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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136217
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】高圧ワイヤーハーネスの配策構造
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/01 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H03H7/01 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047254
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】達川 永吾
(72)【発明者】
【氏名】浅ヶ谷 菖一
【テーマコード(参考)】
5J024
【Fターム(参考)】
5J024AA01
5J024CA02
5J024DA01
5J024DA25
5J024EA01
5J024EA08
5J024KA01
(57)【要約】
【課題】コスト増や重量増を抑制しながら車両におけるノイズを低減させること。
【解決手段】導電性のボディを有する車両に配置された導電性の筐体を有する車載電気機器の間を接続する高圧ワイヤーハーネスの配策構造であって、前記高圧ワイヤーハーネスは、電線と、前記電線の外周を取り囲む導電性のシールドと、前記シールドの外周を取り囲む絶縁性の外装とを有し、前記高圧ワイヤーハーネスのインダクタンス成分と、前記高圧ワイヤーハーネスと前記ボディ又は前記筐体との間のキャパシタンス成分により共振回路が形成され、前記高圧ワイヤーハーネスは、前記共振回路の共振周波数を含む抑制帯域に前記車両におけるノイズの周波数が含まれるように配索されている。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性のボディを有する車両に配置された導電性の筐体を有する車載電気機器の間を接続する高圧ワイヤーハーネスの配策構造であって、
前記高圧ワイヤーハーネスは、電線と、前記電線の外周を取り囲む導電性のシールドと、前記シールドの外周を取り囲む絶縁性の外装とを有し、
前記高圧ワイヤーハーネスのインダクタンス成分と、前記高圧ワイヤーハーネスと前記ボディ又は前記筐体との間のキャパシタンス成分により共振回路が形成され、
前記高圧ワイヤーハーネスは、前記共振回路の共振周波数を含む抑制帯域に前記車両におけるノイズの周波数が含まれるように配索されている
高圧ワイヤーハーネスの配策構造。
【請求項2】
前記電線は、複数本の通電導体が螺旋状に撚られて形成されており、前記シールドは、シールド導体が前記通電導体と同一方向に螺旋状に巻かれて形成されている
請求項1に記載の高圧ワイヤーハーネスの配策構造。
【請求項3】
前記電線は、複数本の通電導体が螺旋状に撚られて形成されており、前記シールドは、シールド導体が前記通電導体と同一方向に螺旋状に巻かれている部分と、前記通電導体とは逆の方向に螺旋状に巻かれている部分とを有するように形成されている
請求項1に記載の高圧ワイヤーハーネスの配策構造。
【請求項4】
前記キャパシタンス成分は、前記シールドと前記外装と前記ボディとによって形成されるキャパシタンス成分を含む
請求項1に記載の高圧ワイヤーハーネスの配策構造。
【請求項5】
前記高圧ワイヤーハーネスは前記ボディの一部と平行に配策されている
請求項4に記載の高圧ワイヤーハーネスの配策構造。
【請求項6】
前記高圧ワイヤーハーネスの少なくとも一部がコイル形状を有している
請求項5に記載の高圧ワイヤーハーネスの配策構造。
【請求項7】
前記高圧ワイヤーハーネスは、電気的に並列接続された前記インダクタンス成分と前記キャパシタンス成分との組を、2つ以上有する
請求項1に記載の高圧ワイヤーハーネスの配策構造。
【請求項8】
前記高圧ワイヤーハーネスは、前記ボディ又は前記筐体との距離が互いに異なる2箇所以上の部分を有する
請求項7に記載の高圧ワイヤーハーネスの配策構造。
【請求項9】
前記高圧ワイヤーハーネスは、前記外装の誘電率が互いに異なる2箇所以上の部分を有する
請求項7に記載の高圧ワイヤーハーネスの配策構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧ワイヤーハーネスの配策構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両において発生するノイズの周囲への影響を低減する発明として、例えば特許文献1、2に開示された発明がある。特許文献1に開示されたノイズフィルタ付き導電路は、導電路本体を包囲するように配されたコイル形状のインダクタと、導電路本体とインダクタとの間に配されたコンデンサとを備えている。
【0003】
特許文献2に開示されたワイヤーハーネスは、電線が貫通する貫通孔を有する環状の電磁波吸収部材を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-22516号公報
【特許文献2】特開2021-13627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に開示された発明は、ノイズ対策のための付加的な部品が必要なため、コスト増や重量増やなどの課題がある。また、特許文献2に開示された発明の場合は、ワイヤーハーネスが大径化するという課題もある。なお、ノイズ対策のための他の方法としては、鋼板などのシールドを用いる方法があるが、この方法も、コスト増や重量増などの課題がある。特に、エンジンをアシストする電動モータを備えるハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、電動モータのみを駆動源として走行する電気自動車などでは、ノイズを発生する車載電気機器の種類や数が比較的多いので、高圧ワイヤーハーネスにおけるノイズ対策が重要である。なお、本明細書では、高圧ワイヤーハーネスとは、例えば48V以上の高電圧の電流が流れるワイヤーハーネスや、電動モータに供給するような大電流が流れるワイヤーハーネスを意味するものとする。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コスト増や重量増を抑制しながら車両におけるノイズの影響を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、導電性のボディを有する車両に配置された導電性の筐体を有する車載電気機器の間を接続する高圧ワイヤーハーネスの配策構造であって、前記高圧ワイヤーハーネスは、電線と、前記電線の外周を取り囲む導電性のシールドと、前記シールドの外周を取り囲む絶縁性の外装とを有し、前記高圧ワイヤーハーネスのインダクタンス成分と、前記高圧ワイヤーハーネスと前記ボディ又は前記筐体との間のキャパシタンス成分により共振回路が形成され、前記高圧ワイヤーハーネスは、前記共振回路の共振周波数を含む抑制帯域に前記車両におけるノイズの周波数が含まれるように配索されている高圧ワイヤーハーネスの配策構造である。
【0008】
前記電線は、複数本の通電導体が螺旋状に撚られて形成されており、前記シールドは、シールド導体が前記通電導体と同一方向に螺旋状に巻かれて形成されていてもよい。
【0009】
前記電線は、複数本の通電導体が螺旋状に撚られて形成されており、前記シールドは、シールド導体が前記通電導体と同一方向に螺旋状に巻かれている部分と、前記通電導体とは逆の方向に螺旋状に巻かれている部分とを有するように形成されていてもよい。
【0010】
前記キャパシタンス成分は、前記シールドと前記外装と前記ボディとによって形成されるキャパシタンス成分を含んでもよい。
【0011】
前記高圧ワイヤーハーネスは前記ボディの一部と平行に配策されていてもよい。
【0012】
前記高圧ワイヤーハーネスの少なくとも一部がコイル形状を有していてもよい。
【0013】
前記高圧ワイヤーハーネスは、電気的に並列接続された前記インダクタンス成分と前記キャパシタンス成分との組を、2つ以上有してもよい。
【0014】
前記高圧ワイヤーハーネスは、前記ボディ又は前記筐体との距離が互いに異なる2箇所以上の部分を有してもよい。
【0015】
前記高圧ワイヤーハーネスは、前記外装の誘電率が互いに異なる2箇所以上の部分を有てもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コスト増や重量増を抑制しながら車両におけるノイズの影響を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A図1Aは、実施形態1に係る高圧ワイヤーハーネスの配策構造の模式的な平面図である。
図1B図1Bは、実施形態1に係る高圧ワイヤーハーネスの配策構造の模式的な側面図である。
図2図2は、図1A、1Bに示す高圧ワイヤーハーネスのケーブル部の長手方向に垂直な断面図である。
図3A図3Aは、ノイズレベルとノイズ周波数との関係を示す図である。
図3B図3Bは、ノイズレベルとノイズ周波数との関係を示す図である。
図4A図4Aは、実施形態2に係る高圧ワイヤーハーネスの配策構造の模式的な平面図である。
図4B図4Bは、実施形態2に係る高圧ワイヤーハーネスの配策構造の模式的な側面図である。
図5図5は、ノイズレベルとノイズ周波数との関係を示す図である。
図6図6は、実施形態3に係る高圧ワイヤーハーネスの配策構造の模式的な平面図である。
図7A図7Aは、図6に示す高圧ワイヤーハーネスのケーブル部の長手方向に垂直な断面図である。
図7B図7Bは、図7Aに示す高圧ワイヤーハーネスのシールドを説明する図である。
図8図8は、ノイズレベルとノイズ周波数との関係を示す図である。
図9図9は、実施形態4に係る高圧ワイヤーハーネスの配策構造の模式的な側面図である。
図10図10は、図9に示す高圧ワイヤーハーネスのケーブル部の一部の長手方向に沿った断面図である。
図11図11は、ノイズレベルとノイズ周波数との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、図中、xyz直交座標系を用いて方向を説明する場合がある。
【0019】
(実施形態1)
図1Aは、実施形態1に係る高圧ワイヤーハーネスの配策構造100をz方向から見た模式的な平面図である。図1Bは、実施形態1に係る高圧ワイヤーハーネスの配策構造100をx方向に見た模式的な側面図である。以下、高圧ワイヤーハーネスの配策構造100を単に配策構造100と記載する。
【0020】
配策構造100は、車載電気機器20、30の間を接続する高圧ワイヤーハーネス10の配策構造である。
【0021】
車載電気機器20、30は、y方向に並んでいる。車載電気機器20、30は、アルミ合金などの金属からなる導電性の筐体を有している。車載電気機器20、30は、例えば、駆動ユニット、電気接続ユニット、電気変換ユニット、又は電源ユニットを有する。駆動ユニットは、例えば走行用の電動モータやeアクスルを含む。電気接続ユニットは、例えば電気接続箱を含む。電気変換ユニットは、例えばDCDCコンバータやインバータを含む。電源ユニットは、例えば充電可能なバッテリを含む。
【0022】
車載電気機器20、30は、鋼板などからなる導電性のボディ1001を有する車両1000に配置されている。車載電気機器20、30は、ボディ1001に電気的かつ機械的に接続されている。車両1000は、例えば、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、又は電気自動車であるが、エンジンのみを駆動源として走行するエンジン車でもよい。車載電気機器20、30の筐体は、ボディ1001を経由して又は直接接地されている。
【0023】
高圧ワイヤーハーネス10は、ケーブル部11と、ケーブル部11の両端に設けられたコネクタ部12を備えている。コネクタ部12は、例えば所謂PN(Positive Negative)コネクタであり、高圧ワイヤーハーネス10を車載電気機器20、30に接続するために用いられる。コネクタ部12は、ボディ1001からz方向における所定の高さの位置に取付けられている。また、高圧ワイヤーハーネス10は、ケーブル部11がボディ1001の一部と平行に配策されている。
【0024】
図2は、高圧ワイヤーハーネス10のケーブル部11の長手方向に垂直な断面図である。ケーブル部11は、螺旋状に撚られた2本の電線11aを備えている。例えば、電線11aの一方は正線であり、もう一方は負線である。電線11aは、径方向に沿った断面が円形状であり、螺旋状に撚られて形成された複数本の導体11a1と、複数本の導体11a1の外周を被覆する絶縁被覆11a2とを備えている。導体11a1は、複数の素線が螺旋状に撚られて形成されている。導体11a1は、例えば銅や銅合金やアルミニウムやアルミニウム合金からなる。絶縁被覆11a2は、例えば架橋ポリエチレンからなる。導体11a1は、電流を流すための通電導体の一例である。
【0025】
ケーブル部11は、さらに、2本の電線11aの外周を取り囲む導電性のシールド11bと、シールド11bの外周を取り囲む絶縁性の外装11cとを備えている。シールド11bは、例えば錫でめっきされた銅線の編組や、2本の電線11aに螺旋状に巻かれた銅箔などからなる導電性テープで構成されている。銅線や導電性テープはシールド導体の一例である。なお、螺旋状に巻かれたシールド導体としての導電性テープは、導体11a1と同一方向に螺旋状に巻かれて形成されていてもよいし、導体11a1と同一方向に螺旋状に巻かれている部分と導体11a1とは逆の方向に螺旋状に巻かれている部分とを有するように形成されていてもよい。
【0026】
外装11cは、例えば架橋ポリエチレンからなる。
【0027】
配策構造100においては、図1Bに示すように、高圧ワイヤーハーネス10でインダクタンス成分L1が形成され、高圧ワイヤーハーネス10とボディ1001との間で、外装11cを含んでキャパシタンス成分C1が形成されることにより、LC並列共振によるフィルタが形成される。なお、インダクタンス成分L1とキャパシタンス成分C1とは、電気的に並列接続になっている。このフィルタの共振周波数は、インダクタンス成分L1とキャパシタンス成分C1により定まる。高圧ワイヤーハーネス10のケーブル部11のy方向の長さ(d1)によりインダクタンス成分L1が変化し、ボディ1001の表面からケーブル部11のシールド11bまでのz方向における距離(d2)によりキャパシタンス成分C1が変化する。これにより、ケーブル部11のy方向の長さと、ボディ1001の表面からケーブル部11のシールド11bまでのz方向における距離とを変えることにより共振周波数を調整し、共振周波数を含む周波数帯域である抑制帯域に含まれる周波数のノイズを低減することができる。抑制帯域とは、共振周波数を含む周波数帯域であって、ノイズレベルが共振周波数のノイズレベルから所定範囲のレベルとなる周波数帯域である。たとえば、抑制帯域とは、ノイズレベルが共振周波数のノイズレベル(ボトム値)から5~50dBだけ高いレベルとなる周波数帯域である。
【0028】
図3Aは、配策構造100におけるd1を157mmとし、d2を150mmとしたときのノイズレベルとノイズ周波数との関係を示したグラフであり、図3Bは、配策構造100におけるd1を357mmとし、d2を150mmとしたときのノイズレベルとノイズ周波数との関係を示したグラフである。図3Aにおいては、共振点の670MHzの前後にてノイズレベルが低下している。即ち、670MHzを含む周波数帯域のノイズを低減させることができる。これに対し、d1を357mmとした配策構造100では、d1が長くなることによりインダクタンス成分L1が大きくなるため、共振周波数が下がり、図3Bに示すように、共振点の264MHzの前後にてノイズレベルが低下している。即ち、d1を変えただけで、低減されるノイズの周波数帯が変わり、264MHzを含む周波数帯域のノイズを低減させることができる。
【0029】
なお、配策構造100において、インダクタンス成分L1のインダクタンスLは、式(1)で表すことができる。また、キャパシタンス成分C1のキャパシタンスCは、式(2)で表すことができる。式(1)、(2)において、μはケーブル部11とボディ1001との間の空気の透磁率である。また、Nは巻き数(図1では、電線11aの一方が正線、もう一方が負線なのでN=1)である。また、xはケーブル部11のy方向における長さ(図1におけるd1)であり、yは電線11aの配策幅(図1では、ケーブル部11のx方向における幅)であり、lはケーブル部11のz方向における厚さである。また、εはケーブル部11のシールド11bとボディ1001との間の、外装11cを含んだ誘電率であり、wは電線11aのx方向における幅であり、dはボディ1001の表面からのシールド11bまでのz方向における距離すなわち高さ(図1におけるd2)である。
L=μ・N・x・y/l ・・・ (1)
C=ε・2・x・w/d ・・・ (2)
【0030】
例えば、ケーブル部11とボディ1001との間の空気の比透磁率を1、比誘電率を1とした場合を想定する。この場合、例えば、車両1000のモータやインバータが発するノイズなど、ノイズの周波数が10MHz以下の範囲内である場合、ケーブル部11の長さを1.8m以上とし、高さdを0.2m以下とし、外装11cの比誘電率を2以上とし、インダクタンスLとキャパシタンスCの積を2.5×10-6~2.5×10-16とすると、これらのノイズを低減させることができる。また、車両1000の補機用のブラシ付きモータのノイズ、点火ノイズ、車両1000に搭載された無線機器が発するノイズなど、ノイズの周波数が10MHz~100MHzの範囲内である場合、ケーブル部11の長さを0.5m以上とし、高さdを0.6m以下とし、インダクタンスとキャパシタンスCの積を2.5×10-16~2.5×10-18とすると、これらのノイズを低減させることができる。また、車両1000の制御のために車両1000に搭載されるマイクロコンピュータのクロックによるノイズや、キーレスエントリなどのために車両1000に搭載された無線機器が発するノイズなど、ノイズの周波数が100MHz~1GHzの範囲内である場合、ケーブル部11の長さを0.3m以上とし、高さdを0.8m以下とし、インダクタンスLとキャパシタンスCの積を2.5×10-18~2.5×10-20とすると、これらのノイズを低減させることができる。
【0031】
このように、本実施形態によれば、配策構造100のインダクタンス成分L1とキャパシタンス成分C1で構成される共振回路において、特定の周波数のノイズに対応して、たとえばxとdと(すなわちd1とd2と)を調整することにより、共振周波数をノイズの周波数に合わせて車両1000内のノイズを低減させることができる。また、本実施形態によれば、電気部品を用いたフィルタ回路やフェライトなどのノイズ対策用の回路や部品を用いることなく、配索に用いる部品だけで車両内のノイズを低減させることができるので、コスト増や重量増が抑制される。
【0032】
また、シールド11bが螺旋状に巻かれた導電性テープで構成されている場合、単位長さ当たりの巻き数を調整することでもインダクタンス成分L1のインダクタンスを調整することができる。例えば、単位長さ当たりの巻き数を増やすとインダクタンス成分L1のインダクタンスも増加する。なお、インダクタンスを増加させると、共振のダンピング効果やQ値の低減効果を得ることもできる。
【0033】
(実施形態2)
図4Aは、実施形態2に係る高圧ワイヤーハーネスの配策構造100Aをz方向から見た模式的な平面図である。図4Bは、実施形態2に係る高圧ワイヤーハーネスの配策構造100Aをx方向に見た模式的な側面図である。以下、高圧ワイヤーハーネスの配策構造100Aを単に配策構造100Aと記載する。
【0034】
配策構造100Aは、車載電気機器20A、30Aの間を接続する高圧ワイヤーハーネス10の配策構造である。
【0035】
車載電気機器20A、30Aは、導電性の筐体を有しており、x方向に並んで配置されている。車載電気機器20A、30Aは、ボディ1001に電気的かつ機械的に接続されている。車載電気機器20A、30Aの筐体は、ボディ1001を経由して又は直接接地されている。
【0036】
配策構造100Aでは、高圧ワイヤーハーネス10がコイル形状に配策されている。具体的には、ケーブル部11は、車載電気機器20Aからy方向の正の向きに延びており、つぎに屈曲してx方向の負の向きに延び、つぎに屈曲してy方向の負の向きに延びて車載電気機器30Aに到るように配策されている。また、高圧ワイヤーハーネス10は、ケーブル部11がボディ1001の一部と平行に配策されている。
【0037】
配策構造100Aでは、図4Bに示すように、高圧ワイヤーハーネス10でインダクタンス成分L2が形成され、高圧ワイヤーハーネス10とボディ1001との間で、外装11cを含んでキャパシタンス成分C2が形成されることにより、LC並列共振によるフィルタが形成される。なお、インダクタンス成分L2とキャパシタンス成分C2とは、電気的に並列接続になっている。このフィルタの共振周波数は、インダクタンス成分L2とキャパシタンス成分C2により定まる。さらに、高圧ワイヤーハーネス10の一部がコイル形状に配策されていることによって、インダクタンス成分L2及びキャパシタンス成分C2を大きくし、共振周波数を低くすることができ、低い周波数のノイズレベルを低減させることができる。
【0038】
図5は、配策構造100Aを用いた場合のノイズレベルとノイズ周波数との関係の一例を示したグラフである。配策構造100Aではインダクタンス成分とキャパシタンス成分が大きくなるため、共振周波数が低くなり、図5においては、実施形態1より低い共振周波数の110MHzを含む抑制帯域にてノイズレベルが低下している。
【0039】
また、配策構造100Aにおいては、ケーブル部11の長さによりインダクタンス成分L2が変化し、ボディ1001の表面からケーブル部11のシールド11bまでのz方向における距離によりキャパシタンス成分C2が変化する。これにより、ケーブル部11の長さと、ボディ1001の表面からケーブル部11のシールド11bまでのz方向における距離とを変えることにより共振周波数を調整し、共振周波数を車両1000内で低減させたいノイズの周波数に合わせることにより、車両1000内のノイズを低減させることができる。
【0040】
(実施形態3)
図6Aは、実施形態3に係る高圧ワイヤーハーネスの配策構造100Bをx方向に見た模式的な側面図である。以下、高圧ワイヤーハーネスの配策構造100Bを単に配策構造100Bと記載する。
【0041】
配策構造100Bは、車載電気機器20B、30Bの間を接続する高圧ワイヤーハーネス10Bの配策構造である。
【0042】
高圧ワイヤーハーネス10Bは、ケーブル部11Bと、ケーブル部11Bの両端に設けられたコネクタ部12を備えている。
【0043】
図7Aは、高圧ワイヤーハーネス10Bのケーブル部11Bの長手方向に垂直な断面図である。ケーブル部11Bは、平行に配置された2本の電線11Baを備えている。例えば、電線11Baの一方は正線であり、もう一方は負線である。電線11Baは、バスバーである導体11Ba1と、導体11Ba1の外周を被覆する絶縁被覆11Ba2とを備えている。導体11Ba1は、例えば銅や銅合金やアルミニウムやアルミニウム合金からなる。絶縁被覆11Ba2は、例えば架橋ポリエチレンからなる。導体11Ba1は、電流を流すための通電導体の一例である。
【0044】
ケーブル部11Bは、さらに、2本の電線11Baの外周を取り囲む導電性のシールド11Bbと、シールド11Bbの外周を取り囲む絶縁性の外装11Bcとを備えている。シールド11Bbは、例えば錫でめっきされた銅線が螺旋状に巻かれて形成されている。錫でめっきされた銅線はシールド導体の一例である。なお、螺旋状に巻かれたシールド導体としての銅線は、図7Bに示すように一方向に螺旋状に巻かれて形成されていてもよい。外装11Bcは、例えば架橋ポリエチレンからなる。
【0045】
車載電気機器20B、30Bは、導電性の筐体を有しており、y方向に並んで配置されている。車載電気機器20B、30Bは、ボディ1001に電気的かつ機械的に接続されている。車載電気機器20B、30Bの筐体は、ボディ1001を経由して又は直接接地されている。
【0046】
車載電気機器30Bは、車載電気機器20Bよりもz方向における高さが高い。また、高圧ワイヤーハーネス10Bの一方のコネクタ部12は、車載電気機器20Bのz方向の正の向きを向いている表面で車載電気機器20Bと接続されている。高圧ワイヤーハーネス10Bの他方のコネクタ部12は、車載電気機器30Bのy方向の負の向きを向いている表面で、かつ車載電気機器20Bのz方向の正の向きを向いている表面よりもz方向において高い位置で、車載電気機器30Bと接続されている。
【0047】
配策構造100Bでは、高圧ワイヤーハーネス10はクランク状に配策されている。具体的には、ケーブル部11Bは、車載電気機器20Bからz方向の正の向きに延びており、つぎに屈曲してy方向の正の向きに延び、つぎに屈曲してz方向の正の向きに延び、つぎに屈曲してy方向の正の向きに延びて車載電気機器30Bに到るように配策されている。すなわち、高圧ワイヤーハーネス10Bは、ケーブル部11Bがボディ1001の一部又は車載電気機器20Bの筐体の一部と平行に配策されている部分を2箇所有し、かつその2箇所では、ケーブル部11Bとボディ1001又は車載電気機器20Bの筐体との距離が互いに異なる。
【0048】
配策構造100Bでは、図6に示すように、高圧ワイヤーハーネス10Bで2つのインダクタンス成分L31、L32が形成される。具体的には、インダクタンス成分L31は、ケーブル部11Bの車載電気機器20Bからz方向の正の向きに延びている長さと、そこからy方向の正の向きに延びている長さとの積をインダクタ(コイル)面積とするインダクタンス成分である。また、インダクタンス成分L32は、ケーブル部11Bの車載電気機器30Bからy方向の負の向きに延びている長さと、ボディ1001からの距離との積をインダクタ(コイル)面積とするインダクタンス成分である。また、高圧ワイヤーハーネス10Bと車載電気機器20Bの筐体との間で外装11Bcを含んでキャパシタンス成分C31が形成され、高圧ワイヤーハーネス10Bとボディ1001との間で外装11Bcを含んでキャパシタンス成分C32が形成される。これにより、LC並列共振によるフィルタが形成される。なお、インダクタンス成分L31とキャパシタンス成分C31とは、電気的に並列接続になっており、インダクタンス成分L32とキャパシタンス成分C32とは、電気的に並列接続になっている。このような高圧ワイヤーハーネス10Bは、電気的に並列接続されたインダクタンス成分とキャパシタンス成分との組を、2つ以上(具体的には2つ)有する。このフィルタの共振周波数は、インダクタンス成分L31、L32とキャパシタンス成分C31、C32とにより定まる。なお、高圧ワイヤーハーネス10Bと車載電気機器20Bの筐体との間の距離が、高圧ワイヤーハーネス10Bとボディ1001との間の距離より小さいので、キャパシタンス成分C31のキャパシタンスはキャパシタンス成分C32のキャパシタンスよりも大きい。
【0049】
配策構造100Bでは、電気的に並列接続されたインダクタンス成分とキャパシタンス成分との組を2組有するので、それぞれの組を異なる共振周波数とすることができる。その結果、たとえば一方の共振周波数を比較的低周波数の共振周波数とし、他方の共振周波数を比較的高周波数とするなどして、より多様なノイズの抑制を実現できる。また、配策構造100Bでは、電線11Baの導体11Ba1がバスバーなので、インダクタンス成分L31、L32及びキャパシタンス成分C31、C32を大きくし、共振周波数を低くすることができ、低い周波数のノイズレベルを低減させることができる。また、シールド11Bbの単位長さ当たりの巻き数を調整することでもインダクタンス成分L31、L32のインダクタンスを調整することができる。例えば、単位長さ当たりの巻き数を増やすとインダクタンス成分L31、L32のインダクタンスも増加する。
【0050】
図8は、配策構造100Bを用いた場合のノイズレベルとノイズ周波数との関係の一例を示したグラフである。配策構造100Bでは、共振周波数の197MHzを含む抑制帯域及び他の共振周波数の9MHzを含む抑制帯域にてノイズレベルが低下している。
【0051】
(実施形態4)
図9は、実施形態4に係る高圧ワイヤーハーネスの配策構造100Cをx方向に見た模式的な側面図である。以下、高圧ワイヤーハーネスの配策構造100Cを単に配策構造100Cと記載する。
【0052】
配策構造100Cは、車載電気機器20C、30Cの間を接続する高圧ワイヤーハーネス10Cの配策構造である。
【0053】
高圧ワイヤーハーネス10Cは、車載電気機器30C側から車載電気機器20C側に向かってこの順に配置されたケーブル部11C1、11C2、11C3を有するケーブル部11Cと、ケーブル部11Cの両端に設けられたコネクタ部12を備えている。
【0054】
ケーブル部11C1は、図7Aに示す高圧ワイヤーハーネス10Bのケーブル部11Bと同じ構成を有する。
【0055】
図10は、高圧ワイヤーハーネス10Cのケーブル部11Cの一部であるケーブル部11C2、11C3の長手方向に沿った断面図である。ケーブル部11C2は、図7Aに示すケーブル部11Bの構成において、外装11Bcを外装11C2cに置き換えた構成を有する。外装11C2cは、たとえばシリコーン樹脂などの熱伝導性が高くかつ外装11Bcの構成材料よりも誘電率が高い樹脂からなる熱伝導テープである。外装11C2cは、車載電気機器20Cが発生してケーブル部11C3、11C2を伝熱した熱を放熱する機能を有する。
【0056】
ケーブル部11C3は、ケーブル部11Bの構成において、外装11Bcを外装11C3cに置き換えた構成を有する。外装11C3cは、たとえばシリコーン樹脂などの可とう性を有しかつ外装11Bcの構成材料よりも誘電率が高い樹脂からなる可とう性ブーツである。外装11C3cは、コネクタ部12と隣接して設けられており、車載電気機器20Cへの水などの侵入を防ぐ機能を有する。
【0057】
車載電気機器20C、30Cは、導電性の筐体を有しており、y方向に並んで配置されている。車載電気機器20C、30Bは、ボディ1001に電気的かつ機械的に接続されている。車載電気機器20C、30Cの筐体は、ボディ1001を経由して又は直接接地されている。
【0058】
車載電気機器30Cは、車載電気機器20Cよりもz方向における高さが高い。また、高圧ワイヤーハーネス10Cにおけるケーブル部11C3に隣接するコネクタ部12は、車載電気機器20Cのz方向の正の向きを向いている表面で車載電気機器20Cと接続されている。高圧ワイヤーハーネス10Cにおけるケーブル部11C1に隣接するコネクタ部12は、車載電気機器30Cのy方向の負の向きを向いておりかつz方向に略平行な表面で、車載電気機器30Cと接続されている。
【0059】
配策構造100Cでは、高圧ワイヤーハーネス10Cはコイル形状に配策されている。具体的には、ケーブル部11C3は、車載電気機器20Cから筐体に沿ってz方向の正の向きに延び、つぎに屈曲してy方向の正の向きに延びている。つぎにケーブル部11C2は、y方向の正の向きに延びている。つぎにケーブル部11C1は、屈曲してz方向の正の向きに延び、つぎに屈曲してy方向の正の向きに延び、つぎに屈曲してz方向の負の向きに延び、つぎに屈曲してy方向の正の向きに延びて車載電気機器30Cに到るように配策されている。すなわち、高圧ワイヤーハーネス10Cは、ケーブル部11C2、11C3が車載電気機器20Cの筐体の一部と平行に配策されている部分と、ケーブル部11C1が車載電気機器30Cの筐体の一部と平行に配策されている部分とがある。すなわち、高圧ワイヤーハーネス10Cは、ケーブル部11Cが車載電気機器20C又は30Cの筐体の一部と平行に配策されている部分を2箇所有し、かつその2箇所では、ケーブル部11Cと車載電気機器20C又は30Cの筐体の一部との距離が互いに異なる。
【0060】
配策構造100Cでは、図9に示すように、高圧ワイヤーハーネス10Cで2つのインダクタンス成分L41、L42が形成される。具体的には、インダクタンス成分L41は、ケーブル部11Cの車載電気機器20Cからz方向の正の向きに延びている長さと、そこからy方向の正の向きに延びている長さとの積をインダクタ(コイル)面積とするインダクタンス成分である。また、インダクタンス成分L42は、ケーブル部11Cの車載電気機器30Cの側でコネクタ部12よりもボディ1001から離れた位置でy方向の負の向きに延びている長さと、ボディ1001からの距離との積をインダクタ(コイル)面積とするインダクタンス成分である。また、高圧ワイヤーハーネス10Cと車載電気機器20Cの筐体との間で外装11C2c及び外装11C3cを含んでキャパシタンス成分C41が形成され、高圧ワイヤーハーネス10Cと車載電気機器30Cの筐体との間で外装(外装11Bcと同じ)を含んでキャパシタンス成分C42が形成される。これにより、LC並列共振によるフィルタが形成される。なお、インダクタンス成分L41とキャパシタンス成分C41とは、電気的に並列接続になっており、インダクタンス成分L42とキャパシタンス成分C42とは、電気的に並列接続になっている。このような高圧ワイヤーハーネス10Cは、電気的に並列接続されたインダクタンス成分とキャパシタンス成分との組を、2つ以上(具体的には2つ)有する。このフィルタの共振周波数は、インダクタンス成分L41、L42とキャパシタンス成分C41、C42とにより定まる。高圧ワイヤーハーネス10Cの一部がコイル形状に配策されていることによって、インダクタンス成分L41、L42及びキャパシタンス成分C41、C42を大きくし、共振周波数を低くすることができ、低い周波数のノイズレベルを低減させることができる。
【0061】
配策構造100Cでは、電気的に並列接続されたインダクタンス成分とキャパシタンス成分との組を2組有するので、それぞれの組を異なる共振周波数とすることができる。その結果、たとえば一方の共振周波数を比較的低周波数の共振周波数とし、他方の共振周波数を比較的高周波数とするなどして、より多様なノイズの抑制を実現できる。また、配策構造100Cでは、ケーブル部11C1、11C2、11C3の電線の導体がバスバーなので、インダクタンス成分L41、L42及びキャパシタンス成分C41、C42を大きくし、共振周波数を低くすることができ、低い周波数のノイズレベルを低減させることができる。また、シールドの単位長さ当たりの巻き数を調整することでもインダクタンス成分L41、L42のインダクタンスを調整することができる。例えば、単位長さ当たりの巻き数を増やすとインダクタンス成分L41、L42のインダクタンスも増加する。
【0062】
また、高圧ワイヤーハーネス10Cは、外装の誘電率が互いに異なる2箇所以上の部分を有する。具体的には、ケーブル部11C2と、ケーブル部11C3と、ケーブル部11C1とでは外装の誘電率が異なる。特に、本実施形態では、ケーブル部11C2、11C3の外装の誘電率がケーブル部11C1の外装の誘電率よりも高い。これにより、キャパシタンス成分C41のキャパシタンスはC42のキャパシタンスよりも大きい。このように、キャパシタンス成分における外装の誘電率を高くすることによって、共振周波数を低くすることができるので、低い周波数のノイズレベルを低減させることができる。
【0063】
図11は、配策構造100Cを用いた場合のノイズレベルとノイズ周波数との関係の一例を示したグラフである。ただし、ケーブル部11C2、11C3の外装はシリコーン樹脂で構成し、ケーブル部11C1はポリプロピレンで構成している。配策構造100Cでは、共振周波数の96MHzを含む抑制帯域及び他の共振周波数の2MHzを含む抑制帯域にてノイズレベルが低下している。
【0064】
なお、上記実施形態において、高圧ワイヤーハーネスのケーブル部は電線を2本含んでいるが、3本以上を含んでいてもよい。例えば、高圧ワイヤーハーネスで接続される車載電気機器の一方が3相の電動モータであり、他方がインバータである場合、高圧ワイヤーハーネスのケーブル部は電線を3本含む。
【0065】
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。たとえば、配策構造100、100Aにおいて、導体をバスバーで構成してもよい。また、配策構造100、100Aにおいて、シールド導体を錫でめっきされた銅線で構成してもよい。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
10、10B、10C:高圧ワイヤーハーネス
11、11B、11C1、11C2、11C3:ケーブル部
11a、11Ba:電線
11a1、11Ba1:導体
11a2、11Ba2 :絶縁被覆
11b、11Bb :シールド
11c、11Bc、11C2c、11C3c :外装
12 :コネクタ部
20、20A、20B、30、30B、30C:車載電気機器
100、100A、100B、100C:配策構造
1000 :車両
1001 :ボディ
C1、C2、C31、C32、C41、C42:キャパシタンス成分
L1、L2、L31、L32、L41、L42:インダクタンス成分
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11