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  • 特開-濾過のためのドライプロセス膜 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138255
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】濾過のためのドライプロセス膜
(51)【国際特許分類】
   B01D 69/00 20060101AFI20241001BHJP
   B01D 71/26 20060101ALI20241001BHJP
   B01D 61/14 20060101ALI20241001BHJP
   B01D 61/02 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
B01D69/00
B01D71/26
B01D61/14 500
B01D61/02 500
【審査請求】有
【請求項の数】32
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024094189
(22)【出願日】2024-06-11
(62)【分割の表示】P 2024517519の分割
【原出願日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/246,093
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/343,347
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】598064680
【氏名又は名称】セルガード エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト,エリック,アール.
(72)【発明者】
【氏名】ボニャディ,シナ
(72)【発明者】
【氏名】カルヤニ,ヴィナイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】濾過ハウジングに含まれるドライプロセス膜を含むマイクロエレクトロニクス処理における使用のための溶媒を濾過するように適合された濾過製品、および溶媒の濾過方法を提供する。
【解決手段】ドライプロセス微孔膜の少なくとも1層が、0.035ミクロン未満、好ましくは約0.010~0.020ミクロンの間の平均孔径と、14ミクロン未満の厚さと、を有する、濾過製品である。該膜は、単層膜、2層膜、3層膜、又は多層膜でもよい。さらに該膜は、限外濾過又はナノ濾過プロセスで用いられてもよい。該膜は、高い寸法安定性を呈する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過のためのドライプロセス微孔膜であって、前記膜の少なくとも1層が、0.035ミクロン未満の平均孔径と、14ミクロン未満の厚さと、を有する、ドライプロセス微孔膜。
【請求項2】
前記平均孔径が、0.030ミクロン未満である、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項3】
前記平均孔径が、0.025ミクロン未満である、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項4】
前記平均孔径が、0.020ミクロン未満である、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項5】
前記平均孔径が、10nm~20nmである、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項6】
12ミクロン未満の厚さを有する、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項7】
前記平均孔径が、0.030ミクロン未満である、請求項6に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項8】
前記平均孔径が、0.025ミクロン未満である、請求項6に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項9】
前記平均孔径が、0.020ミクロン未満である、請求項6に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項10】
前記平均孔径が、10nm~20nmの間である、請求項6に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項11】
10ミクロン未満の厚さを有する、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項12】
前記平均孔径が、0.030ミクロン未満である、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項13】
前記平均孔径が、0.025ミクロン未満である、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項14】
前記平均孔径が、0.020ミクロン未満である、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項15】
前記平均孔径が、10nm~20nmである、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項16】
前記少なくとも1層が、ポリプロピレン含有層である、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項17】
前記少なくとも1層が、ポリプロピレン含有層である、請求項6に記載のドライプロセ
ス微孔膜。
【請求項18】
前記少なくとも1層が、ポリプロピレン含有層である、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項19】
前記膜が、単層膜である、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項20】
前記膜が、単層膜である、請求項6に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項21】
前記膜が、単層膜である、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項22】
前記膜が、2層膜である、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項23】
前記膜が、2層膜である、請求項6に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項24】
前記膜が、2層膜である、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項25】
前記膜が、3層又は多層膜である、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項26】
前記膜が、3層又は多層膜である、請求項6に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項27】
前記膜が、3層又は多層膜である、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項28】
前記膜が、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、をこの順序で有する3層である、請求項25に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項29】
前記膜が、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、をこの順序で有する3層である、請求項26に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項30】
前記膜が、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、をこの順序で有する3層である、請求項27に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項31】
前記膜が、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、をこの順序で有する3層である、請求項25に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項32】
前記膜が、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、をこの順序で有する3層である、請求項26に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項33】
前記膜が、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、をこの順序で有する3層である、請求項27に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項34】
前記膜が、14ミクロン未満、12ミクロン未満、又は10ミクロン未満の合計厚さを有する、請求項25に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項35】
前記膜が、14ミクロン未満、12ミクロン未満、又は10ミクロン未満の合計厚さを有する、請求項28に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項36】
90℃で1時間の収縮率が、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満である、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項37】
90℃で1時間の収縮率が、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満である、請求項6に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項38】
90℃で1時間の収縮率が、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満である、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項39】
400~40,000秒のIPAを用いた流動時間を有する、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項40】
400~40,000秒のIPAを用いた流動時間を有する、請求項6に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項41】
400~40,000秒のIPAを用いた流動時間を有する、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項42】
11,000~40,000秒のIPAを用いた流動時間を有する、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項43】
11,000~40,000秒のIPAを用いた流動時間を有する、請求項6に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項44】
11,000~40,000秒のIPAを用いた流動時間を有する、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項45】
前記膜が、透明又は半透明である、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項46】
前記膜が、透明又は半透明である、請求項6に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項47】
前記膜が、透明又は半透明である、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項48】
少なくとも一方の側に親水処理又はコーティングを含む、請求項1に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項49】
少なくとも一方の側に親水処理又はコーティングを含む、請求項6に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項50】
少なくとも一方の側に親水処理又はコーティングを含む、請求項11に記載のドライプロセス微孔膜。
【請求項51】
請求項1に記載の膜を通して溶媒を濾過することを含む、限外濾過プロセス又はナノ濾過プロセス。
【請求項52】
前記溶媒が、水性溶媒、アルコール、又は有機溶媒である、請求項51に記載のプロセス。
【請求項53】
請求項1に記載のドライプロセス膜と、ハウジングと、を含む濾過要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、濾過プロセスでの使用に適したドライプロセス膜を対象とする。そのようなプロセスは、限外濾過又はナノ濾過を含んでもよい。
【背景技術】
【0002】
濾過膜の主な用途は、有用な流体の流れから不要な材料を除去することである。環境大気、飲料水、燃料、液状産業用溶媒及び処理流体、製造又は処理に用いられる産業用気体、並びに医療又は医薬品用途を有する液体をはじめとする、産業における多くの気体状及び液状流体が、フィルターを用いて処理される。流体から除去される不要な材料としては、粒子、微生物、及び溶解された化学種などの不純物及び汚染物質が挙げられる。濾過膜のため不純物除去適用の具体例としては、医薬品産業において治療溶液から粒子又は細菌を除去するための使用、マイクロエレクトロニクス処理における使用のための超純粋水性及び有機溶媒溶液を処理するための使用、並びに空気及び水の精製プロセスのための使用が挙げられる。ナノ濾過及び/又は限外濾過が、これらのプロセスで用いられることが多い。ナノ濾過及び限外濾過のための膜は、以下の特性:機械的安定性、寸法安定性、商業的用途に適した流速、少量の汚染物質などのうちの1つ又は複数を呈することが、望ましい。これらの領域のいずれか又はすべてにおける改善が、望ましい。
【発明の概要】
【0003】
濾過における使用のためのドライプロセス微孔膜が、本明細書に記載される。幾つかの実施形態において、膜の少なくとも1層が、0.035ミクロン未満の平均孔径と、14ミクロン未満の厚さと、を有する。幾つかの実施形態における単一層の平均孔径は、0.03ミクロン未満、0.025ミクロン未満、又は0.020ミクロン未満でもよい。幾つかの好ましい実施形態において、平均孔径は、約0.010~約0.020ミクロンでもよい。幾つかの好ましい実施形態において、平均孔径は、約0.010~約0.020ミクロンでもよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1層の平均孔径は、0.035ミクロン未満でもよく、層の厚さは、12ミクロン未満でもよい。幾つかの実施形態における単一層の平均孔径は、0.03ミクロン未満、0.025ミクロン未満、又は0.020ミクロン未満でもよい。幾つかの好ましい実施形態において、平均孔径は、約0.010~約0.020ミクロンでもよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1層の平均孔径は、0.035ミクロン未満でもよく、層の厚さは、10ミクロン未満でもよい。幾つかの実施形態における単一層の平均孔径は、0.03ミクロン未満、0.025ミクロン未満、又は0.020ミクロン未満でもよい。幾つかの好ましい実施形態において、平均孔径は、約0.010~約0.020ミクロンでもよい。
【0004】
本明細書の前述の幾つかの実施形態において、少なくとも1層は、ポリプロピレン含有層でもよい。
【0005】
前述の幾つかの実施形態において、膜は、単層膜、2層膜、3層膜、又は多層膜でもよい。2層膜、3層膜、又は多層膜は、2層以上を積層すること、2層以上を共押出しすること、又は積層ステップと押出しステップとの組合わせに、より形成されてもよい。
【0006】
前述の実施形態の幾つかにおいて、膜は、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、をこの順序で含む3層膜でもよい。前述の幾つかの実施形態において、膜は、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、を含む3層膜でもよい。
【0007】
本明細書の前述の幾つかの実施形態において、膜の厚さは、14ミクロン未満、12ミクロン未満、又は10ミクロン未満である。
【0008】
幾つかの実施形態において、膜は、半透明又は透明である。幾つかの実施形態において、膜は、青みがかった色合いを有してもよく、半透明又は透明でもよい。
【0009】
本明細書の前述の幾つかの実施形態において、90℃で1時間の膜の収縮率が、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満である。
【0010】
本明細書の前述の幾つかの実施形態において、膜は、400~40,000秒の流動時間を有する。流動時間は、イソプロピルアルコール(IPA)を用いて測定されてもよく、該流動時間は、12.5cmの面積を有する膜の47mm円盤を通してイソプロピルアルコール500mlを21℃の温度及び0.1MPaの圧力で流動させる時間である。
【0011】
幾つかの実施形態において、膜は、少なくとも一方の側に親水処理又はコーティングを有してもよい。これは、水又はアルコールが溶媒として用いられる濾過に役立つ可能性がある。
【0012】
別の態様において、限外濾過又はナノ濾過プロセスが、記載される。該プロセスの1ステップは、本明細書の前述の膜を通して溶媒を濾過することである。
【0013】
別の要素において、本明細書の前述の膜と、ハウジングと、を含む濾過要素が、記載される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本明細書に記載されたドライプロセス微孔膜のSEMである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の態様の保護対象が、本明細書において、法廷要件を満たすように具体的に記載される。しかし、記載そのものは、本特許の範囲を限定するものではない。むしろ本発明者らは、特許請求の範囲に記載された保護対象がまた、この文書に記載されたものと類似の異なるステップ又は該ステップの組合わせを、他の目下又は将来の技術と共に含むように他の方法で具体化され得ることを企図した。その上、用語「ステップ」及び/又は「ブロック」は、本明細書において、用いられた方法の異なる要素を含意するように用いられ得るが、これらの用語は、個々のステップの順序が明白に記載される場合を除き、そしてその場合を例外として、本明細書に開示された様々なステップのうちで、又は該ステップの間で任意の特有の順序を暗示すると解釈されてはならない。
【0016】
したがって本明細書に記載された実施形態は、以下の詳細な記載、実施例及び図を参照することでより即座に理解され得る。しかし、本明細書の記載された要素、装置、及び方法は、詳細な記載、実施例及び図の中に提示された具体的実施形態に限定されない。本明細書の例示的実施形態が単に本発明の原理であることが、認識されなければならない。本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、数多くの改変及び翻案が、当業者により即座に自明となろう。
【0017】
加えて、本明細書に開示されたすべての範囲が、本明細書に組み込まれたあらゆる部分範囲を包含することは、理解されなければならない。例えば、述べられた「1.0~10.0」の範囲が、1.0以上の最小値で始まり、10.0以下の最大値で終わるあらゆる部分範囲、例えば1.0~5.3、又は4.7~10.0、又は3.6~7.9を包含すると見なされなければならない。
【0018】
本明細書で開示されたすべての範囲はまた、他に明白に述べられない限り、範囲の最終点を含むと見なされなければならない。例えば「5~10の間」、又は「5~10」又は「5から10」の範囲は一般に、エンドポイント5及び10を含むと見なされなければならない。
【0019】
さらに、語句「まで」が、分量又は量に関連して用いられる場合、その分量が少なくとも1つの検出可能な分量又は量であることは、理解されなければならない。例えば、指定された量「まで」の量で存在する材料は、検出され得る量から、指定された量を含むその量まで存在し得る。
【0020】
加えて、任意の開示された実施形態において、用語「実質的に」、「およそ」及び「約」は、指定されたものの[パーセンテージ]内で置き換えられてもよく、該パーセンテージは、0.1、1、5、及び10パーセントを包含する。
【0021】
濾過における使用のためのドライプロセス微孔膜が、本明細書に記載される。幾つかの実施形態において、膜の少なくとも1層が、0.035ミクロン未満の平均孔径と、14ミクロン未満、13ミクロン未満、12ミクロン未満、11ミクロン未満、10ミクロン未満、9ミクロン未満、8ミクロン未満、7ミクロン未満、6ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、又は1ミクロン未満の厚さと、を有する。幾つかの実施形態において、膜の少なくとも1層が、0.030ミクロン未満の平均孔径と、14ミクロン未満、13ミクロン未満、12ミクロン未満、11ミクロン未満、10ミクロン未満、9ミクロン未満、8ミクロン未満、7ミクロン未満、6ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、又は1ミクロン未満の厚さと、を有する。幾つかの実施形態において、膜の少なくとも1層が、0.025ミクロン未満の平均孔径と、14ミクロン未満、13ミクロン未満、12ミクロン未満、11ミクロン未満、10ミクロン未満、9ミクロン未満、8ミクロン未満、7ミクロン未満、6ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、又は1ミクロン未満の厚さと、を有する。幾つかの実施形態において、膜の少なくとも1層が、0.020ミクロン未満の平均孔径と、14ミクロン未満、13ミクロン未満、12ミクロン未満、11ミクロン未満、10ミクロン未満、9ミクロン未満、8ミクロン未満、7ミクロン未満、6ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、又は1ミクロン未満の厚さと、を有する。幾つかの実施形態において、膜の少なくとも1層が、0.015ミクロン未満の平均孔径と、14ミクロン未満、13ミクロン未満、12ミクロン未満、11ミクロン未満、10ミクロン未満、9ミクロン未満、8ミクロン未満、7ミクロン未満、6ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、又は1ミクロン未満の厚さと、を有する。幾つかの実施形態において、膜の少なくとも1層が、0.010ミクロン未満の平均孔径と、14ミクロン未満、13ミクロン未満、12ミクロン未満、11ミクロン未満、10ミクロン未満、9ミクロン未満、8ミクロン未満、7ミクロン未満、6ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、又は1ミクロン未満の厚さと、を有する。幾つかの実施形態において、膜の少なくとも1層が、0.005ミクロン未満の平均孔径と、14ミクロン未満、13ミクロン未満、12ミクロン未満、11ミクロン未満、10ミクロン未満、9ミクロン未満、8ミクロン未満、7ミクロン未満、6ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、又は1ミクロン未満の厚さと、を有する。幾つかの好ましい実施形態において、膜の少なくとも1層が、約0.010~約0.020ミクロンの平均孔径と、14ミクロン未満、13ミクロン未満、12ミクロン未満、11ミクロン未満、10ミクロン未満、9ミクロン未満、8ミクロン未満、7ミクロン未満、6ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、又は1ミクロン未満の厚さと
、を有する。
【0022】
本明細書の前述の幾つかの実施形態において、少なくとも1層は、ポリプロピレン含有層でもよい。ポリプロピレン含有層は、ポリプロピレンホモポリマー、コポリマー、又はそれらの組合わせを含む層、それからなる層、又はそれから本質的になる層でもよい。ポリプロピレン含有層は、50%以上のポリプロピレンホモポリマー、コポリマー、又はそれらの組合わせを含んでも、それからなっても、又はそれから本質的になってもよい。
【0023】
前述の幾つかの実施形態において、膜は、単層膜、2層膜、3層膜、又は多層膜でもよい。多層膜は、4層以上を有してもよい。2層、3層、又は多層膜は、2層以上を積層すること、2層以上を共押出しすること、又は積層ステップと押出しステップとの組合わせに、より形成されてもよい。
【0024】
幾つかの実施形態において、膜は、20ミクロン未満、19ミクロン未満、18ミクロン未満、17ミクロン未満、16ミクロン未満、15ミクロン未満、14ミクロン未満、13ミクロン未満、12ミクロン未満、11ミクロン未満、10ミクロン未満、9ミクロン未満、8ミクロン未満、7ミクロン未満、6ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、又は1ミクロン未満の合計厚さを有してもよい。
【0025】
例えば、一実施形態において、膜は、単層膜でもよく、膜の少なくとも1層は、0.035未満(好ましくは0.010~0.020ミクロンの間)の平均孔径を有し、7ミクロンの厚さを有し、合計膜厚が7ミクロンである。膜は、2層でもよく、膜の少なくとも1層は、0.035未満(好ましくは約0.010~0.020ミクロンの間)の平均孔径を有し、4ミクロンの厚さを有し、合計膜厚が8ミクロンである。
【0026】
前述の実施形態の幾つかにおいて、膜は、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、をこの順序で含む3層膜でもよい。前述の幾つかの実施形態において、膜は、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、を含む3層膜でもよい。ポリエチレン含有層は、ポリエチレンホモポリマー、コポリマー、又はそれらの組合わせを含む層、それからなる層、又はそれから本質的になる層でもよい。ポリエチレン含有層は、50%以上のポリエチレンホモポリマー、コポリマー、又はそれらの組合わせを含んでも、それからなっても、又はそれから本質的になってもよい。
【0027】
当業者により理解されるドライプロセス膜は、細孔を形成するのに溶媒又は油を使用せずに形成された膜である。幾つかの実施形態において、微粒子細孔形成剤を用いることにより形成される膜もまた、ドライプロセス膜から除外されてもよい。そのような膜としては、ベータ核化された二軸配向ポリプロピレン(BNBOPP)膜を挙げることができる。ドライプロセス膜は、当業者により認識可能である明確な均一の細孔構造を有する。例えば、一軸延伸ドライプロセス膜を示した図1を参照されたい。図1から認められ得るとおり、ドライプロセスフィルムは、細長い細孔又はスリット形細孔を有する。二軸延伸ドライプロセス膜の細孔は、限外濾過又はナノ濾過適用での使用には大き過ぎる場合がある。
【0028】
本明細書の前述の幾つかの実施形態において、90℃で1時間の膜の収縮率が、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満である。低い収縮率が、高い寸法安定性の指標であり、重大である。濾過適用の際、又はフィルターの組立ての間の膜の収縮は、膜に破れ、引裂き、又は他の特性の修飾をもたらす場合があり、それにより性能がもはや不充分及び/又は予測不能に
なる。収縮率は、膜を測定すること(L1)、膜を固定せずに90℃のオーブン内に1時間配置すること、オーブン内に入れた後に膜を測定すること(L2)、及び以下の式1を利用して収縮率を計算すること、により測定される。
(L1-L2/L1)×100 (1)
【0029】
IPAを用いた流動時間は、400秒以上、約400秒~約40,000秒、500秒~約40,000秒、600秒~約40,000秒、700秒~約40,000秒、800秒~約40,000秒、900秒~約40,000秒、1,000秒~約40,000秒、2,000秒~約40,000秒、3,000秒~約40,000秒、4,000秒~約40,000秒、5,000秒~約40,000秒、6,000秒~約40,000秒、7,000秒~約40,000秒、8,000秒~約40,000秒、9,000秒~約40,000秒、10,000秒~約40,000秒の範囲内、約11,000秒~約40,000秒、17,000秒~約40,000秒、20,000秒~約40,000秒、25,000秒~約40,000秒、30,000秒~約40,000秒、又は35,000秒~約40,000秒の範囲内でもよい。流動時間は、IPA(イソプロピルアルコール)を用いた流動時間でもよく、該流動時間は、12.5cmの面積を有する膜の47mm円盤を通してイソプロピルアルコール(IPA)500mlを21℃の温度及び0.1MPaの圧力で流動させる時間である。
【実施例0030】
実施例1は、7ミクロンの合計厚さを有するドライプロセス単層ポリプロピレン含有膜である。
【0031】
実施例2は、6ミクロンの合計厚さを有する3つのポリプロピレン含有層を含むドライプロセス3層膜である。最小孔径を有するポリプロピレン含有層は、およそ2ミクロンの厚さ及び22nmの孔径である。
【0032】
実施例3は、20nmの孔径を有するドライプロセス膜である。
【0033】
比較例1は、7ミクロンの合計厚さを有するドライプロセス単層ポリプロピレン含有膜である。
【0034】
比較例2は、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、をこの順序で含むドライプロセス3層膜である。膜の合計厚さは、20ミクロンであり、14ミクロンまで付加されたPP含有層厚を有する。PP平均孔径は、35nmである。
【0035】
【表1】
【0036】
比較例2は、ナノ濾過又は限外濾過プロセスには過度に大きいという細孔の問題を有す
る。比較例1は、高い収縮率を有し、それが低い寸法安定性のせいで使用に適さなくする。適用の際、又は組立ての間の膜の収縮は、膜に破れ、引裂き、又は他の特性の修飾をもたらす場合があり、それにより性能がもはや不充分及び/又は予測不能になる。実施例1及び2は、ナノ濾過又は限外濾過プロセス(気体又は液体の濾過を含む)での使用にとって高い寸法安定性(例えば、低い収縮率)と、充分に小さな孔径と、を有する。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過ハウジングに含まれるドライプロセス膜を含むマイクロエレクトロニクス処理における使用のための溶媒を濾過するように適合された濾過製品であって、
ドライプロセス微孔膜の少なくとも1層が、
(i)0.035ミクロン未満の平均孔径と、
(ii)14ミクロン未満の厚さと、
を有する、濾過製品。
【請求項2】
前記平均孔径が、0.030ミクロン未満である、請求項1に記載の濾過製品。
【請求項3】
前記平均孔径が、0.025ミクロン未満である、請求項1に記載の濾過製品。
【請求項4】
前記平均孔径が、0.020ミクロン未満である、請求項1に記載の濾過製品。
【請求項5】
前記平均孔径が、0.010ミクロン~0.020ミクロンである、請求項1に記載の濾過製品。
【請求項6】
12ミクロン未満の厚さを有する、請求項1に記載の濾過製品。
【請求項7】
少なくとも1層が、10ミクロン未満の厚さを有する、請求項1に記載の濾過製品。
【請求項8】
前記少なくとも1層が、ポリプロピレン含有層である、請求項1に記載の濾過製品。
【請求項9】
前記ドライプロセス微孔膜が、単層膜、2層膜、3層又は多層膜である、請求項1に記載の濾過製品。
【請求項10】
前記ドライプロセス微孔膜が、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、をこの順序で有する3層である、請求項9に記載の濾過製品。
【請求項11】
前記ドライプロセス微孔膜が、20ミクロン未満、19ミクロン未満、18ミクロン未満、17ミクロン未満、16ミクロン未満、15ミクロン未満、14ミクロン未満、12ミクロン未満、又は10ミクロン未満の合計厚さを有する、請求項10に記載の濾過製品。
【請求項12】
前記ドライプロセス微孔膜が、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、をこの順序で有する3層である、請求項9に記載の濾過製品。
【請求項13】
前記ドライプロセス微孔膜が、20ミクロン未満、19ミクロン未満、18ミクロン未満、17ミクロン未満、16ミクロン未満、15ミクロン未満、14ミクロン未満、12ミクロン未満、又は10ミクロン未満の合計厚さを有する、請求項12に記載の濾過製品。
【請求項14】
前記ドライプロセス微孔膜が、400~40,000秒のIPAを用いた流動時間を有する、請求項1に記載の濾過製品。
【請求項15】
前記ドライプロセス微孔膜が、少なくとも一方の側に親水処理又はコーティングを含む、請求項1に記載の濾過製品。
【請求項16】
濾過ハウジングに含まれるドライプロセス微孔膜を有する濾過製品を通して溶媒を流動させることを含む、溶媒の濾過の方法(例えば、マイクロエレクトロニクス処理のために使用される溶媒の濾過の方法、例えば、マイクロエレクトロニクス処理のために使用される溶媒の濾過のためのナノ濾過の方法、例えば、マイクロエレクトロニクス処理のために使用される溶媒の濾過のための限外濾過の方法)であって、
ドライプロセス微孔膜の少なくとも1層が、
(i)0.035ミクロン未満の平均孔径と、
(ii)14ミクロン未満の厚さと、
を有する、方法。
【請求項17】
前記平均孔径が、0.010ミクロン~0.020ミクロンである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記平均孔径が、0.030ミクロン未満である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記平均孔径が、0.025ミクロン未満である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記平均孔径が、0.020ミクロン未満である、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記平均孔径が、0.010ミクロン~0.020ミクロンである、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
12ミクロン未満の厚さを有する、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1層が、10ミクロン未満の厚さを有する、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1層が、ポリプロピレン含有層である、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1層が、ポリプロピレン含有層である、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記ドライプロセス微孔膜が、単層膜、2層膜、3層又は多層膜である、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記ドライプロセス微孔膜が、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、をこの順序で有する3層である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ドライプロセス微孔膜が、20ミクロン未満、19ミクロン未満、18ミクロン未満、17ミクロン未満、16ミクロン未満、15ミクロン未満、14ミクロン未満、12ミクロン未満、又は10ミクロン未満の合計厚さを有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ドライプロセス微孔膜が、ポリエチレン含有層と、ポリプロピレン含有層と、ポリエチレン含有層と、をこの順序で有する3層である、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記ドライプロセス微孔膜が、20ミクロン未満、19ミクロン未満、18ミクロン未満、17ミクロン未満、16ミクロン未満、15ミクロン未満、14ミクロン未満、12ミクロン未満、又は10ミクロン未満の合計厚さを有する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ドライプロセス微孔膜が、少なくとも一方の側に親水処理又はコーティングを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項32】
前記溶媒が、水性溶媒、アルコール、又は有機溶媒である、請求項16に記載の方法。
【外国語明細書】