(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137747
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】追跡システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240927BHJP
G06Q 10/087 20230101ALI20240927BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240927BHJP
【FI】
B65G1/137 A
G06Q10/087
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024025707
(22)【出願日】2024-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2023047240
(32)【優先日】2023-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 純平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良春
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 崚
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522BB01
3F522CC09
3F522DD03
3F522DD05
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE17
3F522GG03
3F522GG23
3F522HH02
3F522HH22
3F522LL61
3F522LL62
(57)【要約】
【課題】貸出物等の物品の又貸しおよび返却忘れ等による、貸出物の紛失を防止可能とする追跡システムを提供する。
【解決手段】本発明は、管理エリア内に保管された物品の前記管理エリア外への貸出の管理および前記貸出の後の持ち出し場所の追跡が可能な追跡システムであって、ゲート、サーバ、および物品管理装置を有し、前記ゲートは、前記管理エリアおよび前記持ち出し場所に含まれる各エリアの出入り口に配置され、かつ、情報リーダが設けられ、前記物品の情報保持媒体および利用者の情報保持媒体のそれぞれから読み取られる前記物品の物品識別情報および利用者の利用者識別情報、および前記ゲートのゲート識別情報を前記サーバを介して前記物品管理装置に蓄積する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理エリア内に保管された物品の前記管理エリア外への貸出の管理および前記貸出の後の持ち出し場所の追跡が可能な追跡システムであって、
ゲート、サーバ、および物品管理装置を有し、
前記ゲートは、
前記管理エリアおよび前記持ち出し場所に含まれる各エリアの出入り口に配置され、かつ、情報リーダが設けられ、
前記物品の情報保持媒体および利用者の情報保持媒体のそれぞれから読み取られる前記物品の物品識別情報および利用者の利用者識別情報、および前記ゲートのゲート識別情報を前記サーバを介して前記物品管理装置に蓄積する、追跡システム。
【請求項2】
前記ゲートは、
前記情報リーダを用いて、前記物品の情報保持媒体および利用者の情報保持媒体から、前記物品識別情報および前記利用者識別情報を読み取る読取機能と、
前記物品識別情報、前記利用者識別情報、および前記ゲート識別情報を前記サーバへ送信する送信機能と、
前記読取機能によって読み取られた前記利用者識別情報が、前記物品を貸し出した利用者とは異なる利用者の前記利用者識別情報であった場合、前記ゲートの扉にロックをかける又貸し防止機能と、
前記物品管理装置において決定された返却日時に近い日時に、利用者が前記物品を持って前記ゲートを通過する場合、利用者へ前記物品の返却忘れを通知する返却忘れ通知防止機能と、
を有する請求項1に記載の追跡システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記利用者識別情報、前記物品識別情報、および前記ゲート識別情報を受信し、受信した前記利用者識別情報、前記物品識別情報、および前記ゲート識別情報を送信する送受信機能と、
前記物品管理装置から送られてきた、前記ゲートの扉をロックするゲートロック指示を、前記ゲートに通知するゲートロック通知機能と、
前記物品管理装置から送られてきた返却忘れ通知指示を、前記ゲートに通知する返却忘れ通知判断機能と、を有し、
前記ゲートは、
前記ゲートロック指示および前記返却忘れ通知指示を受信する受信機能をさらに備え、
前記又貸し防止機能は、前記受信機能により受信した前記ゲートロック指示に応じて、前記ゲートの扉にロックをかけ、
前記返却忘れ通知防止機能は、前記受信機能により受信した前記返却忘れ通知指示を返却通知部に通知し、前記ゲートの扉にロックをかける、請求項2に記載の追跡システム。
【請求項4】
前記物品管理装置は、
前記サーバから受信する前記物品識別情報、前記利用者識別情報、および前記ゲート識別情報を蓄積する蓄積機能と、
利用者が前記管理エリアにある前記物品を持って退室する時、前記蓄積機能に蓄積される前記利用者識別情報および前記物品識別情報を紐づけることで貸し出し、貸し出し時に紐づけられた前記利用者識別情報と前記物品識別情報が前記管理エリアを入室することで前記蓄積機能に蓄積された場合に、前記物品の返却を完了する自動貸出返却機能と、
前記利用者識別情報および前記物品識別情報に、利用者の利用者名および前記物品の物品名を管理情報として追加する第1追加機能と、
前記エリアの入退室を判断し、その判断結果を前記管理情報として追加する第2追加機能と、
前記ゲートを利用者が通過する度に、前記利用者識別情報と前記物品識別情報とに基づいて、前記自動貸出返却機能により前記物品識別情報と紐づけられている前記利用者識別情報かどうかを判断して、利用者以外への又貸しかどうかを判断する又貸し判断機能と、
前記ゲートを利用者が通過する度に、前記自動貸出返却機能で決定した返却期限に対する現在の日時の差が所定の日にち以内の場合、前記物品の返却忘れと判断し、前記サーバへ前記返却忘れ通知指示を送る返却忘れ通知判断機能と、
を有する請求項3に記載の追跡システム。
【請求項5】
前記読取機能は、
前記ゲートに利用者が近づくと、当該利用者が持つ情報保持媒体と前記物品に貼り付けた情報保持媒体を検知し、それぞれの情報保持媒体から前記利用者識別情報および前記物品識別情報を読み取る、請求項2に記載の追跡システム。
【請求項6】
前記送信機能は、前記読取機能により読み取られた前記利用者識別情報および前記物品識別情報と、各エリアの前記ゲート毎に割り振られた前記ゲート識別情報と、を前記サーバへと送信する、請求項2に記載の追跡システム。
【請求項7】
前記又貸し防止機能は、前記物品を貸し出しした利用者とは異なる利用者の前記利用者識別情報が読み取られた際、前記ゲートの扉にロックをかけて前記ゲートを利用者が通過できないようにする、請求項2に記載の追跡システム。
【請求項8】
前記返却忘れ通知防止機能は、
前記物品管理装置で決定された返却日時に近づいた場合に、貸し出した前記物品を持って前記ゲートを通過すると、返却通知部で利用者へ返却忘れを通知して前記物品の返却を催促し、
前記物品の返却日当日に当該物品を持たずに前記物品を利用していたエリアから退室すると、前記返却忘れ通知指示を前記返却通知部で通知して、前記ゲートの扉にロックをかけ、返却対象の前記物品と一緒に退室した場合、前記ゲートの扉にロックをかけずに前記ゲートを通過可能とする、請求項2に記載の追跡システム。
【請求項9】
前記送受信機能は、前記ゲートから、前記利用者識別情報、前記物品識別情報、および前記ゲート識別情報を受信し、前記物品管理装置へ送信する、請求項3に記載の追跡システム。
【請求項10】
前記ゲートロック通知機能は、前記物品の又貸しと判断された場合、前記物品管理装置から送られる前記ゲートロック指示を、前記ゲートへ通知する、請求項3に記載の追跡システム。
【請求項11】
前記返却忘れ通知防止機能は、前記物品の返却忘れと判断された場合、前記物品管理装置から送られた前記返却忘れ通知指示を返却通知部へ送る、請求項3に記載の追跡システム。
【請求項12】
前記蓄積機能は、前記読取機能で読み取った前記利用者識別情報および前記物品識別情報を前記管理情報として蓄積する、請求項4に記載の追跡システム。
【請求項13】
前記自動貸出返却機能は、
利用者が前記管理エリアにある前記物品を持って退室する時、前記蓄積機能により蓄積された前記利用者識別情報と前記物品識別情報とを紐づけることで貸し出しを完了させ、前記物品の貸出日時および前記返却期限を前記管理情報に追加して記録し、
前記貸出日時は、前記ゲートを利用者が通過したときの日時であり、前記返却期限は、前記物品に設定された貸出可能日時を前記貸出日時に足し合わせた日時であり、
前記自動貸出返却機能は、
前記物品の返却時は、前記物品の貸し出し時に紐づけられた前記利用者識別情報と前記物品識別情報が前記管理エリアを入室することで前記物品の返却が完了され、その際、前記返却日時を前記管理情報に追加して記録する、請求項4に記載の追跡システム。
【請求項14】
前記第1追加機能は、前記物品管理装置内で、前記利用者識別情報と対応する利用者名、前記物品識別情報と対応する物品名を一覧化した表を用意し、前記サーバから前記利用者識別情報および前記物品識別情報を受け取った際、前記表を使って、前記利用者識別情報および前記物品識別情報に対応する利用名と物品名を探し出し、前記管理情報に追加する、請求項4に記載の追跡システム。
【請求項15】
前記又貸し判断機能は、
前記ゲートを通過する度に、前記利用者識別情報と前記物品識別情報に基づいて、前記自動貸出返却機能による貸し出し時の記録された前記利用者識別情報と同じかどうかを判断し、
前記ゲートから、前記自動貸出返却機能により貸し出し時に記録された前記利用者識別情報と異なる前記利用者識別情報が送られてきた際は、又貸しと判断し、エリアからの前記物品の持ち出しを防止するために、前記サーバへ前記ゲートロック指示を送る、請求項4に記載の追跡システム。
【請求項16】
前記返却忘れ通知判断機能は、
前記ゲートを通過する度に、前記自動貸出返却機能により決定した前記返却期限に対する現在の日時の差が所定の日にち以内の場合、前記物品の返却忘れと判断し、前記サーバへ前記返却忘れ通知指示を送り、
前記返却期限当日に前記物品を使用していたエリアから退室する際に、前記ゲートが前記利用者の情報保持媒体と同時に返却対象となる前記物品の情報保持媒体を検知できなかったときは、前記ゲートの扉が開かなくなり退室できないようにする、請求項13に記載の追跡システム。
【請求項17】
前記物品管理装置は、誤返却判断機能をさらに備え、
前記物品は、複数の管理エリアのいずれかに保管され、
前記物品が前記複数の管理エリアの少なくとも一部の管理エリアに保管することが決められている場合に、
前記誤返却判断機能は、前記物品の物品識別情報と共にサーバから受信した管理エリアのゲート識別情報が、前記一部の管理エリアに対応しない場合は、前記ゲートロック指示を送信し、
前記ゲートロック通知機能は、前記物品管理装置から送信された前記ゲートロック指示を、前記ゲートへ通知する、請求項3に記載の追跡システム。
【請求項18】
前記物品管理装置は、制限エリア判断機能をさらに備え、
前記物品が前記各エリアの少なくとも一部のエリアへの持ち込みが制限されている場合に、
前記制限エリア判断機能は、前記物品の物品識別情報と共にサーバから受信したエリアのゲート識別情報が、前記一部のエリアに対応しない場合は、前記ゲートロック指示を送信し、
前記ゲートロック通知機能は、前記物品管理装置から送信された前記ゲートロック指示を、前記ゲートへ通知する、請求項3に記載の追跡システム。
【請求項19】
前記各エリアの少なくとも一部のエリアは、内部に1以上のエリアを含み、
前記一部のエリアと、内部に含まれる前記1以上のエリアのそれぞれは、前記ゲートが出入口に配置されている、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の追跡システム。
【請求項20】
前記物品管理装置は、地図表示機能をさらに備え、
前記地図表示機能は、前記物品が持ち出されているエリアの位置を、エリアの配置図に表示する、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の追跡システム。
【請求項21】
前記物品管理装置は、予約申請機能をさらに備え、
前記予約申請機能は、利用者が持ち出している物品に対し、他の利用者からの予約申請を受け付け、
前記予約申請機能は、前記予約申請を受け付けた前記物品の物品名及び前記他の利用者の利用者名を、前記管理情報に追加する、請求項4、12乃至16のいずれか一項に記載の追跡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、追跡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ランダムに収容された文書の収容場所を容易に知りえるようにすることを目的として、文書自体に非接触型のICチップを搭載し、それらを読み取るリーダを搭載した保管棚を用意し、当該リーダで読み取られた情報をサーバに保管することにより、検索時に文書の位置情報を提供する構成が開示されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1記載の技術では、非接触型のICのリーダがある位置に文書等の物品がなければ、物品を追跡ができないという問題は解消できていない。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、貸出物等の物品の又貸しおよび返却忘れ等による、貸出物の紛失を防止可能とする追跡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、管理エリア内に保管された物品の前記管理エリア外への貸出の管理および前記貸出の後の持ち出し場所の追跡が可能な追跡システムであって、ゲート、サーバ、および物品管理装置を有し、前記ゲートは、前記管理エリアおよび前記持ち出し場所に含まれる各エリアの出入り口に配置され、かつ、情報リーダが設けられ、前記物品の情報保持媒体および利用者の情報保持媒体のそれぞれから読み取られる前記物品の物品識別情報および利用者の利用者識別情報、および前記ゲートのゲート識別情報を前記サーバを介して前記物品管理装置に蓄積する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、貸出物等の物品の又貸しおよび返却忘れ等による、貸出物の紛失を防止可能とする、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】
図1Aは、第1の実施の形態にかかる追跡システムの構成の一例を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、第1の実施の形態にかかる追跡システムが有するサーバまたは物品管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図1C】
図1Cは、第1の実施の形態にかかる追跡システムが有するゲートのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態にかかる追跡システムの利用イメージの一例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態にかかる追跡システムの管理情報のイメージの一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、管理エリアが2つある場合の各エリアの配置の例を示す図である。
【
図5】
図5は、第2の実施の形態にかかるゲート、サーバ、および物品管理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、各物品の保管場所を示す管理エリア情報の例を示す図である。
【
図7】
図7は、第3の実施の形態にかかるゲート、サーバ、および物品管理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、各物品の許可エリアを記録した許可エリア情報の例を示す図である。
【
図9】
図9は、エリア内に複数のエリアが配置された例を示す図である。
【
図10】
図10は、第4の実施の形態にかかる追跡システムの管理情報のイメージの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第5の実施の形態にかかる物品管理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、第5の実施の形態にかかる追跡システムの利用イメージの一例を説明するための図である。
【
図13】
図13は、第6の実施の形態にかかるゲート、サーバ、および物品管理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第6の実施の形態にかかる追跡システムの管理情報のイメージの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、追跡システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1Aは、本実施の形態にかかる追跡システムの構成の一例を示す図である。本実施の形態にかかる追跡システムは、管理エリア内に保管された物品の貸出管理および持ち出し場所の追跡が可能な追跡システムである。具体的には、追跡システムは、
図1Aに示すように、サーバ2、ゲート1、および物品管理装置3を有する。
【0010】
ゲート1は、管理エリアおよび物品の持ち出し場所に含まれる各エリアの出入口に配置される。すなわち、ゲート1は、管理エリアおよび複数のエリアのそれぞれに配置されている。ここで、管理エリアは、物品が保管されているエリアであり、物品の管理エリア外への貸出および物品の管理エリア内への返却を管理するエリアである。また、ゲート1は、RFID(Radio Frequency Identification)タグ等の情報保持媒体から情報を読み出すことができる情報リーダ(
図1C参照)等が設けられたゲートであり、貸し出した物品の位置情報を検知する。
【0011】
ここで、情報保持媒体はRFIDタグ等に限定されない。例えば、磁気カード、IC(Integrated Circuit)カード、QR(Quick Response)コードが印刷されたカード等であってもよい。また、情報リーダはRFIDリーダに限定されず、例えば、磁気カードやICカードから情報を読み出す読出し装置やQRコード(登録商標)リーダ等であってもよい。
【0012】
また、ゲート1は、物品の又貸しおよび返却忘れを防止するために扉をロックすることができる。さらに、ゲート1は、物品の情報保持媒体および利用者の情報保持媒体のそれぞれから読み取られる物品の物品識別情報および利用者の利用者識別情報、およびゲート1のゲート識別情報をサーバ2を介して物品管理装置3に蓄積する。これにより、物品の利用可能者は、物品管理装置3を閲覧することで、物品の位置情報を特定可能となる。また、物品の位置情報を特定する上で、物品が常にゲート1の情報リーダ517が検知可能な範囲に置かれていなくても、物品管理装置3に蓄積された物品識別情報、利用者識別情報、およびゲート識別情報に基づく物品の位置情報から行える。
【0013】
従来は、物品の持ち出し場所の不明により、紛失した物品の捜索に時間がかかっている。これに対して、本実施の形態によれば、物品管理装置3に蓄積される利用者識別情報、物品識別情報、およびゲート識別情報を閲覧可能となるので、物品の位置情報が把握可能となる。すなわち、本実施の形態では、エリアの出入り口に情報リーダ517が設けられたゲート1を配置し、物品に貼り付けた情報保持媒体をゲート通過時に読み取り、物品の位置情報を物品管理装置3に蓄積していくことで、物品の位置情報が追跡可能となる。その結果、貸出物等の物品の又貸しおよび返却忘れ等による、貸出物の紛失が防止可能となる。
【0014】
ゲート1は、情報リーダ517を用いて、利用者の情報保持媒体および物品の情報保持媒体のそれぞれから利用者識別情報および物品識別情報を読み取る読取機能1-1を有する。読取機能1-1は、ゲート1に近づいた、利用者が持つ情報保持媒体(社員証等に内蔵)および物品に貼り付けた情報保持媒体(タグ等に内蔵)を検知し、利用者の情報保持媒体から利用者識別情報を読み取り、物品の情報保持媒体から物品識別情報を読み取る。なお、情報リーダ517の読み取りの際に情報保持媒体のタッチやスワイプ等が必要な場合は、利用者が、社員証等やタグ等のタッチやスワイプ等を行う。
【0015】
ゲート1は、利用者の情報保持媒体および物品の情報保持媒体のそれぞれから読み取った利用者識別情報および物品識別情報と、ゲート1の識別情報と、をサーバ2へ送信する送信機能1-2を有する。具体的には、送信機能1-2は、読取機能1-1により取得された利用者の情報保持媒体および物品の情報保持媒体のそれぞれが持つ識別情報と、各エリアのゲート1毎に割り振られた識別情報と、をサーバ2へ送信する。これにより、物品の位置情報を記録することができる。
【0016】
ゲート1は、利用者以外への物品の又貸しを防止する又貸し防止機能1-3を有する。又貸し防止機能1-3は、物品を貸し出した人とは違う利用者の識別情報を読み取った際に、ゲート1の扉にロックをかける。すなわち、又貸し防止機能1-3は、読取機能1-1によって読み取られた利用者識別情報が、物品を貸し出した利用者とは異なる利用者の利用者識別情報であった場合、ゲート1の扉にロックをかける。これにより、利用者がゲート1を通過できなくする。すなわち、物品の利用者以外の利用者への又貸しによって物品が紛失する場合がある。これに対して、本実施の形態では、又貸し防止機能1-3は、物品の利用者以外の利用者が物品を持ちだす場合、エリアのゲート1の扉にロックをかけて、ゲート1を通過できなくする。なお、利用者への物品の自動貸し出しは、物品管理装置3の自動貸出返却機能3-2で行う。物品の又貸し時のゲート1の扉へのロックは、物品管理装置3の又貸し判断機能3-5で判断してゲート1に指示を出す。
【0017】
ゲート1は、利用者への返却忘れ通知防止機能1-4を有する。返却忘れ通知防止機能1-4は、物品管理装置3で決定された返却日時に近い日時に、利用者が貸し出し物品を持ってゲート1を通過する場合に、返却通知部(例えば、ブザー、モニタ)で利用者へ返却忘れを通知し、物品の返却を催促する。
【0018】
また、返却忘れ通知防止機能1-4は、物品の返却日当日に物品を持たず、物品を利用していたエリアから退室すると、返却を忘れていることを通知する返却忘れ通知指示を返却通知部に通知して、ゲート1の扉にロックをかける。従来は、物品の返却忘れにより、次の利用者が直ぐに物品を利用できない場合がある。これに対して、本実施の形態では、返却忘れ通知防止機能1-4は、物品の返却期限が近くなると、ゲート1に対して返却忘れ通知指示が出され、返却期限当日は物品を持って退室しなければ、扉にロックをかける。また、返却忘れ通知防止機能1-4は、返却対象の物品と一緒に退室することで、扉にロックをかけずにゲート1を通過可能とする。返却通知部への通知と扉へのロックは物品管理装置3の返却忘れ通知判断機能3-6で判断して指示を出す。
【0019】
ゲート1は、サーバ2(後述するゲートロック通知機能2-2およびゲート返却通知機能2-3)から通知されるゲートロック指示および返却忘れ通知指示を受信する受信機能1-5を有する。又貸し防止機能1-3は、受信機能1-5により受信するゲートロック指示に応じて、ゲート1の扉にロックをかける。また、返却忘れ通知防止機能1-4は、受信機能1-5により受信する返却忘れ通知指示に応じて、ゲート1の扉にロックをかける。
【0020】
サーバ2は、ゲート1と物品管理装置3を仲介する役割を有する。サーバ2は、ゲート1から識別情報(利用者、物品、およびゲート1のそれぞれの識別情報)を受信する送受信機能2-1を有する。また、サーバ2は、物品管理装置3から、ゲート1のゲートロック指示、返却忘れ通知指示を受信するゲートロック通知機能2-2を有する。
【0021】
送受信機能2-1は、利用者、物品、およびゲート1のそれぞれの識別情報をゲート1から受信し、物品管理装置3へ送信する機能である。
【0022】
ゲートロック通知機能2-2は、物品の又貸しと判断された場合、物品管理装置3から送られた、ゲート1を通過できないように扉をロックするゲートロック指示を、ゲート1へ通知する機能である。
【0023】
ゲート返却通知機能2-3は、物品管理装置3の返却忘れ通知判断機能3-6において物品の返却忘れと判断された場合、物品管理装置3から送られた返却忘れ通知指示を返却通知部に通知する。
【0024】
物品管理装置3は、物品の使用場所を特定可能とする物品管理装置である。物品管理装置3は、利用者および物品がゲート1を通過する度に取得される識別情報をサーバ2から受信し、物品の位置情報として記録する。また、物品管理装置3は、管理エリア内の物品を貸出可能な利用者が閲覧できるようにする。これにより、ゲート1の通過時に蓄積された管理情報(例えば、利用者名、物品名、入退室ステータス、貸出日時、返却期限)から、物品の位置情報が把握でき、紛失が防止できる。物品の貸出と返却もゲート1を使って自動で行われる。
【0025】
物品管理装置3は、蓄積機能3-1を有する。蓄積機能3-1は、利用者、物品、およびゲート1のそれぞれの識別情報を蓄積する機能である。具体的には、蓄積機能3-1は、ゲート1で読み取った利用者および物品のそれぞれの識別情報を管理情報として蓄積する。
【0026】
物品管理装置3は、自動で物品の貸出返却を行う自動貸出返却機能3-2を有する。自動貸出返却機能3-2は、はじめに利用者が管理エリアにある物品を持って退室する時、蓄積機能3-1で蓄積された利用者識別情報および物品識別情報を紐づけることで貸し出しを行う。その際、自動貸出返却機能3-2は、物品の貸出日時および返却期限も管理情報に追加して記録する。ここで、貸出日時は、ゲート1を通過したときの日時である。また、返却期限は、物品に設定された貸出可能日時を貸出日時に足し合わせた日時である。また、自動貸出返却機能3-2は、物品の返却時、貸し出し時に紐づけられた利用者と物品が管理エリアを入室することで物品の返却を完了する。その際、自動貸出返却機能3-2は、返却日時(例えば、ゲート1を通過したとき)を管理情報に追加して記録する。
【0027】
物品管理装置3は、利用者識別情報および物品識別情報に、利用者名および物品名を管理情報として追加する第1追加機能3-3を有する。第1追加機能3-3は、物品管理装置3内で利用者識別情報と対応する利用者名、物品識別情報と対応する物品名を一覧化した表を有する。そして、第1追加機能3-3は、サーバ2から利用者識別情報および物品識別情報を受け取った際、当該一覧表を使って、利用者識別情報および物品識別情報のそれぞれに対応する利用者名と物品名を探し出し、利用者識別情報および物品識別情報とともに管理情報として追加する。
【0028】
物品管理装置3は、エリアの入退室を判断し、その判断結果を管理情報として追加する第2追加機能3-4を有する。第2追加機能3-4は、前回のゲート1の通過時の入退室ステータスに基づいて、エリアに入室したか若しくは退室したかを判断する。ここで、入退室ステータスは、前回が入室であれば退室、退室であれば入室となり、利用者識別情報、物品識別情報、利用者名、物品名とともに管理情報として追加される。管理情報がない状態では、初めてゲート1を通過することになるが、貸し出し前は管理エリア内にあるため、必ず退室となる。
【0029】
物品管理装置3は、利用者以外への又貸しかどうかを判断する又貸し判断機能3-5を有する。又貸し判断機能3-5は、ゲート1を通過する度に、利用者識別情報と物品識別情報とに基づいて、自動貸出返却機能3-2で物品識別情報と紐づけられている利用者識別情報かどうかを判断して、利用者以外への又貸しかどうかを判断する。すなわち、又貸し判断機能3-5は、ゲート1を通過する度に、利用者識別情報と物品識別情報に基づいて、自動貸出返却機能3-2による貸し出し時の記録された利用者識別情報と同じかどうかを判断する。そして、物品を貸し出した利用者と違う利用者識別情報が送られてきた際は、又貸し判断機能3-5は、物品の又貸しと判断し、エリアからの物品の持ち出しを防止するために、サーバ2へゲートロックのゲートロック指示を送る。
【0030】
物品管理装置3は、利用者への返却忘れ通知を判断する返却忘れ通知判断機能3-6を有する。返却忘れ通知判断機能3-6は、ゲート1を通過する度に、自動貸出返却機能3-2で決定した返却期限に対する現在の日時の差がある日にち以内の場合、返却忘れと判断し、サーバ2へ返却忘れ通知指示を送る。また、返却忘れ通知判断機能3-6は、返却日時当日に物品を使用していたエリアから退室する際に、ゲート1が利用者の情報保持媒体と同時に返却対象となる物品の情報保持媒体を検知できなかったときは、扉が開かなくなり退室できないようにする。これにより、期日内に確実に物品を返却でき、次の利用者がすぐに使用できる。
【0031】
図1Bは、本実施の形態にかかるサーバまたは物品管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。以下の説明では、サーバ2のハードウェア構成について説明するが、物品管理装置3も同様のハードウェア構成を有する。
【0032】
図1Bに示されているように、サーバ2は、コンピュータによって構築されており、
図1Bに示されているように、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0033】
これらのうち、CPU501は、サーバ2全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像等の各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリまたはプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス510は、
図1Bに示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスまたはデータバス等である。
【0034】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択または実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であっても良い。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0035】
サーバ2のCPU501は、ROM502に記憶される各種プログラムを実行することにより、送受信機能2-1、ゲートロック通知機能2-2、ゲート返却通知機能2-3等の各種機能を実現する。
【0036】
また、物品管理装置3のCPU501は、ROM502に記憶される各種プログラムを実行することにより、蓄積機能3-1、自動貸出返却機能3-2、第1追加機能3-3、第2追加機能3-4、又貸し判断機能3-5、返却忘れ通知判断機能3-6を実現する。
【0037】
図1Cは、本実施の形態にかかる追跡システムが有するゲートのハードウェア構成の一例を示す図である。
図1Cに示すように、ゲート1は、サーバ2と同様のハードウェア構成に加えて、情報リーダ517を有する。情報リーダ517は、情報保持媒体の情報を読み取る。
【0038】
ゲート1のCPU501は、ゲート1の各部を制御するものであり、ROM502に記憶される各種プログラムを実行することにより、読取機能1-1、送信機能1-2、又貸し防止機能1-3、返却忘れ通知防止機能1-4、受信機能1-5を実現する。
【0039】
図2は、本実施の形態にかかる追跡システムの利用イメージの一例を説明するための図である。
図3は、本実施の形態にかかる追跡システムの管理情報のイメージの一例を説明するための図である。まず、利用者Dが、管理エリアから物品Eを持ち出し、管理エリアのゲート1に向かうと(ステップS201)、ゲート1(読取機能1-1)は、利用者Dと物品Eのそれぞれの情報保持媒体を検知する。ゲート1(送信機能1-2)は、情報保持媒体から読み取った利用者識別情報および物品識別情報、および、ゲート識別情報をサーバ2へ送る(ステップS202)。また、物品管理装置3(自動貸出返却機能3-2)は、
図3に示すように、ゲート1の通過時の日時を貸出日時とし、当該貸出日時に基づいて返却日時(例えば、貸出日時から7日後)を決定する。物品の貸出期間は、物品毎に異なる期間を設定することも可能である。
【0040】
サーバ2(送受信機能2-1)は、当該サーバ2へ送られた利用者識別情報、物品識別情報、およびゲート識別情報を、物品管理装置3へ送る。物品管理装置3(蓄積機能(3-1))は、
図3に示すように、受信した利用者識別情報(例えば、利用者名)、物品識別情報(例えば、物品名)、およびゲート識別情報(例えば、ゲート名)を記録する(ステップS203)。
【0041】
次に、利用者Dが、物品Eを持って、エリアCのゲート1に向かうと(ステップS204)、物品管理装置3(第2追加機能3-4)は、
図3に示すように、利用者Dおよび物品Eの識別情報と紐付けられる入退室ステータスを、管理エリアの退室からエリアCの入室へ更新する(ステップS205)。次いで、利用者Dが、エリアCで物品Eを使用する(ステップS206)。その後、エリアCから物品Eを持って利用者D以外の利用者がゲート1を通過すると、ゲート1(又貸し防止機能1-3)は、ゲート1の扉にロックをかける(ステップS207)。
【0042】
ゲート1(返却忘れ通知防止機能1-4)は、物品Eの返却日時が近くになると、エリアCを入退室する際に返却通知を出す(ステップS208)。また、ゲート1(返却忘れ通知防止機能1-4)は、物品Eの返却日時の当日、物品Eを持ってエリアCを退室しない場合、ゲート1の扉が開かなくする。物品管理装置3(自動貸出返却機能3-2)は、返却日時までに管理エリアのゲート1を利用者Dと物品Eが通過することで、返却完了となる(ステップS209)。また、ゲート1(自動貸出返却機能3-2)は、管理エリアに入室する際に、利用者Dの利用者識別情報と物品Eの物品識別情報が、ステップS202の貸出日時と同じである場合、ゲート1を通過した時間を返却日時としてサーバ2を介して物品管理装置へ記録する(ステップS210)。
【0043】
このように、本実施の形態にかかる追跡システムによれば、エリアの出入り口に情報リーダ517が設けられたゲート1を配置し、物品に貼り付けた情報保持媒体をゲート1通過時に読み取り、物品の位置情報を物品管理装置3に蓄積していくことで、物品の位置情報が追跡可能となる。その結果、貸出物等の物品の又貸しおよび返却忘れ等による、貸出物の紛失が防止可能となる。
【0044】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、管理エリアが1つである場合について説明したが、物品を保管する管理エリアは複数であってもよい。
図4は、管理エリアが2つある場合の各エリアの配置の例を示す図である。この例では、物品A,B,Cは管理エリアXに保管し、物品D,E,Fは管理エリアYに保管するよう決められている。本実施形態では、このように物品毎に保管されるエリアが決まっている場合、利用者が物品Eを管理エリアYから持ち出して使用した後は、物品Eを保管場所である管理エリアYに返却することができる。一方、利用者が物品Eを誤って管理エリアXに返却しようとする場合は、管理エリアXのゲート1がロックされ、物品Eを管理エリアXに持ち込むことはできない。
【0045】
図5は、本実施形態にかかるゲート1、サーバ2、および物品管理装置3の機能構成の一例を示す図である。第1の実施の形態との違いは、ゲート1が管理エリア通知機能1-7を備え、サーバ2が管理エリア検索機能2-7を備え、物品管理装置3が誤返却判断機能3-7を備える点である。それぞれの機能について、以下で説明する。なお、その他の部分やハードウェア構成等については第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0046】
物品管理装置3は、利用者が物品を携帯して管理エリアのゲート1に入ろうとする際に、サーバ2を介して利用者の利用者識別情報、物品の物品識別情報、ゲート1のゲート識別情報を受信する。そして、物品管理装置3の誤返却判断機能3-7は、後述する管理エリア情報を参照して、受信した物品識別情報に対応する物品の保管場所である管理エリアと、受信したゲート識別情報を照合する。この照合は、利用者が、持ち出した物品を決められた保管場所以外の管理エリアに誤返却しようとしているか否かを判断するものである。受信したゲート識別情報が、物品の保管場所である管理エリアに対応しない場合は、利用者が誤返却しようとしていると判断される。そして、照合の結果、受信したゲート識別情報が、物品の保管場所である管理エリアに対応しない場合、誤返却判断機能3-7は、ゲートロック指示をサーバ2のゲートロック通知機能2-2へ送信する。サーバ2のゲートロック通知機能2-2は、ゲートロック指示をゲート1へ通知し、管理エリアのゲート1はゲート1の扉にロックをかけて、物品の誤返却を防止する。
【0047】
また、サーバ2の管理エリア検索機能2-7は、管理エリア情報を検索して、物品の保管場所である管理エリア情報を取得し、ゲート1の管理エリア通知機能1-7へ送信する。管理エリア通知機能1-7は、受信した物品の管理エリアの情報を、ディスプレイ506等に表示して、利用者に物品を返却できる管理エリアを通知する。なお、管理エリアの情報は、音声等で利用者に通知しても良い。
【0048】
各物品は、保管する管理エリアが決められているものと、保管する管理エリアが決められていないものがあってもよい。
図6は、各物品の保管場所を示す管理エリア情報の例を示す図である。
図6(a)で、「1」は物品の保管ができることを示し、「0」は物品の保管ができないことを示す。この例の場合、物品A,Bは管理エリアXに保管できるが管理エリアYには保管できないこと、物品D,Eは管理エリアYに保管できるが管理エリアXに保管できないことが示されている。一方、物品C,Fは管理エリアX,Yのいずれに保管しても良いことが示されている。従って、例えば物品Cを返却する場合、誤返却判断機能3-7は、利用者が管理エリアXや管理エリアYのゲート1を通過する際にはゲートロック指示を送信しない。
【0049】
図6(b)は、各物品の保管場所を示す管理エリア情報の他の例を示す図である。「管理エリア」の列には、各物品の管理エリアの名称(またはゲート識別情報)が記録されている。
図6(b)では
図6(a)と同様に、物品A,Bの保管場所は管理エリアX、物品D,Eの保管場所は管理エリアYであり、物品C,Fは管理エリアX,Yのいずれに保管しても良いことが示されている。
【0050】
なお、管理エリアの数は3つ以上であってもよい。例えば、3つの管理エリアX,Y,Zがある場合、
図6(a)の管理エリア情報は、「管理エリアX」、「管理エリアY」の列に加えて「管理エリアZ」の列を備え、各物品の保管が可能か否かを「1」または「0」で表すことができる。また、
図6(b)の管理エリア情報は、「管理エリア」の列に、各物品の管理エリアの名称(X,Y,Z)等を記録して、物品管理装置3の誤返却判断機能3-7における判断に用いることができる。
【0051】
このように、本実施形態によれば、管理エリアが複数あり、物品によって保管場所が決められている場合でも、物品の誤返却を防止し、利用者が適切な管理エリアに物品を返却することが可能となる。
【0052】
(第3の実施の形態)
物品が使用できるエリアは制限されていてもよい。例えば、換気機能が整備されたエリアでのみ使用が許可される物品や、特定の温度環境や湿度環境でのみ使用が許可される物品等は、貸出し後に持ち込めるエリア(許可エリア)が制限される。本実施形態は、利用者が物品の持ち込みを制限されているエリアに物品を携帯したまま誤って入室することを防止するものである。
【0053】
図7は、本実施形態にかかるゲート1、サーバ2、および物品管理装置3の機能構成の一例を示す図である。第1の実施の形態との違いは、ゲート1が許可エリア通知機能1-8を備え、サーバ2が許可エリア検索機能2-8を備え、物品管理装置3が制限エリア判断機能3-8を備える点である。それぞれの機能について、以下で説明する。なお、その他の部分やハードウェア構成等については第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0054】
物品管理装置3は、利用者が物品を携帯してエリアのゲート1に入ろうとする際に、サーバ2を介して利用者の利用者識別情報、物品の物品識別情報、ゲート1のゲート識別情報を受信する。そして、物品管理装置3の制限エリア判断機能3-8は、後述する許可エリア情報を参照して、受信した物品識別情報に対応する物品の許可エリアと、受信したゲート識別情報を照合する。この照合は、利用者が物品と共にその物品の持ち込みが制限されているエリアのゲートを通過しようとしているか否かを判断するものである。受信したゲート識別情報が、物品の許可エリアに対応しない場合は、その物品の持ち込みが制限されているエリアのゲートを通過しようとしていると判断される。そして、照合の結果、受信したゲート識別情報が、物品の許可エリアに対応しない場合、制限エリア判断機能3-8は、ゲートロック指示をサーバ2のゲートロック通知機能2-2へ送信する。サーバ2のゲートロック通知機能2-2は、ゲートロック指示をゲート1へ通知し、管理エリアのゲート1はゲート1の扉にロックをかけて、利用者の誤入室を防止する。
【0055】
また、サーバ2の許可エリア検索機能2-8は、許可エリア情報を検索して、物品の許可エリアの情報を取得し、ゲート1の許可エリア通知機能1-8へ送信する。許可エリア通知機能1-8は、受信した許可エリアの情報を、ディスプレイ506等に表示して、利用者に物品の持ち込みが可能なエリアを通知する。なお、許可エリアの情報は、音声等で利用者に通知しても良い。
【0056】
図8は、各物品の許可エリアを記録した許可エリア情報の例を示す図である。
図8(a)で、「1」は物品の使用が許可されていることを示し、「0」は物品の使用が許可されていないことを示す。この例では、物品AはエリアCへの持ち込みのみが許可されており、物品CはエリアAとエリアBへの持ち込みのみが許可されている。一方、物品Bは許可エリアが制限されていない。
図8(b)は、許可エリア情報の他の例を示す図である。「許可エリア」の列に許可エリアのエリア情報が記録されており、
図8(a)と同様に、物品AはエリアCへのみ、物品CはエリアAとエリアBへのみ持ち込みが許可されており、物品Bは許可エリアが制限されていないことが示されている。
【0057】
このように、本実施形態によれば、物品によって許可エリアが制限されている場合でも、物品の持ち込みが制限されているエリアへの誤入室を防止し、物品の使用が許可されているエリアを通知することで、利用者が適切なエリアで物品を使用することが可能となる。
【0058】
(第4の実施の形態)
上記では、各エリアは互いに独立して配置されていたが、1つのエリアの中に複数のエリアが配置されるようにしてもよい。1つのエリアが広大である場合、物品が持ち込まれたエリアが特定できても、物品の詳細な位置情報は不明である。1つのエリア内に複数のエリアを配置しておくことで、物品のより詳細な位置情報を把握することが可能になる。
【0059】
図9は、エリア内に複数のエリアが配置された例を示す図である。この例では、エリアAの中に3つのエリアA1,A2,A3が配置されており、エリアA1,A2,A3の出入口にも、それぞれエリアAと同様にゲート1が設けられている。なお、本実施形態のゲート1、サーバ2、物品管理装置3の機能構成やハードウェア構成等については第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0060】
図10は、本実施形態にかかる追跡システムの管理情報のイメージの一例を示す図である。例えば、日時が4-1の時点では、利用者Cが物品Bを携帯してエリアAに入室したが、エリアAの中に設置されたエリアA1,A2,A3のいずれにも入室していないため、物品BはエリアAの中でエリアA1,A2,A3以外の場所にあることがわかる。また、日時が4-2の時点では、利用者Cが物品Bを携帯してエリアA1に入室しているので、物品BはエリアAの中でエリアA1の場所にあることがわかる。さらに、日時が4-3の時点では、利用者Cが物品Bを携帯してエリアA1を退出しエリアA3に入室しているので、物品BはエリアAの中でエリアA3の場所にあることがわかる。
【0061】
このように、本実施形態によればエリア内に複数のエリアが配置されているので、1つのエリアが広大である場合でも、物品のより詳細な位置情報を把握することが可能になる。
【0062】
(第5の実施の形態)
多くのエリアが配置されている場合、利用者がその配置を全て把握することが困難な場合がある。本実施形態は、利用者が管理情報を確認する際に、エリアの配置や物品の所在を容易に把握することができる機能を、追跡システムに追加するものである。
【0063】
図11は、本実施形態にかかる物品管理装置3の機能構成の一例を示す図である。第1の実施の形態との違いは、物品管理装置3が地図表示機能3-9を備える点である。この機能について、以下で説明する。なお、その他の部分やハードウェア構成等については第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
図12は、本実施形態にかかる追跡システムの利用イメージの一例を説明するための図である。まず、物品管理装置3の地図表示機能3-9は、キーボード511やポインティングデバイス512によって利用者から指示された追跡システムの管理情報を、ディスプレイ5に表示する(ステップS301)。
図12の上段では、ディスプレイ5に、物品Bと物品Dの管理情報が表示されている。ここで、管理情報の表示を指示する利用者は、物品Bを持ち出している利用者C、物品Dを持ち出している利用者A、その他の利用者のいずれでもよい。
【0065】
次に、利用者がポインティングデバイス512等を用いて、物品Dの管理情報を選択する(ステップS302)。このとき地図表示機能3-9は、選択された管理情報を点滅させる、選択された管理情報以外の管理情報の表示濃度を薄くする、等によって、どの管理情報が選択されたかを示すようにしてもよい。
【0066】
地図表示機能3-9は、
図12の下段のように、ディスプレイ5にエリアの配置図(エリア地図)を表示し、選択された管理情報が示す物品DがあるエリアCの領域を点滅させる(ステップS303)。このために、物品管理装置3には、各エリアのゲート識別情報とエリア地図に表示される各エリアの位置を紐づけるリンク情報が記憶されている。地図表示機能3-9は、管理情報が選択されると、管理情報が管理している物品の直近の所在エリアを取得し、そのエリアのゲート識別情報に紐づけられているエリア地図内のそのエリアの位置を取得して、そのエリアが位置する領域を点滅させる。地図表示機能3-9は、このようにして物品が持ち出されているエリアの位置をエリアの配置図に表示する。これによって、利用者は、選択した管理情報が示す物品D利用されているエリアCの位置を、エリア地図の上で把握することができる。なお、リンク情報は、物品管理装置3において各種データを記憶するHD504、DVD-RW513、記録メディア515等に記憶することができる。また、地図表示機能3-9は、エリアが位置する領域を点滅させる代わりに、その領域の色を変更することで、エリアの位置をエリアの配置図に表示するようにしてもよい。
【0067】
ステップS302において、利用者は、管理情報を選択する代わりにゲート名の列に記載されたエリア名を選択することもできる。利用者がエリア名を選択した場合は、地図表示機能3-9は、エリア地図において、選択されたエリア名に対応するエリアの位置をエリアの配置図に表示する。また、利用者はキーボード511やポインティングデバイス512を用いて、物品管理装置3に対して検索する物品名を指定することができる。この場合、地図表示機能3-9は、指定された物品名を管理情報から取得し、取得された管理情報に紐づけられているエリア地図内のエリアの位置を取得して、そのエリアの位置をエリアの配置図に表示する。
【0068】
このように、本実施形態によれば、利用者がエリアの配置を全て把握していない場合でも、物品が持ち出されているエリアの位置を、エリアの配置図に表示することで、利用者はエリアの位置を容易に把握し、また、物品の所在を容易に把握することができる
【0069】
(第6の実施の形態)
よく使用される物品や、台数が少ない物品等については、利用者に貸出し中であっても他の利用者がその物品を次に使用するための予約を行いたい場合がある。本実施形態は、貸出し中の物品の予約申請や、予約申請がされている旨を利用者に通知する機能を、追跡システムに追加するものである。
【0070】
図13は、本実施形態にかかるゲート1、サーバ2、および物品管理装置3の機能構成の一例を示す図である。第1の実施の形態との違いは、ゲート1が予約処理機能1-10を備え、サーバ2が予約通知機能2-10を備え、物品管理装置3が予約申請機能3-10を備える点である。それぞれの機能について、以下で説明する。なお、その他の部分やハードウェア構成等については第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
図14は、本実施形態にかかる追跡システムの管理情報のイメージの一例を示す図である。この例において、6-1の時点では、物品Bは、利用者CがエリアAにて使用中であるが、利用者Dは物品管理装置3のキーボード511やポインティングデバイス512を用いて物品Bの予約申請をすることができる。物品管理装置3の予約申請機能3-10は、予約申請を受け付けると、予約区分の列に「申請中」である旨の情報と共に、物品Bの物品名および利用者Dの利用者名を、管理情報に追加する。また、予約申請機能3-10は、物品Bに対して予約申請がされたことを示す情報(予約申請情報)を、サーバ2へ送信する。
【0072】
サーバ2の予約通知機能2-10は、予約申請機能3-10から予約申請情報を受信すると、その予約申請情報を各エリアのゲート1へ送信すると共に、利用者Cへ、予約申請の内容を示す電子メールを送信する。この電子メールには、対象の物品名(物品B)、予約申請者(利用者D)の情報と共に、例えば、返却指定日時より前に物品Bの使用が終了すれば速やかに返却するよう要請するメッセージが含まれる。
【0073】
各エリアのゲート1の予約処理機能1-10は、利用者Cが物品Bを携帯せずに通過したことを検知すると、返却通知部を用いて予約申請がされていることを通知する。
【0074】
この例では、予約申請の内容を示す電子メールや返却通知部の通知を受けて、6-2の時点で、利用者Cが物品Bを返却している。物品Bの返却が完了すると、予約申請機能3-10は、6-3の時点(返却日時の時点)で、予約区分の列に「予約中」である旨の情報と共に、物品Bの物品名および利用者Dの利用者名を、管理情報に追加する。また、予約申請機能3-10は、利用者Dが物品Bを予約中であることを示す情報(予約情報)を、サーバ2へ送信する。
【0075】
サーバ2の予約通知機能2-10は、予約申請機能3-10から予約情報を受信すると、その予約情報を各エリアのゲート1へ送信すると共に、利用者Dへ、予約の内容を示す電子メールを送信する。この電子メールには、対象の物品名(物品B)、予約者(利用者D)の情報と共に、例えば、所定の日時までに物品Bの使用を開始することを要請するメッセージが含まれる。
【0076】
このように、本実施形態によれば、物品が利用者に貸出し中であっても他の利用者がその物品に対して予約を申請し、速やかに物品を返却するよう利用者に促すことができる。また、物品が返却された後は、予約を申請した他の利用者に物品の使用の開始を促すことが可能となり、物品の円滑な運用を促進することが可能となる。
【0077】
上記で説明した実施形態の各機能は、それぞれの実施形態に限定されるものではない。例えば、第2の実施の形態で説明した各機能は、第3乃至第6の実施形態に適用して実施することが可能である。第3乃至第6の実施形態で説明した各機能についても、同様に他の実施形態に適用して実施することが可能である。また、これらの各機能は一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0078】
上記の処理回路で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるように構成してもよい。
【0079】
さらに、上記の処理回路で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記の処理回路で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0080】
上記の処理回路で実行されるプログラムは、コンピュータを、処理回路の各部として機能させうる。このコンピュータは、CPU501がコンピュータで読取可能な記憶媒体からプログラムを主記憶装置上に読み出して実行することができる。
【0081】
また、上記の処理回路は、クラウドシステム上で動作する仮想マシンとして実現されていてもよい。
【0082】
なお、各実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0083】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 管理エリア内に保管された物品の前記管理エリア外への貸出の管理および前記貸出の後の持ち出し場所の追跡が可能な追跡システムであって、ゲート、サーバ、および物品管理装置を有し、前記ゲートは、前記管理エリアおよび前記持ち出し場所に含まれる各エリアの出入り口に配置され、かつ、情報リーダが設けられ、前記物品の情報保持媒体および利用者の情報保持媒体のそれぞれから読み取られる前記物品の物品識別情報および利用者の利用者識別情報、および前記ゲートのゲート識別情報を前記サーバを介して前記物品管理装置に蓄積する、追跡システムである。
<2> 前記ゲートは、前記情報リーダを用いて、前記物品の情報保持媒体および利用者の情報保持媒体から、前記物品識別情報および前記利用者識別情報を読み取る読取機能と、前記物品識別情報、前記利用者識別情報、および前記ゲート識別情報を前記サーバへ送信する送信機能と、前記読取機能によって読み取られた前記利用者識別情報が、前記物品を貸し出した利用者とは異なる利用者の前記利用者識別情報であった場合、前記ゲートの扉にロックをかける又貸し防止機能と、前記物品管理装置において決定された返却日時に近い日時に、利用者が前記物品を持って前記ゲートを通過する場合、利用者へ前記物品の返却忘れを通知する返却忘れ通知防止機能と、を有する前記<1>に記載の追跡システムである。
<3> 前記サーバは、前記利用者識別情報、前記物品識別情報、および前記ゲート識別情報を受信し、受信した前記利用者識別情報、前記物品識別情報、および前記ゲート識別情報を送信する送受信機能と、前記物品管理装置から送られてきた、前記ゲートの扉をロックするゲートロック指示を、前記ゲートに通知するゲートロック通知機能と、前記物品管理装置から送られてきた返却忘れ通知指示を、前記ゲートに通知する返却忘れ通知判断機能と、を有し、前記ゲートは、前記ゲートロック指示および前記返却忘れ通知指示を受信する受信機能をさらに備え、前記又貸し防止機能は、前記受信機能により受信した前記ゲートロック指示に応じて、前記ゲートの扉にロックをかけ、前記返却忘れ通知防止機能は、前記受信機能により受信した前記返却忘れ通知指示を返却通知部に通知し、前記ゲートの扉にロックをかける、前記<1>または<2>に記載の追跡システムである。
<4> 前記物品管理装置は、前記サーバから受信する前記物品識別情報、前記利用者識別情報、および前記ゲート識別情報を蓄積する蓄積機能と、利用者が前記管理エリアにある前記物品を持って退室する時、前記蓄積機能に蓄積される前記利用者識別情報および前記物品識別情報を紐づけることで貸し出し、貸し出し時に紐づけられた前記利用者識別情報と前記物品識別情報が前記管理エリアを入室することで前記蓄積機能に蓄積された場合に、前記物品の返却を完了する自動貸出返却機能と、前記利用者識別情報および前記物品識別情報に、利用者の利用者名および前記物品の物品名を管理情報として追加する第1追加機能と、前記エリアの入退室を判断し、その判断結果を前記管理情報として追加する第2追加機能と、前記ゲートを利用者が通過する度に、前記利用者識別情報と前記物品識別情報とに基づいて、前記自動貸出返却機能により前記物品識別情報と紐づけられている前記利用者識別情報かどうかを判断して、利用者以外への又貸しかどうかを判断する又貸し判断機能と、前記ゲートを利用者が通過する度に、前記自動貸出返却機能で決定した返却期限に対する現在の日時の差が所定の日にち以内の場合、前記物品の返却忘れと判断し、前記サーバへ前記返却忘れ通知指示を送る返却忘れ通知判断機能と、を有する前記<1>乃至<3>のいずれか一に記載の追跡システムである。
<5> 前記読取機能は、前記ゲートに利用者が近づくと、当該利用者が持つ情報保持媒体と前記物品に貼り付けた情報保持媒体を検知し、それぞれの情報保持媒体から前記利用者識別情報および前記物品識別情報を読み取る、前記<2>乃至<4>のいずれか一に記載の追跡システムである。
<6> 前記送信機能は、前記読取機能により読み取られた前記利用者識別情報および前記物品識別情報と、各エリアの前記ゲート毎に割り振られた前記ゲート識別情報と、を前記サーバへと送信する、前記<2>乃至<5>のいずれか一に記載の追跡システムである。
<7> 前記又貸し防止機能は、前記物品を貸し出しした利用者とは異なる利用者の前記利用者識別情報が読み取られた際、前記ゲートの扉にロックをかけて前記ゲートを利用者が通過できないようにする、前記<2>乃至<6>のいずれか一に記載の追跡システムである。
<8> 前記返却忘れ通知防止機能は、前記物品管理装置で決定された返却日時に近づいた場合に、貸し出した前記物品を持って前記ゲートを通過すると、返却通知部で利用者へ返却忘れを通知して前記物品の返却を催促し、前記物品の返却日当日に当該物品を持たずに前記物品を利用していたエリアから退室すると、前記返却忘れ通知指示を前記返却通知部で通知して、前記ゲートの扉にロックをかけ、返却対象の前記物品と一緒に退室した場合、前記ゲートの扉にロックをかけずに前記ゲートを通過可能とする、前記<2>乃至<7>のいずれか一に記載の追跡システムである。
<9> 前記送受信機能は、前記ゲートから、前記利用者識別情報、前記物品識別情報、および前記ゲート識別情報を受信し、前記物品管理装置へ送信する、前記<3>に記載の追跡システムである。
<10> 前記ゲートロック通知機能は、前記物品の又貸しと判断された場合、前記物品管理装置から送られる前記ゲートロック指示を、前記ゲートへ通知する、前記<3>に記載の追跡システムである。
<11> 前記返却忘れ通知防止機能は、前記物品の返却忘れと判断された場合、前記物品管理装置から送られた前記返却忘れ通知指示を返却通知部へ送る、前記<3>に記載の追跡システムである。
<12> 前記蓄積機能は、前記読取機能で読み取った前記利用者識別情報および前記物品識別情報を前記管理情報として蓄積する、前記<4>に記載の追跡システムである。
<13> 前記自動貸出返却機能は、利用者が前記管理エリアにある前記物品を持って退室する時、前記蓄積機能により蓄積された前記利用者識別情報と前記物品識別情報とを紐づけることで貸し出しを完了させ、前記物品の貸出日時および前記返却期限を前記管理情報に追加して記録し、前記貸出日時は、前記ゲートを利用者が通過したときの日時であり、前記返却期限は、前記物品に設定された貸出可能日時を前記貸出日時に足し合わせた日時であり、前記自動貸出返却機能は、前記物品の返却時は、前記物品の貸し出し時に紐づけられた前記利用者識別情報と前記物品識別情報が前記管理エリアを入室することで前記物品の返却が完了され、その際、前記返却日時を前記管理情報に追加して記録する、前記<4>に記載の追跡システムである。
<14> 前記第1追加機能は、前記物品管理装置内で、前記利用者識別情報と対応する利用者名、前記物品識別情報と対応する物品名を一覧化した表を用意し、前記サーバから前記利用者識別情報および前記物品識別情報を受け取った際、前記表を使って、前記利用者識別情報および前記物品識別情報に対応する利用名と物品名を探し出し、前記管理情報に追加する、前記<4>に記載の追跡システムである。
<15> 前記又貸し判断機能は、前記ゲートを通過する度に、前記利用者識別情報と前記物品識別情報に基づいて、前記自動貸出返却機能による貸し出し時の記録された前記利用者識別情報と同じかどうかを判断し、前記ゲートから、前記自動貸出返却機能により貸し出し時に記録された前記利用者識別情報と異なる前記利用者識別情報が送られてきた際は、又貸しと判断し、エリアからの前記物品の持ち出しを防止するために、前記サーバへ前記ゲートロック指示を送る、前記<4>に記載の追跡システムである。
<16> 前記返却忘れ通知判断機能は、前記ゲートを通過する度に、前記自動貸出返却機能により決定した前記返却期限に対する現在の日時の差が所定の日にち以内の場合、前記物品の返却忘れと判断し、前記サーバへ前記返却忘れ通知指示を送り、前記返却期限当日に前記物品を使用していたエリアから退室する際に、前記ゲートが前記利用者の情報保持媒体と同時に返却対象となる前記物品の情報保持媒体を検知できなかったときは、前記ゲートの扉が開かなくなり退室できないようにする、前記<13>に記載の追跡システムである。
<17> 前記物品管理装置は、誤返却判断機能をさらに備え、前記物品は、複数の管理エリアのいずれかに保管され、前記物品が前記複数の管理エリアの少なくとも一部の管理エリアに保管することが決められている場合に、前記誤返却判断機能は、前記物品の物品識別情報と共にサーバから受信した管理エリアのゲート識別情報が、前記一部の管理エリアに対応しない場合は、前記ゲートロック指示を送信し、前記ゲートロック通知機能は、前記物品管理装置から送信された前記ゲートロック指示を、前記ゲートへ通知する、前記<3>、<9>乃至<11>のいずれか一に記載の追跡システムである。
<18> 前記物品管理装置は、制限エリア判断機能をさらに備え、前記物品が前記各エリアの少なくとも一部のエリアへの持ち込みが制限されている場合に、前記制限エリア判断機能は、前記物品の物品識別情報と共にサーバから受信したエリアのゲート識別情報が、前記一部のエリアに対応しない場合は、前記ゲートロック指示を送信し、前記ゲートロック通知機能は、前記物品管理装置から送信された前記ゲートロック指示を、前記<3>、<9>乃至<11>、<17>のいずれか一に記載の追跡システムである。
<19> 前記各エリアの少なくとも一部のエリアは、内部に1以上のエリアを含み、前記一部のエリアと、内部に含まれる前記1以上のエリアのそれぞれは、前記ゲートが出入口に配置されている、前記<1>乃至<18>のいずれか一に記載の追跡システムである。
<20> 前記物品管理装置は、地図表示機能をさらに備え、前記地図表示機能は、前記物品が持ち出されているエリアの位置を、エリアの配置図に表示する、前記<1>乃至<19>のいずれか一に記載の追跡システムである。
<21> 前記物品管理装置は、予約申請機能をさらに備え、前記予約申請機能は、利用者が持ち出している物品に対し、他の利用者からの予約申請を受け付け、前記予約申請機能は、前記予約申請を受け付けた前記物品の物品名及び前記他の利用者の利用者名を、前記管理情報に追加する、前記<4>、<12>乃至<16>のいずれか一に記載の追跡システムである。
【符号の説明】
【0084】
1 ゲート
2 サーバ
3 物品管理装置
1-1 読取機能
1-2 送信機能
1-3 又貸し防止機能
1-4 返却忘れ通知防止機能
1-5 受信機能
2-1 送受信機能
2-2 ゲートロック通知機能
2-3 ゲート返却通知機能
3-1 蓄積機能
3-2 自動貸出返却機能
3-3 第1追加機能
3-4 第2追加機能
3-5 又貸し判断機能
3-6 返却忘れ通知判断機能
501 CPU
502 ROM
503 RAM
517 情報リーダ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】