IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社豊田中央研究所の特許一覧 ▶ 豊田通商株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-自動選別装置 図1
  • 特開-自動選別装置 図2
  • 特開-自動選別装置 図3
  • 特開-自動選別装置 図4
  • 特開-自動選別装置 図5
  • 特開-自動選別装置 図6
  • 特開-自動選別装置 図7
  • 特開-自動選別装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024138828
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】自動選別装置
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
B07C5/342
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049532
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000241485
【氏名又は名称】豊田通商株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100182718
【弁理士】
【氏名又は名称】木崎 誠司
(72)【発明者】
【氏名】北山 功志郎
(72)【発明者】
【氏名】八百川 盾
(72)【発明者】
【氏名】森 広行
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 詩織
【テーマコード(参考)】
3F079
【Fターム(参考)】
3F079AB00
3F079BA06
3F079CA18
3F079CA19
3F079CA20
3F079CA23
3F079CA27
3F079CB29
3F079CB35
3F079CC04
3F079CC13
3F079DA12
3F079EA01
3F079EA09
(57)【要約】
【課題】大きさの異なるシュレッダ屑を、大きさを揃えて一列にベルトコンベヤ上に供給する。
【解決手段】自動選別装置は、シュレッダ屑を搬送するベルトコンベヤと、シュレッダ屑を搬送する走路の少なくとも一部の走路幅を変化させることにより、シュレッダ屑を一列に並べてベルトコンベヤに供給するパーツフィーダと、ベルトコンベヤ上で搬送されるシュレッダ屑の材質を判別する判別部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動選別装置であって、
シュレッダ屑を搬送するベルトコンベヤと、
シュレッダ屑を搬送する走路の少なくとも一部の走路幅を変化させることにより、シュレッダ屑を一列に並べて前記ベルトコンベヤに供給するパーツフィーダと、
前記ベルトコンベヤ上で搬送されるシュレッダ屑の材質を判別する判別部と、
を備える、自動選別装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動選別装置であって、
前記走路は、搬送方向に進むにつれて鉛直上方に進むように傾斜しており、
前記パーツフィーダは、前記走路の内の走路幅が変化する可変走路と、前記可変走路を通過できなかったシュレッダ屑を、前記可変走路よりも上流側の前記走路に移動させるように下っているスロープを有する、自動選別装置。
【請求項3】
請求項1に記載の自動選別装置であって、
前記パーツフィーダは、
中央が凹んでいて、収容されたシュレッダ屑に振動を加えて、外周に沿って形成された前記走路によりシュレッダ屑を搬送するパーツフィーダ用ボウルと、
前記可変走路の走路幅を徐々に広げる走路幅調整部と、
を有する、自動選別装置。
【請求項4】
請求項3に記載の自動選別装置であって、
前記走路幅調整部は、前記パーツフィーダに収容されたシュレッダ屑の量に応じて、前記可変走路の走路幅を段階的に広げる速度を変化させる、自動選別装置。
【請求項5】
請求項4に記載の自動選別装置であって、
前記走路幅調整部は、前記可変走路の走路幅を広げてから所定時間が経過するまでにシュレッダ屑が前記パーツフィーダから前記ベルトコンベヤへと供給されない場合に、前記可変走路の走路幅を更に広げる、自動選別装置。
【請求項6】
請求項5に記載の自動選別装置であって、さらに、
材質ごとにシュレッダ屑を分別して回収する複数の回収ボックスを有する回収部と、
前記判別部によって材質が判別されたベルトコンベヤ上のシュレッダ屑を、材質に応じて異なる前記回収ボックスへと押し出す押出部と、
を備える、自動選別装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の自動選別装置であって、
前記判別部は、前記ベルトコンベヤ上で搬送されるシュレッダ屑の画像を取得する撮影部を有し、
前記自動選別装置は、さらに、
取得されたシュレッダ屑の画像と、判別されたシュレッダ屑の材質とを対応付けた学習用の教師データを作成する教師データ作成部を備える、自動選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大きさの異なる様々なシュレッダ屑が混合した状態から、シュレッダ屑を大きさに応じて分別する技術が知られている(例えば、特許文献1-3参照)。特許文献1には、搬送方向および搬送速度が異なる複数のベルトコンベアを用いて、搬送しているシュレッダ屑が重なり合うことを抑制する物品搬送方法が記載されている。特許文献2には、回転軸回りに回転する羽根を備える分別装置が記載されている。回転軸は、シュレッダ屑を搬送するベルトコンベアの搬送面に平行、かつ、搬送方向と直交して伸びている。そのため、重なってベルトコンベア上を搬送された複数のシュレッダ屑は、回転する羽根によって、ベルトコンベア上に分散する。また、特許文献2に記載の分別装置は、ベルトコンベア上を搬送されるシュレッダ屑の撮影画像に対して、機械学習によるアルゴリズムに従って画像処理を行い、シュレッダ屑の材質を特定する。
【0003】
特許文献3には、振動フィーダを用いてシュレッダ上を搬送する選別装置が記載されている。この装置では、搬送走路上に1つのシュレッダ屑の位置が固定されるV字溝が複数形成されているため、複数のシュレッダ屑の重なり合いが抑制される。特許文献4には、搬送路が螺旋状に形成されて、振動により周方向の搬送路に沿ってシュレッダ屑が搬送路を搬送されるボウル型のバーツフィーダが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-116382号公報
【特許文献2】特開2020-199444号公報
【特許文献3】特開2008-142692号公報
【特許文献4】特開2020-193101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の物品搬送方法では、複数台のベルトコンベヤを組み合わせる必要があるため、広大な設置面積が必要となる。また、ベルトコンベヤの数に応じて、メンテナンスなどの保守等の手間が増加する。特許文献2に記載された分別装置では、ベルトコンベヤの幅方向におけるシュレッダ屑の位置を制御できないため、シュレッダ屑の回収部として、ロボットなどの幅方向にも移動できる装置が必要になる。分別装置における回収速度は、回収部としてのロボットの上限速度で制限されるため、回収速度の高速化が難しい。また、回転する羽根により分散したシュレッダ屑が、再び別のシュレッダ屑に重なってしまうなど、シュレッダ屑を分散する保証がない。特許文献4に記載のパーツフィーダでは、所定の姿勢のシュレッダ屑のみを搬送する技術が記載されるに留まり、異なる大きさのシュレッダ屑の選別方法については言及されていない。
【0006】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、大きさの異なるシュレッダ屑を、大きさを揃えて一列にベルトコンベヤ上に供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
【0008】
(1)本発明の一形態によれば、自動選別装置が提供される。この自動選別装置は、シュレッダ屑を搬送するベルトコンベヤと、シュレッダ屑を搬送する走路の少なくとも一部の走路幅を変化させることにより、シュレッダ屑を一列に並べて前記ベルトコンベヤに供給するパーツフィーダと、前記ベルトコンベヤ上で搬送されるシュレッダ屑の材質を判別する判別部と、を備える。
【0009】
この構成によれば、パーツフィーダが走路の少なくとも一部の走路幅を変化させることにより、大きいシュレッダ屑は、走路幅が変化した走路を通過できない。この結果、パーツフィーダからベルトコンベヤへと大きさを揃えられて一列に並んだシュレッダ屑が供給される。すなわち、ベルトコンベヤ上を搬送されるシュレッダ屑は、重なったりしておらず、一列に並んでいる。これにより、ベルトコンベヤ上を搬送されるシュレッダ屑の1つ1つの材質を正確に判別できる。
【0010】
(2)上記態様の自動選別装置において、前記走路は、搬送方向に進むにつれて鉛直上方に進むように傾斜しており、前記パーツフィーダは、前記走路の内の走路幅が変化する可変走路と、前記可変走路を通過できなかったシュレッダ屑を、前記可変走路よりも上流側の前記走路に移動させる用に下っているスロープを有してもよい。
この構成によれば、可変走路を通過できなかったシュレッダ屑は、スロープを下って可変走路よりも上流側の走路へと導かれ、再度、走路を登ってくる。そのため、可変走路を通過できなかったシュレッダ屑に特別な分別や回収を行わなくても、シュレッダ屑は、自動的に再度走路幅が調整された可変走路に戻ってくる。これにより、様々な大きさのシュレッダ屑を、小さい順に一列に並べることができる。
【0011】
(3)上記態様の自動選別装置において、前記パーツフィーダは、中央が凹んでいて、収容されたシュレッダ屑に振動を加えて、外周に沿って形成された前記走路によりシュレッダ屑を搬送するパーツフィーダ用ボウルと、前記可変走路の走路幅を徐々に広げる走路幅調整部と、を有してもよい。
この構成によれば、パーツフィーダ用ボウルに収容されたシュレッダ屑は、振動が加えられることにより外周に沿って登る方向に傾斜した走路を登っていく。走路を登っているシュレッダ屑は、大きさに応じて走路幅調整部により調整された可変走路の走路幅を通過できる小さいシュレッダ屑と通過できない大きいシュレッダ屑とに分けられる。そのため、調整された可変走路の走路幅を通過できた小さいシュレッダから順番に一列に並ぶ。この結果、小さい順から一列に並べられたシュレッダ屑がベルトコンベヤに供給される。
【0012】
(4)上記態様の自動選別装置において、前記走路幅調整部は、前記パーツフィーダに収容されたシュレッダ屑の量に応じて、前記可変走路の走路幅を段階的に広げる速度を変化させてもよい。
この構成によれば、シュレッダ屑の量に応じて可変走路の走路幅が一定である期間の長さが変化する。シュレッダ屑の量が増加するほど、走路を通過するシュレッダ屑の量が増加する。そのため、シュレッダ屑の量が増加するほど、走路幅調整部により調整された可変走路が一定の幅である期間を長くする。これにより、調整された可変走路を通過可能なシュレッダ屑の全てが通過した後に、更に走路幅が広げられた可変走路なら通過可能なシュレッダ屑が可変走路を通過する。この結果、シュレッダ屑の量の多い少ないにかかわらず、小さい順から一列に並べられたシュレッダ屑がベルトコンベヤに供給される。
【0013】
(5)上記態様の自動選別装置において、前記走路幅調整部は、前記可変走路の走路幅を広げてから所定時間が経過するまでにシュレッダ屑が前記パーツフィーダから前記ベルトコンベヤへと供給されない場合に、前記可変走路の走路幅を更に広げてもよい。
この構成によれば、所定の時間が経過するごとに可変走路の走路幅が広がる。ある一定の可変走路の走路幅で時間が経過すると、可変走路を通過可能なシュレッダ屑の量が減ってくる。そのため、所定の時間が経過するごとに可変走路の走路幅を広げることにより、走路幅が調整されている可変走路を通過可能なシュレッダ屑が増加する。この結果、本構成によれば、様々な大きさのシュレッダ屑を、途切れさせることなく小さい順に一列に並べることができる。
【0014】
(6)上記態様の自動選別装置において、さらに、材質ごとにシュレッダ屑を分別して回収する複数の回収ボックスを有する回収部と、前記判別部によって材質が判別されたベルトコンベヤ上のシュレッダ屑を、材質に応じて異なる前記回収ボックスへと押し出す押出部と、を備えてもよい。
この構成によれば、材質が判別された各シュレッダ屑は、材質に応じた回収ボックスへと分別される。
【0015】
(7)上記態様の自動選別装置において、前記判別部は、前記ベルトコンベヤ上で搬送されるシュレッダ屑の画像を取得する撮影部を有し、前記自動選別装置は、さらに、取得されたシュレッダ屑の画像と、判別されたシュレッダ屑の材質とを対応付けた学習用の教師データを作成する教師データ作成部を備えてもよい。
この構成によれば、シュレッダ屑の画像と、画像に写るシュレッダ屑の材質とを対応付けた教師データが作成される。この教師データが自動学習に用いられることにより、学習後の自動選別装置のシュレッダ屑の材質の判別精度が向上する。
【0016】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、自動選別装置、選別装置、搬送装置、分別装置、自動選別方法、選別方法、搬送方法、分別方法、およびこれらの装置を備える又は方法を実現するシステム、これら装置または方法を実行するためのコンピュータプログラム、このコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、コンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態としての自動選別システムの概略ブロック図である。
図2】自動選別システムの概略正面図である。
図3】パーツフィーダの概略断面図である。
図4】傾斜板の概略上面図である。
図5】傾斜板の概略断面図である。
図6】本実施形態のシュレッダ屑の選別方法のフローチャートである。
図7】本実施形態のパーツフィーダによるシュレッダ屑の大きさ判定の効果についての説明図である。
図8】変形例2の走路幅が変更可能な可変走路の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
1.自動選別システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態としての自動選別システム(自動選別装置)1の概略ブロック図である。本実施形態の自動選別システム1では、パーツフィーダ20が振動することにより、パーツフィーダ20内の走路に沿ってシュレッダ屑が搬送される。パーツフィーダ20内における走路の一部の走路幅が走路幅調整部25により段階的に広がる。そのため、大きさの異なるシュレッダ屑は、走路幅を通過可能な小さいシュレッダから順番に一列に並べられてパーツフィーダ20からベルトコンベヤ30へと搬送される。
【0019】
図1には、自動選別システム1の概略上面図と、自動選別システム1を制御する制御装置10の概略ブロック図とが示されている。図2は、自動選別システム1の概略正面図である。図1,2に示されるように自動選別システム1は、制御装置10と、シュレッダ屑が投入されるパーツフィーダ20と、シュレッダ屑を搬送するベルトコンベヤ30と、パーツフィーダ20とベルトコンベヤとを接続するリニアフィーダ70と、ベルトコンベヤ上を搬送されるシュレッダ屑の撮影画像を取得するカメラ(撮影部)40と、シュレッダ屑を材質に応じてベルトコンベヤ30上から押し出す押出部50と、押し出されたシュレッダ屑を回収する回収部60とを備えている。
【0020】
なお、図1および図2に示される直交座標系CSは、対応しており、図3以降に示される直交座標系CSとも対応している。直交座標系CSは、互いに直交するX,Y,Z軸により構成されている。Y軸がベルトコンベヤ30の搬送方向に平行な軸である。X軸は、ベルトコンベヤ30の幅方向に平行な軸である。Z軸は、鉛直方向に平行な軸である。
【0021】
リニアフィーダ70およびパーツフィーダ20は、パーツフィーダ20が有する振動装置22(図2)により振動する。リニアフィーダ70からベルトコンベヤ30へと、パーツフィーダ20により小さいものから順番に一列に並ばされたシュレッダ屑が供給される。なお、パーツフィーダ20の詳細については後述する。
【0022】
カメラ40は、ベルトコンベヤ30上の所定の範囲を撮影する。そのため、カメラ40は、ベルトコンベヤ30上で並んで搬送される複数のシュレッダ屑のそれぞれの撮影画像を取得する。取得されたシュレッダ屑の撮影画像の画像データは制御装置10へと送信される。制御装置10は、撮影画像を用いて撮影されたシュレッダ屑の材質を判別する。なお、制御装置10が行う各種処理の詳細については後述する。
【0023】
押出部50は、ベルトコンベヤ30上を搬送されるシュレッダ屑を、ベルトコンベヤ30の外へと押し出す。図1に示されるように、本実施形態の押出部50は、3つのアーム51~53を備えている。アーム51~53のそれぞれは、制御装置10の制御によりエアシリンダが制御されて、ベルトコンベヤ30の幅方向に伸縮可能である。押出部50は、制御装置10によるシュレッダ屑の判別結果に基づいて稼働する。そのため、本実施形態の自動選別システム1では、ベルトコンベヤ30上を搬送されるシュレッダ屑を、アーム51~53のいずれかでベルトコンベヤ30上から押し出された3種と、アーム51~53によりベルトコンベヤ30上から押し出されなかった1種とに分別される。
【0024】
回収部60は、ベルトコンベヤ30上から供給されたシュレッダ屑を分別して回収する複数のボックス(回収ボックス)61~64を有する。図1に示されるように、回収部60は、アーム51~53のそれぞれでベルトコンベヤ30上から押し出されたシュレッダ屑を回収するボックス61~63と、アーム51~53によりベルトコンベヤ30上から押し出されずにベルトコンベヤ30の最後まで搬送されたシュレッダ屑を回収するボックス64とを備えている。そのため、押出部50は、材質が判別されたベルトコンベヤ30上のシュレッダ屑を、材質に応じて異なるボックス61~64へと押し出すと換言できる。
【0025】
図1に示される制御装置10は、いわゆるパーソナルコンコンピュータ(Personal Computer)で構成されている。制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)100と、記憶部110とを備えている。記憶部110は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などで構成されている。記憶部110は、判別データベース(判別DB)111と、画像データベース(画像DB)112と、教師データベース(教師DB)113とを有している。
【0026】
判別DB111には、カメラ40により撮影されたシュレッダ屑の材質を判別するための判別データが記憶されている。判別データは、複数のシュレッダ屑の三次元形状と、シュレッダ屑の材質とが対応付けられたデータである。画像DB112には、カメラ40により取得されたシュレッダ屑の画像データが記憶される。教師DB113には、カメラ40により取得されたシュレッダ屑の画像データと、画像データに写っているシュレッダ屑の材質とを対応付けた学習用の教師データが記憶される。教師データは、後述するデータ作成部103により作成される。
【0027】
CPU100は、ROM(Read Only Memory)に格納されているコンピュータプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより自動選別システム1の各部を制御する。また、CPU100は、画像取得部101と、判別部102と、データ作成部(教師データ作成部)103と、押出制御部104と、振動制御部105と、走路制御部106として機能する。
【0028】
画像取得部101は、カメラ40により取得されたシュレッダ屑の画像データを画像DB112に保存する。判別部102は、画像取得部101により取得されたシュレッダ屑の画像データを、判別DB111に記憶された判別データと照合することにより、画像データに写るシュレッダ屑の材質を判別する。データ作成部103は、画像取得部101により取得されたシュレッダ屑の画像データと、判別部102により判別された画像データに写るシュレッダ屑の材質とを対応付けたデータを作成する。データ作成部103は、画像取得部101により取得された全ての画像データに対して、判別された材質を対応付けたデータを教師データとして教師DB113に保存する。保存された教師データは、判別データを用いた判別の精度を向上させるための学習用の教師データとして用いられる。
【0029】
押出制御部104は、判別部102のシュレッダ屑の材質についての判別結果に応じて、アーム51~53を動作させる。本実施形態では、ベルトコンベヤ30の搬送速度が一定である。押出制御部104は、カメラ40がシュレッダ屑を撮影した時間と、ベルトコンベヤ30の搬送速度とを用いて、材質が判別されたシュレッダ屑のベルトコンベヤ30上の位置を特定する。押出制御部104は、回収部60の4つのボックス61~64のいずれかに、判別されたシュレッダ屑が回収されるように、アーム51~53を制御する。
【0030】
振動制御部105は、振動装置22(図2)を制御することにより、パーツフィーダ20およびリニアフィーダ70を振動させる。走路制御装置106は、パーツフィーダ20が備える走路幅調整部25を制御することにより、パーツフィーダ20におけるシュレッダ屑が通過する走路の一部である可変走路の走路幅を変更する。本実施形態では、走路制御装置106は、可変走路の走路幅を設定してから所定の時間が経過してもカメラ40によるシュレッダ屑の画像が取得されない場合に、走路幅を段階的に広げる。段階的に広げる可変走路の走路幅の量は、予め設定された値であってもよいし、図1に図示されていない入力部を介してユーザに入力されてもよい。リニアフィーダ70は、パーツフィーダ20から供給されたシュレッダ屑を振動しながらベルトコンベヤ30へと搬送する。
【0031】
2.パーツフィーダの構成:
図3は、パーツフィーダ20の概略断面図である。本実施形態のパーツフィーダ20は、図3に示されるように、中央に凹んだ凹部CPを有する本体部21が振動装置22により振動する。本体部21の外周には、シュレッダ屑が搬送される螺旋状の走路が形成されている。走路は、本体部21の外周に沿って周方向に沿う搬送方向に進むにつれて鉛直上方に進むように傾斜している。そのため、凹部CPに投入された複数のシュレッダ屑は、本体部21が振動することにより、走路を外壁に沿って登っていく。
【0032】
図2,3に示されるように、パーツフィーダ20は、ボウル型の凹部CPを有する本体部(パーツフィーダ用ボウル)21と、本体部21を振動させる振動装置22と、本体部21に形成されている可変走路の走路幅を変更する走路幅調整部25とを備えている。走路幅調整部25は、可変走路を形成する傾斜板(平板部)26と、傾斜板26の位置をモータの駆動力を用いて制御する位置制御部27とを備えている。
【0033】
図4は、傾斜板26の概略上面図である。図5は、傾斜板26の概略断面図である。なお、図4では、パーツフィーダ20の本体部21と、傾斜板26とにより形成される走路TRにハッチングが施されている。図4,5に示されるように、本実施形態の傾斜板26は、平板状の形状を有している。傾斜板26は、走路TRの一部であり、走路幅を変更可能な可変走路TRchを形成する。傾斜板26は、位置制御部27からの制御により、走路TRを形成する外壁WLを貫通して、Y軸方向に沿って移動可能である。なお、傾斜板26を形成する平板は、水平方向に対して傾斜しているが、図5では簡略化されて傾斜していない水平状態で示されている。
【0034】
本体部21は、外壁WLの内周側のうち、傾斜板26が形成する可変走路TRchの鉛直下方に、径方向中心に向かって下っており、可変走路TRchよりも上流側の走路TRに接続しているスロープSLを有している。換言すると、スロープSLの鉛直上方に傾斜板26が配置されている。そのため、図4でハッチングにより示される走路TRのように、外壁WLから本体部21の中心側にはみ出している傾斜板26の鉛直上側の面は、可変走路TRchを形成する。図4に示されるように、可変走路TRchの走路幅は、傾斜板26の前後で走路TRを形成している走路幅よりも小さい。そのため、可変走路TRchの走路幅よりも大きいシュレッダ屑は、可変走路TRchを通過できずに、スロープSLを介して再度本体部21の中心側、すなわち、走路TRの上流側である凹部CPへと戻される。
【0035】
位置制御部27は、制御装置10の走路制御装置106(図1)の制御信号に応じて、傾斜板26を稼働させる。位置制御部27は、シュレッダ屑の分別時に、可変走路TRchの走路幅を段階的に広げる。また、本実施形態の位置制御部27は、本体部21に投入されたシュレッダ屑の量に応じて、可変走路TRchの走路幅を段階的に広げる速度を変化させる。具体的には、本実施形態の位置制御部27は、所定の時間が経過してもカメラ40によりシュレッダ屑が撮影されない場合、すなわち、パーツフィーダ20からベルトコンベヤ30へとシュレッダ屑が供給されない場合に、可変走路TRchの走路幅を広げる。ある走路幅の可変走路TRchを通過可能な大きさのシュレッダ屑が全てベルトコンベヤ30へと搬送されると、現時点で設定されている走路幅の可変走路TRchを通過できるシュレッダ屑が存在しなくなる。そのため、本実施形態では、カメラ40によりシュレッダ屑が撮影されなくなってから所定の時間が経過した場合に、可変走路TRchの走路幅が広げられる。これにより、時間の経過と共に、可変走路TRchを通過するシュレッダ屑の大きさが大きくなる。この結果、ベルトコンベヤ30には、シュレッダ屑が小さいものから順番に一列に並んで供給される。なお、本実施形態では、パーツフィーダ20とベルトコンベヤ30とを接続するリニアフィーダ70の搬送速度は、パーツフィーダ20の搬送速度よりも速くなるように設定されている。そのため、パーツフィーダ20から一列に並んで供給されるシュレッダ屑の間隔は、リニアフィーダ70上でさらに大きくなる。すなわち、パーツフィーダ20により一列に並んだシュレッダ屑は、リニアフィーダ70により間隔を空けて一列に並ばされてベルトコンベヤ30へと供給される。
【0036】
3.シュレッダ屑の選別フロー:
図6は、本実施形態のシュレッダ屑の選別方法のフローチャートである。図6の選別フローでは、初めに、選別対象である大きさの異なる複数のシュレッダ屑がパーツフィーダ20の凹部CPに投入される(ステップS1)。走路幅調整部25は、パーツフィーダ20内でシュレッダ屑が搬送される走路TRの一部を形成する傾斜板26の位置を制御することにより、傾斜板26により形成される可変走路TRchの走路幅を設定する(ステップS2)。可変走路TRchの走路幅は、予め設定された初期値であってもよいし、図1に図示されていない入力端末からユーザによって入力されてもよい。
【0037】
可変走路TRchの走路幅が設定されると、振動制御部105は、振動装置22を稼働させてパーツフィーダ20の本体部21およびリニアフィーダ70の振動を開始させる(ステップS3)。パーツフィーダ20が振動し始めると、投入されたシュレッダ屑は、パーツフィーダ20内の外壁WLに沿って傾斜している走路TR上を登っていく。所定の大きさ以下の小さいシュレッダ屑は、可変走路TRchを通過して、リニアフィーダ70を介してベルトコンベヤ30へと搬送される。一方で、所定の大きさよりも大きいシュレッダ屑は、可変走路TRchを通過できずに、スロープSLを介して凹部CPへと戻される。
【0038】
カメラ40は、ベルトコンベヤ30を一列に並んで搬送されるシュレッダ屑を撮影する(ステップS4)。判別部102は、カメラ40により取得されたシュレッダ屑の画像データを、判別DB111に記憶された判別データと照合することにより、撮影されたシュレッダ屑の材質を判別する(ステップS5)。押出部50は、判別部102の判別結果に基づいて、アーム51~53を制御し、シュレッダ屑を材質に応じて異なるボックス61~64へと押し出して回収する(ステップS6)。
【0039】
走路制御部106は、カメラ40によりベルトコンベヤ30上を搬送されるシュレッダ屑が撮影されてから、次に搬送されるシュレッダ屑を撮影しない状態で所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS7)。所定の時間が経過していない場合には(ステップS7:NO)、ステップS4以降の処理が繰り返される。所定の時間が経過しても新たなシュレッダ屑がカメラ40により撮影されない場合には(ステップS7:YES)、走路制御部106は、走路幅調整部25を制御することにより、可変走路TRchの走路幅を一段階広げる(ステップS8)。所定の時間シュレッダ屑がカメラ40により撮影されない状況は、可変走路TRchを通過できるシュレッダ屑が存在しないため、可変走路TRchの走路幅が広げられる。
【0040】
次に、パーツフィーダ20に投入された複数のシュレッダ屑の選別が完了したか否かが判定される(ステップS9)。選別の完了判定は、ユーザによって行われてもよいし、可変走路TRchの走路幅が最大時に所定の時間内にカメラ40によるシュレッダ屑の撮影の有無によって行われてもよい。選別が完了していないと判定された場合には(ステップS9:NO)、ステップS4以降の処理が繰り返される。選別が完了したと判定された場合には(ステップS9:YES)、選別フローが終了する。
【0041】
図7は、本実施形態のパーツフィーダ20によるシュレッダ屑の大きさ判定の効果についての説明図である。図7には、パーツフィーダ20に投入された選別対象としてのシュレッダ屑12キログラムを、可変走路TRchの走路幅に応じて分別されたシュレッダ屑の供給量が棒グラフで示されている。なお、選別対象のシュレッダ屑は、市場で流通するアルミシュレッダ屑を30mmの目開きを有する篩にかけ、篩を通ったシュレッダ屑である。
【0042】
図7には、可変走路TRchの走路幅を、10,12.5,15,17.5,20,30mmの順番に広げた場合に、各走路幅でパーツフィーダ20から供給されたシュレッダ屑の供給量(kg)が示されている。なお、最も右の棒グラフは、走路幅が最大の30mmでも可変走路TRchを通過できずに、パーツフィーダ20内に残っていたシュレッダ屑の重量である。図7に示されるように、本実施形態の自動選別システム1を用いることにより、ベルトコンベヤ30へとシュレッダ屑を小さい順に一列に並べて供給できる。
【0043】
以上のように、本実施形態の自動選別システム1では、制御装置10の判別部102は、ベルトコンベヤ30上を搬送されるシュレッダ屑の材質を判別する。パーツフィーダ20は、走路TRの一部を形成する可変走路TRchの走路幅を変化させることにより、一列に並べたシュレッダ屑をベルトコンベヤ30に供給する。本実施形態では、パーツフィーダ20が走路TRの少なくとも一部である可変走路TRchの走路幅を変化させることにより、大きいシュレッダ屑は、走路幅が変化した可変走路TRchを通過できない。この結果、パーツフィーダ20からベルトコンベヤ30へと大きさを揃えられて一列に並んだシュレッダ屑が供給される。すなわち、ベルトコンベヤ30上を搬送されるシュレッダ屑は、重なったりしておらず、一列に並んでいる。これにより、ベルトコンベヤ30上を搬送されるシュレッダ屑の一つ一つの材質を正確に判別できる。
【0044】
また、本実施形態の走路TRは、本体部21の外周に沿って周方向に沿う搬送方向に進むにつれて鉛直上方に進むように傾斜している。また、パーツフィーダ20は、可変走路TRchを通過できなかったシュレッダ屑が可変走路TRchよりも上流側の走路TRへと移動させるように下っているスロープSLを有する。そのため、可変走路TRchを通過できなかったシュレッダ屑は、スロープSLを下って可変走路TRchよりも上流側の走路TRへと導かれ、再度、走路TRを登ってくる。これにより、可変走路TRchを通過できなかったシュレッダ屑に特別な分別や回収を行わなくても、シュレッダ屑は、自動的に再度走路幅が調整された可変走路TRchに戻ってくる。その結果、本実施形態の自動選別システム1によれば、様々な大きさのシュレッダ屑を、小さい順に一列に並べることができる。
【0045】
また、本実施形態のパーツフィーダ20は、図3に示されるように、中央に凹んだ凹部CPを有する本体部21が振動装置22により振動する。走路TRは、本体部21の外周に沿って形成されている。走路幅調整部25は、可変走路TRchの走路幅を変更する。そのため、本体部21に収容されたシュレッダ屑は、振動が加えられることにより外周に沿って登る方向に傾斜した走路TRを進む。走路TRを進行しているシュレッダ屑は、大きさに応じて走路幅調整部25により調整された可変走路TRchを通過できる小さいシュレッダ屑と通過できない大きいシュレッダ屑とに分けられる。そのため、可変走路TRchを通過できた小さいシュレッダから順番に一列に並ぶ。この結果、小さい順から一列に並べられたシュレッダ屑がベルトコンベヤに供給される。
【0046】
また、本実施形態の位置制御部27は、本体部21に投入されたシュレッダ屑の量に応じて、可変走路TRchの走路幅を段階的に広げる速度を変化させる。本実施形態では、シュレッダ屑の量に応じて可変走路TRchの走路幅が一定である期間の長さが変化する。シュレッダ屑の量が増加するほど、走路TRを通過するシュレッダ屑の量が増加する。そのため、シュレッダ屑の量が増加するほど、可変走路TRchが一定の幅である期間を長くする。これにより、可変走路TRchを通過可能なシュレッダ屑の全てが通過した後に、更に広げられた可変走路TRchなら通過可能なシュレッダ屑が走路TRを通過する。この結果、シュレッダ屑の量の多い少ないにかかわらず、小さい順から一列に並べられたシュレッダ屑がベルトコンベヤ30に供給される。
【0047】
また、本実施形態の位置制御部27は、所定の時間が経過してもカメラ40によりシュレッダ屑が撮影されない場合、すなわち、パーツフィーダ20からベルトコンベヤ30へとシュレッダ屑が供給されない場合に、可変走路TRchの走路幅を広げる。可変走路TRchの走路幅が変化せずに所定時間が経過してもベルトコンベヤ30にシュレッダ屑が供給されない状況は、可変走路TRchを通過できる大きさのシュレッダ屑がないことを表している。本実施形態では、可変走路TRchを通過可能なシュレッダ屑が全て通過したことを確認した後に、走路幅調整部25が可変走路TRchの走路幅を広げる。この結果、様々な大きさのシュレッダ屑を小さい順に一列に並べることができる。
【0048】
また、本実施形態の押出部50は、材質が判別されたベルトコンベヤ30上のシュレッダ屑を、材質に応じて異なるボックス61~64へと押し出す。そのため、材質が判別された各シュレッダ屑は、材質に応じたボックス61~64へと分別される。
【0049】
また、本実施形態のデータ作成部103は、カメラ40により取得されたシュレッダ屑の全ての画像データに対して、判別されたそれぞれの材質を対応付けたデータを教師データとして教師DB113に保存する。そのため、本実施形態で作成された教師データが自動学習に用いられることにより、学習後の自動選別システム1のシュレッダ屑の材質の判別精度が向上する。
【0050】
<実施形態の変形例>
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。また、上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0051】
<変形例1>
上記実施形態では、自動選別システム1の一例について説明したが、自動選別システム1は、シュレッダ屑を一列に並べてベルトコンベヤ30に供給するパーツフィーダ20と、ベルトコンベヤ30上を搬送されるシュレッダ屑の材質を判別する制御装置10とを備える範囲で変形可能である。例えば、ベルトコンベヤ30上を搬送されるシュレッダ屑の判別方法として、画像による判別ではなく、例えばX線分析やLIBS(レーザー誘起ブレークダウン分光)分析など周知の方法が用いられてもよい。自動選別システム1は、ベルトコンベヤ30と、パーツフィーダ20と、判別部102を有する制御装置10とを備えていればよく、例えば、押出部50や回収部60が他の装置として構成されていてもよい。また、制御装置10は、データ作成部103による教師データを作成しなくてもよい。
【0052】
上記実施形態では、押出部50が有するアーム数は、3つであったが、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。アーム51~53は、エアシリンダによる制御ではなく、ベルトコンベヤ30上から判別されたシュレッダ屑を取り除ける範囲で周知技術を適用できる。また、回収部60が備えるボックスの数は、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。回収部60は、押出部50により判別されたシュレッダ屑を分別して回収できる範囲で周知技術を適用できる。
【0053】
上記実施形態では、ベルトコンベヤ30の搬送速度が一定であったが、ベルトコンベヤ30の搬送速度が可変であってもよい。例えば、制御装置10がベルトコンベヤ30の搬送速度を制御し、押出制御部104は、制御された搬送速度を取得してアーム51~53を制御してもよい。また、搬送速度が可変のベルトコンベヤ30の速度が別の装置で取得され、制御装置10が、別の装置からベルトコンベヤ30の搬送速度を取得してもよい。
【0054】
上記実施形態では、カメラ40によりシュレッダ屑が撮影されなくなってから所定の時間が経過した後に、可変走路TRchの走路幅が広げられたが、可変走路TRchの走路幅を広げるタイミングについては変形可能である。例えば、カメラ40によるシュレッダ屑の撮影とは無関係に、所定の時間が経過したか否かで走路幅が広げられてもよい。また、シュレッダ屑の供給有無がカメラ40の撮影によって判定されるのではなく、例えば、可変走路TRchの下流側の端部で、シュレッダ屑の通過有無がセンサによって判定されてもよい。
【0055】
<変形例2>
図8は、変形例2の走路幅が変更可能な可変走路TRchaの概略上面図である。図8に示される変形例では、実施形態と比較して傾斜板26aの形状が異なる。変形例の傾斜板26aが形成する可変走路TRchaでは、上流側の走路幅WD1が、下流側の走路幅WD2よりも小さい。そのため、変形例では、上流側の狭い走路幅WD1の可変走路TRchaを通過できなかったシュレッダ屑は、スロープSLを下ってパーツフィーダ用ボウルの中央の凹みに導かれ、再度、走路TRaを登っている。上流側の狭い可変走路TRchaを通過したシュレッダ屑は、下流側ほど可変走路TRchaの走路幅が大きいため、誤ってスロープSLを介して中央の凹みに導かれにくくなる。これにより、より短時間で様々な大きさのシュレッダ屑を、小さい順に一列に並べることができる。
【0056】
上記実施形態および変形例2では、傾斜板26,26aが移動することにより、走路TR,TRaの一部である可変走路TRch,TRchaの走路幅が変化したが、走路幅を変化させる方法について変形可能である。例えば、パーツフィーダは、傾斜板26,26aのような移動可能な傾斜板を備えておらず、外壁WL(図4,5)が径方向に沿って動くことで、走路の走路幅が調整されてもよい。
【0057】
パーツフィーダ20によって周方向に形成された外壁WLに沿って螺旋状の走路TRが形成されたが、走路TRは、螺旋状でなくてもよく、例えばU字型の走路であってもよい。この場合に、可変走路TRchは、曲線状の走路上に形成されずに、直線状の走路に形成されてもよく、走路および走路幅については変形可能である。
【0058】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【0059】
本発明は、以下の形態としても実現することが可能である。
[適用例1]
自動選別装置であって、
シュレッダ屑を搬送するベルトコンベヤと、
シュレッダ屑を搬送する走路の少なくとも一部の走路幅を変化させることにより、シュレッダ屑を一列に並べて前記ベルトコンベヤに供給するパーツフィーダと、
前記ベルトコンベヤ上で搬送されるシュレッダ屑の材質を判別する判別部と、
を備える、自動選別装置。
[適用例2]
適用例1に記載の自動選別装置であって、
前記走路は、搬送方向に進むにつれて鉛直上方に進むように傾斜しており、
前記パーツフィーダは、前記走路の内の走路幅が変化する可変走路と、前記可変走路を通過できなかったシュレッダ屑を、前記可変走路よりも上流側の前記走路に移動させるように下っているスロープを有する、自動選別装置。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の自動選別装置であって、
前記パーツフィーダは、
中央が凹んでいて、収容されたシュレッダ屑に振動を加えて、外周に沿って形成された前記走路によりシュレッダ屑を搬送するパーツフィーダ用ボウルと、
前記可変走路の走路幅を徐々に広げる走路幅調整部と、
を有する、自動選別装置。
[適用例4]
適用例1から適用例3までのいずれか一項に記載の自動選別装置であって、
前記走路幅調整部は、前記パーツフィーダに収容されたシュレッダ屑の量に応じて、前記可変走路の走路幅を段階的に広げる速度を変化させる、自動選別装置。
[適用例5]
適用例1から適用例4までのいずれか一項に記載の自動選別装置であって、
前記走路幅調整部は、前記可変走路の走路幅を広げてから所定時間が経過するまでにシュレッダ屑が前記パーツフィーダから前記ベルトコンベヤへと供給されない場合に、前記可変走路の走路幅を更に広げる、自動選別装置。
[適用例6]
適用例1から適用例5までのいずれか一項に記載の自動選別装置であって、さらに、
材質ごとにシュレッダ屑を分別して回収する複数の回収ボックスを有する回収部と、
前記判別部によって材質が判別されたベルトコンベヤ上のシュレッダ屑を、材質に応じて異なる前記回収ボックスへと押し出す押出部と、
を備える、自動選別装置。
[適用例7]
適用例1から適用例6までのいずれか一項に記載の自動選別装置であって、
前記判別部は、前記ベルトコンベヤ上で搬送されるシュレッダ屑の画像を取得する撮影部を有し、
前記自動選別装置は、さらに、
取得されたシュレッダ屑の画像と、判別されたシュレッダ屑の材質とを対応付けた学習用の教師データを作成する教師データ作成部を備える、自動選別装置。
【符号の説明】
【0060】
1…自動選別システム(自動選別装置)
10…制御装置
20…パーツフィーダ
21…本体部(パーツフィーダ用ボウル)
22…振動装置
25…走路幅調整部
26,26a…傾斜板
27…位置制御部
30…ベルトコンベヤ
40…カメラ(撮影部)
50…押出部
51~53…アーム
60…回収部
61~64…ボックス(回収ボックス)
70…リニアフィーダ
100…CPU
101…画像取得部
102…判別部
103…データ作成部(教師データ作成部)
104…押出制御部
105…振動制御部
106…走路制御部
110…記憶部
111…判別データベース
112…画像データベース
113…教師データベース
CP…凹部
CS…直交座標系
SL…スロープ
TR…走路
TRch,TRcha…可変走路
WD1,WD2…走路幅
WL…外壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8