(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134938
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240927BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H01L21/68 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045401
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(74)【代理人】
【識別番号】100131598
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 和宗
(72)【発明者】
【氏名】槻田 聡史
【テーマコード(参考)】
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
5F004BA09
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB28
5F004BB29
5F004BD03
5F004CA06
5F004EA30
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131AA33
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131CA02
5F131CA17
5F131EB11
5F131EB82
(57)【要約】
【課題】ププラズマ処理装置における整合回路の温度が動作温度範囲から逸脱することを抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置は、プラズマ処理チャンバと、プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、基板支持部は、冷媒流路を有する導電性基台と、導電性基台上に配置され、基板支持面を有する静電チャックと、を含む、基板支持部と、第1の温度に維持された冷媒を冷媒流路に供給するように構成されるチラーユニットと、RF電源と、RF電源に電気的に接続される整合回路と、整合回路と導電性基台とを電気的に接続するように構成され、流路を含む導電性パイプと、流路に流体を供給するように構成される流体供給ユニットと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、前記基板支持部は、
冷媒流路を有する導電性基台と、
前記導電性基台上に配置され、基板支持面を有する静電チャックと、を含む、前記基板支持部と、
第1の温度に維持された冷媒を前記冷媒流路に供給するように構成されるチラーユニットと、
RF電源と、
前記RF電源に電気的に接続される整合回路と、
前記整合回路と前記導電性基台とを電気的に接続するように構成され、流路を含む導電性パイプと、
前記流路に流体を供給するように構成される流体供給ユニットと、
を含む、プラズマ処理装置。
【請求項2】
前記流路は、前記導電性パイプの外壁と内壁との間の部分内に形成されている、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記第1の温度は、0℃以下である、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記第1の温度は、-20℃以下である、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記流路は、前記導電性パイプの軸に対し垂直の断面において環状の形状を有する、
請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記流路を流れる流体の流量を検知するように構成される流量センサと、
前記流量センサによって検知された流量に基づいて前記流体の流量を制御するように構成される流量制御部と、をさらに含む、
請求項5に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記流体は、ドライエア又は環境エアである、
請求項1から6のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記導電性パイプは、
前前記導電性基台の近傍に配置され、前記流路に連通する流体入口と、
前記整合回路の近傍に配置され、前記流路に連通する流体出口と、
を有し、
前記流体供給ユニットは、前記流体入口に接続されている、
請求項7に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
前記導電性パイプは、前記導電性基台の近傍に配置され、前記流路に連通する流体入口を有し、
前記整合回路は、前記流路に連通するファンを有し、
前記流体供給ユニットは、前記流体入口に接続されている、
請求項7に記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記流体は、冷却水又は冷媒である、
請求項1から6のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項11】
前記導電性パイプは、
前前記導電性基台の近傍に配置され、前記流路に連通する流体入口と、
前記整合回路の近傍に配置され、前記流路に連通する流体出口と、
を有し、
前記流体供給ユニットは、前記流体入口及び前記流体出口に接続され、前記流体を循環するように構成されている、
請求項10に記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、前記基板支持部は、
冷媒流路を有する導電性基台と、
前記導電性基台上に配置され、基板支持面を有する静電チャックと、を含む、前記基板支持部と、
RF電源と、
前記RF電源に電気的に接続される整合回路と、
前記整合回路と前記導電性基台とを電気的に接続するように構成され、流路を含む導電性接続部材と、
前記流路に流体を供給するように構成される流体供給ユニットと、
を含む、プラズマ処理装置。
【請求項13】
前記導電性接続部材は、導電性パイプである、
請求項12に記載のプラズマ処理装置。
【請求項14】
前記流路は、前記導電性パイプの外壁部分内に形成されている、
請求項13に記載のプラズマ処理装置。
【請求項15】
前記流路は、前記導電性パイプの軸に対し垂直の断面において環状の形状を有する、
請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項16】
前記流路を流れる流体の流量を検知するように構成される流量センサと、
前記流量センサによって検知された流量に基づいて前記流体の流量を制御するように構成される流量制御部と、をさらに含む、
請求項15に記載のプラズマ処理装置。
【請求項17】
前記流体は、ドライエア又は環境エアである、
請求項12から16のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項18】
前記導電性接続部材は、
前前記導電性基台の近傍に配置され、前記流路に連通する流体入口と、
前記整合回路の近傍に配置され、前記流路に連通する流体出口と、
を有し、
前記流体供給ユニットは、前記流体入口に接続されている、
請求項17に記載のプラズマ処理装置。
【請求項19】
前記導電性接続部材は、前記導電性基台の近傍に配置され、前記流路に連通する流体入口を有し、
前記整合回路は、前記流路に連通するファンを有し、
前記流体供給ユニットは、前記流体入口に接続されている、
請求項17に記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、プラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理装置において、ステージと整合器が給電棒を介して電気的に接続される技術として、特許文献1に記載された技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、プラズマ処理装置における整合回路の温度が動作温度範囲から逸脱することを抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一つの例示的実施形態におけるプラズマ処理装置は、プラズマ処理チャンバと、プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、基板支持部は、冷媒流路を有する導電性基台と、導電性基台上に配置され、基板支持面を有する静電チャックと、を含む、基板支持部と、第1の温度に維持された冷媒を冷媒流路に供給するように構成されるチラーユニットと、RF電源と、RF電源に電気的に接続される整合回路と、整合回路と導電性基台とを電気的に接続するように構成され、流路を含む導電性パイプと、流路に流体を供給するように構成される流体供給ユニットと、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一つの例示的実施形態によれば、ププラズマ処理装置における整合回路の温度が動作温度範囲から逸脱することを抑制することができる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】プラズマ処理システムの構成例を説明するための図である。
【
図2】容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【
図3】導電性パイプの流路と流体供給ユニットの構成の一例を説明するための図である。
【
図4】
図3に示す導電性パイプのA-A断面の一例を示す図である。
【
図5】
図3に示す導電性パイプのB-B断面の一例を示す図である。
【
図6】
図3に示す導電性パイプのC-C断面の一例を示す図である。
【
図7】導電性パイプの流路と流体供給ユニットの構成の一例を説明するための図である。
【
図8】導電性パイプの流路と流体供給ユニットの構成の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の各実施形態について説明する。
【0009】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理チャンバと、プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、基板支持部は、冷媒流路を有する導電性基台と、導電性基台上に配置され、基板支持面を有する静電チャックと、を含む、基板支持部と、第1の温度に維持された冷媒を冷媒流路に供給するように構成されるチラーユニットと、RF電源と、RF電源に電気的に接続される整合回路と、整合回路と導電性基台とを電気的に接続するように構成され、流路を含む導電性パイプと、流路に流体を供給するように構成される流体供給ユニットと、を含む、プラズマ処理装置が提供される。
【0010】
一つの例示的実施形態において、流路は、導電性パイプの外壁と内壁との間の部分内に形成されている。
【0011】
一つの例示的実施形態において、第1の温度は、0℃以下である。
【0012】
一つの例示的実施形態において、第1の温度は、-20℃以下である。
【0013】
一つの例示的実施形態において、流路は、導電性パイプの軸に対し垂直の断面において環状の形状を有する。
【0014】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置は、流路を流れる流体の流量を検知するように構成される流量センサと、流量センサによって検知された流量に基づいて流体の流量を制御するように構成される流量制御部と、をさらに含む。
【0015】
一つの例示的実施形態において、流体は、ドライエア又は環境エアである。
【0016】
一つの例示的実施形態において、導電性パイプは、前導電性基台の近傍に配置され、流路に連通する流体入口と、整合回路の近傍に配置され、流路に連通する流体出口と、を有し、流体供給ユニットは、流体入口に接続されている。
【0017】
一つの例示的実施形態において、導電性パイプは、導電性基台の近傍に配置され、流路に連通する流体入口を有し、整合回路は、流路に連通するファンを有し、流体供給ユニットは、流体入口に接続されている。
【0018】
一つの例示的実施形態において、流体は、冷却水又は冷媒である。
【0019】
一つの例示的実施形態において、導電性パイプは、前導電性基台の近傍に配置され、流路に連通する流体入口と、整合回路の近傍に配置され、流路に連通する流体出口と、を有し、流体供給ユニットは、流体入口及び流体出口に接続され、流体を循環するように構成されている。
【0020】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理チャンバと、プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、基板支持部は、冷媒流路を有する導電性基台と、導電性基台上に配置され、基板支持面を有する静電チャックと、を含む、基板支持部と、RF電源と、RF電源に電気的に接続される整合回路と、整合回路と導電性基台とを電気的に接続するように構成され、流路を含む導電性接続部材と、流路に流体を供給するように構成される流体供給ユニットと、を含む、プラズマ処理装置が提供される。
【0021】
一つの例示的実施形態において、導電性接続部材は、導電性パイプである。
【0022】
一つの例示的実施形態において、流路は、導電性パイプの外壁部分内に形成されている。
【0023】
一つの例示的実施形態において、流路は、導電性パイプの軸に対し垂直の断面において環状の形状を有する。
【0024】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置は、流路を流れる流体の流量を検知するように構成される流量センサと、流量センサによって検知された流量に基づいて流体の流量を制御するように構成される流量制御部と、をさらに含む。
【0025】
一つの例示的実施形態において、流体は、ドライエア又は環境エアである。
【0026】
一つの例示的実施形態において、導電性接続部材は、前導電性基台の近傍に配置され、流路に連通する流体入口と、整合回路の近傍に配置され、流路に連通する流体出口と、を有し、流体供給ユニットは、流体入口に接続されている。
【0027】
一つの例示的実施形態において、導電性接続部材は、導電性基台の近傍に配置され、流路に連通する流体入口を有し、整合回路は、流路に連通するファンを有し、流体供給ユニットは、流体入口に接続されている。
【0028】
以下、図面を参照して、本開示の各実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一または同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づいて上下左右等の位置関係を説明する。図面の寸法比率は実際の比率を示すものではなく、また、実際の比率は図示の比率に限られるものではない。
【0029】
<プラズマ処理装置の一例>
【0030】
図1は、プラズマ処理システムの構成例を説明するための図である。一実施形態において、プラズマ処理システムは、プラズマ処理装置1及び制御部2を含む。プラズマ処理システムは、基板処理システムの一例であり、プラズマ処理装置1は、基板処理装置の一例である。プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ(以下、「チャンバ」ともいう。)10、基板支持部11及びプラズマ生成部12を含む。プラズマ処理チャンバ10は、プラズマ処理空間を有する。また、プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間に供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。ガス供給口は、後述するガス供給部20に接続され、ガス排出口は、後述する排気システム40に接続される。基板支持部11は、プラズマ処理空間内に配置され、基板を支持するための基板支持面を有する。
【0031】
プラズマ生成部12は、プラズマ処理空間内に供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマを生成するように構成される。プラズマ処理空間において形成されるプラズマは、容量結合プラズマ(CCP;Capacitively Coupled Plasma)、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)、ECRプラズマ(Electron-Cyclotron-resonance plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)、又は、表面波プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)等であってもよい。また、AC(Alternating Current)プラズマ生成部及びDC(Direct Current)プラズマ生成部を含む、種々のタイプのプラズマ生成部が用いられてもよい。一実施形態において、ACプラズマ生成部で用いられるAC信号(AC電力)は、100kHz~10GHzの範囲内の周波数を有する。従って、AC信号は、RF(Radio Frequency)信号及びマイクロ波信号を含む。一実施形態において、RF信号は、 100kHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。
【0032】
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、処理部2a1、記憶部2a2及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aにより実現される。処理部2a1は、記憶部2a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部2a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部2a2に格納され、処理部2a1によって記憶部2a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ2aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース2a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部2a1は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
【0033】
以下に、プラズマ処理装置1の一例としての容量結合型のプラズマ処理装置の構成例について説明する。
図2は、容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【0034】
容量結合型のプラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。シャワーヘッド13及び基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10の筐体とは電気的に絶縁される。基板支持部11は、チャンバ10の底壁10b上に配置された環状絶縁性部材150に支持されてよい。環状絶縁性部材150は、円筒形状を有してよい。
【0035】
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ112を含む。本体部111は、基板Wを支持するための中央領域111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域111bとを有する。ウェハは基板Wの一例である。本体部111の環状領域111bは、平面視で本体部111の中央領域111aを囲んでいる。基板Wは、本体部111の中央領域111a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部111の中央領域111a上の基板Wを囲むように本体部111の環状領域111b上に配置される。従って、中央領域111aは、基板Wを支持するための基板支持面とも呼ばれ、環状領域111bは、リングアセンブリ112を支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
【0036】
一実施形態において、本体部111は、基台1110及び静電チャック1111を含む。基台1110は、導電性部材を含む。基台1110は、導電性基台の一例である。基台1110の導電性部材は下部電極として機能し得る。静電チャック1111は、基台1110の上に配置される。静電チャック1111は、セラミック部材1111aとセラミック部材1111a内に配置される静電電極1111bとを含む。セラミック部材1111aは、中央領域111aを有する。一実施形態において、セラミック部材1111aは、環状領域111bも有する。なお、環状静電チャックや環状絶縁部材のような、静電チャック1111を囲む他の部材が環状領域111bを有してもよい。この場合、リングアセンブリ112は、環状静電チャック又は環状絶縁部材の上に配置されてもよく、静電チャック1111と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。また、後述するRF電源31及び/又はDC電源32に結合される少なくとも1つのRF/DC電極がセラミック部材1111a内に配置されてもよい。この場合、少なくとも1つのRF/DC電極が下部電極として機能する。後述するバイアスRF信号及び/又はDC信号が少なくとも1つのRF/DC電極に供給される場合、RF/DC電極はバイアス電極とも呼ばれる。なお、基台1110の導電性部材と少なくとも1つのRF/DC電極とが複数の下部電極として機能してもよい。また、静電電極1111bが下部電極として機能してもよい。従って、基板支持部11は、少なくとも1つの下部電極を含む。
【0037】
リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。一実施形態において、1又は複数の環状部材は、1又は複数のエッジリングと少なくとも1つのカバーリングとを含む。エッジリングは、導電性材料又は絶縁材料で形成され、カバーリングは、絶縁材料で形成される。
【0038】
また、基板支持部11は、静電チャック1111、リングアセンブリ112及び基板のうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路1110a、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路1110aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路1110aが基台1110内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック1111のセラミック部材1111a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と中央領域111aとの間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
【0039】
流路1110aは、冷媒流路であってよい。流路1110aには、循環流路200を介してチラーユニット201が接続されてよい。チラーユニット201は、設定温度(第1の温度)に維持された冷媒を流路1110aに供給するように構成されていてよい。チラーユニット201は、設定温度に維持された冷媒を流路1110aに供給することで、基板支持部11又は基板支持部11上の基板Wのターゲット温度に調節してよい。一実施形態において、設定温度は、0℃以下である。一実施形態において、設定温度は、-20℃以下である。
【0040】
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。また、シャワーヘッド13は、少なくとも1つの上部電極を含む。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
【0041】
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する少なくとも1つの流量変調デバイスを含んでもよい。
【0042】
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、少なくとも1つのRF信号(RF電力)を少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ生成部12の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つの下部電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオン成分を基板Wに引き込むことができる。
【0043】
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給される。
【0044】
第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであっても異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つの下部電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
【0045】
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、第1のDC生成部32a及び第2のDC生成部32bを含む。一実施形態において、第1のDC生成部32aは、少なくとも1つの下部電極に接続され、第1のDC信号を生成するように構成される。生成された第1のDC信号は、少なくとも1つの下部電極に印加される。一実施形態において、第2のDC生成部32bは、少なくとも1つの上部電極に接続され、第2のDC信号を生成するように構成される。生成された第2のDC信号は、少なくとも1つの上部電極に印加される。
【0046】
種々の実施形態において、第1及び第2のDC信号がパルス化されてもよい。この場合、電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部が第1のDC生成部32aと少なくとも1つの下部電極との間に接続される。従って、第1のDC生成部32a及び波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。第2のDC生成部32b及び波形生成部が電圧パルス生成部を構成する場合、電圧パルス生成部は、少なくとも1つの上部電極に接続される。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1又は複数の正極性電圧パルスと1又は複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、第1及び第2のDC生成部32a,32bは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第1のDC生成部32aが第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
【0047】
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部10bに設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0048】
一実施形態において、RF電源31は、整合回路250に電気的に接続されてよい。整合回路250は、RF電源31側のインピーダンスと負荷(主に、基板支持部11、プラズマ、チャンバ10)側のインピーダンスとを整合させるためにリアクタンスを可変する回路や、自己バイアス生成用のブロッキングコンデンサを含んでいてよい。整合回路250は、筐体251を有していてよい。筐体251は、導電性部材を含んでよい。筐体251は、内部空間と外部空間との間で通気可能に構成されてよい。
【0049】
一実施形態において、整合回路250は、導電性パイプ260を介して基台1110に電気的に接続されてよい。導電性パイプ260は、導電性接続部材の一例である。導電性パイプ260は、アルミなどの導電性部材を含んでよい。導電性パイプ260は、円管形状を有してよい。一実施形態において、導電性パイプ260は、上下方向に延設され、上端が基台1110の下面に接続され、下端が整合回路250の上面(筐体251の上面)に接続されてよい。導電性パイプ260は、平面視における基台1110の中央に接続されてよい。
【0050】
導電性パイプ260の外周には、整合回路250の上面(筐体251の上面)とチャンバ10の底壁10bとを接続する導電性接続部材270が配置されていてよい。導電性接続部材270は、円筒形状を有してよい。導電性接続部材270と導電性パイプ260は同心円状に配置されてよい。導電性接続部材270と導電性パイプ260との間には内側空間が形成されてよい。導電性接続部材270は、内側空間と外側空間との間で通気可能に構成されてよい。整合回路250は、導電性接続部材270を介してチャンバ10に電気的に接続され、チャンバ10を介して接地電位に接続されてよい。
【0051】
図3は、導電性パイプ260の流路300と流体供給ユニット350の構成の一例を説明するための図である。一実施形態において、導電性パイプ260は、流路300と、流体入口301と、流体出口302を含んでよい。一実施形態において、流路300は、導電性パイプ260の外壁260bと内壁260cとの間の部分(肉厚部分)260a内を通るように形成されてよい。一実施形態において、流路300は、導電性パイプ260の内壁260cに形成されてよい。一実施形態において、流路300は、導電性パイプ260の外壁260bに形成されてよい。
図4は、
図3に示す導電性パイプ260のA-A断面の一例を示す。
図4に示すように、流路300は、導電性パイプ260が有する軸に対し垂直の断面において環状の形状を有してよい。流路300は、導電性パイプ260の外壁部分260a内において円筒形状を有していてよい。
図3に示すように、流体入口301は、基台1110の近傍に配置され、流体出口302は、整合回路250の近傍に配置されてよい。流体入口301は、導電性パイプ260の上下方向の中央より基台1110側に配置されてよい。流体出口302は、導電性パイプ260の上下方向の中央より整合回路250側に配置されてよい。
【0052】
流体入口301は、導電性パイプ260の周方向に沿った1又複数箇所に配置されてよい。
図5は、
図3に示す導電性パイプ260のB-B断面の一例を示す。
図5に示すように、流体入口301は、導電性パイプ260の周方向に沿った2カ所に配置され、2つの流体入口301は、互いに対向するように配置されてよい。
【0053】
図3に示す流体出口302は、導電性パイプ260の周方向に沿った1又は複数箇所に配置されてよい。
図6は、
図3に示す導電性パイプ260のC-C断面の一例を示す。
図6に示すように、流体出口302は、導電性パイプ260の周方向に沿った3カ所以上、例えば4カ所に配置されてよい。流体出口302は、導電性パイプ260の周方向に沿って等間隔に配置されてよい。流体出口302の数は、流体入口301の数より多くてよい。流体出口302は、流体入口301より大きい断面積(総断面積)を有してよい。
図3に示すように、流体出口302は、整合回路250の筐体251よりも上方に配置されてよい。流体出口302は、導電性接続部材270と導電性パイプ260との間に形成される内側空間に開口してよい。
【0054】
プラズマ処理装置1は、流路300に流体を供給するように構成される流体供給ユニット350を含んでよい。流体供給ユニット350は、流体入口301に接続されてよい。流路300に供給される流体は、ドライエア又は環境エアであってよい。流体は、0℃以上の温度を有するものであってよい。流体は、常圧における露点温度が-20℃以下、-50℃以下、-60℃以下のものであってよい。一実施形態において、流体供給ユニット350は、流体供給部360と、流体供給部360と流体入口301とを接続する第1の流路361とを有してよい。流体供給部360は、流体を圧送するファンを有してよい。流体供給部360は、流体の流量や温度を調整する機能を有してよい。
【0055】
プラズマ処理装置1は、流路300を流れる流体の流量を検知する流量センサ370と、流量センサ370によって検知された流量に基づいて流体の流量を制御する流量制御部371を有してよい。流量センサ370及び流量制御部371は、第1の流路361に配置されてよい。流量制御部371は、流量を変更できるバルブであってよい。流体供給部360が流量制御部371の機能を有していてよい。流量制御部371は、制御部2によって制御されてよい。
【0056】
<プラズマ処理方法の一例>
プラズマ処理方法は、プラズマを用いて基板W上の膜をエッチングするエッチング処理を含む。一実施形態において、プラズマ処理方法は、プラズマ処理装置1において制御部2により実行される。
【0057】
先ず、基板Wが、搬送アームによりチャンバ10内に搬入され、リフターにより基板支持部11に載置され、
図2に示すように基板支持部11上に吸着保持される。
【0058】
次に、処理ガスが、ガス供給部20によりシャワーヘッド13に供給され、シャワーヘッド13からプラズマ処理空間10sに供給される。このとき供給される処理ガスは、基板Wのエッチング処理のために必要な活性種を生成するガスを含む。
【0059】
1又は複数のRF信号がRF電源31から上部電極及び/又は下部電極に供給される。これにより、プラズマ処理空間10sの基板支持部11上にプラズマが生成され、基板Wがエッチング処理される。
【0060】
プラズマエッチング処理時には、チラーユニット201から基台1110の流路1110aに冷媒が供給される。冷媒は、-20℃以下に維持されている。これにより、基板支持部11が冷却され、基板支持部11又は基板支持部11上の基板Wが目標温度に維持される。
【0061】
また、
図3に示す流体供給ユニット350から導電性パイプ260の流路300に流体が供給される。流体は、流体供給部360から第1の流路361を流れ、基台1110付近の流体入口301から流路300に入り、導電性パイプ260の外壁部分260a内を通って下降し、整合回路250付近の流体出口302から外に出る。これにより、導電性パイプ260と流体との間で熱が授受される。こうして、冷媒によって冷やされた基板支持部11によって導電性パイプ260が冷やされることが抑制される。流体は、流体出口302から出て、導電性接続部材270の内側空間に溜まり、当該内側空間から導電性接続部材270を通過して外に流れる。流体の流量は、流量センサ370によって検知され、当該流量に基づいて流量制御部371により設定流量に制御されてよい。設定流量は、整合回路250や導電性パイプ260が所定の温度以上に維持されるように設定されてよい。
【0062】
本例示的実施形態によれば、プラズマ処理装置1が、整合回路250と基台1110とを電気的に接続するように構成され、流路300を含む導電性パイプ260と、流路300に流体を供給するように構成される流体供給ユニット350と、を含む。これにより、冷媒によって基台1110が冷やされても、導電性パイプ260の温度が流体によって保たれ、整合回路250が冷やされることが抑制される。よって、プラズマ処理装置1における整合回路250の温度が動作温度範囲から逸脱することを抑制することができる。また、導電性パイプ260が有する電力の供給経路は、強電界空間であるため、電気ヒータを設置することが難しいが、本例示的実施形態によれば、電気ヒータを用いずに、簡単に整合回路250を保温することができる。さらに、導電性パイプ260の導電性を確保するため、断熱構造を設置することが難しいが、本例示的実施形態によれば、断熱構造を設置せずに、簡単に整合回路250を保温することができる。
【0063】
本例示的実施形態において、流路300は、導電性パイプ260の外壁部分260a内に形成されているので、流体による導電性パイプ260の温度調整を効率的に行うことができる。なお、流路300は、導電性パイプ260の内面や外面に配置されてもよい。
【0064】
本例示的実施形態において、流路300は、導電性パイプ260の軸に対し垂直の断面において環状の形状を有するので、流体による導電性パイプ260の温度調整を斑なく効率的に行うことができる。
【0065】
本例示的実施形態において、流体はドライエア又は環境エアであるので、導電性パイプ260や整合回路250に結露が生じることを抑制することができる。
【0066】
本例示的実施形態において、導電性パイプ260の流体入口301は、基台1110の近傍に配置され、流体出口302は、整合回路250の近傍に配置され、流体供給ユニット350は、流体入口301に接続されている。これにより、基台1110と整合回路250との間に配置された導電性パイプ260を効果的に保温することができる。
【0067】
上記実施形態において、
図7に示すように、整合回路250は、流路300に連通する冷却ファン400を有してよい。冷却ファン400は、整合回路250の筐体251に設けられてよい。冷却ファン400は、筐体251の側壁に設けられていてよい。冷却ファン400は、複数個所に設けられてよい。導電性パイプ260の流体出口302は、整合回路250の筐体251内に開口してよい。
【0068】
この場合、流体は、流体供給ユニット350の第1の流路361を流れ、導電性パイプ260の流体入口301から流路300に入り、導電性パイプ260の外壁部分260a内を通って下降し、流体出口302から筐体251内に入る。そして、流体は、筐体251内を通って冷却ファン400から外に出る。
【0069】
上記実施形態において、
図8に示すように、流体は、冷却水又は冷媒であってよい。冷却水は、絶縁流体(絶縁液体)であってよい。流体供給ユニット350は、流体入口301及び流体出口302に接続され、流体を循環するように構成されていてよい。流体供給ユニット350は、流体出口302と流体供給部360とを接続する第2の流路410を有してよい。
【0070】
この場合、流体は、流体供給部360から第1の流路361を流れ、導電性パイプ260の流体入口301から流路300に入り、導電性パイプ260の外壁部分260a内を通って下降し、流体出口302から出る。そして、流体は、第2の流路410を流れ、流体供給部360に戻され、その後、第1の流路361を流れる。こうして、流体は、流体供給部360、第1の流路361、流体入口301、流路300、流体出口302、第2の流路410及び流体供給部360をこの順に循環する。
【0071】
上記実施形態では、容量結合型のプラズマ装置を例に説明したが、これに限定されるものではなく、他のプラズマ装置が用いられてもよい。例えば、容量結合型のプラズマ装置に代えて、誘導結合型のプラズマ装置が用いられてもよい。
【0072】
本開示の実施形態は、以下の態様をさらに含む。
【0073】
(付記1)
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、前記基板支持部は、
冷媒流路を有する導電性基台と、
前記導電性基台上に配置され、基板支持面を有する静電チャックと、を含む、前記基板支持部と、
-20℃以下に維持された冷媒を前記冷媒流路に供給するように構成されるチラーユニットと、
RF電源と、
前記RF電源に電気的に接続される整合回路と、
前記整合回路と前記導電性基台とを電気的に接続するように構成され、流路を含む導電性パイプと、
前記流路に流体を供給するように構成される流体供給ユニットと、
を含む、プラズマ処理装置。
【0074】
(付記2)
前記流路は、前記導電性パイプの外壁部分内に形成されている、
付記1に記載のプラズマ処理装置。
【0075】
(付記3)
前記流路は、前記導電性パイプの軸に対し垂直の断面において環状の形状を有する、
付記2に記載のプラズマ処理装置。
【0076】
(付記4)
前記流路を流れる流体の流量を検知する流量センサと、
前記流量センサによって検知された流量に基づいて前記流体の流量を制御する流量制御部と、をさらに含む、
付記1から3のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0077】
(付記5)
前記流体は、ドライエア又は環境エアである、
付記1から4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0078】
(付記6)
前記導電性パイプは、
前前記導電性基台の近傍に配置され、前記流路に連通する流体入口と、
前記整合回路の近傍に配置され、前記流路に連通する流体出口と、
を有し、
前記流体供給ユニットは、前記流体入口に接続されている、
付記5に記載のプラズマ処理装置。
【0079】
(付記7)
前記導電性パイプは、前記導電性基台の近傍に配置され、前記流路に連通する流体入口を有し、
前記整合回路は、前記流路に連通するファンを有し、
前記流体供給ユニットは、前記流体入口に接続されている、
付記5に記載のプラズマ処理装置。
【0080】
(付記8)
前記流体は、冷却水又は冷媒である、
付記1から4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0081】
(付記9)
前記導電性パイプは、
前前記導電性基台の近傍に配置され、前記流路に連通する流体入口と、
前記整合回路の近傍に配置され、前記流路に連通する流体出口と、
を有し、
前記流体供給ユニットは、前記流体入口及び前記流体出口に接続され、前記流体を循環するように構成されている、
付記8に記載のプラズマ処理装置。
【0082】
(付記10)
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、前記基板支持部は、
冷媒流路を有する導電性基台と、
前記導電性基台上に配置され、基板支持面を有する静電チャックと、を含む、前記基板支持部と、
RF電源と、
前記RF電源に電気的に接続される整合回路と、
前記整合回路と前記導電性基台とを電気的に接続するように構成され、流路を含む導電性接続部材と、
前記流路に流体を供給するように構成される流体供給ユニットと、
を含む、プラズマ処理装置。
【0083】
(付記11)
前記導電性接続部材は、導電性パイプである、
付記10に記載のプラズマ処理装置。
【0084】
(付記12)
前記流路は、前記導電性パイプの外壁部分内に形成されている、
付記11に記載のプラズマ処理装置。
【0085】
(付記13)
前記流路は、前記導電性パイプの軸に対し垂直の断面において環状の形状を有する、
付記12に記載のプラズマ処理装置。
【0086】
(付記14)
前記流路を流れる流体の流量を検知する流量センサと、
前記流量センサによって検知された流量に基づいて前記流体の流量を制御する流量制御部と、をさらに含む、
付記10から13のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0087】
(付記15)
前記流体は、ドライエア又は環境エアである、
付記10から14のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0088】
(付記16)
前記導電性接続部材は、
前前記導電性基台の近傍に配置され、前記流路に連通する流体入口と、
前記整合回路の近傍に配置され、前記流路に連通する流体出口と、
を有し、
前記流体供給ユニットは、前記流体入口に接続されている、
付記15に記載のプラズマ処理装置。
【0089】
(付記17)
前記導電性接続部材は、前記導電性基台の近傍に配置され、前記流路に連通する流体入口を有し、
前記整合回路は、前記流路に連通するファンを有し、
前記流体供給ユニットは、前記流体入口に接続されている、
付記15に記載のプラズマ処理装置。
【0090】
以上の各実施形態は、説明の目的で記載されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。以上の各実施形態は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく種々の変形をなし得る。例えば、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態に追加することができる。また、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態の対応する構成要素と置換することができる。
【符号の説明】
【0091】
1……プラズマ処理装置、10……チャンバ、11……基板支持部、31……RF電源、1110……基台、1111……静電チャック、201……チラーユニット、250……整合回路、251……筐体、260……導電性パイプ、300……流路、301……流体入口、302……流体出口、350……流体供給ユニット、W…基板