(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137956
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】パッドコンディショナ洗浄システム
(51)【国際特許分類】
B24B 55/06 20060101AFI20240927BHJP
B24B 53/12 20060101ALI20240927BHJP
B24B 53/017 20120101ALI20240927BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B24B55/06
B24B53/12 Z
B24B53/017 A
B24B53/017 Z
H01L21/304 622M
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024102767
(22)【出願日】2024-06-26
(62)【分割の表示】P 2022580035の分割
【原出願日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】63/045,005
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/932,628
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ガジル シャンタヌ ラジヴ
(72)【発明者】
【氏名】パタンカー サミット スバーシュ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス ネイサン アロン
(72)【発明者】
【氏名】コフリン マイケル ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ダンブラ アレン エル
(57)【要約】
【課題】コンディショナヘッドを洗浄する方法を提供する。
【解決手段】パッドコンディショナヘッド洗浄ツールは、ディスク形パッドコンディショナヘッドの外面に対して第1の位置においてスポンジの第1の部分を取外し可能に係合させるように構成された第1のクランプと、ディスク形パッドコンディショナヘッドの外面に対して第2の位置においてスポンジの第2の部分を取外し可能に係合させるように構成された第2のクランプと、第1のクランプを第2のクランプに結合するアームとを有する。このアームは、第1のクランプと第2のクランプとを引き離してディスク形パッドコンディショナヘッドの周囲にはめるのを可能にするのに十分な可撓性を有し、第1のクランプおよび第2のクランプを内側へ付勢してスポンジをパッドコンディショナヘッドの外面に押し付けるのに十分な張力を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク形パッドコンディショナヘッドの外面に対して第1の位置においてスポンジの第1の部分を取外し可能に係合させるように構成された第1のクランプと、
前記ディスク形パッドコンディショナヘッドの前記外面に対して第2の位置において前記スポンジの第2の部分を取外し可能に係合させるように構成された第2のクランプと、
前記第1のクランプを前記第2のクランプに結合するアームであって、前記第1のクランプと前記第2のクランプとを引き離して前記ディスク形パッドコンディショナヘッドの周囲にはめるのを可能にするのに十分な可撓性を有し、前記第1のクランプおよび前記第2のクランプを内側へ付勢して前記スポンジをパッドコンディショナヘッドの外面に押し付けるのに十分な張力を有する、アームと
を備えるパッドコンディショナヘッド洗浄ツール。
【請求項2】
前記アームが弧状である、請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記第1のクランプおよび前記第2のクランプが弧状である、請求項1に記載のツール。
【請求項4】
前記パッドコンディショナヘッド洗浄ツールが前記パッドコンディショナヘッドに固定されているときに、前記第1のクランプおよび前記第2のクランプの弧の中心が前記コンディショナヘッドの中心である、請求項3に記載のツール。
【請求項5】
前記第1のクランプが単一体片であり、前記第2のクランプが単一体片である、請求項1に記載のツール。
【請求項6】
前記第1のクランプおよび前記第2のクランプの各々が、前記コンディショナヘッドを収容するように構成された上フランジおよび下フランジを有する、請求項5に記載のツール。
【請求項7】
前記第1のクランプおよび前記第2のクランプの各々の外面の部分が凹んでいる、請求項5に記載のツール。
【請求項8】
前記第1のクランプ、前記第2のクランプおよび前記アームが、前記第1のクランプと前記第2のクランプの間に間隙がある一体の弧状体であり、前記間隙が、前記スポンジを受け取るように構成されている、請求項1に記載のツール。
【請求項9】
スポンジをさらに備える、請求項1に記載のツール。
【請求項10】
前記スポンジが乾いたスポンジである、請求項9に記載のツール。
【請求項11】
前記スポンジが湿ったスポンジである、請求項9に記載のツール。
【請求項12】
前記スポンジがディスク形である、請求項9に記載のツール。
【請求項13】
パッドコンディショナヘッド洗浄方法であって、
パッドコンディショナヘッド洗浄ツールの間隙の中にスポンジを設置すること、
を含み、前記パッドコンディショナヘッド洗浄ツールが、
ディスク形パッドコンディショナヘッドの外面に対して第1の位置においてスポンジの第1の部分を取外し可能に係合させるように構成された第1のクランプと、
前記ディスク形パッドコンディショナヘッドの前記外面に対して第2の位置において前記スポンジの第2の部分を取外し可能に係合させるように構成された第2のクランプと、
前記第1のクランプを前記第2のクランプに結合するアームであって、前記第1のクランプと前記第2のクランプとを引き離して前記ディスク形パッドコンディショナヘッドの周囲にはめるのを可能にするのに十分な可撓性を有し、前記第1のクランプおよび前記第2のクランプを内側へ付勢してパッドコンディショナヘッドの外面に前記スポンジを押し付けるのに十分な張力を有する、アームと
を備え、前記方法がさらに、
前記スポンジを前記パッドコンディショナヘッドと接触させること、ならびに
前記スポンジで前記パッドコンディショナヘッドをこすること
を含むパッドコンディショナヘッド洗浄方法。
【請求項14】
前記パッドコンディショナヘッド洗浄ツールの前記間隙の中に前記スポンジを設置することが、
前記第1のクランプを伸ばして前記スポンジを前記間隙の中に移動させること、
前記間隙の中および前記第1のクランプの内側に前記スポンジの第1の部分を配置すること、
前記第1のクランプを解放して前記スポンジの前記第1の部分を保持すること、
前記第2のクランプを伸ばして前記スポンジを前記間隙の中に移動させること、
前記間隙の中および前記第2のクランプの内側に前記スポンジの第2の部分を配置すること、ならびに
前記第2のクランプを解放して前記スポンジの前記第2の部分を保持すること
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記パッドコンディショナヘッド洗浄ツールをパッドコンディショナヘッドから取り外すことをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
コンディショナヘッドを洗浄する方法であって、
洗浄ツールの2本のクランプアームをディスク形パッドコンディショナヘッドに向かって内側へ動かして、前記ディスク形パッドコンディショナヘッドの外面にスポンジを押し付けること、および
前記洗浄ツールと前記パッドコンディショナヘッドの間の相対運動を生じさせて、前記スポンジで前記パッドコンディショナヘッドを拭くこと
を含む方法。
【請求項17】
相対運動を生じさせることが、前記パッドコンディショナヘッドを回転させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
相対運動を生じさせることが、前記パッドコンディショナヘッドツールを、時計回り-反時計回り運動で交互の方向に回転させることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記スポンジが乾いたスポンジである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記スポンジを洗浄溶液で湿らせて湿ったスポンジを提供すること、および
前記湿ったスポンジで前記パッドコンディショナヘッドを拭くこと
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は化学機械研磨に関し、より詳細には、パッドコンディショナの洗浄に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は通常、シリコンウエハ上に導電層、半導電層または絶縁層を逐次的に堆積させることによって基板上に形成される。1つの製造ステップは、非平面の表面の上に充填層を堆積させ、充填層を平坦化することを含む。ある用途では、パターン形成された層の上面が露出するまで導電性充填層が平坦化される。酸化物研磨などの他の用途では、非平面の表面の上に所定の厚さが残されるまで充填層が平坦化される。さらに、基板表面の平坦化は通常、フォトリソグラフィでも必要である。
【0003】
化学機械研磨(CMP)は認められた1つの平坦化法である。この平坦化法では通常、キャリアヘッドまたは研磨ヘッドに基板を装着する必要がある。通常、基板の露出した表面を、回転している研磨パッドに当てる。キャリアヘッドは、制御可能な荷重を基板にかけて基板を研磨パッドに押し付ける。通常、研磨パッドの表面に研磨液が供給される。
【0004】
研磨システムは通常、研磨パッドのコンディショニングを実行するための研磨材下面(abrasive lower surface)を有するコンディショナディスクを保持したコンディショナヘッドを有するコンディショナシステムを含む。研磨パッドのコンディショニングは、ウエハ間の均一な研磨条件を保証するために研磨面を一貫した粗さに維持する。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、パッドコンディショナヘッド洗浄ツールが、第1のクランプ、第2のクランプおよびアームカップリングを有する。第1のクランプは、ディスク形パッドコンディショナヘッドの外面に対して第1の位置においてスポンジの第1の部分を取外し可能に係合させるように構成されている。第2のクランプは、ディスク形パッドコンディショナヘッドの外面に対して第2の位置においてスポンジの第2の部分を取外し可能に係合させるように構成されている。アームは、第1のクランプを第2のクランプに結合する。アームは、第1のクランプと第2のクランプとを引き離してディスク形パッドコンディショナヘッドの周囲にはめるのを可能にするのに十分な可撓性を有し、第1のクランプおよび第2のクランプを内側へ付勢してスポンジをパッドコンディショナヘッドの外面に押し付けるのに十分な張力を有する。
【0006】
実施態様は、以下のうちの1つまたは複数の特徴を含むことがある。
【0007】
第1のクランプおよび第2のクランプを弧状とすることができる。アームを弧状とすることができる。パッドコンディショナヘッド洗浄ツールがパッドコンディショナヘッドに固定されているときに、弧状の第1のクランプおよび第2のクランプの弧の中心をコンディショナヘッドの中心とすることができる。第1のクランプを単一体片(unitary piece)とすることができ、第2のクランプを単一体片とすることができる。第1のクランプおよび第2のクランプの各々は、コンディショナヘッドを収容するように構成された上フランジおよび下フランジを有することができる。第1のクランプおよび第2のクランプの各々の外面の部分が凹んでいてもよい。第1のクランプ、第2のクランプおよびアームを、第1のクランプと第2のクランプの間に間隙がある一体の弧状体(unitary arcuate body)とすることができる。この間隙は、スポンジを受け取るように構成されている。
【0008】
このツールはスポンジを含むことができる。このスポンジを、乾いたスポンジとすることができる。このスポンジを、湿ったスポンジとすることができる。このスポンジを、ディスク形とすることができる。
【0009】
別の態様では、パッドコンディショナヘッドを洗浄するための方法が、洗浄ツールの2本のクランプアームをディスク形パッドコンディショナヘッドに向かって内側へ動かして、ディスク形パッドコンディショナヘッドの外面にスポンジを押し付けること、および洗浄ツールとパッドコンディショナヘッドの間の相対運動を生じさせて、スポンジでパッドコンディショナヘッドを拭くことを含む。
【0010】
実施態様は、限定はされないが、以下のうちの1つまたは複数の利点を含んでもよい。研磨の質が向上することがあり、例えば、研磨プロセス中にパッドコンディショナから分離した研磨スラリ蓄積物由来の乾燥した研磨材粒子によって生じるスクラッチおよび欠陥が少なくなる。さらに、欠陥が原因で廃棄されるウエハの量を減らすことができる。保守による研磨システムの運転休止時間を大幅に短縮することができる。これによって、パッドコンディショナ洗浄プロセスに充てる時間が短くなるため、研磨システムの生産性が向上し、オペレータ時間が短くなる。異なる洗浄モード(すなわち乾式洗浄と湿式洗浄)間の切替えがより容易になる。パッドコンディショナとのツールの圧力係合を調整することにより、洗浄プロセスを素早く変更することができる。さらに、スポンジタイプを変更することおよび/または洗浄流体を追加することにより、洗浄プロセスを素早く変更することができる。
【0011】
1つまたは複数の実施態様の詳細が添付図面および以下の説明に示されている。他の態様、特徴および利点は、これらの説明および図面ならびに特許請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】コンディショナヘッドが化学機械研磨システムの研磨パッドと係合している、パッドコンディショナシステムの概略断面図である。
【
図1B】パッドコンディショナヘッドが洗浄位置にある、
図1Aの化学機械研磨システムのパッドコンディショナ洗浄システムの概略断面図である。
【
図2】
図1Bのパッドコンディショナ洗浄システムの概略断面図である。
【
図3】
図1Bのパッドコンディショナ洗浄システムの正面透視図である。
【
図4】パッドコンディショナシステム上に設置されたパッドコンディショナ洗浄システムの正面透視図であり、パッドコンディショナシステムは
図1の化学機械研磨システムから分離されている。
【
図6】パッドコンディショナを洗浄する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
各種図面の同じ参照符号および記号表示は同じ要素を指す。
【0014】
化学機械研磨中には、研磨パッドの表面に、研磨液、例えば研磨材研磨スラリ(abrasive polishing slurry)が供給される。研磨システムは通常、コンディショナヘッドと、研磨パッドのコンディショニングを実行するための研磨材下面を有するコンディショナディスクとを有するコンディショナシステムを含む。
【0015】
プラテンおよび研磨パッドを回転させると、研磨パッドから研磨液が遠心方向に移動しうる。研磨液の一部は、研磨パッドから流れ落ち、それらを液溜り(basin)に集めることができるが、研磨液の一部は跳ね散ってコンディショナヘッドに付着しうる。これが起こった場合、研磨液は、例えば凝集によってまたは単純に乾燥することによって、コンディショナヘッド上により大きな微粒子を形成しうる。乾燥したまたは凝集した研磨液が研磨パッド上に経時的に蓄積することには多くの有害な影響がある。例えば、これらのより大きな微粒子は脱落し、研磨面に戻ることがあり、したがってスクラッチ形成および欠陥の危険性が生じることがある。コンディショナヘッドおよびコンディショナディスクを洗浄して、乾燥した研磨液の蓄積を防ぐために、かなりの量の非生産的な時間が必要となる。
【0016】
コンディショナヘッドに容易に取り付けることができ、機器分解を必要としないコンディショナヘッド洗浄ツールは、これらの有害な影響を軽減することができる。
【0017】
図1Aは、基板10を研磨するように動作可能な研磨システム20を示している。研磨システム20は、その上に研磨パッド30が位置する回転可能なプラテン24を含む。研磨システム20はさらに、回転可能なプラテン24から環状間隙22によって分離された、プラテン24を取り囲むプラテンシールド26を含むことができる。回転可能なプラテン24は、軸28の周りを回転するように動作可能である。例えば、回転可能なプラテン24を回転させるために、モータ30がドライブシャフト32を回転させることができる。
【0018】
研磨システム20は、研磨パッド30に対して基板10を保持するように動作可能なキャリアヘッド70を含む。キャリアヘッド70は、支持構造体72、例えばカルーセルまたはトラックから吊り下げられており、キャリアヘッドが軸71の周りを回転することができるように、キャリアドライブシャフト74によってキャリアヘッド回転モータ76に接続されている。さらに、キャリアヘッド70は、例えば、アクチュエータによって駆動されたときにカルーセル72の半径方向の溝穴の中を移動することによって、またはモータによって駆動されたときにカルーセルが回転することによって、またはアクチュエータによって駆動されたときにトラックに沿って前後に移動することによって、研磨パッド30を横切って横方向に往復運動することができる。動作時、プラテン24は、その中心軸25の周りを回転し、キャリアヘッド70は、その中心軸71の周りを回転し、研磨パッド30の上面を横切って横方向に平行移動する。
【0019】
研磨システム20は研磨液送達アーム34を含むことができる。研磨中、アーム34は、研磨液36を分配するように動作可能である。研磨液36は、研磨材粒子を含むスラリとすることができる。研磨液36は、多くの名称で呼ばれることがあり、例えば研磨材研磨スラリ、研磨材研磨液または研磨スラリと呼ばれることがある。
【0020】
研磨システム20はさらに、回転可能なコンディショナヘッド42を備えるコンディショナシステム40を含むことができ、回転可能なコンディショナヘッド42は、主研磨パッド30の研磨面38のコンディショニングを実行するための研磨材下面を、例えば取外し可能なコンディショニングディスク上に含むことができる。コンディショナシステム40はさらに、コンディショナヘッド42を駆動するためのモータ44、およびモータ44をコンディショナヘッド42に接続するドライブシャフト46を含むことができる。コンディショナシステム40はさらに、研磨パッド30を横切ってコンディショナヘッド40を横方向に掃くように動かすように構成されたアクチュエータを含むことができる。コンディショナシステム40はさらに、パッドコンディショナヘッド42を回転させてパッドコンディショナヘッド42を横方向に動かして研磨パッド30に載せたり研磨パッド30から下ろしたりするためのアーム88を含むことができる。
図4に示されているようにコンディショナヘッド40が横方向に移動して研磨パッド30から外れることを可能にするため、プラテンシールド26に切欠き部または切抜き部22を形成することができる。
【0021】
研磨液36の一部は、研磨パッド30から流れ落ち、それらを研磨システム20の下方で集めることができるが、研磨パッド30上の研磨液36の一部はコンディショナヘッド42に張り付きうる。さらに、研磨パッド30のコンディショニングは、研磨パッド30から研磨屑を取り除くことができ、この屑もコンディショナヘッド42に張り付きうる。いずれの場合も、キャリアヘッド70上の研磨液36は乾燥し、コンディショニングパッドヘッド42上にさらに蓄積しうる。
【0022】
図1Bは、研磨システム20のコンディショナヘッド42上に設置されたコンディショナパッドヘッド洗浄ツール50を示している。コンディショナパッドヘッド洗浄ツール50は、スポンジホルダ52およびスポンジ54を含む。
図2に示されているように、スポンジホルダ52は、パッドコンディショナヘッド42を洗浄するために、スポンジ54を、パッドコンディショナヘッド42の1つまたは複数の表面、例えば上面48aまたは側面48bに対して付勢する。
【0023】
図5Aおよび5Bを参照すると、スポンジ54はディスク形とすることができる。スポンジ54は、スポンジの中心96に配置された、スポンジの本体を貫通して延びる開口90を有することができる。開口90は、コンディショナヘッド42にモータ44を接続するドライブシャフト46の直径を収容するサイズを有する。スポンジ54の周囲94からこのボイドまでスロット92が延びている。スロット92は、パッドコンディショナヘッド42の周囲にスポンジ54を置くことを可能にする。
【0024】
スポンジ54は、軟性、多孔性および吸収性の材料でできている。スポンジ54は、天然材料または合成材料でできたものとすることができる。例えば、スポンジ54を、植物性セルロース、動物海綿、麻または木繊維などの天然材料から形成することができる。あるいは、スポンジ54を、ポリエステルまたはポリウレタンなどの合成材料から形成することもできる。
【0025】
スポンジ54は、乾いたスポンジまたは湿ったスポンジとすることができる。乾いたスポンジは、スポンジに追加されたいかなる流体化学物質も含まない。乾いたスポンジは、こすり落とし(scraping)に使用することができる。
図5Aを参照すると、乾いたスポンジはワッフル状の表面テクスチャを有することで、こすり落としを強化することができる。湿ったスポンジは、スポンジに追加された流体を含む。
図5Bに示されているように、湿ったスポンジを使用して、乾いた研磨液36の蓄積物をこすり落とすこと、乾いた研磨液36の蓄積物を柔らかくしほぐすこと、またはパッドコンディショニングヘッド42に化学物質を塗布することができる。例えば、脱イオン水、イソプロピルアルコールまたは水酸化カリウムをスポンジに塗布することができる。
【0026】
図2~4を参照すると、スポンジホルダ52は2つのクランプ56aおよび56bを含む。それぞれのクランプ56は上あご58および下あご60を有する。フレーム62が上あご58および下あご60をつないでいる。第1のクランプ56aは、コンディショナヘッド42に対してスポンジ54の第1の部分64を係合させるように構成された、フレーム62aによって連結された上あご58aおよび下あご60aを有する。第2のクランプ56bは、コンディショナヘッド42に対してスポンジ54の第2の部分66を係合させるように構成された、フレーム62bによって連結された上あご58bおよび下あご60bを有する。上あご56と下あご58は、コンディショナヘッド42に取り付けられるように、動くようにつながっている、例えば広げることができる。
【0027】
2つのクランプ56aおよび56bは弧状、すなわち上から見て弧状である。上あご58および下あご60の外面は、上面80に形成された凹み78を有することができる。第1のクランプ56aは、凹み78aを有する上面80を有する。第2のクランプ56bは、凹み78bを有する上面80を有する。凹み78aおよび78bは、オペレータがクランプ56aおよび56bをつかむのを強化するように構成されている。クランプ56a、56bの底面82も凹み78を有することができる。
【0028】
上あご58および下あご60の内面は、例えば
図2に示されているように平らとすることができ、または例えば
図3に示されているように凸形とすることができる。
【0029】
クランプ56aと56bは、
図3に示されるようにアームカップリング68によって連結されている。カップリングアームは弧状体とすることができる。アームカップリング68は、第1のクランプ56aおよび第2のクランプ56bがクランプ56aとクランプ56bとを広げてパッドコンディショナヘッド42の周囲にはめるのを可能にするのに十分な可撓性を有し、第1のクランプ56aおよび第2のクランプ56bを内側へ付勢してパッドコンディショナヘッド42の外面48と係合させるのに十分な張力を有する。スポンジが外面48に沿って広がっている場合、第1のクランプ56aおよび第2のクランプ56bは、コンディショナヘッド48の外面48に対してスポンジ54を内側へ押し付けることができる。第1のクランプ56および第2のクランプ56bは、パッドコンディショナヘッド洗浄ツール50がパッドコンディショナヘッド42に固定されているときに第1のクランプおよび第2のクランプの弧の中心がコンディショナヘッド42の中心となるように、アームカップリング68によって配置される。第1のクランプ56b、第2のクランプ56bおよびアームカップリング68は単一体片とすることができる。それぞれのクランプは、コンディショナヘッドを収容するように構成された上フランジおよび下フランジを有する。
【0030】
スポンジ54は、スポンジ54の外面84がパッドコンディショナヘッド42の少なくとも1つの表面48に押し付けられるような態様でスポンジホルダ52によって保持される。動作時、例えばオペレータが、スポンジホルダ52およびスポンジ54を軸86の周りで回転させることができる。その間、パッドコンディショナヘッド42は静止したままである。いくつかの実施態様では、スポンジホルダ52およびスポンジ54を、時計回り方向および反時計回り方向に交互に回転させる。あるいは、パッドコンディショナヘッド42を、例えばドライブシャフトを回転させることによって軸86の周りで回転させることもできる。その間、オペレータは、スポンジホルダ52およびスポンジ54を静止した状態に保持する。いずれも場合も、スポンジホルダ52は、スポンジ54を、パッドコンディショナヘッド42と接触した状態に保持し、この相対運動は、研磨液36の蓄積物を拭き取りまたはこすり落とす。
【0031】
スポンジホルダは弾性プラスチック製とすることができる。例えば、スポンジホルダは、鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレンまたは複合材料とすることができる。
【0032】
図6は、パッドコンディショナヘッド洗浄ツールを用いてパッドコンディショニングヘッドを洗浄する方法600を示している。602で、パッドコンディショナヘッド洗浄ツールの間隙の中にスポンジを設置する。あるいは、パッドコンディショナヘッド上にスポンジを直接に置くこともできる。604で、コンディショナヘッド上に洗浄ツールを設置する。パッドコンディショナヘッド洗浄ツールを設置することは、第1のクランプと第2のクランプを広げること、洗浄ツールを移動させてコンディショナヘッド(およびスポンジ)を取り囲むこと、ならびに第1のクランプを解放してコンディショナヘッドに対してスポンジを保持することを含むことができる。例えばオペレータがクランプの外側に加えた圧力によって、スポンジをパッドコンディショナヘッドとさらに接触させることができる。606で、スポンジがパッドコンディショナヘッドをこする。スポンジは、パッドコンディショナヘッドと接触している。パッドコンディショナヘッドをこすることは、パッドコンディショナヘッドを回転させること、および/またはパッドコンディショナヘッドツールを回転させることを含むことができる。いくつかの実施態様では、こすることが、時計回り-反時計回り運動で方向を交互にすることを含む。乾いたスポンジでパッドコンディショナヘッドをこすることができる。湿ったスポンジは、洗浄溶液で湿らせたものとすることができる。次いで、湿ったスポンジでパッドコンディショナヘッドをこすることができる。608で、パッドコンディショナヘッド洗浄ツールをパッドコンディショナヘッドから取り外す。
【0033】
いくつかの実施形態を説明した。それにもかかわらず、さまざまな変更を加えることができることが理解される。したがって、下記の特許請求の範囲には他の実施形態が含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンディショナヘッドを洗浄する方法であって、
洗浄ツールの2つのクランプをディスク形パッドコンディショナヘッドに向かって内側へ動かして、前記ディスク形パッドコンディショナヘッドの外面にスポンジを押し付けること、および
前記洗浄ツールと前記パッドコンディショナヘッドの間の相対運動を生じさせて、前記スポンジで前記パッドコンディショナヘッドを拭くこと
を含む方法。
【請求項2】
相対運動を生じさせることが、前記パッドコンディショナヘッドを回転させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スポンジは、前記パッドコンディショナヘッドが化学機械研磨システムのコンディショナシステムの駆動軸に取り付けられている間に、前記パッドコンディショナヘッドに当てて拭く、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記パッドコンディショナヘッドを回転させることは、モータに前記駆動軸を回転させるコントローラを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
相対運動を生じさせることが、前記パッドコンディショナヘッドツールを、時計回り-反時計回り運動で交互の方向に回転させることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記スポンジが乾いたスポンジである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記スポンジを洗浄溶液で湿らせて湿ったスポンジを提供すること、および
前記湿ったスポンジで前記パッドコンディショナヘッドを拭くこと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記2つのクランプが円弧状である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記洗浄ツールの前記2つのクランプが結合アームによって接続されている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記2つのクランプと結合アームが一体部品である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記2つのクランプを前記ディスク形パッドコンディショナヘッドの周囲に適合させるために、前記2つのクランプを広げることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記2つのクランプの各々が、間隙によって分離された上顎と下顎を含み、前記スポンジを上顎と下顎の間の間隙に挿入することを含む、請求項1に記載の方法。
【外国語明細書】