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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138702
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】フィルタ
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/14 20060101AFI20241002BHJP
   A61L 9/16 20060101ALI20241002BHJP
   A61L 9/014 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
B01D39/14 Z
B01D39/14 M
A61L9/16 F
A61L9/014
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049314
(22)【出願日】2023-03-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】504261077
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人自然科学研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】本島 厳
【テーマコード(参考)】
4C180
4D019
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180BB12
4C180CC04
4C180DD08
4C180DD09
4C180EA02X
4C180EA14X
4C180EA22X
4C180EA26X
4D019AA01
4D019BA03
4D019BA05
4D019BA07
4D019BB07
4D019BC06
4D019BC10
4D019BC20
4D019BD01
4D019CA03
4D019CB04
4D019CB06
4D019CB07
(57)【要約】

【課題】 設計の自由度及び加熱効率が高いフィルタを提供する。
【解決手段】 フィルタ1は、多孔質体2と、多孔質体2に対して少なくとも一部が一体化した発熱体3と、を備え、発熱体3は、多孔質体2内において、三次元形状であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質体と、
前記多孔質体に対して少なくとも一部が一体化した発熱体と、
を備え、
前記発熱体は、前記多孔質体内において、三次元形状に形成される
ことを特徴とするフィルタ。
【請求項2】
前記多孔質体は、活性炭を含み、
前記活性炭は、直径80nm以上120nm以下の細孔を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記活性炭の直径80nm以上120nm以下の細孔量は、直径50nm以下の細孔量よりも多い
ことを特徴とする請求項2に記載のフィルタ。
【請求項4】
前記多孔質体は、第1面と、第1面に対向する第2面と、を有し、
前記発熱体は、金属製の抵抗線であり、前記第1面と第2面に交差する方向に伸びる部分を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
【請求項5】
前記多孔質体と前記発熱体は、放電プラズマ焼結によって一体化する
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を清浄化するフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多孔質体料とヒーターを組み合わせる技術が開示されている(特許文献1及び2参照)。特許文献1には、発熱体に活性炭を塗布したオゾンフィルタ装置が記載され、特許文献2には、発熱体と吸着部が別々に搭載されたトイレ脱臭機が記載されている。特許文献1及び2に記載の技術は、別々の活性炭と発熱体が組み合わされて形成されている。
【0003】
また、特許文献3には、ヒーターを内蔵した多孔質セラミックス焼結体が記載されている。特許文献3に記載の技術は、図1から理解できるように、平面上のヒーターを多孔質セラミックス焼結体で挟み込むように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4-225817号公報
【特許文献2】特開2001-227031号公報
【特許文献3】特開昭60-260331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1乃至3に記載された技術は、完成した焼結体にヒーターを組み合わせる構造であって、ヒーターの形状が二次元状に限られ、設計の自由度及び加熱効率が限定されるおそれがある。
【0006】
本発明は、設計の自由度及び加熱効率が高いフィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかるフィルタは、
多孔質体と、
前記多孔質体に対して少なくとも一部が一体化した発熱体と、
を備え、
前記発熱体は、前記多孔質体内において、三次元形状である
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかるフィルタは、高い設計の自由度及び高い加熱効率を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態のフィルタの一例を示す。
図2】本実施形態のフィルタの多孔質体として用いられる活性炭の細孔直径と細孔量の関係の一例を示す。
図3】本実施形態のフィルタを製造する放電プラズマ焼結装置の一例を示す。
図4】本実施形態のフィルタの製造方法の一例を示す。
図5】本実施形態のフィルタを使用したウイルス不活性化試験の結果の一例を示す。
図6】他の実施形態のフィルタの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明にかかる一実施形態のフィルタ1を説明する。
【0011】
図1は、本実施形態のフィルタ1の一例を示す。
【0012】
本実施形態のフィルタ1は、多孔質体2と、三次元形状に形成された発熱体3と、を備え、放電プラズマ焼結によって、発熱体3の一部が多孔質体2に内蔵され一体に形成される。フィルタ1は、空気清浄機等の機器に設置される。機器が作動すると、フィルタ1を空気が通過し、
【0013】
多孔質体2は、機器にフィルタが設置された際に、空気が流入する第1面2aと、空気が流出する第2面2bと、第1面2aと第2面2bの間で厚みを形成する側面2cと、を有する。本実施形態の多孔質体2は、直方形状に形成されるが、他の形状でもよく、板状が好ましい。第1面2aと第2面2bは、表裏の関係であって、平行な面に形成されると好ましい。
【0014】
多孔質体2は、活性炭、セラミック、ゼオライト又は金属等で形成される。本実施形態の多孔質体2は、活性炭を用いる。活性炭を用いることによって、バインダー樹脂等の吸着材により固形化する必要がなくなり、多孔質体2と発熱体3のみでも十分な強度で固形化することができる。なお、粉末活性炭Mに銅等の金属粉末を混合して多孔質体2を形成してもよい。粉末活性炭Mの金属粉末に対する体積割合は、活性炭の細孔率を維持する観点で10%程度が好ましい。
【0015】
活性炭は、例えば、三次元網目構造を有する筋材と、炭素材料形成源としての有機物質とを成形して炭化させた後、酸又はアルカリで筋材を溶解して製造する。この場合、筋材を溶解した痕が三次元網目構造を形成する複数の孔となる。筋材は、酸又はアルカリに可溶性の金属、金属酸化物、金属塩、金属含有有機物等でよい。
【0016】
図2は、本実施形態のフィルタ1の多孔質体2として用いられる活性炭の細孔直径と細孔量の関係の一例を示す。
【0017】
本実施形態の多孔質体2に用いられる活性炭は、直径80nm以上120nm以下に細孔制御されたものが好ましい。この細孔制御によって、図2に示すように、活性炭は、直径80nm以上120nm以下の細孔が50nm以下の細孔よりも多く形成される。従来のヤシ殻活性炭と比較して細孔量を約120倍多く形成することができる。また、ウイルスのサイズは、約80nm以上120nm以下であるので、ウイルスの吸着量を増大させることができる。
【0018】
ここで、活性炭の細孔制御について説明する。活性炭は、アルカリ土類金属酸化物の結晶子サイズによって活性炭の細孔サイズを制御することができるほか、用いる有機質樹脂の種類によって活性炭の細孔分布を制御することができる。より具体的には、細孔制御された活性炭は、有機質樹脂をアルカリ土類金属化合物と混合し、非酸化性雰囲気で加熱焼成した後、混合物を酸性水溶液で処理すると、アルカリ土類金属酸化物が可溶性の塩として水に溶解し、これを濾過・水洗して乾燥することで得ることができる。
【0019】
本実施形態の活性炭は、直径80nm以上120nm以下の細孔を形成するため、アルカリ土類金属化合物として酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、又は、酢酸マグネシウム等のマグネシウム化合物の粉末を使用する。マグネシウム化合物を有機質樹脂と混合し、焼成した後、酸性水溶液で処理し、濾過・水洗して乾燥させる。すると、直径80nm以上120nm以下の細孔制御された活性炭が生成される。
【0020】
多孔質体2は、表面に溝を形成してもよい。溝を形成することで、活性炭への吸着面積を増加させることができ、より効率的に微生物を不活性化することができる。溝は、直線状又は螺旋状等に形成すればよい。また、活性炭の表面に凹凸を形成し、活性炭への吸着面積を増加させてもよい。
【0021】
このように、本実施形態のフィルタ1は、ウイルス又は細菌等の微生物を大幅に不活性化することができる。したがって、このようなフィルタ1を用いた空気清浄機又はエアコン等に使用することによって、保菌者と同室にいる医療従事者、救急救命士、及び、家族等の感染リスクを低減することができる。
【0022】
発熱体3は、金属製の抵抗線セラミックヒータ又はポリイミドヒータ等でよい。本実施形態の発熱体3は、金属製の抵抗線であり、多孔質体2と一体に焼結して形成される内蔵部3aと、多孔質体2の外側で図示しない電極に連結される連結部3bと、を有する。内蔵部3aは、多孔質体2内において、少なくとも2つの異なる仮想平面内のそれぞれで曲部3a1を有する。図1に示す例では、内蔵部3aは、第1面から第2面の方向へ螺旋状に形成され、仮想平面内に環状の一部を示す曲部3a1を有する。曲部3a1が螺旋状部分で重なることによって、発熱体3は、多孔質体2内において、第1面2aと第2面2bに交差する方向に伸びる部分を有する。すなわち、発熱体3は、立体的に配置される三次元形状に形成される。内蔵部3aは、両端において、多孔質体2の外部に出て、連結部3bとなる。
【0023】
本実施形態の発熱体3は、ニクロム線等の金属材料の抵抗線を用いる。また、発熱体3は、ニクロム線を絶縁粉末により絶縁されたステンレス等の金属パイプで包んだシースヒーターを用いてもよい。
【0024】
このように、本実施形態の発熱体3は、三次元形状に構成することによって、フィルタ1を、様々な形状に形成することができるとともに、発熱が必要な部分に発熱体3を設置することができる。したがって、本実施形態のフィルタ1は、高い設計の自由度及び高い加熱効率を提供することができる。
【0025】
本実施形態のフィルタ1は、空気清浄機又はエアコン等に使用することができる。使用時には、図示しない電源から発熱体3に電流を通してフィルタ1の温度を上げると好ましい。ウイルスは、高温では不活性化し、80°以上では死滅することがわかっている。本実施形態のフィルタ1は、発熱体3を用いることによって、フィルタ1を通過する空気中のウイルスを効果的に減少させることができる。
【0026】
また、本実施形態のフィルタ1は、発熱体3によって温度を上げるとともに、多孔質体2として直径80nm以上120nm以下に細孔制御された活性炭を用いることによって、フィルタ1を通過した空気中のウイルスをより効果的に減少させることができる。
【0027】
図3は、本実施形態の放電プラズマ焼結装置10の一例を示す。
【0028】
フィルタ1は、放電プラズマ焼結装置10によって製造される。放電プラズマ焼結装置10は、図3に示すような一般的な構造でよく、区画された空間を形成するチャンバー11と、チャンバー11内の空間に設置され粉末活性炭Mが投入される筒状のダイ12と、ダイ12の上方から挿入される上パンチ13と、上パンチ13の位置を調整する上スペーサー14と、上スペーサー14を介して上パンチ13を上方から支持し、上パンチ13に通電する上電極15と、ダイ12の下方から挿入される下パンチ16と、下パンチ16の位置を調整する下スペーサー17と、下スペーサー17を介して下パンチ16を上方から支持し、下パンチ16に通電する下電極18と、を備える。
【0029】
また、放電プラズマ焼結装置10は、チャンバー11内の雰囲気を、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス又は真空等に変化させる雰囲気変更装置20、及び、チャンバー11内、特にダイ12、上パンチ13及び下パンチ16で囲まれ粉末活性炭Mを加圧する部分を昇温する加熱装置21をさらに備える。さらに、チャンバー11の外部に、上パンチ13及び下パンチ16のうち少なくとも1つを押圧するプレス機構22と、備える。
【0030】
加熱装置21は、粉末活性炭Mが有する細孔を維持するために1100℃以下で加熱することが好ましく、900℃以上1050℃以下がより好ましい。また、昇温速度は、5℃/分以上50℃/分以下が好ましく、8℃/分以上20℃/分以下がより好ましい。
【0031】
プレス機構22の作動圧力は、粉末活性炭Mをより強固に固形化させる観点から、5MPa以上50MPaが好ましく、10MPa以上30MPa以下がより好ましい。プレス機構22の加圧時間は、粉末活性炭Mをより強固に固形化させる観点から、5分以上20分以下が好ましく、8分以上15分以下がより好ましい。
【0032】
図4は、本実施形態のフィルタ1の製造方法の一例を示す。
【0033】
本実施形態のフィルタ1を製造するために、放電プラズマ焼結は、まず、ステップ1において、放電プラズマ焼結装置10の下パンチ16をダイ12内に挿入する(ST1)。続いて、ステップ2において、多孔質体2の粉末活性炭Mをダイ12の筒内の空間に投入する(ST2)。続いて、ステップ3において、投入された多孔質体2内に発熱体3を配置する(ST3)。なお、最初に発熱体3を配置し、多孔質体2の粉末活性炭Mをダイ12の筒内の空間にまとめて投入してもよい。また、多孔質体2の粉末活性炭Mと発熱体3を同時に配置してもよい。粉末活性炭Mが足りない場合には、足してもよい。連結部3bは、予めダイ12に形成した専用の孔に差し込んでおけばよい。
【0034】
次に、ステップ4において、上パンチ13をダイ12内に挿入し、粉末活性炭Mをダイ12、上パンチ13及び下パンチ16で囲む(ST4)。次に、ステップ5において、チャンバー11内の空気を排気して真空状態とする(ST5)。次に、ステップ6において、プレス機構19を作動させ、上パンチ13及び下パンチ16のうち少なくとも1つで粉末活性炭Mを押圧する(ST6)。次に、上電極15及び下電極18によって粉末活性炭Mを通電する(ST7)。その後、このように、放電プラズマ焼結装置10を作動させることで、フィルタ1が製造される。
【0035】
図5は、本実施形態のフィルタ1を使用したウイルス不活性化試験の結果の一例を示す。
【0036】
本実施形態のフィルタ1によって、インフルエンザウイルスを不活性化した評価試験を行った。使用細胞及びウイルス株は、”Influenza A virus H1N1 A/PR/8/34 ATCC VR-95” 及び “ 宿主細胞:MDCK(イヌ腎臓細胞)” を用いた。
【0037】
このウイルス株の懸濁液をネブライザーの薬液ボトルに充填し、エアロゾルを生成させ、本発明にかかるフィルタを通過させた。フィルタ1を通過した流体をゼラチン膜フィルタに通過させ、ウイルス粒子を捕集した。
【0038】
その後、ウイルス粒子を捕集したフィルタを溶解し、プラークアッセイによってウイルス力価を評価した。この試験結果を参照すると、単なる多孔質体2のみを用いたフィルタと比較して、本実施形態の多孔質体2と発熱体3を用いたフィルタ1は、99.98%のインフルエンザウイルスを不活性化することができたことがわかる。また、本実施形態の活性炭を用いた多孔質体2と発熱体3を用いたフィルタ1は、99.99%のインフルエンザウイルスを不活性化することができたことがわかる。
【0039】
図6は、他の実施形態のフィルタ1の一例を示す。
【0040】
他の実施形態のフィルタ1は、多孔質体2は、図1に示した実施形態と同様なので、説明を省略する。他の実施形態の発熱体3は、金属製の抵抗線であり、多孔質体2と一体に焼結して形成される内蔵部3aと、多孔質体2の外側で図示しない電極に連結される連結部3bと、を有する。内蔵部3aは、多孔質体2内において、少なくとも2つの異なる仮想平面内のそれぞれで曲部3a1を有する。図6に示す例では、内蔵部3aは、屈曲状の曲部3a1を有する。屈曲状の曲部3a1が異なる仮想平面内で屈曲することによって、発熱体3は、多孔質体2内において、第1面2aと第2面2bに交差する方向に伸びる部分を有する。すなわち、発熱体3は、立体的に配置される三次元形状に形成される。内蔵部3aは、両端において、多孔質体2の外部に出て、連結部3bとなる。
【0041】
このように、本実施形態の発熱体3は、三次元形状に構成することによって、フィルタ1を、様々な形状に形成することができるとともに、発熱が必要な部分に発熱体3を設置することができる。したがって、本実施形態のフィルタ1は、高い設計の自由度及び高い加熱効率を提供することができる。
【0042】
以上、本実施形態のフィルタ1は、多孔質体2と、多孔質体2に対して少なくとも一部が一体化した発熱体3と、を備え、発熱体3は、多孔質体2内において、三次元形状に形成される。したがって、フィルタ1を、様々な形状に形成することができるとともに、発熱が必要な部分に発熱体3を設置することができる。そのため、本実施形態のフィルタ1は、高い設計の自由度及び高い加熱効率を提供することができる。
【0043】
また、本実施形態のフィルタ1は、多孔質体2は、活性炭を含み、活性炭は、直径80nm以上120nm以下の細孔を有する。したがって、本実施形態のフィルタ1は、ウイルス又は細菌を吸着及び不活性化させることができる。
【0044】
また、本実施形態のフィルタ1は、活性炭の直径80nm以上120nm以下の細孔量は、直径50nm以下の細孔量よりも多い。したがって、本実施形態のフィルタ1は、ウイルス又は細菌の吸着量を増大させることができる。
【0045】
また、本実施形態のフィルタ1は、多孔質体2は、第1面2aと、第1面2aに対向する第2面2bと、を有し、発熱体3は、金属製の抵抗線であり、第1面2aと第2面2bに交差する方向に伸びる部分を有する。したがって、本実施形態のフィルタ1は、より高い設計の自由度及び高い加熱効率を提供することができる。
【0046】
また、本実施形態のフィルタ1は、多孔質体2と発熱体3は、放電プラズマ焼結によって一体化する。したがって、本実施形態のフィルタ1は、多孔質体2と発熱体3を適切に一体化することができる。
【0047】
なお、この実施形態によって本発明は限定されるものではない。すなわち、実施形態の説明に当たって、例示のために特定の詳細な内容が多く含まれるが、当業者であれば、これらの詳細な内容に色々なバリエーションや変更を加えてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…フィルタ、2…多孔質体、
3…発熱体、3a…内蔵部、3a1…曲部、3b…連結部、
10…放電プラズマ焼結装置、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性炭を含む多孔質体と、
前記多孔質体に対して少なくとも一部が一体に焼結して形成される金属製の発熱体と、
を備え、
前記発熱体は、前記多孔質体内において、三次元形状に形成され、
前記活性炭は、直径80nm以上120nm以下の細孔を有し、
前記活性炭の直径80nm以上120nm以下の細孔量は、直径50nm以下の細孔量よりも多い
ことを特徴とするフィルタ。
【請求項2】
前記多孔質体は、第1面と、前記第1面に対向する第2面と、を有し、
前記発熱体は、金属製の抵抗線であり、前記第1面と前記第2面に交差する方向に伸びる部分を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記発熱体は、
少なくとも2つの異なる仮想平面内のそれぞれで屈曲状の曲部を有し、
前記曲部が前記異なる仮想平面内で屈曲することによって、前記多孔質体内において、前記第1面と前記第2面に交差する方向に伸びる部分を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のフィルタ。
【請求項4】
前記多孔質体と前記発熱体は、放電プラズマ焼結によって一体化する
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明にかかるフィルタは、
活性炭を含む多孔質体と、
前記多孔質体に対して少なくとも一部が一体に焼結して形成される金属製の発熱体と、
を備え、
前記発熱体は、前記多孔質体内において、三次元形状に形成され、
前記活性炭は、直径80nm以上120nm以下の細孔を有し、
前記活性炭の直径80nm以上120nm以下の細孔量は、直径50nm以下の細孔量よりも多い
ことを特徴とする。