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特開2024-136286セメント系固化材の品質管理方法及びセメント系固化材の製造システム
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  • 特開-セメント系固化材の品質管理方法及びセメント系固化材の製造システム 図1
  • 特開-セメント系固化材の品質管理方法及びセメント系固化材の製造システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136286
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】セメント系固化材の品質管理方法及びセメント系固化材の製造システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/38 20060101AFI20240927BHJP
   C04B 7/14 20060101ALI20240927BHJP
   C04B 7/36 20060101ALI20240927BHJP
   C04B 18/14 20060101ALI20240927BHJP
   C04B 22/14 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G01N33/38
C04B7/14
C04B7/36
C04B18/14 A
C04B22/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047364
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】521297587
【氏名又は名称】UBE三菱セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土肥 浩大
(72)【発明者】
【氏名】清田 正人
【テーマコード(参考)】
4G112
【Fターム(参考)】
4G112MB23
(57)【要約】
【課題】セメント系固化材に含まれる構成材料の混合割合を迅速且つ簡易に定量することが可能な方法を提供すること。
【解決手段】セメント系固化材のFe含有量及びSO含有量に基づき、該セメント系固化材に含まれる材料の混合割合を推定する、セメント系固化材の品質管理方法である。セメント系固化材に含まれるセメントの混合割合をC(質量%)とし、セメント系固化材のFe含有量をX(質量%)としたとき、回帰式:C=b+aに基づきセメント系固化材に含まれるセメントの割合を推定することが好適である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント系固化材のFe含有量及びSO含有量に基づき、該セメント系固化材に含まれる材料の混合割合を推定する、セメント系固化材の品質管理方法。
【請求項2】
前記材料がセメント及び石膏を含む、請求項1に記載のセメント系固化材の品質管理方法。
【請求項3】
前記材料がセメント、スラグ及び石膏を含む、請求項1に記載のセメント系固化材の品質管理方法。
【請求項4】
前記セメント系固化材に含まれる前記セメントの混合割合をC(質量%)とし、前記セメント系固化材のFe含有量をX(質量%)としたとき、回帰式:C=b+aに基づき前記セメント系固化材に含まれる前記セメントの配合割合を推定する、請求項2又は3に記載のセメント系固化材の品質管理方法。
【請求項5】
前記セメント系固化材に含まれる前記石膏の混合割合をG(質量%)とし、前記セメント系固化材のSO含有量をX(質量%)としたとき、回帰式:G=b+aに基づき前記セメント系固化材に含まれる前記石膏の配合割合を推定する、請求項2又は3に記載のセメント系固化材の品質管理方法。
【請求項6】
前記セメント系固化材に含まれる前記材料の混合割合を推定し、
前記混合割合の推定値と、前記セメント系固化材における前記材料の混合割合の設定値とを比較して、該推定値と該設定値との乖離の程度を求め、
前記乖離の程度が閾値を超えた場合、前記セメント系固化材における前記材料の混合割合を調整する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のセメント系固化材の品質管理方法。
【請求項7】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のセメント系固化材の品質管理方法を用いてセメント系固化材を製造する、セメント系固化材の製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント系固化材の品質管理方法及びセメント系固化材の製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
セメントに高炉スラグ及び石膏を添加して高炉セメントやセメント系固化材を製造する際、製品に含まれる高炉スラグやSOの含有割合が設定範囲を満足しているか確認するためには、それらの分析に長時間を要する。このことに起因して、製品に含まれる各材料の混合割合が設定範囲を満足しているかを確認するためには、分析終了まで製品を一時保管するか又は成分の目標値の幅を大きくして対応することが一般的な対処方法であった。また、製品の分析には時間を要することから、製造中の製品が品質目標を満足しない場合、製造中に各材料の混合割合を調整し、品質を調整することは難しいという問題があった。
【0003】
特許文献1には、フレッシュコンクリートやフレッシュモルタルを対象として、質量測定及び蛍光X線分析による含有元素の定量を行い、これらの測定値に基づいた関係式を用いて、対象物を構成するセメントの配合量を推定する方法についての開示がある。特許文献2には、多成分系混合セメントに含まれる材料の配合割合を推定する方法として、X線回折法を用いて非晶質混和材の混合率を推定する方法についての開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-163810号公報
【特許文献2】特開2016-166866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されている方法は、骨材や水を含むコンクリートモルタルを対象としており、固化材製品のような粉末状の多成分系混合セメントに対して適用できるかは不明であり、また、工程が煩雑であるため、最適化の余地があった。
【0006】
特許文献2に記載されている方法によれば、X線回折法を用いて多成分系混合セメントの各構成相の混合率を従来よりも簡便に測定できると、同文献には記載されている一方、試験前に各材料を個別に測定する必要があることも記載されている。しかし、セメント工場においては、セメントクリンカーや塊状の石灰石をミルに投入し、混合粉砕することがあり、SS(サービスセンター)においては、予め高炉スラグや石灰石が添加されたセメントに、更に別の材料を添加することもある。そのため、製造現場ではそれぞれの材料ごとに粉体サンプルを得ることは難しく、セメント系固化材への適応は難しい。
【0007】
したがって本発明の課題は、セメント系固化材に含まれる構成材料の混合割合を迅速且つ簡易に定量することが可能な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、セメント系固化材のFe含有量及びSO含有量に基づき、該セメント系固化材に含まれる材料の混合割合を推定する、セメント系固化材の品質管理方法を提供することにより前記課題を解決したものである。
【0009】
また本発明は、上述したセメント系固化材の品質管理方法を用いてセメント系固化材を製造する、セメント系固化材の製造システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、セメント系固化材に含まれる構成材料の混合割合を高い精度で迅速に且つ簡易に推定できる。この推定結果に基づき安定した品質のセメント系固化材の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、セメント系固化材に含まれるセメントの含有量と、各酸化物成分との関係を示すグラフである。
図2図2は、セメント系固化材に含まれる石膏の含有量と、各酸化物成分との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の品質管理方法は、セメント系固化材に含まれる特定の成分の含有量に基づき、具体的にはFe含有量及びSO含有量に基づき、該セメント系固化材に含まれる材料の混合割合を推定することに関する。
【0013】
本発明の品質管理方法の対象であるセメント系固化材は一般に、砂質土や粘性土等の一般的な軟弱土や、含水比が高い泥状物や有機質含有土を固化処理する幅広い用途で用いられるものである。セメント系固化材をこれらの土と混合する処理を行うことで、処理後の土に高い強度が発現する。
【0014】
セメント系固化材は固化母材としてセメントを含む。セメント系固化材におけるセメントの割合は40質量%以上であることが好ましい。
セメント系固化材は、セメントに加えて石膏を含むことが、処理後の土に高い強度を発現させ得る点から好ましい。同様の理由によってセメント系固化材は、セメント及び石膏に加えてスラグを含むことも好ましい。セメント系固化材は、更に石灰、フライアッシュ及びシリカ等の一種以上を更に含むことも好ましい。
【0015】
セメント系固化材に含まれるセメントとしては、ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント及び高炉セメントを例示することができる。
ポルトランドセメント及び早強ポルトランドセメントとしては、例えばJIS R5210:2019に規定されるものを用いることができる。
高炉セメントは、ポルトランドセメントと高炉スラグとを含むものであり、例えばJIS R5211:2019に規定されるものを用いることができる。具体的には、高炉セメントは、高炉スラグを5質量%超30質量%以下含む高炉セメントA種、高炉スラグを30質量%超60質量%以下含む高炉セメントB種及び高炉スラグを60質量%超70質量%以下含む高炉セメントC種のうち少なくとも一種を用いることができる。
【0016】
セメント系固化材の構成材料の一つである石膏としては、例えば無水石膏、半水石膏及び二水石膏などが挙げられる。有機質含有土の強度改善を効率的に行う観点から、石膏は、無水石膏及び二水石膏のいずれかであることが好ましく、無水石膏であることが更に好ましく、半水石膏の含有率は極力低いことが望ましい。
【0017】
セメント系固化材の構成材料の一つであるスラグとしては、例えば高炉スラグを用いることが好ましい。
【0018】
セメント系固化材は、例えば高炉セメント及び石膏を混合して製造することができる。あるいは、ポルトランドセメント、石膏及び高炉スラグを混合してセメント系固化材を製造することができる。
【0019】
本発明においては、セメント系固化材に含まれる特定の成分の含有量を測定することで、該セメント系固化材に含まれる材料の混合割合を推定する。具体的にはFe含有量及びSO含有量を測定する。後述する図1及び図2に示すとおり、本発明者の検討の結果、意外にも、セメント系固化材に含まれる成分のうち、Fe及びSOの含有量が、セメント系固化材の構成材料の混合割合との相関が極めて高いことが判明した。
【0020】
セメント系固化材に含まれるFe及びSOの含有量の測定に際し測定環境に特に制限はないが、環境温度は一定であることが好ましい。例えば20±3℃の室内で測定することが好ましい。
測定対象の試料の調製は、ばらつきが生じにくく品質が一定となる方法、例えば振動バイブレーターなどを使用して行うことが好ましい。
【0021】
セメント系固化材中に含まれるFe及びSOの含有量の測定方法に特に制限はない。例えば蛍光X線分析(XRF)、高周波誘導結合プラズマ発光分析(ICP)、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)などを用いてFe及びSOの含有量をそれぞれ測定することができる。
これらの測定方法のうち、蛍光X線分析は、特に小型のハンディタイプの装置を用いることで、in-situでのFe及びSOの定量が容易に可能であるため、好ましく用いられる。
【0022】
本発明においては、構成材料の混合割合が既知である数種類のセメント系固化材について、例えば蛍光X線分析によってFe含有量及びSO含有量をそれぞれ測定する。そして、セメント系固化材に含まれるセメントの混合割合をC(質量%)とし、セメント系固化材のFe含有量をXとして、回帰式:C=b+aに基づき回帰分析を行う。式中、a及びbは、回帰分析によって算出される定数である。
【0023】
具体的には、各セメント系固化材におけるCi及びXi(添え字iは、i番目のサンプルを意味する。)に基づき、Σ(Ci-C(Xi))が最小となるa及びbを算出する。つまり最小自乗法によってa及びbを算出する。構成材料の混合割合が既知であるセメント系固化材のサンプル数は、好ましくは3以上、更に好ましくは6以上とすることが、精度の高い推定が可能になる点から好ましい。
【0024】
このようにして算出・決定された回帰式:C=b+aを検量線として用い、構成材料の混合割合が未知であるセメント系固化材についてFe含有量を測定する。測定されたFe含有量を前記検量線に当てはめることで、該セメント系固化材に含まれるセメントの混合割合Ce(質量%)を推定することができる。
【0025】
本発明においては、セメント系固化材に含まれるセメントの混合割合だけでなく、石膏の配合割合も推定することが可能である。具体的には、セメント系固化材に含まれる石膏の混合割合をG(質量%)とし、前記セメント系固化材のSO含有量をXとして、回帰式:G=b+aに基づき回帰分析を行う。式中、a及びbは、回帰分析によって算出される定数である。
【0026】
具体的には、各セメント系固化材におけるGi及びXi(添え字iは、i番目のサンプルを意味する。)に基づき、Σ(Gi-G(Xi))が最小となるa及びbを最小自乗法によって算出する。構成材料の混合割合が既知であるセメント系固化材のサンプル数は、好ましくは3以上、更に好ましくは6以上とすることが、精度の高い推定が可能になる点から好ましい。
【0027】
このようにして算出・決定された回帰式:G=b+aを検量線として用い、構成材料の混合割合が未知であるセメント系固化材についてSO含有量を測定する。測定されたSO含有量を前記検量線に当てはめることで、該セメント系固化材に含まれる石膏の混合割合Ge(質量%)を推定することができる。
【0028】
以上の説明は、検量線に基づきセメント系固化材に含まれるセメント及び石膏の混合割合を推定する方法に係るものであったところ、本発明においては、セメント系固化材に含まれるセメント及び石膏以外の材料についても、その合算の混合割合の推定が可能である。セメント以外の材料としては、典型的にはスラグが挙げられるが、これに限られず例えばフライアッシュや石灰などを対象とすることもできる。
【0029】
セメント系固化材がセメント、石膏及びスラグ等の他の材料からなる場合には、上述の方法によって推定されたセメントの混合割合Ce(質量%)及び石膏の混合割合Ge(質量%)を100から減じることによって、すなわち〔100-Ce-Ge〕の計算を行うことによって、スラグ等の混合割合Ae(質量%)を推定することができる。
【0030】
本発明においては、前記検量線を作成するときに用いるセメント及び石膏は、測定に供するセメント系固化材、すなわち構成材料の混合割合が未知であるセメント系固化材に含まれるセメント及び石膏と同種であることが、精度の高い推定が可能であることから好ましい。
なお、Fe及びSOは、セメント系固化材を構成する成分の代表的なものであるセメント、石膏及びスラグのいずれにも含まれていることから、検量線を作成するときに用いたセメント系固化材における構成材料の混合割合と、推定対象であるセメント系固化材における構成材料の混合割合とが大きく異なる場合には、新たな検量線を作成することが望ましい。この観点から、本発明は、検量線を作成するときに用いたセメント系固化材における構成材料の混合割合が、推定対象であるセメント系固化材における構成材料の混合割合と近い場合に有効である。
また、セメント及び/又は石膏及び/又はスラグの種類が異なるセメント系固化材における構成材料の混合割合を推定する場合には、新たな検量線を求めることが、精度の高い推定を可能にする点から好ましい。
【0031】
以上の方法によってセメント系固化材に含まれる構成材料の混合割合を推定することで、セメント系固化材の品質管理を精度良く行うことができる。詳細には、上述の方法によってセメント系固化材に含まれる構成材料の混合割合を推定し、該混合割合の推定値と、セメント系固化材における構成材料の混合割合の設定値とを比較する。そして推定値と設定値との乖離の程度を求める。この乖離の程度が予め設定しておいた閾値を超えた場合、セメント系固化材に含まれる構成材料の混合割合を調整する。例えばセメントの混合割合を増減したり、石膏の混合割合を増減したり、あるいはスラグ等のその他の材料の混合割合を増減したりする。それによって、前記推定値と前記設定値との乖離を前記閾値内に収めるようにフィードバック制御を行う。これによって、セメント系固化材の品質を一定に保つことが容易となる。
【0032】
本発明の品質管理方法は、例えばセメント系固化材の出荷拠点(サービスステーション)において、セメント及び石膏、並びに必要に応じてスラグ等の他の材料を混合してセメント系固化材を製造する場面に適用することができる。あるいは、セメント系固化材がサイロに保管されている状態の場合には、該サイロに蛍光X線分析装置を設置し、サイロ内部の固化材の一部を対象に測定を行うことで、本発明の品質管理方法を適用することができる。また、セメント系固化材の輸送ライン上に蛍光X線分析装置を取り付けることによっても、本発明の品質管理方法を適用することができる。
【0033】
本発明によれば、上述したセメント系固化材の品質管理方法を用いてセメント系固化材を製造する、セメント系固化材の製造システムも提供される。この製造システムは、構成材料が混合された状態のセメント系固化材を対象とし所定の方法でFe含有量及びSO含有量を測定してセメント系固化材に含まれる材料の混合割合を推定することを含むものである。この製造システムを採用することによって、一定品質のセメント系固化材を容易に製造することが可能となる。
【0034】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されず、本発明の効果が奏される範囲において種々の変更が可能である。
【実施例0035】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
【0036】
<セメント系固化材の作製>
早強ポルトランドセメント(UBE三菱セメント製、略号:H)又は普通ポルトランドセメント(UBE三菱セメント製、略号:N)と、石膏(無水石膏;コクサイ商事製)と、高炉スラグ微粉末(千葉リバーメント製)とを以下の表1に示す割合で混合して、異なる組成を有する13種類のセメント系固化材(セメント系固化材1~13)を得た。
【0037】
<蛍光X線によるFe含有量及びSO含有量の測定>
ハンディ型蛍光X線分析装置として、ハンドヘルド蛍光X線分析装置 X-MET8000(日立ハイテクサイエンス社製)を用い、各セメント系固化材のFe含有量及びSO含有量を測定した。
また、前記蛍光X線分析装置を用いて、各セメント系固化材のSiO、Al、CaO及びMgOの含有量も測定した。それらの結果を表2に示す。
【0038】
<回帰計算>
セメント含有量の回帰式をC=b+aに設定し回帰計算を行った。その結果、a=49.416、b=-22.613であり、決定係数Rは0.9867であった。
また、石膏含有量の回帰式をG=b+aに設定し回帰計算を行った。その結果、a=1.6137、b=-3.4258であり、決定係数Rは0.9215であった。
以上の結果を図1及び図2にそれぞれ示す。なお、図1には、各セメント系固化材におけるセメント含有量と、SO、SiO、Al、CaO及びMgO含有量それぞれとの関係も併せて示されている。また、図2には、石膏含有量と、Fe、SiO、Al、CaO及びMgO含有量それぞれとの関係も併せて示されている。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
図1から明らかなとおり、セメント系固化材におけるセメントの混合割合は、Fe、SO、SiO、Al、CaO及びMgO含有量のうち、Fe含有量と特異的に相関していることが分かる。
また図2から明らかなとおり、セメント系固化材における石膏の混合割合は、Fe、SO、SiO、Al、CaO及びMgO含有量のうち、SO含有量と特異的に相関していることが分かる。
【0042】
表1から明らかなとおり、実際のセメント混合割合と回帰式に基づき推定した混合割合とはよく一致することが分かる。したがって、本発明の品質管理方法により、セメント系固化材の構成材料の混合割合を高い精度で迅速に且つ簡易に推定でき、この推定結果に基づきセメント系固化材の品質管理をタイムリーに行うことができるとともに、この推定結果に基づき安定した品質のセメント系固化材の製造が可能になることが確認できた。
図1
図2