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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137639
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】トナー補給装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240927BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G03G15/08 322Z
G03G21/00 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023184210
(22)【出願日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2023045645
(32)【優先日】2023-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 慶
【テーマコード(参考)】
2H077
2H270
【Fターム(参考)】
2H077AA03
2H077AA35
2H077AB02
2H077AB14
2H077AB18
2H077AC02
2H077AD06
2H077AD13
2H077DA10
2H077DA12
2H077DA13
2H077DA15
2H077DA32
2H077DA42
2H077DB02
2H077DB18
2H077DB21
2H077DB25
2H270LA87
2H270LA88
2H270LA91
2H270LD01
2H270LD08
2H270LD14
2H270MB25
2H270MB27
2H270MH11
2H270MH12
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
(57)【要約】
【課題】まったくトナーが補給されない現像装置が発生するのを抑制することができるトナー補給装置を提供する。
【解決手段】複数のトナー収容器からそれぞれ対応する現像装置にトナー補給するトナー補給制御は、次のようなトナー補給動作を繰り返し実行する。すなわち、K色トナー収容器からK色の現像装置にトナー補給するトナー補給間が所定の最大トナー補給時間を経過したら、補給を行うトナー収容器をK色からC色のトナー収容器に切り替えるという補給動作である。そして、トナー補給制御を開始して最初に実行される補給動作におけるトナー収容器についての最大トナー補給時間は、2回目以降の補給動作における最大トナー補給時間よりも短くしている。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像担持体上の潜像を現像するトナーを収容した複数のトナー収容器を備え、
複数のトナー収容器からそれぞれ対応する現像装置にトナー補給するトナー補給制御を実施するトナー補給装置において、
前記トナー補給制御は、前記複数のトナー収容器のうちの一のトナー収容器から対応する現像装置にトナー補給するトナー補給時間が所定の最大トナー補給時間を経過したら、補給を行うトナー収容器を他のトナー収容器に切り替えるという補給動作を繰り返し実行する制御であり、
前記トナー補給制御を開始して最初に実行される補給動作におけるトナー収容器についての最大トナー補給時間は、2回目以降の補給動作における最大トナー補給時間よりも短いことを特徴とするトナー補給装置。
【請求項2】
請求項1に記載のトナー補給装置において、
前記トナーを用いてシートに画像を形成する画像形成動作時に前記トナー補給制御を実施し、
前記最初に実行される補給動作の時間が、最短の画像形成動作時間よりも短いことを特徴とするトナー補給装置。
【請求項3】
請求項1に記載のトナー補給装置において、
前記トナーを用いてシートに画像を形成する画像形成動作時に前記トナー補給制御を実施し、
現像装置内のトナー量が、画像に影響が出るレベルまで低下したときは、画像形成動作時以外で、トナー量が画像に影響が出るレベルまで低下した現像装置に対してトナー補給を行うトナー強制補給制御を実施することを特徴とするトナー補給装置。
【請求項4】
請求項1に記載のトナー補給装置において、
一つのモータで2つのトナー収容器内のトナーを対応する現像装置に補給する構成であり、
前記補給動作は、前記モータを制御して、2つのトナー収容器について、順々にトナー収容器内のトナーを対応する現像装置へ補給する動作であることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項5】
請求項4に記載のトナー補給装置において、
前記モータの回転方向を切り替えることで、補給を行うトナー収容器を切り替えることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項6】
潜像担持体と、前記潜像担持体上の潜像をトナーによって現像する現像装置とを有する複数の作像部と、
各作像部の現像装置にトナーを補給するトナー補給装置と、を備える画像形成装置において、
トナー補給装置として請求項1に記載のトナー補給装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記作像部の潜像担持体と現像装置とはひとつのモータにより駆動されることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー補給装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、潜像担持体上の潜像を現像するトナーを収容した複数のトナー収容器を備え、複数のトナー収容器からそれぞれ対応する現像装置にトナー補給するトナー補給制御を実施するトナー補給装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記トナー補給装置として、複数のトナー収容器について、同時にトナー補給が行わないように、トナー補給を行うトナー収容器を、複数のトナー収容器の間で順次切り替え、トナー補給が必要な現像装置に対して順番にトナー補給を行うものが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、まったくトナーが補給されない現像装置が発生するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、潜像担持体上の潜像を現像するトナーを収容した複数のトナー収容器を備え、複数のトナー収容器からそれぞれ対応する現像装置にトナー補給するトナー補給制御を実施するトナー補給装置において、前記トナー補給制御は、前記複数のトナー収容器のうちの一のトナー収容器から対応する現像装置にトナー補給するトナー補給時間が所定の最大トナー補給時間を経過したら、補給を行うトナー収容器を他のトナー収容器に切り替えるという補給動作を繰り返し実行する制御であり、前記トナー補給制御を開始して最初に実行される補給動作におけるトナー収容器についての前記最大トナー補給時間は、2回目以降の補給動作における最大トナー補給時間よりも短いことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、まったくトナーが補給されない現像装置が発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態の複写機の概略構成図。
図2】イエローに対応した作像部の概略構成を示す模式図。
図3】カラー用駆動装置を示す概略断面図。
図4】CK用トナー補給装置のC色トナー補給部を示す模式図。
図5】C色トナー補給部の部分概略断面図。
図6】K色トナー補給部に駆動力を伝達する様子を示す概略構成図。
図7】C色トナー補給部に駆動力を伝達する様子を示す概略構成図。
図8】複写機のハードウェアブロック構成の一例を示す図
図9】各色のトナー補給部の駆動時間を設定するフローチャート。
図10】(a)は、一回の補給動作で各現像装置に狙いのトナー量を補給するトナー補給制御のタイミングチャートであり、(b)は、複数回の補給動作で各現像装置に狙いのトナー量を補給するトナー補給制御のタイミングチャート。
図11】最短の画像形成動作が、複数回続いた場合の従来のトナー補給制御の不具合について説明するためのタイミングチャート。
図12】本実施形態のトナー補給制御のタイミングチャート。
図13】本実施形態のトナー補給制御のフローチャート。
図14】本実施形態のトナー動作のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものである。以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0009】
以下、本発明を画像形成装置としての複写機(以下、複写機500という)に適用した、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の複写機500の概略構成図である。複写機500は、複写機装置本体(以下、プリンタ部100という)、給紙テーブル(以下、給紙部200という)及びプリンタ部100上に取り付ける画像読取部400から構成される。
【0010】
プリンタ部100の上部に設けられたトナー容器収容部70には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した四つのトナー収容器としてのトナー容器32(Y,M,C,K)が着脱自在(交換自在)に設置されている。トナー容器収容部70の下方には中間転写ユニット85が配設されている。
【0011】
中間転写ユニット85は、中間転写ベルト48、四つの一次転写バイアスローラ49(Y,M,C,K)、二次転写バックアップローラ82、複数のテンションローラ、及び、中間転写クリーニング装置等で構成される。中間転写ベルト48は、複数のローラ部材によって張架、支持されるとともに、この複数のローラ部材の1つである二次転写バックアップローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動する。
【0012】
プリンタ部100には、中間転写ベルト48に対向するように、各色に対応した四つの作像部46(Y,M,C,K)が並設されている。
【0013】
プリンタ部100は四つの作像部46の下方に潜像形成手段である露光装置47を備える。露光装置47は、画像読取部400で読み込んだ原稿画像の画像情報またはパーソナルコンピュータ等の外部装置から入力される画像情報に基づいて、後述する感光体41の表面に対して露光し、感光体41の表面に静電潜像を形成する。プリンタ部100が備える露光装置47は、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ方式を用いているが、露光手段としてはLEDアレイを用いるものなど他の構成でも良い。
【0014】
図2は、イエローに対応した作像部46Yの概略構成を示す模式図である。
作像部46Yは、潜像担持体であるドラム状の感光体41Yを備える。さらに、作像部46Yは、帯電手段である帯電ローラ44Y、現像手段である現像装置50Y、感光体クリーニング装置42Y、除電装置等を感光体41Yの周囲に配設した構成である。そして、感光体41Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われて、感光体41Y上にイエロー画像が形成されることになる。
現像装置50Yは、現像ローラ51Y、ドクタブレード52Y、二つの現像剤搬送スクリュー55Y等で構成される。現像ローラ51Yは、感光体41Yに対向し、ドクタブレード52Yは、現像ローラ51Yに対向する。また、二つの現像剤搬送スクリュー55Yは、二つの現像剤収容部(53Y,54Y)内に配設されている。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットローラ、及び、マグネットローラの周囲を回転するスリーブ等で構成される。第一現像剤収容部53Y及び第二現像剤収容部54Y内には、キャリアとトナーとからなる二成分の現像剤Gが収容されている。第二現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー落下搬送経路64Yに連通している。
【0015】
現像装置50内の現像剤Gは、二つの現像剤搬送スクリュー55Yによって、攪拌されながら、第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとの間を循環する。第一現像剤収容部53Y内の現像剤Gは、現像剤搬送スクリュー55Yの一方に搬送されながら現像ローラ51Y内のマグネットローラにより形成される磁界によって現像ローラ51Yのスリーブ表面上に供給され、担持される。現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印で示すように反時計回り方向に回転駆動し、現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。このとき、現像剤G中のトナーは、現像剤G中のキャリアとの摩擦帯電によりキャリアとは逆極性の電位に帯電して静電的にキャリアに吸着し、現像ローラ51Y上に形成された磁界によって引き寄せられるキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
【0016】
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクタブレード52Yと現像ローラ51Yとが対向するドクタ部に達する。現像ローラ51Y上の現像剤Gは、ドクタ部を通過する際にその量が適量化され、その後、感光体41Yとの対向位置である現像領域まで搬送される。現像領域では、現像ローラ51Yと感光体41Yとの間に形成された現像電界によって感光体41Y上に形成された潜像に現像剤G中のトナーが吸着される。現像領域を通過した現像ローラ51Yの表面上に残った現像剤Gはスリーブの回転に伴い第一現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
【0017】
現像装置50Y内の現像剤Gは、トナー濃度が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置50Y内の現像剤Gに含まれるトナーの現像による消費量に応じて、トナー容器32Yに収容されているトナーが、後述するトナー補給装置を介して第二現像剤収容部54Y内に補給される。
第二現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、二つの現像剤搬送スクリュー55Yによって、現像剤Gとともに混合、攪拌されながら、第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとの間を循環する。
【0018】
なお、他の三つの作像部46(M,C,K)も、使用されるトナーの色が異なる点以外は、イエローに対応した作像部46Yとほぼ同様の構成となっていて、各感光体41(M,C,K)上にそれぞれのトナーに対応した色の画像が形成される。以下、他の三つの作像部46(M,C,K)の説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部46Yのみの説明を行うことにする。
【0019】
感光体41Yは、図2中の時計回り方向に回転駆動する。そして、帯電ローラ44Yと対向する位置で、感光体41Yの表面が一様に帯電される(帯電工程)。その後、感光体41Yの表面は、露光装置47から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程)。その後、感光体41Yの表面は、現像装置50Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程)。
【0020】
中間転写ユニット85の四つの一次転写バイアスローラ49(Y,M,C,K)は、それぞれ、中間転写ベルト48を感光体41(Y,M,C,K)との間に挟み込んで一次転写ニップを形成している。そして、一次転写バイアスローラ49(Y,M,C,K)に、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
【0021】
現像工程でトナー像が形成された感光体41Yの表面は、中間転写ベルト48を挟んで一次転写バイアスローラ49Yと対向する一次転写ニップに達して、この一次転写ニップで感光体41Y上のトナー像が中間転写ベルト48上に転写される(一次転写工程)。このとき、感光体41Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。一次転写ニップでトナー像を中間転写ベルト48に転写した感光体41Yの表面は、感光体クリーニング装置42Yとの対向位置に達する。この対向位置で感光体41Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード42aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。最後に、感光体41Yの表面は、除電装置との対向位置に達して、この位置で感光体41Y上の残留電位が除去される。こうして、感光体41Y上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
【0022】
このような作像プロセスは、他の作像部46(M,C,K)でも、イエロー作像部46Yと同様に行われる。すなわち、作像部46(M,C,K)の下方に配設された露光装置47から、画像情報に基づいたレーザ光Lが、各作像部46(M,C,K)の感光体41(M,C,K)上に向けて照射される。詳しくは、露光装置47は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して各感光体41(M,C,K)上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体41(M,C,K)上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト48上に転写する。
【0023】
このとき、中間転写ベルト48は、図1中の矢印方向に走行して、各一次転写バイアスローラ49(Y,M,C,K)の一次転写ニップを順次通過する。これにより、各感光体41(Y,M,C,K)上の各色のトナー像が、中間転写ベルト48上に重ねて一次転写され、中間転写ベルト48上にカラートナー像が形成される。
【0024】
各色のトナー像が重ねて転写され、カラートナー像が形成された中間転写ベルト48は、二次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、二次転写バックアップローラ82が、二次転写ローラ89との間に中間転写ベルト48を挟み込んで二次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト48上に形成されたカラートナー像は、二次転写ニップの位置に搬送された転写紙等のシートP上に転写される。このとき、中間転写ベルト48には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。二次転写ニップを通過した中間転写ベルト48は、中間転写クリーニング装置の位置に達し、その表面上の未転写トナーが回収され、中間転写ベルト48上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
【0025】
次に、シートPの動きについて説明する。
上述した二次転写ニップに搬送されるシートPは、プリンタ部100の下方に配設された給紙部200の給紙トレイ26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。詳しくは、給紙トレイ26にはシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計回り方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対28の二つのローラによって形成されるローラニップに向けて搬送される。
【0026】
レジストローラ対28に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト48上のカラートナー像が二次転写ニップに到達するタイミングに合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、シートPが二次転写ニップに向けて搬送される。これにより、シートP上に、所望のカラートナー像が転写される。
【0027】
二次転写ニップでカラートナー像が転写されたシートPは、定着装置86の位置に搬送される。定着装置86では、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラートナー像がシートP上に定着される。定着装置86を通過したシートPは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。こうして、複写機500における一連の画像形成プロセスが完了する。
【0028】
プリンタ部100は、2つのトナー補給装置が設けられている。ひとつは、作像部46Yの現像装置50Yと作像部46Mの現像装置50Mとにトナーを補給するYM用トナー補給装置60YMである。もうひとつは、作像部46Cの現像装置50Cと作像部46Kの現像装置50Kとにトナーを補給するCK用トナー補給装置60CKである。
【0029】
YM用トナー補給装置60YMは、Y色トナーを収容したトナー収容器としてのY色トナー容器32Y内のY色トナーをY色の現像装置50Yに補給するY色トナー補給部160Yを有している。また、YM用トナー補給装置60YMは、M色トナーを収容したトナー収容器としてのM色トナー容器32M内のM色トナーをM色の現像装置50Mに補給するM色トナー補給部160Mを有している。
【0030】
CK用トナー補給装置60CKは、C色トナーを収容したトナー収容器としてのC色トナー容器32C内のC色トナーをC色の現像装置50Cに補給するC色トナー補給部160Cを有している。また、CK用トナー補給装置60CKは、K色トナーを収容したトナー収容器としてのK色トナー容器32K内のK色トナーをK色の現像装置50Kに補給するK色トナー補給部160Kを有している。
なお、トナー補給装置の詳細については、後述する。
【0031】
また、プリンタ部100は、中間転写ベルト48の外周面に形成されたトナー像の濃度を検知する濃度検知手段としてのトナー付着量センサ310を備えている。例えば、連続印刷時の所定のタイミングや、所定のプリント枚数毎に、中間転写ベルト48の表面に検出用の画像パターンを形成し、この画像パターンのトナー付着量をトナー付着量センサ310により検出する。次いで、検出結果に基づいて、各作像部についてそれぞれ現像バイアスなどの作像条件を個別に調整したり、後述するトナー強制補給制御を実施したりする。
【0032】
図3は、カラー用感光体41C,41M,41Yおよびカラー用現像装置50Y,50M,50Cの回転体(現像ローラ51および現像剤搬送スクリュー55)を駆動するカラー用駆動装置を示す概略断面図である。なお、各作像部の駆動伝達機構は、同様の構成であるので、具体的構成については、C色の作像部46Cの駆動伝達機構についてのみ説明する。
【0033】
カラー用駆動装置110は、カラー用作像モータ1を備えており、このカラー用作像モータ1は、ブラケット9のプロセスユニット側の面とは反対側の面に固定されている。カラー用作像モータ1のモータ軸は、ブラケット9を貫通している。また、モータ軸の外周には歯が形成されておりモータギヤ2となっている。
【0034】
ブラケット9と、ブラケット9のプロセスユニット側の面に対向する奥側側板10との間には、Y色の感光体ギヤ3Y、M色の感光体ギヤ3M、C色の感光体ギヤ3Cおよびアイドラギヤ11が配設されている。Y色の感光体ギヤ3YとM色の感光体ギヤ3Mは、カラー用作像モータ1のモータギヤ2と噛み合っている。アイドラギヤ11は、M色の感光体ギヤ3MとC色の感光体ギヤ3Cとに噛み合っている。
【0035】
各感光体ギヤ3Y,3M,3Cは、ブラケット9と奥側側板10とに回転自在に支持された回転軸17Y,17M,17Cに固定されている。各回転軸17Y,17M,17Cの先端には、駆動側感光体ジョイント112Y,112M,112Cが取り付けられている。また、各回転軸17Y,17M,17Cには、電磁クラッチ7Y,7M,7Cおよび、現像出力ギヤ6Y,6M,6Cが設けられている。
【0036】
また、カラー用駆動装置110は、駆動側現像ギヤ8Y,8M,8Cを備えており、各駆動側現像ギヤ8Y,8M,8Cは、奥側側板10に設けられた支持軸に回転自在に支持されている。また、各駆動側現像ギヤ8Y,8M,8Cは、現像出力ギヤ6Y,6M,6Cと噛み合う現像ギヤ部8aと駆動側現像ジョイント部8bとが一体で形成されている。
【0037】
感光体41Y,41M,41Cの奥側端部には、駆動側感光体ジョイント112Y,112M,112Cに接続される従動側感光体ジョイント124Y,124M,124Cが設けられている。従動側感光体ジョイント124Y,124M,124Cは、軸受けを介して作像部のケース126Y,126M,126Cに回転自在に支持されている。
【0038】
また、現像装置50Y,50M,50Cの現像剤搬送スクリュー55Y,55M,55Cの奥側端部には、従動ギヤ部180bと従動側現像ジョイント部180aとが一体となって構成された従動側現像ギヤ180Y,180M,180Cが設けられている。現像ローラ51Y,51M,51Cの奥側端部には、現像ローラギヤ181Y,181M,181Cが設けられている。現像ローラギヤ181Y,181M,181Cは、従動側現像ギヤ180Y,180M,180Cの従動ギヤ部180bと噛み合っている。従動側現像ジョイント部180aは、駆動側現像ギヤ8Y,8M,8Yの駆動側現像ジョイント部8bに接続されている。
【0039】
図3に示すように、カラー用の感光体41C,41M,41Yおよびカラー用の現像装置50Y,50M,50Cは、カラー用作像モータ1一つで回転駆動される。これにより、モータの数を減らすことができ、装置のコストダウンを図ることができる。また、K色についても、モノクロ用作像モータにより感光体41Kおよび現像装置50Kの各回転体(現像ローラおよび現像剤搬送スクリュー)が回転駆動される。
【0040】
次に、トナー補給装置について説明する。
本実施形態は、上述したようにY色の現像装置50Yと、M色の現像装置50Mにトナーを補給するYM用トナー補給装置60YMと、C色の現像装置50Cと、K色の現像装置50Kにトナーを補給するCK用トナー補給装置60CKとを備えている。YM用トナー補給装置60YMとCK用トナー補給装置60CKは、補給するトナー以外は、同様な構成をしているため、以下の説明では、CK用トナー補給装置60CKについて、説明する。
【0041】
図4は、CK用トナー補給装置60CKのC色トナー補給部160Cを示す模式図であり、図5は、C色トナー補給部160Cの部分概略断面図である。なお、K色トナー補給部160Kは、C色トナー補給部160Cと同様の構成である。また、YM用トナー補給装置60YMのY色トナー補給部160YおよびM色トナー補給部160MもC色トナー補給部160Cと同様の構成である。
【0042】
C色トナー補給部160Cは、搬送管たる搬送ノズル611C、搬送スクリュー614C、トナー落下搬送経路64C等で構成されている。
トナー収容器たるトナー容器32Cが図4中矢印Qの方向へ移動してプリンタ部100のトナー容器収容部70(図1参照)に装着されると、その装着動作に連動して、トナー容器32Cの容器先端側からトナー補給装置60Cの搬送ノズル611Cが挿入される。これにより、トナー容器32C内と搬送ノズル611C内とが連通する。
【0043】
トナー容器32Cは、略円筒状のトナーボトルである。トナー容器32Cは、トナー容器収容部70(図1参照)に非回転で保持される容器先端側カバー34Cと、容器ギヤ301Cが一体的に形成された容器本体33Cとから主に構成される。容器本体33Cは、容器先端側カバー34Cに対して相対的に回転可能に保持されている。
【0044】
後述する補給駆動部91から容器本体33Cに具備された容器ギヤ301Cに回転駆動が入力されることで、容器本体33Cが図4中の矢印A方向に回転駆動される。容器本体33C自体が回転することで、容器本体33Cの内周面に螺旋状に形成された螺旋状突起302Cによって、容器本体33Cの内部に収容されたトナーが容器本体長手方向に沿って図4中の左側から右側へ搬送される。
【0045】
容器本体33Cの容器先端側カバー側(図中右側)には、容器先端側カバー側に搬送されてきたトナーを、容器本体33Cの回転によって上方に汲み上げる汲み上げ部304aを有している。この汲み上げ部304aにより、トナー容器に挿入された搬送ノズル611Cよりも上方にトナーが汲み上げられ、搬送ノズル611Cのトナー容器側端部に設けられたノズル開口610に落下することで、搬送ノズル611C内にトナーが供給される。
【0046】
搬送ノズル611C内には、トナー搬送スクリュー614Cが配置されており、補給駆動部91から搬送スクリューギヤ605Cに回転駆動が入力されることで、トナー搬送スクリュー614Cが回転し、搬送ノズル611C内に供給されたトナーを搬送する。搬送ノズル611Cの搬送方向下流端は、トナー落下搬送経路64Cに接続されており、トナー搬送スクリュー614Cによって搬送されたトナーは、トナー落下搬送経路64Cを自重落下して現像装置50C内に補給される。
【0047】
図4に示すように、補給駆動部91は、コントローラ90によって制御されている。搬送ノズル611C内に配置されたトナー搬送スクリュー614Cを回転することによってトナーの補給を行っている。そのため、コントローラ90は、トナー搬送スクリュー614Cの回転数と、トナー搬送スクリュー614Cの駆動時間とから、トナー容器32Cからのトナー供給量および現像装置へのトナー補給量を算出できる。本実施形態では、搬送スクリュー614Cの回転数は、一定であるため、コントローラ90は、搬送スクリュー614Cの駆動時間から、トナー供給量を推定している。具体的には、コントローラ90は、累計の駆動時間から、トナー容器内のトナー残量を推定し、トナー容器内にトナーが無いトナーエンドを判定する。トナーエンドと判定したときは、コントローラ90は、複写機500の表示部にトナー容器の交換を促す旨のメッセージを表示させる。
また、トナー搬送スクリューを狙いの駆動時間駆動させることで、現像装置に狙いのトナー量を補給することができる。
【0048】
次に、CK用トナー補給装置60CKの補給駆動部91について、説明する。
図6図7は、補給駆動部91の概略構成図であり、図6は、K色トナー補給部160Kに駆動力を伝達する様子を示す概略構成図であり、図7は、C色トナー補給部160Cに駆動力を伝達する様子を示す概略構成図である。
【0049】
補給駆動部91は、ステッピングモータなどの補給モータ603と、K色の駆動伝達部191Kと、C色の駆動伝達部191Cと、切り替えギヤ623とを主に備えている。
【0050】
切り替えギヤ623は、補給モータ603のモータギヤ603aに噛み合っている。また、切り替えギヤ623の回転軸623aは、軸受623bを介して、装置側板に設けられた図中左右方向に伸びる長孔627に支持されている。図6に示すように、K色のトナー補給部160Kに駆動力を伝達するときは、軸受623bが、長孔627の図中左端に突き当たっており、切り替えギヤ623は、K色の駆動伝達部191Kの入力ギヤ624Kと噛み合う。
【0051】
一方、図7に示すように、C色のトナー補給部160Cに駆動力を伝達するときは、軸受623bが、長孔627の図中右端に突き当たっており、切り替えギヤ623は、C色の駆動伝達部191Cの入力ギヤ624Cと噛み合う。
【0052】
K色の駆動伝達部191Kは、入力ギヤ624Kと、ボトル駆動ギヤ626Kと、アイドラギヤ604Kと、搬送スクリューギヤ605Kとを主に有している。ボトル駆動ギヤ626Kは、容器ギヤ301(図4参照)と噛み合うボトル入力ギヤの軸に固定されており、入力ギヤ624Kとアイドラギヤ604Kとに噛み合っている。搬送スクリューギヤ605Kは、アイドラギヤ604Kに噛み合っている。
【0053】
C色の駆動伝達部191Cには、入力ギヤ624C、ボトル駆動ギヤ626C、アイドラギヤ604Cと、搬送スクリューギヤ605Cの他に、入力ギヤ624Cとボトル駆動ギヤ626Cとに噛み合う入力アイドラギヤ625Cを有している。これにより、K色とC色の間で、容器本体33の回転方向と、トナー搬送スクリューの回転方向を、同一の方向にすることができる。
【0054】
K色の現像装置50Kにトナーを補給するとき、コントローラ90により、補給モータ603を図6の反時計回りに回動させる。すると、切り替えギヤ623には、モータギヤ603aから図中左側へ力が加わり、長孔627内を図中左側へ移動し、K色の駆動伝達部191Kの入力ギヤ624Kに噛み合う。これにより、補給モータ603の駆動力がK色の駆動伝達部191Kに伝達され、K色のトナー容器32Kの容器本体と、トナー搬送スクリュー614Kとが回転し、K色のトナーが、K色の現像装置50Kに補給される。
【0055】
一方、C色の現像装置50Cにトナーを補給するとき、コントローラ90は、補給モータ603をK色のトナー補給時とは、逆方向(図中時計回り)に回動させる。すると、切り替えギヤ623には、モータギヤ603aから図中右側へ力が加わり、長孔627内を図中右側へ移動し、C色の駆動伝達部191Cの入力ギヤ624Cに噛み合う(図7参照)。これにより、補給モータ603の駆動力がC色の駆動伝達部191Cに伝達され、C色のトナー容器の容器本体33Cと、トナー搬送スクリュー614Cとが回転し、C色のトナーが、C色の現像装置50Cに補給される。
【0056】
このように、本実施形態では、ひとつの補給モータ603で、2つのトナー補給装部を駆動することができる。これにより、トナー補給部毎に、補給モータを設けるものに比べて、装置のコストダウンを図ることができる。また、モータギヤ603aと噛み合う切り替えギヤを、図中左右に所定範囲移動可能に構成することで、補給モータの回転駆動方向を切り替えるだけで、K色の駆動伝達部と、C色の駆動伝達部との間で駆動伝達を切り替えることができる。これにより、電磁クラッチなどを設けて、駆動伝達を切り替えるものに比べて、安価な構成で、駆動伝達の切り替えを行なうことができる。
【0057】
図8は、複写機500のハードウェアブロック構成の一例を示す図である。
複写機500は、コントローラ90を備えている。コントローラ90は、CPU90a、ROM90b、RAM90c、プリンタ制御部90d、画像読取制御部90e、ストレージ制御部90f、入力制御部90g、出力制御部90hを備えており、コントローラ90を構成する各部はバスで接続されている。
【0058】
コントローラ90のプリンタ制御部90dは、CPU90aがプリンタ部100の各ハードウェア(作像部46、中間転写ユニット85、露光装置47、定着装置86、トナー補給装置60等)を制御するためのインタフェースとして機能する。画像読取制御部90eは、CPU90aが画像読取部400のスキャナ部400b、原稿搬送部400aを制御するためのインタフェースとして機能する。
【0059】
ストレージ制御部90fは、CPU90aが、複写機500が備えるストレージ(記憶装置)93を制御するためのインタフェースとして機能する。入力制御部90gは、CPU90aが入力部94を制御するためのインタフェースとして機能する。出力制御部90hは、CPU90aが出力部95を制御するためのインタフェースとして機能する。
【0060】
CPU90aを含むコントローラ90は、複写機500全体を制御する。CPU90aはROM90bに格納されているブートプログラムにより、OSを起動する。そして、CPU90aは、OSの上でストレージ93やROM90bに記憶されている制御プログラムを実行する。
【0061】
RAM90cは、CPU90aの主メモリやワークエリア等の一時記憶領域として使用される。ストレージ93は、HDDなどの読み書き可能な不揮発性記憶装置である。このストレージ93には、複写機500全体を制御するためのプログラムや各種アプリケーションプログラム、消耗部品を管理するためのデータ、及びメンテナンスイベントを解消するために必要な一連の作業内容を示す動画など様々なデータが記憶される。CPU90aは、ストレージ制御部90fを介してストレージ93へアクセスする。
【0062】
CPU90aは、制御プログラムやアプリケーションプログラムをストレージ93やROM90bから読み出し、RAM90cに展開されたプログラムを実行することで複写機500を制御する。
【0063】
なお、本実施形態の複写機500では、1つのCPUが1つのメモリ(RAM)に展開されたプログラムを用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の様態であっても構わない。例えば、複数のプロセッサ、RAM、ROM、及びストレージを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行するようにしても良い。また、ASICやFPGA等のハードウェア回路を用いて一部の処理を実行するようにしてもよい。
【0064】
CPU90aは、画像読取制御部90eを介してスキャナ部400bを制御して原稿上の画像を読み取り、画像データを生成する。CPU90aは、プリンタ制御部90d及びプリンタ部100の各ハードウェアと協働して用紙などのシート(記録媒体)上に画像を形成する。
【0065】
入力制御部90gは、入力部94とコントローラ90を接続し、タッチパネルやハードキーなどの入力部94からユーザの操作指示を受け付ける。出力制御部90hは、出力部95とコントローラ90を接続し、LCDやCRTなどの表示部を備える出力部95を制御して、操作画面や動画をユーザに対して表示させる。なお、本実施形態では、出力部95は表示出力を行う表示部として説明するが、出力部95は、表示出力の他、音声出力を行うスピーカを備えていても良い。また、入力部94は、タッチパネルやハードキー等の入力の他、音声入力を行うマイクを備えていても良い。
【0066】
図3に示したように、本実施形態の複写機500は、装置のコストダウンを図る目的で、感光体41および現像装置50の回転体(現像ローラ51および現像剤搬送スクリュー55)を一つの作像モータで駆動している。現像装置50にトナーを補給するときは、現像装置50を駆動して現像装置50に補給されたトナーを現像剤搬送スクリュー55によって攪拌搬送し、現像装置内のトナー濃度を均一にする必要がある。そのため、感光体41および現像装置50の回転体(現像ローラ51および現像剤搬送スクリュー55)を一つのモータで駆動する本装置においては、トナー補給時に感光体41も回転駆動する。従って、トナー補給を画像形成時以外に行うと、感光体41の摩耗の進行が早まり、感光体41が早期に寿命を迎えてしまう。そのため、本実施形態では、画像形成動作時に現像装置50へトナー補給するようにしている。
【0067】
図9は、トナー補給時における各色のトナー補給部の駆動時間(搬送スクリュー駆動時間)を設定するフローチャートである。
まず、コントローラ90(図4参照)は、画像形成動作が終了したら、露光装置47で用いる画像情報に基づいて今回の画像形成動作で消費したトナー消費量を算出する(S1)。また、感光体41の潜像部分以外にも、例えば、感光体の軸方向両側の画像形成領域外に、地汚れとしてトナーが付着する場合がある。そのため、コントローラ90は、今回の画像形成時における感光体41の走行距離から、画像形成領域外に付着した地汚れトナー量を算出し、トナー消費量に加算する。
【0068】
次に、コントローラ90は、算出したトナー消費量に基づいて、トナー搬送スクリュー614の駆動時間を算出する(S2)。上述しように、搬送ノズル611内に配置されたトナー搬送スクリュー614を回転することによってトナーの補給が行われる。そのため、トナー搬送スクリュー614の回転数と、トナー搬送スクリュー614の駆動時間とを制御することで、現像装置50に狙いのトナー量を補給できる。上述したように、本実施形態では、トナー搬送スクリュー614の回転数は一定であるので、算出したトナー消費量に基づいて、搬送スクリュー614の駆動時間を設定することで、現像装置50にトナー消費量分のトナーを補給することができる。
【0069】
次に、コントローラ90は、今回の画像形成動作中に、トナー補給動作が完了したか否かを確認する(S3)。
本実施形態のトナー補給装置は、上述したように、補給モータ603の回転方向を切り替えることで、駆動するトナー補給部が切り替わる構成となっている。そのため、CK用トナー補給装置50CKについては、K色トナー補給部160KとC色トナー補給部160Cとが順々に駆動される。従って、K色の現像装置50KとC色の現像装置50Cのそれぞれに狙いのトナー量が補給されるための必要なトナー補給期間は、次のようになる。すなわち、トナー消費量に基づいて設定されたK色のトナー搬送スクリュー614Kの駆動時間と、トナー消費量に基づいて設定されたC色のトナー搬送スクリュー614Cの駆動時間との合計時間である。
【0070】
トナー補給可能期間である画像形成動作の時間は、プリント枚数や、シートPの搬送方向長さによって変動する。そのため、画像形成動作の時間が、上述した必要なトナー補給期間よりも短くなる場合がある。この場合は、画像形成動作終了時点で、トナー補給制御を停止しており、現像装置に狙いのトナー量が補給できないおそれがある。
【0071】
そのため、コントローラ90は、今回の画像形成中に、トナー補給動作が完了しなかったとき(S3のNo)は、不足駆動時間を、トナー消費量に基づき設定された駆動時間に加算する(S4)。不足駆動時間は、今回のトナー補給制御における目標のトナー搬送スクリュー614の駆動時間と今回の画像形成動作における実際のトナー搬送スクリュー614の駆動時間との差分値である。この不足駆動時間を加算した駆動時間が、次回の画像形成時のトナー補給制御におけるトナー搬送スクリューの駆動時間(=トナー補給量)とし、不揮発性メモリに記憶する。
【0072】
一方、今回の画像形成中に、トナー補給動作が完了しているときは(S3のNo)、S2で設定した駆動時間を次回の画像形成時のトナー補給制御におけるトナー搬送スクリューの駆動時間とし、不揮発性メモリに記憶する。
【0073】
次に、コントローラ90は、次回の画像形成時のトナー補給制御におけるトナー搬送スクリューの駆動時間が、閾値を超えているか否かを確認する(S5)。閾値を超えているときは、現像装置50内のトナー濃度が、所望の画像濃度が得られないレベルまで低下しているおそれがある。そのため、コントローラ90は、閾値を超えているとき(S5のYes)は、例えば、次回の画像形成動作の開始前にトナー強制補給制御を実施する(S6)。トナー強制補給制御は、上記閾値を超えた駆動時間以上、搬送スクリューを駆動させる。これにより、現像装置50内の現像剤のトナー濃度が、回復してから画像形成を行うことができ、所望の画像濃度の画像を得ることができる。
【0074】
また、例えば、現像装置に現像剤Gのトナー濃度を検出するトナー濃度センサを設け、このトナー濃度センサのトナー濃度が、閾値以下となったら、トナー強制補給制御を実施するようにしてもよい。また、定期的に画像パターンを形成し、画像パターンのトナー付着量をトナー付着量センサ310により検出する。そして、画像パターンのトナー付着量が閾値を下回って、現像バイアスなどの作像条件の調整では、画像濃度が回復しない場合は、トナー強制補給制御を実施するようにしてもよい。
【0075】
トナー強制補給制御を行うことで、感光体41は、画像形成動作以外で回転することになる。そのため、トナー強制補給制御が頻発すると、感光体41の寿命が早まってしまう。KC用トナー補給装置50KCについて、画像形成動作中に、K色トナー補給とC色トナーの補給を順次行うトナー補給動作を一回行って、各色のトナー搬送スクリューの駆動時間(トナー補給量)を満たす場合は、トナー強制補給制御が頻発するおそれがある。そのため、KC用トナー補給装置50KCにおけるトナー補給動作を短くし、複数回トナー補給動作を実施することで、各色の駆動時間(トナー補給量)を満たすようにするのが好ましい。
【0076】
図10(a)は、K色トナー補給とC色トナーの補給を順次行うトナー補給動作を一回行うようにした場合のタイミングチャートを示しており、図10(b)は、複数回、トナー補給動作を行うようにした場合のタイミングチャートである。
【0077】
図10に示す例は、画像形成動作時間が、K色の現像装置50KとC色の現像装置50Cのそれぞれに所望のトナー量が補給されるための必要なトナー補給期間に対して3S[秒]短い場合である。
【0078】
図10(a)のトナー補給制御は、まず、K色トナー補給部160について、不揮発性メモリに記憶された駆動時間、トナー搬送スクリュー614Kを駆動して、K色の現像装置50Kに狙いのトナー量を補給する。次に、補給モータ603の回転方向を切り替え、C色トナー補給部160Cについて、不揮発性メモリに記憶された駆動時間、トナー搬送スクリュー614Cを駆動して、C色の現像装置50Cに狙いのトナー量を補給する。
【0079】
図10(a)に示すように、トナー補給可能期間である画像形成動作の時間が、K色のトナー搬送スクリュー614Kの駆動時間(トナー補給時間)とほぼ同一である。そのため、C色の現像装置50Cには、トナーが全く補給されない。その結果、C色については、不足トナー量(不足駆動時間3S)を加算した次回のトナー補給量(トナー搬送スクリュー614Cの駆動時間)が閾値を超えてしまい(図9のS5のYes)、次回の画像形成動作前に、トナー強制補給制御が実施されてしまう。
【0080】
図10(b)に示すトナー補給制御は、1回のトナー補給動作の時間を短くし、複数回トナー補給動作を実施して、各現像装置に狙いのトナー量を補給するものである。具体的には、最大トナー補給時間が予め決められており、トナー補給の時間が最大トナー補給時間を経過したら、K色とC色の間でトナー補給を切り替えるトナー補給動作である。そして、この補給動作を繰り返し行って、K色とC色について、不揮発性メモリに記憶された駆動時間を満たし、各現像装置50K,50Cに狙いのトナー量を補給するトナー補給制御である。
【0081】
このように、複数回トナー補給動作を行って、K色とC色について、不揮発性メモリに記憶された駆動時間を満たすようにすることで、図10(a)に示すトナー補給制御と異なり、K色、C色ともに、現像装置50へトナーを補給することができる。
【0082】
図10(b)に示すトナー補給制御においては、不足駆動時間が、K色とC色とに分配される。具体的には、図10(b)では、K色の不足駆動時間が、2S[秒]、C色に不足駆動時間が1S[秒]となる。このように、不足駆動時間が、K色とC色とに分配されることで、不足トナー量(不足駆動時間)を加算した次回のトナー補給量(トナー搬送スクリューの駆動時間)が閾値を超えるのが、C色、K色ともに抑制される。その結果、次回の画像形成動作前に、トナー強制補給制御が実施されるのを抑制することができる。これにより、感光体41が、画像形成動作時以外で駆動されるのを抑制し、感光体が早期に寿命を迎えるのを抑制できる。
【0083】
しかしながら、図10(b)に示すように1回のトナー補給動作の時間を短くして、トナー補給動作を複数回実施することで、K色、C色について、狙いのトナー量を補給するようトナー補給制御を行う装置については、改善の余地があった。
具体的には、図11に示すように、画像形成動作時間(トナー補給可能期間)が非常に短く、画像形成動作時間が、最大トナー補給時間以下(図11は、画像形成動作時間=最大トナー補給時間)の場合、C色の現像装置50Cに全くトナーが補給されない事態が発生する。なお、画像形成動作時間は、画像形成のために感光体41が回転を開始してから、感光体の回転が停止するまでの時間(作像モータの駆動時間)である。
【0084】
画像形成動作の時間が非常に短い場合、消費されるトナー量は少ない。そのため、このように非常に短い画像形成動作が1回だけなら、C色の現像装置内のトナー量が、画像に影響が及ぶほど低下しない。すなわち、不足トナー量(不足駆動時間)を加算した次回のトナー補給量(トナー搬送スクリュー駆動時間)が、閾値を超えることはない。しかし、図11に示すように、非常に短い画像形成動作が、複数回続いた場合は、不足トナー量(不足駆動時間)が積み上がり、次回のトナー補給量(トナー搬送スクリュー駆動時間)が、閾値を超え、現像装置内のトナー量が、画像に影響が及ぶほど低下する。その結果、C色について、トナー強制補給制御が発生してしまう。
【0085】
そこで、トナー補給動作における最大トナー補給時間を、最短の画像形成時間の半分以下とし、トナー補給動作の時間を、最短の画像形成時間よりも短くすることが考えられる。なお、最短の画像形成動作時間は、シート搬送方向長さが、本プリンタが搬送可能な最小の搬送方向長さのシートP一枚に対して画像を形成するときの時間である。
【0086】
しかし、最大トナー補給時間を短くすると、トナー容器32の容器本体33の回転によりトナー容器内のトナーが十分にほぐされる前に、容器本体33の回転が停止して、次の色のトナー補給に切り替わってしまう。また、搬送ノズル611内のトナーがトナー搬送スクリュー614により十分にほぐされる前に、搬送スクリューの回転が停止してしまう。その結果、経時にわたりトナー容器内や搬送ノズル内のトナーがほぐされず、トナー容器内や搬送ノズル内のトナーが締まってしまう。その結果、トナーが搬送されづらくなり、単位時間当たりのトナー補給量が低下してしまう。
【0087】
また、画像を形成するシートの搬送長さや連続印刷枚数などから画像形成動作時間(トナー補給可能期間)を求め、求めた画像形成動作時間に基づいて、最大トナー補給時間を設定することも考えられる。しかし、トナー補給制御が複雑化してしまうという問題がある。
【0088】
そこで、本実施形態では、1回目のトナー補給動作における最大トナー補給時間を、それ以降のトナー補給動作における最大トナー補給時間よりも短くした。
図12は、本実施形態のトナー補給制御のタイミングチャートである。
図12に示す例では、最大トナー補給時間を、最短の画像形成動作時間の1/2以下とし、トナー補給制御を開始して1回目のトナー補給動作の時間を、最短の画像形成動作時間よりも短くしている。
【0089】
1回目の補給動作の時間を、最短の画像形成動作時間よりも短くすることで、図12に示すように、画像形成動作時間が最短の場合でも、C色、K色共に現像装置にトナーを補給することができる。これにより、画像形成動作時間が非常に短い画像形成動作が続いた場合に、トナー強制補給制御が発生するのを抑制することができる。具体的には、図11の場合は、C色のみ不足トナー量(不足駆動時間)が積み上がるが、本実施形態では、不足トナー量(不足駆動時間)の積み上がりが、C色とK色に分散される。
【0090】
その結果、図11に示す場合では、例えば、最短の画像形成動作が、3回続くと、C色の次回のトナー補給量(トナー搬送スクリュー駆動時間)が、閾値を超えトナー強制補給制御が実施されてしまう。一方、本実施形態では、不足トナー量(不足駆動時間)の積み上がりが、C色とK色に分散されるため、最短の画像形成動作が、3回続いた場合でも、C色のK色ともに次回のトナー補給量(トナー搬送スクリュー駆動時間)が、閾値を超えない。よって、図11に示す場合に比べて、トナー強制補給制御の発生頻度を抑えることが可能となり、感光体が早期に寿命を迎えてしまうのを抑制することができる。
【0091】
また、2回目以降のトナー補給動作における最大トナー補給時間は、1回目の最大トナー補給時間よりも長くしている。これにより、画像形成動作時間(補給可能な期間)が長く、複数回トナー補給動作が実施される場合は、2回目以降のトナー補給動作でトナー容器および搬送ノズル内のトナーを良好にほぐすことができる。これにより、経時にわたり、トナー容器および搬送ノズル内のトナーの締まりを抑制でき、単位時間当たりのトナー補給量の低下を抑制できる。
また、画像形成動作時間に関わらず、一律のトナー補給制御となるため、トナー補給制御が簡素化され、装置を安価にすることができる。
【0092】
図13は、本実施形態のトナー補給制御の制御フロー図であり、図14は、本実施形態のトナー補給動作のフロー図である。
図13に示すように、画像形成動作が開始され、感光体41の回転(作像モータの駆動)が開始したら、トナー補給制御を開始する。トナー補給制御が開始されたら、コントローラ90は、コントローラ90の不揮発性メモリに記憶されている最初トナー補給動作における最大トナー補給時間を、最大トナー補給時間に設定(S11)し、図14に示すトナー補給動作を行う(S12)。次に最初のトナー補給動作で、C色、K色の両方のトナー補給が完了しなかったとき(S13のNo)は、コントローラ90は、コントローラ90の不揮発性メモリに記憶されている2回目以降のトナー補給動作における最大トナー補給時間を、最大トナー補給時間に設定(S14)する。そして、図14に示すトナー補給動作を行う(S15)。C色、K色の両方のトナー補給が完了する(S113がYesとなる)まで、S14,S15のフローを繰り返し実行する。
【0093】
図14に示すように、トナー補給動作は、K色のトナー補給が完了しているとき(S21のYes)は、K色のトナー補給部は駆動せず、C色のトナー補給(S27~S30)を実行する。
【0094】
一方、K色のトナー補給が完了していないとき(S21のNo)は、K色のトナー補給部160Kを駆動して、K色トナーの補給を行う(S22)。そして、設定した最大トナー補給時間を経過する前に、累計のトナー搬送スクリューの駆動時間(トナー補給時間)が、図9に示すフローにより設定した駆動時間を満たした場合(S23のYes)は、K色に狙いのトナー量が補給されたため、K色トナー補給完了とする(S25)。そして、C色のトナー補給が完了しているとき(S26のYes)は、トナー補給動作が終了する。このときは、C色,K色ともにトナー補給が完了するため、トナー補給制御が終了する(図13のS13のYes)。一方、C色のトナー補給が完了していないとき(S26のNo)は、C色のトナー補給を実施する(S27~S30)。
【0095】
また、K色のトナー補給時間(トナー搬送スクリュー614Kの駆動時間)が、最大トナー補給時間を経過し(S23のNo,S24のYes)、C色のトナー補給が完了しているとき(S26のYes)は、トナー補給動作が終了する。一方、C色のトナー補給が完了していないときは、C色のトナー補給を実施する(S27~S30)。これらのときは、K色のトナーについては、現像装置に狙いのトナー量が補給されていないため、トナー補給動作が繰り返し実施される(図13のS13のNo)。
【0096】
C色のトナー補給は、K色と同様、最大トナー補給時間を経過する前に、累計のトナー搬送スクリューの駆動時間(トナー補給時間)が、図9に示すフローにより設定した駆動時間を満たした場合(S28のYes)は、C色に狙いのトナー補給が補給されたため、C色トナー補給完了とする(S30)。このとき、K色のトナー補給が完了している場合は、トナー補給制御が終了となる(図13のS13のYes)。一方、K色のトナー補給が完了していない場合は、次回のトナー補給動作が、K色のみとなる。
【0097】
C色のトナー補給に関して、最大トナー補給時間を経過したとき(S29のYes)は、トナー補給を完了とせずに、トナー補給動作を終了する。このときは、少なくともC色に関しては、トナー補給が完了していないので(図13のS13のNo)、続けて、トナー補給動作が行われる(S14,S15)。
【0098】
上述では、2回目以降の最大トナー補給時間は、一律であるが、徐々に最大トナー補給時間を長くしてもよい。これにより、2回目のトナー補給動作のときに、トナーが補給されない現像装置が発生するのを抑制でき、かつ、1回目のときよりもトナー容器、搬送ノズル内のトナーをほぐすことができる。
【0099】
なお、一回目のトナー補給動作におけるK色の最大トナー補給時間とC色の最大トナー補給時間の割合を、各色のトナー搬送スクリューの駆動時間(=必要なトナー補給量)に基づいて、変更してもよい。例えば、C色については、算出した次回のトナー搬送スクリューの駆動時間が閾値に対して十分に余裕があり、K色については、算出した次回のトナー搬送スクリューの駆動時間が閾値に対する余裕度が少ない場合は、一回目の補給動作におけるK色の最大トナー補給時間の割合を高くするのである。これにより、画像形成動作時間が非常に短い画像形成動作が続いた場合に、トナー強制補給制御が発生するのをより抑制することができる。
【0100】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0101】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
感光体41などの潜像担持体上の潜像を現像するトナーを収容した複数のトナー容器32C,32Kなどのトナー収容器を備え、複数のトナー収容器からそれぞれ対応する現像装置にトナー補給するトナー補給制御を実施するトナー補給装置60において、トナー補給制御は、複数のトナー収容器のうちの一のトナー収容器から対応する現像装置にトナー補給するトナー補給時間が所定の最大トナー補給時間を経過したら、補給を行うトナー収容器を他のトナー収容器に切り替えるという補給動作を繰り返し実行する制御であり、トナー補給制御を開始して最初に実行される補給動作におけるトナー収容器についての最大トナー補給時間は、2回目以降の補給動作におけるトナー収容器についての最大トナー補給時間よりも短い。
画像形成動作時にトナー補給制御を実施する場合、画像形成動作時間は、シートのシート搬送方向長さや、連続印刷枚数によって変わり、その結果、トナー補給可能期間も変化する。そのため、画像形成動作の時間が各現像装置に狙いのトナー量を補給するのに必要なトナー補給期間(トナー補給制御の時間)よりも短くなる場合がある。この場合、画像形成動作が終了したときに、トナー補給制御を停止している。そして、次のようなトナー補給制御を行っている場合、画像形成動作時間が非常に短いときにまったくトナーが補給されない現像装置が発生するおそれがある。すなわち、前記複数のトナー収容器のうちの一のトナー収容器から対応する現像装置にトナー補給するトナー補給時間が所定の最大トナー補給時間を経過したら、補給を行うトナー収容器を他のトナー収容器に切り替えるという補給動作を繰り返し実行する制御を行っている場合である(図10(b)参照)。このようなトナー補給制御を行っている場合は、画像形成時間が非常に短く、トナー補給制御を開始して最初に実行される補給動作が終了する前に、画像形成動作が終了すると、まったくトナーが補給されない現像装置が発生してしまうおそれがある(図11参照)。そして、このような画像形成動作時間が非常に短い画像形成動作が、連続で実施されると、トナー不足の現像装置が発生し、画像にかすれなど、所望の画像濃度が出ず、画像品質を落としてしまうおそれがある。
そこで、態様1では、図12に示したように、トナー補給制御実施開始して最初に実行される補給動作(以下、1回目の補給動作という)におけるトナー収容器についての最大トナー補給時間を、2回目以降の補給動作における最大トナー補給時間よりも短くした。これにより、最初のトナー補給動作については、短い時間で、トナー補給が必要なすべての現像装置に対してトナーを補給することができる。これにより、画像形成動作時間が非常に短い場合に、まったくトナーが補給されない現像装置が発生するのを抑制でき、トナー不足の現像装置が発生するのを抑制することができる。
また、2回目以降の補給動作におけるトナー収容器の最大トナー補給時間を、1回目の補給動作のトナー収容器についての最大トナー補給時間よりも長くすることで、画像形成動作時間が比較的長く、2回目の補給動作が実施された時に、各トナー収容器内のトナーやトナー補給経路内のトナーが良好に攪拌され、ほぐすことができる。これにより、経時にわたりトナー収容器内やトナー補給経路内のトナーが締まるのを抑制することができる。その結果、トナー収容器内やトナー補給経路内のトナーが搬送され難くなるのを抑制でき、単位時間当たりのトナー補給量が低下するのを抑制することができる。
【0102】
(態様2)
態様1において、トナーを用いてシートに画像を形成する画像形成動作時にトナー補給制御を実施し、前記最初に実行されるトナー補給動作の時間が、最短の画像形成動作時間よりも短い。
これによれば、最短の画像形成動作時においても、各現像装置にトナーを補給することができ、各現像装置内のトナー量が画像に影響が出るまで低下するのを抑制することができる。
【0103】
(態様3)
態様1または2において、トナーを用いてシートに画像を形成する画像形成動作時にトナー補給制御を実施し、現像装置内のトナー量が、画像に影響が出るレベルまで低下したときは、画像形成動作時以外で、トナー量が画像に影響が出るレベルまで低下した現像装置に対してトナー補給を行うトナー強制補給制御を実施する。
これによれば、現像装置内のトナー不足によりシートに形成された画像の画像濃度が低下するのを抑制することができる。
【0104】
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、補給モータ603などの一つのモータで2つのトナー収容器内のトナーを対応する現像装置に補給する構成であり、前記補給動作は、モータを制御して、2つのトナー収容器について、順々にトナー収容器内のトナーを対応する現像装置へ補給する補給動作である。
これによれば、実施形態で説明したように、トナー収容器毎に補給モータ603などのモータを設けるものに比べて、装置のコストダウンを図ることができる。
【0105】
(態様5)
態様4において、補給モータ603などのモータの回転方向を切り替えることで、補給を行うトナー収容器を切り替える。
これによれば、実施形態で説明したように、電磁クラッチ等を用いずに、補給を行うトナー収容器を切り替えることが可能となり、安価な構成で、補給を行うトナー収容器を切り替えることが可能となる。
【0106】
(態様6)
感光体41などの潜像担持体と、潜像担持体上の潜像をトナーによって現像する現像装置50とを有する複数の作像部と、各作像部の現像装置にトナーを補給するトナー補給装置と、を備える画像形成装置において、トナー補給装置として態様1乃至6いずれかに記載のトナー補給装置を用いた。
これによれば、感光体などの潜像担持体が早期に寿命を迎えるのを抑制することができる。
【0107】
(態様7)
態様6において、作像部の感光体41などの潜像担持体と現像装置50とはひとつのモータにより駆動される。
これによれば、実施形態で説明したように、感光体などの潜像担持体と、現像装置とをそれぞれ別のモータで駆動するものに比べて、モータの数を減らすことができ、装置を安価にすることができる。
【符号の説明】
【0108】
1 :カラー用作像モータ
32 :トナー容器
33 :容器本体
41 :感光体
46 :作像部
50 :現像装置
51 :現像ローラ
55 :現像剤搬送スクリュー
60CK :CK用トナー補給装置
60YM :YM用トナー補給装置
70 :トナー容器収容部
90 :コントローラ
91 :補給駆動部
100 :プリンタ部
160 :トナー補給部
191 :駆動伝達部
301 :容器ギヤ
603 :補給モータ
603a :モータギヤ
604 :アイドラギヤ
605 :搬送スクリューギヤ
610 :ノズル開口
611 :搬送ノズル
614 :トナー搬送スクリュー
623 :切り替えギヤ
623a :回転軸
623b :軸受
624 :入力ギヤ
625 :入力アイドラギヤ
626 :ボトル駆動ギヤ
627 :長孔
G :現像剤
P :シート
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】
【特許文献1】特開2005-164728号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14