(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132632
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】会議システム、削除方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240920BHJP
H04N 1/21 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H04N1/00 H
H04N1/00 127B
H04N1/21
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043481
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】神田 倫希
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA07
5C062AB18
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB46
5C062AC02
5C062AC38
(57)【要約】
【課題】保存対象以外のストロークの表示を継続する会議システムを提供することを目的とする。
【解決手段】ストロークの入力を受け付けて表示する電子機器とストロークの情報を保存する情報処理装置とを有する会議システムであって、電子機器は、保存対象のストロークの入力を受け付ける第1のモード及び保存対象以外のストロークの入力を受け付ける第2のモードを切り替える操作を受け付ける手段と、第1又は第2のモードでストロークの入力を受け付ける手段と、入力を受け付けたストロークを表示する手段と、第2のモードで入力を受け付けたストロークを識別できる状態で、第1のモード又は第2のモードで入力を受け付けたストロークの情報を情報処理装置に送信する手段と、を有し、情報処理装置は、ストロークの情報を保存する前に、第2のモードで入力を受け付けたストロークの情報を削除する手段、を有する会議システムにより上記課題を解決する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストロークの入力を受け付けて前記ストロークを表示する電子機器と、前記ストロークの情報を保存する情報処理装置と、を有する会議システムであって、
前記電子機器は、
保存対象の前記ストロークの入力を受け付ける第1のモード及び保存対象以外の前記ストロークの入力を受け付ける第2のモードを切り替える操作を受け付けるモード切替手段と、
前記第1のモード又は前記第2のモードで前記ストロークの入力を受け付ける入力受付手段と、
入力を受け付けた前記ストロークを表示する表示制御手段と、
前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークを識別できる状態で、前記第1のモード又は前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記ストロークの情報を保存する前に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を削除する削除手段、
を有する会議システム。
【請求項2】
前記削除手段は、会議終了時又は所定時間経過時に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を削除する
請求項1記載の会議システム。
【請求項3】
前記削除手段は、前記ストロークの情報を保存する操作を受け付けた場合に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を削除する
請求項1記載の会議システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記第1のモードで入力を受け付けた前記ストロークの表示形態と前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークとの表示態様を異ならせる
請求項1乃至3の何れか一項に記載の会議システム。
【請求項5】
前記電子機器は、電子ホワイトボードである
請求項1乃至3の何れか一項に記載の会議システム。
【請求項6】
ストロークの入力を受け付けて前記ストロークを表示する電子機器と、前記ストロークの情報を保存する情報処理装置と、を有する会議システムが行うストロークの情報の削除方法であって、
前記電子機器は、
保存対象の前記ストロークの入力を受け付ける第1のモード及び保存対象以外の前記ストロークの入力を受け付ける第2のモードを切り替える操作を受け付ける手順と、
前記第1のモード又は前記第2のモードで前記ストロークの入力を受け付ける手順と、
入力を受け付けた前記ストロークを表示する手順と、
前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークを識別できる状態で、前記第1のモード又は前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を前記情報処理装置に送信する手順と、
を行い、
前記情報処理装置は、
前記ストロークの情報を保存する前に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を削除する手順、
を行う削除方法。
【請求項7】
ストロークの入力を受け付けて前記ストロークを表示する電子機器に、
保存対象の前記ストロークの入力を受け付ける第1のモード及び保存対象以外の前記ストロークの入力を受け付ける第2のモードを切り替える操作を受け付ける手順、
前記第1のモード又は前記第2のモードで前記ストロークの入力を受け付ける手順、
入力を受け付けた前記ストロークを表示する手順、
前記ストロークの情報を保存する情報処理装置に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークを識別できる状態で、前記第1のモード又は前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を前記情報処理装置に送信して、前記ストロークの情報を保存する前に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を前記情報処理装置に削除させる手順、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議システム、削除方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば会議等において用いられるホワイトボード等の手書きボードへの記載内容を電子的に記録する技術がある。従来、会議中にホワイトボードに記載された内容を電子的に取り込み、取り込んだデータを蓄積し、会議中にホワイトボードに記載された内容をユーザがいつでも取得できるようにする技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の電子ホワイトボードには、数秒で消えるストローク、言い換えれば一時的に表示されるストロークの入力をユーザから受け付けるモードが機能として設けられているものがある。例えば会議に電子ホワイトボードを利用するユーザは、保存したくない内容を一時的に表示されるストロークで入力することができる。
【0004】
しかしながら、一時的に表示されるストロークは、ユーザが表示の継続を期待していたとしても表示を継続させることができない。例えば会議に電子ホワイトボードを利用するユーザは、会議終了時まで表示される保存対象以外のストロークの入力ができれば、便利である。なお、特許文献1は、このような問題について記載されているものではない。
【0005】
本発明の実施の形態は、保存対象以外のストロークの表示を継続する会議システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を達成するために本願請求項1は、ストロークの入力を受け付けて前記ストロークを表示する電子機器と、前記ストロークの情報を保存する情報処理装置と、を有する会議システムであって、前記電子機器は、保存対象の前記ストロークの入力を受け付ける第1のモード及び保存対象以外の前記ストロークの入力を受け付ける第2のモードを切り替える操作を受け付けるモード切替手段と、前記第1のモード又は前記第2のモードで前記ストロークの入力を受け付ける入力受付手段と、入力を受け付けた前記ストロークを表示する表示制御手段と、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークを識別できる状態で、前記第1のモード又は前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、を有し、前記情報処理装置は、前記ストロークの情報を保存する前に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を削除する削除手段、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、保存対象以外のストロークの表示を継続する会議システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る会議システムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態に係る電子ホワイトボードの一例のハードウェア構成図である。
【
図4】本実施形態に係る会議システムの一例の機能構成図である。
【
図5】本実施形態に係る電子ホワイトボードの一例の画面イメージ図である。
【
図6】本実施形態に係る会議システムの保存対象以外のストロークに関する処理手順の一例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下では、ストロークの入力を受け付けてストロークを表示する電子機器の一例である電子ホワイトボード10について説明するが、電子ホワイトボード10に限定するものではない。また、本実施形態では電子ホワイトボード10を使用する会議システム1の例を説明するが、会議での使用に限定するものでなく、ユーザから入力を受け付けたストロークを表示し、ストロークの情報を保存する様々な状況に適用できる。
【0010】
<システム構成>
図1は、第1の実施形態に係る会議システム1の一例の構成図である。
図1の会議システム1は、電子ホワイトボード10と、情報処理装置12とが、インターネット又はLANなどのネットワーク18を介して通信可能に接続されている。
図1では情報処理装置12がクラウド環境に設けられている例を説明するが、オンプレミス環境などに設けられていてもよい。また、電子ホワイトボード10及び情報処理装置12は、複数台であってもよい。
【0011】
電子ホワイトボード10は、例えばユーザが参加する会議で使用される。電子ホワイトボード10は、例えば電子ペンや手により入力を受け付けたストロークを表示する。ストロークとは、電子ホワイトボード10のタッチパネル等の任意の位置を押下した状態のペン先又は指先を移動させることで手書きした筆跡である。また、電子ホワイトボード10はUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体、又はケーブルを介して接続されるPCなどから読み出した電子ファイルの画像を表示することもできる。また、電子ホワイトボード10は、ユーザから入力を受け付けたストロークの情報を情報処理装置12に送信する。ストロークの情報は、例えばユーザに入力されたストロークの軌跡を示す点群の座標データを含む。
【0012】
情報処理装置12は、電子ホワイトボード10からストロークの情報を受信する。情報処理装置12は、受信したストロークの情報のうち、保存対象以外のストロークの情報を後述のように削除する仕組みを設けたことで、ユーザが保存したくないストロークの情報を保存対象から省いている。情報処理装置12は一台以上のコンピュータ500により実現される。
【0013】
なお、
図1に示す会議システム1の構成は一例である。例えば情報処理装置12の機能の少なくとも一部は電子ホワイトボード10に備えるようにしてもよい。また、電子ホワイトボード10の機能の少なくとも一部は情報処理装置12に備えるようにしてもよい。
【0014】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1の情報処理装置12は例えば
図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。
図2は、本実施形態に係るコンピュータ500の一例のハードウェア構成図である。
【0015】
図2に示されているように、コンピュータ500はCPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0016】
CPU501は、プログラムに従ってコンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従ってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0017】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。外部機器は、例えばUSBメモリ又はプリンタ等である。ネットワークI/F509は、ネットワーク18を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0018】
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0019】
《電子ホワイトボード》
図3は本実施形態に係る電子ホワイトボード10の一例のハードウェア構成図である。
図3に示すように、電子ホワイトボード10は、CPU601、ROM202、RAM603、SSD(Solid State Drive)604、ネットワークI/F605、及び外部機器接続I/F606を備えている。
【0020】
CPU601は、プログラムに従って電子黒板装置14全体の動作を制御する。ROM602はCPU601やIPL等のCPU601の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM603は、CPU601のワークエリアとして使用される。SSD604は、電子ホワイトボード10用のプログラム等の各種データを記憶する。
【0021】
ネットワークI/F605は、ネットワーク18との通信を制御する。外部機器接続I/F606は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。外部機器は、例えば、USBメモリ630、外付け機器(マイク640、スピーカ650、カメラ660)である。
【0022】
また、電子ホワイトボード10は、キャプチャデバイス611、GPU612、ディスプレイコントローラ613、接触センサ614、センサコントローラ615、電子ペンコントローラ616、ICカードリーダ617、近距離通信回路619、近距離通信回路619のアンテナ619a、電源スイッチ622、及び選択スイッチ類623を備えている。
【0023】
キャプチャデバイス611は、外付けのPC670のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)612は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ613は、GPU612からの出力画像をディスプレイ680等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。
【0024】
接触センサ614はディスプレイ680上に電子ペン690やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ615は接触センサ614の処理を制御する。接触センサ614は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ680の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ680に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ680の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。
【0025】
接触センサ614は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ615に出力し、センサコントローラ615が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ616は、電子ペン690と通信することで、ディスプレイ680へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。
【0026】
ICカードリーダ617はICカード700に埋め込まれたRFタグからICカード700に固有の識別情報を無線通信で読み取る。ICカードリーダ617は電子ホワイトボード10に内蔵されていても、電子ホワイトボード10に外付けされていてもよい。なお、ICカード700はスマートフォンなどのスマートデバイスが内蔵するものでもよい。また、電子ホワイトボード10はユーザを識別可能な識別情報を取得できるのであればICカードリーダ617以外を利用してもよく、生体認証装置(指紋、掌紋、虹彩、顔など)やバーコード読み取り装置等を利用してもよい。
【0027】
また、近距離通信回路619はNFCやBluetooth(登録商標)等の通信回路である。電源スイッチ622は、電子ホワイトボード10の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類623は、例えば、ディスプレイ680の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
【0028】
更に、電子ホワイトボード10はバスライン610を備えている。バスライン610は、
図3に示されているCPU601等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0029】
なお、接触センサ614は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ616が、電子ペン690のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン690のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
【0030】
<機能構成>
本実施形態に係る会議システム1は、例えば
図4に示す機能構成により実現する。
図4は本実施形態に係る会議システム1の一例の機能構成図である。
図4の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
【0031】
図4に示す電子ホワイトボード10の機能構成は、
図3の各構成要素の何れかが、RAM603上に展開されたプログラムに従ったCPU601からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
図4に示す情報処理装置12の機能構成は、
図2の各構成要素の何れかが、RAM503上に展開されたプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0032】
電子ホワイトボード10の送信部20は、情報処理装置12と通信を行う送信手段の一例である。受信部22は、情報処理装置12と通信を行う受信手段の一例である。モード切替部24は、保存対象のストロークの入力を受け付ける第1のモード及び保存対象以外のストロークの入力を受け付ける第2のモードを切り替える操作をユーザから受け付けるモード切替手段の一例である。
【0033】
入力受付部26は、ユーザから第1のモード又は第2のモードでストロークの入力を受け付ける入力受付手段の一例である。入力受付部26は、ユーザがペン先又は指先を移動させることで手書きした筆跡を示す点群の座標データを求めることで、ユーザによるストロークの入力を受け付ける。
【0034】
表示制御部28は、ユーザから第1のモード又は第2のモードで入力を受け付けたストロークを
図3のディスプレイ680に表示する表示制御手段の一例である。会議終了判断部30は会議の終了を判断し、情報処理装置12に通知する。
【0035】
ファイル作成部32は、電子ホワイトボード10に表示されている画像を、例えばPDF(Portable Document Format)形式で保存する操作をユーザから受け付けると、情報処理装置12にPDF保存を通知し、後述のように保存対象以外のストロークの情報を情報処理装置12に削除させる。その後、ファイル作成部32は、保存対象以外のストロークが削除され、保存対象のストロークが残された電子ホワイトボード10に表示されている画像をPDF形式で保存する。
【0036】
情報処理装置12の送信部40は、電子ホワイトボード10と通信を行う送信手段の一例である。受信部42は電子ホワイトボード10と通信を行う受信手段の一例である。削除部44は、ストロークリスト保持部52に保持されている保存対象のストローク及び保存対象以外のストロークの情報のリストから、後述するタイミングで保存対象以外のストロークの情報を削除する削除手段の一例である。
【0037】
保存操作受付部46は、PDF保存などのストロークの情報を保存する操作をユーザから受け付けたことを示す情報を、電子ホワイトボード10から受け付けると、削除部44に保存対象以外のストロークの情報を削除させる。
【0038】
会議終了検知部48は、会議終了を示す情報を、電子ホワイトボード10から受け付けると、削除部44に保存対象以外のストロークの情報を削除させる。例えば会議終了を示す情報は、会議の終了を選択する操作をユーザから受け付けたことを示す情報、又は会議室から最後のユーザの退出を検知したことを示す情報などである。
【0039】
時間経過検知部50は、入力されてから所定時間が経過した保存対象以外のストロークの情報を検知する。時間経過検知部50は入力されてから所定時間が経過した保存対象以外のストロークの情報を削除部44に削除させる。
【0040】
ストロークリスト保持部52は、電子ホワイトボード10から受信した保存対象のストローク及び保存対象以外のストロークの情報のリストを保持する。ストローク情報保存部54は、削除部44によって保存対象以外のストロークの情報が削除された後の保存対象のストロークの情報のリストを保存する。
【0041】
<画面イメージ>
図5は、本実施形態に係る電子ホワイトボード10の一例の画面イメージ図である。本実施形態に係る電子ホワイトボード10は、ディスプレイ680にユーザインタフェース1000が表示されている。ユーザは、ユーザインタフェース1000から電子ホワイトボードの各種機能を選択して利用できる。
【0042】
ユーザインタフェース1000には、モード切替ボタン1002が含まれる。モード切替ボタン1002は、保存対象のストロークの入力を受け付ける第1のモード及び保存対象以外のストロークの入力を受け付ける第2のモードを切り替える操作をユーザから受け付ける。以下の説明では、第1のモードを通常モードと呼び、第2のモードを消去モードと呼ぶ。なお、通常モードと消去モードとを切り替える操作は、例えばキーボードの特定のキー操作又は電子ペン690の特定のボタン操作でユーザから受け付けてもよい。
【0043】
電子ホワイトボード10は、例えば通常モードでユーザから保存対象のストロークの入力を受け付けると、ディスプレイ680に通常モードのストローク1004を例えば
図5のように表示する。また、電子ホワイトボード10は、例えば消去モードでユーザから保存対象以外のストロークの入力を受け付けると、ディスプレイ680に消去モードのストローク1006を例えば
図5のように表示する。
【0044】
図5では、通常モードのストローク1004と消去モードのストローク1006とを視覚的に判断しやすいように、通常モードのストローク1004の表示形態と消去モードのストローク1006の表示形態とを異ならせる例を示している。なお、通常モードのストローク1004と消去モードのストローク1006とは、例えば透明度を変更することで表示形態を異ならせる。また、通常モードのストローク1004と消去モードのストローク1006とは、例えば実線と点線など、線種を変更することで表示形態を異ならせるようにしてもよい。なお、通常モードのストローク1004と消去モードのストローク1006とは、表示形態が同一であってもよい。
【0045】
<処理>
図6は、本実施形態に係る会議システム1の保存対象以外のストロークに関する処理手順の一例を示したシーケンス図である。
図6では、ユーザから保存対象以外のストロークの入力を受け付けた場合に、保存対象以外のストロークの情報を所定のタイミングで削除する処理の一例を表している。
【0046】
ステップS10において、ユーザは例えば
図5のモード切替ボタン1002に対して通常モードから消去モードに変更する操作を行う。ステップS12において、電子ホワイトボード10はストロークの入力モードを消去モードに変更する。
【0047】
ステップS14において、ユーザは消去モードのストローク1006を入力する操作を電子ホワイトボード10に対して行う。電子ホワイトボード10はディスプレイ680に消去モードのストローク1006を例えば
図5のように表示する。
【0048】
ステップS16において、電子ホワイトボード10はユーザが消去モードで入力したストローク1006の情報を、消去モードで情報処理装置12に送信する。ステップS18において、情報処理装置12は、受信したストローク1006の情報、消去モードを示す入力モード、及びユーザがストローク1006を入力した時間を、ストロークリスト保持部52が保持するリストに追加する。
【0049】
なお、
図6では消去モードのストローク1006が1回、ユーザから入力された場合の処理を示した。ユーザによる消去モードのストローク1006の入力は、複数回、含まれていてもよい。また、
図6は通常モードのストローク1004がユーザから入力された場合の処理が含まれていてもよい。通常モードのストローク1004がユーザから入力された場合、電子ホワイトボード10はユーザが通常モードで入力したストローク1004の情報を、通常モードで情報処理装置12に送信する。情報処理装置12は、受信したストローク1004の情報、通常モードを示す入力モード、及びユーザがストローク1004を入力した時間を、ストロークリスト保持部52が保持するリストに追加する。
【0050】
図6のステップS20~S26は、ユーザが電子ホワイトボード10に対し、ディスプレイ680に表示されている画像をPDF形式で保存するPDF保存の操作を行った場合の処理を示している。
【0051】
ステップS20において、ユーザは電子ホワイトボード10に対し、PDF保存の操作を行う。ステップS22において、電子ホワイトボード10は情報処理装置12にPDF保存を通知する。ステップS24において、情報処理装置12はストロークリスト保持部52に保持されているリストから消去モードのストロークの情報を削除する。情報処理装置12は、消去モードのストロークの情報の削除が完了すると、電子ホワイトボード10に通知する。情報処理装置12で行った消去モードのストロークの情報の削除は、電子ホワイトボード10のディスプレイ680に表示されている画像に反映される。なお、通常モードのストロークの情報は削除されず、表示が継続する。ステップS26において、電子ホワイトボード10はディスプレイ680に表示されている画像のPDFファイルを作成し、保存する。
【0052】
このように、本実施形態に係る会議システム1では、PDF保存の操作をユーザから受け付けるまで消去モードのストロークの表示を継続することができると共に、消去モードのストロークの情報を削除した後でPDFファイルを作成し、保存できる。
【0053】
図6のステップS30~S34は、会議の終了を判断した場合の処理を示している。ステップS30において、ユーザは電子ホワイトボード10に対し、会議の終了を選択する操作を行う。
【0054】
ステップS32において、電子ホワイトボード10は情報処理装置12に会議終了を示す情報を通知する。ステップS34において、情報処理装置12はストロークリスト保持部52に保持されているリストから消去モードのストロークの情報を削除する。
【0055】
このように、本実施形態に係る会議システム1では、会議が終了したと判断するまで消去モードのストロークの表示を継続することができると共に、消去モードのストロークの情報を削除した後でストロークの情報をストローク情報保存部54に保存できる。
【0056】
図6のステップS40~S42は、入力されてから一定時間が経過した消去モードのストロークの情報を検知した場合の処理を示している。ステップS40において、情報処理装置12は、入力されてから一定時間が経過した消去モードのストロークの情報を、ストロークリスト保持部52のリストから検知する。ステップS42において、情報処理装置12はストロークリスト保持部52に保持されているリストから消去モードのストロークの情報を削除する。
【0057】
このように、本実施形態に係る会議システム1では、入力されてから一定時間が経過するまで消去モードのストロークの表示を継続することができると共に、入力されてから一定時間が経過した消去モードのストロークの情報を削除した後でストロークの情報をストローク情報保存部54に保存できる。
【0058】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0059】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
ストロークの入力を受け付けて前記ストロークを表示する電子機器と、前記ストロークの情報を保存する情報処理装置と、を有する会議システムであって、
前記電子機器は、
保存対象の前記ストロークの入力を受け付ける第1のモード及び保存対象以外の前記ストロークの入力を受け付ける第2のモードを切り替える操作を受け付けるモード切替手段と、
前記第1のモード又は前記第2のモードで前記ストロークの入力を受け付ける入力受付手段と、
入力を受け付けた前記ストロークを表示する表示制御手段と、
前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークを識別できる状態で、前記第1のモード又は前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記ストロークの情報を保存する前に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を削除する削除手段、
を有する会議システム。
<2>
前記削除手段は、会議終了時又は所定時間経過時に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を削除する
前記<1>記載の会議システム。
<3>
前記削除手段は、前記ストロークの情報を保存する操作を受け付けた場合に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を削除する
前記<1>記載の会議システム。
<4>
前記表示制御手段は、前記第1のモードで入力を受け付けた前記ストロークの表示形態と前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークとの表示態様を異ならせる
前記<1>乃至<3>の何れか一項に記載の会議システム。
<5>
前記電子機器は、電子ホワイトボードである
前記<1>乃至<4>の何れか一項に記載の会議システム。
<6>
ストロークの入力を受け付けて前記ストロークを表示する電子機器と、前記ストロークの情報を保存する情報処理装置と、を有する会議システムが行うストロークの情報の削除方法であって、
前記電子機器は、
保存対象の前記ストロークの入力を受け付ける第1のモード及び保存対象以外の前記ストロークの入力を受け付ける第2のモードを切り替える操作を受け付ける手順と、
前記第1のモード又は前記第2のモードで前記ストロークの入力を受け付ける手順と、
入力を受け付けた前記ストロークを表示する手順と、
前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークを識別できる状態で、前記第1のモード又は前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を前記情報処理装置に送信する手順と、
を行い、
前記情報処理装置は、
前記ストロークの情報を保存する前に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を削除する手順、
を行う削除方法。
<7>
ストロークの入力を受け付けて前記ストロークを表示する電子機器に、
保存対象の前記ストロークの入力を受け付ける第1のモード及び保存対象以外の前記ストロークの入力を受け付ける第2のモードを切り替える操作を受け付ける手順、
前記第1のモード又は前記第2のモードで前記ストロークの入力を受け付ける手順、
入力を受け付けた前記ストロークを表示する手順、
前記ストロークの情報を保存する情報処理装置に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークを識別できる状態で、前記第1のモード又は前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を前記情報処理装置に送信して、前記ストロークの情報を保存する前に、前記第2のモードで入力を受け付けた前記ストロークの情報を前記情報処理装置に削除させる手順、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0060】
1 会議システム
10 電子ホワイトボード
12 情報処理装置
18 ネットワーク
20 送信部
24 モード切替部
26 入力受付部
28 表示制御部
44 削除部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】