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特開2024-138629劣化状態推定システム、劣化状態推定装置、及び劣化状態推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138629
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】劣化状態推定システム、劣化状態推定装置、及び劣化状態推定方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/392 20190101AFI20241002BHJP
   G01R 31/367 20190101ALI20241002BHJP
   G01R 31/382 20190101ALI20241002BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241002BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241002BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20241002BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241002BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20241002BHJP
   B60L 58/16 20190101ALI20241002BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241002BHJP
   G16Y 20/30 20200101ALI20241002BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20241002BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241002BHJP
【FI】
G01R31/392
G01R31/367
G01R31/382
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H02J7/00 P
H02J7/00 Q
B60L3/00 S
B60L50/60
B60L58/12
B60L58/16
G16Y20/20
G16Y20/30
G16Y40/10
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049212
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 太志
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
5H030
5H125
【Fターム(参考)】
2G216AB01
2G216BA01
2G216BA30
2G216BA34
2G216BA35
2G216CB34
2G216CB35
2G216CB52
2G216CC04
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503CB16
5G503DA08
5G503EA09
5G503FA06
5G503GD04
5H030AA01
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H125AA01
5H125AC12
5H125BC09
5H125DD01
5H125EE25
5H125EE27
5H125EE29
5H125EE51
(57)【要約】
【課題】車両が有する二次電池の劣化状態を高精度に推定する。
【解決手段】本発明に係る劣化状態推定システムは、車両に搭載される二次電池の複数の劣化原因毎に前記二次電池の劣化の進行に相関する相関情報を取得する取得部と、複数の前記劣化原因毎に、前記相関情報と前記二次電池のSOHとの関係を示す関係情報を記憶する記憶部と、前記取得部が取得した相関情報と、前記記憶部に記憶されている相関情報とに基づいて前記二次電池のSOH又は前記二次電池のSOHの減少率を推定する推定部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される二次電池の複数の劣化原因毎に前記二次電池の劣化の進行に相関する相関情報を取得する取得部と、
複数の前記劣化原因毎に、前記相関情報と前記二次電池のSOHとの関係を示す関係情報を記憶する記憶部と、
前記取得部が取得した相関情報と、前記記憶部に記憶されている相関情報とに基づいて前記二次電池のSOH又は前記二次電池のSOHの減少率を推定する推定部と、
を備える劣化状態推定システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記二次電池の温度を表す温度情報を取得し、
前記推定部は、前記取得部が取得した前記相関情報を前記温度情報で補正する
請求項1に記載の劣化状態推定システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記二次電池のSOCを表すSOC情報を取得し、
前記推定部は、前記取得部が取得した前記相関情報を前記SOC情報で補正する
請求項1に記載の劣化状態推定システム。
【請求項4】
前記相関情報は、前記車両の停車時間の積算時間を含む
請求項1に記載の劣化状態推定システム。
【請求項5】
前記相関情報は、前記車両の走行時間の積算時間を含む
請求項1に記載の劣化状態推定システム。
【請求項6】
前記相関情報は、前記二次電池を所定電圧以上で充電した時間の積算時間を含む
請求項1に記載の劣化状態推定システム。
【請求項7】
車両に搭載される二次電池の複数の劣化原因毎に前記二次電池の劣化の進行に相関する相関情報を取得する取得部と、
複数の前記劣化原因毎に、前記相関情報と前記二次電池のSOHとの関係を示す関係情報を記憶する記憶部と、
前記取得部が取得した相関情報と、前記記憶部に記憶されている相関情報とに基づいて前記二次電池のSOH又は前記二次電池のSOHの減少率を推定する推定部と、
を備える劣化状態推定装置。
【請求項8】
車両に搭載される二次電池の複数の劣化原因毎に前記二次電池の劣化の進行に相関する相関情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップが取得した相関情報と、複数の前記劣化原因毎に、前記相関情報と前記二次電池のSOHとの関係を示す関係情報を記憶する記憶部に記憶されている前記相関情報とに基づいて前記二次電池のSOH又は前記二次電池のSOHの減少率を推定する推定ステップと、
を備える劣化状態推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、劣化状態推定システム、劣化状態推定装置、及び劣化状態推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の二次電池の劣化状態を推定する発明として例えば特許文献1に開示された装置がある。この装置は、二次電池の充電率が所定値未満の状態で走行する第1走行モードと、二次電池の充電率が所定値以上の状態で走行する第2走行モードと、を有する車両において、二次電池の劣化状態を推定し、推定した劣化状態を所定期間における第1走行モードと第2走行モードとの比率に応じて補正する。第1モードは、オルタネータの発電により二次電池を充電しながら走行するモードであり、第2モードは、エンジンを停止させて二次電池から供給される電力で電動機を用いて走行するモードである。第2モードを多用した走行を行うと二次電池の劣化の度合いが大きくなるが、特許文献1の発明では、推定した劣化状態を第1モードと第2モードとの比率に応じて補正するため、高精度に劣化状態を推定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-113410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、サルフェーションの発生、活物質の劣化、格子腐食などは二次電池の劣化の原因となる。特許文献1に開示された装置では、このような様々な原因に対応していないため、このような劣化の原因が発生している場合、精度良く劣化状態を推定できない場合が生じ得る。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両が有する二次電池の劣化状態を高精度に推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る劣化状態推定システムは、車両に搭載される二次電池の複数の劣化原因毎に前記二次電池の劣化の進行に相関する相関情報を取得する取得部と、複数の前記劣化原因毎に、前記相関情報と前記二次電池のSOHとの関係を示す関係情報を記憶する記憶部と、前記取得部が取得した相関情報と、前記記憶部に記憶されている相関情報とに基づいて前記二次電池のSOH又は前記二次電池のSOHの減少率を推定する推定部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る劣化状態推定システムにおいては、前記取得部は、前記二次電池の温度を表す温度情報を取得し、前記推定部は、前記取得部が取得した前記相関情報を前記温度情報で補正する構成であってもよい。
【0008】
本発明の一態様に係る劣化状態推定システムにおいては、前記取得部は、前記二次電池のSOCを表すSOC情報を取得し、前記推定部は、前記取得部が取得した前記相関情報を前記SOC情報で補正する構成であってもよい。
【0009】
本発明の一態様に係る劣化状態推定システムにおいては、前記相関情報は、前記車両の停車時間の積算時間を含む構成であってもよい。
【0010】
本発明の一態様に係る劣化状態推定システムにおいては、前記相関情報は、前記車両の走行時間の積算時間を含む構成であってもよい。
【0011】
本発明の一態様に係る劣化状態推定システムにおいては、前記相関情報は、前記二次電池を所定電圧以上で充電した時間の積算時間を含む構成であってもよい。
【0012】
本発明の一態様に係る劣化状態推定装置は、車両に搭載される二次電池の複数の劣化原因毎に前記二次電池の劣化の進行に相関する相関情報を取得する取得部と、複数の前記劣化原因毎に、前記相関情報と前記二次電池のSOHとの関係を示す関係情報を記憶する記憶部と、前記取得部が取得した相関情報と、前記記憶部に記憶されている相関情報とに基づいて前記二次電池のSOH又は前記二次電池のSOHの減少率を推定する推定部と、を備える。
【0013】
本発明の一態様に係る劣化状態推定方法は、車両に搭載される二次電池の複数の劣化原因毎に前記二次電池の劣化の進行に相関する相関情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップが取得した相関情報と、複数の前記劣化原因毎に、前記相関情報と前記二次電池のSOHとの関係を示す関係情報を記憶する記憶部に記憶されている前記相関情報とに基づいて前記二次電池のSOH又は前記二次電池のSOHの減少率を推定する推定ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、車両が有する二次電池の劣化状態を高精度に推定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、劣化状態推定システムの構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。
図3図3は、サーバ装置の構成を示すブロック図である。
図4A図4Aは、実施形態に係るデータベースが格納するデータの一例を示す図である。
図4B図4Bは、実施形態に係るデータベースが格納するデータの一例を示す図である。
図4C図4Cは、実施形態に係るデータベースが格納するデータの一例を示す図である。
図5図5は、サーバ装置の制御部の機能ブロック図である。
図6図6は、劣化状態推定システムの動作例を説明するための図である。
図7図7は、ECUの制御部の機能ブロック図である。
図8図8は、ECUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図9図9は、ECUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、ECUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、ECUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素については適宜同一の符号を付している。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る劣化状態特定システム1000の構成を示す図である。劣化状態特定システム1000は、車両に搭載された二次電池の劣化状態を推定するシステムである。
【0018】
通信ネットワーク1は、通信機能を備えたサーバ装置10、及び通信機能を備えた車両20を通信可能に接続するネットワークであり、移動体通信網やインターネット、LAN(Local Area Network)等を含む。車両20は、例えばエンジンの駆動力で走行する自動車である。車両20は、エンジンの始動や負荷の駆動のための電源である二次電池20aを備えている。二次電池20aは、電解液を有する充電可能な電池であり、例えば鉛蓄電池である。車両20は、エンジンをアシストする電動モータを具備したハイブリッド車や、電動モータのみで走行する電気自動車であってもよい。電気自動車は、電動モータを駆動するための二次電池と、補機用の二次電池を備えており、この場合の二次電池20aは、補機用の二次電池である。なお、図1には一台の車両20を図示しているが、複数台の車両20がサーバ装置10と通信可能となっている。
【0019】
図2は、車両20において本発明に係る構成を示すブロック図である。車両20は、ECU(Electronic Control Unit)21、監視装置22、電圧センサ23a、電流センサ23b、温度センサ23c、及び通信インターフェース24を有している。通信インターフェース24は、通信ネットワーク1を介してサーバ装置10との通信を行うためのインターフェースである。通信インターフェース24は、ECU21から出力された情報をサーバ装置10へ送信し、サーバ装置10から送られた情報を制御部21aへ送る。電圧センサ23aは、二次電池20aの端子電圧を測定するセンサであり、測定した電圧を示す信号を監視装置22へ出力する。電流センサ23bは、二次電池20aを充電する充電電流及び二次電池20aから流れる放電電流を測定するセンサであり、測定した電流を示す信号を監視装置22へ出力する。温度センサ23cは、二次電池20aの電解液又は二次電池20aの周囲の温度を測定するセンサであり、測定した温度を示す信号を監視装置22へ出力する。
【0020】
監視装置22は、二次電池20aの電圧、電流、温度などを監視する装置である。監視装置22は、CPU(Central Processing Unit)221、ROM(Read Only Memory)222、及びRAM(Random Access Memory)223を含む制御部22a、記憶部22b、及びインターフェース22cを有している。ROM222は、不揮発性の半導体メモリ等によって構成され、CPU221が実行するプログラムを記憶している。RAM223は、半導体メモリ等によって構成され、CPU221がプログラムを実行する際に用いる情報を記憶する。インターフェース22cは、電圧センサ23a、電流センサ23b、及び温度センサ23cから出力される信号を取得する。また、インターフェース22cは、ECU21と通信を行い、記憶部22bに記憶された情報をECU21へ出力する。記憶部22bは、例えば不揮発性メモリであり、電圧センサ23a、電流センサ23b、及び温度センサ23cの測定結果の情報の履歴を記憶する。また、記憶部22bは、電圧センサ23aの測定結果に基づいてCPU221が算出したSOC(State Of Charge)の履歴や、二次電池20aが14V以上で充電を行った時間の積算時間、14V以上で充電を行ったときの電圧などの情報を記憶する。
【0021】
ECU21は、車両20の駆動系の主要な制御を司る上位装置である。ECU21は、CPU211、ROM212、及びRAM213を含む制御部21a、記憶部21b、及びインターフェース21cを有している。ECU21は、劣化状態推定システムの一例であり、劣化状態推定装置の一例でもある。記憶部21bは、例えば不揮発性メモリであり、二次電池20aを一意に特定する品番、車両20が停車時間の積算時間、車両20の走行時間の積算時間などの情報を記憶する。なお、停車時間とは駐車時間を含み、信号待ちなどの短時間の停車の時間を除いた時間であり、以下の説明における停車時間も同様である。インターフェース22cは、監視装置22から送られる情報を取得する。また、インターフェース22cは、記憶部21bに記憶されている情報を通信インターフェース24へ出力する。
【0022】
図3は、サーバ装置10の構成を示すブロック図である。サーバ装置10は、車両20から通信ネットワーク1を介して送信される情報を取得し、取得した情報に基づいて二次電池20aの劣化状態を推定する機能を備えている。サーバ装置10は、劣化状態推定システムの一例であり、劣化状態推定装置の一例でもある。サーバ装置10は、制御部100、記憶部102、通信部103、ユーザインターフェース104、及びバスBを有している。バスBは、制御部100、記憶部102、通信部103、及びユーザインターフェース104を相互に接続し、これらの間で情報の授受を可能とするための信号線群である。通信部103は、通信ネットワーク1を介して車両20と通信を行うための通信インターフェースである。ユーザインターフェース104は、情報の入力を行なうためのマウスやキーボード、情報の表示を行なうためのディスプレイ装置を有する。なお、サーバ装置10は、ユーザインターフェース104を有していない構成であってもよい。
【0023】
記憶部102は、ハードディスク装置等の記憶媒体を有する。記憶部102は、二次電池20aの劣化状態を推定するために用いられるデータベースDBを記憶する。図4A図4B、及び図4Cは、データベースDBが格納する関係式の一例を示す図である。データベースDBに格納される関係式又はテーブルは、本発明に係る関係情報の一例である。
【0024】
図4Aは、二次電池20aの劣化の一因である第1劣化原因を進行させる使われ方がされた時間T1と、二次電池20aのSOH(State Of Health)との関係を示す関係式D1の一例を示す図である。二次電池20aの劣化を進行させる第1劣化原因は、例えば、サルフェーションである。図4Aにおいて、SOHは、新品時のSOHで100%である。サルフェーションは、例えば駐車中などで自己放電の状態が長時間となると発生する。図4Aでは、縦軸をSOHとし、車両20が停車時間の積算時間を横軸とし、関係式D1は、この積算時間とSOHとの関係を表しており、停車時間の積算時間が長くなるにつれてSOHが減少することを表している。停車時間の積算時間は、二次電池20aの劣化の進行を表す情報の一例である。なお、関係式D1に替えて、例えばSOHと時間T1との関係を表すデータテーブルをデータベースDBに格納してもよい。
【0025】
図4Bは、二次電池20aの劣化の一因である第2劣化原因を進行させる使われ方がされた時間T2と、二次電池20aのSOHとの関係を示す関係式D2の一例を示す図である。二次電池20aの劣化を進行させる第2劣化原因は、例えば、活物質の劣化である。図4Bにおいて、SOHは、新品時のSOHで100%である。活物質の劣化は、例えば、車両20の走行中で充電と放電とが繰り返されることで発生する。図4Bでは、縦軸をSOHとし、車両20の走行時間の積算時間を横軸とし、関係式D2は、この積算時間とSOHとの関係を表しており、車両20の走行時間の積算時間が長くなるにつれてSOHが減少することを表している。車両20の走行時間の時間の積算時間は、二次電池20aの劣化の進行を表す情報の一例である。なお、関係式D2に替えて、例えばSOHと時間T2との関係を表すデータテーブルをデータベースDBに格納してもよい。
【0026】
図4Cは、二次電池20aの劣化の一因である第3劣化原因を進行させる使われ方がされた時間T3と、二次電池20aのSOHとの関係を示す関係式D3の一例を示す図である。二次電池20aの劣化を進行させる第3劣化原因は、例えば、格子腐食による劣化である。図4Cにおいて、SOHは、新品時のSOHで100%である。格子腐食による劣化は、例えば、高い電圧で充電が行われることで発生する。例えば、二次電池20aの通常の充電電圧は12.8Vであるが、二次電池20aの容量が減少している場合、二次電池20aから流れる電流が多い場合、二次電池20aの温度が低い場合などにおいては、サルフェーションによる劣化を進行させないために充電電圧が通常より高い14.4Vに変更される。この場合、二次電池20aの正極板格子では充電中において酸化反応により腐食が進行する。図4Cでは、縦軸をSOHとし、格子腐食が生じ得る14V以上で充電を行った時間の積算時間を横軸とし、関係式D3は、この積算時間とSOHとの関係を表しており、14V以上で充電を行った時間の積算時間が長くなるにつれてSOHが減少することを表している。14V以上で充電を行った時間の積算時間は、二次電池20aの劣化の進行を表す情報の一例である。なお、関係式D3に替えて、例えばSOHと時間T3との関係を表すデータテーブルをデータベースDBに格納してもよい。
【0027】
なお、関係式D1、D2、及びD3は、二次電池20aの品番毎に異なるため、記憶部102は、市販されている二次電池20aの品番毎に関係式D1、D2、及びD3を品番と対応付けて記憶している。
【0028】
図3に戻り、制御部100は、CPU100a、ROM100b、及びRAM100cを有している。ROM100bは、不揮発性の半導体メモリ等によって構成され、プログラム100baを格納している。RAM100cは、半導体メモリ等によって構成され、CPU100aがプログラム100baを実行する際に用いる情報を記憶する。
【0029】
制御部100の機能は、CPU100aがプログラム100baを読み出して実行することで、機能部として実現される。図5は、CPU100aがプログラム100baを実行することにより制御部100において実現する機能の構成を示す機能ブロック図である。CPU100aがプログラム100baを実行することにより、制御部100においては、取得部111、及び推定部112が実現する。
【0030】
取得部111は、温度センサ23cが測定した温度の履歴、監視装置22が算出したSOCの履歴、二次電池20aが14V以上で充電を行われた時間の積算時間、14V以上で充電を行われたときの電圧などのECU21から送られる情報を取得する。また、取得部111は、二次電池20aの品番、停車時間の積算時間、及び走行時間の積算時間などのECU21から送られる情報を取得する。取得部111が取得する情報は、本発明に係る相関情報の一例である。推定部112は、取得部111が取得した情報と、データベースDBに格納されている関係式に基づいて、二次電池20aのSOHの減少率を推定する。また、推定部112は、取得部111が取得した積算時間を取得部111が取得した温度の履歴やSOCの履歴で補正する。SOCの履歴の情報は、本発明に係るSOC情報の一例である。
【0031】
次に第1実施形態の動作例について説明する。図6は、劣化状態特定システム1000の動作例を説明するためのシーケンス図である。図6に示す処理は、例えば所定の周期で行われる。まずECU21は、温度センサ23cが測定した温度の履歴、監視装置22が算出したSOCの履歴、二次電池20aが14V以上で充電を行われた時間の積算時間、14V以上で充電を行われたときの電圧など、監視装置22が得ている情報を監視装置22から取得する(ステップS101)。次にECU21は、監視装置22から取得した情報や、記憶部21bに記憶されている二次電池20aの品番、停車時間の積算時間、及び走行時間の積算時間などの情報を、通信インターフェース24を介してサーバ装置10へ送信する(ステップS102)。サーバ装置10は、ステップS102でECU21から送信された情報を受信し(ステップS103)、受信した情報に含まれている品番に対応した関係式D1~D3をデータベースDBから取得する(ステップS104)。ステップS103は、取得ステップの一例である。
【0032】
次にサーバ装置10は、受信した情報に含まれている各種積算時間を補正する(ステップS105)。例えばサーバ装置10は、第1劣化原因に係る停車時間の積算時間について、受信した情報に含まれるSOCの履歴と温度の履歴とに基づいて補正する。例えば二次電池20aの温度が高い場合は自己放電が進みサルフェーションによる劣化が進むため、サーバ装置10は、停車時間の積算時間に対して温度の履歴に応じた時間を加算又は減算して補正する。また、二次電池20aのSOCが低い場合は放電時に硫酸塩の生成が進むため、サーバ装置10は、停車時間の積算時間に対してSOCの履歴に応じた時間を加算して補正する。これにより、受信した停車時間の積算時間が図4Aに示すt11である場合、積算時間はt12又はt13に補正される。
【0033】
また、サーバ装置10は、第2劣化原因に係る走行時間の積算時間について、受信した情報に含まれるSOCの履歴と温度の履歴とに基づいて補正する。例えば二次電池20aの温度が高い場合は活物質劣化が進むため、サーバ装置10は、走行時間の積算時間に対して温度の履歴に応じた時間を加算又は減算して補正する。また、二次電池20aのSOCが低い場合は充電と放電を繰り返すときに活物質の劣化が進むため、サーバ装置10は、走行時間の積算時間に対してSOCの履歴に応じた時間を加算して補正する。これにより、受信した停車時間の積算時間が図4Bに示すt21である場合、積算時間はt22又はt23に補正される。
【0034】
また、サーバ装置10は、第3劣化原因に係る14V以上の充電時間の積算時間について、受信した情報に含まれる温度の履歴と、14V以上で充電したときの電圧に基づいて補正する。例えば二次電池20aの温度が高い場合は過充電が起こり易く劣化が進むため、サーバ装置10は、14V以上の充電時間の積算時間に対して温度の履歴に応じた時間を加算又は減算して補正する。また、14V以上で充電したときの電圧が高いと過充電が起こり易く劣化が進むため、サーバ装置10は、14V以上の充電時間の積算時間に対して14V以上で充電したときの電圧に応じた時間を加算して補正する。これにより、受信した停車時間の積算時間が図4Cに示すt31である場合、積算時間はt32又はt33に補正される。
【0035】
次にサーバ装置10は、関係式D1~D3と、補正後の積算時間とに基づいて、劣化原因毎にSOHの減少率を特定する(ステップS106)。例えば、補正後の停車時間の積算時間がt13である場合、第1劣化原因に基づくSOHはa%となる。この場合、第1劣化原因に基づくSOHの減少率は、100%-a%=a1%となる。また、補正後の走行時間の積算時間がt23である場合、第2劣化原因に基づくSOHはb%となる。この場合、第2劣化原因に基づくSOHの減少率は、100%-b%=b1%となる。また、補正後の14V以上での充電時間の積算時間がt33である場合、第3劣化原因に基づくSOHはc%となる。この場合、第3劣化原因に基づくSOHの減少率は、100%-c%=c1%となる。
【0036】
次にサーバ装置10は、ステップS106で特定した劣化原因毎のSOHの減少率に基づいて、二次電池20aのSOHの減少率を特定する(ステップS107)。ここでサーバ装置10は、劣化原因毎に特定されたSOHの減少率のa1%、b1%、及びc1%を加算し、加算結果を二次電池20aのSOHの減少率として特定する。上述したステップS104~S107は、本発明に係る推定ステップの一例である。
【0037】
次にサーバ装置10は、ステップS107で特定した減少率をECU21へ送信する(ステップS108)。ECU21は、サーバ装置10から送信されて通信インターフェース24が受信した減少率を受信する(ステップS109)。ECU21は、受信したSOHに基づいて、二次電池20aから車両20が備える電装品への電力供給を制御する。例えば、SOHの減少率が大きい場合、二次電池20aの劣化が進んでおり、供給する電力が不足するおそれがあるため、二次電池20aのSOHの減少率が小さいときより二次電池20aからの電力供給を減らす等の制御を行う。
【0038】
以上説明したように本実施形態によれば、サルフェーションの発生、活物質の劣化、格子腐食などの二次電池を劣化させる種々の原因に対応して精度良く劣化状態を推定することができる。
【0039】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、二次電池20aのSOHの減少率をサーバ装置10が特定していたが、第2実施形態に係る劣化状態特定システム1000では、ECU21が二次電池20aのSOHの減少率を特定する点で第1実施形態と相違する。また、第2実施形態では、車両20に搭載されている二次電池20aの品番に対応した関係式D1、D2、及びD3を記憶部21bが記憶する。
【0040】
図7は、CPU211がROM212に記憶されているプログラムを実行することにより制御部21aにおいて実現する機能の構成を示す機能ブロック図である。CPU211がプログラムを実行することにより、制御部21aにおいては、取得部21aa、及び推定部21abが実現する。
【0041】
取得部21aaは、温度センサ23cが測定した温度の履歴、監視装置22が算出したSOCの履歴、二次電池20aが14V以上で充電を行われた時間の積算時間、14V以上で充電を行われたときの電圧などの情報を取得する。また、取得部21aaは、二次電池20aの品番、停車時間の積算時間、及び走行時間の積算時間などの情報を取得する。取得部21aaが取得する情報は、本発明に係る相関情報の一例である。推定部21abは、取得部21aaが取得した情報と、記憶部21bに格納されている関係式に基づいて、二次電池20aのSOHの減少率を推定する。また、推定部21abは、取得部21aaが取得した積算時間を取得部21aaが取得した温度の履歴やSOCの履歴で補正する。
【0042】
次に第2実施形態の動作例について説明する。図8は、第2実施形態に係るECU21が実行する処理の流れを示すフローチャートである。ECU21は、図8の処理を例えば所定の周期で実行する。まずECU21は、温度センサ23cが測定した温度の履歴、監視装置22が算出したSOCの履歴、二次電池20aが14V以上で充電を行われた時間の積算時間、14V以上で充電を行われたときの電圧など、監視装置22が得ている情報を監視装置22から取得する(ステップS201)。
【0043】
次にECU21は、記憶部21bに記憶されている関係式D1~D3を取得する(ステップS202)。ステップS201及びステップS202は、本発明に係る取得ステップの一例である。また、ECU21は、監視装置22から取得した積算時間と記憶部21bに記憶されている積算時間をステップS105と同様にして補正する(ステップS203)。ここでECU21は、記憶部21bから取得した第1劣化原因に係る停車時間の積算時間について、監視装置22から取得したSOCの履歴と温度の履歴に基づいて補正する。また、ECU21は、記憶部21bから取得した第2劣化原因に係る走行時間の積算時間について、監視装置22から取得したSOCの履歴と温度の履歴に基づいて補正する。また、ECU21は、記憶部21bから取得した第3劣化原因に係る14V以上の充電時間の積算時間について、監視装置22から取得した温度の履歴と、14V以上で充電したときの電圧に基づいて補正する。
【0044】
次にECU21は、関係式D1~D3と、補正後の積算時間とに基づいて、劣化原因毎にSOHの減少率をステップS106と同様にして特定する(ステップS204)。次にECU21は、ステップS204で特定した劣化原因毎のSOHの減少率に基づいて、二次電池20aのSOHの減少率をステップS17と同様にして特定する(ステップS205)。ECU21は、ステップS205で特定したSOHの減少率に基づいて、二次電池20aから車両20が備える電装品への電力供給を第1実施形態と同様に制御する。ステップS202~ステップS205は、本発明に係る推定ステップの一例である。
【0045】
第2実施形態によれば、ECU21は、サーバ装置10との通信を行わずに二次電池20aのSOHの減少率を特定することができるため、通信コストを削減し、車両20が行う通信の通信量を抑えることができる。
【0046】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る劣化状態特定システム1000おいては、ECU21が自身で二次電池20aのSOHの減少率の特定を行うか否か判定し、判定結果に基づいてECU21又はサーバ装置10が二次電池20aのSOHの減少率を特定する。
【0047】
図9は、第3実施形態に係るECU21が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図9に示す処理は、車両20のSOHの減少率の推定を初めて行う前に実行される。まずECU21は、SOHの減少率の推定に用いる情報の蓄積可否を判定する(ステップS301)。この判定は、例えば記憶部21bの容量の大小に基づいて行われ、情報を蓄積する容量が十分でない場合には蓄積不可と判定する。次にECU21は、ECU21の性能に基づいてSOHの減少率の推定が可能であるか否か判定する(ステップS302)。この判定は、例えばCPU2111の演算速度やRAM213の容量などに基づいて行われる。次にECU21は、サーバ装置10との通信機能の有無を判定する(ステップS303)。この判定は、通信インターフェース24の有無により行われ、通信インターフェース24がある場合には通信機能有りと判定し、通信インターフェース24が無い場合には通信機能無しと判定する。
【0048】
ECU21は、ステップS301の判定結果を判断する(ステップS304)。ここでECU21は、ステップS301の判定結果が情報蓄積不可である場合、ステップS304でNOと判断し、二次電池20aのSOHの減少率の推定をサーバ装置10で行うものとする(ステップS310)。この場合、ECU21とサーバ装置10との間では、所定の周期で図6の処理が実行される。
【0049】
ECU21は、ステップS301の判定結果が情報蓄積可である場合、ステップS304でYESと判断し、次にステップS302の判定結果を判断する(ステップS305)。ここでECU21は、ステップS302の判定結果がECU21で推定不可との結果である場合、ステップS305でNOと判断し、通信状態に応じて情報をサーバ装置10へ送信するものとする(ステップS309)。
【0050】
図10は、ステップS309に至った後、ECU21が所定の周期で実行する処理の流れを示すフローチャートである。まずECU21は、SOHの減少率の推定に用いられる情報を取得し(ステップS401)、取得した情報を記憶部21bに蓄積する(ステップS402)。次にECU21は、サーバ装置10への通信可否を判定する(ステップS403)。ここでECU21は、例えば通信インターフェース24を介してサーバ装置10への接続を試み、接続できた場合には通信可能と判定し、接続できなかった場合は通信不可と判定する。ECU21は、サーバ装置10へ接続できた場合、ステップS403でYESと判断し、ステップS102と同様に、SOHの減少率の推定に用いる情報をサーバ装置10へ送信する(ステップS404)。これにより、図6の処理の流れでサーバ装置10において二次電池20aのSOHの減少率が推定される。
【0051】
ECU21は、サーバ装置10へ接続できなかった場合、ステップS403でNOと判断し、情報蓄積の可否を判断する(ステップS405)。ここでECU21は、記憶部21bで情報を蓄積可能な容量を算出し、ステップS402での情報の蓄積に用いることが可能な容量が十分でない場合には、ステップS405でNOと判断する。ECU21は、ステップS405でNOと判断した場合、図10の処理を実行する周期を長くすることにより、情報の蓄積の周期を長くするように変更する(ステップS406)。ECU21は、ステップS402での情報の蓄積に用いることが可能な容量が足りている場合には、ステップS405でYESと判断し、図10の処理を終了する。
【0052】
図9に戻り、ECU21は、ステップS302の判定結果がECU21で推定可との結果である場合、ステップS305でYESと判断し、次にステップS303の判定結果を判断する(ステップS306)。ECU21は、ステップS303の判定結果が通信機能無しとの結果である場合、ステップS306でNOと判断し、二次電池20aのSOHの減少率の推定をECU21にて行うものとする(ステップS308)。この場合、ECU21は、所定の周期で図8の処理を実行する。ECU21は、ステップS302の判定結果が通信機能有りである場合(ステップS303でYES)、二次電池20aのSOHの減少率の推定をサーバ装置10との通信状態に応じてECU21又はサーバ装置10で行うものとする(ステップS307)。
【0053】
図11は、ステップS307に至った後、ECU21が所定の周期で実行する処理の流れを示すフローチャートである。まずECU21は、SOHの減少率の推定に用いられる情報を取得し(ステップS501)、取得した情報を記憶部21bに蓄積する(ステップS502)。次にECU21は、サーバ装置10への通信可否を判定する(ステップS503)。ここでECU21は、例えば通信インターフェース24を介してサーバ装置10への接続を試み、接続できた場合には通信可能と判定し、接続できなかった場合は通信不可と判定する。
【0054】
次にECU21は、ステップS503の判定結果を判断する(ステップS504)。ECU21は、ステップS503の判定結果が通信可能であった場合、ステップS504でYESと判断する。ECU21は、ステップS504でYESと判断した場合、ステップS102と同様に、SOHの減少率の推定に用いる情報をサーバ装置10へ送信する(ステップS505)。これにより、図6の処理の流れでサーバ装置10において二次電池20aのSOHの減少率が推定される。ECU21は、ステップS503の判定結果が通信不可であった場合、ステップS504でNOと判断する。ECU21は、ステップS504でNOと判断した場合、図8に示す処理を実行し、自身で二次電池20aのSOHの減少率を推定する。
【0055】
以上説明したように第3実施形態によれば、サーバ装置10との通信可能である場合にはサーバ装置10で二次電池20aのSOHの減少率の推定を行うため、ECU21の処理の負荷を抑えることができる。また、第3実施形態によれば、例えば通信ネットワーク1の状況によってECU21がサーバ装置10へ情報を送れない状況であってもECU21で二次電池20aのSOHの減少率の推定を行うことができる。
【0056】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態及び各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0057】
本発明においては、ECU21は、推定した二次電池20aのSOHの減少率を例えば車両20が備えるディスプレイ装置で報知してもよい。また、推定した二次電池20aのSOHの減少率を例えば車両20の販売店へ送信してもよい。この変形例によれば、車両20のユーザや販売店へ二次電池20aの劣化状態を知らせることができ、二次電池20aの交換を促すことができる。
【0058】
本発明においては、監視装置22を設けずに、ECU21が電圧センサ23a、電流センサ23b、温度センサ23cの測定結果を取得し、監視装置22が記憶していた情報をECU21の記憶部21bで記憶するようにしてもよい。
【0059】
上述した実施形態においては、図4A図4Cで関係式D1~D3の横軸は時間となっているが横軸を電流値の積算値としてもよい。この場合、関係式D1では、自己放電で流れた電流の積算値を横軸とし、監視装置22は、電流センサ23bの測定結果から、自己放電で流れた電流の積算値を算出して記憶部21bに記憶する。また、関係式D2では、走行中に充電のために二次電池20aに流れた電流の積算値を横軸とし、監視装置22は、電流センサ23bの測定結果から走行中に充電のために二次電池20aに流れた電流の積算値を算出して記憶部21bに記憶する。また、関係式D3では、14V以上で充電されたときに二次電池20aに流れた電流の積算値を横軸とし、監視装置22は、電流センサ23bの測定結果から14V以上で充電されたときに二次電池20aに流れた電流の積算値を算出して記憶部21bに記憶する。ECU21は、サーバ装置10で二次電池20aのSOHの減少率を推定する場合には、これらの電流の積算値の情報をステップS102でサーバ装置10へ送信し、サーバ装置10は、送信された情報に基づいて二次電池20aのSOHの減少率を推定する。また、ECU21は、自身で二次電池20aのSOHの減少率を推定する場合には、これらの電流の積算値の情報を用いて二次電池20aのSOHの減少率を推定する。
【0060】
上述した実施形態においては、サーバ装置10又はECU21は、二次電池20aのSOHの減少率を推定しているが、推定するのは減少率に限定されるものではなく、例えば、算出したSOHの減少率を100%から減算して二次電池20aのSOHを推定してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 通信ネットワーク
10 サーバ装置
20 車両
20a 二次電池
21 ECU
21b、22b、102 記憶部
22 監視装置
21a、22a、100 制御部
21aa、111 取得部
21ab、112 推定部
1000 劣化状態特定システム
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11