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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140819
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/38 20060101AFI20241003BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20241003BHJP
   B32B 27/10 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B65D33/38
B65D65/40 D
B32B27/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052164
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】藤森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】味戸 恵理美
(72)【発明者】
【氏名】大鷹 愛
【テーマコード(参考)】
3E064
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E064AA04
3E064AA05
3E064AB25
3E064BA36
3E064BA55
3E064BA60
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC15
3E064BC18
3E064EA07
3E064EA12
3E064EA30
3E064FA04
3E064FA05
3E064GA01
3E064HD06
3E064HE02
3E064HG01
3E064HM01
3E064HN05
3E064HP01
3E064HP02
3E064HP04
3E064HS04
3E086AA23
3E086AC13
3E086AC15
3E086AD01
3E086AD08
3E086BA13
3E086BA14
3E086BA15
3E086BA24
3E086BA25
3E086BA29
3E086BB02
3E086BB05
3E086BB21
3E086BB23
3E086BB35
3E086BB51
3E086BB55
3E086BB62
3E086BB63
3E086BB85
3E086CA01
3E086CA28
3E086CA40
4F100AK04C
4F100AK42D
4F100AK46E
4F100AR00B
4F100AR00C
4F100BA03
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100CB00B
4F100DG10A
4F100GB15
4F100JL11B
4F100JL12C
(57)【要約】
【課題】包装袋の材料に紙が含まれていても、成型された注出口の流路が破れにくい包装袋を提供する。
【解決手段】注出口を有する包装袋であって、紙で構成された基材層、接着層、シーラント層を順に積層されたラミネート積層体を、前記シーラント層が内側になるように重ね合わせた一対のラミネート積層体と、前記ラミネート積層体の一部が成型された前記注出口の流路と、を有し、前記紙のTD方向の引張伸度が10%以上である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注出口を有する包装袋であって、
紙で構成された基材層、接着層、シーラント層を順に積層されたラミネート積層体を、前記シーラント層が内側になるように重ね合わせた一対のラミネート積層体と、
前記ラミネート積層体の一部が成型された前記注出口の流路と、を有し、
前記紙のTD方向の引張伸度が10%以上である、
包装袋。
【請求項2】
前記紙のMD方向の引張伸度が10%以上である、
請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記紙のMD方向の引張強度が130N/15mm以上である、
請求項1に記載の包装袋。
【請求項4】
前記流路の内径が5mm以上15mm以下である、
請求項1に記載の包装袋。
【請求項5】
前記流路内に、前記流路の一部を構成する筒状の補助部材が配置されている、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項6】
前記注出口の流路は、圧空成型またはプラグ成型により成型されている、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品、薬品、化粧品、洗剤等の各種の液体等を包装、収納するための包装袋として、樹脂フィルムを用いた包装袋がある。このような包装袋には、内容物の注ぎ出しを容易にするため注出口が設けられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、近年、プラスチック材料の使用量を削減する観点から、包装袋の材料として紙とフィルムを積層した包装材が用いられる(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3447752号公報
【特許文献2】特開2021-94751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
包装袋の注出口は、包装材を成型することでその流路が形成されるが、包装袋の材料に紙が含まれていると、成型時に注出口の流路が破れやすい。
【0006】
本発明の課題は、包装袋の材料に紙が含まれていても、成型された注出口の流路が破れにくい包装袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る包装袋は、注出口を有する包装袋であって、紙で構成された基材層、接着層、シーラント層を順に積層されたラミネート積層体を、前記シーラント層が内側になるように重ね合わせた一対のラミネート積層体と、前記ラミネート積層体の一部が成型された前記注出口の流路と、を有し、前記紙のTD方向の引張伸度が10%以上である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、包装袋の材料に紙が含まれていても、成型された注出口の流路が破れにくい包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】包装袋の正面図である。
図2】包装袋を構成するラミネート積層体の断面図である。
図3】包装袋の流路形成部(圧空成型体)の拡大図である。
図4】成型用の型(凸型)の平面図である。
図5図4のA-A線断面図である。
図6】成型用の型(凹型)の平面図である。
図7図6のB-B線断面図である。
図8】包装袋(比較例)の流路形成部(圧空成型体)の拡大図である。
図9】包装袋の流路形成部(プラグ成型体)の拡大図である。
図10】包装袋(比較例)の流路形成部(プラグ成型体)の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図において、各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
【0011】
また、本明細書において、直交などの方向には、実施形態の作用、効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。直交には、略直交が含まれてもよい。
【0012】
図1は、実施形態に係る包装袋の正面図である。図1において、包装袋1は、実施形態に係る包装袋の一例である。なお、包装袋1は、例えば、パウチ、二方袋、三方袋、ガゼット袋等の各種の形状を有するものでもよい。なお、包装袋1がスタンディングパウチ(自立型パウチともいう)であると、多くの内容物を充填することができる上、生産性が良好なものとなるので好ましい。
【0013】
包装袋1は、一対のラミネート積層体2、注出口14、及び流路15を有する。
【0014】
ラミネート積層体2は、図2に示すように、少なくとも基材層2A、接着層、シーラント層がこの順に積層されて構成されている。また、ラミネート積層体2には、その他に、印刷層、バリア層、アンカーコート層、蒸着層、金属箔、機能層、表面コート層等を積層し得る。
【0015】
基材層2Aは、紙製である。基材層2Aを構成する紙(以下、紙層という場合がある)は、植物繊維を膠着させたもの(パルプ)である。紙におけるパルプ組成は、限定されず、例えば、広葉樹パルプと針葉樹パルプの比が0:100~70:30であり、好ましくは広葉樹パルプに対して針葉樹パルプの比率がより多いパルプ組成である。また、パルプには、古紙パルプが用いられていても良い。
【0016】
紙層2Aの材質は、特に限定されないが、例えば、クラフト紙で形成することができる。ここで、クラフト紙は、クラフトパルプを原料とする紙であり、晒クラフト紙と未晒クラフト紙がある。なお、実施形態では、包装袋の伸びと強度を両立させる観点から、紙層2Aの材質は未晒クラフト紙が好ましい。
【0017】
紙層2Aの坪量は、限定されないが、例えば、10g/m以上300g/m以下であり、好ましくは30g/m以上250g/m以下、より好ましくは50g/m以上200g/m以下である。なお、坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準拠して測定される。
【0018】
紙層2Aの厚みは、限定されないが、例えば、20μm以上400μm以下であり、好ましくは50μm以上300μm以下、より好ましくは100μm以上200μm以下である。なお、厚みは、JIS P 8118(2014)の規定に準拠して測定される。
【0019】
紙層2Aの引張伸度は、紙層2Aを構成する紙のMD方向の引張伸度が10%以上であり、好ましくは11%以上、より好ましくは12%以上である。MD方向の引張伸度の上限は、限定されないが、実施可能な紙の引張伸度として50%以下である。本明細書において、MD方向は、紙を構成する繊維の流れ方向(機械方向)を示す。
【0020】
また、紙層2Aを構成する紙のTD方向の引張伸度は、10%以上であり、好ましくは11%以上、より好ましくは12%以上である。TD方向の引張伸度の上限は、限定されないが、実施可能な紙の引張伸度として50%以下である。本明細書において、TD方向は、MD方向と直交する方向を示す。なお、引張伸度は、JIS K7127(1999)の規定に準拠して測定される。
【0021】
紙層2Aの引張強度は、紙層2Aを構成する紙のMD方向の引張強度が130N/15mm以上であり、好ましくは135N/15mm以上、より好ましくは140N/15mm以上である。MD方向の引張強度の上限は、限定されないが、実施可能な紙の引張強度として300N/15mm以下である。
【0022】
紙層2Aの引張強度は、紙層2Aを構成する紙のTD方向の引張強度が55N/15mm以上であり、好ましくは60N/15mm以上、より好ましくは63N/15mm以上である。MD方向の引張強度の上限は、限定されないが、実施可能な紙の引張強度として300N/15mm以下である。なお、引張強度は、JIS K7127(1999)の規定に準拠して測定される。
【0023】
実施形態では、ラミネート積層体2における紙層2Aの比率は、例えば、30%以上であり、好ましくは40%以上、より好ましくは51%以上である。なお、ラミネート積層体2における紙層2Aの比率が高い程、環境負荷を抑制する観点から好ましい。
【0024】
基材層は、単層でも積層体でも良く、紙層2Aの他に樹脂層が積層されていてもよい。実施形態では、基材層は、紙層2Aの他に、樹脂層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)層2C、ポリアミド(PA)層2Eが、後述の接着剤層2B、2Dを間に挟んで積層されているが(図2)、これに限定されるものではない。
【0025】
基材層を構成し得る樹脂層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム、ポリアミド(PA)樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂フィルム、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリイミド(PI)樹脂フィルム等を使用し得る。これらの中でもポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム、ポリアミド(PA)樹脂フィルムを用いることが好ましい。
【0026】
また、植物由来原料を使用するポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムや、ポリアミド(PA)樹脂フィルム等を用いたり、リサイクルポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム等を使用すると、環境配慮の観点から好ましい。
【0027】
接着層は、例えば、ポリエチレン樹脂によるサンドイッチラミネート法や、接着剤を用いたドライラミネート法により形成可能である。また、それらの方法を併用しても良い。接着剤としては、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤等を使用し得る。
【0028】
接着層は、接着性の観点から、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤のいずれかを用いることが好ましく、特に、二液硬化型ウレタン系接着剤が好ましい。また、二液硬化型ウレタン系接着剤としては、植物性由来の成分を含むものを用いると環境配慮の観点から好ましい。
【0029】
接着層の態様は、特に限定されない。実施形態では、接着層が、接着剤層2B、接着剤層2D、および接着剤層2Fで構成されている。接着剤層2Bは、紙層2AとPET層2Cの間に積層され、接着剤層2Dは、PET層2CとPA層2Eの間に積層され、接着剤層2Fは、PA層2Eと後述するシーラント層2Gの間に積層されている。
【0030】
印刷層(図示せず)は、インキ材を基材層の表面に印刷塗布して形成される。これにより、包装袋の外観側から印刷層を視認可能となる。印刷層は、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とすることができる。
【0031】
印刷層は、さらに、任意に可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、さらに、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で十分に混練してインキ組成物を調製し、該インキ組成物によって形成することができる。
【0032】
また、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印刷方式を使用し、文字、図形、記号、模様等からなる所望の印刷模様を形成することができる。
【0033】
バリア層は、封入される内容物を水分や酸素に接触しないようにするために、包装袋に高い水蒸気バリア性、ガスバリア性を付与するものである。該バリア層としては、金属箔や、樹脂フィルムに金属または金属酸化物を蒸着した蒸着フィルムを使用し得る。金属箔としては、アルミニウム箔等を挙げることができ、その厚みを5μm以上20μm以下とすることができる。
【0034】
蒸着フィルムとしては、アルミニウムなどの金属蒸着層や、アルミナまたはシリカなどの無機蒸着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(VMPET)あるいは、アルミニウムなどの金属蒸着層や、アルミナまたはシリカなどの無機蒸着層を有するポリプロピレンフィルム(VMPP)等を用いることができる。
【0035】
アンカーコート層(図示せず)は、接着層の接着性を向上させるための薄膜層である。例えば、不飽和カルボン酸またはその無水物を含むポリオレフィン共重合樹脂を分散した水性分散液を、塗布、加熱乾燥して薄膜層として形成することができる。特に、ポリエチレン樹脂によるサンドイッチラミネート法でバリア層と基材層積層をする際には、バリア層に予めアンカーコート層を積層したものを用いることが好ましい。
【0036】
シーラント層2Gは、ポリオレフィン系樹脂からなるシーラントフィルムである。シーラント層2Gは、PA層2Eとの間に接着剤層2Fを挟んで積層されている。シーラント層となるポリオレフィン系樹脂層は、上述したアンカーコート層面に、ポリオレフィン系樹脂を押し出しコートする方法、または、ポリオレフィン系樹脂フィルムを同様なポリオレフィン系樹脂を用いて押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)する方法等で形成することができる。
【0037】
また、近年、環境対応への要望が高まっており、バイオマス由来の樹脂成分を含んだシーラント層を用いることも好ましい。なお、ここでいうバイオマス由来のポリオレフィン系樹脂とは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造されるポリオレフィン系樹脂のことであり、特に、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、マニオク等の植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを原料としたものを好適に用いられる。
【0038】
また、シーラント層2Gは、バイオマス由来のポリオレフィン系樹脂と石油由来のポリオレフィン系樹脂との混合物によって形成することもでき、それらのポリオレフィン系樹脂を単独で用いて形成することもできる。これらの中でも、バイオマス由来のポリオレフィン系樹脂を単独で用いて形成するのが環境配慮の観点からは好ましい。
【0039】
シーラント層2Gは、2つ以上の層で構成してもよい。この場合、シーラント層2Gは、包装袋を形成する際に包装袋の内側となる内側シーラント層と、中間シーラント層と、基材フィルムに接する層である基材側シーラント層とを順に積層してなる3層構造の積層フィルムを好適に用いられる。
【0040】
シーラント層2Gの厚みは、15μm以上300μm以下とすることができ、好ましくは25μm以上200μm以下である。
【0041】
バイオマス由来のオレフィン系樹脂を含んだシーラント層2Gと、他の層(基材層、印刷層、バリア層、アンカーコート層、表面コート層等)とを接着する場合の接着剤は、特に限定されない。なお、無溶剤系の接着剤は、揮発性有機化合物(VOC)の削減に繋がり、環境配慮の点で好ましい。
【0042】
また、上述のように、バイオマス由来のオレフィン系樹脂を含んだシーラント層(シーラントフィルム)と、他の層(基材層、印刷層、バリア層、アンカーコート層、表面コート層等)とを、無溶剤系の接着剤によって接着する場合には、無溶剤系の接着剤として、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含有した2液タイプのウレタン系接着剤を好適に用いられる。
【0043】
無溶剤系の2液タイプのウレタン系接着剤のポリイソシアネート成分としては、例えば、ポリイソシアネート単量体、ポリイソシアネート誘導体、ウレタンプレポリマー等を好適に用いられる。
【0044】
一方、ポリオール成分は、常温で結晶性を示す成分でなければ特に制限されず、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール等を好適に用いられる。また、ポリイソシアネート成分および/またはポリオール成分には、必要に応じて、シランカップリング剤やリンの酸素酸またはその誘導体を配合し得る。
【0045】
さらに、ポリイソシアネート成分および/またはポリオール成分には、必要に応じて、エポキシ樹脂、触媒、塗工性改良剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、可塑剤、界面活性剤、顔料、充填剤、有機または無機微粒子、防黴剤等の添加剤を配合し得る。
【0046】
包装袋1は、互いに平面形状が同一である一対のラミネート積層体2、2と、折り線3Aを中心にして2つ折りにされた底部フィルム3で構成されている。一対のラミネート積層体2、2は、上述のシーラント層2G、2Gが内側になるように重ね合わされることで、包装袋1が形成されている。
【0047】
底部フィルム3は、折り線3Aが内向きとなるように折り重ねられて一対のラミネート積層体2、2の下部間に形成されている。このように一対のラミネート積層体2、2と底部フィルム3とが重ねられ、充填口13を除いて、一対のラミネート積層体2、2の周縁がヒートシールされることで一体に形成されている。
【0048】
具体的には、包装袋1は、側端シール部1B、1Bと底部シール部1Aとを有している。側端シール部1B、1Bは、左右両側の側端がシールされて形成されている。底部シール部1Aは、各ラミネート積層体2、2の下部側と底部フィルム3とが互いに対向する対向面の下端縁部同士がシールされて形成されている。なお、図1では、シール部の範囲にハッチングを付してある。
【0049】
包装袋1の上側の隅部、すなわち側端シール部1Bと上辺14Eとの間には、一部が注出口14の流路15となる未シール部15Aが、包装袋1の斜め上方を向くように設けられている。なお、未シール部15Aのうち、流路15を除く部分は内容物が収容される空間1Cを構成する。
【0050】
注出口14は、包装袋1に設けられている。具体的には、注出口14は、包装袋1の開封後の流路15の両側を構成する流路形成シール部18A、18Bと、開封前の流路15を封止する流路封止シール部18Cと、開封中につまみとなるプルタブ16とが、一方の側端シール部1Bの上部から連続してラミネート積層体2、2同士をヒートシールすることにより形成されている。
【0051】
流路15は、注出口14の流路を構成する。流路15は、ラミネート積層体の一部が成型された一対のラミネート積層体2、2を、離間した流路形成シール部18A、18Bでシールすることによって形成されている。すなわち、注出口14の流路15は、一対のラミネート積層体2、2の一部がシールされる前に予め成型されている。
【0052】
一対のラミネート積層体2、2の一部を成型する態様は、特に限定されないが、注出口14の流路15は、例えば、圧空成型またはプラグ成型により成型し得る。本明細書において、圧空成型とは、成型対象となるシートを圧縮空気で加圧し、金型の形状を写し取る成型方法である。なお、圧空成型における加圧は、真空で行ってもよい。
【0053】
実施形態では、シート状のラミネート積層体2を、上側の型(凸型)30(図4図5)と下側の型(凹型)40(図6図7)とで挟みはさみ、圧力により凸型30を凹型40に密着させる。その後、空気を吹き込んで凸型30および凹型40から成型体を取り出す。
【0054】
凸型30は、基板31に凸部32が形成されている。凸部32の形状は、注出口14の流路15の形状に対応するように設計されている(図4)。また、凸型30は、凸部32の立ち上がり角度がθ1(約130°)、θ2(約130°)で、凸部32の頂部の角度θ3(約135°)、θ4(約135°)で、凸部32の頂部の高さH1が約4.5mmである(図5)。
【0055】
また、凹型40は、基板41に凹部42が形成されている。凹部42の形状は、注出口14の流路15の形状に対応し、凸型30の凸部32が入れ子になるように設計されている(図6)。また、凹型40は、凹部42の立ち上がり角度がθ5(約140°)、θ6(約140°)で、凸部32の頂部の深さH2が約7.5mmである(図7)。
【0056】
このように圧空成型された成型体は、注出口14の流路15の半分に対応する。このような成型体が設けられた一対のラミネート積層体2、2をシールすることで、一対のラミネート積層体2、2の一部で構成されたが形成される(図1図2)。
【0057】
このように成型された注出口14の流路15は、その内径が5mm以上15mm以下となり、好ましくは7mm以上13mm以下、より好ましくは9mm以上11mm以下となる。
【0058】
また、本明細書において、プラグ成型とは、成型対象となるシートを真空吸引して金型に均等に密着させ、同時に補助型のプラグを上から押さえつけて成型体を均一な厚さにする成型方法である。実施形態では、プラグ成型により、シート状のラミネート積層体2にエンボス60(凸エンボス62、凹エンボス61、63)が形成された成型体が得られる(図9)。
【0059】
実施形態では、図1に示すように、流路形成シール部18A、18Bが、注出口14を開封したときに、それぞれ流路15の両側部を区画している。すなわち、一方の流路形成シール部18Aと他方の流路形成シール部18Bとの間の未シール部15Aが流路15となる。
【0060】
実施形態では、流路15(未シール部15A)及び流路形成シール部18A、18B構成された部分(または領域)が流路形成部19を構成する(図3)。
【0061】
流路15内には、補助部材20が配置されていてもよい。補助部材20は、流路15の一部を構成する。補助部材20は、中央に流路を形成する内周面(図示せず)を有する筒状(またはストロー形状)の管で構成されている。また、補助部材20の形状は、このようなストロー形状に限定されず、円筒を縦に割った半ストロー形状であってもよい。
【0062】
補助部材20の寸法は、特に限定されない。例えば、補助部材20がストロー状の管である場合、補助部材20の長さは、5mm以上25mm以下であり、好ましくは10mm以上20mm以下である。補助部材20の内径は、2mm以上20mm以下であり、好ましくは3mm以上15mm以下である。補助部材20の外径は、3mm以上22mm以下であり、好ましくは4mm以上17mm以下である。補助部材20の外周の長さは、9mm以上70mm以下であり、好ましくは13mm以上53mm以下である。
【0063】
補助部材20の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン)製であり、バイオマス由来のポリオレフィン系樹脂を50%以上100%以下含んでもよい。補助部材20は、密度0.910kg/m以上0.960kg/m以下とすることができ、例えば、0.915kg/m以上0.940kg/m以下が好ましい。
【0064】
補助部材20は、ポイントシール9によって表裏の片方(表側)のラミネート積層体2の一部に部分的に熱溶着されて、固定されている。ポイントシール9は、補助部材20を一方のラミネート積層体2上に仮止めするシールである。
【0065】
実施形態では、補助部材20を介して重ね合わされたラミネート積層体2、2を上下方向から挟み込んで、加熱された後、冷却され、ラミネート積層体2、2の補助部材20が配置された流路形成部19の流路形成シール部18A、18Bがシールされる。
【0066】
なお、実施形態では、補助部材20の周方向に亘ってラミネート積層体2、2をヒートシールするのではなく、補助部材20の周方向における一部(ポイントシール9および流路形成シール部18A、18B)が部分的にヒートシールされる。これにより、補助部材20は、ラミネート積層体2、2との間に隙間が設けられるように固定される。
【0067】
また、流路15の先端部は、流路封止シール部18Cによって閉鎖されている。流路形成シール部18Bと他方の側端シール部1Bとの間は、充填口13として開口されており、この充填口13を通して、包装袋1内に内容物を充填(収納)することが可能である。なお、内容物の充填後は、充填口13の周縁において、ラミネート積層体2、2同士をヒートシールすることにより上部シール部13Aを形成し、充填口13を閉鎖する。
【0068】
また、注出口14には、開封を容易にするために、流路15となる未シール部15Aを横断するように、レーザーによって形成されたハーフカット溝等からなる第1切り抜き線17と、該第1切り抜き線17によって形成されたプルタブ(つまみ)16が設けられている。第1切り抜き線17は、注出口14を含む2枚のラミネート積層体2、2のそれぞれに設けることが好ましい。
【0069】
一方、流路15となる未シール部15Aの上方(上辺14Eとの間)のシール部には、開封を開始するための第1切り抜き線17が設けられている。また、流路15となる未シール部15Aの側方(側端シール部1Bとの間)のシール部には、未シール部15Aとの間に、所定幅の流路形成シール部18Aを残して切り取るための第2切り抜き線(図示せず)が設けられている。このような構成の包装袋1は、プルタブ16が開封案内線(図示せず)、第1切り抜き線17、第2切り抜き線(図示せず)に沿って切り取られることで、注出口14が開封される。
【0070】
包装袋1の寸法は特に限定されるものではないが、詰め替え用容器として好適な範囲としては、包装袋1の高さが100~500mm程度、包装袋1の幅(両側端シール部1B、1B間の最大幅)は70~300mm程度、内容物の充填量は50~5000cm程度である。内容物は、特に限定されるものではないが、液状物、粉体や顆粒体等の固体、あるいは粘稠体、液体等、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0071】
実施形態の包装袋1では、上述のように、ラミネート積層体2に紙が含まれていると、包装袋の製造時に流路形成シール部18A、18Bをシールする際に、紙が伸びにくいが、流路形成シール部18A、18B間に筒状の補助部材が配置されているため、流路形成シール部18A、18B間に形成される流路15の空間を確保することができる。そのため、実施形態では、流路15の空間が確保され、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも、内容物が注出しやすくなる。
【0072】
実施形態の包装袋1では、一対のシール部(流路形成シール部18A、18B)が対向する方向において、流路15の注出口14側の端部の幅が流路15の空間1C側の端部の幅よりも狭くなっている(図3)。
【0073】
なお、流路15の注出口14側の端部は、内容物が注出される流路15の先端側に位置する。また、流路15の空間1C側の端部は、内容物が収容される流路15の根元側に位置する。
【0074】
流路15の注出口14側の端部の幅は、特に限定されないが、例えば、6mm以上28mm以下、好ましくは7mm以上26mm以下、より好ましくは9mm以上24mm以下である。また、空間1C側の端部の幅は、特に限定されないが、例えば、10mm以上32mm以下であり、好ましくは11mm以上30mm以下、より好ましくは13mm以上28mm以下である。
【0075】
実施形態では、このように流路15の注出口14側の端部の幅が流路15の空間1C側の端部の幅よりも狭くなっていることで、包装袋1を構成するラミネート積層体2に紙が含まれている場合でも、包装袋1の製造時(流路15の形成時)に筒状の補助部材20が潰れにくくなる。そのため、実施形態では、流路15の空間が潰れにくく、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも内容物が注出しやすくなる。
【0076】
また、このような構成は、見方を変えると、流路15の空間1C側の端部の幅が流路15の注出口14側の端部の幅が広くなっている。そのため、包装袋1の内容物が収容された空間1Cから流路15に流れやすくなり、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも内容物がさらに注出しやすくなる。
【0077】
さらに、このような構成では、流路15の注出口側(流路15の先端)が絞られているため、流路15に配置された補助部材20が流路15の先端から飛び出しにくい。これにより、補助部材20を流路15内に安定した状態で配置することができる。
【0078】
実施形態の包装袋1では、流路15は、注出口14に向かって先細りとなる形状を有する。本明細書において、先細りとなる形状とは、テーパー形状を示す。すなわち、流路15は、空間1C側の端部から注出口14側の端部に向かって徐々に幅が狭くなっている(図3)。
【0079】
実施形態では、このように流路15が注出口14に向かって先細りとなる形状を有することで、包装袋1を構成するラミネート積層体2に紙が含まれている場合でも、包装袋1の製造時(流路15の形成時)に筒状の補助部材20がより潰れにくくなる。そのため、実施形態では、流路15の空間が確保され、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも、内容物が注出しやすくなる。
【0080】
実施形態の包装袋1では、流路形成シール部18A、18B(一対のシール部)及び流路15で構成された流路形成部19が、流路15が延びる第2方向に、注出口14側の端部と、空間1C側の端部と、を有する。そして、注出口14側の端部の幅が空間1C側の端部の幅よりも狭くなっている(図3)。
【0081】
なお、流路形成部19の注出口14側の端部は、内容物が注出される流路15の先端側に位置する。また、流路形成部19の空間1C側の端部は、内容物が収容される流路15の根元側に位置する。
【0082】
流路形成部19の注出口14側の端部の幅は、特に限定されないが、例えば、12mm以上34mm以下、好ましくは13mm以上32mm以下、より好ましくは15mm以上30mm以下である。また、流路形成部19の空間1C側の端部の幅は、特に限定されないが、例えば、16mm以上38mm以下であり、好ましくは17mm以上36mm以下、より好ましくは19mm以上34mm以下である。
【0083】
各シール部(流路形成シール部18A、18B)の幅Cは、特に限定されないが、例えば、2mm以上10mm以下であり、好ましくは2.5mm以上9mm以下であり、より好ましくは3mm以上8mm以下である。
【0084】
実施形態では、このように流路形成部19の注出口14側の端部の幅が流路形成部19の空間1C側の端部の幅よりも狭くなっていることで、包装袋1を構成するラミネート積層体2に紙が含まれている場合でも、流路15内に補助部材20が配置される空間を確保することができる。
【0085】
これにより、実施形態では、包装袋1の製造時(流路15の形成時)に、筒状の補助部材20を潰れにくくしながら、包装袋1が流路形成シール部18A、18Bで切れることを抑制することができる。そのため、実施形態では、流路15の空間を確保しながら、流路15の空間が潰れにくく、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも内容物が注出しやすくなる。
【0086】
実施形態の包装袋1では、流路形成部19が注出口14に向かって先細りとなる形状を有する。すなわち、流路形成部19は、空間1C側の端部から注出口14側の端部に向かって徐々に幅が狭くなっている(図1図3)。
【0087】
実施形態では、このように流路形成部19が注出口14に向かって先細りとなる形状を有することで、流路15内に補助部材20が配置される空間を確保することができる。
【0088】
これにより、実施形態では、包装袋1の製造時(流路15の形成時)に、筒状の補助部材20を潰れにくくしながら、包装袋1が流路形成シール部18A、18Bでさらに切れることを抑制することができる。そのため、実施形態では、流路15の空間を確保しながら、流路15の空間がさらに潰れにくくなり、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも内容物がさらに注出しやすくなる。
【0089】
本明細書において、補助部材20の外径は、流路15に配置される前の補助部材20の外径を示す。補助部材20の外径は、特に限定されないが、例えば、3mm以上22mm以下であり、好ましくは4mm以上17mm以下であり、より好ましくは5mm以上15mm以下である。
【0090】
実施形態では、上述のように、ラミネート積層体2を構成する紙のTD方向の引張伸度が10%以上であることで、成型時にラミネート積層体2中の紙が適度に伸びることができる。そのため、包装袋1の材料に紙が含まれていても、成型された注出口14の流路15が破れにくくなる。
【0091】
実施形態では、包装袋1を構成するラミネート積層体2に紙が含まれているため、プラスチックの使用削減に寄与することができる。そのため、実施形態によれば、環境負荷を低減する包装袋を提供することができる。
【0092】
また、実施形態では、上述のように、ラミネート積層体2を構成する紙のMD方向の引張伸度が10%以上であることで、MD方向の引張伸度はTD方向の引張伸度と同等である。そのため、実施形態によれば、ラミネート積層体2中の紙の方向に規制されることなく、ラミネート積層体2を成型することができる。
【0093】
また、実施形態では、上述のように、ラミネート積層体2を構成する紙のMD方向の引張強度が130N/15mm以上であることで、ラミネート積層体2が紙を含む場合でも、成型時にラミネート積層体2を伸びやすくしながら、ラミネート積層体2の強度を高くすることができる。そのため、包装袋1の材料に紙が含まれていても、成型された注出口14の流路15がさらに破れにくくなる。
【0094】
また、実施形態では、上述のように、注出口14の流路15の内径が5mm以上15mm以下であることで、流路15の空間が十分に確保され、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも、内容物が注出しやすくなる。
【0095】
なお、流路15の内径が5mm以上15mm以下であると、成型時のラミネート積層体の変形度が大きくなるため、紙を含むラミネート積層体は破れやすくなる。これに対して、実施形態では、成型時にラミネート積層体2が伸びるため、流路15の内径が5mm以上15mm以下であっても、注出口14の流路15は破れにくい。
【0096】
実施形態では、上述のように、注出口14の流路15が圧空成型またはプラグ成型で成型されることで、ラミネート積層体が紙を含む場合でも、ラミネート積層体の成型が容易である。
【0097】
なお、紙を含むラミネート積層体を圧空成型またはプラグ成型で成型すると、成型時にラミネート積層体に高い応力がかかるため、紙を含むラミネート積層体は破れやすくなる。これに対して、実施形態では、成型時にラミネート積層体2が伸びることで、注出口14の流路15を圧空成型またはプラグ成型で成型しても、注出口14の流路15は破れにくい。
【0098】
実施形態では、上述のように、流路内に流路の一部を構成する筒状の補助部材が配置されていると、ラミネート積層体の成型時にラミネート積層体にさらに高い応力がかかるため、紙を含むラミネート積層体はさらに破れやすくなる。これに対して、実施形態では、成型時にラミネート積層体2が伸びることで、流路内に流路の一部を構成する筒状の補助部材が配置されていても、注出口14の流路15は破れにくい。
【実施例0099】
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の試験により行った。
【0100】
[包装袋(試験体)]
図1に示すように、一対のラミネート積層体と底部フィルムとを重ね、充填口を除いて、一対のラミネート積層体の周縁をヒートシールして、注出口、流路、及び補助部材を有する包装袋(スタンディングパウチ)を作製した。ラミネート積層体には、上述の紙層、接着剤層、ポリエチレンテレフタレート(PET)層、接着剤層、ポリアミド(PA)層、接着剤層、シーラント層(ポリエチレン(PE)層)の順で積層されたものを用いた。底部フィルムには、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリアミド(PA)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルムを積層した3層フィルムを用いた。
【0101】
ラミネート積層体の紙層を除く各層の厚みの比率は、PET層/PA層/PE層が12μm/15μm/40μmとした。注出口14の流路15を構成するラミネート積層体およびラミネート積層体を、予め圧空成型およびプラグ成型した。補助部材20は、外径10.4mm、内径9mm、外周の長さ32.66mmのポリエチレン製のストローを用いた。
【0102】
[坪量]
紙層の坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準拠して測定した。
【0103】
[厚み]
紙層およびラミネート積層体の厚みは、JIS P 8118(2014)の規定に準拠して測定した。
【0104】
[引張伸度]
紙層の引張伸度は、JIS K7127(1999)の規定に準拠して測定した。
【0105】
[引張強度]
紙層の引張強度は、JIS K7127(1999)の規定に準拠して測定した。
【0106】
[包装袋の破れ]
包装袋(試験体)の注出口の流路における成型時の紙層の破れを確認した。
【0107】
[実施例1]
ラミネート積層体を構成する紙層に、材質A(坪量:100g/m、厚み:119μm、引張伸度:MD方向13.0%、TD方向12.2%、引張強度:MD方向147N/15mm、TD方向64.6N/15mm)の紙を用いた(表1)。包装袋(試験体)の注出口の流路を想定して、ラミネート積層体を成型した(表2)。実施例1では、紙の破れは確認されなかった(図3図9、表2参照)。
【0108】
[実施例2]
材質Aの坪量が150g/m、厚みが185μm、MD方向の引張伸度が13.2%、TD方向の引張伸度が13.2%、MD方向の引張強度が158N/15mm、TD方向の引張強度が158N/15mmである以外は、実施例1と同様にラミネート積層体を成型した(表1、表2)。実施例2では、紙の破れは確認されなかった(図3図9、表2参照)。
【0109】
[比較例1]
材質Aに代えて材質B(坪量:80g/m、厚み:98μm、引張伸度:MD方向2.5%、TD方向3.1%、引張強度:MD方向94N/15mm、TD方向53.2N/15mm)の紙を用いた以外は、実施例1と同様にラミネート積層体を成型した(表1、表2)。比較例1では、紙の破れTが確認された(図8図10、表2参照)。
【0110】
[比較例2]
材質Bの坪量が100g/m、厚みが122μm、MD方向の引張伸度が2.1%、TD方向の引張伸度が3.2%、MD方向の引張強度が113N/15mm、TD方向の引張強度が62.1N/15mmである以外は、比較例1と同様にラミネート積層体を成型した(表1、表2)。比較例2では、紙の破れTが確認された(図8図10、表2参照)。
【0111】
[比較例3]
材質Bの坪量が120g/m、厚みが140μm、MD方向の引張伸度が2.2%、TD方向の引張伸度が7.9%、MD方向の引張強度が129N/15mm、TD方向の引張強度が73.5N/15mmである以外は、比較例1と同様にラミネート積層体を成型した(表1、表2)。比較例3では、紙の破れTが確認された(図8図10、表2参照)。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】
表1、表2から、ラミネート積層体に含まれる紙のTD方向の引張伸度が10%以上であると、ラミネート積層体の一部が成型された注出口の流路は、破れにくいことが判った(実施例1、2)。
【0115】
一方、ラミネート積層体に含まれる紙のTD方向の引張伸度が10%未満であると、ラミネート積層体の一部が成型された注出口の流路は、破れやすいことが判った(比較例1~3)。
【0116】
以上に開示された実施形態は、例えば、以下の態様を含む。
(付記1)
注出口を有する包装袋であって、
紙で構成された基材層、接着層、シーラント層を順に積層されたラミネート積層体を、前記シーラント層が内側になるように重ね合わせた一対のラミネート積層体と、
前記ラミネート積層体の一部が成型された前記注出口の流路と、を有し、
前記紙のTD方向の引張伸度が10%以上である、
包装袋。
(付記2)
前記紙のMD方向の引張伸度が10%以上である、
付記1に記載の包装袋。
(付記3)
前記紙のMD方向の引張強度が130N/15mm以上である、
付記1または2に記載の包装袋。
(付記4)
前記流路の内径が5mm以上15mm以下である、
付記1乃至3の何れか一項に記載の包装袋。
(付記5)
前記流路内に、前記流路の一部を構成する筒状の補助部材が配置されている、
付記1乃至4のいずれか一項に記載の包装袋。
(付記6)
前記注出口の流路は、圧空成型またはプラグ成型により成型されている、
付記1乃至5のいずれか一項に記載の包装袋。
【0117】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0118】
1 包装袋
1A 底部シール部
1B 側端シール部
1C 空間
2 ラミネート積層体
2A 基材層(紙層)
2B 接着剤層
2C ポリエチレンテレフタレート(PET)層
2D 接着剤層
2E ポリアミド(PA)層
2F 接着剤層
2G シーラント層
3 底部フィルム
3A 折り線
9 ポイントシール
13 充填口
14 注出口
14E 上辺
15 流路
15A 未シール部
16 プルタブ
17 第1切り抜き線
18A 流路形成シール部
18B 流路形成シール部
18C 流路封止シール部
19 流路形成部
20 補助部材(ストロー)
20A 内周面
30 凸型
31 基板
32、33 凸部
θ1、θ2、θ3、θ4 角度
H1 高さ
40 凹型
41 基板
42、43 凹部
θ5、θ6 角度
H2 深さ
60、160 エンボス
61、63、161、163 凹エンボス
62、162 凸エンボス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10