(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139762
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】バッテリモジュール及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20241002BHJP
【FI】
H02J7/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024049758
(22)【出願日】2024-03-26
(31)【優先権主張番号】10-2023-0040053
(32)【優先日】2023-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0078921
(32)【優先日】2023-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】高 正協
(72)【発明者】
【氏名】沈 相奉
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA03
5G503BB01
5G503GA01
5G503HA01
(57)【要約】
【課題】バッテリモジュール及びその動作方法を提供する。
【解決手段】複数のバッテリセルを有するバッテリ、複数のバッテリセルにそれぞれ連結される複数のバランシング抵抗、複数のバッテリセルと複数のバランシング抵抗にそれぞれ連結される複数のバランシングスイッチ、及び複数のバランシングスイッチをそれぞれ制御することで、複数のバッテリセルについてセルバランシングを行うアナログフロントエンドを含むバッテリモジュール。アナログフロントエンドは、第1バッテリ管理装置から、エイジングデューティ値及びエイジング期間設定値を有する単独エイジング命令を受信し、単独エイジング命令のエイジング期間の間にエイジングデューティ値によって複数のバランシングスイッチを制御し、エイジング期間が経過すれば、複数のバランシングスイッチをいずれもターンオフして、シャットダウンモードで動作するように構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリセルを有するバッテリと、
前記複数のバッテリセルにそれぞれ連結される複数のバランシング抵抗と、
前記複数のバッテリセルと前記複数のバランシング抵抗にそれぞれ連結される複数のバランシングスイッチと、
前記複数のバランシングスイッチをそれぞれ制御することで、前記複数のバッテリセルについてセルバランシングを行うアナログフロントエンドと、を含み、
前記アナログフロントエンドは、第1バッテリ管理装置から、エイジングデューティ値及びエイジング期間設定値を有する単独エイジング命令を受信し、前記単独エイジング命令のエイジング期間の間に前記エイジングデューティ値によって前記複数のバランシングスイッチを制御し、前記エイジング期間が経過すれば、前記複数のバランシングスイッチをいずれもターンオフして、シャットダウンモードで動作するように構成される
ことを特徴とするバッテリモジュール。
【請求項2】
前記アナログフロントエンドは、前記エイジングデューティ値によるターンオン時間の間に前記バランシングスイッチをターンオンし、前記エイジングデューティ値によるターンオフ時間の間に前記バランシングスイッチをターンオフする過程を、前記エイジング期間の間に繰り返すように構成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項3】
前記エイジング期間の間に前記バランシングスイッチのうち一部は、残りとはターンオンタイミングが相異なることを特徴とする請求項2に記載のバッテリモジュール。
【請求項4】
前記エイジング期間の間に前記バランシングスイッチは、既定の順序によって順次にターンオンを開始することを特徴とする請求項2に記載のバッテリモジュール。
【請求項5】
前記複数のバランシングスイッチは、交互に配置される第1バランシングスイッチと第2バランシングスイッチを含み、
前記アナログフロントエンドは、前記エイジングデューティ値によるターンオン時間の間に、前記第1バランシングスイッチを同時にターンオンし、前記エイジングデューティ値によるターンオフ時間の間に、前記第1バランシングスイッチを同時にターンオフし、前記ターンオン時間の間に、前記第2バランシングスイッチを同時にターンオンし、前記ターンオフ時間の間に、前記第2バランシングスイッチを同時にターンオフする過程を、前記エイジング期間の間に繰り返すように構成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項6】
前記アナログフロントエンドは、第2バッテリ管理装置の連結が感知されれば、前記単独エイジング命令の前記エイジングデューティ値及び前記エイジング期間設定値と、前記複数のバッテリセルのセル電圧値とを前記第2バッテリ管理装置に伝送するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項7】
前記アナログフロントエンドは、単独エイジングを行っている最中、第2バッテリ管理装置の連結が感知されれば、前記単独エイジングを終了するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項8】
前記複数のバッテリセルそれぞれは、対応するバランシングスイッチを通じて対応するバランシング抵抗と並列に連結されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項9】
前記アナログフロントエンドは、
前記複数のバランシングスイッチと、
前記複数のバランシングスイッチを制御するバランシング制御回路と、
前記第1バッテリ管理装置から単独エイジング命令を受信し、前記エイジング期間の間に前記バランシング制御回路を用いて単独エイジングを行い、前記エイジング期間が経過すれば、前記シャットダウンモードで動作するように構成されるコントローラと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項10】
複数のバッテリセルを有するバッテリ、前記複数のバッテリセルにそれぞれ連結される複数のバランシング抵抗と複数のバランシングスイッチ、及び前記複数のバランシングスイッチをそれぞれ制御するアナログフロントエンドを含むバッテリモジュールの動作方法において、
第1バッテリ管理装置からエイジングデューティ値及びエイジング期間設定値を有する単独エイジング命令を受信するステップと、
前記単独エイジング命令のエイジング期間の間に、前記エイジングデューティ値によって前記複数のバランシングスイッチを制御するステップと、
前記エイジング期間が経過すれば、前記複数のバランシングスイッチをいずれもターンオフしてシャットダウンモードで動作するステップと、を含む、バッテリモジュールの動作方法。
【請求項11】
第2バッテリ管理装置の連結を感知するステップと、
前記複数のバッテリセルのセル電圧を感知するステップと、
前記単独エイジング命令の前記エイジングデューティ値及び前記エイジング期間設定値と、前記複数のバッテリセルのセル電圧値とを前記第2バッテリ管理装置に伝送するステップと、をさらに含む、請求項10に記載のバッテリモジュールの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリモジュール及びその動作方法に係り、さらに詳細には、単独エイジングを行えるバッテリモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、バッテリパックの形態で、エネルギー保存システム、電気車両(EV、Electric Vehicle)またはハイブリッド車両(HEV、Hybrid Electric Vehicle)などに多様に使われている。
【0003】
バッテリパックは、バッテリモジュールとバッテリ管理装置を含む。バッテリモジュールは、バッテリとアナログフロントエンド(AFE、Analog front end)を含み、バッテリ管理装置は、AFEを通じてバッテリを管理することができる。バッテリモジュールが生産されれば、別途のエイジングなしに納品されるか、一部サンプルのみについて短い時間エイジングが行われた後で納品されている。納品されたバッテリモジュールは、バッテリ管理装置と共にバッテリパックに組み立てられて、エネルギー保存システムなどに設けられる。
【0004】
エイジングを省略する場合、初期設置時には、バッテリモジュールに不良が発生しないとしても、一定時間運転後に不良の発生する場合がある。生産されたバッテリモジュール全体について、相当な時間エイジングを行うためには、エイジングを行うための設備と空間が必要であり、エイジング自体にも相当な時間がかかる。
【0005】
バッテリモジュールを生産した後、強制的にAFEを動作させてエイジングを行う方法の場合、バッテリモジュールが生産されてから設けられるまでの期間がそれぞれ異なるため、バッテリモジュールのモジュール電圧及び充電状態が変わるという問題が発生する。モジュール電圧を均等に合わせた後で組み立てを始めねばならないため、設置時間が長くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、設置時に不良バッテリモジュールを容易に選別するように、生産後に単独エイジング(stand-alone aging)を行えるバッテリモジュール及びその動作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によるバッテリモジュールは、複数のバッテリセルを有するバッテリ、前記複数のバッテリセルにそれぞれ連結される複数のバランシング抵抗、前記複数のバッテリセルと前記複数のバランシング抵抗にそれぞれ連結される複数のバランシングスイッチ、及び前記複数のバランシングスイッチをそれぞれ制御することで、前記複数のバッテリセルについてセルバランシングを行うアナログフロントエンドを含む。前記アナログフロントエンドは、第1バッテリ管理装置から、エイジングデューティ値及びエイジング期間設定値を有する単独エイジング命令を受信し、前記単独エイジング命令のエイジング期間の間に前記エイジングデューティ値によって前記複数のバランシングスイッチを制御し、前記エイジング期間が経過すれば、前記複数のバランシングスイッチをいずれもターンオフして、シャットダウンモードで動作するように構成される。
【0008】
一例によれば、前記アナログフロントエンドは、前記エイジングデューティ値によるターンオン時間の間に前記バランシングスイッチをターンオンし、前記エイジングデューティ値によるターンオフ時間の間に前記バランシングスイッチをターンオフする過程を、前記エイジング期間の間に繰り返すように構成される。
【0009】
他の例によれば、前記エイジング期間の間に前記バランシングスイッチのうち一部は、残りとはターンオンタイミングが相異なる。
【0010】
さらに他の例によれば、前記エイジング期間の間に前記バランシングスイッチは、既定の順序によって順次にターンオンを開始する。
【0011】
さらに他の例によれば、前記複数のバランシングスイッチは、交互に配置される第1バランシングスイッチと第2バランシングスイッチを含む。前記アナログフロントエンドは、前記エイジングデューティ値によるターンオン時間の間に、前記第1バランシングスイッチを同時にターンオンし、前記エイジングデューティ値によるターンオフ時間の間に、前記第1バランシングスイッチを同時にターンオフし、前記ターンオン時間の間に、前記第2バランシングスイッチを同時にターンオンし、前記ターンオフ時間の間に、前記第2バランシングスイッチを同時にターンオフする過程を、前記エイジング期間の間に繰り返すように構成される。
【0012】
さらに他の例によれば、前記アナログフロントエンドは、第2バッテリ管理装置の連結が感知されれば、前記単独エイジング命令の前記エイジングデューティ値及び前記エイジング期間設定値と、前記複数のバッテリセルのセル電圧値とを前記第2バッテリ管理装置に伝送するように構成される。
【0013】
さらに他の例によれば、前記アナログフロントエンドは、単独エイジングを行っている最中、第2バッテリ管理装置の連結が感知されれば、前記単独エイジングを終了するように構成される。
【0014】
さらに他の例によれば、前記複数のバッテリセルそれぞれは、対応するバランシングスイッチを通じて対応するバランシング抵抗と並列に連結される。
【0015】
さらに他の例によれば、前記アナログフロントエンドは、前記複数のバランシングスイッチ、前記複数のバランシングスイッチを制御するバランシング制御回路、及び前記第1バッテリ管理装置から単独エイジング命令を受信し、前記エイジング期間の間に前記バランシング制御回路を用いて単独エイジングを行い、前記エイジング期間が経過すれば、前記シャットダウンモードで動作するように構成されるコントローラを含む。
【0016】
本発明の一側面によれば、複数のバッテリセルを有するバッテリ、前記複数のバッテリセルにそれぞれ連結される複数のバランシング抵抗と複数のバランシングスイッチ、及び前記複数のバランシングスイッチをそれぞれ制御するアナログフロントエンドを含むバッテリモジュールの動作方法は、第1バッテリ管理装置からエイジングデューティ値及びエイジング期間設定値を有する単独エイジング命令を受信するステップ、前記単独エイジング命令のエイジング期間の間に、前記エイジングデューティ値によって前記複数のバランシングスイッチを制御するステップ、及び前記エイジング期間が経過すれば、前記複数のバランシングスイッチをいずれもターンオフしてシャットダウンモードで動作するステップを含む。
【0017】
一例によれば、バッテリモジュールの動作方法は、第2バッテリ管理装置の連結を感知するステップ、前記複数のバッテリセルのセル電圧を感知するステップ、及び前記単独エイジング命令の前記エイジングデューティ値及び前記エイジング期間設定値と、前記複数のバッテリセルのセル電圧値とを前記第2バッテリ管理装置に伝送するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、バッテリモジュールを生産した後、納品のために運送されている最中にでも、単独エイジングを行えるため、バッテリモジュール全体についてエイジングを行う設備、空間及び時間が要求されない。
【0019】
十分な時間の間に単独エイジングが行われることで、バッテリモジュールがバッテリ管理装置と共にバッテリパックに組み立てられる時、不良バッテリモジュールが容易に判別される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリモジュールを概略的に示す図面である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリモジュールを示す図面である。
【
図3】本発明の一実施形態によるバッテリジュールの例示的なバランシング回路を示す図面である。
【
図4】本発明の一実施形態によるバッテリモジュールの動作方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下において、例示的な実施形態が次に添付した図面を参照し、さらに詳細に説明される。しかし、本発明は、多くの形態に具体化され、本発明で説明される実施形態に限定されると見なされてはいけない。これらの実施形態は、本発明を完全にし、当業者に具体的な実施形態を完璧に伝達するために提供されるものである。
【0022】
本明細書で使う用語は、単に特定の実施形態を説明するために使われるものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明らかに表さない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」または「持つ」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在するということを指定するためのものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないと理解されねばならない。第1または第2などの用語は、多様な構成要素を説明するときに使われうるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使われる。
【0023】
以下、例示的な実施形態が図示される添付図面を参照して、さらに完璧に実施形態が説明される。全体的に同じ参照番号は同じ構成要素を示す。図面において、同一または対応する構成要素には同じ図面番号が付与され、これについては、重ねて説明しない。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリモジュールを概略的に示す。
【0025】
図1を参照すれば、バッテリモジュール100は、第1及び第2バッテリ端子BT1及びBT2の間に連結されるバッテリ110、及びバッテリをモニタリングするアナログフロントエンド(AFE)120を含む。AFE 120は、バッテリ管理装置200とデータ通信を行える。
【0026】
バッテリ管理装置200は、マイクロコントロールユニット(MCU)を含む。バッテリ管理装置200は、複数のバッテリモジュール100を管理する。バッテリ管理装置200は、AFE 120からバッテリ110の状態情報を収集し、バッテリ110の状態に好適な保護動作を行う。バッテリ管理装置200は、ラックBMS(バッテリ管理システム)とも呼ばれる。この時、AFE 120は、モジュールBMSと呼ばれる。
【0027】
バッテリ110は、複数のバッテリセルを含み、バッテリセルは生産されたばかりのものでもある。生産直後のバッテリセルは、既定のサイズ(例えば、3.6V)のセル電圧を有する。バッテリ110は、AFE 120と共にバッテリモジュール100に組み立てられる。
【0028】
本発明によれば、バッテリモジュール100が組み立てられれば、AFE 120は、バッテリ管理装置200と一時的にデータ通信を連結する。AFE 120は、バッテリ管理装置200から単独エイジング命令を受信し、単独エイジング命令に応じて、バッテリモジュール100について単独エイジングを行える。AFE 120が単独エイジングを行っている最中、バッテリ管理装置200から分離されもする。さらに、バッテリモジュール100は、単独エイジングが行われている状態で納品先に運送されることもある。
【0029】
図2は、本発明の一実施形態によるバッテリモジュールを示す。
【0030】
図2を参照すれば、バッテリモジュール100は、複数のバッテリセルC
1ないしC
nを有するバッテリ110、複数のバランシング抵抗Rb、複数のバランシングスイッチSWb、及びAFE 120を含む。AFE 120は、バッテリ管理装置200とデータ通信を行える。
【0031】
複数のバランシング抵抗Rbは、複数のバッテリセルC1ないしCnにそれぞれ連結される。複数のバランシングスイッチSWbは、複数のバッテリセルC1ないしCnと複数のバランシング抵抗Rbにそれぞれ連結される。AFE 120は、複数のバランシングスイッチSWbをそれぞれ制御することで、複数のバッテリセルC1ないしCnについてセルバランシングを行う。
【0032】
バッテリセルC1ないしCnは、第1及び第2ブロック端子BT1及びBT2の間に直列に連結される。バッテリセルC1ないしCnそれぞれは、対応するバランシングスイッチを通じて、対応するバランシング抵抗と並列に連結される。例えば、第1バッテリセルC1は、第1バッテリセルC1に対応する第1バランシングスイッチSWbを通じて、第1バッテリセルC1に対応する第1バランシング抵抗Rbと並列に連結される。第1バランシングスイッチSWbがターンオンされれば、第1バッテリセルC1は、第1バランシング抵抗Rbによって放電する。
【0033】
バッテリセルC1ないしCnは、電力を保存する部分であって、充電可能な二次電池である。例えば、バッテリセルC1ないしCnは、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッカド電池、ニッケル水素電池(Ni-MH:nickel metal hydride battery)、ニッケル亜鉛電池(Ni-Zn:nickel-zinc battery)、鉛蓄電池などからなる群から選択される少なくとも一つを含む。
【0034】
バッテリセルC1ないしCnの数及び連結構成、及びバッテリブロック110aないし110dの数及び連結構成は、バッテリモジュール100に要求される出力電圧及び電力保存容量によって定められる。
【0035】
AFE 120は、バッテリ110内のバッテリセルC1ないしCnのセル電圧及び温度などをモニタリングする。AFE 120は、バッテリ110内のバッテリセルC1ないしCnのセル電圧を均等化するためのセルバランシングを行う。
【0036】
AFE 120は、バッテリ管理装置200から単独エイジング命令を受信する。バッテリモジュール100がバッテリ管理装置200と共にバッテリパックを構成した場合、AFE 120は、モニタリングによって獲得したバッテリ110の状態データをバッテリ管理装置200に送信する。
【0037】
AFE 120に単独エイジング命令を送信したバッテリ管理装置200は、生産直後のバッテリモジュール100と一時的に連結されるバッテリ管理装置200であって、第1バッテリ管理装置と指称される。AFE 120からバッテリ110の状態データを受信するバッテリ管理装置200は、バッテリモジュール100と共にバッテリパックを構成するバッテリ管理装置200であって、第2バッテリ管理装置と指称される。第1バッテリ管理装置200と第2バッテリ管理装置200とは、相異なる。
【0038】
AFE 120は、一つのAFE集積回路AFE ICを含む。AFE集積回路AFE ICは、バッテリピンT0ないしTnを有する。バッテリセルC1ないしCnは、バッテリピンT0ないしTnの間に連結される。例えば、第1バッテリセルC1は、バッテリピンT0及びT1の間に連結される。
【0039】
AFE集積回路AFE ICは、マルチプレクサ(MUX)121を含む。MUX 121は、バッテリピンT0ないしTnのうち隣接した2個のバッテリピンを選択する。MUX 121は、バッテリセルC1ないしCnのうちいずれか一つのバッテリセルに連結される2個のバッテリピンを選択する。
【0040】
AFE集積回路AFE ICは、ADC(analog digital converter)122を含む。ADC 122は、MUX 121によって選択される2個のバッテリピンの間の電圧をデジタル値に変換する。ADC 122は、バッテリセルC1ないしCnのうちMUX 121によって選択されるバッテリセルのセル電圧をデジタル値に変換する。
【0041】
AFE集積回路AFE ICは、コントローラ123を含む。コントローラ123は、ADC 122から出力するデジタル値を受信する。コントローラ123は、バッテリセルC1ないしCnを順次に一つずつ選択するようにMUX 121を制御し、これと同期化してADC 122から出力するデジタル値を受信することで、バッテリセルC1ないしCnのセル電圧をいずれも収集する。
【0042】
AFE集積回路AFE ICは、複数のバランシングピンBS
1ないしBS
nを有する。バランシングピンBS
1ないしBS
nは、バッテリセルC
1ないしC
nにそれぞれ対応する。
図2に示されていないが、AFE集積回路AFE ICは、バランシングピンBS
0をさらに有することができ、バッテリセルC
1ないしC
nは、バランシングピンBS
0ないしBS
nの間にそれぞれ連結される。
【0043】
AFE 120は、バランシングピンBS
1ないしBS
nとバッテリピンT
1ないしT
nにそれぞれ連結される複数のバランシング抵抗Rbを含む。例えば、
図2に示されたように、バランシング抵抗Rbは、バランシングピンBS
1とバッテリピンT
1との間に連結される。第nバッテリセルC
nに対応するバランシング抵抗Rbは、バランシングピンBS
nとバッテリピンT
nとの間に連結される。
【0044】
AFE 120は、バランシングピンBS
1ないしBS
nとバッテリピンT
0ないしT
n-1にそれぞれ連結される複数のバランシングスイッチSWbを含む。例えば、
図2に示されたように、第1バッテリセルC
1に対応するバランシングスイッチSWbは、バランシングピンBS
1とバッテリピンT
0との間に連結される。第nバッテリセルC
nに対応するバランシングスイッチSWbは、バランシングピンBS
nとバッテリピンT
n-1との間に連結される。複数のバランシングスイッチSWbは、AFE集積回路AFE ICに含まれる。
【0045】
バランシング抵抗RbとバランシングスイッチSWbについて、
図3を参照してさらに詳細に説明する。
【0046】
AFE集積回路AFE ICは、バランシング制御回路124を含む。バランシング制御回路124は、コントローラ123の制御によってバランシングスイッチSWbを制御する。コントローラ123は、既定のセルバランシング基準に従って、バッテリセルC1ないしCnのうちセルバランシングの必要なバッテリセルを定める。コントローラ123は、前記バッテリセルについてセルバランシングを行うためにバランシング制御回路124を制御することができ、バランシング制御回路124は、前記バッテリセルに対応するバランシングスイッチSWbをターンオンさせることができる。前記バッテリセルに保存されている電力は、前記バランシングスイッチSWbに連結されるバランシング抵抗Rbを通じて消耗されることで、前記バッテリセルのセル電圧は減少する。
【0047】
AFE集積回路AFE ICは、一対の入力電圧ピンVB+及びVB-を有する。一対の入力電圧ピンVB+及びVB-は、バッテリ110の正極と負極にそれぞれ連結され、バッテリ110のモジュール電圧が印加される。一対の入力電圧ピンVB+及びVB-は、第1及び第2ブロック端子BT1及びBT2にそれぞれ連結される。
【0048】
AFE 120は、入力電圧ピンVB+及びVB-を通じて入力されたモジュール電圧から、AFE 120を駆動するための駆動電圧Vccを生成する電力回路125を含む。電力回路125は、DC-DCコンバータ回路である。電力回路125は、AFE集積回路AFE IC内に搭載されると図示されているが、AFE集積回路AFE ICの外部に電力回路125が配置され、電力回路125によって生成される駆動電圧VccがAFE集積回路AFE ICに供給されてもよい。
【0049】
AFE集積回路AFE ICは、一対の出力電圧ピンVCC及びGNDを有する。一対の出力電圧ピンVCC及びGNDは、電力回路125によって生成した駆動電圧Vccを外部に出力する。
【0050】
AFE集積回路AFE ICは、多用途の入出力ピンGPIOを有し、多用途の入出力ピンGPIOは、例えば温度センサに連結され、アナログ温度センシング信号が、多用途の入出力ピンGPIOを通じてコントローラ123に入力される。
【0051】
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリジュールの例示的なバランシング回路を示す。
【0052】
図3を参照すれば、第iバッテリセルC
iと、第iバッテリセルC
iに対応する第iバランシング抵抗Rb
i及び第iバランシングスイッチSWb
iが例示的に開示される。
【0053】
第iバッテリセルCiの正極は、第iフィルタリング抵抗Rfiを通じて第iバッテリ端子Tiに連結される。第iバッテリ端子Tiには、第iフィルタリングキャパシタCfiが連結される。第iバッテリセルCiの負極は、第(i-1)バッテリセルCi-1の正極と連結されて、第(i-1)フィルタリング抵抗Rfi-1を通じて第(i-1)バッテリ端子Ti-1に連結される。第(i-1)バッテリ端子Ti-1には、第(i-1)フィルタリングキャパシタCfi-1が連結される。
【0054】
第(i-1)フィルタリング抵抗Rfi-1、第(i-1)フィルタリングキャパシタCfi-1、第iフィルタリング抵抗Rfi、及び第iフィルタリングキャパシタCfiは、外部ノイズをフィルタリングすることで、第iバッテリセルCiのセル電圧を正確かつ安定的にセンシング可能にする。
【0055】
第iバッテリセルCiの正極は、第iバランシング抵抗Rbiを通じて第iバランシング端子BSiに連結される。第iバッテリセルCiの負極は、第(i-1)バランシング抵抗Rbi-1を通じて第(i-1)バランシング端子BSi-1に連結される。第(i-1)バランシング端子BSi-1と第iバランシング端子BSiとの間に、第iバランシングスイッチSWbiが連結される。第iバランシングスイッチSWbiは、AFE集積回路AFE ICに含まれ、バランシング制御回路124によって制御される。外部ノイズをフィルタリングするために、第(i-1)バランシング端子BSi-1と第iバランシング端子BSiとの間に、第iバランシングフィルタリングキャパシタCbfiが連結される。
【0056】
第(i-1)フィルタリング抵抗Rfi-1、第(i-1)フィルタリングキャパシタCfi-1、第iフィルタリング抵抗Rfi、第iフィルタリングキャパシタCfi、第(i-1)バランシング抵抗Rbi-1、第iバランシング抵抗Rbi、及び第iバランシングフィルタリングキャパシタCbfiは、バッテリモジュール100の組み立て時に、AFE集積回路AFE ICが搭載される印刷回路基板上に実装される。
【0057】
第(i-1)フィルタリングキャパシタCfi-1、第iフィルタリングキャパシタCfi、及び第iバランシングフィルタリングキャパシタCbfiは、その特性上、機構的または熱的衝撃に弱いため、設置初期には正常に機能するが、バッテリパックとして動作中に不良現象を示しうる。よって、バッテリモジュール100についてのエイジングが要求される。
【0058】
図4は、本発明の一実施形態によるバッテリモジュールの動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0059】
図1ないし
図3と共に
図4を参照すれば、AFE 120は、バッテリ管理装置200から単独エイジング命令を受信する(S110ステップ)。単独エイジング命令は、エイジングデューティ値及びエイジング期間設定値を含む。
【0060】
エイジングデューティ値は、一周期時間についてのバランシングスイッチSWbをターンオンする時間の割合である。一周期は、例えば、1分である。エイジングデューティ値が25%である場合、バランシングスイッチSWbは、15秒間ターンオンされた後、45秒間ターンオフされる。
【0061】
一実施形態によって、奇数番目のバランシングスイッチSWbと偶数番目のバランシングスイッチSWbとが交互に動作する場合、エイジングデューティ値が50%である場合、奇数番目のバランシングスイッチSWbは、30秒間ターンオンされた後、30秒間ターンオフされる。この時、偶数番目のバランシングスイッチSWbはターンオフされる。次いで、偶数番目のバランシングスイッチSWbが30秒間ターンオンされた後、30秒間ターンオフされる。この時、奇数番目のバランシングスイッチSWbもターンオフされる。よって、エイジングデューティ値が50%である場合に、バランシングスイッチSWbは、30秒間ターンオンされた後、90秒間ターンオフされる。
【0062】
エイジングデューティ値が高いほど、バランシング抵抗Rbを通じる放電量が多くなるので、バランシング抵抗Rbで発生する熱が多くなる。バッテリ110の温度が高温基準値を超過しないようにエイジングデューティ値が設定される。
【0063】
エイジング期間設定値は、単独エイジングを行う期間を説明するための値である。例えば、エイジング期間設定値は、4時間、8時間、10時間などのように設定される。例えば、エイジング期間設定値が8時間であり、エイジングデューティ値が25%である場合、実際にバッテリ110のバッテリセルC1ないしCnそれぞれが放電する累積時間は、2時間である。一例によって、奇数番目のバランシングスイッチSWbと偶数番目のバランシングスイッチSWbとが交互に動作する場合、バッテリセルC1ないしCnそれぞれが実際に放電する累積時間は、1時間である。
【0064】
AFE 120は、単独エイジング命令に応じて単独エイジングを行う(S120ステップ)。AFE 120は、単独エイジング命令のエイジング期間の間に、エイジングデューティ値によって複数のバランシングスイッチSWbを制御する。
【0065】
一実施形態によれば、AFE 120は、エイジングデューティ値によるターンオン時間の間にバランシングスイッチSWbをターンオンし、エイジングデューティ値によるターンオフ時間の間にバランシングスイッチSWbをターンオフする過程をエイジング期間の間に繰り返す。エイジング期間が8時間であり、エイジング周期時間が、例えば、1分であり、エイジングデューティ値が25%である場合、ターンオン時間は15秒であり、ターンオフ時間は45秒である。この場合、AFE 120は、15秒間バランシングスイッチSWbをターンオンし、45秒間バランシングスイッチSWbをターンオフする動作を8時間の間に繰り返す。
【0066】
一例によれば、エイジング期間の間にバランシングスイッチのうち一部は、残りとはターンオンタイミングが相異なる。例えば、奇数番目のバランシングスイッチSWbは、0秒ごとに同時にターンオンされ、偶数番目のバランシングスイッチSWbは、30秒ごとに同時にターンオンされる。他の例によれば、第1グループのバランシングスイッチSWbは、毎0秒ごとに同時にターンオンされ、第2グループのバランシングスイッチSWbは、毎20秒ごとに同時にターンオンされ、第3グループのバランシングスイッチSWbは、毎40秒ごとに同時にターンオンされる。
【0067】
さらに他の例によれば、エイジング期間の間にバランシングスイッチSWbは、既定の順序によって順次にターンオンを始める。例えば、バランシングスイッチSWbの数が12個である場合、0秒に第1バランシングスイッチSWb1がターンオンされ、5秒に第7バランシングスイッチSWb7がターンオンされ、10秒に第2バランシングスイッチSWb2がターンオンされて、15秒に第8バランシングスイッチSWb8がターンオンされる方式で、単独エイジングが行われる。
【0068】
他の実施形態によれば、AFE 120は、エイジングデューティ値によるターンオン時間の間に、奇数番目のバランシングスイッチSWbを同時にターンオンし、エイジングデューティ値によるターンオフ時間の間に、奇数番目のバランシングスイッチSWbを同時にターンオフし、ターンオン時間の間に、偶数番目のバランシングスイッチSWbを同時にターンオンし、ターンオフ時間の間に、偶数番目のバランシングスイッチSWbを同時にターンオフする過程を、エイジング期間の間に繰り返す。奇数番目のバランシングスイッチSWbは、第1バランシングスイッチSWbと指称され、偶数番目のバランシングスイッチSWbは、第2バランシングスイッチSWbと指称される。
【0069】
例えば、エイジング期間が8時間であり、エイジング周期時間が例えば1分であり、エイジングデューティ値が25%である場合、ターンオン時間は15秒であり、ターンオフ時間は45秒である。この場合、AFE 120は、15秒間に第1バランシングスイッチSWbをターンオンし、45秒間に第1バランシングスイッチSWbをターンオフし、15秒間に第2バランシングスイッチSWbをターンオンし、45秒間に第2バランシングスイッチSWbをターンオフする動作を、8時間の間に繰り返すことができる。第1及び第2バランシングスイッチSWbは、いずれも2分のうち15秒間にターンオンされる。
【0070】
AFE 120が単独エイジング命令に応じて単独エイジングを行った後、バッテリ管理装置200は、バッテリモジュール100から分離される。AFE 120は、バッテリ管理装置200の分離を感知しても単独エイジングを行い続ける(S130ステップ)。
【0071】
一実施形態によれば、AFE 120が単独エイジングを行っている最中、バッテリ管理装置200が連結されれば、AFE 120は、単独エイジングを終了する。この時、バッテリ管理装置200は、S110ステップで単独エイジング命令を送信したバッテリ管理装置200とは異なる装置でありうる。
【0072】
AFE 120は、単独エイジング命令に応じて設定されたエイジング期間が経過すれば、単独エイジングを終了してシャットダウンモードで動作する(S140ステップ)。AFE 120は、単独エイジング命令に応じて設定されたエイジング期間の間に単独エイジングを行い、エイジング期間が過ぎれば、単独エイジングを終了する。AFE 120は、単独エイジングを終了してシャットダウンモードで動作する。AFE 120がシャットダウンモードで動作する場合、数μAの電流のみを消費する。一方、AFE 120が単独エイジングを行う時には、数mAの電流を消費する。AFE 120が、設定された期間の間に単独エイジングを行った後でシャットダウンモードで動作することによって、バッテリモジュール100が生産後に設けられるまでの時間が異なっても、バッテリ110のモジュール電圧はあまり変わらない。
【0073】
AFE 120が、単独エイジング命令に応じて設定されたエイジング期間の間に単独エイジングを行う場合に、単独エイジングによってバッテリセルC1ないしCnから消耗する電流量が計算される。バッテリセルC1ないしCnは、既定のセル電圧値でもって出荷される。出荷時のセル電圧は、3.6Vである。出荷時のセル電圧は、開放回路電圧OCVと見なすことができるため、バッテリセルC1ないしCnのOCV-SOC関係を用いて、バッテリセルC1ないしCnの出荷時の充電状態SOCを推定することができる。
【0074】
エイジング期間及びエイジングデューティによって、バッテリセルC1ないしCnから実際に電流を消耗する時間が算出される。
【0075】
例えば、エイジング期間設定値が8時間であり、エイジングデューティ値が25%である場合、実際にバッテリセルC1ないしCnそれぞれが電流を消耗する時間は、2時間である。一例によって、奇数番目のバランシングスイッチSWbと偶数番目のバランシングスイッチSWbとが交互に動作する場合、バッテリセルC1ないしCnは、総1時間の間に電流を放電する。
【0076】
出荷時のセル電圧がほぼ一定であり、バランシングスイッチSWbがターンオンされる時、対応するバッテリセルが出力する電流のサイズは、容易に測定するか計算することができる。バッテリセルに対応するバランシング経路抵抗は、予め測定されうる。バランシング経路抵抗は、バランシング抵抗、バランシング経路の線抵抗、バランシングスイッチSWbのオン抵抗を含む。バランシング経路抵抗により、バッテリセルC1ないしCnがバランシング抵抗Rbに出力する放電電流のサイズは計算されうるため、バッテリセルC1ないしCnがエイジング期間の間に消耗する総電流量を計算することができる。
【0077】
エイジング期間中に消耗する総電流量により、バッテリセルC1ないしCnの単独エイジング後の充電状態を推定することができ、OCV-SOC関係を用いて単独エイジング後の開放回路電圧OCVも推定することができる。
【0078】
バッテリセルC1ないしCnそれぞれのセル電圧を測定し、これを単独エイジング後の開放回路電圧OCVと比べることによって、バッテリセルC1ないしCnそれぞれが正常に放電されたかどうかを検証することができる。例えば、バッテリセルC1ないしCnの測定したセル電圧が、バッテリセルC1ないしCnの単独エイジング後の推定開放回路電圧OCVと、既定の基準値以下の差を有するならば、バッテリセルC1ないしCnが正常に放電したと判断する。
【0079】
しかし、バッテリセルC1ないしCnのうちいずれか一つの測定セル電圧であっても、バッテリセルC1ないしCnの単独エイジング後の推定開放回路電圧OCVとの差が既定の基準値以上ならば、フィルタリングキャパシタなどに問題が発生したと判断して、他のバッテリモジュールに入れ替えてバッテリパックを設けることができる。
【0080】
AFE 120は、新たなバッテリ管理装置の連結を感知すれば、単独エイシング命令の設定値及び設定電圧を新たなバッテリ管理装置に伝送する(S150ステップ)。
【0081】
単独エイジングが行われたバッテリモジュール100は、新たなバッテリ管理装置と共に組み立てられて、バッテリパックに設けられる。この時、AFE 120は、バッテリパックを構成する新たなバッテリ管理装置200と連結される。AFE 120は、S110ステップで受信した単独エイジング命令のデューティ値及びエイジング期間の設定値を、新たなバッテリ管理装置200に伝送する。バッテリ管理装置200は、バッテリセルC1ないしCnのOCV-SOC関係を用いて、単独エイジング後の推定開放回路電圧OCVを算出する。
【0082】
AFE 120は、バッテリセルC1ないしCnのセル電圧を感知し、バッテリセルC1ないしCnのセル電圧をバッテリ管理装置200に伝送する。バッテリ管理装置は、バッテリセルC1ないしCnのセル電圧と単独エイジング後の推定開放回路電圧OCVとを比べることで、バッテリモジュール100が正常であるかどうかを判定することができる。
【0083】
本明細書において図示され、説明された特定の具現例は、説明のための例であり、いかなる方式でも、実施形態の範囲を限定しようとするものではない。簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的な側面の記載は省略される。また、図面に図示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結及び/または物理的または回路的な連結を例示的に示すものであり、実際の装置では、代替可能な、または追加的な多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結で具現されうる。また、“必須的な”、“重要に”などの具体的な言及がなければ、必須の構成要素と見なされない。
【0084】
実施形態(特に特許請求の範囲)を記述するに当って、“前記”の用語及びこれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数いずれにも該当する。また、実施形態で範囲(range)を記載した場合、前記範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものであって(これに反する記載がなければ)、発明の詳細な説明に前記範囲を構成する夫々の個別的な値を記載したものと同じである。最後に、本発明による方法を構成する段階について明らかに順序を記載するか、またはそれに反する記載がなければ、前記段階は適当な順序で行われる。必ずしも前記段階の記載順序によって本発明が限定されるものではない。本発明ですべての例または例示的な用語(例えば、「などなど」)の使用は、単純に本発明を詳細に説明するためのものであって、特許請求の範囲によって限定されない以上、前記例または例示的な用語によって実施形態の範囲が限定されるものではない。また、当業者は多様な修正、組み合わせ及び変更が加えられた特許請求の範囲またはその均等物の範ちゅう内で、設計条件及びファクタによって構成されうるということが分かる。
【0085】
例示的な実施形態が本明細書に提示され、特定の用語が使われたとしても、該用語は限定の目的で使ったものではなく、一般的な説明のためのものであると解釈されねばならない。一部の例で、本出願の出願時の当業者には明らかであろうが、特定の実施形態に関して説明される特徴、及び/または構成要素は、具体的に異なって記載されていない限り、単独で使われてもよく、他の実施形態に関して説明される特徴、及び/または構成要素と共に使われてもよい。よって、本発明の思想は、前記説明された実施形態に限って定められねばならず、後述する特許請求の範囲だけではなく、該特許請求の範囲と均等なまたはこれより等価的に変更されたすべての範囲は、本発明の思想の範ちゅうに属するといえる。
【符号の説明】
【0086】
100:バッテリモジュール
110:バッテリ
120:AFE
200:バッテリ管理装置
BT1:第1バッテリ端子
BT2:第2バッテリ端子