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特開2024-134166位置調整機構、記録媒体収容部及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134166
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】位置調整機構、記録媒体収容部及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240926BHJP
   B65H 1/26 20060101ALI20240926BHJP
   B41J 29/13 20060101ALN20240926BHJP
【FI】
G03G21/16 147
G03G21/16 195
B65H1/26 312Z
B41J29/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044315
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100182453
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 英明
(72)【発明者】
【氏名】森田 和樹
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
3F343
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB30
2C061BB35
2H171FA01
2H171FA03
2H171FA22
2H171GA13
2H171HA22
2H171HA23
2H171HA33
2H171JA17
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA28
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC22
2H171QC36
2H171RA03
2H171RA05
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC21
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA01
3F343HA16
3F343HB03
3F343HC04
3F343HC06
(57)【要約】
【課題】少ない部品点数で簡易に位置調整可能にする。
【解決手段】第一の部品41に対する第二の部品42の位置を調整する位置調整機構であって、第二の部品42に設けられ、第一の部品41の位置決め部52に接触して第一の部品41に対する前第二の部品42の位置を調整する位置調整部材54を備え、位置調整部材54は、互いに交差する2つの突片61,62を有し、突片61,62同士が互いに交差する交差部63から位置決め部52に接触する突片62の端62aまでの距離が変更可能に構成される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の部品に対する第二の部品の位置を調整する位置調整機構であって、
前記第二の部品に設けられ、前記第一の部品の位置決め部に接触して前記第一の部品に対する前記第二の部品の位置を調整する位置調整部材を備え、
前記位置調整部材は、互いに交差する2つの突片を有し、
前記突片同士が互いに交差する交差部から前記位置決め部に接触する前記突片の端までの距離が変更可能に構成されることを特徴とする位置調整機構。
【請求項2】
前記位置決め部に接触する前記突片は、前記交差部から端までの間に少なくとも1つの凹部を有し、前記凹部に沿って切り取り可能に構成される請求項1に記載の位置調整機構。
【請求項3】
前記位置決め部に接触する前記突片は、一方の端から取り外して反対側の端へ装着可能な少なくとも1つの着脱片を有する請求項1に記載の位置調整機構。
【請求項4】
前記位置決め部に接触する前記突片は、他方の前記突片を組み付け可能な択一的に選択される複数の溝を有する請求項1に記載の位置調整機構。
【請求項5】
前記位置調整部材は、前記第二の部品に対して向きを逆向きにして付け替え可能に構成され、
前記第二の部品に取り付けられる前記位置調整部材の向きに応じて、前記位置決め部に接触する前記突片の前記交差部から端までの距離が異なる請求項1に記載の位置調整機構。
【請求項6】
記録媒体を収容する収容部本体と、
前記収容部本体に設けられる外装カバーと、
を備える記録媒体収容部であって、
前記収容部本体に対する前記改装カバーの位置を調整する位置調整機構として、請求項1から5のいずれか1項に記載の位置調整機構を備えることを特徴とする記録媒体収容部。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の位置調整機構を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置調整機構、記録媒体収容部及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機又はプリンタなどの画像形成装置において、部品同士あるいは装置同士の位置関係を調整する位置調整機構が設けられているものがある。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2007-67517号公報)においては、原稿を読み取る読取手段の位置を調整する位置調整機構として、読取手段と補強部材とが接触する箇所の高さを調整する手段が開示されている。具体例として、高さ方向に任意の位置で取付可能な部材のほか、横方向の位置に応じて高さ寸法が変化する部材、あるいは、カム形状又は多角形状の回転部材などを用いて読取手段と補強部材とが接触する箇所の高さを調整する例が挙げられている。しかしながら、このような部材を用いる位置調整機構の場合、部品点数が多くなり、コストが高くなることが考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明においては、少ない部品点数で簡易に位置調整可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明は、第一の部品に対する第二の部品の位置を調整する位置調整機構であって、前記第二の部品に設けられ、前記第一の部品の位置決め部に接触して前記第一の部品に対する前記第二の部品の位置を調整する位置調整部材を備え、前記位置調整部材は、互いに交差する2つの突片を有し、前記突片同士が互いに交差する交差部から前記位置決め部に接触する前記突片の端までの距離が変更可能に構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、少ない部品点数で簡易に位置調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図2】本発明の第一実施形態係る画像形成装置の外観斜視図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る給紙カセットの平面図である。
図4】本発明の第一実施形態に係る給紙カセットにおいて、給紙前カバーが収容部本体に取り付けられる前の状態を示す斜視図である。
図5】本発明の第一実施形態に係る給紙前カバーを背面側から見た斜視図である。
図6】本発明の第一実施形態に係る給紙前カバーが収容部本体に対して取り付けられた状態を正面側から見た図である。
図7】本発明の第一実施形態に係る第二位置決め突起の構成を示す図である。
図8】本発明の第一実施形態に係る第二位置決め突起において、突片の一部を切り取った各例を示す図である。
図9】(a)は収容部本体及び給紙前カバーが従基準側において下がるように傾斜する状態を示す正面図、(b)及び(c)は位置調整を行って給紙前カバーを水平に配置した状態を示す正面図である。
図10】(a)は収容部本体及び給紙前カバーが従基準側において上がるように傾斜する状態を示す正面図、(b)及び(c)は位置調整を行って給紙前カバーを水平に配置した状態を示す正面図である。
図11】本発明の第二実施形態に係る第二位置決め突起の構成を示す図である。
図12】本発明の第二実施形態に係る第二位置決め突起において、着脱片の装着位置を変えた各例を示す図である。
図13】本発明の第三実施形態に係る第二位置決め突起の構成を示す図である。
図14】本発明の第三実施形態に係る第二位置決め突起において、突片同士の組み付け位置を変更した各例を示す図である。
図15】本発明の第四実施形態に係る第二位置決め突起の構成を示す図である。
図16】本発明の第四実施形態に係る第二位置決め突起の基本の取付状態を示す図である。
図17】本発明の第四実施形態に係る第二位置決め突起を逆向きにして取り付けた各例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材及び構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付し、一度説明した後ではその説明を省略する。
【0009】
<画像形成装置の構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【0010】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成について説明する。なお、本発明に係る画像形成装置には、プリンタ、複写機、ファクシミリ、印刷機のほか、これらのうちの二つ以上を組み合わせた複合機なども含まれる。また、以下の説明で使用する「画像形成」とは、文字及び図形などの意味を持つ画像を形成するだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を形成することも意味する。
【0011】
図1に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置100は、原稿を搬送する原稿搬送部1と、原稿の画像を読み取る画像読取部2と、記録媒体に画像を形成する画像形成部3と、画像を記録媒体に定着させる定着部4と、記録媒体を供給する記録媒体供給部5と、記録媒体を排出する記録媒体排出部6を備えている。
【0012】
原稿搬送部1には、原稿を載置する原稿供給トレイ25と、原稿供給トレイ25から画像読取部2のコンタクトガラス32に向けて原稿を搬送する複数の搬送ローラ26と、原稿が排出される原稿排出トレイ27が設けられている。
【0013】
画像読取部2には、コンタクトガラス32と、コンタクトガラス32上の原稿の画像を読み取る光学走査ユニット31が設けられている。光学走査ユニット31は、原稿に光を照射する光源のほか、原稿に照射された光の反射光から画像を読み取るCCD(電荷結合素子)などを備えている。なお、画像を読み取る手段として、CCDに代えて密着型イメージセンサ(CIS)などの他のイメージセンサを用いてもよい。光学走査ユニット31は、駆動装置としてのキャリッジによって図1中の矢印方向に移動し、レンズを介して結像素子に像を結び原稿の画像を撮像する。また、画像読取部2は、画像形成装置100に搭載されるものではなく、画像形成装置100とは離れた別の場所に設置され、有線又は無線によって画像形成装置100との間で通信可能なものであってもよい。
【0014】
画像形成部3には、4つの作像ユニット10Y,10M,10C,10Bkと、各作像ユニット10Y,10M,10C,10Bkが備える感光体11に静電潜像を書き込む画像書き込み装置7と、記録媒体に画像を転写する転写装置8が設けられている。
【0015】
各作像ユニット10Y,10M,10C,10Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色のトナー(現像剤)を収容している以外、基本的に同じ構成である。具体的に、各作像ユニット10Y,10M,10C,10Bkは、表面に画像を担持する像担持体としての感光体11と、感光体11の表面を帯電させる帯電部材と、感光体11の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置と、感光体11の表面を清掃するクリーニング装置などを有している。
【0016】
画像書き込み装置7は、感光体11の表面に光(レーザビーム)を照射するLD(レーザダイオード)などを有している。画像書き込み装置7は、画像データに応じてLDの駆動信号を変調し、LDから照射される光によって感光体11上に静電潜像を書き込む。
【0017】
転写装置8は、中間転写ベルト15と、一次転写ローラ16と、二次転写ローラ17を有している。中間転写ベルト15は、無端状のベルトによって構成され、複数のローラによって張架されている。一次転写ローラ16は、中間転写ベルト15の内側に4つ設けられている。各一次転写ローラ16が中間転写ベルト15を介して各感光体11に接触することにより、中間転写ベルト15と各感光体11との間に一次転写部(一次転写ニップ)が形成されている。二次転写ローラ17は、中間転写ベルト15の外周面に接触し、二次転写部(二次転写ニップ)を形成している。
【0018】
定着部4には、ヒータなどの加熱源によって加熱される定着回転体21と、定着回転体21に圧接して定着ニップを形成する加圧回転体22が設けられている。
【0019】
記録媒体供給部5には、記録媒体収容部としての給紙カセット18と、記録媒体供給手段としての給紙ローラ19が設けられている。給紙カセット18は、記録媒体収容部の一例であり、記録媒体としての用紙Pが収容されている。以下、「記録媒体」を「用紙」として説明するが、記録媒体収容部に収容される「記録媒体」は紙(用紙)に限定されるものではない。例えば、「記録媒体」には、紙(用紙)だけでなくOHPシート又は布帛、金属シート、プラスチックフィルム、あるいは炭素繊維にあらかじめ樹脂を含浸させたプリプレグシートなどが含まれる。また、「用紙」には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙及びアート紙など)、トレーシングペーパなども含まれる。
【0020】
記録媒体排出部6には、用紙を排出する一対の排紙ローラ23と、排出された用紙が載置される排紙トレイ24が設けられている。
【0021】
<画像形成動作>
続いて、図1を参照しつつ本実施形態に係る画像形成装置100の画像形成動作について説明する。
【0022】
画像形成の指示があると、まず、画像読取部2において原稿上の画像が読み取られる。この原稿は、原稿供給トレイ25からコンタクトガラス32へ搬送される原稿、あるいは、コンタクトガラス32上に載置された原稿であり、コンタクトガラス32上を通過する原稿又は載置される原稿の画像が画像読取部2の光学走査ユニット31によって読み取られ、読み取られた画像データが画像形成部3へ送られる。
【0023】
画像形成部3においては、各作像ユニット10Y,10M,10C,10Bkの感光体11が回転を開始し、帯電部材によって、感光体11の表面が均一な高電位に帯電される。次いで、画像読取部2によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、画像書き込み装置7が、各感光体11の表面(帯電面)に光を照射する。これにより、光が照射された部分の電位が低下して各感光体11の表面に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置がトナーを供給し、各感光体11上にトナー画像が形成される。
【0024】
各感光体11上に形成されたトナー画像は、各感光体11の回転に伴って一次転写部(一次転写ローラ16の位置)に達すると、回転する中間転写ベルト15上に順次重なり合うように転写される。かくして、中間転写ベルト15上にフルカラーのトナー画像が形成される。なお、各作像ユニット10Y,10M,10C,10Bkのいずれか一つを使用して単色画像を形成したり、いずれか2つ又は3つを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。また、感光体11から中間転写ベルト15へトナー画像が転写された後は、クリーニング装置によって感光体11上の残留トナーなどが除去される。
【0025】
中間転写ベルト15上のトナー画像は、中間転写ベルト15の回転に伴って二次転写部(二次転写ローラ17の位置)へ搬送され、二次転写部において用紙上に転写される。この用紙は、給紙カセット18から供給された用紙Pであり、給紙ローラ19が回転することにより給紙カセット18から用紙Pが送り出される。送り出された用紙Pは、一対のタイミングローラ20によって一旦静止された後、中間転写ベルト15上のトナー画像が二次転写部へ到達するタイミングに合わせてタイミングローラ20により搬送される。
【0026】
そして、用紙Pは、定着部4へ搬送され、定着回転体21と加圧回転体22によって用紙P上のトナー画像が加熱及び加圧され、トナー画像が用紙Pに定着される。その後、用紙Pは排紙ローラ23によって装置外に排出され、排紙トレイ24上に載置される。これにより、一連の画像形成動作が終了する。
【0027】
<画像形成装置の外観構成>
図2は、本発明の第一実施形態係る画像形成装置の外観斜視図である。
【0028】
図2に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置100の正面においては、画像形成部3及び定着部4などが収容される部分の正面を覆う本体前カバー39と、記録媒体供給部5に設けられる複数の給紙カセット18の正面部分を覆う給紙前カバー42とが設けられている。
【0029】
本体前カバー39は、画像形成装置本体に対して開閉可能に設けられている。本体前カバー39が開放されることにより、作業者が画像形成部3又は定着部4に設けられる各種部品のメンテナンス作業、装置内で詰まった用紙の除去処理作業などを行えるようになる。
【0030】
給紙前カバー42には、取っ手43が設けられており、作業者がこの取っ手43を持って給紙カセット18を正面側へ引き出すことができる。給紙カセット18を正面側へ引き出すことにより、用紙の補充作業を行えるようになる。
【0031】
<給紙カセットの構成>
続いて、図3を参照しつつ、給紙カセット18の基本構成について説明する。図3は、給紙カセット18を上方から見た平面図である。
【0032】
図3に示されるように、給紙カセット18は、用紙Pを収容する収容部本体41と、外装カバーとしての給紙前カバー42とを備えている。
【0033】
収容部本体41は、水平に配置される底壁部44と、底壁部44の前後左右に設けられる4つの側壁部45A~45Dとを有する筐体により構成されている。底壁部44上には、収容される用紙P(用紙束)の給紙方向における後端位置を規制するエンドフェンス46と、用紙P(用紙束)の幅方向両端位置を規制する一対のサイドフェンス47A,47Bが設けられている。4つの側壁部45A~45Dのうち、正面側に配置される前壁部45Aには、給紙前カバー42が取り付けられる。給紙前カバー42は、前壁部45Aの正面全体を覆うように配置される。
【0034】
<位置決め機構の構成>
次に、給紙前カバー42を収容部本体41に位置決めする位置決め機構について説明する。
【0035】
図4は、本発明の第一実施形態に係る給紙カセット18において、給紙前カバー42が収容部本体41に取り付けられる前の状態を示す斜視図、図5は、本発明の第一実施形態に係る給紙前カバー42を背面側から見た斜視図である。
【0036】
図4に示されるように、収容部本体41の前壁部45Aの正面には、給紙前カバー42を位置決めするための位置決め部としての2つの位置決め筒部51,52が設けられている。ここでは、2つの位置決め筒部51,52のうち、図4における右側の円筒状の位置決め筒部51が主基準となる第一位置決め筒部であり、左側の横長筒状の位置決め筒部52が従基準となる第二位置決め筒部である。また、前壁部45Aの左右両側面には、前壁部45Aに対して給紙前カバー42を固定するためのねじ孔48A,48Bが設けられている。
【0037】
図5に示されるように、給紙前カバー42の背面には、位置決め部材としての2つの位置決め突起53、54が設けられている。2つの位置決め突起53,54のうち、図5における左側の位置決め突起53が主基準となる第一位置決め突起であり、右側の位置決め突起54が従基準となる第二位置決め突起である。第一突起53及び第二突起54は、いずれも互いに交差する2つの平板状の突片61,62により構成されている。ここでは、2つの突片61,62が互いに直交するように構成されているが、各突片61,62は互いに直交する場合に限らず、互いに傾斜するように交差する場合であってもよい。また、給紙前カバー42の背面には、2つの取付片55A,55Bが設けられている。各取付片55A,55Bには、給紙前カバー42を固定するねじを挿通させるねじ挿通孔49A,49Bが設けられている。
【0038】
給紙前カバー42を収容部本体41の前壁部45Aに取り付けるには、まず、給紙前カバー42の各位置決め突起53,54を、収容部本体41の対応する位置決め筒部51,52に挿入する。すなわち、第一位置決め突起53を、主基準となる第一位置決め筒部51に挿入し、第二位置決め突起54を、従基準となる第二位置決め筒部52に挿入する。各位置決め突起53,54が対応する位置決め筒部51,52に挿入されると、各取付片55A,55Bのねじ挿通孔49A,49Bが、収容部本体41の左右のねじ孔48A,48Bに重なるように配置される。この状態において、各ねじ挿通孔49A,49Bを通して各ねじ孔48A,48Bへねじをねじ込み、給紙前カバー42を収容部本体41の前壁部45Aに対して締結する。これにより、給紙前カバー42が収容部本体41に対して固定されて取り付けられる。
【0039】
図6は、本発明の第一実施形態に係る給紙前カバー42が収容部本体41に対して取り付けられた状態を正面側から見た図である。
【0040】
図6に示されるように、給紙前カバー42が収容部本体41に対して取り付けられた状態においては、第一位置決め突起53の横方向(水平方向)に配置される突片61の左右端、及び、縦方向(鉛直方向)に配置される突片62の上下端が、第一位置決め筒部51の内周面に接触することにより、主基準側において給紙前カバー42が収容部本体41に対して左右方向及び上下方向に位置決めされる。また、第二位置決め突起54の各突片61,62のうち、縦方向(鉛直方向)に配置される突片62の上下端が、第二位置決め筒部52の内周面に接触することにより、従基準側において第一位置決め突起53を中心とする給紙前カバー42の回転方向の位置決めが行われる。これにより、給紙前カバー42は、左右方向及び上下方向の位置決めに加え、主基準を中心とする回転方向の位置決めがなされる。なお、第二位置決め突起54は、第二位置決め筒部52の内周面に対して縦方向の突片62の上下端で接触する場合に限らず、上下端のいずれか一方で接触する場合でもよい。
【0041】
ここで、給紙前カバー42は、正面側から見てほぼ水平に取り付けられており、給紙前カバー42同士の隙間及び給紙前カバー42と本体前カバー39との隙間はほぼ一定となっている(図2参照)。しかしながら、給紙前カバー42の成形時の寸法公差、あるいは部品組み付け時の積み上げ誤差などによって、給紙前カバー42が水平方向に対して傾斜した状態で取り付けられることがある。その場合、給紙前カバー42同士の隙間、又は、給紙前カバー42と本体前カバー39との隙間にばらつきが生じ、外装の美観が損なわれることになる。また、給紙前カバー42が傾斜すると、給紙前カバー42同士が干渉したり、給紙前カバー42と本体前カバー39とが干渉したりする虞もある。
【0042】
そこで、本実施形態に係る画像形成装置100においては、給紙前カバー42の傾きを防止するため、収容部本体41に対する給紙前カバー42の取付位置を調整できるように、位置調整機構を設けている。以下、本発明に係る位置調整機構について、従基準側の第二位置決め突起54を位置調整部材として用いる場合を例に説明する。
【0043】
<本発明の第一実施形態の位置調整機構の構成>
図7は、本発明の第一実施形態に係る第二位置決め突起54の構成を示す図である。
【0044】
図7に示される第二位置決め突起54は、突片61,62同士が互いに交差する交差部63から縦方向(鉛直方向)の突片62の両端62a,62bまでの間に複数の凹部64を有している。凹部64は、縦方向の突片62の左右両側面の互いに反対側の位置に設けられている。凹部64が設けられる部分においては、その他の部分に比べて、突片62が細く形成されている。
【0045】
このように、本発明の第一実施形態においては、第二位置決め突起54が複数の凹部64を有し、凹部64が設けられる箇所において縦方向の突片62が部分的に細くなっているため、突片62の一部を凹部64に沿って切り取ることができる。
【0046】
図8に、本発明の第一実施形態に係る第二位置決め突起54において、突片62の一部を切り取った各例を示す。
【0047】
図8において、(a)は、上から1つ目の凹部64に沿って突片62の一部を切り取った例を示し、(b)は、上から2つ目の凹部64に沿って突片62の一部を切り取った例を示す。また、図8において、(c)は、下から1つ目の凹部64に沿って突片62の一部を切り取った例を示し、(d)は、下から2つ目の凹部64に沿って突片62の一部を切り取った例を示す。このように、突片62の一部を切り取ることにより、交差部63から上端62a又は下端62bまでの距離を、図7に示されるA1,B1から図8の(a)~(d)に示されるA2,A3,B2,B3へ短くすることができる。これにより、収容部本体41に対する給紙前カバー42の位置を調整できるようになる。
【0048】
例えば、図9の(a)に示されるように、収容部本体41が水平方向Hに対して従基準側(図の左側)において下がるように傾斜している場合は、図9の(b)又は(c)に示されるように、突片62の上部を切り取ることにより、交差部63から第二位置決め筒部52に接触する突片62の上端62aまでの距離を短くすればよい。これにより、従基準側において、給紙前カバー42を収容部本体41に対して上方へずらすことができ、収容部本体41の傾斜に伴う下方へのずれを相殺して給紙前カバー42を水平に配置できるようになる。また、突片62を切り取る位置は、給紙前カバー42が傾斜する度合いに応じて適宜変更すればよい。例えば、給紙前カバー42の傾斜が大きい場合は、図9の(c)に示されるように、突片62の切り取り量を多くすることにより、ずれを相殺することができる。
【0049】
また、図10の(a)に示されるように、収容部本体41が水平方向Hに対して従基準側(図の左側)において上がるように傾斜している場合は、図10の(b)又は(c)に示されるように、突片62の下部を切り取ることにより、交差部63から第二位置決め筒部52に接触する突片62の下端62bまでの距離を短くすればよい。これにより、従基準側において、給紙前カバー42を収容部本体41に対して下方へずらすことができ、収容部本体41の傾斜に伴う上方へのずれを相殺して給紙前カバー42を水平に配置できるようになる。また、この場合も、突片62を切り取る位置は、給紙前カバー42が傾斜する度合いに応じて変更すればよい。
【0050】
以上のように、本発明の第一実施形態においては、従基準となる第二位置決め突起54の縦方向の突片62を部分的に切り取ることにより、交差部63から第二位置決め筒部52に接触する突片62の端(上端62a又は下端62b)までの距離を変更して、収容部本体41に対する給紙前カバー42の位置を調整することができる。これにより、給紙前カバー42を水平に配置できるようになるので、外装の美観を向上させることができると共に、給紙前カバー42同士の干渉、給紙前カバー42と本体前カバー39との干渉も回避できるようになる。また、位置決めのための第二位置決め突起54を位置調整部材として用いることができるため、新たに部品を追加することなく、少ない部品点数で簡易に位置調整を行うことができる。
【0051】
なお、本実施形態の場合、位置調整を行うと、特に従基準側において収容部本体41に対する給紙前カバー42の位置が変化するため、従基準側のねじ孔48Bとねじ挿通孔49Bとの相対的な位置が上下方向にずれる。しかしながら、本実施形態においては、図5に示されるように、従基準側のねじ挿通孔49Bはあらかじめ上下方向に長い長孔となっている。このため、ねじ孔48Bに対する位置がずれたとしても、ねじ挿通孔49Bにねじを挿通して給紙前カバー42を締結することが可能である。
【0052】
凹部64の形状は、図7に示されるような円弧状である場合に限らず、矩形状又は三角形状などの他の形状であってもよい。また、凹部64は、突片61,62同士が交差する交差部63から縦方向の突片62の上端62a又は下端62bまでの間に複数設けられている場合に限らない。凹部64の数は、位置調整の精度及び調整幅の大きさなどに応じて適宜変更可能である。従って、凹部64は交差部63から上端62a又は下端62bまでの間に少なくとも1つあればよい。また、凹部64は、突片62の左右両側面に設けられる場合に限らず、いずれか片方の側面のみに設けられる場合であってもよい。
【0053】
続いて、本発明の第一実施形態とは異なる他の実施形態について説明する。以下、主に本発明の第一実施形態とは異なる部分について説明し、同じ部分については適宜説明を省略する。
【0054】
<本発明の第二実施形態の位置調整機構の構成>
図11は、本発明の第二実施形態に係る第二位置決め突起54の構成を示す図である。
【0055】
図11に示される本発明の第二実施形態においては、縦方向の突片62が着脱可能な複数の着脱片65を有している。この場合、縦方向の突片62は、横方向の突片61と一体に構成されたベース片66を有し、このベース片66の上下それぞれに着脱片65が2つずつ装着されている。また、各着脱片65及びベース片66のそれぞれの端部には、着脱片65同士の間及び着脱片65とベース片66との間において着脱片65の着脱を可能にする凹凸形状の嵌合部67が向けられている。
【0056】
図12に、本発明の第二実施形態に係る第二位置決め突起54において、着脱片65の装着位置を変えた各例を示す。
【0057】
図12において、(a)は、上から1つ目の着脱片65を取り外して下端へ装着した例を示し、(b)は、上から1つ目及び2つ目の各着脱片65を取り外して下端へ装着した例を示す。また、図12において、(c)は、下から1つ目の着脱片65を取り外して上端へ装着した例を示し、(d)は、下から1つ目及び2つ目の各着脱片65を取り外して上端へ装着した例を示す。このように、着脱片65を一方の端から取り外して反対側の端へ装着することにより、交差部63から上端62a又は下端62bまでの距離を、図11に示されるA1,B1から図12の(a)~(d)に示されるA2~A5,B2~B5へ変更することができる。
【0058】
従って、本発明の第二実施形態においても、交差部63から上端62a又は下端62bまでの距離を変更して、交差部63から第二位置決め筒部52と突片62のとの接触点までの距離を変更できる。これにより、本発明の第一実施形態と同じように、収容部本体41に対する給紙前カバー42の位置を調整することができるので、給紙前カバー42の傾きを防止して、外装の美観向上を図れると共に、カバー同士の干渉も回避できるようになる。また、位置決めのための第二位置決め突起54を位置調整部材として用いることができるため、新たに部品を追加することなく、少ない部品点数で簡易に位置調整を行うことができる。
【0059】
なお、着脱片65の数は、位置調整の精度及び位置調整幅の大きさなどに応じて適宜変更可能である。従って、着脱片65は、突片61,62同士が交差する交差部63を境界として上端62a側又は下端62b側において少なくとも1つ設けられていればよい。
【0060】
<本発明の第三実施形態の位置調整機構の構成>
図13は、本発明の第三実施形態に係る第二位置決め突起54の構成を示す図である。
【0061】
図13に示される本発明の第三実施形態においては、第二位置決め突起54の縦方向の突片62が、他方(横方向)の突片61を組み付け可能な複数の溝68を有している。この場合、溝68は、縦方向の突片62に5つ設けられており、5つの溝68のうち、一つの溝68が択一的に選択されて、その溝68に他方の突片61が挿入されて組み付けられる。図13においては、上下方向の中央に位置する溝68に、他方の突片61が挿入されて組み付けられている。また、この状態から、突片61,62同士を分離し、他方の突片61を中央の溝68とは別の溝68に挿入することにより、突片61,62同士の組み付け位置を変更することが可能である。
【0062】
図14に、本発明の第三実施形態に係る第二位置決め突起54において、突片61,62同士の組み付け位置を変更した各例を示す。
【0063】
図14において、(a)は、他方の突片61を中央の溝68よりも1つ上の溝68に挿入して組み付けた例を示し、(b)は、他方の突片61を中央の溝68よりも2つ上の溝68に挿入して組み付けた例を示す。また、図14において、(c)は、他方の突片61を中央の溝68よりも1つ下の溝68に挿入して組み付けた例を示し、(d)は、他方の突片61を中央の溝68よりも2つ下の溝68に挿入して組み付けた例を示す。このように、他方の突片61を挿入する溝68を変更することにより、突片61,62同士の組み付け位置が変わるため、交差部63から上端62a又は下端62bまでの距離も、図13の(b)に示されるA1,B1から図14の(a)~(d)に示されるA2~A5,B2~B5へ変更することができる。
【0064】
従って、本発明の第三実施形態においても、交差部63から上端62a又は下端62bまでの距離を変更して、交差部63から第二位置決め筒部52と突片62のとの接触点までの距離を変更できる。これにより、上記各実施形態と同じように、収容部本体41に対する給紙前カバー42の位置を調整することができるので、給紙前カバー42の傾きを防止して、外装の美観向上を図れると共に、カバー同士の干渉も回避できるようになる。また、位置決めのための第二位置決め突起54を位置調整部材として用いることができるため、新たに部品を追加することなく、少ない部品点数で簡易に位置調整を行うことができる。
【0065】
なお、溝68の数は、位置調整の精度及び位置調整幅の大きさなどに応じて適宜変更可能である。従って、溝68は、2つ以上、設けられていればよい。
【0066】
<本発明の第四実施形態の位置調整機構の構成>
図15は、本発明の第四実施形態に係る第二位置決め突起54の構成を示す図である。
【0067】
図15に示される本発明の第四実施形態においては、給紙前カバー42の背面に、第二位置決め突起54を着脱可能な取付溝56が形成されている。取付溝56は、第二位置決め突起54の形状に倣って、2つの直線状の溝が互いに交差する形状に形成されている。また、第二位置決め突起54は、取付溝56に対して向きを変更して付け替え可能に構成されている。すなわち、第二位置決め突起54は、取付溝56に対して、図15に示される向きのほか、図15に示される向きとは前後方向に反転した向きでも取り付けられる。
【0068】
また、第二位置決め突起54においては、突片61,62同士が交差する交差部63から各突片61,62の両端61a,61b,62a,62bまでの距離が、手前側と奥側とで異なっている。具体的に、手前側においては、交差部63から各突片61,62の両端まで61a,61b,62a,62bまでの各距離が全て同じ距離Lに設定されている。一方、奥側においては、交差部63から各突片61,62の両端61a,61b,62a,62bまでの距離が互いに異なる距離N1,N2,M1,M2に設定されている。なお、各突片61,62の一端61a,62aから他端61b,62bまでのそれぞれの長さは、手前側と奥側とにおいていずれも同じ長さ(N1+N2=L+L、M1+M2=L+L)に設定されている。
【0069】
また、横方向の突片61に着目すると、奥側の部分が手前側の部分に対して距離eだけ右側へずれているため、交差部63から右側の部分が、手前側よりも奥側において距離eだけ長く(N1=L+e)、反対に、交差部63から左側の部分は、手前側よりも奥側において距離eだけ短く形成されている(N2=L-e)。また、縦方向の突片62に着目すると、奥側の部分が手前側の部分に対して距離fだけ上側へずれているため、交差部63から上側の部分が、手前側よりも奥側において距離fだけ長く(M1=L+f)、反対に、交差部63から下側の部分は、手前側よりも奥側において距離fだけ短く形成されている(M2=L-f)。また、手前側と奥側における各片61,62のずれ量(距離e,f)は、横方向の突片61と縦方向の突片62との間で異なっている。この場合、横方向の突片61におけるずれ量(距離e)が、縦方向の突片62のずれ量(距離f)よりも大きく設定されている。このため、各突片61,62の奥側においては、交差部63から各端61a,61b,62a,62bまでの距離N1,N2,M1,M2が全て異なっている。
【0070】
図16は、本発明の第四実施形態に係る第二位置決め突起54の基本の取付状態を示す図である。
【0071】
図16に示される基本の取付状態は、交差部63から各端61a,61b,62a,62bまでの距離が等しい側を手前側にして、第二位置決め突起54が取付溝56に取り付けられた状態である。この場合、第二位置決め突起54の手前側においては、交差部63から各突片61,62の両端61a,61b,62a,62bまでの距離が全て同じ距離Lとなる。なお、図16に示される取付状態から、第二位置決め突起54を時計回りに90°、180°、270°回転させて取り付けた場合も、手前側における交差部63から各突片61,62の両端61a,61b,62a,62bまでの距離は全て同じとなる。
【0072】
図17は、本発明の第四実施形態に係る第二位置決め突起54を逆向きにして取り付けた各例を示す図である。
【0073】
図17において、(a)は、手前側において交差部63から上端62aまでの距離が最も長い距離M1となるようにした例を示し、(b)は、手前側において交差部63から上端61aまでの距離が2番目に長い距離N1となるようにした例を示す。また、図17において、(c)は、手前側において交差部63から下端62bまでの距離が最も長い距離M1となるようにした例を示し、(d)は、手前側において交差部63から下端61bまでの距離が2番目に長い距離N1となるようにした例を示す。このように、第二位置決め突起54を逆向きにし、さらに、所定の向きにして取り付けることにより、手前側における交差部63から上端61a,62a又は下端61b,62bまでの距離を変更することができる。すなわち、取付溝56に取り付けられる第二位置決め突起54の向きに応じて、第二位置決め筒部52に接触する各突片61,62の交差部63から上端61a,62a又は下端61b,62bまでの距離を異ならせることができる。
【0074】
従って、本発明の第四実施形態においても、上記各実施形態と同じように、収容部本体41に対する給紙前カバー42の位置を調整でき、給紙前カバー42の傾きを防止して、外装の美観向上を図れると共に、カバー同士の干渉も回避できるようになる。また、位置決めのための第二位置決め突起54を位置調整部材として用いることができるため、新たに部品を追加することなく、少ない部品点数で簡易に位置調整を行うことができる。
【0075】
なお、各突片61,62における手前側の部分と奥側の部分のずれ量(距離e,f)は、位置調整の精度及び位置調整幅の大きさなどに応じて適宜変更可能である。
【0076】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。
【0077】
収容部本体41に設けられる位置決め部は、筒状の位置決め部(位置決め筒部51,52)である場合に限らず、板状又はピン状であってもよい。
【0078】
また、上記各実施形態においては、収容部本体41に対する給紙前カバー42の上下方向の位置調整を行う場合を例に説明したが、本発明に係る位置調整機構は、上下方向の位置調整に限らず、横方向の位置調整を行う場合にも適用可能である。例えば、図7に示される凹部64を縦方向の突片62ではなく横方向の突片61に設けてもよいし、図11に示される着脱片65を縦方向の突片62ではなく横方向の突片61に設けてもよい。また、図13に示される溝68を縦方向の突片62ではなく横方向の突片61に設けてもよい。これらの場合、交差部63から横方向の両端までの距離を変更できるようになるため、横方向(水平方向)の位置調整を行えるようになる。さらに、本発明に係る位置調整機構は、上下方向と左右方向のいずれか一方の位置調整を行う場合に限らず、上下方向と横方向の両方の位置調整を行う場合のほか、上下方向及び左右方向以外の斜め方向の位置調整を行う場合にも適用可能である。
【0079】
また、本発明の位置調整機構は、収容部本体41に対する給紙前カバー42の位置調整に限らず、収容部本体41以外の第一の部品に対する給紙前カバー42の以外の第二の部品の位置調整を行う場合にも適用可能である。さらに、本発明の位置調整機構は、従基準側の位置調整を行う場合に限らず、主基準側の位置調整を行う場合にも適用可能である。
【0080】
以上説明した本発明の態様をまとめると、本発明には、少なくとも下記の態様が含まれる。
【0081】
[第1の態様]
第1の態様は、第一の部品に対する第二の部品の位置を調整する位置調整機構であって、前記第二の部品に設けられ、前記第一の部品の位置決め部に接触して前記第一の部品に対する前記第二の部品の位置を調整する位置調整部材を備え、前記位置調整部材は、互いに交差する2つの突片を有し、前記突片同士が互いに交差する交差部から前記位置決め部に接触する前記突片の端までの距離が変更可能に構成される位置調整機構である。
【0082】
[第2の態様]
第2の態様は、第1の態様において、前記位置決め部に接触する前記突片は、前記交差部から端までの間に少なくとも1つの凹部を有し、前記凹部に沿って切り取り可能に構成される位置調整機構である。
【0083】
[第3の態様]
第3の態様は、第1の態様において、前記位置決め部に接触する前記突片は、一方の端から取り外して反対側の端へ装着可能な少なくとも1つの着脱片を有する位置調整機構である。
【0084】
[第4の態様]
第4の態様は、第1の態様において、前記位置決め部に接触する前記突片は、他方の前記突片を組み付け可能な択一的に選択される複数の溝を有する位置調整機構である。
【0085】
[第5の態様]
第5の態様は、第1の態様において、前記位置調整部材は、前記第二の部品に対して向きを逆向きにして付け替え可能に構成され、前記第二の部品に取り付けられる前記位置調整部材の向きに応じて、前記位置決め部に接触する前記突片の前記交差部から端までの距離が異なる位置調整機構である。
【0086】
[第6の態様]
第6の態様は、記録媒体を収容する収容部本体と、前記収容部本体に設けられる外装カバーと、を備える記録媒体収容部であって、前記収容部本体に対する前記改装カバーの位置を調整する位置調整機構として、第1から第5のいずれか1つの態様の位置調整機構を備える記録媒体収容部である。
【0087】
[第7の態様]
第7の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様の位置調整機構、又は、第6の態様の記録媒体収容部を備える画像形成装置である。
【符号の説明】
【0088】
18 給紙カセット(記録媒体収容部)
41 収容部本体(第一の部品)
42 給紙前カバー(第二の部品、外装カバー)
51 第一位置決め筒部(位置決め部)
52 第二位置決め筒部(位置決め部)
53 第一位置決め突起(位置決め部材)
54 第二位置決め突起(位置決め部材、位置調整部材)
61 突片
62 突片
63 交差部
64 凹部
65 着脱片
68 溝
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0089】
【特許文献1】特開2007-67517号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17