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特開2024-133667ハロゲンフッ化物によるエッチング方法、半導体の製造方法
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  • 特開-ハロゲンフッ化物によるエッチング方法、半導体の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133667
(43)【公開日】2024-10-02
(54)【発明の名称】ハロゲンフッ化物によるエッチング方法、半導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 101B
H01L21/302 101C
H01L21/302 101D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024109842
(22)【出願日】2024-07-08
(62)【分割の表示】P 2020561317の分割
【原出願日】2019-12-09
(31)【優先権主張番号】P 2018239515
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 淳
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シリコンまたはシリコン酸化膜を有するシリコン基板に微細なパターンを精度よくプラズマエッチングする方法を提供する。
【解決手段】エッチング方法は、シリコンまたはシリコン酸化膜を有するシリコン基板を、窒素含有量が1体積%以下のハロゲンフッ化物をエッチングガスとしてプラズマエッチングする。ハロゲンフッ化物からなるエッチングガス中の窒素含有量が所定量以下に調整されているので、シリコンまたはシリコン酸化膜を精度よくエッチングすることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンまたはシリコン酸化膜を有するシリコン基板を、窒素(N2)含有量が1体積%以下のハロゲンフッ化物をエッチングガスとしてプラズマエッチングするエッチング方法。
【請求項2】
ハロゲンフッ化物が、ClF3、BrF5、IF3、IF7、ClF、BrF3、IF5、BrFから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項3】
エッチングガスが、さらに、Ar、Ne、KrおよびXeから選ばれる希釈ガスを90体積%以下の量で含むことを特徴とする請求項1または2に記載のエッチング方法。
【請求項4】
シリコンまたはシリコン酸化膜を有するシリコン基板にマスクを設け、処理チャンバ内に基板を搬送し、前記処理チャンバ内の載置台に基板を載置する過程と、
前記処理チャンバ内を減圧する過程と、
前記エッチングガスを処理チャンバ内に供給する過程と、
前記処理チャンバ内にプラズマを形成させ、プラズマと載置した基板との間の電位差によって、異方性エッチングする過程を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のエッチング方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のエッチング方法を用いる、半導体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N2含有量の少ないハロゲンフッ化物を用いた半導体製造プロセスに関する。さらに詳しくは、N2含有量が1体積%以下のハロゲンフッ化物を用いてシリコンまたはシリコン酸化膜を精度よくエッチングする方法、およびそのエッチング方法を用いた半導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、半導体製造においては、極めて微細な処理技術が求められており、湿式法に代わりドライエッチング法が主流になっている。ドライエッチング法は、真空空間において、プラズマを発生させて、物質表面上に微細なパターンを分子単位で形成させる方法である。
【0003】
二酸化ケイ素(SiO2)等の半導体材料のエッチングにおいては、下地材として用いられるシリコン、ポリシリコン、チッ化ケイ素等に対するSiO2のエッチング速度を大きくするため、エッチング剤として、CF4、CHF3、C26、C38、C48等のパーフルオロカーボン(PFC)類やハイドロフルオロカーボン(HFC)類が用いられてきた。
【0004】
しかしながら、これらのPFC類やHFC類は、いずれも大気寿命の長い物質であり、高い地球温暖化係数(GWP)を有していることから京都議定書(COP3)において排出規制物質となっている。半導体産業においては、経済性が高く、微細化が可能な低GWPの代替物質が求められてきた。
【0005】
そこで、本発明者らは、半導体製造プロセスにおいて、エッチングガスとしてハロゲンフッ化物を用いることに着目した。
たとえば、特許文献1には絶縁膜およびポリシリコンを積層した積層膜を形成し、積層膜を貫通する孔を形成し、ClF3、BrF5、IF3、IF7、ClF、BrF3、IF5、BrFから選択した1種または2種以上のガスを不活性ガスで、希釈して孔内に導入してポリシリコン膜を等方的、選択的にエッチングする方法が開示されている。なお、特許文献1は、プラズマを発生させない条件下でのエッチングであり、希釈ガスとして、N2を使用した実施例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6080166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
半導体集積回路の製造工程では、近年、その加工パターンが著しく微細化されていることから、高精度(高選択性・高アスペクト比・高速)のドライエッチング技術の開発が強く求められている。
【0008】
通常のエッチングでは、不活性ガスや、デポジション剤や希釈剤として、N2が含まれていることがある。しかし、ハロゲンフッ化物をエッチングガスとして使用する場合、高精度のドライエッチングでは、エッチングガス中に、N2が存在していると、シリコン、シリコン酸化膜をプラズマエッチングする場合に発生するフッ素化シリコンとN2との反応で窒化シリコンが生成し、生成した窒化シリコンは基板上に蓄積して微細加工の阻害要因になると、本発明者らは考えた。また、ハロゲンフッ化物と窒化シリコンの反応によってハロゲンフッ化物が消費されるとエッチングレートの低下も懸念される。なお、特許文献1には、希釈ガスとしてN2を使用した実施例が記載されているが、プラズマを発生させない条件でのエッチングのため、プラズマ発生時の窒化膜生成の影響について、全く示唆されていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような状況の下、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、シリコンまたはシリコン酸化膜を有する半導体ウェハをエッチングするためのハロゲンフッ化物エッチングガスにおいて窒素の含有量を所定量以下に調整することで、窒化膜の影響をきわめて少なくできることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明の要旨は以下の通りである。
[1]シリコンまたはシリコン酸化膜を有するシリコン基板を、窒素(N2)含有量が1体積%以下のハロゲンフッ化物をエッチングガスとしてプラズマエッチングするエッチング方法。
[2]ハロゲンフッ化物が、ClF3、BrF5、IF3、IF7、ClF、BrF3、IF5、BrFから選択される少なくとも1種である[1]のエッチング方法。
[3]エッチングガスが、さらに、Ar、Ne、KrおよびXeから選ばれる希釈ガスを90体積%以下の量で含む、[1]または[2]のエッチング方法。
[4]シリコンまたはシリコン酸化膜を有するシリコン基板にマスクを設け、処理チャンバ内に基板を搬送し、前記処理チャンバ内の載置台に基板を載置する過程と、
前記処理チャンバ内を減圧する過程と、
前記エッチングガスを処理チャンバ内に供給する過程と、
前記処理チャンバ内にプラズマを形成させ、プラズマと載置した基板との間の電位差によって、異方性エッチングする過程を備える[1]~[3]のエッチング方法。
[5][1]~[4]のエッチング方法を用いる、半導体の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ハロゲンフッ化物からなるエッチングガス中のN2含有量が所定量以下に調整されているので、シリコンまたはシリコン酸化膜を精度よくエッチングする方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明で用いたエッチング装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施するための形態について説明する。
本発明のエッチング方法では、ハロゲンフッ化物を用いて、基板表面のシリコンまたはシリコン酸化膜をエッチングする。
【0014】
基板
基板は、プラズマエッチングで加工可能であれば特に限定されることなく、例えば、ガラス基板、シリコン基板、ガリウム-砒素基板などが挙げられる。このうち、本発明では半導体ウェハとして使用されるシリコン基板を用いる場合に、精度よくエッチングできるために好適である。シリコン基板には、例えば、シリコン酸化膜などが形成されている。
【0015】
シリコン酸化膜とは、SiО2、SiOC、SiOCH等の酸素原子を含有するシリコン化合物により形成される膜のことをいう。
さらにまた、基板には、マスクとして、所定のパターンに加工された有機膜や金属膜が設けられていてもよい。有機膜として炭素を主成分とする膜であり、具体的にはアモルファスカーボン等の炭素系材料や、レジスト組成物などにより形成される膜(以下、レジスト膜とも称する)のことをいう。なお、レジスト組成物としては、特に限定されることなく、例えば、フッ素含有樹脂組成物、及びフッ素非含有の(メタ)アクリル酸系樹脂組成物などが挙げられる。また、金属膜としては、NiやCrなどが挙げられる。
【0016】
本発明では、基板表面のシリコンまたはシリコン酸化物をエッチングして、基板表面に極めて高集積化された微細パターンを食刻する。なお、プラズマエッチングとは、処理ガスに高周波の電場を印加してプラズマ化を起こし、処理ガスを化学的に活性なイオン、電子、中性種に分離させて、これらの活性種と基板との化学的反応及び物理的衝突による反応を利用してエッチングを行う技術である。
【0017】
ハロゲンフッ化物のガス
本発明では、窒素含有量が所定範囲以下に調整されたハロゲンフッ化物のガスを、エッチングガスとして用いる。これによりシリコン酸化膜を高選択的にエッチングすることができ、窒化シリコン生成を抑制できる。
【0018】
ハロゲンフッ化物としては、ClF3、BrF5、IF3、IF7、ClF、BrF3、IF5、BrFから選択した1種または2種以上が使用され、このうち、ClF3、BrF3、BrF5、IF5およびIF7を含むことが好ましく、さらにはIF7、ClF3、BrF5を含むことが好ましい。
【0019】
前記ハロゲンフッ化物の沸点は、50℃以下であることが好ましく、40℃以下であることがより好ましい。前記範囲の沸点であれば、ハロゲンフッ化物のガスをプラズマエッチング装置に導入する際、配管等内での液化を防ぎ、液化に起因する障害の発生を回避することができるため、プラズマエッチング処理を効率化することができる。
【0020】
ハロゲンフッ化物中のN2含有量は1体積%以下であり、望ましくは0.5体積%以下であり、好ましくは0.1体積%以下であり、より好ましくは0.05体積%以下であり、さらに好ましくは0.01体積%以下であり、よりさらに好ましくは0.005体積%以下である。
【0021】
2含有量が多い場合、シリコンまたはシリコン酸化膜とハロゲンフッ化物との反応で生成したフッ素化シリコンとN2がプラズマ条件で反応してシリコン窒化膜が生成する。シリコン窒化膜が半導体基板上に堆積した場合、微細加工の阻害要因となり歩留まりが低下する。シリコン窒化膜がハロゲンフッ化物と反応した場合、ハロゲンフッ化物が消費されてしまい、シリコンまたはシリコン酸化膜のエッチングのエッチングレートが低下してしまうことがある。
【0022】
なお、N2量の調整は、原料に含まないものを使用すればよく、また、たとえば過剰なN2は、容器を冷却してハロゲンフッ化物を液化または固化して気相部をダイアフラム真空ポンプ等で抜出すことで低減できる。具体的には、ハロゲンフッ化物を調製、捕集して冷却して気相部を窒素で置換し、冷却したまま気相部をダイアフラム真空ポンプで所定圧力まで抜出して、室温時のガス組成としてN2含有量が所定量となるように調製する。
【0023】
本発明でのエッチング方法ではN2含有量の少ないハロゲンフッ化物を単独でプラズマエッチングガスとして使用できるが、通常は不活性ガスを希釈ガスとして含むものであってもよい。また、必要に応じて添加ガスを含んでいてもよい。
【0024】
その他のガス
不活性ガスとして、Ar、Ne、Kr及びXeからなる群から選ばれる少なくとも1種のガスを使用する。
また、添加ガスとしては、還元性ガス、フルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン等が挙げられ、たとえば、H2、HF、HI、HBr、HCl、NH3、CF4、CF3H、CF22、CFH3、C26、C242、C25H、C38、C37H、C362、C353、C344、C335、C35H、C33H、C3ClF3H、C48、C46、C58及びC510からなる群から選ばれる少なくとも1種のガスを添加ガスとして加えてもよい。
【0025】
不活性ガスの含有量は、エッチングガスの総量に対して90体積%以下であればよく、好ましくは50体積%以下である。また、添加ガスの含有量は、エッチングガスの総量に対して50体積%以下であればよく、好ましくは30体積%以下である。
【0026】
エッチング方法
本発明では、シリコンまたはシリコン酸化膜を有するシリコン基板に上記のようにマスクを設け、処理チャンバ内に基板を搬送し、前記処理チャンバ内の載置台に基板を載置する過程と、
前記処理チャンバ内を減圧する過程と、
前記エッチングガスを処理チャンバ内に供給する過程と、
前記処理チャンバ内にプラズマを形成させ、プラズマと載置した基板との間の電位差によって、異方性エッチングする過程を備える。
【0027】
本発明で使用できるエッチング方法は、容量結合型プラズマ(CCP)エッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、誘導結合型プラズマ(ICP)エッチング、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマエッチング及びマイクロ波エッチング等の各種エッチング方法に限定されず、採用することができる。
【0028】
図1は、本発明のエッチング方法で採用される反応装置の一態様を示す概略図である。
エッチングガスの導入系統1および希釈・添加ガスの導入系統2を備えた反応チャンバ3内には、基板に高周波を印加するための機能を有する載置台であるステージ5が設置されている。ステージ5は、高周波電源と接続している。また、ステージ5は基板を加熱する機能を有していてもよい。なお、チャンバ周囲にもヒーターが設置されており、チャンバ壁を加熱できるように構成されていてもよい。ステージ5上に載置されたシリコン基板4に対し、エッチングガスを接触させ、シリコン基板4をエッチングすることができる。また、チャンバ3内は減圧環境にするために、圧力計6および真空ポンプ7が設置されている。なお、エッチングに供せられたガスは、図示しないがガス排出ラインを経由して排出される。
【0029】
エッチングガスに含有されるガス成分についてはそれぞれ独立して反応チャンバ内に導入してもよく、又は保存容器後段において予め混合ガスとして調整した上で、チャンバ内に導入しても構わない。
【0030】
チャンバ内に導入されるエッチングガスの総流量は、反応チャンバの容積、排気部の排気能力、圧力条件を考慮して適宜選択される。
チャンバ3内にはプラズマの生成機構が設けられ、その生成機構は、平行板に高周波電圧をかけるものであっても、コイルに高周波電流を流すものであっても、強い電波を当てるものであってもよい。プラズマ中で基板に高周波をかけると基板に負の電圧がかかり、プラスイオンが基板に高速かつ垂直に入射するので異方性エッチングが可能となる。
【0031】
エッチングを行う際の圧力は、安定したプラズマを得るため、10Pa以下が好ましく、5Pa以下が特に好ましい。一方で、チャンバ内の圧力が低すぎると、電離イオンが少なくなり十分なプラズマ密度が得られなくなることから、0.05Pa以上であることが好ましい。また、エッチングを行う際の基板温度は200℃以下が好ましく、特に異方性エッチングを行うためには100℃以下とすることが望ましい。150℃を超える高温では本来のエッチング対象であるシリコン、シリコン酸化膜以外のマスク部分等がエッチングされてしまい、形状異常が発生することがある。
【0032】
また、エッチングを行う際に発生させるプラズマと基板間の電位差を構成するバイアスパワーについては、所望するエッチング形状により0~10000Wから選択すればよく、選択的にエッチングを行う場合は0~1000W程度が好ましい。
【0033】
本発明のエッチング方法は、半導体の製造方法において用いられうる。さらに、本発明のエッチング方法は、シリコン酸化膜を有する被処理体をプラズマエッチング可能なエッチング方法である。
【実施例0034】
以下、実施例により、本実施の形態に係る発明を更に具体的に説明するが、本実施の形態に係る発明は、以下の実施例にのみ制限されるものではない。
【0035】
<調製例1>
IF5とF2とを250℃のガス相で反応させて得た七フッ化ヨウ素を、-70℃に冷却して七フッ化ヨウ素を固化し、気相部を窒素で置換した。
冷却したまま気相部をダイアフラム真空ポンプで所定圧力まで抜出して、室温時のガス組成としてN2含有量が5、2、1、0.5、0.1、0.05、0.01、0.005体積%程度(下表参照)になるように調製した。
表1に調製した七フッ化ヨウ素の組成を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
<実施例1>
上記調製例1で調製したサンプル番号1の七フッ化ヨウ素を使用してシリコン酸化膜を有する半導体ウェハのエッチングを実施した。エッチングにはSamco製のICPエッチング装置RIE-230iPを使用した。
【0038】
サンプル番号1の七フッ化ヨウ素を10mL/min、Arを40mL/minでそれぞれ独立して反応チャンバ内に流通して、高周波電圧を500Wで印加してプラズマ化することでエッチングを行った。エッチング条件として、圧力は3Pa、温度は20℃、バイアスパワーは100Wでエッチングした。
エッチング後、半導体ウェハを取り出しXPSで表面の元素分析を実施した結果、窒素は見られずシリコン窒化膜が生成していないことを確認できた。
【0039】
<実施例2~6>
実施例2においては、上記調製例1で調製したサンプル番号1の代わりにサンプル番号2の七フッ化ヨウ素を使用した以外は実施例1と同様にエッチングを実施した。
同様に、実施例3、4、5、6においては、それぞれサンプル番号3、4、5、6の七フッ化ヨウ素を使用した以外は実施例1と同様にエッチングを実施した。エッチング後、半導体ウェハを取り出しXPSで表面の元素分析を実施した結果、実施例2~6においても、窒素は見られずシリコン窒化膜が生成していないことを確認できた。
【0040】
<比較例1および2>
比較例1、2においては、それぞれ上記調製例1で調製したサンプル番号7、8の七フッ化ヨウ素を使用した以外は実施例1と同様にエッチングを実施した。エッチング後、半導体ウェハを取り出しXPSで表面の元素分析を実施した結果、比較例1、2ともに、窒素が検出されシリコン窒化膜が生成していることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0041】
2含有量の少ないハロゲンフッ化物を用いたエッチング方法を提供する。
【符号の説明】
【0042】
1:ハロゲンフッ化物導入系統
2:希釈・添加ガス導入系統
3:反応チャンバ
4:シリコン基板
5:ステージ
6:圧力計
7:真空ポンプ
図1