(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132643
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】配送管理装置及び配送管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20240920BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q10/083
B65G61/00 542
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043496
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000227009
【氏名又は名称】日清オイリオグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関本 智志
(72)【発明者】
【氏名】細木 聡
(72)【発明者】
【氏名】富沢 直克
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴宏
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】配送車両における納品時間を短縮することができる配送管理装置及び配送管理方法を提供する。
【解決手段】配送車両11による配送業務を管理する配送管理サーバ13であって、配送先の混雑時間及び/又は配送先担当者の不在時間を推定する時間推定部35と、時間推定部35によって推定した配送先の混雑時間及び/又は配送先担当者の不在時間に基づいて、配送スケジュール30における配送先到着時刻を決定するスケジュール修正部36と、を備えた。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送車両による配送業務を管理する配送管理装置であって、
配送先の混雑時間及び/又は配送先担当者の不在時間を推定する時間推定部と、
前記時間推定部によって推定した前記混雑時間及び/又は前記不在時間に基づいて、配送スケジュールにおける配送先到着時刻を決定する配送時刻決定部と、を備えたことを特徴とする配送管理装置。
【請求項2】
前記配送先の現在の混雑状況、及び/又は、前記配送先のスケジュールである配送先スケジュールを取得する配送先情報取得部を、更に備え、
前記時間推定部は、前記配送先情報取得部によって取得した前記配送先の現在の混雑状況及び/又は前記配送先スケジュールに基づいて、前記混雑時間を推定することを特徴とする請求項1に記載の配送管理装置。
【請求項3】
前記配送先担当者の現在の在不在状況、及び/又は、前記配送先担当者のスケジュールである担当者スケジュールを取得する担当者情報取得部を、更に備え、
前記時間推定部は、前記担当者情報取得部によって取得した前記配送先担当者の現在の在不在状況及び/又は前記担当者スケジュールに基づいて、前記不在時間を推定することを特徴とする請求項1に記載の配送管理装置。
【請求項4】
前記配送時刻決定部によって決定した前記配送先到着時刻の情報を配送業務担当者に送信する業務担当者送信部を、更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配送管理装置。
【請求項5】
前記配送時刻決定部によって決定した前記配送先到着時刻の情報を前記配送先担当者に送信する配送先担当者送信部を、更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配送管理装置。
【請求項6】
配送車両による配送業務を管理する配送管理方法であって、
配送先の混雑時間及び/又は配送先担当者の不在時間を推定する時間推定工程と、
前記時間推定工程によって推定した前記混雑時間及び/又は前記不在時間に基づいて、配送スケジュールにおける配送先到着時刻を決定する配送時刻決定工程と、を実行することを特徴とする配送管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送管理装置及び配送管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配送管理装置として、配送車両の配送スケジュールを生成し、生成した配送スケジュールを配送車両に送信することで、配送業務を行うものである(特許文献1参照)。この配送管理装置は、配送スケジュール(スケジュール情報)を作成して配送車両(作業車両)に送信するスケジュール処理部を備え、配送車両は、受信した配送スケジュールに従って、配送業務を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の配送管理装置では、配送先の混雑や配送先担当者の不在が原因で、配送車両が配送先に到着してから納品が完了するまでの納品時間が長くなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、配送車両における納品時間を短縮することができる配送管理装置及び配送管理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、配送車両による配送業務を管理する配送管理装置であって、配送先の混雑時間及び/又は配送先担当者の不在時間を推定する時間推定部と、前記時間推定部によって推定した前記混雑時間及び/又は前記不在時間に基づいて、配送スケジュールにおける配送先到着時刻を決定する配送時刻決定部と、を備えたことを特徴とする配送管理装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、上記目的を達成するため、配送車両による配送業務を管理する配送管理方法であって、配送先の混雑時間及び/又は配送先担当者の不在時間を推定する時間推定工程と、前記時間推定工程によって推定した前記混雑時間及び/又は前記不在時間に基づいて、配送スケジュールにおける配送先到着時刻を決定する配送時刻決定工程と、を実行することを特徴とする配送管理方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る配送管理装置及び配送管理方法は、配送車両における納品時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る食用油配送システムの構成例を示したシステム構成図である。
【
図2】配送管理サーバ及び携帯端末の構成を示したブロック図である。
【
図3】配送スケジュールの修正処理を示した説明図である。
【
図4】スケジュール修正動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る配送管理装置及び配送管理方法を適用した食用油配送システムについて説明する。この食用油配送システムは、配送管理サーバの管理の下、配送車両によって食用油の配送業務を行うものである。ここにいう配送業務とは、配送物である食用油を、配送車両によって配送元から配送先に配送し、配送先に納品する業務である。特に、本食用油配送システムは、配送先の混雑時間や配送先担当者の不在時間を推定して、配送先到着時刻と被らないように配送スケジュールを調整するものである。また、本実施形態では、配送元として、食用油の製造工場、物流拠点等の施設を想定し、配送先として、食用油を用いる食品工場やレストラン、揚げ物専門店、ファストフード店等の施設を想定している。また、食用油を配送先に設置された貯留タンクに補充することで、食用油を納品することを想定している。
【0011】
(食用油配送システムの構成)
図1に示すように、食用油配送システム1は、複数の配送車両11と、各配送車両11に搭乗した配送業務担当者が所持する複数の携帯端末12と、ネットワーク100を介して複数の携帯端末12に接続され、複数の配送車両11による配送業務を管理する配送管理サーバ13と、各配送先の施設に設置された複数のライブカメラ14と、を備えている。配送管理サーバ13は、配送管理装置の一例である。なお、配送業務担当者は、配送車両11を運行する担当者である。また、本実施形態では、配送車両11として、食用油を貯留する貯留部を備えたタンクローリを用いているが、配送車両11として、食用油が充填された容器(金属容器、プラスチック容器、紙容器等)を載積する載積部を備えたトラックを用いる構成であってもよい。
【0012】
各ライブカメラ14は、配送先の施設内の貯留タンク15(納品場所)周り及び貯留タンク15までの経路、並びに、配送先の駐車スペースを撮像する撮像カメラである。また、各ライブカメラ14は、ネットワーク100を介して配送管理サーバ13に接続されており、随時、撮像画像(映像)を配送管理サーバ13に送信する。詳細は後述するが、各ライブカメラ14から配送管理サーバ13に送信された撮像画像は、配送先における現在の混雑状況の判定及び配送先担当者の現在の在不在状況の判定に用いられる。
【0013】
図2に示すように、配送管理サーバ13は、通信部21、記憶部22及び制御部23を備えた情報処理装置である。通信部21は、ネットワーク100を介して、複数の携帯端末12及び複数のライブカメラ14との通信を行う。
【0014】
記憶部22は、例えば、フラッシュROM等で構成されており、配送業務の管理に係る各種データを記憶している。本実施形態では、記憶部22は、各配送車両11における配送スケジュール30を記憶している。配送スケジュール30は、少なくとも、各配送業務の荷物情報、配送元出発時刻、配送先情報及び配送先到着時刻を含んでいる。配送元出発時刻は、配送元の施設からの出発予定時刻である。配送先情報は、配送先の情報であり、例えば、配送先の施設名及び/又は住所を含んでいる。配送先到着時刻は、配送先の施設への到着予定時刻である。また、配送スケジュール30は、各配送業務の、配送元の施設名及び/又は住所を含む配送元情報、配送元の施設への到着予定時刻である配送元到着時刻、あるいは荷物の積載時刻等を含むこともできる。
【0015】
制御部23は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成されており、配送管理サーバ13の各部を制御する。また、制御部23は、所定のプログラムを実行することで、スケジュール作成部31、撮像画像受信部32、混雑状況取得部33、担当者状況取得部34、時間推定部35、スケジュール修正部36及び配送指示送信部37として機能している。混雑状況取得部33は、配送先情報取得部の一例である。また、担当者状況取得部34は、担当者情報取得部の一例である。また、スケジュール修正部36は、配送時刻決定部の一例である。また、配送指示送信部37は、業務担当者送信部の一例である。
【0016】
スケジュール作成部31は、顧客からの注文情報、配送元における出荷準備状況及び出荷計画情報等の少なくとも一つに基づいて、各配送車両11における配送スケジュール30を作成する。すなわち、スケジュール作成部31は、顧客からの注文情報、配送元における出荷準備状況及び出荷計画情報等の少なくとも一つに基づく複数の配送業務を、各配送車両11の配送スケジュール30に分配すると共に、各配送スケジュール30において、各配送業務の配送元出発時刻及び配送先到着時刻を設定することで、各配送車両11の配送スケジュール30を作成する。なお、本実施形態では、スケジュール作成部31は、1日の配送スケジュール30、すなわち、配送当日の配送スケジュール30を作成することを想定している。
【0017】
撮像画像受信部32は、通信部21によって、各配送先のライブカメラ14によって撮像された撮像画像を受信する。これによって、各配送先のライブカメラ14の撮像画像をリアルタイムで取得する。
【0018】
混雑状況取得部33は、撮像画像受信部32によって受信した各ライブカメラ14による撮像画像に基づいて、各配送先における現在の混雑状況を取得する。具体的には、混雑状況取得部33は、各配送先のライブカメラ14の撮像画像を画像認識して、各配送先における現在の混雑状況を判定し、取得する。例えば、貯留タンク15(納品場所)までの経路に並んだ配送車両11の多さや移動速度、又は駐車スペースに駐車されている配送車両11の多さや入れ替わり状況によって、配送先における現在の混雑状況を判定する。
【0019】
担当者状況取得部34は、撮像画像受信部32によって受信した各ライブカメラ14による撮像画像に基づいて、各配送先における配送先担当者の現在の在不在状況を取得する。具体的には、各配送先のライブカメラ14の撮像画像を画像認識して、各配送先における配送先担当者の現在の在不在状況を判定し、取得する。例えば、貯留タンク15の周りに配送先担当者がいるか否かによって、配送先における配送先担当者の現在の在不在状況を判定する。
【0020】
時間推定部35は、混雑状況取得部33及び担当者状況取得部34によって取得した各配送先における現在の混雑状況及び配送先担当者の現在の在不在状況に基づいて、各配送先における混雑時間及び配送先担当者の不在時間(以下、担当者不在時間)を推定する。具体的には、時間推定部35は、現在、配送先が混雑している場合、現在時刻からの一定時間は、配送先が混雑すると推定する。すなわち、時間推定部35は、各配送先について、現在の混雑状況に基づき、配送先が現在混雑している場合、現在時刻を開始時刻とし、現在時刻から一定時間(例えば1時間)経過した時刻を終了時刻とする時間を、混雑時間と推定する。
【0021】
また、時間推定部35は、現在及び現在までの過去一定期間(例えば過去15分間)、配送先担当者が不在である場合、現在時刻からの一定時間は、配送先担当者が不在であると推定する。すなわち、時間推定部35は、各配送先について、配送先担当者の現在の在不在状況に基づき、現在及び現在までの過去一定期間、配送先担当者が不在である場合、現在時刻を開始時刻とし、現在時刻から一定時間(例えば30分間)経過した時刻を終了時刻とする時間を、担当者不在時間と推定する。
【0022】
スケジュール修正部36は、時間推定部35によって推定した混雑時間及び担当者不在時間に基づいて、各配送車両11の配送スケジュール30を修正する。スケジュール修正部36は、
図3に示すように、各配送先について、配送スケジュール30における各配送業務における配送先到着時刻が、混雑時間又は担当者不在時間と重なっている場合、混雑時間又は配送先担当者の不在時間と重ならないように、配送先到着時刻を遅延させる。例えば、スケジュール修正部36は、配送スケジュール30における各配送業務における配送先到着時刻が、混雑時間又は担当者不在時間と重なっている場合、混雑時間又は担当者不在時間と重なった配送先到着時刻を、重なった混雑時間又は担当者不在時間の終了時刻から数分(例えば5分)経過した時刻に修正する。このように、時間推定部35によって推定した配送先の混雑時間及び担当者不在時間に基づいて、配送スケジュール30における当該配送先への配送先到着時刻を決定することで、配送先到着時刻が混雑時間又は担当者不在時間と重なるのを避けることができ、配送車両11における、配送先に到着してから納品が完了するまでの納品時間を短縮することができる。
【0023】
なお、
図3に示すように、スケジュール修正部36は、配送先到着時刻の修正に合わせて、配送元出発時刻も修正することが好ましい。すなわち、配送元出発時刻をそのままに、配送先到着時刻を修正すると、配送元から配送先までの移動時間(運転時間)が、本来の移動時間よりも長くなってしまうため、配送先到着時刻の修正に合わせ、例えば、配送先到着時刻を遅延させた時間と同一の時間だけ、配送元出発時刻を遅延させることが好ましい。なお、配送スケジュール30が、途中の経由地の出発時刻を含んでいる場合、配送先到着時刻の修正に合わせて、途中の経由地の出発時刻も修正する(遅延させる)ことが好ましい。無論、配送元出発時刻や途中の経由地の出発時刻を修正せずに、配送先到着時刻のみを修正する構成であってもよい。
【0024】
配送指示送信部37は、各配送車両11の配送スケジュール30に基づく配送指示情報を、各配送車両11の配送業務担当者が所持する携帯端末12に送信する。配送指示情報は、少なくとも、配送業務の荷物情報、配送元出発時刻、配送先情報及び配送先到着時刻を含んだものである。さらに、配送指示情報は、配送元情報、配送元到着時刻、中継地到着時刻、中継地出発時刻等を含んでもよい。配送指示送信部37は、スケジュール作成部31によって配送スケジュール30を作成したとき、配送スケジュール30に含まれる全ての配送業務の配送指示情報を、携帯端末12に送信する。また、配送指示送信部37は、スケジュール修正部36によって配送スケジュール30を修正したとき、修正した配送業務の配送指示情報を、携帯端末12に送信する。すなわち、配送指示送信部37は、スケジュール修正部36によって修正した情報(配送先到着時刻、配送元出発時刻等)を、配送業務担当者の携帯端末12に送信する。このように、スケジュール修正部36によって修正した情報を、配送業務担当者に送信することで、配送車両11における配送業務の修正を、配送業務担当者に報知する。
【0025】
各携帯端末12は、通信部41、表示部42及び制御部43を備えた情報処理装置であり、例えば、PFD端末やスマートフォン、タブレットPC等を用いることができる。また、図示省略するが、各携帯端末12は、自身の位置情報(緯度、経度)を特定するGPS受信機能部を備える構成であってもよい。
【0026】
通信部41は、ネットワーク100を介して、配送管理サーバ13との通信を行う。
【0027】
表示部42は、液晶ディスプレイ等で構成され、配送業務に係る各種情報を表示する。
【0028】
制御部43は、例えば、CPU、RAM、ROM等で構成されており、携帯端末12の各部を制御する。また、制御部43は、所定のプログラムを実行することで、配送指示受信部51及び配送指示表示部52として機能する。
【0029】
配送指示受信部51は、通信部41によって、配送管理サーバ13から配送指示情報を受信する。配送指示表示部52は、配送指示受信部51によって受信した配送指示情報を、表示部42によって表示する。配送業務担当者は、表示された配送指示情報に従って、配送車両11による各配送業務を行う。
【0030】
(スケジュール修正動作)
次に
図4を参照して、食用油配送システム1によるスケジュール修正動作について説明する。スケジュール修正動作は、配送先毎に定期的(1秒毎)に行われるものである。スケジュール修正動作は、配送車両11による配送業務を管理する配送管理方法の一例である。
【0031】
図4に示すように、スケジュール修正動作では、まず、配送管理サーバ13は、混雑状況取得部33及び担当者状況取得部34によって、各配送先における現在の混雑状況及び配送先担当者の在不在状況を取得する(S1~S2)。すなわち、混雑状況取得部33により、撮像画像受信部32によって受信したライブカメラ14の撮像画像を画像認識して、配送先における現在の混雑状況を判定し、取得する(S1)。また、担当者状況取得部34により、撮像画像受信部32によって受信したライブカメラ14の撮像画像を画像認識して、配送先担当者の現在の在不在状況を判定し、取得する(S2)。
【0032】
配送先における現在の混雑状況及び配送先担当者の現在の在不在状況を取得したら、時間推定部35によって、現在の混雑状況及び配送先担当者の現在の在不在状況に基づき、配送先の混雑時間及び担当者不在時間を推定する(S3~S4)(時間推定工程)。すなわち、時間推定部35によって、現在の混雑状況に基づいて、配送先の混雑時間を推定する(S3)。すなわち、現在の混雑状況に基づき、配送先が現在混雑している場合、現在時刻を開始時刻とし、現在時刻から一定時間経過した時刻を終了時刻とする時間を、混雑時間と推定する。また、時間推定部35によって、配送先担当者の現在の在不在状況に基づいて、担当者不在時間を推定する(S4)。すなわち、在不在状況に基づき、現在及び現在までの過去一定時間(例えば過去15分間)、配送先担当者が不在である場合、現在時刻を開始時刻とし、現在時刻から一定時間(例えば30分間)経過した時刻を終了時刻とする時間を、担当者不在時間と推定する。
【0033】
混雑時間及び担当者不在時間を推定したら、スケジュール修正部36によって、推定した混雑時間及び担当者不在時間に基づき、各配送スケジュール30を修正する(S5~S6)(配送時刻決定工程)。すなわち、まず、各配送スケジュール30における各配送業務について、配送先到着時刻が、混雑時間又は担当者不在時間と重なっているか否かを判定する(S5)。配送先到着時刻が混雑時間又は担当者不在時間と重なっている配送業務が無いと判定された場合(S5:No)、本スケジュール修正動作を終了する。
【0034】
一方、配送先到着時刻が混雑時間又は担当者不在時間と重なっている配送業務が有ると判定された場合(S5:Yes)、混雑時間又は配送先担当者の不在時間と重なる配送先到着時刻を、重なった混雑時間又は担当者不在時間の終了時刻以降の時刻(例えば、重なった混雑時間又は担当者不在時間の終了時刻から数分経過した時刻)に修正する(S6)。すなわち、S4で推定した混雑時間又は担当者不在時間に基づいて、配送スケジュール30における配送先到着時刻を決定する。
【0035】
配送スケジュール30を修正したら、配送指示送信部37によって、スケジュール修正部36によって修正した配送業務の配送先到着時刻を含む配送指示情報を、当該配送業務の配送業務担当者の携帯端末12に送信する(S7)。
【0036】
これに対し、携帯端末12は、配送指示受信部51によって、配送管理サーバ13からの配送指示情報を受信し(S8)、配送指示表示部52によって、受信した配送指示情報を表示する(S9)。これにより、本スケジュール修正動作を終了する。
【0037】
(実施形態の作用及び効果)
以上、上記実施形態の構成によれば、時間推定部35によって推定した配送先の混雑時間及び担当者不在時間に基づいて、当該配送先への配送先到着時刻を決定する構成であるため、配送先到着時刻が混雑時間又は担当者不在時間と重なるのを避けることができ、配送車両11における、配送先に到着してから納品が完了するまでの納品時間を短縮することができる。これによって、配送業務全体を最適化することができる。例えば、納品時間を短縮されることで、配送業務担当者は、短縮した時間分だけ、休憩時間を入れることができ、配送業務担当者の負荷を軽減することができる。また、短縮した時間分で、別の配送業務を行うことができる。
【0038】
また、上記実施形態の構成によれば、混雑状況取得部33や担当者状況取得部34によって、配送先における現在の混雑状況や配送先担当者の現在の在不在状況を取得し、配送先における現在の混雑状況や配送先担当者の現在の在不在状況に基づいて、混雑時間や担当者不在時間を推定する構成であるため、混雑時間や担当者不在時間を精度良く推定することができる。
【0039】
(その他の実施形態について)
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記した実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【0040】
例えば、上記実施形態においては、混雑時間又は担当者不在時間に基づく配送先到着時刻の修正として、配送先到着時刻を、混雑時間又は担当者不在時間と重ならないように遅延させる構成であったが、配送業務の実行順を入れ替える構成であってもよい。すなわち、
図3の例で言えば、配送業務Bを先に行い、次いで配送業務Aを行うように、配送スケジュール30を修正する構成であってもよい。また、配送業務Bの配送元出発時刻及び配送先到着時刻を大きく遅延させて、別の配送業務Cを配送業務Bより先に行うように、配送スケジュール30を修正する構成であってもよい。
【0041】
また、上記
図3の配送スケジュール30は、複数の配送作業を別々に行い、配送業務Aの後、配送元に移動して配送業務Bを行うスケジュールであったが、複数の配送作業を一緒に行うスケジュールであってもよい。例えば、配送車両11が配送業務Aの配送物と配送業務Bの配送物を同時に積載可能であり、かつ配送業務Aの配送元と配送業務Bの配送元が共通している場合、配送スケジュール30が、配送業務A及び配送業務Bの共通の配送元に移動して配送業務Aの配送物及び配送業務Bの配送物を載積し、その後、配送業務Aの配送先に移動して配送業務Aの配送物を納品した後、配送業務Bの配送先に移動して配送業務Bの配送物を納品するスケジュールであってもよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、混雑状況取得部33及び担当者状況取得部34が、配送先に設置したライブカメラ14の撮像画像を画像認識して、配送先における現在の混雑状況及び配送先担当者の現在の在不在状況を取得する構成であったが、混雑状況取得部33及び担当者状況取得部34が、配送先の施設から提供(送信)された現在の混雑状況及び/又は配送先担当者の現在の在不在状況の情報を受信して取得する構成であってもよい。また、担当者状況取得部34が、担当者が保有する携帯端末の位置情報に基づき、配送先担当者の現在の在不在状況の情報を取得する構成であってもよい。
【0043】
また、上記実施形態においては、配送先における現在の混雑状況に基づいて、配送先の混雑時間を推定する構成であったが、これに限るものではない。例えば、配送先のスケジュール(例えば納品スケジュール)に基づいて、配送先の混雑時間を推定する構成であってもよい。すなわち、配送管理サーバ13が、配送先のスケジュールである配送先スケジュールを取得する配送先スケジュール取得部を備え、時間推定部35が、配送先スケジュール取得部によって取得した配送先スケジュールに基づいて、配送先の混雑時間を推定する構成であってもよい。なお、配送先スケジュール取得部は、配送先情報取得部の一例である。
【0044】
また、配送先における、ライブカメラ14の撮像画像を画像認識して、現在の配送車両11の1台当たりの納品時間を取得し、現在の1台当たりの納品時間に基づいて、配送先の混雑時間を推定する構成であってもよい。
【0045】
また、過去の各時間帯における納品時間を集計して各時間帯における平均納品時間を算出し、算出した各時間帯における平均納品時間に基づいて、配送先の混雑時間を推定する構成であってもよい。かかる場合、繁忙期等の特定の時期であるか否かを加味して、配送先の混雑時間を推定することがより好ましい。
【0046】
また、上記実施形態においては、配送先における配送先担当者の現在の在不在状況に基づいて、配送先の担当者不在時間を推定する構成であったが、これに限るものではない。例えば、配送先担当者のスケジュールに基づいて、配送先の担当者不在時間を推定する構成であってもよい。すなわち、配送管理サーバ13が、配送先担当者のスケジュールである担当者スケジュールを取得する担当者スケジュール取得部を備え、時間推定部35が、担当者スケジュール取得部によって取得した担当者スケジュールに基づいて、配送先の担当者不在時間を推定する構成であってもよい。なお、担当者スケジュール取得部は、担当者情報取得部の一例である。
【0047】
また、上記実施形態においては、スケジュール修正部36が、配送先の混雑時間及び担当者不在時間に基づいて、配送スケジュール30における配送先到着時刻を修正する構成であったが、配送先の混雑時間及び担当者不在時間に加え、渋滞情報や、GPS受信機能部で特定した配送車両11の位置情報に基づいて、配送スケジュール30及び配送先到着時刻を修正する構成であってもよい。
【0048】
また、上記実施形態においては、スケジュール修正部36が、配送先の混雑時間及び担当者不在時間の両方に基づいて、配送スケジュール30における配送先到着時刻を修正する構成であったが、配送先の混雑時間及び担当者不在時間のいずれか一方に基づいて、配送スケジュール30及び配送先到着時刻を修正する構成であってもよい。
【0049】
また、上記実施形態においては、スケジュール修正部36による配送スケジュール30の修正に、混雑時間及び担当者不在時間に基づく配送先到着時刻の決定を用いる構成であったが、スケジュール作成部31による配送スケジュール30の作成に、混雑時間及び/又は担当者不在時間に基づく配送先到着時刻の決定を用いる構成であってもよい。かかる場合、スケジュール作成部31が、配送時刻決定部の一例となる。
【0050】
また、上記実施形態においては、配送指示送信部37が、スケジュール修正部36によって修正した配送業務の配送先到着時刻の情報を、配送業務担当者(の携帯端末12)に送信する構成であったが、これに加え、スケジュール修正部36によって修正した配送業務の配送先到着時刻の情報を、配送先担当者(の端末)に送信する構成であってもよい。すなわち、配送管理サーバ13が、配送時刻決定部(スケジュール修正部36、スケジュール作成部31)によって決定した配送先到着時刻の情報を配送先担当者(の端末)に送信する配送先担当者送信部を、更に備える構成であってもよい。
【0051】
また、上記実施形態においては、配送指示送信部37が、スケジュール修正部36によって修正した配送業務の配送先到着時刻の情報を、配送業務担当者(の携帯端末12)に送信する構成であったが、これに加え、スケジュール修正部36によって修正した配送業務の配送先到着時刻の情報を、配送元の荷物の積載担当者・出荷担当者(の端末)に送信する構成であってもよい。すなわち、配送管理サーバ13が、配送時刻決定部(スケジュール修正部36、スケジュール作成部31)によって決定した配送先到着時刻の情報を配送元の荷物の積載担当者・出荷担当者(の端末)に送信する配送元担当者送信部を、更に備える構成であってもよい。
【0052】
また、上記実施形態においては、スケジュール修正部36によって修正した配送業務の配送先到着時刻の情報を、配送業務担当者(の携帯端末12)に送信する構成であったが、時間推定部35によって推定した混雑時間及び/又は担当者不在時間を、配送業務担当者に送信してもよい。また、混雑状況取得部33によって取得した配送先における現在の混雑状況の情報を、配送業務担当者に送信してもよいし、担当者状況取得部34によって取得した配送先担当者の現在の在不在状況の情報を、配送業務担当者に送信してもよい。さらに言えば、ライブカメラ14の撮像画像を、配送業務担当者に送信してもよい。また、混雑時間及び/又は担当者不在時間の推定や、現在の混雑状況及び/又は配送業務担当者の現在の在不在状況の取得を、携帯端末12で行う構成であってもよい。
【0053】
また、上記実施形態においては、食用油の配送業務の管理に本発明を適用したが、配送業務の管理であれば、これに限るものではない。すなわち、食用油以外の配送品の配送する配送業務の管理に、本発明を適用してもよい。例えば、ドレッシング、ファットスプレッド、飲料等の飲食品や衣類等の配送業務の管理に、本発明を適用してもよい。
【0054】
(実施形態のまとめ)
次に、以上説明した実施形態から把握される技術思想について、実施形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、請求の範囲における構成要素を実施形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0055】
《1》配送車両(11)による配送業務を管理する配送管理装置(13)であって、配送先の混雑時間及び/又は配送先担当者の不在時間を推定する時間推定部(35)と、前記時間推定部(35)によって推定した前記混雑時間及び/又は前記不在時間に基づいて、配送スケジュール(30)における配送先到着時刻を決定する配送時刻決定部(36)と、を備えたことを特徴とする配送管理装置(13)。
《2》前記配送先の現在の混雑状況、及び/又は、前記配送先のスケジュールである配送先スケジュールを取得する配送先情報取得部(33)を、更に備え、前記時間推定部(35)は、前記配送先情報取得部(33)によって取得した前記配送先の現在の混雑状況及び/又は前記配送先スケジュールに基づいて、前記混雑時間を推定することを特徴とする《1》に記載の配送管理装置(13)。
《3》前記配送先担当者の現在の在不在状況、及び/又は、前記配送先担当者のスケジュールである担当者スケジュールを取得する担当者情報取得部(34)を、更に備え、前記時間推定部(35)は、前記担当者情報取得部(34)によって取得した前記配送先担当者の現在の在不在状況及び/又は前記担当者スケジュールに基づいて、前記不在時間を推定することを特徴とする《1》又は《2》に記載の配送管理装置(13)。
《4》前記配送時刻決定部(36)によって決定した前記配送先到着時刻の情報を配送業務担当者に送信する業務担当者送信部(37)を、更に備えたことを特徴とする《1》乃至《3》のいずれか1つに記載の配送管理装置(13)。
《5》前記配送時刻決定部(36)によって決定した前記配送先到着時刻の情報を前記配送先担当者に送信する配送先担当者送信部を、更に備えたことを特徴とする《1》乃至《4》のいずれか1つに記載の配送管理装置(13)。
《6》配送車両(11)による配送業務を管理する配送管理方法であって、配送先の混雑時間及び/又は配送先担当者の不在時間を推定する時間推定工程(S3、S4)と、前記時間推定工程(S3、S4)によって推定した前記混雑時間及び/又は前記不在時間に基づいて、配送スケジュール(30)における配送先到着時刻を決定する配送時刻決定工程(S5~S7)と、を実行することを特徴とする配送管理方法。
【符号の説明】
【0056】
11:配送車両、 13:配送管理装置、 30:配送スケジュール、 31:スケジュール作成部、 33:混雑状況取得部、 34:担当者状況取得部、 35:時間推定部、 36:スケジュール修正部、 37:配送指示送信部