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  • 特開-半導体装置及び配線基板 図1
  • 特開-半導体装置及び配線基板 図2
  • 特開-半導体装置及び配線基板 図3
  • 特開-半導体装置及び配線基板 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134789
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体装置及び配線基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240927BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H01L23/12 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045152
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】関島 信一朗
(72)【発明者】
【氏名】穗坂 岬
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA02
5E338BB25
5E338BB75
5E338CD33
5E338EE24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】短絡を抑制しながら薄型化しやすい半導体装置及び配線基板を提供する。
【解決手段】半導体装置は、一方の面に複数の電極パッド63を有する配線基板と、配線基板に対向する面に複数の導電性ピラーと、配線基板に実装された半導体チップと、夫々が電極パッドと導電性ピラーと接合する複数の導電性接合材と、を有し、電極パッドは、電極パッドを貫通する貫通孔41と、貫通孔につながる切欠き部42と、が形成されている。配線基板はまた、電極パッドと同一平面に形成され、電極パッドと電気的に接続するビアランド64を備え、切欠き部は、一方の面に垂直な平面視で電極パッドに隣接する電極パッド及びビアランドのうち、互いに隣接する、2つの電極パッドの間に向けて延びるか、2つのビアランドの間に向けて延びるか又は1つの電極パッドと1つのビアランドとの間に向けて延び、導電性接合材の一部は、貫通孔の領域内又は切欠き部を含む領域内にある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に複数の電極パッドを有する配線基板と、
前記配線基板に対向する面に複数の導電性ピラーを有し、前記配線基板に実装された半導体チップと、
それぞれが前記電極パッドと前記導電性ピラーと接合する複数の導電性接合材と、
を有し、
前記電極パッドに、
当該電極パッドを貫通する貫通孔と、
前記貫通孔につながる切欠き部と、
が形成されており、
前記配線基板は、前記電極パッドと同一平面に形成され、当該電極パッドと電気的に接続するビアランドを備え、
前記切欠き部は、前記一方の面に垂直な平面視で、当該電極パッドに隣接する電極パッド及びビアランドのうち、互いに隣接する2つの電極パッドの間に向けて延びるか、互いに隣接する2つのビアランドの間に向けて延びるか、又は、互いに隣接する1つの電極パッドと1つのビアランドとの間に向けて延び、
前記導電性接合材の一部は、前記貫通孔の領域内又は前記切欠き部を含む領域内にある半導体装置。
【請求項2】
前記導電性ピラーの直径は、前記貫通孔の内径よりも小さい請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記一方の面の中心から見て、前記切欠き部は前記貫通孔の外側に延びる請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記切欠き部は、前記一方の面の中心を基準として放射状に延びる請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記一方の面は矩形の平面形状を有し、
前記矩形を前記矩形の各辺に平行な辺を有する4つの矩形領域に等分したとき、前記4つの矩形領域の各々において、前記切欠き部は、前記一方の面の中心と前記矩形の4つの頂点のうちで当該矩形領域に含まれる頂点とを結ぶ線分に平行に延びる請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項6】
一方の面に複数の電極パッドを有し、
前記電極パッドに、
当該電極パッドを貫通する貫通孔と、
前記貫通孔につながる切欠き部と、
が形成されており、
前記電極パッドと同一平面に形成され、当該電極パッドと電気的に接続するビアランドを備え、
前記切欠き部は、前記一方の面に垂直な平面視で、当該電極パッドに隣接する電極パッド及びビアランドのうち、互いに隣接する2つの電極パッドの間に向けて延びるか、互いに隣接する2つのビアランドの間に向けて延びるか、又は、互いに隣接する1つの電極パッドと1つのビアランドとの間に向けて延びる配線基板。
【請求項7】
前記一方の面の中心から見て、前記切欠き部は前記貫通孔の外側に延びる請求項6に記載の配線基板。
【請求項8】
前記切欠き部は、前記一方の面の中心を基準として放射状に延びる請求項6又は7に記載の配線基板。
【請求項9】
前記一方の面は矩形の平面形状を有し、
前記矩形を前記矩形の各辺に平行な辺を有する4つの矩形領域に等分したとき、前記4つの矩形領域の各々において、前記切欠き部は、前記一方の面の中心と前記矩形の4つの頂点のうちで当該矩形領域に含まれる頂点とを結ぶ線分に平行に延びる請求項6又は7に記載の配線基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置及び配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性ピラーを備えた半導体チップが配線基板にフリップチップ実装された半導体装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-149991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、半導体装置の薄型化の要請が高まっている。半導体装置の薄型化のためには、配線基板と半導体チップとの間の距離の短縮が考えられる。しかしながら、導電性ピラーを低くすると、配線基板と半導体チップとの接続に用いられるはんだ等の導電性接合材が導電性ピラーの側面及び半導体チップの表面に沿って広がり、導電性接合材同士の接触に伴う短絡が生じるおそれがある。
【0005】
本開示は、短絡を抑制しながら薄型化しやすくできる半導体装置及び配線基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、一方の面に複数の電極パッドを有する配線基板と、前記配線基板に対向する面に複数の導電性ピラーを有し、前記配線基板に実装された半導体チップと、それぞれが前記電極パッドと前記導電性ピラーと接合する複数の導電性接合材と、を有し、前記電極パッドに、当該電極パッドを貫通する貫通孔と、前記貫通孔につながる切欠き部と、が形成されており、前記配線基板は、前記電極パッドと同一平面に形成され、当該電極パッドと電気的に接続するビアランドを備え、前記切欠き部は、前記一方の面に垂直な平面視で、当該電極パッドに隣接する電極パッド及びビアランドのうち、互いに隣接する2つの電極パッドの間に向けて延びるか、互いに隣接する2つのビアランドの間に向けて延びるか、又は、互いに隣接する1つの電極パッドと1つのビアランドとの間に向けて延び、前記導電性接合材の一部は、前記貫通孔の領域内又は前記切欠き部を含む領域内にある半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、短絡を抑制しながら薄型化しやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る半導体装置に含まれる配線基板を示す上面図である。
図2】実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図3】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図4】参考例に係る半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。また、本開示においては、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。なお、便宜上、Z1-Z2方向を上下方向とし、Z1側を上側、Z2側を下側とする。また、平面視とは、Z1側から対象物を視ることをいい、平面形状とは、対象物をZ1側から視た形状のことをいう。但し、半導体装置及び配線基板は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。
【0010】
[半導体装置の構造]
まず、実施形態に係る半導体装置の構造について説明する。図1は、実施形態に係る半導体装置に含まれる配線基板を示す上面図である。図2は、実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図2は、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。
【0011】
図1及び図2に示すように、実施形態に係る半導体装置1は、配線基板10と、半導体チップ20と、導電性接合材30と、アンダーフィル材90とを有する。配線基板10はXY面に略平行な一方の面11を有する。
【0012】
配線基板10は、例えば、コア層50と、コア層50の上面に設けられたビルドアップ層60と、コア層50の下面に設けられたビルドアップ層70とを有する。配線基板10が、コア層を含まないコアレス基板であってもよい。
【0013】
コア層50は、貫通孔52が形成された絶縁性の基材51と、貫通孔52の内壁面に形成された貫通電極53と、貫通電極53の内側に充填された充填材54とを有する。例えば、コア層50の材料はガラスエポキシ等であり、貫通電極53の材料は銅(Cu)等である。また、充填材54が存在せず、貫通孔52の内部が全て金属で充填された貫通電極53が用いられてもよい。
【0014】
ビルドアップ層60は、複数の絶縁層61と、複数の配線層62とを有する。配線層62は、絶縁層61の最上面に、半導体チップ20との接続用の複数の電極パッド63と、複数のビアランド64とを含む。電極パッド63の数とビアランド64との数は等しく、各電極パッド63に1つのビアランド64が電気的に接続されている。配線層62の材料は、例えば銅等の導電体である。絶縁層61の材料は、例えばプリプレグである。
【0015】
ビアランド64は、電極パッド63及びビアランド64を含む配線層62(コア層50から最も離れた配線層62)よりもコア層50に近い他の配線層62に、これら配線層62の間の絶縁層61に形成されたビアホール65内のビア導体66を介して直接接している。すなわち、ビアランド64は電極パッド63と同一平面に形成されている。ビアランド64の平面形状は、例えば円形状である。
【0016】
電極パッド63の平面形状は、例えば円弧状である。電極パッド63の平面形状はアルファベットのCの字状であってもよい。電極パッド63には、当該電極パッド63を貫通する貫通孔41と、貫通孔41につながる切欠き部42とが形成されている。貫通孔41は、例えば、電極パッド63の中央部に形成された略円筒状の空間である。切欠き部42は、貫通孔41から電極パッド63の外部に向かって直線状に延びる。貫通孔41及び切欠き部42から絶縁層61の最上面が露出する。
【0017】
例えば、電極パッド63の外径とビアランド64の直径とが等しくてもよい。平面視で、複数の電極パッド63と複数のビアランド64とが略四角格子状に配列していてもよい。平面視で、複数の電極パッド63と複数のビアランド64とが略千鳥格子状に配列していてもよい。切欠き部42は、平面視で、当該電極パッド63及びビアランド64のうち、互いに隣接する2つの電極パッド63の間に向けて延びるか、互いに隣接する2つのビアランド64の間に向けて延びるか、又は、互いに隣接する1つの電極パッド63と1つのビアランド64との間に向けて延びる。
【0018】
例えば、配線基板10の面11は矩形の平面形状を有し、面11は4つの矩形領域13を有する。矩形領域13は面11の各辺に平行な辺を有し、4つの矩形領域13の平面形状は合同であり、4つの矩形領域13から面11が構成される。つまり、矩形領域13は面11を4等分して得られる領域である。4つの矩形領域13の各々において、電極パッド63の切欠き部42は、面11の中心12と4つの頂点14のうちで当該矩形領域13に含まれる頂点14とを結ぶ線分に平行に延びる。別の見方をすると、切欠き部42は、面11の中心12を基準として放射状に延びる。また、切欠き部42は面11の中心12から見て外側に向けて延びる。
【0019】
ビルドアップ層70は、複数の絶縁層71と、複数の配線層72とを有する。配線層72は、絶縁層71の最下面に、外部装置との接続用の複数の電極パッド73を含む。配線層72の材料は、例えば銅等の導電体である。絶縁層71の材料は、例えばプリプレグである。電極パッド73の上にはんだボールが設けられてもよい。
【0020】
電極パッド63と電極パッド73とが、配線層62、貫通電極53及び配線層72を介して互いに電気的に接続されている。ビルドアップ層60に含まれる絶縁層61及び配線層62の数、ビルドアップ層70に含まれる絶縁層71及び配線層72の数は特に限定されない。
【0021】
半導体チップ20は複数の導電性ピラー21を有する。導電性ピラー21の数は電極パッド63の数と等しい。導電性ピラー21の材料は、例えば銅等の導電体である。半導体チップ20は配線基板10の面11にフリップチップ実装されている。導電性ピラー21の直径は貫通孔41の内径よりも小さい。導電性ピラー21の各々の一部が貫通孔41の内側にある。アンダーフィル材90が半導体チップ20と配線基板10との間に充填されている。
【0022】
導電性接合材30は、電極パッド63及び導電性ピラー21と同数設けられている。導電性接合材30の各々が1つの電極パッド63と1つの導電性ピラー21と接合する。電極パッド63と導電性ピラー21とが導電性接合材30により電気的に接続されている。導電性接合材30の一部が貫通孔41の領域内又は切欠き部42を含む領域内にある。貫通孔41の内側が導電性ピラー21及び導電性接合材30により充填されていてもよい。切欠き部42が導電性接合材30により充填されていてもよい。切欠き部42に導電性接合材30により充填されていない部分があってもよい。導電性接合材30の材料は、例えば、Sn(錫)、Sn-Ag(銀)系、Sn-Cu系、Sn-Ag-Cu系のPb(鉛)フリーはんだである。
【0023】
[半導体装置の製造方法]
次に、実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図3は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。図3には、主として、1組の電極パッド63、ビアランド64、導電性ピラー21及び導電性接合材30の周辺を拡大して示す。
【0024】
まず、図3(a)に示すように、配線基板10及び半導体チップ20を準備する。
【0025】
配線基板10に含まれる配線層62及び72は、例えばセミアディティブ法又はサブトラクティブ法により形成できる。例えば、電極パッド63及びビアランド64を含む配線層62を形成する際には、めっきシード層を形成し、次に、当該配線層62を形成する領域を露出するマスクをめっきシード層の上に形成し、次に、めっきシード層を給電経路として用いた電解めっきを行う。その後、マスクを除去し、次に、めっきシード層のうちマスクに覆われていた部分を除去する。このようにして、電極パッド63及びビアランド64を含む配線層62を形成することができる。
【0026】
半導体チップ20の準備においては、導電性ピラー21の配線基板10に対向する面に導電性接合材30をめっき等により形成する。
【0027】
配線基板10及び半導体チップ20を準備した後、導電性接合材30の表面にフラックスを塗布し、次に、半導体チップ20を配線基板10の上に載置してリフローを行う。この結果、導電性接合材30が溶融した後に凝固し、図3(b)に示すように、電極パッド63と導電性ピラー21とが導電性接合材30により互いに接合される。
【0028】
その後、配線基板10と半導体チップ20との間の空間にアンダーフィル材90を充填する(図2参照)。
【0029】
このようにして、実施形態に係る半導体装置1を製造することができる。
【0030】
本実施形態に係る半導体装置1においては、電極パッド63に貫通孔41が形成され、導電性ピラー21の各々の一部が貫通孔41の内側にある。このため、導電性ピラー21を低くせずとも、配線基板10と半導体チップ20との間の距離を短くできる。
【0031】
また、電極パッド63に切欠き部42が形成されている。このため、溶融した導電性接合材30は導電性ピラー21の側面に沿って半導体チップ20に向けて流動するよりも面11に沿って流動しやすい。従って、導電性接合材30の半導体チップ20の面上での流動に伴う短絡を抑制することができる。
【0032】
ここで、参考例について説明する。参考例は、主として、電極パッドの形状及び導電性ピラーの点で実施形態と相違する。図4は、参考例に係る半導体装置を示す断面図である。図4には、主として、1組の電極パッド、ビアランド、導電性ピラー及び導電性接合材の周辺を拡大して示す。
【0033】
参考例に係る半導体装置では、配線基板10が電極パッド63に代えて電極パッド63Xを有し、半導体チップ20が導電性ピラー21に代えて導電性ピラー21Xを有する。
【0034】
電極パッド63Xの材料及び厚さは電極パッド63の材料及び厚さと同じである。電極パッド63Xの平面形状は円形状であり、電極パッド63Xに貫通孔及び切欠き部は形成されていない。また、導電性ピラー21Xは電極パッド63Xの厚さだけ導電性ピラー21よりも低い。参考例の他の構成は実施形態と同様である。
【0035】
参考例における配線基板10と半導体チップ20との間の距離は、実施形態における配線基板10と半導体チップ20との間の距離と等しい。従って、参考例によっても薄型化が可能である。しかしながら、電極パッド63Xに貫通孔及び切欠き部は形成されていないため、図4に示すように、溶融した導電性接合材30が導電性ピラー21の側面に沿って半導体チップ20に向けて流動し、半導体チップ20の配線基板10に対向する面に到達しやすい。そして、溶融した導電性接合材30が半導体チップ20の配線基板10に対向する面に到達すると、この面上でも広がり得る。そうすると、導電性接合材30同士の接触に伴う短絡が生じるおそれがある。
【0036】
これに対し、本実施形態によれば、上述のように、溶融した導電性接合材30は導電性ピラー21の側面に沿って半導体チップ20に向けて流動しにくく、導電性接合材30の半導体チップ20の面上での流動に伴う短絡を抑制することができる。
【0037】
更に、切欠き部42は、平面視で、当該電極パッド63に隣接する2つの電極パッド63の間に向けて延びる。このため、各電極パッド63において流動した導電性接合材30同士の接触を抑制し、導電性接合材30同士の接触に伴う短絡を抑制することができる。
【0038】
特に、切欠き部42が面11の中心12を基準として放射状に延びることで、流動した導電性接合材30同士の接触に伴う短絡を抑制しやすい。また、電極パッド63の熱膨張の量は切欠き部42が延びる方向では他の方向よりも小さいため、中心12を基準とした径方向での電極パッド63の熱膨張を抑制することができる。一方、半導体チップ20の熱膨張率は電極パッド63を構成する金属材料の熱膨張率よりも小さい。このため、切欠き部42が延びる方向において、半導体チップ20の熱膨張の量と電極パッド63の熱膨張の量との差を小さく抑制することができる。更に、複数の電極パッド63の集合体を一つの物体とみなすと、平面視で、導電性接合材30が流動する方向及び当該物体が熱膨張しやすい方向の異方性が低いため、熱応力の偏りを抑制し、熱応力の過度の集中に伴う破断等を抑制しやすい。
【0039】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、本開示は上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 半導体装置
10 配線基板
11 面
12 中心
13 矩形領域
14 頂点
20 半導体チップ
21 導電性ピラー
30 導電性接合材
41 貫通孔
42 切欠き部
63 電極パッド
64 ビアランド
65 ビアホール
66 ビア導体
図1
図2
図3
図4