(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138468
(43)【公開日】2024-10-08
(54)【発明の名称】薬物送達デバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 5/145 20060101AFI20241001BHJP
A61M 5/158 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
A61M5/145 510
A61M5/158 500K
A61M5/158 500Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024112096
(22)【出願日】2024-07-12
(62)【分割の表示】P 2020555500の分割
【原出願日】2019-04-09
(31)【優先権主張番号】18305432.9
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
【氏名又は名称原語表記】SANOFI
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・ダースバッハ
(72)【発明者】
【氏名】カトリン・ラープ
(72)【発明者】
【氏名】ユゴー・ルヴェル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・マーク・ケンプ
(72)【発明者】
【氏名】ロビー・ウィルソン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】薬物送達デバイスを提供する。
【解決手段】薬物送達デバイス10であって、一次パッケージ24を受けるように適用されたハウジング11を含み、ハウジング11は、注射部位に当接して配置されるように適用された遠位面11.1と、遠位面11.1とは反対側の近位面11.2とを含み、近位面11.2は、薬物送達中にユーザの手のひらに保持されるように適用され、ハウジング11は、遠位面11.1と近位面11.2との間のハウジング11の第1の延在域は、第1の延在域に対して直角の少なくとも1つの延在域よりも小さいような平坦フォームファクタを有する。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス(10)であって、
一次パッケージ(24)を受けるように適用されたハウジング(11)を含み、
該ハウジング(11)は、
注射部位に接して配置されるように適用された遠位面(11.1)と、
該遠位面(11.1)とは反対側の近位面(11.2)とを含み、
該近位面(11.2)は、薬物送達中にユーザの手のひらに保持されるように適用され、ハウジング(11)は、遠位面(11.1)と近位面(11.2)との間のハウジング(11)の第1の延在域が、第1の延在域に対して直角の少なくとも1つの延在域よりも小さいような平坦フォームファクタを有する、前記薬物送達デバイス。
【請求項2】
ハウジング(11)内部に受けられた一次パッケージ(24)に接続されるように、または接続可能であるように構成された注射針(17)を含み、該針(17)は、第1の先端(17.1)を含み、該第1の先端(17.1)は、
手動操作によって遠位面(11.1)を越えて延ばされるように構成される、または
遠位面(11.1)を越えて延び、シュラウド(13)によって覆われるように構成され、シュラウド(13)は、手動操作によって第1の先端(17.1)を露出するように後退されるように構成される、
請求項1に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項3】
一次パッケージ(24)の取付軸は、第1の延在域に対して本質的に直角である、請求項1または2に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項4】
遠位面(11.1)は非接着性である、請求項1~3のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項5】
遠位面(11.1)は剛性である、請求項1~4のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項6】
針(17)は、ハウジング(11)内部に受けられた一次パッケージ(24)のセプタム(25)を穿孔するように適用された第2の先端(17.2)を含む、請求項2~5のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項7】
針(17)は約90度に曲げられた単一の針であるか、または第1の先端(17.1)と第2の先端(17.2)とは互いに別個であり、互いに約90度に配置され、中実ブロック(19)内部でまたは可撓管(28)を介して接続される、請求項6に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項8】
トリガを手動操作したとき針(17)を後退位置から伸長位置に移動させるように適用されたトリガ、特にシュラウド(13)、少なくとも1つのボタン(22)、および身体接触センサ(27)のうちの少なくとも1つを含むトリガを含む、請求項2~7のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項9】
少なくとも1つのボタン(22)は、ハウジング(11)の近位面(11.2)または少なくとも1つの側面もしくは後面に配設される、請求項8に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項10】
一次パッケージ(24)を取り付けるように適用され、第2の先端(17.2)がセプタム(25)から離間されている後方位置と、第2の先端(17.2)がセプタム(25
)を穿孔する前方位置との間で、遠位面(11.1)と実質的に平行に可動であるキャリア(70)を含む、請求項6~9のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項11】
ボタン(22)は、シュラウド(13)または身体接触センサ(27)の操作前にロックされるように適用されて、ボタン(22)の操作を妨げ、ボタン(22)は、シュラウド(13)または身体接触センサ(27)を操作したときロック解除されるように適用されて、ボタン(22)の操作を可能にする、請求項8~10のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項12】
一次パッケージ(24)のピストン(23)に前方向に力を加えるように適用された駆動ばね(30)を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項13】
薬剤を含む一次パッケージ(24)を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項14】
ニードルモジュール(18)はボタン(22)と結合され、またはボタン(22)に組み込まれ、遠位方向(D)へのボタン(22)の押し下げは、ニードルモジュール(18)を遠位方向(D)に移動させる、請求項6~13のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項15】
シュラウドばね(50)は、ハウジング(11)に対して、またはニードルモジュール(18)に対して、またはボタン(22)に対して、遠位方向(D)にシュラウド(13)を付勢するように配置される、請求項1~14のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に薬物送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
薬物送達デバイス(すなわち、薬剤容器から薬剤を送達することが可能なデバイス)は、通常、手動デバイスと自動注射器の2つのカテゴリに分類される。
【0003】
手動デバイスでは、ユーザは、流体を針に押し通すための機械的エネルギーを提供しなければならない。これは通常、注射中にユーザが継続的に押す必要がある何らかの形のボタン/プランジャによって行われる。この手法には、ユーザにとっていくつかの欠点がある。ユーザがボタン/プランジャを押すのをやめると、注射も停止する。これは、デバイスが適切に使用されない場合(すなわち、プランジャがその終了位置まで完全には押されていない場合)、ユーザが過少投与量しか提供できないことを意味する。特に患者が高齢者である、または細かい作業が行えない場合、注射力はユーザにとって高すぎることがある。
【0004】
自動注射器は、非経口薬物送達に関連する活動を、標準的なシリンジから完全にまたは部分的に置き換えるデバイスである。これらの活動には、保護シリンジキャップの取外し、患者の皮膚への針の挿入、薬剤の注射、針の取外し、針の遮蔽、およびデバイスの再利用の防止が含まれることがある。これにより、手動デバイスの多くの欠点が克服される。注射力/ボタンの延長、手振れ、および不完全な用量の送達の可能性が低減される。トリガは、多くの手段、たとえばトリガボタン、または針がその注射深さに到達する作用によって実施される。いくつかのデバイスでは、流体を供給するためのエネルギーがばねによって提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、改良された薬物送達デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の薬物送達デバイスによって達成される。
【0007】
例示的実施形態は、従属請求項において提示されている。
【0008】
本開示によれば、薬物送達デバイスは、一次パッケージを受けるように適用されたハウジングを含み、ハウジングは、注射部位に当接して配置されるように適用された遠位面と、遠位面とは反対側の近位面とを含み、近位面は、薬物送達中にユーザの手のひらに保持されるように適用され、ハウジングは、遠位面と近位面との間のハウジングの第1の延在域が、第1の延在域に対して直角の少なくとも1つの延在域よりも小さいような平坦フォームファクタを有する。
【0009】
例示的実施形態では、薬物送達デバイスは、ハウジング内部に受けられた一次パッケージに接続されるようにまたは接続可能であるように構成された注射針を含む。特に、針は、ハウジング内部に隠された後退位置とハウジングの遠位面を通って延びる伸長位置との間でハウジングに対して自動的に相対的に可動の第1の先端を含む。
【0010】
本開示によれば、針は第1の先端を含み、第1の先端は、
- 手動操作によって遠位面を越えて延ばされる、または
- 遠位面を越えて延び、シュラウドによって覆われるように構成され、シュラウドは、手動操作によって第1の先端を露出するように後退されるように構成される。
【0011】
例示的実施形態では、一次パッケージの取付軸は、第1の延在域に対して本質的に直角である。
【0012】
例示的実施形態では、遠位面は非粘着性である。
【0013】
例示的実施形態では、遠位面は剛性である。
【0014】
例示的実施形態では、針がニードルモジュールの一部であり、ハウジング内部に受けられた一次パッケージのセプタムを穿孔するように適用された第2の先端を含む。
【0015】
例示的実施形態では、針は、約90度に曲げられた単一の針である。またはさらなる例示的実施形態では、針の第1の先端と第2の先端とが互いに別個であり、互いに約90度に配置され、たとえば中実ブロック内部にまたは可撓管を介して接続される。
【0016】
例示的実施形態では、薬物送達デバイスは、トリガが手動操作されたとき針を後退位置から伸長位置にハウジングに対して相対運動させるように適用されたトリガを含む。例示的実施形態では、トリガは、シュラウド、少なくとも1つのボタン、および身体接触センサのうちの少なくとも1つを含むことがある。シュラウドは、たとえば、針、特にその第1の先端を覆う伸長位置と、針、特にその第1の先端を覆わない後退位置との間でたとえば、可動のニードルシュラウドとして構成される。さらなる実施形態では、身体接触センサとニードルシュラウドとは、単一のトリガアセンブリを形成する。
【0017】
例示的実施形態では、少なくとも1つのボタンは、ハウジングの近位面、または少なくとも1つの側面または後面に配置されている。
【0018】
例示的実施形態では、薬物送達デバイスは、一次パッケージを取り付けるように適用されたキャリアを含む。さらに、一次パッケージは、第2の先端がセプタムから離間されている後方位置と、第2の先端がセプタムを穿孔する前方位置との間でハウジングの遠位面と実質的に平行に可動である。たとえば、一次パッケージは、針によってセプタムを穿孔するために、キャリア、トリガ、およびハウジングのうちの少なくとも1つに対して相対運動可能である。代替として、一次パッケージが取り付けられたキャリアは、針によってセプタムを穿孔するために、トリガおよびハウジングのうちの少なくとも1つに対して相対運動可能である。
【0019】
例示的実施形態では、ボタンは、シュラウドまたは身体接触センサの操作の前にロックされ、ボタンの操作が防止されるように適用される。さらに、ボタンは、たとえばシュラウドまたは身体接触センサを操作したときロック解除され、ボタンの操作が可能にされるように適用される。
【0020】
例示的実施形態では、薬物送達デバイスは、一次パッケージのピストンに前方向に力を加えるように適用された駆動ばねを含む。特に、薬物送達デバイスは、駆動ばねからピストンに力を伝播するように適用されたプランジャをさらに含むことがある。
【0021】
例示的実施形態では、薬物送達デバイスは、薬剤を含む一次パッケージを含む。たとえば、一次パッケージは、薬剤を含むカートリッジまたは容器として形成される。
【0022】
例示的実施形態では、ニードルモジュールは、遠位方向へのボタンの押し下げがニードルモジュールを遠位方向に移動させるようにボタンと結合される、またはボタンに組み込まれる。
【0023】
例示的実施形態では、シュラウドばねは、ハウジングに対して、またはニードルモジュールに対して、またはボタンに対してシュラウドを遠位方向に付勢するように配置される。
【0024】
本開示の一態様によれば、上述した薬物送達デバイスを使用する方法は、近位面が手のひらに位置するようにハウジングを手に取り、遠位面を注射部位に配置する工程を含む。針の第1の先端は、手動操作、たとえばトリガの押し下げによって遠位面を越えて延ばされ、または遠位面を越えて延びており、シュラウドによって覆われ、このシュラウドは、手動操作によって第1の先端を露出するように後退される。次いで、薬物送達デバイスは、注射時間中、注射部位に保持される。
【0025】
本開示によれば、薬物送達デバイス、特に平坦フォームファクタまたは低いプロファイルを有する自動注射器が提供され、特に一次パック、たとえば薬物カートリッジの取付軸に本質的に垂直な注射を容易にするように適用される。平坦フォームファクタまたは低いプロファイルは、薬物送達デバイスの高さがその幅よりも実質的に小さいことを意味する。デバイスの平坦フォームファクタは、従来のペン型の自動注射器とは対照的に、優れた操作性と使いやすさを提供する。
【0026】
薬物送達デバイスは、患者が自己投与のために操作する、または医療専門家が他者に対して操作する、単回使用の使い捨てのシュラウド起動式自動注射器として使用される。平坦フォーマットは、注射時間をより長くするための最適化された人間工学的構造、障害のある人の労力と痛みの軽減、および注射中の意図しない動きの影響の低減を促進する。
【0027】
薬物送達デバイスは、注射の瞬間またはその直前に穿孔されるまで、一次パックを封止して保つように適用させることができる。
【0028】
従来のペン型注射器とは対照的に、本明細書で述べる平坦フォームファクタ薬物送達デバイスは、薬剤の漏れを防止するのに役立ち、より長い注射時間(たとえば15秒を超える)中により高い安定性をもたらす。これは、従来のペン型注射器に比べて、ユーザが平坦フォームファクタ薬物送達デバイスを注射部位に対して保持するのがより簡単であり、向きがずれることも変わることもないからである。長い注射時間は、高粘度の薬物と共に薬物送達デバイスを使用できるようにする。
【0029】
さらに、平坦フォーマットは、注入中の判断の自由度を改善し、ユーザが公共の場で自己注射できるようにする。さらに、平坦フォーマットは、従来のペン型注射器とは対照的に、皮膚接触面が大幅に増加するため、接触圧力が低下する。
【0030】
例示的実施形態では、遠位面は、注射部位に接して配置されたときにその形状を維持するように剛性である。別の例示的実施形態では、遠位面は可撓性である。
【0031】
例示的実施形態では、遠位面は粘着性でない、すなわち粘着剤が塗布されていない。したがって、本明細書で特許請求する薬物送達デバイスはハンドヘルドデバイスである。一方、従来のパッチデバイスは、注射部位に粘着して接続されることを意図されており、注射中にハンドヘルドではない。
【0032】
例示的実施形態では、遠位面は、たとえば表面構造またはコーティングによる滑り止め
特性を有する。
【0033】
本明細書で述べる薬物送達デバイスは、患者に薬物または薬剤を注射するように構成される。たとえば、送達は、皮下、筋肉内、または静脈内である。そのようなデバイスは、患者または看護師や医師などの介護者が操作することができ、様々なタイプの安全シリンジ、ペン型注射器、または自動注射器を含むことができる。
【0034】
デバイスは、使用前には封止されているアンプルへの穿孔を必要とするカートリッジベースのシステムを含むことができる。これらの様々なデバイスによって送達される薬剤の体積は、約0.5ml~約2mlの範囲でありうる。さらに別のデバイスは、大容量デバイス(「LVD」)またはパッチポンプを含むことができ、ある期間(たとえば、約5、15、30、60、または120分間)にわたって患者の皮膚に付着して、「大きい」体積の薬剤(通常、約2ml~約5ml)を送達するように構成される。
【0035】
また、特定の薬剤と組み合わせて、本明細書で述べるデバイスは、所要の仕様の範囲内で動作するようにカスタマイズされる。たとえば、デバイスは、特定の期間内(たとえば、自動注射器の場合には約3~約20秒、LVDの場合には約10分~約60分)に薬剤を注射するようにカスタマイズされる。他の仕様には、低レベルもしくは最小レベルの不快感、または人的要因、保存寿命、使用期限、生体適合性、環境への配慮などに関連する特定の条件が含まれる。そのような条件のばらつきは、たとえば約3cP~約50cPの粘度の範囲内の薬物など、様々な要因により生じる可能性がある。したがって、薬物送達デバイスは、サイズが約25~約31ゲージの範囲の中空針を含むことが多い。一般的なサイズは、27および29ゲージである。
【0036】
本明細書で述べる送達デバイスは、1つまたはそれ以上の自動機能を含むこともできる。たとえば、針挿入、薬剤注射、および針後退のうちの1つまたはそれ以上を自動化することができる。1つまたはそれ以上の自動化工程のためのエネルギーは、1つまたはそれ以上のエネルギー源によって提供することができる。エネルギー源は、たとえば、機械的、空気圧的、化学的、または電気的エネルギーを含むことができる。たとえば、機械的エネルギー源としては、エネルギーを蓄積または解放するためのばね、レバー、エラストマー、または他の機械的機構が挙げられる。1つまたはそれ以上のエネルギー源を単一のデバイスに組み合わせることができる。デバイスは、エネルギーをデバイスの1つまたはそれ以上の構成要素の動きに変換するためのギア、バルブ、または他の機構をさらに含むことができる。
【0037】
自動注射器の1つまたはそれ以上の自動機能は、それぞれ起動機構によって起動される。そのような起動機構としては、ボタン、レバー、ニードルスリーブ、または他の起動構成要素のうちの1つまたはそれ以上が挙げられる。起動は、ワンステップまたはマルチステップのプロセスである。すなわち、ユーザは、自動機能を引き起こすために、1つまたはそれ以上の起動機構を起動させる必要がある。たとえば、ユーザは、薬剤の注射を引き起こすために、自分の身体にニードルスリーブを押し当てる。他のデバイスでは、ユーザは、注射を引き起こすために、ボタンを押し下げて、ニードルシールドを後退させる必要がある。
【0038】
さらに、そのような起動は、1つまたはそれ以上の機構を起動する。たとえば、起動シーケンスは、針挿入、薬剤注射、および針後退のうちの少なくとも2つを起動させる。また、いくつかのデバイスは、1つまたはそれ以上の自動機能を生じさせるために特定の工程シーケンスを必要とする。他のデバイスは、一連の独立した工程で動作する。
【0039】
いくつかの送達デバイスは、安全シリンジ、ペン型注射器、または自動注射器の1つま
たはそれ以上の機能を含むことができる。たとえば、送達デバイスは、(自動注射器において通常見られるような)薬剤を自動的に注射するように構成された機械的エネルギー源と、(ペン型注射器において通常見られるような)用量設定機構とを含むことができる。
【0040】
本開示の適用可能性のさらなる範囲は、本明細書で以下に与える詳細な説明から明らかになろう。しかし、詳細な説明から、本開示の精神および範囲内の様々な変更および修正が当業者には明らかになるので、この詳細な説明および具体的な例は、本開示の例示的実施形態を示しているが、例示のためのものにすぎないことを理解されたい。
【0041】
本開示は、以下の詳細な説明および添付図面からより完全に理解されよう。詳細な説明および添付図面は、例示としてのみ提示され、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】薬物送達デバイスの例示的実施形態の概略図である。
【
図2A】薬物送達デバイスのハウジングの例示的実施形態の概略図である。
【
図2B】薬物送達デバイスの例示的実施形態の概略図である。
【
図3】薬物送達デバイスの例示的実施形態の概略図である。
【
図7】シュラウドがハウジングに向けて押し下げられた状態での薬物送達デバイスの概略図である。
【
図8】ボタンの押し下げ中の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図9】ボタンの押し下げ後の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図10】投薬終了時の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図11】注射部位からの取外し後の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図12】注射部位からの取外し後の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図13】使用前の薬物送達デバイスの別の例示的実施形態の概略図である。
【
図15】シュラウドがハウジングに向けて押し下げられた状態での薬物送達デバイスの概略図である。
【
図16】シュラウドがハウジングに向けて押し下げられた状態での薬物送達デバイスの概略図である。
【
図17】ボタンの押し下げ中の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図18】ボタンの押し下げ中の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図19】ボタンの押し下げ後の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図20】ボタンの押し下げ後の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図21】注射部位からの取外し後の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図22】注射部位からの取外し後の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図23】使用前の薬物送達デバイスの別の例示的実施形態の概略図である。
【
図26】ボタンの押し下げ中の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図27】身体接触センサが後退位置にある状態での薬物送達デバイスの概略図である。
【
図28】身体接触センサが後退位置にある状態での薬物送達デバイスの概略図である。
【
図29】プランジャが解放されている状態での薬物送達デバイスの概略図である。
【
図30】プランジャが解放されている状態での薬物送達デバイスの概略図である。
【
図31】注射部位からの取外し後の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図32】使用前の薬物送達デバイスの別の例示的実施形態の概略図である。
【
図33】シュラウドがハウジングに向けて押し下げられた状態での薬物送達デバイスの概略図である。
【
図34】ボタンの押し下げ中の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図35】注射部位からの取外し後の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図36】使用前の薬物送達デバイスの別の例示的実施形態の概略図である。
【
図37】身体接触センサが後退位置にある状態での薬物送達デバイスの概略図である。
【
図38】ボタンの押し下げ中の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図39】使用前の薬物送達デバイスの別の例示的実施形態の概略図である。
【
図40】シュラウドがハウジングに向けて押し下げられた状態での薬物送達デバイスの概略図である。
【
図41】ボタンの押し下げ中の薬物送達デバイスの概略図である。
【
図42】使用前の薬物送達デバイスの別の例示的実施形態の概略詳細図である。
【
図43】一次パッケージが解放されて前方に移動された後の薬物送達デバイスの概略詳細図である。
【
図44】プランジャの解放後の薬物送達デバイスの概略詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
すべての図で、対応する部分には同じ参照符号が付されている。
【0044】
本開示のいくつかの実施形態によれば、例示的な薬物送達デバイス10が
図1Aおよび1Bに示されている。
【0045】
デバイス10は、上述したように、薬物または薬剤を患者の体内に注射するように構成されている。
【0046】
デバイス10はハウジング11を含み、ハウジング11は、典型的には、注射対象の薬剤を含むリザーバ(たとえば一次パッケージ24または容器またはシリンジ)と、送達プロセスの1つまたはそれ以上の工程を容易にするために必要とされる構成要素とを含む。
【0047】
デバイス10はまた、ハウジング11、特にデバイス10の遠位端または前端Dに取外し可能に取り付けることができるキャップアセンブリ12を含むことができる。典型的には、ユーザは、キャップアセンブリまたはキャップ12をハウジング11から取り外さなければ、デバイス10を操作することができない。
【0048】
図示されるように、ハウジング11は実質的に円筒形であり、長手方向軸Xに沿って実質的に一定の直径を有する。ハウジング11は、遠位領域20および近位領域21を有する。「遠位」という用語は、注射部位に比較的近い位置を表し、「近位」という用語は、注射部位から比較的遠い位置を表す。
【0049】
デバイス10はまた、ハウジング11に結合されたニードルスリーブ13を含み、ハウジング11に対するスリーブ13の動きを可能にすることができる。たとえば、スリーブ13は、長手方向軸Xに平行な長手方向に移動することができる。具体的には、スリーブ13の近位方向への動きは、針17がハウジング11の遠位領域20から延びることを可能にすることができる。針17の挿入は、いくつかの機構によって行うことができる。たとえば、針17は、ハウジング11に対して固定して位置し、最初は、延ばされたニードルスリーブ13内に位置する。スリーブ13の遠位端を患者の身体に対して配置し、ハウジング11を遠位方向に移動させることによるスリーブ13の近位方向運動は、針17の遠位端を露出させる。そのような相対運動は、針17の遠位端が患者の体内に延びること
を可能にする。そのような挿入は、患者がスリーブ13に対してハウジング11を手で移動させることによって針17が手動で挿入されるので、「手動」挿入と呼ばれる。
【0050】
別の挿入形態は「自動」であり、針17がハウジング11に対して動く。そのような挿入は、スリーブ13の動きによって、またはたとえばボタン22など別の起動形態によってトリガすることができる。
図1Aおよび1Bに示されるように、ボタン22は、ハウジング11の近位端または後端Pに位置する。しかし、他の実施形態では、ボタン22は、ハウジング11の側面に位置することができる。さらなる実施形態では、ボタン22は削除され、たとえばスリーブトリガ機構によって置き換えられており、スリーブトリガ機構は、たとえば、薬物送達デバイスが注射面に置かれているときにハウジング内のニードルスリーブ13を押すことによって提供される。
【0051】
他の手動または自動構成は、薬物注射もしくは針の後退、またはその両方を含むことができる。注射は、栓またはピストン23が容器またはシリンジ24内部の近位位置からシリンジ24内部のより遠位の位置に移動されて、シリンジ24から針17を通して薬剤を押し出すプロセスである。
【0052】
いくつかの実施形態では、エネルギー源、たとえば駆動ばね30は、プランジャ40内に配置され、デバイス10が起動される前に圧縮されている。駆動ばね30の近位端は、ハウジング11の近位領域21内部に固定することができ、駆動ばね30の遠位端は、ピストン23の近位面に圧縮力を加えるように構成することができる。起動後、駆動ばね30に蓄積されたエネルギーの少なくとも一部を、ピストン23の近位面に加えることができる。この圧縮力は、ピストン23に作用して、ピストン23を遠位方向に移動させることができる。そのような遠位方向運動は、シリンジ24内部の液体薬剤を圧縮するように作用し、液体薬剤を針17から押し出す。
【0053】
注射後、針17はスリーブ13またはハウジング11内部に後退させることができる。ユーザがデバイス10を患者の身体から取り外す際にスリーブ13が遠位方向に動くとき、後退が生じることがある。これは、針17がハウジング11に対して固定して位置されたままであるときに生じることがある。スリーブ13の遠位端が針17の遠位端を越えて移動し、針17が覆われると、スリーブ13をロックすることができる。そのようなロックは、ハウジング11に対するスリーブ13の任意の近位方向運動をロックすることを含むことができる。
【0054】
針17がハウジング11に対して移動される場合、別の形態の針後退が生じ得る。そのような動きは、ハウジング11内部のシリンジがハウジング11に対して近位方向に移動される場合に生じ得る。この近位方向運動は、遠位領域20に位置された収縮ばね(図示せず)を使用することによって実現することができる。圧縮された収縮ばねは、起動されるとき、シリンジ24に十分な力を供給して、シリンジ24を近位方向に移動させることができる。十分な後退後、針17とハウジング11との間の相対運動を、ロッキング機構によってロックすることができる。さらに、ボタン22またはデバイス10の他の構成要素は、必要に応じてロックすることができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、シリンジ24を監視することができる窓11aを含むことができる。
【0056】
図2Aは、一次パッケージ24、たとえば薬剤を含むカートリッジまたは容器を含むように適用されたハウジング11を含む薬物送達デバイス10の例示的実施形態の概略斜視図である。図示されるように、ハウジング11は実質的に平坦であり、すなわち遠位面11.1を有する。
【0057】
遠位面11.1は、注射部位に接して配置されるように適用される。ハウジング11は、遠位面11.1とは反対側の近位面11.2をさらに含む。近位面11.2は、把持面として、たとえば、薬物送達中にユーザの手のひらに保持されるように構成される。
【0058】
例示的実施形態では、遠位面11.1は平坦外面を有する。代替として、遠位面11.1は、ハウジング11の内方向に曲げられるか、または凹状を有する。
【0059】
例示的実施形態では、近位面11.2は、ハウジング11の外方向に曲げられるか、または凸状を有する。
【0060】
ハウジング11は、遠位面11.1と近位面11.2との間のハウジング11の少なくとも第1の延在域Hが、第1の延在域Hに対して直角の少なくとも1つの延在域L未満であるように平坦フォームファクタを有する。
【0061】
例示的実施形態では、遠位面11.1と近位面11.2との間のハウジング11の第1の延在域Hまたは任意の他の変化する第1の延在域H’は、第1の延在域H、H’に対して直角の任意の他の延在域L、B、Wよりも小さい。言い換えれば、第1の延在域Hは、デバイス10の高さを表す。デバイス10の高さ、特にハウジング11の高さは変化する。少なくとも1つの第1の延在域Hおよび/またはH’は、デバイス10の他の各延在域L、B、Wよりも小さく、ここで、他の各延在域L、B、Wは、たとえば、デバイス10の長さ、幅、および/または対角線を表す。
【0062】
例示的実施形態では、一次パッケージ24の取付軸は、第1の延在域HまたはH’に対して本質的に直角である。
【0063】
遠位面11.1は、非粘着性に構成することができる。これにより、ユーザの快適性が向上する。さらに、遠位面11.1は剛性である。
【0064】
図2Bは、薬物送達デバイス10の例示的実施形態の概略斜視図である。薬物送達デバイス10のハウジング11は、
図2Aでのハウジング11のものと同様の平坦フォームファクタを有する。
【0065】
ハウジング11は、一次パッケージ24を含むように適用される。図示されるように、ハウジング11は実質的に平坦であり、すなわち、薬物送達デバイス10の最長の軸と平行であり、かつ一次パッケージ24の長手方向軸と実質的に平行である遠位面11.1を有する。遠位面11.1は、注射中に注射部位に向けられ、注射部位に載置するように適用されるように意図されている。ハウジング11は、コンピュータのマウスに似た形態で構成される。
【0066】
「遠位」という用語は、注射部位に比較的近い位置を表し、「近位」という用語は、注射部位から比較的遠い位置を表す。
【0067】
デバイス10はまた、ハウジング11に結合されたニードルシュラウド13を含み、ハウジング11に対するシュラウド13の動きを可能にすることができる。たとえば、シュラウド13は、近位方向Pまたは遠位方向Dに移動することができる。具体的には、近位方向へのシュラウド13の動きは、針17がハウジング11の遠位表面11.1から延びることを可能にすることができる。
【0068】
「前方」という用語は、薬物送達デバイス10の最長の軸に沿って針17に比較的近い
位置を表し、「後ろ」または「後方」という用語は、薬物送達デバイス10の最長の軸に沿って針17から比較的遠い位置を表す。
【0069】
針17の挿入は、いくつかの機構によって行うことができる。たとえば、針17は、ハウジング11に対して固定して位置し、最初は、延ばされたニードルシュラウド13内に位置する。シュラウド13の遠位端を患者の身体に接して配置し、ハウジング11を遠位方向に移動させることによるシュラウド13の近位方向運動は、針17の遠位端を露出させる。そのような相対運動は、針17の遠位端が患者の体内に延びることを可能にする。そのような挿入は、患者がシュラウド13に対してハウジング11を手で移動させることによって針17が手動で挿入されるので、「手動」挿入と呼ばれる。
【0070】
「手動」挿入の別の形態では、針17はボタン22に結合され、ボタン22が移動されるときにハウジング11に対して移動する。
図2に示されるように、ボタン22は、ハウジング11の近位面11.2に位置する。しかし、他の実施形態では、ボタン22は、ハウジング11の側面に位置してもよい。
【0071】
別の挿入形態は「自動」であり、針17がハウジング11に対して動く。そのような挿入は、シュラウド13の動きによって、またはたとえばボタン22など別の起動形態によってトリガすることができる。
図2に示されるように、ボタン22は、ハウジング11の近位面11.2に位置する。しかし、他の実施形態では、ボタン22は、ハウジング11の側面に位置することができる。さらなる実施形態では、ボタン22は削除され、たとえばシュラウドトリガ機構によって置き換えられており、シュラウドトリガ機構は、たとえば、薬物送達デバイスが注射面に置かれているときにハウジング内のニードルシュラウド13を押すことによって提供される。
【0072】
他の手動または自動構成は、薬物注射もしくは針の後退、またはその両方を含むことができる。注射は、栓またはピストン23が一次パッケージ24、容器、またはシリンジ内部の後方位置から一次パッケージ24内部のより前方の位置に移動されて、一次パッケージ24から針17を通して薬剤を押し出すプロセスである。
【0073】
いくつかの実施形態では、エネルギー源、たとえば駆動ばねが配置され、デバイス10が起動される前に圧縮されている。駆動ばねの一端は、ハウジング11内部に固定することができ、駆動ばねの他端は、ピストン23の表面に圧縮力を加えるように構成することができる。起動後、駆動ばねに蓄積されたエネルギーの少なくとも一部をピストン23に加えることができる。この圧縮力は、ピストン23に作用して、ピストン23を移動させて、液体薬剤を一次パッケージ24から変位させることができる。
【0074】
注射後、針17はシュラウド13またはハウジング11内部に後退させることができる。ユーザがデバイス10を患者の身体から取り外す際にシュラウド13が遠位方向に動くとき、後退が生じることがある。これは、針17がハウジング11に対して固定して位置されたままであるときに生じることがある。シュラウド13の遠位端が針17の遠位端を越えて移動し、針17が覆われると、シュラウド13をロックすることができる。そのようなロックは、ハウジング11に対するシュラウド13の任意の近位方向運動をロックすることを含むことができる。
【0075】
針17がハウジング11に対して移動される場合、別の形態の針後退が生じ得る。十分な後退後、針17とハウジング11との間の相対運動を、ロッキング機構によってロックすることができる。さらに、ボタン22またはデバイス10の他の構成要素を必要に応じてロックすることができる。
【0076】
針17はニードルモジュール18の一部であり、遠位面11.1から延びるように適用された第1の先端17.1と、ハウジング11内部で遠位面11.1と本質的に平行に一次パッケージ24に向かって延び、一次パッケージ24の前端24.1に配置されたセプタム25を穿孔して、針17と薬剤を充填された一次パッケージ24内部のキャビティとの間の流体連通を確立するように適用された第2の先端17.2とを有する。一次パッケージ24は、第2の先端17.2がセプタム25を穿孔できるように、ニードルモジュール18に向かって遠位面11.1と実質的に平行に移動されるように適用される。
【0077】
例示的実施形態では、針17は、約90度に曲げられた単一の針17を含む。別の例示的実施形態では、ニードルモジュール18は中実ブロック19を含み、針17は、互いに90度に配置されて中実ブロック19内部で接続された2つの別個の針先端17.1、17.2を含む。さらに別の例示的実施形態では、2つの別個の針先端17.1、17.2は、互いに90度に配置され、可撓性コネクタ、たとえば配管によって接続される。
【0078】
シュラウド13は、ニードルモジュール18に向かう一次パッケージ24の動き、および遠位面11.1から延びるような遠位方向Dへの針17の動きを開始するためのトリガとして構成される。
【0079】
例示的実施形態では、ニードルモジュール18に向かう一次パッケージ24の動き、および遠位面11.1から延びるような遠位方向Dへの針17の動きを開始するために、たとえば近位面11.2にボタン22が提供される。この場合、シュラウド13は安全インターロックとして使用され、シュラウド13が近位方向Pでハウジング11に押し下げられたときにのみボタン22の操作を可能にする。別の実施形態では、トリガボタン22の操作は、シュラウド13の位置に関係なく可能であるが、薬物送達デバイス10は、まずシュラウド13がハウジング内に押し下げられない限り、トリガボタン22の操作を無視するように構成される。さらに別の実施形態では、ニードルモジュール18に向かう一次パッケージ24の動き、および遠位面11.1から延びるような遠位方向Dへの針17の動きの開始は、アクションの順序にかかわらずシュラウド13の押し下げおよびボタン22の操作を必要とする。
【0080】
さらに別の実施形態では、ボタン22は提供されず、ニードルモジュール18に向かう一次パッケージ24の動き、および遠位面11.1から延びるような遠位方向Dへの針17の動きは、シュラウド13の押し下げのみによって開始される。
【0081】
プランジャ40は、ピストン23に力を加えるように配置され、たとえば駆動ばねによって駆動される。
【0082】
図3、4、および5は、
図2に示されるものと本質的に同様に構成された薬物送達デバイス10の例示的実施形態の様々な図である。
【0083】
一次パッケージ24は、ロック位置と解放位置との間で前方向に摺動可能である。シュラウド13は、遠位方向Dおよび近位方向Pに摺動可能であり、したがってシュラウド13は、遠位面11.1から延び、ハウジング11に向けて押し下げられて後退位置になる。第1の先端17.1および第2の先端17.2を有する針17を有するニードルモジュール18が提供され、第1の先端17.1は、遠位面11.1から延ばされるように適用され、第2の先端は、一次パッケージ24のセプタム25を穿孔するために一次パッケージ24に向かうように適用される。
【0084】
駆動ばね30は、プランジャ40を付勢して一次パッケージ24内部でピストン23を変位させて用量を送達し、一次パッケージ24を前方向に付勢するように配置される。
【0085】
掛止シャーシ26は、一次パッケージ24の前端を受けるように配置される。
図9で最も良く見られるように、掛止シャーシ26は、遠位方向Dへのシュラウド13の動きを制限するように、シュラウド13の掛止窓13.19に係合するように適用された少なくとも1つの掛止ボス26.1を含む。
【0086】
ニードルモジュール18は、遠位方向Dへのボタン22の押し下げがニードルモジュール18を遠位方向Dに移動させるように、ボタン22と結合される、またはボタン22に統合される。ボタン22は、後方に向けられたスリーブ22.4を含み、第2の先端17.2は、このスリーブ22.4内部で本質的に中心にある。ボタン22は、押し下げられていないときには近位位置を有し、近位位置では、スリーブ22.4が一次パッケージ24と同軸ではなく、一次パッケージ24はスリーブ22.4の縁部に当接し、前方に前進することができない。ボタン22は、押し下げられたときには遠位位置を有し、遠位位置では、スリーブ22.4は一次パッケージ24と同軸であり、一次パッケージ24はスリーブ22.4内に前方に前進することができ、第2の先端17.2がセプタム25を穿孔する。シュラウドばね50は、ボタン22をシュラウド13に対して付勢するように配置される。
【0087】
キャリア70は、ハウジング11内部に配置されて、一次パッケージ24を含み、ニードルモジュール18に向かう遠位面11.1と本質的に平行な一次パッケージ24の移動を可能にする。
【0088】
少なくとも1つの弾性ボタンロッキングビーム20.6が、ハウジング11、特にハウジング11の遠位領域20に配置され、ボタンロッキングビーム20.6は、シュラウド13のスロット13.1を通してボタン22のそれぞれの凹部22.5に係合するように適用された傾斜した内向き突起20.7を有する。シュラウド13は、ボタンロッキングビーム20.6から外方向に支持セクション13.14を含み、支持セクション13.14は、シュラウド13が遠位面11.1から突出する第1の伸長位置、および/または第1の伸長位置よりもさらに遠位面11.1から突出する第2の伸長位置にあるとき、ボタンロッキングビーム20.6を外方向で支持し、ボタンロッキングビーム20.6が外方向に偏向するのを妨げる。少なくとも1つのシュラウドロッキングビーム20.8が、ハウジング11、特にハウジング11の遠位領域20に配置され、シュラウドロッキングビーム20.8は、シュラウド13の表面、およびシュラウド13の窓13.15を通してボタン22の表面に係合するように適用された傾斜した内向き突起20.9(
図12に示される)を有する。
【0089】
少なくとも1つのシュラウドリブ13.16がシュラウド13に配置され、ハウジング11、特にハウジング11の遠位領域20に当接して、シュラウド13が第2の伸長位置を越えて遠位方向に移動するのを妨げるように構成される。
【0090】
図6は、使用前の薬物送達デバイス10の概略図である。一次パッケージ24は後方位置にある。ボタン22は近位位置にあり、一次パッケージ24はスリーブ22.4の縁部に当接し、前方に前進することができない。シュラウド13は第1の伸長位置にあり、支持セクション13.14は、ボタンロッキングビーム20.6の外方向偏向を妨げる。シュラウドロッキングビーム20.8の傾斜した内向き突出は、窓13.15を通って内方向に延び、シュラウド13が第2の伸長位置に向かってさらに前進するのを妨げる。ボタン22は、ボタンロッキングビーム20.6に遠位方向で当接し、ボタンロッキングビーム20.6が偏向することができないので、押し下げることができない。ニードルモジュール18は後退位置にあり、したがって第1の先端17.1は遠位面11.1の奥に隠される。
【0091】
図7は、遠位面11.1が注射部位にある状態で配置された薬物送達デバイス10の概略図である。シュラウド13は、近位方向Pでハウジング11に向けて押し下げられ、それによって支持セクション13.14も近位方向に移動させ、支持セクション13.14は、ボタンロッキングビーム20.6をもはや外方向で支持せず、ボタン22の押し下げを可能にする。
【0092】
図8は、遠位方向Dで遠位位置へのボタン22の押し下げ時の薬物送達デバイス10の概略図である。ボタン22は、移動されるとき、ボタンロッキングビーム20.6を外方向に偏向させ、ボタン22をさらに押し下げたとき弛緩させて凹部22.5に入れ、ボタン22を遠位位置にロックする。ボタン22の動きはまた、ニードルモジュール18を遠位方向Dに移動させ、針の第1の先端17.1が遠位面11.1から注射部位に延びる。さらに、動き中、ボタン22は、シュラウドロッキングビーム20.8の傾斜した内向き突起20.9に係合し、シュラウドロッキングビーム20.8が窓13.15の近位端に当接するのを防ぐために十分に外方向にシュラウドロッキングビーム20.8を偏向させ、シュラウド13は、後で再び前進されるときに、第1の伸長位置を超えて前進することができる。
【0093】
図9は、ボタン22の押し下げ後の薬物送達デバイス10の概略図である。ボタン22の動きの終わりに向かって、スリーブ22.4は一次パッケージ24と同軸になり、一次パッケージ24は、駆動ばね30によって駆動されてスリーブ22.4内に前方に前進することができ、第2の先端17.2は、セプタム25を穿孔して、駆動ばね30が、ピストン23を変位させることによって用量を投薬できるようにする。一次パッケージ24が前進するにつれて、掛止シャーシ26も前進し、掛止窓13.19から掛止ボス26.1を係合解除する。
【0094】
図10は、ピストン23が一次パッケージ24で底まで達した状態での投薬終了時の薬物送達デバイス10の概略図である。
【0095】
図11および12は、注射部位からの取出し後の薬物送達デバイス10の概略図である。シュラウド13はもはや押し下げられず、したがって、シュラウドばね50は、シュラウド13を、遠位先端17.1を覆うように遠位方向Dに第2の伸長位置へ移動させる。掛止ボス26.1が掛止窓13.19から係合解除したので、シュラウド13は、当初よりも遠位方向Dにさらに移動することができる。ボタン22がシュラウドロッキングビーム20.8を外方向に偏向させたので、シュラウド13が前進されているとき、シュラウドロッキングビーム20.8は窓13.15の近位端に当接しない。代わりに、窓13.15の近位端は、シュラウドロッキングビーム20.8の内向き突起20.9の傾斜部に係合し、シュラウド13の継続的な移動中にシュラウドロッキングビーム20.8をさらに外方向に偏向させる。シュラウド13が第2の伸長位置に到達すると、シュラウドリブ13.16はハウジング11に当接し、遠位方向Dへのシュラウド13のさらなる移動を停止し、シュラウド13の近位端は、内向き突起20.9を通り、シュラウドロッキングビーム20.8は内方向に弛緩し、シュラウド13は、内向き突起20.9によって第2の伸長位置にロックされる。
【0096】
図13および14は、
図2に示されるものと本質的に同様に構成された薬物送達デバイス10の例示的実施形態の概略図である。
【0097】
一次パッケージ24は、ロック位置から解放位置まで前方向に摺動可能である。シュラウド13は、遠位方向Dおよび近位方向Pに摺動可能であり、したがってシュラウド13は、遠位面11.1から延び、ハウジング11に向けて押し下げられて伸長位置から後退
位置になる。第1の先端17.1および第2の先端17.2を有する針17を有するニードルモジュール18が提供され、第1の先端17.1は、遠位面11.1から延ばされるように適用され、第2の先端は、一次パッケージ24のセプタム(図示せず)を穿孔するために一次パッケージ24に向くように適用される。
【0098】
駆動ばね(図示せず)は、プランジャ(図示せず)を付勢して一次パッケージ24内部でピストン(図示せず)を変位させて用量を送達し、一次パッケージ24を前方向に付勢するように配置される。
【0099】
ニードルモジュール18は、遠位方向Dへのボタン22の押し下げがニードルモジュール18を遠位方向Dに移動させるようにボタン22と結合される、またはボタン22に組み込まれる。ボタン22は、押し下げられていないときには近位位置を有し、近位位置では、第2の先端17.2が一次パッケージ24と同軸ではない。ボタン22は、押し下げられたときには遠位位置を有し、遠位位置では、第2の先端17.2は一次パッケージ24と同軸であり、したがって第2の先端17.2がセプタム25を穿孔することができる。シュラウドばね50は、ボタン22をシュラウド13に対して付勢するように配置される。
【0100】
キャリア70は、ハウジング11内部に配置されて、一次パッケージ24を含み、ニードルモジュール18に向かう遠位面11.1と本質的に平行な一次パッケージ24の移動を可能にする。キャリア70は、前面70.11を有する少なくとも1つの弾性前方アーム70.1を含み、前面70.11は、ハウジング11、特にその遠位領域20にある止め具20.5に当接し、それによりキャリア70および一次パッケージ24を後方位置に維持するように構成される。
【0101】
シュラウド13は、シュラウド13が後退位置にあるときに1つのそれぞれの前方アーム70.1の近傍にあるように構成された外向き突起13.18を有する少なくとも1つの弾性アーム13.17を含み、弾性アーム13.17の外方向偏向が、前方アーム70.1の外方向偏向を引き起こし、それにより前面70.11が止め具20.5を係合解除し、キャリア70が前方に移動できるようにする。ボタン22は、シュラウド13が後退位置にあるときに遠位位置へのボタン22を押し下げたとき弾性アーム13.17に係合するように構成された少なくとも1つの傾斜突起22.6を含み、弾性アーム13.17は、外方向に偏向されて前方アーム70.1を止め具20.5から係合解除する。突起22.6もしくは弾性アーム13.17のいずれか、またはそれら両方をこの偏向を実現するために傾斜させることができることを当業者は理解されよう。
【0102】
前方アーム70.1は、キャリア70が前方位置にあるとき、およびシュラウド13が伸長位置に前進されるときに、シュラウド13の対応する構成に係合するように適用されたスナップ構成を含むことがある。
【0103】
少なくとも1つのシュラウドリブ13.16は、シュラウド13に配置され、キャリアの前方アーム70.1に当接して、シュラウド13が伸長位置を越えて遠位方向に移動するのを妨げるように構成される。代替実施形態では、シュラウドリブ13.16は、ハウジング11、特にハウジング11の遠位領域20に当接して、シュラウド13が伸長位置を越えて遠位方向に移動するのを妨げる。
【0104】
図13および14は、使用前の薬物送達デバイス10を示す。一次パッケージ24は後方位置にある。ボタン22は近位位置にある。ニードルモジュール18は後退位置にあり、したがって第1の先端17.1は遠位面11.1の奥に隠されている。キャリアの前方アーム70.1が止め具20.5に当接し、したがって一次パッケージ24は前方に前進
できない。シュラウド13は伸長位置にあり、外向き突起13.18は、前方アーム70.1から、または少なくとも前面70.11を有する前方アーム70.1の突起から遠位方向に位置する。したがって、この状態でのボタン22の押し下げは、止め具20.5からの前方アーム70.1の解放を引き起こさない。
【0105】
図15および16は、遠位面11.1が注射部位にある状態で配置された薬物送達デバイス10の概略図である。シュラウド13は、近位方向Pでハウジング11に向けて押し下げられ、したがって、外向き突起13.18を前方アーム70.1と位置合わせする、すなわち外向き突起13.18を前方アーム70.1の近傍にする。
【0106】
図17および18は、遠位方向Dで遠位位置へのボタン22の押し下げ時の薬物送達デバイス10の概略図である。ボタン22が移動されるとき、ボタン22にある突起22.6は、弾性アーム13.17に係合し、弾性アーム13.17を外方向に偏向させ、したがって前方アーム70.1をハウジング11から係合解除する。
【0107】
ボタン22の動きはまた、ニードルモジュール18を遠位方向Dに移動させ、針の第1の先端17.1が遠位面11.1から注射部位に延びる。
【0108】
図19および20は、ボタン22の押し下げ後の薬物送達デバイス10の概略図である。前方アーム70.1の解放により、キャリア70および一次パッケージ24は、駆動ばねによって駆動されて前方に前進することができ、第2の先端17.2は、セプタムを穿孔し、ピストンを変位させることによって駆動ばねが用量を投薬することを可能にする。代替実施形態では、キャリアばねは、キャリア70および一次パッケージ24を前進させるように配置され、駆動ばねは、一次パッケージ24内でピストンを前進させるように配置される。この場合、セプタムが穿孔されていない限り薬剤が一次パッケージ24から逃げることができないので、駆動ばねは、ピストンとキャリア70との間で作用することができ、ピストンを前進させることのみを妨げられる。別の例示的実施形態では、駆動ばね解放機構は、駆動ばねをロックし、キャリアが前方位置に到着すると駆動ばねを解放するように構成される。
【0109】
図21および22は、注射部位からの取外し後の薬物送達デバイス10の概略図である。シュラウド13はもはや押し下げられておらず、したがって、シュラウドばね50は、シュラウド13を遠位方向Dに移動させ、遠位先端17.1を覆うように伸長位置に戻す。シュラウド13が伸長位置に到達すると、前方アーム70.1の上記のスナップ構成がシュラウド13の対応する構成に係合するので、シュラウド13は所定位置にロックすることができる。
【0110】
図23、24、および25は、
図2に示されるものと本質的に同様に構成された薬物送達デバイス10の例示的実施形態の概略図である。
【0111】
一次パッケージ24は、ロック位置と解放位置との間で前方向に摺動可能である。身体接触センサ27は、ハウジング11内の軸A、たとえば横軸の周りで枢動され、それにより、身体接触センサ27の接触部分27.1は、伸長位置では遠位面11.1から延び、後退位置では、軸Aの周りで枢動して、ハウジング11に向かって、またはハウジング11内に押し下げられる。身体接触センサ27は、シュラウド13として構成されるか、または伸長された針17、たとえばその第1の先端17.1を覆うためのシュラウド13を含む。第1の先端17.1および第2の先端17.2を有する針17を有するニードルモジュール18が提供され、第1の先端17.1は、遠位面11.1から延ばされるように適用され、第2の先端は、一次パッケージ24のセプタム25を穿孔するために一次パッケージ24に向くように適用される。ニードルモジュール18は、第1の先端17.1が
遠位面11.1から突出するように、ハウジング11内部で所定位置に固定される。ニードルモジュール18は、第1の先端17.1を保持する第1のサブモジュール18.1と、第2の先端17.2を保持する第2のサブモジュール18.2とを含むことがある。第1の先端17.1と第2の先端17.2との間の流体連絡は、可撓管28、たとえばシリコン管によって確立される。代替実施形態では、針17は、約90度に曲げられた単一の針17を含むことがある。別の例示的実施形態では、ニードルモジュール18は、中実ブロックを含むことがあり、針17は、互いに約90度に配置され、中実ブロック19内部で接続された2つの別個の針先端17.1、17.2を含むことがある。
【0112】
駆動ばね30は、プランジャ40をハウジング11に対して付勢して、一次パッケージ24内部でピストン23を変位させて用量を送達するように配置される。
【0113】
キャリア70は、ハウジング11内部に配置されて、一次パッケージ24を含み、ニードルモジュール18に向かう遠位面11.1と本質的に平行な一次パッケージ24の移動を可能にする。
【0114】
キャリア70は、キャリア70から外方向に付勢され、身体接触センサ27に係合するように構成された弾性キャリアリターンビーム70.16を含む。
【0115】
プランジャ40は、少なくとも1つのアパーチャ40.2を含み、アパーチャ40.2は、身体接触部分27.1がハウジング11から延びて遠位先端17.1を覆うときに身体接触センサ27の支持面27.5によって外方向で支持されることによってロッキングピン11.5が外方向に偏向するのを妨げられるときに、プランジャ40を後方位置でロックするように、ハウジング11に配置されたそれぞれの弾性傾斜ロッキングピン11.5によって係合されるように適用される。
【0116】
少なくとも1つのボタン22は、ハウジング11内に配置され、接触部27.1がハウジング11から延びるときにハウジングのアパーチャを通って突出して、本体接触センサ27の回転を防止する。ボタン22は、ハウジング11から横方向に延びることができ、ボタン22およびハウジング11のアパーチャは、非円形状を有して、アパーチャ内部でのボタン22の回転を妨げることができる。スロット27.6は、軸Aの近くで身体接触センサ27に配置され、ボタン22は、押し下げられていないとき、および接触部分27.1がハウジング11から延びて身体接触センサ27が回転することができないとき、スロット27.6に係合するように構成される。押し下げ時、ボタン22は、スロット27.6を係合解除して、身体接触センサ27を解放して回転させ、接触部分27.1がハウジング11に向かって移動することができるようにする。例示的実施形態では、2つのボタン22が、反対の横方向に突出して提供される。ボタン22は、ボタン22を外方向に付勢するばね要素22.3によって接続される。代替実施形態では、ボタン22を外方向に付勢するために、異なるタイプのばねが提供される。
【0117】
身体接触センサ27は、少なくとも1つのシュラウドロッキングビーム27.7を含むことがあり、シュラウドロッキングビーム27.7は、本質的に近位方向Pに延び、キャリア70が前方位置にあるときおよび接触部分27.1がハウジング11から延びるときにキャリア70のそれぞれのロッキング面70.17に当接するように適用される。シュラウドロッキングビーム27.7は弾性があり、シュラウドロッキングビーム27.7および/またはキャリア70は、身体接触センサ27が伸長位置に回転されるときに、シュラウドロッキングビーム27.7をロッキング面70.17の上で外方向に偏向させるように傾斜される。この回転の終わりに向けて、シュラウドロッキングビーム27.7は、ロッキング面70.17を通過し、内方向に弛緩して、ロッキング面70.17に当接する。
【0118】
図23、24、25は、使用前の薬物送達デバイス10を示す。一次パッケージ24は後方位置にある。ボタン22は押し下げられず、したがってスロット27.6に係合して、身体接触センサ27が後退位置に回転するのを妨げる。第1の先端17.1は、接触部分27.1のスリーブ13内部に隠される。キャリア70は、キャリアリターンビーム70.16が身体接触センサ27の傾斜面27.8に係合することによって後方位置に保持される。プランジャ40は、ロッキングピン11.5がアパーチャ40.2に係合し、支持面27.5がロッキングピン11.5を外方向で支持することによって後方位置に保持される。
【0119】
図26は、ボタン22が押し下げられた状態での薬物送達デバイス10の概略図である。押し下げ時、ボタン22はスロット27.6を係合解除し、ハウジング11に対する軸Aの周りでの身体接触センサ27の回転を可能にする。しかし、身体接触センサ27は、キャリアリターンビーム70.16によって付勢され、それにより接触部分27.1は伸長位置に留まる。
【0120】
図27および28は、注射部位に身体接触センサ27と共に配置された薬物送達デバイス10の概略図である。ハウジング11は、軸Aの周りで身体接触センサ27に対して傾斜または回転され、接触部分27.1が後退位置に移動され、それにより針17の遠位先端17.1を露出させ、遠位先端17.1を注射部位に挿入する。キャリア70は依然として後方位置にあるので、ロッキング面70.17は、この回転中にシュラウドロッキングビーム27.7と干渉しない。回転により、支持面27.5は、それらの位置からロッキングピン11.5の外方向に取り外され、プランジャ40に前方向で作用する駆動ばね30の負荷の下でロッキングピン11.5を外方向に偏向させることを可能にする。さらに、回転により、キャリアリターンビーム70.16は、キャリア70に向けて偏向され、したがって一部荷重をかけられる。
【0121】
図29および30は、プランジャ40が解放されている状態での薬物送達デバイス10の概略図である。支持面27.5がそれらの位置からロッキングピン11.5の外方向に取り外されるとき、ロッキングピン11.5は、プランジャ40に前方向に作用する駆動ばね30の負荷の下で外方向に偏向される。したがって、プランジャ40、ピストン23、一次パッケージ24、およびキャリア70は前方に前進され、それにより第2の先端17.2がセプタム25を穿孔し、シュラウドロッキングビーム27.2は、ロッキング面70.17に係合することなくロッキング面70.17と位置合わせされる。セプタム25が第2の先端17.2によって穿孔されるとすぐに、駆動ばねは、ピストン23を変位させることによって用量を投薬する。キャリア70の前方運動により、キャリアリターンビーム70.16は、傾斜面27.8を上って移動し、したがってさらに荷重をかけられる。
【0122】
図31は、注射部位から取り外されている薬物送達デバイス10の概略図である。接触部分27.1がもはや押し下げられていないので、荷重をかけられたキャリアリターンビーム70.16は、身体接触センサ27を弛緩および回転させ、それにより接触部分27.1が伸長位置に戻り、再び第1の先端17.1を覆う。この回転中、シュラウドロッキングビーム27.7は、キャリア70によって横方向外向きに傾斜され、この回転の終了時、内方向に弛緩され、ロッキング面70.17に係合して、身体接触センサ27を伸長位置にロックする。
【0123】
図32は、
図2に示されるものと本質的に同様に構成された薬物送達デバイス10の例示的実施形態の概略図である。シュラウド13は、遠位方向Dおよび近位方向Pに摺動可能であり、したがってシュラウド13は、伸長位置では遠位面11.1から延び、後退位
置ではハウジング11に向けて押し下げられる。第1の先端17.1および第2の先端(図示せず)を有する針17を有するニードルモジュール18が提供され、第1の先端17.1は、遠位面11.1から延ばされるように適用され、第2の先端は、一次パッケージ(図示せず)のセプタムを穿孔するために一次パッケージに向くように適用される。1つまたはそれ以上の横方向に配置されたトリガボタン22が、ハウジング11内に配置される。トリガボタン22は、ニードルモジュール18に係合してニードルモジュール18を遠位方向に移動させ、遠位面11.1を越えて第1の先端17.1を突出させるように適用されたそれぞれのカム表面22.1を含む。ニードルモジュール18は、シュラウドばね50によってシュラウド13に対して近位方向Pに付勢される。1つまたはそれ以上の弾性クリップ11.3が、ハウジング11に配置され、トリガボタン22、たとえばそのカム表面22.1のそれぞれの1つに係合するように構成され、それによりトリガボタン22の押し下げが弾性クリップ11.3を偏向させる。伸長位置にあるシュラウド13は、弾性クリップ11.3を内方向で支持するように構成され、弾性クリップ11.3が偏向するのを妨げ、トリガボタン22が押し下げられないようにする。シュラウド13は、その後退位置にある場合、弾性クリップ11.3を内方向で支持するのを止め、弾性クリップ11.3の内方向偏向、したがってトリガボタン22の押し下げを可能にする。トリガボタン22は、トリガボタン22が押し下げられた後に弾性クリップ11.3を受けるように適用されたそれぞれの凹部22.5を含み、弾性クリップ11.3が偏向され、トリガボタン22を完全に押し下げたとき、弾性クリップ11.3が弛緩されて凹部22.5に入り、トリガボタン22をそれらの押し下げ位置にロックする。
【0124】
図32では、シュラウド13はその伸長位置にあり、弾性クリップ11.3の偏向を阻止し、トリガボタン22の押し下げを妨げる。ニードルモジュールは後退位置にあり、第1の先端17.1はシュラウド13内部およびハウジング11内部に隠されており、遠位面11.1から突出していない。
【0125】
図33は、シュラウド13を前方にして注射部位に接して配置された薬物送達デバイス10の概略図である。したがって、シュラウド13は、近位方向に後退位置へ移動されており、弾性クリップ11.3の偏向を阻止するのを止めて、トリガボタン22を操作することができるようにする。この時点でユーザが薬物送達デバイス10を注射部位から取り外す場合、薬物送達デバイス10は、
図32に示される状態に戻る。
【0126】
図34は、トリガボタン22の押し下げ時の薬物送達デバイス10の概略図である。カム面22.1は、ニードルモジュール18に係合し、ニードルモジュール18を遠位方向に動かして、第1の先端17.1を遠位面11.1を越えて突出させる。トリガボタン22の押し下げは、弾性クリップ11.3をさらに偏向させる。トリガボタン22の完全な押し下げ時、弾性クリップ11.3は、弛緩されて凹部22.5に入り、トリガボタン22をそれらの押し下げ位置にロックする。
【0127】
ここで、たとえば他の実施形態において上述した機構の1つによって、または任意の他の適切な機構によって、一次パッケージが針の第2の先端によって穿孔され、薬物が針を通して浮遊される。
【0128】
図35は、注射部位から取り外されている薬物送達デバイス10の概略図である。トリガボタン22は、弾性クリップ11.3によってロックされるので、押し下げ後も所定位置に留まり、したがって、ニードルモジュール18もその伸長位置に留まり、第1の先端17.1が遠位面11.1から突出する。シュラウド13の押し下げおよびニードルモジュール18の動きがシュラウドばね50を圧縮しているので、ここで、シュラウドばね50は、シュラウド13を遠位方向Dに前進させて第2の伸長位置にし、第2の伸長位置では、シュラウド13は、伸長位置よりもさらに遠位方向Dに移動され、したがって遠位先
端17.1を覆う。シュラウド13は、他の実施形態で上述したシュラウドロック機構によって、または任意の他の適切なシュラウドロック機構によって、この位置にロックされる。
【0129】
図36は、
図2に示されるものと本質的に同様に構成された薬物送達デバイス10の例示的実施形態の概略図である。シュラウド13を含む、またはシュラウド13として構成される身体接触センサ27は、ハウジング11内の軸Aの周りで回転可能に配置され、身体接触センサ27の接触部分27.1は、伸長位置では遠位面11.1から延び、後退位置ではハウジング11に向けて押し下げられる。第1の先端17.1および第2の先端17.2を有する針17を有するニードルモジュール18が提供され、第1の先端17.1は、遠位面11.1から延び、第2の先端は、一次パッケージ24のセプタム25を穿孔するために一次パッケージ24に向くように適用される。キャリア70は、ハウジング11内部に配置されて一次パッケージ24を含み、セプタム25が第2の先端17.2から離間されている後方位置から、ニードルモジュール18に向かって、第2の先端17.2がセプタム25を穿孔する前方位置へ、遠位面11.1と本質的に平行に一次パッケージ24が移動するのを可能にする。身体接触センサ27は、キャリア70が後方位置にあるとき、および接触部分27.1が伸長位置にあるときにキャリア70に係合するように適用されたアーム27.2を含む。接触部分27.1は、ばねまたは弾性構成要素(図示せず)によって伸長位置に向けて付勢される。
【0130】
トリガボタン22は、ハウジング11の後端に配置され、一次パッケージ24および/またはキャリア70に係合するまたは結合されるように適用されて、トリガボタン22を押し下げたときキャリア70および一次パッケージ24を後方位置から前方に移動させる。駆動ばね(図示せず)は、ピストン23をハウジング11またはトリガボタン22に対して付勢するように構成される。
【0131】
図36では、接触部27.1はその伸長位置にあり、アーム27.2が後方位置にあるキャリア70に係合し、キャリア70の前方運動を阻止し、トリガボタン22の押し下げを防止する。
【0132】
図37は、接触部27.1を前方にして注射部位に接して配置された薬物送達デバイス10の概略図である。したがって、接触部分27.1は、近位方向に後退位置へ移動されており、それによりアーム27.2も回転させ、したがってアーム27.2は、キャリア70を係合するのを止めて、トリガボタン22を操作することができるようにする。接触部分27.1の押し下げにより、第1の先端17.1が露出されており、注射部位を穿孔することができる。この時点でユーザが薬物送達デバイス10を注射部位から取り外す場合、伸長位置に向かう接触部分27.1の付勢により、薬物送達デバイス10は
図36に示される状態に戻る。
【0133】
図38は、トリガボタン22の押し下げ時の薬物送達デバイス10の概略図である。トリガボタン22の押し下げは、キャリア70および一次パッケージ24を前方に移動させ、一次パッケージのセプタム25が、針17の第2の先端17.2によって穿孔され、薬物が、たとえば駆動ばね(図示せず)によって針を通して浮遊される。
【0134】
薬物送達デバイス10が注射部位から取り外される場合、接触部分27.1は、再び付勢されることにより伸長位置に移動される。接触部分27.1は、他の実施形態で上述したシュラウドロック機構によって、または任意の他の適切なシュラウドロック機構によって、この位置にロックされる。
【0135】
図39は、
図2に示されるものと本質的に同様に構成された薬物送達デバイス10の例
示的実施形態の概略図である。シュラウド13は、ハウジング11内で伸長位置と後退位置との間で摺動可能に配置される。第1の先端17.1および第2の先端17.2を有する針17を有するニードルモジュール18が提供され、第1の先端17.1は、遠位面11.1から延び、第2の先端17.2は、一次パッケージ24のセプタム25を穿孔するために一次パッケージ24に向くように適用される。キャリア70は、ハウジング11内部に配置され、一次パッケージ24を含み、セプタム25が第2の先端17.2からニードルモジュール18に向かって離間されている後方位置から、第2の先端17.2がセプタム25を穿孔する前方位置への、遠位面11.1と本質的に平行な一次パッケージ24の移動を可能にする。シュラウド13は、シュラウドばね50によって伸長位置に向かって付勢される。シュラウド13は、キャリア70が後方位置にあるとき、およびシュラウド13が伸長位置にあり、キャリア70が前進できないときに、キャリア70に係合するように適用された止め具13.9を含む。
【0136】
トリガボタン22は、ハウジング11に、たとえばハウジング11の近位側で配置され、トリガボタン22を押し下げたとき、キャリア70に係合して、キャリア70および一次パッケージ24を後方位置から前方に移動させるように適用される。この目的のために、トリガボタン22が傾斜部22.1を含むことがあり、および/またはキャリア70が傾斜部70.10を含むことがある。
【0137】
駆動ばね(図示せず)は、ピストン23をハウジング11に対して付勢するように配置される。
【0138】
図39では、シュラウド13はその伸長位置にあり、止め具13.9が後方位置にあるキャリア70に係合し、キャリア70の前方運動を阻止し、トリガボタン22の押し下げを防止する。
【0139】
図40は、シュラウド13を前方にして注射部位に接して配置された薬物送達デバイス10の概略図である。したがって、シュラウド13は、近位方向Pに後退位置へ移動されており、それにより止め具13.9をキャリア70との当接から外し、トリガボタン22を操作することができるようにする。シュラウド13の押し下げにより、第1の先端17.1が露出され、注射部位を穿孔することができる。この時点でユーザが薬物送達デバイス10を注射部位から取り外す場合、伸長位置に向かうシュラウド13の付勢により、薬物送達デバイス10は
図39に示される状態に戻る。
【0140】
図41は、トリガボタン22の押し下げ時の薬物送達デバイス10の概略図である。トリガボタン22の押し下げは、キャリア70および一次パッケージ24を前方に傾斜させ、一次パッケージのセプタム25が、針17の第2の先端17.2によって穿孔され、薬物が、たとえば駆動ばね(図示せず)によって針を通して浮遊される。
【0141】
薬物送達デバイス10が注射部位から取り外される場合、シュラウド13は、再び付勢されることにより伸長位置に移動される。シュラウド13は、他の実施形態で上述したシュラウドロック機構によって、または任意の他の適切なシュラウドロック機構によって、この位置にロックされる。
【0142】
図42は、上述した実施形態の任意の1つ、特に
図13~22の実施形態と組み合わせることができる薬物送達デバイス10の例示的実施形態の概略詳細図である。
【0143】
第1の先端17.1および第2の先端17.2を有する針17を有するニードルモジュール18が提供され、第1の先端17.1は、遠位面から延び、第2の先端17.2は、一次パッケージ24のセプタム25を穿孔するために一次パッケージ24に向くように適
用される。キャリア(図示せず)は、ハウジング11内部に配置され、一次パッケージ24を含み、セプタム25が第2の先端17.2からニードルモジュール18に向かって離間されている後方位置から、第2の先端17.2がセプタム25を穿孔する前方位置への、遠位面と本質的に平行な一次パッケージ24の移動を可能にする。
【0144】
駆動ばね30は、ピストン23をハウジング11に対して前方向に変位させるように構成されたプランジャ40を付勢するように配置される。プランジャ40は、ハウジング11のロッキングピン11.5に係合するように構成された1つまたはそれ以上の後方に延びるプロング40.5を含み、ロッキングピン11.5はスラブ11.7を有する。スラブ11.7および/またはプロング40.5は傾斜されており、プロング40.5を外方向に偏向させて、駆動ばね30からの力の下でロッキングピン11.5からプロング40.5を係合解除する。一次パッケージ24が後方位置にあるとき、プロング40.5は、少なくとも部分的に一次パッケージ24内部に受けられ、外方向に偏向するのを妨げられ、したがってロッキングピン11.5を係合解除することができない。さらなるばね80、たとえばキャリアばね80は、一次パッケージ24のキャリアをハウジング11に対して前方向に付勢するように配置される。
【0145】
図42では、一次パッケージ24は、セプタム25が第2の先端17.2から離間されるように後方位置にある。プロング40.5は、ロッキングピン11.5に係合され、ロッキングピン11.5を係合解除するために偏向することはできない。一次パッケージ24は、上述した実施形態に示されるそれぞれの機構の任意の1つによって、または別の適切な機構によって、後方位置に保持される。
【0146】
図43は、一次パッケージ24が解放されて前方に移動された後の薬物送達デバイス10の概略詳細図である。解放により、一次パッケージ24は、ばね80によって駆動されて前方に前進することができ、第2の先端17.2は、セプタム25を穿孔する。一次パッケージ24が動き、プランジャ40が所定位置に留まることにより、プロング40.5はもはや一次パッケージ24内部で位置決めされず、したがって外方向に偏向することができ、駆動ばね30からの力を受けてロッキングピン11.5から係合解除し、それによりプランジャ40を解放して前方に移動させる。
【0147】
図44は、プランジャ40の解放後の薬物送達デバイス10の概略詳細図である。プランジャ40は、駆動ばね30によって前方に動かされ、ピストン23に当接しており、その後、ピストン23を変位させることによって用量を定量供給する。
【0148】
例示的実施形態では、第2の先端17.2は、第1の先端17.1よりも大きい内径を有する。
【0149】
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では1つまたはそれ以上の薬学的に活性な化合物を記述するために使用される。以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つの低分子もしくは高分子またはそれらの組合せを含みうる。例示的な薬学的に活性な化合物としては、低分子、ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素)、炭水化物および多糖、ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、ならびにオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。これらの薬物の1つまたはそれ以上の混合物も企図される。
【0150】
「薬物送達デバイス」という用語は、薬物が人体または動物体に投薬されるように構成されたあらゆるタイプのデバイスまたはシステムを包含するものである。限定されることなく、薬物送達デバイスは、注射デバイス(たとえば、シリンジ、ペン型注射器、自動注射器、大容量デバイス、ポンプ、かん流システム、または眼内送達、皮下送達、筋肉内送達、もしくは血管内送達用に構成された他のデバイス)、皮膚パッチ(たとえば、浸透圧性、化学的、マイクロニードル)、吸入器(たとえば、鼻用または肺用)、埋め込み物(たとえば、コーティングされたステント、カプセル)、または胃腸管用の供給システムでありうる。ここに記載される薬物は、針、たとえば小ゲージ針を含む注射デバイスで特に有用でありうる。
【0151】
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬学的に活性な化合物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、薬物製剤の2つ以上の成分(たとえば、薬物と希釈剤、または2つの異なるタイプの薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に薬物もしくは薬剤の2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
【0152】
本発明に記載の薬物送達デバイスおよび薬物は、多くの異なるタイプの障害の治療および/または予防のために使用可能である。例示的な障害としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。さらなる例示的な障害は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。
【0153】
糖尿病または糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防のための例示的な薬物としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、もしくはそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、もしくはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「誘導体」という用語は、元の物質と実質的に同様の機能性または活性(たとえば、治療効果)を有するように、構造的に十分同様である任意の物質を指す。
【0154】
例示的なインスリンアナログは、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトイン
スリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28-B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0155】
例示的なインスリン誘導体は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。例示的なGLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストは、たとえば、リキシセナチド/AVE0010/ZP10/リキスミア、エキセナチド/エキセンジン-4/バイエッタ/ビデュリオン/ITCA650/AC-2993(ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド/ビクトーザ、セマグルチド、タスポグルチド、シンクリア/アルビグルチド、デュラグルチド、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、TT-401、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
【0156】
例示的なオリゴヌクレオチドは、たとえば、家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセン/キナムロである。
【0157】
例示的なDPP4阻害剤は、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
【0158】
例示的なホルモンとしては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
【0159】
例示的な多糖としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20/シンビスク、ヒアルロン酸ナトリウムである。
【0160】
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクロー
ナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。
【0161】
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本開示に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
【0162】
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。
【0163】
例示的な抗体は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
【0164】
本明細書に記載の化合物は、(a)化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および(b)薬学的に許容可能な担体を含む医薬製剤に使用可能である。化合物は、1つもしくはそれ以上の他の活性医薬成分を含む医薬製剤、または本化合物もしくはそれらの薬学的に許容可能な塩が唯一の活性成分である医薬製剤にも使用可能である。したがって、本開示の医薬製剤は、本明細書に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体を混合することによって作られる任意の製剤を包含する。
【0165】
本明細書に記載のいずれの薬物の薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩は、たとえば、HClまたはHBr塩である。塩基性塩は、たとえば、アルカリもしくはアルカリ土類金属、たとえば、Na+、もしくはK+、またはCa2+、またはアンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)、(式中、R1からR4は互いに独立して:水素、場合により置換されたC1~C6-アルキル基、場合により置換されたC2~C6-アルケニル基、場合により置換されたC6~C10-アリール基、または場合により置換されたC6~C10-ヘテロアリール基を意味する)から選択され
るカチオンを有する塩である。薬学的に許容可能な塩のさらなる例は当業者には公知である。
【0166】
薬学的に許容可能な溶媒和物は、たとえば、水和物またはメタノラート(methanolate)もしくはエタノラート(ethanolate)などのアルカノラート(alkanolate)である。
【0167】
当業者は、本明細書で述べる物質、調合、装置、方法、システム、および実施形態の様々な構成要素の変更(追加および/または除去)が、本開示の全範囲および精神から逸脱することなく行われ、本開示が、そのような変更形態およびそのすべての均等形態を含むことを理解されよう。
【0168】
さらなる実施形態を以下に述べる。
【0169】
実施形態1. 薬物送達デバイス(10)であって、一次パッケージ(24)を受けるように適用されたハウジング(11)を含み、ハウジング(11)は、注射部位に当接して配置されるように適用された遠位面(11.1)と、遠位面(11.1)とは反対側の近位面(11.2)とを含み、近位面(11.2)は、薬物送達中にユーザの手のひらに保持されるように適用され、ハウジング(11)は、遠位面(11.1)と近位面(11.2)との間のハウジング(11)の第1の延在域が、第1の延在域に対して直角の少なくとも1つの延在域よりも小さいような平坦フォームファクタを有する、薬物送達デバイス。
【0170】
実施形態2. ハウジング(11)内部に受けられた一次パッケージ(24)に接続されるように、または接続可能であるように構成された注射針(17)を含み、該針(17)は、第1の先端(17.1)を含み、第1の先端(17.1)は、
-手動操作によって遠位面(11.1)を越えて延ばされるように構成される、または
-遠位面(11.1)を越えて延び、シュラウド(13)によって覆われるように構成され、シュラウド(13)は、手動操作によって第1の先端(17.1)を露出するように後退されるように構成される
実施形態1に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0171】
実施形態3. 一次パッケージ(24)の取付軸は、第1の延在域に対して本質的に直角である、実施形態1または2に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0172】
実施形態4. 遠位面(11.1)は非接着性である、実施形態1~3のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0173】
実施形態5. 遠位面(11.1)は剛性である、実施形態1~4のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0174】
実施形態6. ハウジング(11)は、一次パッケージ(24)を監視することができる少なくとも1つの窓(11a)を含む、実施形態1~5のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0175】
実施形態7. 窓(11a)はハウジング(11)の近位面(11.2)および/または側面に配置されている、実施形態6に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0176】
実施形態8. 針(17)はニードルモジュール(18)の一部であり、ハウジング(11)内部に受けられた一次パッケージ(24)のセプタム(25)を穿孔するように適
用された第2の先端(17.2)を含む、実施形態2~7のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0177】
実施形態9. 針(17)は約90度に曲げられた単一の針であるか、または第1の先端(17.1)と第2の先端(17.2)とは互いに別個であり、互いに約90度に配置され、中実ブロック(19)内部でまたは可撓管(28)を介して接続される、実施形態8に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0178】
実施形態10. 針(17)は、針(17)がハウジング(11)内部に隠された状態の後退位置と、針(7)が遠位面(11.1)を通って延びた状態の伸長位置との間で可動である、実施形態2~9のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0179】
実施形態11. トリガを手動操作したとき針(17)を後退位置から伸長位置に移動させるように適用されたトリガを含む、実施形態10に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0180】
実施形態12. トリガは、シュラウド(13)、少なくとも1つのボタン(22)、および身体接触センサ(27)のうちの少なくとも1つを含む、実施形態11に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0181】
実施形態13. 少なくとも1つのボタン(22)は、ハウジング(11)の近位面(11.2)または少なくとも1つの側面もしくは後面に配設される、実施形態12に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0182】
実施形態14. 身体接触センサ(27)またはシュラウド(13)は遠位面(11.1)に配設され、シュラウド(13)は、針(17)が伸長位置にあるときに針(17)を覆うように適用される、実施形態12または13に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0183】
実施形態15. 針(17)は、注射部位からの遠位面(11.1)を取り外したとき、またはトリガを解放したとき伸長位置から後退位置に後退されるように適用される、実施形態10~14のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0184】
実施形態16. 一次パッケージ(24)を取り付けるように適用され、第2の先端(17.2)がセプタム(25)から離間されている後方位置と、第2の先端(17.2)がセプタム(25)を穿孔する前方位置との間で遠位面(11.1)と実質的に平行に可動であるキャリア(70)を含む、実施形態9~15のいずれか1項に記載の薬剤送達デバイス(10)。
【0185】
実施形態17. トリガは、後方位置から前方位置へのキャリア(70)の動きを開始するように構成される、実施形態16に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0186】
実施形態18. ボタン(22)は、ボタン(22)の操作を妨げるようにシュラウド(13)または身体接触センサ(27)の操作の前にロックされるように適用され、ボタン(22)は、ボタン(22)の操作を可能にするようにシュラウド(13)または身体接触センサ(27)を操作したときロック解除されるように適用される、実施形態12~17のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0187】
実施形態19. 一次パッケージ(24)のピストン(23)に前方向に力を加えるように適用された駆動ばね(30)を含む、実施形態1~18のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0188】
実施形態20. 駆動ばね(30)からピストン(23)に力を伝播するように適用されたプランジャ(40)を含む、実施形態19に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0189】
実施形態21. 薬剤を含む一次パッケージ(24)を含む、実施形態1~20のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0190】
実施形態22. 掛止シャーシ(26)は、一次パッケージ(24)の前端を受けるように配置される、実施形態1~21のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0191】
実施形態23. ニードルモジュール(18)は、ボタン(22)と結合され、またはボタン(22)に組み込まれ、遠位方向(D)へのボタン(22)の押し下げは、ニードルモジュール(18)を遠位方向(D)に移動させる、実施形態8~22のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0192】
実施形態24. ボタン(22)は、後方に向けられたスリーブ(22.4)を含み、第2の先端(17.2)は、スリーブ(22.4)内部で本質的に中心にある、実施形態23に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0193】
実施形態25. ボタン(22)は、押し下げられていないときには近位位置を有し、近位位置で、スリーブ(22.4)は一次パッケージ(24)と同軸ではなく、一次パッケージ(24)はスリーブ(22.4)の縁部に当接し、前方に前進することができず、ボタン(22)は、押し下げられたときには遠位位置を有し、遠位位置で、スリーブ(22.4)は一次パッケージ(24)と同軸であり、一次パッケージ(24)はスリーブ(22.4)内に前方に前進することができ、第2の先端(17.2)はセプタム(25)を穿孔する、実施形態24に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0194】
実施形態26. シュラウドばね(50)は、ハウジング(11)に対して、またはニードルモジュール(18)に対して、またはボタン(22)に対して、遠位方向(D)にシュラウド(13)を付勢するように配置される、実施形態1~25のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0195】
実施形態27. 少なくとも1つの弾性ボタンロッキングビーム(20.6)はハウジング(11)に配置され、ボタンロッキングビーム(20.6)は、シュラウド(13)のスロット(13.1)を介してボタン(22)のそれぞれの凹部(22.5)に係合するように適用された傾斜した内向き突起(20.7)を有する、実施形態12~26のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0196】
実施形態28. シュラウド(13)は、ボタンロッキングビーム(20.6)から外方向に支持セクション(13.14)を含み、支持セクション(13.14)は、シュラウド(13)が遠位面(11.1)から突出する第1の伸長位置にあるとき、および/または第1の伸長位置よりもさらに遠位面(11.1)から突出する第2の伸長位置にあるとき、ボタンロッキングビーム(20.6)を外方向で支持して、ボタンロッキングビーム(20.6)が外方向に偏向するのを妨げる、実施形態27に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0197】
実施形態29. 少なくとも1つのシュラウドロッキングビーム(20.8)はハウジング(11)に配置され、シュラウドロッキングビーム(20.8)は、シュラウド(13)の表面、およびシュラウド(13)の窓(13.15)を通してボタン(22)の表面に係合するように適用された傾斜した内向き突起(20.9)を有する、実施形態12
~28のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0198】
実施形態30. 少なくとも1つのシュラウドリブ(13.16)は、シュラウド(13)に配置され、シュラウド(13)が第2の伸長位置を越えて遠位方向に移動するのを妨げるためにハウジング(11)に当接するように構成される、実施形態1~29のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0199】
実施形態31. ボタン(22)は、押し下げられていないときには近位位置を有し、近位位置では、第2の先端(17.2)は一次パッケージ(24)と同軸ではなく、ボタン(22)は、押し下げられたときには遠位位置を有し、遠位位置では、第2の先端(17.2)は一次パッケージ(24)と同軸であり、第2の先端(17.2)はセプタム(25)を穿孔することができる、実施形態23~30のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0200】
実施形態32. キャリア(70)は、ハウジング(11)の止め具(20.5)に当接し、それによりキャリア(70)および一次パッケージ(24)を後方位置に維持するように構成された前面(70.11)を有する少なくとも1つの弾性前方アーム(70.1)を含む、実施形態16~31のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0201】
実施形態33. シュラウド(13)は、シュラウド(13)が後退位置にあるときに1つのそれぞれの前方アーム(70.1)の近傍にあるように構成された外向き突起(13.18)を有する少なくとも1つの弾性アーム(13.17)を含み、弾性アーム(13.17)の外方向偏向は、前方アーム(70.1)の外方向偏向を引き起こし、前面(70.11)が止め具(20.5)を係合解除して、キャリア(70)を前方に移動できるようにする、実施形態32に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0202】
実施形態34. ボタン(22)は、シュラウド(13)が後退位置にあるときに遠位位置へのボタン(22)を押し下げたとき弾性アーム(13.17)に係合するように構成された少なくとも1つの傾斜した突起(22.6)を含み、それにより弾性アーム(13.17)が外方向に偏向され、前方アーム(70.1)を止め具(20.5)から係合解除する、実施形態33に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0203】
実施形態35. 前方アーム(70.1)は、キャリア(70)が前方位置にあるとき、およびシュラウド(13)が伸長位置に前進されたときに、シュラウド(13)の少なくとも1つの対応する構成に係合するように適用された少なくとも1つのスナップ構成を含む、実施形態32~34のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0204】
実施形態36. 身体接触センサ(27)は、ハウジング(11)内で軸(A)の周りで枢動され、身体接触センサ(27)の接触部分(27.1)は、伸長位置では遠位面(11.1)から延び、後退位置では、軸(A)の周りで枢動して、ハウジング(11)に向けて、またはハウジング(11)内に押し下げられる、実施形態12~35のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0205】
実施形態37. 身体接触センサ(27)は、シュラウド(13)として構成される、または第1の先端(17.1)を覆うためのシュラウド(13)を含む、実施形態12~36のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0206】
実施形態38. ニードルモジュール(18)は、第1の先端(17.1)が遠位面(11.1)から突出するようにハウジング(11)内部で所定位置に固定される、実施形態8~37のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0207】
実施形態39. ニードルモジュール(18)は、第1の先端(17.1)を保持する第1のサブモジュール(18.1)と、第2の先端(17.2)を保持する第2のサブモジュール(18.2)とを含む、実施形態8~38のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0208】
実施形態40. キャリア(70)は、キャリア(70)から外方向に付勢され、身体接触センサ(27)に係合するように構成された弾性キャリアリターンビーム(70.16)を含む、実施形態16~39のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0209】
実施形態41. プランジャ(40)は、ハウジング(11)に配置されたそれぞれの弾性傾斜ロッキングピン(11.5)によって係合されるように適用された少なくとも1つのアパーチャ(40.2)を含み、身体接触センサ(27)が伸長位置にあるときに身体接触センサ(27)の支持面(27.5)によって外方向で支持されることによってロッキングピン(11.5)が外方向に偏向するのを妨げられるときに、プランジャ(40)を後方位置にロックする、実施形態20~40のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0210】
実施形態42. 少なくとも1つのボタン(22)は、身体接触センサ(27)が伸長位置にあるときに、ハウジング(11)のアパーチャを通って突出して身体接触センサ(27)の回転を妨げる、実施形態12~41のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0211】
実施形態43. 少なくとも1つのボタン(22)は、ハウジング(11)から横方向に延び、ボタン(22)とハウジング(11)のアパーチャとは、非円形状を有し、アパーチャ内でのボタン(22)の回転を妨げる、実施形態42に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0212】
実施形態44. スロット(27.6)は、軸(A)の近くで身体接触センサ(27)に配置され、ボタン(22)は、押し下げられていないとき、および身体接触センサ(27)が伸長位置にあるときにスロット(27.6)に係合するように構成され、それにより身体接触センサ(27)は回転することができず、押し下げられるとき、ボタン(22)は、スロット(27.6)を係合解除し、身体接触センサ(27)を解放して回転させるように構成される、実施形態42または43に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0213】
実施形態45. ばね要素(22.3)は、ハウジング(11)から延びるようにボタン(22)を付勢するために提供される、実施形態12~44のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0214】
実施形態46. 身体接触センサ(27)は、少なくとも1つのシュラウドロッキングビーム(27.7)を含み、シュラウドロッキングビーム(27.7)は、本質的に近位方向(P)に延び、キャリア(70)が前方位置にあるときおよび身体接触センサ(27)が伸長位置にあるときに、キャリア(70)のそれぞれのロッキング面(70.17)に当接するように適用される、実施形態12~45のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0215】
実施形態47. シュラウドロッキングビーム(27.7)は弾性であり、シュラウドロッキングビーム(27.7)および/またはキャリア(70)は、身体接触センサ(27)が伸長位置に回転されるときにシュラウドロッキングビーム(27.7)をロッキング面(70.17)の上で外方向に偏向するように傾斜される、実施形態46に記載の薬
物送達デバイス(10)。
【0216】
実施形態48. 1つまたはそれ以上の横方向に配置されたトリガボタン(22)は、ハウジング(11)内に配置され、トリガボタン(22)は、それぞれのカム面(22.1)を含み、カム面(22.1)は、ニードルモジュール(18)に係合して、ニードルモジュール(18)を遠位方向に移動させて、遠位面(11.1)を越えて第1の先端(17.1)を突出させるように適用される、実施形態12~47のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0217】
実施形態49. 1つまたはそれ以上の弾性クリップ(11.3)は、ハウジング(11)に配置され、トリガボタン(22)の押し下げが弾性クリップ(11.3)を偏向するように、トリガボタン(22)のそれぞれ1つに係合するように構成される、実施形態12~48のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0218】
実施形態50. 伸長位置にあるシュラウド(13)は、弾性クリップ(11.3)を内側に支持するように構成され、弾性クリップ(11.3)が偏向するのを妨げ、少なくとも1つのトリガボタン(22)を押し下げることができないようにし、後退位置にあるシュラウド(13)は、弾性クリップ(11.3)を内方向で支持するのを止め、弾性クリップ(11.3)の内方向偏向、したがってトリガボタン(22)の押し下げを可能にする、実施形態49に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0219】
実施形態51. トリガボタン(22)は、トリガボタン(22)が押し下げられた後に弾性クリップ(11.3)を受けるように適用されたそれぞれの凹部(22.5)を含み、弾性クリップ(11.3)が偏向され、トリガボタン(22)を完全に押し下げたとき、弾性クリップ(11.3)が弛緩されて凹部(22.5)に入り、トリガボタン(22)をそれらの押し下げ位置にロックする、実施形態49または50に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0220】
実施形態52. 身体接触センサ(27)は、キャリア(70)が後方位置にあるとき、および接触部分(27.1)が伸長位置にあるときにキャリア(70)に係合するように適用されたアーム(27.2)を含む、実施形態16~51のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0221】
実施形態53. 身体接触センサ(27)は、ばねまたは弾性構成要素によって伸長位置に向かって付勢される、実施形態12~52のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0222】
実施形態54. トリガボタン(22)は、ハウジング(11)の後端に配置され、一次パッケージ(24)および/またはキャリア(70)に係合するように、または一次パッケージ(24)および/またはキャリア(70)に結合されるように適用されて、トリガボタン(22)を押し下げたときキャリア(70)および/または一次パッケージ(24)を後方位置から前方に移動させる、実施形態12~53のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0223】
実施形態55. シュラウド(13)は、キャリア(70)が後方位置にあるとき、およびシュラウド(13)が伸長位置にあるときにキャリア(70)に係合するように適用された止め具(13.9)を含み、それによりキャリア(70)が前方に前進することができないようにする、実施形態16~54のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0224】
実施形態56. トリガボタン(22)は、トリガボタン(22)を押し下げたとき、キャリア(70)または一次パッケージ(24)に係合してキャリア(70)および/または一次パッケージ(24)を後方位置から前方に移動させるように適用される、実施形態16~55のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0225】
実施形態57. トリガボタン(22)は傾斜部(22.1)を含み、および/またはキャリア(70)は、トリガボタン(22)とキャリア(70)とを相互に係合するための傾斜部(70.10)を含むことがある、実施形態56に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0226】
実施形態58. プランジャ(40)は、ハウジング(11)にあるロッキングピン(11.5)のスラブ(11.7)に係合するように構成された1つまたはそれ以上の後方に延びるプロング(40.5)を含む、実施形態20~57のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0227】
実施形態59. スラブ(11.7)および/またはプロング(40.5)は、駆動ばね(30)からの力を受けて、プロング(40.5)を外方向に偏向させてロッキングピン(11.5)から係合解除させるように傾斜されている、実施形態58に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0228】
実施形態60. 一次パッケージ(24)が後方位置にあるとき、プロング(40.5)は、少なくとも部分的に一次パッケージ(24)内に受けられ、外方向に偏向するのを妨げられ、したがってロッキングピン(11.5)を係合解除することができない、実施形態58または59に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0229】
実施形態61. キャリアばね(80)は、キャリア(70)をニードルモジュール(18)に向けて付勢するように配置される、実施形態16~47のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0230】
実施形態62. 駆動ばね(30)は、プランジャ(40)内部またはプランジャ(40)の周囲に配置される、実施形態20~61のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0231】
実施形態63. ノイズ構成要素(90)は、薬物が一次パッケージ(24)から少なくともほぼ完全に排出されたときに可聴フィードバックを提供するように構成される、実施形態1~62のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0232】
実施形態64. 1つまたはそれ以上のクリップは、ハウジング(11)および/またはシュラウド(13)に提供されて、シュラウド(13)が針(17)を覆うように延ばされるときにシュラウド(13)をハウジング(11)に係合する、実施形態2~63のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【0233】
実施形態65. キャリアばね(80)はキャリア(70)から横方向に、またはキャリア(70)の周りに配置される、実施形態61~63のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【符号の説明】
【0234】
10 薬物送達デバイス
11 ハウジング
11.1 遠位面
11.2 近位面
11.3 弾性クリップ
11.5 ロッキングピン
11.7 スラブ
11a 窓
12 キャップアセンブリ
13 シュラウド
13.1 スロット
13.9 止め具
13.14 支持セクション
13.15 窓
13.16 シュラウドリブ
13.17 弾性アーム
13.18 外向き突起
13.19 掛止窓
17 針
17.1 第1の先端
17.2 第2の先端
18 ニードルモジュール
18.1 第1のサブモジュール
18.2 第2のサブモジュール
19 中実ブロック
20 遠位領域
20.5 止め具
20.6 ボタンロッキングビーム
20.7 内向き突起
20.8 シュラウドロッキングビーム
20.9 内向き突起
21 近位領域
22 ボタン
22.1 傾斜部/カム面
22.3 ばね要素
22.4 スリーブ
22.5 凹部
22.6 突起
23 ピストン
24 一次パッケージ
24.1 前端
25 セプタム
26 掛止シャーシ
26.1 掛止ボス
27 身体接触センサ
27.1 接触部分
27.2 アーム
27.5 支持面
27.6 スロット
27.7 シュラウドロッキングビーム
27.8 傾斜面
28 可撓管
30 駆動ばね
40 プランジャ
40.2 アパーチャ
40.5 プロング
50 シュラウドばね
70 キャリア
70.1 前方アーム
70.10 傾斜部
70.11 前面
70.16 キャリアリターンビーム
70.17 ロッキング面
80 キャリアばね
A 軸
D 遠位方向
P 近位方向
X 長手方向軸
【手続補正書】
【提出日】2024-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス(10)であって、
一次パッケージ(24)を受けるように適用されたハウジング(11)であって、
注射部位に当接して配置されるように適用された遠位面(11.1)と、
遠位面(11.1)とは反対側の近位面(11.2)と
を含むハウジング(11);および
ハウジング(11)内部に受けられた一次パッケージ(24)に接続されるように、または接続可能であるように構成された注射針(17)
を含み、
近位面(11.2)は、薬物送達中にユーザの手のひらに保持されるように適用され、
ハウジング(11)は、遠位面(11.1)と近位面(11.2)との間のハウジング(11)の第1の延在域が、第1の延在域に対して直角の少なくとも1つの延在域よりも小さいような平坦フォームファクタを有し、
注射針(17)は、針(17)がハウジング(11)内部に隠された状態の後退位置と、針(7)が遠位面(11.1)を通って延びた状態の伸長位置との間で可動である、薬物送達デバイス(10)。
【請求項2】
トリガを手動操作したとき針(17)を後退位置から伸長位置に移動させるように適用されたトリガをさらに含み、
トリガは、シュラウド(13)、少なくとも1つのボタン(22)、および身体接触センサ(27)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項3】
針(17)は、注射部位から遠位面(11.1)を取り外したとき、またはトリガを解放したとき伸長位置から後退位置に後退されるように適用される、請求項1または2に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項4】
針(17)は、第1の先端(17.1)および第2の先端(17.2)を含み、
第1の先端(17.1)は、
-手動操作によって遠位面(11.1)を越えて延ばされるように構成される、または
-遠位面(11.1)を越えて延び、シュラウド(13)によって覆われるように構成され、シュラウド(13)は、手動操作によって第1の先端(17.1)を露出するように後退されるように構成され;
第2の先端(17.2)は、一次パッケージ(24)がハウジング(11)内部に受けられたときに、一次パッケージ(24)のセプタム(25)を穿孔するように適用される、請求項1~3のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項5】
一次パッケージ(24)を取り付けるように適用され、第2の先端(17.2)がセプタム(25)から離間されている後方位置と、第2の先端(17.2)がセプタム(25)を穿孔する前方位置との間で遠位面(11.1)と実質的に平行に可動であるキャリア(70)をさらに含み、
トリガは、後方位置から前方位置へのキャリア(70)の動きを開始するように構成される、請求項4に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項6】
キャリア(70)は、ハウジング(11)の止め具(20.5)に当接し、それによりキャリア(70)および一次パッケージ(24)を後方位置に維持するように構成された前面(70.11)を有する少なくとも1つの弾性前方アーム(70.1)を含む、請求項5に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項7】
シュラウド(13)は、シュラウド(13)が後退位置にあるときに、前方アーム(70.1)の外方向偏向を引き起こし、それにより前面(70.11)が止め具(20.5)を係合解除し、キャリア(70)が前方に移動できるように構成された外向き突起(13.18)を有する少なくとも1つの弾性アーム(13.17)を含む、請求項6に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項8】
身体接触センサ(27)は、身体接触センサ(27)の接触部分(27.1)が遠位面(11.1)から延びる伸長位置と、ハウジング(11)に向けて、またはハウジング(11)内に押し下げられる後退位置との間で、ハウジング(11)内で軸(A)の周りで枢動されるように構成される、請求項2~7のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項9】
ボタン(22)は、シュラウド(13)または身体接触センサ(27)の操作の前にロックされ、それによってボタン(22)の操作を妨げるように適用され、ボタン(22)は、シュラウド(13)または身体接触センサ(27)を操作したときロック解除され、それによってボタン(22)の操作を可能にするように適用される、請求項2~8のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項10】
少なくとも1つのボタン(22)は、ハウジング(11)内に配置され、接触部(27.1)がハウジング(11)から延びるときにハウジング(11)のアパーチャを通って突出して、本体接触センサ(27)の回転を防止する、請求項8に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項11】
針(17)は、約90度に曲げられた単一の針であるか、または第1の先端(17.1)と第2の先端(17.2)とは互いに別個であり、互いに約90度に配置され、中実ブロック(19)内部でまたは可撓管(28)を介して接続される、請求項4~10のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項12】
針(17)は、ニードルモジュール(18)の一部であり、ニードルモジュール(18)は、第1の先端(17.1)を保持する第1のサブモジュール(18.1)と、第2の先端(17.2)を保持する第2のサブモジュール(18.2)とを含む、請求項4~1
1のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項13】
1つまたはそれ以上のトリガボタン(22)は、ハウジング(11)内に横方向に配置され、トリガボタン(22)は、それぞれのカム面(22.1)を含み、カム面(22.1)は、ニードルモジュール(18)に係合して、ニードルモジュール(18)を遠位方向に移動させて、遠位面(11.1)を越えて第1の先端(17.1)を突出させるように適用される、請求項4~12のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項14】
1つまたはそれ以上の弾性クリップ(11.3)は、ハウジング(11)に配置され、トリガボタン(22)の押し下げが弾性クリップ(11.3)を偏向するように、トリガボタン(22)のそれぞれ1つに係合するように構成され、
伸長位置にあるシュラウド(13)は、トリガボタン(22)を押し下げることができないように、弾性クリップ(11.3)を内側に支持してそれらが偏向するのを妨げるように構成される、請求項13に記載の薬物送達デバイス(10)。
【請求項15】
薬剤を含む一次パッケージ(24)を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(10)。
【外国語明細書】