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特開2024-135327バスバー構造体、バスバー構造体を備えたケース構造体及びケース構造体の製造方法
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  • 特開-バスバー構造体、バスバー構造体を備えたケース構造体及びケース構造体の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135327
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】バスバー構造体、バスバー構造体を備えたケース構造体及びケース構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/58 20060101AFI20240927BHJP
   H01R 4/02 20060101ALI20240927BHJP
   H01R 43/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01R4/58 C
H01R4/02 C
H01R43/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045954
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100182545
【弁理士】
【氏名又は名称】神谷 雪恵
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】河原 周平
【テーマコード(参考)】
5E051
5E085
【Fターム(参考)】
5E051LA03
5E051LB10
5E085BB14
5E085CC03
5E085DD04
5E085EE33
5E085HH12
5E085JJ01
5E085JJ22
(57)【要約】
【課題】溶接時におけるバスバーの溶接部からの熱引きが抑制されて溶接部の溶接品質を向上させることができるバスバー構造体を提供する。
【解決手段】所定の厚さを有する第1バスバーと、所定の厚さを有する第2バスバーと、所定の厚さを有する第3バスバーと、を備えたバスバー構造体であり、前記第1バスバーの先端が、幅狭に形成された第1切欠き部を備え、前記第2バスバーの先端が、幅狭に形成された第2切欠き部を備え、前記第1バスバーの先端が、前記第2バスバーの先端と対向し、前記第3バスバーの先端と前記第1切欠き部とが厚さ方向に重なり合った第1重ね合わせ部、及び前記第3バスバーの先端と前記第2切欠き部とが厚さ方向に重なり合った第2重ね合わせ部を有し、前記第1重ね合わせ部にて前記第1切欠き部と前記第3バスバーの先端とが溶接され、且つ前記第2重ね合わせ部にて前記第2切欠き部と前記第3バスバーの先端とが溶接された、溶接部を有するバスバー構造体。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の厚さを有する第1バスバーと、
所定の厚さを有する第2バスバーと、
所定の厚さを有する第3バスバーと、を備えたバスバー構造体であり、
前記第1バスバーの先端が、幅狭に形成された第1切欠き部を備え、
前記第2バスバーの先端が、幅狭に形成された第2切欠き部を備え、
前記第1バスバーの先端が、前記第2バスバーの先端と対向し、
前記第3バスバーの先端と前記第1切欠き部とが厚さ方向に重なり合った第1重ね合わせ部、及び前記第3バスバーの先端と前記第2切欠き部とが厚さ方向に重なり合った第2重ね合わせ部を有し、
前記第1重ね合わせ部にて前記第1切欠き部と前記第3バスバーの先端とが溶接され、且つ前記第2重ね合わせ部にて前記第2切欠き部と前記第3バスバーの先端とが溶接された、溶接部を有するバスバー構造体。
【請求項2】
前記第1バスバーと前記第2バスバーが突き合わせて配置されることで、突き合わせ部が形成され、前記溶接部が、前記突き合わせ部を介して、前記第1重ね合わせ部及び前記第2重ね合わせ部に形成されている請求項1に記載のバスバー構造体。
【請求項3】
前記第3バスバーの先端が、厚さ方向に貫通した開口部を有し、前記開口部の少なくとも一部は、前記第1切欠き部及び前記第2切欠き部と厚さ方向に重なり合わず、
前記溶接部が、前記開口部の周縁に沿って前記第1重ね合わせ部及び前記第2重ね合わせ部に形成されている請求項1または2に記載のバスバー構造体。
【請求項4】
前記溶接部が、前記突き合わせ部を介して、前記第1重ね合わせ部から前記第2重ね合わせ部まで連続して形成されている請求項1または2に記載のバスバー構造体。
【請求項5】
前記第1バスバーの先端が第1溝部、前記第2バスバーの先端が第2溝部を有し、前記第1溝部の底部及び前記第2溝部の底部に前記溶接部が形成されている請求項1または2に記載のバスバー構造体。
【請求項6】
前記第3バスバーの先端が第3溝部を有し、前記第3溝部の底部に前記溶接部が形成されている請求項1または2に記載のバスバー構造体。
【請求項7】
前記溶接部が、ウォブリング溶接である請求項1または2に記載のバスバー構造体。
【請求項8】
前記第1切欠き部及び/または前記第2切欠き部が、複数形成され、前記溶接部が、一筆書き状に繋がり、前記溶接部の始点及び終点が、それぞれ1箇所ずつである請求項1または2に記載のバスバー構造体。
【請求項9】
所定の厚さを有する第1バスバーと、
所定の厚さを有する第2バスバーと、
所定の厚さを有する第3バスバーと、
所定の厚さを有する第4バスバーと、を備えたバスバー構造体であり、
前記第1バスバーの先端が、幅狭に形成された第1切欠き部を備え、
前記第2バスバーの先端が、幅狭に形成された第2切欠き部を備え、
前記第3バスバーの先端が、幅狭に形成された第3切欠き部を備え、
前記第4バスバーの先端が、幅狭に形成された第4切欠き部を備え、
前記第1バスバーの先端が、前記第2バスバーの先端と対向し、
前記第3バスバーの先端が、前記第4バスバーの先端と対向し、
前記第1切欠き部、前記第2切欠き部、前記第3切欠き部及び前記第4切欠き部にて連続した平面部が形成され、
前記第1切欠き部、前記第2切欠き部、前記第3切欠き部及び前記第4切欠き部に沿って、前記連続した平面部が溶接された溶接部を有するバスバー構造体。
【請求項10】
さらに、第5バスバーを有し、前記第5バスバーの先端と前記連続した平面部とが厚さ方向に重なり合い、前記溶接部にて、前記連続した平面部と前記第5バスバーの先端とが溶接されている請求項9に記載のバスバー構造体。
【請求項11】
請求項3に記載のバスバー構造体と、
前記開口部に挿通された突起部を有するケースと、を備えたケース構造体。
【請求項12】
前記開口部に挿通された前記突起部が、前記バスバー構造体に溶着されて前記バスバー構造体が前記ケースに固定されている請求項11に記載のケース構造体。
【請求項13】
所定の厚さを有する第1バスバーであって、前記第1バスバーの先端が、幅狭に形成された第1切欠き部を備える第1バスバー、所定の厚さを有する第2バスバーであって、前記第2バスバーの先端が、幅狭に形成された第2切欠き部を備える第2バスバー、及び所定の厚さを有する第3バスバーであって、前記第3バスバーの先端に厚さ方向に貫通した開口部を有する第3バスバーを、それぞれ準備する工程と、
前記第3バスバーの開口部に、ケースに設けられた突起部を挿通する工程と、
前記第3バスバーの先端に前記第1切欠き部を厚さ方向に重なり合わせて第1重ね合わせ部を形成し、前記第3バスバーの先端に前記第2切欠き部を厚さ方向に重なり合わせて第2重ね合わせ部を形成する工程と、
前記第1重ね合わせ部にて前記第1切欠き部と前記第3バスバーの先端とを溶接し、前記第2重ね合わせ部にて前記第2切欠き部と前記第3バスバーの先端とを溶接して、溶接部を形成する工程と、
前記開口部に挿通された前記突起部を溶かして前記突起部を前記開口部に溶着させる工程と、
を含むケース構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ワイヤーハーネス等を種々の電装品に分岐接続するのに用いられるバスバー構造体、バスバー構造体を備えたケース構造体及びケース構造体の製造方法に関し、溶接部の熱引きを抑制して溶接品質を向上させることができるバスバー構造体、バスバー構造体を備えたケース構造体及びケース構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用ワイヤーハーネス等を種々の電装品に分岐接続するために、バスバーを複数方向へ分岐させたバスバー構造体を使用する。バスバーを複数方向へ分岐させたバスバー構造体は、バスバー構造体を構成する入力側バスバーから通電された電力を、同じくバスバー構造体を構成する、電装品に接続された複数のバスバーに効率的に分岐するものであり、ワイヤーハーネスの高密度化と電装品の高機能化に伴って、種々のバスバー構造体が提案されている。
【0003】
バスバーを複数方向へ分岐させたバスバー構造体は、複数のバスバーを溶接により接続することで形成されている。具体的には、端子部材の被溶接部分を、積層される2つのバスバーのパターン部分で挟持し、一方のバスバーのパターン部分表面からエネルギーを供給して溶接するバスバー構造体が提案されている(特許文献1)。また、特許文献1では、溶接部に供給するエネルギー密度を小さくするために、端子部材の被溶接部分の一部が露出するように一方のバスバーのパターン部分をずらして配置し、当該ずらしたバスバーのパターン部分表面及び露出したタブ端子部材の被溶接部分表面からそれぞれエネルギーを供給して溶接したバスバー構造体が提案されている。
【0004】
また、近年、環境負荷の低減の観点から、電気自動車の普及がますます重要となっている。一方で、電気自動車では、内燃機関を備えた従来の自動車と比較して、高電流の電力が電装品に印加されることがあり、電気自動車では、バスバーの肉厚化が要求されている。
【0005】
しかし、端子部材の被溶接部分を、積層される2つのバスバーのパターン部分で挟持する特許文献1のバスバー構造体では、板厚の厚いバスバーを使用すると、溶接時におけるバスバーからの放熱量が多くなり、溶接に必要なエネルギーが増大する。
【0006】
溶接時におけるバスバーからの放熱量が多くなって溶接に必要なエネルギーが増大すると、溶接効率が低減し、また溶接品質が低下してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000-150013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は、溶接時におけるバスバーの溶接部からの熱引きが抑制されて溶接部の溶接品質を向上させることができる、バスバーを複数方向へ分岐させたバスバー構造体、バスバー構造体を備えたケース構造体及びケース構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]所定の厚さを有する第1バスバーと、
所定の厚さを有する第2バスバーと、
所定の厚さを有する第3バスバーと、を備えたバスバー構造体であり、
前記第1バスバーの先端が、幅狭に形成された第1切欠き部を備え、
前記第2バスバーの先端が、幅狭に形成された第2切欠き部を備え、
前記第1バスバーの先端が、前記第2バスバーの先端と対向し、
前記第3バスバーの先端と前記第1切欠き部とが厚さ方向に重なり合った第1重ね合わせ部、及び前記第3バスバーの先端と前記第2切欠き部とが厚さ方向に重なり合った第2重ね合わせ部を有し、
前記第1重ね合わせ部にて前記第1切欠き部と前記第3バスバーの先端とが溶接され、且つ前記第2重ね合わせ部にて前記第2切欠き部と前記第3バスバーの先端とが溶接された、溶接部を有するバスバー構造体。
[2]前記第1バスバーと前記第2バスバーが突き合わせて配置されることで、突き合わせ部が形成され、前記溶接部が、前記突き合わせ部を介して、前記第1重ね合わせ部及び前記第2重ね合わせ部に形成されている[1]に記載のバスバー構造体。
[3]前記第3バスバーの先端が、厚さ方向に貫通した開口部を有し、前記開口部の少なくとも一部は、前記第1切欠き部及び前記第2切欠き部と厚さ方向に重なり合わず、
前記溶接部が、前記開口部の周縁に沿って前記第1重ね合わせ部及び前記第2重ね合わせ部に形成されている[1]または[2]に記載のバスバー構造体。
[4]前記溶接部が、前記突き合わせ部を介して、前記第1重ね合わせ部から前記第2重ね合わせ部まで連続して形成されている[1]または[2]に記載のバスバー構造体。
[5]前記第1バスバーの先端が第1溝部、前記第2バスバーの先端が第2溝部を有し、前記第1溝部の底部及び前記第2溝部の底部に前記溶接部が形成されている[1]または[2]に記載のバスバー構造体。
[6]前記第3バスバーの先端が第3溝部を有し、前記第3溝部の底部に前記溶接部が形成されている[1]または[2]に記載のバスバー構造体。
[7]前記溶接部が、ウォブリング溶接である[1]または[2]に記載のバスバー構造体。
[8]前記第1切欠き部及び/または前記第2切欠き部が、複数形成され、前記溶接部が、一筆書き状に繋がり、前記溶接部の始点及び終点が、それぞれ1箇所ずつである[1]または[2]に記載のバスバー構造体。
[9]所定の厚さを有する第1バスバーと、
所定の厚さを有する第2バスバーと、
所定の厚さを有する第3バスバーと、
所定の厚さを有する第4バスバーと、を備えたバスバー構造体であり、
前記第1バスバーの先端が、幅狭に形成された第1切欠き部を備え、
前記第2バスバーの先端が、幅狭に形成された第2切欠き部を備え、
前記第3バスバーの先端が、幅狭に形成された第3切欠き部を備え、
前記第4バスバーの先端が、幅狭に形成された第4切欠き部を備え、
前記第1バスバーの先端が、前記第2バスバーの先端と対向し、
前記第3バスバーの先端が、前記第4バスバーの先端と対向し、
前記第1切欠き部、前記第2切欠き部、前記第3切欠き部及び前記第4切欠き部にて連続した平面部が形成され、
前記第1切欠き部、前記第2切欠き部、前記第3切欠き部及び前記第4切欠き部に沿って、前記連続した平面部が溶接された溶接部を有するバスバー構造体。
[10]さらに、第5バスバーを有し、前記第5バスバーの先端と前記連続した平面部とが厚さ方向に重なり合い、前記溶接部にて、前記連続した平面部と前記第5バスバーの先端とが溶接されている[9]に記載のバスバー構造体。
[11][3]に記載のバスバー構造体と、
前記開口部に挿通された突起部を有するケースと、を備えたケース構造体。
[12]前記開口部に挿通された前記突起部が、前記バスバー構造体に溶着されて前記バスバー構造体が前記ケースに固定されている[11]に記載のケース構造体。
[13]所定の厚さを有する第1バスバーであって、前記第1バスバーの先端が、幅狭に形成された第1切欠き部を備える第1バスバー、所定の厚さを有する第2バスバーであって、前記第2バスバーの先端が、幅狭に形成された第2切欠き部を備える第2バスバー、及び所定の厚さを有する第3バスバーであって、前記第3バスバーの先端に厚さ方向に貫通した開口部を有する第3バスバーを、それぞれ準備する工程と、
前記第3バスバーの開口部に、ケースに設けられた突起部を挿通する工程と、
前記第3バスバーの先端に前記第1切欠き部を厚さ方向に重なり合わせて第1重ね合わせ部を形成し、前記第3バスバーの先端に前記第2切欠き部を厚さ方向に重なり合わせて第2重ね合わせ部を形成する工程と、
前記第1重ね合わせ部にて前記第1切欠き部と前記第3バスバーの先端とを溶接し、前記第2重ね合わせ部にて前記第2切欠き部と前記第3バスバーの先端とを溶接して、溶接部を形成する工程と、
前記開口部に挿通された前記突起部を溶かして前記突起部を前記開口部に溶着させる工程と、
を含むケース構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のバスバー構造体の態様では、所定の厚さを有する第1バスバーと、所定の厚さを有する第2バスバーと、所定の厚さを有する第3バスバーと、を備えたバスバー構造体であり、前記第1バスバーの先端が、幅狭に形成された第1切欠き部を備え、前記第2バスバーの先端が、幅狭に形成された第2切欠き部を備え、前記第3バスバーの先端と前記第1切欠き部とが厚さ方向に重なり合った第1重ね合わせ部、及び前記第3バスバーの先端と前記第2切欠き部とが厚さ方向に重なり合った第2重ね合わせ部を有することにより、第1バスバーと第3バスバーとの重ね合わせ部の領域が低減され、第2バスバーと第3バスバーとの重ね合わせ部の領域が低減される。また、第1バスバーと第2バスバーと第3バスバーのいずれもが重ね合わされた重ね合わせ部が形成される必要がない。
【0011】
従って、本発明のバスバー構造体の態様によれば、第1バスバー、第2バスバー及び第3バスバーが肉厚化されても、前記第1重ね合わせ部にて前記第1切欠き部と前記第3バスバーの先端とが溶接され、且つ前記第2重ね合わせ部にて前記第2切欠き部と前記第3バスバーの先端とが溶接された、溶接部を形成する際に、溶接時におけるバスバーの溶接部からの熱引き(熱放出)が抑制されて、溶接部の溶接品質を向上させることができる。
【0012】
本発明のバスバー構造体の態様によれば、前記第1バスバーと前記第2バスバーが突き合わせて配置されることで、突き合わせ部が形成され、前記溶接部が、前記突き合わせ部を介して、前記第1重ね合わせ部及び前記第2重ね合わせ部に形成されていることにより、溶接部の形成が容易化され、また、第3バスバーと第1バスバーとの接続強度及び第3バスバーと第2バスバーとの接続強度を向上させることができる。
【0013】
本発明のバスバー構造体の態様によれば、前記第3バスバーの先端が厚さ方向に貫通した開口部を有し、前記開口部の少なくとも一部は、前記第1切欠き部及び前記第2切欠き部と厚さ方向に重なり合わず、前記溶接部が前記開口部の周縁に沿って前記第1重ね合わせ部及び前記第2重ね合わせ部に形成されていることにより、開口部にて溶接時における第3バスバーの溶接部からの熱引きが抑制されるので、溶接部の溶接品質を向上させることができる。また、開口部にて溶接時における第3バスバーの溶接部からの熱引きが抑制されるので、溶接部の形成に必要なエネルギーをさらに低減することができる。
【0014】
また、本発明のバスバー構造体の態様によれば、前記第3バスバーの先端が厚さ方向に貫通した開口部を有することにより、前記開口部にケースの所定位置に設けられた突起部を挿通することで、前記開口部がケースに収容されるバスバー構造体の位置決めとして機能できる。
【0015】
本発明のバスバー構造体の態様によれば、前記溶接部が、前記突き合わせ部を介して、前記第1重ね合わせ部から前記第2重ね合わせ部まで連続して形成されていることにより、溶接加工が容易化され、また、第3バスバーと第1バスバーとの接続強度及び第3バスバーと第2バスバーとの接続強度を向上させることができる。
【0016】
本発明のバスバー構造体の態様によれば、第1重ね合わせ部及び第2重ね合わせ部のうち、第1バスバー及び第2バスバーの側から溶接を行う場合に、前記第1バスバーの先端が第1溝部、前記第2バスバーの先端が第2溝部を有し、前記第1溝部の底部及び前記第2溝部の底部に前記溶接部が形成されていることにより、溶接時におけるスパッタリングの飛散範囲を抑制して溶接部の溶接品質をさらに向上させることができる。
【0017】
本発明のバスバー構造体の態様によれば、第1重ね合わせ部及び第2重ね合わせ部のうち、第3バスバーの側から溶接を行う場合に、前記第3バスバーの先端が第3溝部を有し、前記第3溝部の底部に前記溶接部が形成されていることにより、溶接時におけるスパッタリングの飛散範囲を抑制して溶接部の溶接品質をさらに向上させることができる。
【0018】
本発明のバスバー構造体の態様によれば、前記溶接部が、ウォブリング溶接であることにより、溶接部に空隙が生じることを抑制できるので、第1バスバーと第3バスバー間及び第2バスバーと第3バスバー間の電気的接続性と接続強度が向上する。
【0019】
本発明のケース構造体の態様によれば、第3バスバーの先端が厚さ方向に貫通した開口部を有する上記バスバー構造体と、前記開口部に挿通された突起部を有するケースと、を備えることにより、開口部が溶接時におけるバスバーの溶接部からの熱引きをさらに抑制するので、溶接部の溶接品質が向上したバスバー構造体を備えたケース構造体を得ることができる。
【0020】
また、本発明のケース構造体の態様によれば、前記第3バスバーの先端が厚さ方向に貫通した開口部を有することにより、前記開口部にケースの所定位置に設けられた突起部を挿通することで前記開口部がケースに収容されるバスバー構造体の位置決めとして機能できるので、バスバー構造体の位置精度に優れたケース構造体を得ることができる。
【0021】
また、本発明のケース構造体の製造方法の態様によれば、前記第3バスバーの開口部に、ケースに設けられた突起部を挿通する工程と、前記第3バスバーの先端に前記第1切欠き部を厚さ方向に重なり合わせて第1重ね合わせ部を形成し、前記第3バスバーの先端に前記第2切欠き部を厚さ方向に重なり合わせて第2重ね合わせ部を形成する工程と、前記第1重ね合わせ部にて前記第1切欠き部と前記第3バスバーの先端とを溶接し、前記第2重ね合わせ部にて前記第2切欠き部と前記第3バスバーの先端とを溶接して、溶接部を形成する工程と、前記開口部に挿通された前記突起部を溶かして前記突起部を前記開口部に溶着させる工程と、を含むことにより、溶接部の溶接品質が向上したバスバー構造体を備えたケース構造体を製造することができる。
【0022】
また、本発明のケース構造体の製造方法の態様によれば、前記第3バスバーの先端が厚さ方向に貫通した開口部を有することにより、前記開口部にケースの所定位置に設けられた突起部を挿通することで前記開口部がケースに収容されるバスバー構造体の位置決めとして機能できるので、バスバー構造体の位置精度に優れたケース構造体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態例に係るバスバー構造体の平面図である。
図2】本発明の第1実施形態例に係るバスバー構造体の斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態例に係るバスバー構造体の構造を説明する分解図である。
図4】本発明の第1実施形態例に係るバスバー構造体の溶接部を説明する拡大断面図である。
図5】本発明の第1実施形態例に係るバスバー構造体の溶接部の構造を説明する断面図である。
図6】本発明の第2実施形態例に係るバスバー構造体の平面図である。
図7】本発明の第3実施形態例に係るバスバー構造体の溶接部を説明する拡大断面図である。
図8】本発明の第4実施形態例に係るバスバー構造体の平面図である。
図9】本発明の第4実施形態例に係るバスバー構造体の構造を説明する分解図である。
図10】本発明の第5実施形態例に係るバスバー構造体の平面図である。
図11】本発明の第6実施形態例に係るバスバー構造体の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の第1実施形態例に係るバスバー構造体について説明する。なお、図1は、本発明の第1実施形態例に係るバスバー構造体の平面図である。図2は、本発明の第1実施形態例に係るバスバー構造体の斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態例に係るバスバー構造体の構造を説明する分解図である。図4は、本発明の第1実施形態例に係るバスバー構造体の溶接部を説明する拡大断面図である。図5は、本発明の第1実施形態例に係るバスバー構造体の溶接部の構造を説明する断面図である。
【0025】
図1、2、3に示すように、第1実施形態例に係るバスバー構造体1は、所定の厚さを有する第1バスバー10と、第1バスバー10とは別部品である、所定の厚さを有する第2バスバー20と、第1バスバー10及び第2バスバー20とは別部品である、所定の厚さを有する第3バスバー30と、を備えている。
【0026】
バスバー構造体1では、第1バスバー10、第2バスバー20及び第3バスバー30の形状は、いずれも板状であり、第1バスバー10、第2バスバー20及び第3バスバー30は、いずれも、平面視にて長手方向と短手方向(幅方向)を有する板状部材である。
【0027】
バスバー構造体1では、第3バスバー30の長手方向の先端31から第1バスバー10と第2バスバー20が異なる方向に延在している形状となっている。上記から、バスバー構造体1では、第3バスバー30の長手方向の先端31にて第1バスバー10と第2バスバー20が分岐接続された形状となっている。バスバー構造体1では、説明の便宜上、第3バスバー30の長手方向の先端31を起点にして、第1バスバー10と第2バスバー20が同一直線上に異なる方向に延在している。また、第1バスバー10と第2バスバー20が、第3バスバー30の長手方向の先端31を起点にして、第3バスバー30の長手方向に対して略直交方向に延在している。上記から、バスバー構造体1では、平面視略T字形状である。
【0028】
以下、説明の便宜上、バスバー構造体1における第3バスバー30の長手方向を第1方向(D1方向)とする。第1方向(D1方向)は、第1バスバー10の短手方向(幅方向)及び第2バスバー20の短手方向(幅方向)でもある。また、第1方向(D1方向)は、バスバー構造体1の上下方向である。下方向を-D1方向、上方向を+D1方向とする。バスバー構造体1の第1方向(D1方向)に直交する方向を第2方向(D2方向)とする。第2方向(D2方向)は、第3バスバー30の短手方向(幅方向)であり、第1バスバー10の長手方向及び第2バスバー20の長手方向でもある。第2方向(D2方向)は、バスバー構造体1の左右方向である。図1における左方向を-D2方向、図1における右方向を+D2方向とする。
【0029】
第1バスバー10の長手方向は第1バスバー10の通電方向である。第2バスバー20の長手方向は第2バスバー20の通電方向である。第3バスバー30の長手方向は第3バスバー30の通電方向である。
【0030】
図1、2、3に示すように、第1バスバー10の長手方向の先端11には、第1バスバー10が幅方向に切り欠かれて幅狭に形成された第1切欠き部12が備えられている。第1切欠き部12は、第1バスバー10の長手方向の先端11の幅狭部である。
【0031】
バスバー構造体1では、第1バスバー10の先端11のうち、+D1方向の部位が切除されて第1切除部13となり、-D1方向に位置する残余の部位が、幅狭部である第1切欠き部12となっている。D1方向において、第1切欠き部12は第1切除部13と隣接している。第1切欠き部12の-D1方向側には切除部は形成されていない。従って、第1バスバー10の先端11では、-D1方向に位置する部位が、+D1方向に位置する部位よりも長手方向に延在している。また、第1切欠き部12は、1つ設けられている。従って、第1バスバー10の先端11は、平面視略L字状となっている。
【0032】
第1切除部13は、D1方向の中央部から+D1方向の全体にわたっている。バスバー構造体1では、第1切欠き部12のD1方向の寸法は、第1切除部13のD1方向の寸法よりも小さくなっている。
【0033】
第2バスバー20の長手方向の先端21には、第2バスバー20が幅方向に切り欠かれて幅狭に形成された第2切欠き部22が備えられている。第2切欠き部22は、第2バスバー20の長手方向の先端21の幅狭部である。
【0034】
バスバー構造体1では、第2バスバー10の先端21のうち、-D1方向の部位が切除されて第2切除部23となり、+D1方向に位置する残余の部位が、幅狭部である第2切欠き部22となっている。D1方向において、第2切欠き部22は第2切除部23と隣接している。第2切欠き部22の+D1方向側には切除部は形成されていない。従って、2バスバー20の先端21では、+D1方向に位置する部位が、-D1方向に位置する部位よりも長手方向に延在している。また、第2切欠き部22は、1つ設けられている。従って、第2バスバー20の先端21は、平面視略L字状となっている。
【0035】
第2切除部23は、D1方向の中央部から-D1方向の全体にわたっている。バスバー構造体1では、第2切欠き部22のD1方向の寸法は、第2切除部23のD1方向の寸法よりも小さくなっている。
【0036】
図1、2、3に示すように、第1バスバー10の先端11が、第2バスバー20の先端21と対向して配置されている。具体的には、第1バスバー10の先端11と第2バスバー20の先端21が突き合わせて配置されることで、突き合わせ部43が形成されている。第1切欠き部12が第2切除部23に配置され、第2切欠き部22が第1切除部13に配置された位置関係にて、第1バスバー10の先端11が、第2バスバー20の先端21とD2方向にて対向配置されている。上記から、第1切欠き部12は、D1方向において第2切欠き部22と対向配置されている。また、第1バスバー10は、第2バスバー20とは重ね合わされていない位置関係となっている。
【0037】
また、第1切欠き部12のD1方向の寸法は第1切除部13のD1方向の寸法よりも小さく、第2切欠き部22のD1方向の寸法は第2切除部23のD1方向の寸法よりも小さいことから、第1切欠き部12は、D1方向において、第2切欠き部22と間隔Sをあけて対向配置されている。すなわち、第1切欠き部12と第2切欠き部22との間には、間隔Sが介在している。
【0038】
なお、バスバー構造体1では、突き合わせ部43にて、第1切欠き部12の先端部12aが第2バスバー20の先端21と当接している。また、突き合わせ部43にて、第2切欠き部22の先端部22aが第1バスバー10の先端11と当接している。
【0039】
また、第1切欠き部12のD1方向の寸法は第1切除部13のD1方向の寸法よりも小さく、第2切欠き部22のD1方向の寸法は第2切除部23のD1方向の寸法よりも小さいことから、第1バスバー10の第1切除部13に位置する先端11は、D2方向において、第2バスバー20の第2切除部23に位置する先端21と間隔Sをあけて対向配置されている。すなわち、第1バスバー10の第1切除部13に位置する先端11と第2バスバー20の第2切除部23に位置する先端21との間には、間隔Sが介在している。
【0040】
バスバー構造体1では、第3バスバー30の長手方向の先端31には切欠き部は設けられておらず、第3バスバー30の長手方向の先端31と第1切欠き部12とが、第1バスバー10と第3バスバー30の厚さ方向に重なり合った第1重ね合わせ部41を有している。第1重ね合わせ部41では、第2バスバー20は重ね合わされていない。
【0041】
また、バスバー構造体1では、第3バスバー30の長手方向の先端31と第2切欠き部22とが第2バスバー20と第3バスバー30の厚さ方向に重なり合った第2重ね合わせ部42を有している。第2重ね合わせ部42では、第1バスバー10は重ね合わされていない。
【0042】
第1バスバー10の先端11と第2バスバー20の先端21が突き合わせて配置されることから、第1切欠き部12と第2切欠き部22は、第3バスバー30の先端31と接触している側の面において同一平面上に延在している。
【0043】
第3バスバー30の先端31と第1切欠き部12とが重なり合った第1重ね合わせ部41を有することで、第3バスバー30の先端31にて第1バスバー10が分岐接続された形状となっている。また、第3バスバー30の先端31と第2切欠き部22とが重なり合った第2重ね合わせ部42を有することで、第3バスバー30の先端31にて第2バスバー20が分岐接続された形状となっている。バスバー構造体1では、第1重ね合わせ部41と第2重ね合わせ部42を有することで、第3バスバー30の先端31を起点にして、第1バスバー10と第2バスバー20が異なる方向に延在している。
【0044】
図1、2、3に示すように、第3バスバー30の先端31は、第3バスバー30の厚さ方向に貫通した開口部32を有している。開口部32は、第3バスバー30の先端31に形成された貫通孔である。
【0045】
図1、2に示すように、開口部32の少なくとも一部領域は、第1切欠き部12及び第2切欠き部22とバスバー構造体1の厚さ方向に重なり合わない位置に設けられている。すなわち、開口部32の少なくとも一部領域は、第1切欠き部12及び第2切欠き部22と平面視にて重なり合わない位置関係となっている。バスバー構造体1では、説明の便宜上、開口部32の全体が、第1切欠き部12及び第2切欠き部22と平面視にて重なり合わない位置に設けられている。
【0046】
開口部32の少なくとも一部領域は、第1切欠き部12と第2切欠き部22との間に形成された間隔Sとバスバー構造体1の厚さ方向に重なり合う位置に設けられている。すなわち、開口部32の少なくとも一部領域は、間隔Sと平面視にて重なり合う位置関係となっている。バスバー構造体1では、説明の便宜上、開口部32の全体が、間隔Sと平面視にて重なり合う位置に設けられている。
【0047】
上記から、バスバー構造体1では、開口部32の部位はバスバー構造体1の貫通部となっている。バスバー構造体1では、説明の便宜上、開口部32の大きさは、間隔Sの大きさと略同じであり、開口部32の形状は、間隔Sの形状と略同じである。
【0048】
第1バスバー10は、第3バスバー30と溶接にて接合されている。バスバー構造体1では、第3バスバー30の先端31と第1バスバー10の第1切欠き部12とがバスバー構造体1の厚さ方向に重なり合った第1重ね合わせ部41にて、第1切欠き部12と第3バスバー30の先端31とが溶接されて、溶接部50が形成されている。
【0049】
第2バスバー20は、第3バスバー30と溶接にて接合されている。バスバー構造体1では、第3バスバー30の先端31と第2バスバー20の第2切欠き部22とがバスバー構造体1の厚さ方向に重なり合った第2重ね合わせ部42にて、第2切欠き部22と第3バスバー30の先端31とが溶接されて、溶接部50が形成されている。
【0050】
溶接部50は、第1切欠き部12の先端部12aが第2バスバー20の先端21と当接している突き合わせ部43を介して、第1重ね合わせ部41と第2重ね合わせ部42に形成されている。また、溶接部50は、第2切欠き部22の先端部22aが第1バスバー10の先端11と当接している突き合わせ部43を介して、第1重ね合わせ部41と第2重ね合わせ部42に形成されている。
【0051】
バスバー構造体1では、溶接部50は、第1切欠き部12の先端部12aが第2バスバー20の先端21と当接している突き合わせ部43を介して、第1重ね合わせ部41から第2重ね合わせ部42まで連続して形成されている。また、溶接部50は、第2切欠き部22の先端部22aが第1バスバー10の先端11と当接している突き合わせ部43を介して、第1重ね合わせ部41から第2重ね合わせ部42まで連続して形成されている。
【0052】
また、図1、2に示すように、バスバー構造体1では、溶接部50は、開口部32の周縁に沿って第1重ね合わせ部41及び第2重ね合わせ部42に形成されている。具体的には、溶接部50は、開口部32全体を囲っている。すなわち、溶接部50は、開口部32の周縁に沿って、時計回りに、第1切欠き部12から、第2バスバー20の第2切除部23に位置する先端21、第2切欠き部22、第1バスバー10の第1切除部13に位置する先端11と、連続して形成されている。
【0053】
図4に示すように、バスバー構造体1では、第1バスバー10及び第2バスバー20の側から溶接が行われた溶接部50である。なお、バスバー構造体1では、第1バスバー10が消費電力の相対的に小さい電装品等の負荷と電気的に接続され、第2バスバー20が消費電力の相対的に大きい電装品等の負荷と電気的に接続され、第3バスバー30が電源と電気的に接続されていることから、第3バスバー30、第2バスバー20、第1バスバー10の順で、板厚が厚くなっている。
【0054】
図5に示すように、第1バスバー10の先端11は第1溝部14を有している。また、第2バスバー20の先端21は、第2溝部24を有している。第1溝部14の底部15及び第2溝部24の底部25に、溶接部50が形成されている。上記から、第1重ね合わせ部41の第1バスバー10には、溶接部50が形成される位置に沿って第1溝部14が形成されており、第2重ね合わせ部42の第2バスバー20には、溶接部50が形成される位置に沿って第2溝部24が形成されている。
【0055】
溶接部50は、例えば、ウォブリング溶接にて形成されている。また、溶接部50を形成する手段としては、例えば、レーザ溶接が挙げられる。第1バスバー10、第2バスバー20、第3バスバー30の材質としては、例えば、タフピッチ、無酸素銅、黄銅等の銅、銅合金、6000系アルミニウム等のアルミ合金等が挙げられる。
【0056】
バスバー構造体1では、第1バスバー10の先端11は第1切欠き部12を備えるので、第1バスバー10の先端11と第3バスバー30の先端31が重ね合わされた第1重ね合わせ部41の領域が低減される。また、第2バスバー20の先端21は第2切欠き部22を備えるので、第2バスバー20の先端21と第3バスバー30の先端31が重ね合わされた第2重ね合わせ部42の領域が低減される。また、バスバー構造体1では、第1バスバー10と第2バスバー20と第3バスバー30のいずれもが重ね合わされた重ね合わせ部が形成されない。
【0057】
上記から、バスバー構造体1では、第1バスバー10、第2バスバー20及び第3バスバー30が肉厚化されても、第1重ね合わせ部41にて第1切欠き部12と第3バスバー30の先端31とが溶接され、且つ第2重ね合わせ部42にて第2切欠き部22と第3バスバー30の先端31とが溶接された溶接部50を形成する際に、溶接時における第1バスバー10の溶接部50及び第2バスバー20の溶接部50からの熱引き(熱放出)が抑制される。従って、バスバー構造体1では、溶接部50の溶接品質を向上させることができる。また、バスバー構造体1では、溶接時における第1バスバー10の溶接部50及び第2バスバー20の溶接部50からの熱引き(熱放出)が抑制されるので、溶接部50の形成に必要なエネルギーを低減することができる。
【0058】
また、バスバー構造体1では、第1バスバー10の先端11と第2バスバー20の先端21が突き合わせて配置された突き合わせ部43が形成され、溶接部50が、突き合わせ部43を介して、第1重ね合わせ部41と第2重ね合わせ部42に形成されているので、溶接部50の形成が容易化され、また、第3バスバー30と第1バスバー10との接続強度及び第3バスバー30と第2バスバー20との接続強度を向上させることができる。
【0059】
また、バスバー構造体1では、第3バスバー30の先端31が第3バスバー30の厚さ方向に貫通した開口部32を有し、開口部32の少なくとも一部は、第1切欠き部12及び第2切欠き部22とバスバー構造体1の厚さ方向に重なり合わず、溶接部50が開口部32の周縁に沿って第1重ね合わせ部41及び第2重ね合わせ部42に形成されていることから、開口部32にて溶接時における第3バスバー30の溶接部50からの熱引きが抑制される。従って、バスバー構造体1では、溶接部50の溶接品質をさらに向上させることができる。また、開口部32が溶接時における第3バスバー30からの溶接部50の熱引きを抑制するので、溶接部50の形成に必要なエネルギーをさらに低減することができる。
【0060】
また、バスバー構造体1では、第3バスバー30の先端31が第3バスバー30の厚さ方向に貫通した開口部32を有することにより、開口部32に電気接続箱等のケース(図示せず)の所定位置に設けられた突起部(図示せず)を挿通することで、開口部32が、ケースに収容されるバスバー構造体1の位置決め部として機能できる。
【0061】
また、バスバー構造体1では、溶接部50が、突き合わせ部43を介して、第1重ね合わせ部41から第2重ね合わせ部42まで連続して形成されているので、溶接加工がさらに容易化され、また、第3バスバー30と第1バスバー10との接続強度及び第3バスバー30と第2バスバー20との接続強度をさらに向上させることができる。また、溶接部50が形成される突き合わせ部43にて、第1切欠き部12の先端部12aが第2バスバー20の先端21と当接し、第2切欠き部22の先端部22aが第1バスバー10の先端11と当接しているので、第1バスバー10と第2バスバー20との接続強度が向上し、第1バスバー10と第2バスバー20間の導通性を得ることができる。
【0062】
また、バスバー構造体1では、第1溝部14の底部15及び第2溝部24の底部25に溶接部50が形成されているので、溶接部50の形成時におけるスパッタリングの飛散範囲を抑制して溶接部50の溶接品質をさらに向上させることができる。また、バスバー構造体1では、相対的に板厚の薄い第1バスバー10及び第2バスバー20の側から溶接が行われた溶接部50であるので、溶接部50の形成に必要なエネルギーを低減でき、溶接部50の形成が容易化される。
【0063】
また、バスバー構造体1では、溶接部50が、ウォブリング溶接であるので、溶接部50に空隙が生じることを抑制でき、第1バスバー10と第3バスバー30間及び第2バスバー20と第3バスバー30間の電気的接続性と接続強度が向上する。
【0064】
次に、本発明の第2実施形態例に係るバスバー構造体について説明する。なお、第2実施形態例に係るバスバー構造体は、第1実施形態例に係るバスバー構造体と主要な構成要素は共通しているので、第1実施形態例に係るバスバー構造体と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、図6は、本発明の第2実施形態例に係るバスバー構造体の平面図である。
【0065】
第1実施形態例に係るバスバー構造体1では、第3バスバー30の先端31は第3バスバー30の厚さ方向に貫通した開口部32を有していたが、これに代えて、図6に示すように、第2実施形態例に係るバスバー構造体2では、第3バスバー30の先端31は開口部を有していない。
【0066】
バスバー構造体2では、第1バスバー10の先端11と第2バスバー20の先端21との間に介在している間隔Sは、第3バスバー30の先端31によって閉塞されており、バスバー構造体2では貫通部を有していない。
【0067】
バスバー構造体2でも、第1バスバー10、第2バスバー20及び第3バスバー30が肉厚化されても、第1重ね合わせ部41にて第1切欠き部12と第3バスバー30の先端31とが溶接され、且つ第2重ね合わせ部42にて第2切欠き部22と第3バスバー30の先端31とが溶接された、溶接部50を有することにより、溶接時における第1バスバー10の溶接部50及び第2バスバー20の溶接部50からの熱引き(熱放出)が抑制されて、溶接部50の溶接品質を向上させることができる。
【0068】
次に、本発明の第3実施形態例に係るバスバー構造体について説明する。なお、第3実施形態例に係るバスバー構造体は、第1、第2実施形態例に係るバスバー構造体と主要な構成要素は共通しているので、第1、第2実施形態例に係るバスバー構造体と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、図7は、本発明の第3実施形態例に係るバスバー構造体の溶接部を説明する拡大断面図である。
【0069】
第1実施形態例に係るバスバー構造体1では、第1バスバー10及び第2バスバー20の側から溶接が行われた溶接部50であったが、これに代えて、図7に示すように、第3実施形態例に係るバスバー構造体3では、第3バスバー30の側から溶接が行われた溶接部50である。
【0070】
また、バスバー構造体3では、図示しないが、第3バスバー30の先端31が第3溝部を有し、第3溝部の底部に溶接部50が形成されている。バスバー構造体3でも、溶接部50は、例えば、ウォブリング溶接にて形成されている。また、溶接部50を形成する手段としては、例えば、レーザ溶接が挙げられる。
【0071】
バスバー構造体3では、第3バスバー30の先端31が第3溝部を有し、第3溝部の底部に溶接部50が形成されているので、溶接部50を形成する際にスパッタリングの飛散範囲を抑制して溶接部50の溶接品質をさらに向上させることができる。また、バスバー構造体3では、板厚の相違する第1バスバー10及び第2バスバー20の側からではなく、板厚の均一な第3バスバー30の側から溶接が行われた溶接部50であるので、レーザ溶接にて溶接部50を形成する場合に、レーザの焦点合わせが容易化され、ひいては、溶接部50の形成が容易化される。
【0072】
このように、本発明のバスバー構造体では、第1バスバー10及び第2バスバー20の側から溶接部50が形成されていてもよく、第3バスバー30の側から溶接部50が形成されていてもよい。
【0073】
次に、本発明の第4実施形態例に係るバスバー構造体について説明する。なお、第4実施形態例に係るバスバー構造体は、第1~第3実施形態例に係るバスバー構造体と主要な構成要素は共通しているので、第1~第3実施形態例に係るバスバー構造体と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、図8は、本発明の第4実施形態例に係るバスバー構造体の平面図である。図9は、本発明の第4実施形態例に係るバスバー構造体の構造を説明する分解図である。
【0074】
第1実施形態例に係るバスバー構造体1では、第1切欠き部12は1つ設けられ、第2切欠き部22も1つ設けられていたが、これに代えて、図8、9に示すように、第4実施形態例に係るバスバー構造体4では、第1切欠き部12が複数形成され、第2切欠き部22が複数形成されている。具体的には、第1切欠き部12は2つ設けられ、第2切欠き部22も2つ設けられている。
【0075】
バスバー構造体4では、D1方向において、2つの第1切欠き部12が間隔T1をあけて対向配置しており、2つの第2切欠き部22が間隔T2をあけて対向配置している。間隔T2は間隔T1よりも大きく、間隔T2の部位に、2つの第1切欠き部12が第2切欠き部22に当接する位置関係にて配置されている。
【0076】
第3バスバー30の開口部32は、間隔T1と重なり合う位置に形成されている。従って、バスバー構造体4では、貫通部を有している。
【0077】
溶接部50は、第1切欠き部12が第2切欠き部22に当接する位置にて、一筆書き状に繋がり、溶接部50の始点及び終点が、それぞれ1箇所ずつとなっている。なお、溶接部50は、一筆書き状に代えて、第1切欠き部12が第2切欠き部22に当接する位置に沿って四角形状に形成されていてもよい。
【0078】
このように、本発明のバスバー構造体では、第1バスバー10と第2バスバー20が重なり合わない態様であれば、第1切欠き部12及び第2切欠き部22の構成は、特に限定されない。
【0079】
次に、本発明の第5実施形態例に係るバスバー構造体について説明する。なお、第5実施形態例に係るバスバー構造体は、第1~第4実施形態例に係るバスバー構造体と主要な構成要素は共通しているので、第1~第4実施形態例に係るバスバー構造体と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、図10は、本発明の第5実施形態例に係るバスバー構造体の平面図である。
【0080】
第1~第4実施形態例に係るバスバー構造体では、第1バスバー10と第2バスバー20の2つのバスバーが、第3バスバー30に分岐接続されていたが、これに代えて、図10に示すように、第5実施形態例に係るバスバー構造体5では、さらに、第4バスバー60を備えている。すなわち、第1バスバー10と第2バスバー20と第4バスバー60の3つのバスバーが、第3バスバー30に分岐接続されている。
【0081】
バスバー構造体5では、所定の厚さを有する第1バスバー10と、第1バスバー10とは別部品である、所定の厚さを有する第2バスバー20と、第1バスバー10及び第2バスバー20とは別部品である、所定の厚さを有する第3バスバー30に加えて、さらに、第1バスバー10、第2バスバー20及び第3バスバー30とは別部品である、所定の厚さを有する第4バスバー60と、を備えている。
【0082】
バスバー構造体5では、バスバー構造体1と同様に、第1バスバー10の先端11が、幅狭に形成された第1切欠き部12を備え、第2バスバー20の先端21が、幅狭に形成された第2切欠き部22を備えている。また、バスバー構造体5では、第3バスバー30の先端31は、第1バスバー10及び第2バスバー20と同様に、幅狭に形成された第3切欠き部33を備えている。また、第4バスバー60の先端61は、第1バスバー10及び第2バスバー20と同様に、幅狭に形成された第4切欠き部62を備えている。
【0083】
バスバー構造体5では、第1バスバー10の先端11が、第2バスバー20の先端21と対向し、第3バスバー30の先端31が、第4バスバー60の先端61と対向する位置関係に配置されている。
【0084】
第1切欠き部12の先端部は第3切欠き部33の側部に突き合わされて配置されている。第3切欠き部33の先端部は第2切欠き部22の側部に突き合わされて配置されている。第2切欠き部22の先端部は第4切欠き部62の側部に突き合わされて配置されている。第4切欠き部62の先端部は第1切欠き部12の側部に突き合わされて配置されている。また、第1切欠き部12の先端部は第3切欠き部33の側部に当接している。第3切欠き部33の先端部は第2切欠き部22の側部に当接している。第2切欠き部22の先端部は第4切欠き部62の側部に当接している。第4切欠き部62の先端部は第1切欠き部12の側部に当接している。
【0085】
上記した第1切欠き部12、第2切欠き部22、第3切欠き部33及び第4切欠き部62の配置から、第1切欠き部12、第2切欠き部22、第3切欠き部33及び第4切欠き部62にて連続した平面部55が形成されている。また、平面部55の中央部には、バスバー構造体5の厚さ方向に貫通した開口部52が形成されている。
【0086】
バスバー構造体5では、第1切欠き部12、第2切欠き部22、第3切欠き部33及び第4切欠き部62の外縁に沿って、平面部55が溶接された溶接部50を有している。溶接部50は、第1切欠き部12の外縁、第3切欠き部33の外縁、第2切欠き部22の外縁及び第4切欠き部62の外縁の順に連続して形成されている。溶接部50にて、第1バスバー10と第2バスバー20と第3バスバー30と第4バスバー60とが相互に接続されている。なお、バスバー構造体5における溶接部50は、第1切欠き部12、第2切欠き部22、第3切欠き部33及び第4切欠き部62の外縁に沿って形成されている態様に限定されず、溶接部50にて、第1バスバー10と第2バスバー20と第3バスバー30と第4バスバー60とが相互に接続されている態様であればよい。
【0087】
バスバー構造体5では、第1バスバー10、第2バスバー20、第3バスバー30及び第4バスバー60のいずれもが重ね合わされていないので、溶接部50の形成の際に、第1バスバー10、第2バスバー20、第3バスバー30及び第4バスバー60の溶接部50からの熱引き(熱放出)が抑制されて、溶接部50の溶接品質を向上させることができ、また、溶接部50の形成に必要なエネルギーを低減することができる。
【0088】
次に、本発明の第6実施形態例に係るバスバー構造体について説明する。なお、第6実施形態例に係るバスバー構造体は、第5実施形態例に係るバスバー構造体と主要な構成要素は共通しているので、第5実施形態例に係るバスバー構造体と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、図11は、本発明の第6実施形態例に係るバスバー構造体の側面断面図である。
【0089】
図11に示すように、第6実施形態例に係るバスバー構造体6は、第5実施形態例に係るバスバー構造体5に、さらに、第5バスバー70を有する態様である。第5バスバー70の先端71と平面部55とがバスバー構造体6の厚さ方向に重なり合い、溶接部50にて、平面部55と第5バスバー70の先端71とが溶接されている。すなわち、溶接部50にて、第1バスバー10と第2バスバー20と第3バスバー30と第4バスバー60とが相互に接続されているのに加えて、平面部55に第5バスバー70が接続されている。
【0090】
次に、本発明のバスバー構造体を備えたケース構造体について説明する。ここでは、第3バスバー30の先端31が厚さ方向に貫通した開口部32(すなわち、バスバー構造体の貫通孔である開口部32)を有する第1実施形態例に係るバスバー構造体1を備えたケース構造体について説明する。
【0091】
本発明のケース構造体は、第3バスバー30の先端31が厚さ方向に貫通した開口部32を有するバスバー構造体1と、開口部32に挿通された突起部を有するケースと、を備えている。また、開口部32に挿通されたケースの突起部が、バスバー構造体1に溶着されて、バスバー構造体1がケースに固定されている。
【0092】
本発明のケース構造体では、開口部32にて溶接部50の形成時における第3バスバー30の溶接部50からの熱引きがさらに抑制されるので、溶接部50の溶接品質が向上したバスバー構造体1を備えたケース構造体を得ることができる。
【0093】
また、本発明のケース構造体では、第3バスバー30の先端31が厚さ方向に貫通した開口部32を有することにより、開口部32にケースの所定位置に設けられた突起部を挿通することで開口部32がケースに収容されるバスバー構造体1の位置決め部として機能できる。従って、本発明のケース構造体では、バスバー構造体1の位置精度に優れたケース構造体を得ることができる。
【0094】
本発明のバスバー構造体1を備えたケース構造体としては、例えば、電気接続箱を挙げることができる。
【0095】
次に、本発明のバスバー構造体を備えたケース構造体の製造方法について説明する。ここでは、第3バスバー30の先端31が厚さ方向に貫通した開口部32(すなわち、バスバー構造体の貫通孔である開口部32)を有する第1実施形態例に係るバスバー構造体1を備えたケース構造体の製造方法について説明する。
【0096】
本発明のバスバー構造体1を備えたケース構造体の製造方法は、所定の厚さを有する第1バスバー10であって、第1バスバー10の先端11が、幅狭に形成された第1切欠き部12を備える第1バスバー10、所定の厚さを有する第2バスバー20であって、第2バスバー20の先端21が、幅狭に形成された第2切欠き部22を備える第2バスバー20、及び所定の厚さを有する第3バスバー30であって、第3バスバー30の先端31に厚さ方向に貫通した開口部32を有する第3バスバー30を、それぞれ準備する工程(バスバー準備工程)と、バスバー準備工程の後、第3バスバー30の開口部32に、ケースに設けられた突起部を挿通する工程(突起部挿通工程)と、突起部挿通工程の後、第3バスバー30の先端31に第1切欠き部12を厚さ方向に重なり合わせて第1重ね合わせ部41を形成し、第3バスバー30の先端31に第2切欠き部22を厚さ方向に重なり合わせて第2重ね合わせ部42を形成する工程(重ね合わせ部形成工程)と、重ね合わせ部形成工程の後、第1重ね合わせ部41にて第1切欠き部12と第3バスバー30の先端31とを溶接し、第2重ね合わせ部42にて第2切欠き部22と第3バスバー30の先端31とを溶接して、溶接部50を形成する工程(溶接工程)と、溶接工程の後、開口部32に挿通された突起部を溶かして、突起部を開口部32に溶着させる工程(溶着工程)と、を含む。
【0097】
本発明のケース構造体の製造方法では、上記したバスバー準備工程、突起部挿通工程、重ね合わせ部形成工程、溶接工程及び溶着工程を含むことにより、溶接部50の溶接品質が向上したバスバー構造体1を備えたケース構造体を製造することができる。
【0098】
本発明のケース構造体の製造方法では、第3バスバー30の先端31が厚さ方向に貫通した開口部32を有することにより、開口部32にケースの所定位置に設けられた突起部を挿通することで、開口部32がケースに収容されるバスバー構造体1の位置決め部として機能できる。従って、本発明のケース構造体の製造方法では、バスバー構造体1の位置精度に優れたケース構造体を製造することができる。
【0099】
次に、本発明のバスバー構造体について、他の実施形態例を説明する。第1実施形態例に係るバスバー構造体1では、突き合わせ部43にて、第1切欠き部12の先端部12aが第2バスバー20の先端21と当接していたが、これに代えて、第1切欠き部12の先端部12aは第2バスバー20の先端21と当接していなくてもよい。また、第1実施形態例に係るバスバー構造体1では、突き合わせ部43にて、第2切欠き部22の先端部22aが第1バスバー10の先端11と当接していたが、これに代えて、第2切欠き部22の先端部22aが第1バスバー10の先端11と当接していなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明のバスバー構造体は、板厚の厚いバスバーを用いても、バスバー同士の溶接時におけるバスバーの溶接部からの熱引きが抑制されて溶接部の溶接品質を向上させることができるので、例えば、高電流の電力が電装品に印加されることがある電気自動車の分野で利用価値が高い。
【符号の説明】
【0101】
1 バスバー構造体
2 バスバー構造体
3 バスバー構造体
4 バスバー構造体
5 バスバー構造体
6 バスバー構造体
10 第1バスバー
11 先端
12 第1切欠き部
20 第2バスバー
21 先端
22 第2切欠き部
30 第3バスバー
31 先端
32 開口部
41 第1重ね合わせ部
42 第2重ね合わせ部
43 突き合わせ部
50 溶接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11