(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134889
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】表示システム、表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/14 20060101AFI20240927BHJP
H04L 67/141 20220101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F3/14 360A
H04L67/141
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045320
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】猪上 綾乃
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 進
【テーマコード(参考)】
5B069
【Fターム(参考)】
5B069AA01
5B069BA04
5B069JA06
5B069JA07
5B069KA02
(57)【要約】
【課題】タッチパネル付きディスプレイを接続した際の操作性を向上させること。
【解決手段】タッチパネル付きディスプレイと情報処理装置とを含む表示システムにおいて、前記情報処理装置は、前記タッチパネル付きディスプレイとの接続を検知する検知部と、前記情報処理装置において起動された第1のアプリケーションが予め登録された特定のアプリケーションであるか否かを判定する判定部と、前記第1のアプリケーションが前記特定のアプリケーションであれば、前記第1のアプリケーションの画面データを、前記接続が検知されている前記タッチパネル付きディスプレイに送信する送信部と、前記タッチパネル付きディスプレイが前記画面データに基づいて表示する画面に対する操作位置を示す座標データを受信する受信部と、を有し、前記第1のアプリケーションは、前記座標データに応じた処理を前記情報処理装置に実行させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル付きディスプレイと情報処理装置とを含む表示システムであって、
前記情報処理装置は、
前記タッチパネル付きディスプレイとの接続を検知する検知部と、
前記情報処理装置において起動された第1のアプリケーションが予め登録された特定のアプリケーションであるか否かを判定する判定部と、
前記第1のアプリケーションが前記特定のアプリケーションであれば、前記第1のアプリケーションの画面データを、前記接続が検知されている前記タッチパネル付きディスプレイに送信する送信部と、
前記タッチパネル付きディスプレイが前記画面データに基づいて表示する画面に対する操作位置を示す座標データを受信する受信部と、
を有し、
前記第1のアプリケーションは、前記座標データに応じた処理を前記情報処理装置に実行させる、
ことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記特定のアプリケーションは、前記画面データを前記タッチパネル付きディスプレイに送信することが登録されているアプリケーションである、
ことを特徴とする請求項1記載の表示システム。
【請求項3】
前記検知部は、前記タッチパネル付きディスプレイとのUSBケーブルを介した接続を検知する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の表示システム。
【請求項4】
前記検知部は、前記タッチパネル付きディスプレイとの無線による接続を検知する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の表示システム。
【請求項5】
情報処理装置が、
タッチパネル付きディスプレイとの接続を検知する検知部手順と、
前記情報処理装置において起動された第1のアプリケーションが予め登録された特定のアプリケーションであるか否かを判定する判定手順と、
前記第1のアプリケーションが前記特定のアプリケーションであれば、前記第1のアプリケーションの画面データを、前記接続が検知されている前記タッチパネル付きディスプレイに送信する送信手順と、
前記タッチパネル付きディスプレイが前記画面データに基づいて表示する画面に対する操作位置を示す座標データを受信する受信手順と、
を実行し、
前記第1のアプリケーションは、前記座標データに応じた処理を前記情報処理装置に実行させる、
ことを特徴とする表示方法。
【請求項6】
情報処理装置に、
タッチパネル付きディスプレイとの接続を検知する検知部手順と、
前記情報処理装置において起動された第1のアプリケーションが予め登録された特定のアプリケーションであるか否かを判定する判定手順と、
前記第1のアプリケーションが前記特定のアプリケーションであれば、前記第1のアプリケーションの画面データを、前記接続が検知されている前記タッチパネル付きディスプレイに送信する送信手順と、
前記タッチパネル付きディスプレイが前記画面データに基づいて表示する画面に対する操作位置を示す座標データを受信する受信手順と、
を実行させ、
前記第1のアプリケーションは、前記座標データに応じた処理を前記情報処理装置に実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルのないPCなどの端末を使って会議を行いながら、仮想的なホワイトボードを共有可能とするアプリケーション(以下、「ホワイトボードアプリケーション」という。)を使用する場合がある。この際、ホワイトボードへの描きこみは、マウス操作で行う必要が有り、描きこみがしづらいという課題がある。
【0003】
引用文献1には、携帯端末と同期して、携帯端末への入力の補助、及び携帯端末の画像表示機能の拡張を可能とすることを目的とする技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した会議等の状況において、タッチパネルのないPCなどの端末に対してタッチパネル付きのディスプレイを接続し、ホワイトボードアプリケーションを当該モニタに表示すれば、タッチペン等によって直感的に描画を行うことができる。
【0005】
しかし、ユーザは、ホワイトボードアプリケーションを外部のモニタに表示させるための操作をしなければならず、この操作が煩雑であるという問題が有る。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、タッチパネル付きディスプレイを接続した際の操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、タッチパネル付きディスプレイと情報処理装置とを含む表示システムにおいて、前記情報処理装置は、前記タッチパネル付きディスプレイとの接続を検知する検知部と、前記情報処理装置において起動された第1のアプリケーションが予め登録された特定のアプリケーションであるか否かを判定する判定部と、前記第1のアプリケーションが前記特定のアプリケーションであれば、前記第1のアプリケーションの画面データを、前記接続が検知されている前記タッチパネル付きディスプレイに送信する送信部と、前記タッチパネル付きディスプレイが前記画面データに基づいて表示する画面に対する操作位置を示す座標データを受信する受信部と、を有し、前記第1のアプリケーションは、前記座標データに応じた処理を前記情報処理装置に実行させる。
【発明の効果】
【0008】
タッチパネル付きディスプレイを接続した際の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態におけるシステム構成例を示す図である。
【
図2】第1の実施の形態における会議サーバ1の機能構成例を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態におけるノートPC2のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】第1の実施の形態におけるノートPC2の機能構成例を示す図である。
【
図5】第1の実施の形態におけるタッチディスプレイ3の外観を示す図である。
【
図6】第1の実施の形態におけるタッチディスプレイ3のハードウェア構成例を示す図である。
【
図7】第1の実施の形態におけるタッチディスプレイ3の機能構成例を示す図である。
【
図8】表示用メモリ領域における表示データの仮想的な重なりを説明するための図である。
【
図9】第1の実施の形態において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図10】第2の実施の形態におけるシステム構成例を示す図である。
【
図11】第2の実施の形態において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図12】第3の実施の形態において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図13】第4の実施の形態において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図14】第5の実施の形態におけるノートPC2の機能構成例を示す図である。
【
図15】第5の実施の形態におけるタッチディスプレイ3の機能構成例を示す図である。
【
図16】第5の実施の形態においてノートPC2がタッチディスプレイ3に無線通信接続する手順を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態におけるシステム構成例を示す図である。
【0011】
図1において、拠点Aは、或る企業(以下、「企業X」という。)における或る会議室である。拠点Aは、無線LANアクセスポイント4-A、ノートPC2-A及びタッチディスプレイ3-A、並びにノートPC2-B及びタッチディスプレイ3-B等を含む。無線LANアクセスポイント4-Aは、ネットワーク8を介して会議サーバ1に接続する。ノートPC2-A及びノートPC2-Bは、無線LANアクセスポイント4-A経由で会議サーバ1に接続する。なお、ノートPC2-A及びノートPC2-Bを区別しない場合、「ノートPC2」という。タッチディスプレイ3-A及びタッチディスプレイ3-Bを区別しない場合、「タッチディスプレイ3」という。タッチディスプレイ3はUSBケーブルを介してノートPC2に接続する。
【0012】
ノートPC2及びタッチディスプレイ3は、拠点A内における対面での会議(以下、単に「会議」という。)の参加者によって利用される表示システムを構成する。
【0013】
ノートPC2は、ユーザによる操作に応じ、会議で使用される各種のアプリケーションを起動する情報処理装置である。本実施の形態において、ノートPC2にはホワイトボードアプリケーションがインストールされている。ホワイトボードアプリケーションとは、会議サーバ1を介して複数の端末(ノートPC2)の間で手書き情報などを書き込むことができる仮想的なホワイトボードを共有可能とするアプリケーションをいう。
【0014】
タッチディスプレイ3は、タッチパネル付きディスプレイの一例であり、ノートPC2において起動されるアプリケーションのうちの特定のアプリケーションの画面の表示及び操作に用いられる。本実施の形態において、ホワイトボードアプリケーションが特定のアプリケーションの一例である。
【0015】
会議サーバ1は、会議の制御を実行するコンピュータである。例えば、PC-AT(The Personal Computer for Advanced Technologies)アーキテクチャのコンピュータが会議サーバ1として用いられてもよい。
【0016】
図2は、第1の実施の形態における会議サーバ1の機能構成例を示す図である。
図2が示すように、会議サーバ1は、ネットワーク通信部10、会議制御部11、会議参加機器管理部12、ユーザ認証部13及び会議予約部15等を有する。これら各部は、会議サーバ1にインストールされた1以上のプログラムが、会議サーバ1のCPUに実行させる処理により実現される。会議サーバ1は、また、ユーザデータ記憶部14及び会議データ記憶部16を利用する。これら各記憶部は、例えば、会議サーバ1の補助記憶装置、又は会議サーバ1にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0017】
ネットワーク通信部10は、WebRTC(Web Real-Time Communication)を使用して各ノートPC2とデータの送受信を行ったり、HTTPSを使用して、各ノートPC2のユーザの認証を行うためのデータの送受信を行ったりする。
【0018】
会議制御部11は、会議参加者と、会議への接続を許可する機器を会議の識別情報(会議ID)と対応付けて会議データ記憶部16に記録したり、会議ID毎に、会議参加者の端末及び会議への接続を許可する機器との間で会議を実行したりする。会議制御部11は、また、会議に接続する機器から受信する音声データや動画像データを録画データとして、また描画データなどをホワイトボード操作データとして会議データ記憶部16に記録する。
【0019】
会議参加機器管理部12は、ユーザ認証された会議参加者の端末の情報、及び接続を許可する機器の情報を管理する。
【0020】
ユーザ認証部13は、ネットワーク通信部10を介して受信するユーザ名及びパスワードとユーザデータ記憶部14に記憶されたユーザ名及びパスワードとを照合して、会議に参加するユーザを認証する。
【0021】
会議予約部15は、会議IDと対応付けられた会議の開催日時、会議参加者の情報及び接続を許可する機器の情報を会議予約情報として会議データ記憶部16に記憶する。
【0022】
図3は、第1の実施の形態におけるノートPC2のハードウェア構成例を示す図である。
図3が示すように、ノートPC2は、CPU20、メインメモリ21、ROM22、ハードディスク23、HDコントローラ24、無線LANコントローラ25、アンテナ26、USBコントローラ27、USB端子28、表示コントローラ29、LCD30、イーサネットコントローラ31及びイーサネットI/F32を有する。
【0023】
CPU20は、ROM22に記憶された制御処理プログラム、ハードディスク23からメインメモリ21に読み出されたOS(Operating System)、及び各種のアプリケーションプログラムに基づく処理を実行する。メインメモリ21は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)であり、CPU20のワークエリア等で使用される。ROM22は、電源オン時のシステム立ち上げや各種デバイスの制御を行うためのプログラムを予め記憶する。HDコントローラ24は、ハードディスク23とのインタフェースとして例えばMicro SATA(Serial Advanced Technology Attachment)インタフェースを持ち、ハードディスク23との間で高速データ転送を行う。ハードディスク23は、システムソフトウェア、各種のアプリケーションプログラム、ユーザが保存するデータ等を記憶する。
【0024】
無線LANコントローラ25は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11ax規格に準拠した通信プロトコルに基づいて、アンテナ26を介した電波の送受信により他の機器との通信を制御する。USBコントローラ27は、USB(Universal Serial Bus) Type C(以降、USB-Cと記載)の端子(レセプタクル)であるUSB端子28を介してUSBケーブルで接続された他の機器との通信を制御する。表示コントローラ29は、文字データやグラフィックデータ等のデータをLCD(Liquid Crystal Display)30に表示するための制御を行う。イーサネットコントローラ31は、IEEE802.3規格に準拠した通信プロトコルに基づいて、イーサネットI/F32を介してイーサネットに接続された他の機器との通信を制御する。
【0025】
図4は、第1の実施の形態におけるノートPC2の機能構成例を示す図である。
図4が示すように、ノートPC2は、通信制御部40、遠隔会議制御部41、ホワイトボード制御部42、ウィンドウ制御部43、表示制御部44、USB-C接続検知部45、USB-C映像出力部46及びタッチ座標データ入力部47を有する。これら各部は、ノートPC2にインストールされた1以上のプログラムがCPU20に実行させる処理により実現される。
【0026】
通信制御部40は、TCP/IP、RTCP(RTP Control Protocol)、HTTP等の通信プロトコルや、IEEE802.11ax規格に準拠した無線通信の通信プロトコルに基づく通信を制御する。
【0027】
遠隔会議制御部41は、会議サーバ1を介して他のノートPC2と音声データやビデオデータを送受信したり、会議アプリケーションを実行したりする。
【0028】
ホワイトボード制御部42は、会議サーバ1を介して他のノートPC2と手書きデータや、仮想的なホワイトボードに表示するコンテンツデータ(文書や写真)を送受信する。
【0029】
ウィンドウ制御部43は、アプリケーション毎に管理された表示用メモリ領域のデータからウィンドウサイズに該当する領域を切り出して、デスクトップの表示データに当該領域を上書きする。ウィンドウ制御部43は、また、ウィンドウの位置やサイズの変更操作に合わせてデスクトップの表示データへの上書き処理を行い、デスクトップの表示を更新する。ウィンドウ制御部43は、更に、ノートPC2において起動されたアプリケーションが予め登録された特定のアプリケーション(本実施の形態ではホワイトボードアプリケーション)であるか否かを判定する判定部を含む。ノートPC2において起動されたアプリケーションが予め登録された特定のアプリケーション(ホワイトボードアプリケーション)であれば、ウィンドウ制御部43は、当該アプリケーションの表示用メモリのデータをタッチディスプレイ3に送信するために、当該データをUSB-C映像出力部46へ伝達する。
【0030】
表示制御部44は、デスクトップの表示用メモリ領域のデータを定期的にLCD30に表示させる。
【0031】
USB-C接続検知部45は、USB-CケーブルがUSB端子28に接続されたことを検知する。USB-C接続検知部45は、タッチディスプレイ3との接続を検知する検知部を含む。
【0032】
USB-C映像出力部46は、ノートPC2において起動されたアプリケーションが予め登録された特定のアプリケーションであれば、当該アプリケーションの表示用メモリのデータ(すなわち、画面データ)を、USB-C接続検知部45によって接続が検知されているタッチディスプレイ3へDisplayPort Alt Modeで送信する送信部を含む。
【0033】
タッチ座標データ入力部47は、タッチディスプレイ3が画面データに基づいて表示する画面に対する操作位置を示す座標データ(タッチ座標データ)をUSB-Cケーブルを介して受信する受信部を含む。
【0034】
タッチディスプレイ3は、タッチパネルを備えた入出力装置(タッチパネル付きディスプレイ)である。
図5に、タッチディスプレイ3の外観を示す。
【0035】
図6は、第1の実施の形態におけるタッチディスプレイ3のハードウェア構成例を示す図である。
図6が示すように、タッチディスプレイ3は、OLEDディスプレイ50、表示コントローラ51、タッチセンサ52、タッチパネルインタフェース53、CPU54、RAM55、ROM56、無線コントローラ57、USBコントローラ58及びUSB端子59を有する。
【0036】
表示コントローラ51は、USBコントローラ58から入力されるビデオデータをOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ50に表示するための制御を行う。
【0037】
タッチセンサ52は、静電容量方式によって、タッチされた座標信号を出力する。タッチパネルインタフェース53は、入力された座標信号を座標データに変換する。
【0038】
RAM55は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)であり、CPU54のワークエリアとして使用される。ROM56は不揮発なメモリであり、CPU54に処理を実行させる制御プログラムを記憶する。
【0039】
無線コントローラ57は、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信を制御する。
【0040】
USBコントローラ58は、USB端子59に接続されたUSB-Cケーブルを介してノートPC2との間でUSB通信を実行する。
【0041】
図7は、第1の実施の形態におけるタッチディスプレイ3の機能構成例を示す図である。
図7が示すように、タッチディスプレイ3は、タッチ位置検知部60、座標送信部61、表示制御部62及びUSB-C映像入力部63を有する。これら各部は、タッチディスプレイ3にインストールされた1以上のプログラムが、CPU54に実行させる処理により実現される。
【0042】
タッチ位置検知部60は、タッチセンサ52からの座標信号により、タッチパネル上のタッチ位置(座標)を検知する。
【0043】
座標送信部61は、タッチ位置検知部60が検知した座標を示す座標データをノートPC2へ送信する。
【0044】
表示制御部62は、USB-C映像入力部63より受信した画像データをOLEDディスプレイ50の縦横比率に変換して表示する。
【0045】
USB-C映像入力部63は、ノートPC2からDisplayPort Alt Modeで送信された画像データを入力する。
【0046】
次に、ユーザが、ホワイトボードアプリケーション以外のアプリケーション(以下、「他のアプリケーション」という。)とホワイトボードアプリケーションとの起動をノートPC2に指示した際のノートPC2の動作について説明する。
【0047】
タッチディスプレイ3がノートPC2に接続していない状態において、ユーザの指示に応じてノートPC2が他のアプリケーションを起動すると、LCD30が他のアプリケーションの画面を表示する。続いて、ユーザの指示に応じてノートPC2がホワイトボードアプリケーションを起動すると、LCD30がホワイトボードアプリケーションの画面を表示する。
【0048】
ノートPC2のCPU20は、LCD30の表示用メモリ領域に、OS(オペレーティングシステム)起動時にデスクトップ画面の表示データをコピーして、次に他のアプリケーションの表示データをコピーして、続いてホワイトボードアプリケーションの表示データをコピーする。LCD30の表示用メモリ領域では、
図8に示すように、下層から順に、デスクトップ画面の表示レイヤ(表示データ)、他のアプリケーションの表示レイヤ(表示データ)、ホワイトボードアプリケーションの表示レイヤ(表示データ)が仮想的に重なっている。
【0049】
ここで、ユーザがタッチディスプレイ3をノートPC2にUSB-Cケーブルで接続すると、ノートPC2のUSB-C接続検知部45がこの接続を検知して、タッチディスプレイ3からデバイス情報を受信する。USB-C接続検知部45は、当該デバイス情報に基づいて接続相手が事前にノートPC2に登録されているタッチディスプレイ3であると判断すると、タッチディスプレイ3が接続されたことをウィンドウ制御部43へ通知する。ウィンドウ制御部43はUSB-C接続検知部45からの通知を受信すると、外部出力する(画面データをタッチディスプレイ3に送信する)(特定のアプリケーションとして事前にノートPC2に登録(設定)されているアプリケーションの表示データをUSB-C映像出力部46へ伝達する。本実施の形態では、ホワイトボードアプリケーションが当該アプリケーションに該当する。したがって、ウィンドウ制御部43はホワイトボードアプリケーションの表示データをUSB-C映像出力部46へ伝達する。USB-C映像出力部46は、当該表示データをDisplayPort Alt Modeでタッチディスプレイ3へ送信する。ウィンドウ制御部43は、ホワイトボードアプリケーションの表示データを全て送信すると、ホワイトボードアプリケーションの表示レイヤをLCD30の表示用メモリ領域から削除するための処理を実行する。具体的には、ウィンドウ制御部43は、下層の表示レイヤのアプリケーションである他のアプリケーションが管理している表示用メモリ領域のデータをLCD30の表示用メモリ領域へコピーすることで、LCD30の表示用メモリ領域を他のアプリケーションが管理している表示用メモリ領域のデータによって上書きする。これにより、ノートPC2のLCD30には他のアプリケーションの表示データが表示され、タッチディスプレイ3にはホワイトボードアプリケーションの表示データが表示される。
【0050】
以下、第1の実施の形態において実行される処理手順について説明する。
図9は、第1の実施の形態において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0051】
ユーザがノートPC2-Aとタッチディスプレイ3-Aを用いてホワイトボードアプリケーションを用いた会議に参加しようとしている。ノートPC2-Aのディスプレイはタッチパネル未搭載であり、この会議ではノートPC2-Aにインストール済みのホワイトボードアプリケーションを使用して、会議の各参加者は自らのノートPCでホワイトボードに描きこみをしながら議論する。ホワイトボードアプリケーションは他のノートPC2と共有可能なホワイトボードを閲覧及び編集するアプリケーションである。
【0052】
ステップS101において、ユーザは、タッチディスプレイ3-AのUSB端子59にUSB-Cケーブルを接続する。続いて、ユーザは、タッチディスプレイ3-Aに接続したケーブルと反対側のコネクタをノートPC2-AのUSB端子28に接続する(S102)。ノードPC2-AのUSB-C接続検知部45が当該ケーブルの接続を検知すると、ノートPC2-Aは、当該ケーブルを介してタッチディスプレイ3-Aに電源を供給する(S103)。電源供給後、ノートPC2-Aは、タッチディスプレイ3-Aにバスリセットを行い、接続可能状態とする(S104)。続いて、ノートPC2-Aは、タッチディスプレイ3のアドレスを生成して、当該アドレスをSetAddressリクエストに入れてタッチディスプレイ3へ送信する。つまり、当該アドレスがタッチディスプレイ3に対して割り当てられる。アドレスの割り当てが完了すると、ノートPC2-Aは、タッチディスプレイ3-AにGet Descriptorリクエストを送信し、デバイス(タッチディスプレイ3-A)の情報を要求する(S106)。タッチディスプレイ3-Aは、当該要求に応じ、ノートPC2-Aにタッチディスプレイ3-Aのデバイス情報(デバイスの機種コード)を含むメッセージを送信する(S107)。ノートPC2-Aは、デバイス情報を受け取ると、メインメモリ21に当該デバイス情報を記憶する(S108)。続いて、ノートPC2-Aは、タッチディスプレイ3-AにSet Configurationリクエストを送信することで(S109)、USBデバイス(タッチディスプレイ3)がノートPC2-Aから使用可能(ノートPC2-Aと接続可能)な状態となる。
【0053】
USBデバイス(タッチディスプレイ3)が使用可能な状態となったら、ユーザによる指示に応じ、ノートPC2-Aは、インストール済みのホワイトボードアプリケーションを起動する(S110)。ホワイトボードアプリケーションが起動されると、ノートPC2-Aのウィンドウ制御部43は、ノートPC2-AのLCD30にホワイトボードアプリケーションを表示する(S111)。また、ノートPC2-Aのウィンドウ制御部43は、ホワイトボードアプリケーション起動時の処理として、ノートPC2-Aに接続済みディスプレイがあるかどうか、また、そのディスプレイがタッチディスプレイであるか否かを、先にメインメモリ21に記憶したタッチディスプレイ3-Aの機種コードから判断する。なお、タッチディスプレイ3-Aの機種コードは、設定操作により予めハードディスク23に登録される。ウィンドウ制御部43は、更に、ホワイトボードアプリケーションが画面データを外部出力する特定のアプリケーションとして予め登録されているか否かを判定する。タッチディスプレイ3-Aから受信した機種コードが予め登録された機種コードであり、ホワイトボードアプリケーションが特定のアプリケーションである場合、ノートPC2-AのUSB-C映像出力部46は、ホワイトボードアプリケーションの画面データをタッチディスプレイ3-Aに送信する(S112)。続いて、ノートPC2-Aのウィンドウ制御部43は、ホワイトボードアプリケーションの表示レイヤを削除することで、デスクトップ画面をLCD30に表示させる(S113)。タッチディスプレイ3-AのUSB-C映像入力部63がホワイトボードアプリケーションの画面データを受信すると、表示制御部62は、当該画面データに基づく画面をOLEDディスプレイ50に表示する(S114)。
【0054】
OLEDディスプレイ50に表示されたホワイトボードアプリケーションのメニューボタンである「共有ホワイトボード接続」ボタンに対するユーザによるタッチ(押下)に応じ(S115)、タッチディスプレイ3-Aのタッチ位置検知部60がタッチ位置を検知すると、タッチディスプレイ3-Aの座標送信部61は、当該タッチ位置を示す座標データをノートPC2-Aへ送信する(S116)。ノートPC2-Aのタッチ座標データ入力部47が当該座標データを受信し、ホワイトボード制御部42が、ホワイトボードアプリケーションの表示データ記憶領域におけるこの座標位置が「共有ホワイトボード接続」ボタンの位置であると判断すると、ノートPC2-Aのホワイトボードアプリケーションは会議サーバ1にホワイトボード接続要求を送信する(S117)。会議サーバ1の会議制御部11は当該要求に応じ、ホワイトボード接続処理を実行する(S118)。ホワイトボード接続処理が完了すると、会議制御部11は、ホワイトボード接続完了通知をノートPC2-Aへ送信する(S119)。ノートPC2-Aのホワイトボードアプリケーションが会議サーバ1からホワイトボード接続完了通知を受け取ると、ノートPC2-Aと他のノートPC2とはホワイトボードを共有可能な状態となる。他のノートPC2のユーザも上記と同様の操作を行うことで、会議の参加者である各ユーザが同じホワイトボードを利用できる状態となる。
【0055】
上述したように、第1の実施の形態によれば、ノートPC2にUSBケーブルを接続するだけで、手書き描画が必要なホワイトボードのような特定のアプリケーション(ホワイトボードアプリケーション)の画面をタッチディスプレイ3に表示できる。その結果、画面表示をタッチディスプレイ3に切り替えるための操作が不要となる。したがって、タッチパネル付きディスプレイを接続した際の操作性を向上させることができる。また、ユーザの操作負担が軽減することで、会議の生産性を向上することができる。
【0056】
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
【0057】
図10は、第2の実施の形態におけるシステム構成例を示す図である。
図10中、
図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は適宜省略する。
【0058】
図10において、無線LANアクセスポイント4-B、ノートPC2-B及びタッチディスプレイ3-Bは、拠点Bに属する。無線LANアクセスポイント4-Bは、ネットワーク8を介して会議サーバ1に接続する。ノートPC2-Bは、無線LANアクセスポイント4-B経由で会議サーバ1に接続する。
【0059】
拠点Bは、拠点Aとは別の会議室(例えば、拠点Aとは別のビル内の会議室)である。第2の実施の形態において、ノートPC2及びタッチディスプレイ3は、拠点Aと拠点Bとの間のリモート会議(以下、単に「会議」という。)の参加者によって利用される。
【0060】
図11は、第2の実施の形態において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図11中、
図9と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は適宜省略する。
【0061】
ユーザがノートPC2-Aとタッチディスプレイ3-Aを用いてホワイトボードアプリケーションを用いた遠隔会議に参加しようとしている。ノートPC2-Aのディスプレイはタッチパネル未搭載であり、この会議では、各参加者は、ノートPC2にインストール済みのホワイトボードアプリケーション及び通話に使用する会議アプリケーションを使用して各拠点から参加する。ホワイトボードアプリケーションは他のPCと共有可能なホワイトボードを閲覧・編集するアプリケーションである。
【0062】
ユーザがUSB-Cケーブルをタッチディスプレイ3-AのUSB端子59とノートPC2-AのUSB端子28に接続して、ノートPC2-Aのホワイトボードアプリケーションを起動すると、第1の実施の形態と同様な処理が実行されて、タッチディスプレイ3-Aにホワイトボードアプリケーションの画面が表示され、ノートPC2-Aにデスクトップ画面が表示される(S101~S119)。
【0063】
この状態で、ユーザによる指示に応じ、ノートPC2-Aが会議アプリケーションを起動すると(S120)、ノートPC2-Aのウィンドウ制御部43は、会議アプリケーションが、画面データを外部出力するアプリケーションとして事前にノートPC2-Aに設定されているアプリケーションではないと判定し、LCD30に会議アプリケーションを表示する(S121)。ユーザが会議アプリケーションの「会議開始」ボタンを選択すると、ノートPC2-Aは会議サーバ1と接続して、拠点BのノートPC2-Bのユーザと通話しながらホワイトボードで描きこみを共有して会議を行うことができる状態となる。
【0064】
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では第2の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については第2の実施の形態と同様でもよい。
【0065】
図12は、第3の実施の形態において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図12中、
図11と同一又は対応するステップには同一ステップ番号を付し、その説明は適宜省略する。
【0066】
ユーザがノートPC2-Aとタッチディスプレイ3-Aを用いて遠隔会議に参加しようとしている。ノートPC2-Aのディスプレイはタッチパネル未搭載であり、この会議では、ユーザは、ノートPC2-Aにインストール済みの共有ホワイトボードの表示及び編集と通話が可能な複合型の多機能会議アプリケーションを使用する。つまり、複合型の多機能会議アプリケーションは、通話が可能な点において、第1の実施の形態及び第2の実施の形態におけるホワイトボードアプリケーションと異なる。
【0067】
ユーザによる指示に応じ、ノートPC2-Aは、インストール済みの多機能会議アプリケーションを起動する(S201)。多機能会議アプリケーションが起動されると、ノートPC2-Aのウィンドウ制御部43は、ノートPC2-AのLCD30に多機能会議アプリケーションを表示する(S202)。
【0068】
続いて、ユーザが多機能会議アプリケーションの会議参加ボタンを押下すると、ノートPC2-Aの多機能会議アプリケーションは会議参加処理を開始する(S203)。まず、多機能会議アプリケーションは、会議サーバ1に会議参加要求を送信する(S204)。会議サーバ1の会議参加機器管理部12は会議参加要求を受け取ると、会議参加処理を実行する(S205)。会議参加処理が完了すると、会議参加機器管理部12は、ノートPC2-Aの多機能会議アプリケーションに会議参加完了通知を送信する(S206)。ノートPC2-Aの多機能会議アプリケーションは、会議サーバ1からの会議参加完了通知を受け取ると、会議画面を表示する(S207)。これをもって会議参加完了状態となり、遠隔地と通話可能な状態となる。他拠点のユーザも上記と同様の操作を行うことで、ユーザ同士の通話が可能な状態となる。
【0069】
多機能会議アプリケーションの「共有ホワイトボード表示」ボタンに対するユーザによる押下に応じ(S208)、ノートPC2-Aの多機能会議アプリケーションは、会議サーバ1に共有ホワイトボード接続要求を送信する(S209)。会議サーバ1の会議制御部11は当該要求に応じ、共有ホワイトボード接続処理を実行する(S210)。共有ホワイトボード接続処理が完了すると、会議制御部11は、ノートPC2-Aに共有ホワイトボード接続完了通知を送信する(S211)。ノートPC2-Aの多機能会議アプリケーションは、会議サーバ1からのホワイトボード接続完了通知を受け取ると、ホワイトボード画面を表示する(S212)。その結果、ノートPC2-Aは、他拠点にあるノートPC2とホワイトボードを共有できる状態となる。他拠点のユーザも上記と同様の操作を行うことで、各地点のユーザも同じホワイトボードを共有できる状態となる。
【0070】
ユーザがホワイトボードに手書き描画を行うために、USB-Cケーブルをタッチディスプレイ3-AのUSB端子59とノートPC2-AのUSB端子28とに接続すると、第1の実施の形態又は第2の実施の形態と同様の処理が実行されて、ノートPC2-Aはタッチディスプレイ3-Aから機種コードを受信する(S101~S109)。当該機種コードが、ホワイトボードの画面の送信先として予めノートPC2-Aに登録された機種コードと同じであり、ウィンドウ制御部43が多機能会議アプリケーションについて画面データを外部出力する特定のアプリケーションとして予め登録されていると判定した場合、USB-C映像出力部46はホワイトボードの画面データをタッチディスプレイ3-Aに送信する(S221)。そして、ノートPC2-Aのウィンドウ制御部43は、ホワイトボードの表示レイヤを削除することで、多機能会議アプリケーションの画面(ホワイトボードを表示する前の画面)をLCD30に表示させる。タッチディスプレイ3-AのUSB-C映像入力部63がホワイトボードの画面データを受信すると、表示制御部62は、当該画面データに基づく画面をOLEDディスプレイ50に表示する。
【0071】
これによって、ユーザは、タッチディスプレイ3-Aに表示されたホワイトボードに手書き描画しながら遠隔会議を実行することが可能になる。
【0072】
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では上記各実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、上記各実施の形態と同様でもよい。
【0073】
図13は、第4の実施の形態において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0074】
第4の実施の形態の多機能会議アプリケーションは、第3の実施の形態で示した多機能会議アプリケーションに対して、画面共有機能が追加されている。画面共有機能は、ノートPC2-Aの表示画面を他のノートPC2-Bへ送信して、ノートPC2-Bも当該ノートPC2-Aと同じ表示画面を表示する機能である。この機能を使用して、遠隔会議に参加している全てのノートPC2に、ノートPC2-Aと同じ文書(会議資料)を表示させることができる。
【0075】
ノートPC2-Aとタッチディスプレイ3-Aを使用して遠隔会議を行う場合、会議資料を共有する画面は常にノートPC2-Aに表示して、その他の画面はタッチディスプレイ3-Aに表示させる。ノートPC2-Aに常に表示させるアプリケーションや機能はノートPC2-Aに登録しておく。例えば、多機能会議アプリケーションの画面共有機能の画面は常にノートPC2-Aに表示させる設定にする。そのために、例えば、会議前において、多機能会議アプリケーションの起動後に(S201、S202)、ステップS301及びS302が実行される。
【0076】
ステップS301において、ユーザが、多機能会議アプリケーションの設定画面を介して、多機能会議アプリケーションの画面共有機能の画面を常にノートPC2-Aに表示させるための入力を行うと、多機能会議アプリケーションは、多機能会議アプリケーションの画面共有機能の画面は常にノートPC2-Aに表示させるための設定を行う(S302)。すなわち、多機能会議アプリケーションの画面共有機能が、ノートPC2-Aに常に表示させるアプリケーションや機能としてノートPC2-Aに登録される。このような登録が行われた情報を、以下「設定情報」という。
【0077】
続いて、ユーザがUSB-Cケーブルをタッチディスプレイ3-AのUSB端子59とノートPC2-AのUSB端子28に接続すると、ステップS101~S109が実行される。
【0078】
続いて、ユーザが多機能会議アプリケーションの会議参加ボタンを押下すると、第3の実施の形態と同様に、ノートPC2-Aの多機能会議アプリケーションは会議サーバ1に接続して他拠点のユーザ間で通話が可能な状態となる(S203~S207)。
【0079】
続いて、ユーザが多機能会議アプリケーションの「画面共有」ボタンを押下すると(S311)、ノートPC2-Aの遠隔会議制御部41は、ノートPC2-Aに表示している画面データを会議サーバ1を介して他拠点のノートPC2(例えば、ノートPC2-B)に送信する(S312、S313)。ノートPC2-Bは、受信した画面データをLCD30に表示する。続いて、ユーザによる指示に応じ(S314)、ノートPC2-Aが会議資料を表示すると(S315)、遠隔会議制御部41は、当該画面データを会議サーバ1を介してノートPC2-Bに送信する(S316、S317)。その結果、ノートPC2-Bにもこの会議資料が表示される。
【0080】
ここで、ノートPC2-Aは、会議資料に関連した情報をインターネットから得ようとするユーザによる指示に応じWebブラウザを起動する(S318)。ノートPC2-Aのウィンドウ制御部43は、設定情報を参照して、Webブラウザは常にノートPC2-Aに表示させる画面ではないと判断する。つまり、本実施の形態において、Webブラウザは、画面データを外部出力するアプリケーションとして事前にノートPC2-Aに登録されているアプリケーションに該当する。そこで、ウィンドウ制御部43がWebブラウザの表示データをUSB-C映像出力部46へ入力する。USB-C映像出力部46は、当該表示データをタッチディスプレイ3-Aに送信する(S319)。タッチディスプレイ3-AのUSB-C映像入力部63が当該表示データを受信すると、タッチディスプレイ3-Aの表示制御部62は、当該表示データに基づいてWebブラウザの画面をOLEDディスプレイ50に表示する。この時、ウィンドウ制御部43はWebブラウザの表示データをLCD30の表示用メモリ領域にコピーしない。
【0081】
このようにして、画面共有機能がオフになるまで、多機能会議アプリケーションの他の機能の画面や、他のアプリケーションの画面はタッチディスプレイ3-Aに表示される。
【0082】
上述したように、第4の実施の形態によれば、会議資料は常にノートPC2に表示され、その他の画面データはタッチディスプレイ3に表示されるため、Webブラウザを使用した検索を行う場合、その画面表示をタッチディスプレイ3に切り替える操作が不要となり、遠隔会議の生産性が向上させることができる。
【0083】
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態では上記各実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、上記各実施の形態と同様でもよい。
【0084】
上記の各実施形態ではノートPC2-Aとタッチディスプレイ3-AとがUSB-Cケーブルで接続されるが、第5の実施の形態では無線LANで接続される例について説明する。
【0085】
図14は、第5の実施の形態におけるノートPC2の機能構成例を示す図である。
図14中、
図4と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0086】
図14において、ノートPC2は、USB-C接続検知部45を有さない。一方、ノートPC2は、USB-C映像出力部46の代わりに無線映像出力部48を有する。無線映像出力部48は、ノートPC2にインストールされた1以上のプログラムがCPU20に実行させる処理により実現される。
【0087】
無線映像出力部48は、Miracast(登録商標)の仕様に従って、表示デバイス(タッチディスプレイ3)に映像データを送信する。
【0088】
また、通信制御部40は、無線LANとしてインフラストラクチャーモードとアドホックモード(例えば、Wi-Fi(登録商標)ダイレクト)とを使用可能である。
【0089】
図15は、第5の実施の形態におけるタッチディスプレイ3の機能構成例を示す図である。
図15中、
図7と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0090】
図15において、タッチディスプレイ3は、無線LAN通信制御部64を更に有する。タッチディスプレイ3は、また、USB-C映像入力部63の代わりに無線映像入力部65を有する。無線LAN通信制御部64及び無線映像入力部65は、タッチディスプレイ3にインストールされた1以上のプログラムが、CPU54に実行させる処理により実現される。
【0091】
無線LAN通信制御部64は、Wi-Fi(登録商標)ダイレクトの通信制御を行う。
【0092】
無線映像入力部65は、Miracast(登録商標)の仕様に従って、ノートPC2から映像データを受信する。
【0093】
図16は、第5の実施の形態においてノートPC2がタッチディスプレイ3に無線通信接続する手順を説明するためのシーケンス図である。
図16では、ノートPC2-Aがタッチディスプレイ3-AにWi-Fi(登録商標)ダイレクトで接続する手順について説明する。
【0094】
ノートPC2-Aの通信制御部40は、Probe要求フレームを定期的に送信して、その応答(Probe応答フレーム)の有無をチェックする(S401)。タッチディスプレイ3-Aの無線LAN通信制御部64は、Probe要求フレームを受信すると、Probe応答フレームを送信する(S402)。
【0095】
ノートPC2-Aの通信制御部40は、Probe応答フレームを受信すると、ディスプレイサービスのサービス名を含めたサービスディスカバリ要求フレームを送信する(S403)。タッチディスプレイ3-Aの無線LAN通信制御部64は、当該フレームを受信すると、ディスプレイサービスのサービス名とタッチパネルを搭載していることを示す情報(当該情報はサービス情報フィールドに格納される。)を含めたサービスディスカバリ応答フレームを送信する(S404)。
【0096】
続いて、ノートPC2-Aの通信制御部40とタッチディスプレイ3-Aの無線LAN通信制御部64とは、コネクションを確立して、ディスプレイサービス(Miracast(登録商標))のセッションを確立する(S405)。
【0097】
ノートPC2-Aの通信制御部40は、ディスプレイサービスのセッションを確立すると(すなわち、タッチディスプレイ3-Aとの接続を検知すると)、タッチディスプレイ3-Aが接続されたことをウィンドウ制御部43へ通知する。
【0098】
ユーザによる指示に応じ、ノートPC2-Aがホワイトボードアプリケーションを起動すると、ウィンドウ制御部43は、ホワイトボードアプリケーションの表示データを無線映像出力部48へ伝達する。無線映像出力部48は、当該表示データをディスプレイサービスのセッションを使用してタッチディスプレイ3-Aへ送信する。タッチディスプレイ3-Aの無線映像入力部65が当該表示データを受信すると、表示制御部62は当該表示データに基づいてホワイトボードアプリケーションの画面をOLEDディスプレイ50に表示する。この時、ウィンドウ制御部43は、ホワイトボードアプリケーションを管理しているメモリ領域に記憶されている表示データ(ホワイトボードアプリケーションの表示データ)をLCD30の表示用メモリ領域にコピーしない。
【0099】
なお、ノートPC2-AはWi-Fi(登録商標)ダイレクト機能をオン/オフするボタンを表示して、ユーザがこのボタンを選択してWi-Fi(登録商標)ダイレクト機能がオンになった場合に上記の動作を実行するようにしてもよい。
【0100】
また、ディスプレイサービス(Miracast)のセッション確立がデータの入出力の割り当てに該当し、ノートPC2-Aでは通信制御部40がタッチディスプレイ3-Aとのデータの入出力を割り当て、タッチディスプレイ3-Aでは無線LAN通信制御部80がノートPC2-Aとのデータの入出力を割り当てる。
【0101】
上述したように、第5の実施の形態によれば、無線通信を利用して第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0102】
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0103】
なお、上記各実施の形態において、ノートPC2は、情報処理装置の一例である。USB-C接続検知部45及び第5の実施の形態における通信制御部40は、検知部の一例である。ウィンドウ制御部43は、判定部の一例である。USB-C映像出力部46及び無線映像出力部48は、送信部の一例である。タッチ座標データ入力部47は、受信部の一例である。ホワイトボードアプリケーションは、第1のアプリケーションの一例である。
【0104】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0105】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
タッチパネル付きディスプレイと情報処理装置とを含む表示システムであって、
前記情報処理装置は、
前記タッチパネル付きディスプレイとの接続を検知する検知部と、
前記情報処理装置において起動された第1のアプリケーションが予め登録された特定のアプリケーションであるか否かを判定する判定部と、
前記第1のアプリケーションが前記特定のアプリケーションであれば、前記第1のアプリケーションの画面データを、前記接続が検知されている前記タッチパネル付きディスプレイに送信する送信部と、
前記タッチパネル付きディスプレイが前記画面データに基づいて表示する画面に対する操作位置を示す座標データを受信する受信部と、
を有し、
前記第1のアプリケーションは、前記座標データに応じた処理を前記情報処理装置に実行させる、
ことを特徴とする表示システム。
<2>
前記特定のアプリケーションは、前記画面データを前記タッチパネル付きディスプレイに送信することが登録されているアプリケーションである、
ことを特徴とする<1>記載の表示システム。
<3>
前記検知部は、前記タッチパネル付きディスプレイとのUSBケーブルを介した接続を検知する、
ことを特徴とする<1>又は<2>記載の表示システム。
<4>
前記検知部は、前記タッチパネル付きディスプレイとの無線による接続を検知する、
ことを特徴とする請求項<1>又は<2>記載の表示システム。
<5>
情報処理装置が、
タッチパネル付きディスプレイとの接続を検知する検知部手順と、
前記情報処理装置において起動された第1のアプリケーションが予め登録された特定のアプリケーションであるか否かを判定する判定手順と、
前記第1のアプリケーションが前記特定のアプリケーションであれば、前記第1のアプリケーションの画面データを、前記接続が検知されている前記タッチパネル付きディスプレイに送信する送信手順と、
前記タッチパネル付きディスプレイが前記画面データに基づいて表示する画面に対する操作位置を示す座標データを受信する受信手順と、
を実行し、
前記第1のアプリケーションは、前記座標データに応じた処理を前記情報処理装置に実行させる、
ことを特徴とする表示方法。
<6>
情報処理装置に、
タッチパネル付きディスプレイとの接続を検知する検知部手順と、
前記情報処理装置において起動された第1のアプリケーションが予め登録された特定のアプリケーションであるか否かを判定する判定手順と、
前記第1のアプリケーションが前記特定のアプリケーションであれば、前記第1のアプリケーションの画面データを、前記接続が検知されている前記タッチパネル付きディスプレイに送信する送信手順と、
前記タッチパネル付きディスプレイが前記画面データに基づいて表示する画面に対する操作位置を示す座標データを受信する受信手順と、
を実行させ、
前記第1のアプリケーションは、前記座標データに応じた処理を前記情報処理装置に実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0106】
1 会議サーバ
2-A ノートPC
2-B ノートPC
3-A タッチディスプレイ
3-B タッチディスプレイ
4-A 無線LANアクセスポイント
4-B 無線LANアクセスポイント
10 ネットワーク通信部
11 会議制御部
12 会議参加機器管理部
13 ユーザ認証部
15 会議予約部
14 ユーザデータ記憶部
16 会議データ記憶部
20 CPU
21 メインメモリ
22 ROM
23 ハードディスク
24 HDコントローラ
25 無線LANコントローラ
26 アンテナ
27 USBコントローラ
28 USB端子
29 表示コントローラ
30 LCD
31 イーサネットコントローラ
32 イーサネットI/F
40 通信制御部
41 遠隔会議制御部
42 ホワイトボード制御部
43 ウィンドウ制御部
44 表示制御部
45 USB-C接続検知部
46 USB-C映像出力部
47 タッチ座標データ入力部
48 無線映像出力部
50 OLEDディスプレイ
51 表示コントローラ
52 タッチセンサ
53 タッチパネルインタフェース
54 CPU
55 RAM
56 ROM
57 無線コントローラ
58 USBコントローラ
59 USB端子
60 タッチ位置検知部
61 座標送信部
62 表示制御部
63 USB-C映像入力部
64 無線LAN通信制御部
65 無線映像入力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0107】