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  • 特開-気泡による情報表示媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134491
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】気泡による情報表示媒体
(51)【国際特許分類】
   G09F 19/00 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
G09F19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128005
(22)【出願日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】63/491,092
(32)【優先日】2023-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年8月5日にArs Electronicaのウエブサイト(https://ars.electronica.art/planetb/en/ephemera/)にて公開 [刊行物等] 令和4年9月7日にArs Electronica Festival 2022にて展示 [刊行物等] 令和5年3月19日に東京大学大学院筧康明研究室のウエブサイト(https://xlab.iii.u-tokyo.ac.jp/showcase2023/)にて公開 [刊行物等] 令和5年3月19日に、東京大学大学院 筧康明研究室 成果発表会にて公開 [刊行物等] 令和5年4月22日に、東京大学大学院筧康明研究室のウエブサイト(https://xlab.iii.u-tokyo.ac.jp/projects/bubbletex/)にて公開 [刊行物等] 令和5年4月24日に動画プラットフォームVimeo(ビメオ)のウエブサイト(https://vimeo.com/722429358,https://vimeo.com/701903449?embedded=true&source=vimeo_logo&owner=99609989)にて公開 [刊行物等] 令和5年4月19日にCHI2023の講演予稿集にて公開 [刊行物等] 令和5年4月24日にCHI2023にて公開 [刊行物等] 令和5年5月17日にISEA2023にて公開 [刊行物等] 令和5年4月28日にUniversity of Arts Londonにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【弁理士】
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】筧 康明
(72)【発明者】
【氏名】サリーン・ハープリート
(72)【発明者】
【氏名】フ・イーボ
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で、泡により一定時間安定的に情報を表示できる気泡による情報表示媒体を提供する。
【解決手段】表面に親水性領域12と疎水性領域14とが形成されており、疎水性領域14は任意の形状であり、疎水性領域14の集合により表示されるべき情報の形状が形成されており、表面に二酸化炭素等の気体成分を含有する液体が接した場合に、疎水性領域14に、疎水性領域14と平面視で同じ形状、同じ大きさの気体成分の単一の気泡が発生し、気泡の集合によって情報を表示できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に親水性領域と疎水性領域とが形成されており、前記疎水性領域は任意の形状であり、前記疎水性領域の集合により表示されるべき情報の形状が形成されており、
前記表面に気体成分を含有する液体が接した場合に、前記疎水性領域に、前記疎水性領域と平面視で同じ形状、同じ大きさの前記気体成分の単一の気泡が発生する、気泡による情報表示媒体。
【請求項2】
前記疎水性領域が、直径1.0~5.5mmの円形である、請求項1に記載の気泡による情報表示媒体。
【請求項3】
前記疎水性領域が、親水性基材の一部を疎水化して形成されている、請求項1または2に記載の気泡による情報表示媒体。
【請求項4】
前記疎水性領域が、疎水性基材の表面の一部を残して他の領域を親水化して形成されている、請求項1または2に記載の気泡による情報表示媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡による情報表示媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、泡により文字や画像等の情報を表示する手法が提案されている。これらの手法では、泡を発生させるために、水の電気分解、エアポンプにより空気流を水中に供給する等の方法が使用されていた。また、ビールその他の炭酸飲料等を使用して泡を発生する方法も使用されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、多数のノズルより液体中に放出される気泡群によって情報を表示する装置が開示されている。また、下記特許文献2には、容器の底面に泡を発生させる泡発生部を設け、容器に注がれた炭酸飲料の表面に、泡発生部とほぼ同形の泡の集合を生じさせる容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2023-5166号公報
【特許文献2】US2002/0000678A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の技術は、ノズルを使用し、常時液体中を移動(上昇)する気泡による情報の表示であって、表示媒体の表面に定着した気泡による情報の表示ではない。このため、ノズルから空気を放出するための動力が必要であって、装置が大がかりとなるという問題があった。また、上記特許文献2は、容器の底面で発生した泡が、容器に注がれた液体の表面まで移動して泡の集合を形成するので、泡の集合の形状が崩れやすく不安定であるという問題があった。また、特許文献1、特許文献2は、容器の表面に気泡を定着することにより情報を表示する技術ではなかった。
【0006】
本発明の目的は、簡易な構造で、泡により一定時間安定的に情報を表示できる気泡による情報表示媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の実施態様を含む。
[1]表面に親水性領域と疎水性領域とが形成されており、前記疎水性領域は任意の形状であり、前記疎水性領域の集合により表示されるべき情報の形状が形成されており、前記表面に気体成分を含有する液体が接した場合に、前記疎水性領域に、前記疎水性領域と平面視で同じ形状、同じ大きさの前記気体成分の単一の気泡が発生する、気泡による情報表示媒体。
[2]前記疎水性領域が、直径1.0~5.5mmの円形である、[1]に記載の気泡による情報表示媒体。
[3]前記疎水性領域が、親水性基材の一部を疎水化して形成されている、[1]または[2]に記載の気泡による情報表示媒体。
[4]前記疎水性領域が、疎水性基材の表面の一部を残して他の領域を親水化して形成されている、[1]または[2]に記載の気泡による情報表示媒体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な構造で、泡により一定時間安定的に情報を表示できる気泡による情報表示媒体を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態にかかる気泡による情報表示媒体の断面図である。
図2】実施形態にかかる気泡による情報表示媒体として、底面に疎水性領域を形成したガラス容器の断面図である。
図3】実施例にかかるガラス容器の部分平面図である。
図4】実施例にかかるポリスチレン容器の平面図である。
図5】実施例にかかるガラス容器及びポリスチレン容器に炭酸水を注いだ場合の気泡の発生状況の説明図である。
図6】実施例にかかるガラス容器及びポリスチレン容器に炭酸水を注いだ場合に、各底面に現れた情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0011】
図1には、実施形態にかかる気泡による情報表示媒体の断面図が示される。図1において、適宜な基材10の表面に親水性領域12と疎水性領域14とが形成されている。図1の例では、疎水性領域14が斜線により示されている。
【0012】
基材10の表面が親水性である場合、基材10の表面の疎水性領域14を形成する部分に疎水性の物質をコーティングすることにより疎水化し、疎水性領域14を形成する。表面が親水性である基材10の材料としては、ガラス、ステンレス鋼等が挙げられる。また、疎水性の物質としては、例えばシリカ(二酸化ケイ素)系のポリマーであるナノコート(登録商標)1000(東京シリコーン株式会社製)等を使用することができる。疎水性領域14(任意形状)を形成する際には、適宜なマスクを基材10の表面の親水性領域12として残す部分に形成した状態で基材10の表面に疎水性の物質をコーティングし、その後上記マスクを除去することにより親水性領域12の中に任意の形状の疎水性領域14を形成することができる。
【0013】
なお、疎水性の物質をコーティングする代わりに、基材10の表面をプラズマ処理することにより疎水化してもよい。
【0014】
また、基材10の表面が疎水性である場合、基材10の表面の親水性領域12を形成する部分に親水化処理を行い、親水性領域12を形成する。表面が疎水性である基材10の材料としては、ポリスチレン、ポリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。基材10の表面を親水化処理する際には、銅テープ等の適宜なマスクを基材10の表面の疎水性領域14として残す部分(任意形状)に形成した状態で基材10の表面の全面にプラズマ処理を行い、その後上記マスクを除去することにより親水性領域12の中に任意の形状の疎水性領域14を形成することができる。また、親水化処理としては、上記プラズマ処理の他、適宜なマスクを基材10の表面の疎水性領域14として残す部分(任意形状)に形成した状態で親水性の物質をコーティングし、その後上記マスクを除去することにより行うこともできる。親水性の物質としては、東京応化工業株式会社製の超親水コーティング材等を使用することができる。
【0015】
なお、プラズマ処理により基材10の表面の改質を行う場合、使用するプロセスガスを変更することにより、親水性から疎水性への変換、及び疎水性から親水性への変換を行うことができる。
【0016】
図2には、実施形態にかかる気泡による情報表示媒体として、底面に疎水性領域14を形成したガラス容器の断面図が示される。図2の例では、ガラス容器16の底面16bに、親水性領域12に囲まれた状態で任意形状の疎水性領域14が形成されており、ガラス容器16の底面16bを構成する部分が図1の基材10に相当する。ガラス容器16に二酸化炭素(CO)等の気体成分を含有する液体(ソーダ水、ビール等)を注ぎ、この液体が疎水性領域14に接すると、疎水性領域14において上記二酸化炭素等の気体成分が気化して気泡が発生する。当初小径で多数発生した気泡は、数分以内に合体し、単一の大きな気泡18となって疎水性領域14上に安定的に定着する。この定着した気泡18の集合により、所望の情報が表示される。
【0017】
なお、ガラス容器16の底面16bに形成された疎水性領域14は、通常人間の目には見えないまたは見えにくい状態で形成されているので、気体成分を含有する液体をガラス容器16に注ぐまで、上記情報の存在、内容を秘匿することが可能である。
【0018】
以上の説明では、定着した気泡18の集合により所望の情報を表示する場合、気泡18が定着する疎水性領域14が情報を表す部分、例えば文字等の形状の部分に形成されることを前提にしていたが、これには限定されない。例えば、文字等の情報の形状の部分を除いた領域に疎水性領域14を形成し、気泡18が定着した疎水性領域14に囲まれた、気泡の存在しない領域(親水性領域12)により情報を表示する構成とすることもできる。
【0019】
なお、図2では、ガラス容器16が例示されているが、疎水性材料であるポリスチレンにより製造されたポリスチレン容器等を使用しても、同様に情報を表示することができる。
【0020】
ここで、液体が「気体成分を含有する」とは、液体中に気体成分が溶解した状態であり、一部の気体成分がガス化していてもよい。
【0021】
以上に述べた疎水性領域14の形状は、任意とすることができるが、例えば直径1.0~5.5mmの円形とすると、他の形状とする場合に較べて気泡の生成及び数日間安定的に維持するために有利である。
【実施例0022】
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下の実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0023】
実施例1.
<親水性基材の一部の疎水化>
親水性基材であるホームデポ社製ガラス599047を用いて35cm(L)x35cm(W)x5.5cm(H)の水槽を作製し、ガラス容器16とした。ガラス容器16の底面16bにプラスチックシートをマスクとして貼り付けた。プラスチックシートには、予め疎水性領域となる部分に円形の穴を開けておいた。
【0024】
図3(a)、(b)には、上記ガラス容器16の部分平面図が示される。すなわち、図3(a)、(b)は、正方形であるガラス容器16の底面の一部の円形領域を示している。図3(a)において、ガラス容器16の底面16b(の一部の円形領域)には、プラスチックシート20がマスクとして貼り付けられており、このプラスチックシート20には、文字Aを表すように10箇所に穴20hが開けられている。図3(a)の例では、プラスチックシート20に開けられた穴20hは円形とされている。円の直径は、1.0~5.5mmまで0.5mm刻みで10通りとし、それぞれの直径の穴20hが開けられたプラスチックシート20を別々のガラス容器16の底面16bに貼り付けた。本実施例では、文字「A」が表示される情報である。
【0025】
次に、Dlexler社製セラミックコートを、プラスチックシート20の穴20hからガラス容器16の底面16bに塗布し、24時間乾燥させて塗布した箇所を疎水化した。これにより、ガラス容器16の底面16bに疎水性領域14を形成した。その後、プラスチックシート20を除去した。疎水性領域14が、図3(b)で斜線を付した円で表されている。図3(b)に示されるように、疎水性領域14は、プラスチックシート20の穴20hと同じ位置、同じ大きさで形成されるので、上記各径の疎水性領域14の集合によりそれぞれ文字Aが表される。なお、ガラス容器16の底面16bに形成された疎水性領域14は疎らで、時間が経つにつれて肉眼ではほとんど見ることができなくなった。
【0026】
実施例2.
<疎水性基材の一部の親水化>
疎水性基材として、ポリスチレン容器22(株式会社サンプラテック製ディスポシャーレ、直径90mm、深さ15mm)を準備し、その底面に銅テープをマスクとして貼り付けた。なお、マスクとしては銅テープに限らず、適宜なプラスチックシートを使用することもできる。
【0027】
図4(a)、(b)には、上記ポリスチレン容器22の平面図が示される。図4(a)において、ポリスチレン容器22の底面22bには、文字Aを表すように10箇所に銅テープ24がマスクとして貼り付けられている。図4(a)の例では、マスクである銅テープ24は円径に切り抜かれて底面22bに貼り付けられている。マスクとして貼り付けられる銅テープ24の直径は実施例1と同じ10種類とし、別々のポリスチレン容器22の底面22bに貼り付けた。実施例2では、文字「A」が表示される情報である。銅テープ24を貼り付けた箇所が疎水性として維持される箇所である。
【0028】
次に、卓上真空プラズマ装置YHS-R(株式会社魁半導体製)を使用し、ポリスチレン容器22の底面22bの全面に180秒間プラズマ照射を行った。プロセスガスとしては、大気を使用した。これにより、ポリスチレン容器22の底面22bが、銅テープ24を貼り付けた部分を除いて親水化した。この際、銅テープ24を貼り付けた部分は親水化されておらず、疎水性領域14として残っている。その後、銅テープ24を除去した。疎水性領域14が、図4(b)で斜線を付した円で表されている。図4(b)に示されるように、疎水性領域14は、底面22bに貼り付けられた銅テープ24と同じ位置、同じ大きさで形成されるので、上記各径の疎水性領域14の集合によりそれぞれ文字Aが表される。なお、ポリスチレン容器22の底面22bに形成された疎水性領域14は疎らで、時間が経つにつれて肉眼ではほとんど見ることができなくなった。
【0029】
<情報の可視化>
実施例1及び実施例2で疎水性領域14を形成したガラス容器16及びポリスチレン容器22に炭酸水を注いだ。
【0030】
図5(a)、(b)、(c)には、ガラス容器16及びポリスチレン容器22に炭酸水を注いだ場合の気泡の発生状況の説明図が示される。図5(a)には、炭酸水を注ぐ前のガラス容器16の底面16bまたはポリスチレン容器22の底面22bに形成された疎水性領域14が破線で示されている。この場合、図3(b)及び図4(b)に示された10個の疎水性領域14の内の一つが示されている。
【0031】
図5(b)において、ガラス容器16及びポリスチレン容器22に炭酸水を注ぐと、底面16bまたは底面22bに二酸化炭素(CO)の小さな気泡が発生する。図5(b)の例では、発生した気泡が大小の円または変形した円により示されている。これらの気泡の内、親水性領域12に発生した気泡は短時間で消滅する。一方、疎水性領域14に発生した気泡は、その多くが消滅せずに疎水性領域14上に存在し続けて数分以内に合体し、図5(c)に示されるように、疎水性領域14と平面視でほぼ同じ形状、同じ大きさの単一の大きな気泡18となって疎水性領域14上に安定的に定着した。また、定着した気泡18は、2~3日間安定的に存在できることが確認された。
【0032】
このように、発生した気泡18が安定的に定着する機構としては、以下のように考えられる。すなわち、炭酸水をガラス容器16及びポリスチレン容器22(以後容器という)に注ぐと、液体(炭酸水)中の気泡が容器表面に存在する空洞(EGC/Entrapped Gas Cavities)に捕捉され、容器の表面に気泡が付着する。容器の表面に疎水性領域14が形成されていると、気泡の容器表面への接触角を増加させるため、気泡の核の形成が活性化され、この気泡核形成プロセスが促進される。容器の表面では、小さな気泡が最初に核生成し、親水性領域12に発生した気泡は、気泡核形成プロセスが促進されず短時間で消滅するが、気泡核形成プロセスが促進されている疎水性領域14では互いに合体して容器表面の疎水性領域14の大きさに対応する大きなサイズになる。また、これらの現象と同時に炭酸水内に含まれる二酸化炭素量の割合も、炭酸水を容器に注いだ後から時間経過とともに減少していき、その変化は次第に穏やかになる。このように炭酸水内の気体のレベル(炭酸水内に含まれる二酸化炭素量の割合)が安定化すると、容器表面の気泡も核生成部位で安定し、気泡核の生成及び合体が沈静化して疎水性領域14に安定的に付着する。いったん気泡が安定化し容器表面に付着すると、競合する気泡がなくなるため、疎水性領域14に長時間安定的に定着することができる。
【0033】
以上の現象は、上記実施例1、2で形成した10種類の径のいずれでも同様に観察された。すなわち、1.0~5.5mmの径のいずれの場合でも気泡18の安定性が高かった。
【0034】
図6には、ガラス容器16及びポリスチレン容器22に炭酸水を注いだ場合に、各底面16b、22bに現れた情報が示される。本実施例1、2では、情報は文字「A」であり、底面16bまたは底面22bには、気泡18の集合により文字「A」が可視化されている。この情報は、上記実施例1、2で形成した10種類の径のいずれでも同様に観察された。なお、上述したように、情報である文字「A」の形状の部分を除いた領域に疎水性領域14を形成し、気泡18が定着した疎水性領域14に囲まれた、気泡の存在しない領域(親水性領域12)により文字「A」を表す構成としてもよい。
【符号の説明】
【0035】
10 基材、12 親水性領域、14 疎水性領域、16 ガラス容器、16b 底面、18 気泡、20 プラスチックシート、20h 穴、22 ポリスチレン容器、22b 底面、24 銅テープ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6