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特開2024-134888情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134888
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240927BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045319
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 修平
(72)【発明者】
【氏名】清水 誠基
(72)【発明者】
【氏名】清水 由布子
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】これから作業を行う現在の現場の状況と似た、過去の現場で発生した労災又はインシデント等の過去の事例の情報を出力する情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、作業を行う現場の情報を含む現在の作業情報の入力を受け付ける受付部と、前記受付部で受け付けた前記現在の作業情報を自然言語処理によって解析する解析部と、労災又はインシデントが発生した過去の現場の情報を含む過去の作業情報と、前記解析部で解析された前記現在の作業情報との類似度を算出する算出部と、前記算出部で算出された前記類似度に基づき、前記過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を出力する出力部と、を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業を行う現場の情報を含む現在の作業情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けた前記現在の作業情報を自然言語処理によって解析する解析部と、
労災又はインシデントが発生した過去の現場の情報を含む過去の作業情報と、前記解析部で解析された前記現在の作業情報との類似度を算出する算出部と、
前記算出部で算出された前記類似度に基づき、前記過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を出力する出力部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記出力部は、
前記算出部で算出された前記類似度が高い順に、前記過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記過去の作業情報は、前記過去の現場の気象情報を含み、
前記現在の作業情報は、前記作業を行う現場の気象情報を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記現在の作業情報に含まれる、前記作業を行う現場の気象情報を取得する取得部を有する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記過去の作業情報は、前記過去の現場で発生した労災又はインシデントの対策に関する情報を含み、
前記出力部が出力する前記過去の事例の情報は、前記対策に関する情報を含む、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記過去の作業情報は、前記過去の現場で発生した労災又はインシデントの原因に関する情報を含み、
前記出力部が出力する前記過去の事例の情報は、前記原因に関する情報を含む、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記作業を行う現場における安全衛生活動の活動情報に基づいて、前記過去の作業情報を更新する更新部を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記解析部は、任意の形式の前記活動情報を自然言語処理によって解析し、
前記更新部は、前記解析部が解析した情報を前記過去の作業情報としてデータベースに記録する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
作業を行う現場の情報を含む現在の作業情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けた前記現在の作業情報を自然言語処理によって解析する解析部と、
労災又はインシデントが発生した過去の現場の情報を含む過去の作業情報と、前記解析部で解析された前記現在の作業情報との類似度を算出する算出部と、
前記算出部で算出された前記類似度に基づき、前記過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を出力する出力部と、
を有する、情報処理システム。
【請求項10】
作業を行う現場の情報を含む現在の作業情報の入力を受け付ける受付処理と、
前記受付処理で受け付けた前記現在の作業情報を自然言語処理によって解析する解析処理と、
労災又はインシデントが発生した過去の現場の情報を含む過去の作業情報と、前記解析処理で解析された前記現在の作業情報との類似度を算出する算出処理と、
前記算出処理で算出された前記類似度に基づき、前記過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を出力する出力処理と、
をコンピュータが実行する、情報処理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業現場等で発生する事故の原因を分析し事故を減らすための活用を支援する、事故分析活用支援装置が知られている。
【0003】
例えば、事故と環境要因の関連付け、要因ツリーの作成を行い、実施予定作業の特徴を表す環境要因を受け付けて作成した要因ツリーと複数の事故の類似度を算出し、類似した状況で発生した事故の情報を提示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これから作業を行う現在の現場の状況と似た、過去の現場で発生した労災又はインシデント等の過去の事例の情報を出力したいという要求がある。
【0005】
しかし、特許文献1に開示された技術では、実施予定の作業と、複数の事故との類似度を算出しているため、検索結果が直接的ではなく、実際にこれから作業を行う現場に即していない事例を出力してしまうという問題がある。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、これから作業を行う現在の現場の状況と似た、過去の現場で発生した労災又はインシデント等の過去の事例の情報を出力する情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、一実施形態に係る情報処理装置は、作業を行う現場の情報を含む現在の作業情報の入力を受け付ける受付部と、前記受付部で受け付けた前記現在の作業情報を自然言語処理によって解析する解析部と、労災又はインシデントが発生した過去の現場の情報を含む過去の作業情報と、前記解析部で解析された前記現在の作業情報との類似度を算出する算出部と、前記算出部で算出された前記類似度に基づき、前記過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を出力する出力部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、これから作業を行う現在の現場の状況と似た、過去の現場で発生した労災又はインシデント等の過去の事例の情報を出力する情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の別の一例を示す図である。
図3】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
図4】一実施形態に係る情報端末のハードウェア構成の例を示す図である。
図5】一実施形態に係る情報処理システムの機能構成例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る情報出力処理の例を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態に係るDBに記録されたデータのイメージを示す図である。
図8】第1の実施形態に係る類似度の算出処理について説明するための図である。
図9】一実施形態に係る表示画面の例を示す図である。
図10】第2の実施形態に係る情報出力処理の例を示すフローチャートである。
図11】第2の実施形態に係るDBに記録されたデータのイメージを示す図である。
図12】一実施形態に係る活動結果DBの更新処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態(本実施形態)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。図1の例では、情報処理システム1は、情報処理装置100と、通信ネットワークNを介して、情報処理装置100と通信可能な端末装置101とを含む。
【0011】
情報処理装置100は、例えば、PC(Personal Computer)等のコンピュータ、又は複数のコンピュータを含むシステムである。情報処理装置100は、例えば、蓄積された労災又はインシデント等の情報を活用して、これから作業を行う現場で発生し得る過去の事例の情報を提供する危険予知サービスを提供する。
【0012】
ここで、労災とは、労働者等が業務に起因して被る災害(アクシデント)である。また、インシデントとは、労災は発生していないが、労災になりかねない出来事である。インシデントには、例えば、労働者等が思いがけない出来事に「ヒヤリ」としたり、労災寸前のミスに「ハッ」としたりする「ヒヤリハット」が含まれる。
【0013】
端末装置101は、利用者102が利用する、例えば、PC、タブレット端末、又はスマートフォン等のコンピュータである。利用者102は、端末装置101を用いて、情報処理装置100が提供する危険予知サービスを利用することができる。
【0014】
なお、情報処理システム1は、情報処理装置100と、端末装置101とが協働して、危険予知サービスを提供するものであってもよい。例えば、端末装置101は、情報処理システム1に対応するアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を実行することにより、情報処理装置100が備えるDB(Database)を利用して、利用者102に危険予知サービスを提供するもの等であってもよい。
【0015】
図2は、一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の別の一例を示す図である。図2に示すように、危険予知サービスを提供する情報処理装置100は、利用者102が利用するPC、タブレット端末、又はスマートフォン等のコンピュータであってもよい。
【0016】
(処理の概要)
情報処理システム1は、労災又はインシデントが発生した過去の現場の情報を含む過去の作業情報と、これから作業を行う現場の情報を含む現在の作業情報との類似度を算出し、算出した類似度に基づいて、過去の事例の情報を出力する。好ましくは、情報処理装置100は、端末装置101が備えるディスプレイ、又は情報処理装置100が備えるディスプレイ等の表示部に、これから作業を行う現場と類似した過去の現場で発生した労災又はインシデント等の過去の事例の情報を、類似度が高い順に表示する。
【0017】
好ましくは、過去の作業情報は、過去の現場で発生した労災又はインシデントの原因、又は対策に関する情報を含み、情報処理装置100は、労災又はインシデントの原因、又は対策に関する情報を含む過去の事例の情報を出力する。
【0018】
これにより、本実施形態によれば、これから作業を行う現在の現場の状況と似た、過去の現場で発生した労災又はインシデント等の過去の事例の情報を出力する情報処理装置100を提供することができる。これにより、情報処理装置100は、作業を行う現場における労働災害を防止するための取り組みである安全衛生活動を、より適切に支援することができる。
【0019】
好ましくは、情報処理システム1は、作業を行う現在の現場における安全衛生活動の活動報告書(活動情報)に基づいて、労災又はインシデントが発生した過去の作業情報を記録したDBを更新する機能を有している。
【0020】
これにより、情報処理システム1は、例えば、作業環境、又は技術等が変化しても、より適切な過去の事例の情報を提供できるようになる。
【0021】
<ハードウェア構成>
情報処理装置100、及び端末装置101は、例えば、図3に示すようなコンピュータ300のハードウェア構成、又は図4に示すような情報端末400のハードウェア構成を有している。なお、情報処理装置100は、複数のコンピュータ300によって構成されるものであってもよい。
【0022】
(コンピュータのハードウェア構成)
図3は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ300は、例えば、図3に示されるように、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HD(Hard Disk)304、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ305、ディスプレイ306、外部機器接続I/F(Interface)307、ネットワークI/F308、キーボード309、ポインティングデバイス310、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ312、メディアI/F314、及びバスライン315等を備えている。
【0023】
これらのうち、CPU301は、コンピュータ300全体の動作を制御する。ROM302は、例えば、起動用ファイル等のコンピュータ300の起動に用いられるプログラム、及びデータ等を記憶する。RAM303は、例えば、CPU301のワークエリア等として使用される。HD304は、例えば、OS(Operating System)、アプリケーション、デバイスドライバ等のプログラムや、各種データを記憶する。HDDコントローラ305は、例えば、CPU301の制御に従ってHD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0024】
ディスプレイ306は、例えば、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。なお、ディスプレイ306は、コンピュータ300の外部に設けられていても良い。外部機器接続I/F307は、コンピュータ300に、外部装置を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F308は、例えば、通信ネットワークN等を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。
【0025】
キーボード309は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス310は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行なう入力手段の一種である。なお、キーボード309、及びポインティングデバイス310は、コンピュータ300の外部に設けられていても良い。
【0026】
DVD-RWドライブ312は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW311に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RW311は、DVD-RWに限らず、他の着脱可能な記録媒体であっても良い。メディアI/F314は、フラッシュメモリ等のメディア213に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン315は、上記の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス及び各種の制御信号等を含む。
【0027】
なお、図3に示すコンピュータ300の構成は一例である。コンピュータ300は、例えば、CPU301、ROM302、RAM303、ネットワークI/F308、及びバスライン315等を有していれば、他は任意の構成であって良い。
【0028】
(情報端末のハードウェア構成)
図4は、一実施形態に係る情報端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示されているように、情報端末400は、CPU401、ROM402、RAM403、ストレージデバイス404、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405、撮像素子I/F406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS(Global Positioning System)受信部410等を備えている。
【0029】
これらのうち、CPU401は、所定のプログラムを実行することにより情報端末400全体の動作を制御する。ROM402は、例えば、IPL(Initial Program Loader)等のCPU401の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリア等として使用される。ストレージデバイス404は、OS、アプリ等のプログラム、及び各種のデータ等を記憶する大容量の記憶装置である。
【0030】
CMOSセンサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、情報端末400は、CMOSセンサ405に代えて、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段を有していてもよい。撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等のメディア(記憶メディア)408に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部410は、GPS衛星からGPS信号(測位信号)を受信する測位デバイスである。
【0031】
また、情報端末400は、遠距離通信回路411、遠距離通信回路411のアンテナ411a、CMOSセンサ412、撮像素子I/F413、マイク414、スピーカ415、音入出力I/F416、ディスプレイ417、外部機器接続I/F418、近距離通信回路419、近距離通信回路419のアンテナ419a、及びタッチパネル420等を備えている。
【0032】
これらのうち、遠距離通信回路411は、例えば、通信ネットワークNを介して、他の装置と通信する回路である。CMOSセンサ412は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F413は、CMOSセンサ412の駆動を制御する回路である。マイク414は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ415は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F416は、CPU401の制御に従ってマイク414及びスピーカ415との間で音波信号の入出力を処理する回路である。
【0033】
ディスプレイ417は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示手段の一種である。外部機器接続I/F418は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路419は、近距離無線通信を行う回路を含む。タッチパネル420は、利用者がディスプレイ417を押下することで、情報端末400を操作する入力手段の一種である。
【0034】
また、情報端末400は、バスライン421を備えている。バスライン421は、図4に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含む。
【0035】
<機能構成>
図5は、一実施形態に係る情報処理システムの機能構成の例を示す図である。ここでは、一例として、情報処理装置100が、図3で説明したコンピュータ300のハードウェア構成を有しているものとして、以下の説明を行う。
【0036】
情報処理装置100は、一例として、通信部501、受付部502、取得部503、解析部504、算出部505、出力部506、収集部507、更新部508、過去事例DB511、及び活動結果DB512等を有している。
【0037】
通信部501は、例えば、CPU301が実行するプログラム、及びネットワークI/F308等によって実現され、情報処理装置100を通信ネットワークNに接続し、他の装置と通信する通信処理を実行する。
【0038】
受付部502は、作業を行う現場の情報を含む現在の作業情報の入力を受け付ける受付処理を実行する。例えば、受付部502は、情報処理装置100、又は端末装置101に、現在の作業情報の入力を受け付けるUI画面を表示し、利用者102が入力した現在の作業情報を取得する。
【0039】
ここで、現在の作業情報は、一例として、「どのような人が」、「どこで」、「何を使用して」、「どのような作業を行うか」等の情報を含む文章である。ただし、これに限られず、受付部502は、各情報を入力する選択肢をUI画面に表示して、ユーザに選択させるもの等であってもよい。
【0040】
取得部503は、通信ネットワークNを介して通信可能な外部システム等から様々な情報を取得する取得処理を実行する。例えば、取得部503は、気温、湿度、天気、風向、又は風速等の気象情報を、気象情報サービス等から取得する。また、取得部503は、定期的に、又はユーザの操作等に応じて、外部システム等から最新版の過去事例DB511等を取得してもよい。
【0041】
解析部504は、受付部502で受け付けた現在の作業情報を、例えば、形態素解析等の自然言語処理によって解析する解析処理を実行する。例えば、解析部504は、受付部502が受け付けた現在の作業情報を、例えば、「どのような人が」、「どこで」、「何を使用して」、「どのような作業を行うか」を示す単語、又は一文に分解する。
【0042】
また、解析部504は、例えば、安全衛生活動の活動報告書、又は外部システムから取得した過去事例DB511に記録された過去の作業情報等に対しても、上述した解析処理を実行することができる。
【0043】
算出部505は、労災又はインシデントが発生した過去の現場の情報を含む過去の作業情報と、解析部504で解析された現在の作業情報との類似度を算出する類似度の算出処理を実行する。なお、類似度の算出処理については後述する。
【0044】
出力部506は、算出部505が算出した類似度に基づいて、過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を出力する出力処理を実行する。例えば、出力部506は、算出部505が算出した類似度が高い順に、過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を表示する表示画面を、例えば、情報処理装置100のディスプレイ306、又は端末装置101のディスプレイ417等の表示部に表示する。
【0045】
収集部507は、作業を行う現場において、管理者、又は作業者等が、安全衛生活動を実施した後に、作成した活動報告書等の活動情報を収集する収集処理を実行する。
【0046】
更新部508は、収集部507が収集した、安全衛生活動の活動情報に基づいて、過去の作業の情報を更新する更新処理を実行する。例えば、更新部508は、解析部504を用いて、安全衛生活動の活動情報を自然言語処理によって解析し、解析部504が解析した情報を、活動結果DB512(又は過去事例DB511)に記録する。
【0047】
このように、更新部508は、解析部504が解析した情報を、活動結果DB512(又は過去事例DB511)に記録するので、収集部507が収集する安全衛生活動の活動情報は、任意のフォーマットであってよい。
【0048】
過去事例DB511は、労災又はインシデントが発生した過去の現場の情報を含む過去の作業情報を記録したデータベースである。好ましくは、過去事例DB511には、過去の作業情報を、解析部504が、例えば、「どのような人が」、「どこで」、「何を使用して」、「どのような作業を行うか」を示す単語、又は一文に分解した解析結果が記録されている。
【0049】
別の一例として、過去事例DB511には、解析部504による解析を行っていない過去の作業情報が記録されており、例えば、算出部505が、過去の作業情報と、現在の作業情報との類似度を算出するときに、過去の作業情報を解析してもよい。
【0050】
活動結果DB512は、更新部508は、安全衛生活動の活動情報に基づいて更新した過去の作業の情報を記録するデータベースである。過去事例DB511と、活動結果DB512には、同様の情報が記録されているので、過去事例DB511と活動結果DB512は、1つのDB510であってもよい。なお、以下の説明において、過去事例DB511と、活動結果DB512とを特に区別する必要がない場合、過去事例DB511、及び活動結果DB512を「DB10」と呼ぶ。
【0051】
なお、図5に示した情報処理システム1の機能構成は一例である。例えば、図5において、情報処理装置100が有している過去事例DB511、又は活動結果DB512は、情報処理装置100の外部(例えば、クラウドストレージ等)に設けられていてもよい。また、図5に示した、情報処理装置100が有する各機能構成は、複数のサーバ装置等に分散して設けられていてもよい。さらに、図5に示した、情報処理装置100が有する各機能構成のうち、少なくとも一部は、情報処理装置100と通信可能な端末装置101が有していてもよい。このように、図5に示した、情報処理装置100が有する各機能構成は、情報処理システム1に含まれるいずれの装置が有していてもよい。
【0052】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る情報処理方法の処理の流れについて説明する。
【0053】
[第1の実施形態]
図6は、第1の実施形態に係る情報出力処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図5で説明した各機能構成を有する情報処理システム1が実行する処理の一例を示している。
【0054】
ステップS601において、受付部502は、作業を行う現場の情報を含む現在の作業情報の入力を受け付ける。例えば、受付部502は、端末装置101、又は情報処理装置100の表示部に、現在の作業情報を表す文章の入力を受け付ける表示画面を表示し、表示画面に入力された文章を受け付ける。
【0055】
ステップS602において、解析部504は、受付部502が受け付けた現在の作業情報を解析する。例えば、解析部504は、受付部502が受け付けた現在の作業情報を表す文章を、形態素解析等の自然言語処理により、例えば、「どのような人が」、「どこで」、「何を使用して」、「どんな作業をするか」等に分解する。
【0056】
具体的な一例として、DB510(過去事例DB511、及び活動結果DB512)には、例えば、図7に示すような、過去の作業情報700が記録されているものとする。
【0057】
図7は、第1の実施形態に係るDBに記録されたデータのイメージを示す図である。図7の例では、DB510に記録された過去の作業情報700には、項目として「日付」、「時間」、「気温」、「シーン」、「人」、「使用機材」、「作業」、「対象」「労災/インシデント」、及び「原因」/対策」等の情報が含まれる。
【0058】
この場合、解析部504は、受付部502が受け付けた現在の作業情報を表す文章を、「日付」、「時間」、「気温」、「シーン」、「人」、「使用機材」、「作業」、及び「対象」の各項目に対応する単語、又は一文に分解する。
【0059】
ここで、「日付」、及び「時間」は、労災又はインシデントが発生した日時を示す情報である。「気温」は、労災又はインシデントが発生した過去の現場の気温を示す情報である。「シーン」は、労災又はインシデントが「どこで」発生したかを示す情報の一例である。「人」は、「どのようなひと」が作業を行ったかを示す情報の一例であり、例えば、「作業者」、又は「管理者」等の情報が記録される。「使用機材」は、「何を使用して」作業を行ったかを示す情報の一例である。「作業」、及び「対象」は、「どんな作業をするか」を示す情報の一例である。
【0060】
「労災/インシデント」は、過去の現場で発生した労災、又はインシデントを示す情報である。「原因/対策」は、発生したインシデントの原因、又は対策を示す情報である。
【0061】
ここで、図6に戻り、フローチャートの説明を続ける。ステップS603において、算出部505は、DB510に記録された過去の作業情報の各々と、現在の作業情報との類似度を算出する類似度の算出処理を実行する。
【0062】
図8は、第1の実施形態に係る類似度の算出処理について説明するための図である。ここでは、一例として、ナレッジグラフを用いた類似度の算出方法について説明する。ナレッジグラフとは、様々な知識(ナレッジ)をグラフィカルに接続し、グラフ構造で表したネットワークである。ナレッジグラフは、自然文だけでなく、例えば、SNS(Social Networking Service)等の非構造化データの処理が可能で、インターネットの検索エンジン、又はAI(artificial intelligence)の基盤技術として広く活用されている。
【0063】
算出部505は、解析部504が分解した現在の作業情報からナレッジグラフを作成するために、例えば、図8に示すように、オントロジー(クラス)として、環境、シーン、人、作業、対象、労災事例を設定する。また、過去の作業情報、及び現在の作業情報から取得した、各オントロジーに該当する単語、又は一文をインスタンス(クラスを具体化させたもの)とする。
【0064】
図8の例では、過去の作業情報のインスタンスとして、環境を過去の現場の気温「30℃」、シーンを「高層工事」、人を「作業者」、作業を「積み下ろし」、対象を「鉄パイプ」としている。また、過去の作業情報の労災事例として「滑落」が記録されている。
【0065】
また、現在の作業情報として、例えば、「高層工事で作業者が木材を積み下ろしする」いう文章が入力された場合、算出部505は、解析部504が分解した単語に基づいて、例えば、シーンを「高層工事」、人を「作業者」、作業を「積み下ろし」、対象を「木材」とする。なお、環境は現在の気温なので、算出部505は、例えば、取得部503が取得した気温(例えば、「30℃」)に基づいて、環境を「気温30℃」とする。
【0066】
別の一例として、現在の作業情報として、「土木工事で作業者がコンクリートを打設する」いう文章が入力された場合、算出部505は、解析部504が分解した単語に基づいて、シーンを「土木工事」、人を「作業者」、作業を「打設」、対象を「コンクリート」とする。また、算出部505は、取得部503が取得した気温(例えば、「20℃」)に基づいて、環境を「気温20℃」)とする。
【0067】
算出部505は、例えば、過去の作業情報の各々と、現在の作業情報の一例との類似度を算出し、出力として、過去の作業情報に紐付いた労災事例を出力する。なお、類似度は、例えば、0~1の範囲で算出され、1に近いほど類似度が高いことを示すものとする。
【0068】
類似度は、一例として、労災事例を除いたオントロジーの数と、インスタンスが合致しているオントロジーの数との割合で算出することができる。図8の例では、オントロジーの数は5である。従って、入力文が「高層工事で作業者が木材を積み下ろしする」である場合、インスタンスが合致しているオントロジーの数が4なので、類似度は0.8となる。一方、入力文が「土木工事で作業者がコンクリートを打設する」である場合、インスタンスが合致しているオントロジーの数は1なので、類似度は0.2となる。
【0069】
算出部505は、同様にして、DB510に記録された過去の作業情報の各々と、入力された現在の作業情報とを類似度を算出し、最も類似度が高い過去の作業情報に対応する労災事例(例えば「滑落」)を出力する。或いは、算出部505は、算出した類似度が高い順に、過去の作業情報に対応する労災事例を出力する。
【0070】
なお、類似度の算出に用いるオントロジーの数は、5つに限られない、例えば、オントロジー「環境」は、気温だけでなく、例えば、湿度、季節、又は時間等に分けることも可能である。また、オントロジーには、例えば、気象情報、使用機材、人数、又はインシデント等が含まれていてもよい。
【0071】
また、類似度の計算手法は、例えば、ラプラシアン行列を用いた手法を用いてもよいし、コサイン類似度等の他の類似度計算手法を用いてもよい。
【0072】
ここで、再び図6に戻り、フローチャートの説明を続ける。ステップS604において、出力部506は、算出部505が算出した類似度に基づいて、過去の事例の情報を表示する表示画面を作成する。例えば、算出部505は、図9に示すように、類似度が高い順に、複数の過去の事例の情報を表示する表示画面900を作成する。
【0073】
ステップS605において、出力部506は、作成した表示画面を出力する。例えば、出力部506は、作成した表示画面を、情報処理装置100のディスプレイ306等の表示部に表示する。或いは、出力部506は、作成した表示画面を、端末装置101に送信して、表示させる。
【0074】
図9は、一実施形態に係る表示画面の例を示す図である。図9の例では、表示画面900には、現在の作業情報を入力する入力欄901と、予測結果を表示する表示欄902とが表示されている。出力部506は、例えば、予測結果の表示欄902に、入力欄901に入力された現在の作業情報との類似度が高い順に、過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を表示している。
【0075】
図9の例では、予測結果の表示欄902には、項目として、「労災項目」、「確認項目」、及び「URL」等の情報が含まれる。「労災項目」は、現在の作業内容で予測される労災又はインシデントを示す情報である。「確認項目」は、予測される労災又はインシデントに対する対策に関する情報の一例である。なお、出力部506は、「確認項目」に代えて(又は加えて)、予測される労災又はインシデントの原因に関する情報である「原因」を表示してもよい。「URL」は、過去の事例の詳細を表示するためのリンク情報である。
【0076】
ユーザは、例えば、図8に示すような表示画面の入力欄901に、現在の作業情報を入力するだけで、現在の現場に類似する過去の現場で発生した労災、またはインシデントの情報を容易に把握することができる。
【0077】
[第2の実施形態]
図12は、一実施形態に係る情報出力処理の例を示すフローチャートである。この処理は、図5で説明した各機能構成を有する情報処理システム1が実行する処理の別の一例を示している。なお、図12に示す処理のうち、ステップS601、S602、S604、S605の処理は、図6で説明した第1の実施形態に係る情報出力処理と同様なので、ここでは説明を省略する。また、ここでは、図6で説明した第1の実施形態と同様の処理内容に対する詳細な説明は省略する。
【0078】
ステップS1001において、取得部503は、例えば、外部の気象情報サービス等から、気象情報を取得する。
【0079】
ステップS1002において、算出部505は、DB510に記録された過去の作業情報の各々と、現在の作業情報との類似度を算出する類似度の算出処理を実行する。なお、第2の実施形態に係る算出部505は、気温以外の1つ以上の気象情報を、図8で説明したオントロジーに加えて、現在の作業情報と、過去の作業情報との類似度を算出する。
【0080】
図11は、第2の実施形態に係るDBに記録されたデータのイメージを示す図である。図11に示すように、DB510に記録された過去の作業情報1100には、図7で説明した過去の作業情報700に加えて、項目として「天気」の情報が追加されている。なお、「天気」の情報は、気象情報の一例である。気象情報は、「天気」に限られず、例えば、湿度、天気、風向、又は風速等の1つ以上の気象情報であってよい。
【0081】
また、第2の実施形態に係る算出部505は、取得部503が取得した気象情報を、現在の作業情報に追加する。これにより、算出部505は、気温以外の1つ以上の気象情報をオントロジーに加えて、過去の作業情報の各々と、現在の作業情報との類似度を算出できるようになる。
【0082】
このように、第2の実施形態に係る情報処理システム1は、気象情報をさらに用いて類似度を算出する。これにより、情報処理システム1は、例えば、雪(又は雨)により発生し易い労災(又はインシデント)、或いは、強風により発生し易い労災(又はインシデント)等を、より適切に出力できるようになる。
【0083】
(活動結果DBの更新処理)
本実施形態に係る情報処理システム1は、例えば、図9に示すような表示画面により、作業を行う現場における安全衛生活動を支援することができる。また、情報処理システム1は、安全衛生活動の活動報告等を用いて、過去の作業情報を記憶する活動結果DB512を更新する、活動結果DBの更新処理を実行することができる。
【0084】
図12は、一実施形態に係る活動結果DBの更新処理の例を示すフローチャートである。例えば、図5で説明した各機能構成を有する情報処理システム1が実行する活動結果DBの更新処理の一例を示している。
【0085】
ステップS1201において、収集部507は、作業を行う現場における安全衛生活動の後に、管理者、又は作業者等によって作成される安全衛生活動の活動報告書を収集する。
【0086】
ステップS1202において、解析部504は、収集部507が収集した活動報告書に記載された内容を、形態素解析等の自然言語処理によって、例えば、「どのような人が」、「どこで」、「何を使用して」、「どんな作業をしているか」に分解する。また、解析部504は、活動報告書に、発生した労災(又はインシデント)、発生した労災の原因、及び発生した労災に対する対策等の情報が含まれている場合、それらの情報を抽出する。
【0087】
ステップS1203において、更新部508は、解析部504が解析した解析結果を、活動結果DB512に記録する。例えば、更新部508は、解析部504が分解した各情報、及び解析部504が抽出した、発生した労災又はインシデントに関する情報を、活動結果DB512に記録する。
【0088】
なお、更新部508は、例えば、活動報告書に、労災又はインシデントが発生したことを示す情報がない場合、活動結果DB512の更新を省略してもよい。或いは、更新部508は、例えば、活動報告書に、労災又はインシデントが発生したことを示す情報がある場合、解析部504が分解した各情報、及び解析部504が抽出した、発生した労災又はインシデントに関する情報を、過去事例DB511に記録してもよい。
【0089】
図12の処理により、情報処理システム1は、DB510に新しいデータが常に保存されていくことで、時代、技術、又は環境の変化に対応した、危険予知を実行することができる。
【0090】
以上、本実施形態によれば、これから作業を行う現在の現場の状況と似た、過去の現場で発生した労災又はインシデント等の過去の事例の情報を出力する情報処理装置100、又は情報処理システム1を提供することができる。また、本実施形態では、労災又はインシデントが発生した過去の作業情報を、常に更新するので、例えば、時代、技術、又は環境の変化に対応した、危険予知を実行することができる。
【0091】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0092】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものに過ぎない。ある実施形態では、情報処理装置100は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0093】
さらに、情報処理装置100の各機能構成は、1つのサーバ装置にまとめられていてもよいし、複数の装置に分けられていてもよい。また、情報処理装置100の各機能構成のうち、少なくとの一部は、端末装置101が有していてもよい。
【0094】
<付記>
本明細書には、下記の各項の情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムが開示されている。
(第1項)
作業を行う現場の情報を含む現在の作業情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けた前記現在の作業情報を自然言語処理によって解析する解析部と、
労災又はインシデントが発生した過去の現場の情報を含む過去の作業情報と、前記解析部で解析された前記現在の作業情報との類似度を算出する算出部と、
前記算出部で算出された前記類似度に基づき、前記過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を出力する出力部と、
を有する、情報処理装置。
(第2項)
前記出力部は、
前記算出部で算出された前記類似度が高い順に、前記過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を出力する、
第1項に記載の情報処理装置。
(第3項)
前記過去の作業情報は、前記過去の現場の気象情報を含み、
前記現在の作業情報は、前記作業を行う現場の気象情報を含む、
第1項又は第2項に記載の情報処理装置。
(第4項)
前記現在の作業情報に含まれる、前記作業を行う現場の気象情報を取得する取得部を有する、第3項に記載の情報処理装置。
(第5項)
前記過去の作業情報は、前記過去の現場で発生した労災又はインシデントの対策に関する情報を含み、
前記出力部が出力する前記過去の事例の情報は、前記対策に関する情報を含む、
第1項~第4項のいずれかに記載の情報処理装置。
(第6項)
前記過去の作業情報は、前記過去の現場で発生した労災又はインシデントの原因に関する情報を含み、
前記出力部が出力する前記過去の事例の情報は、前記原因に関する情報を含む、
第1項~第4項のいずれかに記載の情報処理装置。
(第7項)
前記作業を行う現場における安全衛生活動の活動情報に基づいて、前記過去の作業情報を更新する更新部を有する、第1項~第4項のいずれかに記載の情報処理装置。
(第8項)
前記解析部は、任意の形式の前記活動情報を自然言語処理によって解析し、
前記更新部は、前記解析部が解析した情報を前記過去の作業情報としてデータベースに記録する、
第7項に記載の情報処理装置。
(第9項)
作業を行う現場の情報を含む現在の作業情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けた前記現在の作業情報を自然言語処理によって解析する解析部と、
労災又はインシデントが発生した過去の現場の情報を含む過去の作業情報と、前記解析部で解析された前記現在の作業情報との類似度を算出する算出部と、
前記算出部で算出された前記類似度に基づき、前記過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を出力する出力部と、
を有する、情報処理システム。
(第10項)
作業を行う現場の情報を含む現在の作業情報の入力を受け付ける受付処理と、
前記受付処理で受け付けた前記現在の作業情報を自然言語処理によって解析する解析処理と、
労災又はインシデントが発生した過去の現場の情報を含む過去の作業情報と、前記解析処理で解析された前記現在の作業情報との類似度を算出する算出処理と、
前記算出処理で算出された前記類似度に基づき、前記過去の作業情報に基づく過去の事例の情報を出力する出力処理と、
をコンピュータが実行する、情報処理方法。
(第11項)
第10項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させる、プログラム。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、及び応用が可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 情報処理システム
100 情報処理装置
101 端末装置
300 コンピュータ
502 受付部
503 取得部
504 解析部
505 算出部
506 出力部
508 更新部
510 DB(データベース)
511 過去事例DB(データベース)
512 活動結果DB(データベース)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【特許文献1】特開2015-103110号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12