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特開2024-133529改善されたサーマルバジェットを有する半導体および改善されたサーマルバジェットを有する半導体を作製するプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133529
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】改善されたサーマルバジェットを有する半導体および改善されたサーマルバジェットを有する半導体を作製するプロセス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20240925BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20240925BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
H01L29/80 F
H01L29/80 H
H01L29/58 Z
H01L29/44 S
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024102718
(22)【出願日】2024-06-26
(62)【分割の表示】P 2022529333の分割
【原出願日】2020-11-17
(31)【優先権主張番号】16/688,344
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】リー キョン-クン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改善されたサーマルバジェットを有する半導体を提供する。
【解決手段】トランジスタ100は、基板層と、パッシベーション層116と、ソースと、ゲート114と、ドレインと、を含み、ゲートは、少なくとも1つのステップ部分200を含む。少なくとも1つのステップ部分は、パッシベーション層内に配置され、少なくとも1つのステップ部分は、少なくとも1つの第1の表面204および少なくとも1つの第2の表面206を含み、少なくとも1つの第1の表面は、少なくとも1つの第2の表面に接続され、ゲートは、第3の表面208を含み、少なくとも1つのステップ部分は、第3の表面に接続される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
基板と、
前記基板上のバッファ層と、
前記バッファ層上のバリア層と、
前記バリア層上のパッシベーション層と、
前記バリア層に電気的に結合されたソースと、
前記バリア層に電気的に結合されたゲートと、
前記バリア層に電気的に結合されたドレインと、
を備え、
前記ゲートが少なくとも1つの第1の表面を備え、前記少なくとも1つの第1の表面が少なくとも1つの変曲点を介して少なくとも1つの第2の表面に接続され、
前記少なくとも1つの変曲点が前記パッシベーション層内に配置される、
デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの変曲点を含む少なくとも1つのステップ部分をさらに備え、
前記少なくとも1つのステップ部分が前記少なくとも1つの第1の表面および前記少なくとも1つの第2の表面を含み、
前記少なくとも1つの第1の表面が前記少なくとも1つの変曲点によって前記少なくとも1つの第2の表面に接続される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の表面が前記パッシベーション層の上面に直交する線に対して傾斜している、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ゲートが第3の表面を含み、
前記少なくとも1つのステップ部分が前記第3の表面に接続される、
請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第3の表面が前記ゲートの底面へ延びる、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第3の表面が前記パッシベーション層の上面に直交する線に対して傾斜している、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つのステップ部分が複数の前記少なくとも1つのステップ部分を含み、
前記少なくとも1つの第1の表面が複数の前記少なくとも1つの第1の表面を含み、
前記少なくとも1つの第2の表面が複数の前記少なくとも1つの第2の表面を含む、
請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
前記パッシベーション層の上面に直交する線に沿った前記少なくとも1つの第1の表面の深さが前記パッシベーション層の深さの10%~80%である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項9】
前記パッシベーション層の上面に平行な線に沿った前記少なくとも1つの第2の表面の深さが前記ゲートの左下縁部から前記ソースの右下縁部までの距離の5%~80%である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ゲートがチャネル層内の電磁場を調節してピンチオフ電圧および漏れ電流を低減させるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ゲートが、チャネル層内の空乏領域を強化して漏れ電流を低減させ、設計されたデバイス性能のための設計された寄生静電容量を維持するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
請求項1に記載のデバイスを備える増幅器。
【請求項13】
デバイスを形成するプロセスであって、
基板を提供することと、
前記基板上にバッファ層を配置することと、
前記バッファ層上にバリア層を配置することと、
前記バリア層にソースを電気的に結合することと、
前記バリア層にゲートを電気的に結合することと、
前記バリア層にドレインを電気的に結合することと、
前記バリア層上にパッシベーション層を形成することと、
前記バリア層に電気的に結合されたゲートを形成することと、
を含み、
前記ゲートが少なくとも1つの第1の表面を含み、前記少なくとも1つの第1の表面が少なくとも1つの変曲点を介して少なくとも1つの第2の表面に接続され、
前記少なくとも1つの変曲点が前記パッシベーション層内に配置される、
プロセス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1の表面、前記少なくとも1つの第2の表面、および前記少なくとも1つの変曲点を含むように、少なくとも1つのステップ部分を形成することと、
前記少なくとも1つの変曲点によって前記少なくとも1つの第2の表面に接続するように前記少なくとも1つの第1の表面を形成することと、
をさらに含む、請求項13に記載のデバイスを形成するプロセス。
【請求項15】
前記パッシベーション層の上面に直交する線に対して傾斜するように前記少なくとも1つの第1の表面を形成することをさらに含む、請求項14に記載のデバイスを形成するプロセス。
【請求項16】
第3の表面を含むように前記ゲートを形成することと、
前記第3の表面に接続するように前記少なくとも1つのステップ部分を形成することと、
をさらに含む、請求項14に記載のデバイスを形成するプロセス。
【請求項17】
前記ゲートの底面へ延びるように前記第3の表面を形成することをさらに含む、請求項16に記載のデバイスを形成するプロセス。
【請求項18】
前記パッシベーション層の上面に直交する線に対して傾斜するように前記第3の表面を形成することをさらに含む、請求項16に記載のデバイスを形成するプロセス。
【請求項19】
前記少なくとも1つのステップ部分が複数の前記少なくとも1つのステップ部分を含み、
前記少なくとも1つの第1の表面が複数の前記少なくとも1つの第1の表面を含み、
前記少なくとも1つの第2の表面が複数の前記少なくとも1つの第2の表面を含む、
請求項15に記載のデバイスを形成するプロセス。
【請求項20】
前記パッシベーション層の上面に直交する線に沿った前記少なくとも1つの第1の表面の深さが前記パッシベーション層の深さの10%~80%になるように前記少なくとも1つのステップ部分を形成することをさらに含む、請求項14に記載のデバイスを形成するプロセス。
【請求項21】
前記パッシベーション層の上面に平行な線に沿った前記少なくとも1つの第2の表面の深さが前記ゲートの左下縁部から前記ソースの右下縁部までの距離の5%~80%になるように前記少なくとも1つのステップ部分を形成することをさらに含む、請求項14に記載のデバイスを形成するプロセス。
【請求項22】
チャネル層内の電磁場を調節してピンチオフ電圧および漏れ電流を低減させ、設計されたデバイス性能のための設計された寄生静電容量を維持するように、前記ゲートを形成することをさらに含む、請求項13に記載のデバイスを形成するプロセス。
【請求項23】
チャネル層内の空乏領域を強化して漏れ電流を低減させ、設計されたデバイス性能のための設計された寄生静電容量を維持するように、前記ゲートを形成することをさらに含む、請求項13に記載のデバイスを形成するプロセス。
【請求項24】
前記少なくとも1つのステップ部分を形成することが、
前記パッシベーション層の少なくとも1つの層を形成することと、
前記パッシベーション層の前記少なくとも1つの層をエッチングして、前記パッシベーション層の前記少なくとも1つの層内の前記少なくとも1つのステップ部分の少なくとも一部分に一貫したエッチングされた表面を形成することと、
前記エッチングされた表面内に前記ゲートを形成して、前記パッシベーション層の前記少なくとも1つの層内に前記少なくとも1つのステップ部分を有する前記ゲートを形成することと、
を含む、請求項13に記載のデバイスを形成するプロセス。
【請求項25】
デバイスであって、
基板と、
パッシベーション層と、
ソースと、
ゲートと、
ドレインと、
を備え、
前記ゲートが少なくとも1つのステップ部分を備え、
前記少なくとも1つのステップ部分が前記パッシベーション層内に配置され、
前記少なくとも1つのステップ部分が少なくとも1つの第1の表面および少なくとも1つの第2の表面を含み、
前記少なくとも1つの第1の表面が前記少なくとも1つの第2の表面に接続され、
前記ゲートが第3の表面を含み、
前記少なくとも1つのステップ部分が前記第3の表面に接続される、
デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改善されたサーマルバジェットを有する半導体に関する。本開示はさらに、改善されたサーマルバジェットを有する半導体を作製するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
第III族窒化物系の高電子移動度トランジスタ(HEMT)などの半導体デバイスは、窒化ガリウム(GaN)などの第III族窒化物およびその合金の材料特性が、高電圧および高電流の実現を可能にするとともに、RF応用例に対する高RF利得および線形性も実現するため、高出力増幅器、無線周波(RF)の応用例、および低周波高出力スイッチングの応用例にとって非常に有望な候補である。典型的な第III族窒化物HEMTは、基板と、基板上に形成された第III族窒化物(たとえば、GaN)バッファまたはチャネル層と、バッファまたはチャネル層上に形成されたより高いバンドギャップの第III族窒化物(たとえば、AlGaN)層とを備える。それぞれのソース、ドレイン、およびゲートコンタクトが、バリア層に電気的に結合される。HEMTは、より高いバンドギャップのバリア層とより低いバンドギャップのバッファまたはチャネル層との間の境界面に形成される2次元電子ガス(2DEG)に依拠しており、より低いバンドギャップの材料が、より高い電子親和力を有する。2DEGは、より低いバンドギャップの材料内の蓄積層であり、高い電子濃度および高い電子移動度を含むことができる。
【0003】
第III族窒化物材料系内に製作されるHEMTは、高い破壊電界、広いバンドギャップ、大きい伝導帯オフセット、および/または高い飽和電子ドリフト速度を含む材料特性の組合せのため、大量のRF電力を生成する潜在性を有する。
【0004】
しかし、第III族窒化物HEMTなどの半導体デバイスを実装するデバイス性能は、漏れ電流の増大などのために許容動作温度を制限するサーマルバジェットによって制限される可能性がある。漏れ電流の増大は、直流(DC)応力、無線周波(RF)応力などに部分的に基づくデバイス寿命の低下を招く。
【0005】
したがって、半導体デバイスのサーマルバジェットを改善することが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
1つの概略的な態様は、基板と、基板上のバッファ層と、バッファ層上のバリア層と、バリア層上のパッシベーション層と、バリア層に電気的に結合されたソースと、バリア層に電気的に結合されたゲートと、バリア層に電気的に結合されたドレインとを含むデバイスを含む。ゲートは、少なくとも1つの第1の表面を含み、少なくとも1つの第1の表面は、少なくとも1つの変曲点を介して少なくとも1つの第2の表面に接続される。少なくとも1つの変曲点は、パッシベーション層内に配置される。
【0007】
1つの概略的な態様は、基板を提供することと、基板上にバッファ層を配置することと、バッファ層上にバリア層を配置することと、バリア層にソースを電気的に結合することと、バリア層にゲートを電気的に結合することと、バリア層にドレインを電気的に結合することと、バリア層上にパッシベーション層を形成することと、バリア層に電気的に結合されたゲートを形成することとを含む、デバイスを形成するプロセスを含む。ゲートは、少なくとも1つの第1の表面を含み、少なくとも1つの第1の表面は、少なくとも1つの変曲点を介して少なくとも1つの第2の表面に接続される。少なくとも1つの変曲点は、パッシベーション層内に配置される。
【0008】
1つの概略的な態様は、基板と、基板上のバッファ層と、バッファ層上のバリア層と、バリア層上のパッシベーション層と、バリア層に電気的に結合されたソースと、バリア層に電気的に結合されたゲートと、バリア層に電気的に結合されたドレインとを含み、ゲートが、少なくとも1つのステップ部分を含む、デバイスを含む。少なくとも1つのステップ部分は、パッシベーション層内に配置される。
【0009】
1つの概略的な態様は、基板を提供することと、基板上にバッファ層を配置することと、バッファ層上にバリア層を配置することと、バリア層にソースを電気的に結合することと、バリア層にゲートを電気的に結合することと、バリア層にドレインを電気的に結合することと、バリア層上にパッシベーション層を形成することと、バリア層に電気的に結合されたゲートを形成することとを含み、ゲートが、少なくとも1つのステップ部分を含む、デバイスを形成するプロセスを含む。少なくとも1つのステップ部分は、パッシベーション層内に配置される。
【0010】
1つの概略的な態様は、基板と、パッシベーション層と、ソースと、ゲートと、ドレインとを含み、ゲートが、少なくとも1つのステップ部分を含む、デバイスを含む。少なくとも1つのステップ部分は、パッシベーション層内に配置され、少なくとも1つのステップ部分は、少なくとも1つの第1の表面および少なくとも1つの第2の表面を含み、少なくとも1つの第1の表面は、少なくとも1つの第2の表面に接続され、ゲートは、第3の表面を含み、少なくとも1つのステップ部分は、第3の表面に接続される。
【0011】
本開示の追加の特徴、利点、および態様について、以下の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲の考慮から説明して明らかにする。さらに、上記の本開示の概要および以下の詳細な説明はどちらも例示的であり、特許請求される本開示の範囲を限定することなく、さらなる説明を提供することを意図したものであることを理解されたい。
【0012】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれる添付の図面は、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成しており、本開示の態様を示し、詳細な説明とともに、本開示の原理について説明する働きをする。本開示および本開示を実施することができる様々な方法の根本的な理解のために必要なものより詳細に、本開示の構造上の詳細を示すことを試みるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示によるトランジスタの一態様の断面図である。
図2図1によるトランジスタの部分断面図である。
図3図1によるトランジスタの部分断面図である。
図4】本開示によるトランジスタの一態様の断面図である。
図5図4によるトランジスタの部分断面図である。
図6図4によるトランジスタの部分断面図である。
図7】本開示によるトランジスタの部分断面図である。
図8】プロセスオブレコード(POR)トランジスタと本開示によるトランジスタとの間の比較を示す図である。
図9】本開示によるトランジスタの別の態様の断面図である。
図10】本開示によるトランジスタの別の態様の断面図である。
図11】本開示によるトランジスタの別の態様の断面図である。
図12】本開示によるトランジスタの別の態様の断面図である。
図13】本開示によるトランジスタを作製するプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の態様ならびに様々な特徴および有利な詳細について、添付の図面に説明および/または図示し、以下の説明に詳述する非限定的な態様および例を参照して、より詳細に説明する。図面に示す特徴は、必ずしも原寸に比例して描かれておらず、当業者には理解されるように、本明細書に明示的に記載されていない場合でも、一態様の特徴を他の態様とともに用いることができることに留意されたい。よく知られている構成要素および処理技法の説明は、本開示の態様を不必要に曖昧にしないために省略することがある。本明細書で使用する例は、本開示を実施することができる方法の理解を容易にすること、および当業者であれば本開示の態様を実施することをさらに可能にすることのみを意図したものである。したがって、本明細書の例および態様は、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではなく、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲および適用される法律によってのみ定義される。さらに、図面のすべての図にわたって、同じ参照番号が類似の部分を表すことに留意されたい。
【0015】
本明細書では、第1、第2などの用語を使用して様々な要素について説明するが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。たとえば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書では、「および/または」という用語は、関連する記載の項目のうちの1つまたは複数のあらゆる組合せを含む。
【0016】
層、領域、または基板などの要素が、別の要素「上に(on)」位置するまたは別の要素「上へ(onto)」延びると言及するとき、この要素は、別の要素上に直接位置し、もしくは別の要素上へ直接延びることができ、または介在要素が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、要素が別の要素「上に直接(directly on)」位置するまたは別の要素「上へ直接(directly onto)」延びると言及するとき、介在要素は存在しない。同様に、層、領域、または基板などの要素が、別の要素「上に(over)」位置するまたは別の要素「上に(over)」延びると言及するとき、この要素は、別の要素上に直接位置し、もしくは別の要素上に直接延びることができ、または介在要素が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、要素が別の要素「上に直接(directly over)」位置するまたは別の要素「上に直接(directly over)」延びると言及するとき、介在要素は存在しない。また、要素が別の要素に「接続(connected)」または「結合(coupled)」されると言及するとき、この要素は、別の要素に直接接続もしくは結合することができ、または介在要素が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、要素が別の要素に「直接接続(directly connected)」または「直接結合(directly coupled)」されると言及するとき、介在要素は存在しない。
【0017】
本明細書では、「下(below)」もしくは「上(above)」、または「上部(upper)」もしくは「下部(lower)」、または「水平(horizontal)」もしくは「垂直(vertical)」などの相対的な用語を使用して、図に示される1つの要素、層、または領域と別の要素、層、または領域との関係について説明することができる。これらの用語および上記で論じたものは、図に描かれている向きに加えて、デバイスの異なる向きを包含することを意図していることが理解されよう。
【0018】
本明細書に使用する術語は、特定の態様について説明することのみを目的とし、本開示を限定することを意図したものではない。本明細書では、文脈上別途明白に指示しない限り、単数形の「a」、「an」、および「the」は複数形も同様に含むことを意図したものである。本明細書で使用する「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「を含む(including)」という用語は、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはこれらの群の存在または追加を除外するものではないことがさらに理解されよう。
【0019】
別途定義しない限り、本明細書で使用するすべての用語(技術的および科学的な用語を含む)が、本開示が属する分野の当業者には一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用する用語は、本明細書の文脈および関連技術における意味に一貫した意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書でそのように明示的に定義しない限り、概念的または過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されよう。
【0020】
構造のタイプに加えて、トランジスタが形成される半導体材料の特性もまた、動作パラメータに影響することがある。トランジスタの動作パラメータに影響する特性の中でも、漏れ、漏れ電流などは、トランジスタの動作特性に影響を与えることがある。
【0021】
本明細書では、漏れとは、移動電荷キャリア(電子または正孔)が半導体を通ってたとえば絶縁領域内を流れる現象である。一態様では、漏れとは、移動電荷キャリア(電子または正孔)が半導体を通ってたとえば絶縁領域内を流れる望ましくない現象である。一態様では、漏れとは、移動電荷キャリア(電子または正孔)が絶縁領域を通過する現象である。一態様では、漏れは、移動電荷キャリア(電子または正孔)が絶縁領域を通過する量子現象として特徴付けることができる。
【0022】
本開示は、外因性半導体および真性半導体の両方を含む。真性半導体はドープされていない(純粋)。外因性半導体はドープされており、これは熱平衡状態で半導体の電子および正孔キャリア濃度を変化させるために作用物が導入されたことを意味する。p型半導体およびn型半導体の両方が開示されており、p型は、電子濃度より大きい正孔濃度を有し、n型は、正孔濃度より大きい電子濃度を有する。
【0023】
炭化ケイ素(SiC)は、優れた物理および電子特性を有しており、理論的には、ケイ素(Si)または砒化ガリウム(GaAs)から作製されたデバイスより高い温度、高い電力、および高い周波数で動作することができる電子デバイスの作製を可能にするはずである。約4×E6V/cm(ボルト/センチメートル)の高い破壊電界、約2.0×E7cm/秒の高い飽和電子ドリフト速度、および約4.9W/cm-°Kの高い熱伝導率は、高周波および高出力の応用例にとってSiCが好適であることを示す。
【0024】
本明細書では、「第III族窒化物」という用語は、窒素と周期表の第III族内の1つまたは複数の元素、通常はアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、およびインジウム(In)との間に形成された半導体化合物を指す。この用語はまた、GaN、AlGaN、およびAlInGaNなどの2元、3元、および4元化合物を指す。第III族元素は、窒素と結合して、2元化合物(たとえば、GaN)、3元化合物(たとえば、AlGaN)、および4元化合物(たとえば、AlInGaN)を形成する。これらの化合物は、1モルの窒素が合計1モルの第III族元素と組み合わされる実験式を有することができる。それに応じて、これらの化合物を記述するために、AlxGa1-xNなどの式が使用されることが多く、ここで1>x>0である。
【0025】
第III族窒化物HEMTなどの半導体は、漏れ電流の増大のために許容動作温度を制限するサーマルバジェットの改善を必要とする。漏れ電流の増大は、DC応力、RF応力などに部分的に基づくデバイス寿命の低下を招くことがある。本開示は、修正されたゲート形状を利用してサーマルバジェットを改善するデバイスおよびプロセスを提示する。特に、ゲート形状を変化させることで、チャネル層内の電磁場を調節することができ、その結果、より低いピンチオフ電圧および/またはより低い漏れ電流が得られる。本開示は、修正されたゲート形状を利用するデバイスおよびプロセスをさらに提示し、それによりチャネル層内の空乏領域を強化することができ、その結果、漏れ電流が減少する。
【0026】
本開示のいくつかの態様では、修正されたゲート形状を利用することで、ゲート長を維持しながら、ゲートの金属部分をエピタキシャル層のより近くに配置することによって、ゲート漏れ電流をより良好に制御することができる。この点に関して、実装形態のいくつかでは、ゲート長を維持することで、関心周波数で性能を維持することができる。他方では、金属部分がエピタキシャル層により近い従来技術のT字ゲートを実装すると、静電容量の問題が生じることがある。さらに、静電容量の問題に対処するためにゲートの寸法を変化させると、他の構造の寸法も修正することが必要になり、これは他の問題を招く。開示する修正されたゲート形状は、ゲート長を維持することを可能にし、望ましくない静電容量を不利に導入することなく、ゲート漏れ制御を改善することができる。たとえば、同じおよび/または類似のデバイス性能を確実にするために、ゲート長を維持することが有益である。特に、ゲート長を増大させた結果、静電容量の増大および/またはカットオフ周波数の劣化が見られた。加えて、望ましくない静電容量を導入することで、望ましくないインピーダンスの増大を招くことがある。
【0027】
図1は、本開示によるトランジスタの一態様の断面図を示す。
【0028】
特に、図1は、トランジスタ100の断面図を示す。トランジスタ100は、ソース110、ゲート114、およびドレイン112を含むことができる。ゲート114およびドレイン112を保護および分離するために、パッシベーション層116をトランジスタ100上に配置することができる。一態様では、パッシベーション層116は、1つまたは複数の層を含むことができる。図1に示すように、パッシベーション層116は、パッシベーション層116の層状構造を示す破線によって示されている。いくつかの態様では、パッシベーション層116は、図示の層より多い層を含むことができる。
【0029】
特に、ゲート114は、チャネル層内の電磁場を調節してより低いピンチオフ電圧および/またはより低い漏れ電流をもたらすことができるゲート形状を有するように構成、構築、および/または配置することができる。さらに、ゲート114は、チャネル層内の空乏領域を強化して漏れ電流を低減させることができるゲート形状を有するように構成、構築、および/または配置することができる。
【0030】
ゲート114は、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、および/または金(Au)から形成することができる。しかし、ショットキー効果を実現することが当業者には知られている他の金属を使用することもできる。一態様では、ゲート114は、3層構造を有することができるショットキーゲートコンタクトを含むことができる。そのような構造は、いくつかの材料の高い粘着性による利点を有することができる。一態様では、ゲート114は、高伝導性金属の被覆層をさらに含むことができる。一態様では、ゲート114は、T字ゲートとして構成することができる。一態様では、ゲート114は、T字以外のゲートとして構成することができる。
【0031】
ゲート114は、類似の動作改善を含む様々な半導体、半導体系トランジスタデバイス、微小電子デバイスなどで利用することができる。簡潔にするために、ゲート114について、第III族窒化物系の高電子移動度トランジスタ(HEMT)の応用例で全体として説明する。
【0032】
図2は、図1によるトランジスタの部分断面図を示す。
【0033】
特に図2は、ゲート114の形状の一態様を示す。ゲート114は、パッシベーション層116の上に配置されるように構成された部分216を含むことができ、ゲート114は、パッシベーション層116内に配置されるように構成された部分218を含むことができる。一態様では、ゲート114の部分218は、ステップ部分200を含むことができる。いくつかの態様では、ステップ部分200は第1の表面部分を含むことができ、第1の表面部分は第2の表面部分に接続されている。いくつかの態様では、ステップ部分200は第1の表面部分を含むことができ、第1の表面部分は第2の表面部分に接続されており、これらの表面間に変曲点210が位置する。他の態様では、ステップ部分200は、表面間の変曲点210に関連付けられた表面の寸法の遷移、表面間の遷移などを画定することができる。
【0034】
一態様では、ステップ部分200を実装するゲート114は、チャネル層電磁場調節構成要素、ピンチオフ電圧低下構成要素、漏れ電流低下構成要素、チャネル層空乏領域強化を提供するように構成された構成要素などとすることができる。一態様では、ステップ部分200を実装するゲート114は、チャネル層電磁場調節、ピンチオフ電圧低下、漏れ電流低下、チャネル層空乏領域強化構成要素とすることができる。
【0035】
一態様では、ステップ部分200は、チャネル層内の電磁場を調節してより低いピンチオフ電圧、より低い漏れ電流などをもたらすことができるゲート114のゲート形状を部分的に画定することができる。さらに、ステップ部分200は、チャネル層内の空乏領域を強化して漏れ電流を低減させることができるゲート形状を有するように構成、構築、および/または配置することができるゲート114のゲート形状を画定することができる。
【0036】
一態様では、ステップ部分200は、X軸およびY軸に直交してゲート114の1つの縁部および/または複数の縁部に沿って連続的に延びることができる。一態様では、ステップ部分200は、X軸およびY軸に直交してゲート114の1つの縁部および/または複数の縁部に沿って断続的に延びることができる。一態様では、ステップ部分200は、X軸およびY軸に直交してゲート114の1つの縁部および/または複数の縁部に沿って部分的に延びることができる。一態様では、ステップ部分200は、X軸およびY軸に直交してゲート114の1つの縁部および/または複数の縁部に沿って選択的区域内にのみ延びることができる。
【0037】
本明細書に記載するように、ステップ部分200は、複数の異なる形状および構成を有するように構成することができる。図2の態様では、ステップ部分200は、第1の表面204を含むことができる。第1の表面204は、Y軸に対して傾斜させることができ、かつ/または第1の表面204は、パッシベーション層116の上面220に直交する線に対して傾斜させることができる。図2に示すように、第1の表面204は、破線に対して角度214で傾斜させることができる。角度214は、1°~70°、1°~5°、5°~10°、10°~15°、15°~20°、20°~25°、25°~30°、30°~35°、35°~40°、40°~45°、45°~50°、50°~55°、55°~60°、60°~65°、または65°~70°とすることができる。
【0038】
他の態様では、第1の表面204は、Y軸に平行とすることができ、かつ/または第1の表面204は、パッシベーション層116の上面220に直交する線に平行とすることができる。
【0039】
図2の態様では、ステップ部分200は、第2の表面206を含むことができる。第2の表面206は、X軸に平行とすることができ、かつ/または第2の表面206は、パッシベーション層116の上面220に平行とすることができる。
【0040】
他の態様では、第2の表面206は、X軸に対して傾斜させることができ、かつ/または第2の表面206は、パッシベーション層116の上面220に平行な線に対して傾斜させることができる。この態様では、第2の表面206を1°~10°、1°~2°、2°~3°、3°~4°、4°~5°、5°~6°、6°~7°、7°~8°、8°~9°、または9°~10°傾斜させることができる。
【0041】
一態様では、第1の表面204は、変曲点210で第2の表面206に接続することができる。変曲点210は、接続部、隅部、湾曲した隅部、方向の変化、湾曲区域、縁部などとすることができる。
【0042】
図2の態様では、ステップ部分200は、第3の表面208に接続することができる。第3の表面208は、Y軸に対して傾斜させることができ、かつ/または第3の表面208は、パッシベーション層116の上面220に直交する線に対して傾斜させることができる。図2に示すように、第3の表面208は、破線に対して角度212で傾斜させることができる。角度212は、1°~70°、1°~5°、5°~10°、10°~15°、15°~20°、20°~25°、25°~30°、30°~35°、35°~40°、40°~45°、45°~50°、50°~55°、55°~60°、60°~65°、または65°~70°とすることができる。
【0043】
他の態様では、第3の表面208は、Y軸に平行とすることができ、かつ/または第3の表面208は、パッシベーション層116の上面220に直交する線に平行とすることができる。一態様では、第3の表面208は、ゲート114の底面226へ延びることができる。一態様では、第3の表面208は、接合部228で底面226に接続することができる。接合部228は、接続部、隅部、湾曲した隅部、縁部などとすることができる。
【0044】
一態様では、第2の表面206は、接合部222で第3の表面208に接続することができる。接合部222は、接続部、隅部、湾曲した隅部、縁部、方向の変化、湾曲区域などとすることができる。
【0045】
図2に示すように、第1の表面204および/またはステップ部分200は、パッシベーション層116の上面に平行に配置することができる表面202および/またはX軸に平行に配置することができる表面202に接続することができる。一態様では、表面202は、パッシベーション層116の上面220に沿って配置することができる。一態様では、表面202は、パッシベーション層116の上面220の上に配置することができる。一態様では、表面202は、パッシベーション層116の上面220の下に配置することができる。表面202は、接合部224で部分216に接続することができる。接合部224は、接続部、隅部、湾曲した隅部、縁部などとすることができる。他の態様では、表面202は、X軸に対して傾斜させることができ、かつ/または表面202は、パッシベーション層116の上面220に平行な線に対して傾斜させることができる。この態様では、表面202を1°~10°、1°~2°、2°~3°、3°~4°、4°~5°、5°~6°、6°~7°、7°~8°、8°~9°、または9°~10°傾斜させることができる。
【0046】
ゲート114は、パッシベーション層116の上に配置されるように構成された部分216を含むことができる。図2に示すように、部分216は、Y軸に関して対称とすることができる。他の態様では、部分216は、Y軸に関して非対称とすることができる。
【0047】
一態様では、部分218は、図2に示すように、Y軸に平行な線に関して対称とすることができる。一態様では、部分218は、Y軸に平行な線に関して非対称とすることができる(図示せず)。一態様では、ステップ部分200は、図2に示すように、Y軸に平行な線に関して対称とすることができる。一態様では、ステップ部分200は、Y軸に平行な線に関して非対称とすることができる(図示せず)。
【0048】
図3は、図1によるトランジスタの部分断面図を示す。
【0049】
特に図3は、第1の表面204および第2の表面206の例示的な寸法を示す。第1の表面204の深さを、深さd1として画定することができる。深さd1は、Y軸に平行な線および/またはパッシベーション層116の上面220に直交する線に平行な線に沿って切り取ることができる。さらに、深さd1は、パッシベーション層116の深さdの割合として画定することができる。いくつかの態様では、深さd1は、深さdの10%~80%、深さdの10%~20%、深さdの20%~30%、深さdの30%~40%、深さdの40%~45%、深さdの45%~50%、深さdの45%~55%、深さdの50%~55%、深さdの50%~60%、深さdの60%~70%、または深さdの70%~80%とすることができる。
【0050】
第2の表面206の深さは、深さd2として画定することができる。深さd2は、X軸に平行な線および/またはパッシベーション層116の上面220に平行な線に沿って切り取ることができる。さらに、深さd2は、ゲート114とソース110との間の長さとして画定される距離LGSの割合として画定することができる。一態様では、距離LGSは、図3に示すように、ゲート114の左下縁部(接合部228)とソース110の右下縁部230との間の長さとして画定することができる。
【0051】
いくつかの態様では、深さd2は、距離LGSの5%~80%、距離LGSの5%~10%、距離LGSの10%~20%、距離LGSの20%~30%、距離LGSの30%~40%、距離LGSの40%~50%、距離LGSの45%~55%、距離LGSの50%~55%、距離LGSの50%~60%、距離LGSの60%~70%、または距離LGSの70%~80%とすることができる。
【0052】
本開示のいくつかの態様では、パッシベーション層116によってゲート114の形状を画定することができる。一態様では、パッシベーション層116を成形し、その上にゲート114を堆積させることができる。一態様では、パッシベーション層116をエッチングし、その上にゲート114を堆積させることができる。一態様では、パッシベーション層116は、1つまたは複数の層を含むことができ、1つまたは複数の層をエッチングすることができ、その上にゲート金属を堆積させて、ゲート114を形成することができる。一態様では、パッシベーション層116は、1つまたは複数の層を含むことができ、1つまたは複数の層をエッチングして、ゲート114の形状を形成することができ、その上にゲート114を堆積させることができる。一態様では、パッシベーション層116は、1つまたは複数の層を含むことができ、1つまたは複数の層を各々エッチングして、ステップを形成することができ、その上にゲート金属を堆積させて、ゲート114を形成することができる。一態様では、エッチングプロセスは、1つまたは複数の光リソグラフィマスクを含むことができる。一態様では、ゲート114の底面226がバリア層108の表面上に位置しまたはバリア層108の表面に隣接するように、パッシベーション層116をエッチングし、ゲート114を堆積させることができる。一態様では、パッシベーション層116を横切って延びるように、ゲート114を形成する金属をパターニングすることができる。他の態様では、他の方法を利用して、ゲート114の形状を形成および/または画定することができる。
【0053】
図1を再び参照すると、トランジスタ100は、HEMTとして実装することができ、基板層102およびバッファ層104を含むことができる。トランジスタ100は、バッファ層104上に配置されたバリア層108をさらに含むことができる。一態様では、バリア層108は、バッファ層104上に直接配置することができる。
【0054】
一態様では、適当なレベルでバイアスされると、バッファ層104とバリア層108との間のヘテロ界面152に2次元電子ガス(2DEG)を形成するように、バッファ層104のバンドギャップをバリア層108のバンドギャップより小さくすることができる。一態様では、バッファ層104は、GaNなどの第III族窒化物材料であり、バリア層108は、AlGaNまたはAlNなどの第III族窒化物材料である。いくつかの態様では、基板層102とバッファ層104との間に、核形成層136などの介在層または領域が存在してもよい。一態様では、バッファ層104とバリア層108との間に、介在層または領域(図示せず)が存在してもよい。一態様では、バリア層108は、バッファ層104上のAlNバリア層、およびAlNバリア層上のAlGaN層など、複数の層から作られる。一態様では、バリア層108と、パッシベーション層116、ならびに/またはソース110、ゲート114、および/もしくはドレイン112との間に、介在層または領域が存在する。一態様では、これらの層の組成は、段階的または連続的に変化する。一態様では、バリア層108は、バッファ層104付近でより高い割合のAlから開始し、バッファ層104から離れるとAlの割合を減少させることができる。
【0055】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、ソース110とドレイン112との間のゲート114のために、ゲートコンタクトを設けることができる。さらに、本開示の特定の態様では、ゲートコンタクトをバリア層108上に配置することができる。一態様では、ゲートコンタクトをバリア層108上に直接配置することができる。
【0056】
図4は、本開示によるトランジスタの一態様の断面図を示す。
【0057】
特に図4は、本開示の特徴のうちのいずれか1つまたは複数を含むことができるトランジスタ100である。より具体的には、図4のトランジスタ100は、チャネル層内の電磁場を調節してより低いピンチオフ電圧および/またはより低い漏れ電流をもたらすことができるゲート形状を有するように構成、構築、および/または配置することができるゲート114を含むことができる。さらに、ゲート114は、チャネル層内の空乏領域を強化して漏れ電流を低減させることができるゲート形状を有するように構成、構築、および/または配置することができる。図4の一態様では、パッシベーション層116が、1つまたは複数の層を含むことができる(分かりやすくすることだけを目的として図示せず)。
【0058】
図5は、図4によるトランジスタの部分断面図を示す。
【0059】
特に図5は、ゲート114の形状の一態様を示す。ゲート114は、パッシベーション層116の上に配置されるように構成された部分316を含むことができ、ゲート114は、パッシベーション層116内に配置されるように構成された部分318を含むことができる。一態様では、ゲート114の部分318は、ステップ部分300を含むことができる。いくつかの態様では、ステップ部分300は、1つまたは複数の接続された表面部分を含むことができる。いくつかの態様では、ステップ部分300は、これらの表面間に変曲点を有する1つまたは複数の接続された表面部分を含むことができる。他の態様では、ステップ部分300は、表面間の変曲点に関連付けられた表面の寸法の遷移、表面間の遷移などを画定することができる。
【0060】
一態様では、ステップ部分300を実装するゲート114は、チャネル層電磁場調節構成要素、ピンチオフ電圧低下構成要素、漏れ電流低下構成要素、チャネル層空乏領域強化を提供するように構成された構成要素などとすることができる。一態様では、ステップ部分300を実装するゲート114は、チャネル層電磁場調節、ピンチオフ電圧低下、漏れ電流低下、チャネル層空乏領域強化構成要素とすることができる。
【0061】
一態様では、ステップ部分300は、チャネル層内の電磁場を調節してより低いピンチオフ電圧、より低い漏れ電流などをもたらすことができるゲート114のゲート形状を部分的に画定することができる。さらに、ステップ部分300は、チャネル層内の空乏領域を強化して漏れ電流を低減させることができるゲート形状を有するように構成、構築、および/または配置することができるゲート114のゲート形状を画定することができる。
【0062】
一態様では、N個のステップ部分300を設けることができ、ここでNは正の整数である。特に、Nは、2~30個のステップ部分300、2~4個のステップ部分300、4~6個のステップ部分300、6~8個のステップ部分300、8~10個のステップ部分300、10~12個のステップ部分300、12~14個のステップ部分300、14~16個のステップ部分300、16~20個のステップ部分300、20~24個のステップ部分300、または24~30個のステップ部分300とすることができる。
【0063】
一態様では、ステップ部分300は、X軸およびY軸に直交してゲート114の1つの縁部および/または複数の縁部に沿って連続的に延びることができる。一態様では、ステップ部分300は、X軸およびY軸に直交してゲート114の1つの縁部および/または複数の縁部に沿って断続的に延びることができる。一態様では、ステップ部分300は、X軸およびY軸に直交してゲート114の1つの縁部および/または複数の縁部に沿って部分的に延びることができる。一態様では、ステップ部分300は、X軸およびY軸に直交してゲート114の1つの縁部および/または複数の縁部に沿って選択的区域内にのみ延びることができる。
【0064】
本明細書に記載するように、ステップ部分300は、複数の異なる形状および構成を有するように構成することができる。図5の態様では、ステップ部分300は、第1の表面304を含むことができる。第1の表面304は、Y軸に対して傾斜させることができ、かつ/または第1の表面304は、パッシベーション層116の上面320に直交する線に対して傾斜させることができる。図5に示すように、第1の表面304は、破線に対して角度314で傾斜させることができる。角度314は、1°~70°、1°~5°、5°~10°、10°~15°、15°~20°、20°~25°、25°~30°、30°~35°、35°~40°、40°~45°、45°~50°、50°~55°、55°~60°、60°~65°、または65°~70°とすることができる。一態様では、第1の表面304は、同じ角度314で実装することができる。一態様では、第1の表面304のうちの1つまたは複数は、異なる角度314で実装することができる。
【0065】
他の態様では、第1の表面304のうちの1つもしくは複数は、Y軸に平行とすることができ、かつ/または第1の表面304のうちの1つもしくは複数は、パッシベーション層116の上面320に直交する線に平行とすることができる。
【0066】
図5の態様では、ステップ部分300は、第2の表面306を含むことができる。第2の表面306のうちの1つもしくは複数は、X軸に平行とすることができ、かつ/または第2の表面306は、パッシベーション層116の上面320に平行とすることができる。
【0067】
他の態様では、第2の表面306のうちの1つもしくは複数は、X軸に対して傾斜させることができ、かつ/または第2の表面306は、パッシベーション層116の上面320に平行な線に対して傾斜させることができる。この態様では、第2の表面306のうちの1つまたは複数を1°~10°、1°~2°、2°~3°、3°~4°、4°~5°、5°~6°、6°~7°、7°~8°、8°~9°、または9°~10°傾斜させることができる。
【0068】
一態様では、第1の表面304は、接合部310で第2の表面306に接続することができる。接合部310は、接続部、隅部、湾曲した隅部、縁部などとすることができる。
【0069】
図5の態様では、ステップ部分300のうちの1つは、第3の表面308に接続することができる。第3の表面308は、Y軸に対して傾斜させることができ、かつ/または第3の表面308は、パッシベーション層116の上面320に直交する線に対して傾斜させることができる。図5に示すように、第3の表面308は、破線に対して角度312で傾斜させることができる。角度312は、1°~70°、1°~5°、5°~10°、10°~15°、15°~20°、20°~25°、25°~30°、30°~35°、35°~40°、40°~45°、45°~50°、50°~55°、55°~60°、60°~65°、または65°~70°とすることができる。
【0070】
他の態様では、第3の表面308は、Y軸に平行とすることができ、かつ/または第3の表面308は、パッシベーション層116の上面320に直交する線に平行とすることができる。
【0071】
一態様では、第2の表面306のうちの1つは、接合部322で第3の表面308に接続することができる。接合部322は、接続部、隅部、湾曲した隅部、縁部などとすることができる。一態様では、第3の表面308は、ゲート114の底面326へ延びることができる。一態様では、第3の表面308は、接合部328で底面326に接続することができる。接合部328は、接続部、隅部、湾曲した隅部、縁部などとすることができる。
【0072】
図5に示すように、第1の表面304のうちの1つは、パッシベーション層116の上面に平行に配置することができる表面302および/またはX軸に平行に配置することができる表面302に接続することができる。一態様では、表面302は、パッシベーション層116の上面320に沿って配置することができる。一態様では、表面302は、パッシベーション層116の上面320の上に配置することができる。一態様では、表面302は、パッシベーション層116の上面320の下に配置することができる。表面302は、接合部324で部分316に接続することができる。接合部324は、接続部、隅部、湾曲した隅部、縁部などとすることができる。他の態様では、表面302は、X軸に対して傾斜させることができ、かつ/または表面302は、パッシベーション層116の上面320に平行な線に対して傾斜させることができる。この態様では、表面302を1°~10°、1°~2°、2°~3°、3°~4°、4°~5°、5°~6°、6°~7°、7°~8°、8°~9°、または9°~10°傾斜させることができる。
【0073】
ゲート114は、パッシベーション層116の上に配置されるように構成された部分316含むことができる。図5に示すように、部分316は、Y軸に関して対称とすることができる。他の態様では、部分316は、Y軸に関して非対称とすることができる。
【0074】
一態様では、部分318は、図5に示すように、Y軸に平行な線に関して対称とすることができる。一態様では、部分318は、Y軸に平行な線に関して非対称とすることができる(図示せず)。一態様では、ステップ部分300は、図5に示すように、Y軸に平行な線に関して対称とすることができる。一態様では、ステップ部分300は、Y軸に平行な線に関して非対称とすることができる(図示せず)。
【0075】
図6は、図4によるトランジスタの部分断面図を示す。
【0076】
特に図6は、第1の表面304および第2の表面306の例示的な寸法を示す。第1の表面304の深さを、深さd3として画定することができる。深さd3は、Y軸に平行な線および/またはパッシベーション層116の上面320に直交する線に平行な線に沿って切り取ることができる。さらに、深さd3は、パッシベーション層116の深さdの割合として画定することができる。いくつかの態様では、深さd3は、深さdの10%~80%、深さdの10%~20%、深さdの20%~30%、深さdの30%~40%、深さdの40%~45%、深さdの45%~50%、深さdの45%~55%、深さdの50%~55%、深さdの50%~60%、深さdの60%~70%、または深さdの70%~80%とすることができる。
【0077】
第2の表面306の深さを、深さd4として画定することができる。深さd4は、X軸に平行な線および/またはパッシベーション層116の上面320に平行な線に沿って切り取ることができる。さらに、深さd4は、ゲート114とソース110との間の長さとして画定される距離LGSの割合として画定することができる。一態様では、距離LGSは、図6に示すように、ゲート114の左下縁部(接合部328)とソース110の右下縁部330との間の長さとして画定することができる。
【0078】
いくつかの態様では、深さd4は、距離LGSの5%~80%、距離LGSの5%~10%、距離LGSの10%~20%、距離LGSの20%~30%、距離LGSの30%~40%、距離LGSの40%~50%、距離LGSの45%~55%、距離LGSの50%~55%、距離LGSの50%~60%、距離LGSの60%~70%、または距離LGSの70%~80%とすることができる。
【0079】
図7は、本開示によるトランジスタの部分断面図を示す。
【0080】
特に図7は、ゲート114の形状の一態様を示す。ゲート114は、パッシベーション層116の上に配置されるように構成された部分316を含むことができ、ゲート114は、パッシベーション層116内に配置されるように構成された部分318を含むことができる。一態様では、ゲート114の部分318は、ステップ部分300を含むことができる。一態様では、パッシベーション層116は、1つまたは複数の層を含むことができる。図13に示すように、パッシベーション層116は、パッシベーション層116の層状構造を示す破線で示されている。いくつかの態様では、パッシベーション層116は、図示の層より多いまたは少ない層を含むことができる。
【0081】
図8は、プロセスオブレコード(POR)トランジスタと本開示によるトランジスタとの間の比較を示す。
【0082】
特に図8は、プロセスオブレコード(POR)トランジスタと本開示によるトランジスタとの間の比較を示すグラフ700を示す。グラフ700のY軸は、正規化された漏れ電流(Norm(lgLkg))を参照し、ここで、値が0により近いことが、トランジスタを通る漏れ電流がより小さいことを示す。X軸は、試験レベル温度702、パーセント単位のゲート114の深さd2 704、および試験されたトランジスタの表示706を参照する。より具体的には、左3つのグラフは、ゲート114を実装する図1図3のトランジスタ100(それぞれ深さd2が20%に等しく、深さd2が40%に等しく、深さd2が60%に等しい)に関連し、最も右のグラフは、従来技術のゲート構成を実装するトランジスタ100に類似したトランジスタに関連する。
【0083】
特に図8は、ゲート114を実装する本開示のトランジスタ100(それぞれ深さd2が20%に等しく、深さd2が40%に等しく、深さd2が60%に等しい)が、0~-0.2の正規化された漏れ電流(Norm(lgLkg))を呈したことを示す。さらに図8は、従来技術のゲート構成を実装するプロセスオブレコード(POR)トランジスタが、-0.3~-1の正規化された漏れ電流(Norm(lgLkg))を呈したことを示す。
【0084】
それに応じて、正規化された漏れ電流(Norm(lgLkg))値が0により近いことは、トランジスタを通る漏れ電流が小さいことを示すため、図8は、ゲート114を実装する本開示のトランジスタ100(それぞれ深さd2が20%に等しく、深さd2が40%に等しく、深さd2が60%に等しい)が、従来技術のゲート構成を実装するプロセスオブレコード(POR)トランジスタより小さい漏れ電流を呈することを示す。特に図8は、ゲート114を実装する本開示のトランジスタ100(それぞれ深さd2が20%に等しく、深さd2が40%に等しく、深さd2が60%に等しい)が、従来技術のゲート構成を実装するプロセスオブレコード(POR)トランジスタと比較して、温度変動にわたってより低い漏れ電流を呈することを示す。より具体的には、図8は、ゲート114を実装する本開示のトランジスタ100(それぞれ深さd2が20%に等しく、深さd2が40%に等しく、深さd2が60%に等しい)が、従来技術のゲート構成を実装するプロセスオブレコード(POR)トランジスタと比較して、温度変動にわたってより低い漏れ電流を呈することを示し、その結果、改善されたサーマルバジェットが得られる。この点に関しては、漏れ電流は、1倍~10分の1、1倍~2分の1、2分の1~4分の1、4分の1~6分の1、6分の1~8分の1、または8分の1~10分の1とすることができる。
【0085】
本開示の様々なゲート形状の構成は、本開示のトランジスタ100を通る漏れ電流の同様に有益な低減を提供するはずであることが企図される。さらに、本開示の様々なゲート形状の構成は、他の類似の微小電子デバイス、他のトランジスタ、他の半導体デバイスなどを通る漏れ電流の同様に有益な低減を提供するはずであることが企図される。
【0086】
図9は、本開示によるトランジスタの別の態様の断面図を示す。
【0087】
特に図9は、本開示の特徴のうちのいずれか1つまたは複数を含むことができるトランジスタ100である。一態様では、図9のトランジスタ100は、図1図2、および図3、ならびにその説明に示す本開示の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。図9は、トランジスタ100が、スペーサ層117および核形成層136を含むことができることをさらに示す。
【0088】
図10は、本開示によるトランジスタの別の態様の断面図を示す。
【0089】
特に図10は、本開示の特徴のうちのいずれか1つまたは複数を含むことができるトランジスタ100である。一態様では、図10のトランジスタ100は、図4図5、および図6、ならびにその説明に示す本開示の特徴のうちの1つまたは複数を含む。図10は、トランジスタ100が、スペーサ層117および核形成層136を含むことができることをさらに示す。
【0090】
図11は、本開示によるトランジスタの別の態様の断面図を示す。
【0091】
特に図11は、本開示の特徴のうちのいずれか1つまたは複数を含むことができるトランジスタ100を示す。一態様では、図11のトランジスタ100は、図1図2、および図3、ならびにその説明に示す本開示の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。図11は、トランジスタ100が、スペーサ層117、フィールドプレート132、および核形成層136を含むことができることをさらに示す。一態様では、複数のフィールドプレート132を使用することができ、複数のフィールドプレート132の各々を積み重ねて、複数のフィールドプレート132間に誘電体材料(図示せず)を配置することができる。
【0092】
図12は、本開示によるトランジスタの別の態様の断面図を示す。
【0093】
特に図12は、本開示の特徴のうちのいずれか1つまたは複数を含むことができるトランジスタ100である。一態様では、図12のトランジスタ100は、図4図5、および図6、ならびにその説明に示す本開示の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。図12は、トランジスタ100が、スペーサ層117、フィールドプレート132、および核形成層136を含むことができることをさらに示す。一態様では、複数のフィールドプレート132を使用することができ、複数のフィールドプレート132の各々を積み重ねて、複数のフィールドプレート132間に誘電体材料(図示せず)を配置することができる。
【0094】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、基板層102は、炭化ケイ素(SiC)またはサファイアから作ることができる。いくつかの態様では、基板層102は、半絶縁性のSiC基板、p型基板、n型基板などとすることができる。いくつかの態様では、基板層102を非常に軽度にドープすることができる。一態様では、背景の不純物レベルを低くすることができる。一態様では、背景の不純物レベルを1E15/cm3以下とすることができる。一態様では、基板層102は、6H、4H、15R、3CのSiCなどからなる群から選択されたSiCから形成することができる。別の態様では、基板層102は、GaAs、GaN、または本明細書に記載する応用例に好適な他の材料とすることができる。別の態様では、基板層102は、サファイア、スピネル、ZnO、ケイ素、または第III族窒化物材料の成長を支持することが可能な任意の他の材料を含むことができる。
【0095】
基板層102上に、バッファ層104および/または核形成層136を形成することができる。一態様では、バッファ層104は、基板層102上に形成される。一態様では、バッファ層104は、基板層102上に直接形成される。一態様では、核形成層136は、基板層102上に形成することができる。一態様では、核形成層136は、基板層102上に直接形成することができる。記載する構造全体にわたって、介在層および/または領域が存在することが可能である。
【0096】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、核形成層136は、基板層102とトランジスタ100内の次の層との間の格子の不整合を低減させるために、基板層102上に形成することができる。核形成層136は、第III族窒化物材料などの多くの異なる材料を含むことができ、好適な材料はAlzGa1-zN(0≦z≦1)である。核形成層136は、金属酸化物化学蒸着(MOCVD)、水素化物気相エピタキシ(HVPE)、分子線エピタキシ(MBE)などの周知の半導体成長技法を使用して、基板層102上に形成することができる。さらなる態様では、核形成層136と基板層102との間に介在層が存在してもよい。さらなる態様では、核形成層136とバッファ層104との間に介在層が存在してもよい。
【0097】
バッファ層104は、GaN、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウム(AlN)、AlxGayIn(1-x-y)N(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)、AlxInyGa1-x-yN(ここで、0≦x≦1および0≦y≦1)などの第III族窒化物、または別の好適な材料とすることができ、AlNなどの第III族窒化物材料の核形成層136を含むこともできる。一態様では、バッファ層104はAlGaNから形成される。バッファ層104は、p型材料とすることができ、または別法として、非ドープとすることができる。一態様では、基板層102に付着するように、AlNの核形成層136を使用することができ、これによりバッファ層104の成長を助けることができる。バッファ層104は、基板層102に結合することができる。一態様では、核形成層136は、AlNまたはAlGaNとすることができる。
【0098】
一態様では、バッファ層104は、高純度のGaNとすることができる。一態様では、バッファ層104は、高純度のGaNとすることができ、低ドープのn型とすることができる。一態様では、バッファ層104はまた、より良好な電子の閉じ込めを実現するために、バリア層108からバッファ層104の反対側で、より高いバンドギャップの第III族窒化物層をAlGaNのバックバリアなどのバックバリアとして使用することができる。
【0099】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、バッファ層104上に、バリア層108を形成することができる。一態様では、バリア層108は、バッファ層104上に直接形成することができる。バリア層108は、バッファ層104と、ソース110、ドレイン112、およびゲート114との間に、追加の層を提供することができる。バリア層108は、AlGaN、AlN、第III族窒化物、InAlGaN、または別の好適な材料とすることができる。一態様では、バリア層108をAlGaNとすることができる。一態様では、バリア層108を非ドープとすることができる。一態様では、バリア層108をドープすることができる。一態様では、バリア層108をn型材料とすることができる。いくつかの態様では、バリア層108は、異なるキャリア濃度を有する複数のn型材料層を有することができる。一態様では、バリア層108は、第III族窒化物またはその組合せとすることができる。一態様では、バッファ層104のバンドギャップをバリア層108のバンドギャップより小さくすることができる。一態様では、適当なレベルでバイアスされると、バッファ層104とバリア層108との間のヘテロ界面152に2次元電子ガス(2DEG)を形成するように、バッファ層104のバンドギャップをバリア層108のバンドギャップより小さくすることができる。一態様では、バリア層108上および/または全体的な構造内に、追加の第III族窒化物層もしくは領域および/または異なる材料の他の層もしくは領域が存在することも可能である。層および/または領域のいずれかが、均一、不均一、段階的、および/または可変の組成、厚さ、および/またはドープを有することができる。
【0100】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、ソース110および/またはドレイン112をバリア層108に直接接続することができる。一態様では、ソース110および/またはドレイン112をバリア層108に間接的に接続することができる。一態様では、バリア層108は、N+材料であるソース110および/またはドレイン112の下の領域を含むことができる。一態様では、バリア層108は、Siでドープされたソース110および/またはドレイン112の下の領域を含むことができる。
【0101】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、ソース110および/またはドレイン112をバッファ層104に直接接続することができる。一態様では、ソース110および/またはドレイン112をバッファ層104に間接的に接続することができる。一態様では、バッファ層104は、N+材料であるソース110および/またはドレイン112の下の領域を含むことができる。一態様では、バッファ層104は、Siでドープされたソース110および/またはドレイン112の下の領域を含むことができる。
【0102】
ゲート114およびドレイン112を保護および分離するために、バリア層108上のバッファ層104とは反対側に、ゲート114およびドレイン112に隣接して、パッシベーション層116を配置することができる。パッシベーション層116は、SiN、AlO、SiO、SiO2、AlNなど、またはこれらの複数の層を組み込む組合せから作られたパッシベーション層とすることができる。一態様では、パッシベーション層116は、SiNから作られたパッシベーション層である。一態様では、パッシベーション層116は、MOCVD、プラズマ化学蒸着(CVD)、ホットフィラメントCVD、またはスパッタリングを使用して堆積させることができる。一態様では、パッシベーション層116は、Si34の堆積を含むことができる。一態様では、パッシベーション層116は、絶縁層を形成する。一態様では、パッシベーション層116は、絶縁体を形成する。一態様では、パッシベーション層116を誘電体とすることができる。
【0103】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、ソース110とドレイン112との間のゲート114の上に、非伝導性のスペーサ層117を形成することができる。一態様では、スペーサ層117は、誘電体などの非伝導性材料の層を含むことができる。一態様では、スペーサ層117は、複数の異なる誘電体層または誘電体層の組合せを含むことができる。一態様では、スペーサ層117は、多くの異なる厚さとすることができ、好適な厚さ範囲は約0.5~2μmである。
【0104】
一態様では、スペーサ層117は、SiN、SiO2など、誘電体または絶縁材料などの材料を含むことができる。いくつかの態様では、スペーサ層117は、SiN、AlO、SiO、SiO2、AlNなど、またはこれらの複数の層を組み込む組合せなどのパッシベーション層とすることができる。
【0105】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、バッファ層104は、フェルミレベルがバンドギャップの上半分に入る高純度タイプになるように設計することができ、それによりGaNのHEMTで一般に観察されるスロートラッピング作用が最小になる。この点に関しては、フェルミレベルを下回るトラップが常に充填されており、したがって遅い過渡現象を防止することができる。いくつかの態様では、バッファ層104は、良好な結晶品質を実現することに一貫して可能な限り薄くすることができる。本出願人らは、良好な品質を有する0.4μmの層をすでに実証している。
【0106】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、MOCVD(金属有機化学蒸着)、HVPE(水素化物気相エピタキシ)、またはMBE(分子線エピタキシ)などのエピタキシャル結晶成長方法を介して、第III族窒化物の核形成層136および/またはバッファ層104を基板層102上に成長させることができる。核形成層136の形成は、基板層102の材料に依存することができる。
【0107】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、バッファ層104は、横方向エピタキシャル過成長(LEO)とともに形成することができる。LEOは、たとえば、GaN層の結晶品質を改善することができる。HEMTの半導体層がエピタキシャルであるとき、各エピタキシャル層が成長する下にある層が、デバイスの特性に影響を及ぼすことができる。たとえば、LEOは、エピタキシャルGaN層内の転位密度を低減させることができる。
【0108】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、バッファ層104は、無極性のGaNを含むことができる。一態様では、バッファ層104は、半極性のGaNを含むことができる。一態様では、バッファ層104は、ホットウォールエピタキシを含むことができる。一態様では、バッファ層104は、0.15μm~0.25μm、0.2μm~0.3μm、0.25μm~0.35μm、0.3μm~0.35μm、0.35μm~0.4μm、0.4μm~0.45μm、0.45μm~0.5μm、0.5μm~0.55μm、または0.15μm~0.55μmの範囲内の厚さを有するホットウォールエピタキシを含むことができる。
【0109】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、ソース110、ドレイン112、およびゲート114のうちの1つまたは複数の上に、1つまたは複数の金属被覆層を設けることができる。被覆層は、Au、銀(Ag)、Al、Pt、Ti、Si、Ni、Al、および/または銅(Cu)とすることができる。他の好適な高伝導性金属を被覆層に使用することもできる。
【0110】
一態様では、フィールドプレート132は、スペーサ層117上のゲート114とドレイン112との間に配置することができる。一態様では、フィールドプレート132は、スペーサ層117上のゲート114とドレイン112との間に堆積させることができる。いくつかの態様では、フィールドプレート132は、ゲート114に隣接することができ、ゲート114をフィールドプレート132から分離するために、ゲート114の上に追加の誘電体材料スペーサ層117を少なくとも部分的に含むことができる(図示せず)。いくつかの態様では、フィールドプレート132は、ゲート114に重なることができ、ゲート114をフィールドプレート132から分離するために、ゲート114の上に追加の誘電体材料スペーサ層117を少なくとも部分的に含むことができる。
【0111】
フィールドプレート132は、ゲート114の縁部から異なる距離だけ延びることができ、好適な距離範囲は約0.1~2μmである。いくつかの態様では、フィールドプレート132は、多くの異なる伝導性材料を含むことができ、好適な材料は、金属または金属の組合せであり、標準的な金属化方法を使用して堆積される。一態様では、フィールドプレート132は、チタン、金、ニッケル、チタン/金、ニッケル/金などを含むことができる。
【0112】
一態様では、フィールドプレート132は、スペーサ層117上のゲート114とドレイン112との間に形成することができ、フィールドプレート132は、ゲート114に近接しているがゲート114に重なってはいない。一態様では、ゲート114とフィールドプレート132との間の空間は、ゲート114をフィールドプレート132から分離するのに十分な広さでありながら、フィールドプレート132によって提供される電界効果を最大にするのに十分に小さくすることができる。
【0113】
特定の態様では、フィールドプレート132は、トランジスタ100内のピーク動作電界を低減させることができる。特定の態様では、フィールドプレート132は、トランジスタ100内のピーク動作電界を低減させることができ、トランジスタ100の破壊電圧を増大させることができる。特定の態様では、フィールドプレート132は、トランジスタ100内のピーク動作電界を低減させることができ、トランジスタ100内のトラッピングを低減させることができる。特定の態様では、フィールドプレート132は、トランジスタ100内のピーク動作電界を低減させることができ、トランジスタ100内の漏れ電流を低減させることができる。
【0114】
本開示のトランジスタ100のいくつかの態様では、ソース110およびドレイン112は、ゲート114に関して対称とすることができる。いくつかのデバイスの応用例の態様では、ソース110およびドレイン112は、ゲート114に関して非対称とすることができる。
【0115】
図13は、本開示によるトランジスタを作製するプロセスを示す。
【0116】
特に図13は、本開示のトランジスタ100を作製するための例示的なプロセス800を示す。プロセス800は単なる例示であり、本明細書に開示する様々な態様に一貫して修正することができることに留意されたい。
【0117】
プロセス800は、ボックス802で、基板層102を形成することによって開始することができる。基板層102は、炭化ケイ素(SiC)から作ることができる。いくつかの態様では、基板層102は、半絶縁性のSiC基板、p型基板、n型基板などとすることができる。いくつかの態様では、基板層102を非常に軽度にドープすることができる。一態様では、背景の不純物レベルを低くすることができる。一態様では、背景の不純物レベルを1E15/cm3以下とすることができる。基板層102は、6H、4H、15R、3CのSiCなどからなる群から選択されたSiCから形成することができる。別の態様では、基板層102は、GaAs、GaN、または本明細書に記載する応用例に好適な他の材料とすることができる。別の態様では、基板層102は、スピネル、ZnO、ケイ素、または第III族窒化物材料の成長を支持することが可能な任意の他の材料を含むことができる。加えて、上述したプロセスは、本開示に一貫した任意の他の態様を含むことができる。
【0118】
ボックス804で、基板層102上に、バッファ層104を形成することができる。バッファ層104は、基板層102上に成長または堆積させることができる。一態様では、バッファ層104をGaNとすることができる。別の態様では、バッファ層104は、LEOによって形成することができる。一態様では、基板層102上に核形成層136を形成することができ、核形成層136上にバッファ層104を形成することができる。バッファ層104は、核形成層136上に成長または堆積させることができる。一態様では、バッファ層104をGaNとすることができる。別の態様では、バッファ層104は、LEOによって形成することができる。加えて、上述したプロセスは、本開示に一貫した任意の他の態様を含むことができる。
【0119】
ボックス806で、バッファ層104上に、バリア層108を形成することができる。バリア層108をn型伝導層とすることができ、または非ドープとすることができる。一態様では、バリア層108をAlGaNとすることができる。一態様では、バリア層108は、バッファ層104上に直接形成することができる。バリア層108は、バッファ層104と、ソース110、ドレイン112、およびゲート114との間に、追加の層を提供することができる。バリア層108は、AlGaN、AlN、第III族窒化物、InAlGaN、または別の好適な材料とすることができる。一態様では、バリア層108をAlGaNとすることができる。一態様では、バリア層108を非ドープとすることができる。一態様では、バリア層108をドープすることができる。一態様では、バリア層108をn型材料とすることができる。いくつかの態様では、バリア層108は、異なるキャリア濃度を有する複数のn型材料層を有することができる。一態様では、バリア層108は、第III族窒化物またはその組合せとすることができる。一態様では、バッファ層104のバンドギャップをバリア層108のバンドギャップより小さくすることができる。一態様では、適当なレベルでバイアスされると、バッファ層104とバリア層108との間のヘテロ界面152に2次元電子ガス(2DEG)を形成するように、バッファ層104のバンドギャップをバリア層108のバンドギャップより小さくすることができる。一態様では、バリア層108上および/または全体的な構造内に、追加の第III族窒化物層もしくは領域および/または異なる材料の他の層もしくは領域が存在することも可能である。層および/または領域のいずれかが、均一、不均一、段階的、および/または可変の組成、厚さ、および/またはドープを有することができる。加えて、上述したプロセスは、本開示に一貫した任意の他の態様を含むことができる。
【0120】
ボックス808で、パッシベーション層116を形成することができる。パッシベーション層116は、SiN、AlO、SiO、SiO2、AlNなど、またはこれらの複数の層を組み込む組合せなどのパッシベーション層とすることができ、バリア層108の露出面の上に堆積させることができる。加えて、上述したプロセスは、本開示に一貫した任意の他の態様を含むことができる。
【0121】
一態様では、本明細書に記載するステップ部分200および/またはステップ部分300を含むことができるゲート114の形成のために、パッシベーション層116は、少なくとも1つの層および少なくとも1つのエッチングプロセスを含むことができる。一態様では、本明細書に記載するステップ部分200および/またはステップ部分300を含むことができるゲート114の形成のために、パッシベーション層116は、複数の層および複数のエッチングプロセスを含むことができる。
【0122】
一態様では、本明細書に記載するステップ部分200および/またはステップ部分300を含むことができるゲート114の形成のために、パッシベーション層116の少なくとも1つの層を堆積させることができ、パッシベーション層116の少なくとも1つの層内で、少なくとも1つの光リソグラフィマスクを利用して、ステップ部分200および/またはステップ部分300の形状をエッチングすることができる。
【0123】
一態様では、本明細書に記載するステップ部分200および/またはステップ部分300を含むことができるゲート114の形成のために、パッシベーション層116は、複数の層を含むことができ、各層は、ステップ部分200および/またはステップ部分300の形状の一部を形成するように堆積させることができ、各層は、本明細書に記載するステップ部分200および/またはステップ部分300の形状を形成するように、エッチングプロセスを利用してエッチングすることができる。エッチングプロセスは、本明細書に記載するステップ部分200および/またはステップ部分300の形状を形成するように、パッシベーション層116の部分を除去するための任意のプロセスを含むことができる。エッチングプロセスは、エッチングに耐えるマスキング材料を含むことができる。マスキング材料は、フォトリソグラフィを使用してパターニングされたフォトレジストとすることができる。エッチングプロセスは、湿式エッチング、異方性湿式エッチング、プラズマエッチングなどのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0124】
一態様では、本明細書に記載するステップ部分200および/またはステップ部分300を含むことができるゲート114の形成のために、パッシベーション層116は、複数の層を含むことができ、各層は、ステップ部分200および/またはステップ部分300の形状の一部を形成するように堆積させることができ、各層は、本明細書に記載するステップ部分200および/またはステップ部分300の形状を形成するように、より広いゲート長の開口を含むことができる光リソグラフィマスクおよび/または複数の異なる形状の光リソグラフィマスクを利用してエッチングすることができる。
【0125】
一態様では、本明細書に記載するステップ部分200および/またはステップ部分300を含むことができるゲート114の形成のために、パッシベーション層116は、複数の層を含むことができ、各層は、ステップ部分200および/またはステップ部分300のステップを形成するように堆積させることができ、各層は、本明細書に記載するステップ部分200および/またはステップ部分300のステップを各々形成するように、より広いゲート長の開口を含むことができる光リソグラフィマスクおよび/または複数の異なる形状の光リソグラフィマスクを利用してエッチングすることができる。
【0126】
ボックス810で、ゲート114をソース110とドレイン112との間のバリア層108上に配置することができる。ゲート114は、スペーサまたはパッシベーション層116の上に延びることができる。パッシベーション層116をエッチングし、上述したように、ゲート114の底部がバリア層108の表面上に位置しかつ/または隣接するように、ゲート114を堆積させることができる。ゲート114を形成する金属は、パッシベーション層116を横切って延び、ゲート114の頂部がフィールドプレート132を形成するようにパターニングすることができる。
【0127】
特に、ゲート114の形成は、本明細書に記載するステップ部分200および/またはステップ部分300を含むことができる。一態様では、ゲート114のステップ部分200および/またはステップ部分300は、上述したように、パッシベーション層116をエッチングすることによって形成することができる。他の態様を利用して、ゲート114のステップ部分200および/またはステップ部分300を形成することもできる。
【0128】
ゲート114のために、蒸着または別の技法によってNi、Pt、AUなどの層を形成することができる。次いで、PtおよびAuまたは他の好適な材料の堆積によって、ゲート構造を完成させることができる。いくつかの態様では、ゲート114のコンタクトは、Al、Ti、Si、Ni、および/またはPtを含むことができる。
【0129】
さらに、プロセス800中、追加のプロセス812を実行することができる。たとえば、バリア層108上にソース110を配置することができる。ソース110は、アニーリングすることができる好適な材料のオーミックコンタクトとすることができる。たとえば、ソース110は、約500℃~約800℃の温度で約2分間アニーリングすることができる。しかし、他の時間および温度を利用することもできる。たとえば、約30秒~約10分の時間を許容可能とすることができる。いくつかの態様では、ソース110は、Al、Ti、Si、Ni、および/またはPtを含むことができる。一態様では、バリア層108内に、N+材料であるソース110の下の領域を形成することができる。一態様では、ドレイン112の下の領域をSiでドープすることができる。
【0130】
さらに、プロセス812中、バリア層108上にドレイン112を配置することができる。ソース110と同様に、ドレイン112は、Niまたは別の好適な材料のオーミックコンタクトとすることができ、同様にアニーリングすることもできる。一態様では、バリア層108とともにn+のインプラントを使用することができ、これらのコンタクトがインプラントに対して作られる。一態様では、バリア層108内に、N+材料であるドレイン112の下の領域を形成することができる。一態様では、ドレイン112の下の領域をSiでドープすることができる。
【0131】
ソース電極110およびドレイン電極112を形成して、オーミックコンタクトを作製することができ、したがって、ゲート電極114が適当なレベルでバイアスされると、バッファ層104とバリア層108との間のヘテロ界面152に誘起される2次元電子ガス(2DEG)を介して、ソース電極110とドレイン電極112との間に電流が流れる。一態様では、ヘテロ界面152は、0.005μm~0.007μm、0.007μm~0.009μm、および0.009μm~0.11μmの範囲内とすることができる。
【0132】
さらに、プロセス812のいくつかの態様中、フィールドプレート132を別の保護層の上に配置することができ、ゲート114から分離することができる。一態様では、フィールドプレート132は、スペーサ層117上のゲート114とドレイン112との間に堆積させることができる。いくつかの態様では、フィールドプレート132は、多くの異なる伝導性材料を含むことができ、好適な材料は、金属または金属の組合せであり、標準的な金属化方法を使用して堆積される。一態様では、フィールドプレート132は、チタン、金、ニッケル、チタン/金、ニッケル/金などを含むことができる。一態様では、複数のフィールドプレート132を使用することができる。一態様では、複数のフィールドプレート132を使用することができ、複数のフィールドプレート132の各々を積み重ねて、複数のフィールドプレート132間に誘電体材料を積み重ねることができる。一態様では、フィールドプレート132は、ゲート114の縁部からドレイン112の方へ延びる。一態様では、フィールドプレート132は、ソース110の方へ延びる。一態様では、フィールドプレート132は、ドレイン112およびソース110の方へ延びる。別の態様では、フィールドプレート132は、ゲート114の縁部の方へ延びない。最後に、この構造を、窒化ケイ素などの誘電体スペーサ層117で覆うことができる。誘電体スペーサ層117はまた、パッシベーション層116と同様に実装することができる。さらに、これらの図に示すゲート114の断面形状が例示的であることに留意されたい。たとえば、いくつかの態様では、ゲート114の断面形状は、T字延長を含まなくてもよい。ゲート114の他の構造を利用することもできる。加えて、上述したプロセスは、本開示に一貫した任意の他の態様を含むことができる。
【0133】
上述した態様に一貫した異なる順序で、プロセス800の態様を実行することができることに留意されたい。加えて、上述した態様に一貫した異なる方法で、プロセス800の部分を実行することができることに留意されたい。さらに、プロセス800は、本明細書に開示する様々な態様に一貫したより多いまたはより少ないプロセスを有するように修正することができる。
【0134】
それに応じて、本開示は、チャネル層内の電磁場を調節してより低いピンチオフ電圧および/またはより低い漏れ電流をもたらすことができるゲート形状を有するように構成、構築、および/または配置することができるゲートを有するトランジスタ100、ならびにトランジスタを作製するプロセスについて説明した。さらに、本開示は、チャネル層内の空乏領域を強化して漏れ電流を低減させることができるゲート形状を有するように構成、構築、および/または配置することができるゲートを有するトランジスタ100、ならびにトランジスタを作製するプロセスについて説明した。加えて、本開示は、漏れ電流の減少のために許容動作温度を増大させる改善されたサーマルバジェットを有するゲートを有するトランジスタ100およびトランジスタを作製するプロセスについて説明した。加えて、本開示は、改善されたサーマルバジェットを有するゲートを有する直流(DC)応力、無線周波(RF)応力などに部分的に基づくことができるデバイス寿命を増大させるトランジスタ100およびトランジスタを作製するプロセスについて説明した。
【0135】
加えて、本明細書に記載するように、ステップ部分200および/またはステップ部分300を有するゲート114は、窒化ガリウム(GaN)系の高電子移動度トランジスタ(HEMT)で利用することができる。しかし、本開示は、ステップ部分200および/またはステップ部分300を有するゲート114のこの特定の応用例に限定されるものではない。ステップ部分200および/またはステップ部分300を有するゲート114は、類似の動作改善を有する他の類似の微小電子デバイス、他のトランジスタ、他の半導体デバイスなどで利用することができる。
【0136】
特定の態様では、本開示のトランジスタ100を増幅器で利用することができる。さらなる態様では、本開示のトランジスタ100は、無線デバイスに接続する無線基地局内で利用することができる。さらなる態様では、本開示のトランジスタ100は、無線デバイスに接続する無線基地局によって実装される増幅器内で利用することができる。さらなる態様では、本開示のトランジスタ100は、無線デバイス内で利用することができる。さらなる態様では、本開示のトランジスタ100は、無線デバイス内で実装される増幅器内で利用することができる。
【0137】
本開示では、無線デバイスへの参照は、移動電話、タブレットコンピュータ、ゲーミングシステム、MP3プレーヤ、パーソナルコンピュータ、PDA、ユーザ機器(UE)などの電子デバイスを包含することを意図したものであることを理解されたい。「無線デバイス」は、移動電話、移動機器、移動局、ユーザ機器、セルラー電話、スマートフォン、ハンドセット、無線ドングル、遠隔警報デバイス、モノのインターネット(IoT)に基づく無線デバイス、または無線ネットワークによって対応することができる他の移動コンピューティングデバイスなど、無線通信ネットワークに接続することができる任意の適合している移動技術のコンピューティングデバイスを包含することを意図したものである。無線デバイスは、GSM、CDMA、ワイヤレスローカルループ、Wi-Fi、WiMAX、他のワイドエリアネットワーク(WAN)技術、3G技術、4G技術、5G技術、LTE技術などのような無線通信技術を利用することができる。
【0138】
本開示では、無線基地局への参照は、無線デバイスとネットワークとの間の無線通信を容易にするベーストランシーバ局(BTS)、ノードBデバイス、基地局(BS)デバイス、進化型ノードBデバイスなどを包含することを意図したものであることを理解されたい。無線基地局および/またはネットワークは、GSM、CDMA、ワイヤレスローカルループ、Wi-Fi、WiMAX、他のワイドエリアネットワーク(WAN)技術、3G技術、4G技術、5G技術、LTE技術などのような無線通信技術を利用することができる。
【0139】
いくつかの態様では、d1、d2、d3、および/またはd4の寸法は、チャネル層内の電磁場を調節してより低いピンチオフ電圧、より低い漏れ電流などをもたらすのに重要となりうる。いくつかの態様では、d1、d2、d3、および/またはd4の寸法は、チャネル層内の空乏領域を強化して漏れ電流を低減させるのに重要となりうる。
【0140】
本開示について、例示的な態様に関して説明したが、添付の特許請求の範囲の精神および範囲の修正とともに、本開示を実施することができることが、当業者には理解されよう。上述したこれらの例は、単なる例示であり、本開示のすべての可能な設計、態様、応用例、または修正の網羅的な一覧であることを意味したものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
基板と、
前記基板上のバッファ層と、
前記バッファ層上のバリア層と、
前記バリア層上のパッシベーション層と、
前記バリア層に電気的に結合されたソースと、
前記バリア層に電気的に結合されたゲートと、
前記バリア層に電気的に結合されたドレインと、
を備え、
前記ゲートが少なくとも1つの第1の表面を備え、前記少なくとも1つの第1の表面が少なくとも1つの変曲点を介して少なくとも1つの第2の表面に接続され、
前記少なくとも1つの変曲点が前記パッシベーション層内に配置される、
デバイス。
【外国語明細書】