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特開2024-134886文書管理システム、文書管理方法、文書管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134886
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】文書管理システム、文書管理方法、文書管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/64 20130101AFI20240927BHJP
【FI】
G06F21/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045317
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】堂前 宏太
(57)【要約】
【課題】効率的にデータを管理することを目的としている。
【課題を解決するための手段】対象データに要求する情報処理条件を記憶する管理部と、入力された対象データに設定されている属性情報を取得する取得部と、前記入力された対象データに設定されている属性情報が、前記管理部に記憶された情報処理条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に応じて前記対象データに対して所定の証明用情報を付与させる文書制御部と、を有する文書管理システムである。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象データに要求する情報処理条件を記憶する管理部と、
入力された対象データに設定されている属性情報を取得する取得部と、
前記入力された対象データに設定されている属性情報が、前記管理部に記憶された情報処理条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に応じて前記対象データに対して所定の証明用情報を付与させる文書制御部と、を有する、文書管理システム。
【請求項2】
入力された第1対象データに設定されている属性情報が前記情報処理条件を満たすか否かの判定が行われるまで、前記第1対象データの次に入力された第2対象データを記憶する記憶部を有し、
前記判定部は、
前記第1対象データにかかる前記判定がされた場合に、前記記憶部に記憶された前記第2対象データにかかる前記判定を行う、請求項1記載の文書管理システム。
【請求項3】
前記判定部は、
入力された第1対象データに対する前記証明用情報の付与による待機時間において、前記第1対象データの次に入力された第2対象データに設定されている属性情報が前記情報処理条件を満たすか否かを判定する、請求項1記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記入力された対象データが前記所定の法令に準拠した文書データであるか否かの判定結果に応じた処理の内容を記憶したワークフロー記憶部を有し、
前記文書制御部は、
前記判定結果に応じた処理を実行する、請求項1記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記入力された対象データは、所定の読取装置によって入力される、請求項1記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記入力された対象データに対して所定の証明用情報を付与するタイムスタンプ押下部を有し、
前記タイムスタンプ押下部が、
前記入力された対象データが前記所定の法令に準拠した文書データであるか否かを判定する処理を実行し、
前記入力された対象データが前記所定の法令に準拠した文書データであると判定された場合に、前記入力された対象データに対して前記所定の証明用情報を付与する、請求項1記載の文書管理システム。
【請求項7】
文書管理システムによる文書管理方法であって、前記文書管理システムが、
対象データに要求する情報処理条件を管理部に記憶し、
入力された対象データに設定されている属性情報を取得し、
前記入力された対象データに設定されている属性情報が、前記管理部に記憶された情報処理条件を満たすか否かを判定し、
前記判定による結果に応じて前記対象データに対して所定の証明用情報を付与させる、文書管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
対象データに要求する情報処理条件を管理部に記憶し、
入力された対象データに設定されている属性情報を取得し、
前記入力された対象データに設定されている属性情報が、前記管理部に記憶された情報処理条件を満たすか否かを判定し、
前記判定による結果に応じて前記対象データに対して所定の証明用情報を付与させる、処理を実行させる、文書管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理システム、文書管理方法、文書管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、データファイル保管システムに保管されたデータファイルに対してタイムスタンプを付与する技術が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
保管されるデータは、法令に準拠した要件を満たすように保管することが求められるものや、社内等の規則に準拠した要件で足りるもの等、様々である。このため、データを保管するユーザは、保管するデータが、所定の条件を満たす必要があるか否かを判断する必要があり、多大な手間となる。
【0004】
開示の技術は、上記事情に鑑みて成されたものであり、効率的にデータを管理することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示の技術は、対象データに要求する情報処理条件を記憶する管理部と、入力された対象データに設定されている属性情報を取得する取得部と、前記入力された対象データに設定されている属性情報が、前記管理部に記憶された情報処理条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に応じて前記対象データに対して所定の証明用情報を付与させる文書制御部と、を有する、文書管理システムである。
【発明の効果】
【0006】
効率的にデータを管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】文書管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】文書管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】文書管理システムの有する各装置の機能構成について説明する図である。
図4】メタデータ記憶部の一例を示す図である。
図5】ワークフロー記憶部の一例を示す図である。
図6】ワークフローについて説明する図である。
図7】文書管理システムの動作を説明する第一のシーケンス図である。
図8】メタデータの更新について説明する図である。
図9】文書管理システムの動作を示す第二のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照して、本実施形態について説明する。図1は、文書管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0009】
本実施形態の文書管理システム100は、文書管理装置200と、タイムスタンプ付与装置300と、を含み、それぞれが通信可能に接続されている。
【0010】
また、文書管理システム100において、文書管理装置200は、端末装置400とネットワーク等を介して接続されており、端末装置400から入力される文書データ(ドキュメントデータ)を格納する。なお、文書データは対象データの一例であり、対象データは文書データに限定されず、例えばテキストを含まない画像データであってもよい。
【0011】
より具体的には、文書管理装置200は、文書データにメタデータを対応付けて、メタデータを利用した文書データの検索が行えるようにする。また、本実施形態の文書管理装置200では、後述するワークフロー機能により、格納された文書データ毎の処理を実施できる。
【0012】
本実施形態のタイムスタンプ付与装置300は、文書管理装置200に格納される文書データに対して、タイムスタンプを付与する。タイムスタンプとは、スタンプが付与された時間に電子データ(文書データ)が確かに存在しており、それ以降改ざんされていないことを証明する証明用情報である。
【0013】
なお、図1の例では、文書管理装置200とタイムスタンプ付与装置300とは別々の装置としたが、これに限定されない。文書管理装置200は、タイムスタンプ付与装置300を含んでいてもよい。また、文書管理装置200又はタイムスタンプ付与装置300は、ネットワークを介して互いに接続された複数のサーバによって実現されても良い。
【0014】
また、図1の例では、タイムスタンプ付与装置300が文書管理システム100に含まれるものとしたが、これに限定されない。タイムスタンプ付与装置300は、文書管理システム100に含まれなくてもよく、文書管理システム100とは別に設けられていてよい。
【0015】
本実施形態の文書管理システム100では、文書管理装置200に格納される文書データが、所定の法規等の規定が要求する条件を満たすように保管することが求められる文書データであるか否かを判定する。そして、文書管理システム100は、格納される文書データが、所定の法規等の規定が要求する条件を満たすように保管することが求められる文書データである場合に、タイムスタンプ付与装置300により、文書データにタイムスタンプを付与する。
【0016】
なお、所定の法規とは、例えば、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下、電帳法)等であってよい。また、規定とは法令に限定されず、組織の規則や個人の取り決めであってもよい。
【0017】
電帳法では、文書データの元となる帳票の種類に応じて、帳票の情報処理条件が規定されている。具体的には、例えば、文書データの元となる帳票の種類が重要書類である場合、情報処理条件として、解像度が200dpi以上であり、RGB各色が256階調以上であることが規定されている。また、文書データの元となる帳票の種類が一般書類である場合、情報処理条件として、解像度が200dpi以上であり、グレースケールであることが規定されている。
【0018】
そこで、本実施形態の文書管理システム100では、文書データが、これらの情報処理条件を満たす場合には、この文書データを、所定の法規が要求する条件を満たすように保管することが求められる文書データとして、タイムスタンプを付与する。言い換えれば、文書データが情報処理条件を満たす場合に、この文書データが、電帳法に準拠していると判定し、この文書データにタイムスタンプを付与する。
【0019】
なお、本実施形態では、文書データの解像度や階調値等は、文書データの属性情報として、文書データに設定されてよい。本実施形態の属性情報は、文書データが、電帳法に準拠しているか否かを判定する際に参照される。言い換えれば、文書管理システム100は、文書データの属性情報を取得し、属性情報から、文書データが電帳法に準拠しているか否かを判定してよい。
【0020】
また、本実施形態の文書データは、例えば、帳票をスキャンした結果の帳票画像データから得られた、検索が可能なデータであってよい。具体的には、文書データは、帳票画像データからPDF形式に変換されたデータ等であってよい。
【0021】
このように、本実施形態では、文書データが所定の法規が要求する条件を満たすか否かを判定し、条件を満たす場合に、タイムスタンプを付与し、タイムスタンプが付与された文書データを文書管理システム100に格納する。
【0022】
したがって、本実施形態によれば、文書データが所定の法規が要求する条件を満たすか否かをユーザが判断する必要がなく、文書データの格納にかかる手間を削減できる。
【0023】
次に、図2を参照して、本実施形態の文書管理装置200のハードウェア構成について説明する。図2は、文書管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0024】
図2に示す、文書管理装置200は、コンピュータ(情報処理装置)によって構築されており、図2に示されているように、CPU201、ROM202、RAM203、HD204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)208、ネットワークI/F209、バスライン210、キーボード211、ポインティングデバイス212、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ214、メディアI/F216を備えている。
【0025】
これらのうち、CPU201は、文書管理装置200全体の動作を制御する。ROM202は、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD204は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、CPU501の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ206は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F208は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F209は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン210は、図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0026】
また、キーボード211は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス212は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ214は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F216は、フラッシュメモリ等の記録メディア215に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0027】
なお、タイムスタンプ付与装置300のハードウェア構成は、文書管理装置200と同様であってよい。
【0028】
次に、図3を参照して、本実施形態の文書管理システム100の有する各装置の機能構成について説明する。図3は、文書管理システムの有する各装置の機能構成について説明する図である。
【0029】
はじめに、文書管理装置200の機能について説明する。文書管理装置200は、表示制御部220、文書管理部221、文書制御部222、ワークフロー223、文書データ記憶部231、メタデータ記憶部232、ワークフロー記憶部233、識別子記憶部234を含む。
【0030】
表示制御部220は、文書データを管理するための画面を端末装置400に表示させる。文書管理部221は、入力された文書データおよび文書データと対応付けるメタデータを管理する。また、文書管理部221は、所定の法規が要求する条件を示す情報を記憶している。所定の法規が要求する条件を示す情報とは、属性情報の一例であり、具体的には、例えば、電帳法で規定する文書データの情報処理条件である。
【0031】
本実施形態のメタデータは、文書管理システム100内の文書データを保存する際に、文書データと対応付けられる情報であり、ユーザが自由に設定できる。例えば、ユーザが契約書を文書管理システム100に保存する際に、メタデータに含まれる項目に、「相手方社/相手方担当者名/契約開始日/契約終了日」等を設定してよい。
【0032】
また、本実施形態のメタデータは、文書データの元となる帳票の帳票認識処理において、帳票画像データから抽出された項目名と項目値を含むデータであってよい。言い換えれば、メタデータは、帳票認識の結果を示すデータであってよい。
【0033】
文書制御部222は、ワークフロー223を生成し、生成されたワークフロー223に関する情報の管理をする。以下の説明では、ワークフロー223に関する情報をワークフロー情報と表現する場合がある。ワークフロー情報とは、ワークフロー223により実行される処理の内容と処理の実行順とを示す情報である。なお、文書制御部222は、取得部、判定部、制御部の一例である。
【0034】
本実施形態のワークフローとは、事業者や作業者などの間の仕事の流れに沿って処理を実行するモジュールである。ワークフロー223は、文書データ毎に個別モジュールとして生成され、文書制御部222の制御に応じて、独立して動作する。ワークフロー223の処理には、タスクのアサインや外部システムとのやり取りが含まれる。ワークフロー223による処理の実行は、文書制御部222によって制御されてよい。ワークフロー223の詳細は後述する。
【0035】
文書データ記憶部231は、文書管理装置200が取得した文書データが格納される。具体的には、文書データ記憶部231には、文書データを特定する文書IDと文書データとが対応付けられて格納されてよい。文書IDは、文書データが作成されたときに自動的に付与されてよい。
【0036】
メタデータ記憶部232は、文書データと紐づけられたメタデータを取得する。メタデータの詳細は後述する。ワークフロー記憶部233は、ワークフロー情報が格納される。ワークフロー情報の詳細は後述する。識別子記憶部234は、ワークフロー223が保持する各種ファイルの識別子情報が格納される。
【0037】
次に、タイムスタンプ付与装置300の機能について説明する。タイムスタンプ付与装置300は、タイムスタンプ押下部310を有する。タイムスタンプ押下部310は、文書データに対してタイムスタンプを付与する。
【0038】
次に、図4図5を参照して、メタデータとワークフロー情報について説明する。図4は、メタデータ記憶部の一例を示す図である。
【0039】
メタデータ記憶部232に格納されるメタデータは、情報の項目として、文書ID、文書種類、電帳法に準拠しているか、タイムスタンプ押下状態等を含む。項目「文書ID」の値は、文書データを一意に識別するID(識別情報)である。文書データへのアクセスは、文書IDを用いて行われる。
【0040】
項目「文書種類」の値は、文書データの種類を示す。文書データの種類は、例えば、見積書、契約書、請求書等を含む。
【0041】
項目「電帳法に準拠しているか」の値は、文書データが所定の法規が要求する条件を満たしているか否かを示す。具体的には、項目「電帳法に準拠しているか」の値は、電帳法に準拠しているか否かを示す。項目「電帳法に準拠しているか」の値が「○」である場合は、文書データが電帳法に準拠していることを示し、項目「電帳法に準拠しているか」の値が「×」である場合は、文書データが電帳法に準拠していないことを示す。
【0042】
項目「タイムスタンプ押下状態」の値は、文書データに対してタイムスタンプが付与されているか否かを示す。
【0043】
なお、図4に示す情報の項目は、一例であり、ユーザによって追加、変更することができる。
【0044】
図5は、ワークフロー記憶部の一例を示す図である。ワークフロー記憶部233に格納されるワークフロー情報は、情報の項目として、No.、開始トリガ、フロー1、フロー2、フロー3、フロー4等を含む。
【0045】
項目「No.」の値は、ワークフローを特定するための識別情報である。項目「開始トリガ」の値は、ワークフローの開始となるトリガを示す。項目「フロー1」、「フロー2」、「フロー3」、「フロー4」の値は、フローの流れ(処理の順番)、各フローにおける処理内容を示す。なお、各フローは後述するように1以上のコンポーネントによって実現してもよい。
【0046】
図5の例では、No.1で特定されるワークフローが、文書データが保存されたことをトリガに、Aさんの審査処理、Bさんの承認処理という順番に処理を実行するワークフローであることを示す。
【0047】
また、図5において、No.2で特定されるワークフローが、文書データが保存されたことをトリガに、文書データがタイムスタンプの押下が可能なファイルであるか否かを判定する処理、タイムスタンプが押下可能である場合に、文書データが電帳法に準拠しているか否かを判定する処理、電帳法に準拠している場合に文書データをタイムスタンプ付与装置300に送信する処理、タイムスタンプ付与装置300からタイムスタンプが付与された文書データを取得する処理を実行するワークフローであることを示す。
【0048】
なお、本実施形態では、No.2で特定されるワークフローを実行した後に、任意のタイミングで、No.1で特定されるワークフローを実行してもよい。例えば、後述するように、No.2で特定されるワークフローにおいて、文書データにタイムスタンプが押下された後、所望のタイミングでこの文書データに対してNo.1で特定されるワークフローを実行しても良い。ただし、ワークフローの実行順はこれに限定されず、No.1で特定されるワークフローを実行した後に、No.で特定されるワークフローを実行しても良い。
【0049】
なお、開始トリガは、文書管理システム100が有する特定の記憶領域に文書データが保存された場合とすることができるが、これに限定されない。例えば、文書管理システム100が文書データを受信したタイミングや、外部装置における特定の記憶領域に文書データが保存されたことを示す情報を文書管理システム100が受信したタイミングを開始トリガとするこができる。
【0050】
次に、図6を参照して、本実施形態のワークフローについて説明する。図6は、ワークフローについて説明する図である。
【0051】
本実施形態におけるワークフローは、各処理を実行する複数のコンポーネントを組み合わせ、一連の処理を実行するアプリケーション(以下、ワークフローアプリ)としてもよい。図6の例では、文書管理システム100が、ワークフローアプリ1、ワークフローアプリ2、ワークフローアプリ3を有する例を示している。
【0052】
ここで、コンポーネントとしては一例として、データの入力、生成、取得にかかる処理を実行するINコンポーネント、データの加工や変換等の所定の処理を実行するPROCESSコンポーネント、データの出力や送信にかかる処理を実行するOUTコンポーネントが含まれる。
【0053】
ワークフローアプリ1~3のそれぞれは、複数のINコンポーネント、複数のPROCESSコンポーネント、複数のOUTコンポーネントによって構成することができ、複数のコンポーネントによって1つのワークフローアプリを構成することもできる。
【0054】
INコンポーネントが実行する処理には、特定の保存領域に保存された文書データを取得する処理を含む。具体的には、INコンポーネントが実行する処理には、デバイス61からデータを取得する処理が含まれる。例えば、デバイス61からデータを取得する処理には、デバイス61が複合機やカメラである場合は原稿や被写体をスキャン又は撮影することで電子データを取得する処理が含まれ、デバイス61がプロジェクタやディスプレイである場合は表示中の画像データを取得する処理が含まれ、デバイス61がセンサである場合はセンサの検出値を取得する処理が含まれ、デバイス61がストレージサーバや記憶媒体の場合はデータを受信又は読み取る処理が含まれる。
【0055】
また、INコンポーネントは、文書管理システム100内のデータを取得してもよいし、文書管理システム100の外部のシステム62やアプリ63からデータを取得してもよい。例えば、INコンポーネントは、文書管理システム100とは別のシステム62又はワークフローアプリとは別のアプリ63に対して、システム62又はアプリ63で管理しているデータを要求することができる。
【0056】
アプリ63は、要求に応じてアプリ63で管理しているデータや、アプリ63に対応するサーバからデータを取得して要求元のINコンポーネントに対して送信することができる。なお、INコンポーネントが実行する処理には、画像データからテキストデータを生成するなどデータ形式を変換することでデータを生成する処理も含まれる。
【0057】
PROCESSコンポーネントが実行する処理には、文書データが所定の法規が要求する条件を満たすか否かを判定し、判定結果を含むメタデータを文書データと対応付ける処理を含む。また、PROCESSコンポーネントが実行する処理には、文書データに対してタイムスタンプを付与する処理を含む。
【0058】
OUTコンポーネントが実行する処理には、タイムスタンプが付与された文書データを所望の領域へ保存する処理、タイムスタンプが付与された文書データを外部装置へ送信する処理を含む。また、OUTコンポーネントが実行する処理には、デバイス71に対してデータを出力する処理が含まれる。
【0059】
例えば、デバイス71に対してデータを出力する処理には、デバイス71が複合機である場合は電子データを媒体に印刷する処理が含まれ、デバイス71がプロジェクタやディスプレイである場合は画像データを表示又は音声出力する処理が含まれ、デバイス71がストレージサーバや記憶媒体の場合はデータを送信又は記憶させる処理が含まれる。その他、OUTコンポーネントが実行する処理には、所定の宛先にデータや処理の結果を通知する処理が含まれる。
【0060】
また、OUTコンポーネントは、文書管理システム100内にデータを出力してもよいし、文書管理システム100とは別のシステム72又はワークフローアプリとは別のアプリ73にデータを出力してもよい。例えば、OUTコンポーネントは、システム72又はアプリ73に対して、システム72又はアプリ73でデータ又は処理の結果を管理するよう要求することができる。アプリ73は、要求に応じて、受信したデータ又は処理の結果を管理し、又はアプリ73に対応するサーバで記憶するためにデータ又は処理の結果を送信することができる。
【0061】
本実施形態のワークフローアプリ1~3のそれぞれは、上述したように、複数のコンポーネントを組み合わせることで、以下のような機能を実現することができる。
【0062】
INコンポーネントでは複合機によって原稿をスキャンすることで画像データを生成する。PROCESSコンポーネントでは画像データに対して文字認識処理を実行することで数値又はテキストなどのデータに変換する。OUTコンポーネントでは、変換したデータを他のシステムの一例である業務管理システムに送信する。
【0063】
このように、ワークフローアプリを構築することで、業務管理システムでは、ワークフローアプリから受信したデータを分類、又は予め設定された入力様式に基づいて整理すること管理データを生成できる。
【0064】
なお、ワークフローアプリ1~3では、PROCESSコンポーネントにおいてデータの分類及び管理データの生成を実行してもよい。この場合、OUTコンポーネントでは分類結果及び管理データを業務管理システムへ送信し、業務管理システムはワークフローアプリから受信した分類結果及び管理データを所定の領域に記憶するだけでよい。
【0065】
また、INコンポーネントでは、業務管理システムが管理するデータを取得する。例えば、INコンポーネントは、設定情報や、数値又はテキストなどのデータを取得する。ここで、INコンポーネントは設定に応じて所定のデータを業務管理システムに要求してもよいし、業務管理システムからの要求に応じて業務管理システムが管理する所定のデータを受信してもよい。
【0066】
PROCESSコンポーネントは、設定情報に基づいて数値又はテキストを整理又は加工することで管理データを生成する。OUTコンポーネントでは、管理データを業務管理システムに送信する。業務管理システムでは、ワークフローアプリから受信した管理データを所定の領域に記憶する。
【0067】
ここで、業務管理システムとワークフローアプリ1~3とは、それぞれ異なる事業者によって提供される場合があり、それぞれ異なるサーバによって構成される場合がある。このため、ワークフローアプリ1~3は、業務管理システムへデータ送信又は受信する場合、業務管理システムを構成するサーバと通信することでデータを送信又は受信することができる。
【0068】
次に、図7を参照して、本実施形態の文書管理システム100の動作について説明する。図7は、文書管理システムの動作を説明する第一のシーケンス図である。
【0069】
本実施形態の文書管理システム100において、文書管理装置200の文書制御部222は、ワークフロー記憶部233からワークフロー情報を取得する(ステップS701)。なお、ここでは、図5に示すNo.2で特定されるワークフロー情報が取得されたものとする。
【0070】
続いて、文書管理装置200は、表示制御部220により端末装置400に表示させた画面において文書データが作成されると(ステップS702)、文書データとメタデータとを取得する(ステップS703)。
なお、文書データの作成は、画像形成装置によるスキャン処理によって作成されても良いし、端末400の文書作成ソフトウェアによって作成されても良い。画像形成装置によって文書データを作成する場合、文書データは画像形成装置から文書管理装置200に対して送信してもよいし、端末装置400に対して送信しても良い。ここで、文書データを作成時の設定に応じて、属性情報が文書データに付与され、又は文書データに紐づけて記憶される。属性情報は、文書データの属性を示す情報であり、例えば解像度や階調値等の情報を含む。文書データが画像形成装置のスキャンによって生成される場合、属性情報はスキャン設定に基づいて設定される。また、メタデータの一部は、文書データの作成時にユーザの入力によって、又は文書作成時の設定情報や文書データに含まれる文字列を抽出されることによって設定することができる。
【0071】
続いて、文書管理装置200は、表示制御部220により取得した文書データとメタデータとを、文書管理部221へ渡す(ステップS704)。文書管理部221は、文書データを文書データ記憶部231へ格納し(ステップS705)、メタデータをメタデータ記憶部232へ格納する(ステップS706)。ここで、文書データとメタデータは互いに紐づけて格納することができる。続いて、文書管理部221は、文書制御部222に対して文書データの格納通知を行う(ステップS707)。
【0072】
文書管理装置200において、文書制御部222は、文書データの格納通知を受けて、ステップS701で取得したワークフロー情報の開始トリガを参照する(ステップS708)。
【0073】
ここでは、開始トリガが文書データの保存であるため、文書制御部222は、すNo.2で特定されるワークフローを実行し、文書データ記憶部231から文書データを取得する(ステップS709)。
【0074】
続いて、文書制御部222は、文書データに設定された属性情報を取得する(ステップS710)。なお、属性情報を取得する処理は、API(Application Programming Interface)等の他のサービスを用いて行われてもよい。
【0075】
続いて、文書制御部222は、文書データに含まれる、又は文書データに紐づけて記憶されている属性情報に基づいて、文書データの属性情報が電帳法に規定された情報処理条件を満たすか否かを判定する(ステップS711)。言い換えれば、文書制御部222は、文書データが電帳法に準拠しているか否かを判定する。
【0076】
具体的には、文書制御部222は、文書データと対応するメタデータに含まれる文書種類に基づき、文書管理部221に記憶された情報処理条件を取得し、取得した情報処理条件と文書データの属性情報とを比較してもよい。文書制御部222は、一例として、属性情報で示される解像度と階調値が、情報処理条件で示される解像度の条件と諧調値の条件を満たすか否かを判断する。ここで、解像度の条件は例えば解像度が200dpi以上であることとする。また、諧調値の条件は、文書種類が重要書類である場合は例えばRGB各色が256階調以上であること、文書種類が一般書類である場合はグレースケールであることとする。このように、文書種類に基づいて、情報処理条件を変更することができる。
【0077】
なお、図7の例では、電帳法に規定された情報処理条件を満たすか否かを判定するものとしたが、これに限定されない。本実施形態では、電帳法以外の法令等で規定された情報処理条件と属性情報とに基づき、文書データが所定の条件に準拠しているか否かを判定してもよい。
【0078】
ステップS711において、文書データが電帳法に準拠していると判定された場合、文書管理装置200は、後述するステップS712からステップS716の処理を行い、ステップS711において、電帳法に準拠していないと判定された場合、後述するステップS717以降の処理を行う。
【0079】
タイムスタンプ付与装置300のタイムスタンプ押下部310に対して、文書データへのタイムスタンプの押下要求を送信する(ステップS712)。タイムスタンプ付与装置300は、この押下要求を受け付けて、文書データに対してタイムスタンプを付与する(ステップS713)。
【0080】
文書管理装置200において、文書制御部222は、文書管理部221に対し、タイムスタンプが付与された文書データの更新を要求する(ステップS714)。文書管理部221は、この要求に応じて、ステップS705で文書データ記憶部231に格納された文書データを、タイムスタンプが付与されたタイムスタンプ押下済みの文書データに更新する(ステップS715)。
【0081】
また、文書管理部221は、ステップS706でメタデータ記憶部232に格納されたメタデータを、タイムスタンプが押下された状態を示すメタデータに更新する(ステップS716)。また、文書管理部221は、ステップS706でメタデータ記憶部232に格納されたメタデータを、判定に基づいて更新してもよい。つまり、文書データが電帳法に準拠していると判定された場合には文書データが電帳法に準拠しているとことを示すメタデータに更新する。ただし、文書データが電帳法に準拠しているとことを示すメタデータの更新は、ステップS711の後であってステップS712でタイムスタンプ押下部310に対してタイムスタンプの押下要求を送信する前のタイミングで行ってもよい。
【0082】
ステップS711において、電帳法に準拠していないと判定された場合、文書制御部222は、文書管理部221に対して文書データの更新を要求する(ステップS717)。文書管理部221は、この要求を受けて、メタデータ記憶部232に格納されているメタデータを更新する(ステップS718)。つまり、文書管理部221は、文書データが電帳法に準拠していないと判定された場合には、文書データが電帳法に準拠していないことを示すメタデータに更新する。
【0083】
以下に、図8を参照して、本実施形態のメタデータの更新について説明する。図8は、メタデータの更新について説明する図である。
【0084】
図8(A)に示すメタデータ81は、図7のステップS706において、メタデータ記憶部232に格納されたメタデータの一例を示す。ステップS706では、文書データが電帳法に準拠しているか否かの判定が行われていないため、メタデータの項目「電帳法に準拠しているか」、「タイムスタンプ押下状態」の値は、それぞれ空である。
【0085】
図8(B)に示すメタデータ82は、図7のステップS716において更新されたメタデータの一例を示す。ステップS716では、文書データは、電帳法に準拠していると判定されており、タイムスタンプが付与されている。したがって、メタデータ82では、項目「電帳法に準拠しているか」の値が「○」であり、「タイムスタンプ押下状態」の値は、「押下済み」となる。
【0086】
図8(C)に示すメタデータ83は、図7のステップS718において更新されたメタデータの一例を示す。ステップS718では、文書データは、電帳法に準拠していないと判定されており、タイムスタンプが付与されてない。したがって、メタデータ83では、項目「電帳法に準拠しているか」の値が「×」であり、「タイムスタンプ押下状態」の値は、「未押下」となる。
【0087】
なお、上述した例では、文書データを所定の保存領域(文書データ記憶部231)に保存することをワークフロー開始のトリガとした。ここで、保存領域には、複数のドキュメントを一括で又は順次、保存することができる。この場合、保存された複数のドキュメントに対して順次タイムスタンプ押下の処理が行われる。
【0088】
このとき、タイムスタンプ押下は契約条件によっては一定の時間間隔で付加されることになる。例えば、文書データ記憶部231に第1の文書データと第2の文書データとが保存された場合、図7に示すシーケンス図に基づいて第1の文書データに対してタイムスタンプ押下処理が実行され、所定の待機時間が経過した後に、第2の文書データ以降の文書データに対して電帳法に準拠しているか否かの判定と、タイムスタンプ押下処理とが実行される。
【0089】
そこで、文書管理装置200は、図7に示すシーケンス図に基づいて第の文書データについてタイムスタンプ押下処理を実行中又は実行後、待機時間を利用して第2の文書データに対してステップS709からステップS711の処理を実行させる。つまり、文書制御部222は、第1文書データに対するタイムスタンプ押下処理による待機時間において、第1の文書データの次に入力された第2の文書データに設定されている属性情報が情報処理条件を満たすか否かを判定する。
ここで、文書管理装置200は、第1の文書データに対して、所定の法規が要求する情報処理条件と属性情報とに基づき、所定の法規に準拠しているか否かの判定が行われる間、第2の文書データを待機させる保存領域(キュー)があり、第1の文書にかかる判定がなされた場合は、第2の文書データにかかる判定を開始して、この保存領域に第3の文書データを待機させる。
これにより、第2の文書データが電帳法に準拠していると判定された場合には、待機時間経過後に直ちに第2の文書データに対してステップ712以降の処理を実行することができる。なお、第3の文書データ以降のドキュメントについても同様に、第2の文書データのタイムスタンプ押下処理中又は実行後の待機時間を利用して、ステップS709からステップS711の処理を実行させることができる。
【0090】
この場合、文書制御部222は、第2の文書データ以降の文書データについて実行したステップS709からステップS711の処理結果(電帳法に準拠するか否かの判定結果)を記憶させておく。例えば、文書制御部222は、図7のステップS709からステップS711の処理を実行した結果(電帳法に準拠するか否か)を、文書IDと紐づくメタデータとして記憶するように、文書管理部221に対して要求してよい。
【0091】
これにより、待機時間を利用して第2の文書データ以降の文書データについて、ステップS709からステップS711の処理を実行させることができる。このため、文書管理システム100では、第2の文書データ以降の文書データのうち、電帳法に準拠していると判定された文書データについては、待機時間経過後に直ちにタイムスタンプ押下処理を実行することができる。
【0092】
このように、本実施形態では、予め設定されている、タイムスタンプを付加する時間間隔以内に、その次の文書データを待機させるため、タイムスタンプを付す間隔はずらさずに、次の処理対象の文書データを繰り上げることができる。
【0093】
なお、以上では、第1の文書データのタイムスタンプ押下処理の実行中又は実行後の待機時間を利用して、第2の文書データ以降の文書データについて図7のステップS709からステップS711の処理を実行させる場合について説明したが、これに限定されない。
【0094】
第2の文書データ以降の文書データのうち、いずれかの文書データにおいて電帳法に準拠しているとの判定がなされた場合には、それ以降の文書データについては、待機時間を利用したステップS709からステップS711の処理を停止させてもよい。
【0095】
例えば、第1の文書データのタイムスタンプ押下処理が行われてから、第2の文書データの押下処理が行われるまでの待機時間を利用して、ステップS709からステップS711の処理が実行されて、第2の文書データについて電帳法に準拠していると判定された場合、第3の文書データ以降は、ステップS709からステップS711の処理を実行せずに待機する。そして、待機時間が経過して、第2の文書データに対してタイムスタンプ押下処理が実行された場合、第2の文書データのタイムスタンプ押下処理が行われてから第3の文書データの押下処理が行われるまでの待機時間を利用して、第3の文書データ以降の文書データについてステップS709からステップS711の処理を実行することができる。
【0096】
なお、上述した本実施形態では、文書データが電帳法に準拠しているか否かを判定する処理を、文書管理装置200の文書制御部222で行うものとしたが、これに限定されない。
【0097】
文書データが電帳法に準拠しているか否かを判定する処理は、タイムスタンプ付与装置300のタイムスタンプ押下部310において実行されてもよい。
【0098】
以下に、図9を参照して、文書データが電帳法に準拠しているか否かを判定する処理をタイムスタンプ付与装置300で実行する場合の文書管理システム100の動作について説明する。図9は、文書管理システムの動作を示す第二のシーケンス図である。
【0099】
図9のステップS901からステップS909までの処理は、図7のステップS701からステップS709までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0100】
文書管理装置200は、ステップS909において、文書データを取得すると、タイムスタンプ付与装置300に対して、文書データと共に、文書データに対するタイムスタンプの押下要求を送信する(ステップS910)。
【0101】
タイムスタンプ付与装置300は、タイムスタンプ押下部310により、この押下要求を受け付けて、文書データから属性情報を取得する(ステップS911)。続いて、タイムスタンプ付与装置300は、タイムスタンプ押下部310により、文書データの属性情報が電帳法に規定された情報処理条件を満たすか否かを判定する(ステップS912)。言い換えれば、タイムスタンプ押下部310は、文書データが電帳法に準拠しているか否かを判定する。
【0102】
ステップS912において、文書データが電帳法に準拠していると判定された場合、タイムスタンプ付与装置300と文書管理装置200は、後述するステップS913からステップS917の処理を行い、ステップS912において、電帳法に準拠していないと判定された場合、タイムスタンプ付与装置300と文書管理装置200は、後述するステップS918以降の処理を行う。
【0103】
ステップS912において、文書データが電帳法に準拠していると判定された場合、タイムスタンプ付与装置300は、タイムスタンプ押下部310により、文書データに対してタイムスタンプを付与し(ステップS913)、タイムスタンプが付与された文書データを文書管理装置200へ送信する(ステップS914)。
【0104】
文書管理装置200は、タイムスタンプが付与された文書データを受信すると、ステップS915からステップS917の処理を行う。図9のステップS915からステップS917の処理は、図7のステップS714からステップS716の処理と同様であるから、説明を省略する。
【0105】
ステップS912において、文書データが電帳法に準拠していないと判定された場合、タイムスタンプ付与装置300は、タイムスタンプ押下部310により、判定結果を文書管理装置200へ送信する(ステップS918)。
【0106】
文書管理装置200は、判定結果を受信すると、ステップS919、ステップS920の処理を行う。図9のステップS919、ステップS920の処理は、図7のステップS717、ステップS718の処理と同様であるから、説明を省略する。
【0107】
なお、図9の例でも、図7に示すシーケンス図と同様に、第1の文書データについてタイムスタンプ押下処理を実行中又は実行後、待機時間を利用して第2の文書データに対して図9のステップ911、912の処理を実行してよい。これにより、待機時間経過後に直ちに第2の文書データに対してステップ913の処理を実行することができる。
【0108】
この場合、図7のシーケンス図で説明した文書制御部222における処理の一部をタイムスタンプ押下部310が実行する。ここで、文書制御部222は、複数のドキュメントをタイムスタンプ押下部310に送信することができる。また、タイムスタンプ押下部310は、第2の文書データ以降の文書データについて実行したステップ911、ステップS912の処理結果(電帳法に準拠するか否かの判定結果)を記憶させておく。例えば、タイムスタンプ押下部310は、ステップS911、ステップS912の処理を実行した結果(電帳法に準拠するかの否かの判定結果)を、文書IDと対応付けられたメタデータとして、タイムスタンプ付与装置300のメモリに記憶してよい。
【0109】
このように、本実施形態によれば、文書管理システム100において、文書データが、電帳法に準拠している否かを判定し、判定結果に応じて文書データにタイムスタンプを付与する。
【0110】
したがって、本実施形態によれば、ユーザが、文書データにタイムスタンプを付与する必要があるか否かを判断する必要がなくなる。
【0111】
また、タイムスタンプは一定間隔で付加される。このため、例えば、文書管理システム100に格納される全ての文書データに対して、法令が規定する要件を満たすための加工や処理を一律的に行った場合、本来要件を満たして保存すべき文書データに対する処理の遅延が発生し、文書管理システムのトータルスループットを低下させる可能性がある。
【0112】
これに対し、本実施形態では、本来要件を満たして保存すべき文書データに対してのみタイムスタンプを付与するため、本来要件を満たして保存すべき文書データに対する処理の遅延が発生を抑制でき、文書管理システムのトータルスループットが低下いることを回避できる。
【0113】
また、タイムスタンプは、付加ごとに料金が発生する従量課金制が敷かれていることがある。このため、法令が規定する要件までは求めない文書データに対して、タイムスタンプを付与した場合、サービス利用料が発生するおそれがある。これに対し、本実施形態では、本来要件を満たして保存すべき文書データに対してのみタイムスタンプを付与するため、不必要なサービス利用料が発生することを防止できる。
【0114】
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0115】
また、各実施形態に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。
【0116】
ある実施形態では、文書管理装置200は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、文書管理装置200とタイムスタンプ付与装置300とは、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0117】
さらに、文書管理装置200、タイムスタンプ付与装置300は、開示された処理ステップ、を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、文書管理装置200、タイムスタンプ付与装置300によって実行され得る。同様に、所定のユニットの機能は文書管理装置200、タイムスタンプ付与装置300によって実行することができる。また、文書管理装置200、タイムスタンプ付与装置300において、それぞれが有する各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0118】
なお、文書管理装置200、タイムスタンプ付与装置300は、通信機能を備えた装置であればよい。文書管理装置200、タイムスタンプ付与装置300は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0119】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>
対象データに要求する情報処理条件を記憶する管理部と、
入力された対象データに設定されている属性情報を取得する取得部と、
前記入力された対象データに設定されている属性情報が、前記管理部に記憶された情報処理条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に応じて前記対象データに対して所定の証明用情報を付与させる文書制御部と、を有する、文書管理システム。
<2>
入力された第1対象データに設定されている属性情報が前記情報処理条件を満たすか否かの判定が行われるまで、前記第1対象データの次に入力された第2対象データを記憶する記憶部を有し、
前記判定部は、
前記第1対象データにかかる前記判定がされた場合に、前記記憶部に記憶された前記第2対象データにかかる前記判定を行う、付記1記載の文書管理システム。
<3>
前記判定部は、
入力された第1対象データに対する前記証明用情報の付与による待機時間において、前記第1対象データの次に入力された第2対象データに設定されている属性情報が前記情報処理条件を満たすか否かを判定する、付記1又は2記載の文書管理システム。
<4>
前記入力された対象データが前記所定の法令に準拠した文書データであるか否かの判定結果に応じた処理の内容を記憶したワークフロー記憶部を有し、
前記文書制御部は、
前記判定結果に応じた処理を実行する、付記1乃至3の何れか一項に記載の文書管理システム。
<5>
前記入力された対象データは、所定の読取装置によって入力される、付記1乃至4の何れか一項に記載の文書管理システム。
<6>
前記入力された対象データに対して所定の証明用情報を付与するタイムスタンプ押下部を有し、
前記タイムスタンプ押下部が、
前記入力された対象データが前記所定の法令に準拠した文書データであるか否かを判定する処理を実行し、
前記入力された対象データが前記所定の法令に準拠した文書データであると判定された場合に、前記入力された対象データに対して前記所定の証明用情報を付与する、付記1乃至5の何れか一項に記載の文書管理システム。
<7>
文書管理システムによる文書管理方法であって、前記文書管理システムが、
対象データに要求する情報処理条件を管理部に記憶し、
入力された対象データに設定されている属性情報を取得し、
前記入力された対象データに設定されている属性情報が、前記管理部に記憶された情報処理条件を満たすか否かを判定し、
前記判定による結果に応じて前記対象データに対して所定の証明用情報を付与させる、文書管理方法。
<8>
コンピュータに、
対象データに要求する情報処理条件を管理部に記憶し、
入力された対象データに設定されている属性情報を取得し、
前記入力された対象データに設定されている属性情報が、前記管理部に記憶された情報処理条件を満たすか否かを判定し、
前記判定による結果に応じて前記対象データに対して所定の証明用情報を付与させる、処理を実行させる、文書管理プログラム。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0120】
100 文書管理システム
200 文書管理装置
220 表示制御部
221 文書管理部
222 文書制御部
223 ワークフロー
231 文書データ記憶部
232 メタデータ記憶部
233 ワークフロー記憶部
300 タイムスタンプ付与装置
310 タイムスタンプ押下部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0121】
【特許文献1】特許第5832269号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9