(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134695
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240927BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240927BHJP
C23C 16/509 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H05H1/46 B
H01L21/31 C
C23C16/509
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045025
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(72)【発明者】
【氏名】平山 昌樹
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA05
2G084CC14
2G084CC33
2G084DD04
2G084DD11
2G084DD23
2G084FF04
2G084FF15
2G084FF32
2G084FF38
2G084HH20
4K030GA02
4K030KA17
4K030KA26
4K030KA30
4K030KA32
4K030KA34
4K030KA46
5F045AA08
5F045BB02
5F045DP03
5F045EC05
5F045EF05
5F045EF11
5F045EH05
5F045EH08
5F045EH14
5F045EJ05
5F045EJ10
5F045EK07
(57)【要約】
【課題】プラズマ処理装置の励起電極に対する温度調整のための熱媒体の流れの周方向における均一性を高める技術を提供する。
【解決手段】開示されるプラズマ処理装置では、励起電極の下のプラズマ生成空間に放出部から電磁波を供給するように構成されている。プラズマ処理装置は、温調器を備える。温調器は、複数のファンを含み、流路を提供する。複数のファンは、励起電極の上方で中心軸線の周りで等間隔に配列されている。流路は、中心軸線に対して軸対称又は回転対称である。温調器の流路は、第1の部分流路及び第2の部分流路を含む。第1の部分流路は、励起電極の上面に沿って延びている。第2の部分流路は、複数のファンと第1の部分流路との間で反対方向に交互に延びている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その内部において処理空間を提供するチャンバと、
前記処理空間内に設けられた基板支持部と、
前記基板支持部の上方に設けられた励起電極と、
前記励起電極の下のプラズマ生成空間に電磁波を放出するように設けられており、前記チャンバ及び前記励起電極の中心軸線の周りで延在する放出部と、
前記励起電極の上面に沿って熱媒体を供給するように構成された温調器と、
を含み、
前記温調器は、前記熱媒体の流れを形成するように構成された複数のファンを含み、前記複数のファンの各々と前記励起電極との間に前記熱媒体のための流路を提供し、
前記複数のファンは、前記励起電極の上方で前記中心軸線の周りで等間隔に配列されており、
前記流路は、前記中心軸線に対して軸対称又は回転対称であり、
前記励起電極の前記上面に沿って延びる第1の部分流路と、
前記複数のファンと前記第1の部分流路との間で反対方向に交互に延びる第2の部分流路と、
を含む、
プラズマ処理装置。
【請求項2】
第1端及び第2端を含み、該第1端から該第2端まで延びる空洞を提供し、該空洞を伝搬する電磁波を該第1端と該第2端とで反射させて共振させるように構成されており、前記励起電極の上方に設けられた共振器を備え、
前記第1端は、前記第2端に対して上方に設けられており、且つ、前記中心軸線を囲むように周方向に延在しており、
前記放出部は、前記第2端からの電磁波を受けるように配置されており、
前記第2の部分流路は、前記空洞から形成されている、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記共振器と前記励起電極との間に間隙を形成するように前記共振器と前記励起電極との間に設けられており、且つ、前記共振器と前記励起電極とを互いに導通させる導電性部材を更に備える、請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記空洞及び前記温調器の前記流路は、複数の層を有するように、前記中心軸線に近付く方向及び前記中心軸線から離れる方向に交互に延びている、請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記共振器は、外周部を含み、
前記外周部は、鉛直方向に沿って配列された複数の段を含み、
前記外周部は、前記複数の段のうち、最上段及び最下段を除く、一つの段において絶縁性材料から形成されている、
請求項4に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記一つの段は、前記共振器内で前記電磁波の定在波の腹が形成される箇所に位置している、請求項5に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記一つの段は、前記周方向に沿って配列された複数の柱状体から構成されている、
請求項5に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記複数の段のうち前記一つの段を除く他の段の各々は、前記周方向に沿って配列された金属製の複数の柱状体から構成されている、請求項7に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
前記共振器は、前記外周部を囲む筒状且つ金属製のシールド薄板を更に備える、請求項7又は8に記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記複数の層を形成し、該複数の層と交互に配列された複数の板を更に含み、
前記複数の板のうち少なくとも一つには、前記中心軸線に対して放射方向に延び、且つ、前記周方向に沿って配列された複数のスリットが形成されている、
請求項4~8の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項11】
前記複数のファンは、前記複数の層のうち最上層に接続されており、
前記最上層の鉛直方向における長さは、前記複数の層のうち他の全ての層の各々の該鉛直方向における長さよりも長い、
請求項4~8の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
前記共振器は、前記中心軸線を囲む内周部を含み、
前記共振器は、前記内周部の内側に前記流路の一部として、第3の部分流路を形成し、
前記第3の部分流路は、前記第1の部分流路に繋がっており、
該プラズマ処理装置は、前記内周部の内側に設けられたヒータを更に備え、
前記複数のファンは、前記第3の部分流路から前記第1の部分流路を介して前記第2の部分流路に流れる前記熱媒体の流れを形成する、
請求項2~8の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項13】
前記励起電極は、
前記基板支持部の上方に設けられたシャワープレートと、
該シャワープレート上に設けられた上部電極であり、前記シャワープレートと該シャワープレートとの間にガス拡散室を形成する、該上部電極と、
を含み、
該プラズマ処理装置は、前記内周部の内側で鉛直方向に延びるガス管と、
を更に備え、
前記ガス管は、前記ガス拡散室に接続されており、
前記ヒータは、前記内周部の内側に配置されており、前記ガス管を囲んでいる、
請求項12に記載のプラズマ処理装置。
【請求項14】
前記第1の部分流路は、前記共振器と前記励起電極との間に提供されており、
前記励起電極は、前記第1の部分流路を形成する複数のフィンを含み、
前記複数のフィンは、前記中心軸線に対して放射方向に延び、且つ、周方向に沿って配列されている、
請求項2~8の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項15】
前記励起電極は、ヒータを内蔵している、請求項1~8の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項16】
前記温調器は、その中に冷媒が供給される冷却部を含み、
前記冷却部は、前記第2の部分流路の一部を形成している、
請求項1~8の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、プラズマ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板の処理に用いられる基板処理装置は、その部材を冷却する機構を有することがある。下記の特許文献1は、基板処理装置として、シャワーヘッドを冷却する機構を備える成膜装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、プラズマ処理装置の励起電極に対する温度調整のための熱媒体の流れの周方向における均一性を高める技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの例示的実施形態においてプラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持部、励起電極、放出部、及び温調器を備える。チャンバは、その内部において処理空間を提供する。基板支持部は、処理空間内に設けられている。励起電極は、基板支持部の上方に設けられている。放出部は、励起電極の下のプラズマ生成空間に電磁波を放出するように設けられており、チャンバ及び励起電極の中心軸線の周りで延在する。温調器は、励起電極の上面に沿って熱媒体を供給するように構成されている。温調器は、熱媒体の流れを形成するように構成された複数のファンを含み、複数のファンの各々と励起電極との間に熱媒体のための流路を提供する。複数のファンは、励起電極の上方で中心軸線の周りで等間隔に配列されている。温調器の流路は、中心軸線に対して軸対称又は回転対称である。温調器の流路は、第1の部分流路及び第2の部分流路を含む。第1の部分流路は、励起電極の上面に沿って延びている。第2の部分流路は、複数のファンと第1の部分流路との間で反対方向に交互に延びている。
【発明の効果】
【0006】
一つの例示的実施形態によれば、プラズマ処理装置の励起電極に対する温度調整のための熱媒体の流れの周方向における均一性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。
【
図2】別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。
【
図3】
図2のIII-III線に沿ってとった断面図である。
【
図4】更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。
【
図5】更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。
【
図6】
図5のVI-VI線に沿ってとった断面図である。
【
図7】
図5のVII-VII線に沿ってとった断面図である。
【
図8】
図5のVIII-VIII線に沿ってとった断面図である。
【
図9】
図5のIX-IX線に沿ってとった断面図である。
【
図10】更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。
【
図12】
図10のXII-XII線に沿ってとった断面図である。
【
図13】
図10のXIII-XIII線に沿ってとった断面図である。
【
図14】
図10のXIV-XIV線に沿ってとった断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0009】
図1は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。
図1に示すプラズマ処理装置1は、チャンバ10、基板支持部12、励起電極14、放出部16、及び温調器18を備える。プラズマ処理装置1は、制御部2を更に備えていてもよい。
【0010】
チャンバ10は、その内部において処理空間10sを提供している。プラズマ処理装置1では、基板Wは、処理空間10sの中で処理される。チャンバ10は、アルミニウムのような金属から形成されており、接地されている。チャンバ10は、側壁10aを有しており、その上端において開口されている。チャンバ10及び側壁10aは、略円筒形状を有し得る。処理空間10sは、側壁10aの内側に提供されている。チャンバ10、側壁10a、及び処理空間10sの各々の中心軸線は、軸線AXである。チャンバ10は、その表面に耐腐食性を有する膜を有していてもよい。耐腐食性を有する膜は、酸化イットリウム膜、酸化フッ化イットリウム膜、フッ化イットリウム膜、酸化イットリウム、又はフッ化イットリウム等を含むセラミック膜であり得る。
【0011】
チャンバ10の底部は、排気口10eを提供している。排気口10eには、排気装置が接続される。排気装置は、ドライポンプ及び/又はターボ分子ポンプのような真空ポンプと自動圧力制御弁を含み得る。
【0012】
基板支持部12は、処理空間10sの中に設けられている。基板支持部12は、その上面の上に載置された基板Wを略水平に支持するように構成されている。基板支持部12は、略円盤形状を有している。基板支持部12の中心軸線は、軸線AXである。
【0013】
励起電極14は、基板支持部12の上方に処理空間10sを介して設けられている。励起電極14は、金属(例えばアルミニウム)のような導電性材料から形成されており、略円盤形状を有している。励起電極14の中心軸線は、軸線AXである。
【0014】
放出部16は、そこからプラズマ生成空間に電磁波を放出するために設けられている。プラズマ処理装置1において、プラズマ生成空間は、処理空間10sの中、且つ、励起電極14の下の空間である。放出部16からプラズマ生成空間に放出される電磁波は、VHF波又はUHF波のような高周波であり得る。放出部16は、石英、窒化アルミニウム、又は酸化アルミニウムのような誘電体から形成されている。放出部16は、軸線AXの周りで周方向に延在している。放出部16は、環形状を有していてもよい。放出部16は、プラズマ生成空間又は後述するシャワープレート141を囲むように延在していてもよい。プラズマ処理装置1では、チャンバ10内のガスは、放出部16からプラズマ生成空間に放出される電磁波により励起される。その結果、プラズマ生成空間において、プラズマが生成される。
【0015】
一実施形態において、励起電極14は、シャワープレート141及び上部電極142を含んでいてもよい。シャワープレート141は、基板支持部12の上方に設けられている。シャワープレート141は、放出部16と共にチャンバ10の上端の開口を閉じている。シャワープレート141は、複数のガス孔14hを提供している。複数のガス孔14hは、シャワープレート141の厚さ方向(鉛直方向)に延びており、シャワープレート141を貫通している。
【0016】
上部電極142は、シャワープレート141上に設けられている。上部電極142は、シャワープレート141と上部電極142との間にガス拡散室14dを形成している。ガス拡散室14dには、ガス供給部20が接続されている。ガス供給部20からのガスは、ガス拡散室14dを介して複数のガス孔14hから処理空間10sに吐出される。
【0017】
一実施形態において、励起電極14は、ヒータ143を内蔵していてもよい。ヒータ143は、上部電極142の中に設けられていてもよい。ヒータ143は、ヒータ電源22に接続されている。ヒータ143は、ヒータ電源22から与えられる電力により発熱する。また、プラズマ処理装置1は、温度センサ144を更に備えていてもよい。温度センサ144は、励起電極14又は上部電極142に中に設けられていてもよい。温度センサ144は、例えば熱電対を含む。温度センサ144は、励起電極14の温度を測定する。プラズマ処理装置1では、温度センサ144によって測定された温度測定値と励起電極14の目標温度値との差を減少させるように、ヒータ電源22及び後述する複数のファンが、制御部2によって制御される。
【0018】
制御部2は、プロセッサ、メモリのような記憶部、及び通信インタフェイスを含むコンピュータ装置である。制御部2は、制御プログラムを実行して、レシピデータに従ってプラズマ処理装置1の各部を制御するように構成されている。
【0019】
プラズマ処理装置1は、共振器30を更に備えていてもよい。共振器30は、励起電極14の上方に設けられている。共振器30は、空洞32を提供している。空洞32は、金属のような導電性材料から形成された壁によって形成されている。共振器30は、第1端301及び第2端302を含む。第1端301は、第2端302に対して上方に設けられている。第1端301は、軸線AXを囲むように周方向に延在している。第1端301は、共振器30の外周部30oによって提供されている。第2端302は、励起電極14に対して外側で、放出部16に結合されている。共振器30は、空洞32内で伝搬する電磁波を、第1端301と第2端302とで反射させて共振させるように構成されている。共振器30内で共振した電磁波は、第2端302から放出部16に供給されて、プラズマ生成空間に放出される。
【0020】
共振器30の空洞32は、軸線AXに対して軸対称又は回転対称に構成されている。空洞32は、上部321及び曲折部322を含んでいてもよい。上部321は、第1端301から、軸線AXに近付く方向に、共振器30の内周部30iまで延びている。曲折部322は、上部321の内側端部から第2端302まで延びている。曲折部322は、反対方向に交互に折れ曲がっている。プラズマ処理装置1において、反対方向は、上方及び下方である。即ち、曲折部322は、上下方向に交互に延びるよう蛇行している。
【0021】
プラズマ処理装置1は、高周波電源34を更に備えていてもよい。高周波電源34は、高周波電力を発生するように構成されている。チャンバ10内に導入される電磁波は、高周波電源34によって発生される高周波電力に基づいて発生する。高周波電源34は、同軸線路を用いて共振器30に直結されていてもよい。即ち、高周波電源34は、インピーダンス整合用の整合器を介さずに、共振器30の導波路に結合されていてもよい。同軸線路は、共振器30への接続部として、コネクタ36を含んでいてもよい。コネクタ36は、上部321から共振器30内に電磁波を導入するよう、共振器30に接続されていてもよい。この場合に、コネクタ36の内導体は、上部321を下方から画成する壁に接続され、コネクタ36の外導体は、上部321を上方から画成する壁(上壁30u)に接続される。
【0022】
上述したように、プラズマ処理装置1は、温調器18を備えている。温調器18は、励起電極14の上面に沿って熱媒体を供給するように構成されている。熱媒体は、プラズマ処理装置1の外部の空気である。しかしながら、熱媒体は、他の気体であってもよい。
【0023】
温調器18は、複数のファン40を含んでおり、流路42を提供している。複数のファン40は、励起電極14の上方で軸線AXの周りで略等間隔に配列されている。複数のファン40は、流路42内の熱媒体の流れを形成するように構成されている。プラズマ処理装置1では、複数のファン40の各々は、流路42から熱媒体を吸引して排出し得る。
【0024】
流路42は、開口42aから複数の開口42bまで延びている。開口42aは、流路42への熱媒体の入口である。複数の開口42bは、流路42からの熱媒体の出口である。複数の開口42bの各々は、複数のファン40のうち対応のファンの直下で開口している。
【0025】
流路42は、軸線AXに対して軸対称又は回転対称である。流路42は、部分流路421(第1の部分流路)及び部分流路422(第2の部分流路)を含んでいる。流路42は、部分流路423(第3の部分流路)を更に含んでいてもよい。
【0026】
部分流路421は、励起電極14の上面に沿って延びている。部分流路421は、軸線AXから放射方向に延びている。部分流路421は、部分流路422と部分流路423との間で接続されている。
【0027】
部分流路422は、複数のファン40と部分流路421との間で反対方向に交互に延びている。反対方向は、上方及び下方である。部分流路422は、部分流路421と複数の複数の連通孔42cを介して接続している。複数の連通孔42cは、軸線AXの周りで周方向に沿って略等間隔に配列されている。
【0028】
部分流路423は、開口42aから部分流路421まで延びて、部分流路421に繋がっている。部分流路423は、共振器30の内周部30iの内側に提供されている。部分流路423は、軸線AXをその中心軸線として有していてもよい。即ち、部分流路423は、軸線AXに沿って部分流路421まで、鉛直方向に延びていてもよい。
【0029】
プラズマ処理装置1では、開口42aから取り込まれた熱媒体は、部分流路423から部分流路421に供給されて、部分流路421内で励起電極14の上面に沿って流れる。その結果、励起電極14と熱媒体との間の熱交換が行われる。そして、熱媒体は、部分流路421から部分流路422に流れて、複数の開口42bから複数のファン40によってプラズマ処理装置1の外部に排出される。
【0030】
温調器18は、冷却部50を更に含んでいてもよい。冷却部50は、部分流路422の一部を形成している。具体的に、冷却部50は、部分流路422を形成する壁50wを含んでおり、壁50wの中に冷媒流路50fを提供している。冷媒流路50fには、チラーユニットから冷媒が供給される。温調器18によれば、部分流路422において冷却部50により冷却された熱媒体が、複数のファン40から外部に排出される。
【0031】
プラズマ処理装置1において、励起電極14の温度は、チャンバ10内でプラズマが生成されている状態及びプラズマが生成されていない状態の双方において、一定に保たれてもよい。この場合には、温度センサ144の温度測定値を一定の目標温度値に近づけるよう、複数のファン40及びヒータ電源22が制御部2によって制御される。具体的には、チャンバ10内でプラズマが生成されていない状態では、複数のファン40は、停止するか低速で回転されてもよく、ヒータ143によって励起電極14を加熱するよう、ヒータ電源22からヒータ143に電力が供給されてもよい。また、チャンバ10内でプラズマが生成されている状態では、励起電極14はプラズマからの入熱を受けるので、励起電極14を冷却するために、複数のファン40が比較的高速に回転される。また、チャンバ10内でプラズマが生成されている状態では、ヒータ電源22からヒータ143への電力供給は、停止されてもよい。
【0032】
一実施形態において、温調器18の部分流路422は、共振器30の空洞32から形成されていてもよい。即ち、部分流路422は、上部321及び曲折部322から形成されていてもよい。この場合には、共振器30は、励起電極14のための熱交換器を構成する。なお、プラズマ処理装置1では、部分流路421は、共振器30と励起電極14との間に形成されている。部分流路423は、共振器30の内周部30iによってその内側に形成されている。上述の冷却部50の壁50wは、共振器30の空洞32の上部321を画成する上壁30uであってもよい。上壁30uは、開口42a及び複数の開口42bも提供し得る。
【0033】
また、共振器30は、内側断熱部311及び外側断熱部312を更に含んでいてもよい。内側断熱部311及び外側断熱部312は、共振器30の空洞32を部分的に形成しており、且つ、部分流路422を部分的に形成している。内側断熱部311及び外側断熱部312は、共振器30と励起電極14との間の熱伝達を抑制する。内側断熱部311及び外側断熱部312の各々は、共振器30の空洞32を画成する他の壁の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する。内側断熱部311及び外側断熱部312の各々は、ステンレスのような、小さい熱伝導率を有する金属から形成され得る。また、内側断熱部311及び外側断熱部312の各々は、その表面抵抗を下げるため、銀、金、銅、ロジウムから形成された被膜を含んでいてもよい。
【0034】
内側断熱部311は、略円筒形状を有している。内側断熱部311は、部分流路421と部分流路422との間に介在している。内側断熱部311は、上述の複数の連通孔42cを提供している。外側断熱部312は、内側断熱部311及び励起電極14を囲むように延在している。曲折部322及び部分流路422の各々の一部は、外側断熱部312と内側断熱部311との間、外側断熱部312と励起電極14との間に形成されている。
【0035】
以上説明したプラズマ処理装置1では、温調器18の流路42は、軸線AXに対して軸対称又は回転対称の流路である。したがって、流路42は、周方向に略均等に形成されている。また、流路42では、その複数の方向転換箇所において、熱媒体の圧損が生じる。したがって、流路42内での熱媒体の流れの周方向における均一性が更に高められる。故に、プラズマ処理装置1によれば、励起電極14に対する温度調整のための熱媒体の流れの周方向における均一性が高められる。
【0036】
以下、
図2及び
図3を参照して、別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
図2は、別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。
図3は、
図2のIII-III線に沿ってとった断面図である。以下、
図2及び
図3に示すプラズマ処理装置1Aについて、プラズマ処理装置1に対する相違点の観点から説明する。
【0037】
プラズマ処理装置1Aは、共振器30に代えて、共振器30Aを含んでいる。共振器30Aは、励起電極14の上方に設けられている。共振器30Aは、空洞32Aを提供している。空洞32Aは、金属のような導電性材料から形成された壁によって形成されている。共振器30Aは、第1端301及び第2端302を含む。第1端301は、第2端302に対して上方に設けられている。第1端301は、軸線AXを囲むように周方向に延在している。第1端301は、共振器30Aの外周部30oによって提供されている。第2端302は、励起電極14に対して外側で、放出部16に結合されている。共振器30Aは、空洞32A内で伝搬する電磁波を、第1端301と第2端302とで反射させて共振させるように構成されている。共振器30A内で共振した電磁波は、第2端302から放出部16に供給されて、プラズマ生成空間に放出される。
【0038】
空洞32Aは、軸線AXに対して軸対称又は回転対称に構成されている。空洞32Aは、上部321A及び曲折部322Aを含んでいてもよい。上部321Aは、第1端301から、軸線AXに近付く方向に、共振器30Aの内周部30iまで延びている。曲折部322Aは、上部321Aを含む。曲折部322Aは、第1端301から第2端302まで延びている。
【0039】
曲折部322A及び空洞32Aは、複数の層を有するように、反対方向に交互に折れ曲がっている。プラズマ処理装置1Aにおいて、反対方向は、軸線AXに近付く方向と軸線AXに対して放射方向である。即ち、曲折部322Aは、軸線AXに近付く方向と放射方向に交互に延びるよう蛇行している。共振器30Aは、空洞32Aの複数の層と交互に配列された複数の板30rを有している。複数の板30rは、空洞32Aの複数の層を形成している。複数の板30rの平面形状は、環形状又は円形状である。
【0040】
プラズマ処理装置1Aにおいて、コネクタ36の内導体は、上部321Aを下方から画成する壁に接続され、コネクタ36の外導体は、上部321Aを上方から画成する壁(上壁30u)に接続される。
【0041】
プラズマ処理装置1Aは、温調器18に代えて、温調器18Aを備えている。温調器18Aは、温調器18と同様に、励起電極14の上面に沿って熱媒体を供給するように構成されている。
【0042】
温調器18Aは、温調器18と同様に、複数のファン40を含んでいる。温調器18Aは、流路42Aを提供している。複数のファン40は、励起電極14の上方で軸線AXの周りで略等間隔に配列されている。複数のファン40は、流路42A内の熱媒体の流れを形成するように構成されている。プラズマ処理装置1Aでは、複数のファン40の各々は、流路42Aから熱媒体を吸引して排出し得る。
【0043】
流路42Aは、複数の開口42aから複数の開口42bまで延びている。複数の開口42aは、流路42Aへの熱媒体の入口である。複数の開口42bは、流路42Aからの熱媒体の出口である。複数の開口42bの各々は、複数のファン40のうち対応のファンの直下で開口している。
【0044】
流路42Aは、軸線AXに対して軸対称又は回転対称である。流路42Aは、部分流路421A(第1の部分流路)及び部分流路422A(第2の部分流路)を含んでいる。
【0045】
部分流路421Aは、励起電極14の上面に沿って延びている。部分流路421Aは、複数の開口42aから軸線AXに近付く方向に延びている。
【0046】
部分流路422Aは、部分流路421Aに繋がっており、複数のファン40と部分流路421Aとの間で反対方向に交互に延びている。反対方向は、軸線AXに近付く方向と軸線AXに対して放射方向である。反対方向は、何れも、軸線AXに直交している。部分流路422Aは、部分流路421Aの内側端部に接続している。
【0047】
プラズマ処理装置1Aでは、複数の開口42aから取り込まれた熱媒体は、部分流路421A内で励起電極14の上面に沿って流れる。その結果、励起電極14と熱媒体との間の熱交換が行われる。そして、熱媒体は、部分流路421Aから部分流路422Aに流れて、複数の開口42bから複数のファン40によってプラズマ処理装置1Aの外部に排出される。
【0048】
温調器18Aは、冷却部50Aを更に含んでいてもよい。冷却部50Aは、部分流路422Aの一部及び部分流路421Aを形成していてもよい。具体的に、冷却部50Aは、壁50wを含んでおり、壁50wの中に冷媒流路50fを提供している。冷媒流路50fには、チラーユニットから冷媒が供給される。冷却部50Aにおいて、壁50wは、環状の板である。壁50wは、壁50wと励起電極14との間に部分流路421Aを形成している。また、壁50wは、壁50wとその直上の板との間に、部分流路422Aの一部を形成している。温調器18Aによれば、部分流路421A及び部分流路422Aにおいて冷却部50Aにより冷却された熱媒体が、複数のファン40から外部に排出される。
【0049】
一実施形態において、温調器18Aの流路42A、即ち部分流路421A及び部分流路422Aは、共振器30Aの空洞32Aから形成されていてもよい。この場合には、共振器30Aは、励起電極14のための熱交換器を構成する。なお、プラズマ処理装置1Aでは、部分流路421Aは、複数の板30rのうち最下部の板30bと励起電極14との間に形成されている。板30bは、上述の壁50wを構成している。なお、他の板30rが、冷却部50Aを構成していてもよい。
【0050】
一実施形態において、空洞32Aにおける複数の層のうち最上層の鉛直方向における空洞の長さ(高さ)は、当該複数の層にのうち他の層の鉛直方向における空洞の長さ(高さ)よりも長くてもよい。この場合には、最上層は、複数のファン40の近くに設けられている。したがって、最上層における熱媒体の流速は大きい。この実施形態によれば、そこでの流速が大きい最上層における熱媒体の圧損を抑制することができる。
【0051】
また、共振器30Aは、内側断熱部311A及び外側断熱部312Aを更に含んでいてもよい。内側断熱部311A及び外側断熱部312Aは、共振器30Aと励起電極14との間の熱伝達を抑制する。内側断熱部311A及び外側断熱部312Aは、共振器30Aの空洞32Aを部分的に形成しており、且つ、部分流路421Aを形成している。部分流路421Aは、内側断熱部311Aと外側断熱部312Aとの間で延びている。
【0052】
内側断熱部311Aは、外側断熱部312Aの内側に設けられている。内側断熱部311Aは、共振器30Aの内周部30iの一部を構成しており、励起電極14から上方に延びている。外側断熱部312Aは、共振器30Aの外周部30oの一部を構成しており、チャンバ10の側壁10aの頂部から板30bまで延びている。
【0053】
内側断熱部311Aと外側断熱部312Aの各々は、軸線AXの周りで周方向に沿って配列された複数の柱状体から構成されている。複数の柱状体の各々は、軸線AXに略平行に延びている。内側断熱部311A及び外側断熱部312Aの各々における各柱状体は、共振器30Aの空洞32Aを画成する他の壁の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する。内側断熱部311A及び外側断熱部312Aの各々における各柱状体は、ステンレスのような、小さい熱伝導率を有する金属から形成され得る。また、内側断熱部311A及び外側断熱部312Aの各々における各柱状体は、その表面抵抗を下げるため、銀、金、銅、ロジウムから形成された被膜を含んでいてもよい。
【0054】
内側断熱部311Aと外側断熱部312Aの各々において、複数の柱状体は、それら柱状体と複数の間隙が周方向に沿って交互に配列されるように、配置されている。外側断熱部312Aにおいて、当該複数の間隙は、複数の開口42aを構成している。したがって、プラズマ処理装置1Aでは、共振器30Aの外周部30oから部分流路421Aに熱媒体が取り込まれる。熱媒体は、部分流路421A及び部分流路422Aを介して流れて、複数のファン40によってプラズマ処理装置1Aの外部に排出される。
【0055】
以下、
図4を参照して、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
図4は、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。以下、
図4に示すプラズマ処理装置1Bについて、プラズマ処理装置1Aに対する相違点の観点から説明する。
【0056】
プラズマ処理装置1Bは、別の励起電極60を更に備えている。励起電極60は、略円盤形状を有しており、チャンバ10の上端の開口を閉じるように配置されている。励起電極60は、複数の孔60hを提供している。複数の孔60hは、励起電極60を厚さ方向に貫通している。励起電極14は、励起電極60の上方に配置されている。励起電極14と励起電極60は、それらの間にプラズマ生成空間60pを形成している。放出部16は、プラズマ生成空間60pを囲んでおり、励起電極14と励起電極60との間で挟持されている。プラズマ処理装置1Bにおいて、プラズマ生成空間60pは、処理空間10sから離れて、処理空間10sの上方に設けられている。
【0057】
プラズマ処理装置1Bでは、ガス供給部20からのガスは、ガス拡散室14d及び複数のガス孔14hを介して、プラズマ生成空間60pに供給される。プラズマ生成空間60p内では、放出部16からプラズマ生成空間60p内に導入される電磁波によりガスからプラズマが生成される。プラズマ生成空間60p内で生成されたプラズマ中の活性種は、複数の孔60hから処理空間10sに供給される。
【0058】
また、プラズマ処理装置1Bは、共振器30Aに代えて、共振器30Bを含んでいる。共振器30Bは、励起電極14の上方に設けられている。共振器30Bは、空洞32Bを提供している。空洞32Bは、空洞32Aと同様に、金属のような導電性材料から形成された壁によって形成されている。共振器30Bは、第1端301及び第2端302を含む。第1端301は、第2端302に対して上方に設けられている。第1端301は、軸線AXを囲むように周方向に延在している。第1端301は、共振器30Bの外周部30oによって提供されている。第2端302は、放出部16に結合されている。共振器30Bは、空洞32B内で伝搬する電磁波を、第1端301と第2端302とで反射させて共振させるように構成されている。共振器30B内で共振した電磁波は、第2端302から放出部16に供給されて、プラズマ生成空間60pに放出される。
【0059】
空洞32Bは、空洞32Aと同様に、軸線AXに対して軸対称又は回転対称に構成されている。空洞32Bは、上部321Aと同様の上部321B及び曲折部322Aと同様の曲折部322Bを含んでいる。プラズマ処理装置1Bにおいて、コネクタ36の内導体は、上部321Bを下方から画成する壁に接続され、コネクタ36の外導体は、上部321Bを上方から画成する壁(上壁30u)に接続される。
【0060】
プラズマ処理装置1Bは、温調器18Aに代えて、温調器18Bを備えている。温調器18Bは、温調器18Aと同様に、励起電極14の上面に沿って熱媒体を供給するように構成されている。温調器18Bは、冷却部50Aのような、熱媒体を冷却する構造を含んでいなくてもよい。
【0061】
温調器18Bは、温調器18Aと同様に、複数のファン40を含んでいる。温調器18Bは、流路42Bを提供している。複数のファン40は、励起電極14の上方で軸線AXの周りで略等間隔に配列されている。複数のファン40は、流路42B内の熱媒体の流れを形成するように構成されている。プラズマ処理装置1Bでは、複数のファン40の各々は、プラズマ処理装置1Bの外部から流路42Bに熱媒体を供給する。即ち、プラズマ処理装置1Bでは、複数のファン40の各々は、送風ファンである。
【0062】
流路42Bは、流路42Aと同様に、軸線AXに対して軸対称又は回転対称である。流路42Bは、部分流路421Aと同様の部分流路421B(第1の部分流路)及び部分流路422Aと同様の部分流路422B(第2の部分流路)を含んでいる。
【0063】
一実施形態において、流路42B、即ち部分流路421B及び部分流路422Bは、共振器30Bの空洞32Bから形成されていてもよい。この場合には、共振器30Bは、励起電極14のための熱交換器を構成する。
【0064】
流路42Bは、複数の開口42bから複数の開口42aまで延びている。複数の開口42bは、流路42Bへの熱媒体の入口であり、部分流路422Bに接続している。複数の開口42bの各々は、複数のファン40のうち対応のファンの直下で開口している。複数の開口42aは、流路42Bからの熱媒体の出口であり、部分流路421Bに接続している。複数の開口42aは、軸線AXの周りで周方向に沿って配列されている。一実施形態においては、複数の開口42aは、共振器30Bの外周部30oに形成されている。
【0065】
一実施形態において、空洞32Aと同様に、空洞32Bにおける複数の層のうち最上層の鉛直方向における空洞の長さ(高さ)は、当該複数の層にのうち他の層の鉛直方向における空洞の長さ(高さ)よりも長くてもよい。
【0066】
プラズマ処理装置1Bでは、熱媒体は、複数のファン40から複数の開口42b及び部分流路422Bを介して部分流路421Bに供給され、部分流路421B内で励起電極14の上面に沿って流れる。その結果、励起電極14と熱媒体との間の熱交換が行われる。そして、熱媒体は、部分流路421Bから複数の開口42aを介してプラズマ処理装置1Bの外部に排出される。
【0067】
以下、
図5~
図9を参照して、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
図5は、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。
図6は、
図5のVI-VI線に沿ってとった断面図である。
図7は、
図5のVII-VII線に沿ってとった断面図である。
図8は、
図5のVIII-VIII線に沿ってとった断面図である。
図9は、
図5のIX-IX線に沿ってとった断面図である。以下、
図5~
図9に示すプラズマ処理装置1Cについて、プラズマ処理装置1Aに対する相違点の観点から説明する。
【0068】
プラズマ処理装置1Cは、共振器30Aに代えて、共振器30Cを含んでいる。共振器30Cは、励起電極14の上方に設けられている。共振器30Cは、空洞32Cを提供している。空洞32Cは、金属のような導電性材料から形成された壁によって形成されている。共振器30Cは、第1端301及び第2端302を含む。第1端301は、第2端302に対して上方に設けられている。第1端301は、軸線AXを囲むように周方向に延在している。第1端301は、共振器30Cの外周部30oによって提供されている。第2端302は、励起電極14に対して外側で、放出部16に結合されている。共振器30Cは、空洞32C内で伝搬する電磁波を、第1端301と第2端302とで反射させて共振させるように構成されている。共振器30C内で共振した電磁波は、第2端302から放出部16に供給されて、プラズマ生成空間に放出される。
【0069】
空洞32Cは、軸線AXに対して軸対称又は回転対称に構成されている。空洞32Cは、上部321Aと同様の上部321C及び曲折部322Aと同様の曲折部322Cを含んでいる。上部321Cは、第1端301から、軸線AXに近付く方向に、共振器30Cの内周部30iまで延びている。曲折部322Cは、上部321Cを含む。曲折部322C及び空洞32Cは、複数の層を有するように、反対方向に交互に折れ曲がっている。プラズマ処理装置1Cにおいて、反対方向は、軸線AXに近付く方向と軸線AXに対して放射方向である。即ち、曲折部322Cは、軸線AXに近付く方向と放射方向に交互に延びるよう蛇行している。反対方向は、軸線AXに直交している。空洞32Cも、複数の層を有しており、当該複数の層は、複数の板30rと交互に配列されている。複数の板30rの平面形状は、環形状である。
【0070】
プラズマ処理装置1Cにおいて、コネクタ36の内導体は、上部321Cを下方から画成する壁に接続され、コネクタ36の外導体は、上部321Cを上方から画成する壁(上壁30u)に接続される。
【0071】
一実施形態において、プラズマ処理装置1Cは、少なくとも一つの導電性部材68を更に備えていてもよい。導電性部材68は、共振器30Cと励起電極14との間に間隙を形成するように共振器30Cと励起電極14との間に設けられている。導電性部材68は、ステンレスのような金属から形成されている。導電性部材68は、弾性を有し得る。導電性部材68は、例えば、金属から形成されたシールドスパイラルである。導電性部材68によれば、共振器30Cと励起電極14との間の熱伝達が抑制される。
【0072】
導電性部材68は、共振器30Cの複数の板30rのうち最下部の板30bと励起電極14との間で挟持されている。これにより、導電性部材68は、共振器30Cを励起電極14と導通させている。導電性部材68は、軸線AXの周りでリングを形成するように配置されていてもよい。図示された例では、少なくとも一つの導電性部材68として、二つの導電性部材68が、軸線AXの周りでリング状に配置されている。導電性部材68は、共振器30Cにおいて高周波電流が流れる箇所に沿って配置されていてもよい。図示された例では、二つの導電性部材68は、板30bに形成されたスロットの一対の縁部に沿って配置されている。
【0073】
一実施形態において、共振器30Cと励起電極14との間の熱伝達を更に抑制するために、板30bは、部分的に絶縁性材料から形成されていてもよい。絶縁性材料は、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)であってもよい。
【0074】
一実施形態において、複数の板30rのうち少なくとも一つの板30rには、複数のスリットSLが形成されていてもよい。複数のスリットSLは、少なくとも一つの板30rを厚さ方向に貫通している。複数のスリットSLは、軸線AXの周りで周方向に沿って配列されており、且つ、軸線AXに対して放射方向に延びている。複数のスリットSLによれば、周方向における電磁波の高調波の伝搬が抑制される。また、空洞32C内での熱媒体の圧損が抑制される。なお、図示された例では、複数のスリットSLは、最下部の板30bに形成されている。
【0075】
一実施形態において、共振器30Cの外周部30oは、鉛直方向に沿って配列された複数の段を含んでいてもよい。外周部30oの複数の段のうち最上段303及び最下段305を除く一つの段は、絶縁性材料から形成されていてもよい。絶縁性材料は、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)であってもよい。かかる外周部30oによれば、共振器30Cと励起電極14との間の熱伝達が更に抑制される。
【0076】
絶縁性材料から形成された外周部30oの一つの段は、共振器30Cの電磁波の定在波の腹が形成される箇所に位置している。この場合には、共振器30Cにおいて空洞32Cを画成する壁の一部分が絶縁性材料から形成されていても、当該一部分での高周波電流は小さい。したがって、共振器30Cの空洞32Cを画成する壁の一部分が絶縁性材料から形成されていても、電気的な影響は小さい。なお、図示された例では、外周部30oは、外周部30oは、最上段303、中段304、及び最下段305を含んでおり、中段304が、絶縁性材料から形成されている。
【0077】
一実施形態において、絶縁性材料から形成された外周部30oの一つの段(例えば、中段304)は、軸線AXの周りで周方向に沿って配列された複数の柱状体から形成されていてもよい。また、外周部30oの複数の段のうち当該一つの段を除く他の段(例えば、最上段303及び最下段305)の各々は、軸線AXの周りで周方向に沿って配列された金属(例えば、アルミニウム合金)製の複数の柱状体から形成されていてもよい。外周部30oの複数の段の各々の複数の柱状体は、他の段の対応の柱状体と鉛直方向に沿って整列されている。外周部30oの複数の段の各々の複数の柱状体は、筒状をなしていてもよい。この場合において、鉛直方向に沿って整列された複数の柱状体の内孔にボルト70が通されてもよい。ボルト70の下端は、板30bに螺合されてもよい。また、ボルト70の上端には、ワッシャー71及びナット72が取り付けられ、ワッシャー71と上壁30uとの間にコイルばね73が設けられてもよい。
【0078】
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、シールド薄板30sを更に備えていてもよい。シールド薄板30sは、ステンレスのような金属から形成されている。シールド薄板30sは、筒形状を有しており、共振器30Cの外周部30oを囲んでいる。シールド薄板30sによれば、共振器30Cからの電磁波の漏洩が抑制される。
【0079】
プラズマ処理装置1Cは、温調器18Aに代えて、温調器18Cを備えている。温調器18Cは、温調器18Aと同様に、励起電極14の上面に沿って熱媒体を供給するように構成されている。
【0080】
温調器18Cは、温調器18Aと同様に、複数のファン40を含んでいる。温調器18Cは、流路42Cを提供している。複数のファン40は、励起電極14の上方で軸線AXの周りで略等間隔に配列されている。複数のファン40は、流路42C内の熱媒体の流れを形成するように構成されている。プラズマ処理装置1Cでは、複数のファン40の各々は、流路42Cから熱媒体を吸引して排出し得る。
【0081】
流路42Cは、開口42aから複数の開口42bまで延びている。開口42aは、流路42Cへの熱媒体の入口である。複数の開口42bは、流路42Cからの熱媒体の出口である。複数の開口42bの各々は、複数のファン40のうち対応のファンの直下で開口している。
【0082】
流路42Cは、軸線AXに対して軸対称又は回転対称である。流路42Cは、部分流路421Aと同様の部分流路421C(第1の部分流路)及び部分流路422Aと同様の部分流路422C(第2の部分流路)を含んでいる。流路42Cは、部分流路423C(第3の部分流路)を更に含んでいてもよい。
【0083】
部分流路421Cは、励起電極14の上面に沿って延びている。部分流路421Cは、共振器30Cの板30bと励起電極14との間に提供されている。部分流路421Cは、軸線AXから放射方向に延びている。部分流路422Cは、上部電極142に形成された複数の連通孔14cを介して部分流路421Cに繋がっている。部分流路422Cは、複数のファン40と部分流路421Cとの間で反対方向に交互に延びている。反対方向は、軸線AXに近付く方向と軸線AXに対して放射方向である。反対方向は、軸線AXに直交している。
【0084】
部分流路423Cは、開口42aから部分流路421Cまで延びている。部分流路423Cは、共振器30Cの内周部30iの内側に提供されている。部分流路423Cは、軸線AXをその中心軸線として有していてもよい。即ち、部分流路423Cは、軸線AXに沿って部分流路421Cまで、鉛直方向に延びていてもよい。
【0085】
プラズマ処理装置1Cでは、開口42aから取り込まれた熱媒体は、部分流路423Cから部分流路421Cに供給されて、部分流路421C内で励起電極14の上面に沿って流れる。その結果、励起電極14と熱媒体との間の熱交換が行われる。そして、熱媒体は、部分流路421Cから部分流路422Cに流れて、複数の開口42bから複数のファン40によってプラズマ処理装置1の外部に排出される。
【0086】
一実施形態において、共振器30Cの内周部30iの内側には、ヒータ66が設けられていてもよい。この実施形態では、部分流路421Cには、ヒータ66により予熱された熱媒体が供給される。ヒータ66は、例えば、熱媒体を、励起電極14の温度と同様の温度(例えば、180℃)に予熱し得る。これにより、励起電極14の温度制御性が向上される。
【0087】
一実施形態において、プラズマ処理装置1Cは、ガス管64を更に備えていてもよい。ガス管64は、内周部30iの内側で鉛直方向に延びている。ガス管64の中心軸線は、軸線AX上に位置していてもよい。ガス管64は、ガス拡散室14dとガス供給部20との間で接続されている。上述のヒータ66は、ガス管64を囲んでいてもよい。また、ヒータ66は、ガス管64の外周に取り付けられていてもよい。
【0088】
温調器18Cは、冷却部50Cを更に含んでいてもよい。冷却部50Cは、部分流路422Cの一部を形成していてもよい。具体的に、冷却部50Cは、壁50wを含んでおり、壁50wの中に冷媒流路50fを提供している。冷媒流路50fには、チラーユニットから冷媒が供給される。冷却部50Cにおいて、壁50wは、環状の板である。温調器18Cによれば、部分流路422Cにおいて冷却部50Cにより冷却された熱媒体が、複数のファン40から外部に排出される。
【0089】
一実施形態において、温調器18Cの部分流路422Cは、共振器30Cの空洞32Cから形成されていてもよい。この場合には、共振器30Cは、励起電極14のための熱交換器を構成する。なお、プラズマ処理装置1Cでは、上述の壁50wは、上壁30uである。なお、壁50wは、上壁30uではなく、共振器30Cの複数の板30rの何れかであってもよい。
【0090】
一実施形態において、空洞32Aと同様に、空洞32Cにおける複数の層のうち最上層の鉛直方向における空洞の長さ(高さ)は、当該複数の層にのうち他の層の鉛直方向における空洞の長さ(高さ)よりも長くてもよい。
【0091】
また、一実施形態において、励起電極14は、複数のフィン40fを有していてもよい。複数のフィン40fは、上部電極142によって提供されている。複数のフィン40fは、上方に突き出しており、軸線AXに対して放射方向に延びており、軸線AXの周りで周方向に沿って配列されている。上述の複数の連通孔14cの各々は、複数のフィン40fのうち二つの隣り合うフィンの間の間隙に繋がっている。複数のフィン40fによれば、励起電極14と熱媒体との間での熱交換が促進される。
【0092】
以下、
図10~
図14を参照して、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
図10は、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。
図11は、
図10のXI-XI線に沿ってとった断面図である。
図12は、
図10のXII-XII線に沿ってとった断面図である。
図13は、
図10のXIII-XIII線に沿ってとった断面図である。
図14は、
図10のXIV-XIV線に沿ってとった断面図である。以下、
図10~
図14に示すプラズマ処理装置1Dについて、プラズマ処理装置1Cに対する相違点の観点から説明する。
【0093】
プラズマ処理装置1Dは、共振器30Cに代えて、共振器30Dを含んでいる。共振器30Dは、励起電極14の上方に設けられている。共振器30Dは、空洞32Dを提供している。空洞32Dは、金属のような導電性材料から形成された壁によって形成されている。共振器30Dは、第1端301及び第2端302を含む。第1端301は、第2端302に対して上方に設けられている。第1端301は、軸線AXを囲むように周方向に延在している。第1端301は、共振器30Dの外周部30oによって提供されている。第2端302は、励起電極14に対して外側で、放出部16に結合されている。共振器30Dは、空洞32D内で伝搬する電磁波を、第1端301と第2端302とで反射させて共振させるように構成されている。共振器30D内で共振した電磁波は、第2端302から放出部16に供給されて、プラズマ生成空間に放出される。
【0094】
空洞32Dは、軸線AXに対して軸対称又は回転対称に構成されている。空洞32Dは、上部321Cと同様の上部321D及び曲折部322Cと同様の曲折部322Dを含んでいる。上部321Dは、第1端301から、軸線AXに近付く方向に、共振器30Dの内周部30iまで延びている。曲折部322Dは、上部321Dを含む。曲折部322D及び空洞32Dは、複数の層を有するように、反対方向に交互に折れ曲がっている。プラズマ処理装置1Dにおいて、反対方向は、軸線AXに近付く方向と軸線AXに対して放射方向である。即ち、曲折部322Dは、軸線AXに近付く方向と放射方向に交互に延びるよう蛇行している。反対方向は、軸線AXに直交している。空洞32Dも、複数の層を有しており、当該複数の層は、複数の板30rと交互に配列されている。複数の板30rの平面形状は、環形状である。
【0095】
一実施形態において、複数の板30rのうち少なくとも一つの板30rには、複数のスリットSLが形成されていてもよい。複数のスリットSLは、少なくとも一つの板30rを厚さ方向に貫通している。複数のスリットSLは、軸線AXの周りで周方向に沿って配列されており、且つ、軸線AXから放射方向に延びている。複数のスリットSLによれば、周方向における電磁波の高調波の伝搬が抑制される。また、空洞32D内での熱媒体の圧損が抑制される。
【0096】
プラズマ処理装置1Dは、温調器18Cに代えて、温調器18Dを備えている。温調器18Dは、温調器18Cと同様に、励起電極14の上面に沿って熱媒体を供給するように構成されている。
【0097】
温調器18Dは、温調器18Cと同様に、複数のファン40を含んでいる。温調器18Dは、流路42Dを提供している。複数のファン40は、励起電極14の上方で軸線AXの周りで略等間隔に配列されている。複数のファン40は、流路42D内の熱媒体の流れを形成するように構成されている。プラズマ処理装置1Dでは、複数のファン40の各々は、プラズマ処理装置1Dの外部から流路42Dに熱媒体を供給する。即ち、プラズマ処理装置1Dでは、複数のファン40の各々は、送風ファンである。
【0098】
流路42Dは、流路42Cと同様に、軸線AXに対して軸対称又は回転対称である。流路42Dは、部分流路421Cと同様の部分流路421D(第1の部分流路)及び部分流路422Cと同様の部分流路422D(第2の部分流路)を含んでいる。流路42Dは、部分流路423D(第3の部分流路)を更に含んでいてもよい。
【0099】
流路42Dは、複数の開口42bから開口42aまで延びている。複数の開口42bは、流路42Dへの熱媒体の入口であり、部分流路422Dに接続している。複数の開口42bの各々は、複数のファン40のうち対応のファンの直下で開口している。開口42aは、流路42Dからの熱媒体の出口であり、部分流路423Dに接続している。
【0100】
部分流路421Dは、励起電極14の上面に沿って延びている。部分流路421Dは、共振器30Dの板30bと励起電極14との間に提供されている。部分流路421Dは、軸線AXから放射方向に延びている。部分流路422Dは、板30bに形成された複数の複数の連通孔42cを介して部分流路421Dに繋がっている。複数の連通孔42cは、板30bを貫通しており、軸線AXの周りで周方向に沿って配列されている。部分流路422Dは、複数のファン40と部分流路421Dとの間で反対方向に交互に延びている。反対方向は、軸線AXに近付く方向と軸線AXに対して放射方向である。反対方向は、軸線AXに直交している。
【0101】
部分流路423Dは、共振器30Dの内周部30iの内側に提供されている。部分流路423Dは、軸線AXをその中心軸線として有していてもよい。即ち、部分流路423Dは、軸線AXに沿って部分流路421Dまで、鉛直方向に延びていてもよい。
【0102】
プラズマ処理装置1Dでは、熱媒体は、複数のファン40から複数の開口42b及び部分流路422Dを介して部分流路421Dに供給され、部分流路421D内で励起電極14の上面に沿って流れる。その結果、励起電極14と熱媒体との間の熱交換が行われる。そして、熱媒体は、部分流路421Dから部分流路423Dに流れる。熱媒体は、部分流路423Dから開口42aを介してプラズマ処理装置1の外部に排出される。
【0103】
一実施形態において、温調器18Dの部分流路422Dは、共振器30Dの空洞32Dから形成されていてもよい。この場合には、共振器30Dは、励起電極14のための熱交換器を構成する。
【0104】
一実施形態において、空洞32Dにおける複数の層のうち最上層の鉛直方向における空洞の長さ(高さ)は、当該複数の層にのうち他の層の鉛直方向における空洞の長さ(高さ)よりも長くてもよい。
【0105】
一実施形態において、共振器30Dの上壁30uは、複数のフィン30fを有していてもよい。複数のフィン30fは、上方に突き出している。複数のフィン30fは、軸線AXに対して放射方向に延びており、軸線AXの周りで周方向に沿って配列されている。複数のフィン30f上には、断熱板80が配置されていてもよい。断熱板80は、例えばポリイミドから形成されている。
【0106】
複数のフィン30fは、それらの間において複数の流路を提供している。複数のフィン30fによって提供される複数の流路は、軸線AXに対して放射方向に延びており、軸線AXの周りで周方向に沿って配列されている。部分流路423Dと開口42aは、複数のフィン30fによって提供される複数の流路を介して、互いに接続されている。この実施形態によれば、熱媒体は、複数のフィン30fによって冷却された後に、開口42aからプラズマ処理装置1Dの外部に排出される。
【0107】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【0108】
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[E1]~[E16]に記載する。
【0109】
[E1]
その内部において処理空間を提供するチャンバと、
前記処理空間内に設けられた基板支持部と、
前記基板支持部の上方に設けられた励起電極と、
前記励起電極の下のプラズマ生成空間に電磁波を放出するように設けられており、前記チャンバ及び前記励起電極の中心軸線の周りで延在する放出部と、
前記励起電極の上面に沿って熱媒体を供給するように構成された温調器と、
を含み、
前記温調器は、前記熱媒体の流れを形成するように構成された複数のファンを含み、前記複数のファンの各々と前記励起電極との間に前記熱媒体のための流路を提供し、
前記複数のファンは、前記励起電極の上方で前記中心軸線の周りで等間隔に配列されており、
前記流路は、前記中心軸線に対して軸対称又は回転対称であり、
前記励起電極の前記上面に沿って延びる第1の部分流路と、
前記複数のファンと前記第1の部分流路との間で反対方向に交互に延びる第2の部分流路と、
を含む、
プラズマ処理装置。
【0110】
[E2]
第1端及び第2端を含み、該第1端から該第2端まで延びる空洞を提供し、該空洞を伝搬する電磁波を該第1端と該第2端とで反射させて共振させるように構成されており、前記励起電極の上方に設けられた共振器を備え、
前記第1端は、前記第2端に対して上方に設けられており、且つ、前記中心軸線を囲むように周方向に延在しており、
前記放出部は、前記第2端からの電磁波を受けるように配置されており、
前記第2の部分流路は、前記空洞から形成されている、
E1に記載のプラズマ処理装置。
【0111】
[E3]
前記共振器と前記励起電極との間に間隙を形成するように前記共振器と前記励起電極との間に設けられており、且つ、前記共振器と前記励起電極とを互いに導通させる導電性部材を更に備える、E2に記載のプラズマ処理装置。
【0112】
[E4]
前記空洞及び前記温調器の前記流路は、複数の層を有するように、前記中心軸線に近付く方向及び前記中心軸線から離れる方向に交互に延びている、E2又はE3に記載のプラズマ処理装置。
【0113】
[E5]
前記共振器は、外周部を含み、
前記外周部は、鉛直方向に沿って配列された複数の段を含み、
前記外周部は、前記複数の段のうち、最上段及び最下段を除く、一つの段において絶縁性材料から形成されている、
E4に記載のプラズマ処理装置。
【0114】
[E6]
前記一つの段は、前記共振器内で前記電磁波の定在波の腹が形成される箇所に位置している、E5に記載のプラズマ処理装置。
【0115】
[E7]
前記一つの段は、前記周方向に沿って配列された複数の柱状体から構成されている、
E5又はE6に記載のプラズマ処理装置。
【0116】
[E8]
前記複数の段のうち前記一つの段を除く他の段の各々は、前記周方向に沿って配列された金属製の複数の柱状体から構成されている、E7に記載のプラズマ処理装置。
【0117】
[E9]
前記共振器は、前記外周部を囲む筒状且つ金属製のシールド薄板を更に備える、E7又はE8に記載のプラズマ処理装置。
【0118】
[E10]
前記複数の層を形成し、該複数の層と交互に配列された複数の板を更に含み、
前記複数の板のうち少なくとも一つには、前記中心軸線に対して放射方向に延び、且つ、前記周方向に沿って配列された複数のスリットが形成されている、
E4~E9の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0119】
[E11]
前記複数のファンは、前記複数の層のうち最上層に接続されており、
前記最上層の鉛直方向における長さは、前記複数の層のうち他の全ての層の各々の該鉛直方向における長さよりも長い、
E4~E10の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0120】
[E12]
前記共振器は、前記中心軸線を囲む内周部を含み、
前記共振器は、前記内周部の内側に前記流路の一部として、第3の部分流路を形成し、
前記第3の部分流路は、前記第1の部分流路に繋がっており、
該プラズマ処理装置は、前記内周部の内側に設けられたヒータを更に備え、
前記複数のファンは、前記第3の部分流路から前記第1の部分流路を介して前記第2の部分流路に流れる前記熱媒体の流れを形成する、
E2~E11の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0121】
[E13]
前記励起電極は、
前記基板支持部の上方に設けられたシャワープレートと、
該シャワープレート上に設けられた上部電極であり、前記シャワープレートと該シャワープレートとの間にガス拡散室を形成する、該上部電極と、
を含み、
該プラズマ処理装置は、前記内周部の内側で鉛直方向に延びるガス管と、
を更に備え、
前記ガス管は、前記ガス拡散室に接続されており、
前記ヒータは、前記内周部の内側に配置されており、前記ガス管を囲んでいる、
E12に記載のプラズマ処理装置。
【0122】
[E14]
前記第1の部分流路は、前記共振器と前記励起電極との間に提供されており、
前記励起電極は、前記第1の部分流路を形成する複数のフィンを含み、
前記複数のフィンは、前記中心軸線に対して放射方向に延び、且つ、周方向に沿って配列されている、
E2~E13の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0123】
[E15]
前記励起電極は、ヒータを内蔵している、E1~E14の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0124】
[E16]
前記温調器は、その中に冷媒が供給される冷却部を含み、
前記冷却部は、前記第2の部分流路の一部を形成している、
E1~E15の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0125】
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0126】
1…プラズマ処理装置、10…チャンバ、12…基板支持部、14…励起電極、16…放出部、18…温調器、30…共振器、40…ファン、42…流路、421,422…部分流路。