(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132882
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20240920BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240920BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20240920BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240920BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/211
H01M50/242
H01M50/291
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010372
(22)【出願日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2023-0033849
(32)【優先日】2023-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 裕植
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA14
5H040AS04
5H040AT04
5H040AY04
5H040CC23
5H040LL06
5H040NN01
(57)【要約】
【課題】バッテリーセルの膨張による圧力の上昇を緩和できるバッテリーモジュールを提供する。
【解決手段】第1面、及び前記第1面と交差するように配置される第2面を備えるバッテリーセル;前記第1面と向かい合うように配置される第1プレート;前記第2面と向かい合うように配置される第2プレート;及び前記第1プレートと前記第2プレートとの間に備えられ、前記バッテリーセルの体積変化に連動し、前記第1プレートに対する前記第2プレートの相対位置を可変させる緩衝部;を含んでバッテリーモジュールを構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面、及び前記第1面と交差するように配置される第2面を備えるバッテリーセル;
前記第1面と向かい合うように配置される第1プレート;
前記第2面と向かい合うように配置される第2プレート;及び
前記第1プレートと前記第2プレートとの間に備えられ、前記バッテリーセルの体積変化に連動し、前記第1プレートに対する前記第2プレートの相対位置を可変させる緩衝部;を含むことを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項2】
前記バッテリーセルは、複数個で備えられ、複数個の前記バッテリーセルは、前記第1面と並んだ方向に沿って順次配列されることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記緩衝部は、前記バッテリーセルの体積変化に連動し、前記第1面と並んだ方向に前記第2プレートを移動させることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記緩衝部は、複数個で備えられ、複数個の前記緩衝部は、前記バッテリーモジュールの各コーナー側部のうち少なくとも2個以上に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記緩衝部は、
前記第1プレートから延長される第1支持部材;
前記第2プレートから延長され、前記第1支持部材と結合される第2支持部材;及び
前記第1支持部材に伸縮可能に備えられ、伸縮方向によって前記第1支持部材の長さを増加又は減少させる緩衝部材;を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記第1支持部材は、前記第1面と並んで配置されることを特徴とする、請求項5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記緩衝部材は、前記第1プレートの中心線を基準にして対称的に形成されることを特徴とする、請求項5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記緩衝部材は、弾性変形可能に備えられることを特徴とする、請求項5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記緩衝部材の収縮長さと伸長長さとの差は、2mm以下であることを特徴とする、請求項5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記緩衝部材は、前記第1支持部材の長さ方向に対して交差する方向に突出するしわ部;を含むことを特徴とする、請求項5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
前記しわ部の個数は、2個以下であることを特徴とする、請求項10に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記第2支持部材は、
前記第2プレートから延長され、前記第1支持部材と並んで配置される第1延長部;及び
前記第1延長部から前記第1支持部材に向かって延長され、前記第2プレートと離隔して配置され、前記第1支持部材と結合される第2延長部;を含み、
前記しわ部は、前記第1支持部材から前記第2延長部と前記第2プレートとの間の空間に向かって突出することを特徴とする、請求項10に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
前記しわ部は、
前記第1支持部材の長さ方向に対して傾斜して配置される第1折曲部;及び
前記第1折曲部の長さ方向に対して傾斜して配置され、一端部が前記第1折曲部の一端部と連結される第2折曲部;を含むことを特徴とする、請求項12に記載のバッテリーモジュール。
【請求項14】
前記第1折曲部と前記第2折曲部の一端部は、前記第2延長部と前記第2プレートとの間の空間に配置されることを特徴とする、請求項13に記載のバッテリーモジュール。
【請求項15】
前記第1折曲部と前記第2折曲部の他端部は、前記第1支持部材の外側面と同一の平面上に配置されることを特徴とする、請求項14に記載のバッテリーモジュール。
【請求項16】
前記第1折曲部の厚さと前記第2折曲部の厚さは、互いに異なることを特徴とする、請求項13に記載のバッテリーモジュール。
【請求項17】
前記第1折曲部の一端部の幅と前記第2折曲部の一端部の幅は、互いに異なることを特徴とする、請求項13に記載のバッテリーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯用電話機などの携帯用電子製品の需要が急激に増大し、ロボット、電気自動車などの商用化が本格化されることによって、反復的な充放電が可能な高性能二次電池に対する研究が活発に進められている。
【0003】
二次電池は、携帯型電子機器などの小型装置のみならず、電気自動車や電力貯蔵装置(Energy Storage System;ESS)などの中大型装置にも駆動用やエネルギー貯蔵用として広く用いられている。特に、中大型装置の場合、バッテリーの出力及び/又は容量を向上させるために、多数のバッテリーセルが互いに電気的に連結された形態で一つのバッテリーモジュールを構成する。
【0004】
従来のバッテリーモジュールは、バッテリーセルを覆うように設置されたハウジング構造を通じてバッテリーセルに一定のレベルの面圧を印加し、耐久性能を維持している。しかし、このような構造は、急速充電、過充電、過放電、短絡、高温放置などによってバッテリーセルが膨張するスウェリング(swelling)現象が発生する場合、バッテリーセルとハウジングとの間で作用する圧力が持続的に増加し、バッテリーセルの劣化を加速させ得る。
【0005】
本発明の背景技術は、大韓民国登録特許公報第10-2019884号(2019.09.03登録、発明の名称:バッテリーモジュール、このようなバッテリーモジュールを含むバッテリーパック及びこのようなバッテリーパックを含む自動車)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2019884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、バッテリーセルの膨張による圧力の上昇を緩和できるバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るバッテリーモジュールは、第1面、及び前記第1面と交差するように配置される第2面を備えるバッテリーセル;前記第1面と向かい合うように配置される第1プレート;前記第2面と向かい合うように配置される第2プレート;及び前記第1プレートと前記第2プレートとの間に備えられ、前記バッテリーセルの体積変化に連動し、前記第1プレートに対する前記第2プレートの相対位置を可変させる緩衝部;を含む。
【0009】
また、前記バッテリーセルは、複数個で備えられ、複数個の前記バッテリーセルは、前記第1面と並んだ方向に沿って順次配列されてもよい。
【0010】
また、前記緩衝部は、前記バッテリーセルの体積変化に連動し、前記第1面と並んだ方向に前記第2プレートを移動させることができる。
【0011】
また、前記緩衝部は、複数個で備えられ、複数個の前記緩衝部は、前記バッテリーモジュールの各コーナー側部のうち少なくとも2個以上に配置されてもよい。
【0012】
また、前記緩衝部は、前記第1プレートから延長される第1支持部材;前記第2プレートから延長され、前記第1支持部材と結合される第2支持部材;及び前記第1支持部材に伸縮可能に備えられ、伸縮方向によって前記第1支持部材の長さを増加又は減少させる緩衝部材;を含むことができる。
【0013】
また、前記第1支持部材は、前記第1面と並んで配置されてもよい。
【0014】
また、前記緩衝部材は、前記第1プレートの中心線を基準にして対称的に形成されてもよい。
【0015】
また、前記緩衝部材は、弾性変形可能に備えられてもよい。
【0016】
また、前記緩衝部材の収縮長さと伸長長さとの差は2mm以下であってもよい。
【0017】
また、前記緩衝部材は、前記第1支持部材の長さ方向に対して交差する方向に突出するしわ部;を含むことができる。
【0018】
また、前記しわ部の個数は2個以下であってもよい。
【0019】
また、前記第2支持部材は、前記第2プレートから延長され、前記第1支持部材と並んで配置される第1延長部;及び前記第1延長部から前記第1支持部材に向かって延長され、前記第2プレートと離隔して配置され、前記第1支持部材と結合される第2延長部;を含み、前記しわ部は、前記第1支持部材から前記第2延長部と前記第2プレートとの間の空間に向かって突出してもよい。
【0020】
また、前記しわ部は、前記第1支持部材の長さ方向に対して傾斜して配置される第1折曲部;及び前記第1折曲部の長さ方向に対して傾斜して配置され、一端部が前記第1折曲部の一端部と連結される第2折曲部;を含むことができる。
【0021】
また、前記第1折曲部と前記第2折曲部の一端部は、前記第2延長部と前記第2プレートとの間の空間に配置されてもよい。
【0022】
また、前記第1折曲部と前記第2折曲部の他端部は、前記第1支持部材の外側面と同一の平面上に配置されてもよい。
【0023】
また、前記第1折曲部の厚さと前記第2折曲部の厚さは互いに異なってもよい。
【0024】
また、前記第1折曲部の一端部の幅と前記第2折曲部の一端部の幅は互いに異なってもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るバッテリーモジュールは、急速充電などによるバッテリーセルの膨張時、緩衝部がバッテリーセルの変位量だけ第2プレートを第1プレートに対して相対移動させることによって、第2プレートとバッテリーセルとの間で作用する圧力の上昇によるバッテリーセルの劣化現象を防止することができる。
【0026】
また、本発明に係るバッテリーモジュールは、緩衝部材が第1プレートの中心線を基準にして対称的に形成されることによって第2プレートが傾斜しながら移動することを防止し、バッテリーセルと第2プレートとの間に局部的な圧力上昇が発生することを防止することができる。
【0027】
また、本発明に係るバッテリーモジュールは、緩衝部材が弾性変形可能に備えられることによって、バッテリーセルの正常動作時、それ自体の弾性復元力によってバッテリーセルと第2プレートとの間に十分な面圧を形成することができ、バッテリーセルの体積が縮小される場合は、それ自体の弾性復元力によって収縮され、第2プレートの位置を初期位置に復帰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールの構成を概略的に示す平面図である。
【
図4】本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールの構成を概略的に示す側面図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る緩衝部の構成を概略的に示す側面図である。
【
図6】
図5において、本発明の一実施例に係る緩衝部が伸長した状態を概略的に示す側面図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る緩衝部の構成を概略的に示す平面図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る緩衝部材の構成を概略的に示す拡大図である。
【
図9】本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールの作動過程を概略的に示す図である。
【
図10】本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールの作動過程を概略的に示す図である。
【
図11】本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールの作動過程を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の各図面を参照して、本発明に係るバッテリーモジュールの実施例を説明する。
【0030】
この過程で図面に示した各線の太さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜上、誇張して図示する場合がある。また、後述する各用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザー及び運用者の意図又は慣例によって変わり得る。そのため、これらの用語は、本明細書全般にわたった内容に基づいて定義されるべきであろう。
【0031】
また、本明細書において、一つの部分が他の部分と「連結(又は接続)」されているとしたとき、これは、「直接連結(又は接続)」されている場合のみならず、その中間に他の部材を挟んで「間接的に連結(又は接続)」されている場合も含む。本明細書において、一つの部分が一つの構成要素を「含む(又は備える)」としたとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに「含む(又は備える)」ことができることを意味する。
【0032】
また、本明細書で使用される構成要素に対する「ユニット」、「モジュール」又は「部」は、少なくとも一つの機能又は動作を行う。そして、「ユニット」、「モジュール」又は「部」は、ハードウェア、ソフトウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって機能又は動作することができる。また、特定のハードウェアで行わなければならないか、少なくとも一つのプロセッサで行われる「ユニット」、「モジュール」又は「部」を除外した複数の「ユニット」、複数の「モジュール」又は複数の「部」は、少なくとも一つのモジュールに統合されてもよい。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。
【0033】
また、本明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を称することができる。同一の参照符号又は類似する各参照符号が特定の図面で言及又は説明されていなかったとしても、それらの符号は、他の図面に基づいて説明され得る。また、特定の図面に参照符号が表示されていない部分があったとしても、その部分は、他の各図面に基づいて説明され得る。また、本出願の各図面に含まれた細部構成要素の個数、形状、大きさ及び大きさの相対的な差などは、理解の便宜のために設定されたものであって、各実施例を制限しなく、多様な形態で具現され得る。
【0034】
図1は、本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールの構成を概略的に示す斜視図で、
図2は、本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールの構成を概略的に示す分解斜視図で、
図3は、本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールの構成を概略的に示す平面図で、
図4は、本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールの構成を概略的に示す側面図である。
【0035】
図1乃至
図4を参照すると、本実施例に係るバッテリーモジュール1は、バッテリーセル100、第1プレート200、第2プレート300、及び緩衝部400を含むことができる。
【0036】
バッテリーセル100は、バッテリーモジュール1で電力を貯蔵及び供給する単位構造体として機能する。
【0037】
本実施例に係るバッテリーセル100は、図面には示していないが、セパレーター(図示せず)を挟み、その両側に正極板(図示せず)と負極板(図示せず)が配置される電極組立体(図示せず)を内部に備え、既に設定された量の電力を充電及び放電できるパウチ型二次電池として例示され得る。
【0038】
バッテリーセル100は、第1面101、第1面101と交差して配置される第2面102、上面及び下面を含む直方体の形態を有して形成されてもよい。
【0039】
本実施例に係る第1面101は、
図1乃至
図4を基準にしてZ軸と並んで配置されたバッテリーセル100の周面のうちX軸と並んで配置される面として例示され得る。第1面101は、一対で備えられてもよい。一対の第1面101は、Y軸方向に沿って所定間隔だけ離隔し、互いに平行に向かい合うように配置されてもよい。
【0040】
本実施例に係る第2面102は、
図1乃至
図4を基準にしてZ軸と並んで配置されたバッテリーセル100の周面のうちY軸と並んで配置される面として例示され得る。第2面102は、一対で備えられてもよい。一対の第2面102は、X軸方向に沿って所定間隔だけ離隔し、互いに平行に向かい合うように配置されてもよい。第2面102の面積は、第1面101の面積より大きく形成されてもよい。
【0041】
バッテリーセル100は、Z軸方向に沿って相互離隔し、互いに平行に向かい合うように配置されたボトムプレートAとトッププレートBとの間に配置されてもよい。ボトムプレートAとトッププレートBは、XY平面と平行に配置されてもよい。バッテリーセル100は、下面及び上面がそれぞれボトムプレートAの上面及びトッププレートBの下面と向かい合うように配置されてもよい。バッテリーセル100の下面は、ボトムプレートAの上面に載置されて支持されてもよい。
【0042】
バッテリーセル100は、複数個で備えられてもよい。複数個のバッテリーセル100は、第1面101と並んだ方向、すなわち、
図1乃至
図4を基準にしてX軸と並んだ方向に沿って順次配列されてもよい。バッテリーセル100の個数は、
図2に示した事項に限定されるものではなく、バッテリーモジュール1の大きさなどによって多様に設計変更が可能である。複数個のバッテリーセル100は、バスバー(図示せず)などを媒介にして互いに電気的に連結されてもよい。この場合、複数個のバッテリーセル100は、互いに直列に連結されてもよく、並列に連結されることも可能である。
【0043】
第1プレート200は、バッテリーセル100の第1面101と向かい合うように配置される。第1プレート200は、第1面101に対して垂直な方向にバッテリーセル100を支持し、外部の衝撃及び異物などからバッテリーセル100を保護する構成として機能することができる。
【0044】
本実施例に係る第1プレート200は、ほぼ板の形態を有するように形成されてもよい。第1プレート200は、長さ方向が複数個のバッテリーセル100の配列方向に沿って延長され、第1面101に対して平行に配置されてもよい。
【0045】
第1プレート200は、一対で備えられてもよい。一対の第1プレート200は、内側面がいずれか一つのバッテリーセル100に備えられた一対の第1面101と個別的に向かい合うように配置されてもよい。一対の第1プレート200は、内側面が第1面101と接触してもよい。第1プレート200の長さは、それぞれのバッテリーセル100に備えられた第1面101のX軸に対して並んだ長さの和より大きく形成されてもよい。これによって、第1プレート200の内側面は、複数個のバッテリーセル100の第1面101の全てに接触し得る。
【0046】
第1プレート200は、下端部及び上端部がボトムプレートA及びトッププレートBに結合されてもよい。この場合、第1プレート200は、ボルティング、溶接、接着、嵌合、係合などの多様な種類の結合方式によってボトムプレートA及びトッププレートBに結合され得る。
【0047】
第1プレート200は、外部から印加される外力、バッテリーセル100から加えられる圧力などによる損傷及び破損を防止するために、金属、高強度プラスチックなどのように高い剛性を有する材質を含むように構成されてもよい。バッテリーセル100と直接接触する第1プレート200の内側面は、バッテリーセル100と電気的に分離できるように絶縁材質で形成されてもよい。
【0048】
第2プレート300は、第1プレート200と交差して配置され、バッテリーセル100の第2面102と向かい合うように配置される。第1プレート200は、第2面102に対して垂直な方向にバッテリーセル100を支持し、外部の衝撃及び異物などからバッテリーセル100を保護する構成として機能することができる。
【0049】
本実施例に係る第2プレート300は、ほぼ板の形態を有するように形成されてもよい。第2プレート300は、長さ方向が複数個のバッテリーセル100の配列方向に対して垂直な方向に延長され、第2面102に対して平行に配置されてもよい。
【0050】
第2プレート300は、一対で備えられてもよい。一対の第2プレート300は、内側面が複数個のバッテリーセル100の両端に配置された一対のバッテリーセル100に備えられた第2面102と個別的に向かい合うように配置されてもよい。一対の第2プレート300は、内側面が第2面102と接触してもよい。第2プレート300の長さは、第2面102のY軸に対して並んだ長さの和より大きく形成されてもよい。これによって、第1プレート200の内側面は、第2面102の面積全体にわたって接触し得る。
【0051】
第2プレート300は、長さ方向の両端部が後述する緩衝部400を媒介にして一対の第1プレート200とそれぞれ連結されてもよい。第2プレート300の下端部及び上端部は、ボトムプレートA及びトッププレートBと分離されたり、ボトムプレートA及びトッププレートBにスライド移動可能に連結されてもよい。これによって、第2プレート300は、後述する緩衝部400の動作によって第1プレート200に対して相対移動し得る。
【0052】
第2プレート300は、外部から印加される外力、バッテリーセル100から加えられる圧力などによる損傷及び破損を防止するために、金属、高強度プラスチックなどのように高い剛性を有する材質を含むように構成されてもよい。バッテリーセル100と直接接触する第2プレート300の内側面は、バッテリーセル100と電気的に分離できるように絶縁材質で形成されてもよい。
【0053】
緩衝部400は、第1プレート200と第2プレート300との間に備えられ、第1プレート200と第2プレート300とを相互連結させる。緩衝部400は、バッテリーセル100の体積変化に連動し、第1プレート200に対する第2プレート300の相対位置を可変できるように設けられてもよい。より具体的には、急速充電などによるバッテリーセル100の膨張時、各バッテリーセル100の体積増加量が各バッテリーセル100の配列方向、すなわち、
図1乃至
図4を基準にしてX軸方向に沿って累積されることによって、各バッテリーセル100のX軸方向への変位量は、Y軸又はZ軸方向への変位量に比べて相対的に大きい値を有するようになる。緩衝部400は、このようなバッテリーセル100のX軸方向への変位量だけ第2プレート300をX軸方向、すなわち、第1面101と並んだ方向に第1プレート200に対して相対移動させ、バッテリーセル100に加えられる面圧が過度に上昇することを防止する構成として機能することができる。
【0054】
緩衝部400は、複数個で備えられてもよい。複数個の緩衝部400は、バッテリーモジュール1の各コーナー側部、より具体的には、第1プレート200と第2プレート300との各連結地点のうち少なくとも2個以上に配置されてもよい。以下では、複数個の緩衝部400がバッテリーモジュールの各コーナー側部の全てに配置されることを例として挙げて説明するが、緩衝部400は、これに限定されるものではなく、バッテリーモジュールの各コーナー側部に2個以上配置される範囲内で多様な設計変更が可能である。
【0055】
図5は、本発明の一実施例に係る緩衝部の構成を概略的に示す側面図で、
図6は、
図5において、本発明の一実施例に係る緩衝部が伸長した状態を概略的に示す側面図で、
図7は、本発明の一実施例に係る緩衝部の構成を概略的に示す平面図である。
【0056】
図5乃至
図7を参照すると、本実施例に係る緩衝部400は、第1支持部材410、第2支持部材420、及び緩衝部材430を含むことができる。
【0057】
第1支持部材410は第1プレート200から延長される。
【0058】
本実施例に係る第1支持部材410は、第1プレート200の端部から第1プレート200の長さ方向、すなわち、X軸方向に沿って延長される板の形態を有するように形成されてもよい。第1支持部材410は、第1面101と並んで配置されてもよい。第1支持部材410は、いずれか一つの第1プレート200に対して一対で備えられてもよい。一対の第1支持部材410は、第1プレート200の長さ方向の両端部から互いに反対方向に延長されてもよい。
【0059】
第2支持部材420は、第2プレート300から延長され、第1支持部材410と結合され、第1プレート200と第2プレート300とを相互連結させる。
【0060】
本実施例に係る第2支持部材420は、第1延長部421及び第2延長部422を含むことができる。
【0061】
第1延長部421は、第2支持部材420の一側の外観を形成し、後述する第2延長部422を支持する。
【0062】
本実施例に係る第1延長部421は、第2プレート300の外側面から第1面101と並んだ方向、すなわち、X軸方向に沿って延長される柱の形態を有するように形成されてもよい。第1延長部421は、溶接などによって第2プレート300の外側面に一体に結合されたり、ボルティングなどによって第2プレート300の外側面に着脱可能に結合されることも可能である。第1延長部421は、第1支持部材410と並んで配置されてもよい。第1延長部421は、第1支持部材410から第2面102と並んだ方向、すなわち、Y軸方向に沿って所定間隔だけ離隔して配置されてもよい。
【0063】
第1延長部421は、いずれか一つの第2プレート300に対して一対で備えられてもよい。一対の第1延長部421は、第2面102と並んだ方向に沿って所定間隔だけ離隔して配置されてもよい。
【0064】
第2延長部422は、第2支持部材420の他側の外観を形成し、第1支持部材410と結合される。
【0065】
本実施例に係る第2延長部422は、第1延長部421の端部から第1支持部材410の内側面に向かって延長される柱の形態を有するように形成されてもよい。第2延長部422は、第2面102に対して並んで配置されてもよい。第2延長部422の内側面は、第2プレート300の外側面と所定間隔だけ離隔して配置されてもよい。これによって、第2延長部422は、第2プレート300との間に後述する緩衝部材430が位置し得る空間を設けることができる。
【0066】
第2延長部422の端部は、第1支持部材410の内側面と接触してもよい。この場合、第2延長部422の端部は、第1支持部材410の内側面の全体領域のうち一部と接触してもよい。第2延長部422の端部は、レーザー溶接、ボルティング、接着などの多様な種類の結合方式によって第1支持部材410の内側面と一体に結合され得る。
【0067】
第2延長部422は、複数個で備えられてもよい。複数個の第2延長部422は、それぞれの第1延長部421の端部から個別的に延長されてもよい。
【0068】
緩衝部材430は、第1支持部材410に伸縮可能に備えられ、伸縮方向によって第1支持部材410の長さを増加又は減少させる。すなわち、緩衝部材430は、バッテリーセル100の体積変化時、第1支持部材410の長さを増加又は減少させ、第2プレート300の変位を生成する構成として機能することができる。一例に係る緩衝部材430は、第1支持部材410の全体区間のうち第2延長部422と直接結合されなく、第2延長部422と第2プレート300との間の空間と向かい合うように配置された区間として例示され得る。
【0069】
緩衝部材430は、第1プレート200の中心線Cを基準にして対称的に形成されてもよい。ここで、第1プレート200の中心線は、
図5に示したように、X軸に対して並んで配置された直線のうち、第1プレート200を上下対称になるように分割する直線であることが例示され得る。これによって、緩衝部材430は、伸長又は収縮時、第2プレート300が傾斜しながら移動することを防止し、バッテリーセル100と第2プレート300との間に局所的な圧力上昇が発生することを防止することができる。
【0070】
緩衝部材430は、弾性変形可能に備えられてもよい。一例として、緩衝部材430は、ゴム、シリコーン、合成樹脂などの弾性変形可能な材質からなってもよい。これによって、緩衝部材430は、バッテリーセル100の正常動作時、それ自体の弾性復元力によってバッテリーセル100と第2プレート300との間に十分な面圧が形成されるように誘導することができる。また、緩衝部材430は、バッテリーセル100の体積が縮小される場合、それ自体の弾性復元力によって収縮され、第2プレート300の位置を初期位置に復帰させることができる。
【0071】
緩衝部材430の収縮長さL1と伸長長さL2との差(L2-L1)は、2mm以下であってもよい。緩衝部材430の収縮長さL1は、バッテリーセル100が膨張していない状態での緩衝部材430の初期長さであって、7mmとして例示され得る。緩衝部材430の伸長長さL2は、バッテリーセル100の膨張時、緩衝部材430が最大に伸長した長さであって、9mmとして例示され得る。
【0072】
図8は、本発明の一実施例に係る緩衝部材の構成を概略的に示す拡大図である。
【0073】
図8を参照すると、本実施例に係る緩衝部材430は、しわ部431を含むことができる。
【0074】
しわ部431は、緩衝部材430を構成する単位構造体であって、中央部が第1支持部材410から第1支持部材410の長さ方向に対して交差する方向に突出する形態を有するように形成されてもよい。しわ部431は、中央部を基準にして折り畳まれたり広がり、第1支持部材410の長さを可変させることができる。
【0075】
しわ部431は、第1支持部材410の内側面から第2延長部422と第2プレート300との間の空間に向かって突出するように形成されてもよい。これによって、しわ部431は、第1支持部材410の外側面に配置された隣接部品又は異物などとの干渉が防止され得る。
【0076】
しわ部431の個数は2個以下であってもよい。例えば、
図8に示したように、しわ部431は2個で形成されてもよい。これによって、それぞれのしわ部431は、広げる動作時に切れることを防止できる十分な厚さを確保することができる。しかし、しわ部431の個数は、このような事項に限定されるものではなく、緩衝部材430の長さによって1個又は3個以上で形成されることも可能である。
【0077】
本実施例に係るしわ部431は、第1折曲部431a及び第2折曲部431bを含むことができる。
【0078】
本実施例に係る第1折曲部431aは、第1支持部材410の長さ方向に対して所定角度だけ傾斜して配置される板の形態を有するように形成されてもよい。第1折曲部431aの一端部(
図8を基準にして右側端部)は、第2延長部422と第2プレート300との間の空間の内部に配置されてもよい。第1折曲部431aの他端部(
図8を基準にして左側端部)は、第1支持部材410又は隣り合うしわ部431に備えられた第2折曲部431bと連結されてもよい。
【0079】
本実施例に係る第2折曲部431bは、第1折曲部431aの長さ方向に対して所定角度だけ傾斜して配置される板の形態を有するように形成されてもよい。第2折曲部431bは、第1折曲部431aと所定角度だけ交差するように配置されてもよい。
【0080】
第2折曲部431bの一端部(
図8を基準にして右側端部)は、第2延長部422と第2プレート300との間の空間の内部に配置されてもよい。第2折曲部431bの一端部は、第1折曲部431aの一端部と連結されてもよい。第1折曲部431aと第2折曲部431bは、バッテリーセル100の体積変化時、一端部を中心に互いに反対方向に回転し、しわ部431の長さを可変させることができる。
【0081】
第2折曲部431bの他端部(
図8を基準にして左側端部)は、第1支持部材410又は隣り合うしわ部431に備えられた第1折曲部431aの他端部と連結されてもよい。第1折曲部431aと第2折曲部431bの他端部は、第1支持部材410の外側に突出しないように第1支持部材410の外側面と同一の平面上に配置されてもよい。
【0082】
第1折曲部431aの厚さと第2折曲部431bの厚さは、互いに異なるように形成されてもよい。また、第1折曲部431aの一端部の幅と第2折曲部431bの一端部の幅は、互いに異なるように形成されてもよい。これによって、ユーザーは、バッテリーセル100の種類などによって第1折曲部431aと第2折曲部431bの厚さ及び幅を自由に変更し、しわ部431の弾性復元力の大きさを可変させることができる。
【0083】
以下では、本発明の一実施例に係るバッテリーモジュール1の作動過程を詳細に説明する。
【0084】
図9乃至
図11は、本発明の一実施例に係るバッテリーモジュールの作動過程を概略的に示す図である。
【0085】
図9を参照すると、バッテリーセル100の急速充電などによってバッテリーセル100が膨張する場合、第1面101に対して並んだ方向、すなわち、X軸方向に沿って配列された複数個のバッテリーセル100の長さが増加する。
【0086】
このような長さ変化により、複数個のバッテリーセル100のうち端部に配置された一対のバッテリーセル100の第2面102が第2プレート300をX軸と並んだ方向に加圧する加圧力の大きさが増加する。
【0087】
図10及び
図11を参照すると、第2プレート300に印加される加圧力の増加に連動し、緩衝部材430の長さが伸長する。
【0088】
より具体的には、第2プレート300に印加されるX軸方向への加圧力は、第2プレート300、第2支持部材420及び第1支持部材410を順次経て緩衝部材430に伝達され、緩衝部材430をX軸と並んだ方向に伸長させる引張力に変換される。
【0089】
第1折曲部431aと第2折曲部431bは、一端部を中心に互いに遠ざかる方向に回転し、しわ部431の長さを増加させる。
【0090】
しわ部431の長さが増加することによって、緩衝部材430の長さも収縮長さL1から伸長長さL2に増加する。
【0091】
その後、第2プレート300は、伸長長さL2と収縮長さL1との差(L2-L1)だけX軸と並んだ方向に移動し、バッテリーセル100の第2面102との間で作用する圧力値を減少させる。
【0092】
本発明は、図面に示した実施例を参考にして説明したが、これは例示的なものに過ぎなく、当該技術の属する分野で通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解するだろう。
【0093】
したがって、本発明の技術的保護範囲は、下記の特許請求の範囲によって定められるべきであろう。
【符号の説明】
【0094】
1 バッテリーモジュール
100 バッテリーセル
200 第1プレート
300 第2プレート
400 緩衝部