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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137738
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】光学装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/02 20060101AFI20240927BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240927BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20240927BHJP
   H01L 33/22 20100101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L31/02 B
H01L33/62
H01L33/54
H01L33/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024020665
(22)【出願日】2024-02-14
(31)【優先権主張番号】P 2023049048
(32)【優先日】2023-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165951
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 憲悟
(74)【代理人】
【識別番号】100180655
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 允喜
(72)【発明者】
【氏名】松下 浩二
【テーマコード(参考)】
5F142
5F149
5F241
【Fターム(参考)】
5F142AA81
5F142CA02
5F142CC14
5F142CC26
5F142CG03
5F142CG04
5F142CG32
5F142EA02
5F142FA16
5F149AA02
5F149AA04
5F149AB07
5F149BA30
5F149GA02
5F149GA06
5F149JA02
5F149JA06
5F149JA09
5F241CA04
5F241CA13
5F241CB36
(57)【要約】
【課題】製造コストを増加させることなく、装置向きの識別性を向上した光学装置が提供される。
【解決手段】光学装置(100)は、光学素子(10)と、開口穴(23)を有する第1のリードフレーム部(21)と、第2のリードフレーム部(22)と、ワイヤー(40)と、封止部材(70)と、を備え、光学素子は開口穴に配置され、光学素子の受光面又は発光面及び第2のリードフレーム部は、それぞれの少なくとも一部が第1の面から露出し、第1の面を正面から見る平面視で、第1のリードフレーム部は、180°回転対称となる第1の面に垂直な方向に延びる回転軸を有し、第1の面に露出する第2のリードフレーム部は回転軸において180°回転非対称な形状を有し、光学素子及び第1のリードフレーム部は、側面視で少なくとも一部が重なっている。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を検出又は放出する光学素子と、
1つの貫通した開口穴を有する第1のリードフレーム部と、
前記第1のリードフレーム部と異なる第2のリードフレーム部と、
前記第1のリードフレーム部と前記第2のリードフレーム部の両方又は一方と前記光学素子を電気的に接続するワイヤーと、
前記光学素子、前記第1のリードフレーム部、前記第2のリードフレーム部及びワイヤーを封止する封止部材と、を備え、
前記光学素子は前記開口穴に配置され、
前記光学素子の受光面又は発光面及び第2のリードフレーム部は、それぞれの少なくとも一部が第1の面から露出し、
前記第1の面を正面から見る平面視で、前記第1のリードフレーム部は、180°回転対称となる第1の面に垂直な方向に延びる回転軸を有し、
前記第1の面に露出する前記第2のリードフレーム部は前記回転軸において180°回転非対称な形状を有し、
前記光学素子及び前記第1のリードフレーム部は、側面視で少なくとも一部が重なっている、光学装置。
【請求項2】
前記光学素子が赤外線を検出するセンサである、請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記光学素子が赤外線を放出するLEDである、請求項1に記載の光学装置。
【請求項4】
前記平面視で、前記光学素子の露出した部分の周囲を前記第1のリードフレーム部の露出した部分が切れ目なく囲っている、請求項1に記載の光学装置。
【請求項5】
前記光学素子の受光面又は発光面が粗面化処理された半導体基板の上に形成されている、請求項1に記載の光学装置。
【請求項6】
前記半導体基板の厚みは400μm以下である、請求項5に記載の光学装置。
【請求項7】
前記開口穴の端から前記光学素子への距離は70μm以上である、請求項1に記載の光学装置。
【請求項8】
前記開口穴の端から前記光学素子への距離は200μm以下である、請求項1に記載の光学装置。
【請求項9】
前記第2のリードフレーム部において、表面の非エッチング領域と裏面の非エッチング領域とが重なる領域の幅は少なくとも1か所で100μm以下である、請求項1に記載の光学装置。
【請求項10】
前記第1の面は、前記第2のリードフレーム部がなく前記封止部材が露出し、非対称な形状を形成する非対称領域を有し、
前記第1の面と対向する第2の面における前記非対称領域が重なる領域で第3のリードフレーム部が露出する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項11】
前記第2のリードフレーム部と、前記第3のリードフレーム部が光学装置の内部で接続されている、請求項10に記載の光学装置。
【請求項12】
前記第2のリードフレーム部の一部は前記第1の面上で側面に直接接続されていないため、前記側面に接続されていない前記第2のリードフレーム部と、前記側面までの最短距離dを有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項13】
前記最短距離dが0.1mm以上である請求項12に記載の光学装置。
【請求項14】
前記最短距離dが1.0mm以下である請求項12に記載の光学装置。
【請求項15】
前記最短距離dが、前記平面視における前記最短距離dと並行方向にある前記光学装置の辺の長さDに対して、1/30以上である請求項12に記載の光学装置。
【請求項16】
前記最短距離dが、前記平面視における前記最短距離dと並行方向にある前記光学装置の辺の長さDに対して、1/3以下である請求項12に記載の光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学装置の従来技術としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に記載の光デバイスは、所定の製造工程によって、製造にかかる工程数及びコストを抑えつつ、光学素子の受光、発光面を外部に露出させた光デバイスを実現している。所定の製造工程は、電磁波を検出する又は出力する個別素子をリードフレームが貼り付けられた粘着テープの所定の位置に接着する工程を含む。また、所定の製造工程は、リードフレームと個別素子とを電気的に接続する工程と、リードフレームと個別素子とをモールドする工程と、粘着テープを除去する工程と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011―103382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、光学素子の受光、発光面を外部に露出させられる、より製造コストが低い光学装置の製造方法の研究開発がなされているが、光学装置の小型化などによる、さらなる低コスト化が望まれている。しかし、特許文献1に記載の製造工程には、リードフレームに湾曲を生じさせ得る工程が含まれている。リードフレームが湾曲することで光学素子に過度な応力が印加されると、光学素子の割れ又は欠けといった破損による収率低下、それに伴う製造コストの増加が生じるおそれがある。
【0005】
製造工程中に光学素子へ印加される応力を低減するために、光学素子の周囲をリードフレームで切れ目なく囲い、光学素子配置部周辺を局所的に湾曲しにくい設計とする方策が考えられる。しかしながら、光学素子をリードフレームで切れ目なく囲う設計とした場合、必然的に光学装置の光学素子の露出面におけるリードフレーム占有面積が増加し、それと引き換えに露出する封止部材の面積が小さくなる。光学装置の表面に露出する封止部材の面積が小さくなると、製造番号及び光学装置の向き識別を目的として封止部材表面に施すレーザーマークを、十分な視認性をもったサイズで示すことが困難になる。十分な視認性をもったサイズのレーザーマークを施すため、封止部材露出面積を増やす、すなわち受光装置のサイズを大きくしてしまうと、一つのリードフレームから製造できる受光装置数が減少し、製造コストが増加してしまう。製造コストを増加させることなく、リードフレーム設計の改善によって光学素子の割れ又は欠けといった破損を防止しようとした場合、十分な視認性をもったレーザーマークを施すことができない。そのため、光学装置の向き識別が困難となり、実装基板に逆向きで実装してしまうことによる動作不良といった不具合の発生があり得る。
【0006】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、製造コストを増加させることなく、装置向きの識別性を向上した光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の一実施形態に係る光学装置は、
光を検出又は放出する光学素子と、
1つの貫通した開口穴を有する第1のリードフレーム部と、
前記第1のリードフレーム部と異なる第2のリードフレーム部と、
前記第1のリードフレーム部と前記第2のリードフレーム部の両方又は一方と前記光学素子を電気的に接続するワイヤーと、
前記光学素子、前記第1のリードフレーム部、前記第2のリードフレーム部及びワイヤーを封止する封止部材と、を備え、
前記光学素子は前記開口穴に配置され、
前記光学素子の受光面又は発光面及び第2のリードフレーム部は、それぞれの少なくとも一部が第1の面から露出し、
前記第1の面を正面から見る平面視で、前記第1のリードフレーム部は、180°回転対称となる第1の面に垂直な方向に延びる回転軸を有し、
前記第1の面に露出する前記第2のリードフレーム部は前記回転軸において180°回転非対称な形状を有し、
前記光学素子及び前記第1のリードフレーム部は、側面視で少なくとも一部が重なっている。
【0008】
(2)本開示の一実施形態として、(1)において、
前記光学素子が赤外線を検出するセンサである。
【0009】
(3)本開示の一実施形態として、(1)において、
前記光学素子が赤外線を放出するLEDである。
【0010】
(4)本開示の一実施形態として、(1)から(3)のいずれかにおいて、
前記平面視で、前記光学素子の露出した部分の周囲を前記第1のリードフレーム部の露出した部分が切れ目なく囲っている。
【0011】
(5)本開示の一実施形態として、(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記光学素子の受光面又は発光面が粗面化処理された半導体基板の上に形成されている。
【0012】
(6)本開示の一実施形態として、(5)において、
前記半導体基板の厚みは400μm以下である。
【0013】
(7)本開示の一実施形態として、(1)から(6)のいずれかにおいて、
前記開口穴の端から前記光学素子への距離は70μm以上である。
【0014】
(8)本開示の一実施形態として、(1)から(7)のいずれかにおいて、
前記開口穴の端から前記光学素子への距離は200μm以下である。
【0015】
(9)本開示の一実施形態として、(1)から(8)のいずれかにおいて、
前記第2のリードフレーム部において、表面の非エッチング領域と裏面の非エッチング領域とが重なる領域の幅は少なくとも1か所で100μm以下である。
【0016】
(10)本開示の一実施形態として、(1)から(9)のいずれかにおいて、
前記第1の面は、前記第2のリードフレーム部がなく前記封止部材が露出し、非対称な形状を形成する非対称領域を有し、
前記第1の面と対向する第2の面における前記非対称領域が重なる領域で第3のリードフレーム部が露出する。
【0017】
(11)本開示の一実施形態として、(10)において、
前記第2のリードフレーム部と、前記第3のリードフレーム部が光学装置の内部で接続されている。
【0018】
(12)本開示の一実施形態として、(1)から(11)において、
前記第2のリードフレーム部の一部は側面に前記第1の面上で直接接続されていない。そのため、前記光学装置は前記側面に接続されていない前記第2のリードフレーム部と、前記側面までの最短距離dを有する。
【0019】
(13)本開示の一実施形態として、(12)において、
前記最短距離dが0.1mm以上である。
【0020】
(14)本開示の一実施形態として、(12)において、
前記最短距離dが1.0mm以下である。
【0021】
(15)本開示の一実施形態として、(12)において、
前記最短距離dが、前記平面視における前記最短距離dと並行方向にある前記光学装置の辺の長さDに対して、1/30以上である。
【0022】
(16)本開示の一実施形態として、(12)において、
前記最短距離dが、前記平面視における前記最短距離dと並行方向にある前記光学装置の辺の長さDに対して、1/3以下である。
【発明の効果】
【0023】
本開示によれば、製造コストを増加させることなく、装置向きの識別性を向上した光学装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A図1Aは、本開示の一実施形態に係る光学装置の構成例を示す図である。
図1B図1Bは、本開示の一実施形態に係る光学装置の構成例を示す図である。
図2図2は、光学素子の構成例を示す断面図である。
図3A図3Aは、リードフレームの構成例を示す平面図である。
図3B図3Bは、リードフレームの構成例を示す平面図である。
図4A図4Aは、第2のリードフレーム部の構成例を示す平面図である。
図4B図4Bは、第2のリードフレーム部の構成例を示す平面図である。
図4C図4Cは、第2のリードフレーム部の構成例を示す平面図である。
図4D図4Dは、第2のリードフレーム部の構成例を示す平面図である。
図4E図4Eは、第2のリードフレーム部の構成例を示す平面図である。
図4F図4Fは、比較例の第2のリードフレーム部の構成例を示す平面図である。
図4G図4Gは、比較例の第2のリードフレーム部の構成例を示す平面図である。
図5図5は、応力シミュレーションの解析結果を示す図である。
図6A図6Aは、本開示の一実施形態に係る光学装置の製造方法を示す工程図である。
図6B図6Bは、本開示の一実施形態に係る光学装置の製造方法を示す工程図である。
図6C図6Cは、本開示の一実施形態に係る光学装置の製造方法を示す工程図である。
図6D図6Dは、本開示の一実施形態に係る光学装置の製造方法を示す工程図である。
図6E図6Eは、本開示の一実施形態に係る光学装置の製造方法を示す工程図である。
図6F図6Fは、本開示の一実施形態に係る光学装置の製造方法を示す工程図である。
図6G図6Gは、本開示の一実施形態に係る光学装置の製造方法を示す工程図である。
図7図7は、光学装置の別の実施形態に係る断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本開示の一実施形態に係る光学装置が説明される。各図中、同一又は相当する部分には、同一符号が付されている。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。光学装置は、光を検出又は放出する光学素子を備える。光学装置は、光学素子が赤外線を検出するセンサである受光装置であり得る。また、光学装置は、光学素子が赤外線を放出するLEDである発光装置であり得る。例えば受光装置と同じ構造で発光装置を実現することが可能であるため、以下において、これらをまとめて光学装置として説明する。
【0026】
[光学装置]
図1A及び図1Bは、本開示の一実施形態に係る光学装置100の構成例を示す図である。本実施形態に係る光学装置100は、光学素子10と、1つの貫通した開口穴を有する第1のリードフレーム部21と、第1のリードフレーム部21と異なる第2のリードフレーム部22と、を備える。つまり、光学装置100のリードフレームは、第1のリードフレーム部21と、第2のリードフレーム部22と、を含んで構成される。また、光学装置100は、第1のリードフレーム部21と第2のリードフレーム部22の両方又は一方と光学素子10を電気的に接続するワイヤー40を備える。また、光学装置100は、光学素子10と第1のリードフレーム部21と第2のリードフレーム部22とワイヤーを封止する封止部材70を備える。光学素子10は、半導体基板11(図2参照)上に形成され、照射された光量に応じた信号を出力、又は印加された電流に応じた光を放出する機能をもつ。光学素子10は第1のリードフレーム部21の貫通した開口穴23に配置される。光学素子10の受光面又は発光面11aと第2のリードフレーム部22のそれぞれの少なくとも一部は光学装置100の第1の面100aから露出している。光学装置100の第1の面100aを正面から見る平面視で、第1のリードフレーム部21は、180°回転対称となる第1の面に垂直な方向に延びる回転軸I有する。また、光学装置100の第1の面100aに露出する第2のリードフレーム部22は回転軸Iにおいて180°回転非対称な形状を有する。光学素子10及び第1のリードフレーム部21は、図1Bに示すように、光学装置100の側面視で少なくとも一部が重なっている。側面視は、図1Aに示す光学装置100のA-A´線による切断面を、第1の面100aが上になり、第2の面100bが下になるように視ることをいう。
【0027】
光学装置100は、光学素子10の受光面又は発光面11aと対向する面、すなわち図1Bに示す第2の面100bを実装面としてプリント基板等に実装される。プリント基板等へ実装する際、光学装置100の向きを識別するために、光学装置100の第1の面100aにレーザーマークが施される。レーザーマークに十分な視認性をもたせるためには、レーザーマークの視認性が著しく低下するリードフレーム以外の部分、つまり封止部材70の露出領域へ、目視で視認できるサイズのレーザーマークが必要となる。よって、十分な視認性をもったレーザーマークを施すためには、光学装置100の第1の面100aにレーザーマークを施すための十分な封止部材70の露出領域を確保する必要がある。例えば光学装置100の第1の面100aにおけるリードフレーム占有面積を減らすこと、又は光学装置100の第1の面100aを広げることなど、光学装置100の大型化が必要となる。
【0028】
このとき、第1のリードフレーム部21の全体又は一部を除去すると、製造工程中における光学素子10の破損リスクが高まる。また、封止部材70の領域を広げるために光学装置100を大型化すると製造コストが増加してしまう。よって、製造コストを増加させることなく、向き識別が容易な光学装置100を実現するためには、レーザーマーク以外の向き識別手法が必要となる。
【0029】
[光学素子]
図2は、光学素子10の構成例を示す断面図である。光学素子10は、第1の化合物半導体層10aと、活性層10bと、第2の化合物半導体層10cと、がこの順に積層される。第1の化合物半導体層10aは、半導体基板11の一方の主面上に形成され、第1導電型を有する。活性層10bは、第1の化合物半導体層10a上に形成され、化合物半導体材料からなる。第2の化合物半導体層10cは、活性層10b上に形成され、第2導電型を有する。ここで、「第1の化合物半導体層10aと、活性層10bと、第2の化合物半導体層10cと、がこの順に積層される」とは、これらの層の関係において、第1の化合物半導体層10a、活性層10b、第2の化合物半導体層10cの積層順であればよい。「第1の化合物半導体層10aと、活性層10bと、第2の化合物半導体層10cと、がこの順に積層される」構成の形態には、例えば第1の化合物半導体層10aと活性層10bとの間に他の層が挿入される場合が含まれる。また、「第1の化合物半導体層10aと、活性層10bと、第2の化合物半導体層10cと、がこの順に積層される」構成の形態には、活性層10bと第2の化合物半導体層10cとの間に他の層が挿入される場合が含まれる。ここで、主面とは、半導体基板11の板厚方向に垂直な面であって、半導体基板11を形成する6面の中で面積が最大である面である。
【0030】
また光学素子10は、PN接合又はPIN接合によるダイオード構造を含むものであれば特に制限されない。第1導電型半導体層と第2導電型半導体層は反対の導電型を有する。例えば第1導電型半導体層がp型であれば第2導電型半導体層はn型である。例えば第1導電型半導体層がn型であれば第2導電型半導体層はp型である。第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層の材料としては、InSb、InAsSb、AlInSb等があるがこれらに制限されない。また、第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層は複数の材料による積層構造で構成されてよい。
【0031】
半導体基板11としてはGaAs基板、InP基板、InSb基板、InAs基板が挙げられるがこの限りではなくそれ以外の絶縁性基板でよい。一例としては、セラミックなどが挙げられる。化合物半導体の結晶成長が容易であることから、GaAs基板が好ましい。
【0032】
光学素子10の形成に用いられる半導体基板11の厚みは、光学装置100の小型化の観点から、400μm以下まで薄く研磨されることが望ましい。ただし、基板を薄く研磨するほど光学素子10の強度は低下するため、光学素子10の割れ又は欠けといった破損が生じないように、製造工程において印加される応力が設定される。
【0033】
また、半導体基板11の研磨において、光学素子10の受光感度又は発光強度向上のため、研磨表面を粗面化処理することが望ましい。つまり、光学素子10の受光面又は発光面11aが粗面化処理された半導体基板11の上に形成されていることが望ましい。ただし、粗面化処理時によって基板表面の結晶構造が破壊され、基板の強度は低下するため、光学素子10の割れ又は欠けといった破損が生じないように、製造工程において印加される応力が設定される。ここで「粗面」とは算術平均粗さが100nm以上の表面粗さをもつ表面状態のことを指す。
【0034】
[リードフレーム]
図3A及び図3Bは、リードフレームの構成例を示す平面図である。図3Aはリードフレームの表面20aを示し、図3Bはリードフレームの裏面20bを示している。
【0035】
図3A及び図3Bに示すリードフレームは、例えば、銅(Cu)板を、フォトリソグラフィ技術により、その表面20a及び裏面20bの側からそれぞれ選択的にエッチングし、めっき(鍍金)処理を施すことにより形成されたものである。めっき処理は、例えばニッケル(Ni)-パラジウム(Pd)-金(Au)等であってよい。
【0036】
図3Aにおいてリードフレーム内の白色の領域は表面20aと裏面20bとの間を貫通した開口領域を示す。また、ハッチングを付した領域(斜線で示されている領域)は表面20aの側からハーフエッチングされた領域を示す。以下において、ハーフエッチングされた領域は「ハーフエッチング領域」と称される。また、グレーの領域はエッチング時にフォトレジスト等で表面20aがマスクされることにより、エッチングされなかった領域(すなわち、非エッチング領域)を示す。また、点線で囲われた領域は光学素子10が配置される開口穴23が設けられた第1のリードフレーム部を示す。
【0037】
同様に、図3Bにおいて、リードフレーム内の白色の領域は開口領域を示す。ハッチングを付した領域は裏面20bの側からハーフエッチングされたハーフエッチング領域を示す。また、グレーの領域はエッチング時にフォトレジスト等で裏面20bがマスクされることにより、エッチングされなかった非エッチング領域を示す。ここで、図3A及び図3Bに示すリードフレームの外周部は、後述のダイシング工程で、ダイシングブレード等により切断される領域(カーフ幅24)となっている。また、第2のリードフレーム部22において、表面20aの非エッチング領域と裏面20bの非エッチング領域とが重なる領域の幅は少なくとも1か所で100μm以下であるように構成される。
【0038】
図3Aに示した平面図において、第1のリードフレーム部21の開口穴23の形状は、光学素子10と同じ形状であることが望ましいが、特に制限されない。開口穴23は、例えば図4Dに示すように、円形など異なる形状であってよい。
【0039】
リードフレームの開口領域には光学素子10が配置される。従来、図6Cに示すワイヤーボンディング工程、図6Eに示す樹脂封止において光学素子10に印加される応力によって割れ又は欠けが生じることがあった。また、従来、図6Fに示すリードフレーム20´の裏面側から粘着テープ50を剥離する工程で光学素子10の破壊が生じやすかった。
【0040】
本開示において、リードフレームは、製造工程において光学素子10に印加される応力を低減するため、光学素子10の周囲を切れ目なく囲う第1のリードフレーム部21を備えており、製造工程内で光学素子10の周辺を局所的に湾曲しにくい設計となっている。また第1のリードフレーム部21は、光学素子10に印加される応力を効果的に低減する観点から、光学素子10と少なくとも一部が重なる高さに存在していることが望ましい。さらに図1Bに示したような光学装置100の第1の面100aに光学素子10の受光面又は発光面11a(露出した部分)を第1のリードフレーム部21の露出した部分が切れ目なく囲っていることがさらに望ましい。
【0041】
上記の特徴をもった第1のリードフレーム部21を備えることの背反として、光学装置100の第1の面100aに占める封止部材70の領域が減少することがある。プリント基板実装面である第2の面100bの逆側の面(すなわち第1の面100a)に十分なサイズの封止部材70の領域を確保できない場合、製造番号及び向き識別のための目印はリードフレーム上にレーザーマークされなければならない。リードフレーム上のレーザーマークは、封止部材70上に施されたレーザーマークと比較して、著しく視認性が悪化することが知られている。また、100aの面に占める封止部材70の領域に合わせてレーザーマークサイズを縮小した場合に、視認性が悪化することは明らかである。
【0042】
従来、製造工程において光学素子10に印加される応力を均一化する観点から、リードフレームは回転軸Iにおいて180°回転対称な形状が望ましいとされた。この場合に、光学装置100の向きは封止部材70の露出表面に施されたレーザーマークで識別する。しかしながら、レーザーマークが実施困難な場合は、光学素子10へ印加される応力ができる限り均一化されるようにした上で、回転非対称な部分を有するリードフレームを設けることで、光学装置100の向き識別性を向上させることができる。すなわち、リードフレームが露出している部分について、180°回転させたときに、リードフレームが露出していない部分と重なる領域である非対称領域を有してよい。
【0043】
本開示において、光学装置100の第1の面を正面から見る平面視で、第2のリードフレーム部22は、180°回転非対称となる第1の面に垂直な方向に延びる回転軸Iを有する。
【0044】
ここで、100aの面に十分な視認性をもったレーザーマークを施す方策として、光学装置100を光学素子10に対して十分に大型化することが考えられるが、今度は光学装置100の大型化による製造コスト増加が課題となる。よって、光学装置100のサイズを光学素子10に対して最低限のサイズに留め、かつ第1のリードフレーム部をもち、受発光素子の向き識別性を担保するためには、第2のリードフレーム部22を設けることが最も効果的である。
【0045】
具体例として、光学素子10の受光面又は発光面11aが0.1mm以上かつ光学装置100の第1の面100aの面積が25mm以下の領域の場合、第2のリードフレーム部22を設けることが、レーザーマークによる向き識別性よりも効果的となる。さらに光学装置100の第1の面100aの面積が9mm以下だと、第2のリードフレーム部22を設けることがより効果的である。
【0046】
第2のリードフレーム部22の実現方法としては、例えば図4A図4B図4C図4D及び図4Eに示すような方法が提案されるが、特に制限されない。具体的には、第1のリードフレーム部21から延びる腕部を設け、腕部の一部を除去する、形状を変化させる、などが挙げられる。
【0047】
図4Fに示した比較例1では、光学素子10を囲う第1のリードフレーム部21に切れ目が入っており、光学素子10の周辺のリードフレームが製造工程中に湾曲しやすい構造となっている。この場合、光学素子10が製造工程中に割れ又は欠けといった破損を生じるリスクが高まる。
【0048】
図4Gに示した比較例2では、第2のリードフレーム部22が回転軸Iにおいて180°回転対称な構造となっている。この場合、受発光素子が180°回転してしまっていたとしても気づくことができず、逆向きで基板実装されてしまうリスクが高まる。
【0049】
また、第1のリードフレーム部に設けられた貫通した開口穴23が光学素子10のサイズよりも著しく大きい場合、第1のリードフレーム部21による、光学素子10への印加応力緩和効果が薄れてしまう。そのため、第1のリードフレーム部に設けられた貫通した開口穴23の端から光学素子10への距離は200μm以下であることが望ましい。
【0050】
また、第1のリードフレーム部に設けられた貫通した開口穴23が光学素子10のサイズに対して十分な大きさをもたない場合、光学素子10を開口穴23へ配置する工程において、光学素子10が開口穴23の端部に接触し、製造困難となり得る。そのため、第1のリードフレーム部に設けられた貫通した開口穴23の端から光学素子10への距離は70μm以上であることが望ましい。第1のリードフレーム部に設けられた貫通した開口穴23の端から光学素子10への距離は100μm以上であることがさらに望ましい。
【0051】
図5は、応力シミュレーションの解析結果を示す。応力シミュレーションでは、第2のリードフレーム部22の設計により、製造工程における光学素子10の破損リスクがどの程度影響を受けるかが解析された。本解析では第1のリードフレーム部21の上下左右から第2のリードフレーム部22が外周方向へ向けて延びる腕をもった構造を基本とする。上記腕のうち一つのハーフエッチング領域を変更することで、リードフレームが湾曲した場合に光学素子10に印加される応力がどのように変化するかについてシミュレーションが実施された。
【0052】
この解析の結果、ハーフエッチング領域を広く設けた図5に示される設計が、光学素子10に印加される応力を最小化できることが分かった。また、この解析によれば、第2のリードフレーム部22は、個片化前のリードフレームが湾曲した際の応力を吸収するように、非エッチング領域を最小限とした部位を少なくとも一部に備える設計が望ましい。ここで最小限とは、リードフレーム製造における最小加工寸法精度から定められ、例えば領域の幅を100μmとすることである。
【0053】
[封止部材]
封止部材70としては、光学素子10と第1のリードフレーム部21と第2のリードフレーム部22とワイヤー40を封止できるものであれば特に限定されない。例えば、後述するモールド樹脂が該当する。
【0054】
次に、これらの光学素子10、リードフレーム、封止部材70を用いる光学装置100を製造する方法が説明される。
【0055】
図6A図6Gは、本実施形態に係る光学装置100の製造方法を示す工程図である。ここで、この工程図における各断面は、例えば図1Aに示した光学装置100のA-A´線による切断面に対応している。
【0056】
図6Aに示すように、まず始めに、リードフレーム20´が用意される。ここでは、図3A及び図3Bに示したリードフレームを1つの単位パターンとし、この単位パターンが平面視で縦方向及び横方向にそれぞれ連続して並ぶように配置されたリードフレーム20´を用意する。
【0057】
次に、粘着テープ50がリードフレーム20´の裏面20bに貼付される。リードフレーム20´の裏面20b側に粘着テープ50を貼付することによって、開口穴23の底面に粘着テープ50の粘着層が露出した状態となる。ここで、粘着テープ50としては、粘着性を有すると共に、耐熱性を有する樹脂製のテープが用いられる。粘着性については、粘着層の糊厚がより薄いほうが好ましい。また、耐熱性については、約150℃~200℃の温度に耐えることが必要とされる。このような粘着テープ50として、例えばポリイミドテープを用いていることができる。ポリイミドテープは、約280℃に耐える耐熱性を有している。このような高い耐熱性を有するポリイミドテープは、後のモールド及びワイヤーボンディング時に加わる高熱にも耐えることが可能である。
【0058】
また、粘着テープ50としては、ポリイミドテープの他に、以下のテープを用いることも可能である。粘着テープ50はポリエステルテープであってよい。ポリエステルテープは耐熱温度が約130℃であり、使用条件次第で約200℃にまで達する。粘着テープ50はテフロン(登録商標)テープであってよい。テフロン(登録商標)テープは耐熱温度が約180℃である。粘着テープ50はPPS(ポリフェニレンサルファイド)であってよい。PPSは耐熱温度が約160℃である。粘着テープ50はガラスクロスであってよい。ガラスクロスは耐熱温度が約200℃である。粘着テープ50はノーメックペーパーであってよい。ノーメックペーパーは耐熱温度が約150~200℃である。また、粘着テープ50はアラミド又はクレープ紙であってよい。
【0059】
次に、図6Bに示すように、光学素子10がリードフレーム20´の開口穴23に接着される。この接着は、光学素子10の半導体基板11の裏面を貼り付け面として行われる。保護膜12は、半導体基板11の裏面に、半導体基板11が個別にカットされる以前に形成される。半導体基板11の裏面の保護膜にはフォトレジストが用いられる。
【0060】
次に、図6Cに示すように、光学素子10とリードフレーム20´が電気的に接続される。ここでは、図1Aに示したように、光学素子10のパッド電極と、リードフレーム20´のボンディング用端子部をAu等からなるワイヤー40で接続する。
【0061】
次に、図6Cの状態のリードフレーム20´が金型60内に入れられて、封止部材70がリードフレーム20´の上面側に形成される。具体的には、先ず、図6Dに示すように、下型61と上型62を備えた金型60及びシート63を用意し、シート63を、上型62の下面(下型61と対向する面)の全面を覆うように配置する。シート63は、例えばテフロン(登録商標)製である。
【0062】
次に、金型60内に図6Cの状態のリードフレーム20´が配置される。具体的には、金属のワイヤー40側を上に向けて、リードフレーム20´を下型61の上に載せ、ワイヤー40の上側に所定の間隔を開けて上型62を配置し、シート63を上型62の下面に吸着させる。図6Dはこの状態を示す。
【0063】
次に、図6Dの状態の上型62と下型61との空間にモールド樹脂が流し込まれた後に、上型62を下降させてモールド樹脂に圧縮力を加えることによってシート63の下面と下型61の上面との間隔が設定値に合わされて、その後に冷却が行われる。これにより、封止部材70が形成される。図6Eはこの状態を示す。
【0064】
ここで、モールド樹脂としては、例えばエポキシ樹脂を用いることが可能である。また、この樹脂封止の工程では、シート63とリードフレーム20´の表面20a側の非エッチング領域が隙間無く接触する。また、下型61と、リードフレーム20´の裏面20b側の非エッチング領域と光学素子10に貼り付けられた粘着テープ50とが隙間無く接触した状態で、金型60の重ね合わせにより形成される空間のサイドからモールド樹脂が供給される。このため、樹脂封止後に、リードフレーム20´の非エッチング領域はモールド樹脂から露出した状態となる。
【0065】
次に、図6Fに示すように、粘着テープ50がリードフレーム20´の裏面側から除去される。粘着テープ50が除去された後に、ポストキュア、ウェットブラストが施される。その後、図6Gに示すように、ダイシング装置によってカーフ幅24で切断が行われて、モールド樹脂及びリードフレーム20´がダイシングされる。これにより、モールド樹脂及びリードフレーム20´は個々の製品に切り離されてパッケージ化され、図1A及び図1Bに示した光学装置100が完成する。
【0066】
上記の製造方法では、光学素子10を第1のリードフレーム部21に設けられた開口穴23に配置することで、各工程にて光学素子10へ印加される応力を緩和している。さらに、第1のリードフレーム部を設けることの背反として生じる受発光素子の向き識別性低下は、本開示の第2のリードフレーム部22をもつ構造を採用することで解消している。
【0067】
ここで光学装置100は、図7のような断面を有する構成にすることができる。図7では、図1Aの構成に比べて第3のリードフレーム部25との関係が以下のように定められている。本実施形態に係る光学装置100は、光学素子10と、1つの貫通した開口穴を有する第1のリードフレーム部21と、第1のリードフレーム部21と異なる第2のリードフレーム部22と、第3のリードフレーム部25を備える。つまり、光学装置100のリードフレームは、第1のリードフレーム部21と、第2のリードフレーム部22と、第3のリードフレーム部25と、を含んで構成される。第1のリードフレーム部21、第2のリードフレーム部22及び第3のリードフレーム部25については、材料は同じでもよく、異なっていてもよく、また、一体的に形成されていてもよく、別々に形成されて(から接続されて)いてもよい。光学装置100は、第1のリードフレーム部21と第2のリードフレーム部22と第3のリードフレーム部25との少なくとも1つのリードフレーム部と光学素子10を電気的に接続するワイヤー40を備える。また、光学装置100は、光学素子10と第1のリードフレーム部21と第2のリードフレーム部22と第3のリードフレーム部25とワイヤーを封止する封止部材70を備える。光学素子10は、半導体基板11(図2参照)上に形成され、照射された光量に応じた信号を出力、又は印加された電流に応じた光を放出する機能をもつ。光学素子10は第1のリードフレーム部21の貫通した開口穴23に配置される。光学素子10の受光面又は発光面11aと第2のリードフレーム部22のそれぞれの少なくとも一部は光学装置100の第1の面100aから露出している。光学装置100の第1の面100aを正面から見る平面視で、第1のリードフレーム部21は、180°回転対称となる第1の面に垂直な方向に延びる回転軸Iを有する。また、光学装置100の第1の面100aに露出する第2のリードフレーム部22は回転軸Iにおいて180°回転非対称な形状を有する。光学装置100の第1の面100aは、第2のリードフレーム部22がなく封止部材70が露出し、非対称な形状を形成する非対称領域を有し、第1の面100aと対向する第2の面100bにおける非対称領域が重なる領域で第3のリードフレーム部25が露出する。光学素子10及び第1のリードフレーム部21は、図1Bに示すように、光学装置100の側面視で少なくとも一部が重なっている。
【0068】
図7で、光学装置100の断面図に示すように、第2のリードフレーム部22と、第3のリードフレーム部25は光学装置100の内部で電気的に接続されている。第2のリードフレーム部22は、光学装置100の第1の面100aにおいて非対称領域を有する。第3のリードフレーム部25は、第1の面100aにおける第2のリードフレーム部22の非対称領域と重なる第2の面100bの領域で、露出するリードフレームである。
【0069】
図4A図4B及び図4Dに示すように、第2のリードフレーム部22は、光学装置100の第1の面100aにおいて、第1のリードフレーム部21から延びる腕部の一部を除去することで非対称領域を有することとしてよい。そのため、第2のリードフレーム部の一部は第1の面100a上で光学装置100の側面に直接接続されていなくてよい。このとき、光学装置100は、第2のリードフレーム部と光学装置100の側面までの最短距離dを有する。
【0070】
最短距離dは、0.1mm以上であることが望ましい。レーザーマークの印字サイズ以上にできるため、最短距離dは、0.2mm以上であることが、より望ましい。視認性向上のため、最短距離dは、0.4mm以上であることが、さらに望ましい。
【0071】
最短距離dは、1.0mm以下であることが望ましい。光学装置の強度向上のため、最短距離dは、0.9mm以下であることが、より望ましい。最短距離dは、0.6mm以下であることが、さらに望ましい。
【0072】
光学装置100の第1の面100aを正面から見る平面視における最短距離dと並行方向にある光学装置100の1辺の長さDとした場合に、最短距離dは光学装置100の1辺の長さDに対して1/30以上であることが望ましい。最短距離dは光学装置100の1辺の長さDに対して1/15以上であることが、より望ましい。最短距離dは光学装置100の1辺の長さDに対して1/4以上であることが、さらに望ましい。
【0073】
最短距離dは光学装置100の1辺の長さDに対して、1/3以下であることが望ましい。
【0074】
以上のように、本実施形態に係る光学装置100は、第1のリードフレーム部21と第2のリードフレーム部22を備えたリードフレーム構造を採用する。このことによって、製造コストを増加させることなく、装置向きの識別性を向上させることができる。また、従来技術で生じ得る光学素子10の割れ又は欠けといった破損を防止することが可能となる。
【0075】
本開示の実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
【符号の説明】
【0076】
10 光学素子
100 光学装置
100a 第1の面
100b 第2の面
10a 第1の化合物半導体層
10b 活性層
10c 第2の化合物半導体層
11 半導体基板
11a 受光面又は発光面
12 保護膜
20´ リードフレーム
20a 表面
20b 裏面
21 第1のリードフレーム部
22 第2のリードフレーム部
23 開口穴
24 カーフ幅
25 第3のリードフレーム部
40 ワイヤー
50 粘着テープ
60 金型
61 下型
62 上型
63 シート
70 封止部材
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7