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特開2024-134885情報処理システム、提示方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134885
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理システム、提示方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045316
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 陸渡
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC67
5C062AE01
5C062AE15
(57)【要約】
【課題】所定の基準に沿った画像データの生成を支援すること。
【解決手段】本発明は、画像データを管理する情報処理システムであって、前記情報処理システムに入力された前記画像データに関する第1の画像処理条件を取得する処理条件取得部と、前記処理条件取得部が取得した前記第1の画像処理条件と、所定の基準 が前記画像データに要求する第2の画像処理条件に基づいて、前記画像データが前記所定の基準に準拠していないと判断される場合、前記画像データを前記所定の基準に準拠させる対処方法をユーザーに提示する提示部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを管理する情報処理システムであって、
前記情報処理システムに入力された前記画像データに関する第1の画像処理条件を取得する処理条件取得部と、
前記処理条件取得部が取得した前記第1の画像処理条件と、所定の基準が前記画像データに要求する第2の画像処理条件に基づいて、前記画像データが前記所定の基準に準拠していないと判断される場合、前記画像データを前記所定の基準に準拠させる対処方法をユーザーに提示する提示部と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記対処方法は、前記第1の画像処理条件に関することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1の画像処理条件及び前記第2の画像処理条件は、複数の項目を有し、
前記提示部は、前記画像データが前記所定の基準に準拠していない項目ごとに前記対処方法を提示する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報処理システムはネットワークを介して機器と通信し、
前記画像データは、前記機器が前記第1の画像処理条件に基づいて原稿を光学的に読み取って生成し、前記情報処理システムに送信したものであり、
前記対処方法は、前記機器に設定される前記第1の画像処理条件である請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1の画像処理条件の項目は、原稿の読み取り時の解像度、カラー階調、又は、グレー階調である請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記読み取り時の解像度が、前記第2の画像処理条件に含まれる解像度を満たしていない場合、前記提示部は、前記読み取り時の解像度が前記所定の基準に準拠するための最低の解像度をユーザーに提示する請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記読み取り時の階調が、前記第2の画像処理条件に含まれる階調を満たしていない場合、前記提示部は、前記読み取り時の階調が前記所定の基準に準拠するための最低の階調をユーザーに提示する請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記処理条件取得部が取得した前記第1の画像処理条件に原稿の大きさが含まれていない場合、前記提示部は、原稿の大きさを保存するように設定することをユーザーに提示する請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記第2の画像処理条件は、前記画像データの重要度に応じて異なり、
前記処理条件取得部が取得した前記第1の画像処理条件と、前記重要度に応じた前記第2の画像処理条件に基づいて、前記画像データが前記所定の基準に準拠しているか否か判断する判断部を有する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記重要度は、前記画像データの種類により判断される請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記画像データが保存されたことを契機に、前記画像データが前記所定の基準に準拠しているか否か判断するワークフローを実行するワークフロー管理部を有し、
前記ワークフロー管理部は、前記画像データが前記所定の基準に準拠していると判断されたことを契機に、前記画像データに関する別のワークフローの実行を開始する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項12】
画像データを管理する情報処理システムが行う提示方法であって、
前記情報処理システムに入力された前記画像データに関する第1の画像処理条件を取得する処理と、
取得した前記第1の画像処理条件と、所定の基準が前記画像データに要求する第2の画像処理条件に基づいて、前記画像データが前記所定の基準に準拠していないと判断される場合、前記画像データを前記所定の基準に準拠させる対処方法をユーザーに提示する処理と、
を実行する提示方法。
【請求項13】
画像データを管理する情報処理システムを、
前記情報処理システムに入力された前記画像データに関する第1の画像処理条件を取得する処理条件取得部と、
前記処理条件取得部が取得した前記第1の画像処理条件と、所定の基準が前記画像データに要求する第2の画像処理条件に基づいて、前記画像データが前記所定の基準に準拠していないと判断される場合、前記画像データを前記所定の基準に準拠させる対処方法をユーザーに提示する提示部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、提示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の処理(例えば、スキャン、クラウドへの保存、又はメール送信等)を組み合わせて実行した処理結果を提供するサービスが知られている。例えば、機器が原稿を読み取って生成した画像データに情報処理システムが所定の処理を行った上で、クラウドに保存したりメール送信したりするサービスが知られている。このようなサービスは、1以上の処理が一連の処理(ワークフロー)として実行されることにより実現される。
【0003】
ファイルに対し規格に従った処理を行う技術が開示されている(例えば特許文献1参照。)。特許文献1には、複数のファイルに対してタイムスタンプ付与処理時を実行する技術ついて開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、画像データが、法令などが要求する所定の基準に準拠しているか否かユーザーが判断して、準拠していない場合は所定の基準に沿って画像データを生成する必要があるが、ユーザーによっては条件に合わせて画像データを生成することが困難である場合がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、所定の基準に沿った画像データの生成を支援する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、画像データを管理する情報処理システムであって、前記情報処理システムに入力された前記画像データに関する第1の画像処理条件を取得する処理条件取得部と、前記処理条件取得部が取得した前記第1の画像処理条件と、所定の基準 が前記画像データに要求する第2の画像処理条件に基づいて、前記画像データが前記所定の基準に準拠していないと判断される場合、前記画像データを前記所定の基準に準拠させる対処方法をユーザーに提示する提示部 と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
所定の基準に沿った画像データの生成を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】文書データに求められる法令の参考図である。
図2】法令に準拠していない文書データである場合、サービス提供システムが、機器に対処方法を通知する処理の概略を説明する図である。
図3】サービス提供システムの一例のシステム構成を示す図である。
図4】情報処理システム及び端末装置の一例のハードウェア構成を示す図である。
図5】機器の一例である画像形成装置のハードウェア構成図である。
図6】サービス提供システムの一例の機能構成を示す図である。
図7】文書データ記憶部に記憶されている文書データを模式的に示す図である。
図8】メタデータ記憶部に記憶されているメタデータを模式的に示す図である。
図9】ワークフローデータ記憶部に記憶されているワークフローデータを模式的に示す図である。
図10】情報処理システムがワークフローを実行する処理を説明する一例のシーケンス図である。
図11図10のステップS4の時点におけるメタデータを示す図の一例である。
図12図10のステップS10の時点におけるメタデータを示す図の一例である。
図13】電帳法に準拠していると判断されたメタデータ、及び、電帳法に準拠していないと判断されたメタデータの一例を示す図である。
図14図10のステップS15で判断部17が、文書データが法令に準拠しているか否かを判断する処理を説明する一例のフローチャート図である。
図15】機器が表示する対処方法画面の一例を示す図である。
図16】ワークフローアプリとそれを構成するコンポーネントについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、サービス提供システムとサービス提供システムが行う提示方法について図面を参照しながら説明する。
【0010】
<文書管理と法令の関係>
文書管理においては、所定の法令が要求する画像処理条件で画像処理された文書データ(ファイル)が保存されることが求められる。例えば、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」(以下、電帳法)では、領収書や請求書を機器が光学的に読み取って電子化して保管する場合、200[dpi]、8ビット諧調以上とすることが求められている(同法施行規則2条6項2号)。
【0011】
この画像処理条件を満たさない文書をユーザーが保存してしまった場合、ユーザーは法令を満たす画像処理条件を再度、機器に設定し、法令に準拠するように画像処理された文書データを生成することが必要になり、余分な作業が発生する。このとき、法令が要求する条件に沿って画像データを生成する必要があるが、法令又は画像処理に詳しくないユーザーにとっては条件に合わせて画像データを生成することが困難である場合がある。そこで、法令が要求する条件に沿った画像データを生成するための方法、つまり画像データを法令に準拠させる対処方法をユーザーに提示することによって、画像データの生成を支援することが必要になる。
【0012】
図1は、文書データに求められる法令の参考図である。図1では、電帳法における、文書データの保存要件を示す。電帳法は、重要書類と一般書類のそれぞれについて、入力期間、画像処理条件(解像度、カラー階調、グレー階調)、メタデータの保存、タイムスタンプの付与方法、及び、バージョン管理について定めている。
【0013】
本実施形態では、主に画像処理条件とメタデータの保存について説明する。例えば、図1の画像処理条件によれば、重要書類の解像度は200[dpi]以上で、階調が各色256階調以上であること(カラーであること)である。一般書類の解像度は200[dpi]以上で、階調がグレースケール(256階調以上)であることである。なお、一般書類はカラーで保存されてもよい。
【0014】
また、メタデータの保存に関しては、重要書類のみメタデータの保存が義務づけられている。メタデータは、解像度、階調及び文書の大きさ(A4など電子化される原稿の大きさ)に関する情報である。
【0015】
<本実施形態の動作の概略>
そこで、本実施形態では、機器がワークフロー等で文書データを保存する際、ネットワーク上の情報処理システムが法令に準拠しているかどうかの判断を行い、法令に準拠していない場合は、機器に対処方法を通知する。ユーザーは法令に準拠するための画像処理条件を即座に判断可能になり、その場で、法令に準拠する画像処理条件で原稿を再度、読み取ることができる。また、ユーザーが保存済みの全ての文書データに対して法令の要件を確認する必要を低減できる。
【0016】
図2は、サービス提供システム100が、法令に準拠していない文書データである場合は、機器20に対処方法を通知する処理の概略を説明する図である。
(1) ユーザーが画像処理条件を機器20に設定し、機器20に契約書や見積りなどの原稿を読み取らせる。
(2) 機器20は原稿を読み取り画像処理条件に基づいて生成した文書データを情報処理システム10に送信する。
(3) 情報処理システム10は、文書データからメタデータ(解像度/階調/文書の大きさ等)を取得する。情報処理システム10がメタデータそのものを機器20から受信してもよいし、文書データに対する何らかの処理によいメタデータを取得してもよい。
(4) 情報処理システム10は、メタデータに含まれる画像処理条件が法令に準拠していない場合、機器20に対処方法を通知する。対処方法は、法令に準拠した画像処理条件である。機器20は対処方法を提示する。提示は表示してもよいし、音声で知らせてもよい。
【0017】
したがって、本実施形態では、文書データが法令に準拠していない場合は、ユーザーが即座に判断可能になり、その場で、法令に準拠する画像処理条件で原稿を読み取ることができる。したがって、ユーザーは法令に準拠している文書データを情報処理システム10に保存できる。
【0018】
<用語について>
アプリケーションとは、ユーザーがサービスを受けるために機器や情報処理装置で実行されるプログラムである。アプリケーションには、Webブラウザとサーバー側のプログラムが協調して実行するWebアプリと、サーバーを必須とせずに(通信はしてもよい)情報処理装置が実行するネイティブアプリがある。Webアプリの場合、アプリケーションは一連の処理を順番に実行するワークフローアプリの場合がある。
【0019】
アプリケーションは1つ以上の処理を含む。処理は、アプリケーションが目的の成果物を出力できるようにある程度の機能がまとめられた情報処理であればよい。本実施形態では、コンポーネントが実行する情報処理又はコンポーネントが処理に相当する。
【0020】
ワークフローアプリとは、複数の処理が決まった順番で実行されるアプリケーションをいう。ワークフローアプリを単にワークフローや処理フローという場合がある。
【0021】
画像データとは、少なくとも一部に画像を含むデータであればテキストデータを含んでもよい。画像とは、事象を視覚的に表すもので、視覚化される対象は問わない。すなわち、画像データに文字が含まれていてもよい。画像データはファイル形式で送受信されてよい。本実施形態では、画像データは、文書データという用語で説明される。
【0022】
画像処理条件は、文書データを作成する際に設定されていた画像処理の条件である。画像処理条件は、機器が原稿を読み取る際の画像処理の条件であってもよく読取条件やスキャン条件と称してもよい。また、画像処理条件は、すでに存在する文書データの解像度、階調、又は、文書の大きさを変更する処理条件でもよい。第1の画像処理条件は、文書データから取得された画像処理条件をいい、第2の画像処理条件は基準に基づく画像処理条件をいう。
【0023】
基準とは、文書データに要求される属性を示す。ここで、属性とは解像度、階調、又は、文書の大きさなどの数値を含み得る。基準は、法令や、組織における規則などによって設定される。ここで、法令とは、法律、施行令、施行規則、条例などを広く含むルールである。本実施形態では電帳法を法令の一例として使用する。本実施形態は法令の種類は問わず適用可能である。法令は、例えばe-文書法でもよい。
【0024】
準拠とは、あるものを拠り所にしてそれに従うことである。したがって、法令に準拠するとは、法令を拠り所にしてそれに従うことをいう。簡単には、法令を守っていること、法令が定める要件を満たすことなどをいう。
【0025】
対処方法とは、実際に起こった何らかの状況や事件に応じて適切な処置をとることをいう。文書データを法令に準拠させるための対処方法は、法令に準拠していない文書データを法令に準拠させることをいう。本実施形態では、対処方法は画像処理条件に関するものであってもよい。
【0026】
<システム構成>
本実施形態に係るサービス提供システム100のシステム構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係るサービス提供システム100の一例のシステム構成を示す図である。
【0027】
図3に示すサービス提供システム100は、情報処理システム10と、機器20と、を有する。情報処理システム10と機器20は、インターネット等の広域的なネットワークN1を介して通信可能に接続されている。また、情報処理システム10,機器20、及び、端末装置30は、ネットワークN1を介して、外部システムである外部サービスシステム40と通信できる。機器20と端末装置30は、企業などの施設に配置されており、ネットワークN2に接続されている。ネットワークN2は、LAN、Wi-Fi(登録商標)、広域イーサネット(登録商標)、4G、5G、6G等の携帯電話網、などでよい。
【0028】
情報処理システム10は、一台以上の情報処理装置で実現され、ネットワークN1を介して、クラウドサービス等の外部サービスシステム40と連携した一連の処理により実現される各種のサービスを提供する。本実施形態に係る情報処理システム10が提供するサービスの具体例については後述する。情報処理システム10は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよいし、単一の情報処理装置によって実現されてもよい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される形態をいう。情報処理システム10は、インターネット上に存在しても、オンプレミスに存在してもよい。なお、一連の処理は1つのアプリケーションにより提供され、一連の処理を「処理フロー」「ワークフロー」ともいう。
【0029】
機器20は、ユーザーが使用する各種の電子機器である。本実施形態では、機器20は原稿の読み取り機能(スキャン機能)を有していればよい。機器20は、スキャナ、画像処理装置、画像形成装置、MFP(Multifunction Peripheral)と呼ばれていてもよい。また、機器20は、原稿から文書データを生成するものであれば、デジタルカメラやデジタルカメラを有する装置でもよい。機器20は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、プロジェクタ、電子黒板、テレビ会議端末等でもよい。また、機器20はPCにスキャナが接続されたシステムでもよい。ユーザーは、機器20を用いて、情報処理システム10又は外部サービスシステム40が提供する各種のサービス(アプリケーション)を利用することができる。
【0030】
なお、以降では、複数の機器20について、各々を区別するときは、「機器20A」、「機器20B」等と添え字を用いて記載する。
【0031】
端末装置30は、例えば、管理者又はユーザーが使用するデスクトップPC、ノート型PC、スマートフォン、タブレット端末等である。管理者は、端末装置30を操作して、ワークフローを作成したり、ワークフローの利用権限をユーザーに割り振ったりすることができる。管理者又はユーザーは端末装置30を操作して、情報処理システム10又は外部サービスシステム40が提供する各種のサービスを利用することができ、更に、アプリケーションの設定を行うことができる。
【0032】
なお、以降では、複数の端末装置30について、各々を区別するときは、「端末装置30A」、「端末装置30B」等と添え字を用いて記載する。
【0033】
外部サービスシステム40は、情報処理システム10がアプリケーションを実行する際にデータの保存、読出、又は加工を行うことで、サービスを提供する一台以上の情報処理装置である。外部サービスシステム40の「外部」とは、情報処理システム10とは別のシステムであることをいう。異なる企業により運営される場合が多い。例えば、同じユーザーであっても外部サービスシステム40と情報処理システム10ではアカウントが異なる。
【0034】
外部サービスシステム40の一例には、例えば、クラウドサービス、ASP(Application Service Provider)等があり、ネットワークを介して提供される各種の外部サービスが含まれてよい。例えば、サービスの一例としてストレージサービスがある。外部サービスシステム40は、インターネット上に存在しても、オンプレミスに存在してもよい。
【0035】
なお、以降では、複数の外部サービスシステム40について、各々を区別するときは、図示されている「外部サービスシステム40A、40B」と記載する。
【0036】
<ハードウェア構成例>
図4図5を参照して、本実施形態に係るサービス提供システム100に含まれる情報処理システム10及び端末装置30のハードウェア構成について説明する。
【0037】
<<情報処理システム及び端末装置>>
図4は、本実施形態に係る情報処理システム10及び端末装置30の一例のハードウェア構成を示す図である。図4に示されているように、情報処理システム10及び端末装置30はコンピュータ500によって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0038】
これらのうち、CPU501は、情報処理システム10及び端末装置30全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、ネットワークN2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図4に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0039】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWドライブ514は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0040】
<<機器>>
図5は、機器20の一例である画像形成装置のハードウェア構成図である。図5に示されているように、画像形成装置は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0041】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0042】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0043】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0044】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908及びMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931、プリンタ部932、及びファクシミリ部との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906は、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを有していてよい。
【0045】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0046】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路のアンテナ920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0047】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931、プリンタ部932及びファクシミリ部933を有している。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなるハードキー940bを備えている。コントローラ910は、画像形成装置全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0048】
なお、画像形成装置は、操作パネル940のアプリ切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。画像形成装置は、ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0049】
また、ネットワークI/F950は、ネットワークN2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0050】
<機能について>
次に、図6を参照し、本実施形態に係るサービス提供システム100の機能構成について説明する。図6は、本実施形態に係るサービス提供システム100の一例の機能構成を示す図である。
【0051】
<<機器>>
機器20は、通信部21と、表示制御部22と、操作受付部23と、画像データ生成部24と、ファクシミリ処理部25と、電子メール処理部26とを有する。これら各機能部は、機器20にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を図5に示したCPU901が実行することで実現される機能又は手段である。例えば、通信部21、表示制御部22及び操作受付部23はWebブラウザにより実現され、その他は個別のアプリケーション(ネイティブアプリ)により実現される。
【0052】
通信部21は、情報処理システム10との間で各種の情報を送受信する。本実施形態では、通信部21は、アプリ一覧画面等の画面情報を情報処理システム10から受信し、アプリケーションの実行要求や文書データ等を情報処理システム10に送信する。
【0053】
表示制御部22は、各種の画面の画面情報を解釈してパネル表示部940aに表示する。操作受付部23は、パネル表示部940aに表示された各種画面におけるユーザーの各種操作を受け付ける。
【0054】
画像データ生成部24は、操作受付部23が選択を受け付けたアプリケーションが画像データを生成するものである場合、スキャナ部931で原稿を読み取って(スキャンし)て画像データを生成する。画像データはメタデータと共にPDFファイルなどの文書データに加工される。
【0055】
ファクシミリ処理部25は、ファクシミリ部933によるファクシミリの受信及び送信に関する処理を行い、ファクシミリを受信した場合に予め対応付けられているアプリケーションの実行を情報処理システム10に要求する。なお、ファクシミリ処理部25は、ファクシミリの送信元(FAX番号)に対応したアプリケーションを要求してもよい。
【0056】
電子メール処理部26は、電子メールの送受信に関する処理を行い、電子メールを受信した場合に予め対応付けられているアプリケーションの実行を情報処理システム10に要求する。なお、電子メール処理部26は、電子メールの送信元(メールアドレス)に対応したアプリケーションを要求してもよい。
【0057】
<<情報処理システム>>
情報処理システム10は、通信部11、提示部12、文書データ管理部13、処理条件取得部14、ワークフロー管理部15、及び、ワークフロー実行部16を有している。情報処理システム10が有する各機能部は、情報処理システム10にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を図4に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0058】
また、情報処理システム10は、文書データ記憶部1001、メタデータ記憶部1002、ワークフローデータ記憶部1003、及び、法令要件記憶部1004を有している。情報処理システム10が有する各記憶部は、図4に示したRAM503、HD504等に構築される。なお、これら各記憶部は、情報処理システム10でなく外部サービスシステム40に構築されてもよい。
【0059】
通信部11は、機器20や端末装置30との間で各種の情報を送受信する。本実施形態では、通信部11はアプリケーションの画面情報を機器20に送信し、ワークフローで処理される文書データ等を受信する。
【0060】
提示部12と機器20はWebアプリを実行する。Webアプリとは、Webブラウザ上で動作するプログラミング言語(例えばJavaScript(登録商標))によるプログラムとWebサーバー側のプログラムが協調することによって動作するアプリケーションである。これに対し、機器20や端末装置30にインストールされなければ実行されないアプリケーションをネイティブアプリという。本実施形態に関しても、機器20で実行されるアプリケーションはWebアプリでもネイティブアプリでもよい。また、機器20はWebアプリとネイティブアプリの両方を実行し、両者が協働してワークフローの実行を受け付けてもよい。
【0061】
提示部12は、画像データを法令に準拠させる対処方法をユーザーに提示する。提示の仕方の一例として、提示部12は、Webアプリの画面を機器20が表示するための画面情報を生成する。画面情報は、HTML、XML、スクリプト言語、及びCSS(Cascading Style Sheet)等で記述されたプログラムであり、主にHTMLによりWebページの構造が特定され、スクリプト言語によりWebページの動作が規定され、CSSによりWebページのスタイルが特定される。提示部12は、情報処理システム10が有するディスプレイ等に対処方法を表示してもよいし、担当者にメールで対処方法を送信してもよい。
【0062】
文書データ管理部13は、機器20から送信された文書データ及び文書データから取得されたメタデータを、文書データ記憶部1001とメタデータ記憶部1002のそれぞれで管理する。なお、メタデータとは、文書データの属性や特徴を表す文書データに付随的なデータである。文書データのメタデータは、例えば解像度、カラー階調、グレー階調、及び、文書の大きさなどでよい。
【0063】
処理条件取得部14は、文書データからメタデータを文書データから取得する。PDFファイルの場合、処理条件取得部14はPDFファイルから画像を抽出し、JPEGファイルであれば画像のプロパティからメタデータを取得できる。文書データとは別にメタデータが機器20から送信されてもよい。また、処理条件取得部14は、文書データを解析してメタデータ(解像度/階調/文書の大きさ等)を取得してもよい。
【0064】
ワークフロー管理部15は、開発者が作成したワークフローに関する情報をワークフローデータ記憶部1003で管理する。ワークフローに関する情報は、ワークフローで実行される処理とその順番、ワークフロー実行時に機器20が表示する画面等である。また、ワークフロー管理部15は判断部17を有している。判断部17は、文書データから取得されたメタデータが、法令要件記憶部1004に記憶されている法令に準拠しているか判断する。
【0065】
ワークフロー実行部16は、ワークフロー管理部15が管理するワークフローを実行する。ワークフロー実行部16は、機器20が原稿を読み取って生成した文書データごとに、各処理に対応するモジュール(コンポーネント)を生成する。各モジュールはそれが同じ処理に対応するものでも、独立して動作するので、複数のコンポーネントが文書データの保存処理を並列に実行できる。
【0066】
後述する図16で説明するように、ワークフローは、複数のコンポーネントによって構成することができる。例えば、INコンポーネントは、特定の保存領域に保存されたファイル(文書データ)を取得することができる。また、PROCESSコンポーネントは、後述するように文書データが法令で求める画像処理条件を満たすか否かを判断してメタデータを付与することができる。また、PROCESSコンポーネントは、タイムスタンプの付与を行うことができる。OUTコンポーネントはタイムスタンプを付与したファイルを所望の領域へ保存、又は外部装置へ送信することができる。
【0067】
<各記憶部に記憶されているデータ又は情報>
続いて、各記憶部に記憶されているデータ又は情報について説明する。なお、法令要件記憶部1004には、図1に示した、文書データが法令に準拠するための要件が記憶されている。
【0068】
<<文書データ記憶部1001>>
図7は、文書データ記憶部1001に記憶されている文書データを模式的に示す。文書データは、文書データID、ファイル名、及び、保存日時の各項目を有している。
【0069】
・文書データIDは、機器20が読み取って生成した文書データを一意に識別する識別情報である。文書データIDは、機器20が付与してもよいし、情報処理システム10が付与してもよい。
【0070】
・ファイル名は、文書データのファイル名である。ファイル名は機器20が付与してもよいし、情報処理システム10が付与してもよい。
【0071】
・保存日時は、文書データが文書データ記憶部1001に保存された日時である。保存日時は、ファイルが有する日時情報でもよい。
【0072】
<<メタデータ記憶部1002>>
図8は、メタデータ記憶部1002に記憶されているメタデータを模式的に示す。メタデータは、文書データID、種類、法令に準拠しているか、解像度(横)、解像度(縦)、画像サイズ(mm)、画像サイズ(pixel)、カラー情報、階調、及び、重要度の各項目を有している。
【0073】
・文書データIDの項目には、文書データ記憶部1001のものと同じ文書データIDが格納される。文書データIDにより、メタデータが文書データと対応付けられている。
【0074】
・種類の項目には、文書データの種類(どのような文書か)が格納される。文書データの種類は、ユーザーが機器20に入力してもよいし、機器20がOCR(Optical Character Recognition/Reader)等で検出してもよい。ユーザーが機器20でアプリケーションを選択する際に、文書データの種類が自動的に決まってもよい。
【0075】
・法令に準拠しているかの項目には、文書データが法令に準拠しているか否かの判断結果が格納される。
【0076】
・解像度(横)の項目には、文書データの横方向の解像度が格納される。
【0077】
・解像度(縦)の項目には、文書データの縦方向の解像度が格納される。
【0078】
・画像サイズ(mm)の項目には、文書データの縦横の長さが格納される。
【0079】
・画像サイズ(pixel)の項目には、文書データの縦横の画素数が格納される。
【0080】
・カラー情報の項目には、文書データがカラーかモノクロかが格納される。
【0081】
・階調の項目には、文書データの1画素当たりの階調(カラーの場合はRGBそれぞれの階調の合計)がビット数で格納される。
【0082】
・重要度の項目には、文書データが重要書類か一般書類かが格納される。重要度は、情報処理システム10が文書データの種類から判断してもよいし、ユーザーが機器20に入力してもよい。
【0083】
<<ワークフローデータ記憶部1003>>
図9は、ワークフローデータ記憶部1003に記憶されているワークフローデータを模式的に示す。ワークフローデータは、No、開始トリガ、フロー1、フロー2の各項目を有している。
【0084】
・Noの項目には、ワークフローデータの番号が格納される。
【0085】
・開始トリガの項目には、情報処理システム10がワークフローの実行を開始するための契機が格納される。
【0086】
・フロー1、フロー2は、ワークフローで実行される各処理である。ワークフローによってはフロー3以降の処理が存在してよい。また、図9のワークフローデータは、説明の簡略化のため処理の一部が省略されている場合がある。
【0087】
Noの項目が1のワークフローデータは、文書データが保存されたことをトリガにAさんの審査処理、Bさんの承認処理というワークフローが実行されることを表している。ただし、フローの処理はこれに限定されない。例えば、フロー1又は2の前後において、文書データに対するタイムスタンプの押下処理がフローとして含まれていても良い。
【0088】
Noの項目が2のワークフローデータは、判断部17が保存された文書データが法令に準拠しているかを判断し、準拠していなければユーザーにその対処方法を通知するというワークフローが実行されることを表している。なお、Noの項目が1のワークフローを情報処理システム10が実行した後に、任意のタイミングで情報処理システム10がNoの項目が2のワークフローを実行してもよい。例えば、後述するようにNoの項目が2のワークフローにおいて文書データが法令で求める画像処理条件に準拠していると判断された場合には、所望のタイミングで該文書データに対してNoの項目が1のワークフローを情報処理システム10が実行してもよい。
【0089】
なお、開始トリガは、情報処理システム10が有する特定の記憶領域(例えば文書データ記憶部1001)に文書データが保存された場合とすることができるが、これに限定されない。例えば、情報処理システム10が文書データを受信したタイミングや、外部サービスシステム40における特定の記憶領域に文書データが保存されたことを示す情報を情報処理システム10が受信したタイミングを開始トリガとすることができる。
【0090】
<動作手順>
続いて、図10を参照して、情報処理システム10が文書データを保存するワークフローの処理の流れについて説明する。図10は、情報処理システム10がワークフローを実行する処理を説明するシーケンス図である。なお、図10では、図9のNoの項目が2のワークフローが実行される流れを説明する。
【0091】
S1、S2:ワークフロー管理部15がワークフローデータ記憶部1003にアクセスし、ワークフローデータを取得する。情報処理システム10が、機器20にワークフローデータを提供したり、機器20からの要求に応じてワークフローを実行したりするための準備である。
【0092】
S3:ユーザーは機器20に対し文書データを保存するアプリケーション(ワークフローはアプリケーションとして提供される)を選択する。ユーザーはアプリケーションの指示にしたがって、機器20を操作して、原稿を読み取らせる。画像データ生成部24は、画像データとメタデータを含む文書データ(例えばPDFファイル)を生成する。
【0093】
S4:ユーザーが文書データを情報処理システム10に保存する操作を行うと、操作受付部23が受け付ける。機器20の通信部21が文書データを情報処理システム10に送信する。ステップS4の時点のメタデータを図11に示す。ステップS4では、文書データIDと種類のみが保存されている。
【0094】
S5:情報処理システム10の通信部11が文書データを受信する。提示部12は、文書データ管理部13に文書データの保存を要求する。文書データ管理部13は文書データIDを採番する。
【0095】
S6:文書データ管理部13は、処理条件取得部14に対し、文書データからメタデータの取得を要求する。
【0096】
S7:処理条件取得部14は、文書データからメタデータ(解像度/階調/文書の大きさ等)を取得する。この処理を実行するのは情報処理システム10ではなくてもよく、情報処理システム10が同じ処理を提供する外部サービスシステム40をAPI(Application Programming Interface)で呼び出してもよい。
【0097】
S8:処理条件取得部14が文書データ管理部13にステップS7で取得したメタデータを返す。
【0098】
S9:文書データ管理部13は文書データを文書データ記憶部1001に保存する。
【0099】
S10:文書データ管理部13はメタデータをメタデータ記憶部1002に保存する。ステップS10の時点のメタデータを図12に示す。ステップS10では、更に、解像度(横)、解像度(縦)、画像サイズ(mm)、画像サイズ(pixel)、カラー情報、階調、及び、重要度が保存されている。これらは、重要度を除いてステップS7で取得したメタデータである。文書データ管理部13は、文書データの種類により重要度を判断する。
【0100】
S11:文書データ管理部13は、ワークフロー管理部15に対し、文書データ記憶部1001に文書データを保存したことを通知する。
【0101】
S12:ワークフロー管理部15は、ワークフローデータの開始トリガの項目を参照し、開始トリガを満たしたか否か判断する。図9に示したNoの項目が2のワークフローデータでは、開始トリガが「文書データの保存」であるので、ワークフロー管理部15は開始トリガを満たしたと判断する。なお、「特定のメタデータの更新」や「スケジュール実行」等が開始トリガでもよい。
【0102】
S13、S14:開始トリガを満たす場合、ワークフロー管理部15がメタデータ記憶部1002にアクセスし、ステップS5で付与された文書データIDで特定されるメタデータを取得する。
【0103】
S15:判断部17は、メタデータと法令要件記憶部1004に保存されている法令に基づいて、法令に準拠した文書データか否か判断する。判断の流れの詳細を図14にて説明する。なお、電帳法では、重要書類か一般書類かで要件が違うので、判断部17は、メタデータに含まれる重要度に応じて要件を切り替える。
【0104】
図13(a)は電帳法に準拠していると判断されたメタデータを示し、図13(b)は電帳法に準拠していないと判断されたメタデータを示す。図13(b)のメタデータは、階調の項目が2なので、電帳法に準拠していない。このため、図13(b)の法令に準拠しているかの項目が「×」になっている。
【0105】
S16:ワークフロー管理部15はメタデータ記憶部1002の法令に準拠しているかの項目にステップS15の判断結果を保存する。
【0106】
S17:文書データが法令に準拠していない場合、ワークフロー管理部15は、提示部12に対し、法令に準拠していない画像処理条件の項目に応じた対処方法の表示を要求する。ワークフロー管理部15は、解像度、カラー階調、グレー階調など、画像処理条件の複数の項目のうち、準拠していない項目ごとに法令に準拠するための具体的な値を提示部12に指示する。ワークフロー管理部15は、提示部12に対し、法令に準拠するための最低の画像処理条件を項目ごとに指示する。最低とすることで文書データのバイト数を低減しやすい。画像処理条件は、必ずしも最低でなくてもよく、余裕分を加味してよい。
【0107】
S18:提示部12は、法令に準拠していない画像処理条件の項目に応じた対処方法を表示するための対処方法画面を生成する。情報処理システム10の通信部11は対処方法画面の画面情報を機器20に送信する。なお、ステップS18において文書データを送信した機器20に対して画面情報を送信することができるが、通信部11は、他の機器20に画面情報を送信してもよい。また、情報処理システム10が画面表示部を有する場合は、該画面表示部によって画面情報を表示してもよい。また、対処方法を示したファイルやURLを機器20に対して送信してもよい。この場合、機器20はファイルを開くことで、又はURLにアクセスすることで、対処方法を含む対処方法画面を表示することができる。提示部12は担当者にメールで対処方法を送信してもよい。
【0108】
S19:機器20の通信部21が画面情報を受信し、表示制御部22が、法令に準拠していない画像処理条件の項目について対処方法を含む対処方法画面を操作パネル940に表示させる。ユーザーは、対処方法画面の指示にしたがって、画像処理条件を設定し、機器20で原稿を読み取らせる。対処方法画面の一例を図15に示す。
【0109】
なお、ステップS15において、法令が求める保存要件に準拠した文書データであると判断された場合、所望のタイミングで該文書データに対してワークフロー管理部15がNoの項目が1のワークフローを実行してもよい。例えば、ステップS16においてメタデータが付与されたタイミング、所定の時間が経過したタイミング、又は、所定の時刻に、ワークフロー管理部15がNoの項目が1のワークフローを実行できる。
【0110】
また、ステップS15において、法令が求める保存要件に準拠した文書データであると判断されない場合、情報処理システム10が文書データを破棄してよい。文書データはステップS9で保存済みなので、文書データ管理部13が保存済みの文書データを削除する。こうすることで、法令に準拠していない文書データが情報処理システム10に保存されることを抑制できる。また、この場合、提示部12は、文書データが保存されない旨を対処方法画面で表示するとよい。
【0111】
あるいは、提示部12は、文書データを法令に準拠させるための対処方法と共に、文書データを保存するか否かをユーザーから受け付けるボタンを表示してもよい。これにより、ユーザーが法令に準拠することまでは必要ない文書データを保存することもできるようになる。
【0112】
図14は、図10のステップS15で判断部17が、文書データが法令に準拠しているか否かを判断する処理を説明するフローチャート図である。
【0113】
まず、判断部17は、法令要件記憶部1004に記憶されている解像度の要件に基づいて、メタデータに含まれる解像度が200[dpi]以上か否か判断する(S31)。
【0114】
ステップS31の判断がNoの場合、判断部17は、解像度を200[dpi]以上に設定して再度読み取る旨の対処方法を決定する(S32)。
【0115】
ステップS31の判断がYesの場合、判断部17は、メタデータに基づいて文書データが重要書類か否か判断する(S33)。
【0116】
ステップS33の判断がNoの場合(一般の場合)、判断部17は、法令要件記憶部1004に記憶されている一般書類の階調の要件に基づいて、メタデータに含まれる階調が8ビット以上か否か判断する(S34)。
【0117】
ステップS34の判断がNoの場合、判断部17は、階調の画像処理条件を、グレースケールの8ビット、又は、色の読み取り設定をカラー(各色8ビット)に設定して再度読み取る旨の対処方法を決定する(S35)。
【0118】
ステップS33の判断がYesの場合(重要の場合)、判断部17は、法令要件記憶部1004に記憶されている重要書類の階調の要件に基づいて、メタデータに含まれる階調が24ビット以上か否か判断する(S36)。
【0119】
ステップS36の判断がNoの場合、判断部17は、階調の画像処理条件を各色8ビット(カラー)に設定して再度読み取る旨の対処方法を決定する(S37)。
【0120】
ステップS36の判断がYesの場合、判断部17は、法令要件記憶部1004に記憶されている重要書類のメタデータの保存要件に基づいて、メタデータに文書の大きさが含まれているか否か判断する(S38)。
【0121】
ステップS38の判断がNoの場合、判断部17は、メタデータに文書の大きさ(原稿の大きさ)を保存する旨の対処方法を決定する(S39)。なお、判断部17がメタデータに文書の大きさを保存してもよい。
【0122】
ステップS38の判断がYesの場合、判断部17は、文書データが法令に準拠していると判断する(S40)。
【0123】
なお、図14の処理では、法令に準拠していない項目が1つだけ検出されるが、法令に準拠していない複数の項目が同時に又は複数回の処理で検出されてよい。この場合、対処方法画面には、法令に準拠していない複数の項目の対処方法が表示される。
【0124】
<画面例>
図15は、機器20が表示する対処方法画面200の一例である。対処方法画面200は、法令に準拠していない項目への対処方法を表示する。対処方法画面200は、「法令の保存要求を満たしていません」というメッセージ201、「対象のスキャン文書の解像度が200dpi未満です。使用したスキャナの出力解像度を200dpi以上に設定してスキャンし直して下さい」というメッセージ202を有する。ユーザーは、対処方法画面200を見て、文書データを法令に準拠させるための画像処理条件を設定し、再度、原稿を読み取ることができる。
【0125】
なお、このメッセージ202は、重要度が「一般」でメタデータに含まれる階調が8ビット以上でない場合は「階調を8ビット以上に設定するかカラーに設定してスキャンし直して下さい」になる。メッセージ202は、重要度が「重要」でメタデータに含まれる階調が24ビット以上でない場合は「色の読み取り設定をカラーに設定してスキャンし直して下さい」になる。メッセージ202は、文書の大きさが保存されていない場合は「文書の大きさを保存するように設定を見直してスキャンし直して下さい」になる。
【0126】
また、図15では対処方法として画像処理条件が直接指示されているが、文書データが法令に準拠する対処方法が指示されればよい。例えば、対処方法は「解像度を最大に設定してください」や「階調を最大に設定してください」でもよい。あるいは、対処方法は、否定形にして「グレー階調では法令に準拠していません」でもよい。ユーザーはグレー階調以外であるカラー階調でスキャンし直すことができる。
【0127】
<主な効果>
本実施形態の情報処理システム10によれば、文書データが法令に準拠していない場合は、ユーザーが即座に判断可能になり、その場で、法令に準拠する画像処理条件で原稿を読み取ることができる。したがって、ユーザーは法令に準拠している文書データを情報処理システム10に保存できる。
【0128】
<ワークフローアプリの設定例>
図16を参照して、ワークフローアプリを構成するコンポーネントについて説明する。図16は、ワークフローアプリとそれを構成するコンポーネントについて説明する図である。
【0129】
管理者は、各処理を実行する処理(コンポーネント)を組み合わせワークフローとしてその一連の処理を実行するワークフローアプリ110を作成することができる。ここで、コンポーネントの一例として、データの入力や生成及び取得にかかる処理を実行するINコンポーネント、データの加工や変換など所定の処理を実行するPROCESSコンポーネント、データの出力や送信にかかる処理を実行するOUTコンポーネントが含まれる。ワークフローアプリは、複数のINコンポーネント、複数のPROCESSコンポーネント、及び、複数のOUTコンポーネントによって構成することができ、複数のコンポーネントによって1つのワークフローアプリを構成することもできる。
【0130】
INコンポーネントは、デバイス101(機器20又は端末装置30等)から処理対象のデータを取得する処理が含まれる。例えば、デバイス101がMFPやカメラである場合、原稿や被写体をスキャン又は撮影することで電子データを取得する処理が含まれる。デバイス101がプロジェクタやディスプレイである場合は表示中の画像データを取得する処理が含まれる。デバイス101がセンサである場合はセンサの検出値を取得する処理が含まれる。デバイス101がストレージサーバや記憶媒体の場合はデータを受信又は読み取る処理が含まれる。また、INコンポーネントは、ワークフローアプリを実現する情報処理システム10内のデータを取得できるが、別のワークフローアプリ又はサーバーなどの記憶装置からデータを取得してもよい。例えば、INコンポーネントは、ワークフローアプリとは別のアプリ103又は、ワークフローアプリを実現する情報処理システム10とは別のシステム102に対して、該別のアプリ103又は別のシステム102で管理しているデータを要求することができる。別のアプリ103は、要求に応じて該別のアプリで管理しているデータや、該別のアプリに対応するサーバーからデータを取得して要求元のINコンポーネントに対して送信することができる。なお、INコンポーネントは、画像データからテキストデータを生成するなどデータ形式を変換することでデータを生成する処理も含まれる。
【0131】
OUTコンポーネントは、デバイス101からデータを出力する処理が含まれる。例えば、デバイス101がMFPである場合、電子データを媒体に印刷する処理が含まれる。デバイス101がプロジェクタやディスプレイである場合、画像データを表示又は音声出力する処理が含まれる。デバイス101がストレージサーバや記憶媒体の場合はデータを送信又は記憶させる処理が含まれる。その他、OUTコンポーネントには、所定の宛先にデータや処理の結果を通知する処理が含まれる。また、OUTコンポーネントは、ワークフローアプリを実現する情報処理システム10内にデータを出力できるが、ワークフローアプリとは別のアプリ103又はワークフローアプリを実現する情報処理システム10とは別のシステム102にデータを出力してもよい。例えば、OUTコンポーネントは、該別のアプリ103又は該別のシステム102に対して、該別のアプリ103又は別のシステム102でデータ又は処理の結果を管理するよう要求することができる。別のアプリ103は、要求に応じて、受信したデータ又は処理の結果を管理し、又は該別のアプリ103に対応するサーバーで記憶するためにデータ又は処理の結果を送信することができる。
【0132】
例えば、複数のコンポーネントを組み合わせることで、ワークフローアプリは以下のような機能を実現することができる。
【0133】
INコンポーネントではMFPが原稿をスキャンすることで画像データを生成する。PROCESSコンポーネントは画像データに対して文字認識処理を実行することで数値又はテキストなどのデータに変換する。OUTコンポーネントは、変換したデータを他のシステムの一例である業務管理システムに送信する。業務管理システムは、ワークフローアプリから受信したデータを分類、又は予め設定された入力様式に基づいて整理すること管理データを生成できる。なお、PROCESSコンポーネントにおいて情報処理システム10がデータの分類及び管理データの生成を実行してもよい。この場合、OUTコンポーネントでは分類結果及び管理データを業務管理システムへ送信し、業務管理システムはワークフローアプリから受信した分類結果及び管理データを所定の領域に記憶するだけでよい。
【0134】
また、INコンポーネントでは業務管理システムが管理するデータを取得する。例えば、INコンポーネントは、設定情報や、数値又はテキストなどのデータを取得する。ここで、INコンポーネントは設定に応じて所定のデータを業務管理システムに要求してもよいし、業務管理システムからの要求に応じて業務管理システムが管理する所定のデータを受信してもよい。PROCESSコンポーネントは、設定情報に基づいて数値又はテキストを整理又は加工することで管理データを生成する。OUTコンポーネントは、管理データを業務管理システムに送信する。業務管理システムは、ワークフローアプリから受信した管理データを所定の領域に記憶する。
【0135】
ここで、業務管理システムとワークフローアプリとは、それぞれ異なる事業者によって提供される場合があり、それぞれ異なるサーバーによって構成される場合がある。このため、ワークフローアプリは、業務管理システムへデータ送信又は受信する場合、業務管理システムを構成するサーバーと通信することでデータを送信又は受信することができる。
【0136】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0137】
例えば、機器20が情報処理システム10の処理を含めて実行してもよい。すなわち、機器20が、文書データが法令に準拠しているか否か判断し、準拠していない場合に対処方法を提示する。機器20は、文書データを機器20に保存してもよいし、情報処理システム10や外部サービスシステム40に保存してもよい。
【0138】
また、本実施形態では、機器20が文書データを保存するアプリケーションを実行したが、端末装置30が文書データを保存するアプリケーションを実行してもよい。この場合、端末装置30は生成済みの文書データを情報処理システム10に送信する。情報処理システム10は同様に文書データが法令に準拠しているか否か判断し、対処方法を端末装置30に送信する。端末装置30は対処方法画面200を表示する。
【0139】
また、図6などの構成例は、端末装置30、機器20、及び情報処理システム10による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。端末装置30、機器20、及び情報処理システム10の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0140】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理システム10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0141】
更に、情報処理システム10は、本実施形態で開示された処理ステップ、例えば図10等を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、情報処理システム10が有する複数の情報処理装置によって実行され得る。また、情報処理システム10は、1つのサーバー装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0142】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0143】
<付記>
[付記1]
画像データを管理する情報処理システムであって、
前記情報処理システムに入力された前記画像データに関する第1の画像処理条件を取得する処理条件取得部と、
前記処理条件取得部が取得した前記第1の画像処理条件と、所定の基準が前記画像データに要求する第2の画像処理条件に基づいて、前記画像データが前記所定の基準に準拠していないと判断される場合、前記第1の画像処理条件について前記画像データを前記所定の基準に準拠させる対処方法をユーザーに提示する提示部と、
を有する情報処理システム。
[付記2]
前記対処方法は、前記第1の画像処理条件に関することを特徴とする付記1に記載の情報処理システム。
[付記3]
前記第1の画像処理条件及び前記第2の画像処理条件は、複数の項目を有し、
前記提示部は、前記画像データが前記所定の基準に準拠していない項目ごとに前記対処方法を提示する付記1に記載の情報処理システム。
[付記4]
前記情報処理システムはネットワークを介して機器と通信し、
前記画像データは、前記機器が前記第1の画像処理条件に基づいて原稿を光学的に読み取って生成し、前記情報処理システムに送信したものであり、
前記対処方法は、前記機器に設定される前記第1の画像処理条件である付記1又は2に記載の情報処理システム。
[付記5]
前記第1の画像処理条件の項目は、原稿の読み取り時の解像度、カラー階調、又は、グレー階調である付記2に記載の情報処理システム。
[付記6]
前記読み取り時の解像度が、前記第2の画像処理条件に含まれる解像度を満たしていない場合、前記提示部は、前記読み取り時の解像度が前記所定の基準に準拠するための最低の解像度をユーザーに提示する付記4に記載の情報処理システム。
[付記7]
前記読み取り時の階調が、前記第2の画像処理条件に含まれる階調を満たしていない場合、前記提示部は、前記読み取り時の階調が前記所定の基準に準拠するための最低の階調をユーザーに提示する付記4に記載の情報処理システム。
[付記8]
前記処理条件取得部が取得した前記第1の画像処理条件に原稿の大きさが含まれていない場合、前記提示部は、原稿の大きさを保存するように設定することをユーザーに提示する付記4に記載の情報処理システム。
[付記9]
前記第2の画像処理条件は、前記画像データの重要度に応じて異なり、
前記処理条件取得部が取得した前記第1の画像処理条件と、前記重要度に応じた前記第2の画像処理条件に基づいて、前記画像データが前記所定の基準に準拠しているか否か判断する判断部を有する付記1~7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
[付記10]
前記重要度は、前記画像データの種類により判断される付記8に記載の情報処理システム。
[付記11]
前記画像データが保存されたことを契機に、前記画像データが前記所定の基準に準拠しているか否か判断するワークフローを実行するワークフロー管理部を有し、
前記ワークフロー管理部は、前記画像データが前記所定の基準に準拠していると判断されたことを契機に、前記画像データに関する別のワークフローの実行を開始する付記1~9のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【符号の説明】
【0144】
10 情報処理システム
20 機器
30 端末装置
40 外部サービスシステム
100 サービス提供システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0145】
【特許文献1】特許5832269号公報
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