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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135076
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】粉体容器収容構造及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G03G15/08 343
G03G15/08 348B
G03G15/08 321B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045588
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】山脇 宏一
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 卓也
(72)【発明者】
【氏名】矢部 謙治
(72)【発明者】
【氏名】組谷 卓
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AA03
2H077AA05
2H077AA09
2H077AA14
2H077AA18
2H077AA34
2H077AD06
2H077AD16
2H077AD18
2H077AE06
2H077BA08
2H077BA09
2H077BA10
2H077DA10
2H077DA32
2H077DA52
2H077GA04
(57)【要約】
【課題】粉体容器収容部に対するボトルの挿入速度を規制することでエア噴出・トナー飛散や異常画像を防止する。
【解決手段】画像形成装置の粉体容器収容部100aに対して、現像剤が入った粉体容器13を粉体容器収容部に挿入可能な粉体容器収容構造において、粉体容器13の挿入を規制する規制部材(雌雄ネジ部100b、13cや摩擦部材としての摩擦部材100c、100d)を設けたことを特徴とする。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の粉体容器収容部に対して、現像剤が入った粉体容器を装置外側から挿入可能な粉体容器収容構造において、
前記粉体容器の挿入方向を方向転換させる方向転換構造、又は前記粉体容器の挿入を一時停止させる規制構造を、前記粉体容器収容部に設けたことを特徴とする粉体容器収容構造。
【請求項2】
前記方向転換構造は、前記粉体容器の挿入方向を第1挿入方向から当該第1挿入方向と異なる第2挿入方向に少なくとも1回方向転換させることを特徴とする請求項1の粉体容器収容構造。
【請求項3】
前記粉体容器が前記第1挿入方向で前記粉体容器収容部の入口に挿入されると共に、前記第2挿入方向で前記粉体容器収容部へ挿入を完了するように前記方向転換構造でガイドされることを特徴とする請求項2の粉体容器収容構造。
【請求項4】
前記粉体容器が挿入方向前側の本体部分と挿入方向後側の後端部分とを有し、
前記方向転換構造は、前記粉体容器が前記第1挿入方向で前記粉体容器収容部の入口に挿入されるときに前記本体部分と干渉し、前記粉体容器が前記第2挿入方向で前記粉体容器収容部へ挿入を完了するときに前記後端部分と干渉しないことを特徴とする請求項3の粉体容器収容構造。
【請求項5】
前記後端部分が前記本体部分よりも小径であることを特徴とする請求項4の粉体容器収容構造。
【請求項6】
前記規制構造は、前記粉体容器収容部に対する前記粉体容器の挿入深さを、挿入が完了していない挿入未完状態に規制する可動規制部材を有し、前記粉体容器が規制位置にある前記可動規制部材に当接した後に前記可動規制部材が前記粉体容器から離間した退避位置に後退することを特徴とする請求項1の粉体容器収容構造。
【請求項7】
前記粉体容器収容部の入口に配設された開閉可能なカバー部材と、
当該カバー部材と前記可動規制部材を連動させる連動機構とを有し、
前記カバー部材の開動作と連動して前記可動規制部材が前記規制位置に前進し、
前記カバー部材の閉動作と連動して前記可動規制部材が前記退避位置に後退するようにしたことを特徴とする請求項6の粉体容器収容構造。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項の粉体容器収容構造を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粉体容器収容構造及び画像形成装置に係り、特に装置本体側の粉体容器収容部に対する粉体容器の挿入速度を規制した粉体容器収容構造及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、例えば特許文献1(特開2014-112189号公報)のように、現像剤(トナー)を収容した粉体容器が着脱可能に装着される。粉体容器のトナー残量が規定量以下(トナーエンド)になると、粉体容器の交換時期が到来したことが画像形成装置の操作パネルに表示される。カラー画像形成装置では複数色の粉体容器を使用するため、粉体容器の交換時期も色ごとに操作パネルに表示される。
【0003】
トナーエンドになったボトルは、ユーザまたはサービスマンによって交換される。トナーエンド前のボトルを誤って交換しないため、当該ボトルへのアクセスを不能にするロックカバーが粉体容器出入口に設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
粉体容器の交換は、ロックカバーを開放してトナーエンドになったボトルを画像形成装置本体から引き抜き、次に新しいボトルを装置本体側の粉体容器収容部に挿入することで行われる。新しいボトルを粉体容器収容部に挿入すると、ボトル側と本体補給装置側のシャッタが開放してボトル内のトナーが本体補給装置側に補給可能となる。
【0005】
トナーの補給は、補給装置側の搬送ノズルを通じて行われる。この搬送ノズルは、新しいボトルを粉体容器収容部に挿入する際にボトル内に深く挿入される。
【0006】
搬送ノズルがボトル内に挿入されると、ボトル内エアが本体補給装置側に押し出される。ボトルを勢いよく挿入すると、ボトル内エアの押し出される速度が増大するため、粉体容器と補給装置の接続部分からエアと共にトナーが外側に噴出・飛散するおそれがある。また、エアと共に押し出されたトナーが補給装置を超えて現像装置の1次、2次スクリユオーガに流れ込むと、濃度ムラや地汚れ等の異常画像が発生するおそれがある。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、粉体容器収容部に対するボトルの挿入速度を規制することでエア噴出・トナー飛散や異常画像を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、粉体容器収容部に対するボトルの挿入速度が規制されるので、エア噴出・トナー飛散や異常画像を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1B】画像形成装置の外観斜視図である。
図2A】アクセス制限カバーを開いた状態の粉体容器収容部の斜視図である。
図2B】アクセス制限カバーを開いた状態の粉体容器収容部の斜視図である。
図3】画像形成装置の作像部を示す模式図である。
図4】画像形成装置の補給装置に粉体容器が接続された状態を示す模式図である。
図5】粉体容器収容部に粉体容器が収容される状態を示す概略斜視図である。
図6】粉体容器の斜視図である。
図7A】粉体容器本体にノズル受入部材を挿入する(a)前の状態と(b)後の状態を示す図である。
図7B】補給装置に対する粉体容器の挿入動作で発生するエアの噴出状態を説明する図である。
図8】(a)~(d)は粉体容器を画像形成装置の粉体容器収容部に挿入する動作を説明する説明図である。
図9】(a)~(c)は粉体容器を画像形成装置の粉体容器収容部に挿入する動作を説明する説明図である。
図10】粉体容器収容部の入口のカバー部材と可動規制部材の連動機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の粉体容器収容構造と、当該粉体容器収容構造を適用した画像形成装置である電子写真プリンタ(以下、プリンタという)の実施形態を図面を参照して説明する。
【0012】
●画像形成装置
図1Aにおいて、プリンタ100はタンデム式のフルカラー画像形成装置である。プリンタ100は、画像読取ユニットとしてのスキャナ部2と、スキャナ部2の正面側に配設された操作部6(図1B参照)と、スキャナ部2の下部に配置された排紙部3と、排紙部3の下部に配置された画像形成部4と、画像形成部4の下部に配置された2段の給紙ユニットとしての給紙部5とから構成されている。
【0013】
スキャナ部2は、コンタクトガラス2aと、光源2bと、第1ミラー部材2cと、第2ミラー部材2dと、第3ミラー部材2eと、結像レンズ2fと、CCD等のイメージセンサ2gとを備えている。光源2bおよび第1ミラー部材2cは、第1走行体に保持されている。第2ミラー部材2dおよび第3ミラー部材2eは、第2走行体に保持されるようになっている。
【0014】
このようなスキャナ部2は、光源2bによりコンタクトガラス2a上に載置された原稿に光を照射する。原稿からの反射光を各ミラー部材2c~2eにより折り返させ、その反射光を結像レンズ2fにより結像してイメージセンサ2gで読み取らせるようになっている。
【0015】
スキャナ部2の上部には、コンタクトガラス2a上に載置された原稿を押圧する図示しない圧板や、コンタクトガラス2a上に原稿を自動で搬送してシートスルー方式の原稿読取を実現する自動原稿搬送装置(ADF)などが設けられる。
【0016】
画像形成部4は、画像形成装置本体内に並列された4つのプロセスカートリッジ11Y、11C、11M、11K(以下、単にプロセスカートリッジ11とも記す)と、光書込手段としての光書込装置12を備えている。光書込装置12は、4つのプロセスカートリッジ11の下部に配置されている。
【0017】
各プロセスカートリッジ11は、同一の構成であり、感光体ドラム17と、帯電装置18と、クリーニング装置19と、現像装置20とを有している。また、各プロセスカートリッジ11は、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色の画像を形成するようになっている。
【0018】
また画像形成部4は、それぞれ異なる色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナーを収容する4本の粉体容器13Y、13C、13M、13K(以下、単に粉体容器13とも記す)と、中間転写装置14と、中間転写クリーニング装置15と、定着装置16とを備えている。4本の粉体容器13は水平方向に並列され、後述するようにボトル交換時期が到来すると、外カバー80とアクセス制限カバー30を開くことで、粉体容器13を着脱交換可能に構成されている。
【0019】
各粉体容器13は同一構成であり、それぞれ排紙部3の下部に配置されている。各粉体容器13に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーが充填されるようになっている。各粉体容器13は、それぞれ各色に対応するプロセスカートリッジ11に図示しない供給路を介して、充填された各色のトナーを供給するようになっている。
【0020】
光書込装置12は、各色に対応する例えばレーザダイオード方式の4つの光源と、光源から出射されたレーザ光束をコリメートする光学系と、ポリゴンミラーおよびポリゴンモータからなる1つの偏向器と、各光源の光路上に配置されたfθレンズなどの走査、結像用のレンズや補正用レンズ、ミラーなどからなる光学系により構成されている。
【0021】
この光書込装置12は、各色の画像情報に基づき4つの光源から出射されたレーザ光束を1つの偏向器により4系統に振り分けて偏光走査する。そして、当該偏光走査するレーザ光束を、帯電装置18により帯電された各色の感光体ドラム17の表面に照射することで、4つの感光体ドラム17に静電潜像を書き込むようになっている。
【0022】
中間転写装置14は、プロセスカートリッジ11の上部に配置され、一次転写ローラ14aと、中間転写ベルト14bと、二次転写ローラ14cとを有している。この中間転写装置14は、一次転写ローラ14aに所定の転写電圧が印加されることにより、感光体ドラム17上に形成されたトナー像を回転する中間転写ベルト14b上に一次転写するようになっている。
【0023】
また、二次転写ローラ14cに所定の転写電圧が印加されることにより、中間転写ベルト14b上に転写されたトナー像をさらに記録紙に二次転写するようになっている。中間転写クリーニング装置15は、図1A中、中間転写装置14の左側に配置され、記録紙への転写後に中間転写ベルト14b上の残留トナーを除去するようになっている。
【0024】
定着装置16は、図1A中、中間転写装置14の右上部かつ各粉体容器13の右側に配置されている。そして定着装置16は、定着ローラ16aと、加熱ローラ16bと、定着ローラ16aと加熱ローラ16bとに支持された定着ベルト16cと、定着ベルト16cに所定の圧力で接する加圧ローラ16dとを備えている。この定着装置16は、記録紙に転写されたトナー像を熱と圧力により記録紙に定着させるようになっている。
【0025】
定着装置16の上部には、搬送ローラ21や排紙ローラ22が配置されており、排紙部3に向けて記録紙を搬送し排紙するようになっている。さらに、定着装置16の上部には、両面複写時に搬送路を切り換えるための切換爪23や、スイッチバック式に記録紙の向きを反転するための反転搬送ローラ24および反転搬送路25が配置されている。
【0026】
また図1A中、定着装置16の右側面側には、搬送路上に第1両面用搬送ローラ26および第2両面用搬送ローラ27が設けられた両面用搬送路28が配置されている。両面用搬送路28および搬送ローラ26、27は、反転搬送路25に一時的にスタックされた記録紙を反転搬送ローラ24で向きを反転させた後、搬送ローラ26、27により両面用搬送路28上を搬送する。そして反転した記録紙を、後述するレジストローラに再給紙する。
【0027】
このような画像形成部4は、帯電装置18によって帯電された感光体ドラム17上に、光書込装置12から光を照射して潜像を書き込む。潜像が書き込まれた感光体ドラム17の表面に、現像装置20によってトナーを供給してトナー像として可視像化する。この可視像化されたトナー像を中間転写装置14により記録紙に転写し、定着装置16により転写された画像を記録紙に定着させて、画像を形成するようになっている。
【0028】
給紙部5は、記録紙が収納された2段の第1給紙カセット5aおよび第2給紙カセット5bと、第1給紙装置5cおよび第2給紙装置5dとを備えている。また、この第1給紙装置5cおよび第2給紙装置5dの給紙方向上流には、第1搬送ローラR1および第2搬送ローラR2が配置されている。さらに、この第1搬送ローラR1および第2搬送ローラR2の給紙方向のさらに上流であって、二次転写ローラ14cの手前には、レジストローラR3が配置されている。
【0029】
さらに、給紙部5は、第1給紙カセット5aおよび第2給紙カセット5bのいずれかから第1給紙装置5cまたは第2給紙装置5dにより記録紙を給紙し、第1搬送ローラR1および第2搬送ローラR2を介してレジストローラR3に向けて給紙するようになっている。また、レジストローラR3は、第1搬送ローラR1および第2搬送ローラR2を介して給紙された記録紙を所定のタイミングにて二次転写ローラ14cに給紙するようになっている。
【0030】
図1Bのように、プリンタ100の機器本体上部でスキャナ部2の正面側に配設された操作部6には、例えばスタートキー、テンキー、機能設定キー、リセットキー、クリア/ストップキー等を含むプリンタ100の各種機能を操作するための各種入力キーと、各種入力情報や画像形成装置の状態などを表示する表示部が設けられている。また、プリンタ100の機器本体の側面には外カバー80が取り付けられている。この外カバー80を図2A図2Bのように開いて、後述するように粉体容器13を交換したり、画像形成部4の保守、メンテナンス作業を行ったりする。
【0031】
図2Bは、プリンタ100本体の粉体容器収容部100aの入口に取り付けたアクセス制限カバー30を示すものである。このアクセス制限カバー30は、粉体容器収容部100aの下部に設けたヒンジ軸31を中心として、上下方向に回動可能に構成されている。アクセス制限カバー30は、自重で外側下方に回動すると、機器本体側のストッパ(停止機構)によって所定位置でほぼ水平に停止するように構成されている。
【0032】
●現像装置
現像装置20は、図3に示すように、現像ローラ51、ドクタブレード52、現像剤搬送用の並列2本のスクリユオーガ55、及び、トナー濃度検知センサ56等で構成される。現像ローラ51は感光体41に対向し、ドクタブレード52は現像ローラ51に対向する。
【0033】
2本のスクリユオーガ55は、二つの現像剤収容部(53,54)内に配設されている。現像ローラ51は、内部に固設されたマグネットローラ、及び、マグネットローラの周囲を回転するスリーブ等で構成される。
【0034】
第一現像剤収容部53及び第二現像剤収容部54内には、キャリアとトナーとからなる二成分の現像剤Gが収容されている。第二現像剤収容部54は、その上方に形成された開口を介してトナー落下搬送経路64に連通している。また、トナー濃度検知センサ56は、第二現像剤収容部54内の現像剤G中のトナー濃度を検知する。
【0035】
現像装置20内の現像剤Gは、2本のスクリユオーガ55によって攪拌されながら、第一現像剤収容部53と第二現像剤収容部54との間を循環する。第一現像剤収容部53内の現像剤Gは、2本のスクリユオーガ55の一方に搬送されながら、現像ローラ51内のマグネットローラにより形成される磁界によって現像ローラ51のスリーブ表面上に供給され、担持される。
【0036】
現像ローラ51のスリーブは、図3の矢印で示すように反時計回り方向に回転駆動し、現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51上を移動する。このとき、現像剤G中のトナーは、現像剤G中のキャリアとの摩擦帯電によりキャリアとは逆極性の電位に帯電して静電的にキャリアに吸着し、現像ローラ51上に形成された磁界によって引き寄せられるキャリアとともに現像ローラ51上に担持される。
【0037】
現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、図3中の矢印方向に搬送されて、ドクタブレード52と現像ローラ51とが対向するドクタ部に達する。現像ローラ51上の現像剤Gは、ドクタ部を通過する際にその量が適量化され、その後、感光体41との対向位置である現像領域まで搬送される。
【0038】
現像領域では、現像ローラ51と感光体41との間に形成された現像電界によって感光体41上に形成された潜像に現像剤G中のトナーが吸着される。現像領域を通過した現像ローラ51の表面上に残った現像剤Gはスリーブの回転に伴い第一現像剤収容部53の上方に達して、この位置で現像ローラ51から離脱される。
【0039】
現像装置20内の現像剤Gは、トナー濃度が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置20内の現像剤Gに含まれるトナーの現像による消費量に応じて、粉体容器13に収容されているトナーが、後述するトナー補給装置60を介して第二現像剤収容部54内に補給される。第二現像剤収容部54内に補給されたトナーは、2本のスクリユオーガ55によって、現像剤Gとともに混合、攪拌されながら、第一現像剤収容部53と第二現像剤収容部54との間を循環する。
【0040】
●トナー補給装置
次に、トナー補給装置60(Y,M,C,K)について説明する。図4は、トナー補給装置60に粉体容器13が接続された状態を示す模式図であり、図5は、粉体容器収容部100aに四つの粉体容器13(Y,M,C,K)が収容された状態を示す概略斜視図である。また図6は、共通の粉体容器13の斜視説明図である。
【0041】
プリンタ100の粉体容器収容部100aに設置された各粉体容器13内のトナーは、各色の現像装置20(Y,M,C,K)内のトナー消費に応じて、適宜に各現像装置20内に補給される。このとき、各粉体容器13内のトナーは、トナー色ごとに設けられたトナー補給装置60によって補給される。なお、4つのトナー補給装置60や粉体容器13は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造である。
【0042】
トナー補給装置60は、粉体容器収容部100a、搬送ノズル611、搬送スクリュ614、トナー落下搬送経路64、ボトル回転駆動部91等で構成されている。粉体容器13が図中矢印Qの方向へ移動してプリンタ100の粉体容器収容部100aに装着されると、その装着動作に連動して、粉体容器13のボトル先端側(ノズル受入口13a)から補給装置60の搬送ノズル611が挿入される。
【0043】
これにより、粉体容器13内と搬送ノズル611内とが連通する。この装着動作に連動して連通する構成についての詳細は後述する。
【0044】
粉体容器13は略円筒状の粉体容器である。この粉体容器13を収容する粉体容器収容部100aは、粉体容器収容部100aに非回転で保持されるボトル先端側カバー34と、ボトルギア301とを有する。粉体容器13は、ボトル先端側カバー34に対して相対的に回転可能に保持されている。
【0045】
粉体容器収容部100aは、ボトルカバー受入部73と、ボトル受部72とを有する。ボトルカバー受入部73は、粉体容器13のボトル先端側カバー34を保持するための部分であり、ボトル受部72は、粉体容器13を保持するための部分である。
【0046】
また、粉体容器収容部100aの出入口は、ボトル受部72と、粉体容器13の装着動作時における挿入口を形成する部分である。プリンタ100の手前側(図1Aの紙面垂直方向手前側)に設置された不図示の本体カバーを開放すると、粉体容器収容部100aの出入口が露呈される。
【0047】
そして、各粉体容器13の長手方向を水平方向とした状態で、プリンタ100の手前側から各粉体容器13の着脱操作(粉体容器13の長手方向を着脱方向とする着脱操作)を行う。なお、図4中のセットカバー608は、粉体容器収容部100aのボトルカバー受入部73の一部である。
【0048】
ボトル受部72は、その長手方向の長さが、粉体容器13の長手方向の長さとほぼ同等になるように形成されている。また、ボトルカバー受入部73はボトル受部72における長手方向(着脱方向)のボトル先端側に設けられ、出入口はボトル受部72における長手方向の一端側に設けられている。
【0049】
そのため、粉体容器13の装着動作にともない、ボトル先端側カバー34は、出入口を通過した後に、しばらくボトル受部72上を滑動する。その後、ボトル先端側カバー34はボトルカバー受入部73に装着される。
【0050】
ボトル先端側カバー34がボトルカバー受入部73に装着された状態で、駆動モータや駆動ギア等で構成されているボトル回転駆動部91からボトル駆動ギア601を介して、粉体容器13に具備されたボトルギア301に回転駆動が入力される。これにより、粉体容器13が図4中の矢印A方向に回転駆動される。
【0051】
粉体容器13自体が回転することで、粉体容器13の内周面に螺旋状に形成された螺旋状突起302によって、粉体容器13の内部に収容されたトナーが粉体容器13長手方向に沿って図4中の左側から右側へ搬送される。これにより、ボトル先端側カバー34側から搬送ノズル611内に供給される。
【0052】
搬送ノズル611内には搬送スクリュ614が配置されている。ボトル回転駆動部91から搬送スクリュギア605に回転駆動が入力されることで搬送スクリュ614が回転する。この搬送スクリュ614の回転により、搬送ノズル611内に供給されたトナーが搬送される。
【0053】
搬送ノズル611の搬送方向下流端は、トナー落下搬送経路64に接続されている。搬送スクリュ614によって搬送されたトナーは、トナー落下搬送経路64を自重落下して現像装置20(第二現像剤収容部54)内に補給される。
【0054】
粉体容器13は、それぞれ、寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったとき)に新品のものに交換される。粉体容器13の長手方向におけるボトル先端側カバー34とは反対側の端部には把手部13bが設けられており、交換の際には、作業者が把手部13bを握って引き出すことで、装着された粉体容器13を取り外すことができる。
【0055】
上述した露光装置で用いる画像情報に基づいて制御部90がトナー消費量を算出し、制御部90が現像装置20へのトナーの供給を要すると判断する場合がある。また、トナー濃度検知センサ56の検知結果に基づいて現像装置20内のトナー濃度が低下したことを制御部90にて検出する場合がある。
【0056】
これらの場合は、制御部90の制御によってボトル回転駆動部91を回転駆動し、粉体容器13の粉体容器13と搬送スクリュ614とを所定時間回転させて現像装置20へのトナー補給を行う。また、搬送ノズル611内に配置された搬送スクリュ614を回転することによってトナーの補給を行っているため、搬送スクリュ614の回転数を検出することで、粉体容器13からのトナー供給量を精度良く算出することもできる。
【0057】
粉体容器13を装着したときから累積的に算出したトナー供給量が装着時の粉体容器13内のトナー量に達した場合には、粉体容器13内にトナーが無いものと推定する。そして、プリンタ100の操作部6(図1B参照)に粉体容器13の交換を促す旨の表示を行う。
【0058】
また、トナー濃度検知センサ56がトナー濃度低下を検知して、補給動作実行し、トナー濃度が回復したか否か判定を複数回繰り返しても、トナー濃度検知センサ56によってトナー濃度が回復したことが検知されない場合がある。この場合も、粉体容器13内にトナーが無いものと推定し、プリンタ100の操作部6(図1B参照)に粉体容器13の交換を促す旨の表示を行う。
【0059】
実施の形態に共通のトナー補給装置60では、搬送スクリュ614の回転数によって現像装置20へのトナーの供給量を制御している。このため、搬送ノズル611を通過したトナーは、現像装置20への供給量を制御されることなく、トナー落下搬送経路64を介して、直接に現像装置20へと搬送される。
【0060】
本実施形態のように、搬送ノズル611を粉体容器13に挿入するトナー補給装置60であっても、トナーホッパ等のトナー貯留部を設けてもよい。そして、このトナー貯留部から現像装置20へのトナーの搬送量を制御することで、現像装置20へのトナーの供給量を制御する構成としてもよい。
【0061】
また、本実施形態のトナー補給装置60では、搬送ノズル611内に供給されたトナーを搬送スクリュ614によって搬送する構成としているが、搬送ノズル611内に供給されたトナーを搬送する構成としては、スクリュ部材に限るものではない。粉体ポンプを用いて搬送ノズル611の開口部に負圧を発生させる構成など、スクリュ部材以外によって搬送力を付与する構成であってもよい。
【0062】
トナー貯留部を設ける構成では、トナー貯留部内に貯留されたトナーが所定量以下になったことを検知するトナーエンドセンサを設置する。そして、トナーエンドセンサのトナーエンド検知に基づいて、粉体容器13及び搬送スクリュ614を所定時間回転駆動してトナー貯留部へのトナー補給を行う。
【0063】
さらに、このような制御を所定回数繰り返してもトナーエンドセンサによるトナーエンド検知が解除されない場合には、粉体容器13内にトナーがないものと推定する。そして、プリンタ100の操作部6(図1B参照)に粉体容器13の交換を促す旨の表示を行う。
【0064】
●粉体容器とトナー補給装置の詳細
次に、実施の形態に共通の本実施形態の粉体容器13とトナー補給装置60についてより詳細に説明する。なお、上述したように、粉体容器13及びトナー補給装置60は、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっている。
【0065】
トナー補給装置60は、内部に搬送スクリュ614を備える搬送ノズル611を備える。また、トナー補給装置60は、ノズルシャッタ612を備える。
【0066】
ノズルシャッタ612は、粉体容器13が装着される前の非装着時では、搬送ノズル611に形成された補給口613を閉鎖し、粉体容器13が装着された装着時には補給口613を開放する。一方、粉体容器13の先端面の中央には、ボトル装着時に搬送ノズル611が挿入されるノズル受入口13aが形成されている。このノズル受入口13aは、ボトル非装着時にボトルシャッタ332で閉鎖されるようになっている。
【0067】
図7Aに示すように粉体容器13は略円筒状であり、円筒の中心軸を回転軸として回転する構成となっている。以下、この回転軸に平行な方向を「回転軸方向」と呼び、回転軸方向において、粉体容器13における先端開口(ノズル受入口13a)が形成されている側(ボトル先端側カバー34が配置されている側)を「ボトル先端側」と呼ぶことにする。
【0068】
また、粉体容器13における把手部13bが配置されている側(ボトル後端側先端側とは逆側)を「ボトル後端側」と呼ぶことにする。なお、上述した粉体容器13の長手方向は回転軸方向であり、トナー補給装置60に粉体容器13を装着した状態では、回転軸方向は水平方向となる。
【0069】
粉体容器13のボトルギア301よりもボトル後端側は、ボトル先端側よりもその外径が大きくなっており、その内周面には螺旋状突起302が形成されている。そして、粉体容器13が図中の矢印A方向に回転すると、粉体容器13内のトナーは螺旋状突起302の作用によって回転軸方向における一端側(ボトル後端側)から他端側(ボトル先端側)に向かう搬送力が付与される。
【0070】
粉体容器13のボトル先端側の内壁には、粉体容器13が図中矢印A方向に回転することで螺旋状突起302によってボトル先端側に搬送されてきたトナーを、粉体容器13の回転によって上方に汲み上げる汲み上げ部304が形成されている。汲み上げ部304は、凸部304hと、汲み上げ壁面304fとから成る。
【0071】
凸部304hは、螺旋を形成しながら粉体容器13の回転中心に向かって山の稜線を成すように粉体容器13の内側に隆起した部分である。汲み上げ壁面304fは、凸部304h(稜線)から粉体容器13の周面の内壁にまで繋がる隆起部の壁面のうちボトル回転方向から見て下流側となる壁面である。
【0072】
そして、汲み上げ壁面304fが下方にあるときに、螺旋状突起302の搬送力によって汲み上げ部304に対向する内部空間に進入したトナーを、粉体容器13の回転に応じて汲み上げ壁面304fが上方に汲み上げる。これにより、挿入された搬送ノズル611よりも上方にトナーを汲み上げることができる。また、汲み上げ部304の内周面にも、螺旋状突起302と同様に内部のトナーを搬送するように、螺旋状に形成された汲み上げ部螺旋状突起304aが形成されている。
【0073】
粉体容器13の汲み上げ部304よりもさらにボトル先端側には、ボトルギア301が形成されている。ボトル先端側カバー34には、粉体容器13に取り付けた状態で、このボトルギア301の一部(図6中の奥側)が露出するように、ギア露出開口34aが設けられている。そして、粉体容器13をトナー補給装置60に装着することで、ギア露出開口34aから露出したボトルギア301が、トナー補給装置60側のボトル駆動ギア601に噛み合う構成となっている。
【0074】
●粉体容器本体とノズル受入部材
粉体容器13のボトルギア301よりもさらにボトル先端側には、図7A(a)のように円筒状のボトル開口部33aが形成されている。そして、このボトル開口部33aに図7A(b)のようにノズル受入部材330の受入部材固定部337を圧入することにより、粉体容器本体に対してノズル受入部材330を固定することができる。
【0075】
ノズル受入部材330を固定する方法としては圧入に限らず、接着剤による固定やネジ止めによる固定であっても良い。粉体容器13は、粉体容器13に対してボトル開口部33aの開口からトナーを充填後、ノズル受入部材330を粉体容器13のボトル開口部33aに固定する構成となっている。
【0076】
また、粉体容器13のボトル開口部33aのボトルギア301側の端部には、カバー爪引掛け部306が形成されている。図6の状態の粉体容器13(粉体容器13)に対して、ボトル先端側(図10中の左下側)からボトル先端側カバー34を取り付ける。
【0077】
これにより、粉体容器13が回転軸方向でボトル先端側カバー34を貫き、ボトル先端側カバー34の上部に設けられたカバー爪部341がカバー爪引掛け部306に引っ掛かる。カバー爪引掛け部306はボトル開口部33aの外周面を一周するように形成されており、カバー爪部341が引っ掛かることで、粉体容器13とボトル先端側カバー34とは、相対的に回転可能な取り付けとなる。
【0078】
また、粉体容器13は、二軸延伸ブロー成形法によって成形される。この二軸延伸ブロー成形法は、一般的にはプリフォーム成形工程と延伸ブロー成形工程との二段工程からなる。
【0079】
プリフォーム成形工程では、樹脂を用いて射出成形により試験管状のプリフォームを成形する。このときの射出成形により、試験管状の口部に、ボトル開口部33a、カバー爪引掛け部306及びボトルギア301を形成する。延伸ブロー成形工程は、プリフォーム成形工程後に冷却され、型から外されたプリフォームを加熱して軟化した後、ブロー成形すると共に延伸する。
【0080】
粉体容器13では、ボトルギア301よりもボトル後端側が延伸ブロー成形工程によって成形される。すなわち、汲み上げ部304、螺旋状突起302が形成されている部分、及び、把手部13bは、延伸ブロー成形工程によって成形される。
【0081】
粉体容器13において、ボトルギア301、ボトル開口部33a及びカバー爪引掛け部306等のボトルギア301からボトル先端側の各部は、射出成形されたプリフォームのままの形状であるため、精度良く成形できる。一方、汲み上げ部304、螺旋状突起302が形成されている部分、及び、把手部13bは、射出成形された後、延伸ブロー成形工程で延伸して成形されているため、成型の精度はプリフォーム成型部よりは劣る。
【0082】
●粉体容器の挿入動作1
図8(a)~(d)は、第1実施形態に係る粉体容器収容構造において、プリンタ100の粉体容器収容部110に対する粉体容器13の挿入動作1を説明する図である。この第1実施形態では粉体容器収容部110が図8のように入口側が広く、奥側が狭い外広がりのテーパ状に構成されている。そして粉体容器収容部110の最奥部に、粉体容器13内の粉体を装置側に搬出する搬送ノズル611が配設されている。
【0083】
粉体容器収容部110は奥側に向かって上り傾斜となる傾斜面111と、ほぼ水平な天井面112を有する。傾斜面111の最奥部は、天井面112と平行となる水平面111aとされている。
【0084】
天井面112の入口側端部には、粉体容器の挿入方向を方向転換する方向転換構造を構成する突部113が形成されている。この突部113は、下向きに所定長さで突出しているため、粉体容器収容部110の実質的な入口高さが、粉体容器13の挿入方向前側の本体部分の直径よりも、わずかに大きい程度になっている。このため、粉体容器収容部110の傾斜面111と相まって、粉体容器の挿入初期の姿勢が、図8(a)⇒(b)のように傾斜面111に沿って挿入方向先端側が必然的に斜め上方を向くように構成されている。
【0085】
粉体容器13の形状は、全体として長細の円筒状である。粉体容器13の挿入方向前側の大部分が最大径の本体部分である。粉体容器13の挿入方向後側の後端部分が、本体部分に比べて小径の後端部分13bである。この後端部分13bは、通常、粉体容器13の把手部として機能する。
【0086】
本実施形態においては、小径の後端部分13bが図8(c)(d)のように粉体容器収容部110の入口の突部113との干渉を避けることができるので、粉体容器13を水平状態にして搬送ノズル611を当該容器内に挿入することができる。
【0087】
粉体容器13の交換時期が到来すると、まずプリンタ100の外カバー80を図8(a)のように開放する。次に、プリンタ100の粉体容器収容部110にある空になった粉体容器13を外側に取出す。そして新しい粉体容器13の先端部をプリンタ100の粉体容器収容部110の入口に挿入する。
【0088】
この図8(a)に示す挿入初期においては、粉体容器13の挿入方向前側の本体部分が、粉体容器収容部110の入口の突部113と干渉する。このため、粉体容器13の挿入初期の姿勢が、図8(a)⇒(b)のように傾斜面111に沿って挿入方向先端側が必然的に斜め上方を向く。
【0089】
粉体容器13を図8(b)のように挿入した段階で、粉体容器13の先端部が粉体容器収容部110の天井面112に当接する。一方、粉体容器13の後端部の把手部13bが入口の突部113と対向する位置に到来する。把手部13bは本体部分に比べて小径であるため、突部113と干渉することなく粉体容器13を図8(c)のように水平状態に持上げ可能になる。
【0090】
傾斜面111の最奥部は天井面112と平行となる水平面111aになっているので、粉体容器13を図8(b)⇒(c)のように挿入すると、粉体容器13が水平面111aに案内されて自然に図8(c)のように水平状態になる。すなわち、突部113、傾斜面111及び水平面111aの組合せによって方向転換構造が構成される。
【0091】
粉体容器13を図8(c)のように水平にした状態で、粉体容器13を粉体容器収容部110の奥側に向かってさらに挿入する。これにより、装置側の搬送ノズル611が粉体容器13内に相対的に挿入される。この時点では、図8(b)のように粉体容器13の本体部分の先端部が粉体容器収容部110の天井面112にいったん当接した後である。したがって、図8(a)⇒(b)の段階でユーザまたはサービスマンの作業の仕方によって粉体容器13の挿入速度が不用意に速いときであっても、図8(c)(d)の段階では粉体容器13の挿入速度はかなり低減される。このため、従来のようなエア噴出に伴うトナー飛散や異常画像を防止することができる
【0092】
●粉体容器の挿入動作2
図9(a)~(c)は、第2実施形態に係る粉体容器収容構造において、プリンタ100の粉体容器収容部110に対する粉体容器13の挿入動作2を説明する図である。この第2実施形態では粉体容器収容部110の直径がほぼ一定で水平である。その代わりに、粉体容器収容部110の奥部に可動規制部材116が配設されている。
【0093】
この可動規制部材116を、後述するようにカバー部材としてのアクセス制限カバー30(以下「カバー30」と略称する)と連動させることで、粉体容器13の挿入を一時停止することができる。すなわち、可動規制部材116は粉体容器収容部110の奥部の天井面112において縦孔117内に上下動可能に配設されている。図9(a)が可動規制部材116の前進位置(規制位置)であり、図9(b)(c)が可動規制部材116の後退位置(退避位置)である。
【0094】
カバー30のヒンジ軸31には、図10のように第1ピニオンギヤ120が連結されている。このピニオンギヤ120は傘歯車であってもよい。ピニオンギヤ120に対してフェースギヤ121が噛合っている。
【0095】
フェースギヤ121は、粉体容器収容部110の長手方向に沿って配設された連結軸122を介して、第2ピニオンギヤ123と連結されている。第2ピニオンギヤ123は上下方向に移動可能なラックギヤ124と噛合っている。ラックギヤ124の上端部に、可動規制部材116の腕部116aが連結されている。
【0096】
したがって、カバー30を開くとフェースギヤ121が反時計方向に回動し、可動規制部材116が粉体容器収容部110の天井面112から実線で示すように下方に突出、すなわち規制位置に前進する。また、カバー30を閉じるとフェースギヤ121が時計方向に回動し、可動規制部材116が粉体容器収容部110の天井面112から一点鎖線で示すように上方に退避、すなわち退避位置に後退する。
【0097】
可動規制部材116が規制位置に前進した状態では、図9(a)のように粉体容器13の本体部分前端部が可動規制部材116に干渉(衝突)するので、粉体容器13の挿入が一時停止する。すなわち、可動規制部材116とカバー30の組合せによって粉体容器13の挿入を一時停止させる規制構造が構成される。図9(a)の状態では、可動規制部材116によって粉体容器13が挿入未完状態に規制される。
【0098】
その後、カバー部材30を図9(b)のように閉じる方向に回動させると、可動規制部材116が退避位置に後退する。このため、図9(c)のように粉体容器13を挿入完了位置まで挿入することができる。
【0099】
したがって、図9(a)の段階でユーザまたはサービスマンの作業の仕方によって粉体容器13の挿入速度が不用意に速いときであっても、図9(b)⇒(c)の段階では粉体容器13の挿入速度はかなり低減される。このため、従来のようなエア噴出に伴うトナー飛散や異常画像を防止することができる。
【0100】
図9(c)の状態からカバー30をさらに閉じると、カバー30の内側面で粉体容器13の後端把手部13bが押圧される。この結果、粉体容器13がさらに前進して搬送ノズル611に確実に接続される。
【0101】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、前記方向転換構造は粉体容器13の挿入方向を方向転換させる構造であればよく、突部113、傾斜面111及び水平面111aの組合せに限られない。また前記規制構造も粉体容器13の挿入を一時停止させる構造であればよく、可動規制部材116とカバー30の組合せに限られない。また、図10のフェースギヤ121等による連動機構も機能的に同等な他の連動機構に代替可能である。
【0102】
<付記>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
<態様1>
画像形成装置の粉体容器収容部に対して、現像剤が入った粉体容器を装置外側から挿入可能な粉体容器収容構造において、前記粉体容器の挿入方向を方向転換させる方向転換構造、又は前記粉体容器の挿入を一時停止させる規制構造を、前記粉体容器収容部に設けたことを特徴とする粉体容器収容構造。
<態様2>
前記方向転換構造は、前記粉体容器の挿入方向を第1挿入方向から当該第1挿入方向と異なる第2挿入方向に少なくとも1回方向転換させることを特徴とする態様1の粉体容器収容構造。
<態様3>
前記粉体容器が前記第1挿入方向で前記粉体容器収容部の入口に挿入されると共に、前記第2挿入方向で前記粉体容器収容部へ挿入を完了するように前記方向転換構造でガイドされることを特徴とする態様2の粉体容器収容構造。
<態様4>
前記粉体容器が挿入方向前側の本体部分と挿入方向後側の後端部分とを有し、前記方向転換構造は、前記粉体容器が前記第1挿入方向で前記粉体容器収容部の入口に挿入されるときに前記本体部分と干渉し、前記粉体容器が前記第2挿入方向で前記粉体容器収容部へ挿入を完了するときに前記後端部分と干渉しないことを特徴とする態様3の粉体容器収容構造。
<態様5>
前記後端部分が前記本体部分よりも小径であることを特徴とする態様4の粉体容器収容構造。
<態様6>
前記規制構造は、前記粉体容器収容部に対する前記粉体容器の挿入深さを、挿入が完了していない挿入未完状態に規制する可動規制部材を有し、前記粉体容器が規制位置にある前記可動規制部材に当接した後に前記可動規制部材が前記粉体容器から離間した退避位置に後退することを特徴とする態様1の粉体容器収容構造。
<態様7>
前記粉体容器収容部の入口に配設された開閉可能なカバー部材と、当該カバー部材と前記可動規制部材を連動させる連動機構とを有し、前記カバー部材の開動作と連動して前記可動規制部材が前記規制位置に前進し、前記カバー部材の閉動作と連動して前記可動規制部材が前記退避位置に後退するようにしたことを特徴とする態様6の粉体容器収容構造。
<態様8>
態様1から7のいずれか1項の粉体容器収容構造を有することを特徴とする画像形成装置。
【符号の説明】
【0103】
2:スキャナ部 2a:コンタクトガラス
2b:光源 2c~2e:ミラー部材
2f:結像レンズ 2g:イメージセンサ
3:排紙部 4:画像形成部
5:給紙部 6:操作部
11Y、11C、11M、11K:プロセスカートリッジ
12:光書込装置
13、13Y、13C、13M、13K:粉体容器
13a:ノズル受入口 13b:後端部分(把手部)
14:中間転写装置 14a:一次転写ローラ
14b:中間転写ベルト 14c:二次転写ローラ
15:中間転写クリーニング装置 16:定着装置
16a:定着ローラ 16b:加熱ローラ
16c:定着ベルト 16d:加圧ローラ
17:感光体ドラム 18:帯電装置
19:クリーニング装置 20Y、20C、20M、20K:現像装置
21:搬送ローラ 22:排紙ローラ
23:切換爪 24:反転搬送ローラ
25:反転搬送路 26、27:搬送ローラ
28:両面用搬送路 30:アクセス制限カバー
30:アクセス制限カバー(カバー部材)
31:ヒンジ軸 33a:ボトル開口部
34:ボトル先端側カバー 34a:ギア露出開口
41:感光体 51:現像ローラ
52:ドクタブレード 53:第一現像剤収容部
54:第二現像剤収容部 55:スクリユオーガ
56:トナー濃度検知センサ
60、60Y,60M,60C,60K:トナー補給装置
64:トナー落下搬送経路 72:ボトル受部
73:ボトルカバー受入部 80:外カバー
90:制御部 91:ボトル回転駆動部
100:プリンタ(画像形成装置) 100a:粉体容器収容部
100b、13c:雌雄ネジ部 100c、100d:摩擦部材
110:粉体容器収容部 111:傾斜面
111a:水平面 112:天井面
113:突部(方向転換構造) 116:可動規制部材(規制構造)
116a:腕部 117:縦孔
120:ピニオンギヤ 121:フェースギヤ
122:連結軸 124:ラックギヤ
301:ボトルギア 302:螺旋状突起
304:汲み上げ部 304a:汲み上げ部螺旋状突起
304f:汲み上げ壁面 304h:凸部
306:カバー爪引掛け部 330:ノズル受入部材
332:ボトルシャッタ 337:受入部材固定部
341:カバー爪部 601:ボトル駆動ギア
605:搬送スクリュギア 608:セットカバー
611:搬送ノズル 612:ノズルシャッタ
613:補給口 614:搬送スクリュ
G:現像剤 R3:レジストローラ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開2014-112189号公報
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10