(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133592
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】基板処理システムキャリア
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
H01L21/68 T
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024107852
(22)【出願日】2024-07-04
(62)【分割の表示】P 2022557666の分割
【原出願日】2021-03-22
(31)【優先権主張番号】62/993,528
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/205,878
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】グリーン アーロン
(72)【発明者】
【氏名】バーガンツ ニコラス マイケル
(72)【発明者】
【氏名】コックス デイモン ケイ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット アンドレアス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板処理システムキャリアであって、基板処理システム内のステーション間でプロセスキットリング(例えば、エッジリング)及び/又は他のチャンバコンポーネントを運搬するキャリアを提供する。
【解決手段】キャリア200は、複数の開口部を形成する剛体210と、複数の開口部を介して剛体に着脱可能に取り付ける複数のファスナ230を含む。フィンガ240の第1のセット(例えば、3本のフィンガ)は、複数のファスナ及び複数の開口部を介して、剛体に着脱可能に取り付けられる。フィンガの第1のセットは、基板処理システム内でのキャリアの第1搬送中に第1コンテンツを支持する。フィンガの第2のセットは、複数のファスナ及び複数の開口部を介して剛体に着脱可能に取り付けられる。フィンガの第2のセットは、基板処理システム内でのキャリアの第2搬送中に第2コンテンツを支持する。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアであって、
複数の開口部を形成する剛体と、
複数の開口部を介して剛体に着脱可能に取り付けるように構成された複数のファスナであって、
フィンガの第1のセットが複数のファスナ及び複数の開口部を介して剛体に着脱可能に取り付けられるように構成され、フィンガの第1のセットが、基板処理システム内でのキャリアの第1の搬送中に第1のコンテンツを支持するように構成され、
フィンガの第2のセットが複数のファスナ及び複数の開口部を介して剛体に着脱可能に取り付けられるように構成され、フィンガの第2のセットが、基板処理システム内でのキャリアの第2の搬送中に第2のコンテンツを支持するように構成されるファスナを含むキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、コンテンツを搬送するための装置及び方法に関し、特に、基板処理システム内でプロセスキットリング等のコンテンツを搬送するためのキャリアに関する。
【背景】
【0002】
半導体処理やその他の電子処理では、ロボットアームを使用して処理チャンバ間、保管領域(例えば、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP))から処理チャンバまで、処理チャンバから保管領域まで等でオブジェクト(例えば、ウエハ等)を搬送するプラットフォームがよく使用される。
【概要】
【0003】
以下は、本開示の幾つかの側面の基本的な理解を提供するための開示の簡略化された概要である。この概要は開示の広範な概要ではない。本開示のキーとなる又は重要な要素を特定することも、本開示の特定の実施の範囲又は特許請求の範囲を特定することも意図していない。その唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の前置きとして、本開示の幾つかの概念を簡略化された形式で提示することである。
【0004】
本開示の一態様では、キャリアは、複数の開口部を形成する剛体と、複数の開口部を介して剛体に着脱可能に取り付けるように構成された複数のファスナを含む。フィンガの第1のセットは、複数のファスナ及び複数の開口部を介して剛体に着脱可能に取り付けられるように構成される。フィンガの第1のセットは、基板処理システム内でのキャリアの第1の搬送中に第1のコンテンツを支持するように構成される。フィンガの第2のセットは、複数のファスナ及び複数の開口部を介して剛体に着脱可能に取り付けられるように構成される。フィンガの第2のセットは、基板処理システム内でのキャリアの第2の搬送中に第2のコンテンツを支持するように構成される。
【0005】
本開示の他の態様では、フィンガは、基板処理システムのキャリアに着脱可能に取り付けるように構成される。フィンガは、実質的に第1の平面に配置された第1の上面と、実質的に第1の平面の上方にある第2の平面内に配置された第2の上面を含む。第1の上面は、キャリアの搬送中にコンテンツを支持するように構成される。フィンガは、第1の上面と第2の上面の間に配置された側壁を更に含む。フィンガは更に下面を含む。第2の上面から下面までフィンガを介して第1の開口部が形成される。下面は、第2の開口部を形成するキャリアの一部を受領する凹部を形成する。フィンガは、フィンガの第1の開口部及びキャリアの第2の開口部を介して挿入されたファスナを介してキャリアに取り付けられる。
【0006】
本開示の他の態様では、方法は、基板処理システムにおける第1の搬送に関連する第1のコンディションを決定し、第1のコンディションに対応するフィンガの第1のセットを特定することを含む。更に、方法は、複数のファスナを介してキャリアの剛体に第1のセットのフィンガを取り付けることと、キャリアを介して基板処理システム内で搬送される第1のフィンガのセットに第1のコンテンツを配置することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、同様の参照が同様の要素を示す添付図面の図において、限定ではなく例として示される。本開示における「ある」又は「1つの」実施形態に対する異なる参照は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、そのような参照は少なくとも1つを意味することに留意すべきである。
【
図2N】特定の実施形態によるキャリアの図を示す。
【
図3B】特定の実施形態によるキャリアのフィンガを示す図である。
【
図4F】特定の実施形態による、キャリアのフィンガ及びファスナを示す図である。
【
図5】特定の実施形態による、キャリアを使用する方法を示す。
【実施形態の詳細な説明】
【0008】
本明細書で説明する実施形態は、基板処理システムキャリアに関する。特定の実施形態は、基板処理システム内のステーション間でプロセスキットリング(例えば、エッジリング)及び/又は他のチャンバコンポーネントを運搬するように構成されたキャリアに関する。キャリアは、ウエハ等の基板をピックアップし、移動し、及び配置するように構成されたロボットアームにより、ピックアップされ、移動され、及び配置される。キャリアにより、他のタイプのオブジェクト(例えば、プロセスキットリング等)を、基板を処理するように構成されたロボットアームで処理することができる。
【0009】
処理システム(ウエハ処理システム等)は、基板を処理するための1つ以上の処理チャンバを有する。処理チャンバ内で基板をエッチングするためにガスが使用される(例えば、基板はエッチングチャンバ内で所定の位置に静電的にクランプされている間にエッチングされる)。基板支持アセンブリは、(例えば、処理チャンバの1つ以上の部分、基板を保護するために)一般的に基板を取り囲む1つ以上のプロセスキットリングを含む。例えば、エッジリング又はプロセスキットリングと呼ばれる円形部品は基板の外径のすぐ外側に配置され、基板を支持するチャック(例えば、静電チャック)の上面がエチャントケミストリによりエッチングされるのを防止する。プロセスキットリングは幾つかの異なる材料から製造され、異なる形状を有することができ、どちらもプロセスキットリング付近のプロセスの均一性に影響を与える。処理中、プロセスキットリング及び処理チャンバの他のコンポーネントは時間の経過と伴にエッチングされ、形状の変化や処理の均一性の変化をもたらす。
【0010】
プロセスキットリング及び他のコンポーネントの劣化による処理均一性の変化に対応するため、プロセスキットリング及び他のコンポーネントは交換される。幾つかのコンポーネント(例えば、プロセスキットリング等)は、スケジュールに従って交換される。従来、コンポーネント(例えば、プロセスキットリング等)を交換するには、オペレータが処理チャンバを開口して内部のコンポーネントにアクセスし、手動でコンポーネントを取り外して交換し、処理チャンバを閉鎖する。処理チャンバが開口している間、処理チャンバと処理システムは、細胞、髪の毛、ほこり等で汚染される可能性がある。開口後、処理チャンバ及び/又は処理システムは、数日から数週間、オペレーションから処理チャンバ及び/又は処理システムを外す再認定プロセスを実行する。再認定プロセスは、生産ラインの歩留まり、スケジューリング、品質(例えば、システムに変数を追加した場合等)、ユーザー時間、使用エネルギー等に影響を与える。
【0011】
本明細書で開示されるデバイス、システム、及び方法は、基板処理システムキャリア(本明細書では、チャンバコンポーネントキャリア、又は単にキャリアとも呼ばれる)を提供する。キャリアは、様々なタイプのコンディションで、様々なタイプのコンテンツの自動交換を可能にする(例えば、シール環境を維持しながら、プロセスチャンバを開口せずに)。キャリアは、開口部を形成する剛体と、開口部を介して剛体に着脱可能に取り付けるように構成されたファスナを含む。フィンガの第1のセット(例えば、3つのフィンガ)は、ファスナ及び開口部を介して剛体に着脱可能に取り付けられるように構成される。フィンガの第1のセットは、基板処理システム内でのキャリアの第1の搬送(例えば、ロボットアームを介する)の間、第1コンテンツを支持するように構成される。フィンガの第2のセット(例えば、3つのフィンガ)は、ファスナ及び開口部を介して剛体に着脱可能に取り付けられるように構成される。フィンガの第2のセットは、基板処理システム内でのキャリアの第2の搬送(例えば、ロボットアームを介する)の間、第2のコンテンツを支持するように構成される。幾つかの実施形態では、第1のコンテンツと第2のコンテンツは異なるタイプのコンテンツである。幾つかの例では、コンテンツは、新しいプロセスキットリング、使用済みプロセスキットリング、基板処理システムの新しいチャンバコンポーネント、基板処理システムの使用済みチャンバコンポーネント等の1つ以上を含む。
【0012】
幾つかの実施形態では、第1の搬送と第2の搬送は異なるコンディション下にある。幾つかの実施形態では、フィンガの第1のセットの各々のフィンガは第1のコンディションのために構成された第1の材料を含み、フィンガの第2のセットの各々のフィンガは第1のコンディションと異なる第2のコンディションのために構成された第2の材料を含む。幾つかの例では、コンディションは、腐食コンディション、清浄コンディション、静電気コンディション、高温、高圧、大気圧、真空等の1つ以上を含む。
【0013】
幾つかの実施形態では、各々のフィンガは、第1の上面、第2の上面、側壁、及び下面を有する。第1の上面は実質的に第1の平面内に配置され、キャリアの搬送中にコンテンツを支持するように構成される。第2の上面は実質的に第1の平面より上にある第2の平面内に配置される。側壁は第1上面と第2上面の間に配置される。第1の開口部が第2の上面から下面までフィンガを介して形成される。下面は、第2の開口部を形成するキャリアの一部を受領する凹部を形成する。フィンガは、フィンガの第1の開口部及びキャリアの第2の開口部を介して挿入されたファスナを介してキャリアに着脱可能に取り付けられる。幾つかの実施形態では、コンテンツは、キャリアの搬送中に剛体に接触することなく、フィンガのセットに接触する。幾つかの実施形態では、剛体により形成される開口部はスロットであり、各々のフィンガはスロットを介して剛体上に調節可能に配置される。幾つかの例では、フィンガの位置はフィンガの摩耗に基づいて調整される。幾つかの例では、フィンガの位置は、キャリアにより搬送されるコンテンツのタイプ(例えば、サイズ等)に基づいて調整される。
【0014】
幾つかの実施形態では、フィンガの側壁は、第1の上面に対して約100~110°の角度(例えば、直交から約15°)を有する上部と、約90~100°(例えば、直角から約5°)の角度を有する下部とを有する。幾つかの実施形態では、フィンガは、第1の上面と側壁の間に面取りを更に含む。幾つかの実施形態では、フィンガは静電荷を放散するように構成される。
【0015】
キャリア(例えば、剛体)は、ロボットアームのエンドエフェクタとインターフェースするように構成された1つ以上の下面を含む。キャリア(例えば、剛体)は、真空チャックとインターフェースするように構成された1つ以上の下面(例えば、中実の平面中央領域)を含む。
【0016】
本明細書で開示されるデバイス、システム、及び方法は、従来の解決策を超える利点を有する。基板処理システムキャリアは、プロセスチャンバを開口することなく、またその後の再認定プロセスなしで、様々なタイプのコンディションで様々なタイプのコンテンツの自動交換を可能にする。基板処理システムキャリアは、ウエハの搬送に使用される機器(例えば、ロボットアームのエンドエフェクタ、真空チャック、リフトピン等)とインターフェースするように構成される。基板処理システムキャリアの使用により、ウエハ処理システムのウエハハンドリングコンポーネント(例えば、真空チャック、エンドエフェクタ、ロボットアーム、スリットバルブ、ロードポート等)が、適応なしに、又は最小限の適応で、プロセスキットリング及び他のコンポーネントもハンドリングすることが可能になる。コンポーネントを交換するために基板処理システムキャリアを使用すると、従来の解決策よりも、ライン歩留まり、スケジューリング、基板品質、ユーザー時間、使用エネルギー等への影響が少なくなる。更に、基板処理システムキャリアの使用により、基板のハンドリングのために構成されたロボット及び/又はステーションが、改造されることなく、他のタイプのオブジェクト(例えば、チャンバコンポーネント)もハンドリングすることが可能になる。これにより、基板処理システムの総所有コストを低減することができる。
【0017】
本説明の一部はプロセスキットリングに言及しているが、本説明は異なるタイプのコンテンツ(例えば、プロセスキットリングに加えて、エッジリング、シャワーヘッド、マスク、マスクハンドラ、ハーフリング等の異なるタイプのチャンバコンポーネント)に適用することができる。本説明の一部は基板処理システムに言及しているが、本説明は他のタイプのシステムに適用することができる。
【0018】
図1は、特定の実施形態による処理システム100(例えば、ウエハ処理システム、基板処理システム、半導体処理システム)を示す。処理システム100は、ファクトリインターフェース101及びロードポート128(例えば、ロードポート128A~D)を含む。幾つかの実施形態では、ロードポート128A~Dは、ファクトリインターフェース101に直接取り付けられる(例えば、シールされる)。エンクロージャシステム130(例えば、カセット、FOUP、プロセスキットエンクロージャシステム等)は、ロードポート128A~Dに着脱可能に結合(例えば、ドッキング)するように構成される。
図1において、エンクロージャシステム130Aはロードポート128Aに結合され、エンクロージャシステム130Bはロードポート128Bに結合され、エンクロージャシステム130Cはロードポート128Cに結合され、エンクロージャシステム130Dはロードポート128Dに結合される。幾つかの実施形態では、1つ以上のエンクロージャシステム130がロードポート128に結合され、ウエハ及び/又は他の基板を処理システム100から又は処理システム100に搬送する。エンクロージャシステム130の各々は、各々のロードポート128に対してシールされる。幾つかの実施形態では、第1のエンクロージャシステム130Aがロードポート128Aにドッキングされる(例えば、使用済みのプロセスキットリングの交換のため)。このような1つ以上のオペレーションが実行されると、第1のエンクロージャシステム130Aがロードポート128Aからアンドックされ、次に、第2のエンクロージャシステム130(例えば、ウエハを含むFOUP)が同じロードポート128Aにドッキングされる。幾つかの実施形態では、(例えば、異なるタイプのフィンガを使用するように構成された)キャリアが、エンクロージャシステム130と処理システム100の他の部分の間で異なるタイプのコンテンツを搬送するために使用される。
【0019】
幾つかの実施形態では、ロードポート128は、垂直開口部(又は実質的に垂直な開口部)を形成するフロントインターフェースを含む。追加的に、ロードポート128は、エンクロージャシステム130(例えば、カセット、プロセスキットエンクロージャシステム)を支持するための水平面を含む。各々のエンクロージャシステム130(例えば、ウエハのFOUP、プロセスキットエンクロージャシステム)は、垂直開口部を形成するフロントインターフェースを有する。エンクロージャシステム130のフロントインターフェースは、ロードポート128のフロントインターフェースとインターフェースする(例えば、シールする)サイズである(例えば、エンクロージャシステム130の垂直開口部は、ロードポート128の垂直開口部とほぼ同じサイズである)。エンクロージャシステム130はロードポート128の水平面上に配置され、エンクロージャシステム130の垂直開口部は、ロードポート128の垂直開口部と位置合わせされる。エンクロージャシステム130のフロントインターフェースはロードポート128のフロントインターフェースと相互接続(例えば、クランプ、固定、シール等)する。エンクロージャシステム130の底板(例えば、ベースプレート)は、ロードポート128の水平面と係合するフィーチャ(例えば、凹部又はレセプタクル等のロードポート動的ピンフィーチャ、ピンクリアランスのためのロードポートフィーチャ、及び/又はエンクロージャシステムドッキングトレイラッチクランプフィーチャ)を有する。同じロードポート128が異なるタイプのエンクロージャに使用される(例えば、プロセスキットエンクロージャシステム、ウエハを含むカセット等)。
【0020】
幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム130(例えば、プロセスキットエンクロージャシステム)は、コンテンツ110の1つ以上のアイテム(例えば、1つ以上のプロセスキットリング、空のプロセスキットリングキャリア、プロセスキットリングキャリア上に配置されたプロセスキットリング、配置検証ウエハ、処理システム100のコンポーネント等)を含む。幾つかの例では、エンクロージャシステム130はファクトリインターフェース101に結合され(例えば、ロードポート128を介して)、使用済みプロセスキットの交換のために、プロセスキットリングキャリア上のプロセスキットリングをプロセスシステム100に自動的に搬送することができる。
【0021】
幾つかの実施形態では、処理システム100は、ファクトリインターフェース101を各々の脱気チャンバ104a、104bに結合する第1の真空ポート103a、103bも含む。第2の真空ポート105a、105bは各々の脱気チャンバ104a、104bに結合され、脱気チャンバ104a、104bと搬送チャンバ106の間に配置され、ウエハ及びコンテンツ110(例えば、プロセスキットリング)の搬送チャンバ106への搬送を容易にする。幾つかの実施形態では、処理システム100は、1つ以上の脱ガスチャンバ104及び対応する数の真空ポート103、105を含む、及び/又は使用する(例えば、処理システム100は、単一の脱ガスチャンバ104、単一の第1の真空ポート103、及び単一の第2の真空ポート105を含む)。搬送チャンバ106は、その周囲に配置され結合された複数の処理チャンバ107(例えば、4つの処理チャンバ107、6つの処理チャンバ107等)を含む。処理チャンバ107は、各々のポート108(例えば、スリットバルブ等)を介して搬送チャンバ106に結合される。幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェース101は高圧(例えば、大気圧)であり、搬送チャンバ106は低圧(例えば、真空)である。各々の脱気チャンバ104(例えば、ロードロック、圧力チャンバ)は、ファクトリインターフェース101から脱気チャンバ104をシールするための第1のドア(例えば、第1の真空ポート103)と、搬送チャンバ106から脱ガスチャンバ104をシールするための第2のドア(例えば、第2の真空ポート105)を有する。第1のドアが開いて第2のドアが閉じられている間に、コンテンツはファクトリインターフェース101から脱気チャンバ104に搬送され。第1のドアが閉じられると、脱気チャンバ内の圧力が搬送チャンバ106と一致するように低下し、第2のドアが開くと、コンテンツが脱ガスチャンバ104から搬送される。ローカルセンタファインダ(LCF)デバイスを使用して、搬送チャンバ106内でコンテンツをアライメントする(例えば、処理チャンバ107に入る前、処理チャンバ107を出た後)。
【0022】
幾つかの実施形態では、処理チャンバ107は、エッチングチャンバ、堆積チャンバ(原子層堆積、化学気相堆積、物理気相堆積、又はこれらのプラズマ強化バージョンを含む)、アニールチャンバ等の1つ以上を含む。
【0023】
ファクトリインターフェース101はファクトリインターフェースロボット111を含む。ファクトリインターフェースロボット111は、ロボットアーム(例えば、選択的コンプライアンスアセンブリロボットアーム(SCARA)を含む。SCARAロボッの例には、2リンクSCARAロボット、3リンクSCARAロボット、4リンクSCARAロボット等が含まれる。ファクトリインターフェースロボット111は、ロボットアームの端部にエンドエフェクタを含む。エンドエフェクタは、特定のオブジェクト(例えば、ウエハ等)を持ち上げて処理するように構成される。代替的又は追加的に、エンドエフェクタは、オブジェクト(例えば、キャリア及び/又はプロセスキットリング(エッジリング)等)を取り扱うように構成される。ロボットアームは、エンドエフェクタを異なる向き及び異なる位置に移動するために移動されるように構成された1つ以上のリンク又は部材(例えば、リスト部材、上腕部材、前腕部材等)を有する。
【0024】
ファクトリインターフェースロボット111は、エンクロージャシステム130(例えば、カセット、FOUP)と脱気チャンバ104a、104b(又はロードポート)の間でオブジェクトを搬送するように構成される。従来のシステムは、異なるタイプのコンテンツを交換するために処理システム(例えば、ファクトリインターフェース、搬送チャンバ、処理チャンバ)の開口(例えば、分解、シールの破壊、汚染)に関連しているが、処理システム100は、オペレータによる処理システム100の開口(例えば、分解、シールの破壊、汚染)なしに、コンテンツの搬送及び交換を容易にするよう構成される。従って、幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム130の内部容積及びファクトリインターフェース101の内部容積を含むシール環境が、(例えば、交換可能なフィンガを有するキャリアを介した)コンテンツの交換中維持される。
【0025】
搬送チャンバ106は搬送チャンバロボット112を含む。搬送チャンバロボット112は、その端部にエンドエフェクタを有するロボットアームを含む。エンドエフェクタは、特定のオブジェクト(例えば、ウエハ等)をハンドリングするように構成される。幾つかの実施形態では、搬送チャンバロボット112はSCARAロボットであるが、幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット111よりも少ないリンク及び/又は少ない自由度を有する。
【0026】
コントローラ109は、処理システム100の様々な態様を制御する。コントローラ109は、コンピューティングデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、マイクロコントローラ等)であり、及び/又はこれを含む。コントローラ109は1つ以上の処理装置を含み、これは、幾つかの実施形態では、汎用処理装置(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理装置等)である。より具体的には、幾つかの実施形態では、処理デバイスは、コンプレクスインストラクションセットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、リデューストインストラクションセットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、ベリーロングインストラクションワード(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他のインストラクションセットを実行するプロセッサ又はインストラクションセットの組み合わせを実行するプロセッサである。
【0027】
幾つかの実施形態では、処理デバイスは1つ以上の専用処理デバイス(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ等)である。幾つかの実施形態では、コントローラ109は、データ記憶装置(例えば、1つ以上のディスクドライブ及び/又はソリッドステートドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、及び/又は他のコンポーネンを含む。幾つかの実施形態では、コントローラ109は、本明細書に記載の方法又はプロセスの任意の1つ以上を実行するためのインストラクションを実行する。インストラクションはコンピュータ可読記憶媒体に格納され、これはメインメモリ、スタティックメモリ、二次記憶装置、及び/又は処理装置(インストラクションの実行中)の1つ以上を含む。幾つかの実施形態において、コントローラ109はファクトリインターフェースロボット111及びウエハ搬送チャンバロボット112から信号を受信し、これらに制御を送信する。
【0028】
図1は、コンテンツ110(例えば、プロセスキットリングキャリアに結合されたプロセスキットリング)の処理チャンバ107への搬送を概略的に示す。本開示の一態様によれば、コンテンツ110は、ファクトリインターフェース101内に位置するファクトリインターフェースロボット111を介してエンクロージャシステム130から取り出される。ファクトリインターフェースロボット111は、コンテンツ110を、第1の真空ポート103a、103bの1つを介して、各々の脱気チャンバ104a、104b内に搬送する。搬送チャンバ106内に位置する搬送チャンバロボット112は、第2の真空ポート105a又は105bを介して脱気チャンバ104a、104bの1つからコンテンツ110を取り出す。搬送チャンバロボット112はコンテンツ110を搬送チャンバ106内に移動し、ここでコンテンツ110は各々のポート108を介して処理チャンバ107に搬送される。
図1には明確に示されてはないが、コンテンツ110の搬送は、プロセスキットリングキャリア上に配置されたプロセスキットリングの搬送、空のプロセスキットリングキャリアの搬送、配置検証ウエハの搬送等を含む。
【0029】
図1はコンテンツ110の搬送の一例を示すが、他の例も考えられる。幾つかの例では、エンクロージャシステム130を(例えば、搬送チャンバ106に取り付けられたロードポートを介して)搬送チャンバ106に結合することが考えられる。搬送チャンバ106から、コンテンツ110は、搬送チャンバロボット112により処理チャンバ107にロードされる。更に、幾つかの実施形態では、コンテンツ110は基板支持ペデスタル(SSP)にロードされる。幾つかの実施形態では、追加のSSPが、図示のSSPの反対側のファクトリインターフェース101と連絡するように配置される。処理されたコンテンツ110(例えば、使用済みプロセスキットリング)は、本明細書に記載された方法と逆の方法で処理システム100から除去される。複数のエンクロージャシステム130又はエンクロージャシステム130とSSPの組み合わせが利用されているが、幾つかの実施形態では、1つのSSP又はエンクロージャシステム130が未処理のコンテンツ110(例えば、新しいプロセスキットリング)に使用され、他のSSP又はエンクロージャシステム130が処理されたコンテンツ110(例えば、使用済みプロセスキットリング)を受領するために使用される。
【0030】
処理システム100は、ファクトリインターフェース101(例えば、イクイップメントフロントエンドモジュール(EFEM))、及びファクトリインターフェース101に隣接する隣接チャンバ(例えば、ロードポート128、エンクロージャシステム130、SSP、ロードロック102等の脱気チャンバ104)等のチャンバを含む。1つ以上のチャンバがシールされている(例えば、各チャンバがシールされている)。隣接チャンバは、ファクトリインターフェース101に対してシールされる。幾つかの実施形態では、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、クリプトン、又はキセノンの1つ以上)が、1つ以上のチャンバ(例えば、ファクトリインターフェース101及び/又は隣接チャンバ)に提供され、1つ以上の不活性環境を提供する。幾つかの例では、ファクトリインターフェース101は、ファクトリインターフェース101内に不活性環境(例えば、不活性EFEMミニ環境)を維持する不活性EFEMであり、これにより、ユーザーはファクトリインターフェース101に入る必要がなくなる(例えば、処理システム100は、ファクトリインターフェース101内でのマニュアルアクセスがないように構成される)。
【0031】
幾つかの実施形態では、ガス流(例えば、不活性ガス、窒素)が、処理システム100の1つ以上のチャンバ(例えば、ファクトリインターフェース101)に供給される。幾つかの実施形態では、ガス流は、1つ以上のチャンバを介したリークより大きく、1つ以上のチャンバ内で正圧を維持する。幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェース101内の不活性ガスは再循環される。幾つかの実施形態では、不活性ガスの一部は排出される。幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェース101内への非再循環ガスのガス流は、排出ガス流及びガスリークよりも大きく、ファクトリインターフェース101内の不活性ガスの正圧を維持する。幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェース101は1つ以上のバルブ及び/又はポンプと結合され、ファクトリインターフェース101内への及びファクトリインターフェース101からのガス流を提供する。処理装置(例えば、コントローラ109)は、ファクトリインターフェース101に出入りするガス流を制御する。幾つかの実施形態では、処理装置は、1つ以上のセンサ(例えば、酸素センサ、水分センサ、モーションセンサ、ドア作動センサ、温度センサ、圧力センサ等)からセンサデータを受信し、センサデータに基づいて、ファクトリインターフェース101に出入りする不活性ガス流の流量を決定する。
【0032】
エンクロージャシステム130は、ファクトリインターフェース101及び隣接チャンバ内のシール環境を開放することなく、異なるタイプのコンテンツ110の搬送及び交換を可能にする(例えば、交換可能なフィンガを有するキャリアを介して)。エンクロージャシステム130は、ロードポート128へのドッキングに応答して、ロードポート128をシールする。エンクロージャシステム130はパージポートへのアクセスを提供し、これにより、エンクロージャシステム130を開く前にエンクロージャシステム130の内部をパージし、ファクトリインターフェース101内の不活性環境の悪影響を最小限に抑えることができる。
【0033】
図2A~Nは、特定の実施形態によるキャリア200の図を示す。
【0034】
図2A~D及び2G~Lはキャリア200の図を示す。
図2Aは、特定の実施形態による、剛体210、ファスナ230、及びフィンガ240を含むキャリア200の上面斜視図を示す。
図2Bは、特定の実施形態による、剛体210、ファスナ230、及びフィンガ240を含むキャリア200の底面斜視図を示す。
図2Cは、特定の実施形態による、キャリア200の剛体210(例えば、ファスナ230及びフィンガ240なし)の上面図を示す。
図2Dは、特定の実施形態による、キャリア200の剛体210の底面図を示す(例えば、ファスナ230及びフィンガ240なし)。
図2Gは、特定の実施形態による、剛体210、ファスナ230、及びフィンガ240を含むキャリア200の上面図を示す。
図2Hは、特定の実施形態による、剛体210、ファスナ230、及びフィンガ240を含むキャリア200の底面図を示す。
図2Iは、特定の実施形態による、剛体210、ファスナ230、及びフィンガ240を含むキャリア200の正面図を示す。
図2Jは、特定の実施形態による、剛体210、ファスナ230、及びフィンガ240を含むキャリア200の背面図を示す。
図2Kは、特定の実施形態による、剛体210、ファスナ230、及びフィンガ240を含むキャリア200の左側立面図を示す。
図2Lは、特定の実施形態による、剛体210、ファスナ230、及びフィンガ240を含むキャリア200の右側立面図を示す。
【0035】
キャリア200は、開口部220を備える剛体210を含む(例えば、
図2C~Dを参照)。幾つかの実施形態では、開口部220は、ねじ付きファスナ230を受領するためにねじが切られている。キャリア200は、開口部220を介して剛体210に着脱可能に取り付けるように構成されたファスナ230(例えば、ねじ、ボルト、リベット等)を更に含む。幾つかの実施形態では、ファスナ230は、ねじ切りされた開口部220に固定するためにねじ切りされる。幾つかの実施形態では、ファスナ230は、ねじ切りされたフィンガ240に固定するためにねじ切りされる。幾つかの実施形態では、各々のファスナ230は、フィンガ240を剛体210に固定するために互いに固定するように構成された第1の部分及び第2の部分(例えば、ボルト及びナット等)を含む。
【0036】
フィンガ240は、ファスナ230及び開口部220を介して、剛体210に着脱可能に取り付けられるように構成される。幾つかの実施形態では、各々のフィンガ240は開口部を形成し、ファスナ230はフィンガ240の開口部及び剛体210の開口部220を介して挿入されることにより、フィンガ240を剛体210に着脱可能に取り付けるように構成される。
【0037】
一組のフィンガ240(例えば、3つのフィンガ240)は、剛体210に着脱可能に取り付けられるように構成される。一組のフィンガ240は、基板処理システム内でのキャリアの搬送中に(例えば、ロボットを介して)、コンテンツ(例えば、プロセスキットリング)を支持するように構成される。幾つかの実施形態では、コンテンツは、基板処理システム内での搬送中に剛体210と接触することなく、一組のフィンガ240と接触する。
【0038】
幾つかの実施形態では、フィンガの第1のセット240(例えば、3本のフィンガ)はファスナ230及び開口部220を介して剛体210に着脱可能に取り付けられ、基板処理システム内での第1搬送中に(例えば、ロボットアームを介して)、第1コンテンツを支持するように構成され、フィンガの第2のセット240(例えば、3つの異なるフィンガ)は、剛体210に着脱可能に取り付けられ(例えば、第1のセットで用いられたものと同じファスナ230及び同じ開口部220を介して)、基板処理システム内でのキャリア200の第2の搬送中に(例えば、同じロボットアームを介して)第2のコンテンツを支持するように構成される。
【0039】
幾つかの実施形態では、異なるタイプのコンテンツに対して異なるセットのフィンガ240が使用される。幾つかの例では、異なるタイプのコンテンツは新しいコンテンツ及び使用済みコンテンツを含む(例えば、使用済みコンテンツを搬送するために剛体210に固定された第1のセットのフィンガ240と、新しいコンテンツの搬送のために同じ剛体210に固定された第2のセットのフィンガ240)。幾つかの例では、異なるタイプのコンテンツはコンテンツの異なるサイズ及び/又は形状を含む(例えば、第1のサイズ及び/又は形状のコンテンツを搬送するために剛体210に固定された第1のフィンガのセット240と、異なるサイズ及び/又は形状のコンテンツを搬送するために同じ剛体210に固定されている第2のフィンガのセット)。幾つかの例では、異なるタイプのコンテンツは、プロセスキットリング、基板処理システムのチャンバコンポーネント、基板処理システムの使用済みチャンバコンポーネント、シャワーヘッド、実質的に丸い周囲を有するコンポーネント(例えば、内周、外周)等を含む。
【0040】
幾つかの実施形態では、異なる状態に対して異なるセットのフィンガ240が使用される。幾つかの実施形態では、フィンガ240の第1のセットの各々のフィンガ240は、第1のコンディションのために構成された第1の材料を含み、フィンガの第2のセットの各々のフィンガは、第1のコンディションと異なる第2のコンディションのために構成された第2の材料を含む。幾つかの例では、フィンガ240の材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、セラミック材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、テフロン(登録商標))、超高分子量(UHMW)ポリエチレン、吸収性材料、非吸収性材料、コーティングされた材料、変形材料、静電散逸材料等の1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、フィンガ240は特定の導電率(例えば、完全ではない導電率、制御された速度での散逸を可能にするいくらかの導電率、高アーク放電の導電経路の防止、約105から約109オームの散逸範囲等)を有する。幾つかの例では、異なるコンディションは、腐食コンディション、清浄コンディション、静電コンディション、特定のプロセス(例えば、基板製造プロセス、原子層堆積、化学気相堆積、物理気相堆積、それらのプラズマ強化バージョン等)、特定の化学物質(例えば、フッ素、酸、塩基等)、特定の温度範囲(例えば、高温)、特定の圧力範囲(例えば、高圧)、大気圧、真空圧等の1つ以上を含む。
【0041】
幾つかの実施形態では、キャリア200は、ウエハハンドリング用に設計されたツールを介して動かされる自動化によるプロセスキットリングのハンドリングを可能にするカスタマイズされた機械的アダプタである。交換可能なフィンガ240により、及び特定のプロセスキットリングの必要性に応じて、キャリア200のメンテナンス、異なるフィンガ材料タイプの交換が可能になる。交換可能なフィンガ240を有するキャリア200により、現在のプロセスキットリングを可能にし、プロセスキットリングの様々なサイズ及び材料タイプの将来の互換性を可能にする。
【0042】
幾つかの実施形態では、異なるコンテンツ及び/又は異なるコンディションに対して異なる剛体210が使用される。幾つかの実施形態では、各々の剛体210は異なる種類の材料で作られる。幾つかの例では、剛体210は、炭素繊維、アルミニウム、アルミニウムキャストプレート(例えば、MIC-6(登録商標))、硬質陽極酸化アルミニウム、セラミック材料、チタン等の1つ以上で製造される。幾つかの実施形態では、剛体210はロボットブレード(例えば、エンドエフェクタ)と同じ又は類似の材料である。幾つかの実施形態では、キャリア200は接着されたコンポーネントを全く有していない(例えば、接着剤を有していない)。幾つかの実施形態では、キャリア200は熱圧入コンポーネントを全く有していない。幾つかの実施形態では、キャリア200の全ての構成は、(例えば、ファスナ230を介して)機械的に係合されるか、又は剛体210に機械加工される。
【0043】
幾つかの実施形態では、キャリア200は、大気ロボットエンドエフェクタ(例えば、
図1のファクトリインターフェースロボット111)及び真空ロボットエンドエフェクタ(例えば、
図1の搬送チャンバロボット112)の滑り止めインターフェース(例えば、自動化印ファーフェース)のために、パッド250(例えば、マッシュルームパッド、パーフルオロエラストマパッド、Kalrez(商標名)摩擦パッド、9個のKalrezマッシュルームパッド、較正マッシュルーム、剛体210に一体化されたパッド等)を有する。幾つかの実施形態では、パッド250は、LCFデバイス、アライナデバイス等の1つ以上の滑り止めインターフェースのために使用される。
【0044】
幾つかの実施形態では、キャリア200は、エンクロージャシステム(例えば、
図1のエンクロージャシステム130、FOUP)及びロードロック(例えば、
図1の脱気チャンバ104)内にキャリア200を配置するためのパッド260(アルミニウムパッド、剛体に一体化されたパッド等)を有する。
【0045】
幾つかの実施形態では、剛体210はウィンドウ270(例えば、開口部、スロット等)を形成する。幾つかの実施形態では、ウィンドウ270は、ツール自動化により(例えば、アライナデバイスにより、LCFデバイスにより)使用され、キャリア200を介して配置の精度さを観察する(例えば、キャリア200の反対側のオブジェクトを観察する)。幾つかの実施形態では、ウィンドウ270は、キャリア200(例えば、剛体210)の質量を減らすために使用される。
【0046】
幾つかの実施形態では、剛体210は、実質的に平面(例えば、実質的に平坦)である下面を有する。幾つかの実施形態では、剛体210の下面は、剛体210の下面上のパッド250及び260を除いて実質的に平坦である。幾つかの実施形態では、キャリア200(例えば、剛体210)は動的位置決めフィーチャを有しない(例えば、剛体210の下面に動的位置決めフィーチャを有しない)。幾つかの実施形態では、剛体210及び/又はフィンガ240は、1つ以上のコーティングを有する。幾つかの例では、フィンガ240は、特定のコンディションでコンテンツを搬送するように構成されたコーティングを有する(例えば、特定の化学及び/又はプロセスに適合する)。幾つかの実施形態では、フィンガ240は、1つ以上の摩擦係数を提供する1つ以上のコーティングを有し、コンテンツをフィンガ上でアライメントすることを可能にする。幾つかの例では、各々のフィンガ240の側壁は、各々のフィンガの第1の上面よりも低い摩擦係数を有し、コンテンツが側壁を滑り落ちて第1の上面で停止することを可能にする。幾つかの例では、各々のフィンガ240の側壁の上部は、各々のフィンガ240の側壁の下部よりも低い摩擦係数を有し、コンテンツが各々の側壁の上部を滑り落ち、側壁の下部で減速することを可能にする。
【0047】
幾つかの実施形態では、剛体210の外形は、
図2A~Dに示される外形と異なる。幾つかの実施形態では、開口部220(例えば、ファスナ230を受容する)、パッド250、パッド260、及び/又はウィンドウ270のサイズ、形状、数量等は、
図2A~Dに示されるものと異なる。
【0048】
幾つかの実施形態では、フィンガ240は、(例えば、剛体210への組立後、剛体210で組み立てられる際、ファスナ230を介して剛体210に着脱可能に取り付けられた後)キャリア200(例えば、剛体)上の位置を示すマークを備えるように機械加工される。幾つかの例では、第1のフィンガ240は剛体210上の第1の位置を示す第1のマーク(例えば、第1の識別子)を有するように機械加工され、第2のフィンガは剛体210上の第2の位置を示す第2のマーク(例えば、第2の識別子)を有するように機械加工され、第3のフィンガは剛体210上の第3の位置を示す第3のマーク(例えば、第3の識別子)を有するように機械加工される。幾つかの実施形態では、剛体210上の異なる位置は、異なるフィンガ240上で機械加工されるのと同様のマーク(例えば、識別子)を有するように機械加工される。剛体210及び/又はフィンガ240上のマーキングは、取り付けパターンを示す。幾つかの例では、識別子は、ハッシュマーク(例えば、I、II、III)、数字、文字、色、記号等の1つ以上を含む。剛体210上の識別子をフィンガ240上の識別子と照合することにより、剛体210の1つの開口部220が特定のフィンガ240に対応し、異なるフィンガ240が剛体210の同じ開口部のために用いられることによる、(例えば、剛体210のボスの)公差スタックを回避する。幾つかの実施形態では、フィンガ240のセットの任意のフィンガ240を剛体210の任意の開口部220(例えば、任意のボス)に使用することができる。
【0049】
幾つかの実施形態では、1つ以上のフィンガ240が剛体210に取り付けられ、コンテンツを支持する。幾つかの実施形態では、2つ以上のフィンガ240が剛体210に取り付けられ、コンテンツを支持する。幾つかの実施形態では、3つ以上のフィンガ240が剛体210に取り付けられ、コンテンツを支持する。幾つかの実施形態では、フィンガ240の各々は、剛体210の周りに実質的に等間隔に配置される(例えば、3つのフィンガ240の各々の間は約120°)。幾つかの実施形態では、第1のフィンガ240及び第2のフィンガ240は、剛体210上に対称的に配置され、第3のフィンガ240は第1のフィンガ240及び第2のフィンガ240から等間隔に配置される。
【0050】
幾つかの実施形態では、フィンガ240は、コンテンツの内周(例えば、内側側壁)に近接するコンテンツ(例えば、プロセスキットリング)を支持する。幾つかの実施形態では、フィンガ240は、コンテンツの外周(例えば、外側側壁)に近接するコンテンツ(例えば、プロセスキットリング)を支持する。
【0051】
幾つかの実施形態では、異なる剛体210、開口部220、フィンガ240、状態等の1つ以上に対して、異なるファスナ230が使用される。幾つかの実施形態では、異なるファスナ230は、異なるサイズ、異なる形状、異なる材料等の1つ以上である。幾つかの実施形態では、ファスナ230の材料は、アルミニウム、セラミック、ステンレス鋼、電解研磨(EP)ステンレス鋼等の1つ以上を含む。
【0052】
幾つかの実施形態では、フィンガ240は、コンテンツを支持するために下降するリップを有する。幾つかの実施形態では、フィンガ240は剛体210の周りに配置されて、円形の周囲を有するコンテンツ(例えば、プロセスキットリング、シャワーヘッド等)を支持する。幾つかの実施形態では、フィンガ240は、異なるサイズの周囲のコンテンツをサポートするために交換可能である。幾つかの実施形態では、フィンガ240は、フィンガ240の位置を(例えば、剛体210の中心部分から半径方向に)調整可能にするスロットを介して剛体210に取り付けられ、異なるサイズの周囲のコンテンツをサポートする。幾つかの実施形態では、フィンガ240が時間経過により摩耗すると、フィンガ240の位置は(例えば、剛体210の中央領域280から半径方向に)調節可能になり、同じサイズの周囲のコンテンツを支持し続ける。幾つかの実施形態では、フィンガ240が摩耗し、同じサイズの周囲のコンテンツをサポートし続けることができなくなると、摩耗したフィンガ240は新しいフィンガ240と交換される。
【0053】
キャリア200は、ロボットアームのエンドエフェクタとインターフェースするように構成された1つ以上の下面(例えば、パッド250)を含む。キャリア200(例えば剛体210)は、真空チャックとインターフェースするように構成された1つ以上の下面(例えば中実の平面中央領域280)を含む。
【0054】
幾つかの実施形態では、剛体210は、各々の開口部220の周りにボス222を形成する。幾つかの実施形態では、ボス222は剛体210の突出フィーチャである。幾つかの実施形態では、ボス222を使用して、フィンガ240を剛体210上に配置する。幾つかの実施形態では、フィンガ240は、突出するボス222と一致する凹部を有する。幾つかの実施形態では、ボス222により、フィンガ240が剛体210上に正しい配向で取り付けられる。
【0055】
図2E~F及び2Mは、特定の実施形態による、プロセスキットリング290を支持するキャリア200の図を示す。
図2Eは、特定の実施形態による、プロセスキットリング290を支持するキャリア200の上面図を示す。
図2Fは、特定の実施形態による、プロセスキットリング290を支持するキャリア200の側面断面図を示す。
図2Mは、特定の実施形態による、プロセスキットリング290を支持するキャリア200の上面斜視図を示す。
【0056】
キャリア200は、剛体210と、ファスナ230を介して剛体210に取り付けられたフィンガ240を含む。プロセスキットリング290は、フィンガ240上に配置される。
【0057】
幾つかの実施形態では、キャリア200は、プロセスキットリング290とキャリア200の周囲の1つ以上の部分の間に1つ以上のギャップを提供するようなサイズ及び形状である。幾つかの実施形態では、1つ以上のギャップがアライナデバイスLCFデバイスにより使用され、キャリア200及び/又はプロセスキットリング290のアライメントを行う。幾つかの例では、1つ以上のギャップにより、光ビームを使用して、プロセスキットリング290の平坦な内側壁フィーチャ又は他の登録フィーチャを検出することができる。幾つかの実施形態では、1つ以上のギャップにより、リフトピンを用いて、プロセスキットリング290をキャリア200から(例えば、処理チャンバ内で)持ち上げることができる。幾つかの実施形態では、キャリア200の周囲は、基板処理システムのエンクロージャシステム(例えば、FOUP)のシェルフとインターフェースするように構成される。
【0058】
図2Nは、特定の実施形態による、エンクロージャシステム292(例えば、FOUP)内のシェルフ294上に配置されたキャリア200を示す。エンクロージャシステム292は1つ以上のシェルフ294を含む。幾つかの実施形態では、各々のシェルフ294は、キャリア200及びキャリア200上に配置されたプロセスキットリング290を受領するように構成される。幾つかの実施形態では、ロボットアームが、プロセスキットリング290を支持するキャリア200をエンクロージャシステム292内でシェルフ294上に下降させる。幾つかの実施形態では、ロボットアームがプロセスキットリング290を支持するキャリア200をシェルフ294上に下降させると、シェルフ294の第1の部分がプロセスキットリング290を支持する。次に、シェルフ294の第2の部分はキャリア200を支持し、これにより、プロセスキットリング290がシェルフ294上でキャリア200の上方に支持される(例えば、プロセスキットリング290はキャリア200に接触しない)。
【0059】
図3A~Bは、特定の実施形態による、キャリア(例えば、
図2A~Fのキャリア200)のフィンガ340A~B(例えば、
図2A~Fのフィンガ240)を示す。幾つかの実施形態では、フィンガ340A及びフィンガ340Bは、同じ剛体(例えば、
図2A~Fの剛体210)に着脱可能に取り付けられるように構成される。例えば、フィンガ340Aは剛体に着脱可能に取り付けられ、第1のコンディションで第1のコンテンツを搬送するように構成され、フィンガ340Bは同じ剛体に着脱可能に取り付けられ、第1のコンテンツと異なる第2のコンテンツの1つ以上を、及び/又は第1のコンディションと異なる第2のコンディションで、搬送するように構成される。
【0060】
幾つかの実施形態では、各々のフィンガ340は、第1の上面342A、第2の上面342B、側壁350、及び下面360を有する。第1の上面342Aは実質的に第1の平面に配置され、キャリアの搬送中にコンテンツを支持するように構成される。第2の上面342Bは、実質的に、第1の平面の上方にある第2の平面内に配置される。側壁350は、第1の上面342Aと第2の上面342Bの間に配置される。第1の開口部362は、フィンガ340を貫介して第2の上面342Bから下面360まで形成される。幾つかの実施形態では、下面360は凹部を形成し(例えば、
図4Aを参照)、第2の開口部を形成するキャリアの一部を受領する(例えば、
図2A~Fの剛体210の開口部220の周りに配置された突出ボス222を受領するため)。フィンガ340は、フィンガの第1の開口部及びキャリアの第2の開口部を介して挿入されたファスナを介して、キャリアに着脱可能に取り付けられる。幾つかの実施形態では、コンテンツは、キャリアの搬送中に剛体に接触することなくフィンガのセットに接触する。幾つかの実施形態では、剛体により形成される開口部はスロットであり、各々のフィンガ340はスロットを介して剛体上に調節可能に配置される。幾つかの例では、フィンガ340の位置は、フィンガ340の摩耗に基づいて調整される。幾つかの例では、フィンガ340の位置は、キャリアにより搬送されるコンテンツのタイプ(例えば、サイズ等)に基づいて調整される。
【0061】
幾つかの実施形態では、フィンガ340の側壁350は、第1の上面342Aに対して第1の角度354A(例えば、約100°から110°の角度、直角から約15°)を有する上部352Aを有する。側壁350は、第1の上面342Aに対して第2の角度354B(例えば、約90°から100°の角度、直交から約5°)を有する下部352Bを有する。更に、幾つかの実施形態では、側壁350は、第1の上面342Aに対して実質的に直交する(例えば、約85~95°の角度)実質的に垂直な部分352Cを含む。更に、幾つかの実施形態では、フィンガ340は、第1の上面342Aと側壁350の間に面取り356を含む。幾つかの実施形態では、フィンガ340の面取り356は、フィンガ340上に配置されたコンテンツ(例えば、プロセスキットリング)の面取りに一致する(例えば、実質的に同じサイズである、干渉しない)。幾つかの実施形態では、フィンガ上に配置されたコンテンツ(例えば、プロセスキットリング)の下面は、フィンガ340の第1の上面342Aと接触する。幾つかの実施形態では、側壁350の(例えば、上部352A、下部352B、及び/又は実質的に垂直な部分352C)の角度354は、搬送のために、コンテンツ(例えば、プロセスキットリング)をフィンガ340上にガイド(例えば、アライメント)するように構成される。従来のキャリアは、コンテンツを基板処理システム内でミスアライメントして搬送し、コンテンツを落としてしまう。フィンガ340の側壁350の角度354は、コンテンツがキャリア上でのミスアライメント、曲がり、非平行、不安定(例えば、落下)等の1つ以上になるのを防止する。
【0062】
幾つかの実施形態では、第1の上面342Aは、側壁350の1つ以上の部分の第2の摩擦係数よりも大きい第1の摩擦係数を有する(例えば、コンテンツをフィンガ340に固定するのを援助し、フィンガ340上でコンテンツをアライメントするのを援助するため等)。
【0063】
図4A~Fは、特定の実施形態による、剛体410(例えば、
図2A~Fの剛体210)を含むキャリア400(例えば、
図2A~Fのキャリア200)を示す。
図4Aは、剛体410のボス422(例えば、
図2A~Fのボス222)上に配置されたフィンガ440(例えば、
図2A~Fのフィンガ240、
図3A~Bのフィンガ340)を含むキャリア400の側断面図である。
図4Bは、剛体410に着脱可能に取り付けられたフィンガ440(例えば、
図2A~Fのフィンガ240、
図3A~Bのフィンガ340)を含むキャリア400の斜視図である。
図4Cは、開口部420(例えば、
図2A~Fの開口部220)の周りに配置されたボス422(例えば、
図2A~Fのボス222)を含むキャリア400の剛体410の上面図である。
図4Dは、剛体410のボス422(例えば、
図2A~Fのボス222)上に配置されたフィンガ440(例えば、
図2A~Fのフィンガ240、
図3A~Bのフィンガ340)を含むキャリア400の側断面図である。
図4Eは、剛体410のボス422(例えば、
図2A~Fのボス222)上に配置されたフィンガ440(例えば、
図2A~Fのフィンガ240、
図3A~Bのフィンガ340)を含むキャリア400の側断面図である。
図4Fは、剛体410に着脱可能に取り付けられたフィンガ440(例えば、
図2A~Fのフィンガ240、
図3A~Bのフィンガ340)を含むキャリア400の斜視図である。
【0064】
幾つかの実施形態では、剛体410のフィーチャ(例えば、ボス422、突出フィーチャ412等)は、剛体410上でフィンガ440を配向する(例えば、アライメントする)ように構成される。幾つかの実施形態では、フィンガ440の下面は、ボス422を受容するように構成された凹部を形成する。幾つかの実施形態では、フィンガ440の左側、右側、及び/又は後側は、剛体410の上面上で突出フィーチャ412に近接して(例えば、隣接して)配置される。幾つかの実施形態では、上面の突出フィーチャ412及び/又はボス422は、フィンガ440を配向する(例えば、フィンガを剛体410上で正確に配置する、フィンガの開口部を剛体210上の開口部に正確にアライメントして、ファスナ430を受領する等)。
【0065】
幾つかの実施形態では、キャリア400のフィンガ440は、1つ以上のプロセスキットリング490(例えば、
図2E、2F、及び/又は2Mのプロセスキットリング290)を支持する。
図4D~Fを参照すると、幾つかの実施形態では、フィンガ440はプロセスキットリング490Aを支持し、プロセスキットリング490Bはプロセスキットリング490A上に配置される。プロセスキットリング490Aは、第1の上面、第1の上面よりも低い第2の上面、内側側壁、外側側壁、及び底面を含むことができる。第1の上面は第2の上面と実質的に平行であってもよい。外側側壁は第1の上面と第2の上面とを接続することができる。内側側壁は第1の上面と底面とを接続することができる。内部側壁は、フィンガ440の側壁(例えば、
図3A~Bの側壁350)の少なくとも一部に接触することができる。プロセスキットリング490Aの底面は、フィンガ440の上面(例えば、
図3A~Bの第1の上面342A)に接触することができる。
【0066】
プロセスキットリング490Bは、上面、底面、上面と底面を接続する内部側壁、及び上面と底面を接続する外部側壁を含むことができる。幾つかの実施形態では、プロセスキットリング490Bは、プロセスキットリング490Aの第1の上面及び第2の上面の下面に配置される。幾つかの実施形態では、プロセスキットリング490Bの内部側壁は、プロセスキットリング490Aの外側側壁に接触することができる。幾つかの実施形態では、プロセスキットリング490Aはサポートリングであり、プロセスキットリング490Bはインサートリングである。
【0067】
図4Dを参照すると、幾つかの実施形態では、フィンガ440はプロセスキットリング490Aの一部の下に延在する。
図4E~Fを参照すると、幾つかの実施形態では、フィンガ440はプロセスキットリング490A~Bの下に延在する。フィンガ440は、1つ以上のプロセスキットリング490を受領する凹部を形成することができる。フィンガ440の凹部は、第1の側壁(例えば、
図3A~Bの側壁350)、上面(例えば、
図3A~Bの第1の上面)、及び第2の側壁(例えば、第1の側壁の反対側)を有することができる。フィンガ440の第1の側壁はプロセスキットリング490Aの内部側壁に接触し、フィンガ440の第2の側壁はプロセスキットリング490Bの外部側壁に接触する。
【0068】
幾つかの実施形態では、キャリア400のフィンガ440(例えば、3つのフィンガ440)の各々は、1つ以上のプロセスキットリング490を受領する凹部の形成を含む(例えば、
図4E~Fを参照)。幾つかの実施形態では、キャリア400のフィンガ440の1つ以上は、1つ以上のプロセスキットリング490を受領するための凹部を含み(例えば、
図4E~Fを参照)、キャリア400のフィンガ440の1つ以上は、1つ以上のプロセスキットリング490の少なくとも1つの下に部分的に配置される(例えば、
図4Dを参照)。
【0069】
幾つかの実施形態では、キャリア400はプロセスキットリング490の同心性を制御することができる。キャリア400は、(例えば、オーバーヘッドトランスポート(OHT)及び手動FOUPローディング及び/又はバイブレーションの)移動中、積み重ねられたプロセスリングを同心に保持することができる。キャリア400は、プロセスチャンバへのロボット(例えば、ファクトリインターフェース(FI)、メインフレーム(MF)、搬送チャンバ等)搬送中に、スタックされたプロセスキットリングを同心に保持することができる。幾つかの実施形態では、キャリア400は1つ以上のプロセスキットリング490を支持する。幾つかの実施形態では、キャリア400は、積み重ねられた2つ以上のプロセスキットリング490を支持する(例えば、リングスタック)。幾つかの実施形態では、キャリア400は、積み重ねられた2つ又は3つのプロセスキットリング490を支持する。幾つかの実施形態では、キャリアは、プロセスキットリング490が自動化(例えば、FI、MF、搬送チャンバ等)により搬送される間、全周にわたって同じギャップ(例えば、プロセスキットリング490とキャリア400の間のギャップ)を保持する。幾つかの実施形態では、キャリア400の下面は、FIブレード、MFロボットブレード、FOUP(例えば、FOUPシェルフ)、ロードロックフィン、LCF、アライナ(例えば、FIアライナ)、処理チャンバのリフトピン等とインターフェースするように構成される。
【0070】
幾つかの実施形態では、キャリア400のフィンガ440は交換可能である。幾つかの実施形態では、フィンガ440の異なるセッと異なる材料で作られる(例えば、異なる温度、プロセス、化学物質、熱膨張等)。幾つかの実施形態では、フィンガ440のセットは、セラミック、チタン、及び/又は同様のものの1つ以上で作られる。幾つかの実施形態では、フィンガ440のセットの熱膨張は、剛体410、1つ以上のプロセスキットリング490、ファスナ430等の熱膨張と一致する(例えば、キャリア400の温度で)。
【0071】
図5は、特定の実施形態による、基板処理システムのキャリアを使用する方法500を示す。幾つかの実施形態では、方法500のオペレーションの1つ以上は、ロボットアーム(例えば、
図1のファクトリインターフェースロボット111のロボットアーム)及び/又はコントローラ(例えば、
図1のコントローラ109)により実行される。特定の順序又は順序で示されているが、特に指定がない限り、プロセスの順序は変更することができる。従って、図示の実施形態は例としてのみ理解されるべきであり、図示のプロセスは異なる順序で実行することができ、幾つかのプロセスは並行して実行することができる。更に、様々な実施形態では、1つ以上のプロセスを省略することができる。従って、全ての実施形態において全てのプロセスが必要とされるわけではない。
【0072】
図5の方法500を参照すると、ブロック502で、基板処理システムにおける第1の搬送に関連する第1のコンディションが決定される。幾つかの実施形態では、第1のコンディションは、基板処理オペレーション、化学物質、搬送されるコンテンツのタイプ、温度、圧力、キャリアに利用可能なクリアランス等の1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、第1のコンディションはレシピ(例えば、基板処理システムの今後のオペレーション)に基づいて決定される。幾つかの実施形態では、第1のコンディションは、基板処理システムの1つ以上の部分の現時点でのコンディションに基づいて決定される。
【0073】
ブロック504で、第1のコンディションに対応するフィンガの第1のセットが特定される。幾つかの実施形態では、フィンガの第1のセットは、第1のコンディションに適合する材料、粗さ、コーティング、サイズ、側壁の高さ、側壁の角度、形状、量等の1つ以上を有する。
【0074】
ブロック506で、フィンガの第1のセットが、ファスナを介してキャリアの剛体に取り付けられる。幾つかの実施形態では、フィンガの第1のセットは、自律的に(例えば、ロボットを介して)剛体に取り付けられる。幾つかの実施形態では、フィンガの第1のセットは手動で剛体に取り付けられる。幾つかの実施形態では、フィンガの第1のセットは、基板処理システムの外側で剛体に取り付けられる。幾つかの実施形態では、フィンガの第1のセットは、基板処理システム内で剛体に取り付けられる。幾つかの実施形態では、フィンガ、ファスナ、及び剛体は、エンクロージャシステム(例えば、FOUP)、SSP、ファクトリインターフェース等の1つ以上の内部に格納される。幾つかの実施形態では、フィンガは、ファスニングデバイス(例えば、ファスニングロボット)を使用し、ファスナを介して剛体に取り付けられる。幾つかの実施形態では、コントローラは基板処理システム内のコンディションを決定し、コンディションに基づいてフィンガ、ファスナ、及び/又は剛体の1つ以上を選択し、ファスニングデバイスにフィンガ、ファスナ、及び/又は剛体を固定し、ファスニングデバイスに、ファスナを使用して、フィンガを剛体に取り付けさせる。幾つかの実施形態では、フィンガの第1のセットは第1のコンディションに基づいて剛体に取り付けられる。幾つかの例では、フィンガのセットの配向、位置、反転配置、数量等は第1のコンディションに基づく。
【0075】
ブロック508で、ファスナを介して、剛体上のフィンガの第1のセットの位置が調整される。幾つかの実施形態では、ファスナはフィンガを剛体のスロットに取り付ける。幾つかの実施形態では、フィンガの位置が測定され、調整される。幾つかの例では、プロセスキットリングがフィンガに配置され、フィンガの側壁とプロセスキットリングの間のギャップ幅が測定される(例えば、隙間ゲージ、画像装置、目視検査、フィンガ上のプロセスキットリングの半径方向の遊びの決定等を介して)。ギャップ幅が閾値幅より大きいとの判断に応答して(例えば、フィンガが摩耗していることに応答して)、フィンガの位置が調整される。幾つかの実施形態では、フィンガの位置を調整するために、フィンガは剛体の中央領域に対してスロットを介して半径方向に移動される。幾つかの実施形態では、フィンガの位置を調整するために、セットスクリューを調整してフィンガを半径方向に移動させる。
【0076】
ブロック510で、第1のコンテンツが、キャリアを介して基板処理システム内に搬送されるフィンガの第1のセット上に配置される。幾つかの実施形態では、第1のコンテンツは、プロセスキットリング、エッジリング、シャワーヘッド、マスク、マスクハンドラ、ハーフリング、2つ以上のプロセスキットリングのスタック等の1つ以上を含む。
【0077】
ブロック512で、基板処理システムにおける第2の搬送に関連する第2のコンディションが決定される。幾つかの実施形態では、第2のコンディションは第1のコンディションと異なる。幾つかの例では、第2のコンディションは、第1のコンディションと異なる基板処理オペレーション、化学物質、搬送されるコンテンツのタイプ、温度、圧力等の1つ以上である。
【0078】
ブロック514で、第2のコンディションに対応するフィンガの第2のセットが特定される。幾つかの実施形態では、フィンガの第2のセットはフィンガの第1のセットと異なる。幾つかの例では、フィンガの第2のセットは、第2のコンディションに適合し、フィンガの第1のセットと異なる、材料、サイズ、形状、数量等の1つ以上を有する。
【0079】
ブロック516で、フィンガの第2のセットがファスナを介してキャリアの剛体に取り付けられる。幾つかの実施形態では、ブロック516はブロック506と同様である。幾つかの実施形態では、剛体はブロック506のものと同じである。幾つかの実施形態では、剛体はブロック506のものと異なる。幾つかの実施形態では、ファスナはブロック506のものと異なる。幾つかの実施形態では、剛体はブロック506のものと異なる。
【0080】
ブロック518で、ファスナを介して剛体上のフィンガの第2のセットの位置が調整される。幾つかの実施形態では、ブロック516はブロック508と同様である。
【0081】
ブロック520で、第2のコンテンツは、キャリアを介して基板処理システム内に搬送されるフィンガの第2のセットに配置される。幾つかの実施形態では、ブロック516はブロック510と同様である。幾つかの実施形態では、第2のコンテンツはブロック510のものと異なる。
【0082】
幾つかの実施形態では、方法500のオペレーションの各々は、シールされた環境を維持しながら(例えば、ファクトリインターフェースを開かずに、エンクロージャシステムを開かずに)実行される。
【0083】
特に明記しない限り、幾つかの実施形態では、「決定する」、「特定する」、「取り付ける」、「調整する」、「配置する」、「搬送する」、「移動する」、「下降させる」、「引き起こす」、「除去する」、「配置する」、「位置する」等の用語は、コンピュータシステムレジスタ及びメモリ内で物理的(電気的)量として表されるデータを、コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ、又はその他の情報ストレージ、送信、又は表示デバイス内の物理的量として同様に表される他のデータに操作及び変換するコンピュータシステムにより実行又は実装されるアクション及びプロセスを意味する。また、本明細書で使用される用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等は、異なる要素を区別するためのラベルを意味し、それらの数値指定による序数的な意味を有しない。
【0084】
本明細書の説明の例は、本明細書に記載の方法を実行するための装置にも関連する。幾つかの実施形態では、この装置は本明細書に記載の方法を実行するために特別に構築されるか、又はコンピュータシステムに格納されたコンピュータプログラムにより選択的にプログラムされた汎用コンピュータシステムを含む。幾つかの実施形態では、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読の有形の記憶媒体に格納される。
【0085】
本明細書で説明する方法及び例示的な例は、本質的に特定のコンピュータ又は他の装置に関連するものではない。本明細書に記載の教示に従って様々な汎用システムを使用することができ、又は本明細書に記載の方法及び/又はそれらの個々の機能、ルーチン、サブルーチン、又は操作の各々を実行するために、より専門的な装置を構築することができる。様々なこれらのシステムの構造の例は、上記の説明で説明されている。
【0086】
上述の説明は、本開示の幾つかの実施形態の十分な理解を提供するために、特定のシステム、コンポーネント、方法等の例等、多数の特定の詳細を示す。しかし、当業者には、本開示の少なくとも幾つかの実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施できることが明らかである。他の例では、本開示を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知のコンポーネント又は方法は詳細には説明されないか、又は単純なブロック図形式で提示される。従って、記載された特定の詳細は単なる例示である。特定の実施はこれらの例示的な詳細から変更することができ、変更したものも依然として本開示の範囲内にあると考えられる。
【0087】
本明細書を通じて「一実施形態」又は「一実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定のフィーチャ、構造、又は特性が少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態において」又は「実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているとは限らない。更に、用語「又は」は排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することを意図している。「約」又は「およそ」という用語が本明細書で使用される場合、提示された公称値が±10%以内で正確であることを意味することを意図している。
【0088】
本明細書の方法のオペレーションは特定の順序で示され説明されているが、各々の方法のオペレーションの順序は、特定のオペレーションが逆の順序で実行されるように、特定のオペレーションが少なくとも部分的に同時に実行されるように、変更することができる。他の実施形態では、別個のオペレーションのインストラクション又はサブオペレーショは、断続的及び/又は交互に行われる。
【0089】
上記の説明は、例示を意図したものであり、限定を意図したものではないと理解すべきである。上記の説明を読んで理解すれば、多くの他の実施形態が当業者に明らかになる。従って、開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に決定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアであって、
基板処理システム内で1つ以上のプロセスキットリングを搬送するためにロボット上に支持されるように構成されたキャリア本体と、
キャリア本体から延在する複数のフィンガであって、1つ以上のプロセスキットリングを支持するように構成され、複数のフィンガの第1のフィンガは1つ以上のプロセスキットリングを収容するための凹部を形成する上面を備えるフィンガを備える、キャリア。
【請求項2】
上面は、第1の凹部側面、第1の凹部側面の反対側の第2の凹部側面、及び第1の凹部側面と第2の凹部側面との間に配置された凹部下面を含む、請求項1に記載のキャリア。
【請求項3】
第1の凹部側面は、1つ以上のプロセスキットリングの1つ以上の内面に近接して配置されるように構成され、
第2の凹部側面は、1つ以上のプロセスキットリングの1つ以上の外面に近接して配置されるように構成され、
凹部下面は、1つ以上のプロセスキットリングの下に配置されるように構成される、請求項2に記載のキャリア。
【請求項4】
1つ以上のプロセスキットリングは少なくとも2つのプロセスキットリングを含み、第1のフィンガは、少なくとも2つのプロセスキットリングの搬送中に、少なくとも2つのプロセスキットリングの互いに同心度を制御するように構成される、請求項1に記載のキャリア。
【請求項5】
1つ以上のプロセスキットリングは少なくとも2つのプロセスキットリングを含み、第1のフィンガは、1つ以上のプロセスキットリングの搬送中に、少なくとも2つのプロセスキットリング間のギャップを実質的に同じに維持するように構成される、請求項1に記載のキャリア。
【請求項6】
第1のフィンガは、
第1の平面内に実質的に配置された第1の上面であって、1つ以上のプロセスキットリングを受容するように構成される第1の上面と、
第1の平面より上に位置する第2の平面に実質的に配置された第2の上面と、
第1上面と第2上面との間に配置された側壁を備える、請求項1に記載のキャリア。
【請求項7】
側壁は、第1上面に対して約15度の角度を有する上部と、約5度の角度を有する下部とを備える、請求項6に記載のキャリア。
【請求項8】
第1のフィンガは、第1の上面と側壁との間に面取りを備える、請求項6に記載のキャリア。
【請求項9】
側壁は第1の摩擦係数を有し、第1の上面は第1の摩擦係数よりも大きい第2の摩擦係数を有する、請求項6に記載のキャリア。
【請求項10】
第1のフィンガは静電気を消散させるように構成される、請求項1に記載のキャリア。
【請求項11】
1つ以上のプロセスキットリングは、キャリアの搬送中にキャリア本体に接触することなく第1のフィンガに接触する、請求項1に記載のキャリア。
【請求項12】
複数のフィンガは、各々が1つ以上のプロセスキットリングを収容するための対応する凹部を形成する第2のフィンガおよび第3のフィンガを含む、請求項1に記載のキャリア。
【請求項13】
キャリア本体はファスナを受容するように構成された開口部を形成し、第1のフィンガはファスナおよび開口部を介してキャリア本体に着脱可能に取り付けられるように構成される、請求項1に記載のキャリア。
【請求項14】
開口部はスロットであり、第1のフィンガはキャリア本体上に調整可能に配置される、請求項13に記載のキャリア。
【請求項15】
基板処理システムのキャリアのキャリア本体から延在するように構成されたフィンガであって、
1つ以上のプロセスキットリングの1つ以上の内面に近接して配置されるように構成された第1の凹部側面と、
第1の凹部側面の反対側の第2の凹部側面であって、1つ以上のプロセスキットリングの1つ以上の外面に近接して配置されるように構成された第2の凹部側面と、
第1の凹部側面と第2の凹部側面との間に配置された凹部下面であって、1つ以上のプロセスキットリングの下に配置されるように構成された凹部下面を備えるフィンガ。
【請求項16】
1つ以上のプロセスキットリングは少なくとも2つのプロセスキットリングを含み、フィンガは、少なくとも2つのプロセスキットリングの搬送中に、少なくとも2つのプロセスキットリングを互いに同心度を制御するように構成される、請求項15に記載のフィンガ。
【請求項17】
1つ以上のプロセスキットリングは少なくとも2つのプロセスキットリングを含み、フィンガは、1つ以上のプロセスキットリングの搬送中に、少なくとも2つのプロセスキットリング間のギャップを実質的に同じに維持するように構成される、請求項15に記載のフィンガ。
【請求項18】
、フィンガは、キャリア本体によって形成された開口部とファスナーとを介してキャリア本体に着脱可能に取り付けられるように構成される、請求項15に記載のフィンガ。
【請求項19】
キャリアであって、
基板処理システム内で2つ以上のプロセスキットリングを搬送するためにロボット上に支持されるように構成されたキャリア本体と、
キャリア本体から延在する複数のフィンガであって、2つ以上のプロセスキットリングを支持するように構成され、複数のフィンガの第1のフィンガは、2つ以上のプロセスキットリングの搬送中に、2つ以上のプロセスキットリングの互いの同心度を制御するように構成されるフィンガを備えるキャリア。
【請求項20】
第1のフィンガは、2つ以上のプロセスキットリングの搬送中に、2つ以上のプロセスキットリング間のギャップを実質的に同一に維持するように構成される、請求項19に記載のキャリア。