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特開2024-141537分析システム、分析方法及び、コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141537
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】分析システム、分析方法及び、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053251
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000227009
【氏名又は名称】日清オイリオグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】守屋 ゆみ子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋介
(72)【発明者】
【氏名】横堀 友希
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 和子
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC24
5L050CC24
(57)【要約】
【課題】フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う新規な技術を提供すること。
【解決手段】フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う分析システム0であって、フライ油の劣化状態又は処理するまでの期間、及び、フライヤー3での消費電力量の関係を示す相関データを格納する記憶部と、フライヤーの消費電力量を取得する為の計測部4と、計測部4により得られたある期間の消費電力量及び相関データから、フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う分析処理部15と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う分析システムであって、
フライ油の劣化状態又は処理するまでの期間、及び、フライヤーでの消費電力量の関係を示す相関データを格納する記憶部と、
フライヤーの消費電力量を取得する為の計測部と、
前記計測部により得られたある期間の消費電力量及び前記相関データから、フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う分析処理部と、を有するシステム。
【請求項2】
前記記憶部は、更に、フライヤーの過去の消費電力量推移又は、フライヤーの調理スケジュールを格納しており、
前記分析処理部は、前記過去の消費電力量推移又は前記調理スケジュールから決定される今後の予測消費電力量推移と、前記計測部により得られたある期間の消費電力量と、前記相関データから、フライ油の処理時期を予測する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
更に、過去のフライヤーでの消費電力量と、前記劣化状態又は処理するまでの期間を受け付け、前記相関データを生成する相関データ処理部を有し、
前記分析処理部は、前記相関データ処理部がある期間の消費電力量から生成した相関データを用いた予測及び、別の期間の消費電力量から生成した相関データを用いた予測を比較して、一定以上差がある場合に通知処理又は、前記フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測に用いる相関データの更新を行う、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
更に、フライヤーに投入されたフライ品種を時刻と対応付けて記憶部に格納するフライ登録部を有し、
前記相関データは、フライ品種別に格納され、
前記計測部は、計測した前記消費電力量を時刻と対応付けて記憶部に格納し、
前記分析処理部は、フライ品種毎の消費電力量及び、フライ品種毎の相関データから判定及び/又は予測を行う、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
前記劣化状態は、フライ油の酸価、色、極性化合物量、泡立ち度合い、粘度、粘度上昇率、アニシジン価、ヨウ素価、発煙時の油温、揮発性成分量、揮発性成分組成及び風味、並びに該フライ油で調理した揚げ物の揮発性成分量、揮発性成分組成及び風味から選ばれる1つ又は2つ以上の劣化指標に基づき評価される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項6】
前記フライ油の処理時期が、油槽内の全フライ油を廃棄する時期、又は油槽内のフライ油に対する追加油を行う時期、又は油槽内のフライ油の一部を廃棄して追加油を行う時期である、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項7】
前記計測部は、前記消費電力量をフライヤー毎に格納し、
更に、取得した前記消費電力量に基づくフライヤーの消費電力量の推移、又はある期間の消費電力量と前記分析処理部が判定した劣化状態の組み合わせをフライヤー間で比較して、異常値があれば通知する通知部を有する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項8】
フライ油の劣化状態又は処理するまでの期間、及び、フライヤーでの消費電力量の関係を示す相関データを記憶部に格納するコンピュータが、フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う分析方法であって、
フライヤーの消費電力量を取得する計測工程と、
前記計測工程により得られたある期間の消費電力量及び前記相関データから、フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う分析工程と、を有する分析方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法を前記コンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う分析システム、分析方法及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
フライ油は調理を行うことで劣化する。そのため、揚げ物を調理、販売等する店舗においては、商品品質を維持する為に、適切な時期にフライヤー内のフライ油を交換等する必要がある。
【0003】
特許文献1には、電気フライヤー内のフライ油で揚げた揚げ物の種類及び種類別の揚げ個数を記録し、揚げ物の種類別に揚げ個数とフライ油の劣化度との関係を示す相関データに基づいてフライ油の劣化度を判定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2021/053992号公報
【0005】
しかしながら、同一品目の揚げだねであっても、例えば、揚げだねが倍の大きさであれば、実施的に倍の量(個数)を揚げたことになる。そのため、揚げだねがすべて均一な大きさではない場合、特許文献1の技術では、フライ時の負荷量(フライ量)を正確に算出できず、正確な劣化度を判定することができない。
【0006】
また、例えば、注文後に揚げ物を調理する店舗等では、揚げ作業が予め予測できないため、非フライ時の待機時間にもフライ油を加熱して温度を維持する場合がある。特許文献1の技術では、この待機時間の加熱による劣化を扱うことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う新規な技術を提供することを、解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う分析システムであって、フライ油の劣化状態又は処理するまでの期間、及び、フライヤーでの消費電力量の関係を示す相関データを格納する記憶部と、フライヤーの消費電力量を取得する為の計測部と、前記計測部により得られたある期間の消費電力量及び前記相関データから、フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う分析処理部と、を有する。
【0009】
このような構成とすることで、フライヤーでの消費電力量からフライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行うことができる。消費電力量を用いることにより、揚げだねの大きさ等のバラつきに応じて生じる温度低下や、待機状態における加熱による劣化も加味した分析を行うことができる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、更に、フライヤーの過去の消費電力量推移又は、フライヤーの調理スケジュールを格納しており、前記分析処理部は、前記過去の消費電力量推移又は前記調理スケジュールから決定される今後の予測消費電力量推移と、前記計測部により得られたある期間の消費電力量と、前記相関データから、フライ油の処理時期を予測する。
このような構成とすることで、フライ油に対する処理時期を予測できる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、更に、過去のフライヤーでの消費電力量と、前記劣化状態又は処理するまでの期間を受け付け、前記相関データを生成する相関データ処理部を有し、前記分析処理部は、前記相関データ処理部がある期間の消費電力量から生成した相関データを用いた予測及び、別の期間の消費電力量から生成した相関データを用いた予測を比較して、一定以上差がある場合に通知処理又は、前記フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測に用いる相関データの更新を行う。
このような構成とすることで、機材の故障などを把握できたり、オペレーションの変化に応じた相関データの更新等を行うことができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、更に、フライヤーに投入されたフライ品種を時刻と対応付けて記憶部に格納するフライ登録部を有し、前記相関データは、フライ品種別に格納され、前記計測部は、計測した前記消費電力量を時刻と対応付けて記憶部に格納し、前記分析処理部は、フライ品種毎の消費電力量及び、フライ品種毎の相関データから判定及び/又は予測を行う。
このような構成とすることで、フライ品種を加味して、分析を行うことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記劣化状態は、フライ油の酸価、色、極性化合物量、泡立ち度合い、粘度、粘度上昇率、アニシジン価、ヨウ素価、発煙時の油温、揮発性成分量、揮発性成分組成及び風味、並びに該フライ油で調理した揚げ物の揮発性成分量、揮発性成分組成及び風味から選ばれる1つ又は2つ以上の劣化指標に基づき評価される。
このような構成とすることで、より精度よく分析を行うことができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記フライ油の処理時期が、油槽内の全フライ油を廃棄する時期、又は油槽内のフライ油に対する追加油を行う時期、又は油槽内のフライ油の一部を廃棄して追加油を行う時期である。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記計測部は、前記消費電力量をフライヤー毎に格納し、更に、取得した前記消費電力量に基づくフライヤーの消費電力量の推移、又はある期間の消費電力量と前記分析処理部が判定した劣化状態の組み合わせをフライヤー間で比較して、異常値があれば通知する通知部を有する。
このような構成とすることで、フライヤー間(例えば店舗間)で比較を行うことができ、例えば機材の故障等の異常を把握することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図。
図2】一実施の形態のシステムのハードウェア構成図。
図3】一実施の形態のシステムの機能ブロック図。
図4】一実施の形態のシステムにおけるデータ構成図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0019】
例えば、本実施形態では、フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う分析システムの構成、動作等について説明するが、システムが実行する方法、方法をコンピュータ装置に実行させるコンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。
【0020】
<1.システム構成>
図1は、一実施の形態の分析システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、分析システム0は、分析装置1、データベース2、店舗STに配置された電気フライヤーであるフライヤー3、計測部4、店舗端末5及び、撮像部6を備える。分析装置1及びデータベース2は通信可能に構成され、分析装置1並びに、計測部4、店舗端末5及び撮像部6はネットワークNWを介して通信可能に構成されてもよい。なお、計測部4及び撮像部6は、店舗端末5や図示しない中継装置等を含んでいてもよく、これらを介してネットワークNWと接続されてもよい。また、分析装置1、データベース2、店舗STに配置された電気フライヤーであるフライヤー3、計測部4、店舗端末5及び、撮像部6は、ネットワークNWを介さずに通信可能に構成されてもよく、さらに、分析装置1、データベース2、店舗STに配置された電気フライヤーであるフライヤー3、計測部4、店舗端末5及び、撮像部6のいずれか、1つ以上が、ネットワークNWを介して通信可能に構成されてもよい。また、複数の店舗STがあってもよく、店舗STに配置されたフライヤー3,計測部4、店舗端末5、及び撮像部6も複数あってもよい。
【0021】
分析装置1やデータベース2として、汎用のサーバやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置10(コンピュータ装置)を1又は複数利用することができる。なお、前述の店舗端末5として用いられる端末装置9は、前述の分析装置1やデータベース2として用いられる情報処理装置10と兼用することもできる。ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類、ネットワークの種類等にも制限はない。
【0022】
店舗端末5として、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末等の端末装置9(コンピュータ装置)を利用することができる。店舗端末5は、本実施形態では、図示しないプログラム提供装置よりダウンロードした店舗アプリケーションをインストールした端末装置9であり、このアプリケーションを介して分析装置1への情報の送信等を行うものとする。例えば、店舗アプリケーションは、端末装置9に事前にインストールされたウェブブラウザアプリケーション等を介して利用可能なウェブアプリケーションであってもよい。
【0023】
<1.1.ハードウェア構成>
図2は、端末装置9及び情報処理装置10のハードウェア構成図である。図2(a)に示すように、端末装置9(店舗端末5)は、処理部901、記憶部902、通信部903、入力部904及び出力部905を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0024】
処理部901は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSやプログラム等を実行する。
記憶部902は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS、店舗アプリケーションプログラム等を記録可能な、HDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部903は、ネットワークNWに物理的に接続するためのインタフェースを有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
入力部904は、タッチパネルやキーボードなどの入力処理が可能な操作入力デバイス、マイクなどの音声入力が可能な音声入力デバイス等を有する。
出力部905は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイス、スピーカなどの音声出力デバイスを有する。
【0025】
図2(b)に示すように、情報処理装置10(分析装置1、データベース2)は、処理部101、記憶部102、及び通信部103を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0026】
処理部101は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSやプログラムを実行する。
記憶部102は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS、判定/予測プログラム(分析装置1)やDBMS(データベース2)等を記録可能な、HDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部103は、ネットワークNWに物理的に接続するためのインタフェースを有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
【0027】
<1.2.分析システム0の機能構成>
図3は、分析システム0の機能ブロック図である。図3に示すように、分析装置1は、消費電力登録部11と、フライ油情報登録部12と、フライ情報登録部13と、相関データ処理部14と、分析処理部15と、調理スケジュール登録部16と、通知部17とを有する。これは、ソフトウェア(記憶部102等に一過的又は非一過的に記憶されたプログラム)による情報処理が、ハードウェア(処理部101等)によって具体的に実現されたものである。なお、分析装置1は、各機能構成要素の一部又は全部を有する1又は複数のコンピュータにより構成される。データベース2は、これらコンピュータにより構成されてもよいし、これらとは別のコンピュータにより構成されてもよい。
【0028】
<1.3.データベース2>
データベース2は、消費電力情報21と、フライ情報22と、フライ油情報23と、調理スケジュール情報24と、相関データ情報25と、を格納する。
【0029】
<1.4.消費電力の取得>
計測部4は、店舗STに配置され、フライヤー3や油槽内のフライ油に係るデータ計測に用いられる1又は複数の計測装置を含む。本実施形態では、計測部4は、電力計測器41と、劣化指標計測器42と、を備える。
計測情報は、単位時間毎の消費電力量である。なお、本発明において、消費電力量は、消費電力量に相関するパラメータに置き換えることができるものも消費電力量とする。例えば、消費電力量に相当するものとして、計測部4が計測した単位時間毎の電流値及び電圧値が挙げられる。
電力計測器41は、単位時間毎のフライヤー3の計測情報を取得し、取得時期(例えば、取得日又は取得日時)と紐付けて、分析装置1に送信する。なお、電力計測器41は、単位時間毎のフライヤー3のヒーター部の計測情報を取得するものであってもよい。消費電力登録部11は、計測部4を介して取得した計測情報を、消費電力情報21としてデータベース2に格納する。なお、フライヤー3及び/又は店舗STが複数の場合は、消費電力登録部11は、消費電力情報21をフライヤー3及び/又は店舗STと紐づけてデータベース2に格納する。計測情報は、計測部4が計測した単位時間毎の電流値及び電圧値又は、単位時間毎の消費電力量等である。
【0030】
図4(a)は、データベース2に格納された消費電力情報21の一例を示す図である。消費電力情報21は、店舗STにおけるフライヤー3での消費電力量推移を示す情報である。なお、店舗STが一店舗のみであれば、店舗IDの情報は無くてもよい。本実施形態では、消費電力情報21として、取得時期と対応付けられた単位時間当たりの消費電力量を格納しており、取得時期を基に、任意期間に属する単位時間毎の消費電力量を積算することで、フライヤー3において任意期間に消費された消費電力量である累積消費電力量を得ることができる。なお、分析装置1が、後述の処理サイクル等の任意期間の累積消費電力量を求め、消費電力登録部11は、累積消費電力量を該期間と対応付けて、消費電力情報21として格納してもよい。又は、計測部4、即ち、電力計測器41又は、電力計測器41から計測部4を受け取った店舗端末5や図示しない中継装置が、後述の処理サイクル等の任意期間の累積消費電力量を求めて分析装置1に送信し、消費電力登録部11は、累積消費電力量を該期間と対応付けて、消費電力情報21として格納してもよい。
【0031】
分析処理部15は、過去の消費電力量推移から、将来の消費電力量推移を推定することができる。また、分析処理部15は、後述する将来の調理スケジュールから、将来の消費電力量推移を推定することができる。消費電力量推移は、期間と消費電力量の関係を示すデータであり、例えば、フライヤー3及び/又は店舗STにおいて計測されたある期間の消費電力量を積算して単位期間で割ることで得られる、フライヤー3及び/又は店舗ST別の単位期間当たりの平均の消費電力量である。
【0032】
フライヤー3の消費電力量を分析することで、フライヤー3での調理期間と待機期間を区別することができる。例えば、揚げだねがフライヤー3に投入されると、フライ油の油温が大きく低下する。そのため、フライヤー3のフィードバック制御で目的油温になる様に加熱が行われる。或いは、待機期間から調理を開始する為に、加熱を行うこともある。また、待機期間においても、調理期間の加熱より少ないものの、フライヤー3の待機期間の設定温度に応じて加熱を行うため(待機期間の設定温度と消費電力量の間にも相関がある)、調理期間の消費電力量より少ない消費電力量となる。従って、劣化指標計測器42が単位時間毎に油温を計測している場合には、油温の変化に基づいて揚げだねの投入日時を把握することができる。或いは、油温の上昇と消費電力量は関連する為、取得した消費電力量推移の中で消費電力量が多い期間を調理期間とし、消費電力量が多い期間の開始時間は油温を上昇させた(つまり、調理の開始時期)と把握し、消費電力量が多い期間の終了時間を調理の終了時期と把握してもよい。また、調理期間が定まってるフライ品種の場合、油温が急に上昇又は下降した日時や消費電力量が多い時間の開始時間に対して、所定の調理時間(例えば5分等、フライ品種毎に設定されてもよい)を加算することで、調理期間を把握できる。また、調理期間外に消費電力量が計測された期間は、待機期間となる。
【0033】
<1.5.劣化指標の取得>
フライ油の劣化状態を示す指標として、劣化指標を取得する。なお、劣化指標の取得は、フライ油の劣化状態と前述のフライヤー3での消費電力量の関係を示す相関データを作成又は更新するため行い、相関データの作成又は更新の必要がなければ、行わなくてもよい。劣化指標を取得する第1の方法として、劣化指標計測器42は、フライヤー3の劣化指標情報を取得し、劣化指標計測器42又は、劣化指標情報を受け取った分析装置1(フライ油情報登録部12)において、フライヤー3の劣化指標情報と取得時期(例えば、取得日又は取得日時)を紐付けしてフライ油情報23とする。なお、フライヤー3及び/又は店舗STが複数の場合は、劣化指標計測器42又は分析装置1(フライ油情報登録部12)は、劣化指標情報、取得時期(例えば、取得日又は取得日時)、及び、フライヤー3及び/又は店舗STと紐づけして、フライ油情報23とする。
【0034】
フライ油情報登録部12は、フライ油に係る情報であるフライ油情報23をデータベース2に格納する。本実施形態では、フライ油情報登録部12は、劣化指標計測器42を介して取得した劣化指標情報をフライ油情報23としてデータベース2に格納する。なお、計測部4は、異なる劣化指標情報を計測可能な複数の劣化指標計測器42を同一店舗ST内に配置し、フライ油情報登録部12は、複数の劣化指標情報をフライ油情報23としてデータベース2に格納可能に構成されてもよい。
【0035】
フライ油情報23は、フライ油の劣化指標情報、及び/又は、後述のフライ油の処理サイクル情報と、を含む。図4(a)は、データベース2に格納された劣化指標情報の一例を示す図である。図示例では、劣化指標が単位時間毎に取得され、格納されたものとする。劣化指標情報とは、例えば、フライ油の酸化値や粘度、アニシジン価、ヨウ素価等の劣化指標そのものであったり、油温等の劣化指標を求める為のパラメータである。フライ油情報登録部12は、このパラメータを受け取り、他の情報と組み合わせる等して劣化指標を算出し、フライ油情報23をデータベース2に格納してもよい。
【0036】
なお、劣化指標を取得する第2の方法として、店舗STのスタッフが店舗端末5を介して、劣化指標情報を登録可能に構成してもよい。スタッフは、店舗端末5に表示された図示しない登録画面を介して、劣化指標及びその取得時期を入力し、分析装置1に送信してもよい。
また、劣化指標を取得する第3の方法として、劣化指標情報は、後述するフライヤー画像を介して検出され、フライ油情報23として登録されてもよい。
【0037】
<1.6.処理サイクルの取得>
フライ油に対する処理が行われてから次の処理が行われるまでの期間を処理サイクルとする。本実施形態では、処理サイクル情報によって処理サイクルが示される。処理とは、フライ油の劣化状態を改善する行為であり、処理が行われたことは、劣化状態が一定のライン(度合)を超えた為に、劣化状態を所定のライン(度合)に戻したことを意味する。即ち、処理サイクルは、フライ油の劣化状態を示す指標として機能する。例えば、油槽内の全フライ油を廃棄し、新たなフライ油と交換する行為(以降「廃油」とする)を処理とする。なお、廃油の処理サイクルの前に、フライ油に対する追加油を行う行為(以降「差し油」)や、油槽内のフライ油の一部を廃棄して追加油を行う行為(以降「一部廃油」とする)を処理とする処理サイクルを行ってもよい。これら処理の種別を示す情報が、更に処理サイクル情報に含まれていてもよい。
【0038】
図4(b)は、データベース2に格納された処理サイクル情報の一例を示す図である。処理サイクル情報は、処理サイクルの開始時期(例えば、開始日又は開始日時)、終了時期(例えば、終了日又は終了日時)、処理種別を有する。なお、フライヤー3及び/又は店舗STが複数の場合は、処理サイクル情報は、フライヤー3及び/又は店舗STの識別情報と対応付けられる。図示例では、処理種別として、「廃油(廃棄)」や「廃油(追加)」等が登録され、「廃油(追加)」された時期(日時)を開始日時、「廃油(廃棄)」された時期(日時)を終了日時として、1回の処理サイクルが登録されるものとする。同様に、「廃油(追加)」や「一部廃油(追加)」、「追加油」がされた時期(日時)を開始日時、「廃油(廃棄)」や「一部廃油(廃棄)」がされた時期(日時)を終了日時とする。例えば、処理種別として「廃油」が登録された時期を現在の処理サイクルの終了時期と、新たな処理サイクルの開始時期としてもよい。なお、店舗STにおける処理の種別が1種類(例えば「廃油」のみの場合)は、処理種別まで登録される必要はなく、処理を行った旨の情報が登録されればよい。
【0039】
処理サイクルを取得する第1の方法として、例えば、フライ油情報登録部12は、店舗STのスタッフが店舗端末5を介して、上述の処理のタイミングを受け付け、処理サイクル情報を登録する。より詳細には、フライ油情報登録部12は、店舗端末5を介して、処理を行った旨の情報(処理種別の登録を含む)と、店舗STの識別情報、登録日時等を受け付け、処理サイクル情報(フライ油情報23)をデータベース2に格納する。
なお、処理サイクルを取得する第2の方法として、フライ油情報登録部12は、後述するフライヤー画像を介して検出された処理タイミングに基づいて、処理サイクル情報を登録してもよい。
【0040】
処理サイクル中には、調理を行った調理期間と、非調理期間が含まれる。非調理期間には、調理時と同じ油温、若しくは、調理時よりも低い油温を維持する待機期間が含まれ得る。
【0041】
<1.7.フライ品種の取得>
撮像部6は、フライヤー3の油槽及びフライ品を撮像可能に店舗STに設置された1又は複数の撮像装置を備え、フライヤー画像を撮像して、フライヤー画像の取得時期(例えば、取得日又は取得日時)と紐付けて分析装置1に送信する。本実施形態ではフライヤー画像は静止画像とするが、動画であってもよい。撮像部6は、フライヤー画像を単位時間毎に撮像する。
【0042】
フライ情報登録部13は、フライヤー3で調理されたフライ品種を調理時期(調理日又は調理日時)と対応付けて、フライ情報22として、データベース2に格納する。なお、フライヤー3及び/又は店舗STが複数の場合は、フライ情報登録部13は、フライ情報22をフライヤー3及び/又は店舗STと紐づけてデータベース2に格納する。好ましくは、フライ情報登録部13は、更に調理されるフライ品の数量を含むフライ情報22をデータベース2に格納する。
【0043】
フライ品種を取得する第1の方法として、フライ情報登録部13は、撮像部6を介して取得したフライヤー画像を画像解析して、調理されるフライ品種を特定する。そして、フライヤー画像の取得時期を調理時期として、フライ品種を含むフライ情報22をデータベース2に格納する。また、フライ情報登録部13は、数量を含むフライ情報22をデータベース2に格納してもよく、第1の方法では、フライ品種毎の数量をフライヤー画像に対する画像解析により特定してもよい。ここで、画像解析は任意の手法で実施することができ、例えば、セグメンテーション及び分類を行った過去のフライヤー画像を用いて学習処理を行った畳み込みニューラルネットワーク(CNN)や再帰型ニューラルネットワーク(RNN)等を用いて行われる。
なお、フライ品種を取得する第2の方法として、フライ情報登録部13は、後述するように、フライ品の調理スケジュールに基づいて、調理時期及びフライ品種を含むフライ情報22、又は、調理時期、フライ品種及び数量を含むフライ情報22をデータベース2に格納してもよい。
【0044】
フライヤー3での調理期間と待機期間は、前述のフライヤー3の消費電力量を分析する方法の他、撮像部6を介して取得したフライヤー画像を画像解析により、区別することができる。好ましくは、フライ情報登録部13は、フライヤー3での調理期間と待機期間が区別できるように、調理期間及び/又は待機期間を、フライ情報22としてデータベース2に格納する。なお、フライヤー3及び/又は店舗STが複数の場合は、フライ情報登録部13は、フライ情報22をフライヤー3及び/又は店舗STと紐づけてデータベース2に格納する。
【0045】
フライ油情報登録部12は、撮像部6を介して取得したフライヤー画像を画像解析して、フライ油に対する処理タイミングを特定し、処理サイクル情報をデータベース2に格納してもよい。この時、フライ油情報登録部12は、受け取ったフライヤー画像を画像解析してフライ油に対する処理の有無(処理を行った旨の情報に相当)を少なくとも判別し、処理サイクル情報をデータベース2に格納する。好ましくは、フライ油情報登録部12は、撮像部6を介して取得したフライヤー画像を画像解析して処理種別を判別し、処理種別を含む処理サイクル情報をデータベース2に格納する。なお、フライヤー3及び/又は店舗STが複数の場合は、フライ情報登録部13は、処理サイクル情報をフライヤー3及び/又は店舗STと紐づけてデータベース2に格納する。
【0046】
上述の通り、画像解析は任意の手法で実施することができる。より具体的には、例えば、処理に際して利用される特定の機材がフライヤー画像中に検出された場合や、特定のセグメントが特定の順番や位置関係で1又は経時的な複数のフライヤー画像中に出現した場合等に、処理の有無、処理種別が行われたことが判断され得る。
【0047】
また、フライ油情報登録部12は、受け取ったフライヤー画像を画像解析して、フライ油の劣化指標情報を取得してもよい。例えば、フライ油情報登録部12は、フライヤー画像からフライ油の色やフライ油の泡立ち度合い等の劣化指標及び/又は、発煙時期等のパラメータを取得する。フライ油情報登録部12は、計測部4や撮像部6を介して取得した複数のパラメータを用いて劣化指標を決定してもよい。例えば、フライヤー画像から取得した発煙時期及び計測部4から受け取った油温を組み合わせて、劣化指標である発煙時の油温を取得することができる。
【0048】
なお、店舗STに配置される撮像部6は、異なる方向からフライヤー3の油槽及びフライ品を撮影可能な複数の撮像装置を含んでもよい。撮像部6は、同じフライヤー画像をフライ油情報登録部12及びフライ情報登録部13に受け渡しても良いし、異なるフライヤー画像をフライ油情報登録部12及びフライ情報登録部13に受け渡してもよい。
【0049】
<1.8.調理スケジュールの取得>
調理スケジュール登録部16は、フライヤー3で調理されるフライの調理スケジュールの登録を受け付け、調理スケジュール情報24としてデータベース2に格納する。なお、フライヤー3及び/又は店舗STが複数の場合は、調理スケジュール登録部16は、調理スケジュール情報24をフライヤー3及び/又は店舗STと紐づけてデータベース2に格納する。フライ情報登録部13は、調理スケジュールにおいて調理時期(例えば、調理日又は調理日時)をフライ情報22としてもよく、また、同調理時期と対応付けられたフライ品種若しくは、フライ品種及び数量を含めて、フライ情報22としてもよい。
【0050】
図4(c)は、データベース2に格納された調理スケジュール情報24及びフライ情報22の一例を示す図である。調理スケジュールは、調理日時(調理の開始日時や、開始日時及び終了日時等)を含む調理スケジュール情報24として登録される。なお、調理スケジュールは、フライ品の調理前に登録された将来の調理スケジュールであっても良いし、調理に際して随時登録されるものであっても良いし、調理後に登録されるものであってもよい。店舗STのスタッフが、店舗端末5を介して調理スケジュールを登録する。スタッフは、店舗端末5に表示された図示しない登録画面を介して、調理スケジュールを入力し、分析装置1に送信する。
【0051】
後述の通り、調理スケジュールを用いて将来のフライ油の劣化判定を行う場合には、将来の調理スケジュールは、フライ油の処理が発生するであろう期間以上に、例えば、少なくとも、フライ油の処理が発生するであろう当日中、翌日又は翌々日までの調理スケジュールを含むことが好ましい。登録される調理スケジュールが将来の調理スケジュールを含まない場合、調理スケジュール登録部16は、これまで調理されたフライ品の数量、若しくは、数量及び品種と、調理日時から、将来の調理スケジュールを予測してもよい。
【0052】
<2.取得したデータに基づく分析>
次いで、取得したこれらのデータに基づく分析について説明する。計測された消費電力量は、フライ油の温度変化量に相関があり、即ち、フライ品の調理量と相関がある。一方、劣化状態は、1又は複数の劣化指標に基づいて評価できる。例えば、1又は複数の劣化指標が閾値を超えたか否かを評価したり、劣化指標を用いて得られる評価値を算出することで、劣化状態を評価することもできる。また、処理サイクルは、劣化指標が一定のレベルに達して行われるため、処理サイクルが終了したとすれば、劣化状態が一定限度を超えたことを意味する。
【0053】
<2.1.相関データの算出>
まず、相関データ処理部14を用いて、フライ油の劣化状態又は処理するまでの期間、及び、フライヤー3での消費電力量の関係を示す相関データを求める。例えば、フライ油の劣化状態では、フライ油の劣化状態と累積消費電力の関係を表にしたもの、あるいは近似式を求めて相関データとしてもよい。処理するまでの期間の場合は、処理サイクルの期間を基に相関データを求めればよく、例えば、「廃油」の処理サイクル中に劣化度が0から100に変化したとする場合に、処理サイクルの期間中に計測された累積消費電力量の逆数から得られる単位消費電力量あたりの劣化度を、相関データとすることができる。この時、調理期間と待機期間が区別できる場合は、それらの割合に基づいて、単位消費電力量あたりの劣化度に期間毎の重みを持たせてもよい。処理サイクル開始時の劣化度は、処理種別によって決定することができる。
【0054】
例えば、劣化指標が単位時間毎に登録されている場合、相関データ処理部14は、特定品種のフライ品が調理された期間を所定期間として、その期間の開始時~終了時までに変化した劣化指標の値やその間の累積消費電力量を用いて、相関データを求めてもよい。例えば、劣化指標が任意の時点で随時登録される場合、相関データ処理部14は、劣化指標が2回登録されるまでの期間の長さ(時間)、消費電力量、劣化指標の変化量を入力することで、相関データを算出してもよい。
【0055】
相関データ処理部14は、フライヤー3での消費電力量と、その時の劣化状態又は処理サイクルの期間を受け付け、相関データとして、推定モデルのパラメータ算出を行ってもよい。推定モデルのパラメータは、フライ油の劣化状態又は処理するまでの期間、及び、フライヤー3での消費電力量の関係を示す相関データである。推定モデルは、例えば、単回帰モデルや重回帰モデル等の統計分析モデルや、多層パーセプトロン、ニューラルネットワーク等の機械学習モデルを含むことができる。例えば、推定モデルは、フライ品種毎の数量、消費電力量等を入力することで、劣化度(例えば、0~100%)を出力する。複数品目の消費電力量をそれぞれ入力することで、分析処理部15は、これらの出力値をそのまま、或いは、加工して、フライヤー3及び/又は店舗STの分析を行うことができる。相関データ処理部14は、フライヤー3毎及び/又は店舗ST毎のデータを用いて、フライヤー3毎及び/又は店舗ST毎の相関データを求めるものとするが、複数の店舗STの消費電力量等のデータを統合して相関データを求めるようにしてもよい。また、相関データ処理部14は、フライヤー画像又はフライヤー画像から得られた特徴量等のフライヤー画像情報を劣化指標として入力し、相関データを生成してもよい。異なるフライ品種を調理する場合には、フライ品種毎に推定モデルを用意したり、単位消費電力量あたりの劣化度にフライ品種別の重みを持たせる等、フライ品種毎に相関データを用意することもできる。
【0056】
<2.2.分析処理>
分析処理部15は、計測部4により得られたある期間の消費電力量及び相関データから、フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測を行う。本実施形態では、分析処理部15は、分析モデルからの出力値である劣化度をそのまま、劣化状態の評価値としてもよい。
【0057】
<2.3.フライ油の劣化状態判定>
分析処理部15は、処理サイクル情報から処理サイクルの開始時期を求め、その処理サイクル内(開始時期以降)に計測された単位時間毎の消費電力量を累積した累積消費電力量と相関データから、フライ油の劣化度を判定する。ここで、累積消費電力量や相関データがフライ品種毎に用意可能な場合、フライ品種毎の相関データを、フライ品種毎の累積消費電力量に適用して、劣化状態を算出してもよい。なお、劣化状態判断は、処理サイクルの終了となる累積消費電力量の閾値に達したかどうかの判断であってよい。
【0058】
<2.4.フライ油の処理時期予測>
分析処理部15は過去の消費電力量推移又は調理スケジュールから決定される今後の予測消費電力量推移に基づいて、処理時期予測を行う。本実施形態では、分析処理部15は、過去の消費電力量推移又は将来の調理スケジュールから推定した、将来の消費電力量推移を用いて、フライ油に対する処理時期の予測を行う。例えば、分析処理部15は、処理サイクル情報から処理サイクルの開始時期を求め、その処理サイクル内(開始時期以降)に計測された消費電力量を累積した累積消費電力量と相関データから、現在のフライ油の劣化度を判定すると共に、将来の消費電力量推移から劣化度の推移を求めて、劣化度が閾値に到達する(例えば、劣化度が100%に到達する)時期を算出する。
【0059】
<2.5.相関データの更新、通知>
相関データ処理部14は、最新の1又は複数の処理サイクルに属する消費電力量に基づいて、相関データを生成する。分析処理部15は、相関データ処理部14がある期間の消費電力量から生成した相関データを用いた予測及び、別の期間の消費電力量から生成した相関データを用いた予測を比較して、一定以上差がある場合に通知処理又は、フライ油の劣化状態判定及び/又は処理時期予測に用いる相関データの更新を行う。分析処理部15は、通知処理として、通知部17に対して通知要求を行い、通知部17は通知を行う。
【0060】
通知部17は、分析処理部15からの通知要求を受け付けると、店舗STに対して通知を行う。通知は、例えば、店舗端末5に送信され、表示等によってユーザに対して行われる。メールアドレスや電話番号等が店舗STと紐付けて登録される場合には、メッセージに送信を行うようにしてもよい。
【0061】
また、分析処理部15は、消費電力量推移や相関データを2つ又は3つ以上の店舗ST間で比較し、異常値があれば通知処理する。なお、店舗ST毎に、フライヤー3の油槽の大きさを示す情報を記憶部に記憶しておき、この大きさを示す情報に基づいて、比較を行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明によれば、フライヤーにおける消費電力量とフライ油の劣化状態の関係を示す相関データを得ることができ、相関データに基づいてフライ油の劣化状態や処理時期の予測を行うことができる。
【符号の説明】
【0063】
0 :分析システム
1 :分析装置
11 :消費電力登録部
12 :フライ油情報登録部
13 :フライ情報登録部
14 :相関データ処理部
15 :分析処理部
16 :調理スケジュール登録部
17 :通知部
2 :データベース
3 :フライヤー
4 :計測部
41 :電力計測器
42 :劣化指標計測器
5 :店舗端末
6 :撮像部
9 :端末装置
901 :処理部
902 :記憶部
903 :通信部
904 :入力部
905 :出力部
10 :情報処理装置
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
NW :ネットワーク
ST :店舗
図1
図2
図3
図4