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特開2024-140317コンピュータシステム、プログラムおよび管理制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140317
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、プログラムおよび管理制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/10 20130101AFI20241003BHJP
   G06Q 50/18 20120101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F21/10
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051406
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】曽根田 亮
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC16
5L050CC16
(57)【要約】
【課題】電子著作物とも言えるコンテンツの副次利用に係り、作成者に付与される利益を適切に管理するための新しい技術を提供すること。
【解決手段】サイドシステム1010は、仮想空間で利用可能なコンテンツとして登録された登録コンテンツ5を作成ユーザの情報と対応付けて管理する。新たにUGC4の登録がリクエストされると、当該UGC4を判定対象コンテンツとし、既に登録されている登録コンテンツ5と比較した類否又は差異が所与の認定条件を満たすか判定する。認定条件を満たす場合、判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして、作成ユーザの情報と対応付けて登録する。また、当該判定対象コンテンツを、認定条件の判定対象とした参照コンテンツと関連付けて系譜状に登録する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間で利用可能なコンテンツとして登録された登録コンテンツを、当該登録コンテンツの作成ユーザと対応付けて管理するコンピュータシステムであって、
前記登録コンテンツに基づく認定条件に従って、所与の判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして認定するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により肯定判定された場合に、前記判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして、当該判定対象コンテンツを作成した作成ユーザと対応付けて登録する新規登録制御手段と、
を備え、
前記認定条件は、前記判定対象コンテンツを前記登録コンテンツの何れかと比較して判定する条件であり、
前記新規登録制御手段は、前記判定対象コンテンツを新たに登録する場合に、当該判定対象コンテンツを、前記判定手段による前記認定条件の判定対象とした所与の参照コンテンツと関連付ける関連付け制御手段を有する、
コンピュータシステム。
【請求項2】
前記関連付け制御手段は、コンテンツ間の前記関連付けを系譜状に行う、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記認定条件は、前記判定対象コンテンツと前記参照コンテンツとの類否又は差異に基づく所定の類否条件を少なくとも含み、
前記判定手段は、前記類否条件に従って前記認定するか否かの判定を行う、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記類否条件は、コンテンツ間の外観、属性およびパラメータの何れかの類否又は差異に基づく条件である、
請求項3に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記登録コンテンツの数に基づいて前記認定条件を可変に設定する認定条件設定手段、
を更に備える請求項1から4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記判定手段は、前記登録コンテンツの中から前記参照コンテンツを選択する参照コンテンツ選択手段を有する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記判定対象コンテンツは、当該判定対象コンテンツの作成ユーザが前記登録コンテンツの中から選択した変更基礎コンテンツを元に変更したコンテンツであり、
前記参照コンテンツ選択手段は、前記変更基礎コンテンツを前記参照コンテンツとして選択する、
請求項6に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記判定手段は、前記登録コンテンツの中から前記参照コンテンツを選択する参照コンテンツ選択手段を有し、
前記参照コンテンツ選択手段は、前記判定対象コンテンツと前記登録コンテンツとの類否又は差異に基づいて、前記登録コンテンツの中から前記参照コンテンツを選択する、
請求項3又は4に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記判定手段により肯定判定された場合に、前記参照コンテンツを作成した作成ユーザに、前記判定対象コンテンツを新たに登録する承認を求める承認要求を行う承認要求制御手段、
を更に備え、
前記新規登録制御手段は、前記承認要求に対する承認が得られた場合に、前記判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして登録する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記判定手段により肯定判定された場合に、前記判定対象コンテンツを作成した作成ユーザ以外のユーザから、前記判定対象コンテンツに対する評価を受け付ける評価受付制御手段、
を更に備え、
前記新規登録制御手段は、前記評価受付制御手段による受け付けられた評価結果が所定条件を満たす場合に、前記判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして登録する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記新規登録制御手段による登録がなされた場合に、前記判定対象コンテンツの作成ユーザに所与の特典を付与する制御を行う特典付与制御手段、
を更に備える請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記新規登録制御手段による登録がなされた場合に、前記判定対象コンテンツの作成ユーザに所与の特典を付与する制御を行う特典付与制御手段であって、前記系譜状の前記関連付けのうち、前記判定対象コンテンツの系譜位置に基づいて、付与する特典を設定する特典付与制御手段、
を更に備える請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記新規登録制御手段による登録がなされた場合に、前記参照コンテンツの作成ユーザに所与の特典を付与する制御を行う特典付与制御手段、
を更に備える請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記新規登録制御手段による登録がなされた場合に、前記系譜状の前記関連付けのうち、前記判定対象コンテンツと関連付けられる系譜上位の登録コンテンツの作成ユーザに所与の特典を付与する制御を行う特典付与制御手段、
を更に備える請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記特典付与制御手段は、前記系譜上位の登録コンテンツの作成ユーザの数に基づいて、付与する特典を設定する、
請求項14に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
前記特典付与制御手段は、前記新規登録制御手段による登録後に、前記判定対象コンテンツが前記仮想空間で利用された場合に、前記特典を付与する制御を行う、
請求項11から15の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
前記特典付与制御手段は、前記判定対象コンテンツと前記参照コンテンツとの差異に基づいて、付与する特典を設定する、
請求項11から15の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
コンピュータシステムに、仮想空間で利用可能なコンテンツとして登録された登録コンテンツを、当該登録コンテンツの作成ユーザと対応付けて管理する制御を実行させるためのプログラムであって、
前記登録コンテンツに基づく認定条件に従って、所与の判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして認定するか否かを判定する判定手段、
前記判定手段により肯定判定された場合に、前記判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして、当該判定対象コンテンツを作成した作成ユーザと対応付けて登録する新規登録制御手段、
として前記コンピュータシステムを機能させ、
前記認定条件は、前記判定対象コンテンツを前記登録コンテンツの何れかと比較して判定する条件であり、
前記新規登録制御手段は、前記判定対象コンテンツを新たに登録する場合に、当該判定対象コンテンツを、前記判定手段による前記認定条件の判定対象とした所与の参照コンテンツと関連付ける関連付け制御手段を有する、
プログラム。
【請求項19】
コンピュータシステムが、仮想空間で利用可能なコンテンツとして登録された登録コンテンツを、当該登録コンテンツの作成ユーザと対応付けて管理するための管理制御方法であって、
前記登録コンテンツに基づく認定条件に従って、所与の判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして認定するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで肯定判定された場合に、前記判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして、当該判定対象コンテンツを作成した作成ユーザと対応付けて登録する新規登録制御ステップと、
を含み、
前記認定条件は、前記判定対象コンテンツを前記登録コンテンツの何れかと比較して判定する条件であり、
前記新規登録制御ステップは、前記判定対象コンテンツを新たに登録する場合に、当該判定対象コンテンツを、前記判定ステップでの前記認定条件の判定対象とした所与の参照コンテンツと関連付ける関連付け制御ステップを含む、
管理制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間で利用可能なコンテンツとして登録された登録コンテンツを管理するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツのジャンルとしては、例えば、文章、音楽、画像、動画、踊り、立体造形、ビデオゲームで使用可能な要素(例えば、キャラクタ、アイテム、ゲームステージ等)、などが挙げられる。
【0003】
コンテンツの公開形態としては、情報通信による公開が広く利用されるようになった。例えば、公開サーバがコンテンツのデータを記憶管理し、ユーザ端末(ユーザのコンピュータ;例えば、パソコン、スマートフォン、など)からのリクエストに応じて、コンテンツのデータをインターネット等の通信回線を介して提供する。そして、ユーザ端末にて、提供されたデータをデコードして、音声や映像などとしてコンテンツを再現する。音楽配信サイト、小説の公開サイト、イラストの公開サイト、動画共有サイト、などがこれに該当する。
【0004】
コンテンツを情報通信により公開する場合であっても、著作権を含む様々なルールを遵守して適切に公開が行われるべきである。適切な公開を実現するための技術としては、例えば、特許文献1などが知られる。すなわち、登録サーバで、1次コンテンツのデータと、当該1次コンテンツの2次利用に関する承認条件のデータを記憶・管理する。公開サーバは、新たなコンテンツが公開目的にアップロードされると、当該コンテンツのメタデータを登録サーバへ送信する。登録サーバは、受信したメタデータに基づいてアップロードされたコンテンツの原作となりえる1次コンテンツを認識する。そして、その承認条件を満たしているかを判定してその結果を公開サーバへ返信する。公開サーバは、承認条件を満たしていると判定された場合に、この新たなコンテンツを公開可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-294778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コンテンツを適切に公開する際に忘れてはならないのは、著作権を起源として当該コンテンツの作成者(著作者)に与えられる数々の利益の扱いである。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、電子著作物とも言えるコンテンツの副次利用に係り、作成者に付与される利益を適切に管理するための新しい技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するための第1の発明は、仮想空間で利用可能なコンテンツとして登録された登録コンテンツを、当該登録コンテンツの作成ユーザと対応付けて管理するコンピュータシステムであって、
前記登録コンテンツに基づく認定条件に従って、所与の判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして認定するか否かを判定する判定手段(例えば、図12の判定部230、図25のステップS92)と、
前記判定手段により肯定判定された場合に、前記判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして、当該判定対象コンテンツを作成した作成ユーザと対応付けて登録する新規登録制御手段(例えば、図12の新規登録制御部240、図19の登録コンテンツメタデータ664に含まれる作成ユーザアカウント、図25のステップS104)と、を備え、
前記認定条件は、前記判定対象コンテンツを前記登録コンテンツの何れかと比較して判定する条件であり、前記新規登録制御手段は、前記判定対象コンテンツを新たに登録する場合に、当該判定対象コンテンツを、前記判定手段による前記認定条件の判定対象とした所与の参照コンテンツと関連付ける関連付け制御手段(例えば、図12の関連付け制御部242、図19の参照コンテンツIDリスト668、図25のステップS104)を有する、コンピュータシステムである。
【0009】
第1の発明のコンピュータシステムは、登録コンテンツを作成ユーザと対応づけて記憶・管理する。当該コンピュータシステムは、例えば、新たに登録のリクエストがなされたコンテンツを判定対象コンテンツとし、判定対象コンテンツが認定条件を満たしているかを判定する。そして、認定条件を満たしていれば、判定対象コンテンツのデータを作成ユーザと対応づけて新たな登録コンテンツとして記憶する。
【0010】
認定条件は、判定対象コンテンツを登録コンテンツの何れかと比較して判定する条件である。よって、既存の登録コンテンツを単純に複製しただけのコンテンツや、登録コンテンツに対して僅かで安易な変更をしただけのコンテンツ、などの登録を防ぐことが可能になる。つまり、認定条件に従った判定によって、1次コンテンツとしても副次コンテンツとしても登録に値しないコンテンツの登録を除外することができる。
【0011】
加えて、新たに登録される場合、判定対象コンテンツは、比較対象とされた参照コンテンツと関連付けられる。判定対象コンテンツと参照コンテンツとは互いに「類似する登録コンテンツ」として関連付けられる、とも言える。よって、新たに登録された判定対象コンテンツに係る利益を、判定対象コンテンツの作成ユーザ(2次作者)と、参照コンテンツの作成ユーザ(1次作者)とで適切に分配するといったことも可能になる。
【0012】
つまり、コンテンツの副次利用に係り、作成者に付与される利益を適切に管理することが可能となる。
【0013】
第2の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記関連付け制御手段は、コンテンツ間の前記関連付けを系譜状に行う、コンピュータシステムである。
【0014】
第2の発明によれば、コンピュータシステムは、登録コンテンツ間の関係付けを、コンテンツの特徴の継承に着目して系譜状に管理することができる。
【0015】
第3の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記認定条件は、前記判定対象コンテンツと前記参照コンテンツとの類否又は差異に基づく所定の類否条件を少なくとも含み、前記判定手段は、前記類否条件に従って前記認定するか否かの判定を行う、コンピュータシステムである。
【0016】
第3の発明のコンピュータシステムは、コンテンツ間の類否や差異に基づいて、登録する/登録しない、を決めることができる。
【0017】
第4の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記類否条件は、コンテンツ間の外観、属性およびパラメータの何れかの類否又は差異に基づく条件である、コンピュータシステムである。
【0018】
ここで言う「外観」は、コンピュータ上でデータから再現される像であり、ユーザに見えるコンテンツの画像である。
第4の発明のコンピュータシステムは、外観や、属性、パラメータに基づいてコンテンツ間の類否を判定することができる。
【0019】
第5の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記登録コンテンツの数に基づいて前記認定条件を可変に設定する認定条件設定手段(例えば、図12の認定条件設定部250、図15の認定条件変更パターンデータ540、図24のステップS84)、を更に備えるコンピュータシステムである。
【0020】
第5の発明のコンピュータシステムは、登録コンテンツの増加に応じて、登録コンテンツの新規登録の際に用いられる認定条件を適切に調整できるようになる。
【0021】
第6の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記判定手段は、前記登録コンテンツの中から前記参照コンテンツを選択する参照コンテンツ選択手段(例えば、図12の参照コンテンツ選択部232、図18の判定対象コンテンツデータ640、参照コンテンツID659、図24のステップS56)を有する、コンピュータシステムである。
【0022】
第6の発明のコンピュータシステムは、登録コンテンツの中から参照コンテンツを選択することができる。
【0023】
第7の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記判定対象コンテンツは、当該判定対象コンテンツの作成ユーザが前記登録コンテンツの中から選択した変更基礎コンテンツを元に変更したコンテンツであり、前記参照コンテンツ選択手段は、前記変更基礎コンテンツを前記参照コンテンツとして選択する、コンピュータシステムである。
【0024】
第7の発明によれば、コンピュータシステムは、判定対象コンテンツが、変更基礎コンテンツを元に変更したコンテンツである場合に、当該変更基礎コンテンツとの比較において認定条件を満たすかどうかによって、登録するか否かの判定を行うことができる。よって、判定をより迅速且つ正しく実行できる。
【0025】
第8の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記判定手段は、前記登録コンテンツの中から前記参照コンテンツを選択する参照コンテンツ選択手段を有し、前記参照コンテンツ選択手段は、前記判定対象コンテンツと前記登録コンテンツとの類否又は差異に基づいて、前記登録コンテンツの中から前記参照コンテンツを選択する、コンピュータシステムである。
【0026】
第8の発明によれば、コンピュータシステムは、登録コンテンツの中から参照コンテンツを選択することができる。また、参照コンテンツの選択に当たっては、判定対象コンテンツと登録コンテンツとの類否又は差異に基づいて参照コンテンツを選択することができる。
【0027】
第9の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記判定手段により肯定判定された場合に、前記参照コンテンツを作成した作成ユーザに、前記判定対象コンテンツを新たに登録する承認を求める承認要求を行う承認要求制御手段(例えば、図12の承認要求制御部244、図24のステップS76)、を更に備え、前記新規登録制御手段は、前記承認要求に対する承認が得られた場合に、前記判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして登録する、コンピュータシステムである。
【0028】
第9の発明によれば、コンピュータシステムは、判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとする判定をした後に、参照コンテンツを作成した作成ユーザに登録する承認を求めることができる。
【0029】
第10の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記判定手段により肯定判定された場合に、前記判定対象コンテンツを作成した作成ユーザ以外のユーザから、前記判定対象コンテンツに対する評価を受け付ける評価受付制御手段(例えば、図12の評価受付制御部246、図24のステップS76)、を更に備え、前記新規登録制御手段は、前記評価受付制御手段による受け付けられた評価結果が所定条件を満たす場合に、前記判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして登録する、コンピュータシステムである。
【0030】
第10の発明によれば、コンピュータシステムは、判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとする判定をした後に、作成ユーザ以外のユーザから、前記判定対象コンテンツに対する評価を受け付けて登録の是非を決定することができる。
【0031】
第11の発明は、上記コンピュータシステムにおいて、前記新規登録制御手段による登録がなされた場合に、前記判定対象コンテンツの作成ユーザに所与の特典を付与する制御を行う特典付与制御手段(例えば、図12の特典付与制御部252、図14の特典定義データ520、図24のステップS82)、を更に備えるコンピュータシステムである。
【0032】
第11の発明によれば、コンピュータシステムは、判定対象コンテンツが新たな登録コンテンツとして登録された場合に、判定対象コンテンツの作成ユーザに特典を付与することができる。
【0033】
第12の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記新規登録制御手段による登録がなされた場合に、前記判定対象コンテンツの作成ユーザに所与の特典を付与する制御を行う特典付与制御手段であって、前記系譜状の前記関連付けのうち、前記判定対象コンテンツの系譜位置に基づいて、付与する特典を設定する特典付与制御手段(例えば、図14の適用要件521の系譜位置条件521b)、を更に備えるコンピュータシステムである。
【0034】
第12の発明によれば、コンピュータシステムは、判定対象コンテンツが新たな登録コンテンツとして登録された場合に、判定対象コンテンツの作成ユーザに特典を付与することができる。また、その特典を、判定対象コンテンツの系譜位置に基づいて設定することができる。
【0035】
第13の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記新規登録制御手段による登録がなされた場合に、前記参照コンテンツの作成ユーザに所与の特典を付与する制御を行う特典付与制御手段、を更に備えるコンピュータシステムである。
【0036】
第13の発明によれば、コンピュータシステムは、判定対象コンテンツが新たな登録コンテンツとして登録された場合に、参照コンテンツの作成ユーザに特典を付与することができる。
【0037】
第14の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記新規登録制御手段による登録がなされた場合に、前記系譜状の前記関連付けのうち、前記判定対象コンテンツと関連付けられる系譜上位の登録コンテンツの作成ユーザに所与の特典を付与する制御を行う特典付与制御手段、を更に備えるコンピュータシステムである。
【0038】
第14の発明によれば、コンピュータシステムは、判定対象コンテンツが新たな登録コンテンツとして登録された場合に、判定対象コンテンツの系譜上位の登録コンテンツの作成ユーザに特典を付与することができる。
【0039】
第15の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記特典付与制御手段は、前記系譜上位の登録コンテンツの作成ユーザの数に基づいて、付与する特典を設定する、コンピュータシステムである。
【0040】
第15の発明によれば、コンピュータシステムは、系譜上位の登録コンテンツの作成ユーザの数に基づいて、付与する特典を設定することができる。
【0041】
第16の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記特典付与制御手段は、前記新規登録制御手段による登録後に、前記判定対象コンテンツが前記仮想空間で利用された場合に、前記特典を付与する制御を行う(例えば、図22のステップS144)、コンピュータシステムである。
【0042】
第16の発明によれば、コンピュータシステムは、登録コンテンツ(登録後の判定対象コンテンツ)が仮想空間で使用された場合に特典を付与することができる。
【0043】
第17の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記特典付与制御手段は、前記判定対象コンテンツと前記参照コンテンツとの差異に基づいて、付与する特典を設定する、コンピュータシステムである。
【0044】
第17の発明によれば、コンピュータシステムは、判定対象コンテンツと参照コンテンツとの差異に応じた特典を付与することができる。
【0045】
第18の発明は、コンピュータシステムに、仮想空間で利用可能なコンテンツとして登録された登録コンテンツを、当該登録コンテンツの作成ユーザと対応付けて管理する制御を実行させるためのプログラムであって、前記登録コンテンツに基づく認定条件に従って、所与の判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして認定するか否かを判定する判定手段、前記判定手段により肯定判定された場合に、前記判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして、当該判定対象コンテンツを作成した作成ユーザと対応付けて登録する新規登録制御手段、として前記コンピュータシステムを機能させ、前記認定条件は、前記判定対象コンテンツを前記登録コンテンツの何れかと比較して判定する条件であり、前記新規登録制御手段は、前記判定対象コンテンツを新たに登録する場合に、当該判定対象コンテンツを、前記判定手段による前記認定条件の判定対象とした所与の参照コンテンツと関連付ける関連付け制御手段を有する、プログラムである。
【0046】
第18の発明によれば、コンピュータシステムに上記の発明と同様の作用効果を発揮させるプログラムを実現できる。
【0047】
第19の発明は、コンピュータシステムが、仮想空間で利用可能なコンテンツとして登録された登録コンテンツを、当該登録コンテンツの作成ユーザと対応付けて管理するための管理制御方法であって、前記登録コンテンツに基づく認定条件に従って、所与の判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして認定するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで肯定判定された場合に、前記判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして、当該判定対象コンテンツを作成した作成ユーザと対応付けて登録する新規登録制御ステップと、を含み、前記認定条件は、前記判定対象コンテンツを前記登録コンテンツの何れかと比較して判定する条件であり、前記新規登録制御ステップは、前記判定対象コンテンツを新たに登録する場合に、当該判定対象コンテンツを、前記判定ステップでの前記認定条件の判定対象とした所与の参照コンテンツと関連付ける関連付け制御ステップを含む、管理制御方法である。
【0048】
第19の発明によれば、コンピュータシステムに上記の発明と同様の作用効果を発揮させる管理制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】仮想空間サービスシステムの構成例を示すシステム構成図。
図2】UGCの扱いについて概要を説明するための図。
図3】作成画面の表示例を示す図。
図4】登録コンテンツ選択画面の表示例を示す図。
図5】パーツ選択画面の表示例を示す図。
図6】ボーン選択欄の表示例を示す図。
図7】頭部パーツ選択欄の表示例を示す図。
図8】類似判定について説明するための図であって、既存系譜認定条件を満たす一例を示す図。
図9】既存の系譜に連ねて新たに登録コンテンツを登録する例を示す図。
図10】類似判定について説明するための図であって、新系譜認定条件を満たす一例を示す図。
図11】新たな系譜として登録コンテンツを登録する例を示す図。
図12】サーバサイドシステムの機能構成例を示すブロック図。
図13】サーバサイドシステムの記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
図14】特典定義データのデータ構成例を示す図。
図15】認定条件変更パターンデータのデータ構成例を示す図。
図16】ユーザ登録データのデータ構成例を示す図。
図17】UGC作成管理データのデータ構成例を示す図。
図18】判定対象コンテンツデータのデータ構成例を示す図。
図19】登録コンテンツデータのデータ構成例を示す図。
図20】系譜登録データのデータ構成例を示す図。
図21】ユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
図22】サーバサイドシステムが実行する処理の流れを説明するためのフローチャート。
図23図22より続くフローチャート。
図24】登録リクエスト処理の流れを説明するためのフローチャート。
図25図24より続くフローチャート。
図26】登録コンテンツの変形例を示す図。
図27】登録コンテンツ選択画面の表示の変形例を示す図。
図28】登録リクエスト処理の変形例を説明するためのフローチャート。
図29】登録リクエスト処理の変形例を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0051】
図1は、本発明に係る仮想空間サービスシステムの構成例を示すシステム構成図である。
仮想空間サービスシステム1000は、同時に複数のユーザが各々のユーザキャラクタを使って3DCG(3 Dimensional Computer Graphics)で構築された共通の仮想空間へ参加してサービスの提供を受けることができるコンピュータシステムである。
【0052】
仮想空間サービスシステム1000は、ネットワーク9を介してデータ通信可能に接続されたサーバサイドシステム1010およびユーザ別のユーザ端末1500(1500a,1500b,…)を含むコンピュータシステムである。ユーザ端末1500はマン・マシン・インターフェース(Man Machine Interface:MMIF)となる。
【0053】
ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネットを含む。
【0054】
サーバサイドシステム1010は、仮想空間サービスシステム1000の運用者が運用するコンピュータシステムであって、サービス提供サーバシステム1100Gと、登録サーバシステム1100Uと、を有する。
【0055】
サービス提供サーバシステム1100Gは、仮想空間サービスを提供するためのサーバである。サービス提供サーバシステム1100Gは、サービス提供の舞台となる仮想3次元空間のデータを管理し、当該仮想空間内に参加ユーザのユーザキャラクタを配置・動作制御して、ユーザに仮想空間での仮想体験を提供する。
【0056】
サービス提供サーバシステム1100Gが提供する仮想空間サービスは、適宜設定可能である。例えば、オンラインゲーム、ショッピング、音楽祭や花火大会などのイベント、仮想的な川下りやスカイダイブなどのアトラクション、スポーツ、競技の観戦、観劇、映画鑑賞、など適宜設定可能である。以降では、サービス提供サーバシステム1100Gは、オンラインゲームを仮想空間サービスとして提供するものとして説明する。
【0057】
登録サーバシステム1100Uは、サービス提供サーバシステム1100Gにて提供される仮想空間サービスにて使用可能な、コンテンツのデータの記憶・管理・提供に関する処理を実行する。
登録サーバシステム1100Uが登録管理するコンテンツは、公式コンテンツと、UGC(ユーザ生成コンテンツ:User Generated Content)とが含まれる。UGCは、ユーザが作成したコンテンツである。作成のためのプラットフォームは、仮想空間サービスの1つとして提供されるとしてもよいし、ユーザが用意してもよい。
【0058】
サービス提供サーバシステム1100Gおよび登録サーバシステム1100Uは、実行するプログラムが異なり、それにより個別の機能を実現する点において異なるが、何れも、基礎的なハードウェアの構成はコンピュータシステムである。
【0059】
例えば、登録サーバシステム1100Uを例に挙げて説明すると、登録サーバシステム1100Uは、本体装置に制御基板1150を搭載する。制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153、が搭載されている。なお、制御基板1150に搭載された機能の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0060】
図1では、サービス提供サーバシステム1100Gと登録サーバシステム1100Uを、それぞれ1台のサーバ装置であるかのように描いているが、それぞれを複数の装置で実現する構成としてもよい。例えば、サービス提供サーバシステム1100Gと登録サーバシステム1100Uは、どちらも、機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。また、どちらもデータベースやオンラインストレージを含むとしてもよい。
【0061】
なお、仮想空間サービスシステム1000が提供するサービスは、複数であってもよい。
具体的には、例えば、複数の仮想空間サービスの中からユーザが任意に選択した仮想空間サービスの提供が受けられる構成では、仮想空間サービスシステム1000に、サービス毎のサービス提供サーバシステム1100Gと、ポータルサーバシステムとを用意する。そして、ポータルサーバシステムで、ゲート空間に相当する仮想3次元空間(いわゆるメタバース)を管理させ、ユーザのログインを受け付けて、ログインしたユーザのアバターをゲート空間に配置する。そして、ゲート空間では仮想サービス別の仮想店舗を用意しておいて、アバターが仮想店舗に行けるようにする。アバターが仮想店舗に行って所定の手続をすると、当該アバターのユーザに対して当該仮想店舗で提供する仮想空間サービスの提供を行う。このような構成とすることができる。
【0062】
ユーザ端末1500は、ユーザが仮想空間に参加するために使用するコンピュータシステムであって、仮想空間サービスシステム1000におけるマン・マシン・インターフェースの機能を担っている。
【0063】
ユーザ端末1500(1500a,1500b,…)は、例えば、パソコン、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータ、携帯型ゲーム装置、家庭用ゲーム装置、タブレット型コンピュータ、などのネットワーク9に接続可能なコンピュータシステムである。
【0064】
ユーザ端末1500は、操作入力デバイス(例えば、タッチパネル1506、キーボード、ゲームコントローラ、マウスなど)と、画像表示デバイス(例えば、タッチパネル1506、ヘッドマウントディスプレイ、グラス型ディスプレイなど)と、制御基板1550と、を備える。
【0065】
制御基板1550は、CPU1551や、GPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワーク9に接続する通信モジュール1553、などを搭載する。制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。制御基板1550は、ユーザ端末1500としての機能を実現させるためのプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。ユーザ端末1500は、所定のアプリケーションプログラムを実行することにより、仮想空間サービスシステム1000のマン・マシン・インターフェースとして、またユーザが仮想空間サービスの提供を受ける際のクライアントとしての機能を実現する。
【0066】
なお、ユーザ端末1500は、仮想空間サービスに係るプログラムやその実行に必要な各種データをサービス提供サーバシステム1100Gからダウンロードする構成としているが、ユーザが別途入手したメモリカードなどの記憶媒体から読み出す構成としてもよい。
【0067】
図2は、UGCの扱いについて概要を説明するための図である。
ユーザ2(2a)は、ユーザ端末1500(1500a)でサービス提供サーバシステム1100Gにアクセスして、仮想3次元空間に作成されたゲーム空間にて、ユーザキャラクタを操作して対戦型のオンラインゲームをプレイする。
【0068】
当該オンラインゲームに係るコンテンツは、オンラインゲームで使用できるコンテンツである。例えば、ユーザキャラクタとすることのできるロボット兵器本体や、ロボット兵器本体を構成する部品、当該ロボット兵器の装備、などがこれに該当する。ユーザ2は、予め運営者により用意されている公式コンテンツのなかから、ユーザキャラクタとするキャラクタを選び、装備を選んで対戦ゲームを楽しむ。
【0069】
当該オンラインゲームに係る機能の1つとして新たなUGC4の作成機能がある。
ユーザ2aは、ユーザ端末1500aで新たなUGC4を作成できる(図2中の[1]新規UGCの生成)。作成手順については後述する。
【0070】
ユーザ2aは、UGC4の作成を終えて所定の登録リクエスト操作を入力すると、ユーザ端末1500aはサーバサイドシステム1010へ登録リクエストを送信する(図2中の[2]登録リクエスト)。
【0071】
サーバサイドシステム1010は登録リクエストを受信すると、公式コンテンツおよび既に登録済のUGCである登録コンテンツ5を、外観的特徴等に基づいて相互に関連づけて登録している。登録コンテンツ5の相互の関連付けは、登録時点において、類似していて、且つ、先行登録されている登録コンテンツ5から連なる系譜の下位として登録されることで実現される。つまり、登録コンテンツ5は系譜状に相互に関連づけて登録されている(図2中の[3]系譜状に登録)。
【0072】
具体的には、サーバサイドシステム1010は、新たに作成されたUGC4の登録リクエストを受信すると、登録リクエストされたUGC4を「判定対象コンテンツ」として、所与の認定条件を満たすかを判定する。認定条件を満たすと判定した場合、判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツ5として、作成ユーザの情報と対応づけて登録する。図2の例では、登録リクエストされたUGC4は、新たに登録コンテンツ5aとして作成ユーザ2aの情報と対応づけて登録されている。
【0073】
登録コンテンツ5は、オンラインゲームの参加ユーザ間で取引され得る(図2中の[4]取引)。登録コンテンツ5の取引は、有償/無償どちらでもよい。1つの登録コンテンツ5の取引可能数は適宜設定可能である。例えば、登録コンテンツ5の取引可能数を「1」とすれば、当該コンテンツは唯一無二として扱われる。取引可能数を「10」とすれば、10回取引可能とされ最大10人の参加ユーザが当該コンテンツを使用できることになる。
【0074】
取引の一形態としては、例えば、サービス提供サーバシステム1100Gが、オンラインゲームに係り登録コンテンツ5の取引機能(いわばマーケット機能)を提供し、ユーザ2bが登録コンテンツ5を購入して永続的に所有コンテンツ6とするとしてもよい(図2中の[5]登録コンテンツの所有)。
【0075】
また別の取引形態としては、例えば、サービス提供サーバシステム1100Gが、サービス提供の都度、サービス提供に使用される登録コンテンツ5の選択を受け付けるとしてもよい。具体的には、本実施形態で説明する仮想空間サービスはオンラインゲームなので、例えば、ユーザ2bが、ゲームプレイの自機であるユーザキャラクタ、又は、味方NPC、或いは、対戦相手NPCなどとして使用する登録コンテンツ5を選択して、選択した登録コンテンツ5を一時的に所有するとしてもよい。
【0076】
そして、ユーザ2bは、所有コンテンツ6とした登録コンテンツ5を使ってオンラインゲームをプレイできる(図2中の[6]登録コンテンツの利用)。
【0077】
登録コンテンツ5の作成ユーザには、特典が付与される(図2中の[7]特典付与)。
特典には、登録時に付与される「登録特典」と、登録コンテンツ5の取引成立に伴い付与される「取引特典」と、登録コンテンツ5が所有コンテンツ6として仮想空間で利用された場合に付与される「利用特典」と、がある。
【0078】
特典は、特典付与の起源となった登録コンテンツ5(起源コンテンツ)の作成ユーザの他、当該起源コンテンツの系譜上位にあたる上位コンテンツの作成ユーザにも付与される。図2の例では、登録コンテンツ5aを起源として特典が付与される場合を示しており、起源コンテンツである登録コンテンツ5aの作成ユーザ2aと、当該登録コンテンツ5aの系譜直系で1世代前の登録コンテンツ5cの作成ユーザ2cと、系譜直系で2世代前の登録コンテンツ5dの作成ユーザ2dと、に特典が付与されている。
【0079】
次に、新たなUGC4の作成と、その登録についての詳細を述べる。
図3は、UGCの作成に伴いユーザ端末1500にて表示される作成画面W2の表示例を示す図である。
【0080】
作成画面W2は、所定の作成開始操作を入力することで表示される。作成画面W2は、(1)作成途中のUGCの外観を表示するとともにUGC4の構成編集操作を受け付ける外観表示部20と、(2)UGC4の名称を設定するコンテンツ名設定部22と、(3)
作成中のUGCの能力を表示する能力表示部24と、を含む。また、(4)作成の基礎(変更基礎コンテンツ;原作)として既存の登録コンテンツ5を利用する場合の変更基礎操作アイコン30と、(5)UGC4の外観配色を変更するカラーリング操作アイコン32と、(6)UGC4を構成するパーツを選択するパーツ操作アイコン34と、を含む。また、(7)UGC4の能力を変更する能力操作アイコン36と、(8)作成途中の保存データを読み込む保存データ操作アイコン38と、を含む。勿論、これらの表示要素のうち1つ又は複数を省略してもよいし、これら以外の要素も表示するとしてもよい。
【0081】
外観表示部20に所定の視点切換操作をすると、表示されているUGC4の像を見る角度や表示する大きさを変更できる。また、パーツを設定する部位の選択操作を受け付ける。
【0082】
カラーリング操作アイコン32を操作すると、カラーパレットが表示される。外観表示部20で部位の選択をして、カラーパレットで色変え操作をすると、当該部位のカラーを変更することができる。カラーパレット以外にも、スキンとするデータの彩色操作を受け付ける画面を表示したり、予め作成したスキンデータの読み込みをするファイル操作の受け付け画面を表示するとしてもよい。
【0083】
能力操作アイコン36は、作成するUGC4に設定する能力のパラメータ(能力の種類、能力値)を編集する機能を発動させる。例えば、能力やスキルの種類の一覧や、能力やスキルのレベル値の設定欄などを表示するとしてもよい。或いは、能力やスキルを、ユーザ2が所有しているアイテムに基づいて設定可能とする場合には、アイテム選択欄を表示するとしてもよい。
【0084】
なお、能力編集の結果によってUGC4の外観の一部を自動的に変更するとしてもよい。具体的には、移動力を向上するように能力を編集すると、背部のスラスターが大きくなる、或いは長くなる、などとしてもよい。
【0085】
図4は、変更基礎操作アイコン30を操作すると表示される変更基礎コンテンツ選択画面W4の表示例を示す図である。変更基礎コンテンツ選択画面W4は、検索欄41と、検索操作アイコン42と、系譜選択部43と、系譜樹形図45と、を含む。
【0086】
検索欄41は、利用したい登録コンテンツ5の名称の入力を受け付ける。変更基礎コンテンツ選択画面W4の初期状態では未入力である。
検索操作アイコン42をタッチ操作すると、検索欄41で入力された名称で登録コンテンツ5が検索され、系譜選択部43に検索結果が表示される。
【0087】
系譜選択部43は、系譜状に登録されている登録コンテンツ5の各系譜の始祖(第1世代)となる登録コンテンツ5を表示する。所定の送り操作で、表示する系譜を変更できる。
系譜樹形図45は、系譜選択部43にて選択されている(表示されている)系譜の第2世代以降の登録コンテンツ5が逆さ樹形図として表示される。
【0088】
系譜選択部43と系譜樹形図45に表示される各登録コンテンツ5の像は、それぞれが選択アイコンとして機能する。ユーザが各登録コンテンツ5の像を選択操作(例えば、ドラッグ&ドロップ操作)すると、当該登録コンテンツ5を新たに作成するUGC4の基礎(変更基礎コンテンツ;原作)として設定され、当該登録コンテンツ5の像が外観表示部20(図3参照)にて表示される。生成を管理するデータ上では、当該登録コンテンツ5のデータが最新のUGC4のデータとしてコピーされて編集操作の元にされる。
【0089】
図5は、パーツ操作アイコン34を操作すると表示されるパーツ選択画面W6の表示例を示す図である。パーツ選択画面W6は、UGC4を構成するパーツカテゴリ別の呼出操作アイコン50(50a,50b,…)を有する。パーツカテゴリの分け方は、適宜設定可能であるが、例えば、ユーザ2が購入やゲーム内で取得したパーツである「所有パーツ」、UGC4のキャラクタモデルのボーンデータ(オブジェクトモデルを変形させて動作制御の基礎となる骨格様のデータ)、頭部・胸部・腕部・胴部などの部位、頭部・胸部・腕部・胴部などの各部位用の装備、などとしてもよい。
【0090】
呼出操作アイコン50をユーザ2が操作すると、対応するパーツカテゴリの選択欄が表示される。例えば、図6は、ボーンの呼出操作アイコン50bを操作すると表示されるボーン選択欄51の表示例を示す。ユーザ2は、何れかのボーンを選択操作することで、UGC4の骨格を決定できる。図7は、頭部パーツの呼出操作アイコン50cを操作すると表示される頭部パーツ選択欄52の表示例を示す。ユーザ2は、何れかの頭部パーツを選択操作することで、UGC4の頭部を決定できる。
【0091】
新規UGCの作成の流れとしては、ユーザ2が気に入っている既存の登録コンテンツ5を自分流にアレンジしたい場合には、変更基礎操作アイコン30を操作して、アレンジのベースになる登録コンテンツ5を変更基礎オブジェクトとして選択する。次いで、変更基礎オブジェクトから配色をアレンジしたければ、カラーリング操作アイコン32を操作して変更する。変更基礎オブジェクトの部位を別のパーツに変えたければ、パーツ操作アイコン34を操作してパーツを選択操作する。外観表示部20では、それらのアレンジ操作の結果が反映される。例えば、頭部パーツ選択欄52で変更先の頭部パーツを選択操作すれば、編集中のUGC4の頭部パーツの設定は、当該変更先の頭部パーツに置き換えられて、その外観が外観表示部20で更新表示される。
【0092】
もし、ユーザ2が変更基礎オブジェクトの選択をせずに一からUGC4を構築したい場合には、先ずパーツ操作アイコン34を操作して、ボーン選択欄51から何れかのボーンを選択する。そして、パーツ操作アイコン34を操作して各部位のパーツや装備を選択し、カラーリング操作アイコン32を操作して、好みのカラーリングに変更する。
【0093】
図8は、新たに作成されたUGC4を主に外観的特徴に基づいて系譜状に登録するための類似判定について説明するための図である。
UGC4および登録コンテンツ5には、それぞれ認定用データ群650が対応づけられている。認定用データ群650は、画像特徴値群651と、配色特徴値群652と、使用パーツリスト653と、装備リスト654と、能力設定リスト655と、を含む。
【0094】
画像特徴値群651は、2つの画像の間で、被写体の輪郭部や特徴部の形状を比較して被写体の類似性を判定するための画像認識や画像類似判定で使用される複数の特徴値である。特徴値としては、例えば、尖部、凸部や凹部といった曲部、直線部、などの輪郭の特徴部位の位置や角度、曲率などである。UGC4を新たに登録する際に、UGC4に所定のポーズを取らせて(例えば、人型ならば直立ポーズ、両手を拡げた直立ポーズ、など)、その所定のポーズでの6面図をレンダリングし、当該6面図別に特徴値を求めてこれを画像特徴値群651とする。なお、特徴値の具体的な内容は、採用する画像認識や画像類似判定のアルゴリズムによって適宜設定可能である。
【0095】
配色特徴値群652は、2つの画像の間で、被写体の配色を比較して被写体の類似性を判定するための画像認識や画像類似判定で使用される特徴値である。具体的には、特徴値としては、色の種類、各色の相対位置関係、各色の使用面積順位、などである。UGC4に所定のポーズを取らせて6面図をレンダリングし、当該6面図別にこれらの特徴値を求めてこれを配色特徴値群652とする。
【0096】
使用パーツリスト653は、UGC4や登録コンテンツ5を構成している各部位のパーツの識別情報のリストである。
装備リスト654は、UGC4や登録コンテンツ5を構成している各部位用の装備品の識別情報のリストである。
能力設定リスト655は、UGC4や登録コンテンツ5に設定されている能力の種類(能力に係るパラメータの種類)、能力値(能力に係るパラメータ値)、スキルの種類、スキルレベル、などのリストである。
【0097】
なお、認定用データ群650からこれらの1つ又は複数のデータを省略してもよいし、逆にこれら以外のデータも認定用データ群650に含めてもよい。認定用データ群650が含むデータの数や内容は、登録コンテンツ5のジャンル(3DCGモデル、画像、音楽、文章、など)に応じても、各ジャンルの類似判定に対して適当に設定する。つまり、採用する類似判定アルゴリズムに応じて適宜認定用データ群650の内容を設定する。
【0098】
登録サーバシステム1100Uは、登録リクエストされたUGC4について、認定用データ群650を求める。そして、UGC4の認定用データ群650(650a)と、登録コンテンツ5の認定用データ群650(650c)とを比較して両者の類否又は差異を求める。類否又は差異が所定の認定条件を満たしていれば、登録リクエストされたUGC4を新たな登録コンテンツ5として登録する。
【0099】
認定条件は、登録リクエストがされたUGC4と登録コンテンツ5との類似性を判定するための条件であり、満たすべき類否又は差異の程度を示す。つまり、認定条件は、コンテンツ間の外観、属性およびパラメータの何れかの類否又は差異に基づく類否条件を含んで記述される。
【0100】
認定条件には、(1)登録リクエストされたUGC4を第1世代(始祖)とする新たな系譜を作って登録するために満たすべき類否又は差異の程度を示す「新系譜認定条件」と、(2)登録リクエストされたUGC4を既存の系譜に属するように登録するために満たすべき「既存系譜認定条件」と、がある。
【0101】
「新系譜認定条件」は、類似性が無い、又は、類似の度合が所定の非類似条件(或いは所定の大差条件)を満たす場合に肯定判定されるように記述されている。言い換えると、新系譜認定条件は、登録リクエストされたUGC4が、既に登録されている登録コンテンツ5の2次著作というよりも新たな1次著作と言える場合の条件である。
【0102】
「既存系譜認定条件」は、登録リクエストされたUGC4と登録コンテンツ5との間に、登録リクエストされたUGC4が登録コンテンツ5のアレンジ程度の類似性、言い換えると1次著作としては認められないが2次著作としては認められる程度の、類似の度合が所定の類似条件を満たす場合に、肯定判定されるように記述されている。
【0103】
認定条件は、画像特徴値群651および配色特徴値群652の類否又は差異から求められる画像類似度と、使用パーツリスト653および装備リスト654の類否又は差異から求められる構成要素類似度と、能力設定リスト655の類否又は差異から求められる能力設定類似度と、の各類似度の閾値や範囲で記述される。および/又はそれらの類似度を変数として、それぞれに重み付けをした所定の関数で求められる総合類似度の閾値や範囲で記述される。
【0104】
認定条件を満たしているかの判定は、登録リクエストされたUGC4を判定対象コンテンツとし、登録コンテンツ5のなかから選択された参照コンテンツと比較することで行う。
【0105】
参照コンテンツは、変更基礎コンテンツが選択された場合にはこれを第1に選択する。また、認定用データ群650が登録リクエストされたUGC4と最も類似する(最も差異が小さい)登録コンテンツ5を参照コンテンツとする。或いは、認定用データ群650が類似する順に登録コンテンツ5をソートして、ソート結果の上位から所定数を選択して参照コンテンツとする。そして、判定対象コンテンツと参照コンテンツとの間で、第1に新系譜認定条件を満たしているかを判定し、第2に既存系譜認定条件を満たしているかを判定する。
【0106】
図9は、既存系譜認定条件を満たす一例を示す図である。判定対象コンテンツであるUGC4aは、参照コンテンツである登録コンテンツ5cと比較すると、各部位として使用されているパーツは同じであるが配色が異なる。言い換えると、配色以外はアレンジされていない。この例では、UGC4aは、参照コンテンツの系譜に含めるのが相応しい。よって、図9に示すように、判定対象コンテンツであるUGC4aを、参照コンテンツの属する系譜αにおいて、参照コンテンツ(登録コンテンツ5c)の直系次世代の登録コンテンツ5aとして、作成ユーザ2aとの情報と対応づけて登録する。
【0107】
図10は、新系譜認定条件を満たす一例を示す図である。判定対象コンテンツであるUGC4xは、参照コンテンツである登録コンテンツ5cと比較すると、頭部を除く他の部位全てにおいて使用されているパーツが異なり、且つ配色も異なる。言い換えると、僅かに参照コンテンツの面影を残す程度でほとんど別の外観を有している。よって、この例では、UGC4xは新たな1次著作とみなすのが相応しい。そこで、図11に示すように、判定対象コンテンツであるUGC4xを、新たな系譜βにおける第1世代(始祖)の登録コンテンツ5xとして、作成ユーザ2aとの情報と対応づけて登録する。
【0108】
次に、機能構成について説明する。
図12は、サーバサイドシステム1010の機能構成例を示すブロック図であって、サービス提供サーバシステム1100Gと登録サーバシステム1100Uとが担う機能をまとめて示す図である。
【0109】
サーバサイドシステム1010は、機能面でサービス提供サーバシステム1100Gと登録サーバシステム1100Uとに分けられるが、1つのサーバサイドシステム1010として包括すると、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える構成となる。
【0110】
操作入力部100sは、サーバサイドシステム1010の管理のための各種操作を入力するための手段である。例えば、キーボード、タッチパネル、マウス、などがこれに該当する。
【0111】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路となるプロセッサの他、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号などから受信したデータ、等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバサイドシステム1010の動作を統合的に制御する。
【0112】
サーバサイドシステム1010のサーバ処理部200sは、ユーザ管理部202と、サービス提供管理部210と、登録管理部220と、計時部280sと、音生成部290sと、画像生成部292sと、通信制御部294sと、を有する。
【0113】
ユーザ管理部202は、仮想空間サービスシステム1000のユーザ登録手続きに係る処理およびユーザアカウントに紐付けられる各種情報の記憶管理を行う。
【0114】
サービス提供管理部210は、仮想空間サービスの提供に係る各種制御を行う。具体的には、仮想3次元空間に背景オブジェクトを配置してゲーム空間を設定し、ゲーム空間にユーザキャラクタ等のキャラクタを配置してその動作を制御する。そして、ゲームの進行を制御し、ゲーム成績に応じて、UGC4の作成に使用可能なパーツ等をユーザに付与する。
【0115】
サービス提供管理部210は、取引制御部212を有する。
取引制御部212は、仮想空間サービスに係る登録コンテンツ5をユーザ間で取り引きする仮想マーケットを運営するための各種制御を行う。取引制御部212は、ユーザ2が取引で取得した登録コンテンツ5を、当該ユーザの所有コンテンツ6として登録する制御も行う。
【0116】
登録管理部220は、登録コンテンツ5の登録に係る各種処理を実行する。
登録管理部220は、判定部230と、新規登録制御部240と、認定条件設定部250と、特典付与制御部252と、を有する。
【0117】
判定部230は、登録コンテンツ5に基づく認定条件に従って、所与の判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして認定するか否かを判定する(図8図10参照)。
【0118】
また、判定部230は、参照コンテンツ選択部232を有する。
参照コンテンツ選択部232は、登録コンテンツの中から、判定対象コンテンツと登録コンテンツとの類否又は差異に基づいて参照コンテンツを選択する。具体的には、変更基礎操作アイコン30(図3参照)が操作されて、既存の登録コンテンツ5がUGC4の作成の基礎(変更基礎コンテンツ)として選択された場合、選択された登録コンテンツ5を参照コンテンツとして選択する。
【0119】
認定条件には、判定対象コンテンツと参照コンテンツとの類否又は差異に基づく所定の類否条件が含まれており、判定部230は、この類否条件に従って認定するか否かの判定を行う。
【0120】
新規登録制御部240は、判定部230により肯定判定された場合に、判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして、当該判定対象コンテンツを作成した作成ユーザと対応付けて登録する。
【0121】
新規登録制御部240は、関連付け制御部242と、承認要求制御部244と、評価受付制御部246と、を有する。
【0122】
関連付け制御部242は、判定対象コンテンツを新たに登録する場合に、当該判定対象コンテンツを、判定部230による認定条件の判定対象とした所与の参照コンテンツと関連付ける。具体的には、コンテンツ間の関連付けを系譜状に行う(図9参照)。
【0123】
承認要求制御部244は、判定部230により肯定判定された場合に、参照コンテンツを作成した作成ユーザに、判定対象コンテンツを新たに登録する承認を求める承認要求を行う。そして、新規登録制御部240は、承認要求に対する承認が得られた場合に、判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして登録する。
【0124】
承認を求める方法は、適宜設定できる。例えば、予め登録されている電子メールアドレスに判定対象コンテンツの画像とともに承認するか否かの返答を求める内容のテキスト文を含めて送信して返信を受け付ける。そして、返信に基づいて多数決で承認/非承認を判定する。或いは、当該作成ユーザがログインした際に、判定対象コンテンツの画像とともに承認するか否かの返答を求める内容のテキスト文を含む所与の承認要求画面をユーザ端末1500にて表示させ、承認/非承認の選択操作を受け付けるとしてもよい。
【0125】
評価受付制御部246は、判定部230により肯定判定された場合に、判定対象コンテンツを作成した作成ユーザ以外のユーザから、判定対象コンテンツに対する評価を受け付ける。そして、新規登録制御部240は、評価受付制御部246により受け付けられた評価結果が所定条件を満たす場合に、判定対象コンテンツを新たな登録コンテンツとして登録する。
【0126】
評価受付の方法は、適宜設定できる。例えば、作成ユーザ以外の複数のユーザに宛てて、予め登録されている電子メールアドレスに判定対象コンテンツの画像とともに登録に値するか否かの評価を求める内容のテキスト文を含めて送信して返信を受け付ける。そして、返信に基づいて多数決で評価結果を決定する。
【0127】
登録に値するか否かの評価は、登録に値する/しないの2択としてもよし、評価点を入力してもらい、その合計評価点が所定の条件に達すると登録するとしてもよい。或いは、サービス提供に係る一機能として、評価受付用の電子掲示板をユーザ端末1500にて期限付きで表示させる。そして、判定対象コンテンツの画像とともに登録に値するか否かの投票を求め、多数決で決するとしてもよい。
【0128】
認定条件設定部250は、登録済の登録コンテンツの数に基づいて認定条件を可変に設定する。具体的には、登録されている登録コンテンツの数が所与の多数条件を満たすと、新系譜認定条件が現状よりも緩やかになるように変更する。登録コンテンツの数は、登録サーバシステム1100Uに登録されている総数としてもよいし、系譜別の登録数としてもよい。
【0129】
特典付与制御部252は、新規登録制御部240による登録がなされた場合に、(1)判定対象コンテンツの作成ユーザ、(2)参照コンテンツの作成ユーザ、(3)判定対象コンテンツと関連付けられる系譜上位の登録コンテンツの作成ユーザ、の少なくとも何れかへ所与の特典を付与する制御を行う。
【0130】
そして、特典付与制御部252は、特典の付与に際して、(1)判定対象コンテンツの系譜位置、(2)系譜上位の登録コンテンツの作成ユーザの数、(3)判定対象コンテンツと参照コンテンツとの差異、の少なくとも何れかに基づいて付与する特典を設定する。
【0131】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の各種計時を行う。
【0132】
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現される。音生成部290sは、生成した音声信号を音出力部390sへ出力する。音出力部390sは、スピーカ等により実現され、音声信号に基づいて放音する。
【0133】
画像生成部292sは、サーバサイドシステム1010のシステム管理のための各種管理画面の画像生成を行い、画像データを画像表示部392sに出力する。また、ユーザ端末1500にて表示させる画像の一部又は全部の生成を行う。画像表示部392sは、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。
【0134】
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。通信部394sは、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1の例では通信装置1153がこれに該当する。
【0135】
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバサイドシステム1010を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。これらの機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。図1の例では、サービス提供サーバシステム1100Gや登録サーバシステム1100Uの本体装置が搭載するICメモリ1152やハードディスクなどの記憶媒体がこれに該当する。オンラインストレージをサーバ記憶部500sに含めてもよい。
【0136】
図13は、サーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。
サーバ記憶部500sは、サーバプログラム501と、配信用クライアントプログラム503と、ゲーム初期設定データ505と、ボーン定義データ512と、パーツ定義データ514と、装備定義データ516と、能力定義データ518と、を記憶する。
【0137】
また、サーバ記憶部500sは、特典定義データ520と、新系譜認定条件初期設定データ530と、既存系譜認定条件初期設定データ532と、認定条件変更パターンデータ540と、ユーザ登録データ570と、を記憶する。
【0138】
またサーバ記憶部500sは、UGC作成管理データ600と、判定対象コンテンツデータ640と、登録コンテンツデータ660と、系譜登録データ680と、プレイデータ700と、現在日時900と、を記憶する。
なお、サーバ記憶部500sは、その他のプログラムやデータ(例えばタイマーや、カウンタ、各種フラグ、など)も適宜記憶する。
【0139】
サーバプログラム501は、ユーザ管理部202、サービス提供管理部210、登録管理部220、としての機能を実現させるためのプログラムである。
【0140】
配信用クライアントプログラム503は、ユーザ端末1500へ提供されて実行されるクライアントプログラムのオリジナルである。
【0141】
ゲーム初期設定データ505は、オンラインゲームに係る各種初期設定データ、つまり仮想空間サービスの提供に係る各種初期設定データを格納する。
【0142】
ボーン定義データ512は、UGC4の作成に使用可能なボーン(図6参照)別に用意され、当該ボーンに係る各種データを格納する。
パーツ定義データ514は、UGC4の作成に使用可能な各部位のパーツ(図7参照)別に用意され、当該パーツに係る各種データを格納する。
装備定義データ516は、UGC4の作成に使用可能な装備別に用意され、当該装備に係る各種データを格納する。
能力定義データ518は、UGC4の作成に使用可能な能力の種類別に用意され、当該能力に係る各種データを格納する。
【0143】
特典定義データ520は、登録コンテンツ5の作成ユーザへ付与される特典別に用意される。1つの特典定義データ520は、例えば図14に示すように、当該定義データが適用されるために満たされるべき適用要件521と、特典の内容を示す特典内容データ523と、を含む。
【0144】
適用要件521は、1つの詳細条件又は複数の詳細条件をANDやORで組み合わせて記述される。詳細条件としては、例えば、付与目的条件521a、系譜位置条件521b、系譜上位数条件521c、差異条件521d、を用いてもよい。
【0145】
付与目的条件521aは、付与される特典が、UGC4が新たに登録コンテンツ5として登録された場合に付与される「登録特典」、ユーザ間での取引成立した場合に付与される「取引特典」、所有コンテンツ6となってオンラインゲームで利用された場合に付与される「利用特典」、の何れとして付与されようとしているか、についての詳細条件である。
【0146】
系譜位置条件521bは、特典付与の起源となった登録コンテンツ5(以降、起源コンテンツと言う。)が所属する系譜における位置(例えば、何世代であるか、同世代の数、系譜に属する登録コンテンツの総数、系譜下位の有無、系譜下位の登録コンテンツ数、など)についての詳細条件である。
【0147】
系譜上位数条件521cは、起源コンテンツよりも系譜の直系上位に位置する他の登録コンテンツ5の数についての詳細条件である。
【0148】
差異条件521dは、起源コンテンツの登録認定の判定の際に参照された参照コンテンツとの類否又は差異の程度についての詳細条件である。
【0149】
なお、詳細条件は、これらのうち1つ又は複数を省略してもよいし、これら以外の詳細条件を用いてもよい。また、詳細条件を実質的に条件無しとなるように記述してもよい。
【0150】
特典内容データ523は、起源コンテンツの作成ユーザ向けの起源コンテンツ作成ユーザ向け特典と、起源コンテンツの系譜直系上位の登録コンテンツ5の作成ユーザ向けの上位コンテンツ作成ユーザ向け特典と、を含む。上位コンテンツ作成ユーザ向け特典は、起源コンテンツとの世代差によって特典の内容を変えても良い。例えば、世代差が大きくなるほど、価値が下がる特典として定義してもよい。また、上位コンテンツ作成ユーザ向け特典を付与する作成ユーザ数に上限を設けてもよい。因みに、既存系譜認定条件を満たして登録された場合には、必然的に認定の際に参照された参照コンテンツの作成ユーザは、系譜直系上位の登録コンテンツ5の作成ユーザに含まれる。
【0151】
図13に戻って、新系譜認定条件初期設定データ530と、既存系譜認定条件初期設定データ532は、それぞれ新系譜認定条件、既存系譜認定条件の初期設定を格納する。
【0152】
認定条件変更パターンデータ540は、新系譜認定条件初期設定データ530の示す初期設定や、既存系譜認定条件初期設定データ532の示す初期設定をどのような時にどのように変更して、認定の判定に適用する適用新系譜認定条件或いは既存系譜認定条件を設定するかを定義する。
【0153】
1つの認定条件変更パターンデータ540は、例えば図15に示すように、当該変更パターンが適用されるために満たすべき適用要件541と、新系譜認定条件又は既存系譜認定条件の何れかを示す変更対象543と、変更内容545と、を含む。
【0154】
適用要件541は、1つの詳細条件又は複数の詳細条件をANDやORで組み合わせて記述される。詳細条件としては、登録サーバシステム1100Uで登録されている登録コンテンツ5の総数についての登録総数条件541a、参照コンテンツが属する系譜における登録コンテンツ5の所属数についての所属数条件541b、を用いてもよい。勿論、どちらか一方を省略してもよいし、実質的に無設定とする内容としてもよいまた、これら以外の詳細条件を用いてもよい。
【0155】
認定条件変更パターンデータ540を適切に用意することで、新たに登録コンテンツ5として登録するための「敷居の高さ」を調整して、登録コンテンツ5の数が膨大になったり、登録コンテンツ5としての価値の低下を防ぐことができる。また、1つの系譜に多数の登録コンテンツ5が所属すると、取引する登録コンテンツ5の選択欄や変更基礎コンテンツ選択画面W4(図4参照)における系譜樹形図45の表示が煩雑で見難くなる。しかし、所属数条件545bを適切に設定した認定条件変更パターンデータ540で、適用新系譜認定条件や適用既存系譜認定条件を設定することで、そうした系譜への所属数増加を抑制しつつ、新たな系譜を生み出し、登録コンテンツ5をユーザが選択する際のユーザビリティを向上できる。
【0156】
図13に戻って、ユーザ登録データ570は、仮想空間サービスシステム1000の登録ユーザ毎に用意され、当該ユーザに紐付けされる各種データを格納する。
1つのユーザ登録データ570は、例えば図16に示すように、ユーザアカウント571と、新たな登録コンテンツ5の登録に係る承認や評価を求める通知の送り先である通知先データ572(例えば、電子メールアドレスなど)と、所有パーツ管理データ573と、を含む。また、ユーザ登録データ570は、所有コンテンツ管理データ575と、付与済特典データ577と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。例えば、ゲームのセーブデータや、UGC4の生成作業の保存データ、なども適宜含めることができる。
【0157】
所有パーツ管理データ573は、購入やゲーム内で入手したUGC4の生成に使用できるパーツ毎に作成され、当該パーツに係る各種データを格納する。1つの所有パーツ管理データ573は、例えば、パーツ種類と、所有数と、カラーデータと、能力設定のデータとを含む。
【0158】
所有コンテンツ管理データ575は、所有コンテンツ6(図2参照)毎に用意され、当該所有コンテンツの最新状態を示す各種データを格納する。例えば、登録コンテンツID、利用履歴、取引日時、などを格納する。
【0159】
図13に戻って、UGC作成管理データ600は、UGC4の作成に係る作業データを格納する。UGC作成管理データ600は、例えば図17に示すように、UGCメタデータ610と、UGC本体データ620とを含む。
【0160】
UGCメタデータ610は、作成ユーザアカウント611と、作成日時613と、コンテンツ名615と、変更基礎コンテンツID617と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。変更基礎コンテンツID617は、初期値はNULLであるが、変更基礎コンテンツ選択画面W4(図4参照)にて、何れかの登録コンテンツ5を、UGS4を作成するための変更基礎コンテンツとした場合に、当該登録コンテンツ5の登録コンテンツIDが設定される。
【0161】
UGC本体データ620は、使用ボーンデータ621と、使用パーツデータ622と、使用装備データ623と、能力パラメータ設定データ624と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0162】
なお、UGC作成管理データ600は、サーバサイドシステム1010ではなく、ユーザ端末1500にて記憶するとしてもよい。
【0163】
図13に戻って、判定対象コンテンツデータ640は、登録リクエストされたUGC4すなわち判定対象コンテンツに係るデータを格納する。判定対象コンテンツデータ640は、例えば図18に示すように、判定対象コンテンツメタデータ643(UGCメタデータ610の写し)と、判定対象コンテンツ本体データ644(UGC本体データ620の写し)と、比較用画像データ645と、認定用データ群650と、参照コンテンツID659と、を含む。
【0164】
比較用画像データ645は、画像特徴値群651と配色特徴値群652を求めるための画像のデータであって、判定対象コンテンツとされるUGC4に所定のポーズを取らせてレンダリングした6面図(正面図・背面図・右側面図・左側面図・上面図・下面図)である。
【0165】
図13に戻って、登録コンテンツデータ660は、登録リクエストされたUGC4が、認定条件を満たしたと判定され、新たに登録コンテンツ5として登録される都度に作成される。
【0166】
1つの登録コンテンツデータ660は、例えば図19に示すように、固有の登録コンテンツID661と、登録日時662と、登録コンテンツメタデータ664と、登録コンテンツ本体データ665と、を含む。また、登録コンテンツデータ660は、比較用画像データ666と、認定用データ群667と、参照コンテンツIDリスト668と、系譜位置データ670と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0167】
登録コンテンツメタデータ664は、判定対象コンテンツメタデータ643(図18参照)の写しである。登録コンテンツ本体データ(図18参照)は、判定対象コンテンツ本体データ644(図18参照)の写しである。比較用画像データ666と認定用データ群667は、それぞれ判定対象コンテンツデータ640(図18参照)の同名データの写しである。参照コンテンツIDリスト668は、参照コンテンツID659を纏めて写したデータである。
【0168】
系譜位置データ670は、当該登録コンテンツの所属する系譜における位置関係を示す各種データを格納する。例えば、系譜位置データ670は、所属する系譜の系譜ID671と、世代数672と、系譜直系の親を示す親登録コンテンツID673と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0169】
図13に戻って、系譜登録データ680は、系譜毎に作成され、当該系譜に係る各種データを格納する。1つの系譜登録データ680は、例えば図20に示すように、系譜ID681と、第1世代(始祖)である登録コンテンツ5を示す始祖UGCID683と、所属登録コンテンツデータ685と、系譜樹形図データ687と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0170】
所属登録コンテンツデータ685は、当該系譜に所属する登録コンテンツ5毎に用意され、当該登録コンテンツの登録コンテンツID、世代数、系譜直系の親登録コンテンツID、を格納する。
【0171】
図13に戻って、プレイデータ700は、オンラインゲームのプレイ毎に作成され、ゲーム進行制御に係る各種データを格納する。
【0172】
図21は、ユーザ端末1500の機能構成例を示す機能ブロック図である。ユーザ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、端末記憶部500と、を備える。
【0173】
操作入力部100は、ユーザによってなされた各種の操作入力に応じた操作入力信号を端末処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、などによって実現できる。
【0174】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や端末記憶部500を含む各機能部との間のデータ入出力の制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバサイドシステム1010から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、ユーザ端末1500の動作を制御する。
【0175】
端末処理部200は、クライアント制御部260と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294と、を有する。
【0176】
クライアント制御部260は、仮想空間サービスシステム1000におけるクライアントとしての制御として、ユーザ端末1500をMMIF(マン・マシン・インターフェース)として機能させる各種制御を行う。具体的には、クライアント制御部260は、操作入力情報提供部261と、表示制御部262と、を有する。
【0177】
操作入力情報提供部261は、操作入力部100からの入力に応じて操作入力情報をサーバサイドシステム1010へ送信する制御を行う。
【0178】
表示制御部262は、サーバサイドシステム1010から受信したデータに基づいて各種画像を表示させるための制御を行う。
【0179】
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0180】
音生成部290は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、楽曲や効果音、各種操作音の音信号を生成し、音出力部390に出力する。音出力部390は、スピーカなど音生成部290から入力される音信号に基づいて音出力(放音)する装置によって実現される。
【0181】
画像生成部292は、クライアント制御部260の制御に基づく画像を画像表示部392へ表示させる画像信号を生成・出力する。図1の例では、制御基板1550に搭載されるGPU(Graphics Processing Unit)や、グラフィックコントローラ、グラフィックボード、などがこれに該当する。画像表示部392は、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。
【0182】
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0183】
通信部394は、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1の例では通信モジュール1553がこれに該当する。
【0184】
端末記憶部500は、端末処理部200に所与の機能を実現させるためのプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部200の作業領域として用いられ、端末処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1の例では、制御基板1550が搭載するICメモリ1552がこれに該当する。
【0185】
具体的には、端末記憶部500は、ユーザ端末1500を仮想空間サービス用のクライアント制御部260として機能させるためのクライアントプログラム800(アプリケーションプログラム)と、クライアントデータ810と、現在日時900と、を記憶する。勿論、これら以外のデータも適宜記憶できる。
【0186】
クライアントデータ810は、クライアント制御部260が制御を実行するための各種データである。クライアントデータ810は、例えば、仮想空間サービスのユーザとしてのユーザアカウントや、パスワード、などを含む。UGC作成管理データ600(図13参照)をユーザ端末1500にて一時記憶する構成では、これをクライアントデータ810に含めるとしてもよい。
【0187】
図22図23は、サーバサイドシステム1010が実行する処理の流れを説明するためのフローチャートである。
ユーザ端末1500は、所定の作成開始操作を入力すると、サーバサイドシステム1010へ、作成開始リクエストを送信する。
【0188】
サーバサイドシステム1010は、作成開始リクエストを受信すると(ステップS10のYES)、UGC作成処理を実行する(ステップS12)。サーバサイドシステム1010は、ユーザ端末1500にて作成画面W2(図3から図7参照)を表示させ、様々な操作アイコンへの操作入力等に応じてUGC4の作成・編集を実行する。作業データは、UGC作成管理データ600(図17参照)として記憶されている。
【0189】
ユーザ端末1500は、所定の登録リクエスト操作を入力すると、サーバサイドシステム1010へ登録リクエストを送信する。
サーバサイドシステム1010は、登録リクエストを受信すると(ステップS20のYES)、登録リクエスト処理を実行する(ステップS22)。
【0190】
図24図25は、登録リクエスト処理の流れを説明するためのフローチャートである。
登録リクエスト処理において、サーバサイドシステム1010は、UGC作成管理データ600に基づいて判定対象コンテンツデータ640(図18参照)を初期設定して登録リクエストされたUGC4を判定対象コンテンツとして設定する(ステップS50)。初期設定された判定対象コンテンツデータ640では、比較用画像データ645、認定用データ群650、および参照コンテンツID659は、未定を示す所定値(例えば、NULL)である。
【0191】
次に、サーバサイドシステム1010は、判定対象コンテンツを、使用されているボーンの種類毎に予め定められた所定のポーズを取らせてレンダリングし、比較用画像データ645を作成し(ステップS52)、認定用データ群650を算出する(ステップS54)。
【0192】
次に、サーバサイドシステム1010は、参照コンテンツを選択する(ステップS56)。具体的には、変更基礎コンテンツID617がNULL以外に設定されている場合、変更基礎コンテンツID617が示す登録コンテンツ5を参照コンテンツの1つとして設定する。また、判定対象コンテンツの認定用データ群650と、各登録コンテンツ5の認定用データ群667とを比較して類似度合の順にソートし、類似度の高い方(類否又は差異が小さい方)から所定数を抽出して(又は類似度が基準値以上の全てを抽出して)、それらを参照コンテンツとする。これにより、参照コンテンツID659が決定する(図18参照)。
【0193】
判定対象コンテンツと参照コンテンツとが定まったならば、サーバサイドシステム1010は、参照コンテンツ毎にループAを実行する(ステップS70から図25のステップS110)。
【0194】
ループAにおいて、サーバサイドシステム1010は、サーバサイドシステム1010は、適用新系譜認定条件を設定する(ステップS71)。具体的には、認定条件変更パターンデータ540(図15参照)の中から、変更対象543が「新系譜認定条件」を示し、且つ適用要件541が満たされるパターンデータを検索する。そして検索した認定条件変更パターンデータ540の変更対象543が示す認定条件の初期設定(この場合、新系譜認定条件初期設定データ530)をコピーして、コピーした内容を変更内容545に従って変更して適用新系譜認定条件とする。
【0195】
次いで、サーバサイドシステム1010は、判定対象コンテンツと処理対象とする参照コンテンツとの類否又は差異が、適用新系譜認定条件を満たすか判定する(ステップS72)。
【0196】
適用新系譜認定条件を満たすが(ステップS72のYES)、適用新系譜認定条件をギリギリで満たす場合には(ステップS74のYES)、登録ユーザのなかから所定数を選択して、判定対象コンテンツを新系譜の新たな登録コンテンツ5として登録する承認を求める承認要求制御を実行する(ステップS76)。
【0197】
承認要求の方法としては、例えば、作成ユーザ以外の複数のユーザに宛てて、予め登録されている電子メールアドレスに判定対象コンテンツの画像とともに登録を承認するか否かの選択を求める内容のテキスト文を送信する。そして、返信に基づいて多数決で承認/非承認を決定する。承認するか否かではなく、判定対象コンテンツの登録コンテンツとして相応しいと思う評価点を求めるとしてもよい。この場合、返信に基づいて評価結果を集計し、合計得点が承認条件とする閾値に達すると登録する。
【0198】
適用新系譜認定条件を、その範囲や閾値に対して余裕を持って満たす場合(ステップS74のNO)、および承認要求で承認を得られたならば(ステップS78のYES)、サーバサイドシステム1010は、新たな系譜を作成して、判定対象コンテンツをその第1世代(始祖)の登録コンテンツ5として登録する(ステップS80)。
【0199】
そして、サーバサイドシステム1010は、登録リクエストしたユーザ端末1500にて所定の登録通知を表示させ、登録特典を付与する(ステップS82)。すなわち、特典定義データ520のうち、適用要件521を満たす定義データを検索し、その特典内容データ523に従って特典を付与する。登録特典を付与する場合、起源コンテンツ作成ユーザ向け特典は、判定対象コンテンツの作成ユーザに付与され、上位コンテンツ作成ユーザ向け特典は、ループAの処理対象とされている参照コンテンツの作成ユーザを含む系譜直系上位の登録コンテンツ5の作成ユーザへ付与される。
【0200】
適用新系譜認定条件を満たさない場合(ステップS72のNO)、或いは、承認要求で承認を得られなかった場合(ステップS78のNO)、サーバサイドシステム1010は、適用既存系譜認定条件を設定する(ステップS84)。
【0201】
具体的には、認定条件変更パターンデータ540(図15参照)の中から、変更対象543が「既存系譜認定条件」を示し、且つ適用要件541が満たされるパターンデータを検索する。そして検索した認定条件変更パターンデータ540の変更対象543が示す認定条件の初期設定(この場合、既存系譜認定条件初期設定データ532)をコピーして、コピーした内容を変更内容545に従って変更して適用既存系譜認定条件とする。
【0202】
図25に移って、次にサーバサイドシステム1010は、判定対象コンテンツと、ループAの処理対象とされる参照コンテンツとの類否又は差異が、適用既存系譜認定条件を満たすかを判定する(ステップS92)。
【0203】
適用既存系譜認定条件を満たすが(ステップS92のYES)、その範囲や閾値に対してギリギリで条件を満たした場合には(ステップS94のYES)、サーバサイドシステム1010は、ステップS76と同様にして承認要求制御を実行する(ステップS96)。
【0204】
そして、ステップS78と同様に、承認要求で承認されたならば(ステップS98のYES)、サーバサイドシステム1010は、ループAの処理対象とされている参照コンテンツの系譜を登録予定系譜とみなし、当該系譜の登録コンテンツ5の作成ユーザに、判定対象コンテンツの登録について承認を要求する(ステップS100)。承認要求する作成ユーザは、処理対象とされている参照コンテンツの作成ユーザとしてもよいし、登録予定系譜の第1世代の登録コンテンツ5の作成ユーザとしてもよい。或いはその両方としてもよい。
【0205】
そして、承認されたならば(ステップS102のYES)、サーバサイドシステム1010は、判定対象コンテンツを、処理対象とされている参照コンテンツの系譜へ新たな登録コンテンツ5として登録する(ステップS104)。具体的には、処理対象とされている参照コンテンツの次世代である直系の系譜下位として追加登録する(図9参照)。
【0206】
そして、サーバサイドシステム1010は、登録リクエストしたユーザ端末1500にて所定の登録通知を表示させ、登録特典を付与する(ステップS106)。すなわち、特典定義データ520のうち、適用要件521を満たす定義データを検索し、その特典内容データ523に従って特典を付与する。起源コンテンツ作成ユーザ向け特典は、判定対象コンテンツの作成ユーザに付与され、上位コンテンツ作成ユーザ向け特典は、ループAの処理対象とされている参照コンテンツの作成ユーザを含む系譜直系上位の登録コンテンツ5の作成ユーザへ付与される。
【0207】
全ての参照コンテンツについてループAを実行した結果、判定対象コンテンツに、どの登録コンテンツ5と比べても特徴的な差異(1次著作相当とみなせる程の差異)があれば、結果として新系譜の第1世代として登録される。1次著作相当とみなせる程の差異は無いが2次著作とみなせる程度の差異があれば、判定対象コンテンツは結果として既存系譜に追加登録される。しかし、2次著作とみなせる程度の差異にも達しない場合、例えば、登録コンテンツ5の完全コピーや一部改変程度の差異しか無い場合には、全ての参照コンテンツについてループAを実行しても判定対象コンテンツは新たな登録コンテンツ5として登録されない。
【0208】
サーバサイドシステム1010は、判定対象コンテンツが登録されたならば(ステップS112のYES)、登録リクエスト処理を終了する。
全ての参照コンテンツについてループAを実行しても判定対象コンテンツが登録されなかったならば(ステップS112のNO)、サーバサイドシステム1010は、却下通知処理を実行して、登録リクエストしたユーザ端末1500にて所与の却下通知を表示させてから(ステップS114)、登録リクエスト処理を終了する。
【0209】
図22に戻って、ユーザが所定の登録コンテンツ5の購入取引開始操作を入力すると、ユーザ端末1500はサーバサイドシステム1010へ所与の購入リクエストを送信する。
サーバサイドシステム1010は、購入リクエストを受信すると(ステップS130のYES)、登録コンテンツのマーケット機能処理を実行する(ステップS132)。
【0210】
例えば、購入リクエストしたユーザ端末1500にて、登録コンテンツ5を選択可能な一覧を含むマーケット画面を表示させ、購入する登録コンテンツ5の選択操作と支払操作を受け付けて、登録コンテンツ5の購入取引を実現する。購入取引に際しては、適宜、サービス提供サーバシステム1100Gから登録サーバシステム1100Uへ提供リクエストをして、提供リクエストを受信した登録サーバシステム1100Uが、登録コンテンツ5のデータをリクエスト元のサービス提供サーバシステム1100Gへ提供する。購入された登録コンテンツ5は、当該ユーザの所有コンテンツ6として登録される。
【0211】
そして、サーバサイドシステム1010は、取引が成立した登録コンテンツ5毎に取引特典の付与を行う(ステップS134)。
【0212】
ユーザが所定のゲーム開始操作を入力すると、ユーザ端末1500はサーバサイドシステム1010へゲーム開始リクエストを送信する。
サーバサイドシステム1010は、ゲーム開始リクエストを受信すると(ステップS140のYES)、ゲーム内でユーザがユーザキャラクタや味方NPC、対戦相手NPCなどとしてゲーム内で使用する登録コンテンツ5の選択受付処理を実行する(ステップS142)。
【0213】
例えば、ユーザの所有コンテンツ6を選択操作可能に一覧表示して、ユーザキャラクタとする所有コンテンツ6の選択を受け付ける。ユーザキャラクタをその場で登録コンテンツ5のなかから選ぶ(一時的にレンタルする)場合や、味方NPCや対戦相手NPCをユーザが選択可能とするゲームルールでは、登録コンテンツ5を選択操作可能に一覧表示して、ユーザの選択を受け付ける。そして、選択された登録コンテンツ5を一時的に所有コンテンツ6とみなして、ユーザキャラクタや味方NPC、対戦相手NPCとして利用可能にする(利用設定)。
【0214】
なお、選択受付処理に際しては、適宜、サービス提供サーバシステム1100Gから登録サーバシステム1100Uへ提供リクエストをして、提供リクエストを受信した登録サーバシステム1100Uが、登録コンテンツ5のデータをリクエスト元のサービス提供サーバシステム1100Gへ提供する。
【0215】
次いで、サービス提供サーバシステム1100Gは、選択受付処理で選択された登録コンテンツ5(ゲーム内で利用する登録コンテンツ5)を起源コンテンツとして、利用特典を付与し(ステップS144)、ゲーム進行制御を開始する(ステップS146)。
【0216】
図23に移って、ゲーム進行中であっても、利用する登録コンテンツ5を追加できるゲームルールであれば、ユーザが所定の追加利用開始操作を入力すると、ユーザ端末1500は、追加利用リクエストをサーバサイドシステム1010へ送信する。例えば、ユーザキャラクタの装備追加として登録コンテンツ5を追加利用、味方NPCの造園として登録コンテンツ5を追加利用、などが可能なルールである場合が該当する。
【0217】
サーバサイドシステム1010は、追加利用リクエストを受信すると(ステップS150のYES)、ステップS142と同様にして追加利用する登録コンテンツの選択受付と利用設定をする(ステップS152)。そして、追加利用する登録コンテンツ5を起源コンテンツとして、利用特典を付与する(ステップS154)。
【0218】
ゲーム終了条件が満たされると(ステップS156のYES)、サーバサイドシステム1010は、ゲーム成績の表示やセーブデータの保存などのゲーム終了処理を実行する(ステップS158)。
【0219】
ユーザが、所定のサービス提供終了操作を入力すると、ユーザ端末1500はサービス提供終了リクエストをサーバサイドシステム1010へ送信する。
サーバサイドシステム1010は、サービス提供終了リクエストを受信すると(ステップS160のYES)、当該サービス提供(オンラインゲームの提供)に関する一連の処理を終了する。
【0220】
以上、本実施形態によれば、電子著作物であるコンテンツの副次利用に係り作成者に付与される利益を適切に管理するための新しい技術を提供することができる。
【0221】
すなわち、サーバサイドシステム1010は、登録コンテンツ5を作成ユーザの情報と対応づけて記憶・管理する。新たに登録リクエストされるUGC4があれば、判定対象コンテンツが認定条件を満たしていれば、判定対象コンテンツのデータを作成ユーザのデータと対応づけて新たな登録コンテンツ5として記憶する。
【0222】
認定条件は、判定対象コンテンツと既存の登録コンテンツ5との比較に基づき判定される。よって、認定条件を設定しておくことで、既存の登録コンテンツ5を単純に複製しただけのコンテンツや、登録コンテンツ5に対して僅かで安易な改変・改作をしただけのコンテンツ、などが登録されることを防ぐことができる。つまり、認定条件に基づく判定によって、1次コンテンツとしても副次コンテンツとしても登録に値しないコンテンツを除外し、その作成ユーザが不当に利益を得ることを適切に防ぐことができる。逆に言えば、認定条件を満たすコンテンツであれば、新たなコンテンツとして登録され、作成ユーザが利益を受けられるようになる。
【0223】
加えて、新たに登録される場合、判定対象コンテンツは、認定条件に係る判定を行うにあたり比較対象とされた参照コンテンツと関連付けられる。
例えば、新たに登録されるコンテンツが2次コンテンツ相当であれば、関連付けられる参照コンテンツは「類似する登録コンテンツ」となる。よって、当該新たに登録されたコンテンツに係る利益を、当該コンテンツの作成ユーザ(2次作者)と、1次コンテンツの作成ユーザ(1次作者)とで適切に分配することも可能になる。勿論、新たに登録されるコンテンツが1次コンテンツ相当であれば、当該新たに登録されたコンテンツ係る利益を、当該コンテンツの作成ユーザに全て与えることも可能になる。
【0224】
つまり、電子著作物とも言えるコンテンツの副次利用に係り作成者に付与されるメリットを適切に管理することができる。
【0225】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態の例について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0226】
(変形例その1)
サービス提供サーバシステム1100Gが提供する仮想空間サービスは、オンラインゲームに限らない。仮想空間サービスのその他の例としては、ショッピング、音楽祭や花火大会などのイベント、仮想的な川下りやスカイダイブなどのアトラクション、スポーツ、競技の観戦、観劇、映画鑑賞、などが挙げられる。仮想空間サービスの内容に応じて、当該仮想空間サービスにおける登録コンテンツ5とすることができるUGCは、ゲーム内で使用可能なキャラクタやアイテムなどに限らず適宜設定可能である。
【0227】
例えば、図26に示すように、登録コンテンツ5は、アバター7が使用するアイテムであってもよい。アバター7は、メタバースのようなオープンワールド型のゲート空間(仮想空間)にユーザ2が参加する際に使用される。アバター7が使用するアイテとして、帽子5hとマフラー5mを例示しているがこれに限らない。例えば、登録コンテンツ5は、衣類、サングラス、バッグ、日用品、スポーツ用品、ステッカー、タトゥー、スタンプ、などでもよい。
【0228】
また、登録コンテンツ5は、アバター7が仮想空間内を移動するために利用する器具や乗り物、例えばスケートボードや、自転車、自動車、などであってもよい。アバター7でスポーツをする際に使用するスポーツ用品を登録コンテンツ5としてもよい。アバター7でショッピングをする際に購入対象となる品々、例えばインテリア用品や、フィギュア、仮想ペット、絵画、写真、などでもよい。
【0229】
また、登録コンテンツ5は、ビデオゲームの攻略情報であってもよい。具体的には、格闘ゲームやアクションゲームにて効果的に連撃を繰り出すための手順いわゆるコンボや、ロールプレイングゲームにて、とあるステージの仕掛けを効果的に解除するための手順など、であってもよい。
【0230】
結果として、仮想空間サービスシステム1000全体として見た場合、異なる仮想空間サービスを提供するサービス提供サーバシステム1100Gで、同じ登録コンテンツ5を用いることになってもよい。例えば、上記実施形態で例示したオンラインゲームでは、登録コンテンツ5をユーザキャラクタ等として用いたが、仮想空間サービスとして仮想空間におけるインテリア用品のショッピングを提供する場合、登録コンテンツ5をインテリア用の人形として用いるとしてもよい。
【0231】
(変形例その2)
登録コンテンツ5別に、当該登録コンテンツ5を参照コンテンツとしてループA(図24図25参照)を実行して、新系譜認定条件と既存系譜認定条件の両方とも満たさなかった回数(登録が却下された回数)をカウントしてもよい。そして、当該登録コンテンツ5の登録コンテンツデータ660(図19参照)にカウント数を保存し、適宜、当該カウント数をユーザに提示してもよい。
【0232】
カウント数の提示の仕方としては、例えば図27の変更基礎コンテンツ選択画面W4Bで示すように、系譜選択部43および系譜樹形図45で表示された登録コンテンツ5の像に、当該登録コンテンツ5に係るカウント数を却下数表示47として表示して、提示するとしてもよい。
【0233】
却下数表示47が多いということは、当該登録コンテンツ5に類似するUGC4が既に沢山作成されているにもかかわらず、新しい登録コンテンツ5としては却下されやすい現状を示す。却下数表示47が多い登録コンテンツ5を変更基礎コンテンツとしてUGC4を作成するユーザに対して、登録される可能性が低いかもしれない注意喚起となる効果が期待される。
【0234】
逆に、UGC4が登録されることをとにかく優先したいユーザにとって見れば、却下数表示47が少ない登録コンテンツ5を変更基礎コンテンツとすることで、登録される可能性・期待感が上がるため、創作を促す動機付けとなる。
こうした却下数表示47に係る2つの側面は、登録コンテンツ5の系譜における分布の偏りを防ぎつつ、登録コンテンツ5の多様性を高めるように作用する。
【0235】
(変形例その3)
サーバサイドシステム1010は、系譜に属する登録コンテンツ5の系譜別登録数や世代数が、所与の系譜分け条件を満たす場合に当該系譜を分割する系譜分割制御を行うとしてもよい。
【0236】
具体的には、当該系譜に属する登録コンテンツ5の総数が所与の上限総数を超えた場合および/又は当該系譜の世代数が所与の上限世代数を超えた場合に、系譜分け条件を満たすと判定する。そして、系譜分け条件を満たす場合、系譜下位へ連なる登録数が最も多い登録コンテンツ5を分割基点コンテンツとして選択し、当該分割基点コンテンツから系譜下位に連なる複数の登録コンテンツ5を、元の系譜から系譜上下関係はそのままに新たに作成した系譜に移管するとしてよい。その際、移管される登録コンテンツ5の数は、元の系譜の総数が50%から70%程度になるように調整すると好適である。
【0237】
(変形例その4)
図28図29は、登録リクエスト処理の変形例(登録リクエスト処理B)の流れを説明するためのフローチャートである。登録リクエスト処理Bは、登録リクエスト処理(図24から図25参照)の代わりに実行される。登録リクエスト処理Bの流れは、大部分は図24から図25に示す登録リクエスト処理と同様であるが、図29に示すように、ステップS90が追加されている。ステップS90では、サーバサイドシステム1010は、判定対象コンテンツの作成ユーザが、所定の特待条件を満たしているかを判定する。
【0238】
「特待条件」は、既存系譜登録に係り、通常であれば適用既存系譜認定条件を満たさないと登録されないところを、特別に無条件で既存系譜登録をする特別待遇対象者であることを示す。例えば、特待条件は、ユーザコミュニティにおける有名人であることとすることができる。
【0239】
具体的には、サーバサイドシステム1010が、全ユーザを各々のプレイ成績に基づいてランキングを行う機能を有する構成では、特待条件を「ランキングの所定順位までの上位者」としてもよい。また、サーバサイドシステム1010が、ゲーム動画の配信サービス機能を有し、当該機能に係り視聴者数や視聴回数の統計機能や、視聴者評価を受け付けて統計する機能、を有する構成では、特待条件を「視聴者数および/又は視聴回数が所定数以上」および/又は「視聴者評価が所定基準以上」としてもよい。
【0240】
なお、配信サービス機能をサーバサイドシステム1010が有していなくとも、ステップS90に係り、所定の外部配信サービスサーバにアクセスして、視聴者数や視聴回数の統計、視聴者評価の統計のデータを取得する、としてもよい。この場合、当該ゲームにおけるユーザアカウントと外部配信サーバサービスのユーザアカウントが異なるユーザについては、別途、外部配信サーバサービスのユーザアカウントの登録を求めるものとする。
【符号の説明】
【0241】
2…ユーザ
5…登録コンテンツ
200s…サーバ処理部
220…登録制御部
230…判定部
232…参照コンテンツ選択部
240…新規登録制御部
242…関連付け制御部
244…承認要求制御部
246…評価受付制御部
250…認定条件設定部
252…特典付与制御部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
520…特典定義データ
521b…系譜位置条件
521d…差異条件
523…特典内容データ
530…新系譜認定条件初期設定データ
532…既存系譜認定条件初期設定データ
540…認定条件変更パターンデータ
600…UGC作成管理データ
610…UGCメタデータ
611…作成ユーザアカウント
617…変更基礎コンテンツID
620…UGC本体データ
624…能力パラメータ設定データ
640…判定対象コンテンツデータ
659…参照コンテンツID
660…登録コンテンツデータ
668…参照コンテンツIDリスト
670…系譜位置データ
680…系譜登録データ
687…系譜樹形図データ
1000…仮想空間サービスシステム
1010…サーバサイドシステム
1100G…サービス提供サーバシステム
1100U…登録サーバシステム
1500…ユーザ端末
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