(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134851
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】大判配線基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20240927BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H05K1/02 E
H05K3/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045259
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】竹内 美佐子
(72)【発明者】
【氏名】関谷 清二
(72)【発明者】
【氏名】小池 由樹子
(72)【発明者】
【氏名】荒井 浩二
(72)【発明者】
【氏名】菊池 友史
(72)【発明者】
【氏名】坂口 昌樹
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338AA16
5E338CC09
5E338CD12
5E338CD24
5E338EE27
(57)【要約】
【課題】空隙の発生を抑制することができる大判配線基板を提供する。
【解決手段】大判配線基板は、複数の矩形領域を画定する格子状の枠部と、前記複数の矩形領域の各々に配置された配線基板部と、を有し、前記配線基板部は、信号又は電圧が供給される導電パターンと、前記導電パターンと前記枠部との間に設けられたダミーパターンと、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の矩形領域を画定する格子状の枠部と、
前記複数の矩形領域の各々に配置された配線基板部と、
を有し、
前記配線基板部は、
信号又は電圧が供給される導電パターンと、
前記導電パターンと前記枠部との間に設けられたダミーパターンと、
を有する大判配線基板。
【請求項2】
前記枠部は、第1方向で隣り合う矩形領域の間に第1標識パターンを有し、
前記第1標識パターンは、前記第1方向に直交する第2方向に平行に延びる第1切断線の位置を示し、
前記ダミーパターンは、前記導電パターンと前記第1標識パターンとの間に設けられている請求項1に記載の大判配線基板。
【請求項3】
前記ダミーパターンは、前記第2方向に平行に延びる請求項2に記載の大判配線基板。
【請求項4】
前記ダミーパターンの前記第2方向における両端の位置は、前記導電パターンの前記第2方向における両端の位置と揃っている請求項3に記載の大判配線基板。
【請求項5】
前記枠部は、第2標識パターンを有し、
前記第2標識パターンは、前記第2方向に平行に延び、前記第1切断線と前記導電パターンとの間の第2切断線の位置を示す請求項2乃至4のいずれか1項に記載の大判配線基板。
【請求項6】
前記枠部は、前記第2方向で隣り合う矩形領域の間に第3標識パターンを有し、
前記第3標識パターンは、前記第1方向に平行に延びる第3切断線の位置を示す請求項2乃至4のいずれか1項に記載の大判配線基板。
【請求項7】
前記導電パターンは、前記ダミーパターンに隣接するべたパターンを有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の大判配線基板。
【請求項8】
前記ダミーパターンは、電気的にフローティングの状態にある請求項1乃至4のいずれか1項に記載の大判配線基板。
【請求項9】
前記枠部及び前記配線基板部は、互いに積層された複数の配線層を有し、
前記ダミーパターンは、前記複数の配線層のうちの少なくとも1つに含まれる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の大判配線基板。
【請求項10】
前記ダミーパターンは、前記複数の配線層のすべてに含まれる請求項9に記載の大判配線基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、大判配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板は、例えば大判配線基板の切断を経て製造される。大判配線基板は、格子状の枠部と、複数の配線基板部とを有する。枠部内の切断線に沿って大判配線基板が切断されると、各配線基板部から1個の配線基板が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の大判配線基板では、配線基板部の導電パターンよりも外側において絶縁層の間に空隙が生じることがある。空隙が生じると、空隙を起点とする剥離等が発生するおそれがある。特に、枠部の構成が、寸法が相違する複数種類の配線基板に対して共通である場合、空隙が生じやすい。
【0005】
本開示は、空隙の発生を抑制することができる大判配線基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、複数の矩形領域を画定する格子状の枠部と、前記複数の矩形領域の各々に配置された配線基板部と、を有し、前記配線基板部は、信号又は電圧が供給される導電パターンと、前記導電パターンと前記枠部との間に設けられたダミーパターンと、を有する大判配線基板が提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、基板の強度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る大判配線基板を示す上面図である。
【
図2】
図1中の破線の領域Rにおける配線層のレイアウトを示す図である。
【
図3】実施形態に係る大判配線基板を示す断面図である。
【
図6】配線基板の一例の配線層のレイアウトを示す図である。
【
図7】配線基板の他の一例の配線層のレイアウトを示す図である。
【
図8】実施形態に係る大判配線基板の製造方法を示す断面図である。
【
図9】参考例に係る大判配線基板の製造方法を示す断面図である。
【
図10】ダミーパターンの変形例を示す図(その1)である。
【
図11】ダミーパターンの変形例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。また、本開示においては、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。なお、便宜上、Z1-Z2方向を上下方向とし、Z1側を上側、Z2側を下側とする。また、平面視とは、Z1側から対象物を視ることをいい、平面形状とは、対象物をZ1側から視た形状のことをいう。但し、大判配線基板及び配線基板は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。
【0010】
[大判配線基板の構造]
まず、実施形態に係る大判配線基板の構造について説明する。
図1は、実施形態に係る大判配線基板を示す上面図である。
図2は、
図1中の破線の領域Rにおける配線層のレイアウトを示す図である。
図3は、実施形態に係る大判配線基板を示す断面図である。
図3は、
図2中のIII-III線に沿った断面図に相当する。
図4は、第1切断線及び第3切断線を示す図である。
図5は、第2切断線及び第3切断線を示す図である。
図6は、実施形態に係る大判配線基板から得られる配線基板の一例の配線層のレイアウトを示す図である。
図7は、実施形態に係る大判配線基板から得られる配線基板の他の一例の配線層のレイアウトを示す図である。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る大判配線基板1は、複数の矩形領域を画定する格子状の枠部10と、複数の配線基板部20とを有する。配線基板部20は、複数の矩形領域の各々に配置されている。例えば、X1-X2方向(第2方向)に7個の配線基板部20が並び、Y1-Y2方向(第1方向)に4個の配線基板部20が並び、大判配線基板1は、合計で28個の配線基板部20を有する。詳細は後述するが、配線基板部20の各々から1個の配線基板21(
図6参照)又は1個の配線基板22(
図7参照)が得られる。配線基板21と配線基板22との間では、X1-X2方向の寸法が共通し、Y1-Y2方向の寸法が相違する。配線基板21を形成する際と、配線基板22を形成する際との間では、Y1-Y2方向に延びる切断線の位置が共通し、X1-X2方向に延びる切断線の位置が相違する。
【0012】
図3に示すように、大判配線基板1は、基板70と、配線層71と、絶縁層72と、配線層73と、絶縁層74とを有する。
【0013】
配線層71は基板70の上面に形成されている。絶縁層72は基板70及び配線層71の上に形成されている。絶縁層72は、基板70及び配線層71を覆う。配線層73は絶縁層72の上面に形成されている。絶縁層74は絶縁層72及び配線層73の上に形成されている。絶縁層74は、絶縁層74及び配線層73を覆う。
【0014】
基板70は、例えば、ガラスエポキシ樹脂や、ビスマレイミドトリアジン樹脂等の絶縁材料からなる。配線層71及び73は、例えば、銅等の金属からなる。絶縁層72及び74は、例えば、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等の絶縁樹脂を含む樹脂層である。絶縁層72及び74が、シリカ等のフィラーを含有していてもよい。
【0015】
配線層71及び73では、
図2に示すように、枠部10が、補助パターン11と、第1標識パターン51と、第2標識パターン52と、第3標識パターン53とを有し、配線基板部20が、導電パターン30と、ダミーパターン40とを有する。
【0016】
第1標識パターン51は、
図2及び
図4に示すように、第1切断線61の位置を示す。第1切断線61はX1-X2方向に平行に延びる。第1切断線61は配線基板21(
図6参照)の形成用の切断線である。第1切断線61に沿って大判配線基板1を切断することで、配線基板21のY1-Y2方向に垂直な側面が形成される。第1切断線61は、例えば、Y1-Y2方向で隣り合う配線基板部20の間の領域と、枠部10のX1-X2方向に延びる部分とY1-Y2方向に延びる部分とが交差する領域とに設けられている。
【0017】
第2標識パターン52は、
図2及び
図5に示すように、第2切断線62の位置を示す。第2切断線62はX1-X2方向に平行に延びる。第2切断線62は配線基板22(
図7参照)の形成用の切断線である。第2切断線62に沿って大判配線基板1を切断することで、配線基板22のY1-Y2方向に垂直な側面が形成される。第2切断線62は、例えば、X1-X2方向で隣り合う配線基板部20の間の領域に設けられている。
【0018】
第3標識パターン53は、
図2、
図5及び
図6に示すように、第3切断線63の位置を示す。第3切断線63はY1-Y2方向に平行に延びる。第3切断線63は配線基板21の形成及び配線基板22の形成に用いられる切断線である。第3切断線63に沿って大判配線基板1を切断することで、配線基板21又は22のX1-X2方向に垂直な側面が形成される。第3切断線63は、例えば、X1-X2方向で隣り合う配線基板部20の間の領域と、枠部10のX1-X2方向に延びる部分とY1-Y2方向に延びる部分とが交差する領域とに設けられている。
【0019】
補助パターン11は、例えば、大判配線基板1に剛性を得るための補強用のべたパターンを有する。枠部10がバスバー等を含んでもよい。
【0020】
導電パターン30は、配線基板21又は22において、信号又は電圧が供給されるパターンである。導電パターン30の構成は配線基板21と配線基板22との間で同じであってもよい。導電パターン30は、環状のべたパターン31と、べたパターン31の内側に設けられた回路パターン32とを有する。べたパターン31の構成は配線層71と配線層73との間で共通していてもよい。べたパターン31には、例えば接地電圧等の定電圧が供給されてもよい。べたパターン31は、X1-X2方向に平行に延びる2つの部分と、Y1-Y2方向に平行に延びる2つの部分とを有する。回路パターン32の構成は配線層71と配線層73との間で相違していてもよい。例えば、回路パターン32において、配線層73の一部が、絶縁層72に形成されたビアホール内のビア導体を介して配線層71に電気的に接続されていてもよい。
【0021】
ダミーパターン40は、導電パターン30と枠部10との間に設けられている。ダミーパターン40は、べたパターン31のX1-X2方向に平行に延びる部分と第1標識パターン51との間に設けられている。別の見方をすると、導電パターン30は、ダミーパターン40に隣接するべたパターン31を有する。ダミーパターン40のX1-X2方向における両端の位置は、導電パターン30のX1-X2方向における両端の位置と揃っていてもよい。
【0022】
第1標識パターン51が示す第1切断線61と第3標識パターン53が示す第3切断線63とに沿って大判配線基板1を切断することで、
図6に示すように、配線基板21が得られる。配線基板21は配線基板部20毎に得られる。すなわち、1個の大判配線基板1から28個の配線基板21が得られる。配線基板21の各々は、導電パターン30と、ダミーパターン40とを含む。ダミーパターン40は、電気的にフローティングの状態にあってよい。
【0023】
第2標識パターン52が示す第2切断線62と第3標識パターン53が示す第3切断線63とに沿って大判配線基板1を切断することで、
図7に示すように、配線基板22が得られる。配線基板22は配線基板部20毎に得られる。すなわち、1個の大判配線基板1から28個の配線基板22が得られる。配線基板22の各々は、導電パターン30を含むが、ダミーパターン40を含まない。
【0024】
[大判配線基板の製造方法]
次に、実施形態に係る大判配線基板の製造方法について説明する。
図8は、実施形態に係る大判配線基板の製造方法を示す断面図である。
【0025】
まず、
図8(a)に示すように、基板70の上面に配線層71を形成する。配線層71は、例えばセミアディティブ法又はサブトラクティブ法により形成できる。次いで、絶縁層72となる絶縁フィルム72Aを配線層71の上に貼り付け、基板70の下面に接する緩衝材81と、絶縁フィルム72Aの上面に接する緩衝材82とを備えたプレス機に設置する。
【0026】
その後、
図8(b)に示すように、基板70、配線層71及び絶縁フィルム72Aの積層体を加熱しながら加圧する。この結果、絶縁フィルム72Aから絶縁層72が形成される。この時、絶縁フィルム72Aは配線層71を構成する各パターンの側面からの抗力を受けながら、XY平面に平行な方向に流動する。このため、絶縁層72と基板70との間に空隙が生じにくい。
【0027】
次いで、
図8(c)に示すように、絶縁層72の上面に配線層73を形成する。配線層73は、例えばセミアディティブ法又はサブトラクティブ法により形成できる。配線層73の形成前に、回路パターン32を形成する領域において、絶縁層72にビアホールを形成してもよい。
【0028】
その後、絶縁層74となる絶縁フィルムを配線層73の上に貼り付け、基板70の下面に接する緩衝材81と、配線層73上の絶縁フィルムの上面に接する緩衝材82とを備えたプレス機に設置する。
【0029】
続いて、基板70、配線層71、絶縁層72、配線層73及び絶縁フィルムの積層体を加熱しながら加圧する。この結果、配線層73上の絶縁フィルムから絶縁層74が形成される。この時、絶縁フィルムは配線層73を構成する各パターンの側面からの抗力を受けながら、XY平面に平行な方向に流動する。このため、絶縁層74と絶縁層72との間に空隙が生じにくい。
【0030】
このようにして実施形態に係る大判配線基板1を製造することができる。
【0031】
ここで、参考例に係る大判配線基板の製造方法について説明する。参考例に係る大判配線基板は、ダミーパターン40を含まない点で大判配線基板1と相違する。参考例に係る大判配線基板の他の構成は大判配線基板1と同様である。
図9は、参考例に係る大判配線基板の製造方法を示す断面図である。
【0032】
まず、
図9(a)に示すように、基板70の上面に配線層71を形成する。次いで、絶縁フィルム72Aを配線層71の上に貼り付け、基板70の下面に接する緩衝材81と、絶縁フィルム72Aの上面に接する緩衝材82とを備えたプレス機に設置する。配線層71はダミーパターン40を含まない。
【0033】
その後、
図9(b)に示すように、基板70、配線層71及び絶縁フィルム72Aの積層体を加熱しながら加圧する。この結果、絶縁フィルム72Aから絶縁層72が形成される。この時、絶縁フィルム72Aは配線層71を構成する各パターンの側面からの抗力を受けながら、XY平面に平行な方向に流動する。但し、配線層71がダミーパターン40を含まないため、絶縁フィルム72Aが十分に流動せず、導電パターン30と第1標識パターン51との間の距離によっては、絶縁層72と基板70との間に空隙76が生じることがある。
【0034】
次いで、
図9(c)に示すように、絶縁層72の上面に配線層73を形成する。配線層73はダミーパターン40を含まない。その後、実施形態と同様にして、絶縁層74を形成する。配線層73がダミーパターン40を含まないため、絶縁層74を形成する際にも、絶縁層74となる絶縁フィルムが十分に流動せず、絶縁層74と絶縁層72との間に空隙77が生じることがある。
【0035】
このように、参考例に係る大判配線基板においては、製造時に空隙76及び77が生じることがある。これに対し、実施形態に係る大判配線基板1によれば、空隙の発生を抑制することができる。特に、配線基板21と配線基板22との間で導電パターン30の構成が共通していても、Y1-Y2方向の寸法が相違する場合には、導電パターン30と第1標識パターン51との間の距離が大きくせざるを得ないことがある。このような場合であっても、本実施形態によれば、空隙の発生を抑制することができる。
【0036】
また、ダミーパターン40が設けられていることで、絶縁層72及び74の表面に形成される凹凸が緩和され、大判配線基板1の厚さの均一性を向上することができる。従って、配線基板21及び22のいずれにおいても、均一性を向上することができる。
【0037】
また、ダミーパターン40が設けられていることで、配線基板部20の剛性を向上することができる。剛性の向上により、配線基板部20の反りが抑制される。また、剛性の向上により、大判配線基板1のハンドリング性を向上することもできる。
【0038】
また、ダミーパターン40が設けられていることで、配線層71と絶縁層72との接触面積が増加し、配線層73と絶縁層74との接触面積も増加するため、配線層71と絶縁層72との密着性が向上し、配線層73と絶縁層74との密着性が向上する。この結果、基板70、絶縁層72及び絶縁層74の間の密着性が向上し、層間剥離を抑制することができる。
【0039】
なお、ダミーパターン40は、配線基板21の側面が形成される部分と、配線基板22の側面が形成される部分とから離れていることが好ましい。これは、ダミーパターン40が配線基板21又は22の側面に露出する場合、大判配線基板1の切断の際にバリが生じるおそれがあるためである。ダミーパターン40は、例えば、配線基板21のY1-Y2方向に垂直な側面が形成される部分から90μm~100μm程度離れ、かつ配線基板22のY1-Y2方向に垂直な側面が形成される部分から90μm~100μm程度離れた位置に設けられている。ダミーパターン40は、配線基板21のY1-Y2方向に垂直な側面が形成される部分から95μm程度離れ、かつ配線基板22のY1-Y2方向に垂直な側面が形成される部分から95μm程度離れた位置に設けられていてもよい。
【0040】
大判配線基板1に含まれる配線層の数は限定されない。配線層の数が1でもよく、3以上でもよい。また、大判配線基板1が基板70を含まなくてもよく、大判配線基板1が基板70の両面に1又は2以上の配線層を有してもよい。すべての配線層がダミーパターン40を含むことが好ましいが、配線層を挟む絶縁層の材料及び厚さ等によっては一部の配線層がダミーパターン40を含まなくてもよい。
【0041】
ダミーパターン40の形状は、直線状の形状に限定されない。
図10及び
図11は、ダミーパターン40の変形例を示す図である。
【0042】
図10(a)、
図10(b)、
図10(c)又は
図11(a)に示すように、複数のパターンがX1-X2方向に平行に並んでダミーパターン40が形成されていてもよい。
図11(b)に示すように、X1-X2方向に沿って蛇行する平面形状をダミーパターン40が有していてもよい。
図11(c)に示すように、ダミーパターン40に断続的に切り欠きが形成されていてもよい。
【0043】
図10又は
図11に示す例によれば、ダミーパターン40の側面の面積が増加するため、アンカー効果が高まり、基板70、絶縁層72及び絶縁層74の間の密着性が更に向上し、層間剥離を更に抑制しやすくなる。また、絶縁フィルムの流動を遮断せず、一定の流動性を持たせることで絶縁樹脂の均一性を向上させることができる。
【0044】
なお、配線基板部20のうち、ダミーパターン40を除く導電パターン30が形成される領域は複数の配線基板の集合であっても良い。つまり、配線基板部20から複数の配線基板が形成されるように構成されていてもよい。その場合は、更なる切断により個々の配線基板に個片化される。
【0045】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、本開示は上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 大判配線基板
10 枠部
20 配線基板部
21、22 配線基板
30 導電パターン
31 べたパターン
32 回路パターン
40 ダミーパターン
51 第1標識パターン
52 第2標識パターン
53 第3標識パターン
61 第1切断線
62 第2切断線
63 第3切断線
70 基板
71、73 配線層
72、74 絶縁層