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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137725
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】媒体処理装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/04 20060101AFI20240927BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240927BHJP
   B42B 5/00 20060101ALI20240927BHJP
   B42C 19/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B65H37/04 Z
G03G15/00 432
B42B5/00
B42C19/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017267
(22)【出願日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2023047016
(32)【優先日】2023-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 高志
(72)【発明者】
【氏名】杉山 恵介
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 圭
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 一貴
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 翔平
(72)【発明者】
【氏名】玉木 幸歌
(72)【発明者】
【氏名】阿部 航大
【テーマコード(参考)】
2H072
3F108
【Fターム(参考)】
2H072AA17
2H072AA25
2H072AA30
2H072FB02
2H072GA04
2H072GA07
2H072HB05
3F108GA01
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA11
(57)【要約】
【課題】液体経路部において液体の流れを妨げることなく供給経路が液体付与ユニットの
移動に追従することができる媒体処理装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一枚の媒体に液体付与をする液体付与部と、液体付与部において
液体付与をされた少なくとも一枚の媒体を含む媒体束に所定の処理を施す後処理部と、液
体付与に用いられる液体を貯留する貯液部と、媒体が液体付与部に対して搬送されてくる
搬送方向と直交する方向としての当該媒体の幅方向において、液体付与部を往復移動可能
にする移動手段と、貯液部から液体付与部に液体を供給する液体供給部と、を備え液体供
給部は、少なくとも一部に、円筒状かつ伸縮自在の伸縮性部材を有し、伸縮性部材は、移
動手段の往復移動方向に沿って配置される、媒体処理装置による。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一枚の媒体に液体付与をする液体付与部と、
前記液体付与部において液体付与をされた少なくとも一枚の媒体を含む媒体束に所定の処理を施す後処理部と、
前記液体付与に用いられる液体を貯留する貯液部と、
前記媒体が前記液体付与部に対して搬送されてくる搬送方向と直交する方向において、前記液体付与部を往復移動可能にする移動手段と、
前記貯液部から前記液体付与部に前記液体を供給する液体供給部と、
を備え、
前記液体供給部は、少なくとも一部に、円筒状かつ伸縮自在の伸縮性部材を有し、
前記伸縮性部材は、前記移動手段の往復移動方向に沿って配置される、
ことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
前記伸縮性部材は、弾性部材からなる円筒チューブである、
請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記伸縮性部材は、弾性部材からなる円筒チューブを螺旋状に巻いたコイルチューブである、
請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記伸縮性部材は、前記液体付与部の往復移動において、当該伸縮性部材が最も短くなるときの長さが、自然長よりも長くなるよう引っ張り力が加わる状態で、前記移動手段の往復移動方向に沿って配置される、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記伸縮性部材は、前記液体付与部の往復移動において、当該伸縮性部材が最も長くなるときの長さが、当該伸縮性部材が最も短くなるときの長さとして自然長よりも長くなるよう引っ張り力が加わる状態での長さの二倍以上の長さになるように、前記移動手段の往復移動方向に沿って配置される、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項6】
前記液体付与部は、往復移動における待機位置が、前記伸縮性部材が最も短くなるときの長さとして自然長よりも長くなるよう引っ張り力が加わる状態での長さとなる位置と、当該伸縮性部材が最も長くなるときの長さとして当該伸縮性部材が最も短くなるときの長さの二倍以上の長さとなる位置との中間位置よりも、前記伸縮性部材が最も短くなるときの長さに係る位置の方に寄せた位置に設定される、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項7】
少なくとも一枚の媒体に液体付与をする液体付与部と、
前記液体付与部において液体付与をされた少なくとも一枚の媒体を含む媒体束に所定の処理を施す後処理部と、
前記液体付与に用いられる液体を貯留する貯液部と、
前記媒体が前記液体付与部に対して搬送されてくる搬送方向と直交する方向において、前記液体付与部を往復移動可能にする移動手段と、
前記貯液部から前記液体付与部に前記液体を供給する液体供給部と、
を備え、
前記液体供給部は、少なくとも一部に、円筒チューブを同心円状に巻き付けて引き出し可能に保持する巻取部を備え、
前記円筒チューブは、前記移動手段の往復移動方向に沿って配置される、
ことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項8】
前記後処理部は、前記媒体を加圧変形させて綴じる圧着部を備える、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項9】
前記後処理部は、前記媒体を針で綴じる針綴じ部を備える、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
【請求項10】
媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって画像が形成された複数の前記媒体に対し前記処理を施す請求項1乃至3のいずれか一項に記載の媒体処理装置と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体処理装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シート状の媒体を積み重ねたシート束を綴る媒体処理装置が知られている。当該媒体処理装置に適用される綴じ処理として、シート束に貫通させる針状の部材(綴じ部材)を用いて綴る「針綴じ処理」や、シート束の一部分を加圧変形させて綴る「圧着綴じ処理」などが知られている。
【0003】
圧着綴じ処理において、綴じ強度を高める目的で、加圧変形されるシート束の部分に液体を付与する機能を備える媒体処理装置も知られている。
【0004】
圧着綴じをするときにシート状の媒体としての用紙に液体を付与する目的で、往復移動する綴じユニット内に保水タンクと拡張タンクを配置し利用者が拡張タンクを取り外して液体を供給可能にするための構成が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の従来構成においては、媒体に液体を付与するための液体付与ユニットに搭載される第一貯液部と、これに対し液体を補給するための液体供給部としての第二貯液部と、を供給チューブで連携している。したがって、液体付与ユニットの移動に供給チューブが追従しつつ、液体の流れを阻害しないことが重要となる。
【0006】
しかしながら、従来構成にある供給チューブでは、液体付与ユニットを媒体の幅方向に往復移動させる範囲において、蛇腹部の伸縮量が移動範囲に対応して追従することが困難である。その結果、液体付与ユニットの往復移動によって供給チューブが複雑に折れ曲がるので、供給チューブによって液体付与ユニットの移動に支障が生じ、また、液体の流れも阻害されるなどの課題がある。
【0007】
本発明は、液体供給経路部において液体の流れを妨げることなく液体供給経路部が液体付与ユニットの移動に追従することができる媒体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、媒体処理装置に関し、少なくとも一枚の媒体に液体付与をする液体付与部と、前記液体付与部において液体付与をされた少なくとも一枚の媒体を含む媒体束に所定の処理を施す後処理部と、前記液体付与に用いられる液体を貯留する貯液部と、前記媒体が前記液体付与部に対して搬送されてくる搬送方向と直交する方向において、前記液体付与部を往復移動可能にする移動手段と、前記貯液部から前記液体付与部に前記液体を供給する液体供給部と、を備え、前記液体供給部は、少なくとも一部に、円筒状かつ伸縮自在の伸縮性部材を有し、前記伸縮性部材は、前記移動手段の往復移動方向に沿って配置される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、液体経路部において液体の流れを妨げることなく供給経路が液体付与ユニットの移動に追従することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成システムの全体構成を示す図。
図2】第一実施形態に係る後処理装置の内部構造を示す図。
図3】端綴じ処理部を搬送方向の上流側から見た模式図。
図4】端綴じ処理部を主走査方向の液体付与部側から見た模式図。
図5】端綴じ処理部の圧着部の構成を示す模式図。
図6】端綴じ処理部の変形例を示す図。
図7】端綴じ処理部の変形例に係る液体付与圧着部を示す図。
図8図7の液体付与圧着部による液体付与動作及び圧着綴じ動作を示す図。
図9】針綴じ処理部を搬送方向の上流側から見た模式図。
図10】針綴じ処理部の変形例を搬送方向の上流側から見た模式図。
図11】第一実施形態に係る後処理装置を制御する制御ブロックのハードウェア構成図。
図12】端綴じ処理部による綴じ処理のフローチャート。
図13】端綴じ処理部による綴じ処理中における液体付与部及び圧着部の位置を示す図。
図14】後処理装置における第二貯液部の配置及び構成を示す図。
図15】後処理装置における第二貯液部の着脱構成を示す図。
図16】本実施形態に係る液体付与部の動作の例を説明する図。
図17】本実施形態に係る液体付与部の動作の例を説明する拡大図。
図18】本実施形態に係る液体付与部の動作の例を説明する図。
図19】本実施形態に係る液体付与部の動作の例を説明する図。
図20】本実施形態に係る液体付与部の動作の例を説明する図。
図21】本実施形態に係る液体付与部の動作の例を説明する図。
図22】本実施形態に係る液体付与部が備える巻取部の例を説明する図。
図23】本実施形態に係る液体付与部が備える巻取部の例を説明する図。
図24】本実施形態に係る液体付与部が備える巻取部の例を説明する図。
図25】本実施形態に係る液体付与部が備える巻取部の例を説明する図。
図26】本実施形態に係る液体付与部の動作の別例を説明する図。
図27】本実施形態に係る液体付与部の動作の別例を説明する図。
図28】第二実施形態に係る後処理装置の内部構造を示す図。
図29】第二実施形態に係る内部トレイを用紙の厚み方向から見た図。
図30】第二実施形態に係る圧着部を搬送方向の下流側から見た模式図。
図31】第二実施形態に係る液体付与部を用紙の厚み方向から見た図。
図32図31のXXV-XXVにおける断面図。
図33図31のXXVI-XXVIにおける断面図。
図34】第二実施形態に係る後処理装置の制御ブロックのハードウェア構成図。
図35】第二実施形態に係る後処理装置の後処理フローチャート。
図36】画像形成システムの変形例の全体構成を示す図。
図37】後処理装置の制御部の変形例1を示す図。
図38】後処理装置の制御部の変形例2を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[画像形成システム1の実施形態]
以下、本発明に係る画像形成システム1について、図面を参照しながら説明する。図1は、画像形成システム1の全体構成を示す図である。画像形成システム1は、シート状の媒体の一種としての用紙Pに画像を形成する画像形成機能、画像が形成された用紙Pに対して所定の後処理を施す後処理機能、などを備える。図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成機能を有する画像形成装置2と、本発明に係る後処理機能を有する媒体処理装置としての後処理装置3と、を連携して動作するように構成されている。
【0012】
なお、本実施形態では、画像形成システム1において処理の対象とするシート状の媒体として「紙」を前提にする説明をしている。しかし、本実施形態に係る処理の対象は、紙に限定されるものではない。例えば、従来から知られている画像形成プロセスを利用して画像形成が可能な媒体であれば、その種類などは問わない。また、折り処理や綴じ処理の対象物となりうる媒体も、これに含むものとし、素材や仕様などを限定するものではない。
【0013】
画像形成装置2は、用紙Pに画像を形成し、画像を形成した用紙Pを後処理装置3に排出する。画像形成装置2は、用紙Pが収容される収容トレイ211と、収容トレイ211に収容された用紙Pを搬送する搬送部212と、搬送部212によって搬送された用紙Pに画像を形成する画像形成部213とを備える。画像形成部213は、インクを用いて画像を形成するインクジェット方式でもよいし、トナーを用いて画像を形成する電子写真方式でもよい。また、搬送部212、及び画像形成部213の各種動作を制御する制御部100aを備える。画像形成装置2の構成は既に周知なので、詳細な説明を省略する。
【0014】
なお、シート状の媒体の例として紙が広く知られている。そこで本明細書では、処理対象としてのシート状の媒体に関する記載をするときは「用紙P」を用いることとする。また、シート束に関する記載をするとき、複数の媒体としての用紙を束にして構成される「用紙束Pb」を例に用いることとする。
【0015】
[後処理装置3の実施形態]
図2は、第一実施形態に係る後処理装置3の内部構造を示す図である。後処理装置3は、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pに所定の後処理を施す機能を備える。本実施形態に係る後処理の一つは、画像が形成された複数枚の用紙Pの束(シート束)を、綴じ針を用いずに綴じる「圧着綴じ処理」としての綴じ処理である。また、本実施形態に係る後処理の他の一つは、画像が形成された複数枚の用紙Pの束(シート束)を、綴じ針を用いて綴じる「針綴じ処理」としての綴じ処理である。以下、用紙Pの束を媒体束としての「用紙束Pb」と表記する。
【0016】
なお、本実施形態においては、圧着綴じ処理を行う場合の液体付与処理に関する説明を主に行う。しかし、針綴じ処理に関連して行う液体付与処理も同様のものである。また、以下の説明において「綴じ処理」と表記する場合は、前記「圧着綴じ処理」及び前記「針綴じ処理」の両方を含むものを意味し、綴じを行う方法(綴じ針を用いるのか、加圧変形なのか)に限定しないものとする。
【0017】
なお、本実施形態に係る圧着綴じ処理とは、より詳細には、用紙束Pbの一部に相当する綴じ位置に対し圧力を加えて、当該綴じ位置を変形させて(加圧変形させて)綴じる処理であって、「圧着綴じ」と称される処理である。なお、後処理装置3において実行可能な綴じ処理は、用紙束Pbの端部を綴じる端綴じ処理と、用紙束Pbの中央部を綴じる中綴じ処理を含むものとする。
【0018】
後処理装置3は、搬送ローラ対10~19(搬送部)及び切替爪20などと、制御部100b(制御手段)を備える。制御部100bは、搬送ローラ対10~19(搬送部)及び切替爪20などの動作を制御する。なお、制御部100bの詳細については、後述する。搬送ローラ対10~19は、後処理装置3の内部において、画像形成装置2から供給された用紙Pを搬送する。より詳細には、搬送ローラ対10~13は、第一搬送路Ph1に沿って用紙Pを搬送する。また、搬送ローラ対14~15は、第二搬送路Ph2に沿って用紙Pを搬送する。さらに、搬送ローラ対16~19は、第三搬送路Ph3に沿って用紙Pを搬送する。また、搬送ローラ対10及び11により搬送される用紙Pにパンチ処理を行うパンチ孔穿設手段132が、搬送ローラ対10と11の間に配置されている。
【0019】
第一搬送路Ph1は、画像形成装置2からの用紙Pの供給口から排出トレイ21に至る経路である。第二搬送路Ph2は、搬送方向における搬送ローラ対11、14の間において第一搬送路Ph1から分岐し、内部トレイ22を経由して排出トレイ26に至る経路である。第三搬送路Ph3は、搬送方向における搬送ローラ対11、14の間において第一搬送路Ph1から分岐し、排出トレイ30に至る経路である。
【0020】
切替爪20は、第一搬送路Ph1及び第二搬送路Ph2の分岐位置に配置されている。切替爪20は、第一搬送路Ph1を通じて用紙Pを排出トレイ21に排出する第一位置と、第一搬送路Ph1を搬送される用紙Pを第二搬送路Ph2に導く第二位置とに切り替え可能に構成されている。また、第二搬送路Ph2に進入した用紙Pの後端が搬送ローラ対11を通過したタイミングで、搬送ローラ対14を逆回転させることによって、当該用紙Pが第三搬送路Ph3に導かれる。また、後処理装置3は、各搬送路Ph1、Ph2、Ph3上の用紙Pの位置を検知する複数のセンサを備える。なお、複数のセンサは、図2において黒塗り三角形(▲)で示している。
【0021】
後処理装置3は、排出トレイ21を備える。第一搬送路Ph1を通じて排出された用紙Pは、排出トレイ21に載置される。排出トレイ21には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、綴じ処理が施されない用紙Pが排出される。
【0022】
また、後処理装置3は、載置トレイとしての内部トレイ22と、エンドフェンス23と、サイドフェンス24L、24Rと、端綴じ処理部25と、針綴じ処理部155と、排出トレイ26とを備える。内部トレイ22と、エンドフェンス23と、サイドフェンス24L、24Rと、端綴じ処理部25と、針綴じ処理部155は、第二搬送路Ph2から内部トレイ22に搬送される複数の用紙Pからなる用紙束Pbに端綴じ処理を施す。排出トレイ26には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、端綴じ処理が施された用紙束Pbが排出される。
【0023】
ここでいう「端綴じ処理」とは、用紙束Pbの主走査方向に平行な一辺に沿って綴じ処理を行う「平行綴じ処理」、用紙束Pbの角部に綴じ処理を行う「斜め綴じ処理」、用紙束Pbの搬送方向に平行な一辺に沿って綴じ処理を行う「垂直綴じ処理」が含まれる。
【0024】
以下、搬送ローラ対15からエンドフェンス23に向かって用紙Pが搬送される方向を、「搬送方向」と定義する。すなわち、本明細書における「搬送方向」とは、画像形成装置2から排出された用紙Pが、搬送ローラ対10等により、排出トレイ26の方向に移動した後に、搬送ローラ対15によって方向を転換して、それまでとは異なる方向である、エンドフェンス23に向かう方向に相当する。また、用紙Pの厚み方向及び搬送方向に直交する方向を、「主走査方向」若しくは「幅方向」と定義する。
【0025】
第二搬送路Ph2を経由して順番に搬送される複数の用紙Pは、載置トレイとしての内部トレイ22に一時的に載置される。エンドフェンス23は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの搬送方向の位置を揃える。サイドフェンス24L、24Rは、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの主走査方向の位置を揃える。端綴じ処理部25及び針綴じ処理部155は、エンドフェンス23及びサイドフェンス24L、24Rによって揃えられた用紙束Pbの端部を綴じる。そして、搬送ローラ対15は、端綴じ処理が施された用紙束Pbを排出トレイ26に排出する。
【0026】
さらに、後処理装置3は、エンドフェンス27と、中綴じ処理部28と、用紙折りブレード29と、排出トレイ30とをさらに備える。エンドフェンス27、中綴じ処理部28、及び用紙折りブレード29は、第三搬送路Ph3を搬送される複数の用紙Pにより構成される用紙束Pbに中綴じ処理を施す。排出トレイ30には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、中綴じ処理が施された用紙束Pbが排出される。
【0027】
エンドフェンス27は、第三搬送路Ph3を順番に搬送される複数の用紙Pの搬送方向の位置を揃える。また、エンドフェンス27は、用紙束Pbの中央を、中綴じ処理部28に対面させる綴じ位置と、用紙折りブレード29に対面させる折り位置とに移動可能に構成されている。中綴じ処理部28は、綴じ位置のエンドフェンス27によって揃えられた用紙束Pbの中央を綴じる。用紙折りブレード29は、折り位置のエンドフェンス27に載置された用紙束Pbを半分に折って、搬送ローラ対18に挟持させる。搬送ローラ対18、19は、中綴じ処理が施された用紙束Pbを排出トレイ30に排出する。
【0028】
また、後処理装置3は、端綴じ処理部25に、液体付与部材501(液体付与手段の一部)と、液体供給部材50(液体付与手段の一部)と、第一貯液タンク44(第一貯液部)を備える。なお、第一貯液タンク44及び液体供給部材50は、図2においては図示を省略している。そして、後処理装置3は、第一貯液タンク44に対して液体を補充するための構成として、液体供給経路45(液体供給部の一部)と、液体供給ポンプ46(液体供給部の一部)と、第二貯液タンク47(第二貯液部の一部)と、第二貯液タンク固定部61(第二貯液部の一部)とを備えている。第二貯液タンク47に貯留されている液体は、第二貯液タンク固定部61、液体供給ポンプ46、及び液体供給経路45を介して第一貯液タンク44へと供給される。
【0029】
[端綴じ処理部25の詳細説明]
図3は、図2に示した液体付与処理と圧着綴じ処理とを行う端綴じ処理部25を、搬送方向の上流側から見た模式図である。図4は、端綴じ処理部25を主走査方向の液体付与部31側から見た模式図である。図3に示すように、端綴じ処理部25は、用紙Pに対して液体を付与する液体付与部31と、後処理部の一例であって、用紙束Pbに対して圧着綴じを行う圧着部32とを備える。液体付与部31及び圧着部32は、内部トレイ22より搬送方向の下流側において、主走査方向に隣接して配置されている。
【0030】
図4に示すように、液体付与部31は、第一貯液タンク44に貯留された液体を、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbに付与する。以下、液体付与部31が用紙P又は用紙束Pbに対して液体を付与することを、及び当該液体付与する際の液体付与部31の動作を、「液体付与」と表記する。また、制御処理を伴う液体付与部31の液体付与動作を「液体付与処理」と表記する。
【0031】
ここで、液体付与するために、第一貯液タンク44に貯留される液体とは、さらに詳しくは、化学式「HO」で表される水素と酸素の化合物の液体状態を主成分とするものである。液体状態であれば、その温度状態は問わず、いわゆる温水や熱水であってもよい。また、純水に限らず、精製水はもちろんのこと、イオン化した塩類が含まれていてもよい。金属イオン含有量もいわゆる軟水から超硬水まで硬度は問わない。
【0032】
また主成分に加えて添加物が加えられていてもよい。水道水として用いられる残留塩素を含んでいてもよいし、着色剤・浸透剤・pH調整剤・フェノキシエタノールなどの防腐剤・グリセリンなどの乾燥防止剤等が添加されていることも望ましい。さらには、インクジェット方式の印刷装置で用いられるインクや、水性ペンに用いられるインクも成分として水を用いているので、これを「液体付与」として用いてもよい。
【0033】
ここで具体的に挙げたものに限らず、次亜塩素酸水や消毒用に希釈したエタノール水溶液など広義の「水」であっても機能するが、綴じ処理後の綴じ強度を高める作用を発揮させるためだけの用途であれば入手・管理が容易な水道水を用いればよい。また、液体としては、上記に例示したような水を主成分とする液体を用いる方が、水を主成分としていない液体を用いるよりも用紙束Pbの綴じ強度を向上させることができる。
【0034】
図3及び図4に示すように、液体付与部31は、端綴じ処理部移動モータ55の駆動力が伝達されることによって、圧着部32と共に主走査方向に移動可能に構成されている。液体付与部31は、用紙P又は用紙束Pbの載置台としての下押圧板33と、上押圧板34と、液体付与部移動機構35を備える。液体付与部31の構成部品(下押圧板33、上押圧板34、液体付与部移動機構35、液体付与部移動モータ42)は、液体付与フレーム31a及びベース部材48により保持されている。
【0035】
また、液体付与部31の構成品を保持する液体付与フレーム31aは、その底面に駆動伝達ギヤ562aを備えた液体付与部回転軸562が固定されている。液体付与部回転軸562及び駆動伝達ギヤ562aは、液体付与フレーム31aが設けられるベース部材48に正逆方向に回転可能に保持されている。また、駆動伝達ギヤ562aは、液体付与部回動モータ563の出力ギヤ563aに噛み合っている。そして、液体付与部31は、液体付与部回動モータ563の駆動力が、出力ギヤ563a及び駆動伝達ギヤ562aを介して液体付与部回転軸562に伝達されることによって、ベース部材48上において、液体付与部回転軸562を中心として正逆方向に回転可能に構成されている。
【0036】
下押圧板33及び上押圧板34は、内部トレイ22より搬送方向の下流側に配置されている。内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbは、下押圧板33にも載置される。下押圧板33は、下押圧板保持体331上に設けられている。上押圧板34は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbと対面する位置において、用紙P又は用紙束Pbの厚み方向に移動可能に構成されている。
【0037】
すなわち、下押圧板33及び上押圧板34は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbを挟んで、用紙P又は用紙束Pbの厚み方向(以下、単に「厚み方向」と表記する。)に対向して配置されている。さらに、上押圧板34には、ベースプレート40に取り付けられた保持部37を介して保持される液体付与部材501に対面する位置に、厚み方向に貫通する貫通口34aが形成されている。なお、液体付与部材44は、後述する液体供給部材45(吸液体)の一方の端部であって、先端部分に相当する。
【0038】
液体付与部移動機構35は、上押圧板34と、ベースプレート40と、保持部37と、液体付与部材501と、液体供給部材50と、第一貯液タンク44とを用紙P又は用紙束Pbの厚み方向に移動させる。本実施形態に係る液体付与部移動機構35は、単一の液体付与部移動モータ42によって、上押圧板34と、ベースプレート40と、保持部37と、液体付与部材501と、液体供給部材50と、第一貯液タンク44とを連動して移動させる。液体付与部移動機構35は、例えば、液体付与部移動モータ42と、台形ネジ38と、ナット39と、ベースプレート40と、柱状部材41a、41bと、コイルバネ42a、42bとを備える。
【0039】
液体付与部移動モータ42は、上押圧板34と、ベースプレート40と、保持部37と、液体付与部材501と、液体供給部材50と、第一貯液タンク44とを移動させる駆動力を発生させる。台形ネジ38は、用紙P又は用紙束Pbの厚み方向に延設されると共に、液体付与フレーム31aに正逆方向に回転可能に設けられている。また、台形ネジ38は、プーリやベルト等を介して液体付与部移動モータ42の出力軸に接続されている。ナット39は、台形ネジ38に螺合されている。そして、液体付与部移動モータ42の駆動力が伝達されて台形ネジ38が正逆方向に回転することによってナット39が台形ネジ38上を往復移動する。
【0040】
ベースプレート40は、上押圧板34に対して離間した位置に配置されている。また、ベースプレート40は、液体付与部材501の先端部分をベースプレート40から上押圧板34に向けて突出させた状態で、液体付与部材501を保持している。さらに、ベースプレート40は、ナット39を介して台形ネジ38に接続されており、台形ネジ38が正逆方向に回転することによって台形ネジ38に沿って往復移動可能に構成されている。そして、ベースプレート40の上下方向の位置は、移動センサ40a(図8参照)によって検知される。
【0041】
柱状部材41a、41bは、液体付与部材501の先端部分の周囲において、ベースプレート40から上押圧板34に向かって突出している。また、柱状部材41a、41bは、ベースプレート40に対して厚み方向に相対的に移動可能に構成されている。さらに、柱状部材41a、41bは、下押圧板33側の先端部で上押圧板34を保持している。また、柱状部材41a、41bの下押圧板33と反対側の先端部には、柱状部材41a、41bがベースプレート40から外れるのを防止する抜け止めが設けられている。
【0042】
コイルバネ42a、42bは、ベースプレート40と上押圧板34との間において、柱状部材41a、41bに外挿されている。そして、コイルバネ42a、42bは、上押圧板34及び柱状部材41a、41bを、ベースプレート40に対して下押圧板33側に向かって付勢する。
【0043】
液体付与部31は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbに液体付与する。より詳細には、液体付与部31は、液体付与部材501を用紙P又は用紙束Pbに接触させることによって、用紙束Pbを構成する少なくとも一枚の用紙Pに液体付与する。
【0044】
液体付与部31は、第一液位センサ43(第一液体検知手段)と、第一貯液タンク44と、液体付与部材501と、液体供給部材50と、保持部37とを備える。第一貯液タンク44は、用紙P又は用紙束Pbに液体付与するための液体を貯留する。第一貯液タンク44に貯留された液体は、第一液位センサ43によって検知される。第一貯液タンク44は、保持部37を介してベースプレート40に連結されている。
【0045】
液体付与部材501と、液体付与部材501に密着するように設置された液体供給部材50(吸液体)、及び第一貯液タンク44は、共に保持部37に保持されている。また、保持部37は、ベースプレート40に保持されている。液体供給部材50は、一方の端部が液体付与部材501に密着し、他方の端部が第一貯液タンク44に貯液された液体に浸っている。すなわち、液体供給部材50の他方の端部は、当該液体を吸い上げて液体付与部材501へと供給する浸液部に相当する。液体付与部材501及び液体供給部材50は、例えば、連続気泡で形成された弾性樹脂のように、吸液率の高い材料(例えば、スポンジや繊維など)で構成されている。ただし、液体付与部材501及び/又は液体供給部材50は、液体を吸い上げて保つことができる性質を有する素材であって、用紙Pに接触した状態で加えられる押圧力に応じて潰れる性質を備えるものであれば、その種類は問わない。つまり、毛細管現象により液体を吸い上げることができる素材で構成されていればよい。
【0046】
したがって、液体供給部材50の他方の端部(浸液部502)が、第一貯液タンク44に貯留されている液体に浸ると、液体供給部材50は、毛細管現象により液体を吸い上げる状態になる。すなわち、第一貯液タンク44に貯留された液体は、液体供給部材50の浸液部502から吸い上げられ、その吸い上げられた液体が液体供給部材50を通じて先端に接続されている液体付与部材501へと供給されるように構成されている。そして、第一貯液タンク44に貯留されている液体が、液体供給部材50の一方の端部に密着している液体付与部材501へと吸い上げられたことで、第一液位センサ43によって検知される第一貯液タンク44に貯留されている液体の液位(貯液量)が低下する。その結果、液体供給ポンプ46による第二貯液タンク47から第一貯液タンク44への液体の供給が行われる。このように、第一貯液タンク44に貯液されている液体を液体供給部材50が吸い上げて液体付与部材501へと液体を供給して充填する動作を含む液体の供給動作を、充填供給動作という。
【0047】
なお、上記において液体供給部材50と液体付与部材501が別体である場合について説明したが、液体供給部材50と液体付与部材501は、同様の性質をもった材料(例えば、吸液率の高い材料)により一体的に構成されていてもよい。つまり、液体付与部材501が液体供給部材50の一部となるように構成することもできる。その場合は、毛細管現象による液体供給部材50からの液体付与部材501への液体の供給をよりスムーズに行うことが可能になるとともに、コストダウンを図ることができる。
【0048】
また、端綴じ処理部25には、第二貯液タンク47が接続されている。第二貯液タンク47は、端綴じ処理部25又は後処理装置3に対して着脱自在に構成されている(図15参照)。第二貯液タンク47は、第二貯液タンク固定部61(第二貯液部の一部)に所定の姿勢で固定(セット)することで、貯留されている液体が第一貯液タンク44へ供給されるように構成されている。
【0049】
液体供給ポンプ46により第二貯液タンク47から第一貯液タンク44へ液体を供給する動作は、主に、第一貯液タンク44における貯液量(液位)が後述する基準液位を低下したことをトリガーとして実行される。第一貯液タンク44の貯液量(液位)は、液体付与部31による液体付与によって液体が消費されることで低下する。すなわち、第二貯液タンク47から第一貯液タンク44へ液体を供給する動作は、液体付与部31による液体付与を含むジョブの実行に伴って必要となる液体供給動作に相当する。
【0050】
この液体供給動作は、第一貯液タンク44の貯液量(液位)が、後述する基準液位を下回る都度において、第一貯液タンク44に液体を継ぎ足すように供給する動作に相当する。以下において、当該液体供給動作を「継ぎ足し供給動作」という。
【0051】
なお、上述の「基準液位」とは、第一液位センサ43が第一貯液タンク44内の液体を検知したときの液位(第一貯液タンク44の貯液量)のことを意味する。
【0052】
第二貯液タンク47を第二貯液タンク固定部61にセットすると、第二貯液タンク47の液体が第二貯液タンク固定部61に一定量充填される。第二貯液タンク固定部61にはセット検知センサ51(セット検知手段)が設けられている(図15参照)。このセット検知センサ51が、第二貯液タンク47の第二貯液タンク固定部61へのセット状態(図12(C)参照)を検知すると、それを知らせる信号が後述する制御部100Bに通知される。これによって、後述する制御部100bは、第二貯液タンク47が第二貯液タンク固定部61にセットされているか否かを検知できるように構成されている。なお、第二貯液タンク47の構成の詳細は後述する。
【0053】
第一貯液タンク44と第二貯液タンク47は、液体供給経路45によって接続されている。第二貯液タンク固定部61の近傍には、液体供給ポンプ46が設けられている。この液体供給ポンプ46が動作することで、第二貯液タンク47に貯留されている液体が、液体供給経路45を介して第二貯液タンク47から第一貯液タンク44へ供給(補給)される。したがって、第二貯液タンク固定部61は、第二貯液タンク47から第一貯液タンク44に液体を供給する液体供給動作を実行する液体供給手段の構成品である。また、液体供給経路45は、可撓性を有する材料で形成されている。これにより、液体付与部移動機構35により第一貯液タンク44が移動しても確実に第二貯液タンク47から第一貯液タンク44に液体を供給することができる。
【0054】
第二貯液タンク47から第一貯液タンク44への液体の供給量は、第一液位センサ43の検知結果に応じて制御することができる。すなわち、後述する制御部100bは、第一液位センサ43の検知結果に基づいて、第一貯液タンク44の貯液量(液位)を判定する。そして、後述する制御部100bは、判定された第一貯液タンク44の貯液量(液位)に応じて、液体供給ポンプ46の動作速度や動作時間を制御することで、第一貯液タンク44に補充される液体の量を調整し、第一貯液タンク44における液体の量(液位)を一定に保つように制御することができる。
【0055】
[圧着部32の説明]
後処理部としての圧着部32は、凹凸状の上圧着歯32a及び下圧着歯32bで用紙束Pbの一部分に圧力を加えることで変形させ、この一部分の用紙P同士を圧着させることで、用紙束Pbを綴じる。すなわち、圧着部32は、綴じ針を用いずに、用紙束Pbを綴じることができる。圧着部32の構成部品(上圧着歯32a、下圧着歯32b)は、圧着フレーム32cに設けられている。以下、圧着部32によって用紙束Pbの所定の位置を加圧変形させて綴じることを単に「圧着綴じ」と表記する。また、制御処理を伴う圧着部32の圧着綴じ動作を「圧着綴じ処理」と表記する。
【0056】
図5は、圧着部32の構成を示す模式図である。図5に示すように、圧着部32は、上圧着歯32a及び下圧着歯32bを備える。上圧着歯32a及び下圧着歯32bは、内部トレイ22に載置された用紙束Pbを挟んで、用紙束Pbの厚み方向に対向して配置されている。上圧着歯32a及び下圧着歯32bの互いに対向する面は、凹部及び凸部が交互に形成された凹凸状に形成されている。また、上圧着歯32a及び下圧着歯32bは、互いに噛合うように、凹部及び凸部がずれて形成されている。そして、上圧着歯32a、及び下圧着歯32bは、接離モータ32d(図11参照)の駆動力によって接離する。
【0057】
用紙束Pbを構成する複数の用紙Pが内部トレイ22に供給される過程では、図5(A)に示すように、上圧着歯32aa及び下圧着歯32bは互いに離間している。そして、用紙束Pbを構成する全ての用紙Pが内部トレイ22に載置されると、図5(B)に示すように、上圧着歯32a及び下圧着歯32bは、接離モータ32dの駆動力によって噛み合うことで用紙束Pbを厚み方向から加圧変形させる。これにより、内部トレイ22に載置された用紙束Pbが圧着綴じされる。また、圧着綴じされた用紙束Pbは、搬送ローラ対15によって、排出トレイ26に排出される。
【0058】
なお、圧着部32の構成としては、圧着機構を構成する上圧着歯32aa及び下圧着歯32bが噛み合えばよいので、本実施形態で例示したような動作機構の構造に限定されない。例えば、正転のみ、又は正逆転する駆動源とリンク機構を使って上圧着歯32a及び下圧着歯32bの圧着及び離間動作を行うリンク機構方式の圧着機構(例えば、特許6057167号に開示されているもの)であってもよい。また、駆動源の正逆方向の回転運動を直線的な往復運動に変換するネジ機構により、上圧着歯32a及び下圧着歯32bの圧着及び離間動作を直線的に行う直動方式の圧着機構であってもよい。
【0059】
また、図3に示すように、端綴じ処理部25は、端綴じ処理部移動機構57を備える。端綴じ処理部移動機構57は、内部トレイ22に載置された用紙Pの搬送方向の下流側の端部に沿って、端綴じ処理部25(すなわち、液体付与部31及び圧着部32)を主走査方向に移動させる。端綴じ処理部移動機構57は、例えば、ベース部材408と、案内軸49と、端綴じ処理部移動モータ55と、端綴じ処理部移動モータ55の駆動力をベース部材48に伝達する駆動力伝達機構551と、待機位置センサ540(図11参照)を備える。
【0060】
液体付与部31及び圧着部32は、主走査方向に隣接させた状態でベース部材48に取り付けられている。案内軸49は、図4に示すように、綴じ機構ベース116における搬送方向の上流側において、主走査方向に設けられ複数の案内軸ブラケット49aにより保持されている。また、案内軸49は、図3に示すように、綴じ機構ベース116上において主走査方向に延設されている。また、案内レール115は、綴じ機構ベース116における搬送方向の下流側において主走査方向に亘って設けられている。案内レール115は、図4に示すように、ベース部材48の嵌合部48aと主走査方向に亘って嵌合する被嵌合部115aを備えている。つまり、ベース部材48は、案内軸49及び案内レール115によって、綴じ機構ベース116上において主走査方向に移動可能に保持される。
【0061】
端綴じ処理部移動モータ55は、端綴じ処理部25を移動させるための駆動力を発生させる。駆動力伝達機構551は、端綴じ処理部移動モータ55の駆動力を、プーリ551a、551bと、タイミングベルト551cと、ベース部材48とタイミングベルト551cを締結する締結部48bと、を介してベース部材408に伝達する。これにより、ベース部材408によって一体化された液体付与部31及び圧着部32は、案内軸49に沿って主走査方向に移動する。
【0062】
本実施形態に係る端綴じ処理部移動モータ55は、例えば、移動の度に原点位置(例えば、後述する待機位置HP)に端綴じ処理部25を戻さなくても、端綴じ処理部25を目標位置(後述する綴じ位置B1)に停止させることができるサーボモータである。
【0063】
また、後処理装置3は、端綴じ処理部25が待機位置HP(図13(A)参照)に到達したことを検知する待機位置センサ540(例えば、遮光型の光学センサである。図11参照。)と、端綴じ処理部移動モータ55の出力軸に取り付けられたエンコーダセンサ541(図11参照)と、を備えている。そして、後述する制御部100bは、待機位置センサ540の検知結果に基づいて、端綴じ処理部25が待機位置HPに到達したことを検知する。また、後述する制御部100bは、エンコーダセンサ541から出力されるパルス信号をカウントすることによって、待機位置HPから移動した端綴じ処理部25の現在位置を把握する。
【0064】
但し、端綴じ処理部25を待機位置HPに戻さずに目標位置に停止させる具体的な方法は、前述の例に限定されない。他の例として、後処理装置3は、予め定められた目標位置に端綴じ処理部25が到達したことを検知するセンサを備えてもよい。
【0065】
また、図3に示すように、圧着部32の構成品を保持する圧着フレーム32cは、その底面に駆動伝達ギヤ54aを備えた圧着部回転軸54が固定されている。圧着部回転軸54及び駆動伝達ギヤ54aは、圧着フレーム32cが設けられるベース部材48に正逆方向に回転可能に保持されている。また、駆動伝達ギヤ54aは、圧着部回動モータ56の出力ギヤ56aに噛み合っている。そして、圧着部32は、圧着部回動モータ56の駆動力が、出力ギヤ56a及び駆動伝達ギヤ54aを介して圧着部回転軸54に伝達されることによって、ベース部材48上において、圧着部回転軸54を中心として正逆方向に回転可能に構成されている。
【0066】
なお、端綴じ処理部25は、圧着部32と液体付与部31が一体的に構成された状態で案内軸49に沿って移動するような形態として説明したが、これに限定されるものではない。例えばく、圧着部32と液体付与部31が、それぞれ別個独立に移動する構成であってもよい。
【0067】
[端綴じ処理部25の変形例]
次に、図6図8を参照して、後処理装置3が備える端綴じ処理部25の変形例である端綴じ処理部25´について説明する。第一実施形態に係る端綴じ処理部25との違いは、液体付与部31と圧着部32が一体的に構成されている点である。なお、第一実施形態に係る端綴じ処理部25と共通の構成要素には同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略することがある。
【0068】
図6は、端綴じ処理部25´を搬送方向の上流側から見た模式図である。図7(A)は、液体付与圧着部310の斜視図である。図7(B)は、図7(A)のA-A矢視断面図である。図7(C)は、図7(A)の上圧着歯32aを下圧着歯32b側からみた平面図である。図8(A)~(C)は、液体付与圧着部310による液体付与動作及び圧着綴じ動作を示す図で、搬送方向の下流側から見た模式図である。
【0069】
図6に示すように、端綴じ処理部25´は、第一実施形態に係る端綴じ処理部25の液体付与部31と圧着部32(後処理部)とを一体的に構成した液体付与圧着部310を備える。液体付与圧着部310は、内部トレイ22より搬送方向の下流側に配置されている。
【0070】
液体付与圧着部310は、第一貯液タンク44に貯留された液体LQを内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbに付与する。液体付与圧着部310は、端綴じ処理部移動モータ55の駆動力が駆動力伝達機構551によりベース部材48伝達されることによって、主走査方向に移動可能に構成されている。液体付与圧着部310は、上押圧板34と、上圧着歯32aと、下圧着歯32bと、液体付与圧着部移動機構350と、液体供給機構360とを備える。液体付与圧着部310の各構成部品は、液体付与フレーム31a及びベース部材48により保持されている。又、液体付与フレーム31aは、その底面に駆動伝達ギヤ561a´を備えた液体付与圧着部回転軸561´が固定されている。液体付与圧着部回転軸561´及び駆動伝達ギヤ561a´は、液体付与フレーム31aが設けられるベース部材48に正逆方向に回転可能に保持されている。又、駆動伝達ギヤ561a´は、液体付与圧着部回動モータ56´の出力ギヤ56a´と噛み合っている。そして、液体付与圧着部310は、液体付与圧着部回動モータ56´の駆動力が、出力ギヤ56a´及び駆動伝達ギヤ561a´を介して液体付与圧着部回転軸561´に伝達されることによって、ベース部材48上において、液体付与圧着部回転軸561´を中心として正逆方向に回転可能に構成されている。
【0071】
液体付与圧着部移動機構350は、電動シリンダ370によって、上押圧板34、ベースプレート40、及び上圧着歯32aを用紙P又は用紙束Pbの厚み方向に連動して移動させる。ベースプレート40は、保持部46aを介して上圧着歯保持部材32a1及び上圧着歯32aを保持する。また、ベースプレート40は、柱状部材41a、41bを介して上押圧板34を移動可能に保持している。そして、ベースプレート40は、連結部材401を介して電動シリンダ370のロッド371の先端に取り付けられている。
【0072】
柱状部材41a、41bは、下端で上押圧板34を保持している。また、コイルバネ42a、42bは、ベースプレート40と上押圧板34との間において、柱状部材41a、41bに外挿されている。そして、コイルバネ42a、42bは、上押圧板34及び柱状部材41a、41bを、ベースプレート40から離間する方向に向かって付勢する。
【0073】
液体供給機構360は、第一貯液タンク44と、液体供給ポンプ431と、第一液体供給経路45´を備える。液体供給ポンプ431は、第一液体供給経路45´を介して図7(A)に示すように上圧着歯保持部材32a1に設けられた液溜まり部320に液体LQを供給する。第一液体供給経路45´は、基端が液体供給ポンプ431に接続され、先端部が液溜まり部320に接続されており、長尺かつ伸縮性のある部材で構成させる。
【0074】
上圧着歯32aは、図7(B)に示すように、上圧着歯保持部材32a1に一体的に設けられている。そして、上圧着歯保持部材32a1は、液溜まり部320と、液溜まり部320に溜められた液体LQを上圧着歯32aに供給する液体供給路321を備えている。また、上圧着歯32aの表面は、親水処理が施されており、液体供給路321から供給された液体LQが上圧着歯32aの表面に均一に行き渡るようになっている。一方、上圧着歯保持部材32a1の上圧着歯32a以外の部分は、疎水処理が施されており、液体LQが上圧着歯32aの表面に効率的に行き渡るようになっている。
【0075】
下圧着歯32bは、図6に示すように、液体付与フレーム31aの一部である下圧着歯保持部材32b1に一体的に設けられていると共に、下圧着歯保持部材32b1を介してベース部材48上に取り付けられている。
【0076】
次に、図8を用いて液体付与圧着部310による液体付与動作及び圧着綴じ動作について説明する。用紙Pが内部トレイ22に供給される過程では、図8(A)に示すよう、上圧着歯32aと下圧着歯32bは離間している。そして、用紙Pが内部トレイ22に載置されると、電動シリンダ370を収縮させて上圧着歯32a及び上押圧板34を用紙Pに向かって移動させる。すると、図8(B)に示すよう、上押圧板34が最初に用紙Pに当接し、その後、上圧着歯32aが上押圧板34の貫通口34aを通過して用紙Pに当接する。このとき、上圧着歯32aの表面には液体LQが行き渡っているため、上圧着歯32aを用紙Pに当接させることにより用紙Pの液体付与位置に液体が付与される。そして、液体付与位置への液体付与が完了すると、電動シリンダ370を伸長させて上圧着歯32a及び上押圧板34を用紙Pから離間する。以上説明した上圧着歯32a及び上押圧板34の用紙Pに対する接離動作(液体付与動作)を、用紙束Pbを構成する用紙Pに対して繰り返し実行する。
【0077】
その後、内部トレイ22に規定枚数の用紙Pから構成された用紙束Pbが載置されたら、電動シリンダ370を更に収縮させて上圧着歯32aを下圧着歯32bに向かって移動させる。すると、図8(C)に示すように、上圧着歯32aと下圧着歯32bとの間に用紙束Pbが挟まれた状態で、上圧着歯32aが下圧着歯32bに向かって更に移動することになり、上圧着歯32a及び下圧着歯32bにより用紙束Pbを加圧して変形させることで用紙束Pbを圧着綴じする(圧着綴じ動作)。
【0078】
[針綴じ処理部155の説明]
次に、針綴じ処理を実行する機能を備える針綴じ処理部155の詳細について説明する。図9は、針綴じ処理部155を搬送方向の上流側から見た模式図である。針綴じ処理部155は、綴じ針を用いて用紙束Pbを綴じる針綴じ部62を備える。針綴じ部62は、内部トレイ22より搬送方向の下流側において、端綴じ処理部25に対して主走査方向に離間して配置されている。
【0079】
後処理部としての針綴じ部62は、綴じ針を用いて用紙束Pbを綴じる、いわゆる「針綴じ処理」を行う構成を備えている。より詳細には、針綴じ部62は、針綴じ機62aを駆動する針綴じ機駆動モータ62d(図11参照)を備えている。そして、針綴じ機62aは、針綴じ機駆動モータ62dの駆動力により針綴じ機62aに装填された綴じ針を、用紙束Pbに貫通させることによって用紙束Pbを綴じる。針綴じ部62の構成は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0080】
また、図9に示すように、針綴じ処理部155は、針綴じ処理部移動機構77を備える。針綴じ処理部移動機構77は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの搬送方向の下流側の端部に沿って、針綴じ処理部155を主走査方向に移動させる。針綴じ処理部移動機構77は、例えば、ベース部材78と、案内軸49と、針綴じ処理部移動モータ80と、駆動力伝達機構81とを備える。駆動力伝達機構81は、針綴じ処理部移動モータ80の駆動力を、プーリ81a、81bと、タイミングベルト81cと、ベース部材78とタイミングベルト81cを締結する締結部78aと、を介してベース部材78に伝達する。さらに、針綴じ部62の構成品を保持する針綴じフレーム62bは、その底面に駆動伝達ギヤ83aを備えた針綴じ部回転軸83が固定されている。
【0081】
針綴じ部回転軸83及び駆動伝達ギヤ83aは、針綴じフレーム62bが設けられるベース部材78に正逆方向に回転可能に保持されている。また、駆動伝達ギヤ83aは、針綴じ部回動モータ82の出力ギヤ82aと噛み合っている。そして、針綴じ部62は、針綴じ部回動モータ82の駆動力が、出力ギヤ82a及び駆動伝達ギヤ83aを介して針綴じ部回転軸83に伝達されることによって、ベース部材78上において、針綴じ部回転軸83を中心として正逆方向に回転可能に構成されている。
【0082】
なお、端綴じ処理部25及び針綴じ処理部155は、共通の案内軸49に支持されている。すなわち、端綴じ処理部移動機構57及び針綴じ処理部移動機構77は、共通の案内軸49に沿って端綴じ処理部25及び針綴じ処理部155を主走査方向に移動させる。さらに、端綴じ処理部移動機構57及び針綴じ処理部移動機構77は、端綴じ処理部25及び針綴じ処理部155を独立して移動することができる。
【0083】
図10は、針綴じ処理部155の変形例としての針綴じ処理部155´を示したものであり、針綴じ処理部155´を搬送方向の上流側から見た模式図である。針綴じ処理部155´は、針綴じ部62だけではなく、第二液体付与部612を備えている点で針綴じ処理部155と相違する。図10に示すように、針綴じ処理部155´は、第二液体付与部612と、針綴じ部62とを備える。第二液体付与部612及び針綴じ部62は、内部トレイ22より搬送方向の下流側において、主走査方向に隣接して配置されている。
【0084】
第二液体付与部612は、第三貯液タンク73に貯留された液体を、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbに付与する液体付与を実行する。第二液体付与部612によって用紙P又は用紙束Pbに液体付与が行われる位置を含む所定の領域は、針綴じ部62が針綴じを行なう予定である綴じ位置に相当する。図10に示すように、第二液体付与部612は、第二下押圧板63と、第二上押圧板64と、第二液体付与部移動機構65と、第二液体付与機構66とを備える。第二液体付与部移動機構65は、例えば、第二液体付与部移動モータ67と、第二台形ネジ68と、第二ナット69と、第二ベースプレート70と、第二柱状部材711a、711bと、第二コイルバネ721a、721bとを備える。
【0085】
第二液体付与機構66は、第三貯液タンク73と、第二液体付与部材74と、第二液体供給部材75と、第二ジョイント76とを備える。第二液体付与機構66の構成は、図3及び図4で説明した液体付与部31の液体付与機構(第一貯液タンク44、液体供給部材50、液体付与部材501、保持部37)と共通するので、再度の説明は省略する。また、針綴じ部62の構成は、図9と同様なので詳細な説明は省略する。また、第二液体付与部612の回動機構(液体付与部回動モータ563、出力ギヤ563a、駆動伝達ギヤ562a、液体付与部回転軸562)は、図3に示した液体付与部31の回動機構と共通するので再度の説明は省略する。
【0086】
図10で示した針綴じ処理部155´のように、針綴じ処理においても、用紙Pに液体付与を行うことで、綴じ位置をほぐして柔らかくし、綴じ針を貫通しやすくすることができる。これによって、液体付与をせずに針綴じ処理を施す場合と比較すると、用紙束Pbの一束当たりの綴じ枚数を増やすことができる。
【0087】
[後処理装置3の制御ブロック]
次に、後処理装置3の制御ブロック構成について、図11を用いて説明する。図11は、後処理装置3における制御処理を実行するためのハードウェア構成図である。図11に示すように、後処理装置3は、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、I/F105とが共通バス109を介して接続されている構成を備える。
【0088】
CPU101は演算手段であり、後処理装置3全体の動作を制御する。RAM102は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU101が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM103は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD104は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
【0089】
後処理装置3は、ROM103に格納された制御プログラム、HDD104などの記憶媒体からRAM102にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU101が備える演算機能によって処理する。その処理によって、後処理装置3の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、後処理装置3に搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、後処理装置3の機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、CPU101と、RAM102と、ROM103と、HDD104と、I/F105とは、後処理装置3の動作を制御する制御部100b(制御手段)を構成する。
【0090】
I/F105は、搬送ローラ対10、11、14、15と、切替爪20と、サイドフェンス24L、24Rと、接離モータ32dと、圧着部回動モータ56と、液体付与部移動モータ42と、液体付与部回動モータ563と、端綴じ処理部移動モータ55と、針綴じ機駆動モータ62dと、針綴じ部回動モータ82と、針綴じ処理部移動モータ80と、液体供給ポンプ46と、移動センサ40aと、第一液位センサ43と、第二液位センサ52と、セット検知センサ51と、待機位置センサ540と、エンコーダセンサ541と、操作パネル110と、を共通バス109に接続するインタフェースである。
【0091】
制御部100bは、I/F105を通じて、搬送ローラ対10、11、14、15と、切替爪20と、サイドフェンス24L、24Rと、接離モータ32dと、圧着部回動モータ56と、液体付与部移動モータ42と、液体付与部回動モータ563と、端綴じ処理部移動モータ55と、針綴じ機駆動モータ62dと、針綴じ部回動モータ82と、針綴じ処理部移動モータ80と、液体供給ポンプ46の動作を制御する。また、制御部100bは、移動センサ40aと、第一液位センサ43と、第二液位センサ52と、セット検知センサ51と、待機位置センサ540と、エンコーダセンサ541の検知結果を取得する。
【0092】
なお、図11には端綴じ処理を実行する端綴じ処理部25及び針綴じ処理部155に関する構成部品を図示しているが、中綴じ処理を実行する中綴じ処理部28に関する構成部品も同様に制御部100bによって制御される。
【0093】
図1に示すように、画像形成装置2は、操作パネル110を備えている。操作パネル110は、ユーザからの入力操作を受け付ける操作部と、ユーザに情報を報知するディスプレイ(報知部)とを備える。操作部は、例えば、ハードキー、ディスプレイに重畳されたタッチパネル等を含む。そして、操作パネル110は、操作部を通じてユーザから情報を取得し、ディスプレイを通じてユーザに情報を提供する。なお、報知部の具体例はディスプレイに限定されず、LEDランプやスピーカ等でもよい。また、後処理装置3に上記と同様の操作パネル110を備えるようにしてもよい。
【0094】
以上説明をしたとおり、後処理装置3は、制御部100bが備えるハードウェア資源を用いて、CPU101が実行するソフトウェア(制御プログラム)によって、液体付与に関連する動作制御を行う機能を実現する。
【0095】
なお、後処理装置3が実行する液体付与は、針綴じ処理部155には針綴じ部62のみを備える形態とし、液体付与は端綴じ処理部25が備える液体付与部31を利用する形態でもよい。また、逆に、端綴じ処理部25には圧着部32のみを備える形態とし、液体付与は第二液体付与部612を利用する形態でもよい。すなわち、綴じ処理の種類に関わらず、液体付与部31、あるいは第二液体付与部612どちらか一方のみが液体付与を行うように構成されていてもよい。
【0096】
また、針綴じ処理部155´は、針綴じ部62と第二液体付与部612が一体的に構成された状態で案内軸49に沿って移動するような形態として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、針綴じ部62と第二液体付与部612が、それぞれ別個独立に移動する構成であってもよい。
【0097】
[綴じ処理の説明]
次に、後処理装置3が備える端綴じ処理部25において実行される綴じ処理の流れについて説明する。図12は、一箇所綴じ処理を実行する際のフローチャートである。図13は、一箇所綴じ処理の実行中における端綴じ処理部25(液体付与部31及び圧着部32)の位置の遷移を示す図である。なお、図13では、液体付与部31及び圧着部32の姿勢の変化については図示を省略している。また、液体付与部31によって用紙P又は用紙束Pbに液体付与が行われる位置(液体付与位置)は、圧着部32が用紙束Pbに対して圧着綴じを行う予定である綴じ位置に相当する。よって、以下において液体付与位置と綴じ位置には同一符号(B1)を付して説明する。
【0098】
制御部100bは、例えば、画像形成装置2から綴じ処理の実行指示(以下、「綴じ処理指示」と表記する。)を取得したタイミングで、図9に示す綴じ処理を開始する。
【0099】
綴じ処理指示は、例えば、用紙Pの種類(素材や厚みなど液体の広がりに影響を与える情報)と、用紙束Pbを構成する用紙Pの枚数(以下、「所定枚数N」と表記する。)と、綴じ処理を施すべき用紙束Pbの部数(以下、「必要部数M」と表記する。)と、用紙束Pbの綴じ位置と、端綴じ処理部25の綴じ姿勢とを含む。また、液体付与部31及び圧着部32は、図13(A)に示すように、綴じ処理の開始時点において、平行綴じ姿勢で、且つ内部トレイ22に載置された用紙Pから幅方向に外れた位置である待機位置HPに位置しているものとする。
【0100】
まず、綴じ処理指示で指示された姿勢が「斜め綴じ姿勢」である場合は、制御部100bは、液体付与部回動モータ563及び圧着部回動モータ56を駆動して、端綴じ処理部25を構成する液体付与部31及び圧着部32を斜め綴じ姿勢に回転させる(S701)。なお、「斜め綴じ姿勢」である場合には、圧着部32のみを斜め綴じ姿勢に回転させ、液体付与部31は回転させないようにしてもよい。これにより、液体付与部31及び圧着部32を共に正逆方向に回転させる場合に比べて駆動機構を簡素化することができるので、コストダウン、装置の小型化、及び機器の故障の低減という効果を奏する。
【0101】
一方、綴じ処理指示で指示された姿勢が「平行綴じ姿勢」である場合は、制御部100bは、上述した端綴じ処理部25を構成する液体付与部31及び圧着部32を斜め綴じ姿勢に回転させる動作を省略する。
【0102】
制御部100bは、端綴じ処理部移動モータ55を駆動して、綴じ処理指示で指示された液体付与位置B1に液体付与部31が対面するように、端綴じ処理部25を主走査方向に移動させる(S701)。なお、制御部100bは、搬送ローラ対10、11、14、15によって最初の用紙Pが内部トレイ22に搬送される前に、ステップS701の処理を実行する。
【0103】
次に、制御部100bは、搬送ローラ対10、11、14、15を回転させることによって、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pを内部トレイ22に収容する(S702)。また、制御部100bは、サイドフェンス24L、24Rを移動させることによって、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの主走査方向の位置を揃える、いわゆるジョギング処理を実行する(S702)。
【0104】
次に、制御部100bは、直前のステップS702で内部トレイ22に載置された用紙Pの液体付与位置B1に対して、事前に調整された液体付与制御データに基づいて、液体付与位置B1に対面する液体付与部31に液体付与を実行させる(S703)。すなわち、制御部100bは、液体付与部移動モータ42を駆動して、内部トレイ22に載置された用紙Pの液体付与位置B1に液体付与部材501を接触させる(図13(B)参照)。ステップS703における液体付与処理において、制御部100bは、綴じ処理指示に含まれる用紙Pの種類や、綴じ位置に応じて、液体付与部材501が用紙Pに対して液体を付与する位置を調整する。また、制御部100bは、液体付与部材501を用紙Pに押圧する量を調整する。すなわち、制御部100bは、調整された制御データに基づいて、液体付与部移動モータ42の駆動を制御して、内部トレイ22に載置された用紙Pの液体付与位置B1に対する液体付与部材501の移動量を調整する。
【0105】
次に、制御部100bは、内部トレイ22に載置された用紙Pの枚数が、綴じ処理指示で指示された所定枚数Nに達したか否かを判定する(S704)。そして、制御部100bは、内部トレイ22に載置された用紙Pの枚数が所定枚数Nに達していないと判定した場合に(S704:No)、内部トレイ22に載置された用紙Pの枚数が所定枚数Nに達するまで(S704:Yes)、ステップS702~S704の処理を繰り返し実行する。すなわち、制御部100bは、搬送ローラ対10、11、14、15によって内部トレイ22に用紙Pが搬送される度に、ステップS702~S704の処理を実行する。なお、液体付与部31による液体付与は、用紙束Pbを構成する複数の用紙Pの全てに対して行われる場合だけではなく、一部の用紙Pのみに対して行われてもよい。
【0106】
そして、制御部100bは、内部トレイ22に載置された用紙Pの枚数が所定枚数Nに達したと判定した場合に(S704:Yes)、図13(C)に示すように、端綴じ処理部移動モータ55を駆動して、圧着部32が綴じ位置B1に対面するように、端綴じ処理部25を主走査方向に移動させる(S705)。
【0107】
次に、制御部100bは、圧着部32に、内部トレイ22に載置された用紙束Pbに対して圧着綴じを実行させる(S706)。そして、制御部100bは、搬送ローラ対15に、圧着部32により圧着綴じされた用紙束Pbを排出トレイ26に排出させる(S707)。すなわち、制御部100bは、接離モータ32dを駆動して、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの綴じ位置B1を、上圧着歯32a及び下圧着歯32bに挟持させる。これにより、上圧着歯32a及び下圧着歯32bの間で用紙束Pbを加圧変形させ圧着綴じを行う。その後、制御部100bは、搬送ローラ対15を回転させることによって、圧着綴じされた用紙束Pbを排出トレイ26に排出する。
【0108】
なお、内部トレイ22に載置された用紙束Pb上において、ステップS706で上圧着歯32a及び下圧着歯32bが挟持する圧着領域(綴じ位置B1に相当)は、ステップS703で液体付与部材501の先端部が接触した液体付与領域(液体付与位置B1に相当)に重なる。換言すれば、圧着部32は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbにおいて、液体付与部31によって液体が付与された領域を圧着綴じする。なお、上圧着歯32a及び下圧着歯32bが挟持する圧着領域は、液体付与部材501の先端部が接触した液体付与領域に完全に重なっている必要はなく、部分的に重なっている場合でも十分な綴じ強度を得ることができる。
【0109】
次に、制御部100bは、排出トレイ26に排出された用紙束Pbの部数が、綴じ処理指示で示された必要部数Mに達したか否かを判定する(S708)。制御部100bは、排出された用紙束Pbの部数が必要部数Mに達していないと判定した場合(S708:No)、ステップS702以降の処理を再び実行する。すなわち、制御部100bは、排出トレイ26に排出された用紙束Pbの部数が必要部数Mに達するまで(S708:Yes)、ステップS702~S708の処理を繰り返し実行する。
【0110】
一方、制御部100bは、排出トレイ26に排出された用紙束Pbの部数が、必要部数Mに達したと判定した場合(S708:Yes)、端綴じ処理部移動モータ55を駆動して、図13(A)に示すように端綴じ処理部25(液体付与部31及び圧着部32)を待機位置HPに移動させる(S709)。また、綴じ処理指示で指示された姿勢が「斜め綴じ姿勢」である場合に、制御部100bは、液体付与部回動モータ563及び圧着部回動モータ56を駆動して、液体付与部31及び圧着部32を平行綴じ姿勢に回転させる(S709)。一方、綴じ処理指示で指示された姿勢が「平行綴じ姿勢」である場合は、液体付与部31及び圧着部32を平行綴じ姿勢へ回転させる動作は省略される。これにより、端綴じ処理部25(液体付与部31及び圧着部32)が図13(A)の待機位置HPに戻る。なお、ステップS701、S709において、液体付与部31及び圧着部32を、主走査方向に移動させる動作と、正逆方向に回転させる動作の実行順序は、前述の順序に限定されず、前述の順序と逆の順序であってもよい。
【0111】
[第二貯液タンク47の詳細]
次に、後処理装置3における第二貯液タンク47の配置及び構成について図14及び図15を用いて説明する。図14はメインタンクとしての第二貯液タンク47の配置及び構成例である。図14(A)は、後処理装置3の開閉カバー71を開放した状態を例示している。図14(B)は、後処理装置3を側面から見た断面図であって、後処理装置3の開閉カバー71を閉じた状態を例示している。図14(A)に示すように、第二貯液タンク47は後処理装置3の開閉カバー71を開けるとアクセスできる位置に設置されている。また、図14(B)に示すように、第二貯液タンク47及び第二貯液タンク固定部61は、後処理装置3の奥行き方向(X方向)における手前側に配置されている。また、第一貯液タンク44等は、後処理装置3の奥行き方向(X方向)における奥側に配置されている。そして、第二貯液タンク47及び第二貯液タンク固定部61の配置位置と、第一貯液タンク44等の配置位置の間には、後処理装置3の本体側板72が設けられている。第二貯液タンク固定部61は、後処理装置3の本体側板72に取り付けられている。
【0112】
図15は、第二貯液タンク47が第二貯液タンク固定部61に対して着脱自在である様子と、第二貯液タンク47に対する液体を補充する様子を例示している。図15(A)に示すように、第二貯液タンク47は、第一貯液タンク44に液体を補充できるようにするために着脱可能に構成されている。そして、図15(B)に示すように、第二貯液タンク固定部61には、第二貯液タンク固定部61に第二貯液タンク47がセットされたことを検知するセット検知センサ51(セット検知手段)が設けられている。
【0113】
このセット検知センサ51が、第二貯液タンク47の第二貯液タンク固定部61へのセット状態(図15(C)参照)を検知すると、それを知らせる信号が制御部100bに通知される。これによって、制御部100bは、第二貯液タンク47が第二貯液タンク固定部61にセットされているか否かを検知できるように構成されている。
【0114】
また、第二貯液タンク固定部61には、貯められる液体Lの量を検出するための第二液位センサ52(第二液体検知手段)が設けられている。第二液位センサ52の出力値(電圧)は、制御部100bに通知される。そして、制御部100bは、第二液位センサ52の出力値(電圧)を判定することで、第二貯液タンク固定部61の貯液量が必要な液量であるかどうかを判定する。そして、制御部100bは、セット検知センサ51の出力信号によって、第二貯液タンク47がセット状態にあると判定したときに、第二液位センサ52を通電ONにして第二貯液タンク固定部61内の液体の有無(液位)を検知可能な状態にする。
【0115】
また、第二貯液タンク47は、第二貯液タンク固定部61にセットされていない状態(未セット状態)では、給液弁471により出口が塞がれて液体が漏れない構造になっている。そして、図15(C)に示すように、第二貯液タンク47を第二貯液タンク固定部61にセットすると給液弁471が押し上げられて、第二貯液タンク47の液体排出口471aが開放されるので、液体が第二貯液タンク47から第二貯液タンク固定部61に流れ出る状態になる。その結果、第二貯液タンク47に貯留されている液体が第二貯液タンク固定部61に流れ出る状態になる。第二貯液タンク47から流れ出た液体は、第二貯液タンク固定部61に貯まるようになっている。
【0116】
なお、後処理装置3のメンテナンス時や液体の凍結を防止するための対策として、後処理装置3内の液体を抜き取る「液抜き処理」を行う場合がある。液抜き処理では、第一貯液タンク44及び液体供給経路45に残っている液体を、液体供給ポンプ46により液体供給経路45を介して第二貯液タンク固定部61まで逆方向に給送する。そのため第二貯液タンク固定部61は、第一貯液タンク44及び液体供給経路45内の液体を貯められる容量に設定する。また第二貯液タンク固定部61には液抜き栓611が設けられている。液体供給ポンプ46により、第一貯液タンク44及び液体供給経路45に残っている液体が第二貯液タンク固定部61まで逆方向に給送された後、液抜き栓611を開放することで第二貯液タンク固定部61に貯まった液体を後処理装置3の内部から排出することができるようになっている。
【0117】
[液体供給構成の第一実施形態]
次に、後処理装置3が備える端綴じ処理部25及び針綴じ処理部155において液体付与に用いられる構成と、これらに液体を供給する構成の全体像を説明する。図16及び図17は、図3において説明をした端綴じ処理部25の周辺構造も含めた図である。
【0118】
すでに説明したとおり、液体付与部31は圧着部32に併設されている。なお、第二液体付与部612も針綴じ部62に併設している。これら綴じ部と併設している液体付与部は、いずれも、用紙Pに対して液体付与をして綴じ処理を行うときには、端綴じ処理部移動機構57により用紙Pの幅方向において移動可能に構成されている。すなわち、液体付与において用紙Pに対して綴じ処理部及び液体付与部が移動する方向は、用紙Pの幅方向である。言い換えると、綴じ部と併設している液体付与部の移動方向は、用紙Pの搬送方向の直交方向であって、この方向を往復移動方向とする。
【0119】
より詳しくは、圧着部32及び液体付与部31は、すでに説明したとおり、ベース部材48に取り付けられている。圧着部32及び液体付与部31は、端綴じ処理部移動モータ55と、端綴じ処理部移動モータ55の駆動力をベース部材48に伝達する駆動力伝達機構551(プーリ551a、551b及びタイミングベルト551c)により、案内軸49に沿って主走査方向に移動可能な構成になっている。この案内軸49に沿う方向(主走査方向)が、本実施形態に係る往復移動方向に相当する。
【0120】
案内軸49は、複数の案内軸ブラケット49aにより綴じ機構ベース116に設けられている。綴じ機構ベース116は、後処理装置3の本体前側板711と本体後側板712の間を渡すように設けられている部材である。そして、案内軸49は、綴じ機構ベース116に固定されている範囲で、液体付与部31及び圧着部32を往復移動可能な状態で支持している。
【0121】
液体付与部31には液体付与処理のための液体を貯めておく第一貯液タンク44が、液体付与部材501の近傍に設けられている。また、例えば本体前側板711に液体補給部90が設けられている。液体補給部90に含まれている第二貯液タンク47は、後処理装置3の開閉カバー71を開けるとユーザがアクセス可能な状態になるので、液体を補充するときは、取り外すことができる。第二貯液タンク47に液体を補充した後、第二貯液タンク47を第二貯液タンク固定部61にセットすることで、第二貯液タンク47の液体が、第二貯液タンク固定部61に一定量充填される。第二貯液タンク固定部61には第二液位センサ52(図17参照)が設けられており、液体が設定量以下になると検知できる仕組みになっている。
【0122】
図17は、端綴じ処理部25の周辺構造も含めた図の拡大図である。図17に示すように、本体前側板711に固定されている液体補給部90には、液体供給ポンプ46が含まれている。液体供給ポンプ46は、本体前側板711に固定されている。
【0123】
液体供給ポンプ46はチューブ式定量送液ポンプであって、ポンプモータ461が回転すると液体供給経路45の一部を構成する第二シリコンチューブ452に接触しているシュー462が回転するように構成されている。このシュー462が第二シリコンチューブ452を圧縮する位置が順次移動することで、第二貯液タンク固定部61の貯留されている液体が液体供給経路45内(第二シリコンチューブ452内)に流入する空気または液体をシュー462の回転方向に送る。
【0124】
チューブ式定量送液ポンプでは、シュー462の回転量と送液量が一定であるため、定量送液が可能であり、また、弁構造が不要となる。なお、本実施形態では、液体供給ポンプ46に、チューブ式定量送液ポンプを採用しているが、送液が可能であればこれに限定されるものではない。例えば、プロペラポンプやスクリューポンプ、蠕動ポンプであってもよい。
【0125】
次に、液体供給経路45の構成についてより詳細に説明する。液体供給経路45は、断面が中空で円筒状の円筒チューブとしての第一シリコンチューブ451、同じく断面が中空で円筒状の円筒チューブであって伸縮性部材としての弾性部材からなる伸縮チューブ453、断面が中空で円筒状の円筒チューブとしての第二シリコンチューブ452及び、これらと液体補給部90や液体付与部31とを接続する二個以上の供給結合部454を含んで構成される。
【0126】
なお、本実施形態では、第二貯液タンク47から第一貯液タンク44へと液体を供給する液体供給路としての液体供給経路45を、チューブや継ぎ手により構成したものを例示している。しかし、液体供給経路45の構成は、これに限定するものではなく、液体供給路としての機能を発揮し得る構成であればよい。例えば、液体を漏らさず送液が可能であれば、素材や連結方法を限定せず、各部品に内蔵されている連結方法を用いてもよい。
【0127】
第二貯液タンク固定部61と第二シリコンチューブ452は第一供給結合部4541によって連結されていて、第二シリコンチューブ452が液体供給ポンプ46内を通過するように配置されている。
【0128】
伸縮チューブ453は、液体供給ポンプ46の出口に接続している第二シリコンチューブ452と第二供給結合部4542によって連結されていて、綴じ機構ベース116の開口部から侵入して、液体付与部31の移動方向に沿うように配置されている。
【0129】
また、伸縮チューブ453は、第一シリコンチューブ451と第三供給結合部4543によって連結されていて、第二シリコンチューブ452と第二供給結合部4542によって連結されている。伸縮チューブ453は、第三供給結合部4543と第二供給結合部4542に端部を固定された状態で、液体付与部31の往復移動方向において伸縮自在に配置されている。
【0130】
第一シリコンチューブ451は、移動部205の下側などを通過して、液体付与部31の後処理装置3の前方側から第四供給結合部4544によって第一貯液タンク44に連結される。この第二貯液タンク47から第一貯液タンク44までの液体供給経路を伝って、空気や液体が送り出されることにより第一貯液タンク44に液体を送液できる。
【0131】
[液体供給構成の第二実施形態]
次に、後処理装置3が備える端綴じ処理部25及び針綴じ処理部155において液体付与に用いられる構成と、これらに液体を供給する構成の第二実施形態を説明する。図18は、すでに説明をした第一実施形態とは伸縮給液部材が異なる。すなわち、第一実施形態において伸縮チューブ453を用いた部分において、代わりに、伸縮性部材として、螺旋状に巻かれた弾性部材からなるコイルチューブ455を採用した場合の構成である。
【0132】
すでに説明したとおり、液体供給経路45は、第一貯液タンク44と第二貯液タンク47とを接続する液体供給経路を構成している。本実施形態では、液体供給経路としての液体供給経路45を、コイルチューブ455と、液体供給ポンプ46と、断面が中空の円筒形状の第一シリコンチューブ451、第二シリコンチューブ452を用いて構成している。
【0133】
第一シリコンチューブ451は、一端が第四供給結合部4544によって第一貯液タンク44に連結され、他端が第三供給結合部4543によってコイルチューブ455に連結されている。第二シリコンチューブ452は、一端が第二供給結合部4542によってコイルチューブ455に連結され、他端が第一供給結合部4541によって第二貯液タンク47の出口部に連結されている。第二シリコンチューブ452には、液体供給ポンプ46が設置されている。
【0134】
液体供給ポンプ46が作動すると、第二貯液タンク47に貯められている液体が第二シリコンチューブ452内を介して、コイルチューブ455へと送液される。コイルチューブ455へ送液された液体は、コイルチューブ455内を進む。そして、第一シリコンチューブ451内を通って、第一貯液タンク44まで送液される。圧着部32や液体付与部31が案内軸49に沿って往復移動する際、コイルチューブ455のばね形状の部分が伸縮することにより、液体供給経路45が往復移動において追従可能となる。
【0135】
次に、コイルチューブ455を含む液体供給構成において、圧着部32と液体付与部31を後処理装置3の最も手前側に移動させた場合について、図19を用いて説明する。なお、「後処理装置3の最も手前側に移動させた場合」とは、後処理装置3の奥行き方向の一方に液体付与部31などを移動限界まで移動させた状態の例であって、後処理装置3の開閉カバー71に最も接近可能な位置に、液体付与部31を移動させた状態である。
【0136】
この場合、液体付与部31の移動によって、液体付与部31と第四供給結合部4544で連結されている第一シリコンチューブ451と、第一シリコンチューブ451と第三供給結合部4543で連結されているコイルチューブ455は、液体付与部31と同じ方向に追従して移動することになる。その結果、図19に例示するように、案内軸49に沿うように配置されているコイルチューブ455は、案内軸49の軸方向に縮むことになる。この縮んだ状態のコイルチューブ455の全長を「第一コイル長L1」とする。
【0137】
本実施形態では、第一コイル長L1は、コイルチューブ455の自然長(コイルチューブ455を縮ませたり伸ばしたりしない状態でのコイルチューブ455の長さ)よりも、長くなる状態になるように、液体付与部31の移動範囲を限定する。この限定によって、液体付与部31が、幅方向において移動しても、コイルチューブ455を含む液体供給経路としての液体供給経路45が撓むことを抑制でき、液体の供給を阻害する状態になることを防止できる。
【0138】
また、コイルチューブ455を含む液体供給経路において、また、後処理装置3が利用されていない状態において、液体付与部31の待機位置を図16に例示したような、液体付与部31の位置にすることが望ましい。すなわち、液体付与を実行しない状態のときに、液体付与部31の位置を、案内軸49に沿う方向において後処理装置3の奥行き方向の中間位置よりも液体補給部90側(後処理装置3の開閉カバー71側)にすればよい。このように、液体付与部31を移動しない状況において、特定の位置で待機させることで、コイルチューブ455にかかる外力を小さくすることができる。
【0139】
次に、コイルチューブ455を含む液体供給構成において、圧着部32と液体付与部31を後処理装置3の最も奥側に移動させた場合について、図20を用いて説明する。なお、「後処理装置3の最も奥側に移動させた場合」とは、後処理装置3の奥行き方向の他方に液体付与部31などを移動限界まで移動させた状態の例であって、後処理装置3の本体側板72に最も接近可能な位置に、液体付与部31が移動した状態である。
【0140】
この場合、液体付与部31の移動によって、液体付与部31と第四供給結合部4544で連結されている第一シリコンチューブ451と、第一シリコンチューブ451と第三供給結合部4543で連結されているコイルチューブ455は、液体付与部31と同じ方向に追従して移動することになる。その結果、図20に例示するように、案内軸49に沿うように配置されているコイルチューブ455は、案内軸49の軸方向に伸びることになる。この伸びた状態のコイルチューブ455の全長を「第二コイル長L2」とする。
【0141】
本実施形態では、第二コイル長L2が、第一コイル長L1(コイルチューブ455の自然長)の二倍以上の長さであり、かつ、コイルチューブ455が塑性変形しない長さになるように、液体付与部31の移動範囲を限定する。すなわち、液体付与部31の移動に追従してコイルチューブ455の長さが変化する範囲を、コイルチューブ455の自然長さよりも長い第一コイル長L1から、第一コイル長L1の二倍以上の長さである第二コイル長L2までの間に収まるように設定する。
【0142】
また、第二コイル長L2の条件(第一コイル長L1の二倍以上)を満たした上で、コイルチューブ455の巻き数を最低限にすることにより液体供給経路を短くすることができる。これによって、液体の供給時間の短縮や液体を補給するために必要となる液体容量を減らすことが可能となる。
【0143】
[液体供給構成の第三実施形態]
次に、後処理装置3が備える端綴じ処理部25及び針綴じ処理部155において液体付与に用いられる構成と、これらに液体を供給する構成の第三実施形態を説明する。図21に示すように本実施形態に係る後処理装置3は、すでに説明をした第一実施形態及び第二実施形態と伸縮給液部材が異なるものである。すなわち、本実施形態に係る後処理装置3では、液体供給経路45において、第一実施形態では伸縮チューブ453を用いた部分、第二実施形態ではコイルチューブ455を用いた部分に、チューブ部材を巻き取り保持するリール構造を備える巻取部481を用いる。
【0144】
すでに説明したとおり、液体供給経路45は、第二貯液タンク47から第一貯液タンク44へと液体を供給するための液体供給経路に相当する。本実施形態に係る液体供給経路としての液体供給経路45は、断面が中空の円筒形状の第一シリコンチューブ451と、巻取部481と、断面が中空の円筒形状の第二シリコンチューブ452と、液体供給ポンプ46と、を組み合わせて構成される。
【0145】
本実施形態に係る液体供給経路45では、第一シリコンチューブ451の一端が第四供給結合部4544によって第一貯液タンク44に連結されていて、他端が巻取部481に連結されている。そして、液体供給経路45を構成する第二シリコンチューブ452の一端が巻取部481のロータリージョイント481aに連結され、他端が第二貯液タンク47の出口部分である第一供給結合部4541に連結されている。そして、図21に示すように。第二シリコンチューブ452には、液体供給ポンプ46が設置されている。
【0146】
[巻取部481の詳細構成]
次に、図22乃至図25を用いて、巻取部481の詳細構成について説明する。図22は、巻取部481の平面図であって、第一シリコンチューブ451と第二シリコンチューブ452を、ロータリージョイント481aを介して接続する構造を例示している。図23は、巻取部481の縦断面図である。図24は、巻取部481が備えるロータリージョイント481aの縦断面図である。図25は、巻取部481が備えるコネクタ486の縦断面図(A)と平面図(B)である。
【0147】
図22及び図23に示すように、巻取部481は、チューブ押さえ482と巻取部蓋483によって形成される空間に、ゼンマイバネ484、第一シリコンチューブ451の一部、ロータリージョイント481a、中継シリコンチューブ485、コネクタ486、ゼンマイバネ押さえ部487を格納する構成となっている。
【0148】
ロータリージョイント481aは、図24に示すように、内部を液体が流動可能となるように管状部分を構成する固定部4811と回転部4812とを備える。回転部4812と固定部4811は、滑り軸受け部4813とボールベアリング4814を介して組付けられる。
【0149】
ロータリージョイント481aの固定部4811側には第二シリコンチューブ452が連結されている。そして、回転部4812側には中継シリコンチューブ485が連結されている。回転部4812と中継シリコンチューブ485は、チューブ押さえ482の周方向に360度回転可能となっている。
【0150】
そして、図25に示すように、中継シリコンチューブ485の他端に連結されるコネクタ486は、第二シリコンチューブ452から送られてきた液体を、第一シリコンチューブ451へと流す流路を構成する。そのため、ロータリージョイント481aと中継シリコンチューブ485を介して連結されている。なお、ロータリージョイント481aとコネクタ486の連結において、これらを直接的に連結可能な構成にするならば、中継シリコンチューブ485を用いる必要はなくなる。
【0151】
図21及び図22に示すように、第一シリコンチューブ451は、巻取部481の外壁を構成するチューブ押さえ482による円筒空間において、中心部から外側(円周側)に、同心円状に配置されている。そして、第一シリコンチューブ451の最外側に相当する部分が、チューブ押さえ482に設けられている開口部482aから、案内軸49に沿う方向に配設される。巻取部481から延設された第一シリコンチューブ451は、移動部205の下方の空間を通過して、液体付与部31の後処理装置3の前方側から第一貯液タンク44に連結される。
【0152】
また、巻き付けられた第一シリコンチューブ451の内側には弾性の高い素材で両端以外を同心円状に3周以上巻き付けたゼンマイバネ484がある。巻き付けられたゼンマイバネ484の中心側にある先端は、チューブ押さえ482の中心部にあるゼンマイバネ押さえ487部に通されて、先端が抜けることを防ぐため曲げ部が形成されている。
【0153】
ゼンマイバネ484の他端は図25(B)に示すように、コネクタ486の周囲を一周以上巻き付けたのちに、ゼンマイバネ結合部4861において、溶接又はネジ止めなどの固定をして組付ける。
【0154】
また、図23に例示するように、ロータリージョイント481aにゼンマイバネ484の端部を固定するゼンマイバネ押さえ部487は、その上面に円盤状の仕切り板487aを備えている。そして、仕切り板487aは、チューブ押さえ482と巻取部蓋483の内部の空間を上下に区切るような構成となっている。それによって、ゼンマイバネ484と中継シリコンチューブ485が干渉することを防ぐことできるようになっている。
【0155】
図22に図示した巻取部481の状態は、第一シリコンチューブ451に加わる、ゼンマイバネ484が元の形状に戻ろうとする力及び液体付与部31に連結するための反力が、釣り合った状態を例示している。
【0156】
また、コネクタ486は、ゼンマイバネ484の他端がゼンマイバネ結合部4861を介して接続されている。第一シリコンチューブ451又は第二シリコンチューブ452のいずれか一方又は両方が、巻取部481から引っ張り、コネクタ486は第一シリコンチューブ451の動きとともに、チューブ押さえ482の周方向に移動する。このとき、ゼンマイバネを弾性変形させる状態になる。
【0157】
図26は、後処理装置3の奥行き方向の一方に、巻取部481を用いて液体付与部31を移動限界まで移動させた状態の例であって、後処理装置3の開閉カバー71に最も接近可能な位置に、液体付与部31を移動させた場合の配置図を示している。巻取部481の内部のゼンマイバネ484には、巻かれていない状態に戻ろうとする力が働くため、液体付与部31の移動に連動してゼンマイバネ484はコネクタ486と共に反時計回りに回転する。
【0158】
そしてコネクタ486に連結されている第一シリコンチューブ451も反時計回りに回転し、第一シリコンチューブ451の案内軸49に沿って直線状に配線されている部分が同心円状に巻き取られて、図26(B)に例示する状態になる。これによって、液体付与部31の移動によって液体供給路としての第一シリコンチューブ451が、じゃばら状に折りたたまれたり、折れ曲がったりすることを防止できる。すなわち、液体の供給に支障が生ずる状態になることを防止できる。
【0159】
またロータリージョイント481aの固定部4811に連結された第二シリコンチューブ452に対して、コネクタ486に連結されている回転部4812がボールベアリング4814や滑り軸受け部4813によって360度の回転をすることができる。これによって、第二シリコンチューブ452に捻じれを防止でき、液体の供給に支障が生ずる状態になることを防止できる。
【0160】
図27は、後処理装置3の奥行き方向の他方に、巻取部481を用いて液体付与部31を移動限界まで移動させた状態の例であって、後処理装置3の本体側板72に最も接近可能な位置に、液体付与部31を移動させた場合の配置図を示している。液体付与部31を後処理装置3の最も奥側に移動したとき、第一シリコンチューブ451は液体付与部31に追従して動くため、案内軸49に沿って巻取部481から引き出される。図27(B)に示すように、巻取部481の内部では第一シリコンチューブ451が引き出されるため、第一シリコンチューブ451の同心円状に巻かれている部分と、コネクタ486が時計回りに回転する。
【0161】
そしてコネクタ486に連結されているゼンマイバネ484も時計回りに巻かれていくことで弾性エネルギーが蓄積される。またロータリージョイント481aの固定部4811に連結された第二シリコンチューブ452に対して、コネクタ486に連結されている回転部4812がボールベアリング4814や滑り軸受け部4813を用いて回転可能である。これによって、第二シリコンチューブ452に捻じれを防止でき、液体の供給に支障が生ずる状態になることを防止できる。
【0162】
液体付与部31が後処理装置3の最も奥側に移動した条件においては、第一シリコンチューブ451の同心円状に巻かれている部分は一周以上となるように第一シリコンチューブ451の長さを設定すればよい。
【0163】
以上説明をした実施形態によれば、後処理装置3において実行可能な綴じ処理と連携して液体付与処理を行う構成を備える場合、液体付与処理のために用紙Pの幅方向に移動するとき、液体供給構成に対する過度の物理的圧力が加わることで動作に支障が出ることを防止できる。より詳しくは、綴じ処理ユニットの往復動作に追従する液体供給路における過度の変形を回避可能な構成を採用することにより、液体供給を妨げることなく、また、ユニットの移動の障害にもならないようにできる。
【0164】
以上説明をした実施形態によれば、固定されている液体供給部と往復移動する液体付与ユニットを接続する供給経路部を、液体付与ユニットの往復移動の軸方向に沿って配置することで、液体経路部において液体の流れを妨げることなく供給経路部が液体付与ユニットの移動に追従させることができる。すなわち、供給経路部を、伸縮性を有する部材(弾性部材や螺旋状部材)、又は同心円状に巻き付けた部材に引張圧縮力が加わった際に引き出されて供給経路長を往復移動方向において延ばす部材を用いることで、液体付与ユニットの往復移動に追従する供給経路部を構成できる。
【0165】
また、上述の説明において、後処理装置3の制御部100bは、図1に示すように、画像形成装置2の制御部100aとは別個に設けられる形態について説明したが、このような形態に限定されない。例えば、図37(A)に示すように、後処理装置3の制御部100bを画像形成装置2側に設けてもよい。さらに、図37(B)に示すように、後処理装置3の制御部100bを画像形成装置2の制御部100aと一体的に構成してもよい。
【0166】
また、図38(A)に示すように、後処理装置3の制御部100bを機能別に制御部100b1(例えば駆動部系(モータ等))と制御部100b2(検知部系(センサー等))に分割し、一方の後処理装置3の制御部100b2のみを画像形成装置2側に設けてもよい。さらに、図38(B)に示すように、画像形成装置2側に設けられた後処理装置3の制御部100b2を画像形成装置2の制御部100aと一体的に構成してもよい。
【0167】
[後処理装置3の第二実施形態]
次に、図28図36を参照して、第二実施形態に係る後処理装置3Aを説明する。なお、第一実施形態に係る後処理装置3と共通の構成要素には同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略することがある。
【0168】
第二実施形態に係る後処理装置3Aの端綴じ処理部251は、液体付与部31と圧着部32が併設された第一実施形態に係る後処理装置3の端綴じ処理部25とは異なり、圧着部32´のみを備え、液体付与部131を搬送路の上流側に設けている。これにより、液体付与処理後に所定枚数の用紙Pをプレスタックして、下流側に設けられた端綴じ処理部251の圧着部32´へ搬送することができるので、圧着部32´での綴じ処理の生産性を向上させることが可能となる。
【0169】
また、搬送ローラ対10、11、14が用紙Pを搬送する方向は、上述で定義した「搬送方向」とは、逆方向であるため、「逆搬送方向」と定義する。また、逆搬送方向及び用紙Pの厚み方向に直交する方向を、「主走査方向(用紙Pの幅方向)」と定義する。
【0170】
また、液体付与部131によって用紙P又は用紙束Pbに液体付与が行われる位置(液体付与位置)は、圧着部32´が用紙束Pbに対して圧着綴じを行う予定である綴じ位置に相当る。よって、以下において液体付与位置と綴じ位置には同一符号(B1)を付して説明する。
【0171】
図28は、第二実施形態に係る後処理装置3Aの内部構造を示す図である。端綴じ処理部251は、図29に示すように、圧着部32´のみを備えている。図29に示すように、圧着部32´及び針綴じ処理部156は、内部トレイ22より搬送方向の下流側に配置されている。また、圧着部32´及び針綴じ処理部156は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの搬送方向の下流側の端部に対面し得る位置において、主走査方向に移動可能に構成されている。
【0172】
さらに、圧着部32´及び針綴じ処理部156は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの厚み方向に延びる圧着部回転軸340、及び針綴じ部回転軸84を中心に正逆方向に回転可能に構成されている。すなわち、圧着部32´及び針綴じ処理部156は、コーナー斜め綴じ、平行一箇所綴じ、平行二箇所綴じなどのように、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの主走査方向の任意の位置を、任意の角度で綴じることができる。
【0173】
また、圧着部32´は、凹凸状の上圧着歯32a及び下圧着歯32bで用紙束Pbを加圧変形させることによって、用紙束Pbを綴じる(以下、「圧着綴じ」と表記する。)。一方、針綴じ処理部156は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの綴じ位置に綴じ針を貫通させることによって、当該用紙束Pbを針綴じすることができる。
【0174】
図29は、内部トレイ22を用紙束Pbの厚み方向から見た模式図である。図30は、圧着部32´を搬送方向の下流側から見た模式図である。図29に示すように、圧着部32´及び針綴じ処理部156は、内部トレイ22より搬送方向の下流側に配置されている。圧着部32´は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの表面に沿って主走査方向に移動可能に構成されている。そして、圧着部32´は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの厚み方向に延びる圧着部回転軸340を中心として、正逆方向に回転可能に構成されている。
【0175】
また、針綴じ処理部156についても同様に、用紙束Pbの主走査方向に移動可能に構成されている。そして、針綴じ処理部156は、用紙束Pbの厚み方向に延びる針綴じ部回転軸84を中心として、正逆方向に回転可能に構成されている。なお、針綴じ処理部156のその他の構成は、第一実施形態に係る後処理装置3の針綴じ処理部155(図9参照)と同様なので詳細な説明は省略する。
【0176】
圧着部32´は、図30に示すように、内部トレイ22より搬送方向の下流側には、ガイドレール337が主走査方向に延設されている。圧着部32´は、駆動源である圧着部移動モータ238を備えている。また、圧着フレーム32cを支持するベース部材48は、その底部にタイミングベルト240cとの締結部48bを備えている。これにより、圧着部移動モータ238の駆動力が、プーリ240a、240bと、タイミングベルト240cと、締結部48bとを備える駆動伝達機構240によりベース部材48に伝達されることによって、圧着部32´は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの表面(換言すれば、ガイドレール337)に沿って、主走査方向に移動する。さらに、圧着部32´の構成品を保持する圧着フレーム32cは、その底面に駆動伝達ギヤ340aを備えた圧着部回転軸340が固定されている。
【0177】
また、圧着部回転軸340及び駆動伝達ギヤ340aは、圧着フレーム32cが設けられるベース部材48に正逆方向に回転可能に保持されている。駆動伝達ギヤ340aは、圧着部回動モータ239の出力ギヤ239aと噛み合っている。そして、圧着部32´は、圧着部回動モータ239の駆動力が、出力ギヤ239a及び駆動伝達ギヤ340aを介して圧着部回転軸340に伝達されることによって、内部トレイ22に載置された用紙Pの厚み方向に延びる圧着部回転軸340を中心として、ベース部材48上で正逆方向に回転する。ガイドレール337、圧着部移動モータ238、圧着部回動モータ239、圧着部回転軸340、及び駆動伝達機構240は、圧着部32´の駆動機構の一例を構成する。
【0178】
圧着部32´は、図29(A)に示す待機位置HP2と、図29(B)及び図29(C)に示す綴じ位置B1に対面する位置とに移動可能に構成されている。待機位置HP2は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbから主走査方向の一方側に外れた位置である。綴じ位置B1は、内部トレイ22に載置された用紙束Pb上の位置である。但し、綴じ位置B1の具体的な位置は、図29の例に限定されず、用紙Pの搬送方向の下流側の端部における主走査方向の任意の位置で、かつ複数であってもよい。
【0179】
また、圧着部32´は、図29(B)に示す平行綴じ姿勢と、図29(C)に示す斜め綴じ姿勢とに姿勢が変化する。つまり、圧着部32´は、圧着部回転軸340を中心として正逆方向に回転可能に構成されている。ここで、平行綴じ姿勢とは、上圧着歯32a及び下圧着歯32b(換言すれば、長方形の圧着綴じ痕)の長手方向が主走査方向を向く圧着部32´の姿勢である。また、斜め綴じ姿勢とは、上圧着歯32a及び下圧着歯32b(換言すれば、長方形の圧着綴じ痕)の長手方向が主走査方向に対して傾いた圧着部32´の姿勢である。
【0180】
なお、斜め綴じ姿勢における回転角度(主走査方向に対する上圧着歯32a及び下圧着歯32bの角度)は、図29(C)の例に限定されず、内部トレイ22に載置された用紙束Pbに上圧着歯32a、及び下圧着歯32bが対面していれば、任意の角度でよい。
【0181】
後処理装置3Aは、液体付与部131と、パンチ孔穿設手段132(処理部)とを備える。液体付与部131及びパンチ孔穿設手段132は、内部トレイ22より逆搬送方向の上流側に配置されている。また、液体付与部131及びパンチ孔穿設手段132は、搬送ローラ対10~19によって搬送される1枚の用紙Pに同時に対面し得る位置において、逆搬送方向にずれて配置されている。
【0182】
本実施形態に係る液体付与部131及びパンチ孔穿設手段132は、搬送ローラ対10、11の間に配置されている。但し、液体付与部131の配置は、図28の例に限定されない。例えば、図36に示すように画像形成装置2と後処理装置3Aの間にインサーター6が配置されている場合は、液体付与部131を後処理装置3Aの上流側に位置するインサーター6内に設けることもできる。インサーター6としては、画像形成装置2から搬送された用紙Pとともに後処理装置3Aに搬送するプレプリント媒体を、表紙、挿入紙または仕切紙として、画像形成装置2を通さずに給紙することができる装置が挙げられる。
【0183】
また、搬送ローラ対11は、図31(A)に示すように、液体付与部131の液体付与ヘッド146により液体が付与された用紙Pの液体付与位置B1と主走査方向において重ならない位置に配置されている。これは、搬送ローラ対11が用紙Pを搬送する際に、複数のローラ対が、液体付与位置B1を押圧することにより液体付与位置B1の液量が減少することを防止するためである。その結果、用紙Pが、液体付与部131よりも逆搬送方向の下流側に設けられた圧着部32´に到達した時点で、液体付与位置B1の液量は、綴じ強度を維持するのに必要な液量を確保できているので、搬送過程で液体付与位置B1(綴じ位置B1に相当)の液量が減少することによる用紙束Pbの綴じ強度の低下を防止することができる。
【0184】
更に、搬送ローラ対11を構成する複数のローラ対を、用紙Pの液体付与位置B1と主走査方向において重ならない位置に配置することにより、複数のローラ対に液体が付着して用紙Pの搬送性が悪化することや、搬送性の悪化が原因で生じる搬送ジャムを防止することができる。
【0185】
なお、以上では搬送ローラ対11についてのみ説明したが、搬送ローラ対14~15を構成する複数のローラ対も同様に、用紙Pの液体付与位置B1と主走査方向において重ならない位置に配置することが好ましい。
【0186】
液体付与部131は、搬送ローラ対10、11によって搬送される用紙Pに液体を付与(以下、「液体付与」と表記する。)する。パンチ孔穿設手段132は、搬送ローラ対10、11によって搬送される用紙Pに、厚み方向に貫通するパンチ孔を穿つ。なお、液体付与部131に近接して設けられる処理部は、パンチ孔穿設手段132に限定されず、搬送ローラ対10、11によって搬送される用紙Pの傾き(スキュー)を補正する傾き補正部でもよい。
【0187】
図31は、第二実施形態に係る液体付与部131を用紙Pの厚み方向から見た図である。図32は、図31のXXV-XXVにおける断面図である。図33は、図31のXXVI-XXVIにおける断面図である。図31図33に示すように、液体付与部131は、一対のガイド軸133a、133bと、一対のプーリ134a、134bと、無端環状ベルト135、136と、液体付与部移動モータ137と、待機位置センサ138と、液体付与ユニット140とを備える。
【0188】
一対のガイド軸133a、133bは、逆搬送方向に離間した位置において、各々が主走査方向に延設されている。また、一対のガイド軸133a、133bは、後処理装置3Aの一対の側板4a、4bに支持されている。そして、一対のガイド軸133a、133bは、液体付与ユニット140を主走査方向に移動可能に支持する。
【0189】
一対のプーリ134a、134bは、逆搬送方向における一対のガイド軸133a、133bの間に配置されている。また、一対のプーリ134a、134bは、主走査方向に離間して配置されている。さらに、一対のプーリ134a、134bは、用紙Pの厚み方向に延びる回転軸回りに正逆方向に回転可能に、後処理装置3Aのフレームに支持されている。
【0190】
無端環状ベルト135は、一対のプーリ134a、134bに掛け渡されている。また、無端環状ベルト135には、接続部135aによって液体付与ユニット140に接続されている。無端環状ベルト136は、プーリ134aと液体付与部移動モータ137の出力軸に固定された駆動プーリ137aとに掛け渡されている。液体付与部移動モータ137は、液体付与ユニット140を主走査方向に移動させるための駆動力を発生させる。
【0191】
液体付与部移動モータ137が回転することによって、プーリ134a及び駆動プーリ137aの間を無端環状ベルト136が周回し、プーリ134aを回転させる。また、プーリ134aが回転することによって、一対のプーリ134a、134bの間を無端環状ベルト135が周回する。これにより、液体付与ユニット140は、一対のガイド軸133a、133bに沿って主走査方向に移動する。また、液体付与部移動モータ137の回転方向を切り替えることによって、液体付与ユニット140は、主走査方向に往復移動する。
【0192】
待機位置センサ138は、液体付与ユニット140が主走査方向の待機位置HP1(図31参照)に到達したことを検知し、検知結果を示す待機位置信号を後述する制御部100b(図34参照)に出力する。待機位置センサ138は、例えば、発光部及び受光部を備える光学センサである。そして、待機位置の液体付与ユニット140は、発光部及び受光部の間の光路を遮断する。そして、待機位置センサ138は、発光部から出力された光が受光部で受光されないことに応じて、待機位置信号を出力する。但し、待機位置センサ138の具体的な構成は、前述の例に限定されない。
【0193】
図32に示すように、後処理装置3A内の搬送路は、用紙Pの厚み方向に離間して配置された上ガイド板5a及び下ガイド板5bによって画定される。そして、液体付与ユニット140は、上ガイド板5aに設けられた開口に対面する位置に配置されている。すなわち、液体付与ユニット140は、上ガイド板5aの開口を通じて搬送路(すなわち、用紙Pに対面し得る位置)に対面して配置されている。
【0194】
図31図33に示すように、液体付与ユニット140は、ベース部材141と、回転ブラケット142と、貯液タンク143と、液体付与ヘッド移動手段144と、保持部材145と、液体付与ヘッド146と、柱状部材147a、147bと、押圧板148と、コイルバネ149a、149bと、付与ヘッド回動モータ150と、付与ヘッド移動モータ151(図34参照)と、待機角度センサ152(図34参照)とを備える。
【0195】
ベース部材141は、主走査方向にスライド可能に一対のガイド軸133a、133bに支持されている。また、ベース部材141は、接続部135aによって無端環状ベルト135に接続されている。さらに、ベース部材141は、液体付与ユニット140の構成部品142~152を支持している。
【0196】
回転ブラケット142は、用紙Pの厚み方向に延びる回転軸回りに正逆方向に回転可能にベース部材141の下面に取り付けられている。また、回転ブラケット142は、付与ヘッド回動モータ150の駆動力が伝達されることによって、ベース部材141に対して正逆方向に回転する。さらに、回転ブラケット142は、貯液タンク143、液体付与ヘッド移動手段144、保持部材145、液体付与ヘッド146、柱状部材147a、147b、押圧板148、及びコイルバネ149a、149bを保持している。
【0197】
待機角度センサ152(図34参照)は、回転ブラケット142が待機角度に到達したことを検知し、検知結果を示す待機角度信号を制御部100bに出力する。待機角度とは、例えば、平行綴じするときの角度である。待機角度センサ152は、例えば、発光部及び受光部を備える光学センサである。そして、待機角度の回転ブラケット142は、発光部及び受光部の間の光路を遮断する。そして、待機角度センサ152は、発光部から出力された光が受光部で受光されないことに応じて、待機角度信号を出力する。但し、待機角度センサ152の具体的な構成は、前述の例に限定されない。
【0198】
なお、図31(A)に示した回転ブラケット142は、液体付与部131より下流側の圧着部32´が平行綴じする際の状態を示している。また、図31(B)に示した回転ブラケット142は、液体付与部131より下流側の圧着部32´が斜め綴じ(角綴じ)する際の状態を示している。
【0199】
貯液タンク143は、用紙Pに付与するための液体を貯留する。液体付与ヘッド移動手段144は、用紙Pの厚み方向に移動(例えば昇降)可能に貯液タンク143に取り付けられている。また、液体付与ヘッド移動手段144は、付与ヘッド移動モータ151の駆動力が伝達されることによって、貯液タンク143に対して移動する。保持部材145は、液体付与ヘッド移動手段144の下端に取り付けられている。液体付与ヘッド146は、保持部材145から搬送路に向けて(本実施形態では、下方)に突出している。また、液体付与ヘッド146には、貯液タンク143に貯留された液体が供給される。さらに、液体付与ヘッド146は、吸液率の高い材料(例えば、スポンジ、繊維)で構成されている。
【0200】
柱状部材147a、147bは、液体付与ヘッド146の周囲において、保持部材145から下方に突出している。また、柱状部材147a、147bは、保持部材145に対して厚み方向に相対的に移動可能に構成されている。さらに、柱状部材147a、147bは、下端で押圧板148を保持している。押圧板148には、液体付与ヘッド146に対面する位置に貫通口148aが形成されている。コイルバネ149a、149bは、保持部材145と押圧板148との間において、柱状部材147a、147bに外挿されている。そして、コイルバネ149a、149bは、柱状部材147a、147b及び押圧板148を、保持部材145から離間する方向に向かって付勢する。
【0201】
図32(A)及び図33(A)に示すように、上ガイド板5aの開口に対面する位置に用紙Pが搬送される前の段階では、押圧板148は開口の位置または開口より上方に位置している。次に、搬送ローラ対10、11によって搬送された用紙Pの液体付与位置B1が開口に対面する位置で停止すると、付与ヘッド移動モータ151を第一の方向に回転させる。これにより、液体付与ヘッド移動手段144、保持部材145、液体付与ヘッド146、柱状部材147a、147b、押圧板148、及びコイルバネ149a、149bが一体となって下降して、押圧板148が用紙Pに当接する。なお、液体付与位置B1とは、端綴じ処理部251(すなわち圧着部32´)によって圧着綴じされる予定の位置(すなわち、綴じ位置B1)である。
【0202】
そして、押圧板148が用紙Pに当接した後も付与ヘッド移動モータ151を第一の方向に回転させることによって、コイルバネ149a、149bが圧縮されて、液体付与ヘッド移動手段144、保持部材145、液体付与ヘッド146、及び柱状部材147a、147bがさらに下降する。そして、図32(B)及び図33(B)に示すように、液体付与ヘッド146の下面が貫通口148aを通じて用紙Pに当接する。その結果、液体付与ヘッド146に含まれる液体が用紙Pに付与される。
【0203】
さらに、図32(C)及び図33(C)に示すように、付与ヘッド移動モータ151をさらに第一の方向に回転させることによって、液体付与ヘッド146を用紙Pにさらに強く押し付けることができる。これにより、用紙Pに対する液体付与量が増加する。すなわち、液体付与部131は、用紙Pに対する液体付与ヘッド146の押し付け力を変更することによって、液体付与量を調整することができる。
【0204】
一方、付与ヘッド移動モータ151を第一の方向と逆向きの第二の方向に回転させることによって、液体付与ヘッド移動手段144、保持部材145、液体付与ヘッド146、柱状部材147a、147b、押圧板148、及びコイルバネ149a、149bが一体となって上昇する。これにより、図32(A)及び図33(A)に示すように、液体付与ヘッド146及び押圧板148が用紙Pから離間する。すなわち、液体付与部131は、用紙Pに切離可能な液体付与ヘッド146を備える。
【0205】
図34は、第二実施形態に係る後処理装置3Aの動作を制御する制御ブロックのハードウェア構成図である。図34に示すように、後処理装置3Aは、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、I/F105とが共通バス109を介して接続されている構成を備える。
【0206】
CPU101は演算手段であり、後処理装置3A全体の動作を制御する。RAM102は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU101が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM103は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD104は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
【0207】
後処理装置3Aは、ROM103に格納された制御プログラム、HDD104などの記憶媒体からRAM102にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU101が備える演算機能によって処理する。その処理によって、後処理装置3Aの種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、後処理装置3Aに搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、後処理装置3Aの機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、CPU101と、RAM102と、ROM103と、HDD104と、I/F105とは、後処理装置3Aの動作を制御する制御部100b(制御手段)を構成する。
【0208】
I/F105は、搬送ローラ対10、11、14、15と、切替爪20と、サイドフェンス24L、24Rと、圧着部移動モータ238と、圧着部回動モータ239と、接離モータ32dと、液体付与部移動モータ137と、付与ヘッド回動モータ150と、付与ヘッド移動モータ151と、待機位置センサ138と、待機角度センサ152と、パンチ孔穿設手段132と、操作パネル110と、を共通バス109に接続するインタフェースである。
【0209】
制御部100bは、I/F105を通じて、搬送ローラ対10、11、14、15と、切替爪20と、サイドフェンス24L、24Rと、圧着部移動モータ238と、圧着部回動モータ239と、接離モータ32dと、液体付与部移動モータ137と、付与ヘッド回動モータ150と、付与ヘッド移動モータ151と、パンチ孔穿設手段132の動作を制御する。また、制御部100bは、I/F105を通じて、待機位置センサ138、待機角度センサ152の検知結果を取得する。
【0210】
なお、図34には主に端綴じ処理を実行する端綴じ処理部251(圧着部32´)及び液体付与部131の構成部品を図示しているが、中綴じ処理を実行する中綴じ処理部28に関する構成部品も同様に制御部100bによって制御される。
【0211】
図36に示すように、画像形成装置2は、操作パネル110を備えている。操作パネル110は、ユーザからの入力操作を受け付ける操作部と、ユーザに情報を報知するディスプレイ(報知部)とを備える。操作部は、例えば、ハードキー、ディスプレイに重畳されたタッチパネル等を含む。そして、操作パネル110は、操作部を通じてユーザから情報を取得し、ディスプレイを通じてユーザに情報を提供する。また、後処理装置3Aに上記と同様の操作パネル110を備えるようにしてもよい。
【0212】
図35は、第二実施形態に係る後処理装置3Aの後処理のフローチャートである。具体的には、図35は、図29に示す一箇所綴じ処理を実行する際のフローチャートである。
【0213】
制御部100bは、例えば、画像形成装置2から後処理の実行指示(以下、「後処理指示」と表記する。)を取得したことに応じて、図35に示す後処理を実行する。後処理指示は、例えば、用紙束Pbを構成する用紙Pの枚数(以下、「所定枚数Np」と表記する。)と、綴じ処理を施すべき用紙束Pbの部数(以下、「必要部数Mp」と表記する。)と、綴じ位置B1(液体付与位置B1に相当)と、綴じ位置B1の角度(液体付与位置B1の角度に相当)と、綴じ処理の種類(平行綴じ処理、斜め綴じ処理)と、液体付与処理と並行して実行される処理(本実施形態では、パンチ孔の穿設)とを含む。なお、後処理の開始時点において、液体付与ユニット140は待機位置HP1(図31参照)に位置し、回転ブラケット142は待機角度(「平行綴じ姿勢」に相当)に保持されているものとする。
【0214】
まず、制御部100bは、液体付与部移動モータ137を駆動することによって、液体付与ユニット140(液体付与部に相当)を主走査方向に移動させることで、液体付与ヘッド146を待機位置HP1から液体付与位置B1(図31参照。図29の綴じ位置B1に相当する位置)に対面し得る位置に移動させる。また、後処理指示で指示された綴じ処理の種類が「斜め綴じ処理」である場合は、制御部100bは、付与ヘッド回動モータ150を駆動し、回転ブラケット142を回転させることで、液体付与ヘッド146を待機角度から「斜め綴じ姿勢」に対応する液体付与角度に回転させる(S801)。液体付与ヘッド146が液体付与位置B1に対面し得る位置及び液体付与角度に達したことは、液体付与部移動モータ137及び付与ヘッド回動モータ150のロータリエンコーダから出力されるパルス信号によって把握できる。なお、後処理指示で指示された綴じ処理の種類が「平行綴じ処理」である場合は、制御部100bは、上述した回転ブラケット142を回転させる動作を省略する。すなわち、液体付与ユニット140は、回転ブラケット142を待機角度に保持したまま主走査方向に移動する。
【0215】
また、制御部100bは、圧着部移動モータ238を駆動することによって、図29(A)、図29(B)に示すように、圧着部32´を待機位置HP2から綴じ位置B1に対面し得る位置に移動させる(S801)。また、後処理指示で指示された綴じ処理の種類が「斜め綴じ処理」である場合は、制御部100bは、圧着部回動モータ239を駆動することにより、圧着部32´を待機角度から「斜め綴じ姿勢」に対応する圧着綴じ角度に回転させる(S801)。圧着部32´が、綴じ位置B1に対面し得る位置、及び圧着綴じ角度に達したことは、圧着部移動モータ238及び圧着部回動モータ239のロータリエンコーダから出力されるパルス信号によって把握できる。なお、後処理指示で指示された綴じ処理の種類が「平行綴じ処理」である場合は、制御部100bは、上述した圧着部32´を回転させる動作を省略する。すなわち、圧着部32´は、待機角度を保持したまま主走査方向に移動する。
【0216】
次に、制御部100bは、搬送ローラ対10、11を駆動することによって、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pの搬送を開始する(S802)。そして、制御部100bは、用紙Pの液体付与位置B1が液体付与ユニット140(より詳細には、液体付与ヘッド146)に対面したか否かを判定する(S803)。用紙Pの液体付与位置B1が液体付与ユニット140に対面していないと判定した場合(S803:No)、制御部100bは、用紙Pの液体付与位置B1が液体付与ユニット140に対面するまで(S803:Yes)、搬送ローラ対10、11による用紙Pの搬送を継続する。一方、用紙Pの液体付与位置B1が液体付与ヘッド146に対面していると判定した場合(S803:Yes)、制御部100bは、搬送ローラ対10、11による用紙Pの搬送を停止する(S804)。用紙Pの液体付与位置B1が液体付与ヘッド146に対面したことは、搬送ローラ対10、11を駆動するモータのロータリエンコーダから出力されるパルス信号によって把握できる。
【0217】
制御部100bは、液体付与ユニット140によって用紙Pの液体付与位置B1に液体を付与する処理を実行する(S805)。より詳細には、制御部100bは、付与ヘッド移動モータ151を第一の方向に回転させることによって、液体付与ヘッド146を用紙Pの液体付与位置B1に当接させる。また、制御部100bは、用紙Pに対する液体付与量に応じて、液体付与ヘッド146の押し付け力(すなわち、付与ヘッド移動モータ151の回転量)を変更する。
【0218】
用紙Pに対する液体付与量は、用紙束Pbを構成する全ての用紙Pに対して同一でもよいし、用紙P毎に異なっていてもよい。例えば、制御部100bは、後に搬送される用紙Pほど液体付与量を減少させてもよい。また、付与ヘッド移動モータ151の回転量は、付与ヘッド移動モータ151のロータリエンコーダから出力されるパルス信号によって把握できる。
【0219】
次に、制御部100bは、搬送ローラ対10、11、14、15を駆動することによって、用紙Pを内部トレイ22に載置する(S806)。また、制御部100bは、サイドフェンス24L、24Rを移動させることによって、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの主走査方向の位置を揃える、いわゆるジョギング処理を実行する(S806)。
【0220】
次に、制御部100bは、内部トレイ22に載置された用紙Pの枚数が、後処理指示で指示された所定枚数Npに達したか否かを判定する(S807)。そして、制御部100bは、内部トレイ22に載置された用紙Pの枚数が所定枚数Npに達していないと判定した場合(S807:No)、内部トレイ22に載置された用紙Pの枚数が所定枚数Npに達するまで(S807:Yes)、ステップS802~S807の処理を繰り返し実行する。
【0221】
一方、制御部100bは、内部トレイ22に載置された用紙Pの枚数が前記所定枚数Npに達したと判定した場合(S807:Yes)、圧着部32´に、液体付与ユニット140によって液体付与された用紙Pを含む用紙束Pbの綴じ位置B1(用紙Pの液体付与位置B1に相当)を圧着綴じさせる(S808)。さらに、制御部100bは、搬送ローラ対15を回転させることによって、圧着綴じされた用紙束Pbを排出トレイ26に排出する(S808)。
【0222】
次に、制御部100bは、排出トレイ26に排出された用紙束Pbの部数が、後処理指示で示された必要部数Mpに達したか否かを判定する(S809)。制御部100bは、排出された用紙束Pbの部数が必要部数Mpに達していないと判定した場合(S809:No)、排出された用紙束Pbの部数が必要部数Mpに達するまで(S809:Yes)、ステップS802~S809の処理を繰り返し実行する。
【0223】
一方、制御部100bは、排出トレイ26に排出された用紙束Pbの部数が、必要部数Mpに達したと判定した場合(S809:Yes)、液体付与部移動モータ137を駆動して液体付与ユニット140を待機位置HP1(図31参照)に移動させるとともに、圧着部移動モータ238を駆動して圧着部32´を待機位置HP2(図29参照)に移動させる(S810)。また、後処理指示で指示された姿勢が「斜め綴じ姿勢」である場合に、制御部100bは、付与ヘッド回動モータ150及び圧着部回動モータ239を駆動して、液体付与ユニット140及び圧着部32´を平行綴じ姿勢(待機角度)に回転させる(S810)。一方、後処理指示で指示された姿勢が「平行綴じ姿勢」である場合は、液体付与ユニット140及び圧着部32´を平行綴じ姿勢(待機角度)へ回転させる動作は省略される。なお、ステップS801、S810において、液体付与ユニット140及び圧着部32´を、主走査方向に移動させる動作と、正逆方向に回転させる動作の実行順序は、前述の順序に限定されず、前述の順序と逆の順序であってもよい。
【0224】
また、本発明は、端綴じ処理を実行する端綴じ処理部25のみならず、中綴じ処理を実行する中綴じ処理部28にも適用することができる。
【0225】
また、図28に示した第二実施形態に係る後処理装置3Aの制御部100bについても、図1と同様に、画像形成装置2の制御部100aとは別個に設けられる形態について説明したが、このような形態に限定されない。例えば、図37(A)と同様に、後処理装置3Aの制御部100bを画像形成装置2側に設けてもよい。さらに、図37(B)と同様に、後処理装置3Aの制御部100bを画像形成装置2の制御部100aと一体的に構成してもよい。
【0226】
また、図38(A)と同様に、後処理装置3Aの制御部100bを機能別に制御部100b1(例えば駆動部系(モータ等))と制御部100b2(検知部系(センサー等))に分割し、一方の後処理装置3Aの制御部100b2を画像形成装置2側に設けてもよい。さらに、図38(B)と同様に、画像形成装置2側に設けられた後処理装置3Aの制御部100b2を画像形成装置2の制御部100aと一体的に構成してもよい。
【0227】
なお、上記に説明した制御部100bによる制御方法は、すでに説明のとおり、コンピュータのハードウェア資源をとコンピュータソフトウェアとしてのプログラムとの協働により実現される。すなわち、制御方法は、プログラムに基づいて、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置、及び、制御装置を協働して動作させて、コンピュータが実行する方法である。また、プログラムは、記憶装置、又は、記憶媒体等に書き込まれて配布、又は、電気通信回線等を通じて配布されてもよい。
【0228】
そして、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【0229】
[本発明の態様]
本発明の内容は、例えば、以下のとおりである。
<1> 少なくとも一枚の媒体に液体付与をする液体付与部と、
前記液体付与部において液体付与をされた少なくとも一枚の媒体を含む媒体束に所定の処理を施す後処理部と、
前記液体付与に用いられる液体を貯留する貯液部と、
前記媒体が前記液体付与部に対して搬送されてくる搬送方向と直交する方向において、前記液体付与部を往復移動可能にする移動手段と、
前記貯液部から前記液体付与部に前記液体を供給する液体供給部と、
を備え、
前記液体供給部は、少なくとも一部に、円筒状かつ伸縮自在の伸縮性部材を有し、
前記伸縮性部材は、前記移動手段の往復移動方向に沿って配置される、
ことを特徴とする媒体処理装置である。
<2> 前記伸縮性部材は、弾性部材からなる円筒チューブである、前記<1>に記載の媒体処理装置である。
<3> 前記伸縮性部材は、弾性部材からなる円筒チューブを螺旋状に巻いたコイルチューブである、前記<1>に記載の媒体処理装置である。
<4> 前記伸縮性部材は、前記液体付与部の往復移動において、当該伸縮性部材が最も短くなるときの長さが、自然長よりも長くなるように引っ張り力が加わる状態で、前記移動手段の往復移動方向に沿って配置される、前記<1>乃至前記<3>のいずれか一つに記載の媒体処理装置である。
<5> 前記伸縮性部材は、前記液体付与部の往復移動において、当該伸縮性部材が最も長くなるときの長さが、当該伸縮性部材が最も短くなるときの長さとして自然長よりも長くなるように引っ張り力が加わる状態での長さの二倍以上の長さになるように、前記移動手段の往復移動方向に沿って配置される、前記<1>乃至前記<3>に記載の媒体処理装置である。
<6> 前記液体付与部は、往復移動における待機位置が、前記伸縮性部材が最も短くなるときの長さとして自然長よりも長くなるよう引っ張り力が加わる状態での長さとなる位置と、
当該伸縮性部材が最も長くなるときの長さとして当該伸縮性部材が最も短くなるときの長さの二倍以上の長さとなる位置と、の中間位置よりも、前記伸縮性部材が最も短くなるときの長さに係る位置の方に寄せた位置に設定される、前記<1>乃至前記<3>のいずれか一つに記載の媒体処理装置である。
<7> 少なくとも一枚の媒体に液体付与をする液体付与部と、
前記液体付与部において液体付与をされた少なくとも一枚の媒体を含む媒体束に所定の処理を施す後処理部と、
前記液体付与に用いられる液体を貯留する貯液部と、
前記媒体が前記液体付与部に対して搬送されてくる搬送方向と直交する方向において、前記液体付与部を往復移動可能にする移動手段と、
前記貯液部から前記液体付与部に前記液体を供給する液体供給部と、
を備え、
前記液体供給部は、少なくとも一部に、円筒チューブを同心円状に巻き付けて引き出し可能に保持する巻取部を備え、
前記円筒チューブは、前記移動手段の往復移動方向に沿って配置される、
ことを特徴とする媒体処理装置である。
<8> 前記後処理部は、前記媒体を加圧変形させて綴じる圧着部を備える、
前記<1>乃至前記<7>のいずれか一つに記載の媒体処理装置である。
<9> 前記後処理部は、前記媒体を針で綴じる針綴じ部を備える、前記<1>前記乃至前記<8>のいずれか一つに記載の媒体処理装置である。
<10> 前記媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって画像が形成された複数の前記媒体に対し前記処理を施す前記<1>乃至前記<9>のいずれか一つに記載の媒体処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成システムである。
【符号の説明】
【0230】
1 :画像形成システム
2 :画像形成装置
3 :後処理装置
25 :端綴じ処理部
31 :液体付与部
32 :圧着部
35 :液体付与部移動機構
43 :第一液位センサ
44 :第一貯液タンク
45 :液体供給経路
46 :液体供給ポンプ
47 :第二貯液タンク
481 :巻取部
50 :液体供給部材
51 :セット検知センサ
52 :第二液位センサ
155 :針綴じ処理部
61 :第二貯液タンク固定部
62 :針綴じ部
66 :第二液体付与機構
71 :開閉カバー
72 :本体側板
73 :第三貯液タンク
80 :針綴じ処理部移動モータ
90 :液体補給部
100a,100b :制御部
331 :下押圧板保持体
451 :第一シリコンチューブ
452 :第二シリコンチューブ
453 :伸縮チューブ
454 :供給結合部
455 :コイルチューブ
461 :ポンプモータ
462 :シュー
471 :給液弁
481a :ロータリージョイント
482 :チューブ押さえ
483 :巻取部蓋
484 :ゼンマイバネ
485 :中継シリコンチューブ
486 :コネクタ
487 :ゼンマイバネ押さえ部
611 :液抜き栓
501 :液体付与部材
711 :本体前側板
712 :本体後側板
4541 :第一供給結合部
4542 :第二供給結合部
4543 :第三供給結合部
4544 :第四供給結合部
4811 :固定部
4812 :回転部
4813 :滑り軸受け部
4814 :ボールベアリング
4861 :ゼンマイバネ結合部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0231】
【特許文献1】特開2019-10810号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
後処理装置3は、搬送ローラ対10~19(搬送部)及び切替部材20などと、制御部100b(制御手段)を備える。制御部100bは、搬送ローラ対10~19(搬送部)及び切替部材20などの動作を制御する。なお、制御部100bの詳細については、後述する。搬送ローラ対10~19は、後処理装置3の内部において、画像形成装置2から供給された用紙Pを搬送する。より詳細には、搬送ローラ対10~13は、第一搬送路Ph1に沿って用紙Pを搬送する。また、搬送ローラ対14~15は、第二搬送路Ph2に沿って用紙Pを搬送する。さらに、搬送ローラ対16~19は、第三搬送路Ph3に沿って用紙Pを搬送する。また、搬送ローラ対10及び11により搬送される用紙Pにパンチ処理を行うパンチ孔穿設手段132が、搬送ローラ対10と11の間に配置されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
切替部材20は、第一搬送路Ph1及び第二搬送路Ph2の分岐位置に配置されている。切替部材20は、第一搬送路Ph1を通じて用紙Pを排出トレイ21に排出する第一位置と、第一搬送路Ph1を搬送される用紙Pを第二搬送路Ph2に導く第二位置とに切り替え可能に構成されている。また、第二搬送路Ph2に進入した用紙Pの後端が搬送ローラ対11を通過したタイミングで、搬送ローラ対14を逆回転させることによって、当該用紙Pが第三搬送路Ph3に導かれる。また、後処理装置3は、各搬送路Ph1、Ph2、Ph3上の用紙Pの位置を検知する複数のセンサを備える。なお、複数のセンサは、図2において黒塗り三角形(▲)で示している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
すなわち、下押圧板33及び上押圧板34は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbを挟んで、用紙P又は用紙束Pbの厚み方向(以下、単に「厚み方向」と表記する。)に対向して配置されている。さらに、上押圧板34には、ベースプレート40に取り付けられた保持部37を介して保持される液体付与部材501に対面する位置に、厚み方向に貫通する貫通口34aが形成されている。なお、液体付与部材501は、後述する液体供給部材50(吸液体)の一方の端部であって、先端部分に相当する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
用紙束Pbを構成する複数の用紙Pが内部トレイ22に供給される過程では、図5(A)に示すように、上圧着歯32及び下圧着歯32bは互いに離間している。そして、用紙束Pbを構成する全ての用紙Pが内部トレイ22に載置されると、図5(B)に示すように、上圧着歯32a及び下圧着歯32bは、接離モータ32dの駆動力によって噛み合うことで用紙束Pbを厚み方向から加圧変形させる。これにより、内部トレイ22に載置された用紙束Pbが圧着綴じされる。また、圧着綴じされた用紙束Pbは、搬送ローラ対15によって、排出トレイ26に排出される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
なお、圧着部32の構成としては、圧着機構を構成する上圧着歯32及び下圧着歯32bが噛み合えばよいので、本実施形態で例示したような動作機構の構造に限定されない。例えば、正転のみ、又は正逆転する駆動源とリンク機構を使って上圧着歯32a及び下圧着歯32bの圧着及び離間動作を行うリンク機構方式の圧着機構(例えば、特許6057167号に開示されているもの)であってもよい。また、駆動源の正逆方向の回転運動を直線的な往復運動に変換するネジ機構により、上圧着歯32a及び下圧着歯32bの圧着及び離間動作を直線的に行う直動方式の圧着機構であってもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
液体付与部31及び圧着部32は、主走査方向に隣接させた状態でベース部材48に取り付けられている。案内軸49は、図4に示すように、綴じ機構ベース116における搬送方向の上流側において、主走査方向に設けられ複数の案内軸ブラケット49a、49bにより保持されている。また、案内軸49は、図3に示すように、綴じ機構ベース116上において主走査方向に延設されている。また、案内レール115は、綴じ機構ベース116における搬送方向の下流側において主走査方向に亘って設けられている。案内レール115は、図4に示すように、ベース部材48の嵌合部48aと主走査方向に亘って嵌合する被嵌合部115aを備えている。つまり、ベース部材48は、案内軸49及び案内レール115によって、綴じ機構ベース116上において主走査方向に移動可能に保持される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
I/F105は、搬送ローラ対10、11、14、15と、切替部材20と、サイドフェンス24L、24Rと、接離モータ32dと、圧着部回動モータ56と、液体付与部移動モータ42と、液体付与部回動モータ563と、端綴じ処理部移動モータ55と、針綴じ機駆動モータ62dと、針綴じ部回動モータ82と、針綴じ処理部移動モータ80と、液体供給ポンプ46と、移動センサ40aと、第一液位センサ43と、第二液位センサ52と、セット検知センサ51と、待機位置センサ540と、エンコーダセンサ541と、操作パネル110と、を共通バス109に接続するインタフェースである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
制御部100bは、I/F105を通じて、搬送ローラ対10、11、14、15と、切替部材20と、サイドフェンス24L、24Rと、接離モータ32dと、圧着部回動モータ56と、液体付与部移動モータ42と、液体付与部回動モータ563と、端綴じ処理部移動モータ55と、針綴じ機駆動モータ62dと、針綴じ部回動モータ82と、針綴じ処理部移動モータ80と、液体供給ポンプ46の動作を制御する。また、制御部100bは、移動センサ40aと、第一液位センサ43と、第二液位センサ52と、セット検知センサ51と、待機位置センサ540と、エンコーダセンサ541の検知結果を取得する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0120】
案内軸49は、複数の案内軸ブラケット49a、49bにより綴じ機構ベース116に設けられている。綴じ機構ベース116は、後処理装置3の本体前側板711と本体後側板712の間を渡すように設けられている部材である。そして、案内軸49は、綴じ機構ベース116に固定されている範囲で、液体付与部31及び圧着部32を往復移動可能な状態で支持している。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0208
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0208】
I/F105は、搬送ローラ対10、11、14、15と、切替部材20と、サイドフェンス24L、24Rと、圧着部移動モータ238と、圧着部回動モータ239と、接離モータ32dと、液体付与部移動モータ137と、付与ヘッド回動モータ150と、付与ヘッド移動モータ151と、待機位置センサ138と、待機角度センサ152と、パンチ孔穿設手段132と、操作パネル110と、を共通バス109に接続するインタフェースである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0209
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0209】
制御部100bは、I/F105を通じて、搬送ローラ対10、11、14、15と、切替部材20と、サイドフェンス24L、24Rと、圧着部移動モータ238と、圧着部回動モータ239と、接離モータ32dと、液体付与部移動モータ137と、付与ヘッド回動モータ150と、付与ヘッド移動モータ151と、パンチ孔穿設手段132の動作を制御する。また、制御部100bは、I/F105を通じて、待機位置センサ138、待機角度センサ152の検知結果を取得する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正の内容】
図11
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正の内容】
図14
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正の内容】
図15
【手続補正21】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正の内容】
図17
【手続補正22】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正の内容】
図19
【手続補正23】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図30
【補正方法】変更
【補正の内容】
図30
【手続補正24】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図34
【補正方法】変更
【補正の内容】
図34
【手続補正25】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図36
【補正方法】変更
【補正の内容】
図36
【手続補正26】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図37
【補正方法】変更
【補正の内容】
図37
【手続補正27】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図38
【補正方法】変更
【補正の内容】
図38