(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139182
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】固定部材
(51)【国際特許分類】
H02G 3/30 20060101AFI20241002BHJP
F16B 5/06 20060101ALI20241002BHJP
F16B 19/00 20060101ALI20241002BHJP
F16B 19/10 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H02G3/30
F16B5/06 Q
F16B19/00 N
F16B19/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050011
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】山内 裕司
【テーマコード(参考)】
3J001
3J036
5G363
【Fターム(参考)】
3J001FA02
3J001GB01
3J001HA07
3J001JC03
3J001JC13
3J001KA15
3J001KA19
3J001KB02
3J036AA01
3J036BA01
3J036CA01
3J036CA06
5G363AA08
5G363AA11
5G363AA12
5G363BA02
5G363DA13
5G363DA16
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】被固定部材における狭隘な被固定箇所であっても取付部材を安定して固定できる固定部材を提供することを目的とする。
【解決手段】車体パネルPに対して取り付ける第一コネクタ20を固定する固定部材10は、車体パネルPに設けた挿通孔P1に挿通させる挿通軸41と、挿通軸41の先端側から突出し、車体パネルPに係止する係止片42とを有するアンカー40と、車体パネルPに対して係止固定した状態において、車体パネルPと離間する方向に付勢する付勢部50とが備えられ、挿通孔P1に挿通軸41を挿通する下方側HDと直交する第一方向Wとし、付勢部50は、第一方向Wに沿った挿通軸41の外縁よりも内側に配置された基部51と、基部51から延出するとともに、下方側HDに向かうに伴い挿通軸41から離間する付勢片52とを有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被固定部材に対して取り付ける取付部材を固定する固定部材であって、
前記被固定部材に設けた挿通孔に挿通させる挿通軸と、前記挿通軸の先端側から突出し、前記被固定部材に係止する係止片とを有する係止固定部と、
前記被固定部材に対して係止固定した状態において、前記被固定部材と離間する方向に付勢する付勢部とが備えられ、
前記挿通孔に前記挿通軸を挿通する挿通方向と直交する第一方向とし、
前記付勢部は、
前記第一方向に沿った前記挿通軸の外縁よりも内側に配置された基部と、
前記基部から延出するとともに、前記挿通方向に向かうに伴い、前記挿通軸から離間する付勢片とを有する
固定部材。
【請求項2】
前記付勢片に、前記挿通方向に沿って貫通する貫通部が設けられた
請求項1に記載の固定部材。
【請求項3】
前記貫通部は、
前記付勢片と前記挿通軸との間隔を隔てるように、前記付勢片における前記挿通軸の側に設けられた
請求項2に記載の固定部材。
【請求項4】
前記付勢片は、前記第一方向の両側に向けて延出する一対で構成された
請求項1に記載の固定部材。
【請求項5】
前記係止片は、前記挿通方向及び前記第一方向と直交する第二方向に向けて前記挿通軸から延出する
請求項4に記載の固定部材。
【請求項6】
前記付勢片の少なくとも先端部分が、前記挿通方向及び前記第一方向と直交する第二方向に向けて、所定の幅よりも拡幅された
請求項4又は請求項5に記載の固定部材。
【請求項7】
前記挿通軸の基端に、前記取付部材をスライドさせて装着される装着部が設けられた
請求項1に記載の固定部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、車体パネルなどの被固定部材に取付部材を固定する固定部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に配索されるワイヤーハーネスなどの取付部材を保持するとともに、取付部材を車体パネルなどの被固定部材に固定するクランプが知られている。例えば、ワイヤーハーネスを車体パネルに固定する固定部材が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている固定部材は、被固定部材に設けられた挿通孔に挿入される挿入軸と、挿入軸の側方側に設けられて被固定部材の裏面あるいは挿通孔の縁部に引っ掛かる一対の係止爪部とを有する係止固定部と、挿入軸の基端側において、係止爪部とともに被固定部材を挟持する付勢部とが設けられている。
【0004】
近年、車両に搭載される電子機器類の増加や、車両のデザイン性を向上させる目的などにより、挿通孔の縁部などに係止爪部を係止した状態において、付勢片の先端部分が当接する箇所を確保することが困難となるといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、被固定部材における狭隘な被固定箇所であっても取付部材を安定して固定できる固定部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、被固定部材に対して取り付ける取付部材を固定する固定部材であって、前記被固定部材に設けた挿通孔に挿通させる挿通軸と、前記挿通軸の先端側から突出し、前記被固定部材に係止する係止片とを有する係止固定部と、前記被固定部材に対して係止固定した状態において、前記被固定部材と離間する方向に付勢する付勢部とが備えられ、前記挿通孔に前記挿通軸を挿通する挿通方向と直交する第一方向とし、前記付勢部は、前記第一方向に沿った前記挿通軸の外縁よりも内側に配置された基部と、前記基部から延出するとともに、前記挿通方向に向かうに伴い、前記挿通軸から離間する付勢片とを有してもよい。
前記被固定部材は、前記固定部材を固定できれば特に限定はなく、例えば、車体パネルや電気接続箱、プロテクタなど車両に搭載されている電気機器類であってもよい。
【0008】
前記取付部材は、例えば、ワイヤーハーネスや、ワイヤーハーネスに組み付けられたバンド、ワイヤーハーネスの端部に接続されたコネクタ、被固定部材である車体パネルに対して取り付ける電気接続箱、プロテクタなど、被固定部材であるプロテクタや電気接続箱に対して取り付ける車体パネルなどを含む。
前記付勢片は、前記第一方向に向けて延びるように対で構成された場合や、前記挿通軸の外周に沿った環状で構成された場合を含む。
【0009】
この発明によると、付勢片の基端となる基部が、挿通軸の外縁よりも第一方向に沿って内側に配置されているため、第一方向に沿った付勢片の先端を、つまり被固定部材と当接して付勢力を作用させる当接部を、挿通軸の近傍に配置することができる。これにより、第一方向に対して付勢部のコンパクト化を図ることができるため、狭隘な被固定部材であっても、付勢部を確実に当接させて取付部材を安定して固定できる。
【0010】
この発明の態様として、前記付勢片に、前記挿通方向に沿って貫通する貫通部が設けられてもよい。
前記貫通部は、前記挿通方向に貫通していれば、設けられた場所に限定はなく、例えば、前記挿通軸の側や前記挿通軸と反対側に設けられている場合や、前記挿通方向及び前記第一方向と直交する方向の側に設けられている場合を含む。
【0011】
この発明により、付勢片の剛性を低下させることができるため、付勢片の変形性を向上させることができる。したがって、挿通孔に挿通軸を容易に挿通できるとともに、被固定部材に対して当接した状態において、付勢片を確実に付勢させることができる。
【0012】
またこの発明の態様として、前記貫通部は、前記付勢片と前記挿通軸との間隔を隔てるように、前記付勢片における前記挿通軸の側に設けられてもよい。
この発明により、挿通孔に挿通軸を容易に挿通できるとともに、被固定部材に対して付勢片の当接部を当接した状態において確実に付勢片を付勢させることができる。
【0013】
詳述すると、付勢片が挿通軸と連結されている場合に、付勢片において挿通軸に連結された部分によって付勢片の変形が拘束される。これに対して、前記付勢片と前記挿通軸との間隔を隔てるように付勢片に貫通部を設けることにより、挿通軸との連結による拘束を軽減させることができる。したがって、付勢片のコンパクト化を図りつつ、付勢力を緩和することができるため、付勢片が被固定部材に対して当接した状態において確実に付勢できるとともに、容易に挿通軸を挿通孔に挿通させることができる。
【0014】
また、貫通部が基部との境界部分を貫通する貫通孔で構成されている場合には、付勢片の先端部分が一体に連結されることとなる。これにより、被固定部材と当接する当接部の面積を拡大することができ、付勢片が被固定部材に対して当接した状態を安定させることができる。したがって、固定部材のがたつきを抑制できる。さらにまた、付勢片の先端部分が一体に連結されているため、被固定部材に配索されたワイヤーハーネスを付勢片の先端部分で噛み込むことを抑制できる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記付勢片は、前記第一方向の両側に向けて延出する一対で構成されてもよい。
この発明により、前記挿通方向及び前記第一方向と直交する方向に対してコンパクト化を図ることができるため、狭隘な被固定部材であっても取付部材をより安定して固定できる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記係止片は、前記挿通方向及び前記第一方向と直交する第二方向に向けて前記挿通軸から延出してもよい。
この発明によると、係止片が係止する方向と直交する方向に対して付勢することができるため、固定部材が傾くことなく被固定部材に固定できる。したがって、狭隘な被固定部材であっても取付部材をより安定して固定することができる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記付勢片の少なくとも先端部分が、前記挿通方向及び前記第一方向と直交する第二方向に向けて、所定の幅よりも拡幅されてもよい。
上述の所定の幅とは、前記付勢片が前記車体パネルに当接された状態において、要求される最低限の付勢力を確保することができる幅をさす。
【0018】
上述の拡幅とは、先端部分のみを拡幅させた場合のみならず、全体を拡幅させた場合を含む。
【0019】
この発明により、要求される付勢力を維持できるとともに、拡幅した先端部分を被固定部材に当接させることができるため、狭隘な被固定部材であっても取付部材をより安定して固定することができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記挿通軸の基端に、前記取付部材をスライドさせて装着される装着部が設けられてもよい。
この発明により、装着部に取付部材をスライドさせるだけで、容易に取付部材を固定部材に装着することができるため、装着作業の作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、被固定部材における狭隘な被固定箇所であっても取付部材を安定して固定できる固定部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の一実施形態を、以下
図1乃至
図8とともに説明する。
図1は車体パネルPに固定されたハーネス固定構造1の概略斜視図を示し、
図2はハーネス固定構造1の概略分解斜視図を示す。
図3乃至
図5は固定部材10の説明図を示し、
図6は第一コネクタ20の説明図を示す。
図7及び
図8は車体パネルPに固定したハーネス固定構造1の説明図を示す。なお、
図1及び
図2はハーネス固定構造1を前方側LFかつ上方側HUから視た概略斜視図を示す。
【0024】
図3乃至
図8について詳述する。
図3(a)は固定部材10の概略正面図を示し、
図3(b)は固定部材10の概略底面図を示し、
図4(a)は固定部材10の概略側面図を示し、
図4(b)は
図3(b)におけるA-A矢視断面図を示し、
図5(a)は
図3(b)におけるB-B矢視断面図を示し、
図5(b)は固定部材10の概略平面図を示す。
【0025】
図6(a)は第一コネクタ20を後方側LBかつ上方側HUから視た概略斜視図を示し、
図6(b)は第一コネクタ20の概略底面図を示し、
図6(c)は
図6(b)におけるC-C矢視断面図を示す。
図7(a)は車体パネルPに固定したハーネス固定構造1の概略正面図を示し、
図7(b)及び
図8は車体パネルPに固定したハーネス固定構造1の概略断面図を示す。なお、
図7(b)はA-A矢視断面に対応する断面図を示し、
図8はB-B矢視断面に対応する断面図を示す。
【0026】
ここで、車体パネルPに設けた挿通孔P1が貫通する方向を上下方向Hとし、上下方向Hと直交するとともに、挿通孔P1の長軸に沿った方向を第一方向Wとする。また、第一方向W及び上下方向Hと直交するとともに、挿通孔P1の短軸に沿った方向を第二方向Lとする。そして、
図1において、第二方向Lに沿って左方を前方側LFとし、右方を後方側LBとし、第一方向Wに沿って左方を左側WLとし、右方を右側WRとする。また、上下方向Hに沿って下方を下方側HDとし、上方を上方側HUとする。上述の方向は、
図2乃至
図9において対応する方向を同様とする。
【0027】
ハーネス固定構造1は、
図1に示すように、車体パネルPに固定する固定部材10と、固定部材10に装着された第一コネクタ20と、第一コネクタ20に接続された第二コネクタ30とで構成されており、車体パネルPに設けた挿通孔P1に対して固定部材10を固定することにより、第一コネクタ20及び第二コネクタ30に接続された第一電線WH1及び第二電線WH2の位置を規制している。
【0028】
車体パネルPは、車体ボディを構成するパネルであり、車両の凹凸形状に合わせて直線部分と湾曲部分とが組み合わさった三次元的な形状をしている。この車体パネルPには、上方側HUに向けて突出した狭隘な平面部分を有し、この平面部分に固定部材10を挿通させて固定するための略長円状の挿通孔P1が設けられている。
【0029】
挿通孔P1は、第一方向Wに沿った長軸を有するとともに、第二方向Lに沿った短軸を有し、短軸側に丸みを有する略長円状の貫通孔であり、車体パネルPを板厚方向(上下方向H)に沿って貫通させて形成されている。なお、挿通孔P1の長軸方向に沿った長さは、短軸方向に沿った長さのおよそ二倍となっている。
【0030】
第一電線WH1及び第二電線WH2は、導体を絶縁被膜で囲繞した被覆電線を束ねたものである。なお、第一電線WH1及び第二電線WH2には、通信ケーブルを含んでもよく、また、通信ケーブルのみで構成されていてもよい。
【0031】
固定部材10は、
図2乃至
図5に示すように、略長方形状に構成された挿通孔P1に挿通させるアンカー40と、車体パネルPにおける上方側HUの面に当接する付勢部50と、第一コネクタ20を装着する装着部60とで一体に構成されており、アンカー40、付勢部50及び装着部60が下方側HDから上方側HUに向かってこの順に並んで配置されている。
【0032】
アンカー40は、
図2、
図3及び
図4に示すように、上下方向Hに沿った中空状の柱状体である挿通軸41と、挿通軸41の下端部分から第二方向Lに向けて延出する一対の係止片42とで構成されている。
【0033】
挿通軸41は、挿通孔P1と同形状の底面を有する中空状の柱状体であり、上下方向Hに沿って挿通孔P1に挿通可能に構成されている。詳しくは、挿通軸41は、第一方向Wに沿った長軸と、第二方向Lに沿った短軸とを有する略長円状の底面を有する柱状体であり、
図3(b)、
図4(b)及び
図5(a)に示すように、底面の中央部分に上下方向Hに沿った凹部411が設けられているとともに、第一方向Wの中央部分を第二方向Lに沿って貫通する軸貫通部412を有する。
【0034】
凹部411は、
図3(b)、
図4(b)及び
図5(a)に示すように、挿通軸41の底面の中央部分を上下方向Hに沿って略矩形状に形成された穴であり、下方側HDの端部から上方側HUの端部にわたって設けられている。
【0035】
軸貫通部412は、
図3(a)、
図4(b)及び
図5(a)に示すように、第一方向Wの中央部分を第二方向Lに沿って貫通する貫通孔を形成している。すなわち、軸貫通部412は、中空状で構成された挿通軸41における下端部分を第二方向Lに沿って連結させた状態で、挿通軸41の上方部分を第一方向Wに沿って分断している。ここで、軸貫通部412に分断された挿通軸41のうち、左側WLを左方側軸部41aとし、右側WRを右方側軸部41bとする。また左方側軸部41aと右方側軸部41bとの下端を連結する部位を下端連結部41cとする。
【0036】
このような軸貫通部412によって分断された挿通軸41の上端部分には、
図3(a)、
図4(b)及び
図5(a)に示すように、第一方向Wに沿って分断された左方側軸部41a及び右方側軸部41bを連結する立壁部413が設けられている。
【0037】
立壁部413は、凹部411における短辺のおよそ半分の板厚を有するとともに、挿通軸41における上下方向Hのおよそ四分の一の高さを有する板状体であり、左方側軸部41a及び右方側軸部41bの上端部分における第二方向Lの中央部分を第一方向Wに沿って連結している。
【0038】
そして、立壁部413における第一方向Wの両端部分には、
図3(a)、
図4(b)及び
図5(a)に示すように、左側受止部414と右側受止部415とが第一方向Wに所定の間隔を隔てて設けられている。
【0039】
左側受止部414は、左側WLに設けられた板状体であり、立壁部413における後方側LBの主面から下方側HDに向けて延出している。なお、左側受止部414の上下方向Hの長さは、挿通軸41における上下方向Hの長さの三分の一ほどである。
【0040】
右側受止部415は、右側WRに設けられた板状体であり、立壁部413における前方側LFの主面から下方側HDに向けて延出している。この右側受止部415は、立壁部413における第一方向Wの中央を上下方向Hに沿って通る軸を回転軸として、左側受止部414と回転対称となる板状体である。
【0041】
係止片42は、左方側軸部41aと右方側軸部41bとを第一方向Wに沿って連結する下端連結部41cから上下方向Hに沿って立設している。詳述すると、係止片42は、
図3(a)、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、下端連結部41cにおける第一方向Wの中央部分から、上方側HUに向かうに伴い第二方向Lの外側に向けて突出するように板厚が厚くなっている。すなわち、係止片42は、上方側HUに向かうに伴い第二方向Lの外側に向けて傾斜する断面略三角形状をしており、挿通軸41の外縁よりも第二方向Lに向けて突出している。
【0042】
また、
図4(b)に示すように、係止片42の内側面は凹部411と面一となっている。すなわち、一対の係止片42は、凹部411が形成する空間を隔てて対向するように設けられている。
【0043】
一対の係止片42の上端には、第二方向Lの内側から上方側HUに向けて突出する凸部421が設けられている。なお、一対の係止片42における前方側LFの係止片42(前方係止片42aとする。)に設けられた凸部421は、第一方向Wの中央よりも左側WLに設けられており、左側受止部414と対向している。一方、後方側LBの係止片42(後方係止片42bとする。)に設けられた凸部421は、第一方向Wの中央よりも右側WRに設けられ、右側受止部415と対向している。
【0044】
また、一対の係止片42は、凹部411が形成する空間を隔てて設けられているため、第二方向Lの外側に外力が作用することにより、軸貫通部412との連結部分を軸として、第二方向Lの内側に弾性変形可能に構成されている。
【0045】
このように構成された一対の係止片42は、挿通軸41を挿通孔P1に挿入することで、挿通孔P1の縁部と当接し、第二方向Lの内側に弾性変形することとなる。そして、係止片42の第二方向Lの先端部分が、挿通孔P1を超えることで、挿通孔P1の縁部に係止される(
図7(b)及び
図8参照)。
【0046】
なお、係止片42が過度に弾性変形しないように、係止片42が第二方向Lの内側に向かって所定の角度まで弾性変形した場合に、凸部421がそれぞれ対向する左側受止部414及び右側受止部415に当接する。
【0047】
付勢部50は、
図3(a)、
図3(b)及び
図5(a)に示すように、挿通軸41の上方側HUに設けられた平面視矩形状の略板状片であり、挿通軸41の上端部分と連結する基部51と、基部51から第一方向Wの外側に向けて延出する一対の付勢片52とで構成されている。
【0048】
基部51は、挿通軸41の長軸よりも短い短辺と、挿通軸41の短軸よりも長い長辺とを有する底面視略矩形状で構成され、挿通軸41の上端部分を第二方向Lに沿って貫通している。すなわち、基部51は、第二方向Lから視て、挿通軸41の外縁よりも第一方向Wの内側に配置されている(
図3(a)参照)。
【0049】
詳述すると、基部51は、
図3(a)及び
図4(b)に示すように、挿通軸41における第一方向Wの中央部分を第二方向Lに沿って貫通する平板状の平板基部511と、平板基部511における第一方向Wの両端から上方側HUに向けて立設する立設基部512とで構成されている。
【0050】
平板基部511は、挿通軸41の長軸よりも短い短辺と、挿通軸41の短軸よりも長い長辺とを有する平面視略長方形状の平板であり、左方側軸部41a及び右方側軸部41bとを跨ぐように第二方向Lに沿って挿通軸41を貫通している。なお、立壁部413の上面は、平板基部511の下面と連結している。
【0051】
立設基部512は、
図3(a)及び
図4(b)に示すように、前方側LFを除いた平板基部511の三辺の外縁から上方側HUに立設している。なお、立設基部512の第一方向Wの内側端面は、軸貫通部412と面一となっている(
図3(a)参照)。
【0052】
付勢片52は、
図5(a)に示すように、下方側HDに向かうに伴い挿通軸41から離間するように第一方向Wに向けて対となって延出している。詳述すると、付勢片52は、第一方向Wの外側に向かうに伴い、下方側HDに向けて急となるような断面円弧状に構成されている。
【0053】
また、付勢片52の幅(第一方向Wに沿った長さ)は、平板基部511の長辺と等しい長さである。この付勢片52の幅は、車体パネルPに対してアンカー40を係止固定した状態において、付勢片52の先端部分(以下において、当接部52aとする。)が当接することで、第一コネクタ20及び第二コネクタ30を車体パネルPに固定するにあたり所望の付勢力を付勢片52に付与できる幅よりも大きな幅となっている。
【0054】
このように係止片42が突出する方向(第二方向L)と直交する方向(第一方向W)に延出している付勢片52には、
図3(b)、
図4(b)及び
図5(a)に示すように、平板基部511との境界部分の中央を上下方向Hに沿って貫通する片貫通部53が設けられている。
【0055】
片貫通部53は、挿通軸41における第二方向Lの長さよりも長い辺を有する底面視矩形状の貫通孔である。すなわち、片貫通部53は、第二方向Lの中央部分において、付勢片52と挿通軸41とが所定の間隔を隔てるように、付勢片52における挿通軸41の側を上下方向Hに沿って貫通している。このような片貫通部53を付勢片52に設けることにより、挿通軸41と付勢片52との連結部分を減らし、付勢片52の剛性を低下させている。
【0056】
装着部60は、第一コネクタ20をスライドさせて係止固定できるように構成されている。詳述すると、装着部60は、上方側HUが開口した装着部本体61と、装着部本体61から延出する被係止部62とで構成されている。
【0057】
装着部本体61は、平面視略長方形状で構成された平板状の底面部611と、底面部611の外縁における第一方向Wの両端及び後方側LBの端部から立設する外壁部612とで構成された、前方側LF及び上方側HUに開口を有する略直方体の筐体である。なお、装着部本体61と付勢部50との前方側LFの端部は、面一となっている。
【0058】
底面部611は、
図3(a)、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、平板基部511の第二方向Lに沿った長さよりも長い長辺を有するとともに、挿通軸41の第一方向Wに沿った長さよりもわずかに長い短辺を有する略長方形状の平板である。
【0059】
このように構成された底面部611の底面には、
図3(a)及び
図5(a)に示すように、軸貫通部412によって第一方向Wに分断された左方側軸部41a及び右方側軸部41bと、平板基部511の外縁から立設する立設基部512とが連結している。
なお、底面部611における立設基部512との連結部分には、上下方向Hに沿って貫通させた板孔613が設けられている。すなわち、底面部611と立設基部512と平板基部511とが、第二方向Lに沿った窪みを装着部60の前方側LFに形成している。
【0060】
被係止部62は、第一コネクタ20を係止固定するための、いわゆるスルー構造であって、
図4(b)、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、第一方向Wに沿って互いに所定の間隔を隔てた一対の延出片621と、一対の延出片621を第一方向Wに沿って連結する連結被係止部622とで、平面視略H字状に形成されている。
【0061】
一対の延出片621は、第一方向Wに沿って互いに所定の間隔を隔てており、外壁部612における前方側LFの端部から後方側LBの端部近傍まで第二方向Lに沿って延出している。
連結被係止部622は、底面部611と連結する挿通軸41と対応する位置において、一対の延出片621を第一方向Wに沿って連結している。
【0062】
第一コネクタ20は、
図6(a)、
図6(b)及び
図6(c)に示すように、第一電線WH1の一端に接続された直方体状のメス型コネクタであり、第一電線WH1の端部に接続された接続端子(図示省略)を挿入して装着する第一電線装着口21を有するとともに、第一電線WH1と接続された側の反対側に、第二コネクタ30を挿入する開口部22が設けられている。
【0063】
また、第一コネクタ20には、装着部60と係止固定するコネクタ固定部23が設けられている。
コネクタ固定部23は、装着部60に係止固定するための、いわゆるスルー構造であって、
図6(b)及び
図6(c)に示すように、第一コネクタ20における第一方向Wの両端から下側Hdに向けて突出する一対の突出部231と、一対の突出部231を連結する連結部232と、連結部232から延出する係止部233とを備えている。
【0064】
突出部231は、第一コネクタ20の底面部分における、第一方向Wの両端から下側Hdに向けて、外壁部612の高さと同じ長さだけ突出している。なお、突出部231の上下方向Hの中央部分には、延出片621の板厚と等しい幅の溝が形成されている。
【0065】
連結部232は、突出している一対の突出部231の前方側LFにおいて、突出部231における下側Hdの端部を直交方向に連結している。すなわち、連結部232と第一コネクタ20の底面間には所定の間隔が設けられている。
係止部233は、可撓性を有する板状体であり、連結部232における第一方向Wの中央部分から後方側LBに向けて延出しており、先端が上側Huに向けて突出している。
【0066】
第二コネクタ30は、第二電線WH2の一端に接続された直方体状のオス型コネクタであり、第二電線WH2の端部に接続された接続端子(図示省略)を挿入して装着する第二電線装着口31を有する(
図2参照)とともに、第一コネクタ20に対して嵌合可能に構成されている。
【0067】
このように構成された固定部材10は、第一電線WH1が接続された第一コネクタ20を装着部60に装着するとともに、第二電線WH2が接続された第二コネクタ30を第一コネクタ20に対して嵌合させることができる。これにより、第一電線WH1と第二電線WH2とが電気的に接続された状態で固定部材10に取り付けられる。
【0068】
詳述すると、突出部231が底面部611に載置されるように、第一コネクタ20を装着部60の前方側LFから後方側LBに向けてスライド移動させることにより、突出部231に設けた溝に延出片621が嵌まり込むとともに、係止部233の先端部分が連結被係止部622に係止される。これにより、第一コネクタ20を装着部60に装着することができる。そして、装着部60に装着された第一コネクタ20における開口部22に第二コネクタ30を挿入することで、第一コネクタ20と第二コネクタ30とを接続し、第一電線WH1と第二電線WH2とを電気的に接続することができる。
【0069】
このように第一コネクタ20を装着した固定部材10は、
図7及び
図8に示すように、挿通孔P1に対してアンカー40を挿通させることで、車体パネルPの下方側HDにおいて係止片42が挿通孔P1の縁部と係止されるとともに、車体パネルPの上方側HUにおいて当接部52aが車体パネルPと当接する。これにより、車体パネルPに固定部材10を取り付けて固定することができる。このように固定部材10を車体パネルPに係止固定した状態において、付勢片52は車体パネルPと離間する方向(上方側HU)に付勢する。
【0070】
ここで、付勢片52は、第二方向Lから視て挿通軸41の外縁よりも第一方向Wの内側に配置されている基部51から第一方向Wに向けて延出している。すなわち、付勢部50は、第一方向Wに対してコンパクトな形状となっている。これにより、
図7(a)及び
図8に示すように、車体パネルPにおける狭隘な被固定箇所であっても、車体パネルPに付勢片52の先端(当接部52a)を確実に当接させることができる。したがって、車体パネルPに対して第一コネクタ20及び第二コネクタ30を係止固定した状態において、付勢部50は車体パネルPと離間する方向に付勢することができる。
【0071】
また、挿通軸41と付勢片52との連結部分に片貫通部53が設けられているため、付勢片52の剛性を低下させることができ、付勢片52の変形性を向上させることができる。これにより、アンカー40を挿通孔P1に挿通させて係止固定する際に、付勢片52による抵抗を低減させることができるため、容易に挿通軸41を挿通孔P1に挿通させ、挿通孔P1の縁部に係止片42を係止させることができる。
【0072】
また、挿通軸41と付勢片52との連結部分に片貫通部53が設けられていることから、当接部52aは第二方向Lに分断されることなく第二方向Lに沿って連続している。これにより、当接部52aの車体パネルPと当接する面積を確保することができるため、第一コネクタ20及び第二コネクタ30を安定して固定することができる。
【0073】
さらにまた、付勢片52の延出方向と係止片42の突出方向とが互いに直交しているため、付勢片52は係止片42が車体パネルPと係止する方向(第二方向L)と直交する第一方向Wに対して付勢することができる。このため、固定部材10に取り付けられた第一コネクタ20及び第二コネクタ30を、車体パネルPに対して傾くことなく固定することができる。これにより、固定部材10は、第一コネクタ20及び第二コネクタ30を車体パネルPに対して取り付けることができる。
【0074】
このように、車体パネルPに対して取り付ける第一コネクタ20を固定する固定部材10は、車体パネルPに設けた挿通孔P1に挿通させる挿通軸41と、挿通軸41の先端側から突出し、車体パネルPに係止する係止片42とを有するアンカー40と、車体パネルPに対して係止固定した状態において、車体パネルPと離間する方向に付勢する付勢部50とが備えられている。そして、挿通孔P1に挿通軸41を挿通する下方側HDと直交する第一方向Wとし、付勢部50は、第一方向Wに沿った挿通軸41の外縁よりも内側に配置された基部51と、基部51から延出するとともに、下方側HDに向かうに伴い、挿通軸41から離間する付勢片52とを有している。
【0075】
このように、付勢片52の基端となる基部51が、挿通軸41の外縁よりも第一方向Wに沿って内側に配置されているため、第一方向Wに沿った付勢片52の先端を、つまり車体パネルPと当接して付勢力を作用させる当接部52aを、挿通軸41の近傍に配置することができる。これにより、第一方向Wに対して付勢部50のコンパクト化を図ることができるため、狭隘な車体パネルPであっても、付勢部50を確実に当接させて第一コネクタ20を安定して固定できる。
【0076】
また、付勢片52に、下方側HDに沿って貫通する片貫通部53が設けられていることにより、付勢片52の剛性を低下させることができるため、付勢片52の変形性を向上させることができる。したがって、挿通孔P1に挿通軸41を容易に挿通できるとともに、車体パネルPに対して当接した状態において、付勢片52を確実に付勢させることができる。
【0077】
さらにまた、片貫通部53は、付勢片52と挿通軸41との間隔を隔てるように、付勢片52における挿通軸41の側に設けられている。これにより、挿通孔P1に挿通軸41を容易に挿通できるとともに、車体パネルPに対して当接部52aを当接した状態において確実に付勢片52を付勢させることができる。
【0078】
詳述すると、付勢片52が挿通軸41と連結されている場合には、付勢片52において挿通軸41に連結された部分によって付勢片52の変形が拘束されている。これに対して、付勢片52と挿通軸41との間隔を隔てるように付勢片52に片貫通部53を設けることにより、挿通軸41との連結による拘束を軽減させることができる。したがって、付勢片52のコンパクト化を図りつつ、付勢力を緩和することができるため、付勢片52が車体パネルPに対して当接した状態において確実に付勢できるとともに、容易に挿通軸41を挿通孔P1に挿通させることができる。
【0079】
また、片貫通部53が基部51との境界部分を貫通しているため、付勢片52の先端部分である当接部52aは第二方向Lに沿って一体に連結されている。これにより、車体パネルPと当接する当接部52aの面積を拡大することができ、付勢片52が車体パネルPに対して当接した状態を安定させることができる。したがって、固定部材10のがたつきを抑制できる。さらにまた、当接部52aが一体に連結されているため、車体パネルPに配索されたワイヤーハーネスを付勢片52の先端部分で噛み込むことを抑制できる。
【0080】
また、付勢片52は、第一方向Wの両側に向けて延出する一対で構成されていることにより、第二方向Lに対してコンパクト化を図ることができる。したがって、狭隘な車体パネルPであっても第一コネクタ20をより安定して固定できる。
【0081】
さらにまた、係止片42は、下方側HD及び第一方向Wと直交する第二方向Lに向けて挿通軸41から延出している。これにより、係止片42が係止する方向と直交する方向に対して付勢することができるため、固定部材10が傾くことなく車体パネルPに固定できる。したがって、狭隘な車体パネルPであっても第一コネクタ20をより安定して固定することができる。
【0082】
また、付勢片52の少なくとも先端部分が、下方側HD及び第一方向Wと直交する第二方向Lに向けて、所定の幅よりも拡幅されている。すなわち、付勢片52の幅は、付勢片52が車体パネルPに当接された状態において、要求される最低限の付勢力を確保することができる幅よりも大きな幅である。
【0083】
このように、付勢片52は所定の幅よりも拡幅されているため、要求される付勢力を維持できるとともに、拡幅した付勢片52における当接部52aを車体パネルPに当接させることができる。したがって、付勢片52における車体パネルPに当接する面積を広くすることができ、狭隘な車体パネルPであっても第一コネクタ20をより安定して固定することができる。
【0084】
さらにまた、挿通軸41の基端に、第一コネクタ20をスライドさせて装着される装着部60が設けられていることにより、装着部60に第一コネクタ20をスライドさせるだけで、容易に第一コネクタ20を固定部材10に装着することができるため、装着作業の作業性を向上させることができる。
【0085】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の被固定部材は、実施形態の車体パネルPに対応し、以下同様に、
取付部材は、第一コネクタ20に対応し、
固定部材は、固定部材10に対応し、
挿通孔は、挿通孔P1に対応し、
挿通軸は、挿通軸41に対応し、
係止片は、係止片42に対応し、
係止固定部は、アンカー40に対応し、
付勢部は、付勢部50に対応し、
挿通方向は、下方側HDに対応し、
第一方向は、第一方向Wに対応し、
基部は、基部51に対応し、
付勢片は、付勢片52に対応し、
貫通部は、片貫通部53に対応し、
第二方向は、第二方向Lに対応し、
装着部は、装着部60に対応するが、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
【0086】
例えば、本実施形態において、固定部材10を固定する箇所を車体のボディパネルである車体パネルPとしているが、車体パネルPに限定することなく、例えば、電気接続箱、プロテクタなど車両に搭載されている電気機器類であってもよい。
【0087】
また、挿通孔P1が設けられた箇所を、車体パネルPにおける狭隘な箇所としているが、固定部材10は狭隘な箇所のみならず、付勢片52を当接する箇所が十分に確保できる広大な箇所に設けてもよい。
【0088】
また、本実施形態において、装着部60に装着される取付部材を第一コネクタ20としているが、例えば、電気接続箱やプロテクタなどの電子機器類を装着部60に装着し、車体パネルPに固定してもよい。また、車体パネルPや電線が配索するパネルなどにコネクタ固定部23に対応する構成を設け、装着部60と装着させ、アンカー40を電気接続箱などの電気機器類に固定してもよい。
【0089】
さらにまた、装着部60の代わりに、電線を束ねたワイヤーハーネスやワイヤーハーネスを取り付けたプロテクタなどに巻き回して固定するバンドクランプなどとしてもよい。
【0090】
また、本実施形態において、付勢片52は基部51から第一方向Wに向けて延びるように対となって構成されているが、この構成に限定されず、挿通軸41の外周に沿った環状の傘形状で構成されていてもよい。
【0091】
なお、本実施形態において、基部51の一部が挿通軸41と連結しているが、基部51は装着部本体61とのみ連結し、片貫通部53を挿通軸41が挿通する構成であっても構わない。
【0092】
さらにまた、本実施形態において、付勢片52の幅を、付勢片52が車体パネルPに当接された状態において、要求される最低限の付勢力を確保することができる幅よりも大きな幅としているが、例えば、付勢片52の幅を、付勢片52が車体パネルPに当接された状態において、要求される最低限の付勢力を確保することができる幅と同じ幅としてもよい。この場合において、
図9に示すように、付勢片52の少なくとも先端部分(当接部52a)のみを拡幅させてもよい。これにより、当接部52aと車体パネルPとの当接面積を十分に確保し、狭隘な車体パネルPであっても第一コネクタ20をより安定して固定することができる。
【0093】
また、本実施形態において、片貫通部53は、基部51と付勢片52との境界部分に設けているが、例えば付勢片52の第一方向Wの中央部分や、付勢片52の先端部分、付勢片52における第二方向Lの端部などに設けてもよい。
【符号の説明】
【0094】
10…固定部材
20…第一コネクタ
40…アンカー
41…挿通軸
42…係止片
50…付勢部
51…基部
52…付勢片
53…片貫通部
60…装着部
L…第二方向
P…車体パネル
W…第一方向
HD…下方側
P1…挿通孔