(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133133
(43)【公開日】2024-10-01
(54)【発明の名称】基板処理システム及び収納モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024110387
(22)【出願日】2024-07-09
(62)【分割の表示】P 2020106519の分割
【原出願日】2020-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】網倉 紀彦
(72)【発明者】
【氏名】北 正知
(57)【要約】
【課題】フットプリントを低減することができる収納モジュール、基板処理システムおよび消耗部材の搬送方法を提供する。
【解決手段】収納モジュールは、載置台と、センサと、回転部と、収納部と、昇降部とを有する。載置台は、消耗部材を載置する。センサは、消耗部材の向きを検出する。回転部は、センサによって検出された消耗部材の向きに基づいて、消耗部材を所定の向きに回転させる。収納部は、載置台の下部に位置し、消耗部材を収納する。昇降部は、収納部を昇降させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗部材を載置する載置台と、
前記消耗部材の向きを検出するセンサと、
前記センサによって検出された前記消耗部材の向きに基づいて、前記消耗部材を所定の向きに回転させる回転部と、
前記載置台の下部に位置し、前記消耗部材を収納する収納部と、
前記収納部を昇降させる昇降部と、
を有する収納モジュール。
【請求項2】
前記回転部は、前記載置台の直下に位置し、前記載置台を回転させる、
請求項1に記載の収納モジュール。
【請求項3】
前記昇降部は、前記載置台と、前記回転部と、前記収納部とを昇降させる、
請求項2に記載の収納モジュール。
【請求項4】
前記回転部は、前記載置台と、前記収納部と、前記昇降部とが固定された台座を回転させる、
請求項1に記載の収納モジュール。
【請求項5】
前記消耗部材は、エッジリング、カバーリングおよび上部電極のうち、1つまたは複数である、
請求項1~4のいずれか1つに記載の収納モジュール。
【請求項6】
前記センサは、ラインセンサである、
請求項1~5のいずれか1つに記載の収納モジュール。
【請求項7】
前記センサは、画像センサである、
請求項1~5のいずれか1つに記載の収納モジュール。
【請求項8】
前記昇降部は、ボールねじである、
請求項1~7のいずれか1つに記載の収納モジュール。
【請求項9】
基板処理システムであって、
基板を処理するための1つまたは複数のプロセスモジュールと、
前記基板を収納可能なカセットが配置されるポートが設けられ、前記ポートに配置された前記カセット内の前記基板を搬送する大気搬送ロボットを有するローダモジュールと、
前記ローダモジュールに接続され、大気と真空との切り替えを行うロードロックモジュールと、
前記ロードロックモジュールに接続され、前記基板を前記プロセスモジュールに搬送する真空搬送ロボットを有するトランスファモジュールと、
前記トランスファモジュールに接続される収納モジュールと、を有し、
前記収納モジュールは、
消耗部材を載置する載置台と、
前記消耗部材の向きを検出するセンサと、
前記センサによって検出された前記消耗部材の向きに基づいて、前記消耗部材を所定の向きに回転させる回転部と、
前記載置台の下部に位置し、前記消耗部材を収納する収納部と、
前記収納部を昇降させる昇降部と、
を有する基板処理システム。
【請求項10】
収納モジュールにおける消耗部材の搬送方法であって、
前記収納モジュールの扉およびゲートバルブを閉じた状態で、前記消耗部材が収納された収納部を前記ゲートバルブに対向する位置まで移動する工程と、
前記収納モジュール内を真空引きするとともにパージガスにより調圧する工程と、
前記ゲートバルブを開放し、真空搬送ロボットが前記収納部から前記消耗部材を取得する工程と、
前記収納部の上部に位置する載置台を、前記ゲートバルブに対向する位置まで移動する工程と、
前記真空搬送ロボットが取得した前記消耗部材を、前記載置台に載置する工程と、
前記載置台をアライメント位置まで移動し、前記消耗部材を回転させてアライメントを行う工程と、
前記載置台を前記ゲートバルブに対向する位置まで移動する工程と、
前記真空搬送ロボットが前記載置台から前記消耗部材を取得する工程と、
を有する消耗部材の搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、収納モジュール、基板処理システムおよび消耗部材の搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理システムの基板に処理を行うプロセスモジュールでは、処理に応じてチャンバ内のエッジリングやカバーリング等の消耗部材が消耗するため、定期的に交換することが求められる。従来、消耗部材の交換は、プロセスモジュールのチャンバを開放して作業者による交換作業が行われているが、消耗部材を搬送ロボットに搬送させることが考えられる。この場合、消耗部材のアライメント(位置合わせ)を行うため、消耗部材を収納する収納部と、アライメントを行うアライメント部とが必要となる。
【0003】
収納部とアライメント部とを有する装置としては、ウエハを対象とした装置が提案されている。例えば、ウエハ収納装置からウエハを取り出して隣接する載置位置へ移載し、ウエハのオリフラ(オリエンタルフラット)を一定方向に合わせるように、載置されたウエハを回転させるウエハ位置合わせ装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、フットプリントを低減することができる収納モジュール、基板処理システムおよび消耗部材の搬送方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による収納モジュールは、載置台と、センサと、回転部と、収納部と、昇降部とを有する。載置台は、消耗部材を載置する。センサは、消耗部材の向きを検出する。回転部は、センサによって検出された消耗部材の向きに基づいて、消耗部材を所定の向きに回転させる。収納部は、載置台の下部に位置し、消耗部材を収納する。昇降部は、収納部を昇降させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、フットプリントを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施形態における基板処理システムの一例を示す横断平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態における収納モジュールの一例を示す正面断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態における収納モジュールの一例を示す側面断面図である。
【
図4】
図4は、収納モジュールからカセットを取り出す場合の一例を示す側面断面図である。
【
図5】
図5は、ステージにおけるエッジリングとフォークの関係の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、ステージにエッジリングを載置した状態の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態における搬送処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、フォークがカセットからエッジリングを取得する状態の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、フォークがステージにエッジリングを載置する状態の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態における収納モジュールの一例を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、開示する収納モジュール、基板処理システムおよび消耗部材の搬送方法の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により開示技術が限定されるものではない。
【0010】
消耗部材を搬送ロボットに搬送させるためには、消耗部材の収納およびアライメントを行う収納モジュールを基板処理システムに追加する。ところが、収納部とアライメント部とを隣接して設置する収納モジュールでは、それぞれの部分について設置場所を要するため、フットプリントが大きくなる。これに対し、基板処理システムが設置される工場では、スペース効率向上のため、フットプリントの低減が求められている。そこで、収納モジュールについてもフットプリントを低減することが期待されている。
【0011】
(第1実施形態)
[基板処理システム1の構成]
図1は、本開示の第1実施形態における基板処理システムの一例を示す横断平面図である。
図1に示す基板処理システム1は、枚葉でウエハ(例えば、半導体ウエハ。)にプラズマ処理等の各種処理を施すことが可能な基板処理システムである。
【0012】
基板処理システム1は、処理システム本体10と、処理システム本体10を制御する制御装置100とを備える。処理システム本体10は、例えば
図1に示すように、真空搬送室11a,11bと、複数のプロセスモジュール13と、複数のロードロックモジュール15と、EFEM(Equipment Front End Module)18と、アッシャーモジュール20と、収納モジュール22とを備える。なお、以下の説明では、真空搬送室11a,11bをVTM(Vacuum Transfer Module)11a,11b、プロセスモジュール13をPM(Process Module)13、ロードロックモジュール15をLLM(Load Lock Module)15とも表現する。
【0013】
VTM11a,11bは、それぞれ平面視において略四角形状を有する。VTM11a,11bは、対向する2つの側面にそれぞれ複数のPM13が接続されている。また、VTM11aの他の対向する2つの側面のうち、一方の側面にはLLM15が接続され、他方の側面にはVTM11bと接続するための図示しないパスが接続されている。なお、VTM11aのLLM15が接続される側面は、2つのLLM15に応じて角度が付けられている。VTM11bは、図示しないパスを介してVTM11aと接続されている。VTM11a,11bは、真空室を有し、内部にロボットアーム12a,12bが配置されている。
【0014】
ロボットアーム12a,12bは、旋回、伸縮、昇降自在に構成されている。ロボットアーム12a,12bは、先端に配置されたフォーク120にウエハを載置することで、PM13およびLLM15の間でウエハを搬送することができる。また、ロボットアーム12a,12bは、フォーク120にエッジリング等の消耗部材を載置することで、PM13および収納モジュール22の間で消耗部材を搬送することができる。ロボットアーム12a,12bは、真空搬送ロボットの一例である。なお、ロボットアーム12a,12bは、PM13およびLLM15の間でウエハを搬送することが可能であり、PM13および収納モジュール22の間で消耗部材を搬送することが可能であればよく、
図1に示される構成に限定されるものではない。
【0015】
PM13は、処理室を有し、内部に配置された円柱状のステージ(載置台)を有する。PM13は、ステージにウエハが載置された後、内部を減圧して処理ガスを導入し、さらに内部に高周波電力を印加してプラズマを生成し、プラズマによってウエハにプラズマ処理を施す。VTM11a,11bとPM13とは、開閉自在なゲートバルブ14で仕切られている。PM13内のステージには、ウエハの周囲に配置されプラズマ処理の均一性を向上させるためのエッジリング、および、プラズマからステージ端部を保護するためのカバーリングが設けられる。また、ステージと対向する処理室内の上部には、高周波電力を印加するための上部電極が設けられる。
【0016】
LLM15は、VTM11aとEFEM18との間に配置されている。LLM15は、内部を真空、大気圧に切り換え可能な内圧可変室を有し、内部に配置された円柱状のステージを有する。LLM15は、ウエハをEFEM18からVTM11aへ搬入する際、内部を大気圧に維持してEFEM18からウエハを受け取った後、内部を減圧してVTM11aへウエハを搬入する。また、ウエハをVTM11aからEFEM18へ搬出する際、内部を真空に維持してVTM11aからウエハを受け取った後、内部を大気圧まで昇圧してEFEM18へウエハを搬入する。LLM15とVTM11aとは、開閉自在なゲートバルブ16で仕切られている。また、LLM15とEFEM18とは、開閉自在なゲートバルブ17で仕切られている。
【0017】
EFEM18は、VTM11aに対向して配置されている。EFEM18は、直方体状であり、FFU(Fan Filter Unit)を備え、大気圧雰囲気に保持された大気搬送室である。EFEM18の長手方向に沿った一の側面には、2つのLLM15が接続されている。EFEM18の長手方向に沿った他の側面には、5つのロードポート(LP:Load Port)19が接続されている。LP19には、複数のウエハを収容する容器であるFOUP(Front-Opening Unified Pod)(図示せず)が載置される。EFEM18内には、ウエハを搬送する大気搬送ロボット(ロボットアーム)が配置されている。EFEM18は、ローダモジュールの一例である。
【0018】
アッシャーモジュール20は、VTM11bに接続されている。アッシャーモジュール20は、内部に円柱状のステージを有する。アッシャーモジュール20は、ステージ上に載置されたウエハのレジストを剥離する。VTM11bとアッシャーモジュール20とは、開閉自在なゲートバルブ21で仕切られている。
【0019】
収納モジュール22は、VTM11bに接続されている。収納モジュール22は、内部にエッジリング、カバーリングおよび上部電極といった消耗部材を収納する収納部と、消耗部材のアライメント(位置合わせ)を行うステージ(載置台)および回転部とを有する。収納モジュール22は、ロボットアーム12bのフォーク120によって、消耗部材を収納部からステージへと移動可能である。アライメントが行われた消耗部材は、ロボットアーム12bによって、PM13に搬送される。VTM11bと収納モジュール22とは、開閉自在なゲートバルブ23で仕切られている。
【0020】
基板処理システム1は、制御装置100を有する。制御装置100は、例えばコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置等を備える。CPUは、ROMまたは補助記憶装置に格納されたプログラムに基づいて動作し、基板処理システム1の各構成要素の動作を制御する。
【0021】
[収納モジュール22の詳細]
図2は、第1実施形態における収納モジュールの一例を示す正面断面図である。
図2は、収納モジュール22をVTM11b側から見た断面図である。
図2に示すように、収納モジュール22は、フレーム24の上にチャンバ30が設置され、チャンバ30の上部に機械室40を有する。チャンバ30は、内部を真空、大気圧に切り換え可能である。また、チャンバ30には、パージガスとして例えばN2ガスが供給され、調圧可能となっている。機械室40は、大気圧雰囲気である。
【0022】
チャンバ30内には、ステージ31と、ステージ31の下部に設けられたカゴ34とを有するストレージ39が設置されている。ストレージ39は、ボールねじ36により昇降可能となっている。機械室40内には、消耗部材の向きを検出するラインセンサ32と、ボールねじ36を駆動するモータ38とが設置されている。チャンバ30と機械室40の間には、ラインセンサ32が後述する発光部33の光を受光できるように、石英等で構成される窓41が設けられている。
【0023】
ステージ31は、消耗部材を載置する。また、ステージ31は、ラインセンサ32に対向する発光部33を有する。ステージ31は、載置面の直下に内蔵する回転部によりθ方向に回転可能であり、載置した消耗部材、例えばエッジリング50を所定の向きに回転させる。すなわち、ステージ31は、エッジリング50のアライメント(位置合わせ)を行う。アライメントでは、エッジリング50のオリエンタルフラット(OF)を所定の向きに合わせる。また、アライメントでは、エッジリング50の中心位置を合わせるようにしてもよい。なお、ステージ31は、載置台および回転部の一例である。また、以下の説明では、消耗部材の一例としてエッジリング50を用いて説明する。
【0024】
ラインセンサ32は、後述する発光部33から照射された光の光量を検出し、検出された光量を制御装置100へ出力する。制御装置100は、検出された光量がエッジリング50のオリエンタルフラットの有無によって変化することを利用して、エッジリング50のオリエンタルフラットを検出する。制御装置100は、検出したオリエンタルフラットに基づいて、エッジリング50の向きを検出する。ラインセンサ32は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のラインセンサである。
【0025】
カゴ34は、ステージ31の下部に設けられ、内部にカセット35が載置される。カセット35は、カゴ34から取り出し可能であり、内部にエッジリング50を収納する。カセット35は、収納モジュール22の正面側および背面側が開放されている。カゴ34およびカセット35は、収納部の一例である。
【0026】
ストレージ39は、ステージ31およびカゴ34に加えて、ボールねじ36に支持されるガイド37を側面に有する。ボールねじ36は、チャンバ30の上面と下面とを繋ぎ、チャンバ30の上面を貫通して機械室40内のモータ38に接続されている。チャンバ30の上面の貫通部は、ボールねじ36が回転可能なようにシールされている。ボールねじ36は、モータ38により回転することで、ストレージ39を上下方向(Z軸方向)に移動可能である。なお、ボールねじ36およびモータ38は、昇降部の一例である。
【0027】
図3は、第1実施形態における収納モジュールの一例を示す側面断面図である。
図3は、図中左側がVTM11b側となるように収納モジュール22を見た断面図である。
図3に示すように、収納モジュール22は、VTM11bとゲートバルブ23を介して接続される。チャンバ30には、ゲートバルブ23を介してVTM11bのロボットアーム12bのフォーク120が挿入可能となっている。フォーク120は、カセット35内に載置されたエッジリング50の搬出入と、ステージ31へのエッジリング50の載置および取得とを行うことができる。扉42は、チャンバ30内のカセット35の取り出し、または、設置時に開閉を行う扉である。
【0028】
発光部43および枚数検知センサ44は、ストレージ39がチャンバ30の底面側からカセット35をゲートバルブ23に対向する位置等の上部まで移動する場合に、カセット35に載置されているエッジリング50の枚数を検知する。発光部43は、例えば、LED(Light Emitting Diode)または半導体レーザ等である。枚数検知センサ44は、発光部43から照射された光の光量を検出し、検出された光量を制御装置100へ出力する。制御装置100は、検出された光量に基づいて、発光部43から照射された光がエッジリング50により遮られた回数を計測することで、エッジリング50の枚数を検知する。枚数検知センサ44は、例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタ等である。また、枚数検知センサ44は、例えば、CCDまたはCMOS等のラインセンサを用いてもよい。
【0029】
図4は、収納モジュールからカセットを取り出す場合の一例を示す側面断面図である。
図4に示すように、カセット35に載置されたエッジリング50を交換する場合、ゲートバルブ23を閉じた状態で、ストレージ39をチャンバ30の底面側に移動させる。次に、扉42を開放して開口45からカセット35が取り出される。続いて、交換用のエッジリング50が載置された新たなカセット35が、開口45を介してカゴ34に載置され、扉42が閉じられる。
【0030】
次に、
図5および
図6を用いてステージ31について説明する。
図5は、ステージにおけるエッジリングとフォークの関係の一例を示す図である。
図6は、ステージにエッジリングを載置した状態の一例を示す図である。ステージ31は、発光部33と、台座60と、回転部61と、支持パッド62と、リフトピン63とを有する。
【0031】
発光部33は、ラインセンサ32と対向するように設置される。発光部33は、例えば、LEDまたは半導体レーザ等である。例えば、
図5に示す位置にエッジリング50のオリエンタルフラット(OF)がある場合、発光部33から照射された光の光量が変化するので、オリエンタルフラットを検出することができる。回転部61は、台座60上に設けられている。支持パッド62は、回転部61に例えば3本設けられた腕の先端部分に複数設けられ、回転時にエッジリング50を支持する。回転部61は、台座60内に設けられた図示しない駆動機構によって回転する。支持パッド62は、回転部61が回転することにより回転する。リフトピン63は、例えば4本設けられ、台座60内に設けられた図示しない駆動機構によって上昇および下降する。つまり、回転部61は、エッジリング50が載置される支持パッド62の直下に位置し、載置台である支持パッド62を回転させる。回転部61、支持パッド62およびリフトピン63は、エッジリング50が載置されたフォーク120がステージ31上に挿入された場合に、フォーク120と干渉しない位置に設けられている。
【0032】
[搬送方法]
次に、第1実施形態に係る搬送方法について説明する。
図7は、第1実施形態における搬送処理の一例を示すフローチャートである。
図7では、カセット35の設置からロボットアーム12bがアライメントされたエッジリング50を取得するまでを説明する。
【0033】
まず、初期状態として、収納モジュール22は、ゲートバルブ23および扉42が閉じられており、チャンバ30内はN2ガスにより調圧されている。制御装置100は、カセット35の交換準備を実行する(ステップS1)。具体的には、制御装置100は、ストレージ39を最下部の位置まで移動させる。制御装置100は、チャンバ30へのN2ガスの供給を停止し、真空引きを行った後に大気を導入する。制御装置100は、駆動系の電源をオフにして扉42のロックを解除する。
【0034】
作業者により扉42が開放され、カセット35の交換が行われる。制御装置100は、扉42が閉じられ、作業者により所定の操作が行われると、カセット35の交換作業の完了を受け付ける(ステップS2)。
【0035】
制御装置100は、カセット35の交換が完了すると、扉42をロックし、ストレージ39を上部の第1の位置に移動させる(ステップS3)。制御装置100は、第1の位置として、例えば、ストレージ39内のカセット35がゲートバルブ23に対向する位置まで移動させる。制御装置100は、ストレージ39の移動の際に、ストレージ39内におけるカセット35の有無の検出と、枚数検知センサ44によるエッジリング50の枚数の検出を行う。なお、カセット35の有無の検出は、枚数検知センサ44を用いてもよいし、カゴ34内に検出用のマイクロスイッチ等を設けるようにしてもよい。また、カゴ34に、カセット35からエッジリング50が飛び出しているか否かを検出するセンサを設けるようにしてもよい。
【0036】
制御装置100は、ストレージ39が上部の第1の位置まで移動すると、チャンバ30内を真空引きし、N2ガスを導入して調圧を実行する(ステップS4)。
【0037】
制御装置100は、ゲートバルブ23を開放し、ロボットアーム12bのフォーク120をチャンバ30内に挿入する。ロボットアーム12bは、カセット35からフォーク120でエッジリング50を取得し、一旦VTM11bへ退避する(ステップS5)。なお、制御装置100は、エッジリング50がVTM11bへ退避した後に、ゲートバルブ23を閉めるようにしてもよい。
【0038】
図8は、フォークがカセットからエッジリングを取得する状態の一例を示す図である。
図8は、ステップS5において、フォーク120でエッジリング50を取得している状態を示している。
図8の例では、ストレージ39は、カゴ34内に二段重ねとなっているカセット35のうち、下段側のカセット35からエッジリング50を取得可能な第1の位置に停止している。また、フォーク120およびエッジリング50は、VTM11bへ退避するためにゲートバルブ23を通過中の状態である。なお、第1の位置は、カセット35内のエッジリング50の位置に応じて、上下方向に可変である。
【0039】
図7の説明に戻る。制御装置100は、フォーク120およびエッジリング50のVTM11bへの退避が完了すると、ストレージ39を下部の第2の位置に移動させる(ステップS6)。制御装置100は、第2の位置として、例えば、ステージ31の載置面がゲートバルブ23に対向する位置まで移動させる。制御装置100は、ゲートバルブ23を閉めていた場合、第2の位置に移動後にゲートバルブ23を開放する。
【0040】
制御装置100は、ストレージ39が第2の位置に移動すると、VTM11bに退避していたフォーク120およびエッジリング50をチャンバ30に挿入する。ロボットアーム12bは、フォーク120上のエッジリング50をステージ31に載置する(ステップS7)。
【0041】
図9は、フォークがステージにエッジリングを載置する状態の一例を示す図である。
図9は、ステップS7において、フォーク120上のエッジリング50をステージ31に載置している状態を示している。
図9の例では、フォーク120は、ステージ31にエッジリング50を載置してVTM11bへ退避中の状態である。
【0042】
図7の説明に戻る。制御装置100は、ロボットアーム12bのフォーク120をVTM11bへ退避させた後に、ストレージ39を上部の第3の位置に移動させる(ステップS8)。第3の位置は、アライメント位置の一例であり、例えば
図2に示す位置とすることができる。なお、制御装置100は、フォーク120がVTM11bへ退避した後に、ゲートバルブ23を閉めるようにしてもよい。
【0043】
制御装置100は、第3の位置において、ラインセンサ32で発光部33から照射された光の光量を計測しつつ、ステージ31を回転させることで、エッジリング50のアライメントを実行する(ステップS9)。つまり、制御装置100は、ラインセンサ32で検出されたエッジリング50の向きに基づいて、エッジリング50を所定の向きに回転させる。制御装置100は、エッジリング50のアライメントが完了すると、ストレージ39を下部の第2の位置に移動させる(ステップS10)。制御装置100は、ゲートバルブ23を閉めていた場合、第2の位置に移動後にゲートバルブ23を開放する。
【0044】
制御装置100は、ストレージ39が第2の位置に移動すると、VTM11bに退避していたフォーク120をチャンバ30に挿入する。ロボットアーム12bは、フォーク120を用いてステージ31からエッジリング50を取得する(ステップS10)。制御装置100は、ゲートバルブ23を閉めるとともに、ロボットアーム12bに取得したエッジリングを所定のPM13まで搬送させる。このように、フットプリントを低減した収納モジュール22において、エッジリング50等の消耗部材のアライメントと搬送とを行うことができる。
【0045】
(第2実施形態)
第1実施形態では、ステージ31内に回転部を設けてエッジリング50を回転させてアライメントを行ったが、載置台、収納部および昇降部を固定した台座を回転させてもよく、この場合の実施の形態につき、第2実施形態として説明する。なお、第1実施形態と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成および動作の説明については省略する。
【0046】
[収納モジュール22aの構成]
図10は、第2実施形態における収納モジュールの一例を示す正面断面図である。
図10に示す収納モジュール22aは、第1実施形態の収納モジュール22と比較して、チャンバ30および機械室40に代えて、チャンバ70および機械室90を有する。また、収納モジュール22aは、ステージ31、ラインセンサ32、ボールねじ36、モータ38ストレージ39に代えて、ステージ71、画像センサ72、ボールねじ76、モータ78およびストレージ79を有する。さらに、収納モジュール22aは、チャンバ70の底面にボールねじ76およびモータ78が設置された台座73を有する。また、ストレージ79は、ステージ71と、カゴ34とを有する。
【0047】
ステージ71は、載置台の一例であり、カゴ34に固定されている。ステージ71は、第1実施形態のステージ31と異なり、単体では回転しない。画像センサ72は、機械室90に設置され、石英等で構成された窓81を介してステージ71に載置されたエッジリング50を撮像し、撮像した画像を制御装置100へ出力する。制御装置100は、撮像された画像に基づいて、エッジリング50のオリエンタルフラットを検出する。画像センサ72は、例えば、CCDまたはCMOS等のセンサを用いたカメラである。
【0048】
台座73は、上部台座74と、ベース部75とを有する。上部台座74は、ベース部75上でθ方向に回転可能であり、ボールねじ76が接続されたモータ78が設置されている。ベース部75は、チャンバ70の底面に固定され、内蔵する図示しないモータによって上部台座74を回転させる。つまり、台座73は、回転部の一例である。ボールねじ76は、上部台座74からチャンバ70の上面まで延びており、上部はチャンバ70内で移動可能なように固定されていない。なお、ボールねじ76の上部は、チャンバ70の上面に設けた図示しないガイドレールに沿って移動可能な構成としてもよい。ボールねじ76は、モータ78により回転することで、ガイド37を介してストレージ79を上下方向(Z軸方向)に移動可能である。なお、ボールねじ76およびモータ78は、昇降部の一例である。
【0049】
収納モジュール22aでは、ステージ71に載置されたエッジリング50をアライメントする際に、上部台座74が回転することにより、ステージ71も回転してエッジリング50の位置を合わせる。これにより、第1実施形態と同様に、フットプリントを低減した収納モジュール22aにおいて、エッジリング50等の消耗部材のアライメントと搬送とを行うことができる。
【0050】
以上、上記の各実施形態によれば、収納モジュール22,22aは、載置台と、センサと、回転部と、収納部と、昇降部とを有する。載置台(ステージ31,71)は、消耗部材(エッジリング50)を載置する。センサ(ラインセンサ32,画像センサ72)は、消耗部材の向きを検出する。回転部(ステージ31,台座73)は、センサによって検出された消耗部材の向きに基づいて、消耗部材を所定の向きに回転させる。収納部(カゴ34,カセット35)は、載置台の下部に位置し、消耗部材を収納する。昇降部(ボールねじ36,76、モータ38,78)は、収納部を昇降させる。その結果、載置台および回転部と、収納部とを一体化できるので、収納モジュールのフットプリントを低減することができる。
【0051】
また、第1実施形態によれば、回転部は、載置台の直下に位置し、載置台を回転させる。その結果、エッジリング50等の消耗部材のアライメントを行うことができる。
【0052】
また、第1実施形態によれば、昇降部は、載置台と、回転部と、収納部とを昇降させる。その結果、収納部に収納されたエッジリングを載置台まで移動することができる。
【0053】
また、第2実施形態によれば、回転部は、載置台と、収納部と、昇降部とが固定された台座を回転させる。その結果、エッジリング50等の消耗部材のアライメントを行うことができる。
【0054】
また、上記の各実施形態によれば、消耗部材は、エッジリング、カバーリングおよび上部電極のうち、1つまたは複数である。その結果、交換対象の各消耗部材について収納、アライメントおよび搬送を行うことができる。
【0055】
また、第1実施形態によれば、センサは、ラインセンサである。その結果、エッジリング50等の消耗部材の向きを検出できる。
【0056】
また、第2実施形態によれば、センサは、画像センサである。その結果、エッジリング50等の消耗部材の向きを検出できる。
【0057】
また、上記の各実施形態によれば、昇降部は、ボールねじである。その結果、載置台および収納部の高さを精度よく制御することができる。
【0058】
また、第1実施形態によれば、制御装置100は、収納モジュール22における消耗部材(エッジリング50)の搬送方法であって、収納モジュール22の扉42およびゲートバルブ23を閉じた状態で、消耗部材が収納された収納部(カセット35)をゲートバルブ23に対向する位置まで移動する工程を実行する。制御装置100は、収納モジュール22(チャンバ30)内を真空引きするとともにパージガスにより調圧する工程を実行する。制御装置100は、ゲートバルブ23を開放し、真空搬送ロボット(ロボットアーム12b)が収納部から消耗部材を取得する工程を実行する。制御装置100は、収納部の上部に位置する載置台(ステージ31)を、ゲートバルブ23に対向する位置まで移動する工程を実行する。制御装置100は、真空搬送ロボットが取得した消耗部材を、載置台に載置する工程を実行する。制御装置100は、載置台をアライメント位置まで移動し、消耗部材を回転させてアライメントを行う工程を実行する。制御装置100は、載置台をゲートバルブに対向する位置まで移動する工程を実行する。制御装置100は、真空搬送ロボットが載置台から消耗部材を取得する工程を実行する。その結果、フットプリントを低減した収納モジュール22において、エッジリング50等の消耗部材のアライメントと搬送とを行うことができる。
【0059】
今回開示された各実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。上記の各実施形態は、添付の請求の範囲およびその主旨を逸脱することなく、様々な形体で省略、置換、変更されてもよい。
【0060】
また、上記した第2実施形態では、ストレージ79にステージ71を設けたが、これに限定されない。例えば、ストレージ79のカゴ34の上部にリフトピンを設け、カゴ34の上部にエッジリング50を載置して上部台座74ごと回転するようにしてもよい。また、カゴ34の上面およびカセット35の上面を透明部材とし、カセット35の最上部に収納されたエッジリング50の向きを上部台座74の回転によって回転させるようにしてもよい。
【0061】
また、上記した各実施形態では、ステージ31,71がカゴ34に固定されていたが、これに限定されない。例えば、ステージ31,71とカゴ34とを分割して、それぞれ上下に移動させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 基板処理システム
10 処理システム本体
11a,11b 真空搬送室(VTM)
12a,12b ロボットアーム
13 プロセスモジュール(PM)
15 ロードロックモジュール(LLM)
18 EFEM
20 アッシャーモジュール
22,22a 収納モジュール
23 ゲートバルブ
30,70 チャンバ
31,71 ステージ
32 ラインセンサ
33 発光部
34 カゴ
35 カセット
36,76 ボールねじ
37 ガイド
38,78 モータ
39,79 ストレージ
40,90 機械室
41,81 窓
42 扉
50 エッジリング
72 画像センサ
73 台座
74 上部台座
75 ベース部
100 制御装置
120 フォーク
【手続補正書】
【提出日】2024-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空搬送モジュールと、
前記真空搬送モジュールに接続される少なくとも1つの基板処理モジュールと、
前記真空搬送モジュールに接続される収納モジュールと、を有し、
前記収納モジュールは、
チャンバと、
前記チャンバ内に配置された支持体と、
前記支持体上で、前記少なくとも1つの基板処理モジュールにおいて使用される消耗部材の向きを検出するセンサと、
前記センサによって検出された前記消耗部材の向きに基づいて、前記支持体を回転させる駆動部と、
前記チャンバ内で前記支持体の下方に配置され、1つ又は複数の消耗部材を収納するよう構成される収納部と、
前記チャンバ内で前記収納部を昇降させる昇降部と、
を有する、基板処理システム。
【請求項2】
前記消耗部材は環状部材であり、
前記支持体は、回転基台と、前記回転基台から外側に延びる複数のリング支持部材とを含み、
前記複数のリング支持部材は、前記環状部材を支持するよう構成される、
請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記昇降部は、前記支持体とともに前記収納部を昇降させるよう構成される、
請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記支持体と、前記収納部と、前記昇降部とが固定された台座をさらに含み、
前記駆動部は、前記台座を回転させる、
請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記消耗部材は、エッジリング、カバーリングおよび上部電極のうち、1つまたは複数である、
請求項1~4のいずれか1つに記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記環状部材は、エッジリング又はカバーリングである、
請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記センサは、ラインセンサである、
請求項1~6のいずれか1つに記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記センサは、画像センサである、
請求項1~6のいずれか1つに記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記昇降部は、ボールねじである、
請求項1~8のいずれか1つに記載の基板処理システム。
【請求項10】
チャンバと、
前記チャンバ内に配置された支持体と、
前記支持体上で消耗部材の向きを検出するセンサと、
前記センサによって検出された前記消耗部材の向きに基づいて、前記支持体を回転させる駆動部と、
前記チャンバ内で前記支持体の下方に配置され、1つ又は複数の消耗部材を収納するよう構成される収納部と、
前記チャンバ内で前記収納部を昇降させる昇降部と、
を有する、収納モジュール。
【請求項11】
前記消耗部材は環状部材であり、
前記支持体は、回転基台と、前記回転基台から外側に延びる複数のリング支持部材とを含み、
前記複数のリング支持部材は、前記環状部材を支持するよう構成される、
請求項10に記載の収納モジュール。
【請求項12】
前記昇降部は、前記支持体とともに前記収納部を昇降させるよう構成される、
請求項10に記載の収納モジュール。
【請求項13】
前記支持体と、前記収納部と、前記昇降部とが固定された台座をさらに含み、
前記駆動部は、前記台座を回転させる、
請求項10に記載の収納モジュール。
【請求項14】
前記消耗部材は、エッジリング、カバーリングおよび上部電極のうち、1つまたは複数である、
請求項10~13のいずれか1つに記載の収納モジュール。
【請求項15】
前記環状部材は、エッジリング又はカバーリングである、
請求項11に記載の収納モジュール。
【請求項16】
前記センサは、ラインセンサである、
請求項10~15のいずれか1つに記載の収納モジュール。
【請求項17】
前記センサは、画像センサである、
請求項10~15のいずれか1つに記載の収納モジュール。
【請求項18】
前記昇降部は、ボールねじである、
請求項10~17のいずれか1つに記載の収納モジュール。