(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138219
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】試験測定システム及びデコード方法
(51)【国際特許分類】
H04B 1/713 20110101AFI20241001BHJP
G01R 23/16 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H04B1/713
G01R23/16 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024047787
(22)【出願日】2024-03-25
(31)【優先権主張番号】202321020488
(32)【優先日】2023-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】18/612,443
(32)【優先日】2024-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ピー・イー・ラメッシュ
(72)【発明者】
【氏名】プラハルシャ・ピー・シルシ
(57)【要約】
【課題】周波数ホッピングを使用するデバイスからの無線データ伝送を、そのデバイスで使用されている周波数ホッピング・パターンを事前に知らずにデコードする。
【解決手段】周波数ホッピング通信システム用の試験測定システム100は、2つ以上の夫々異なる無線周波数で送信される少なくとも2フレームのデータを含む信号を周波数ホッピング・データ送信デバイス110から受信するように構成されたRFアンテナ120と、周波数ホッピング・データ送信デバイス110が送信した2つ以上の夫々異なる無線周波数についての事前知識なしに、少なくとも2フレームのデータをデコードするように構成されたデコーダ105とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数ホッピング通信システムのための試験測定システムであって、
2つ以上の夫々異なる無線周波数で送信される少なくとも2フレームのデータを含む信号を周波数ホッピング・データ送信デバイスから受信するように構成された無線周波数アンテナと、
上記周波数ホッピング・データ送信デバイスが上記少なくとも2フレームのデータを送信した上記2つ以上の夫々異なる無線周波数についての事前知識なしに、上記少なくとも2フレームのデータをデコードするように構成されたデコーダと
を具える試験測定システム。
【請求項2】
上記2つ以上の夫々異なる無線周波数を求め、
該2つ以上の夫々異なる無線周波数の夫々についての周波数偏差を求める
ように構成された短時間フーリエ変換プロセッサを更に具える請求項1に記載の試験測定システム。
【請求項3】
上記少なくとも2フレームのデータの中の少なくとも1つのフレームに含まれる複数のシンボル・インターバルの周波数偏差を求めるように構成されたガウス周波数シフト・キー・プロセッサを更に具える請求項1に記載の試験測定システム。
【請求項4】
上記周波数ホッピング・データ送信デバイスから受信した上記信号をデコードするように構成された同相直交(IQ)プロセッサを更に具える請求項1に記載の試験測定システム。
【請求項5】
上記少なくとも2フレームのデータをスクランブルするために使用されたホワイトニング・ワードを求めるように構成された多項式抽出部を更に具える請求項1に記載の試験測定システム。
【請求項6】
試験測定装置において、周波数ホッピング・データ送信デバイスから送信された少なくとも2フレームのデータをデコードする方法であって、
無線周波数アンテナによって2つ以上の夫々異なる無線周波数で送信される少なくとも2フレームのデータを含む信号を上記周波数ホッピング・データ送信デバイスから受信する処理と、
上記周波数ホッピング・データ送信デバイスが上記少なくとも2フレームのデータを送信した上記2つ以上の夫々異なる無線周波数についての事前知識なしに上記少なくとも2フレームのデータをデコードする処理と
を具えるデコード方法。
【請求項7】
短時間フーリエ変換プロセッサを用いて、上記2つ以上の夫々異なる無線周波数を求める処理と、
上記短時間フーリエ変換プロセッサを用いて、上記2つ以上の夫々異なる無線周波数の夫々について周波数偏差を求める処理と
を更に具える請求項6に記載のデコード方法。
【請求項8】
ガウス周波数シフト・キー・プロセッサを使用して、上記少なくとも2フレームのデータの中の少なくとも1つのフレームに含まれる複数のシンボル・インターバルの周波数偏差を求める処理を更に具える請求項6に記載のデコード方法。
【請求項9】
同相直交(IQ)プロセッサを用いて、上記周波数ホッピング・データ送信デバイスからの上記信号をデコードする処理を更に具える請求項6に記載のデコード方法。
【請求項10】
デコードされた上記少なくとも2フレームのデータを、フレーム番号でインデックス化されたリストの形式で記憶する処理を更に具える請求項6に記載のデコード方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エンコードされた無線通信をデコードするシステム及び方法に関し、より詳細には、ネットワーク化されたデバイス間の周波数ホッピングを使用した無線データ転送を、試験測定装置で捕捉及びデコードするシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Bluetooth(登録商標)は、携帯電話から、医療装置、コンピュータ、ヘルスケア装置まで、幅広い電子デバイスの接続を可能にする世界的な無線通信規格である。Bluetooth(登録商標)は、デバイス間のケーブル接続の必要性を排除し、2.4~2.48GHzの免許不要の産業科学及び医療帯域において、短波長伝送を使用して短距離接続を行う。
【0003】
2.4GHz帯で動作するBluetooth(登録商標)は、基本及び拡張データ・レート伝送用に79個の無線周波数(RF)チャンネルを採用している。2.4GHz帯の狭帯域干渉とフェーディングに対処するために、Bluetooth(登録商標)は、周波数ホッピング・スペクトラム拡散(FHSS:frequency hopping spread spectrum)を採用している。周波数ホッピングは、79個のチャンネル全てで、確率が一定の擬似ランダム・パターンに従う。アクティブにBluetooth(登録商標)接続中、送信機と受信機の両方が、疑似ランダム周波数ホッピング・パターンを認識しているが、これは、マスター・デバイスのクロックとBluetoothアドレスの特定のビットに基づいて決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「テクトロニクス社製オシロスコープ」の紹介サイト、テクトロニクス、[online]、[2024年3月22日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/oscilloscopes>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
Bluetooth(登録商標)デバイスは、既に、他のBluetooth(登録商標)デバイスとの通信ネットワーク(これは、ピコネットと呼ばれる)内にある場合、現在のチャンネル周波数をデコードしている間、次のチャンネル周波数に関する知識を持っている。逆に、ピコネットの外側にあるデバイスは、擬似ランダム周波数ホッピング・パターンにアクセスできないため、Bluetooth(登録商標)通信をデコードできない。
【0007】
このため、周波数ホッピングを使用するデバイスからの無線データ伝送を、そのデバイスによって使用されている周波数ホッピング・パターンを予め知らなくても、捕捉してデコードするシステムのニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示による実施形態は、無線周波数ホッピング・ネットワーク・プロトコルを使用して通信しているネットワーク化されたデバイス間のデータ転送を、この無線ネットワークの一部ではないオシロスコープで捕捉及びデコードするためのシステム及び方法を提供する。より詳細には、実施形態は、ある種のフーリエ解析を使用して、データ・パケットを表すRF信号のおおよその周波数を求め、次いで、精緻化(refining)プロセスがデータ・パケットの正確な開始点を決定する。次に、データ・パケットをエンコードする前に、データ・パケットに対してホワイトニング・プロセスを実行するために使用された多項式を、総当たり(brute-force:可能性のあるものを全て試す)方法を使用して決定する。こうして、この情報を使用してデータ・パケットをデコードできる。以下の説明は、通信にBluetooth(登録商標)プロトコルを使用する通信を参照して行うが、本開示による実施形態は、Wi-Fi(IEEE802.11)、コードレス電話、トランシーバ及びベビー・モニタなど、任意の周波数ホッピング・プロトコルを利用するものについて、使用されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、周波数ホッピングを使用してRF信号によって伝送されるデータを受信するためのアンテナと、受信したRF信号を波形として保存するメモリと、データをデコードするためのデコーダとを有する試験測定装置を含む、本開示のいくつかの実施形態による試験測定システムを示す。
【
図2】
図2は、
図1の試験測定装置によって捕捉された時間領域のRF信号を示す本開示技術による出力表示である。
【
図3】
図3は、本開示技術の実施形態による、RF信号のシリーズの時間ベースの表示を示し、これらシリーズ中の各スパイクは、データの1フレームを表し、これらフレームの中心周波数は、不明である。
【
図4A】
図4Aは、本開示技術による無線デバイスから送られてくる単一のデータ・フレームを示すRF信号の一例の時間領域での表示である。
【
図4B】
図4Bは、本開示技術による無線デバイスから送られてくる
図4Aの単一データ・フレームを示すRF信号の一例の周波数領域での表示である。
【
図5】
図5は、本開示技術による単一のデータ・フレームを表すRF信号の短時間フーリエ変換の表示であり、上記データ・フレームのRF伝送の中心周波数に関する情報を提供する。
【
図6】
図6は、Bluetooth(登録商標)フレームのフレーム構造を示し、本開示技術の実施形態は、本開示技術に従って、これを利用して、デバイスによって送信されたデータ・フレームをデコードする。
【
図7】
図7は、Bluetooth(登録商標)フレームのプリアンブル部分中の各シンボル・インターバルに関して分析した周波数偏差のアイ・ダイアグラム・プロットであり、本開示技術によって、デバイスによって送信されたデータ・フレームをデコードするために使用される。
【
図8】
図8は、ホワイトニング・プロセスと、本開示の方法によりデコードされるディ・ホワイトニング(de-whitening)のプロセスを示す。
【
図9】
図9は、本開示による完全なbluetoothトランザクション・メッセージのデコードを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本開示技術の実施形態よる、オシロスコープなどの試験測定装置102を含む試験測定システム100のブロック図であって、試験測定装置102は、RF送信デバイス、特に周波数ホッピングを使用するRF送信デバイスからのRF信号を検出するための無線信号受信機104を含む。無線信号受信機104は、所与の中心周波数で無線信号を受信し、関心のある全ての信号を試験測定装置102によって捕捉することを可能にする周波数スパンを有する。受信機104は、デコーダ105に結合されており、デコーダ105は、受信機が捕捉したRF信号で運ばれるパケット・データをデコードするように動作する。試験測定システム100の受信機104及びデコーダ105と他のコンポーネントの動作の詳細な説明は、以下に示す。
【0011】
試験測定装置102には、また、1つ以上のメイン・プロセッサ150があり、これは、メイン・メモリ152からの命令を実行するように構成されても良く、そのような命令によって示される任意の方法や関連ステップを実行できる。メモリ152の一部は、試験測定装置102によって取得された波形データを記憶する波形メモリとして構成されても良い。メモリ152の一部は、他のデータも格納して良い。ユーザ・インタフェース154は、1つ以上のプロセッサ150に結合されており、ユーザが試験測定装置102をインタラクティブに操作するために利用可能な、例えば、キーボード、マウス、タッチ・スクリーン、出力ディスプレイ、ファイル・ストレージやその他の任意の操作装置を含んでも良い。いくつかの実施形態では、ユーザ・インタフェース154は、リモート・インタフェース(図示せず)に接続されるか、又は、リモート・インタフェースによって制御されるので、ユーザは、試験測定装置から物理的に離れた遠隔位置で試験測定装置102の動作を制御することができる。ユーザ・インタフェース154のディスプレイ部分は、波形、測定値及び他のデータをユーザに表示するためのLCDなどのデジタル画面又はその他の任意のモニタであっても良い。いくつかの実施形態では、ユーザ・インタフェース154のメイン出力ディスプレイが、試験測定装置102から離れた場所に配置されても良い。
【0012】
1つ以上の測定ユニット156は、試験測定装置102によって測定されるデバイスからの信号のパラメータ及びその他の特性を測定する主要な機能を実行する。典型的な測定には、時間領域での入力信号の電圧、電流及び電力の測定に加えて、周波数領域での入力信号の特性の測定が含まれる。測定ユニット156は、通常、試験測定装置で行われる任意の測定を表し、受信機104及びデコーダ105は、そのような測定ユニット156内に統合されるか又はそのような測定ユニット156に結合されても良い。
【0013】
図1は、アンテナ112を含む周波数ホッピング・データ伝送デバイス110も示している。アンテナ112は、データ伝送デバイス110内のデータ送信機(図示せず)に結合されている。動作中、データ伝送デバイス110は、データ伝送デバイス110と共にピコネットの一部である別のデータ伝送デバイス(図示せず)にデータ・パケットを送信する。データ・パケットは、アンテナ112から発せられるRF信号114を介して送信される。データ伝送デバイス110は、データ伝送デバイス110によって送られる各データ・パケットが他のデータ・パケットとは異なる周波数で送信される周波数ホッピングの方法を用いて、これらの他のデバイスに信号を送る。ピコネット内の全てのデバイスは、データ伝送デバイス110によって、次のデータ・パケットが送信される周波数についての知識を持っており、この周波数の知識を送信されたデータ・パケットをデコードするために利用する。以下に詳細に説明するように、試験測定装置102は、ピコネット・ネットワークの一部でなくても、実施形態による技術を用いて、データ伝送デバイス110によって送信されるデータ・パケットをデコードできる。
【0014】
無線周波数(RF)プローブ(つまり、アンテナ)120は、試験測定装置102の試験入力部に結合され、ピコネット内の少なくとも1つのデータ伝送デバイス110に、そして、潜在的には全てのデータ伝送デバイス110に近接して適切に配置される。試験測定装置102は、RFアンテナ120によって検知されたRF信号114を時間領域で捕捉する。これらのRF信号が入力波形として試験測定装置102によって捕捉された後、受信機104は、RF信号を時間領域の波形として記憶する。更に、試験測定装置102は、入力RF信号を復調し、それを復調された同相及び直交(IQ)波形として保存することもできる。一般に、この変換は、信号に中心周波数を印加して、IQ成分を導き出すことによって実行される。記憶されたRF信号は、以下に詳細に説明されるように、デコーダ105によってもデコードされても良い。次いで、試験測定装置102は、ユーザのためにユーザ・インタフェース154上にデコードされた応答を表示しても良いし、試験測定装置は、デコードされたデータを格納する1つ以上のデータ・ファイルを作成しても良い。このようにして、ユーザは、試験測定装置102を使用して、データ伝送デバイス110によって生成されたRF信号114を、以前には不可能であった方法でデコードすることができる。言い換えれば、以前は、ピコネットの一部であるデバイスのみが、データ伝送デバイス110によって送信されたデータ・パケットをデコードすることができたが、これは、ピコネットの一部であるデバイスのみが、後続の各データ・パケットが、どの周波数で送信されるかを知っているからである。しかし、本開示による実施形態は、例えば、試験測定装置102によって、この試験測定装置がピコネットの一部ではなくても、データ・パケットをデコードする手法を開発した。
【0015】
図2は、
図1の試験測定装置102によって捕捉されたRF信号210を示す本開示技術による時間領域での出力表示200の例を示す。RF信号210の各スパイクは、例えば、
図1のデータ伝送デバイス110又はデータを送信する方法として周波数ホッピングを使用する任意のデータ伝送デバイスによって送信される別々のデータ・パケットである。試験測定装置102は、後続のパケットの中心周波数に関して事前には知らないが、この中心周波数は、データ伝送デバイス110が使用するプロトコルによって使用される夫々異なる(unique:ユニーク、一意の)複数の伝送チャンネルの中の1つのものであり得る。例えば、Bluetooth(登録商標)プロトコルでは、2.40GHzから2.48GHzまでの帯域に1MHz間隔の79個のチャンネルがあり、各パケットは、この79個のチャンネルの中のいずれかで送信されることになるであろう。
【0016】
図3は、試験測定装置102(
図1)によって捕捉されたRF信号のシリーズの時間領域での表示300を示しており、ここで、シリーズ中の各スパイクは、データのフレームを表し、各データ・フレームの中心周波数は不明である。
【0017】
図4A及び
図4Bは、それぞれ、
図3のRF信号のシリーズから分離された第1フレームの時間表示400及び周波数表示410である。時間領域表示400のスパイク402は、データ伝送デバイス110によって送信されるデータ伝送ユニットを示し、これはフレーム又はデータ・フレームと呼ばれ、一方、周波数領域表示410のスパイク412は、その同じデータ・フレームの中心周波数を示している。
【0018】
データ伝送デバイス110によって送信されるデータの各フレームは、異なる中心周波数を有する。また、各フレームは、未知のコーディングでエンコードされる。本開示による実施形態は、最初に、データ伝送デバイス110によって送信される各フレームの中心周波数を求める。次に、各パケットは、以下で詳細に説明するようにデコードされる。RF波形を捕捉することによって試験測定装置102で利用可能な情報としては、上述したような各データ・パケットのタイミングだけでなく、捕捉されたRF信号から試験測定装置102によって生成されるIQ波形の形式の復調波形も含む。実際には、試験測定装置102(
図1)のアンテナ120によって検出されたRF信号は、試験測定装置102によって、そのI(同相)成分とQ(直交)成分に変換され、これは、一般にIQ波形と呼ばれる。概して、この変換は、信号に中心周波数を印加してIQ成分を導き出すことによって実行される。このIQ波形は、試験測定装置102の波形メモリ152などのメモリに格納され、データ伝送デバイス110によって送信されたデータ・パケットのデコードを支援するために使用される。
【0019】
入ってくるデータ・パケットをデコードする最初のステップは、試験測定装置102によって捕捉された各パケットの中心周波数を特定することである。各フレームは、異なる中心周波数を有し、これは、ピコネット内のマスター・デバイスのアドレス・ビットの一部によって決定される。しかし、試験測定装置102は、ピコネットの一部ではないので、次のデータ・パケットが、どの特定の周波数、即ち、チャンネルで送信されるかはわからない。本開示による実施形態は、新しい技術を使用して、データ・パケットの中心周波数を求めることができる。
【0020】
データ・パケットの中心周波数を求める方法の1つは、パケットを含むRF信号の短時間フーリエ変換(STFT:short-time Fourier transform)を生成して、非定常信号の周波数成分が時間とともに、どのように変化するかを分析することである。この信号の時間領域と周波数領域の両方を3D形式で観察できる。
図5は、
図4A及び
図4Bに示された第1データ・フレームに関する本開示技術によるSTFTのスペクトログラム・プロット500を示す。このスペクトログラム・プロット500では、横軸が時間(ms:ミリ秒)、縦軸が周波数(MHz)、振幅(dB)が色で示されている。スペクトログラム500のデータを使用し、行、列及び振幅(magnitude)のデータの助けを借りて、強調された領域の場所を決定できる。いくつかの実施形態では、強調された領域は、スペクトログラム500の2D空間におけるエッジ検出アルゴリズムを使用して決定される。強調された領域が検出されると、平均周波数値からの偏差の値を決定できる。
図5を参照すると、図示の例では、中心周波数を2.46GHzに設定しており、スペクトログラム500は、この中心周波数から約15MHzの偏差(deviation:ずれ)において、データ・フレームが送信された箇所を強調して示している。従って、強調された箇所の15MHzを2.46GHzの中心周波数に加えれば、このフレームの中心周波数の2.4750GHzが得られる。
【0021】
図5を参照して説明したこのプロセスは、取得(アクイジション)したデータの1つのフレームに関するものである。取得した波形中の全てのフレームに対して同じ処理を繰り返し、各データ・フレームの中心周波数を検出する。そのため、各データ・フレームに対して短時間フーリエ変換を実行した後にわかることは、各データ・フレームが送信された中心周波数であり、また、上述のようにIQ波形も既知であり、これにより、全てのフレームに含まれる全てのデータのデジタル情報が得られる。しかし、デジタル値は、送信前に変調されているので、次のプロセスとして、各フレーム中のデータの復調があり、以下で詳細に説明する。
【0022】
図6は、Bluetooth(登録商標)フレーム600のフレーム構造を示している。図示されるように、フレーム600には、68ビット又は72ビットのいずれかのアクセス・コード部分と、54ビットのヘッダと、0~2745ビットのペイロードがある。フレーム600の最下位ビット(LSB)及び最上位ビット(MSB)も示される。アクセス・コード部分は、アクセス・コードの長さが短いか通常であるかに応じて、4ビット・プリアンブル、64ビット同期ワード及びオプションの4ビット・トレーラーを含むコンポーネント部分に更に分割される。
【0023】
Bluetooth(登録商標)フレーム600の個々のビットは、フレームの中心周波数から比較的少ない+/-200kHzの周波数オフセット変動を持つガウス周波数シフト・キーイング(GFSK:Gaussian Frequency Shift Keying)を使用して変調される。上述に基づいて、各フレームの中心周波数は、上記の
図5を参照して説明した短時間フーリエ変換を使用して、大まかなレベルで決定されることを思い出してください。本開示技術の実施形態は、もう1つ別のプロセスを使用して、Bluetooth(登録商標)フレーム600の正確な第1ビットを見つけ出し、その結果として、フレーム600の残りの部分を正しく復調しても良い。
【0024】
試験測定装置102(
図1)を用いてBluetooth(登録商標)フレーム600をデコードする際には、プリアンブルが使用されるが、これは、Bluetooth(登録商標)フレームのプリアンブルは、プリアンブルの直後に続く同期ワードのLSBに応じて、0101又は1010のいずれかの固定のコードだからである。しかし、Bluetooth(登録商標)フレーム600のプリアンブルは非常に短い、即ち、長さがわずか4ビットであるため、データ・フレーム内で受信した間違ったビットを開始ビットとして特定する可能性がある。
【0025】
Bluetooth(登録商標)フレーム600は、上述したようにGFSKを使用して変調されるので、各シンボル・インターバルの周波数偏差(frequency deviation)を個別に評価して、Bluetooth(登録商標)フレーム600の正確な開始ビットを決定することができる。
【0026】
図7は、本開示技術によって、デバイスによって送信されるデータ・フレームをデコードするために使用されるBluetooth(登録商標)フレームのプリアンブル部分中のシンボル・インターバルの夫々を評価した周波数偏差のアイ・ダイアグラム・プロットである。
図4Bを参照すると、各フレームの開始位置と終了位置は、試験測定装置102(
図1)によって記録されたRF波形の時間領域データを分析することによって決定される。各フレームの開始点は、大きなスパイクが発生する場所であり、各フレームの終了点は、大きなスパイクが終了する場所である。各フレームの開始位置と終了位置との間の信号は、各Bluetooth(登録商標)フレーム600内のデータを含む。
【0027】
Bluetooth(登録商標)フレーム600の正確な開始点を決定する実施形態によるプロセスは、各シンボル・インターバルの周波数の偏差をプロットすることによって始まり、これは、
図7に例示されるアイ・ダイアグラムを形成する。信号は、GFSK変調の平均周波数偏差を超えて、信号が最初のシンボルを形成し始める位置にロックオンされる。このようにして、プリアンブルに加えて同期ワードの位置を決定できる。このため、フレームの中央のどこかから始まって、各シンボル・インターバルの周波数の偏差がプロットされ、分析される。フレームの中央では、
図7に示すように、周波数の偏差が発生することが予想される。次いで、次の前のシンボル・インターバルがチェックされる。それでも周波数偏差がある場合、プロセスは、次の前のシンボルに進む。最終的に、シンボル・インターバルがフレームの先頭(開始位置)と一致すると、プロットに周波数偏差はなくなる。この方法を使用することにより、Bluetooth(登録商標)フレーム600の正確なLSBを見つけられる可能性が非常に高い。つまり、フレームの中央から開始することで、周波数偏差が発生すると想定される。しかし、フレームの先頭に向かって一度に1ビットずつ作業することにより、ある時点で周波数偏差は直線になり、これは、Bluetooth(登録商標)フレーム600の正確な開始位置を精密に特定する。
【0028】
Bluetooth(登録商標)フレーム600の開始位置と終了位置が特定され、中心周波数補正を補償した後、フレーム内のIQ波形の部分が復調される。Bluetooth(登録商標)フレーム600の正確な開始位置が特定された後、次いで、同期ワードの位置が特定されるが、これは、4ビットのプリアンブルの直ぐ後に続く(
図6)。この同期ワードに含まれているは、24ビットの下位アドレス部分(LAP:lower address part)である。
【0029】
アクセス・コード部分以外のBluetooth(登録商標)フレーム600の残りの部分は、冗長パターンに基づくデータをランダム化すると共に、フレーム伝送における直流(DC)バイアスを最小化するために、データ・ホワイトニング・ワードでスクランブルされていることがある。Bluetooth(登録商標)フレーム600がスクランブルされている場合、スクランブルされる部分には、ペイロードに加えて、パケット・ヘッダも含まれる(
図6)。パケット・ヘッダには、1/3FEC(Forward Error Correction)でエンコードされた18ビットのHEC(Header Error Control)のリンク情報が含まれており、54ビットのヘッダが生成される。Bluetooth(登録商標)フレーム600の残りの部分は、ペイロードを含んでいる。
【0030】
伝送プロセスの一部としてのデータのホワイトニングが、
図8に示されている。上述したように、最初に、ステップ802でHECが生成されてから、ホワイトニング・ワードがステップ804で適用され、これにより、データ伝送がスクランブルされる。次に、ステップ806でFECが適用され、これにより、送信エラーが発生した場合でも、受信機が、Bluetooth(登録商標)パケット600を適切にデコードするのを支援する。
図8に示されるRFインタフェースは、送信アンテナ112(
図1)と受信アンテナを指し、これは、本開示では、試験測定装置102のアンテナ120である。
図8に示されている残りのプロセスは、受信機によって、又は、本願に開示される実施形態によれば、試験測定装置102(
図1)によって、実行される。
【0031】
図8に示されるように、ステップ808で受信したBluetooth(登録商標)パケット600をデコードすることは、FECによってエンコードされたデータをデコードすることを意味する。Bluetooth(登録商標)ネットワークにおけるFECエンコード処理の形式は、既知であって、試験測定装置102(
図1)は、Bluetooth(登録商標)プロトコルに従ってデータをデコードする。ステップ810でのディ・ホワイトニング(de-whitening:脱ホワイトニング)プロセスは、もっと複雑になる可能性があるが、これは、ホワイトニング・ワード、従って、ディ・ホワイトニング・ワードが、LAPから導出されるためである。あるBluetooth(登録商標)デバイスが、ピコネットの一部であれば、データ・ホワイトニング・ワードは、そのBluetooth(登録商標)デバイスには既知である。本発明の実施形態は、総当たり(brute-force:可能性のあるものを全て試す)プロセスによって、ホワイトニング・ワードを決定しても良い。つまり、これは、Bluetooth(登録商標)デバイスのデータ・ホワイトニングの多項式は、次の式(1)で与えられるためである。
g(D)=D
5+D
4+1 (1)
ここで、D
5及びD
4は、上記多項式の4番目及び5番目の数であり、このため、試験測定装置102は、LAPの可能な全ての組み合わせを生成して、ペイロードを含むBluetooth(登録商標)フレーム600のスクランブルを解除する正しい多項式を見つけても良い。
【0032】
図9は、本開示技術による30個のBluetooth(登録商標)データ・フレームのデコード処理の例を含むレポート900を示す。試験測定装置102(
図1)のメモリ152はかなり大きいので、完全なBluetoothトランザクションを試験測定装置が取得し、上述のように、デコード処理及び分析のために保存することができる。レポート900は、
図6及び
図9に示されているように、アクセス・コード、ヘッダ及びペイロードを含む、Bluetooth(登録商標)データ・フレームの全ての部分を含む。上述したように、レポート900は、試験測定装置102(
図1)のディスプレイに表示されても良いし、分析又は他の使用のための出力ファイルとして生成されても良い。
【0033】
本開示による実施形態は、オシロスコープその他の試験測定装置を使用して、通信ネットワークの一部でなくても、Bluetoothメッセージ交換(conversation:交信)又は他の周波数ホッピング・プロトコルの完全なトランザクションを取得及びデコードするシステム及び方法を提供する。また、実施形態によれば、通信ネットワークにおける周波数ホッピング・シーケンスを試験及び検証することが可能になる。
【0034】
アイ・ダイアグラムを使用してフレームの開始位置と終了位置を見つけるために使用される上記のメカニズムは、プリアンブルを使用してフレームの誤った開始位置にロックされるのを防止する。また、実施形態は、LAPを見つけてホワイトニング・シーケンスを作成する総当たり(brute force)メカニズムにより、ペイロード及びヘッダーをデコードすることが可能になる。これは、ホワイトニング・コードを利用可能なのは、典型的には、ネットワークのメンバーのみであるため、従来は、ネットワークの一部でなければ不可能だったことである。
【0035】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0036】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいても良い。
【0037】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
実施例
【0038】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0039】
実施例1は、周波数ホッピング通信システムのための試験測定システムであって、該試験測定システムは、2つ以上の夫々異なる無線周波数で送信される少なくとも2フレームのデータを含む信号を周波数ホッピング・データ送信デバイスから受信するように構成された無線周波数アンテナと、上記周波数ホッピング・データ送信デバイスが上記少なくとも2フレームのデータを送信した上記2つ以上の夫々異なる無線周波数についての事前知識なしに、上記少なくとも2フレームのデータをデコードするように構成されたデコーダとを具える。
【0040】
実施例2は、実施例1による試験測定システムであって、上記2つ以上の夫々異なる無線周波数を求めるように構成された短時間フーリエ変換プロセッサを更に具える。
【0041】
実施例3は、実施例2による試験測定システムであって、上記短時間フーリエ変換プロセッサは、上記2つ以上の夫々異なる無線周波数の夫々についての周波数偏差を求めるように構成される。
【0042】
実施例4は、上記実施例のいずれかによる試験測定システムであって、ガウス周波数シフト・キー・プロセッサを更に具える。
【0043】
実施例5は、実施例4による試験測定システムであって、ガウス周波数シフト・キー・プロセッサは、上記少なくとも2フレームのデータの中の少なくとも1つのフレームに含まれる複数のシンボル・インターバルの周波数偏差を求めるように構成される。
【0044】
実施例6は、上記実施例のいずれかによる試験測定システムであって、上記周波数ホッピング・データ送信デバイスから受信した上記信号をデコードするように構成された同相直交(IQ:In-phase Quadrature)プロセッサを更に具える。
【0045】
実施例7は、実施例6による試験測定システムであって、上記周波数ホッピング・データ送信デバイスから受信した上記信号は、IQ波形及び時間領域波形として記憶される。
【0046】
実施例8は、上記実施例のいずれかによる試験測定システムであって、上記少なくとも2フレームのデータをスクランブルするために使用されたホワイトニング・ワードを求めるように構成された多項式抽出部を更に具える。
【0047】
実施例9は、上記実施例のいずれかによる試験測定システムであって、上記周波数ホッピング・データ送信デバイスは、Bluetooth(登録商標)プロトコルに従って、上記少なくとも2フレームのデータを送信する。
【0048】
実施例10は、上記実施例のいずれかによる試験測定システムであって、デコードされた上記少なくとも2フレームのデータを、フレーム番号でインデックス化されたリストの形式で記憶するように構成されたメモリを更に具える。
【0049】
実施例11は、試験測定装置において、周波数ホッピング・データ送信デバイスから送信された少なくとも2フレームのデータをデコードする方法であって、無線周波数アンテナによって2つ以上の夫々異なる無線周波数で送信される少なくとも2フレームのデータを含む信号を上記周波数ホッピング・データ送信デバイスから受信する処理と、上記周波数ホッピング・データ送信デバイスが上記少なくとも2フレームのデータを送信した上記2つ以上の夫々異なる無線周波数についての事前知識なしに上記少なくとも2フレームのデータをデコードする処理とを具える。
【0050】
実施例12は、実施例11による方法であって、短時間フーリエ変換プロセッサを用いて、上記2つ以上の夫々異なる無線周波数を求める処理を更に具える。
【0051】
実施例13は、上記実施例の方法11から12のいずれかによる方法であって、上記短時間フーリエ変換プロセッサを用いて、上記2つ以上の夫々異なる無線周波数の夫々について周波数偏差を求める処理を更に具える。
【0052】
実施例14は、上記実施例の方法11から13のいずれかによる方法であって、ガウス周波数シフト・キー・プロセッサを使用して、上記少なくとも2フレームのデータの中の少なくとも1つのフレームに含まれる複数のシンボル・インターバルの周波数偏差を求める処理を更に具える。
【0053】
実施例15は、上記実施例の方法11から14のいずれかによる方法であって、同相直交(IQ:In-phase Quadrature)プロセッサを用いて、上記周波数ホッピング・データ送信デバイスからの上記信号をデコードする処理を更に具える。
【0054】
実施例16は、実施例15による方法であって、上記周波数ホッピング・データ送信デバイスからの上記信号をIQ波形及び時間領域波形として上記試験測定装置に記憶する処理を更に具える。
【0055】
実施例17は、上記実施例の方法11から16のいずれかによる方法であって、多項式抽出部を用いて、上記少なくとも2フレームのデータをスクランブルするのに使用されたホワイトニング・ワードを求める処理を更に具える。
【0056】
実施例18は、上記実施例の方法11から17のいずれかによる方法であって、上記周波数ホッピング・データ送信デバイスは、Bluetooth(登録商標)プロトコルに従って上記少なくとも2フレームのデータを送信する。
【0057】
実施例19は、上記実施例の方法11から18のいずれかによる方法であって、デコードされた上記少なくとも2フレームのデータを、フレーム番号でインデックス化されたリストの形式で記憶する処理を更に具える。
【0058】
本発明の上述の説明は、単に本発明を説明するために設定されたものであり、限定することを意図するものではない。本発明の本質を組み込んで、開示された実施形態を改変することは、当業者であれば行いうるので、その発明は、本発明の範囲内の全てを含むと解釈されるべきである。
【0059】
開示された本件の上述のバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべてのバージョンにおいて、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0060】
加えて、本願の説明は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例との関連においても利用できる。特許請求の範囲、要約及び図面を含め、本明細書に開示される特徴の夫々は、特に明記されていない限り、同じ、等価又は類似の目的に寄与する代替の特徴で置き換えても良い。
【0061】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0062】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0063】
100 試験測定システム
102 試験測定装置(オシロスコープ)
104 無線信号受信機
105 デコーダ
110 周波数ホッピング・データ伝送デバイス
112 アンテナ
114 RF信号
120 RFアンテナ(プローブ)
150 プロセッサ
152 メモリ
154 ユーザ・インタフェース
156 測定ユニット
200 出力ディスプレイの例
210 RF信号
300 RF信号シリーズの時間領域表示
400 時間領域表示
410 周波数領域表示
402 スパイク
412 スパイク
500 スペクトログラム・プロット
600 Bluetoothのフレーム
800 ホワイトニング及びディ・ホワイトニング・プロセス
900 Bluetoothデータ・フレームのデコード処理の例のレポート
【外国語明細書】