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特開2024-135947ピエゾ素子診断装置、ピエゾ素子診断方法、ピエゾ素子診断プログラム、流体制御装置、及び、気化システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135947
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ピエゾ素子診断装置、ピエゾ素子診断方法、ピエゾ素子診断プログラム、流体制御装置、及び、気化システム
(51)【国際特許分類】
   H10N 30/20 20230101AFI20240927BHJP
   C23C 16/448 20060101ALI20240927BHJP
   H10N 30/30 20230101ALI20240927BHJP
   H10N 30/50 20230101ALI20240927BHJP
   H10N 30/88 20230101ALI20240927BHJP
   F16K 31/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H10N30/20
C23C16/448
H10N30/30
H10N30/50
H10N30/88
F16K31/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046867
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000127961
【氏名又は名称】株式会社堀場エステック
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】田口 明広
(72)【発明者】
【氏名】濱田 千寛
【テーマコード(参考)】
3H062
4K030
【Fターム(参考)】
3H062BB33
3H062CC05
4K030EA01
4K030EA03
4K030LA12
4K030LA15
(57)【要約】
【課題】ピエゾ素子を適切なタイミングで交換又はメンテナンスできるようにする。
【解決手段】装置に組み込まれたピエゾ素子321を診断するピエゾ素子診断装置10であって、ピエゾ素子321の駆動情報を取得する駆動情報取得部4dと、駆動情報に基づいてピエゾ素子の消費寿命又は残存寿命を算出する寿命算出部4eとを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置に組み込まれたピエゾ素子を診断するピエゾ素子診断装置であって、
前記ピエゾ素子の駆動情報を取得する駆動情報取得部と、
前記駆動情報に基づいて前記ピエゾ素子の消費寿命又は残存寿命を算出する寿命算出部とを備える、ピエゾ素子診断装置。
【請求項2】
前記寿命算出部は、予め取得された前記ピエゾ素子の想定寿命と前記駆動情報とに基づいて、前記消費寿命又は前記残存寿命を算出する、請求項1に記載のピエゾ素子診断装置。
【請求項3】
前記駆動情報は、前記ピエゾ素子の駆動電圧又は前記ピエゾ素子の温度の少なくとも一方を含み、
前記寿命算出部は、前記想定寿命と、前記ピエゾ素子の駆動電圧又は前記ピエゾ素子の温度の少なくとも一方とに基づいて、前記消費寿命又は前記残存寿命を算出する、請求項2に記載のピエゾ素子診断装置。
【請求項4】
前記寿命算出部は、インターバル期間毎に使用開始からの総消費寿命又は前記残存寿命を算出する、請求項1乃至3の何れか一項に記載のピエゾ素子診断装置。
【請求項5】
前記寿命算出部は、各インターバル期間における単位時間当たりの消費寿命である単位消費寿命を算出する、請求項1乃至4の何れか一項に記載のピエゾ素子診断装置。
【請求項6】
前記駆動情報取得部は、サンプリングタイム毎に前記駆動情報を取得するものであり、
前記寿命算出部は、複数の前記駆動情報の代表値を用いて、前記消費寿命又は前記残存寿命を算出する、請求項1乃至3の何れか一項に記載のピエゾ素子診断装置。
【請求項7】
前記寿命算出部により算出された前記消費寿命又は前記残存寿命と所定の閾値とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づいて警報を出力する警報出力部をさらに備えている、請求項1乃至6の何れか一項に記載のピエゾ素子診断装置。
【請求項8】
診断対象のピエゾ素子が交換されたことを示す交換信号を受け付ける交換信号受付部と、
前記交換信号を受け付けると、前記寿命算出部により算出された前記消費寿命又は前記残存寿命をリセットするリセット部とをさらに備える、請求項1乃至7の何れか一項に記載のピエゾ素子診断装置。
【請求項9】
診断対象のピエゾ素子が交換された場合に、交換後のピエゾ素子を自動認識する自動認識部をさらに備え、
前記寿命算出部は、前記交換後のピエゾ素子の消費寿命又は残存寿命を算出する、請求項1乃至8の何れか一項に記載のピエゾ素子診断装置。
【請求項10】
前記寿命算出部により得られた前記消費寿命又は前記残存寿命の変化に基づいて、将来の消費寿命又は残存寿命を算出する寿命予測部をさらに備える、請求項1乃至9の何れか一項に記載のピエゾ素子診断装置。
【請求項11】
装置に組み込まれたピエゾ素子を診断するピエゾ素子診断方法であって、
前記ピエゾ素子の駆動情報を取得し、
前記駆動情報に基づいて、前記ピエゾ素子の消費寿命又は残存寿命を算出する、ピエゾ素子診断方法。
【請求項12】
装置に組み込まれたピエゾ素子を診断するピエゾ素子診断プログラムであって、
前記ピエゾ素子の駆動情報を取得する駆動情報取得部としての機能と、
前記駆動情報に基づいて、前記ピエゾ素子の消費寿命又は残存寿命を算出する寿命算出部としての機能とをコンピュータに備えさせる、ピエゾ素子診断プログラム。
【請求項13】
ピエゾ素子によって弁体が弁座に対して駆動されるピエゾバルブと、
前記ピエゾバルブの開度を制御するバルブ制御部と、
請求項1乃至10の何れか一項に記載のピエゾ素子診断装置とを備える、流体制御装置。
【請求項14】
液体原料を気化する気化部と、
前記気化部により気化されたガスの流量を制御する流体制御装置と、
請求項1乃至10の何れか一項に記載のピエゾ素子診断装置とを備える、気化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピエゾ素子診断装置、ピエゾ素子診断方法、及び、ピエゾ素子診断プログラムに関するものである。また、本発明は、ピエゾ素子診断装置を用いた流体制御装置、及び、ピエゾ素子診断装置を用いた気化システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
マスフローコントローラ(MFC)等に用いられる流体制御バルブには、ピエゾ素子を用いたピエゾバルブがある。このピエゾバルブは、ピエゾ素子に電圧を印加してピエゾ素子を伸縮させることにより、弁体が弁座に対して駆動される。
【0003】
このピエゾ素子は、印加する電圧の大きさや使用する環境温度等によって劣化具合が異なることが分かっている。実際に、ピエゾバルブを用いた気化システム等では、気化されたガスをピエゾバルブで制御するため、ピエゾ素子は、高温環境で使用されることになる。そのため、ピエゾ素子は、常温環境で使用するよりも早く劣化(故障)することになる。
【0004】
従来、ピエゾ素子の交換時期は、特許文献1に示すように、ピエゾ素子が故障に至るまでの平均故障時間(MTTF)を予め算出しておき、その時間に基づいて交換している。
MTTF=MTTF×Kt×Kv
MTTFは、標準となるMTTFであり、信頼性試験により予め求められた値である。
Ktは、ある特定の使用温度Tにより求まる加速係数(=1.4(T0-T)/10
Kvは、ある特定の使用電圧Vにより求まる加速係数(=(V/V)2.5
は、MTTFを求めた際の標準となる温度である。
は、MTTFを求めた際の標準となる電圧である。
【0005】
しかしながら、上述した平均故障時間(MTTF)では、ある特定の温度(T)及び電圧(V)で使用した場合の寿命しか計算することしかできない。そのため、ピエゾバルブの使用状態が変化する(例えば、印加電圧が変化する、又は、使用温度が変化する等)場合には、交換時期を正確に把握することが難しい。その結果、算出した平均故障時間よりも前にピエゾ素子が故障する場合がある。また、平均故障時間に対して無駄に早くピエゾ素子を交換してしまう場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-8092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上述した問題を解決すべくなされたものであり、ピエゾ素子を適切なタイミングで交換又はメンテナンスできるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係るピエゾ素子診断装置は、装置に組み込まれたピエゾ素子を診断するピエゾ素子診断装置であって、前記ピエゾ素子の駆動情報を取得する駆動情報取得部と、前記駆動情報に基づいて前記ピエゾ素子の消費寿命又は残存寿命を算出する寿命算出部とを備えることを特徴とする。
【0009】
このようなピエゾ素子診断装置であれば、駆動情報に基づいてピエゾ素子の消費寿命又は残存寿命を算出するので、ピエゾ素子の使用状態が変化する場合であっても、ピエゾ素子を適切なタイミングで交換又はメンテナンスできるようになる。
【0010】
前記寿命算出部は、予め取得された前記ピエゾ素子の想定寿命と前記駆動情報とに基づいて、前記消費寿命又は前記残存寿命を算出することが望ましい。
ここで、予め取得されたピエゾ素子の想定寿命としては、信頼性試験により予め求められた標準となる寿命を用いることができる。この標準となる寿命は、信頼性試験により予め求められた標準となる平均故障時間(以下、MTTFs)であり、ピエゾ素子を稼働してから故障するまでの平均的な時間を示す。
この構成であれば、ピエゾ素子の標準となる寿命(MTTFs)を用いているので、消費寿命又は残存寿命をより正確に求めることができる。
【0011】
駆動情報の具体的な実施の態様としては、前記駆動情報は、前記ピエゾ素子の駆動電圧又は前記ピエゾ素子の温度の少なくとも一方を含み、前記寿命算出部は、前記想定寿命と、前記ピエゾ素子の駆動電圧又は前記ピエゾ素子の温度の少なくとも一方とに基づいて、前記消費寿命又は前記残存寿命を算出することが望ましい。
この構成であれば、ピエゾ素子の寿命に影響を与えやすい駆動電圧又は温度に基づいて、消費寿命又は残存寿命を算出するので、消費寿命又は残存寿命をより正確に求めることができる。
【0012】
寿命算出部の具体的な実施の態様としては、前記寿命算出部は、インターバル期間毎に前記ピエゾ素子の使用開始からの総消費寿命又は前記残存寿命を算出することが考えられる。
【0013】
従来では、使用状況を加味した平均故障時間(以下、MTTFr)は、ある特定の使用温度(T)及び使用電圧(V)で使用した場合の値しか求めることができない。
一方、本発明では、前記寿命算出部が、各インターバル期間における単位時間当たりの消費寿命である単位消費寿命を算出する構成としている。
例えば、各インターバル期間の駆動電圧の代表値及び温度の代表値により算出されたMTTFrを分母とし、インターバル期間の時間を分子とする。これにより、単位時間当たりの消費寿命である単位消費寿命(以下、MTTFm)を求めることができる。
このインターバル期間毎に求められたMTTFmを合計すると、この合計値(以下、MTTFc)は、ピエゾ素子の使用開始からの総消費寿命となる。MTTFcが1になると、使用状況を加味した想定寿命(平均故障時間)に到達したことになる。
【0014】
消費寿命又は残存寿命の具体的な算出方法としては、前記駆動情報取得部は、サンプリングタイム毎に前記駆動情報を取得するものであり、前記寿命算出部は、複数の前記駆動情報の代表値を用いて、前記消費寿命又は前記残存寿命を算出することが考えられる。
【0015】
本発明のピエゾ素子診断装置は、前記寿命算出部により算出された前記消費寿命又は前記残存寿命と所定の閾値とを比較する比較部と、前記比較部の比較結果に基づいて警報を出力する警報出力部をさらに備えていることが望ましい。
この構成であれば、ユーザに対してピエゾ素子の交換時期やメンテナンス時期等を報知することができ、ピエゾ素子の交換やメンテナンス等を促すことができる。
【0016】
ピエゾ素子の交換に伴う管理の具体的な実施の態様としては、本発明に係るピエゾ素子診断装置は、診断対象のピエゾ素子が交換されたことを示す交換信号を受け付ける交換信号受付部と、前記交換信号を受け付けると、前記寿命算出部により算出された前記消費寿命又は前記残存寿命をリセットするリセット部とをさらに備えることが望ましい。
【0017】
本発明に係るピエゾ素子診断装置は、診断対象のピエゾ素子が交換された場合に、交換後のピエゾ素子を自動認識する自動認識部をさらに備え、前記寿命算出部は、前記交換後のピエゾ素子の消費寿命又は残存寿命を算出することが望ましい。
この構成であれば、交換後のピエゾ素子を自動認識するので、新しいピエゾ素子への交換に伴う管理を低減することができる。
【0018】
前記寿命算出部により得られた前記消費寿命又は前記残存寿命の変化に基づいて、将来の消費寿命又は残存寿命を算出する寿命予測部をさらに備えることが望ましい。
この構成であれば、新しいピエゾ素子の事前準備や、ピエゾ素子の交換やメンテナンス等の計画を事前に作成することができる。
【0019】
また、本発明に係るピエゾ素子診断方法は、装置に組み込まれたピエゾ素子を診断するピエゾ素子診断方法であって、前記ピエゾ素子の駆動情報を取得し、前記駆動情報に基づいて、前記ピエゾ素子の消費寿命又は残存寿命を算出することを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明に係るピエゾ素子診断プログラムは、装置に組み込まれたピエゾ素子を診断するピエゾ素子診断プログラムであって、前記ピエゾ素子の駆動情報を取得する駆動情報取得部としての機能と、前記駆動情報に基づいて、前記ピエゾ素子の消費寿命又は残存寿命を算出する寿命算出部としての機能とをコンピュータに備えさせることを特徴とする。
【0021】
なお、ピエゾ素子診断プログラムは、電子的に配信されるものであってもよいし、CD、DVD又はフラッシュメモリ等のプログラム記録媒体に記録されたものであってもよい。その他、エッジ処理(生データをクラウドにアップロードして、演算はサーバで行う処理)を行う構成としてもよい。エッジ処理を行う構成によってデータの蓄積が可能となり、残存寿命を算出する場合でも、全データを参照できる等メリットがある。
【0022】
また、本発明に係る流体制御装置は、ピエゾ素子によって弁体が弁座に対して駆動されるピエゾバルブと、前記ピエゾバルブの開度を制御するバルブ制御部と、上述したピエゾ素子診断装置とを備えることを特徴とする。
【0023】
さらに、本発明に係る気化システムは、液体原料を気化する気化部と、前記気化部により気化されたガスの流量を制御する流体制御装置と、上述したピエゾ素子診断装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
このように本発明によれば、駆動情報に基づいてピエゾ素子の消費寿命又は残存寿命を算出するので、ピエゾ素子の使用状態が変化する場合であっても、ピエゾ素子を適切なタイミングで交換又はメンテナンスできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る気化システムの構成を模式的に示す図である。
図2】同実施形態の制御装置及びピエゾ素子診断装置の機能ブロック図である。
図3】変形実施形態の制御装置及びピエゾ素子診断装置の機能ブロック図である。
図4】変形実施形態の制御装置及びピエゾ素子診断装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明に係るピエゾ素子診断装置を組み込んだ気化システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0027】
<1.気化システム100の基本構成>
本実施形態の気化システム100は、例えば半導体製造ライン等に組み込まれて、半導体製造プロセスを行うチャンバに所定流量のガスを供給するためのものである。
【0028】
具体的に気化システム100は、図1に示すように、液体材料を気化する気化部2と、気化部2により気化されたガス(以下、材料ガス)の流量を制御するマスフローコントローラ3と、気化部2やマスフローコントローラ3等の動作を制御する制御装置4とを具備している。
【0029】
気化部2は、液体材料を例えばベーキング方式により気化する気化器21と、気化器21への液体材料の供給量を制御する供給量制御機器22と、気化器21に供給される液体材料を所定の温度に予熱する予熱器23とを備えている。これらの気化器21、供給量制御機器22及び予熱器23は、内部に流路が形成された本体ブロック5に取り付けられる。なお、気化部2は、予熱器23を有さない構成としてもよい。
【0030】
気化器21は、内部に液体材料を貯留する貯留容器211と、貯留容器211に設けられて液体材料を気化させるための気化ヒータ212とを有する。貯留容器211には、貯留された液体材料の貯留量を検知するための液面センサ213が設けられている。なお、液面センサ213としては、自己発熱式、液温測定式、磁気式、静電容量式、超音波式など、種々のタイプのものを用いることができる。
【0031】
供給量制御機器22は、電磁開閉弁である。この電磁開閉弁22が、本体ブロック5に形成された流路を開放又は閉塞して、液体材料を気化器21へ供給する又はその供給を停止するように構成されている。なお、供給量制御機器22は、例えばピエゾバルブ等の制御弁や、マスフローコントローラなどであっても良い。
【0032】
予熱器23は、内部に液体材料が流れる流路が形成された予熱ブロック231と、予熱ブロック231に設けられて液体材料を予熱するための予熱ヒータ232とを有する。この予熱器23によって、液体材料は気化直前の温度(沸点未満)まで加熱される。
【0033】
以上のように構成した気化部2により、本体ブロック5の液体材料導入ポートP1から導入された液体材料は、予熱器23の予熱ブロック231の流路を流れて予熱される。予熱器23により予熱された液体材料は、電磁開閉弁22が制御されることにより、気化器21に導入される。そして、気化器21では液体材料が常時貯留された状態となり、液体材料が気化されてその材料ガスが連続的に生成されて、マスフローコントローラ3に連続的に導出される。
【0034】
次に、マスフローコントローラ3について説明する。
マスフローコントローラ3は、気化部2の下流側に設けられて、気化部2により生成された材料ガスの流量を制御するものである。具体的にマスフローコントローラ3は、流路を流れる材料ガスを検知する流体検知機器31と、流路を流れる材料ガスの流量を制御するピエゾバルブ32とを備えている。
【0035】
これらの流体検知機器31及びピエゾバルブ32は、本体ブロック5に取り付けられる。具体的に流体検知機器31及びピエゾバルブ32は、本体ブロック5において気化部2の下流側に取り付けられる。また、本体ブロックBは、液体材料導入ポートP1が下側に位置し、材料ガス導出ポートP2が上側に位置するように、その長手方向が上下方向(鉛直方向)を向くように半導体製造ライン等に設置される。
【0036】
流体検知機器31は、本体ブロック5の流路に設けられた流体抵抗(不図示)の上流側圧力を検出する例えば静電容量型の第1圧力センサ311及び流体抵抗の下流側圧力を検出する例えば静電容量型の第2圧力センサ312である。なお、本実施形態の流体検知機器31は、差圧式の流量センサを構成するものであるが、一対の発熱抵抗体を用いた熱式の流量センサを構成するものであっても良い。
【0037】
ピエゾバルブ32は、本体ブロック5の流路を流れる材料ガスの流量を制御するものである。このピエゾバルブ32は、ピエゾ素子321によって弁体が弁座に対して駆動されるものである。本実施形態のピエゾバルブ32は、所謂ノーマルオープンタイプ(常時開放型)のものであるが、ノーマルクローズタイプ(常時閉塞型)のものであっても良い。
【0038】
次に、制御装置4について説明する。
制御装置4は、気化部2やマスフローコントローラ3等の動作を制御して、チャンバに所定流量のガスを供給するように構成されている。
【0039】
具体的に制御装置4は、CPU、メモリ、AC/DCコンバータ、入力手段等を有したコンピュータであり、メモリに格納されたプログラムに従ってCPUやその周辺機器が協働することにより、図2に示すように、設定流量受付部4a、流量算出部4b及びバルブ制御部4c等としての機能を有するものである。その他、制御装置4は、液面センサ213の検出信号に基づいて、電磁開閉弁22を制御する。
【0040】
設定流量受付部4aは、例えばキーボード等の入力手段によるユーザの入力操作や他機器から送信された設定流量を示す設定流量信号を受け付けるものである。
【0041】
流量算出部4bは、流体検知機器31からの出力信号を取得して、気化部2から導出する材料ガスの流量を算出するものである。なお、流量算出部4bは、マスフローコントローラ3に設けて、流体検知機器31とともに流量センサを構成しても良い。
【0042】
バルブ制御部4cは、設定流量と流量算出部4bにより算出された測定流量とに基づいてピエゾバルブ32を制御するものであり、ここでは測定流量が設定流量となるようにピエゾバルブ32に駆動信号を出力して弁開度をフィードバック制御する。
【0043】
<2.ピエゾ素子の寿命診断機能>
しかして、本実施形態の制御装置4は、ピエゾバルブ32に組み込まれたピエゾ素子を診断するピエゾ素子診断機能を有している。つまり、制御装置4にピエゾ素子診断装置10の機能が実装されている。
【0044】
具体的に制御装置4は、メモリに格納されているピエゾ素子診断プログラムに従って、駆動情報取得部4d、寿命算出部4e、寿命関連データ格納部4f、比較部4g及び警報出力部4h等としての機能を発揮する。
【0045】
駆動情報取得部4dは、ピエゾ素子321の駆動履歴等の駆動情報を取得するものである。また、駆動情報取得部4dは、所定のサンプリングタイム(例えば100msec)毎に駆動情報を取得する。本実施形態の駆動情報は、ピエゾ素子321に印加される駆動電圧及びピエゾ素子321の温度である。
【0046】
ここで、駆動電圧は、バルブ制御部4c又は駆動回路(不図示)から取得することができる。また、ピエゾ素子321の温度は、ピエゾ素子321に周囲に設けられた温度センサ(不図示)から取得することができる。なお、ピエゾ素子321の温度は、ピエゾ素子321自体の温度の他に、ピエゾ素子321の周囲温度、ピエゾバルブ32の温度又はピエゾバルブ32の周囲温度等であっても良い。
【0047】
寿命算出部4eは、駆動情報に基づいてピエゾ素子321の消費寿命又は残存寿命を算出するものである。本実施形態の寿命算出部4eは、ピエゾ素子321の駆動電圧又はピエゾ素子321の温度の少なくとも一方に基づいてピエゾ素子321の消費寿命又は残存寿命を算出する。
【0048】
ここで、ピエゾ素子321の消費寿命は、使用開始(出荷後最初の使用)からの消費寿命である総消費寿命又は単位時間当たりの消費寿命である単位消費寿命を含む。また、消費寿命は、消費した時間(稼働時間)又は消費した割合(想定寿命に対する割合)等である。なお、稼働時間には、単純にピエゾ素子を稼働した時間、又は、ある駆動条件(駆動電圧又は駆動温度等)で使用した場合に換算した換算稼働時間等を含む。本実施形態の消費寿命は、後述するように信頼性試験により予め求められた標準となる平均故障時間(MTTFs)から求められるものである。また、残存寿命は、積算した消費寿命(総消費寿命)から求まる残存する時間(稼働時間)又は残存する割合(想定寿命に対する割合)等である。
【0049】
具体的に寿命算出部4eは、予め取得されたピエゾ素子321の想定寿命と駆動情報とに基づいて、消費寿命又は残存寿命を算出する。本実施形態の寿命算出部4eは、予め取得された想定寿命と、ピエゾ素子321の駆動電圧及びピエゾ素子321の温度とに基づいて、消費寿命又は残存寿命を算出する。ここで、予め取得された想定寿命は、信頼性試験により予め求められた標準となる平均故障時間(MTTFs)である。
【0050】
また、寿命算出部4eは、複数のサンプリングタイム(100msec)を含むインターバル期間(例えば1hour)毎に消費寿命又は残存寿命を算出する。なお、インターバル期間は、毎回同じである他に、毎回異なっていてもよいし、使用開始からの経過時間に応じて異なるようにしてもよい。
【0051】
さらに、寿命算出部4eは、各インターバル期間に含まれる複数の駆動情報(駆動電圧及び温度)の代表値を用いて、消費寿命又は残存寿命を算出する。ここで、複数の駆動情報の代表値としては、平均値であっても良いし、中央値であっても良いし、その他、複数の駆動情報から求まる演算値であっても良い。
【0052】
そして、寿命算出部4eは、インターバル期間毎に、各インターバル期間における単位時間当たりの消費寿命である単位消費寿命を算出する。具体的に寿命算出部4eは、次式で定義される単位消費寿命(以下、MTTFm)を算出する。なお、MTTFmは、ピエゾ素子321の使用状況を加味した想定寿命(平均故障時間)に対するピエゾ素子321のインターバル期間で消費した時間(稼働時間)の割合を示すものである。
【0053】
【数1】
【0054】
intは、インターバル期間の時間[hour]であり、本実施形態では1時間である。また、MTTFsは、信頼性試験により予め求められた標準となる平均故障時間である。
【0055】
Av(m)は、m番目のインターバル期間に含まれる複数の駆動電圧の代表値(V)により求まる加速係数である。ここで、加速係数Avは、例えば(V/Vk1と示すことができる。Vは標準となる平均故障時間を求めた際の標準となる電圧である。k1は、ユーザにより設定される係数である。
【0056】
At(m)は、m番目のインターバル期間に含まれる複数の温度の代表値(T)により求まる加速係数である。ここで、加速係数Atは、例えばk2(T0-T)/10と示すことができる。Tは標準となる平均故障時間を求めた際の標準となる温度である。k2は、ユーザにより設定される係数である。なお、MTTFmの算出において、駆動電圧又は温度の一方には、予め設定した固定値を用いてもよい。
【0057】
そして、寿命算出部4eは、インターバル期間毎に求めたMTTFmを合計する。この合計値(以下、MTTFc)は、ピエゾ素子321の使用開始からの総消費寿命を表すものであり、以下の式で示される。つまり、本実施形態の寿命算出部4eは、以下のMTTFcをインターバル期間毎に算出する。なお、MTTFcは、ピエゾ素子321の使用状況を加味した想定寿命(平均故障時間)に対するピエゾ素子321の消費した総時間(総稼働時間)の割合を示すものである。
【0058】
【数2】
【0059】
なお、上記のMTTFcが1のときに使用状況を加味した想定寿命(平均故障時間)に到達したことになる。
【0060】
また、寿命算出部4eは、算出した単位消費寿命(MTTFm)又は総消費寿命(MTTFc)をユーザ端末等のディスプレイに出力して表示することもできる。ここで、算出した単位消費寿命(MTTFm)を出力することによって、使用状況の判断やピエゾ素子321の傾向を掴むことが可能となる。
【0061】
寿命関連データ格納部4fは、ピエゾ素子321の寿命診断に必要な各種データを格納するものである。本実施形態の寿命関連データは、例えば不揮発性メモリにより構成されている。
【0062】
具体的に寿命関連データ格納部4fは、ピエゾ素子321に印加される駆動電圧、ピエゾ素子321の温度、MTTFs、MTTFm、MTTFc、Av、Atの各係数(k1、k2等)、後述するアラーム出力及びエラー出力の各閾値等を格納する。
【0063】
ここで、格納される駆動電圧は、各インターバル期間又は直前のインターバル期間に含まれる駆動電圧の代表値である。格納されるピエゾ素子321の温度は、各インターバル期間又は直前のインターバル期間に含まれる温度の代表値である。これら駆動電圧の代表値及び温度の代表値は、インターバル期間の経過毎(例えば1時間毎)に格納される。なお、格納される駆動電圧又は温度は、代表値ではなく、各サンプリングタイムにおける値であっても良い。また、寿命算出部4eにおいて駆動電圧又は温度に固定値を用いる場合には、その固定値が格納される。
【0064】
また、格納されるMTTFsは、信頼性試験により予め求められた標準値である。格納されるMTTFmは、前回保存された値である。なお、各インターバル期間のMTTFmを格納しても良い。さらに、格納されるMTTFcは、前回までの合計値である。これらMTTFm及びMTTFcは、インターバル期間の経過毎(例えば1時間毎)に格納される。
【0065】
比較部4gは、寿命算出部4eにより算出された消費寿命又は残存寿命と所定の閾値とを比較するものである。本実施形態の比較部4gは、算出された総消費寿命と所定の閾値とを比較するものである。また、比較部4gは、算出された総消費寿命と、アラーム出力するための第1の閾値及びエラー出力するための第2の閾値とを比較する。
【0066】
本実施形態の寿命算出部4eは、総消費寿命(MTTFc)を算出するものであることから、第1の閾値及び第2の閾値は、総消費寿命(MTTFc)に対する閾値となる。例えば、アラーム出力するための第1の閾値は0.6であり、エラー出力するための第2の閾値は0.8である。そして、比較部4gは、インターバル期間の経過毎(例えば1時間毎)に、MTTFcと各閾値との比較を行う。
【0067】
警報出力部4hは、比較部4gの比較結果(MTTFc≧第1の閾値、MTTFc≧第2の閾値)に基づいて、アラーム又はエラーを出力するものである。警報出力部4hの具体例としては、音又は光を発する報知機器を制御する信号を出力する構成であっても良いし、ユーザ端末等のディスプレイにアラーム表示又はエラー表示するものであっても良い。
【0068】
<3.本実施形態の効果>
このように本実施形態における気化システム100によれば、駆動情報に基づいてピエゾ素子321の消費寿命又は残存寿命を算出するので、ピエゾ素子の使用状態が変化する場合であっても、ピエゾ素子321を適切なタイミングで交換又はメンテナンスできるようになる。ここで、信頼性試験により予め求められた標準となる平均故障時間(MTTFs)を用いてピエゾ素子321の消費寿命又は残存寿命を算出しているので、消費寿命又は残存寿命をより正確に求めることができる。また、ピエゾ素子321の寿命に影響を与えやすい駆動電圧又は温度に基づいて、消費寿命又は残存寿命を算出するので、消費寿命又は残存寿命をより正確に求めることができる。
【0069】
<4.その他の実施形態>
例えば、寿命算出部4eは、ピエゾ素子321の総消費寿命として割合ではなく時間を求めてもよい。この場合、使用した時間は、前記実施形態におけるインターバル期間の時間の合計となる。例えば1時間毎にインターバル期間が設定されている場合、何回インターバルがあったかを記録しておくことで、使用した時間(単純にピエゾ素子を稼働した時間)を算出することができる。
【0070】
また、より正確に総消費寿命を算出するためには、寿命算出部4eは、ある駆動条件(駆動電圧又は駆動温度等)で使用した場合に換算した換算稼働時間を算出することもできる。具体的に寿命算出部4eは、ある駆動電圧及び温度で使用した場合の平均故障時間(MTTFr)に、数2で求めた総消費寿命(MTTFc)を掛けることにより、換算稼働時間を消費寿命として算出することができる。
【0071】
また、前記実施形態の寿命算出部4eは、ピエゾ素子321の総消費寿命(MTTFc)を算出するものであったが、当該総消費寿命(MTTFc)を1から差し引くことによって、残存寿命(1-MTTFc)を算出しても良い。この場合、算出される残存寿命は割合である。
【0072】
さらに、寿命算出部4eは、残存寿命として時間を求めてもよい。例えばMTTFmが0.4の場合、残存寿命は0.6となり、この0.6を時間に換算する必要がある。この場合、MTTFmの計算式と、例えば直近のインターバル期間における駆動電圧の代表値及び温度の代表値とを用いて残存する時間を算出することができる。残存寿命(割合)が0.6の場合には、以下の式により、残存する時間αを求めることができる。
0.6=α/(MTTFs×Av×At)
ここで、Av、Atには、直近のインターバル期間における駆動電圧の代表値及び温度の代表値を用いる。また、Av、Atには、過去の任意のインターバル期間における駆動電圧の代表値及び温度の代表値を用いることもできる。その他、Av、Atには、予め設定した固定値を用いることもできる。
【0073】
前記実施形態の寿命算出部4eは、ピエゾ素子321の単位消費寿命及び総消費寿命の両方を算出するものであったが、単位消費寿命又は総消費寿命の何れか一方のみを算出する構成であってもよい。単位消費寿命のみを算出する構成であっても、当該単位消費寿命の変化を見ることで、使用状況の判断やピエゾ素子321の傾向を掴むことが可能となる。
【0074】
前記実施形態では、比較部4g及び警報出力部4hを有する構成であったが、これらを有さない構成としてもよい。この場合、寿命算出部4eが算出した総消費寿命又は残存寿命をユーザ端末等のディスプレイに出力することにより、ユーザはピエゾ素子を適切なタイミングで交換又はメンテナンスすることができる。
【0075】
また、ピエゾバルブ32(ピエゾ素子321)の駆動回数、駆動時間又は累積駆動量(累積移動量)等から想定寿命を求めておき、寿命算出部4eは、その想定寿命と駆動情報とに基づいて、消費寿命又は残存寿命を算出するものであっても良い。
【0076】
さらに、制御装置4(ピエゾ素子診断装置10)は、図3に示すように、診断対象のピエゾ素子が交換されたことを示す交換信号を受け付ける交換信号受付部4iと、交換信号を受け付けると、寿命算出部4eにより算出された消費寿命又は残存寿命をリセットするリセット部4jとを備える構成としても良い。なお、交換信号は、ユーザが入力手段を用いて入力することが考えられる。
【0077】
また、制御装置4(ピエゾ素子診断装置10)は、図3に示すように、交換信号受付部4iの代わりに、診断対象のピエゾ素子321が交換された場合に、交換後のピエゾ素子321を自動認識する自動認識部4kを備える構成としても良い。自動認識部4kは、ピエゾ素子321を有するピエゾバルブ32又はマスフローコントローラ3(流体制御装置)が交換された場合に、交換後のピエゾバルブ32又はマスフローコントローラ3から送信される識別情報を受信することによって、交換後のピエゾ素子321を自動認識することが考えられる。これらの場合、寿命算出部4eは、自動認識部4kにより自動認識された交換後のピエゾ素子321の消費寿命又は残存寿命を算出する。また、自動認識部4kにより自動認識する場合には、リセット部4jにより情報をリセットすること無く、識別情報毎に寿命関連データを管理するように構成しても良い。
【0078】
さらに、制御装置4(ピエゾ素子診断装置10)は、図4に示すように、寿命算出部4eにより得られた消費寿命又は残存寿命の変化に基づいて、将来の消費寿命又は残存寿命を算出する寿命予測部4mをさらに備えていても良い。具体的に寿命予測部4mは、寿命算出部4eにより算出された消費寿命又は残存寿命の変化に加えて、ピエゾ素子の駆動頻度等の駆動履歴に基づいて、将来の消費寿命又は残存寿命を算出する。この寿命予測部4mは、例えば、比較部で用いられる各閾値に到達する期間を予測することもできる。具体的には、あるインターバル期間の駆動情報で使用し続けると仮定して、例えば今の消費寿命(MTTFc)が0.5の場合に、第1の閾値(0.6)に達するまで1か月等という予測をすることができる。また、寿命予測部4mは、平均故障期間に到達する期間を予測することもできる。さらに、寿命予測部4mは、警報出力部4hに警報指令を出すように構成することもできる。
【0079】
また、気化方式はバブリングの他に、加熱方式等のその他の気化方式であっても良い。
【0080】
加えて、前記実施形態の気化部2及びマスフローコントローラ3は、本体ブロック5に取り付けられる構成であったが、本体ブロック5をそれぞれに対応して分離した構成としても良い。また、気化部2及びマスフローコントローラ3を配管で接続する構成としても良い。
【0081】
さらに加えて、前記実施形態の気化システムは、半導体製造装置のチャンバに材料ガスを供給するものであったが、その他のチャンバに材料ガスを供給するものであっても良い。
【0082】
また、前記実施形態のピエゾ素子診断装置は、気化システムに組み込まれたものであったが、気化システムとは別の装置(モジュール)としたものであっても良い。また、ピエゾ素子診断装置は、流体制御装置とは別の装置(モジュール)としたものであっても良い。
【0083】
また、ピエゾ素子診断装置は、電圧が印加されて駆動する用途で用いられるピエゾ素子の診断の他に、圧力が加えられて電圧を出力する用途で用いられるピエゾ素子を診断するものであっても良い。
【0084】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0085】
100・・・気化システム
2 ・・・気化部
3 ・・・流体制御装置(マスフローコントローラ)
32 ・・・ピエゾバルブ
321・・・ピエゾ素子
10 ・・・ピエゾ素子診断装置
4 ・・・制御装置
4c ・・・バルブ制御部
4d ・・・駆動情報取得部
4e ・・・寿命算出部
4g ・・・比較部
4h ・・・警報出力部
4i ・・・交換信号受付部
4j ・・・リセット部
4k ・・・自動認識部
4l ・・・寿命予測部

図1
図2
図3
図4