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特開2024-132935光ファイバ接続構造およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024132935
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】光ファイバ接続構造およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/26 20060101AFI20240920BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20240920BHJP
   G02B 6/255 20060101ALI20240920BHJP
   G02B 6/04 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G02B6/26
G02B6/02 461
G02B6/255
G02B6/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024033557
(22)【出願日】2024-03-06
(31)【優先権主張番号】P 2023042795
(32)【優先日】2023-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度 国立研究開発法人情報通信研究機構「Beyond 5G超大容量無線通信を支える空間多重光ネットワーク・ノード技術の研究開発」産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松野 佑亮
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正典
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 隆一
(72)【発明者】
【氏名】田邉 明夫
(72)【発明者】
【氏名】新子谷 悦宏
【テーマコード(参考)】
2H036
2H137
2H250
【Fターム(参考)】
2H036MA11
2H036MA12
2H036MA14
2H137AB01
2H137BA18
2H137BA23
2H137CC11
2H137EA08
2H250AB05
2H250AC12
2H250AC25
2H250AC37
2H250AC68
2H250AC83
2H250AC93
2H250AC96
2H250CA68
(57)【要約】
【課題】中心軸からの径方向における距離が異なるコアであっても接続損失の相違を抑制できる光ファイバ接続構造およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】光ファイバ接続構造は、それぞれが複数のコアと前記複数のコアの外周を取り囲むクラッドとを備える第1光ファイバと第2光ファイバとが端面において接続されており、前記第1光ファイバと前記第2光ファイバとで前記複数のコアの配列が少なくとも部分的に一致している光ファイバ接続構造であって、前記複数のコアは、第1コアと、前記第1コアよりも前記クラッドの中心軸からの距離が遠い第2コアと、を含み、少なくとも前記端面の近傍の接続領域において、前記第2コアのモードフィールド径が、前記第1コアのモードフィールド径よりも大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数のコアと前記複数のコアの外周を取り囲むクラッドとを備える第1光ファイバと第2光ファイバとが端面において接続されており、前記第1光ファイバと前記第2光ファイバとで前記複数のコアの配列が少なくとも部分的に一致している光ファイバ接続構造であって、
前記複数のコアは、第1コアと、前記第1コアよりも前記クラッドの中心軸からの距離が遠い第2コアと、を含み、
少なくとも前記端面の近傍の接続領域において、前記第2コアのモードフィールド径が、前記第1コアのモードフィールド径よりも大きい
光ファイバ接続構造。
【請求項2】
前記接続領域において、前記第2コアに含まれる屈折率を上昇させる添加物の、前記第2コアの径方向における存在範囲が、前記第1コアに含まれる屈折率を上昇させる添加物の、前記第1コアの径方向における存在範囲よりも広い
請求項1に記載の光ファイバ接続構造。
【請求項3】
波長1550nmにおいて、前記コアのモードフィールド径をMFD[μm]とし、コアピッチをr[μm]とし、前記第1光ファイバと前記第2光ファイバとの、中心軸回りの相対的な角度ずれをx[度]とし、自然対数の底をeとし、前記コアの接続損失をLoss[dB]とすると、少なくとも6μm≦MFD≦16μmの範囲において以下の式(1)が成り立つ
請求項1に記載の光ファイバ接続構造。
MFD≧2√((10/Loss)・log(e))・(π・R・x/180)
・・・ (1)
【請求項4】
波長1550nmにおいて、前記第1コアのモードフィールド径をMFD1[μm]とし、前記第2コアのモードフィールド径をMFD2[μm]とし、前記第1光ファイバおよび前記第2光ファイバにおけるコアピッチをr[μm]とし、前記第1光ファイバと前記第2光ファイバとの、中心軸回りの相対的な角度ずれをx[度]とし、自然対数の底をeとすると、少なくとも6μm≦MFD1<MFD2≦16μmの範囲において以下の式(2)、(3)が成り立つ
請求項1に記載の光ファイバ接続構造。
MFD1≧2√((10/1.5)・log(e))・(π・r・x/180)
・・・ (2)
MFD2≧4√((10/1.5)・log(e))・(π・r・x/180)
・・・ (3)
ただし、前記クラッドの中心軸から前記第2コアの中心軸までの距離が前記クラッドの中心軸から前記第1コアの中心軸までの距離の2倍である。
【請求項5】
前記MFD2は前記MFD1の1.8倍以上2.2倍以下である
請求項4に記載の光ファイバ接続構造。
【請求項6】
前記第1光ファイバまたは前記第2光ファイバはマルチコアファイバである
請求項1に記載の光ファイバ接続構造。
【請求項7】
前記第1光ファイバまたは前記第2光ファイバはバンドル型光ファイバである
請求項1に記載の光ファイバ接続構造。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一つに記載の光ファイバ接続構造の製造方法であって、
前記第1光ファイバの端面と前記第2光ファイバの端面とを対向させ、当該対向させた端面付近に放電を行う工程を備え、
前記放電を行う工程において、前記第2コアに含まれる屈折率を上昇させる添加物の、前記第2コアの径方向における拡散範囲を、前記第1コアに含まれる屈折率を上昇させる添加物の、前記第1コアの径方向における拡散範囲よりも広げる
光ファイバ接続構造の製造方法。
【請求項9】
前記放電を行う工程において、間欠放電を行う
請求項8に記載の光ファイバ接続構造の製造方法。
【請求項10】
前記放電を行う工程において、前記放電を行う一対の電極を、前記第1光ファイバおよび前記第2光ファイバの長手方向と直交する方向に往復移動させ、前記第1光ファイバおよび前記第2光ファイバの中心軸付近に与える熱エネルギーを、前記第1光ファイバおよび前記第2光ファイバの中心軸から、前記一対の電極の往復移動の方向に離れた位置に与える熱エネルギーよりも小さくする
請求項8に記載の光ファイバ接続構造の製造方法。
【請求項11】
前記放電を行う工程において、前記放電を行う3本以上で一組の電極を、前記第1光ファイバおよび前記第2光ファイバの前記対向させた端面を囲むように配置して、前記放電を行う
請求項8に記載の光ファイバ接続構造の製造方法。
【請求項12】
前記放電において間欠放電を行う
請求項11に記載の光ファイバ接続構造の製造方法。
【請求項13】
前記放電において放電強度が時間的な周期性をもつ
請求項11に記載の光ファイバ接続構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ接続構造およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マルチコアファイバは、通信線路用としての利用だけでなく、部品等にも用いられている。このようなマルチコアファイバは、1本の光ファイバ当たりで大容量のトラフィックが可能な複数層構造のコア配置とされることが多くなってきた。ここで、マルチコアファイバとは、複数のコアと、複数のコアの外周を取り囲む共通のクラッドとを備える光ファイバである。マルチコアファイバ同士が接続された接続構造として、特許文献1に記載の構造が開示されている。
【0003】
また、複数のコアを備える光ファイバとして、バンドル型光ファイバが知られている。バンドル型光ファイバは、1つのコアと該1つのコアの外周を取り囲むクラッドとを備えるシングルコア光ファイバを、所定の配列にて束ねて構成された光ファイバである。マルチコアファイバとバンドル型光ファイバとが接続された接続構造として、特許文献2に記載の構造が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、モードフィールド径が互いに異なる光ファイバ同士を接続する技術として、一方の光ファイバのモードフィールド径の拡大と融着接続とを一つの融着接続装置上で行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-152866号公報
【特許文献2】国際公開第2012/121320号
【特許文献3】特開2004-163755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光ファイバの中心軸からの径方向における距離が互いに異なる2以上のコアを有する2つの光ファイバを接続する場合、2つの光ファイバの中心軸回りに相対的な角度ずれが生じた場合には、以下のような問題が生じる。すなわち、中心軸からの径方向における距離が互いに異なる2つのコアでは、同じ角度ずれであっても、軸回りの周方向のずれ量が互いに異なることとなる。その結果、中心軸に近いコアと遠いコアとで角度ずれに起因する接続損失が異なることとなる。このような接続損失の相違は、2つのコアでの伝送特性の相違の原因となり、好ましくない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、中心軸からの径方向における距離が異なるコアであっても接続損失の相違を抑制できる光ファイバ接続構造およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、それぞれが複数のコアと前記複数のコアの外周を取り囲むクラッドとを備える第1光ファイバと第2光ファイバとが端面において接続されており、前記第1光ファイバと前記第2光ファイバとで前記複数のコアの配列が少なくとも部分的に一致している光ファイバ接続構造であって、前記複数のコアは、第1コアと、前記第1コアよりも前記クラッドの中心軸からの距離が遠い第2コアと、を含み、少なくとも前記端面の近傍の接続領域において、前記第2コアのモードフィールド径が、前記第1コアのモードフィールド径よりも大きい光ファイバ接続構造である。
【0009】
前記接続領域において、前記第2コアに含まれる屈折率を上昇させる添加物の、前記第2コアの径方向における存在範囲が、前記第1コアに含まれる屈折率を上昇させる添加物の、前記第1コアの径方向における存在範囲よりも広くてもよい。
【0010】
前記光ファイバ接続構造において、波長1550nmにおいて、前記コアのモードフィールド径をMFD[μm]とし、コアピッチをr[μm]とし、前記第1光ファイバと前記第2光ファイバとの、中心軸回りの相対的な角度ずれをx[度]とし、自然対数の底をeとし、前記コアの接続損失をLoss[dB]とすると、少なくとも6μm≦MFD≦16μmの範囲において以下の式(1)が成り立ってもよい。
MFD≧2√((10/Loss)・log(e))・(π・R・x/180)
・・・ (1)
【0011】
前記光ファイバ接続構造において、波長1550nmにおいて、前記第1コアのモードフィールド径をMFD1[μm]とし、前記第2コアのモードフィールド径をMFD2[μm]とし、前記第1光ファイバおよび前記第2光ファイバにおけるコアピッチをr[μm]とし、前記第1光ファイバと前記第2光ファイバとの、中心軸回りの相対的な角度ずれをx[度]とし、自然対数の底をeとすると、少なくとも6μm≦MFD1<MFD2≦16μmの範囲において以下の式(2)、(3)が成り立ってもよい。
MFD1≧2√((10/1.5)・log(e))・(π・r・x/180)
・・・ (2)
MFD2≧4√((10/1.5)・log(e))・(π・r・x/180)
・・・ (3)
ただし、前記クラッドの中心軸から前記第2コアの中心軸までの距離が前記クラッドの中心軸から前記第1コアの中心軸までの距離の2倍である。
【0012】
前記MFD2は前記MFD1の1.8倍以上2.2倍以下でもよい。
【0013】
前記第1光ファイバまたは前記第2光ファイバはマルチコアファイバでもよい。
【0014】
前記第1光ファイバまたは前記第2光ファイバはバンドル型光ファイバでもよい。
【0015】
本発明の一態様は、前記光ファイバ接続構造の製造方法であって、前記第1光ファイバの端面と前記第2光ファイバの端面とを対向させ、当該対向させた端面付近に放電を行う工程を備え、前記放電を行う工程において、前記第2コアに含まれる屈折率を上昇させる添加物の、前記第2コアの径方向における拡散範囲を、前記第1コアに含まれる屈折率を上昇させる添加物の、前記第1コアの径方向における拡散範囲よりも広げる光ファイバ接続構造の製造方法である。
【0016】
前記放電を行う工程において、間欠放電を行ってもよい。
【0017】
前記放電を行う工程において、前記放電を行う一対の電極を、前記第1光ファイバおよび前記第2光ファイバの長手方向と直交する方向に往復移動させ、前記第1光ファイバおよび前記第2光ファイバの中心軸付近に与える熱エネルギーを、前記第1光ファイバおよび前記第2光ファイバの中心軸から、前記一対の電極の往復移動の方向に離れた位置に与える熱エネルギーよりも小さくしてもよい。
【0018】
前記放電を行う工程において、前記放電を行う3本以上で一組の電極を、前記第1光ファイバおよび前記第2光ファイバの前記対向させた端面を囲むように配置して、前記放電を行ってもよい。
【0019】
前記放電において間欠放電を行ってもよい。
【0020】
前記放電において放電強度が時間的な周期性をもってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれは、中心軸からの径方向における距離が異なるコアであっても接続損失の相違を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施形態1に係る光ファイバ接続構造において接続される光ファイバの長手方向に垂直な断面における模式的な断面図である。
図2図2は、実施形態1に係る光ファイバ接続構造の長手方向に沿った断面における模式的な断面図である。
図3図3は、光ファイバ接続構造における接続の角度ずれを説明する図である。
図4図4は、角度ずれと接続損失との関係の一例を示す図である。
図5図5は、角度ずれとモードフィールド径との関係の一例を示す図である。
図6図6は、角度ずれとモードフィールド径との関係の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態1に係る光ファイバ接続構造の製造方法の一例を説明する図である。
図8図8は、実施形態1に係る光ファイバ接続構造の製造方法の他の一例を説明する図である。
図9図9は、実施形態1に係る光ファイバ接続構造の製造方法のさらに他の一例を説明する図である。
図10図10は、実施形態2に係る光ファイバ接続構造において接続される光ファイバの長手方向に垂直な断面における模式的な断面図である。
図11図11は、実施形態3に係る光ファイバ接続構造において接続される光ファイバの長手方向に垂直な断面における模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する構成要素には適宜同一の符号を付している。また、本明細書においては、特に定義しない用語については、国際通信連合(ITU)のG.650.1およびG.650.2における定義、測定方法に従うものとする。
【0024】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る光ファイバ接続構造において接続される光ファイバ100Aの長手方向に垂直な断面における模式的な断面図である。光ファイバ100Aは、石英系ガラスからなるマルチコアファイバであって、19個のコア110と、コア110の外周を取り囲む共通のクラッド120とを備えている。19個のコア110は複数のコアの一例である。コア110には、クラッド120に対して屈折率を上昇させるための、ゲルマニウムなどの添加物が添加されている。コア110は、光ファイバ100Aの長手方向に垂直な断面において三角格子状に配列されている。コア110の中心間距離であるコアピッチはrである。光ファイバ100Aは、19コア型のマルチコアファイバとも呼ばれる。
【0025】
クラッド120は、光ファイバ100Aの長手方向に垂直な任意の断面において規定された領域A11、A12、A13を有している。領域A11は、クラッド120の中心軸でもある光ファイバ100Aの中心軸O1に最も近くかつ中心軸O1を含んでいる円状の領域である。領域A12は、領域A11よりも中心軸O1からの距離が遠くかつ領域A11の外周を取り囲む環状の領域である。領域A13は、領域A12よりも中心軸O1からの距離が遠くかつ領域A12の外周を取り囲む環状の領域である。
【0026】
コア110は、コア111、112、113を含む。具体的には、領域A11には、中心軸が光ファイバ100Aの中心軸O1と略一致する1個のコア111が存在する。領域A12には、中心軸O1の周りに正六角形状に配列された6個のコア112が存在する。領域A13には、中心軸O1の周りに正六角形状に配列された12個のコア113が存在する。したがって、コア112は、コア111よりも中心軸O1からの距離が遠い。また、コア113は、コア111およびコア112よりも中心軸O1からの距離が遠い。
【0027】
図2は、実施形態1に係る光ファイバ接続構造1000の長手方向に沿った断面における模式的な断面図である。光ファイバ接続構造1000は、図1に示す光ファイバ100Aと、光ファイバ100Aと同一の構成を有する光ファイバ100Bとが、光ファイバ100Aの端面101Aと光ファイバ100Bの端面101Bとにおいて融着接続されたものである。接続部1001とは、光ファイバ100Aの端面101Aと光ファイバ100Bの端面101Bとが融着接続されることで形成された部分である。光ファイバ100Aは第1光ファイバの一例であり、光ファイバ100Bは第2光ファイバの一例である。
【0028】
光ファイバ100Aと光ファイバ100Bとは同一の構成を有するので、光ファイバ100Aと光ファイバ100Bとでコア110の配列は一致している。したがって、光ファイバ接続構造1000では、光ファイバ100Aと光ファイバ100Bとのコア111同士が融着接続され、コア112同士が融着接続され、コア113同士が融着接続される。
【0029】
ここで、少なくとも端面101A、101Bの近傍の接続領域1002において、領域A12に存在するコア112のモードフィールド径が、領域A11に存在するコア111のモードフィールド径よりも大きい。この場合、領域A11は第1領域の一例であり、領域A12は第2領域の一例であり、コア111は第1コアの一例であり、コア112は第2コアの一例である。
【0030】
また、接続領域1002において、領域A13に存在するコア113のモードフィールド径が、領域A11に存在するコア111のモードフィールド径よりも大きい。この場合、領域A11は第1領域の一例であり、領域A13は第2領域の一例であり、コア111は第1コアの一例であり、コア113は第2コアの一例である。
【0031】
また、接続領域1002において、領域A13に存在するコア113のモードフィールド径が、領域A12に存在するコア112のモードフィールド径よりも大きい。この場合、領域A12は第1領域の一例であり、領域A13は第2領域の一例であり、コア112は第1コアの一例であり、コア113は第2コアの一例である。
【0032】
ただし、光ファイバ接続構造1000において接続領域1002よりも接続部1001から離れた領域においては、コア110のモードフィールド径はいずれも略等しい。
【0033】
このような光ファイバ接続構造1000のモードフィールド径を実現するための構成としては、たとえば、接続領域1002において、第2コアに含まれる屈折率を上昇させる添加物の、第2コアの径方向における存在範囲が、第1コアに含まれる屈折率を上昇させる添加物の、第1コアの径方向における存在範囲よりも広い構成がある。屈折率を上昇させる添加物は、たとえばゲルマニウムである。
【0034】
このように、光ファイバ接続構造1000では、接続領域1002において、中心軸O1からの距離がより遠い第2領域に存在する第2コアのモードフィールド径が、中心軸O1からの距離がより近い第1コアのモードフィールド径よりも大きい。これにより、軸回りの周方向のずれ量がより大きいコアほど、接続領域1002においてモードフィールド径が大きいので、中心軸からの径方向における距離が異なるコアであっても接続損失の相違を抑制できる。
【0035】
図3は、光ファイバ接続構造における接続の角度ずれを説明する図である。図3は、光ファイバ100A、光ファイバ100Bの接続部1001において中心軸回りの角度ずれの量がx[度]の場合を示している。なお、図3ではハッチグは省略しており、かつ説明のためにコアに番号を付している。実線の丸は光ファイバ100Aのコアを示しており、破線の丸は光ファイバ100Bのコアを示している。
【0036】
図3に示すように、番号1のコアは、光ファイバ100A、光ファイバ100Bの中心軸付近に存在するので、角度ずれに起因する軸回りの周方向のずれがほとんどない。これに対して、たとえば番号2のコアは領域A12に存在するコア112であるが、角度ずれに起因する軸回りの周方向のずれが大きい。さらに、たとえば番号8のコアは領域A13に存在するコア113であるが、角度ずれに起因する軸回りの周方向のずれがさらに大きい。
【0037】
図4は、角度ずれと接続損失との関係の一例を示す図である。横軸は角度ずれ(Rotation error)であり、縦軸は接続損失(Connection Loss)である。また、凡例において、たとえばMFDinner6とは、内側の領域である領域A12に存在するコア(番号2~7のコア)のモードフィールド径が波長1550nmにおいて6μmの場合を意味する。また、たとえばMFDouter6とは、外側の領域である領域A13に存在するコア(番号8、10、12、14、16、18のコア)のモードフィールド径が波長1550nmにおいて6μmの場合を示している。また、コアピッチrは40μmである。したがって、クラッド120の中心軸(番号1のコアの中心軸)から番号2~7のコアの中心軸までの距離は40μmであり、クラッド120の中心軸(番号1のコアの中心軸)から番号8、10、12、14、16、18のコアの中心軸までの距離は80μmである。したがって、図3、4の場合は、中心軸O1から番号8、10、12、14、16、18のコアの中心軸までの距離が、中心軸O1から番号2~7のコアの中心軸までの距離の2倍である。
【0038】
図4に示すように、MFDinner6の場合の曲線L1とMFDouter12の場合の曲線L2とは一致する。MFDinner6の場合とは、番号2~7のコアのモードフィールド径が6μmの場合であり、MFDouter12の場合とは、番号8、10、12、14、16、18のコアのモードフィールド径が12μmの場合である。また、MFDinner8の場合の曲線L3とMFDouter16の場合の曲線L4とは一致する。MFDinner8の場合とは、番号2~7のコアのモードフィールド径が8μmの場合であり、MFDouter16の場合とは、番号8、10、12、14、16、18のコアのモードフィールド径が16μmの場合である。このことは、中心軸O1から所定の距離に中心軸がある番号8、10、12、14、16、18のコアのモードフィールド径が、中心軸O1から当該所定の距離の1/2の距離に中心軸がある番号2~7のコアのモードフィールド径の2倍であれば、両者の接続損失を一致させることができることを示している。
【0039】
ここで、接続損失をLoss[dB]、クラッド部の中心軸からのコアの中心軸の距離をR[μm]コアのモードフィールド径をMFD[μm]とすると、波長1550nmにおいて以下の2つの式が成り立つ(D. Marcuse,“Loss analysis of single-mode fiber splice,”Bell Syst.Tech. J. vol.56, pp. 703-718(1977)を参照)。
Loss=-10・log(exp(-d/(MFD/2)))
d=π・R・x/180
【0040】
上記2式から下記式が導出される。なお、eは自然対数の底である。
MFD=2√((10/Loss)・log(e))・(π・R・x/180)
したがって、以下の式(1)が成り立つMFDであれば、任意の値のLoss[dB]以下の接続損失を得ることができる。
MFD≧2√((10/Loss)・log(e))・(π・R・x/180)
・・・ (1)
【0041】
また、Rをコアピッチrで表すと、番号2~7のコアについてはR=rであり、番号8、10、12、14、16、18のコアについてはR=2・rである。したがって、番号2~7のコアのモードフィールド径をMFD1とし、番号8、10、12、14、16、18のコアのモードフィールド径をMFD2とすると、波長1550nmかつ少なくとも6μm≦MFD1<MFD2≦16μmの範囲において下記の式(2)、(3)が成り立てば、接続損失を1.5dB以下とできる。
MFD1≧2√((10/1.5)・log(e))・(π・r・x/180)
・・・ (2)
MFD2≧4√((10/1.5)・log(e))・(π・r・x/180)
・・・ (3)
【0042】
図5は、角度ずれとモードフィールド径(MFD)との関係の一例を示す図である。式(3)において、R=40μmとし、Loss=1.5dBとすると、図5の「Inner」の線となる。また、式(3)において、R=80μmとし、Loss=1.5dBとすると、図5の「Outer」の線となる。また、図5において、線L5はモードフィールド径が6μmのラインを示しており、線L6は角度ずれが1.27度のラインを示している。したがって、少なくともMFDが6μm以上16μm以下の範囲にて、番号8、10、12、14、16、18のコアについては、モードフィールド径が「Outer」の線以上の領域であれば、接続損失を1.5dB以下にできる。また、少なくともMFDが6μm以上16μm以下の範囲にて、番号2~7のコアについては、モードフィールド径が「Inner」の線以上の領域であれば、接続損失を1.5dB以下にできる。また、番号8、10、12、14、16、18のコアについては、モードフィールド径が6μm場合は、接続損失を1.5dB以下にするには、角度ずれを1.27度以下にする必要がある。
【0043】
図6は、角度ずれとモードフィールド径(MFD)との関係の一例を示す図である。具体的には、図6は、番号2~7のコアのモードフィールド径が6μm~16μmの値の場合に、これらのコアの接続損失と、番号8、10、12、14、16、18のコアの接続損失との差が0.5dBとなるような番号8、10、12、14、16、18のモードフィールド径の下限を示している。たとえば、凡例における「MFDinner=6」は、番号2~7のコアのモードフィールド径が6μm場合に、これらのコアの接続損失と、番号8、10、12、14、16、18のコアの接続損失との差(接続損失差)が0.5dBとなるような番号8、10、12、14、16、18のモードフィールド径(MFDouter)の下限の線を示している。したがって、MFDouterが図6における各MFDinnerの値に応じた線以上の領域にあれば、前記接続損失差を0.5dB以下にすることができる。
【0044】
ただし、図4からも分かるように、第2コアのモードフィールド径を第1コアのモードフィールド径に対して大きくし過ぎると、かえって接続損失差が増加してしまう場合がある。たとえば、第2コアのモードフィールド径は、第1コアのモードフィールド径の1.8倍以上2.2倍以下が好ましい。
【0045】
なお、本実施形態において、接続領域1002の長さは特に限定されないが、長すぎると、接続領域1002においてモードフィールド径が大きい影響で、コア間クロストークや曲げ損失の増大のおそれがある。したがって、接続領域1002の長さはたとえば1mm~5mm程度が適切である。また、特に、領域A11や領域A12のように、より内側に存在するコア110については、その周囲に隣接しているコアの数がより多いで、モードフィールド径が大きいとコア間クロストークのトータルの値が大きくなりやすい。したがって、より内側に存在するコア110についてはモードフィールド径をそれほど大きく設定せずに、より外側に存在するコア110のモードフィールド径を大きく設定することが好ましい。
【0046】
(光ファイバ接続構造の製造方法)
本実施形態に係る光ファイバ接続構造1000は、たとえば図7に示すように、公知の融着接続装置を用いて実行できる。すなわち、光ファイバ100Aの端面101Aと光ファイバ100Bの端面101Bとを対向させ、当該対向させた端面101A、101B付近に、一対の電極E1、E2から放電Dを行う工程を実行し、融着接続を行う。ここで、放電Dによって端面101A、101B付近に熱エネルギーを与えることによって、光ファイバ100Aおよび光ファイバ100Bの各コアに含まれる屈折率を上昇させる添加物がコアの径方向において拡散し、これに伴ってモードフィールド径が広がる。放電を行う工程において、接続領域1002となる領域において、クラッドの中心軸からの距離がより遠い第2コアに含まれる添加物の拡散範囲を、クラッドの中心軸からの距離がより近い第1コアに含まれる添加物の拡散範囲よりも広げることで、第2コアのモードフィールド径が第1コアのモードフィールド径よりも大きくなるようにモードフィールド径の拡大を行うことができる。
【0047】
また、放電を行う工程において、間欠放電を行ってもよい。間欠放電を行うことによって、1回の短い放電では光ファイバ100Aと光ファイバ100Bとの融着接続はされないが、光ファイバ100A、100Bの外周面付近が高温になる状態が形成される。この状態では、1回の放電が終了すると光ファイバ100A、100Bは急激に温度が低下するので、光ファイバ100A、100Bの中心軸側には熱が伝わりにくい。このような放電を間欠的に繰り返すことによって、光ファイバ100A、100Bの中心軸側よりも外周側を効果的に加熱することができる。その結果、第2コアのモードフィールド径が第1コアのモードフィールド径よりも大きくなるようにモードフィールド径の拡大を行うことができる。
【0048】
間欠放電の設定としては、たとえば放電がオンの場合に放電電流を15mA~30mAとし、放電のオン時間を10ms~30msとし、オフ時間を40mA~100mAとするが、設定はこれらの数値には限定されてない。
【0049】
また、放電を行う工程において、図8に示すようにしてもよい。図8は、実施形態1に係る光ファイバ接続構造1000の製造方法の他の一例を説明する図であって、光ファイバ100Aの端面を光ファイバ100Bの端面側から見た図である。図8における方向D1は光ファイバ100A、100Bの長手方向である。方向D2は方向D1と直交方向であり、一対の電極E1、E2の配列方向である。方向D3は方向D1、D2と直交する方向である。
【0050】
図8では、両矢印で示すように、放電を行う一対の電極E1、E2を、光ファイバ100A、100Bの長手方向と直交する方向(方向D3)に往復移動させる。これにより、光ファイバ100A、100Bの中心軸(図8では中心軸O1)付近に与える熱エネルギーQ1を、中心軸O1から方向D3に離れた位置に与える熱エネルギーQ2よりも小さくする。ここで方向D3は、往復移動の方向の一例である。その結果、第2コアのモードフィールド径が第1コアのモードフィールド径よりも大きくなるようにモードフィールド径の拡大を行うことができる。なお、Q1をQ2よりも小さくすることは、たとえば、電極E1、E2からの放電Dの中心(線L7で示す)が中心軸O1の付近を通過するときに、移動速度を早くしたり放電電流を小さくしたりすることで、より効果的に実現できる。なお、放電電流を小さくすることには、放電電流をゼロにすることも含まれる。
【0051】
また、放電を行う工程において、図9に示すようにしてもよい。図9は、実施形態1に係る光ファイバ接続構造1000の製造方法の他の一例を説明する図である。図9では、放電を行う3本で一組の電極E3、E4、E5を、光ファイバ100A、100Bの対向させた端面101A、101Bを囲むように配置して、放電を行う。これにより放電Dが端面101A、101Bを囲むように形成されるので、第2コアのモードフィールド径が第1コアのモードフィールド径よりも大きくなるようにモードフィールド径の拡大を行うことができる。
【0052】
なお、図9に示すような3本で一組の電極E3、E4、E5でオン、オフを繰り返す間欠放電を行ってもよい。これにより、2本で一対の電極による放電(2極放電とも呼ばれる)の場合と同様に、光ファイバ100A、100Bの中心軸側よりも外周側を効果的に加熱することができる。さらに、3本で一組の電極E3、E4、E5による放電期間において放電電流を一定に維持するのではなく、電流の変化に周期性(例えばサイン周期)をもたせ、時間的に放電強度を変化させて放電に強弱をつけてもよい。これにより、単に放電のオン、オフを繰り返すよりも光ファイバの径方向での温度変化をなだらかにすることができ、内側のコアと外側のコアとのモードフィールド径の変化量をより細かく制御することができる。
【0053】
また、図9では3本で一組の電極E3、E4、E5を用いているが、一組の電極は4本以上の電極で構成されていてもよい。
【0054】
(その他の実施形態)
実施形態1に係る光ファイバ接続構造1000は、接続される光ファイバ100Aが19コア型のマルチコアファイバであるが、その他の実施形態に係る光ファイバ接続構造では、他の構造のマルチコアファイバが接続されてもよい。
【0055】
図10は、実施形態2に係る光ファイバ接続構造において接続される光ファイバ200Aの長手方向に垂直な断面における模式的な断面図である。光ファイバ200Aは、石英系ガラスからなるマルチコアファイバであって、7個のコア210と、コア210の外周を取り囲む共通のクラッド220とを備えている。7個のコア210は複数のコアの一例である。コア210には、クラッド220に対して屈折率を上昇させるための、ゲルマニウムなどの添加物が添加されている。コア210は、光ファイバ200Aの長手方向に垂直な断面において三角格子状に配列されている。光ファイバ200Aは、7コア型のマルチコアファイバとも呼ばれる。
【0056】
クラッド220は、光ファイバ200Aの長手方向に垂直な任意の断面において規定された領域A21、A22を有している。領域A21は、クラッド220の中心軸でもある光ファイバ200Aの中心軸O2に最も近くかつ中心軸O2を含んでいる円状の領域である。領域A22は、領域A21よりも中心軸O2からの距離が遠くかつ領域A21の外周を取り囲む環状の領域である。
【0057】
コア210は、コア211、212を含む。具体的には、領域A21には、中心軸が光ファイバ200Aの中心軸O2と略一致する1個のコア211が存在する。領域A22には、中心軸O2の周りに正六角形状に配列された6個のコア212が存在する。
【0058】
実施形態2に係る光ファイバ接続構造は、図10に示す光ファイバ200Aと、光ファイバ200Aと同一の構成を有する光ファイバとが、端面同士で融着接続されたものである。光ファイバ200Aとこれに融着接続される光ファイバとは同一の構成を有するので、両者でコア210の配列は一致している。
【0059】
実施形態2に係る光ファイバ接続構造でも、融着接続される端面の近傍の接続領域において、領域A22に存在するコア212のモードフィールド径が、領域A21に存在するコア211のモードフィールド径よりも大きい。この場合、領域A21は第1領域の一例であり、領域A22は第2領域の一例であり、コア211は第1コアの一例であり、コア212は第2コアの一例である。
【0060】
ただし、実施形態2に係る光ファイバ接続構造において接続領域よりも接続部から離れた領域においては、コア210のモードフィールド径はいずれも略等しい。
【0061】
実施形態2に係る光ファイバ接続構造においても、実施形態1と同様に、中心軸からの径方向における距離が異なるコアであっても接続損失の相違を抑制できる。
【0062】
図11は、実施形態3に係る光ファイバ接続構造において接続される光ファイバ300Aの長手方向に垂直な断面における模式的な断面図である。光ファイバ300Aは、石英系ガラスからなるマルチコアファイバであって、2個のコア310と、コア310の外周を取り囲む共通のクラッド320とを備えている。2個のコア310は複数のコアの一例である。コア310には、クラッド320に対して屈折率を上昇させるための、ゲルマニウムなどの添加物が添加されている。光ファイバ300Aは、2コア型のマルチコアファイバとも呼ばれる。
【0063】
クラッド320は、光ファイバ300Aの長手方向に垂直な任意の断面において規定された領域A31、A32を有している。領域A31は、クラッド320の中心軸でもある光ファイバ300Aの中心軸O3に最も近くかつ中心軸O3を含んでいる円状の領域である。領域A32は、領域A31よりも中心軸O3からの距離が遠い円状の領域である。
【0064】
コア310は、コア311、312を含む。具体的には、領域A31にはコア311が存在し、領域A32にはコア212が存在する。
【0065】
実施形態3に係る光ファイバ接続構造は、図11に示す光ファイバ300Aと、光ファイバ300Aと同一の構成を有する光ファイバとが、端面同士で融着接続されたものである。光ファイバ300Aとこれに融着接続される光ファイバとは同一の構成を有するので、両者でコア310の配列は一致している。
【0066】
実施形態3に係る光ファイバ接続構造でも、融着接続される端面の近傍の接続領域において、領域A32に存在するコア312のモードフィールド径が、領域A31に存在するコア311のモードフィールド径よりも大きい。この場合、領域A31は第1領域の一例であり、領域A32は第2領域の一例であり、コア311は第1コアの一例であり、コア312は第2コアの一例である。
【0067】
ただし、実施形態3に係る光ファイバ接続構造において接続領域よりも接続部から離れた領域においては、コア310のモードフィールド径はいずれも略等しい。
【0068】
実施形態3に係る光ファイバ接続構造においても、実施形態1、2と同様に、中心軸からの径方向における距離が異なるコアであっても接続損失の相違を抑制できる。
【0069】
なお、上記実施形態では、同一の構成を有し、コアの配列が一致している光ファイバ同士が接続されているが、コアの配列が部分的に一致している光ファイバ同士が接続されてもよい。たとえば、図1に示すような光ファイバ100Aと、光ファイバ100Aからコア111を削除した構成の光ファイバとを接続する場合も、本発明を適用できる。
【0070】
また、上記実施形態では、第1光ファイバおよび第2光ファイバの両方がマルチコアファイバであるが、第1光ファイバおよび第2光ファイバの少なくとも一方がバンドル型光ファイバでもよい。すなわち、第1光ファイバおよび第2光ファイバの一方がマルチコアファイバであり他の一方がバンドル型光ファイバでもよいし、第1光ファイバおよび第2光ファイバの両方がバンドル型光ファイバでもよい。
【0071】
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
100A、100B、200A、300A:光ファイバ
101A、101B:端面
110、111、112、113、210、211、212、310、311,312:コア
120、220、320:クラッド
1000 :光ファイバ接続構造
1001 :接続部
1002 :接続領域
A11、A12、A13、A21、A22、A31、A32:領域
D :放電
D1、D2、D3:方向
E1、E2、E3、E4、E5:電極
O1、O2、O3:中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11