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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132633
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】仮想空間システム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240920BHJP
   G06T 13/40 20110101ALI20240920BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06T13/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043482
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】堀 浩史郎
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050BA12
5B050CA07
5B050CA08
5B050DA04
5B050DA05
5B050EA07
5B050EA12
5B050FA05
5B050FA10
5E555AA57
5E555AA61
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC08
5E555BE17
5E555CA10
5E555CB32
5E555DA08
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】三次元仮想空間で能動的に他のユーザとの会話を開始することが苦手なユーザが他のユーザとの会話を開始しやすくなる情報処理装置を提供すること。
【解決手段】三次元仮想空間の画像を表示する複数のリモート環境機器と、複数のリモート環境機器と通信可能に接続され、複数のアバターが存在する三次元仮想空間の情報を管理する情報処理装置と、を有する仮想空間システムであって、第1のアバターを操作する第1のユーザが第2のアバターを操作する第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別する判別手段と、第2のユーザの前記三次元仮想空間において、第1のユーザからの希望を通知するように制御を行う通知制御手段と、第2のユーザから通知に対する肯定の応答を受け付けた場合に、三次元仮想空間における第1のユーザと第2のユーザとの会話を開始させるように会話処理を行う会話処理手段と、を有することにより上記課題を解決する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元仮想空間の画像を表示する複数のリモート環境機器と、前記複数のリモート環境機器と通信可能に接続され、複数のアバターが存在する前記三次元仮想空間の情報を管理する情報処理装置と、を有する仮想空間システムであって、
第1のアバターを操作する第1のユーザが第2のアバターを操作する第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別する判別手段と、
前記第2のユーザの前記三次元仮想空間において、前記第1のユーザからの前記希望を通知するように制御を行う通知制御手段と、
前記第2のユーザから前記通知に対する肯定の応答を受け付けた場合に、前記三次元仮想空間における前記第1のユーザと前記第2のユーザとの会話を開始させるように会話処理を行う会話処理手段と、
を有する仮想空間システム。
【請求項2】
前記判別手段は、前記三次元仮想空間における前記第1のアバター及び前記第2のアバターの位置が所定範囲内、且つ、前記三次元仮想空間における前記第1のユーザの視線が前記第2のアバターの方向を向いている場合に、前記第1のユーザが前記第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別する
請求項1記載の仮想空間システム。
【請求項3】
前記判別手段は、前記第2のアバターを指定する前記第1のユーザのモーションに基づいて前記第1のユーザの前記三次元仮想空間に前記第2のアバターを指定するポインタが表示された状態で所定時間が経過した場合に、前記第1のユーザが前記第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別する
請求項1記載の仮想空間システム。
【請求項4】
前記通知制御手段は、前記希望を、前記第2のユーザの前記三次元仮想空間への表示又は音出力により前記第2のユーザに通知するように制御を行う
請求項2又は3記載の仮想空間システム。
【請求項5】
前記会話処理手段は、前記三次元仮想空間における前記第2のアバターが前記第1のアバターの方向を向く行動、前記第2のユーザの音声入力、又は前記三次元仮想空間に表示された選択肢に対する選択操作により、前記第2のユーザから前記通知に対する肯定の応答を受け付ける
請求項2に記載の仮想空間システム。
【請求項6】
前記会話処理手段は、前記三次元仮想空間における前記第2のアバターの位置から所定範囲内に存在する前記アバターの前記ユーザに聞こえるように、会話処理を行う
請求項2又は5記載の仮想空間システム。
【請求項7】
前記判別手段は、前記第2のアバターを指定する前記第1のユーザの第1のモーションに基づいて前記第1のユーザの前記三次元仮想空間に前記第2のアバターを指定するポインタが表示された状態で、前記第1のユーザの第2のモーションを検知した場合に、前記第1のユーザが前記第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別する
請求項3記載の仮想空間システム。
【請求項8】
前記会話処理手段は、前記第1のユーザの前記三次元仮想空間に前記第2のアバターが表示された画面を表示すると共に、前記第2のユーザの前記三次元仮想空間に前記第1のアバターが表示された画面を表示し、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの前記三次元仮想空間における会話を開始させるように会話処理を行う
請求項7記載の仮想空間システム。
【請求項9】
前記会話処理手段は、前記第1のユーザ及び前記第2のユーザの会話が、前記三次元仮想空間に存在する前記アバターの他のユーザに聞こえないように、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの前記三次元仮想空間における会話処理を行う
請求項8記載の仮想空間システム。
【請求項10】
前記会話処理手段は、前記他のユーザの前記三次元仮想空間に、会話状態である前記第1のユーザ及び前記第2のユーザの前記第1のアバター及び前記第2のアバターを会話状態でないように表示する
請求項9記載の仮想空間システム。
【請求項11】
三次元仮想空間の画像を表示する複数のリモート環境機器と通信可能に接続され、複数のアバターが存在する前記三次元仮想空間の情報を管理する情報処理装置であって、
第1のアバターを操作する第1のユーザが第2のアバターを操作する第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別する判別手段と、
前記第2のユーザの前記三次元仮想空間において、前記第1のユーザからの前記希望を通知するように制御を行う通知制御手段と、
前記第2のユーザから前記通知に対する肯定の応答を受け付けた場合に、前記三次元仮想空間における前記第1のユーザと前記第2のユーザとの会話を開始させるように会話処理を行う会話処理手段と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間システム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仮想空間に複数の仮想ルームを用意し、同じ仮想ルームにいるユーザが会話を行う情報処理システムは知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、仮想空間において、能動的に他のユーザとの会話を開始することが苦手であるユーザは存在する。しかしながら、特許文献1は能動的に他のユーザとの会話を開始することが苦手であるユーザについて考慮されていない。
【0004】
本発明の実施の形態は、三次元仮想空間で能動的に他のユーザとの会話を開始することが苦手なユーザが他のユーザとの会話を開始しやすくなる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を達成するために本願請求項1は、三次元仮想空間の画像を表示する複数のリモート環境機器と、前記複数のリモート環境機器と通信可能に接続され、複数のアバターが存在する前記三次元仮想空間の情報を管理する情報処理装置と、を有する仮想空間システムであって、第1のアバターを操作する第1のユーザが第2のアバターを操作する第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別する判別手段と、前記第2のユーザの前記三次元仮想空間において、前記第1のユーザからの前記希望を通知するように制御を行う通知制御手段と、前記第2のユーザから前記通知に対する肯定の応答を受け付けた場合に、前記三次元仮想空間における前記第1のユーザと前記第2のユーザとの会話を開始させるように会話処理を行う会話処理手段と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、三次元仮想空間で能動的に他のユーザとの会話を開始することが苦手なユーザが他のユーザとの会話を開始しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る仮想空間システムの一例の構成図である。
図2】本実施形態に係るVRデバイスの一例のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図4】本実施形態に係る仮想空間システムの一例の機能構成図である。
図5】本実施形態に係る三次元仮想空間において第1のユーザが第2のユーザに対して会話開始を希望していることを通知する手順の一例の説明図である。
図6】本実施形態に掛かる三次元仮想空間において第1のユーザが会話の開始を希望していることを第2のユーザに通知する方法の一例の説明図である。
図7】本実施形態に掛かる三次元仮想空間において第1のユーザからの会話開始の希望の通知に対して第2のユーザが肯定の応答を行う方法の一例の説明図である。
図8】本実施形態に係る仮想空間システムの処理手順の一例を示したシーケンス図である。
図9】本実施形態に係る三次元仮想空間において第1のユーザが第2のユーザに対して会話開始を希望していることを通知する手順の一例の説明図である。
図10】本実施形態に掛かる三次元仮想空間において第1のユーザが会話の開始を希望していることを第2のユーザに通知する方法の一例の説明図である。
図11】本実施形態に掛かる三次元仮想空間において第1のユーザが会話の開始を希望していることを第2のユーザに通知する方法の一例の説明図である。
図12】第2のユーザが第1のユーザからの会話開始の希望の通知に対する肯定の応答を行ったあとの三次元仮想空間の一例について説明する図である。
図13】本実施形態に係る仮想空間システムの処理手順の一例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、第1の実施形態に係る仮想空間システム1の一例の構成図である。図1の仮想空間システム1は、複数のリモート環境機器10、及びサーバ装置18が、ネットワーク20を介して通信可能に接続されている。ネットワーク20は、インターネット又はLAN(Local Area Network)等である。
【0010】
リモート環境機器10は、例えばVRデバイス12、操作コントローラ14、及びPC16を有する構成である。リモート環境機器10は、PC16の機能をVRデバイス12に設けることで、PC16が省略された構成であってもよい。
【0011】
VRデバイス12、操作コントローラ14、及びPC16は、ケーブル等により通信可能に接続されていてもよいし、Bluetooth(登録商標)又は無線LAN等により通信可能に接続されていてもよい。
【0012】
VRデバイス12は、仮想空間(Virtual Reality)の画像を表示する仮想空間デバイスの一例である。VRデバイス12は、例えばユーザの頭部に装着され、ユーザの視界を覆う非透過型のHDM(Head Mounted Display)であってもよい。
【0013】
VRデバイス12は、VRデバイス12の位置、及び基準方向に対する傾きを検出するセンサを有し、VRデバイス12の位置、及び基準方向に対する傾きに対応した三次元仮想空間の画像を表示する。
【0014】
操作コントローラ14は、手に持って又は手に装着してユーザが操作する。操作コントローラ14は、ボタン、ホイール、又はタッチセンサ等を有していてもよい。操作コントローラ14は、操作コントローラ14の位置、及び基準方向に対する傾きを検出するセンサを有し、ユーザからの入力を受け付ける。
【0015】
PC16は、VRデバイス12の位置及び基準方向に対する傾きと、操作コントローラ14の位置及び基準方向に対する傾きと、操作コントローラ14が受け付けたユーザの入力と、サーバ装置18から送信された三次元仮想空間の情報に基づき、三次元仮想空間におけるユーザの視野方向の画像を生成し、VRデバイス12に表示させる。
【0016】
なお、仮想空間システム1は、VRデバイス12及び操作コントローラ14の位置及び基準方向に対する傾きを検出するセンサとして、赤外線カメラ等を有し、撮像された画像からVRデバイス12及び操作コントローラ14の位置及び基準方向に対する傾きを検出してもよい。
【0017】
サーバ装置18は、三次元仮想空間に存在するアバターの位置情報、アバターを操作するユーザの情報、及びユーザからの入力の情報を、それぞれのリモート環境機器10から受信して管理する。サーバ装置18は、それぞれのリモート環境機器10に対し、三次元仮想空間の画像を描画する為に必要な三次元仮想空間の情報を送信する。サーバ装置18は、例えばクラウド環境又はオンプレミス環境に設けられていてもよい。また、サーバ装置18は複数台であってもよい。
【0018】
また、VRデバイス12が表示する三次元仮想空間の画像は、サーバ装置18で生成されたあと、VRデバイス12に送信してもよいし、サーバ装置18から取得した三次元仮想空間の情報に基づいてPC16で生成されたあと、VRデバイス12に送信してもよいし、サーバ装置18から取得した三次元仮想空間の情報に基づいてVRデバイス12で生成されてもよい。
【0019】
このように、図1に示す仮想空間システム1の構成は一例である。例えばサーバ装置18の機能の少なくとも一部はVRデバイス12又はPC16が備えてもよい。PC16の機能の少なくとも一部はVRデバイス12又はサーバ装置18が備えてもよい。VRデバイス12の少なくとも一部はPC16又はサーバ装置18が備えてもよい。また、仮想空間システム1はサーバ装置18が省略された構成であってもよい。サーバ装置18は、情報処理装置の一例である。また、VRデバイス12又はPC16は、情報処理装置の一例である。
【0020】
<ハードウェア構成>
《VRデバイス》
VRデバイス12は、例えば図2に示すハードウェアで実現される。図2は、本実施形態に係るVRデバイス12の一例のハードウェア構成図である。
【0021】
VRデバイス12は、外部I/F400、CPU(Central Processing Unit)402、メモリ404、記憶装置406、ディスプレイ408、マイク410、スピーカ412、カメラ414、センサ416、データバス420を有する。
【0022】
外部I/F400は、外部との通信を行うインタフェース(I/F)である。CPU402は、プログラムに従ってVRデバイス12全体の動作を制御する。メモリ404は例えばRAM(Random Access Memory)であり、CPU402に作業領域を提供する。記憶装置406は例えばHDD(Hard Disk Drive)であり、プログラム等の各種データを記憶する。
【0023】
ディスプレイ408は、三次元仮想空間の画像を表示する液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであってもよい。マイク410は、ユーザから音声入力を受け付ける装置である。スピーカ412は音出力を行う装置である。カメラ414はユーザの手のモーション、ユーザが持つ又は装着する操作コントローラ14の位置を撮影する装置である。センサ416はVRデバイス12の位置、及び基準方向に対する傾きを検出する装置である。データバス420は、CPU402等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0024】
《コンピュータ》
PC16及びサーバ装置18は、図3に示すハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。図3は、本実施形態に係るコンピュータ500の一例のハードウェア構成図である。
【0025】
図3に示されているように、コンピュータ500はCPU501、ROM(Read Only Memory)502、RAM503、HD504、HDDコントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0026】
CPU501は、プログラムに従ってコンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従ってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0027】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。外部機器は、例えばUSBメモリ又はプリンタ等である。ネットワークI/F509は、ネットワーク20を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0028】
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0029】
<機能構成>
本実施形態に係る仮想空間システム1は、例えば図4に示すような機能構成により実現する。図4は本実施形態に係る仮想空間システム1の一例の機能構成図である。図4の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
【0030】
図4に示すリモート環境機器10A及び10Bの機能構成は、図2の各構成要素の何れかが、メモリ404上に展開されたプログラムに従ったCPU402からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、図4に示すリモート環境機器10A及び10Bの機能構成は、図3の各構成要素の何れかが、RAM503上に展開されたプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。図4に示すサーバ装置18の機能構成は、図3の各構成要素の何れかが、RAM503上に展開されたプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0031】
なお、リモート環境機器10Aは、第1のアバターを操作する第1のユーザのリモート環境機器10の一例である。リモート環境機器10Bは、第2のアバターを操作する第2のユーザのリモート環境機器10の一例である。
【0032】
リモート環境機器10Aは、通信部30A、仮想空間制御部32A、判別部34A、通知制御部36A、応答制御部38A、会話処理部40A、及びトラッキング部42Aを有する。また、リモート環境機器10Bは、通信部30B、仮想空間制御部32B、判別部34B、通知制御部36B、応答制御部38B、会話処理部40B、及びトラッキング部42Bを有する。リモート環境機器10A及び10Bは、同様な機能構成である。
【0033】
リモート環境機器10Aの通信部30Aは、サーバ装置18と通信を行う通信手段の一例である。仮想空間制御部32Aは、リモート環境機器10Aが表示する第1のユーザの三次元仮想空間の画像を制御する。判別部34Aは、第2のユーザが第1のユーザとの会話開始を希望していることを後述のように判別する。
【0034】
通知制御部36Aは、第1のユーザの三次元仮想空間において、第2のユーザからの会話開始の希望を後述のように通知する制御を行う。応答制御部38Aは、第2のユーザからの会話開始の希望に対する肯定の応答を後述のように第1のユーザから受け付ける制御を行う。
【0035】
会話処理部40Aは、第2のユーザからの会話開始の希望に対する肯定の応答を第1のユーザから受け付けた場合に、三次元仮想空間における第1のユーザと第2のユーザとの会話を開始させるように会話処理を行う。トラッキング部42Aは、VRデバイス12及び操作コントローラ14の位置、及び基準方向に対する傾きを検出する。
【0036】
リモート環境機器10Bの通信部30Bは、サーバ装置18と通信を行う通信手段の一例である。仮想空間制御部32Bは、リモート環境機器10Bが表示する第2のユーザの三次元仮想空間の画像を制御する。判別部34Bは、第1のユーザが第2のユーザとの会話開始を希望していることを後述のように判別する。
【0037】
通知制御部36Bは、第2のユーザの三次元仮想空間において、第1のユーザからの会話開始の希望を後述のように通知する制御を行う。応答制御部38Bは、第1のユーザからの会話開始の希望に対する肯定の応答を後述のように第2のユーザから受け付ける制御を行う。
【0038】
会話処理部40Bは、第1のユーザからの会話開始の希望に対する肯定の応答を第2のユーザから受け付けた場合に、三次元仮想空間における第1のユーザと第2のユーザとの会話を開始させるように会話処理を行う。トラッキング部42Bは、VRデバイス12及び操作コントローラ14の位置、及び基準方向に対する傾きを検出する。
【0039】
サーバ装置18は、通信部50、仮想空間管理部52、会話処理部54、仮想空間情報記憶部56、及びユーザ情報記憶部58を有する。通信部50は、リモート環境機器10A及び10Bと通信を行う通信手段の一例である。仮想空間管理部52は、三次元仮想空間に存在するアバターの位置情報、アバターを操作するユーザの情報、及びユーザからの入力の情報を、リモート環境機器10A及び10Bを含む複数のリモート環境機器10から受信して管理する。また、仮想空間管理部52は、リモート環境機器10A及び10Bを含む複数のリモート環境機器10に対し、三次元仮想空間の画像を描画する為に必要な三次元仮想空間の情報を送信する。
【0040】
会話処理部54は、会話開始の希望に対する肯定の応答を第1又は第2のユーザから受け付けた場合に、三次元仮想空間における第1のユーザと第2のユーザとの会話を開始させるように会話処理を行う。
【0041】
仮想空間情報記憶部56は、三次元仮想空間の画像を描画する為に必要な三次元仮想空間の情報を記憶する。ユーザ情報記憶部58は、三次元仮想空間の画像に表示される複数のアバターと対応付けられたユーザの情報を記憶する。なお、三次元仮想空間に存在する複数のアバターの位置などの情報は、サーバ装置18を介してリモート環境機器10A及び10Bで、例えば数フレームごとに同期される。
【0042】
<三次元仮想空間のイメージ>
ここでは、第1のアバターを操作する第1のユーザが、第2のアバターを操作する第2のユーザとの会話を、三次元仮想空間において開始したいケースについて説明する。
【0043】
図5は、本実施形態に係る三次元仮想空間において第1のユーザが第2のユーザに対して会話開始を希望していることを通知する手順の一例の説明図である。図5(A)は第1のアバターを操作する第1のユーザが、第1のユーザの三次元仮想空間の画像に表示されている第2のアバターの第2のユーザとの会話を開始することを希望している様子を表している。
【0044】
第1のユーザは、第1のアバターが三次元仮想空間で会話を開始したい第2のユーザの第2のアバターに近付くように、リモート環境機器10Aを操作する。図5(B)は第1のアバターが第2のアバターから所定範囲1000内に入った様子を表している。第1のアバターは第2のアバターの方向を向いているものとする。なお、所定範囲1000は第1のユーザの三次元仮想空間の画像に表示しても表示しなくてもよい。
【0045】
第1のアバターが第2のアバターから所定範囲1000内に入った状態、且つ、第1のアバターが第2のアバターの方向を向いている状態であれば、リモート環境機器10Bは例えば図6に示すように、第1のユーザが会話の開始を希望していることを第2のユーザに通知する。
【0046】
図6は、本実施形態に掛かる三次元仮想空間において第1のユーザが会話の開始を希望していることを第2のユーザに通知する方法の一例の説明図である。図6(A)は第1のアバターが近付いてきた方向を示す信号1002が、第2のユーザの三次元仮想空間の画像に表示された様子を表している。また、図6(B)は音を出力する方向又は音声の内容により第1のアバターが近付いてきた方向を示す音1004が、第2のユーザの三次元仮想空間に出力された様子を表している。
【0047】
図6に示したように、第2のアバターを操作する第2のユーザは、会話の開始を希望している第1のユーザの存在を認識できる。会話の開始を希望している第1のユーザの存在を認識した第2のユーザは、例えば図7に示すような手順で、第1のユーザからの会話開始の希望の通知に対する肯定の応答を行う。
【0048】
図7は、本実施形態に掛かる三次元仮想空間において第1のユーザからの会話開始の希望の通知に対して第2のユーザが肯定の応答を行う方法の一例の説明図である。
【0049】
図7(A)は第2のアバターが第1のアバターの方向を向くように、第2のユーザがリモート環境機器10Bを操作することで、第1のユーザからの会話開始の希望の通知に対する肯定の応答を行う様子を表している。例えば図7(A)は第1のアバターと第2のアバターとが向き合っている状態となる。
【0050】
図7(B)は音声入力で、第1のユーザからの会話開始の希望の通知に対する肯定の応答を行う様子を表している。図7(B)のケースでは、例えば第2のユーザの音声入力の内容を認識するAIアシスタントが起動している。
【0051】
図7(C)は第2のユーザの三次元仮想空間に表示されたダイアログの選択肢に対する選択操作で、第1のユーザからの会話開始の希望の通知に対する肯定の応答を行う様子を表している。ダイアログから選択肢を選択する操作は、例えば手で操作する場合、人差し指と親指をくっつけるモーション等で三次元仮想空間内のボタンを押下する。
【0052】
<処理>
図8は、本実施形態に係る仮想空間システム1の処理手順の一例を示したシーケンス図である。ここでは、第1のアバターを操作する第1のユーザと第2のアバターを操作する第2のユーザとが三次元仮想空間において会話を開始する例を説明する。
【0053】
ステップS10において、リモート環境機器10Aは第1のユーザから受け付けた操作に基づき、三次元仮想空間内において第1のアバターを移動させる。ステップS12において、リモート環境機器10Aは第1のアバターの位置をサーバ装置18に送信する。ステップS14において、サーバ装置18は第1のアバターの位置をリモート環境機器10Bに送信する。ステップS10~S14の処理により、仮想空間システム1は三次元仮想空間内の複数のアバターの位置などの情報を同期させる。
【0054】
ステップS16において、リモート環境機器10Bは第2のアバターから所定範囲1000内に第1のアバターが入った状態、且つ、第1のアバターが第2のアバターの方向を向いている状態であるか判定する。第2のアバターから所定範囲1000内に第1のアバターが入った状態、且つ、第1のアバターが第2のアバターの方向を向いている状態であれば、リモート環境機器10Bは第1のユーザが会話の開始を希望している状態であると判別する。ここでは、リモート環境機器10Bは第1のユーザが会話の開始を希望している状態であると判別した例を説明する。
【0055】
ステップS18において、リモート環境機器10Bは例えば図6に示したように、第1のユーザが会話の開始を希望していることを第2のユーザに通知する。ステップS20において、リモート環境機器10Bは例えば図7に示したように、第1のユーザからの会話開始の希望の通知に対する応答を第2のユーザから受け付ける。ここでは、リモート環境機器10Bは第2のユーザから会話開始の希望の通知に対する肯定の応答を受け付けた例を説明する。
【0056】
ステップS22において、リモート環境機器10Bは第1のユーザからの会話開始の希望の通知に対する第2のユーザの肯定の応答の情報をサーバ装置18に送信する。サーバ装置18、リモート環境機器10A、及びリモート環境機器10Bは、三次元仮想空間における第1のユーザと第2のユーザとの会話を開始させるようにステップS24の会話処理を行う。例えばサーバ装置18は第1のユーザと第2のユーザとが三次元仮想空間において会話ができるように、リモート環境機器10Aとリモート環境機器10Bとの間で音声の情報を送受信する。
【0057】
以上、本実施形態に係る仮想空間システム1によれば、第1のユーザが第2のユーザに三次元仮想空間において話しかけなくても、第1のユーザから第2のユーザに対して会話の開始を希望していることを知らせることができる。このため、本実施形態に係る仮想空間システム1では、三次元仮想空間で能動的に他のユーザとの会話を開始することが苦手なユーザが他のユーザとの会話を開始しやすくなる。
【0058】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、第1のユーザから第2のユーザに対して会話の開始を希望していることを通知するために、第1のアバターが第2のアバターに近付いている。第2の実施形態は、第1のアバターが第2のアバターに近付かずに、第1のユーザから第2のユーザに対して会話の開始を希望していることを通知する。
【0059】
例えば第2の実施形態は、付近に第1のアバター及び第2のアバター以外のアバターが存在し、第1のアバターと第2のアバターとの距離が離れており、第1のアバターが第2のアバターに近付けない三次元仮想空間で、第1のユーザから第2のユーザに対して会話の開始を希望していることを通知するケースである。なお、第2の実施形態は一部を除いて第1の実施形態と同様であるため、適宜説明を省略する。
【0060】
図9は、本実施形態に係る三次元仮想空間において第1のユーザが第2のユーザに対して会話開始を希望していることを通知する手順の一例の説明図である。図9(A)は第1のアバターを操作する第1のユーザが、第1のユーザの三次元仮想空間の画像に表示されている第2のアバターの第2のユーザとの会話を開始することを希望している様子を表している。
【0061】
第1のユーザは、三次元仮想空間における視界の中心付近に第2のアバターが位置するようにリモート環境機器10Aを操作する。三次元仮想空間における視界の中心付近に第2のアバターが位置した状態で所定時間が経過した場合、第1のユーザの三次元仮想空間に例えば図9(B)に示すポインタ2000が表示される。図9(B)のポインタ2000は第1のユーザの三次元仮想空間において第1のアバターと第2のアバターとを結ぶ表示例であって、第2のアバターを指定する表示の一例である。第2のアバターの指定はリモート環境機器10Aの操作コントローラ14の操作(例えば第2のアバターの方向に向けることなど)で行ってもよい。
【0062】
なお、ポインタ2000は三次元仮想空間における視界の中心付近に第2のアバターが位置しなくなると消える。また、ポインタ2000は第1のユーザの三次元仮想空間以外に表示されない。
【0063】
ポインタ2000が表示された状態で所定時間が経過した場合、リモート環境機器10Bは例えば図10に示すように、第1のユーザが会話の開始を希望していることを第2のユーザに通知する。
【0064】
図10は、本実施形態に掛かる三次元仮想空間において第1のユーザが会話の開始を希望していることを第2のユーザに通知する方法の一例の説明図である。図10は、第1のユーザが会話の開始を希望していることをダイアログ3000の表示により第2のユーザに認識させる様子を表している。
【0065】
また、リモート環境機器10Bは例えば図11に示すように、第1のユーザが会話の開始を希望していることを第2のユーザに通知してもよい。図11は、本実施形態に掛かる三次元仮想空間において第1のユーザが会話の開始を希望していることを第2のユーザに通知する方法の一例の説明図である。
【0066】
図11(A)は、ダイアログ3000の表示に加えて、第1のアバターが会話の開始を希望していることを示す信号3002が、第2のユーザの三次元仮想空間の画像に表示された様子を表している。また、図11(B)はダイアログ3000の表示に加えて、音声の内容により第1のアバターが会話の開始を希望していることを示す音3004が、第2のユーザの三次元仮想空間に出力された様子を表している。
【0067】
図10又は図11に示したように、第2のアバターを操作する第2のユーザは、会話の開始を希望している第1のユーザの存在を認識できる。会話の開始を希望している第1のユーザの存在を認識した第2のユーザは、例えば第2のユーザの三次元仮想空間に表示されたダイアログ3000の選択肢に対する選択操作で、第1のユーザからの会話開始の希望の通知に対する肯定の応答を行う。
【0068】
なお、ダイアログ3000から選択肢を選択する操作は、例えば操作コントローラ14で行ってもよいし、手の動きで行ってもよい。例えば手で操作する場合は、人差し指と親指をくっつけるモーション等で三次元仮想空間内のボタンを押下する。
【0069】
第2のユーザが第1のユーザからの会話開始の希望の通知に対する肯定の応答を行うことにより、第1のユーザ及び第2のユーザの三次元仮想空間には、例えば図12に示すように、会話の相手の姿が表示された画面3010A及び3010Bが表示される。
【0070】
図12は、第2のユーザが第1のユーザからの会話開始の希望の通知に対する肯定の応答を行ったあとの三次元仮想空間の一例について説明する図である。画面3010Aは第1のユーザの三次元仮想空間に表示され、第2のユーザの姿を写している。画面3010Bは第2のユーザの三次元仮想空間に表示され、第1のユーザの姿を写している。画面3010A又は3010Bは、会話用ウインドウの一例である。
【0071】
第1及び第2のユーザは、三次元仮想空間に表示された画面3010A又は3010Bを見ながら会話を行うことができる。なお、第1のユーザと第2のユーザとの会話は第1及び第2のユーザ以外のユーザに聞こえない。また、第1及び第2のユーザ以外のユーザの三次元仮想空間では、会話状態である第1及び第2のアバターが会話状態でないように表示してもよい。
【0072】
図4に示した機能構成の一部は、第2の実施形態において以下のような第1の実施形態と異なる処理を行う。判別部34Aは、第1のユーザが第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別し、判別した情報をリモート環境機器10Bへ送信する。判別部34Bは、第2のユーザが第1のユーザとの会話開始を希望していることを判別し、判別した情報をリモート環境機器10Aへ送信する。
【0073】
図13は、本実施形態に係る仮想空間システム1の処理手順の一例を示したシーケンス図である。ここでは、第1のアバターを操作する第1のユーザと第2のアバターを操作する第2のユーザとが三次元仮想空間において会話を開始する例を説明する。
【0074】
ステップS30において、リモート環境機器10Aは第1のユーザの三次元仮想空間における視界の中心付近に他のアバターが位置していれば、第1のユーザが他のアバターを選択していると判定する。ここでは、第1のユーザが第2のアバターを選択していると判定した例を説明する。
【0075】
ステップS32において、リモート環境機器10Aは第1のユーザの三次元仮想空間における視界の中心付近に第2のアバターが位置した状態で所定時間が経過したか否かを判定する。ここでは、所定時間が経過したと判定した例を説明する。
【0076】
ステップS34において、リモート環境機器10Aは第1のユーザの三次元仮想空間に図9(B)のポインタ2000を表示する。ステップS36において、リモート環境機器10Aはポインタ2000が表示された状態で所定時間が経過したか否かを判定する。ここでは、所定時間が経過したと判定した例を説明する。
【0077】
ステップS38において、リモート環境機器10Aは第1のユーザが会話の開始を希望している状態であると判別し、第1のユーザが第2のユーザ会話との会話の開始を希望していることを示す会話開始の希望をサーバ装置18に通知する。また、ステップS40において、サーバ装置18は第1のユーザが第2のユーザ会話との会話の開始を希望していることを示す会話開始の希望をリモート環境機器10Bに通知する。ステップS42において、リモート環境機器10Bは例えば図10又は図11に示したように、第1のユーザが会話の開始を希望していることを第2のユーザに通知する。
【0078】
ステップS44において、リモート環境機器10Bは会話の開始を希望している第1のユーザの存在を認識した第2のユーザから、例えば第2のユーザの三次元仮想空間に表示されたダイアログ3000の選択肢に対する選択操作で、会話開始の希望の通知に対する応答を受け付ける。ここでは、リモート環境機器10Bは第2のユーザから会話開始の希望の通知に対する肯定の応答を受け付けた例を説明する。
【0079】
ステップS46において、リモート環境機器10BはステップS40の会話開始の希望の通知に対する肯定の応答の情報をサーバ装置18に送信する。また、ステップS48において、サーバ装置18はステップS83の会話開始の希望の通知に対する肯定の応答の情報をリモート環境機器10Aに送信する。
【0080】
ステップS50において、リモート環境機器10Aは例えば図12の画面3010Aのように第2のアバターが表示された会話用ウインドウを開く。ステップS52において、リモート環境機器10Aは第1のアバターの状態を会話状態とする。
【0081】
ステップS54において、リモート環境機器10Aは会話を開始する情報をサーバ装置18に送信する。また、ステップS56において、リモート環境機器10Bは会話を開始する情報をリモート環境機器10Bに送信する。ステップS58において、リモート環境機器10Bは例えば図12の画面3010Bのように第1のアバターが表示された会話用ウインドウを開く。また、ステップS60において、リモート環境機器10Bは第2のアバターの状態を会話状態とする。
【0082】
ステップS62において、サーバ装置18、リモート環境機器10A、及びリモート環境機器10Bは、三次元仮想空間において第1のユーザと第2のユーザとを会話させる為の会話処理を行う。例えばサーバ装置18は第1のユーザと第2のユーザとが三次元仮想空間において会話ができるように、リモート環境機器10Aとリモート環境機器10Bとの間で音声の情報を送受信する。
【0083】
以上、本実施形態に係る仮想空間システム1によれば、第1のユーザが第2のユーザに三次元仮想空間において話しかけなくても、第1のユーザから第2のユーザに対して会話の開始を希望していることを知らせることができる。このため、本実施形態に係る仮想空間システム1では、三次元仮想空間で能動的に他のユーザとの会話を開始することが苦手なユーザが他のユーザとの会話を開始しやすくなる。
【0084】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0085】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
三次元仮想空間の画像を表示する複数のリモート環境機器と、前記複数のリモート環境機器と通信可能に接続され、複数のアバターが存在する前記三次元仮想空間の情報を管理する情報処理装置と、を有する仮想空間システムであって、
第1のアバターを操作する第1のユーザが第2のアバターを操作する第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別する判別手段と、
前記第2のユーザの前記三次元仮想空間において、前記第1のユーザからの前記希望を通知するように制御を行う通知制御手段と、
前記第2のユーザから前記通知に対する肯定の応答を受け付けた場合に、前記三次元仮想空間における前記第1のユーザと前記第2のユーザとの会話を開始させるように会話処理を行う会話処理手段と、
を有する仮想空間システム。
<2>
前記判別手段は、前記三次元仮想空間における前記第1のアバター及び前記第2のアバターの位置が所定範囲内、且つ、前記三次元仮想空間における前記第1のユーザの視線が前記第2のアバターの方向を向いている場合に、前記第1のユーザが前記第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別する
前記<1>記載の仮想空間システム。
<3>
前記判別手段は、前記第2のアバターを指定する前記第1のユーザのモーションに基づいて前記第1のユーザの前記三次元仮想空間に前記第2のアバターを指定するポインタが表示された状態で所定時間が経過した場合に、前記第1のユーザが前記第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別する
前記<1>記載の仮想空間システム。
<4>
前記通知制御手段は、前記希望を、前記第2のユーザの前記三次元仮想空間への表示又は音出力により前記第2のユーザに通知するように制御を行う
前記<2>又は<3>記載の仮想空間システム。
<5>
前記会話処理手段は、前記三次元仮想空間における前記第2のアバターが前記第1のアバターの方向を向く行動、前記第2のユーザの音声入力、又は前記三次元仮想空間に表示された選択肢に対する選択操作により、前記第2のユーザから前記通知に対する肯定の応答を受け付ける
前記<2>に記載の仮想空間システム。
<6>
前記会話処理手段は、前記三次元仮想空間における前記第2のアバターの位置から所定範囲内に存在する前記アバターの前記ユーザに聞こえるように、会話処理を行う
前記<2>又は<5>記載の仮想空間システム。
<7>
前記判別手段は、前記第2のアバターを指定する前記第1のユーザの第1のモーションに基づいて前記第1のユーザの前記三次元仮想空間に前記第2のアバターを指定するポインタが表示された状態で、前記第1のユーザの第2のモーションを検知した場合に、前記第1のユーザが前記第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別する
前記<3>記載の仮想空間システム。
<8>
前記会話処理手段は、前記第1のユーザの前記三次元仮想空間に前記第2のアバターが表示された画面を表示すると共に、前記第2のユーザの前記三次元仮想空間に前記第1のアバターが表示された画面を表示し、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの前記三次元仮想空間における会話を開始させるように会話処理を行う
前記<7>記載の仮想空間システム。
<9>
前記会話処理手段は、前記第1のユーザ及び前記第2のユーザの会話が、前記三次元仮想空間に存在する前記アバターの他のユーザに聞こえないように、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの前記三次元仮想空間における会話処理を行う
前記<8>記載の仮想空間システム。
<10>
前記会話処理手段は、前記他のユーザの前記三次元仮想空間に、会話状態である前記第1のユーザ及び前記第2のユーザの前記第1のアバター及び前記第2のアバターを会話状態でないように表示する
前記<9>記載の仮想空間システム。
<11>
三次元仮想空間の画像を表示する複数のリモート環境機器と通信可能に接続され、複数のアバターが存在する前記三次元仮想空間の情報を管理する情報処理装置であって、
第1のアバターを操作する第1のユーザが第2のアバターを操作する第2のユーザとの会話開始を希望していることを判別する判別手段と、
前記第2のユーザの前記三次元仮想空間において、前記第1のユーザからの前記希望を通知するように制御を行う通知制御手段と、
前記第2のユーザから前記通知に対する肯定の応答を受け付けた場合に、前記三次元仮想空間における前記第1のユーザと前記第2のユーザとの会話を開始させるように会話処理を行う会話処理手段と、
を有する情報処理装置。
【符号の説明】
【0086】
1 仮想空間システム
10、10A、10B リモート環境機器
12 VRデバイス
14 操作コントローラ
16 PC
18 サーバ装置
20 ネットワーク
34A、34B 判別部
36A、36B 通知制御部
38A、38B 応答制御部
40A、40B 会話処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】国際公開第2022/091832号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13