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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137053
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】生体電位計測装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/304 20210101AFI20240927BHJP
   A61B 5/053 20210101ALI20240927BHJP
【FI】
A61B5/304
A61B5/053
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048407
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005038
【氏名又は名称】セイコーグループ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】笹原 一将
(72)【発明者】
【氏名】海法 克享
(72)【発明者】
【氏名】須笠 幹重
(72)【発明者】
【氏名】荒木 徹平
(72)【発明者】
【氏名】関谷 毅
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127CC01
4C127CC10
4C127LL15
(57)【要約】
【課題】同一のデバイスにて異なる電極部を接続可能で、かつ接続された電極部に応じて機能を変化させる生体電位計測装置の提供。
【解決手段】生体電位計測装置1は、生体信号を取得する電極部10と、電極部10に接続されるデバイス20と、を備え、デバイス20は、複数の端子部50と、複数の端子部50に対応した複数の機能部60と、複数の端子部50のいずれかに電極部10が接続されたかを認識する認識部70と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体信号を取得する電極部と、
前記電極部に接続されるデバイスと、を備え、
前記デバイスは、
複数の端子部と、
前記複数の端子部に対応した複数の機能部と、
前記複数の端子部のいずれかに前記電極部が接続されたかを認識する認識部と、を備える、
生体電位計測装置。
【請求項2】
前記デバイスは、前記複数の機能部のうち、前記認識部が認識した端子部に対応する機能部を機能させる、
請求項1に記載の生体電位計測装置。
【請求項3】
前記デバイスは、前記複数の機能部のうち、前記認識部が認識した端子部に対応する機能部に電力を供給し、前記認識部が認識した端子部以外の端子部に対応する機能部への電力の供給を制限する、
請求項1または2に記載の生体電位計測装置。
【請求項4】
前記電極部は、
シート状の基部と、
前記基部に設けられ、生体と接続される生体側端子部と、
前記基部に設けられ、前記デバイスと接続されるデバイス側端子部と、
前記生体側端子部と前記デバイス側端子部とを接続する配線部と、を備える、
請求項1または2に記載の生体電位計測装置。
【請求項5】
前記複数の端子部は、乾式電極用の前記電極部と接続可能な乾式用端子部を含み、
前記複数の機能部は、前記乾式用端子部に対応する乾式用機能部を含む、
請求項1または2に記載の生体電位計測装置。
【請求項6】
前記乾式用機能部は、乾式電極用の前記電極部が取得した生体信号に含まれるノイズを低減するノイズ低減処理部を含む、
請求項5に記載の生体電位計測装置。
【請求項7】
前記複数の端子部は、湿式電極用の前記電極部と接続可能な湿式用端子部を含み、
前記複数の機能部は、前記湿式用端子部に対応する湿式用機能部を含む、
請求項1または2に記載の生体電位計測装置。
【請求項8】
前記複数の端子部は、それぞれが複数の端子を含む端子群から形成され、
前記端子群の少なくとも1つは、他の端子群にも含まれる共通端子を含む、
請求項1または2に記載の生体電位計測装置。
【請求項9】
前記共通端子に対応した共通機能部を備える、
請求項8に記載の生体電位計測装置。
【請求項10】
前記共通機能部は、生体のインピーダンスを計測しフィードバックする回路を含む、
請求項9に記載の生体電位計測装置。
【請求項11】
前記デバイスは、基板と、筐体と、を有し、
前記複数の端子部は、前記基板及び前記筐体の少なくとも一方に設けられている、
請求項1または2に記載の生体電位計測装置。
【請求項12】
前記複数の端子部は、同一平面上に配置されている、
請求項1または2に記載の生体電位計測装置。
【請求項13】
前記複数の端子部は、異なる平面上に配置されている、
請求項1または2に記載の生体電位計測装置。
【請求項14】
前記認識部は、前記複数の端子部のオープンまたはショートに基づいて、前記複数の端子部のいずれかに前記電極部が接続されたかを認識する、
請求項1または2に記載の生体電位計測装置。
【請求項15】
前記電極部と、前記電極部に接続される端子部と、の間を接続すると共に、前記デバイスに着脱可能に装着される機能拡張部を備える、
請求項1または2に記載の生体電位計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体電位計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、対象者の皮膚に装着されてその皮膚から対象者の体内で発生する電気的な生体信号を検出し、その生体信号を処理して得た生体情報を出力する生体情報出力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-120573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記生体情報出力装置(生体電位計測装置)では、筐体(デバイス)が、装着シート(電極部)に対応した筐体側接続部(端子部)を備えている。このため、従来では、筐体側接続部の配置に対応した装着シートしか筐体に接続することができず、筐体側接続部の配置と異なる装着シートは筐体に接続することができなかった。このため、従来の生体情報出力装置は、一つの用途(機能)しかなく、異なる用途には使用できなかった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、同一のデバイスにて異なる電極部を接続可能で、かつ接続された電極部に応じて機能を変化させる生体電位計測装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1):本発明の一態様に係る生体電位計測装置は、生体信号を取得する電極部と、前記電極部に接続されるデバイスと、を備え、前記デバイスは、複数の端子部と、前記複数の端子部に対応した複数の機能部と、前記複数の端子部のいずれかに前記電極部が接続されたかを認識する認識部と、を備える。
【0007】
本態様に係る生体電位計測装置によれば、デバイスの複数の端子部のいずれかに電極部が接続されたかを認識部が認識し、その認識部が認識した端子部に対応する機能部が機能するため、複数の端子部に対する電極部の接続状況に応じてデバイスの機能が変化する。
したがって、本態様に係る生体電位計測装置によれば、同一のデバイスにて異なる電極部を接続可能で、かつ接続された電極部に応じて機能を変化させることができる。
【0008】
(2):(1)の態様の生体電位計測装置において、前記デバイスは、前記複数の機能部のうち、前記認識部が認識した端子部に対応する機能部を機能させてもよい。
【0009】
この場合には、認識部が認識した端子部に対応する機能部の機能に、デバイスの機能を自動で切り替えることができる。
【0010】
(3):(1)または(2)の態様の生体電位計測装置において、前記デバイスは、前記複数の機能部のうち、前記認識部が認識した端子部に対応する機能部に電力を供給し、前記認識部が認識した端子部以外の端子部に対応する機能部への電力の供給を制限してもよい。
【0011】
この場合には、電極部が接続されていない端子部に対応する機能部に対する電力の供給を制限することで、不必要な電力の消費を抑えることができる。
【0012】
(4):(1)から(3)のいずれか一つの態様の生体電位計測装置において、前記電極部は、シート状の基部と、前記基部に設けられ、生体と接続される生体側端子部と、前記基部に設けられ、前記デバイスと接続されるデバイス側端子部と、前記生体側端子部と前記デバイス側端子部とを接続する配線部と、を備えてもよい。
【0013】
この場合には、電極シートの構成を必要最低減にできるのでコスト低減が可能となる。
【0014】
(5):(1)から(4)のいずれか一つの態様の生体電位計測装置において、前記複数の端子部は、乾式電極用の前記電極部と接続可能な乾式用端子部を含み、前記複数の機能部は、前記乾式用端子部に対応する乾式用機能部を含んでもよい。
【0015】
この場合には、乾式電極にて生体信号を計測し、その乾式電極用にデバイスの機能を変化させることができる。
【0016】
(6):(5)の態様の生体電位計測装置において、前記乾式用機能部は、乾式電極用の前記電極部が取得した生体信号に含まれるノイズを低減するノイズ低減処理部を含んでもよい。
【0017】
この場合には、皮膚との接触インピーダンスが高くノイズがのりやすい乾式電極で計測する場合に、生体信号に含まれるノイズを低減できる。
【0018】
(7):(1)から(6)のいずれか一つの態様の生体電位計測装置において、前記複数の端子部は、湿式電極用の前記電極部と接続可能な湿式用端子部を含み、前記複数の機能部は、前記湿式用端子部に対応する湿式用機能部を含んでもよい。
【0019】
この場合には、湿式電極にて生体信号を計測し、その湿式電極用にデバイスの機能を変化させることができる。
【0020】
(8):(1)から(7)のいずれか一つの態様の生体電位計測装置において、前記複数の端子部は、それぞれが複数の端子を含む端子群から形成され、前記端子群の少なくとも1つは、他の端子群にも含まれる共通端子を含んでもよい。
【0021】
この場合には、複数の端子部で共通端子を共有できるため、デバイスを小型化できる。
【0022】
(9):(8)の態様の生体電位計測装置において、前記共通端子に対応した共通機能部を備えてもよい。
【0023】
この場合には、複数の機能部で共通機能部を共有できるため、デバイスを小型化できる。
【0024】
(10):(9)の態様の生体電位計測装置において、前記共通機能部は、生体のインピーダンスを計測しフィードバックする回路を含んでもよい。
【0025】
この場合には、生体のインピーダンスをフィードバックすることで、例えば、通常の生活負荷の場合と運動時の高負荷の場合との使い分けが可能となる。
【0026】
(11):(1)から(10)のいずれか一つの態様の生体電位計測装置において、前記デバイスは、基板と、筐体と、を有し、前記複数の端子部は、前記基板及び前記筐体の少なくとも一方に設けられていてもよい。
【0027】
この場合には、複数の端子部の配置の自由度を上げることができる。
【0028】
(12):(1)から(11)のいずれか一つの態様の生体電位計測装置において、前記複数の端子部は、同一平面上に配置されていてもよい。
【0029】
この場合には、複数の端子部が同一平面に配置されるため、電極部が容易に接続できる。
【0030】
(13):(1)から(11)のいずれか一つの態様の生体電位計測装置において、前記複数の端子部は、異なる平面上に配置されていてもよい。
【0031】
この場合には、複数の端子部が異なる平面に配置されるため、同一平面に複数の端子部を配置する場合よりも、デバイスを小型化できる。
【0032】
(14):(1)から(13)のいずれか一つの態様の生体電位計測装置において、前記複数の端子部のオープンまたはショートに基づいて、前記複数の端子部のいずれかに前記電極部が接続されたかを認識してもよい。
【0033】
この場合には、複数の端子部に対する電極部の接続状況を、認識部が簡便な方法で正確に認識できる。
【0034】
(15):(1)から(14)のいずれか一つの態様の生体電位計測装置において、前記電極部と、前記電極部に接続される端子部と、の間を接続すると共に、前記デバイスに着脱可能に装着される機能拡張部を備えてもよい。
【0035】
この場合には、デバイスの機能を容易に拡張できる。
【発明の効果】
【0036】
上記本発明の一態様によれば、同一のデバイスにて異なる電極部を接続可能で、かつ接続された電極部に応じて機能を変化させる生体電位計測装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】第1実施形態に係る生体電位計測装置の使用例を示した図である。
図2】第1実施形態に係る生体電位計測装置の分解斜視図である。
図3】第1実施形態に係る生体電位計測装置の短手方向に沿う断面図である。
図4】第1実施形態に係る生体電位計測装置の簡略図である。
図5】第1実施形態に係る生体電位計測装置のブロック図である。
図6】第2実施形態に係る生体電位計測装置の簡略図である。
図7】第3実施形態に係るデバイスの要部拡大図である。
図8】第4実施形態に係る生体電位計測装置のブロック図である。
図9】第5実施形態に係る生体電位計測装置の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明に係る各実施形態について図面を参照して説明する。
【0039】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る生体電位計測装置1の使用例を示した図である。
生体電位計測装置1は、生体100に装着され、その生体100の生体信号を計測する。図1に示す例では、生体電位計測装置1は、生体100の腕部に装着され、腕部の皮膚を介して筋細胞が収縮活動するときに発生する筋電位を計測する。なお、生体電位計測装置1は、筋電位以外の生体信号として、例えば心電位を計測してもよい。
【0040】
生体電位計測装置1は、生体信号を取得する電極部10と、電極部10に接続されるデバイス20と、電極部10をデバイス20に接続する接続部材30と、を備えている。電極部10は、平面視で略長方形に形成されている。電極部10の皮膚側の面は、粘着面となっており、運動時でも装着状態を維持できるようになっている。また、生体電位計測装置1は、低装着感を付与するため、装置全体が小型かつ軽量なものとなっている。
【0041】
なお、以下の説明において、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。X軸方向は、電極部10の長手方向に設定されている。Y軸方向は、電極部10の短手方向に設定されている。Z軸方向は、電極部10の厚み方向に設定されている。
【0042】
以下、説明の便宜上、電極部10に対してデバイス20側を上側(+Z側)と称し、電極部10に対してデバイス20と反対側を下側(-Z側)と称する場合がある。なお、+Z側が重力方向における上側でなくてもよい。
【0043】
図2は、第1実施形態に係る生体電位計測装置1の分解斜視図である。図3は、第1実施形態に係る生体電位計測装置1の短手方向に沿う断面図である。
これらの図に示すように、生体電位計測装置1は、デバイス20と接続部材30との間に、電極部10を挟み込む構成となっている。
【0044】
電極部10は、例えば、フレキシブルプリント配線板であって、弾性的に変形可能でかつ電気的に絶縁性を有するシート状の基部10aを有する。基部10aは、例えば、ポリイミドやウレタン等から形成されている。電極部10は、生体100と接続される生体側端子部11を備えている。生体側端子部11は、例えば、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛、酸化スズ等の透明電極で形成されてもよい。
【0045】
基部10aには、複数の生体側端子部11(第1生体側電極部11A~第3生体側電極部11C)が設けられている。第1生体側電極部11A、第2生体側電極部11B、及び第3生体側電極部11Cは、基部10aの下側(-Z側)に露出し、Z軸方向から視た平面視で円形に形成されている。第1生体側電極部11A、第2生体側電極部11B、及び第3生体側電極部11Cは、基部10aの長手方向(X軸方向)に間隔をあけて一列で設けられている。
【0046】
また、基部10aには、デバイス20と接続される複数のデバイス側端子部12(第1デバイス側端子部12A~第3デバイス側端子部12C)が設けられている。第1デバイス側端子部12A、第2デバイス側端子部12B、及び第3デバイス側端子部12Cは、基部10aの上面側(+Z側)に形成されている。
【0047】
基部10aは、接続部材30の嵌合部32に対応する形状を有する。具体的に、基部10aには、嵌合部32が貫通して配置される貫通孔13が形成されている。貫通孔13は、短手方向に離間して一対で形成されている。貫通孔13は、X軸方向に延びるスリット状に形成されている。
【0048】
第1デバイス側端子部12A、第2デバイス側端子部12B、及び第3デバイス側端子部12Cは、一対の貫通孔13の間に設けられている。第1デバイス側端子部12A、第2デバイス側端子部12B、及び第3デバイス側端子部12Cは、一対の貫通孔13の間において、三角形の3つの角に対応する位置に配置されている。なお、第1デバイス側端子部12A、第2デバイス側端子部12B、及び第3デバイス側端子部12Cの配置や大きさは、図に示す配置や大きさに限定されない。
【0049】
さらに、基部10aには、生体側端子部11とデバイス側端子部12とを接続する複数の配線部14(第1配線部14A~第3配線部14C)が設けられている。第1配線部14Aは、第1生体側電極部11Aと第1デバイス側端子部12Aとを接続する。第2配線部14Bは、第2生体側電極部11Bと第2デバイス側端子部12Bとを接続する。第3配線部14Cは、第3生体側電極部11Cと第3デバイス側端子部12Cとを接続する。
【0050】
デバイス20は、電極部10が接続可能な複数の端子部50(後述する乾式用端子部50A、湿式用端子部50B)を備える。乾式用端子部50A及び湿式用端子部50Bは、デバイス20の長手方向(X軸方向)に間隔をあけて配置されている。乾式用端子部50A及び湿式用端子部50Bは、端子群21の向きが異なるが、同様の構成を有している。
【0051】
端子部50は、電極部10に接続される端子群21を有する。デバイス20は、端子群21が形成された基板22と、基板22を収容する筐体23と、筐体23に取り付けられた蓋体24(図3参照)と、を備えている。端子群21は、基板22の下面よりも下側(-Z側)に突出している。これにより、柔らかい(押圧に対して逃げやすい)電極部10に対して端子群21を接続し易くなる。端子群21は、各々の端子にはんだ等が設けられており、ドーム形状となっている。また、端子群21の高さ(基板22に対する突出量)は、例えば、0.15mm±0.05mm程度となっている。
【0052】
端子群21は、図2に示すように、第1デバイス側端子部12A~第3デバイス側端子部12Cの個数及び配置に対応して3つの端子(第1端子21A~第3端子21C)を含んでいる。具体的に、第1端子21Aは、第1デバイス側端子部12Aに接続される。第2接点部21Bは、第2デバイス側端子部12Bに接続される。第3端子21Cは、第3デバイス側端子部12Cに接続される。
【0053】
デバイス20は、第1端子21A~第3端子21Cを介して、第1生体側電極部11A~第3生体側電極部11Cのうち、2つの生体側電極部で計測した電位差から、筋電位を計測する。また、デバイス20は、第1生体側電極部11A~第3生体側電極部11Cのうち、残り1つの生体側電極部で計測した電位をリファレンスとして、筋電位に含まれるノイズを除去する。
【0054】
上記処理は、基板22に設けられたCPU(中央処理ユニット)、メモリ、入出力回路やICチップ、その他の電子部品により、あらかじめ記憶されたプログラムに基づき実行される。なお、後述する図5に示すように、デバイス20は、外部装置110(ロガー等)と無線通信を行う図示しない通信デバイスと、各電子部品に電力を供給する図示しない電源部と、を備えている。
【0055】
図2に戻り、筐体23は、例えば、樹脂成形部品であり、矩形箱状に形成されている。筐体23の上側(+Z)は、開口しており、当該開口は蓋体24(図3参照)によって覆われている。筐体23は、図2に示すように、下側(-Z側)を向く底面23aと、長手方向(X軸方向)を向く一対の側壁面23bと、短手方向(Y軸方向)を向く一対の側壁面23cと、を備えている。
【0056】
筐体23の底面23aには、短手方向(Y軸方向)に延びる開口部25が形成されている。開口部25からは、筐体23に収容された基板22の一部及び第1端子21A~第3端子21Cが露出している。開口部25は、基板22の短手方向(Y軸方向)両側に、接続部材30の嵌合部32が挿入可能な隙間を形成している。
【0057】
筐体23の底面23aには、開口部25の+X側及び-X側において、開口縁の一部の角を落とした、傾斜部26が形成されている。傾斜部26は、電極部10、デバイス20、及び接続部材30を組み立てたときに、開口部25の開口縁から電極部10に加わる負荷(応力集中)を低減する。
【0058】
筐体23の側壁面23b,23cには、蓋体24と係合する係合孔27(図3参照)が形成されている。また、短手方向(Y軸方向)を向く一対の側壁面23cには、開口部25の近傍に、Y軸方向外側に突出する突出部28が形成されている。突出部28には、開口部25に向かって傾斜する傾斜面28aが形成されている。傾斜面28aは、底面23aと側壁面23cとが交わる角から電極部10に加わる負荷(応力集中)を低減する。
【0059】
接続部材30は、図3に示すように、デバイス20との間に電極部10を挟み込むことで、電極部10のデバイス側端子部12を、デバイス20の端子群21に接続する。接続部材30は、端子群21と電極部10を挟んで対向する対向部31と、デバイス20に嵌合する嵌合部32と、電極部10の短手方向(Y軸方向)の側端面よりも側方に延出した延出部33と、を備えている。
【0060】
対向部31、嵌合部32、及び延出部33は、樹脂成形等で一体化されている。対向部31は、図2に示すように、Y軸方向に沿って延びる長方形の平板状に形成されている。対向部31のX軸方向の寸法は、筐体23の開口部25に挿入可能な大きさに設定されている。
【0061】
嵌合部32は、対向部31のY軸方向両側の端部に一対で形成されている。嵌合部32は、図3に示すように、上側(+Z側)に突出する略逆さU字状に形成されている。嵌合部32のY軸方向外側を向く側面には、嵌合爪32aが形成されている。嵌合爪32aは、直角三角形の斜辺及び底辺により形成される角部のような形状を有している。
【0062】
嵌合部32は、Y軸方向内側に弾性変形することで、嵌合爪32aをY軸方向内側に移動させることができる。延出部33は、一対の嵌合部32のY軸方向外側の端部に一対で形成されている。延出部33は、Y軸方向に沿って延びる平板状に形成されている。延出部33は、嵌合部32がデバイス20に嵌合した状態で、電極部10の短手方向(Y軸方向)の側端面よりも側方に延出している。
【0063】
デバイス20は、図3に示すように、嵌合部32が嵌合する被嵌合部29を有する。被嵌合部29は、筐体23の開口部25の内側に形成されている。具体的に、被嵌合部29は、側壁面23cの突出部28が形成された部分の内面側に形成されている。被嵌合部29は、Y軸方向外側に窪む段差形状を有する。被嵌合部29は、嵌合爪32aとZ軸方向で当接する平面部を有する。
【0064】
上記構成の生体電位計測装置1を組み立てるには、先ず、図2に示すように、電極部10の一対の貫通孔13に、接続部材30の一対の嵌合部32を差し込む。これにより、電極部10を位置決めした状態で、電極部10をデバイス20に接続できる。次に、電極部10を貫通した一対の嵌合部32を、筐体23の底面23aに形成された開口部25に差し込む。
【0065】
一対の嵌合部32は、開口部25を通過する際、図3に示す斜辺部によって、Y軸方向内側に弾性変形する。一対の嵌合部32は、開口部25を通過後、復元変形し、開口部25の内側に形成された被嵌合部29に嵌合する。これにより、接続部材30が、電極部10を挟み込んだ状態でデバイス20に接続される。
【0066】
なお、図1に示すように装着された生体電位計測装置1を生体100から取り外す場合には、延出部33に指をかけることで、生体電位計測装置1(特に皮膚に粘着された電極部10)を生体100から容易に取り外すことができる。
【0067】
図4は、第1実施形態に係る生体電位計測装置1の簡略図である。なお、図4において、電極部10は上面側を示し、デバイス20は底面側を示している。
図4に示すように、デバイス20は、複数の端子部50(乾式用端子部50A、湿式用端子部50B)を備えている。乾式用端子部50Aは、乾式電極用の電極部10Aと接続可能な端子部50である。湿式用端子部50Bは、湿式電極用の電極部10Bと接続可能な端子部50である。
【0068】
乾式電極用の電極部10Aは、生体100に直に接触して生体信号を計測する。また、湿式電極用の電極部10Bは、ジェルなどの媒体を介在させた状態で生体100と接触して生体信号を計測する。乾式用端子部50A、湿式用端子部50Bは、端子群21の向き及び第1端子21A~第3端子21Cの配置が異なっており、乾式電極用の電極部10Aが湿式用端子部50Bに接続したり、逆に、湿式電極用の電極部10Bが乾式用端子部50Aに接続したりしないようになっている。
【0069】
図5は、第1実施形態に係る生体電位計測装置1のブロック図である。
図5に示すように、デバイス20は、上述した複数の端子部50と、複数の端子部50に対応した複数の機能部60と、複数の端子部50のいずれかに電極部10が接続されたかを認識する認識部70と、を備えている。
【0070】
機能部60は、乾式用端子部50Aに対応する乾式用機能部60Aを含む。乾式用機能部60Aは、乾式電極用の電極部10Aが取得した生体信号を増幅する生体信号増幅部61Aと、乾式電極用の電極部10Aが取得した生体信号に含まれるノイズを低減するノイズ低減処理部62Aと、を備えている。なお、各機能部60の処理は、アナログ回路でもデジタル回路で実行してもよい。
【0071】
ノイズ低減処理部62Aは、例えば、ローパスフィルタ(LPF)であり、乾式用端子部50Aに電気的に接続され、所定の周波数より高い周波数の生体信号を低減させる。なお、ノイズ低減処理部62Aは、他のフィルタとして、バンドパスフィルタ(BPF)等であってもよい。生体信号増幅部61Aは、例えば、アンプであり、ノイズ低減処理部62Aに接続され、ノイズ低減処理部62Aを通過した生体信号を増幅させる。
【0072】
また、機能部60は、湿式用端子部50Bに対応する湿式用機能部60Bを含む。湿式用機能部60Bは、湿式電極用の電極部10Bが取得した生体信号を増幅する生体信号増幅部61Bを備えている。生体信号増幅部61Bは、例えば、アンプであり、湿式用端子部50Bに電気的に接続され、湿式用端子部50Bが取得した生体信号を増幅させる。
【0073】
認識部70は、複数の端子部50のいずれかに電極部10が接続されたかを認識する。この処理は、基板22に設けられたCPU(中央処理ユニット)、メモリ、入出力回路やICチップ、その他の電子部品により、あらかじめ記憶されたプログラムに基づき実行される。
【0074】
本実施形態の認識部70は、複数の端子部50のオープンまたはショートに基づいて、複数の端子部50のいずれかに電極部10が接続されたかを認識する。つまり、認識部70は、乾式用端子部50A及び湿式用端子部50Bと電気的に接続されている。なお、認識部70は、複数の端子部50のオープンまたはショートを検出する限りにおいて、機能部60に含まれる電子部品や配線、図示しない電源部等に接続されていてもよい。
【0075】
デバイス20は、複数の機能部60のうち、認識部70が認識した端子部50に対応する機能部60を機能させる。具体的に、デバイス20は、複数の機能部60のうち、認識部70が認識した端子部50(例えば乾式用端子部50A)に対応する機能部60(乾式用機能部60A)に電力を供給し、認識部70が認識した端子部50以外の端子部50(湿式用端子部50B)に対応する機能部60(湿式用機能部60B)への電力の供給を制限する。なお、「電力の供給の制限」には、スリープモード(低電力モード)と、電力供給の停止とを含み、いずれであってもよい。
【0076】
このように、本実施形態に係る生体電位計測装置1によれば、デバイス20の複数の端子部50のいずれかに電極部10が接続されたかを認識部70が認識し、その認識部70が認識した端子部50に対応する機能部60が機能するため、複数の端子部50に対する電極部10の接続状況に応じてデバイス20の機能が変化する。
つまり、機能の変化を端子部50の接続状況という空間的な情報を用いることで、電極部10側が識別信号を出すといった付加機能なしに、デバイス20の複数の端子部50のいずれかに電極部10が接続されたかを認識することができる。これにより、電極部10側に付加的な機能が不要となるため、電極部10は、生体信号の計測に最低限の要素で構成とすることが可能となり、低コスト化に貢献できる。
【0077】
以上のように、本実施形態に係る生体電位計測装置1は、生体信号を取得する電極部10と、電極部10に接続されるデバイス20と、を備え、デバイス20は、複数の端子部50と、複数の端子部50に対応した複数の機能部60と、複数の端子部50のいずれかに電極部10が接続されたかを認識する認識部70と、を備える。この構成によれば、同一のデバイス20にて異なる電極部10を接続可能で、かつ接続された電極部10に応じて機能を変化させることができる生体電位計測装置1が得られる。
【0078】
また、本実施形態の生体電位計測装置1において、デバイス20は、複数の機能部60のうち、認識部70が認識した端子部50に対応する機能部60を機能させる。この構成によれば、認識部70が認識した端子部50に対応する機能部60の機能に、デバイス20の機能を自動で切り替えることができる。
【0079】
また、本実施形態の生体電位計測装置1において、デバイス20は、複数の機能部60のうち、認識部70が認識した端子部50に対応する機能部60に電力を供給し、認識部70が認識した端子部50以外の端子部50に対応する機能部60への電力の供給を制限する。この構成によれば、電極部10が接続されていない端子部50に対応する機能部60に対する電力の供給を制限することで、不必要な電力の消費を抑えることができる。
【0080】
また、本実施形態の生体電位計測装置1において、電極部10は、シート状の基部10aと、基部10aに設けられ、生体と接続される生体側端子部11と、基部10aに設けられ、デバイス20と接続されるデバイス側端子部12と、生体側端子部11とデバイス側端子部12とを接続する配線部14と、を備える。この構成によれば、電極部10の構成を必要最低減にできるのでコスト低減が可能となる。
【0081】
また、本実施形態の生体電位計測装置1において、複数の端子部50は、乾式電極用の電極部10Aと接続可能な乾式用端子部50Aを含み、複数の機能部60は、乾式用端子部50Aに対応する乾式用機能部60Aを含む。この構成によれば、乾式電極にて生体信号を計測し、その乾式電極用にデバイス20の機能を変化させることができる。
【0082】
また、本実施形態の生体電位計測装置1において、乾式用機能部60Aは、乾式電極用の電極部10Aが取得した生体信号に含まれるノイズを低減するノイズ低減処理部62Aを含む。この構成によれば、乾式電極で計測する場合に、生体信号に含まれるノイズを低減できる。つまり、湿式電極で計測するよりも、乾式電極で計測する場合の方が、生体信号に含まれるノイズが多いため、当該ノイズを低減することで生体信号の計測精度を高めることができる。
【0083】
また、本実施形態の生体電位計測装置1において、複数の端子部50は、湿式電極用の電極部10Bと接続可能な湿式用端子部50Bを含み、複数の機能部60は、湿式用端子部50Bに対応する湿式用機能部60Bを含む。この構成によれば、湿式電極にて生体信号を計測し、その湿式電極用にデバイス20の機能を変化させることができる。
【0084】
また、本実施形態の生体電位計測装置1において、デバイス20は、基板22と、筐体23と、を有し、複数の端子部50は、基板22に設けられている。複数の端子部50は、基板22及び筐体23の少なくとも一方に設けてもよい。この構成によれば、複数の端子部50の配置の自由度を上げることができる。
【0085】
また、本実施形態の生体電位計測装置1において、認識部70は、複数の端子部50のオープンまたはショートに基づいて、複数の端子部50のいずれかに電極部10が接続されたかを認識する。この構成によれば、複数の端子部50に対する電極部10の接続状況を、認識部70が簡便な方法で正確に認識できる。
【0086】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0087】
図6は、第2実施形態に係る生体電位計測装置1の簡略図である。
図6に示すように、第2実施形態の生体電位計測装置1は、電極部10と、電極部10に接続される端子部50と、の間を接続すると共に、デバイス20に着脱可能に装着される機能拡張部80を備えている。
【0088】
機能拡張部80は、中継部材81と、中継電極82と、を備えている。中継部材81は、デバイス20に着脱可能なフレームである。中継電極82は、中継部材81に支持され、電極部10と端子部50との電気的な接続を中継する。中継電極82は、乾式用端子部50Aに対応する第1中継電極82Aと、湿式用端子部50Bに対応する第2中継電極82Bと、を含む。
【0089】
機能拡張部80は、デバイス20に装着することで、様々な機能をデバイス20に付加することができる。例えば、機能拡張部80Aは、中継電極82(第1中継電極82A、第2中継電極82B)と電気的に接続された接続電極83(第1接続電極83A、第2接続電極83B)を備えている。接続電極83は、中継電極82と配置が異なっており、電極部10との接続位置を調整できる。
【0090】
例えば、機能拡張部80Bは、中継電極82(第1中継電極82A、第2中継電極82B)と接続電極83(第1接続電極83A、第2接続電極83B)との間に、電気的に接続された付加機能部84(第1付加機能部84A、第2付加機能部84B)を備えている。付加機能部84は、例えば、信号フィルタであって、デバイス20に追加機能(信号フィルター機能)を付加する。
【0091】
また、例えば、機能拡張部80Cは、さらに複数の追加電極85(第1追加電極85A、第2追加電極85B)を備えている。追加電極85は、接続電極83と並列に中継電極82と接続され、電極部10と接続可能な電極数を増やすことができる。
【0092】
このように、第2実施形態の生体電位計測装置1は、電極部10と、電極部10に接続される端子部50と、の間を接続すると共に、デバイス20に着脱可能に装着される機能拡張部80を備える。この構成によれば、デバイス20の機能を容易に拡張できる。
【0093】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0094】
図7は、第3実施形態に係るデバイス20の要部拡大図である。
図7に示すように、デバイス20の端子部50の配置を工夫してもよい。
【0095】
図7(a)に示すデバイス20では、複数の端子部50が、同一平面上に配置されている。この構成によれば、複数の端子部50が同一平面に配置されるため、電極部10が容易に接続できる。
【0096】
図7(b)に示すデバイス20では、複数の端子部50が、異なる平面上に配置されている。具体的に、デバイス20には、深さの異なる複数の溝部51(第1溝部51A、第2溝部51B)が形成され、各溝部51の奥端に端子部50が配置されている。
【0097】
図7(c)に示すデバイス20では、同一の溝部51の異なる深さの周面に端子部50が配置されている。この構成によれば、溝部51に差し込む電極部10の深さに応じて、デバイス20の機能が変化する。また、この構成によれば、図7(a)に示すように、同一平面に複数の端子部50を配置する場合よりも、デバイス20を小型化できる。
【0098】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0099】
図8は、第4実施形態に係る生体電位計測装置1のブロック図である。
図8に示すように、第4実施形態の生体電位計測装置1では、複数の端子部50は、それぞれが複数の端子(第1端子21A~第3端子21C)を含む端子群から形成され、第3端子21Cが、他の端子群に含まれる共通端子となっている。つまり、第3端子21Cは、乾式用端子部50Aの端子群にも含まれ、また湿式用端子部50Bの端子群にも含まれる。
【0100】
デバイス20は、第3端子21Cに対応した共通機能部60Cを備える。共通機能部60Cは、例えば、マイコン(MCU:Microcontroller Unit)であって、生体100のインピーダンスを計測しフィードバックする回路を形成する。生体100のインピーダンスをフィードバックすることで、例えば、通常の生活負荷の場合と運動時の高負荷の場合との使い分けが可能となる。
【0101】
このように、第4実施形態の生体電位計測装置1において、複数の端子部50は、それぞれが複数の端子(第1端子21A~第3端子21C)を含む端子群から形成され、端子群の少なくとも1つは、他の端子群にも含まれる共通端子(第3端子21C)を含む。この構成によれば、複数の端子部50で第3端子21Cを共有できるため、デバイス20を小型化できる。
【0102】
また、第4実施形態の生体電位計測装置1は、第3端子21Cに対応した共通機能部60Cを備える。この構成によれば、複数の機能部60で共通機能部60Cを共有できるため、デバイス20を小型化できる。
【0103】
また、第4実施形態の生体電位計測装置1において、共通機能部60Cは、生体100のインピーダンスを計測しフィードバックする回路を含む。この構成によれば、生体100のインピーダンスをフィードバックすることで、例えば、通常の生活負荷の場合と運動時の高負荷の場合との使い分けが可能となる。
【0104】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0105】
図9は、第5実施形態に係る生体電位計測装置1の簡略図である。
図9に示すように、乾式電極用の電極部10Aと湿式電極用の電極部10Bとでデバイス側端子部12の端子パターンを変えてもよい。
【0106】
乾式電極用の電極部10Aのデバイス側端子部12(第1デバイス側端子部12A~第3デバイス側端子部12C)は、直角三角形の3つの角に対応する位置に配置されている。デバイス20側においては、乾式用端子部50Aの端子群21(第1端子21A~第3端子21C)が同様に、直角三角形の3つの角に対応する位置に配置されている。
【0107】
湿式電極用の電極部10Bのデバイス側端子部12(第1デバイス側端子部12A~第3デバイス側端子部12C)は、正三角形の3つの角に対応する位置に配置されている。デバイス20側においては、湿式用端子部50Bの端子群21(第1端子21A~第3端子21C)が同様に、正角三角形の3つの角に対応する位置に配置されている。
【0108】
上記構成の第5実施形態によれば、乾式電極用の電極部10Aと湿式電極用の電極部10Bとでデバイス側端子部12の端子パターンが異なるため、電極部10の向き違いによるデバイス20への誤装着を確実に防止できる。なお、より確実に誤装着を防止するため、さらに、端子の配置、ピッチ間距離、形状などを変えてもよい。
【0109】
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
【0110】
例えば、電極部10は、柔らかい電極シートに限定されず、その用途に応じて、例えば硬い電極であってもよい。
【0111】
また、例えば、複数の端子部50に対する電極部10の接続状況に応じて、デバイス上(基板22、あるいは筐体23)に構築された電子回路の処理構成もしくは構成要素が変化する(例えば、ブロックを切り替える、あるいは回路のON/OFFで構成自体が変わる)構成であってもよい。
【0112】
また、例えば、端子部50に接続された電極部10の配線部14の長さに応じて、機能部60を変化させてもよい。機能部60は、例えば、配線部14の長さに起因するノイズを低減する処理を実行してもよい。
【符号の説明】
【0113】
1…生体電位計測装置、10…電極部、10a…基部、10A…電極部、10B…電極部、11…生体側端子部、11A…第1生体側電極部、11B…第2生体側電極部、11C…第3生体側電極部、12…デバイス側端子部、12A…第1デバイス側端子部、12B…第2デバイス側端子部、12C…第3デバイス側端子部、13…貫通孔、14…配線部、14A…第1配線部、14B…第2配線部、14C…第3配線部、20…デバイス、21…端子群、21A…第1端子、21B…第2接点部、21C…第3端子、22…基板、23…筐体、23a…底面、23b…側壁面、23c…側壁面、24…蓋体、25…開口部、26…傾斜部、27…係合孔、28…突出部、28a…傾斜面、29…被嵌合部、30…接続部材、31…対向部、32…嵌合部、32a…嵌合爪、33…延出部、50…端子部、50A…乾式用端子部、50B…湿式用端子部、51…溝部、51A…第1溝部、51B…第2溝部、60…機能部、60A…乾式用機能部、60B…湿式用機能部、60C…共通機能部、61A…生体信号増幅部、61B…生体信号増幅部、62A…ノイズ低減処理部、70…認識部、80…機能拡張部、80A…機能拡張部、80B…機能拡張部、80C…機能拡張部、81…中継部材、82…中継電極、82A…第1中継電極、82B…第2中継電極、83…接続電極、83A…第1接続電極、83B…第2接続電極、84…付加機能部、84A…第1付加機能部、84B…第2付加機能部、85…追加電極、85A…第1追加電極、85B…第2追加電極、100…生体、110…外部装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9