎に実施する。しかしながら、複数の命令毎にエラー判定処理を実施する場合、マスター制御部の制御に占めるエラー判定処理の比率が高くなり、複数の命令を含む命令列の発行頻度が低下して処理性能が低下するおそれがある。
【0004】
上記の課題に鑑み、本発明は、複数の液体吐出ヘッドを備える液体付与装置の処理性能の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題を解決するため、本発明の一形態の液体付与装置は、液体をそれぞれ吐出する複数の液体吐出ヘッドと、前記複数の液体吐出ヘッドにそれぞれ対応して設けられ、コマンド列に含まれる複数の第1コマンドの各々の受信に基づいて、前記複数の液体吐出ヘッドをそれぞれ制御し、前記第1コマンドに対応する応答を含む第2コマンドを出力する複数のヘッド制御部と、前記複数のヘッド制御部に前記第1コマンドを送信し、前記複数のヘッド制御部から前記第2コマンドを受信するコマンド制御部と、を有し、前記コマンド制御部は、前記複数のヘッド制御部に送信した前記第1コマンドを示す第1情報が記憶される送信情報記憶部と、前記複数のヘッド制御部から受信した前記第2コマンドを示す第2情報が記憶される受信情報記憶部と、前記受信情報記憶部に記憶された前記第2情報が、前記送信情報記憶部に記憶された前記第1情報に対応する場合、対応する前記第2情報と第1情報とを前記受信情報記憶部と前記送信情報記憶部とからそれぞれ削除するコマンド削除部と、前記第1情報が前記送信情報記憶部に所定時間残っている場合、タイムアウトエラーを判定するエラー判定部と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
複数の液体吐出ヘッドを備える液体付与装置の処理性能の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る電極製造装置の構成例を示す側面図である。
図2】第1の実施形態に係る電極製造装置の構成例を示す平面図である。
図3】第2の実施形態に係る電極製造装置の例を示す図である。
図4】第2の実施形態に係る電極製造装置の別の例を示す図である。
図5】第3の実施形態に係る電極製造装置の例を示す図である。
図6】第4の実施形態に係る電極製造装置の例を示す図である。
図7図1乃至図6の処理部のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図8図1乃至図6のコマンド制御部の機能構成例を示す図である。
図9図8のコマンド制御部によるコマンド処理部へのコマンドの送信処理例を示すフロー図である。
図10図8のコマンド制御部によるコマンド処理部からのコマンドの受信処理例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について詳細に説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0009】
以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための電極製造装置及び液体付与装置を例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等が記載されている場合、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。図面に記載しているZ方向は、典型的には鉛直方向であり、図面に記載しているX方向及びY方向は、典型的には水平方向である。
【0010】
実施形態で説明する電極製造装置は、樹脂層又は無機層を形成する液体を吐出し、集電体の表面上に形成された電極合材層の表面を覆うように樹脂層又は無機層を形成することで、電極又は電極の集合体を形成するものである。液体付与装置は、例えば、電極製造装置において、液体を吐出する機能部として構成される。すなわち、以下の実施形態では、液体付与装置は、電極製造装置に含まれる。このため、以下では、電極製造装置及び液体付与装置それぞれの一例として、電極製造装置について説明する。
【0011】
なお、液体を吐出することで電極基体上に樹脂層又は無機層を形成するとは、液体を吐出することのみで電極基体上に樹脂層又は無機層を形成する場合だけでなく、液体を吐出することで前駆体が形成され、その後の工程(例えば、加熱工程等)で樹脂層又は無機層が形成される場合等も含む。
【0012】
[第1の実施形態]
<電極製造装置の第1の構成例>
図1及び図2を参照して、第1の実施形態に係る電極製造装置1の構成について説明する。図1及び図2は、電極製造装置1の構成の一例を示す図である。図1は電極製造装置1の側面図であり、図2は電極製造装置1の平面図である。
【0013】
電極製造装置1は、搬送機構3と、検知器4と、複数の液体吐出ヘッド5aを含む液体吐出ユニット5と、光源6と、ヒータ7と、操作部8と、処理部10とを有する。検知器4、液体吐出ユニット5、光源6及びヒータ7は、X方向における上流側から下流側にこの順で配置されている。
【0014】
搬送機構3は、集電体2又は集電体2上に電極合材層2aを有する電極基体をX方向に搬送する。集電体2は、X方向に沿って延伸する長尺シート状の導電性箔である。導電性箔は例えば銅箔である。例えば、電極基体は、電極基体上に、電極基体の厚み、色及び反射率等の性状が異なる点をX方向と交差するY方向に沿って複数有する。
【0015】
搬送機構3は、電極基体が検知器4、液体吐出ヘッド5a、光源6及びヒータ7の正面を順次通過するように電極基体を搬送する。搬送機構3は、駆動ローラ3aと、従動ローラ3bと、駆動ローラ3aの回転角度信号を出力するエンコーダ31と、駆動ローラ3aを駆動させる図示しないモータとを含んでいる。電極基体は、少なくとも駆動ローラ3a及び従動ローラ3bに架け回されており、駆動ローラ3aの矢印方向への回転に従ってX方向に走行することによって搬送される。なお、搬送機構3は、電極基体の移動を補助するガイド部材等を更に備えてもよい。
【0016】
検知器4は、電極基体において性状が異なる点を時系列に検知し、検知した情報を出力する。電極製造装置1は、検知器4により出力される複数の検知情報に基づいて集電体2上に形成された電極合材層2aの位置情報を取得することができる。
【0017】
液体吐出ユニット5は、図2に示すように、例えば、各々がY方向に沿う複数のノズルを含む2つのノズル列5bが設けられた4つの液体吐出ヘッド5aを有する。なお、ノズル列5bは、液体の吐出口がある先端を集電体2に向けて配置されている。4つの液体吐出ヘッド5aは、Y方向に沿ってジグザグ状に配置されており、互いに隣接する2つの液体吐出ヘッド5aのノズル列5bのY方向の一部の位置が重複している。そして、Y方向に並ぶ複数のノズル列5bによる液体を吐出可能なY方向の長さは、電極基体のY方向の幅以上である。
【0018】
なお、液体吐出ヘッド5aの数は、複数のノズル列5bのY方向の長さが電極基体のY方向の幅以上になるのであれば、4つに限定されない。また、複数の液体吐出ユニット5がX方向に並べて配置されてもよい。この場合、液体吐出ユニット5により、複数種の液体を吐出することができる。或いは、液体吐出ユニット5が一度に吐出可能な領域を増やすことができる。
【0019】
各液体吐出ヘッド5aは、X方向に搬送される電極基体が有する集電体2上に形成されている電極合材層2a上に液体組成物を吐出することにより、電極基体上に液体組成物層である樹脂層を形成する。液体吐出ユニット5は、電極基体上に樹脂層を形成するための元データとなる画像データと、検知器4による複数の検知情報が結合された結合検知情報とに基づいて、各液体吐出ヘッド5aに液体組成物を吐出させ、樹脂層の前駆状態である樹脂前駆層を形成する。
【0020】
例えば、電極基体に多孔質層を形成する場合は、一つの液体ヘッドより多孔質層を形成しようとすると、層が不均一となり、電気化学素子としたときの特性にムラが生じる懸念がある。このような場合、複数の液体吐出ヘッドで同じ種類の液体組成物(インク)を用いることで、層を均一に形成することが可能となる。
【0021】
液体組成物としては、例えば樹脂層を形成するためのものとしては樹脂粒子または重合性化合物と、溶媒と、を含むものが挙げられ、無機層を形成するためのものとしては、無機酸化物粒子と、分散媒と、を含むものが挙げられる。無機酸化物粒子としては、例えばアルミナやシリカなどが挙げられる。
【0022】
液体吐出ヘッド5aから液体組成物を吐出する圧力発生手段及び駆動方法には特に制限はない。例えば、発熱体の熱により発生する蒸気の圧力を利用して液体組成物滴を飛翔させるサーマルアクチュエータ、圧電素子によって発生する機械的な圧力パルスを利用して液体組成物滴を飛翔させる圧電アクチュエータ、或いは、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータ等を使用することができる。更には、必要に応じて液体組成物の供給系に掛かる圧力をオン/オフすることにより液体組成物を飛翔させてもよい。
【0023】
光源6は、液体組成物が重合性化合物(モノマー)を含む場合に、用いられることが好ましく、電極基体上に形成された液体組成物層に光を照射して、液体組成物層を硬化させて樹脂層とする。すなわち、液体組成物が重合性化合物を含まない場合は、光源6は備えず、後述するヒータ7のみを備える形態としてもよい。光源6としては、例えば、低、中、高圧水銀ランプのような水銀ランプ、タングステンランプ、アーク灯、エキシマランプ、エキシマレーザ、半導体レーザ、高出力UV-LED、YAGレーザ、レーザと非線形光学結晶とを組み合わせたレーザシステム、高周波誘起紫外線発生装置、EBキュア等の電子線照射装置、X線照射装置等を使用することができる。光源6に集光用ミラーや走査光学系を設けてもよい。
【0024】
ヒータ7は、電極基体上に形成された樹脂層の作製用の液体組成物の吐出によって形成される樹脂前駆層を加熱することにより、硬化及び乾燥を促進する。ヒータ7としては、例えば、赤外ランプ、発熱体を内蔵したローラ(熱ローラ)、温風又は熱風を吹き出すブロワ、水蒸気等を用いたボイラー型熱風を導入した炉等を使用することができる。
【0025】
図1に示す操作部8は、タッチパネル等により構成されており、電極製造装置1のユーザによる電極製造装置1の操作入力を受け付けると共に、電極製造装置1の状態や設定を画面に表示する。
【0026】
処理部10は、搬送機構3、検知器4、液体吐出ユニット5、光源6及びヒータ7等の動作を制御する。また、処理部10は、液体吐出ユニット5との間でのコマンドの送受信を制御するコマンド制御部100を有する。コマンド制御部100の例は、図8に示される。処理部10は、電極製造装置1との間において信号又はデータの送受信が可能であれば、電極製造装置1の内部又は外部の何れに配置されていてもよいし、電極製造装置1から離れた遠隔場所に配置されていてもよい。
【0027】
[第2の実施形態]
<電極製造装置の第2の構成例>
図3及び図4は、第2の実施形態に係る電極製造装置1Aの構成の例を示す図である。図3及び図4は、基材に液体組成物を直接的に付与して多孔質樹脂層を形成することで電極を製造する電極製造装置の一例を示す模式図である。
【0028】
電極製造装置1Aは、液体組成物を用いて多孔質樹脂層を製造する装置である。例えば、液体組成物は、重合性化合物、溶媒、及び必要に応じて重合開始剤などのその他成分を含む。また、液体組成物は、硬化させられることで樹脂を骨格とする多孔質構造を有する樹脂構造体(例えば、多孔質樹脂)を形成する。液体組成物は、重合性化合物、溶媒、および必要に応じて重合開始剤などのその他成分を含む。また、液体組成物は、硬化させられることで樹脂を骨格とする多孔質構造を有する樹脂構造体を形成する。
【0029】
なお、この実施形態では、液体組成物は多孔質樹脂を形成するが、これは、液体組成物中において多孔質樹脂が形成される場合だけでなく、液体組成物中において多孔質樹脂の前駆体(例えば、多孔質樹脂の骨格部)が形成され、その後の工程(例えば、加熱工程等)で多孔質樹脂が形成される場合等も含む意味である。また、液体組成物が多孔質樹脂を形成するとは、液体組成物中の一部成分(重合性化合物等)が硬化(重合)させられることで多孔質樹脂の骨格を形成し、液体組成物中のその他成分(溶媒等)が硬化させられずに多孔質樹脂を形成しない場合等も含む意味である。
【0030】
電極製造装置1Aは、印刷基材40上に、液体組成物54を付与して液体組成物層を形成する付与処理を実施する印刷部50と、液体組成物層に熱又は光を付与して重合させる重合処理を実施する重合部60と、液体組成物54を重合処理することで得られた多孔質樹脂前駆体54Aを加熱し、その孔内の溶媒を除去することで多孔質樹脂を得る除去処理を実施する除去部70を備える。電極製造装置1Aは、印刷基材40を搬送する搬送部41、42を備え、印刷部50、重合部60、除去部70の順に印刷基材40をあらかじめ設定された速度で搬送する。また、電極製造装置1Aは、図1の電極製造装置1と同様に操作部8と処理部10とを有する。
【0031】
印刷部50は、印刷基材40上に多孔質樹脂層を形成するための液体組成物54を付与するための印刷装置51と、液体組成物54を収容する収容容器52と、収容容器52に貯留された液体組成物54を印刷装置51に供給する供給チューブ53とを備える。例えば、印刷装置51は、複数の液体吐出ヘッドを有する。
【0032】
収容容器52は、液体組成物54を収容し、印刷部50は、印刷装置51から液体組成物54を吐出して、搬送部41、42により搬送される印刷基材40上に液体組成物54を付与して液体組成物層を薄膜状に形成する。なお、収容容器52は、電極製造装置1Aと一体化した構成であってもよいが、電極製造装置1Aから取り外し可能な構成であってもよい。また、電極製造装置1Aと一体化した収容容器52や電極製造装置1Aから取り外し可能な収容容器52に添加するために用いられる容器であってもよい。また、図4に示すように、電極製造装置1Aは、複数の印刷部50を有してもよい。
【0033】
収容容器52及び供給チューブ53は、液体組成物54を安定して貯蔵及び供給できるものであれば任意に選択可能である。収容容器52及び供給チューブ53を構成する材料は、紫外及び可視光の比較的短波長領域において遮光性を有することが好ましい。これにより、液体組成物54が外光により重合開始されることが防止される。
【0034】
重合部60は、光重合の場合、重合工程を実施するための照射部61と、重合不活性気体を循環させる気体置換モジュール62を有し、照射部61は、印刷部50により形成された液体組成物層に重合不活性気体の存在下において光を照射し、光重合させて多孔質樹脂前駆体54Aを得る。
【0035】
照射部61は、液体組成物層に含まれる光重合開始剤の吸収波長に応じて適宜選択され、液体組成物層中の化合物の重合を開始及び進行させられるものならば特に限定はなく、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管、LED等の紫外線光源などが挙げられる。ただし、短波長の光ほど一般に深部に到達しやすい傾向を持つため、形成する多孔質膜の厚みに応じて光源を選択することが好ましい。
【0036】
照射部61の光源の照射強度に関して、照射強度が強すぎると相分離が十分に起きる前に急激に重合が進行するため、多孔質構造が得られにくい傾向がある。また、照射強度が弱すぎる場合は、相分離がミクロスケール以上に進行し、多孔質のばらつきや粗大化が起きやすい。また、照射時間も長くなり、生産性が低下する傾向にある。そのため、照射強度としては10mW/cm以上1W/cm以下が好ましく、30mW/cm以上300mW/cm以下がより好ましい。
【0037】
気体置換モジュール62は、大気中に含まれる重合活性な酸素濃度を低下させ、液体組成物層の表面近傍の重合性化合物の重合反応を阻害されることなく進行させる役割を担う。そのため、用いられる重合不活性気体は上記機能を満たすものならば特に制限はなく、例えば窒素、二酸化炭素又はアルゴンなどが挙げられる。
【0038】
重合不活性気体の酸素濃度としては、阻害低減効果が効果的に得られることを考慮して、20%未満(大気よりも酸素濃度が低い環境)が好ましく、0%以上15%以下がより好ましく、0%以上5%以下が更に好ましい。また、気体置換モジュール62は安定した重合進行条件を実現させるために、温度を調節できる温調手段が設けられていることが好ましい。
【0039】
重合部60は、熱重合の場合は、加熱装置であってもよい。加熱装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基板加熱(例えば、ホットプレート)、IRヒータ、温風ヒータなどが挙げられ、これらを組み合わせてもよい。
【0040】
また、加熱温度や時間、又は光照射の条件に関しては、液体組成物54に含まれる重合性化合物や形成膜厚に応じて適宜選択可能である。
【0041】
除去部70は、加熱装置71を有し、重合部60により形成した多孔質樹脂前駆体54Aを加熱装置71により加熱して、残存する液体を乾燥させて除去する液体除去工程を行う。これにより多孔質樹脂を形成することができる。除去部70は、液体除去を減圧下で実施してもよい。
【0042】
また、除去部70は、多孔質樹脂前駆体54Aを加熱装置71により加熱して、重合部60で実施した重合反応を更に促進させる重合促進工程、及び多孔質樹脂前駆体54Aに残存する光重合開始剤を、加熱装置71により加熱して乾燥させて除去する開始剤除去工程も行う。なお、これらの重合促進工程及び開始剤除去工程は、液体除去工程と同時ではなく、液体除去工程の前又は後に実施されてもよい。
【0043】
さらに、除去部70は、液体除去工程後に、多孔質を減圧下で加熱する重合完了工程を行う。加熱装置71は、上記機能を満たすものならば特に制限はなく、例えばIRヒータや温風ヒータなどが挙げられる。
【0044】
また、加熱温度や時間に関しては、多孔質樹脂前駆体54Aに含まれる液体の沸点や形成膜厚に応じて適宜選択可能である。
【0045】
[第3の実施形態]
<電極製造装置の第3の構成例>
図5は、第3の実施形態に係る電極製造装置1Bの構成例を示す図である。図5は、ドラム状の中間転写体を用いたインクジェット方式を採用した印刷部により電極を製造する電極製造装置1Bの要部を示す概要図である。
【0046】
図5に示す電極製造装置1Bは、印刷部80と、図1と同様の操作部8及び処理部10とを有する。印刷部80は、中間転写体82aを介して基材に液体組成物乃至多孔質樹脂を転写することで基材上に多孔質樹脂を形成する、インクジェットプリンタである。
【0047】
印刷部80は、インクジェット部81、転写ドラム82、前処理ユニット83、吸収ユニット84、加熱ユニット85および清掃ユニット86を備える。
【0048】
インクジェット部81は、複数のヘッド81aを保持したヘッドモジュール81bを備える。ヘッド81aは、転写ドラム82に支持された中間転写体82aに液体組成物を吐出し、中間転写体82a上に液体組成物層を形成する。各ヘッド81aは、ラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの基材の記録領域の幅をカバーする範囲にノズルが配列されている。ヘッド81aは、その下面に、ノズルが形成されたノズル面を有しており、ノズル面は、微小間隙を介して中間転写体82aの表面と対向している。本実施形態の場合、中間転写体82aは円軌道上を循環移動する構成であるため、複数のヘッド81aは、放射状に配置される。
【0049】
転写ドラム82は、圧胴87と対向し、転写ニップ部を形成する。前処理ユニット83は、ヘッド81aによる液体組成物の吐出前に、例えば、中間転写体82a上に、液体組成物の粘度を高めるための反応液を付与する。吸収ユニット84は、転写前に、中間転写体82a上の液体組成物層から液体成分を吸収する。加熱ユニット85は、転写前に、中間転写体82a上のインク層を加熱する。液体組成物層を加熱することで、液体組成物を熱重合させて、多孔質樹脂を形成する。また、液体が除去され、基材への転写性が向上する。清掃ユニット86は、転写後に中間転写体82a上を清掃し、中間転写体82a上に残留したインクやごみ等の異物を除去する。
【0050】
圧胴87の外周面は、中間転写体82aに圧接しており、圧胴87と中間転写体82aとの転写ニップ部を基材が通過するときに、中間転写体82a上の多孔質樹脂が基材に転写される。なお、圧胴87は、その外周面に基材の先端部を保持するグリップ機構を少なくとも1つ備えた構成としてもよい。
【0051】
[第4の実施形態]
<電極製造装置の第4の構成例>
図6は、第4の実施形態に係る電極製造装置1Cの構成例を示す図である。図6は、無端ベルト状の中間転写体を用いた転写方式を採用した印刷部により電極を製造する電極製造装置1Cの要部を示す概要図である。
【0052】
図6に示す電極製造装置1Cは、印刷部90と、図1と同様の操作部8及び処理部10とを有する。印刷部90は、中間転写ベルト92を介して基材に液体組成物乃至多孔質樹脂を転写することで基材上に多孔質樹脂を形成する、インクジェットプリンタである。
【0053】
印刷部90は、インクジェット部91に設けた複数のヘッド91aから液体組成物の液滴を吐出して、中間転写ベルト92の外周表面上に液体組成物層を形成する。中間転写ベルト92に形成された液体組成物層は、加熱ユニット93によって加熱され、熱重合することで多孔質樹脂を形成し、中間転写ベルト92上で膜化する。
【0054】
中間転写ベルト92が転写ローラ94と対向する転写ニップ部において、中間転写ベルト92上の膜化した多孔質樹脂は基材に転写される。転写後の中間転写ベルト92の表面は、清掃ローラ95によって清掃される。
【0055】
中間転写ベルト92は、駆動ローラ96a、対向ローラ96b、複数(本例では4つ)の形状維持ローラ96c、96d、96e、96f、および複数(本例では4つ)の支持ローラ96gに架け渡され、図中矢印方向に移動する。ヘッド91aに対向して設けられる支持ローラ96gは、ヘッド91aからインク滴が吐出される際の中間転写ベルト92の引張状態を維持する。
【0056】
<処理部10のハードウェア構成例>
図7は、図1乃至図6の処理部10のハードウェア構成例を示すブロック図である。処理部10は、コンピュータによって構築されている。処理部10は、システムバスBを介して相互に電気的に接続されたCPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、I/F(Interface)15とを有する。
【0057】
CPU11は、各種の演算処理及び制御処理を実行する。ROM12は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU11の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM13は、図9及び図10で説明するコマンド制御プログラムを記憶し、CPU11で使用するデータを記憶するワークエリアとしても使用される。HDD14は、コマンド制御プログラム及び液体吐出ユニット5の制御プログラム等の各種プログラムと、各種プログラムで使用するパラメータ(初期データ等)とを記憶する。なお、処理部10は、HDD14の代わりにSSD(Solid State Drive)を有してもよく、HDD14とSSDの両方を有してもよい。
【0058】
I/F15は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。例えば、I/F15に接続される外部機器は、図1の電極製造装置1の場合、搬送機構3、検知器4、液体吐出ユニット5、光源6、ヒータ7及び操作部8を含む。I/F15に接続される外部機器は、図3の電極製造装置1Aの場合、搬送部41、42、印刷部50、重合部60、除去部70及び操作部8を含む。I/F15に接続される外部機器は、図5の電極製造装置1Bの場合、印刷部80及び操作部8を含む。I/F15に接続される外部機器は、図6の電極製造装置1Cの場合、印刷部90及び操作部8を含む。
【0059】
<コマンド制御部100の機能構成例>
図8は、図1乃至図6のコマンド制御部100の機能構成例を示す図である。コマンド制御部100は、コマンド生成部110、送信コマンド記憶部120、受信コマンド記憶部130、タスクカウンタ140、コマンド比較部150、エラー判定部160、コマンド削除部170及び読み取り部180を有する。送信コマンド記憶部120は、命令記憶部121及び送信時刻記憶部122を有する。受信コマンド記憶部130は、命令記憶部131を有する。命令記憶部121は、送信情報記憶部の一例であり、命令記憶部131は、受信情報記憶部の一例である。
【0060】
なお、図8では、コマンド制御部100は、図1の液体吐出ユニット5との間でコマンドを送受信する例が説明される。図3及び図4の電極製造装置1Aでは、図8の液体吐出ユニット5は、印刷部50に置き換えられ、コマンド制御部100は、印刷部50との間でコマンドを送受信する。
【0061】
図5の電極製造装置1Bでは、図8の液体吐出ユニット5は、インクジェット部81に置き換えられ、コマンド制御部100は、インクジェット部81との間でコマンドを送受信する。図6の電極製造装置1Cでは、図8の液体吐出ユニット5は、インクジェット部91に置き換えられ、コマンド制御部100は、インクジェット部91との間でコマンドを送受信する。
【0062】
例えば、コマンド生成部110、タスクカウンタ140、コマンド比較部150、エラー判定部160、コマンド削除部170及び読み取り部180は、図7のCPU11が実行するコマンド制御プログラムにより実現されてもよい。この際、タスクカウンタ140は、CPU11が有するレジスタが使用されてもよい。送信コマンド記憶部120及び受信コマンド記憶部130は、図7のRAM13に割り当てられてもよい。なお、コマンド生成部110、タスクカウンタ140、コマンド比較部150、エラー判定部160、コマンド削除部170及び読み取り部180は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェア(回路)により実現されてもよい。
【0063】
コマンド生成部110は、図1の操作部8の操作に基づいて処理部10が出力するコマンド送信要求を受信した場合、コマンド送信要求の内容に基づいて複数のコマンドを含むコマンド列を生成する。例えば、コマンドは、命令とデータとを含み、液体吐出ユニット5にフレームの形態で送信される。コマンド生成部110が生成するコマンドは、第1コマンドの一例である。コマンド生成部110が生成するコマンドに含まれる命令は、第1コマンドの情報の一例である。
【0064】
例えば、コマンドは、液体吐出ユニット5の各種設定用の設定コマンド、液体吐出ヘッド5aの温度等の状態を取得する取得コマンド、液体吐出ヘッド5aを制御して駆動させる駆動コマンド等がある。取得コマンドに含まれる、温度等の状態を取得するための情報は、取得情報の一例である。駆動コマンドに含まれる、液体吐出ヘッド5aを制御するための情報は、制御情報の一例である。また、コマンドは、個別のコマンド処理部20を指定して発行される個別コマンドと、全てのコマンド処理部20に発行されるブロードキャストコマンドとが指定可能である。
【0065】
設定コマンド及び駆動コマンドは、ライトコマンドの一種であり、発行したコマンドに対するコマンド処理部20からの応答にデータが含まれない。取得コマンドは、リードコマンドの一種であり、発行したコマンドに対するコマンド処理部20からの応答に温度情報等のデータが含まれる。なお、各種コマンドは、命令として液体吐出ユニット5に送信される。
【0066】
コマンド生成部110は、生成したコマンドに含まれる命令を命令記憶部121に格納する。例えば、コマンド制御部100と液体吐出ユニット5との間の通信は、シリアル通信インタフェースを使用して実施される。なお、コマンド制御部100と液体吐出ユニット5との間の通信は、パラレル通信インタフェースを使用して実施されてもよい。
【0067】
なお、コマンド送信要求に含まれるコマンドの数(すなわち、命令の数)が可変の場合、コマンド送信要求は、コマンドの数(すなわち、命令の数)を含んでもよい。そして、コマンド制御部100は、コマンド送信要求に含まれる数の命令を液体吐出ユニット5に順次送信する。命令記憶部121、131に記載している命令n及び送信時刻記憶部122に記載している送信時刻nの符号nは、コマンド送信要求に含まれる命令の数を示す。
【0068】
コマンド制御部100は、コマンド生成部110が生成した命令を含むコマンドを、コマンドの処理に使用するデータとともに液体吐出ユニット5に送信し、コマンドを液体吐出ユニット5に送信した時刻(送信時刻)を送信時刻記憶部122に格納する。コマンド制御部100は、コマンドを液体吐出ユニット5に送信した場合、タスクカウンタ140のカウンタ値taskを+1更新する。
【0069】
カウンタ値taskが増加する更新方向は、第1方向の一例である。カウンタ値taskは、コマンド処理部20に発行したコマンドのうち、応答を受信していない未完了のコマンドの数を示す。例えば、カウンタ値taskは、コマンド生成部110が生成したコマンド列を受信したときに0に初期化される。
【0070】
液体吐出ユニット5は、4つの液体吐出ヘッド5aに対応する4つのコマンド処理部20を有する。4つのコマンド処理部20とコマンド制御部100とは、シリアル通信インタフェースにより順次接続されている。すなわち、4つのコマンド処理部20は、送信コマンド記憶部120と受信コマンド記憶部130との間に直列に接続されている。シリアル通信インタフェースにおいて、送信コマンド記憶部120側は上流側であり、受信コマンド記憶部130側は下流側である。
【0071】
コマンド制御部100から受信したコマンドは、例えば、フレームの形態で4つのコマンド処理部20に順次転送され、各コマンド処理部20により処理される。各コマンド処理部20は、受信したコマンドに基づいて、例えば、対応する液体吐出ヘッド5aを駆動する制御信号を液体吐出ヘッド5aに出力する。各コマンド処理部20は、対応する液体吐出ヘッド5aを制御するヘッド制御部の一例である。
【0072】
シリアル通信インタフェースにより、4つのコマンド処理部20とコマンド制御部100とを順次接続することで、コマンド制御部100が送信する1つのコマンドにより、1つ又は複数のコマンド処理部20に処理を実施させることができる。また、コマンド制御部100は、1つ又は複数のコマンド処理部20の処理結果を1つのコマンドとして受信することができる。
【0073】
コマンド処理部20は、受信したコマンドの処理結果を応答情報としてフレームに格納し、次段のコマンド処理部20又はコマンド制御部100に転送する。すなわち、各コマンド処理部20は、受信したコマンドに応答を付加して、シリアル通信インタフェースの下流側に転送する。応答を含むコマンドは、第2コマンドの一例であり、応答を含むコマンドに含まれる命令は、第2コマンドの情報の一例である。
【0074】
液体吐出ヘッド5aの温度等の状態を取得する取得コマンド(リードコマンド)を受信したコマンド処理部20は、液体吐出ヘッド5aの温度等の状態を応答として含むコマンドを下流側に出力する。なお、液体吐出ユニット5は、コマンド処理部20及び液体吐出ヘッド5aのペア毎に設けられてもよい。
【0075】
コマンド制御部100は、液体吐出ユニット5により処理結果が格納されたフレーム(コマンドの応答)を液体吐出ユニット5から受信した場合、コマンドに含まれる命令を命令記憶部131に格納し、タスクカウンタ140のカウンタ値taskを-1更新する。カウンタ値taskが減少する更新方向は、第1方向と逆方向の一例である。液体吐出ユニット5からコマンド制御部100に送信されるコマンドの応答は、液体吐出ユニット5の1つ又は複数の液体吐出ヘッド5aにより何らかの処理が実施されたことを示す。
【0076】
コマンド制御部100は、コマンド生成部110が生成したコマンド列の最初のコマンドを液体吐出ユニット5に送信した後、カウンタ値taskが初期値0に戻った場合、コマンド列の処理の終了を判定する。これにより、コマンド列に含まれる命令の数が可変の場合にも、コマンド制御部100は、タスクカウンタ140を参照することで、各コマンド列の処理の終了を判定することができる。
【0077】
コマンド比較部150は、送信コマンド記憶部120の命令記憶部121に記憶されている命令と、受信コマンド記憶部130に記憶されている命令記憶部131に記憶されている命令とを比較する。コマンド比較部150は、命令記憶部121、131に同じ命令が記憶されている場合、命令の一致を判定する。コマンド比較部150は、一致を判定した命令を命令記憶部121、131から削除する指示をコマンド削除部170に出力する。コマンド削除部170は、削除を指示された命令を命令記憶部121、131から削除する。
【0078】
エラー判定部160は、命令記憶部121に記憶されている命令に対応して送信時刻記憶部122に記憶されている送信時刻を取得する。エラー判定部160は、取得した送信時刻から現在時刻までの経過時間が予め設定された受信タイムアウト時間以上の場合、受信タイムアウトエラーを判定する。すなわち、エラー判定部160は、送信から受信タイムアウト時間以上が経過した命令が命令記憶部121に残っている場合、受信タイムアウトエラーを判定する。受信タイムアウト時間は、所定時間の一例である。コマンド制御部100は、エラー判定部160が受信タイムアウトエラーを判定した場合、エラー処理を実行する。
【0079】
これにより、エラー判定部160は、複数の命令の各々についての受信タイムアウトエラーを判定しなくてよいため、受信タイムアウトエラーの判定処理を簡素化することができ、エラーの判定処理の負荷を軽減することができる。この結果、例えば、エラーの判定処理によりコマンド列の送信頻度が低下することを抑制することができ、処理性能の低下を抑制することができる。
【0080】
なお、コマンド比較部150が比較を開始する時刻を比較開始時刻として保持する領域が、受信コマンド記憶部130に設けられてもよい。この場合、例えば、エラー判定部160は、送信時刻記憶部122から送信時刻を取得する代わりに、受信コマンド記憶部130に記憶された比較開始時刻を取得し、取得した比較開始時刻から現在時刻までの経過時間が予め設定された受信タイムアウト時間以上の場合、受信タイムアウトエラーを判定してもよい。また、コマンド制御部100は、フローが終了したときに受信コマンド記憶部130に記憶されている比較開始時刻をリセットしてもよい。
【0081】
読み取り部180は、液体吐出ユニット5に送信されたリードコマンドの応答を含むコマンド(応答コマンド)をコマンド制御部100が受信した場合、コマンドに含まれる液体吐出ヘッド5aの状態(温度等)を読み取る。読み取り部180は、読み取った液体吐出ヘッド5aの状態を、コマンド制御部100を介して処理部10に通知する。処理部10は、コマンド制御部100からの通知に基づいて、液体吐出ユニット5の状態を把握し、或いは、次のコマンド送信要求をコマンド制御部100に発行する。
【0082】
<コマンド処理部20へのコマンドの送信処理例>
図9は、図8のコマンド制御部100によるコマンド処理部20へのコマンドの送信処理例を示すフロー図である。図9に示す処理は、例えば、図7のCPU11がコマンド制御プログラムを実行することにより実現される。図9は、コマンド制御方法の例を示している。図9に示すフローは、コマンド制御部100がコマンド送信要求を受信したことに基づいて開始される。
【0083】
まず、ステップS10において、コマンド制御部100は、送信コマンド記憶部120に空きがある場合、ステップS11の処理を実施する。コマンド制御部100は、送信コマンド記憶部120に空きがない場合、ステップS14の処理を実施する。
【0084】
ステップS11において、コマンド制御部100は、送信コマンド記憶部120の命令記憶部121にコマンドに含まれる命令を格納する。コマンド制御部100は、送信コマンド記憶部120の命令記憶部121に命令を格納したことに基づいて、格納した命令とデータとをコマンド処理部20に向けて送信する。コマンド制御部100は、命令を送信した時刻を、送信時刻として命令に対応付けて送信時刻記憶部122に格納する。次に、ステップS12において、コマンド制御部100は、タスクカウンタ140のカウンタ値taskを+1する。
【0085】
次に、ステップS13において、コマンド制御部100は、コマンド送信要求に対応する全ての命令をコマンド処理部20に送信した場合、コマンド送信要求に対応する送信処理を終了する。コマンド制御部100は、コマンド送信要求に対応する全ての命令をコマンド処理部20に送信していない場合、ステップS14の処理を実施する。
【0086】
ステップS14において、コマンド制御部100は、コマンド送信要求の受信から予め設定された送信タイムアウト時間が経過した場合、送信タイムアウトエラーが発生したと判定し、ステップS15の処理を実施する。コマンド制御部100は、コマンド送信要求の受信から送信タイムアウト時間が経過していない場合、ステップS10の処理に戻る。
【0087】
ステップS15において、コマンド制御部100は、送信タイムアウトエラーに対応するエラー処理を実施し、図9に示す処理を終了する。なお、ステップS15において、コマンド制御部100は、処理部10に送信タイムアウトエラーの発生を通知してもよい。
【0088】
<コマンド処理部20からのコマンドの受信処理例>
図10は、図8のコマンド制御部100によるコマンド処理部20からのコマンドの受信処理例を示すフロー図である。図10に示す処理は、例えば、図7のCPU11がコマンド制御プログラムを実行することにより実現される。図10は、コマンド制御方法の例を示している。図10に示すフローは、コマンド制御部100がコマンド送信要求を受信したことに基づいて開始される。
【0089】
なお、以下では、コマンド制御部100が図1の液体吐出ユニット5からコマンドを受信する例が示される。図3及び図4の電極製造装置1Aのコマンドの受信処理では、コマンド制御部100は、印刷部50からコマンドを受信する。図5の電極製造装置1Bのコマンドの受信処理では、コマンド制御部100は、インクジェット部81からコマンドを受信する。図6の電極製造装置1Cのコマンドの受信処理では、コマンド制御部100は、インクジェット部91からコマンドを受信する。
【0090】
まず、ステップS20において、コマンド制御部100は、応答コマンドを受信した場合、ステップS21の処理を実施する。コマンド制御部100は、応答コマンドを受信していない場合、ステップS30の処理を実施する。
【0091】
ステップS21において、コマンド制御部100は、応答コマンドに含まれるデータを取得する。次に、ステップS22において、コマンド制御部100は、応答コマンドに含まれる命令を命令記憶部131に格納し、格納した命令と、送信コマンド記憶部120の命令記憶部121に記憶されている命令とを比較する。
【0092】
次に、ステップS23において、コマンド制御部100は、応答コマンドに含まれる命令が送信した命令のいずれかと一致する場合、ステップS24の処理を実施する。コマンド制御部100は、応答コマンドに含まれる命令が送信した命令のいずれとも一致しない場合、ステップS28の処理を実施する。
【0093】
ステップS24において、コマンド制御部100は、ステップS20で受信した応答コマンドがリードコマンドに対応する場合、ステップS25の処理を実施する。コマンド制御部100は、ステップS20で受信した応答コマンドがリードコマンドに対応していない場合(すなわち、ライトコマンドに対応)、ステップS26の処理を実施する。
【0094】
ステップS25において、コマンド制御部100は、応答コマンドに含まれるデータを取得し、ステップS27を実施する。ステップS26において、コマンド制御部100は、応答コマンドに含まれるデータを破棄し、ステップS27を実施する。
【0095】
ステップS27において、コマンド制御部100は、応答コマンドに含まれる命令を命令記憶部121、131から削除し、削除した命令に対応して送信時刻記憶部122に記憶されている送信時刻を削除する。例えば、応答コマンドが命令1を示す場合、コマンド制御部100は、命令1を命令記憶部121、131からそれぞれ削除し、命令1に対応する送信時刻1を送信時刻記憶部122から削除する。コマンド生成部110が生成したコマンドが命令1のみを含む場合、コマンド制御部100は、命令1の削除と送信時刻1の削除とに基づいてタスクカウンタ140のカウンタ値taskを-1する。コマンド制御部100は、ステップS27の後、ステップS29を実施する。
【0096】
また、コマンド生成部110が生成したコマンドが命令1及び命令2を含む場合、コマンド制御部100は、応答コマンドに含まれる命令1及び命令2を命令記憶部121、131から削除し、削除した命令に対応して送信時刻記憶部122に記憶されている送信時刻1及び送信時刻2を削除する。そして、コマンド制御部100は、タスクカウンタ140のカウンタ値taskを-1する。
【0097】
ステップS28において、コマンド制御部100は、応答コマンドに含まれる命令が送信した命令のいずれとも一致しないため、通信エラーの処理を実施し、その後、ステップS29の処理を実施する。なお、ステップS28において、コマンド制御部100は、処理部10に通信エラーの発生を通知してもよい。
【0098】
ステップS29において、コマンド制御部100は、カウンタ値taskが0の場合、受信したコマンド送信要求に対応するコマンドのコマンド処理部20による処理が完了したと判定し、図10に示す受信処理を終了する。すなわち、コマンド制御部100は、コマンド生成部110が生成したコマンド列の最初のコマンドを、例えば、図1の液体吐出ユニット5に送信した後、カウンタ値taskが最初のコマンドの送信前の値に戻った場合、コマンド列の処理が終了したことを判定する。コマンド制御部100は、カウンタ値taskが0でない場合、受信したコマンド送信要求に対応する命令のコマンド処理部20による処理が完了していないと判定し、ステップS30の処理を実施する。
【0099】
ステップS30において、コマンド制御部100は、送信時刻記憶部122を参照し、削除されることなく送信から受信タイムアウト時間が経過した命令が命令記憶部121に残っているか否かを判定する。コマンド制御部100は、受信タイムアウト時間が経過した命令が命令記憶部121に残っている場合、受信タイムアウトエラーの発生を判定し、ステップS31の処理を実施する。コマンド制御部100は、受信タイムアウトエラーが発生していない場合、ステップS20の処理に戻る。
【0100】
なお、コマンド制御部100は、ステップS23による比較で一致した命令をステップS27で削除し、カウンタ値taskを-1する。コマンド制御部100は、カウンタ値taskが0でない場合、ステップS20に戻り、ステップS22で命令を比較する。正しく受信された命令は削除されるため、ステップS22、S23での比較対象の命令は、未受信の命令のみである。
【0101】
ステップS31において、コマンド制御部100は、受信タイムアウトエラーに対応するエラー処理を実施し、図10に示す受信処理を終了する。なお、ステップS31において、コマンド制御部100は、処理部10に受信タイムアウトエラーの発生を通知してもよい。
【0102】
また、受信タイムアウトエラーが発生した場合、コマンド制御部100は、送信コマンド記憶部120の命令記憶部121に残っている命令を使用して、液体吐出ユニット5に命令を再送してもよい。この場合、コマンド制御部100は、コマンド生成部110にコマンドを再生成させることなく、液体吐出ユニット5に命令を出力することができる。或いは、コマンド制御部100は、処理部10にコマンド送信要求を再発行させることなく、液体吐出ユニット5に命令を出力することができる。この結果、受信タイムアウトエラーの発生時に命令の再送までに掛かる時間を短縮することができ、液体吐出ユニット5の処理性能を向上することができる。
【0103】
<実施形態の作用効果>
以上、この実施形態では、コマンド削除部170は、命令記憶部121、131に共通の命令が記憶されている場合、共通の命令を削除する。そして、エラー判定部160は、命令記憶部121に残っている命令のいずれかにおける送信時刻から現在時刻までの経過時間が受信タイムアウト時間以上である場合、受信タイムアウトエラーを判定し、エラー処理を実施する。
【0104】
これにより、コマンド制御部100は、液体吐出ユニット5、印刷部50又はインクジェット部91、92に送信した複数の命令の各々についての受信タイムアウトエラーを判定することなく、受信タイムアウトエラーの発生を判定することができる。これにより、受信タイムアウトエラーの判定処理を簡素化することができ、エラーの判定処理の負荷を軽減することができる。この結果、例えば、エラーの判定処理によりコマンド列の送信頻度が低下することを抑制することができ、液体吐出ユニット5等の処理性能の低下を抑制することができる。
【0105】
コマンド制御部100は、受信タイムアウトエラーが発生した場合、命令記憶部121に残っている命令を使用して、液体吐出ユニット5、印刷部50又はインクジェット部91、92に命令を再送することができる。すなわち、コマンド制御部100は、コマンド生成部110にコマンドを再生成させることなく、液体吐出ユニット5等に命令を出力することができ、或いは、コマンド送信要求を再発行させることなく、液体吐出ユニット5等に命令を出力することができる。この結果、受信タイムアウトエラーの発生時に命令の再送までに掛かる時間を短縮することができ、液体吐出ユニット5、印刷部50又はインクジェット部91、92の処理性能を向上することができる。
【0106】
コマンド削除部170は、命令記憶部121から命令を削除する場合、削除した命令に対応して送信時刻記憶部122に記憶されている送信時刻を削除する。これにより、命令記憶部121に残っている命令に対応する送信時刻のみを送信時刻記憶部122に残すことができる。このため、エラー判定部160は、送信時刻記憶部122に記憶されている送信時刻を参照することで、受信タイムアウトエラーの発生を判定することができ、受信タイムアウトエラーの判定処理を簡素化することができる。
【0107】
コマンド制御部100は、カウンタ値taskが初期値0に戻ったときに、コマンド列の処理の終了を判定するため、コマンド列に含まれる命令の数が可変の場合にも、カウンタ値taskに基づいて各コマンド列の処理の終了を判定することができる。
【0108】
シリアル通信インタフェースにより、4つのコマンド処理部20とコマンド制御部100とを順次接続することで、コマンド制御部100が送信する1つのコマンドにより、1つ又は複数のコマンド処理部20に処理を実施させることができる。また、コマンド制御部100は、1つ又は複数のコマンド処理部20の処理結果を1つの応答コマンドとして受信することができる。
【0109】
コマンド制御部100がリードコマンドの応答を受信した場合、読み取り部180は、応答に含まれる液体吐出ヘッド5a、印刷装置51の液体吐出ヘッド、インクジェット部81のヘッド81a又はインクジェット部91のヘッド91aの状態(温度等)を読み取る。これにより、コマンド制御部100は、各液体吐出ヘッド5a等を制御するだけでなく、各液体吐出ヘッド5a等の状態を取得することができる。
【0110】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
液体をそれぞれ吐出する複数の液体吐出ヘッドと、
前記複数の液体吐出ヘッドにそれぞれ対応して設けられ、コマンド列に含まれる複数の第1コマンドの各々の受信に基づいて、前記複数の液体吐出ヘッドをそれぞれ制御し、前記第1コマンドに対応する応答を含む第2コマンドを出力する複数のヘッド制御部と、
前記複数のヘッド制御部に前記第1コマンドを送信し、前記複数のヘッド制御部から前記第2コマンドを受信するコマンド制御部と、を有し、
前記コマンド制御部は、
前記複数のヘッド制御部に送信した前記第1コマンドを示す第1情報が記憶される送信情報記憶部と、
前記複数のヘッド制御部から受信した前記第2コマンドを示す第2情報が記憶される受信情報記憶部と、
前記受信情報記憶部に記憶された前記第2情報が、前記送信情報記憶部に記憶された前記第1情報に対応する場合、対応する前記第2情報と前記第1情報とを前記受信情報記憶部と前記送信情報記憶部とからそれぞれ削除するコマンド削除部と、
前記第1情報が前記送信情報記憶部に所定時間残っている場合、タイムアウトエラーを判定するエラー判定部と、
を有することを特徴とする液体付与装置。
<2>
コマンド送信要求に基づいて前記第1コマンドを生成するコマンド生成部を有し、
前記コマンド生成部は、前記エラー判定部が前記タイムアウトエラーを判定した場合、前記送信情報記憶部に残っている前記第1コマンドの情報を使用して、前記複数のヘッド制御部に前記第1コマンドを再送すること
を特徴とする<1>に記載の液体付与装置。
<3>
前記第1コマンドの送信時刻が前記第1コマンドに対応付けて記憶される送信時刻記憶部を有し、
前記エラー判定部は、前記送信時刻記憶部に記憶された前記送信時刻からの経過時間に基づいて前記タイムアウトエラーを判定すること
を特徴とする<1>又は<2>に記載の液体付与装置。
<4>
前記送信情報記憶部に前記第1コマンドの情報が記憶されたときにカウンタ値が第1方向に更新され、前記受信情報記憶部に前記第2コマンドの情報が記憶されたときに前記カウンタ値が前記第1方向と逆方向に更新されるカウンタを有し、
前記コマンド制御部は、前記コマンド列の最初の前記第1コマンドを前記複数のヘッド制御部に送信した後、前記カウンタ値が最初の前記第1コマンドの送信前の値に戻ったときに、前記コマンド列の処理の終了を判定すること
を特徴とする<1>ないし<3>のいずれか1項に記載の液体付与装置。
<5>
前記コマンド制御部と前記複数のヘッド制御部とは、シリアル通信インタフェースにより順次に接続され、
前記複数のヘッド制御部は、前記シリアル通信インタフェースの上流から受信した前記第1コマンドに応答情報を付加し、
前記シリアル通信インタフェースの最も下流に配置される前記ヘッド制御部は、前記応答情報が付加された前記第1コマンドを前記第2コマンドとして前記コマンド制御部に送信すること
を特徴とする<1>ないし<4>のいずれか1項に記載の液体付与装置。
<6>
前記コマンド制御部が前記複数のヘッド制御部に送信する前記第1コマンドは、前記複数の液体吐出ヘッドをそれぞれ制御する制御情報又は前記液体吐出ヘッドの状態を取得する取得情報を含み、
前記取得情報を含む前記第1コマンドを受信した前記ヘッド制御部は、前記液体吐出ヘッドの状態を含む前記第2コマンドを出力し、
前記コマンド制御部は、前記取得情報を含む前記第1コマンドに対応する前記第2コマンドを受信した場合、前記第2コマンドに含まれる前記液体吐出ヘッドの状態を読み取る読み取り部を有すること
を特徴とする<1>ないし<5>のいずれか1項に記載の液体付与装置。
<7>
<1>ないし<6>のいずれか1項に記載の液体付与装置を有し、
前記複数の液体吐出ヘッドに対向して配置される電極基体上に、前記複数の液体吐出ヘッドから液体を吐出して樹脂層又は無機層を形成することで、電極を形成すること
を特徴とする電極製造装置。
【0111】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0112】
1、1A、1B、1C 電極製造装置
2 集電体
2a 電極合材層
3 搬送機構
3a 駆動ローラ
3b 従動ローラ
4 検知器
5a 液体吐出ヘッド
5b ノズル列
5 液体吐出ユニット
6 光源
7 ヒータ
8 操作部
10 処理部
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 HDD
15 I/F
20 コマンド処理部
31 エンコーダ
40 印刷基材
41 搬送部
42 搬送部
50 印刷部
51 印刷装置
52 収容容器
53 供給チューブ
54 液体組成物
54A 多孔質樹脂前駆体
60 重合部
61 照射部
62 気体置換モジュール
70 除去部
71 加熱装置
80 印刷部
81 インクジェット部
81a ヘッド
81b ヘッドモジュール
82 転写ドラム
82a 中間転写体
83 前処理ユニット
84 吸収ユニット
85 加熱ユニット
86 清掃ユニット
87 圧胴
90 印刷部
91 インクジェット部
91a ヘッド
92 中間転写ベルト
93 加熱ユニット
94 転写ローラ
95 清掃ローラ
96a 駆動ローラ
96b 対向ローラ
96c、96d、96e、96f 形状維持ローラ
96g 支持ローラ
100 コマンド制御部
110 コマンド生成部
120 送信コマンド記憶部
121 命令記憶部
122 送信時刻記憶部
130 受信コマンド記憶部
131 命令記憶部
140 タスクカウンタ
150 コマンド比較部
160 エラー判定部
170 コマンド削除部
180 読み取り部
B システムバス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0113】
【特許文献1】特開2003-326811号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10