(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138674
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】冷凍キノコ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 19/00 20160101AFI20241002BHJP
A23L 3/36 20060101ALI20241002BHJP
A23B 7/05 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
A23L19/00 101
A23L3/36 A
A23B7/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049270
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小川 雄右
【テーマコード(参考)】
4B016
4B022
4B169
【Fターム(参考)】
4B016LC02
4B016LC06
4B016LG14
4B016LK01
4B016LK09
4B016LP03
4B016LP06
4B016LP11
4B016LP13
4B022LA05
4B169CA04
4B169HA17
4B169KB03
4B169KC18
4B169KC39
(57)【要約】
【課題】キノコを長期間冷凍保存した場合においても、解凍後の食感や香味の劣化を抑制し、キノコ特有の食感や香味を有する冷凍キノコを提供することを課題とする。
【解決手段】カルシウム塩を含む水溶液でブランチング処理をした後、アルギン酸塩を含む水溶液に接触させることで、長期間冷凍保存した場合であっても、食感や香味の劣化が抑制されて、キノコ特有の食感や香味を有する冷凍キノコを提供することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の順に工程1~工程3の処理を行い製造されることを特徴とする冷凍キノコ。
工程1:カルシウム塩を含む水溶液でブランチング処理する工程
工程2:アルギン酸塩を含む水溶液に接触させる工程
工程3:凍結処理する工程
【請求項2】
前記工程1の水溶液中のカルシウムイオン濃度が260ppm~3900ppmである、請求項1記載の冷凍キノコ。
【請求項3】
前記工程2の水溶液中のアルギン酸塩濃度が0.01%~1.8%である、請求項1又は2記載の冷凍キノコ。
【請求項4】
以下の順に工程1~工程3の処理を行う冷凍キノコの製造方法。
工程1:カルシウム塩を含む水溶液でブランチング処理する工程
工程2:アルギン酸塩を含む水溶液に接触させる工程
工程3:凍結処理する工程
【請求項5】
前記工程1の水溶液中のカルシウムイオン濃度が260ppm~3900ppmである、請求項4記載の冷凍キノコの製造方法。
【請求項6】
前記工程2の水溶液中のアルギン酸塩濃度が0.01%~1.8%である、請求項4又は5記載の冷凍キノコの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍キノコ及び冷凍キノコの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍野菜は冷凍食品等の各種食品分野において利用されている。冷凍野菜としては、ホウレンソウやカボチャ、ブロッコリー、ゴボウ、ニンジン、キノコ等の様々な野菜が利用されている。しかし、冷凍野菜を解凍した場合、素材本来の食感が失われ、風味も減衰してしまうことが知られている。これは凍結することで、食材内部に氷結晶が形成され、形成された氷結晶によって細胞膜や細胞壁が破壊されることが原因とされており、特有の食感や風味をもつキノコにとっては致命的な問題であった。
【0003】
冷凍野菜の解凍後の食感の軟化を改善する方法として、高温加熱処理した後に、カルシウムを含む水溶液中で加熱処理する方法が知られている(特許文献1参照)。また、冷凍キノコの解凍後の食感を改善する方法としては、キノコをブランチング処理して、105℃以上の加圧加熱処理を施した後、凍結する方法が知られている(特許文献2参照)。さらに、キノコの風味を維持する方法としては、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、寒天等の被膜形成水溶性高分子の水溶液に浸漬した後、凍結する方法が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08―140570号公報
【特許文献2】特開2021―151208号公報
【特許文献3】特開昭56-151453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では冷凍保存期間が短い場合には解凍後の食感や香味の改善が認められるものの、冷凍保存期間が長くなると、経時的に改善効果が弱まるという問題があった。そこで、本発明は、キノコを長期間冷凍保存した場合であっても、食感や香味の劣化を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者の鋭意検討の結果、カルシウム塩を含む水溶液でキノコをブランチング処理し、次いでアルギン酸塩を含む水溶液に接触させた後、凍結することで、キノコを長期間冷凍保存した場合であっても、食感や香味の劣化を抑制できることを新たに見出し、本発明が完成するに至った。
【0007】
上記課題解決のため、本発明のカルシウム塩を含む水溶液中のカルシウムイオンの濃度は、260ppm~3900ppmであることが好ましい。また、アルギン酸塩を含む水溶液のアルギン酸塩濃度は、0.01%~1.8%であることが好ましい。
【0008】
当該構成によれば、カルシウム塩を含む水溶液でブランチング処理した際に、キノコに含まれるペクチンがカルシウムイオンと反応してゲル化し、キノコの組織が強化される。その後に、アルギン酸塩を含む水溶液で処理した際には、キノコの組織内に残存したカルシウムイオンとアルギン酸塩が反応してゲル化することで、キノコの表面だけでなく全体がゲル化して、組織が一層強化されるため、冷凍耐性が得られる。
【発明の効果】
【0009】
当該発明によれば、カルシウム塩を含む水溶液によるブランチング処理とアルギン酸塩を含む水溶液による処理を組み合わせて行うことで、長期間冷凍保存した場合であっても、解凍後の食感や香味の劣化を抑制した冷凍キノコを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、カルシウム塩を含む水溶液によるブランチング処理と、アルギン酸塩を含む水溶液による処理とを順に行うことが特徴である。以下に本発明の内容について実施例を含めて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0011】
―キノコ―
本発明の冷凍キノコに使用可能な原料キノコとしては、食用に利用できる種々のキノコが該当する。例えば、マイタケ、ブナシメジ、シイタケ、マッシュルーム、シメジ、エリンギ、エノキタケ、ヒラタケ等が挙げられる。このうち、特にマイタケが好ましい。
【0012】
原料のキノコは、必要に応じてカット又は割く等の分割処理を行う。本発明においては種々の形状のキノコを用いることができる。すなわち、キノコをカットせずにそのまま利用することもできるし、キノコをその繊維方向に沿って割くことも可能である。また、繊維方向とは異なる方向にカットしてもよい。さらに、薄板状にカットしてもよいし、輪切り等にカットしてもよい。尚、本カット又は割く等の処理はいつ行ってもよいが、後述するカルシウム塩を含む水溶液によるブランチング処理の前に行うのが好ましい。
【0013】
―第1工程(ブランチング処理)―
本発明では、カルシウム塩を含む水溶液で原料キノコをブランチング処理する。本処理を行うことで、解凍後の食感や香味の劣化を抑制できる。
カルシウム塩には難溶性と易溶性があるが、易溶性カルシウム塩がふさわしい。本発明において使用しうる易溶性カルシウム塩としては商業上容易に入手できるものが好ましく、例えば塩化カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。カルシウムイオンの濃度は260ppm~3900ppmが好ましく、390ppm~3900ppmがより好ましく、520ppm~2600ppmが最も好ましい。260ppm未満の場合には、食感や香味の改善効果が不十分であり、3900ppmより高い場合には、苦味が生じる。
その他ブランチングの条件としては、熱湯や蒸気で加熱するのであれば条件は特に限定されない。
【0014】
一般的には、ブランチング処理としては、60℃~90℃程度の水に対して、3分~30分程度浸漬することが好適である。さらに、80℃~90℃程度の水に対して、5分~20分程度浸漬することが好ましい。但し、キノコの酵素が失活すればよく、種類や量に応じて適宜調整すれば良い。
【0015】
―第2工程(接触処理)―
本発明では、カルシウム塩を含む水溶液でブランチング処理した後、次いで、アルギン酸塩を含む水溶液で処理する。第1工程と組み合わせることで、長期間冷凍保存した場合であっても、解凍後の食感や香味の劣化を抑制できる。
アルギン酸塩には難溶性と易溶性があるが、易溶性アルギン酸塩がふさわしい。本発明において使用しうる易溶性アルギン酸塩としては商業上容易に入手できるものが好ましく、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム等が挙げられる。香味の面で、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カリウムが好ましい。アルギン酸塩濃度は、0.01~1.8%が好ましく、0.01~1.5%がより好ましく、0.1~1.0%が最も好ましい。アルギン酸塩濃度が1.8%より高い場合、ぬめりや水っぽさが感じられる。
【0016】
カルシウムとアルギン酸は触れると直ぐに反応するため、キノコにアルギン酸塩を含む水溶液が接触するのであれば、処理方法は特に限定されない。例えば、浸漬する方法、噴霧する方法、塗布する方法などが挙げられる。その他の接触条件として、アルギン酸塩を含む水溶液の温度や接触させる時間についても同様に、特に限定されない。なお、カルシウムイオンとアルギン酸塩との効率的な接触およびキノコの内部までゲル化させられる点から、浸漬で行うことが好ましい。
【0017】
―第3工程(凍結処理)―
アルギン酸塩を含む水溶液で処理した後、必要に応じて冷却し、凍結する。凍結方法は種々の方法が可能であるが、喫食時に行われる一般的な解凍方法(自然解凍、チルド解凍、電子レンジ解凍、袋などに包装された状態で流水あるいは水に漬けて解凍する方法や焼成する方法)で解凍できる公知の凍結方法であればよい。一例としては、各キノコについてばらけさせた状態でトンネルフリーザー等を用いて急速に凍結する方法(個別急速冷凍(IQF)):Individual Quick Frozen)が挙げられる。また、冷凍食品の具材として用いる場合、本発明のキノコと複数の他の具材とを混合して凍結することも可能である。
【0018】
―その他―
本発明においては、調味工程を備えてもよく、第1工程や第2工程の処理液中に調味液を含んでもよい。調味液は、カルシウムとアルギン酸塩の反応を阻害するものでなければ特に限定されず、食品に通常用いられる材料を制限なく含むことができる。例えば、甘味料、うま味調味料、香辛料などがあり、具体的には糖類、人口甘味料、塩類、酢、ポン酢、醤油、味噌類、コショウ、醤類、酒類などが挙げられる。
【0019】
また、第1工程や第2工程の処理液中には調味液以外にも、抗酸化剤、静菌剤、防腐剤、pH調整剤、芳香化合物、着色料、増粘剤、消泡材、乳化剤などの他の成分を含有してもよい。
【0020】
―本発明のキノコを利用した製品―
本発明の製造方法による冷凍キノコは、冷凍食品の具材として利用することができる。具体的には、冷凍麺(うどん、そば、中華麺、パスタ)の具材として利用できる。また、凍結した冷凍キノコのみを袋等に入れた状態で保存することで、必要に応じて各種料理に利用することもできる。さらに、味付けや加工済みの冷凍キノコ、または、その他の味付けや加工済みの食品と一緒にして調理済み食材としても利用することができる。
【実施例0021】
以下、本発明の実施例を記載するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0022】
(試験例1)
市販のマイタケを幅5cm程度に分割し、軽く水洗した後、本発明の第1工程の代わりに90℃の熱水で10分間ブランチング処理を行った後、冷水で洗浄して水切りを行った。その後、本発明の第2工程の代わりに水に5分間浸漬処理を行い、液切りして余分な水分を除いた後、急速冷凍して、冷凍マイタケを調整した。
【0023】
(試験例2)
第2工程の処理液として0.20%のアルギン酸ナトリウム水溶液を用いた点を除いては、試験例1の場合と同様に処理した。
【0024】
(試験例3~30)
第1工程及び第2工程の処理液として、下記表1に記載のカルシウムイオン濃度及びアルギン酸濃度の水溶液を用いた点を除いては、試験例1の場合と同様に処理した。なお、カルシウム塩には塩化カルシウムと乳酸カルシウムを、アルギン酸塩にはアルギン酸ナトリウムとアルギン酸カリウムを用いた。各試験区で用いたカルシウム塩、アルギン酸塩については、塩化カルシウムを用いた場合は◎、乳酸カルシウムを用いた場合は〇、アルギン酸ナトリウムを用いた場合は◇、アルギン酸カリウムを用いた場合は*として、表1の試験例に続く括弧書きの中に記載した。
【0025】
試験例1~30の冷凍マイタケについて、熟練のパネラー6名により官能評価を行った。得られた各サンプル100gを皿に載せ、500Wの電子レンジで2分間加熱し、粗熱をとってから喫食し、食感と香味について評価した。評価は試験例1で得られたマイタケの冷凍後1日経過品を基準とし、以下の5段階で評価し、平均点(小数点第1位まで)を点数とした。各サンプルは、冷凍後1日経過品、30日経過品、60日経過品について確認し、その都度評価を実施した。評価は両項目で3以上となった場合に合格とした。各試験例における官能評価の結果を表2に示す。
<食感の評価>
5:試験例1よりも非常に優れており、シャキシャキして歯切れがよく、弾力もある
4:試験例1よりも優れており、歯切れがあり、弾力もある
3:試験例1と同程度の歯切れや弾力がある
2:試験例1よりも劣っており、ややスポンジ様の食感が感じられる
1:試験例1よりも著しく劣っており、スポンジ様の食感である
<香味の評価>
5:試験例1よりも非常に優れており、十分に香味が感じられる
4:試験例1よりも優れており、より香味が感じられる
3:試験例1と同程度の香味である。
2:試験例1よりも劣っており、香味が弱い
1:試験例1よりも著しく劣っており、香味がほとんど感じられない
【0026】
【0027】
【0028】
試験例1は、冷凍後1日経過時点での食感・香味は良好であったが、冷凍保存期間が30日を超えると著しく劣化し、いずれの評価も悪かった。また、試験例2は、冷凍後1日経過時点で既に食感・香味ともに劣化しており、冷凍後30日以上経過すると劣化は著しく、いずれの評価も悪かった。試験例14は、冷凍後1日経過時点での食感・香味は改善されているが、効果の持続性に乏しく、経時的に劣化し、冷凍後60日経過するといずれの評価も悪かった。試験例6と試験例21は、香味については冷凍後60日を経過しても効果の持続性が認められたが、食感については冷凍後1日経過時点から劣化しており、評価が悪かった。
それに対し、試験例3~5、7~13、15~20及び22~28が示すように、カルシウム塩を含む水溶液でブランチング処理をした後、アルギン酸塩を含む水溶液で接触処理をした場合には、冷凍後60日経過品であっても、素材本来の食感や香味が感じられる冷凍マイタケが得られた。さらに、表2には示していないが、通常キノコを加熱処理すると色抜けするが、今回の試験範囲においてはすべて色味も良好であった。なお、表1,2には示していないが、試験例14における第1工程と第2工程を逆にした場合も試験したが、試験例2と同様に、冷凍後1日経過の時点で既に食感・香味が劣化しており、冷凍後30日以上経過するといずれの評価も悪かった。
【0029】
続いて、表1、2の結果から、カルシウムイオン濃度の有効範囲について検討を行った。アルギン酸塩濃度が0.50%である試験例4、8、10、17、23、26、30に着目すると、カルシウムイオン濃度の増加とともに冷凍後60日経過品における官能評価結果が高まっていることが分かる。特に、カルシウムイオン濃度が2600ppm(試験例23)の時に、香味および食感の評価が最も高い結果となった。一方、カルシウムイオン濃度がさらに増加すると、今度は官能評価の結果が低下し始める結果となった。特にカルシウムイオン濃度が5200ppm(試験例30)の時には、食感は良好なものの、香味の評価結果が合格基準である3を下回っていることが分かる。これは、カルシウムイオン濃度が高すぎたことにより、苦味が生じたためと考えられる。以上のことから、カルシウムイオン濃度は、260ppm~3900ppmが好ましく、390ppm~3900ppmがより好ましく、520ppm~2600ppmが最も好ましいことが示唆された。
【0030】
次に、アルギン酸塩濃度の有効範囲について検討を行った。カルシウムイオン濃度が1300ppmである試験例14~21に着目すると、アルギン酸塩濃度が1.0%(試験例18)までは濃度の増加とともに冷凍後60日経過品における官能評価の結果が高まっていることが分かる。一方、アルギン酸塩濃度がさらに増加して1.5%(試験例19)になると食感の評価が低下し始め、2.0%(試験例20)になると、香味の評価もわずかに低下し始める結果となった。特に、アルギン酸塩濃度が2.0%(試験例20)の時には香味は良好なものの、食感の評価結果が合格基準である3を下回っていることが分かる。これは、アルギン酸塩濃度が高すぎたことにより、ぬめりや水っぽさが生じたためと考えられる。以上のことから、アルギン酸塩濃度は0.01~1.8%が好ましく、0.01~1.5%がより好ましく、0.1~1.0%が最も好ましいことが示唆された。
【0031】
以上説明したように、本発明はカルシウム塩を含む水溶液でブランチング処理した後、次いで、アルギン酸塩を含む水溶液に接触させることを特徴とする。カルシウム塩を含む水溶液によるブランチング処理では、キノコ内のペクチンがカルシウムイオンと反応してゲル化することで、凍結による組織の脆弱化や香味成分の流出が抑制される。次工程のアルギン酸塩を含む水溶液への接触処理では、ブランチング処理後のカルシウムイオンを含むキノコとアルギン酸塩が瞬間的に反応してゲル化することで、キノコの組織内外が更に補強されて、凍結による組織の脆弱化や香味成分の流出が抑制される。2つの異なる作用機序によりキノコの組織が二重に強化されることにより、短期間の冷凍保存後の食感や香味が改善されるたけでなく、長期間の冷凍保存後にも食感や香味が良好に維持された冷凍キノコを再現することができるという極めて優れた効果を奏する。